JP2004073418A - 歯科用治療ユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】身障者や老人等が歯科治療椅子に乗降する時に掴まる手摺部材の移動を治療椅子の駆動と連動して自動的に行うようにして、術者やの負担を軽くする。
【解決手段】起倒,上下動,傾動等が可能な歯科用治療椅子1のいずれか一方の側方前部に回動可能に立設された垂直部201と水平部202とを有する手摺部材20を有し、該手摺部材20は、水平部202が治療椅子1の側方内側に斜め前方向に延長する第1の位置(Aの位置)と、前記治療椅子の側方外側に斜め前方向に延長する第2の位置(Bの位置)との間で回動可能となっている。この前記手摺部材20は、患者が治療椅子1に乗る時は、Aの位置にあって、患者は、この手摺部材20に掴まって治療椅子に座ることができる。その後、歯科治療椅子1を予め設定された治療位置に駆動するメモリスイッチを押すと、治療椅子1はBの位置に自動的に回動され、その後に、治療位置に自動的に駆動される。
【選択図】 図1
【解決手段】起倒,上下動,傾動等が可能な歯科用治療椅子1のいずれか一方の側方前部に回動可能に立設された垂直部201と水平部202とを有する手摺部材20を有し、該手摺部材20は、水平部202が治療椅子1の側方内側に斜め前方向に延長する第1の位置(Aの位置)と、前記治療椅子の側方外側に斜め前方向に延長する第2の位置(Bの位置)との間で回動可能となっている。この前記手摺部材20は、患者が治療椅子1に乗る時は、Aの位置にあって、患者は、この手摺部材20に掴まって治療椅子に座ることができる。その後、歯科治療椅子1を予め設定された治療位置に駆動するメモリスイッチを押すと、治療椅子1はBの位置に自動的に回動され、その後に、治療位置に自動的に駆動される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、歯科用治療ユニット、より詳細には、身障者,老人等が歯科治療椅子に乗降する際に、身体を安全に支えることのできる手摺部材を備えた歯科用治療ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
図2は、本発明が適用される歯科用治療ユニットの一例を示す全体構成図で、図中、10は歯科用治療ユニットで、該歯科治療ユニット10は、治療椅子1(1aは安頭台、1bはバックレスト、1cはコンターシート、1dはレッグレスト、1eはフットレストから成る),ワークテーブル2,スピットン3,無影灯4,インスツルメントホルダー5,フットスイッチ6,アシスタント用インスツルメントホルダー7等から成り、インスツルメントホルダー5には、歯科治療において術者が使用する種々のインスツルメント8が収納されており、周知のように、歯科治療に当たり、患者は椅子1に座り、頭を安頭台1aに固定して治療を受ける。治療中、術者は治療椅子1を上下動,起倒,傾斜動等させて、患者を治療しやすい姿勢にして治療を行う。
【0003】
上述のごとき歯科用治療ユニットにおいて、患者は、自力で治療椅子1に乗降しなければならないが、その際、身障者,老人等は、まわりに身体を支えるものがないため、非常に不安定で、危険であった。
そのため本出願人は、先に、身障者や老人等が安定に乗降できるようにした歯科治療ユニットを提供した。
【0004】
図3は、本出願人が先に提案した歯科用治療ユニットの一例を説明するための要部概略斜視図、図4はその平面図で、図中、1は歯科治療椅子、3はスピットンで、これらは、図2において説明したように、従来より周知のものであり、スピットン3は、治療椅子1と一体(チェアマウント)でもよいし、別体でもよい。20は手摺部材で、該手摺部材20は、垂直部201と水平部202とにより形成されており、垂直部201は、治療椅子1のいずれか一方(スピットンが配設されている側)の側部にチェアマウントで回動可能に立設されている。
【0005】
手摺部材20は、図2は図3において、実線にて示す第1の位置、すなわち、手摺部材20の水平部202が治療椅子1の側方内側に斜め前方に延長する位置A1又は治療椅子1の側方で該治療椅子1と平行に延長する位置A2と、破線にて示す第2の位置、すなわち、治療椅子1の側方外側に斜め前方向に延長する位置Bとの間で回転可能であり、かつ、前記第1及び第2の位置で回動不可にロックされるようになっている。
【0006】
従って、患者が、治療椅子1に乗降する時は、治療椅子1のフットレスト部1eを、図2又は図3に示すように、下した状態にし、この状態で、手摺部材20の水平部202を図2又は図3の実線位置(A1又はA2の位置)に固定する。患者は、この状態で、手摺部材20の水平部202に掴まって、簡単にかつ安全にフットステップ1eの上に乗り、次いで、手摺部材20の水平部202に掴まりながらコンターシート1cの上に座ることができる。その後、術者は治療椅子1を起倒,上下動,傾斜動等させて患者を治療状態にするが、その前に、術者又はアシスタントは、手動で手摺部材20を上方に引き上げてロックを解き、矢印S方向に回動して、鎖線にて示す第2の位置Bまで移動し、この第2の位置Bにロックする。治療終了後に、矢印R方向に回動して、再度手摺部材の水平部202を第1の位置A1又はA2に戻し、患者が該手摺部材に掴まって下りるようにし、患者が下りやすいようにする。
【0007】
なお、手摺部材20の治療椅子1と平行した位置A2は、車椅子に乗った患者が治療椅子1に乗る時に設定される位置で、手摺部材20をこのA2の位置にした状態で、車椅子の足置きをフットステップ1eの上まで乗り上げ、その状態で車椅子の足置きを開き、患者は手摺部材20の水平部202に掴まりながら、フットステップ1eの上に降り、次いで、手摺に掴まりながら治療椅子1に腰かける。治療椅子から車椅子に乗る時は、前記の逆の手順による。
【0008】
上述のように、図2および図3に示した歯科用治療ユニットは、車椅子を使わない老人,身障者等、或いは、車椅子に乗った老人,身障者等が安心してかつ容易に乗り降りできる手摺を備えた歯科療椅子を備えたものであるが、歯科治療中、手摺部材の水平部202が第1の位置にあると、治療中、治療椅子を倒した時(寝状態にした時)等に、患者の足が治療椅子のレッグレスト1d、或いは、フットレスト1eからはみ出しているような場合、患者の足が治療椅子のレッグレスト或いはフットレストと手摺部材20の水平部202との間に挟まってしまい危険である。そのため、手摺部材20が第1の位置A1又はA2にある時は、バックレストの寝動作,コンターシートの寝動作を禁止し(手摺部材20は、椅子と一体であるので、椅子の上下動とは関係ない)、第2の位置Bにある時のみ動作可能としている。
【0009】
図5は、前述のごとき歯科治療椅子の上下動,起倒,傾動等を行うための操作スイッチの一例を説明するための図で、該操作スイッチ30は、歯科治療椅子1を予め設定された治療位置にするためのメモリスイッチ31,歯科治療椅子1を種々の治療位置状態にする状態調整スイッチ32(32a,32b,32c),歯科治療椅子1を患者が椅子に乗る前の基準位置(リターン位置)状態にするオートスイッチ(リターンスイッチ)33等を有し、
(1)歯科治療椅子1がリターン位置、すなわち患者が治療椅子に乗る前の基準位置状態にある時に、メモリスイッチ31を押すと、椅子はメモリポジションつまり治療位置に移動する。なお、治療後、椅子は必ずリターン位置に戻され、このリターン位置においては患者は椅子より降りるので、治療前は、椅子はこのリターン位置にあり、患者は、椅子に乗ると、まず、このリターン位置にて椅子に腰かけ、治療を開始するに先だって、術者又はアシスタントがメモリスイッチ31を押すと、椅子はメモリポジションになる(このメモリポジションは、治療ポジションで、予めメモリに記憶されており、椅子は自動的にこのメモリポジションになる)。
【0010】
(2)椅子1がメモリポジション(治療位置状態)にある時に、メモリスイッチ31を押すと、椅子はうがい位置になり(シートの高さはそのままで、バックチルトが戻り)、うがいできる状態になる(オート動作)。
【0011】
(3)うがい位置状態にある時に、メモリスイッチ31を押すとメモリポジションへ移動する(オート動作)。従って、その後、該スイッチ31を押すとうがい位置へ戻り、次いで、該スイッチ31を押すと再度メモリポジションへ戻り、このように、該スイッチ31を押すごとに、メモリポジション(治療位置)とうがい位置の間で移動する。
【0012】
(4)歯科治療椅子1がメモリポジションにある時に、状態調整スイッチ32により椅子1を起倒,上下動,傾動等させて椅子1の状態を調整して最も治療しやすい状態にして治療を行い、治療後、メモリスイッチ31を押すと、椅子はうがい位置に移動する。
(5)うがい後、メモリスイッチ31を押すと、今度は、(4)で調整した調整後の位置へ移動し、以降、メモリスイッチ31を押すごとに、前記(2)と(3)の関係と同様、調整後のメモリポジションとうがい位置との間で移動する。
【0013】
なお、図5において、状態調整スイッチ32は椅子の状態を変更するためのスイッチで、32a、32a′はバックレストの起倒、32b、32b′はコンターシートの昇降、32c、32c′はレッグレストの昇降を行うためのスイッチで、椅子がホームポジションにある時に、これらのスイッチにより、椅子の状態を所望の状態に変えて治療を行い、治療後、メモリスイッチ31を押すと、椅子は、前述のように、うがい位置に戻り、再度スイッチ31を押すと、変更後のつまり調整後の位置に戻る。また、33はリターンスイッチで、治療終了後、このスイッチ33を押すと、椅子は、初期状態(基準状態)に戻り、患者は椅子より降りることができる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が適用される歯科治療椅子は、図3及び図4に示したように、手摺部材を有し、身障者や老人等が安全に乗降できるものであるが、該手摺部材の第1の位置(A1又はA2の位置)への移動、及び、第2の位置(Bの位置)への移動を術者又はアシスタントが手動で行っており、特に、患者が手摺部材20を使って椅子に座った後に、該手摺部材20を第2の位置(Bの位置)まで戻さなければ、歯科治療椅子1を動かすことができず、使い勝手が悪かった。
【0015】
本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたもので、前記手摺部材20の移動を歯科治療椅子1の駆動と連動して自動的に行うようにして、術者やアシスタントの負担を軽くしたものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は、起倒,上下動,傾動等が可能な歯科用治療椅子と、該治療椅子のいずれか一方の側方前部に回動可能に立設させた垂直部と水平部とを有する手摺部材とから成り、該手摺部材は、前記水平部が前記治療椅子の側方に平行に又は側方内側に斜め前方向に延長する第1の位置と、前記治療椅子の側方外側に斜め前方向に延長する第2の位置との間で回動可能な歯科用治療ユニットにおいて、前記手摺部材は、前記歯科治療椅子を予め設定された治療位置に駆動するメモリスイッチが押された時に、前記第2の位置に自動的に回動され、その後に、前記歯科治療椅子が前記治療位置に駆動されることを特徴としたものである。
【0017】
更に、前記手摺部材は、前記歯科治療椅子を患者が乗り降りする位置に駆動するリターンスイッチを押した時に、前記第1の位置に自動的に回動されることを特徴としたものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明による歯科治療椅子の一実施例を説明するための要部概略構成図で、図中、1は歯科治療椅子,20は手摺部材で、歯科治療椅子1は、前述のように、メモリスイッチ31により治療位置(メモリポジション)にしたり、オート(リターン)スイッチ33によりリターン位置(患者が治療椅子1に乗る前の基準位置)にしたり、椅子の状態を変更する状態調整スイッチ32により椅子の状態を治療しやすい状態に変更したりすることが可能であり、手摺部材20は、前述のように、患者が治療椅子1へ乗る時或いは治療椅子1から降りる時の手助けになる第1の位置(Aの位置)と、歯科治療中における治療椅子1の起倒に邪魔にならない第2の位置(Bの位置)との間で移動(回動)可能になっている。
【0019】
前記手摺部材20は、前述の従来技術においては、第1の位置(A1又はA2の位置)及び第2の位置(Bの位置)にロック可能で、第1の位置(A1又はA2の位置)から第2の位置(Bの位置)への移動、或いは、第2の位置(Bの位置)から第1の位置(A1又はA2の位置)への移動は、術者又はアシスタントが手動で行っており、その操作が面倒であった。
【0020】
本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたもので、前記手摺部材20の移動(回動)をモータ駆動又は油圧又はエアー駆動など、動力を用いて行うようにするとともに、その移動(回転)を前述のメモリスイッチ、リターンスイッチを用いて効果的に行えるようにしたものである。なお、図1においては、説明を簡明にするために、図3、図4において示したA2位置(車椅子の患者の場合)に関しては省略してある。今、歯科治療椅子1がリターン位置すなわち患者が治療椅子1に乗った時の基準位置(第1の位置=A)にある時(患者は既に椅子1に座っている)、メモリスイッチ31を押すと、手摺部材20は第1の位置(Aの位置)から第2の位置(Bの位置)まで自動的に移動し、該第2の位置(Bの位置)にロックされ、その後、治療椅子1は治療位置状態に移動される。また、歯科治療が終って、リターンスイッチ33を押すと、治療椅子1は患者が椅子に乗る前の基準位置状態に戻るが、この時、治療椅子1の移動に先立って、手摺部材20が第2の位置(Bの位置)から第1の位置(Aの位置)まで自動的に移動し、該第1の位置(Aの位置)にロックされ、その後、治療椅子1はリターン位置すなわち前記基準位置状態に戻る。従って、患者は、手摺部材20に掴まって降りることが出来、安心して降りることができる。
【0021】
なお、手摺部材20が、前述のようにして自動で動いている際に、該手摺部材20がキャビネットやドクターチェア等、周囲にあるものに当った場合は、手摺部材20に取り付けられているセンサ例えば圧電スイッチ21等が作動して、該手摺部材20の運動を急停止する。また、手摺部材20が動く時は、ブザー音、メロディ音等を流して、手摺部材20が動いていることを知らせる等する。
【0022】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によると、身障者や老人等が安全に乗り降りでき、しかも、術者やアシスタントに対して負担の少ない、使い勝手のよい歯科治療ユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された歯科治療ユニットの一実施例を説明するための要部概略構成図である。
【図2】本発明が適用される歯科治療ユニットの一例を説明するための要部全体構成図である。
【図3】本出願人が先に提案した歯科治療椅子の一例を説明するための要部斜視図である。
【図4】図3に示した歯科治療椅子の平面図である。
【図5】歯科治療椅子を操作するスイッチ構成の一例を説明するための図である。
【符号の説明】
1…歯科治療椅子、10…歯科治療ユニット、20…手摺部材、30…椅子操作スイッチ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、歯科用治療ユニット、より詳細には、身障者,老人等が歯科治療椅子に乗降する際に、身体を安全に支えることのできる手摺部材を備えた歯科用治療ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
図2は、本発明が適用される歯科用治療ユニットの一例を示す全体構成図で、図中、10は歯科用治療ユニットで、該歯科治療ユニット10は、治療椅子1(1aは安頭台、1bはバックレスト、1cはコンターシート、1dはレッグレスト、1eはフットレストから成る),ワークテーブル2,スピットン3,無影灯4,インスツルメントホルダー5,フットスイッチ6,アシスタント用インスツルメントホルダー7等から成り、インスツルメントホルダー5には、歯科治療において術者が使用する種々のインスツルメント8が収納されており、周知のように、歯科治療に当たり、患者は椅子1に座り、頭を安頭台1aに固定して治療を受ける。治療中、術者は治療椅子1を上下動,起倒,傾斜動等させて、患者を治療しやすい姿勢にして治療を行う。
【0003】
上述のごとき歯科用治療ユニットにおいて、患者は、自力で治療椅子1に乗降しなければならないが、その際、身障者,老人等は、まわりに身体を支えるものがないため、非常に不安定で、危険であった。
そのため本出願人は、先に、身障者や老人等が安定に乗降できるようにした歯科治療ユニットを提供した。
【0004】
図3は、本出願人が先に提案した歯科用治療ユニットの一例を説明するための要部概略斜視図、図4はその平面図で、図中、1は歯科治療椅子、3はスピットンで、これらは、図2において説明したように、従来より周知のものであり、スピットン3は、治療椅子1と一体(チェアマウント)でもよいし、別体でもよい。20は手摺部材で、該手摺部材20は、垂直部201と水平部202とにより形成されており、垂直部201は、治療椅子1のいずれか一方(スピットンが配設されている側)の側部にチェアマウントで回動可能に立設されている。
【0005】
手摺部材20は、図2は図3において、実線にて示す第1の位置、すなわち、手摺部材20の水平部202が治療椅子1の側方内側に斜め前方に延長する位置A1又は治療椅子1の側方で該治療椅子1と平行に延長する位置A2と、破線にて示す第2の位置、すなわち、治療椅子1の側方外側に斜め前方向に延長する位置Bとの間で回転可能であり、かつ、前記第1及び第2の位置で回動不可にロックされるようになっている。
【0006】
従って、患者が、治療椅子1に乗降する時は、治療椅子1のフットレスト部1eを、図2又は図3に示すように、下した状態にし、この状態で、手摺部材20の水平部202を図2又は図3の実線位置(A1又はA2の位置)に固定する。患者は、この状態で、手摺部材20の水平部202に掴まって、簡単にかつ安全にフットステップ1eの上に乗り、次いで、手摺部材20の水平部202に掴まりながらコンターシート1cの上に座ることができる。その後、術者は治療椅子1を起倒,上下動,傾斜動等させて患者を治療状態にするが、その前に、術者又はアシスタントは、手動で手摺部材20を上方に引き上げてロックを解き、矢印S方向に回動して、鎖線にて示す第2の位置Bまで移動し、この第2の位置Bにロックする。治療終了後に、矢印R方向に回動して、再度手摺部材の水平部202を第1の位置A1又はA2に戻し、患者が該手摺部材に掴まって下りるようにし、患者が下りやすいようにする。
【0007】
なお、手摺部材20の治療椅子1と平行した位置A2は、車椅子に乗った患者が治療椅子1に乗る時に設定される位置で、手摺部材20をこのA2の位置にした状態で、車椅子の足置きをフットステップ1eの上まで乗り上げ、その状態で車椅子の足置きを開き、患者は手摺部材20の水平部202に掴まりながら、フットステップ1eの上に降り、次いで、手摺に掴まりながら治療椅子1に腰かける。治療椅子から車椅子に乗る時は、前記の逆の手順による。
【0008】
上述のように、図2および図3に示した歯科用治療ユニットは、車椅子を使わない老人,身障者等、或いは、車椅子に乗った老人,身障者等が安心してかつ容易に乗り降りできる手摺を備えた歯科療椅子を備えたものであるが、歯科治療中、手摺部材の水平部202が第1の位置にあると、治療中、治療椅子を倒した時(寝状態にした時)等に、患者の足が治療椅子のレッグレスト1d、或いは、フットレスト1eからはみ出しているような場合、患者の足が治療椅子のレッグレスト或いはフットレストと手摺部材20の水平部202との間に挟まってしまい危険である。そのため、手摺部材20が第1の位置A1又はA2にある時は、バックレストの寝動作,コンターシートの寝動作を禁止し(手摺部材20は、椅子と一体であるので、椅子の上下動とは関係ない)、第2の位置Bにある時のみ動作可能としている。
【0009】
図5は、前述のごとき歯科治療椅子の上下動,起倒,傾動等を行うための操作スイッチの一例を説明するための図で、該操作スイッチ30は、歯科治療椅子1を予め設定された治療位置にするためのメモリスイッチ31,歯科治療椅子1を種々の治療位置状態にする状態調整スイッチ32(32a,32b,32c),歯科治療椅子1を患者が椅子に乗る前の基準位置(リターン位置)状態にするオートスイッチ(リターンスイッチ)33等を有し、
(1)歯科治療椅子1がリターン位置、すなわち患者が治療椅子に乗る前の基準位置状態にある時に、メモリスイッチ31を押すと、椅子はメモリポジションつまり治療位置に移動する。なお、治療後、椅子は必ずリターン位置に戻され、このリターン位置においては患者は椅子より降りるので、治療前は、椅子はこのリターン位置にあり、患者は、椅子に乗ると、まず、このリターン位置にて椅子に腰かけ、治療を開始するに先だって、術者又はアシスタントがメモリスイッチ31を押すと、椅子はメモリポジションになる(このメモリポジションは、治療ポジションで、予めメモリに記憶されており、椅子は自動的にこのメモリポジションになる)。
【0010】
(2)椅子1がメモリポジション(治療位置状態)にある時に、メモリスイッチ31を押すと、椅子はうがい位置になり(シートの高さはそのままで、バックチルトが戻り)、うがいできる状態になる(オート動作)。
【0011】
(3)うがい位置状態にある時に、メモリスイッチ31を押すとメモリポジションへ移動する(オート動作)。従って、その後、該スイッチ31を押すとうがい位置へ戻り、次いで、該スイッチ31を押すと再度メモリポジションへ戻り、このように、該スイッチ31を押すごとに、メモリポジション(治療位置)とうがい位置の間で移動する。
【0012】
(4)歯科治療椅子1がメモリポジションにある時に、状態調整スイッチ32により椅子1を起倒,上下動,傾動等させて椅子1の状態を調整して最も治療しやすい状態にして治療を行い、治療後、メモリスイッチ31を押すと、椅子はうがい位置に移動する。
(5)うがい後、メモリスイッチ31を押すと、今度は、(4)で調整した調整後の位置へ移動し、以降、メモリスイッチ31を押すごとに、前記(2)と(3)の関係と同様、調整後のメモリポジションとうがい位置との間で移動する。
【0013】
なお、図5において、状態調整スイッチ32は椅子の状態を変更するためのスイッチで、32a、32a′はバックレストの起倒、32b、32b′はコンターシートの昇降、32c、32c′はレッグレストの昇降を行うためのスイッチで、椅子がホームポジションにある時に、これらのスイッチにより、椅子の状態を所望の状態に変えて治療を行い、治療後、メモリスイッチ31を押すと、椅子は、前述のように、うがい位置に戻り、再度スイッチ31を押すと、変更後のつまり調整後の位置に戻る。また、33はリターンスイッチで、治療終了後、このスイッチ33を押すと、椅子は、初期状態(基準状態)に戻り、患者は椅子より降りることができる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が適用される歯科治療椅子は、図3及び図4に示したように、手摺部材を有し、身障者や老人等が安全に乗降できるものであるが、該手摺部材の第1の位置(A1又はA2の位置)への移動、及び、第2の位置(Bの位置)への移動を術者又はアシスタントが手動で行っており、特に、患者が手摺部材20を使って椅子に座った後に、該手摺部材20を第2の位置(Bの位置)まで戻さなければ、歯科治療椅子1を動かすことができず、使い勝手が悪かった。
【0015】
本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたもので、前記手摺部材20の移動を歯科治療椅子1の駆動と連動して自動的に行うようにして、術者やアシスタントの負担を軽くしたものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は、起倒,上下動,傾動等が可能な歯科用治療椅子と、該治療椅子のいずれか一方の側方前部に回動可能に立設させた垂直部と水平部とを有する手摺部材とから成り、該手摺部材は、前記水平部が前記治療椅子の側方に平行に又は側方内側に斜め前方向に延長する第1の位置と、前記治療椅子の側方外側に斜め前方向に延長する第2の位置との間で回動可能な歯科用治療ユニットにおいて、前記手摺部材は、前記歯科治療椅子を予め設定された治療位置に駆動するメモリスイッチが押された時に、前記第2の位置に自動的に回動され、その後に、前記歯科治療椅子が前記治療位置に駆動されることを特徴としたものである。
【0017】
更に、前記手摺部材は、前記歯科治療椅子を患者が乗り降りする位置に駆動するリターンスイッチを押した時に、前記第1の位置に自動的に回動されることを特徴としたものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明による歯科治療椅子の一実施例を説明するための要部概略構成図で、図中、1は歯科治療椅子,20は手摺部材で、歯科治療椅子1は、前述のように、メモリスイッチ31により治療位置(メモリポジション)にしたり、オート(リターン)スイッチ33によりリターン位置(患者が治療椅子1に乗る前の基準位置)にしたり、椅子の状態を変更する状態調整スイッチ32により椅子の状態を治療しやすい状態に変更したりすることが可能であり、手摺部材20は、前述のように、患者が治療椅子1へ乗る時或いは治療椅子1から降りる時の手助けになる第1の位置(Aの位置)と、歯科治療中における治療椅子1の起倒に邪魔にならない第2の位置(Bの位置)との間で移動(回動)可能になっている。
【0019】
前記手摺部材20は、前述の従来技術においては、第1の位置(A1又はA2の位置)及び第2の位置(Bの位置)にロック可能で、第1の位置(A1又はA2の位置)から第2の位置(Bの位置)への移動、或いは、第2の位置(Bの位置)から第1の位置(A1又はA2の位置)への移動は、術者又はアシスタントが手動で行っており、その操作が面倒であった。
【0020】
本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたもので、前記手摺部材20の移動(回動)をモータ駆動又は油圧又はエアー駆動など、動力を用いて行うようにするとともに、その移動(回転)を前述のメモリスイッチ、リターンスイッチを用いて効果的に行えるようにしたものである。なお、図1においては、説明を簡明にするために、図3、図4において示したA2位置(車椅子の患者の場合)に関しては省略してある。今、歯科治療椅子1がリターン位置すなわち患者が治療椅子1に乗った時の基準位置(第1の位置=A)にある時(患者は既に椅子1に座っている)、メモリスイッチ31を押すと、手摺部材20は第1の位置(Aの位置)から第2の位置(Bの位置)まで自動的に移動し、該第2の位置(Bの位置)にロックされ、その後、治療椅子1は治療位置状態に移動される。また、歯科治療が終って、リターンスイッチ33を押すと、治療椅子1は患者が椅子に乗る前の基準位置状態に戻るが、この時、治療椅子1の移動に先立って、手摺部材20が第2の位置(Bの位置)から第1の位置(Aの位置)まで自動的に移動し、該第1の位置(Aの位置)にロックされ、その後、治療椅子1はリターン位置すなわち前記基準位置状態に戻る。従って、患者は、手摺部材20に掴まって降りることが出来、安心して降りることができる。
【0021】
なお、手摺部材20が、前述のようにして自動で動いている際に、該手摺部材20がキャビネットやドクターチェア等、周囲にあるものに当った場合は、手摺部材20に取り付けられているセンサ例えば圧電スイッチ21等が作動して、該手摺部材20の運動を急停止する。また、手摺部材20が動く時は、ブザー音、メロディ音等を流して、手摺部材20が動いていることを知らせる等する。
【0022】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によると、身障者や老人等が安全に乗り降りでき、しかも、術者やアシスタントに対して負担の少ない、使い勝手のよい歯科治療ユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された歯科治療ユニットの一実施例を説明するための要部概略構成図である。
【図2】本発明が適用される歯科治療ユニットの一例を説明するための要部全体構成図である。
【図3】本出願人が先に提案した歯科治療椅子の一例を説明するための要部斜視図である。
【図4】図3に示した歯科治療椅子の平面図である。
【図5】歯科治療椅子を操作するスイッチ構成の一例を説明するための図である。
【符号の説明】
1…歯科治療椅子、10…歯科治療ユニット、20…手摺部材、30…椅子操作スイッチ。
Claims (2)
- 起倒,上下動,傾動等が可能な歯科用治療椅子と、該治療椅子のいずれか一方の側方前部に回動可能に立設された垂直部と水平部とを有する手摺部材とから成り、該手摺部材は、前記水平部が前記治療椅子の側方に平行に又は側方内側に斜め前方向に延長する第1の位置と、前記治療椅子の側方外側に斜め前方向に延長する第2の位置との間で回動可能な歯科用治療ユニットにおいて、前記手摺部材は、前記歯科治療椅子を予め設定された治療位置に駆動するメモリスイッチが押された時に、前記第2の位置に自動的に回動され、その後に、前記歯科治療椅子が前記治療位置に駆動されることを特徴とする歯科治療ユニット。
- 前記手摺部材は、前記歯科治療椅子を患者が乗り降りする位置に駆動するリターンスイッチを押した時に、前記第1の位置に自動的に回動されることを特徴とする請求項1に記載の歯科治療ユニット。
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