JP2004072479A - 検査治具および受信装置の製造方法 - Google Patents

検査治具および受信装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】導波管部の変形などにより特性の劣化した受信用コンバータの発生確率を低減することが可能な、受信用コンバータなどの受信装置の製造工程において用いる検査治具および受信装置の製造方法を提供する。
【解決手段】治具7は、導波管部3を有する受信用コンバータの検査治具であって、導波管部3の内周部に挿入される挿入部8を備える。治具7の挿入部8の形状は、導波管部3の内周部の設計形状に沿うように決定されている。このようにすれば、治具7の挿入部8を導波管部3の内周部に挿入することで、導波管部3の内周部の形状が設計形状どおりになっているかどうかを容易に判別できる。
【選択図】    図6

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、検査治具および受信装置の製造方法に関し、より特定的には、衛星放送や衛星通信の受信用コンバータ(LNB:Low Noise Block down Converter)などの受信装置の製造工程において用いる検査治具および受信装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、衛星放送や衛星通信の受信装置として受信用コンバータ(LNB)が知られている。図19は、従来の受信用コンバータの断面模式図である。図20は、図19に示した受信用コンバータを構成するシャーシの断面模式図である。図19および図20を参照して、従来の受信用コンバータを説明する。
【0003】
図19および図20に示すように、受信用コンバータ101は、導波管部103を有するシャーシ102と、ホーンキャップ105と、シャーシ102の背面側に配置されたカバー部材とを備える。ホーンキャップ105は導波管103の先端側に配置されたホーン部106に接続されている。ホーン部106とホーンキャップ105との接続部にはOリング104が配置されている。
【0004】
図19に示した受信用コンバータ101を構成するシャーシ102は、たとえばアルミニウム合金などからなり、図21に示したような工程によって製造される。図21は、図20に示したシャーシの製造工程を示す図である。図21を参照して、図20に示したシャーシの製造工程を説明する。
【0005】
図21に示すように、図20に示したシャーシの製造工程では、まずシャーシを鋳造するための金型に溶融した金属を流し込み、この金型内部で金属を凝固させてシャーシ102となるべき半製品を鋳造する鋳造工程(S510)を実施する。次に、鋳造された半製品のゲートカット加工や所定の部分のプレス成形を行なうためのプレス工程(S520)を実施する。次に、プレス加工後の半製品のバリを除去するバリ取り工程(S530)を実施する。次に、半製品の形状の調整などのために切削加工などを行なう機械加工工程(S540)を実施する。次に、シャーシ102となるべき半製品の表面に、表面処理を施すアロジン工程(S550)を実施する。そして、ほぼ所定の形状に成形された半製品に必要な部品を装着する組立工程(S560)を実施する。このようにして、図20に示したシャーシ102を得ることができる。そして、このシャーシ102とホーンキャップ105などの他の部材を組み上げることにより、図19に示した受信用コンバータを得ることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
図21に示したような工程によって製造されるシャーシ102の、特に導波管部103(図20参照)は、受信用コンバータの性能を左右する部分である。したがって、導波管部103については高い寸法精度が求められる。しかし、従来、図21に示したような製造工程において、導波管部103に変形や歪みが発生する場合があった。たとえば、鋳造工程(S510)では、鋳造した半製品を金型から離型する際、導波管部103の内周面に傷(カジリ)が発生したり、導波管部103自体が歪んで変形した状態になることがあった。また、プレス工程(S520)では、ゲートカットなどのためにプレス加工を行なう際に導波管部103に変形歪みが発生する場合があった。また、バリ取り工程(S530)やアロジン工程(S550)では、複数の半製品を同時に処理する場合がある。このとき、シャーシ102となるべき半製品同士が接触することにより、やはり導波管部103に変形歪みが発生することがあった。
【0007】
また、上述したような複数の工程を実施するため、シャーシ102となるべき半製品は、それぞれの工程を実施するための処理装置の間を搬送される。この搬送の際、導波管部103に何らかの応力が加えられることにより、導波管部103が変形することもあった。このように導波管部103に変形が生じると、最終的な製品である受信用コンバータの受信特性が劣化することになっていた。
【0008】
従来は、このような導波管部103の変形といった不良の発生したシャーシ102が受信用コンバータ101(図19参照)に組み込まれることを防止するため、所定の個数毎にいわゆる抜き取り検査(シャーシ102となるべき半製品について、所定の割合(たとえば100個に1個)で半製品を抜き出し、当該半製品を切断して導波管部103などの寸法を測定する検査)を行なっていた。しかし、このような検査をシャーシ102の全数について行なうことはできないため、上述のような不良の発生したシャーシ102が受信用コンバータ101に組み込まれる危険性があった。
【0009】
この発明は、上述のような課題を解決するために成されたものであり、この発明の目的は、導波管部の変形などにより特性の劣化した受信用コンバータの発生確率を低減することが可能な、受信用コンバータなどの受信装置の製造工程において用いる検査治具および受信装置の製造方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明の1の局面に従った検査治具は、導波管を有する受信装置の検査治具であって、導波管の内周部に挿入される本体部を備える。検査治具の本体部の形状は、導波管の内周部の設計形状に沿うように決定されている。
【0011】
このようにすれば、検査治具の本体部を導波管の内周部に挿入することで、導波管の内周部の形状が設計形状どおりになっているかどうかを容易に判別できる。つまり、導波管の内周部の形状が設計形状どおり(導波管の内周部の実際の形状と設計形状とのずれが寸法公差の範囲内)であれば、検査治具の本体部の全体を導波管の内周部に容易に挿入することができる。一方、導波管が歪んで変形しているような場合、導波管の内周部の形状は設計形状からずれた状態となっているので、検査治具を導波管の内周部に挿入すると、検査治具の本体部が導波管の変形した部分に接触してそれ以上導波管の内周部に挿入できなくなる。つまり、検査治具の本体部全体を導波管の内周部に挿入できない場合、受信装置の導波管に歪みなどの変形が発生していることが分かる。このように、検査治具の本体部が導波管の内周部に完全に挿入できるかどうかで、導波管の変形の有無を容易かつ短時間で検出できる。このため、受信装置の製造工程において、全ての受信装置について導波管の検査を行なっても、受信装置の製造に要する時間が極端に長くなることを抑制できる。従って、導波管の歪んだ受信装置が流出することを防ぐことができる。
【0012】
上記1の局面に従った検査治具において、導波管の内周部に本体部を挿入する際の挿入方向と交差する方向における本体部の寸法は、挿入方向と交差する方向における導波管の内周部の設計寸法を所定の値だけ小さくすることにより決定されていてもよい。
【0013】
この場合、本体部を導波管の内周部に挿入する作業をスムーズに行なうことができる。
【0014】
上記1の局面に従った検査治具では、導波管の内周部に本体部を挿入する際の挿入方向において、導波管の内周部の長さと等しくなるように、本体部の長さが決定されていてもよい。
【0015】
この場合、導波管の形状がほぼ設計通りになっていれば、検査治具の本体部を完全に導波管の内周部に挿入することができるので、検査治具の本体部の端部の位置と導波管の端部の位置とは一致することになる。逆に、導波管に歪みなどが発生していれば、検査治具の本体部を導波管の内周部に完全に挿入できないので、本体部の端部の位置と導波管の端部の位置とがずれた状態になる。つまり、挿入方向において、検査治具の本体部の端部の位置と導波管の端部の位置とが一致するかどうかで、本体部が導波管の内周部に完全に挿入されたかどうか(導波管が変形しているかどうか)を容易に確認できる。したがって、検査工程をより迅速に行なうことができる。
【0016】
上記1の局面に従った検査治具において、受信装置の導波管には、導波管の内壁面から導波管の内周部へ突出するリブが配置されていてもよい。また、本体部には、本体部を導波管の内周部に挿入した際にリブが嵌る溝部が形成されていてもよい。
【0017】
この場合、導波管の内部に偏波リブなどの構造物が無い場合と同様に、導波管の変形を検査治具によって容易に検出できる。
【0018】
また、溝部の形状および寸法を、リブの設計形状および設計寸法に基づいて決定しておけば、検査治具の本体部の上記溝部に導波管の内周部に形成されたリブがスムーズに嵌るかどうかで、リブに歪みなどの問題が発生していないかどうかを容易に検出できる。たとえば、溝部の幅(リブが溝部に嵌る際の挿入方向に対してほぼ垂直な方向における溝部の幅)を、リブについて許容され得る最大幅に基づいて決定してもよい。
【0019】
上記1の局面に従った検査治具について、検査対象である受信装置の導波管に形成されたリブの少なくとも1つの端部は階段状の形状を有していてもよい。検査治具の溝部は、上記リブの階段状の端部に対応した階段状部分を有していてもよい。
【0020】
この場合、セプタム(階段状)になっている偏波リブを有する導波管を備える受信装置について、本発明による検査治具を適用して検査を行なうことができる。
【0021】
上記1の局面に従った検査治具では、導波管が一方端部開口部と他方端部開口部とを有していてもよい。本体部は、一方本体部分と他方本体部分とを含んでいてもよい。一方本体部分は、一方端部開口部から導波管の内周部に挿入されてもよい。他方本体部分は、他方端部開口部から導波管の内周部に挿入されてもよい。他方本体部分は一方本体部分と分離していてもよい。
【0022】
この場合、導波管の内部に偏波リブなどが存在するため、導波管の一方端部開口部あるいは他方端部開口部のみから導波管の内部を充填するような検査治具の本体を挿入できないときに、導波管の一方端部開口部と他方端部開口部とから、それぞれ一方本体部分および他方単体部分を導波管の内周部に挿入できる。したがって、上述のように1つの開口部のみから検査治具の本体を完全に挿入できないような導波管について、検査治具を用いて容易に導波管の変形の有無を検出できる。
【0023】
上記1の局面に従った検査治具において、検査対象である受信装置の導波管の内周部では、一方本体部分と他方本体部分とが対向する対向部分において、導波管の内壁面から導波管の内周部へ突出するとともに側面形状が山形状のリブが配置されていてもよい。また、一方本体部分と他方本体部分とには、対向部分においてそれぞれ溝部が形成されていてもよい。溝部は、一方本体部分と他方本体部分とを導波管の内周部に挿入した際にリブが嵌るように形成されていてもよい。
【0024】
この場合、導波管の内部に山形状の偏波リブが形成されているような導波管を備える受信装置の製造工程において、本発明による検査治具を用いた検査を行なうことができる。
【0025】
この発明の他の局面に従った受信装置の製造方法は、導波管を有する受信装置の製造方法であって、受信装置となるべき部材を加工する工程と検査工程とを備える。受信装置となるべき部材には導波管が形成されている。検査工程では、加工された部材の導波管について、上記1の局面に従った検査治具を用いて検査を行なう。
【0026】
この場合、本発明による検査治具を用いるので、容易に上記部材の導波管について変形の発生の有無を検査することができる。また、本発明による検査治具を用いた検査は、検査治具の本体部を導波管の内周部に挿入するという比較的簡単な作業であるため、検査に要する時間を短くできる。そのため、検査工程を実施することによって受信装置の製造に要する時間が必要以上に長くなることを抑制できる。また、このように短時間で検査を行なえるので、後述するように加工された部材の全数について検査を行なっても、受信装置の製造に要する時間を合理的な範囲内に収めることができる。
【0027】
上記他の局面に従った受信装置の製造方法において、部材を加工する工程は複数の加工工程を含んでいてもよい。検査工程は、複数の加工工程のそれぞれの後において行なわれる全数検査工程を含んでいてもよい。それぞれの全数検査工程では、加工された部材の全てについて上記検査治具を用いた検査を行なってもよい。
【0028】
この場合、複数の加工工程の後において部材の全てについて検査を行なうので、各加工工程毎に導波管の変形した部材を確実に検出できる。そのため、導波管の変形した(不良の発生した)部材を各加工工程後に確実に排除できるので、次工程に不良の発生した部材が送られることを防止できる。したがって、各加工工程では、正常な部材のみを加工できるので、受信装置の製造工程における効率(生産ラインの直行率)を向上させることができる。また、各加工工程毎に全ての部材につき検査を行なって不良品を検出・排除できるので、導波管の変形した受信装置が流出する確率を大幅に低減できる。
【0029】
この発明の別の局面に従った受信装置の製造方法は、導波管を有する受信装置の製造方法であって、複数の加工工程と、複数の検査工程とを備える。加工工程では、導波管が形成され、受信装置となるべき部材を加工する。検査工程では、複数の加工工程のそれぞれが終了した後に、加工された全ての部材について、導波管の内周部に検査治具を挿入する。このようにして、導波管の形状検査を行なう。検査治具の形状は、導波管の内周部の設計形状に沿うように決定されている。
【0030】
このようにすれば、複数の加工工程の後において部材の全てについて導波管の形状検査を行なうので、各加工工程毎に導波管の変形した部材を確実に検出できる。そのため、導波管の変形した部材を各加工工程後に確実に排除できるので、次の加工工程に導波管の変形した部材(不良品)が送られることを防止できる。したがって、各加工工程では、正常な部材(良品)のみを加工できるので、受信装置の製造工程における効率を向上させることができる。
【0031】
また、各加工工程毎に全ての部材につき検査を行なって不良品を検出・排除できるので、導波管の変形した受信装置が流出する確率を大幅に低減できる。
【0032】
また、検査治具の形状は、導波管の内周部の設計形状に沿うように決定されているので、検査治具を導波管の内周部に挿入するという簡単な作業により、導波管の変形の有無を確認できる。つまり、導波管がほぼ設計形状通りの形状であれば、検査治具を導波管の内周部に完全に挿入できるのに対して、導波管が変形してその形状が設計形状からずれている場合、検査治具を導波管の内周部に挿入しようとしても、導波管の変形した部分と検査治具とが接触するため検査治具を導波管の内周部に完全に挿入することはできない。このように、導波管に対する検査治具の挿入状態によって、容易かつ確実に導波管の変形の有無を検出できる。また、このような検査は短時間で実施できるので、全ての部材について検査を行なっても、受信装置の製造工程に要する時間が極端に長くなることはない。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付しその説明は繰返さない。
【0034】
(実施の形態1)
図1は、本発明による治具の実施の形態1を適用した製造方法により製造した受信用コンバータを正面から見た模式図である。図2は、図1の線分II−IIにおける断面模式図である。受信用コンバータ1は、衛星放送や衛星通信などの電波を受信するために用いられるものである。図3は、図1に示した受信用コンバータを構成するシャーシの断面模式図である。図1〜図3を参照して、本発明による治具の実施の形態1を適用した製造方法により製造した受信用コンバータ1を説明する。
【0035】
図1〜図3に示すように、受信装置としての受信用コンバータ1は、直線偏波受信タイプの受信用コンバータであって、シャーシ2と、ホーンキャップ5と、シャーシ2の背面側を覆うように設置されたカバー部材とを備える。シャーシ2は、導波管部3(図2参照)と、導波管部3の先端部側に配置されたホーン部6とを有する。ホーン部6を覆うようにホーンキャップ5が設置されている。ホーンキャップ5とホーン部6との接合部はOリング4(図2参照)によりシールされている。
【0036】
図3に示したシャーシ2は、図4に示したような工程により製造される。図4は、図3に示したシャーシの製造方法を説明するための工程図である。図4を参照して、本発明による受信用コンバータの製造方法の一部であるシャーシの製造方法を説明する。
【0037】
図4に示すように、シャーシ2(図3参照)を製造するため、まず鋳造工程(S110)を実施する。鋳造工程(S110)においては、シャーシ2を鋳造するための鋳型(金型)を準備する。そして、この鋳型に溶融した金属を流し込むことにより、シャーシ2(図3参照)となる部材を作製する。この鋳造工程によって得られる部材では、シャーシ2(図3参照)の導波管部3(図3参照)やホーン部6(図3参照)などの基本的な構造が形成される。
【0038】
次に、第1検査工程(S120)が実施される。具体的には、図5に示したような検査用の治具7を導波管部3(図3参照)の内周部へと挿入することにより、この導波管部3の変形や歪みの有無を検査する。第1検査工程(S120)では、鋳造工程(S110)において製造された部材の全数について検査を行なう。なお、この検査工程の詳細については後述する。そして、導波管部3において変形などが発生した部材(不良品)が見つかった場合、その不良品は分別され、製造工程から外される。このため、次工程であるプレス工程(S130)には良品(導波管部3に変形の発生していない部材)のみが送られる。
【0039】
次に、第1検査工程(S120)の後に、鋳造工程(S110)によって形成され、第1検査工程(S120)において良品と判断された部材に対してプレス加工を行なうプレス工程(S130)を実施する。このプレス工程(S130)においては、たとえばゲートカット工程が実施される。また、このプレス工程(S130)では、鋳造工程(S110)によっては作り込みが困難であるような複雑な形状部やより寸法精度が求められるような形状部を上記部材にプレス加工によって形成してもよい。
【0040】
次に、プレス工程(S130)を実施した部材の全数に対して、第2検査工程(S140)を実施する。この第2検査工程(S140)においても、第1検査工程(S120)と同様に図5に示したような治具7を用いて検査を行なう。第2検査工程(S140)においても、シャーシ2の導波管部3の寸法や形状が設計値から外れていないかどうかを検査する。そして、不良品と判断された部材(導波管部3が変形していると判断された部材)を分別して、良品である部材のみを次工程であるバリ取り工程(S150)に送る。
【0041】
次に、バリ取り工程(S150)を実施する。バリ取り工程(S150)においては、鋳造工程(S110)やプレス工程(S130)においてシャーシ2(図3参照)となるべき部材に形成されたバリを切断して除去する。その後、バリ取り工程(S150)後の全部の部材について第3検査工程(S160)を実施する。この第3検査工程は、基本的に第1および第2検査工程(S120、S140)と同様の検査を行なう。そして、不良品と判断された部材を分別して、良品である部材のみを次工程である機械加工工程(S170)に送る。
【0042】
次に、機械加工工程(S170)を実施する。機械加工工程(S170)においては、たとえばシャーシ2となるべき部材を部分的に切削加工するといった機械加工を行なう。
【0043】
その後、第1検査工程(S120)と同様にシャーシ2(図3参照)の導波管部3の形状の健全性を検査するための第4検査工程(S180)を実施する。そして、不良品と判断された部材を分別して、良品である部材のみを次工程であるアロジン工程(S190)に送る。
【0044】
次に、シャーシ2の表面に表面処理としてのアロジン加工を実施するアロジン工程(S190)を実施する。その後、第1検査工程(S120)と同様に、全ての部材について、検査用の治具7(図5参照)を用いてシャーシ2(図3参照)となるべき部材の導波管部3の健全性を確認するための第5検査工程(S200)を実施する。そして、不良品と判断された部材を分別して、良品である部材のみを次工程である組立工程(S210)に送る。
【0045】
次に、シャーシ2を構成する部材に必要な部品などを組付ける組立工程(S210)を実施する。この組立工程(S210)の後、検査用の治具7(図5参照)を用いて第1検査工程(S120)と同様に全ての部材について第6検査工程(S220)を実施する。そして、不良品と判断されたシャーシ2を分別して、良品であるシャーシのみが受信用コンバータの構成部材として利用される。
【0046】
このように、シャーシ2(図3参照)の製造工程において、各工程が終了した後にそれぞれ第1〜第6検査工程(S120、S140、S160、S180、S200、S220)をそれぞれ行なうことにより、次工程へと不良品が送り込まれることを確実に防止できる。具体的には、たとえば鋳造工程(S110)では、金型などから鋳造後の部材を取出す離型時に、シャーシ2となるべき部材の導波管部3(図3参照)が金型と接触することにより、導波管部3においてかじりや変形が発生するおそれがある。この場合、第1検査工程(S120)において、後で説明するように治具7(図5参照)を導波管部3の内部へと挿入することによって、上述のような変形などの不良が発生した導波管部3を有する部材を検出できる。
【0047】
検査に用いる治具としては、図5に示すように、挿入部8と支持部9とからなる治具7を用いる。挿入部8の形状は、この治具7を挿入する導波管部3の内周面の形状に基づいて決定されている。すなわち、挿入部8の外形は導波管部3の内周面の形状と実質的に等しくなるように(相似形になるように)決定されている。そして、挿入部8の幅L(図5参照)は、シャーシ2における導波管部3の幅L0(図6参照)と等しくなるように決定されている。
【0048】
このようにすれば、後述するように治具7の挿入部8を導波管部3(図6参照)の内周部に挿入することで、導波管部3の内周部の形状が設計形状どおりになっているかどうかを容易に判別できる。従って、導波管部3の歪んだ受信用コンバータ1が流出することを防ぐことができる。
【0049】
ここで、図5は検査に用いる治具を説明するための模式図であり、図5(a)が治具7の正面模式図を、図5(b)が治具7の側面模式図を、また図5(c)が治具7の背面模式図を示している。また、図6および図7は、図5に示した検査用の治具を用いた検査工程を説明するための模式図である。以下、図5に示した検査用の治具7を用いた全数検査工程としての第1〜第6検査工程(S120、S140、S160、S180、S200、S220)(図4参照)の具体的な方法を説明する。
【0050】
第1〜第6検査工程(S120、S140、S160、S180、S200、S220)(図4参照)においては、図5に示したような検査用の治具7を図6に示すようにシャーシ2となるべき部材の導波管部3の内周部へと矢印11に示方向から挿入する。なお、検査治具としての治具7における本体部としての挿入部8の外形は、導波管部3の内周部の設計形状と相似形になっている(導波管の内周部の設計形状に沿うように決定されている)。また、導波管部3の内周部(内部)へと挿入部8を容易に挿入できるように、挿入部8の外径(導波管部3の内周部に挿入部8を挿入する際の挿入方向と交差する方向における挿入部8の寸法)は、導波管部3の設計上の内径(挿入方向と交差する方向における導波管部3の内周部の設計寸法)よりも所定の長さだけ小さくなるよう決定されている。たとえば、治具7の挿入部8における先端部の直径DT1(図5参照)は、検査対象である導波管部3の終端部の内径DT0(図6参照)より所定の長さだけ小さく設定されている。また、治具7における挿入部8の後端部の直径DB1(図5参照)は、治具7の挿入部8を挿入する導波管部3(図6参照)の入り口部の内径DB0(図6参照)よりもやはり所定の長さだけ小さく設定されている。このようにすれば、挿入部8を導波管部3の内周部に挿入する検査作業をスムーズに行うことができる。
【0051】
そして、すでに述べたように、矢印11(図6参照)で示した挿入部8の挿入方向において、導波管部3の幅L0(図6参照)と治具7の挿入部8の幅L(図6参照)とが等しくなるように治具7は形成されている。そのため、導波管部3の形状が正常な場合には、導波管部3の内部に治具7の挿入部8を完全に挿入することができるので、図7に示すようにシャーシ内表面12と治具7の先端面10の位置とが同一平面上に位置すると同時に、導波管先端部13の位置と治具7の挿入部後端面14の位置とがほぼ一致することになる。このような場合は、導波管部3の形状が正常であるということがわかる。
【0052】
一方、もし導波管部3の形状に歪みなどが発生していた場合には、治具7の挿入部8を図7に示すように最後まで導波管部3の内部へと挿入することができない。このため、シャーシ内表面12と治具7の挿入部8の先端面10との位置がずれると同時に、導波管先端部13と治具7の挿入部後端面14との位置もずれる。この場合、治具7の挿入部8が導波管部3に完全に挿入できるかどうかを確認することにより、導波管部3に歪みなどが発生しているかどうか(導波管部3が所定の寸法基準を満たしているかどうか)を容易に検査することができる。したがって、検査工程をより迅速に行うことができる。
【0053】
また、本発明による治具7を用いた検査は、治具7の本体部としての挿入部8を導波管部3の内周部に挿入するという比較的簡単な作業であるため、検査に要する時間を短くできる。そのため、検査工程を実施することによって受信用コンバータの製造に要する時間が必要以上に長くなることを抑制できる。また、このように短時間で検査を行なえるので、すでに述べたように加工された部材の全数について検査を行なっても、受信用コンバータの製造に要する時間を合理的な範囲内に収めることができる。
【0054】
また、図4に示したように鋳造工程(S110)やプレス工程(S130)などの複数の加工工程の後において部材の全て(全数)について検査を行なうことにより、各加工工程毎に導波管部3(図3参照)の変形した部材を確実に検出できる。そのため、導波管部3の変形した部材(不良品)を確実に排除できるので、次工程に不良品が送られることを防止できる。したがって、各加工工程では、正常な部材のみを加工できるので、受信装置の製造工程における効率を向上させることができる。また、各加工工程毎に全ての部材につき検査を行なって不良品を検出・排除できるので、導波管部3の変形した受信用コンバータ1が流出する確率を大幅に低減できる。
【0055】
なお、治具7(図5参照)の寸法例としては、具体的には以下のような値を用いることができる。まず、検査対象としてのシャーシ2の導波管部3の寸法について、幅L0(図6参照)が59mm、導波管部3の終端部の内径DT0が17.0mm±0.05mm、導波管部先端部の内径DB0(図6参照)が18.2mm±0.05mmであるとする。ここで、たとえば導波管部3の終端部の内径DT0が17.0mm±0.05mmであるとは、内径DT0の設計寸法が17mmであり、内径DT0の寸法公差が±0.05mmであることを示している。
【0056】
そして、上述のような寸法の導波管部3を検査するための治具7(図5参照)の寸法としては、治具7の挿入部8の先端部の直径DT1(図5参照)を16.9mm±0.02mm、挿入部8の後端部の直径DB1を18.1mm±0.02mm、挿入部8の幅L(図6参照)を59mmとすることができる。また、上述のように挿入部8の形状は検査対象である導波管部3の内周面の形状と相似形とすることができる。なお、挿入部8の先端部の直径DT1が16.9mm±0.02mmとは、先端部の直径DT1の設定長さが16.9mmであって寸法公差が0.02mmであることを意味している。このように、導波管部3の内周面の設計寸法よりも0.1mmだけ小さい寸法となるように治具7の挿入部8の寸法を決定することができる。
【0057】
このような検査用の治具7(図5参照)を用いて第1〜第6検査工程を実施することにより、それぞれの加工工程において不良が発生しても、その不良が発生した部材(不良品)を容易に検出できる。たとえば、上述のように鋳造工程(S110)(図4参照)においては、金型からシャーシ2となる部材を取外す際に導波管部3にかじりや変形歪みが発生する場合があるが、治具7を用いた検査によって変形歪みなどが発生したシャーシとなるべき部材を容易に検出できる。
【0058】
また、プレス工程(S130)(図4参照)においては、鋳造された部材(部品)に対してゲートカットを行なう場合やその他のプレス工程を行なう場合に、やはり導波管部3(図3参照)に変形歪みが生じる可能性がある。このような場合にも、第2検査工程(S140)において図5に示したような治具7を用いた上述のような検査を行なうことにより、導波管部3の上述のような変形歪みの発生の有無を容易に確認できる。
【0059】
また、図4に示したバリ取り工程(S150)およびアロジン工程(S190)では、加工対象であるシャーシ2となるべき部材が他の部材と接触するといったことが発生し得る。このような場合にシャーシ2となるべき部材の導波管部3が変形することがある。このような場合にも、第3検査工程(S160)あるいは第5検査工程(S200)において治具7(図5参照)を用いた上述のような検査を行なうことにより、導波管部3の変形歪みの発生の有無を容易に確認できる。
【0060】
また、図4に示したような各工程の実施場所へとシャーシ2となるべき部材(半製品)を搬送する場合、あるいはこの部材を仮置きする場合に、部材の導波管部3に何らかの応力が加わって導波管部3が歪むおそれもある。そして、上述のように導波管部3に変形歪みが発生すると、製品としての受信用コンバータの性能が劣化することになる。そのため、図4に示すように、受信用コンバータとなるべき部材を加工する各工程の後に、加工対象である部材の全数について、その部材の導波管部についての検査工程を必ず実施することによって、導波管部3が変形したような受信用コンバータ1が製造されることを確実に防止できる。すなわち、導波管部3が歪んだような不良品が最終的な製品として流出するといった問題の発生を確実に防止できる。
【0061】
(実施の形態2)
図8は、本発明による治具の実施の形態2を適用した製造方法により製造した受信用コンバータを示す断面模式図である。図8は図2に対応する。図9は図8に示した受信用コンバータを構成するシャーシの断面模式図である。図9は図3に対応する。図8および図9を参照して、本発明による治具の実施の形態2を適用した製造方法により製造した受信用コンバータ1を説明する。
【0062】
図8および図9に示すように、受信用コンバータ1は基本的には本発明による受信用コンバータの実施の形態1と同様の構造を備えるが、導波管部3の内部にセプタム形状(階段状)のリブとしての偏波リブ15が配置されている点が異なる。偏波リブ15はホーン部6側の端部が階段状の形状となっている。すなわち、図8に示した受信用コンバータは円偏波受信タイプの受信用コンバータである。
【0063】
図8に示した受信用コンバータ1を構成するシャーシ2(図9参照)の製造方法は、基本的には図4に示した本発明の実施の形態1におけるシャーシの製造方法と同様である。ただし、第1〜第6検査工程(S120、S140、S160、S180、S200、S220)(図4参照)において用いる治具の形状が、本発明の実施の形態1において用いた治具の形状とは異なっている。すなわち、図10に示すように、図9に示したシャーシ2の製造工程において用いる治具7は、基本的に図5に示した治具7と同様の構造を有するが、挿入部8において、挿入部8の先端面10から挿入部8の延びる方向に沿って延びるようリブ用切込部16が形成されている。リブ用切込部16は、挿入部8(図10参照)を導波管部3(図9参照)の内周部に挿入した際に、偏波リブ15が嵌る溝部となっている。また、リブ用切込部16(図10参照)の底部(支持部9側の壁面)は、偏波リブ15の階段状の端部に対応した階段状部分となっている。
【0064】
なお、図10は図9に示したシャーシ2を形成する際の検査工程において用いる治具を示す模式図である。図10(a)は治具7の正面模式図を、図10(b)は治具7の側面模式図を、図10(c)は治具7の背面模式図をそれぞれ示している。そして、図10に示した治具7を用いて、本発明の実施の形態1における受信用コンバータの製造方法と同様に、各加工工程の後に必ず全ての部材について検査工程を実施することによって、本発明の実施の形態1における受信用コンバータの製造方法と同様の効果を得ることができる。
【0065】
次に、図10に示した検査用の治具7を用いた検査工程を説明する。図11および図12は、図10に示した検査用の治具を用いた検査工程を説明するための模式図である。
【0066】
図11および図12からもわかるように、図10に示した治具7を用いた検査方法は、図6および図7に示した検査方法と基本的に同様である。ただし、挿入部8が導波管部3の内周部へと挿入された際、治具7の挿入部8に形成されたリブ用切込部16の内部には偏波リブ15が嵌った状態になる。このため、挿入部8の外部形状と導波管部3の内周面の形状との対応によって導波管部3の歪みや変形を検出できるとともに、偏波リブ15がリブ用切込部16の内部へとスムーズに嵌め合わされた状態となるかを検出することにより、偏波リブ15の変形や歪みをも検出することができる。
【0067】
(実施の形態3)
図13は、本発明による治具の実施の形態3を適用した製造方法により製造した受信用コンバータを示す断面模式図である。図14は図13に示した受信用コンバータを構成するシャーシの断面模式図である。図14は図3に対応する。図13および図14を参照して、本発明による治具の実施の形態3を適用した製造方法により製造した受信用コンバータを説明する。
【0068】
図13および図14に示すように、受信用コンバータ1は基本的には図1〜図3に示した受信用コンバータ1と同様の構造を備えるが、導波管部3の長て方向の中央部に側面形状が山形状の偏波リブ17が形成されている点が異なる。図13に示した受信用コンバータは円偏波受信用のコンバータである。偏波リブ17は、導波管部3の内壁から導波管部3の内周側へと突出するように配置された板状体であって、その側面形状が図13に示すように山形となっている。
【0069】
図13に示した受信用コンバータ1を構成するシャーシ2(図14参照)は、基本的に図4に示した製造工程と同様の工程によって製造することができる。ただし、各加工工程の後に実施される第1〜第6検査工程(S120、S140、S160、S180、S200、S220)(図4参照)において用いられる検査用の治具の形状が異なる。すなわち、図14に示したシャーシに製造工程において用いる、本発明による検査用の治具の実施の形態3としては、図15および図16に示すように2つの治具7a、7bを用いる。
【0070】
図15および図16は、図14に示したシャーシの製造工程において用いる検査用の治具を示す模式図である。図15(a)は治具7aの背面模式図を、図15(b)は治具7aの側面模式図を、図15(c)は治具7aの正面模式図を示している。また、図16(a)は治具7bの正面模式図を、図16(b)は治具7bの側面模式図を、図16(c)は治具7bの背面模式図をそれぞれ示している。
【0071】
図15からもわかるように、治具7aの挿入部8aにおいては、支持部9aが接続された挿入部8aの後端面と反対側に位置する先端面18aから挿入部8aの延びる方向に沿ってリブ用切込部20aが形成されている。また、図16からもわかるように、治具7bにおいても、支持部9bが接続された挿入部8bの後端面と反対側に位置する先端面18bから挿入部8bが延びる方向に沿ってリブ用切込部20bが形成されている。挿入部8a、8bを導波管部3に挿入した際には、溝部としてのリブ用切込部20a、20bに偏波リブ17が嵌るようになっている。
【0072】
図15および図16に示した検査用の治具7a、7bを用いた検査工程は、具体的には以下のようにして行なわれる。図17および図18は、図15および図16に示した検査用の治具7a、7bを用いた検査工程を説明するための模式図である。図17および図18を参照して、図15および図16に示した検査用の治具7a、7bを用いた検査工程を説明する。
【0073】
図17からもわかるように、シャーシ2となる部材の導波管部3の一方端部開口部としての先端部側の開口部から、矢印11bに示すように治具7bの一方本体部分としての挿入部8bを導波管部3の内部へと挿入する。また、同様に導波管部3の他方端部開口部としての後端部側の開口部から、矢印11aに示すように治具7aの他方本体部分としての挿入部8aを導波管部3の内部へと挿入する。治具7a、7bの挿入部8a、8bの外径は本発明の実施の形態1および2において用いた治具と同様に導波管部3の内周面の形状に沿うように形成されている。このため、導波管部3に歪みなどが発生していない場合は図18に示すように、治具7a、7bの挿入部8a、8bを完全に導波管部3の内部へと挿入することができる。
【0074】
そして、挿入部8aの長さL1(図17参照)と挿入部8bの長さL2(図17参照)との合計の長さは図17に示した導波管部3の長さL0と等しくなるように設定されている。具体的には、導波管部3の偏波リブ17における最も高さの高くなった位置から導波管部3の後端部までの距離L01と治具7aにおける挿入部8aの長さL1とはほぼ等しくなっている。また、導波管部3の偏波リブ17における最も高さの高くなった位置から導波管部3の先端部までの距離L02と治具7bにおける挿入部8bの長さL2とはほぼ等しくなっている。
【0075】
そのため、図18に示すように挿入部8a、8bを導波管部3の内部へと完全に挿入できた場合には、シャーシ内表面12と治具7aの挿入部後端面19aとの位置がほぼ一致する。また、同時に導波管部3の導波管先端部13の位置と治具7bの挿入部後端面19bの位置とはほぼ一致する。逆に、導波管部3に歪みなどが発生していると、治具7a、7bの挿入部8a、8bを導波管部3の内部へと完全に挿入することができないので、シャーシ内表面12と治具7aの挿入部後端面19aとはその位置が互いにずれる。あるいは、導波管部3の導波管先端部13の位置と治具7bの挿入部後端面19bの位置とがずれることになる。このように、治具7a、7bが導波管部3の内部に完全に挿入できたかどうかを確認することにより、容易に導波管部3の歪みの発生の有無を検出できる。
【0076】
また、導波管部3(図18参照)の内部に偏波リブ17が存在するため、導波管部3の一方端のみから導波管部3の内部を充填するような検査用の治具を挿入できない場合、図15および図16に示した治具7a、7bを用いれば、導波管部3の両端側(先端部側および後端部側)から、それぞれ治具7a、7bの挿入部8a、8bを導波管部3の内周部に挿入できる。したがって、上述のように一方の端部のみから導波管部3の内周部を充填するように治具の挿入部を挿入できない導波管部3について、治具7a、7bを用いて容易に導波管部3の変形の有無を検出できる。
【0077】
また、図15および図16に示した治具7a、7bには、図15および図16からもわかるようにそれぞれリブ用切込部20a、20bが形成されている。そして、図18に示した状態では、リブ用切込部20a、20bに偏波リブ17が嵌め合わさった状態となっている。偏波リブ17に歪みや変形が発生していた場合には、偏波リブ17がリブ用切込部20a、20bにスムーズに挿入されない。このため、図15および図16に示した治具7a、7bによって偏波リブ17の変形も容易に確認することができる。
【0078】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0079】
【発明の効果】
このように、本発明によれば、受信用コンバータの導波管部に検査用の治具を挿入するという簡単な手法により、導波管部の変形などの不良を検出できる。したがって、本発明による治具を用いた検査を、受信用コンバータの製造工程における加工工程後に、加工対象の部材の全数について実施することにより、導波管部の変形したような受信用コンバータが流出する確率を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による治具の実施の形態1を適用した製造方法により製造した受信用コンバータを正面から見た模式図である。
【図2】図1の線分II−IIにおける断面模式図である。
【図3】図1に示した受信用コンバータを構成するシャーシの断面模式図である。
【図4】図3に示したシャーシの製造方法を説明するための工程図である。
【図5】検査に用いる治具を説明するための模式図である。
【図6】図5に示した検査用の治具を用いた検査工程を説明するための模式図である。
【図7】図5に示した検査用の治具を用いた検査工程を説明するための模式図である。
【図8】本発明による治具の実施の形態2を適用した製造方法により製造した受信用コンバータを示す断面模式図である。
【図9】図8に示した受信用コンバータを構成するシャーシの断面模式図である。
【図10】図9に示したシャーシ2を形成する際の検査工程において用いる治具を示す模式図である。
【図11】図10に示した検査用の治具を用いた検査工程を説明するための模式図である。
【図12】図10に示した検査用の治具を用いた検査工程を説明するための模式図である。
【図13】本発明による治具の実施の形態3を適用した製造方法により製造した受信用コンバータを示す断面模式図である。
【図14】図13に示した受信用コンバータを構成するシャーシの断面模式図である。
【図15】図14に示したシャーシの製造工程において用いる検査用の治具を示す模式図である。
【図16】図14に示したシャーシの製造工程において用いる検査用の治具を示す模式図である。
【図17】図15および図16に示した検査用の治具を用いた検査工程を説明するための模式図である。
【図18】図15および図16に示した検査用の治具を用いた検査工程を説明するための模式図である。
【図19】従来の受信用コンバータの断面模式図である。
【図20】図19に示した受信用コンバータを構成するシャーシの断面模式図である。
【図21】図20に示したシャーシの製造工程を示す図である。
【符号の説明】
1 受信用コンバータ、2 シャーシ、3 導波管部、4 Oリング、5 ホーンキャップ、6 ホーン部、7,7a,7b 治具、8,8a,8b 挿入部、9,9a,9b 支持部、10,18a,18b 先端面、11,11a,11b 矢印、12 シャーシ内表面、13 導波管先端部、14 挿入部後端面、15,17 偏波リブ、16,20a,20b リブ用切込部、19a,19b 挿入部後端面。

Claims (10)

  1. 導波管を有する受信装置の検査治具であって、
    前記導波管の内周部に挿入される本体部を備え、
    前記本体部の形状は、前記導波管の内周部の設計形状に沿うように決定されている、検査治具。
  2. 前記導波管の内周部に前記本体部を挿入する際の挿入方向と交差する方向における前記本体部の寸法は、前記挿入方向と交差する方向における前記導波管の内周部の設計寸法を所定の値だけ小さくすることにより決定されている、請求項1に記載の検査治具。
  3. 前記導波管の内周部に前記本体部を挿入する際の挿入方向において、前記導波管の内周部の長さと等しくなるように、前記本体部の長さは決定されている、請求項1または2に記載の検査治具。
  4. 前記受信装置の前記導波管には、前記導波管の内壁面から前記導波管の内周部へ突出するリブが配置され、
    前記本体部には、前記本体部を前記導波管の内周部に挿入した際に前記リブが嵌る溝部が形成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の検査治具。
  5. 前記リブの少なくとも1つの端部は階段状の形状を有し、
    前記溝部は、前記リブの階段状の端部に対応した階段状部分を有する、請求項4に記載の検査治具。
  6. 前記導波管は一方端部開口部と他方端部開口部とを有し、
    前記本体部は、前記一方端部開口部から前記導波管の内周部に挿入される一方本体部分と、前記他方端部開口部から前記導波管の内周部に挿入され、前記一方本体部分と分離した他方本体部分とを含む、請求項1または2に記載の検査治具。
  7. 前記受信装置の前記導波管の内周部では、前記一方本体部分と前記他方本体部分とが対向する対向部分において、前記導波管の内壁面から前記導波管の内周部へ突出するとともに側面形状が山形状のリブが配置され、
    前記一方本体部分と前記他方本体部分とには、前記対向部分において前記一方本体部分と前記他方本体部分とを前記導波管の内周部に挿入した際に前記リブが嵌る溝部がそれぞれ形成されている、請求項6に記載の検査治具。
  8. 導波管を有する受信装置の製造方法であって、
    前記導波管が形成され、前記受信装置となるべき部材を加工する工程と、
    前記加工された前記部材の導波管について、請求項1〜7のいずれか1項に記載の検査治具を用いて検査を行なう検査工程とを備える、受信装置の製造方法。
  9. 前記部材を加工する工程は、複数の加工工程を含み、
    前記検査工程は、前記複数の加工工程のそれぞれの後において、加工された部材の全てについて前記検査治具を用いた検査を行なう複数の全数検査工程を含む、請求項8に記載の受信装置の製造方法。
  10. 導波管を有する受信装置の製造方法であって、
    前記導波管が形成され、前記受信装置となるべき部材を加工する複数の加工工程と、
    前記複数の加工工程のそれぞれが終了した後に、加工された全ての前記部材について、前記導波管の内周部に検査治具を挿入することにより、前記導波管の形状検査を行なう検査工程とを備え、
    前記検査治具の形状は、前記導波管の内周部の設計形状に沿うように決定されている、受信装置の製造方法。
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