JP2004072518A - 増幅器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】バイアス電圧がベースに印加されたエミッタ接地型の増幅トランジスタ1と、互いに直列に接続されたスイッチ手段4a及び給電抵抗4bから構成され、電源電圧を増幅トランジスタ1のコレクタに供給する給電回路4とを備え、給電回路4と増幅トランジスタ1のコレクタとの接続点とベースとの間を帰還抵抗6によって直流的に接続して、スイッチ手段4aがオンされて増幅トランジスタ1に正規のコレクタ電流が流れている動作状態から、スイッチ手段4aがオフになって増幅トランジスタ1が動作停止状態に変化した場合のインピーダンス変化を少なくし、また、動作状態から動作停止状態に切り替わる切替時間を短縮する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、送受信器における受信回路側の増幅器のように、受信時に動作し、送信時に動作停止するように構成された動作切替型の増幅器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の動作切替型の増幅器を図4によって説明する。増幅トランジスタ31のエミッタはエミッタバイアス抵抗32とバイパスコンデンサ33とによって接地される。ベースにはベースバイアス抵抗34によって電源からバイアス電圧が印加される。コレクタには電源からスイッチ35、インダクタンス素子36の直列回路を介して電圧が印加される。そして、スイッチ35をオンにした場合に増幅トランジスタ31のコレクタに電圧が印加される。
【0003】
以上のように構成された動作切替型の増幅器30は、例えば図5に示すような送受信器の受信回路側における初段の低雑音増幅器として使用される。図5において、増幅器30と送信回路側の電力増幅器41とはアンテナ切替器42を介してアンテナ43に結合される。
【0004】
そして、受信モードではアンテナ43と増幅器30とがアンテナ切替器42によって相互に接続されると共に、電力増幅器41がアンテナ43及び増幅器30と切り離される。また、増幅器30においては、スイッチ35は切替電圧によってオンとなる。よって、増幅トランジスタ31はそのコレクタに電源から電圧が印加されて動作状態となる。一方、電力増幅器41は動作停止状態となる。よって、受信信号はアンテナ切替器42を介して増幅器30に入力される。
【0005】
送信モードでは、アンテナ43と電力増幅器41とがアンテナ切替器41によって相互に接続されると共に、増幅器30がアンテナ43及び電力増幅器41と切り離される。また、増幅器30においては、スイッチ35は切替電圧によってオフとなる。よって、増幅トランジスタ31はそのコレクタに印加されていた電圧が停止して動作停止状態となる。一方、電力増幅器41は動作状態となる。よって、電力増幅器41から出力された送信信号がアンテナ切替器42を介してアンテナ43に出力される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、受信モードから送信モードへの切替時には、増幅器30も動作状態から動作停止状態に切り替えられるが、切替時にはコレクタ電流が所定の直流電流から0まで変化(減少)する。そのため、増幅トランジスタ31のベース端におけるインピーダンス、すなわち増幅器としての入力インピーダンスが急激に変化する。
【0007】
一方、送信時では電力増幅器41と増幅器30との間はアンテナ切替器42によって切り離される構成にはなるが僅かの回路的な結合が残っている。そのため、増幅器30のインピーダンス変化が電力増幅器41に対する負荷変動となる。しかも、増幅器30においては増幅トランジスタ31のコレクタ電流は0まで変化するので、動作状態の切替が完了まに要する時間が長引く。
【0008】
そのため、長時間にわたってインピーダンス変化の影響が続き、電力増幅器41から出力される送信信号のパワーは短時間で所定値まで上昇することなく、図6のA部に示すように立ち上がり完了後でも送信パワーが変動する。
【0009】
よって、本発明では短時間で動作状態から動作停止状態への切替が完了し、しかも、動作切替時におけるインピーダンス変化を少なくすることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明では、バイアス電圧がベースに印加されたエミッタ接地型の増幅トランジスタと、互いに直列に接続されたスイッチ手段及び給電抵抗から構成され、電源電圧を前記増幅トランジスタのコレクタに供給する給電回路とを備え、前記給電回路と前記増幅トランジスタのコレクタとの接続点とベースとの間を帰還抵抗によって直流的に接続した。
【0011】
また、前記バイアス電圧を前記帰還抵抗の一部を介して印加した。
【0012】
また、前記増幅トランジスタのエミッタを直接接地した。
【0013】
また、前記バイアス電圧を前記スイッチ手段のオフ時よりもオン時に高くした
。
【0014】
また、前記スイッチ手段をPNPトランジスタで構成し、そのエミッタを前記電源側、コレクタを前記増幅トランジスタ側に接続した。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の増幅器10を図1によって説明する。増幅トランジスタ1のエミッタは利得を高めるために直接接地される。電源Bと増幅トランジスタ1のベースとの間には電源B側に設けられたベースバイアス抵抗2とベース側に設けられたベースバイアス抵抗3との直列回路が接続される。
【0016】
また、電源Bとコレクタとの間には電源B側に接続されたスイッチ手段4aとコレクタ側に接続された給電抵抗4bとの直列回路からなる給電手段4が設けられ、この給電手段4を介してコレクタに電源電圧が供給される。給電手段4とコレクタとの間には負荷インダクタンス素子5が介挿される。そして、二つのベースバイアス抵抗2、3の相互の接続点と、給電手段4と負荷インダクタンス素子5との接続点との間に帰還抵抗6が接続される。
【0017】
なお、スイッチ手段4aはPNPトランジスタで構成され、そのエミッタが電源B側、コレクタが増幅トランジスタ1側に接続される。また、給電抵抗4bは電源BとPNPトランジスタ4aのエミッタとの間に設けられてもよい。
【0018】
以上の構成において、増幅トランジスタ1のコレクタの電圧は帰還抵抗6と一方のベースバイアス抵抗3とによってベースに直流的に帰還される。よって、ベースバイアス抵抗3は帰還のための抵抗を兼用している。また、他方のベースバイアス抵抗2と給電抵抗4bとは帰還抵抗6とベースバイアス抵抗3によって帰還するために必要なものである。
【0019】
スイッチ手段4aであるPNPトランジスタのベースには切替電圧が印加される。そして、ハイの切替電圧によってスイッチ手段4aがオフとなったときは増幅トランジスタ1のベースにはベースバイアス抵抗2、3によってバイアス電圧が印加されると共に、ベースバイアス抵抗2、帰還抵抗6によって増幅トランジスタ1のコレクタに電圧が印加される。よって、増幅トランジスタ1にはコレクタ電流が流れる。この時のコレクタ電流は二つのベースバイアス抵抗2、3と帰還抵抗6との抵抗値設定によって決まるが三個の抵抗を使用するので帰還量も設定しやすい。
【0020】
また、ローの切替電圧によってスイッチ手段4aがオンとなれば、増幅トランジスタ1のコレクタには給電抵抗4bを介して電源Bから電圧が印加される。このとき、増幅トランジスタ1のベースには給電抵抗4b、帰還抵抗6を介してもバイアス電圧が印加されるのでその電圧はスイッチ手段4aがオフの時よりも大きくなるようになっている。よって、コレクタ電流は増加するがこの時の電流は増幅トランジスタ1の正規の動作電流となるように設定されている。
【0021】
以上のように構成された増幅器10は、例えば図2に示すような送受信器の受信回路側の初段の低雑音増幅器等として使用される。図2において、増幅器10と送信回路側の電力増幅器11とはアンテナ切替器12を介してアンテナ13に結合される。そして、受信モードではアンテナ13と増幅器10とがアンテナ切替器12によって相互に接続されると共に、電力増幅器11がアンテナ13及び増幅器10と切り離される。
【0022】
また、増幅器10においては、スイッチ手段4aであるPNPトランジスタはそのベースに印加されるローの切替電圧によってオンとなる。よって、増幅トランジスタ1はそのコレクタに電源から電圧が印加されて正規のコレクタ電流が流れて動作状態となる。一方、電力増幅器11は切替電圧によって動作停止状態となる。よって、受信信号はアンテナ切替器12を介して増幅器10に入力される。
【0023】
送信モードでは、アンテナ13と電力増幅器11とがアンテナ切替器12によって相互に接続されると共に、増幅器10がアンテナ13及び電力増幅器11とは切り離される。また、増幅器10においては、スイッチ手段4aでるPNPトランジスタはそのベースに印加されるハイの切替電圧によってオフとなる。
【0024】
よって、増幅トランジスタ1のコレクタには給電抵抗4bを介して電圧が印加されないが、代わりにベースバイアス抵抗2、帰還抵抗6を介して電圧が印加されるので正規のコレクタ電流よりは低下したコレクタ電流が流れる。この電流では増幅作用が無くなるのでほぼ動作停止状態となる。このため、動作停止状態となるまでの時間が短縮される。さらに、動作停止状態となってもコレクタ電流が流れるので、ベース端におけるインピーダンスの変化は少ない。よって、電力増幅器11が動作状態となって送信信号を出力する際には図3に示すように送信パワーが立ち上がった後に変化することがない。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、バイアス電圧がベースに印加されたエミッタ接地型の増幅トランジスタと、互いに直列に接続されたスイッチ手段及び給電抵抗から構成され、電源電圧を増幅トランジスタのコレクタに供給する給電回路とを備え、給電回路と増幅トランジスタのコレクタとの接続点とベースとの間を帰還抵抗によって直流的に接続したので、スイッチ手段がオンされて増幅トランジスタに正規のコレクタ電流が流れている動作状態から、スイッチ手段がオフになって増幅トランジスタが動作停止状態に変化してもコレクタには帰還抵抗を介して低下した電流が流れるので、増幅トランジスタのベース端におけるインピーダンス変化が少なくなる。また、動作状態から動作停止状態に切り替わる切替時間も短縮される。よって、送受信器の受信回路側の低雑音増幅器として使用した場合の電力増幅器の送信パワーの変動が少なくすることができる。
また、増幅トランジスタの電流増幅率がばらついても帰還抵抗によってコレクタ電流のばらつきを押さえることができる。
【0026】
また、バイアス電圧を帰還抵抗の一部を介して印加したので、バイアス電圧と帰還量とを容易に設定できる。
【0027】
また、増幅トランジスタのエミッタを直接接地したので、利得を高くすることができる。
【0028】
また、バイアス電圧をスイッチ手段のオフ時よりもオン時に高くしたので、動作状態でのコレクタ電流を簡単に増加できる。
【0029】
また、スイッチ手段をPNPトランジスタで構成し、そのエミッタを電源側、コレクタを増幅トランジスタ側に接続したので、スイッチ手段を簡単にオン/オフできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の増幅器の構成を示す回路図である。
【図2】本発明の増幅器を使用した送受信器の構成図である。
【図3】本発明の増幅器を使用した送受信器における送信パワーの出力図である。
【図4】従来の増幅器の構成を示す回路図である。
【図5】従来の増幅器を使用した送受信器の構成図である。
【図6】従来の増幅器を使用した送受信器における送信パワーの出力図である。
【符号の説明】
1 増幅トランジスタ
2、3 ベースバイアス抵抗
4 給電手段
4a スイッチ手段
4b 給電抵抗
5 負荷インダクタンス素子
6 帰還抵抗
10 増幅器
11 電力増幅器
12 アンテナ切替器
13 アンテナ
Claims (5)
- バイアス電圧がベースに印加されたエミッタ接地型の増幅トランジスタと、互いに直列に接続されたスイッチ手段及び給電抵抗から構成され、電源電圧を前記増幅トランジスタのコレクタに供給する給電回路とを備え、前記給電回路と前記増幅トランジスタのコレクタとの接続点とベースとの間を帰還抵抗によって直流的に接続したことを特徴とする増幅器。
- 前記バイアス電圧を前記帰還抵抗の一部を介して印加したことを特徴とする請求項1に記載の増幅器。
- 前記増幅トランジスタのエミッタを直接接地したことを特徴とする請求項1又は2に記載の増幅器。
- 前記バイアス電圧を前記スイッチ手段のオフ時よりもオン時に高くしたことを特徴とする請求項1又は2又は3に記載の増幅器。
- 前記スイッチ手段をPNPトランジスタで構成し、そのエミッタを前記電源側、コレクタを前記増幅トランジスタ側に接続したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の増幅器。
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KR100705326B1 (ko) | 2006-05-25 | 2007-04-10 | 삼성전자주식회사 | 피드백형 가변이득 증폭기 및 그 제어방법 |
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