JP2004071389A - 発光管の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】細管の内部に蛍光体層が配置されるとともに放電ガスが封入され、細管の外面に放電を発生させるための複数の電極を形成した発光管の製造方法において、蛍光体粉末を含む半乾燥状態の蛍光体層形成用の組成物を所望の形状に成形して、細管の内部に配置し、焼成することで、細管の内部に蛍光体層を形成する。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、発光管の製造方法に関し、さらに詳しくは、直径0.5〜5mm程度の細管の内部に蛍光体層を配置するとともに放電ガスを封入した発光管(「表示管」や「ガス放電管」とも呼ばれる)の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
発光管を並列に複数配置して任意の画像を表示する表示装置として、例えば特開2000−315460号公報に記載のような表示装置が知られている。この表示装置では、表示画面の大きさについての自由度が大きく、かつ曲面構造の表示画面が実現できる。
【0003】
しかしながら、細管の直径が0.5〜5mm程度であるため、細管の内部に蛍光体層を形成することが難しく、そのため、細管の内部に容易に蛍光体層を形成することが可能な方法の出現が望まれていた。
【0004】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、蛍光体粉末を含む半乾燥状態の蛍光体層形成用の組成物を所望の形状に成形して、細管の内部に配置し、これを焼成して、発光管の内部に蛍光体層を形成することにより、発光管の内壁面の任意の場所に、任意の厚さの蛍光体層を形成できるようにすることを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、細管の内部に蛍光体層が配置されるとともに放電ガスが封入され、細管の外面に放電を発生させるための複数の電極を形成した発光管であって、蛍光体粉末を含む半乾燥状態の蛍光体層形成用の組成物を所望の形状に成形して、細管の内部に配置し、焼成することで、細管の内部に蛍光体層を形成することからなる発光管の製造方法である。
【0006】
本発明によれば、蛍光体粉末を含む半乾燥状態の蛍光体層形成用の組成物を所望の形状に成形して、細管の内部に配置し、これを焼成して細管の内部に蛍光体層を形成するので、細管内部への蛍光体層の形成が容易となり、細管内部の任意の場所に、任意の厚さの蛍光体層を、均一な厚みで形成することが可能となる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明において、発光管は、内部に蛍光体層が配置されるとともに放電ガスが封入された細管で形成されたものであればよい。この発光管となる細管は、どのような径のものを適用してもよいが、望ましくは、直径0.5〜5mm程度のガラス製のものが適用される。この細管は、円形の断面を有していることが好ましいが、扁平楕円状の断面を有していてもよい。
【0008】
上記構成においては、発光管を並列に複数配置した発光管アレイを表示面側と背面側から挟持する一対の支持体を備えていることが望ましい。この支持体は、例えばガラス製の基板や、樹脂製のフレキシブルシートで構成することができる。樹脂製のフレキシブルシートとしては、光透過性のフィルムシートなどが挙げられる。このフィルムシートに用いられるフィルムとしては、市販のポリカーボネートフィルムや、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム等が利用可能である。
【0009】
本製造方法においては、蛍光体粉末を含む半乾燥状態の蛍光体層形成用の組成物を所望の形状に成形して、細管の内部に配置し、焼成することで、細管の内部に蛍光体層を形成する。
【0010】
上記の蛍光体形成用の組成物に含まれる蛍光体粉末としては、当該分野で公知の各種の蛍光体粉末を利用することができる。上記蛍光体形成用の組成物には、例えば、公知のバインダ樹脂、有機溶剤などの有機組成物を含んでいてもよい。バインダ樹脂としては、例えば、ポリビニルブチラール、酢酸セルロース、ポリアクリル酸エステル、ポリメチルメタクリレートなどが挙げられる。有機溶剤としては、エチルアルコール、トルエン、ブタノール、酢酸エチル、メチルエチルケトン、テレピネオールなどが挙げられる。この他に、可塑剤、分散剤等の添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、ポリエチレングリコール、フタル酸ジオクチル、オレイン酸エチル、グリセリンなどが挙げられる。
【0011】
蛍光体層形成用の組成物は半乾燥状態のものを作製する。この半乾燥状態とは、粘土状態を意味し、可塑性を有する状態である。例えば、具体的には、蛍光体粉末に、バインダ樹脂、低沸点溶媒と高沸点溶媒、および可塑剤、添加剤などの有機組成物を加えた蛍光体層形成用の組成物から、低沸点溶媒を除去した状態を意味する。この蛍光体層形成用の組成物はグリーンシートとして作製することが望ましい。
【0012】
蛍光体層形成用の組成物の細管内への配置は、上記グリーンシートを樋状に成形し、細管を縦方向に保持して、細管の一方の開口端からその樋状のグリーンシートを自重を利用して細管の内部に挿入し、その後、細管を横方向に保持するようにすることが望ましい。
【0013】
電極は、放電を発生させるために細管の外面に複数形成されたものであればよい。この電極は、当該分野で公知の材料と方法を用いていずれも形成することができる。例えば、この電極は、上記のフレキシブルシートの発光管対向面に銅などを低温スパッタ法や蒸着法で形成した後、公知のフォトリソグラフの手法を用いてパターニングを行うことで形成することができる。電極は、この他に、ニッケル、アルミニウム、銀などの金属をスパッタ法、蒸着法、印刷法などで形成して、パターニングを行うようにしてもよい。
【0014】
この電極は、発光管の内部にその長手方向に沿って複数の放電領域を形成するという観点からは、発光管の表示面側に発光管の長手方向に交差する方向に形成された主電極と、発光管の背面側に発光管に沿って形成されたデータ電極とで構成することが望ましい。
【0015】
電極が上記のように構成されている場合、グリーンシートのデータ電極に対応する位置に部分的に開口部を形成しておくことが望ましい。これにより、グリーンシートを細管内に配置した際、主電極とデータ電極との対向面に開口部が位置するので、主電極とデータ電極との間の発光管内部で対向放電が発生される際の放電開始電圧を低下させることができる。
【0016】
グリーンシートを細管内へ配置する際には、発光管内壁面全体に複数のグリーンシートを配置するようにしてもよい。それにより、発光管内壁面全体に蛍光体層を形成することができる。また、厚さの異なる複数のグリーンシートを発光管の内部に配置するようにしてもよい。それにより、発光管内壁面に異なる層厚の蛍光体層を形成することができる。
【0017】
グリーンシートのデータ電極に対向する面には導電層を形成してもよく、これにより、主電極とデータ電極との間の発光管内部で対向放電が発生される場合の放電の安定化を図ることができる。
【0018】
また、グリーンシートのデータ電極に対向する面に低融点ガラス粉末を含む半乾燥状態の樹脂層を形成してもよく、この構成であれば、低融点ガラス粉末を含む半乾燥状態の樹脂層を変形させることで、グリーンシートの放電領域の境界に対応する位置に隆起部を形成することができる。このように隆起部を形成した場合には、放電領域を隆起部で仕切ることができるので、隣接する放電領域における放電のクロストークを防止することができる。
【0019】
以下、図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳述する。なお、この発明はこれによって限定されるものではなく、各種の変形が可能である。
【0020】
図1は本発明の製造方法によって製造される発光管を用いた発光管アレイ型表示装置の全体構成を示す説明図である。本表示装置は、直径0.5〜5mm程度の細管の内部に蛍光体層を配置するとともに放電ガスを封入した発光管を並列に複数配置して、任意の画像を表示する発光管アレイ型表示装置である。
【0021】
この図において、31は前面側(表示面側)の基板(支持体)、32は背面側の基板(支持体)、1は発光管、2は表示電極対(主電極対)、3はデータ電極(信号電極ともいう)である。
【0022】
前面側の基板31および背面側の基板32は、ガラス、またはPETフィルムのようなフレキシブルシートで形成されている。背面側の基板32は表示のコントラストの関係から、不透明であるほうが望ましい。発光管1の管体はホウケイ酸ガラスなどで形成されている。
【0023】
前面側の基板31の発光管対向面には表示電極対2が形成されている。この表示電極対2は、ITO、ニッケル、銅、アルミニウム、銀などをスパッタ法、蒸着法、印刷法などで形成したものである。
【0024】
背面側の基板32の発光管対向面にはデータ電極3が形成されている。このデータ電極3は、不透明であってもよいため、ITOを使用せず、ニッケル、銅、アルミニウム、銀などをスパッタ法、蒸着法、印刷法などで形成している。
【0025】
発光管1の内部(放電空間)には、三原色R,G,Bの蛍光体層(図示していない)が一色ごとに設けられ、放電ガスが導入されて、両端が封止されている。この発光管1が並列に複数配置されて発光管アレイとなっている。データ電極3は上述したように背面側の基板32に形成され、発光管1の長手方向に沿って発光管1と接触するように設けられている。表示電極対2は前面側の基板31に形成され、データ電極3と交差する方向に、発光管1と接触するように設けられている。表示電極対2と表示電極対2との間には、非放電領域(非放電ギャップ)21が設けられている。
【0026】
データ電極3と表示電極対2は、組み立て時に発光管1の下側の外周面と上側の外周面にそれぞれ密着するように接触させるが、その密着性を良くするために、表示電極と発光管面との間に接着剤を介在させて接着してもよい。
【0027】
この表示装置を平面的にみた場合、データ電極3と表示電極対2との交差部が単位発光領域(単位放電領域)となる。表示は、表示電極対2のいずれか一本を走査電極として用い、その走査電極とデータ電極3との交差部で選択放電を発生させて発光領域を選択し、その発光に伴って当該領域の管内面に形成された壁電荷を利用して、表示電極対2で表示放電を発生させることで行う。選択放電は、上下方向に対向する走査電極とデータ電極3との間の発光管1内で発生される対向放電であり、表示放電は、平面上に平行に配置される2本の表示電極間の発光管1内で発生される面放電である。
このような電極配置により、発光管1の内部には長手方向に複数の発光領域が形成される。
【0028】
図の電極構造では、一つの発光領域に3つの電極が配置された構成であり、表示電極対によって表示放電が発生される構造であるが、この限りではなく、表示電極2とデータ電極3との間で表示放電が発生される構造であってもよい。
【0029】
すなわち、表示電極対2を一本とし、この表示電極2を走査電極として用いてデータ電極3との間に選択放電と表示放電(対向放電)を発生させる形式の電極構造であってもよい。
【0030】
実施形態1
図2〜図5は本発明の実施形態1の製造方法を示す説明図である。これらの図は上記の発光管アレイ型表示装置に用いる細管の内部に蛍光体層を形成する方法を示している。
【0031】
発光管の管体である細管1aは、円形の断面を有しており、パイレックス(登録商標:米国コーニング社製の耐熱ガラス)を用い、管の外径1mm、肉厚100μm、長さ400mmで作製したものである。
【0032】
この細管1aは、細管1aと相似形の大形のガラス母材をダンナー法で作製し、それを加熱して軟化させながら、リドロー(引き伸ばし)することにより作製している。
【0033】
細管1aの内部に蛍光体層を形成するには、まず最初に、蛍光体粉末を含む半乾燥状態の蛍光体層形成用のグリーンシートを作製する。
このグリーンシートの作製においては、蛍光体粉末に、バインダ樹脂、可塑剤、有機溶剤を加えて撹拌し、成膜して、有機溶剤の一部を乾燥により除去する。具体的には、例えば、蛍光体粉末50重量部、ポリビニルブチラール1重量部、ポリエチレングリコール12重量部、メチルエチルケトン50重量部を混合して、撹拌する。これをドクターブレードによりPETフィルム上に成膜し、室温乾燥によりメチルエチルケトンを除去した状態、つまり半乾燥させて、粘土状のグリーンシートとする。グリーンシートの厚みは20〜50μm程度である。
蛍光体粉末は、公知のR(赤)、G(緑)またはB(青)用の蛍光体粉末を用いる。
【0034】
次に、この作製したグリーンシートを細管1aの内周の半分と同じ幅になるように短冊状に切断し、これをさらにプレス成型して、樋状のグリーンシート4を作製する。そして、この樋状のグリーンシート4を、PETフィルムをはがして、図中矢印Aで示すように、細管1aの内部に挿入する(図2参照)。
【0035】
この挿入の際には、細管1aを縦方向に保持して、細管1aの一方の開口端から樋状のグリーンシート4を自重を利用して細管1aの内部に挿入する。この挿入においては、グリーンシート4が半乾燥状態であり、このためグリーンシート4の表面に粘着性がなく、しかもグリーンシート4自身が適度な硬度を有しているので、特別な方法や装置を利用することなく、グリーンシート4の一端を細管1aの一方の開口端に導入してグリーンシート4を押し込むだけで、簡単にグリーンシート4を細管1aの内部に挿入することができる。この場合、例えばポンプなどを用いて、細管1aのグリーンシート挿入側の反対の開口端から、細管1aの内部通孔の空気を吸引するようにすれば、より簡単にしかも確実に、グリーンシート4を細管1aの内部に挿入することができる。
【0036】
細管1a内に樋状のグリーンシート4を挿入した後(図3参照)、細管1aを乾燥炉内に搬入し、細管1aを横方向に保持して、120℃で1時間加熱することにより、グリーンシート4を細管1aの内壁面に密着させ、かつ溶媒を蒸発させる(図4参照)。
【0037】
ついで、細管1aを焼成炉内に搬入し、420℃で1時間焼成することにより、樹脂成分を分解揮発させ、細管1a内に蛍光体層5を形成する(図5参照)。
【0038】
以後は、公知の方法により、細管内部の排気を行って、細管内に放電ガスを導入し、細管の両端を加熱により封止することで一本の発光管を得る。そして、この発光管をアレイ状に複数並置した発光管アレイを、表示電極対を形成した前面側の基板とデータ電極を形成した背面側の基板との間に挟み込むことで、発光管アレイ型表示装置を作製する。
【0039】
図6は中央に開口部を設けたグリーンシートを示す説明図、図7は発光管アレイ型表示装置の発光管の部分拡大図である。
これらの図に示すように、グリーンシート4の中央部にプレス、レーザアブレーション等により開口部6を設けてもよい。このように開口部6を設けておけば、発光管アレイ型表示装置を作製して、発光管1を発光させる際、データ電極3に対応する部分が開口6となっており、この部分に蛍光体層がないので、表示電極対2の一方の電極とデータ電極3との対向放電(選択放電)が安定する。
【0040】
図8は内壁面全体に蛍光体層を形成した発光管を示す説明図である。この図は発光管の長手方向に垂直な方向の断面を示している。
この図に示すように、複数のグリーンシート(例えば2枚のグリーンシート)を細管内に挿入して、発光管1内に複数の蛍光体層5a,5bを形成するようにしてもよい。
【0041】
この場合、細管内に2枚のグリーンシートを、凹面を向き合わせて同時に挿入してもよいし、一方のグリーンシートを挿入した後、他方のグリーンシートを挿入してもよい。その後、2枚のグリーンシートを同時に乾燥させ、焼成することで、発光管1の内壁面全体に複数の蛍光体層5a,5bを形成する。
【0042】
このように複数のグリーンシートを細管の内壁面の異なる位置に配置して、発光管1内に蛍光体層5a,5bを形成すれば、発光管の任意の位置、例えば内壁面全体に蛍光体層を形成することができる。
【0043】
これにより、発光管アレイ型表示装置を作製して、発光管1を発光させる際、データ電極3側だけに蛍光体層を形成した場合と比較して、表示電極対2間の放電によって発生される真空紫外光の可視光への変換効率を向上させることができる。
【0044】
図9は内壁面に厚さの異なる蛍光体層を形成した発光管を示す説明図である。この図も発光管の長手方向に垂直な方向の断面を示している。
この図に示すように、厚さの異なる複数のグリーンシート(例えば2枚のグリーンシート)を細管内に挿入して、発光管1内に厚さの異なる蛍光体層5c,5dを形成するようにしてもよい。この形成方法を適用して、例えば、表示電極対2側に薄い蛍光体層5cを形成し、データ電極3側に厚い蛍光体層5dを形成することができる。
【0045】
このように蛍光体層の厚みを変えた場合には、発光管アレイ型表示装置を作製して、発光管1を発光させる際、データ電極3側だけに蛍光体層を形成した場合と比較して、放電によって発生される真空紫外光の可視光への変換効率を向上させながら、かつ表示電極対2間で発生される面放電の放電電圧を低く抑えることができる。
【0046】
図10は蛍光体層の裏面に導電層を形成した発光管を示す説明図である。
この図に示すように、グリーンシートの裏面、つまりデータ電極に対向する面に、例えば金属箔、または導電性粒子を含んだ層のような導電層を形成し、このグリーンシートを細管内に挿入して、乾燥、焼成することで、発光管1内に導電層7を有する蛍光体層5eを形成するようにしてもよい。
【0047】
このように、蛍光体層5eのデータ電極対向面に導電層7を形成しておくと、発光管アレイ型表示装置を作製して、発光管1を発光させる際、表示電極対2の一方の電極とデータ電極3との間で対向放電(選択放電)が発生されたとき、蛍光体層5eとデータ電極3との間に位置する導電層7がデータ電極3とほぼ同電位になるので、データ電極3と発光管1との接触状態に関係なく、各セルに同じ選択放電用の電圧を印加することができる。
【0048】
実施形態2
図11〜図15は本発明の実施形態2の製造方法を示す説明図である。これらの図はグリーンシートを蛍光体粉末を含むグリーンシートと低融点ガラス粉末を含むグリーンシートとの2層構造にした場合の蛍光体層の形成方法の一例を示している。
【0049】
本形態では、まず、蛍光体粉末を含むグリーンシート8と低融点ガラス粉末を含むグリーンシート9とで、2層構造のグリーンシート4aを形成する(図11参照)。蛍光体粉末を含むグリーンシート8は実施形態1のグリーンシート4と同じものである。低融点ガラス粉末を含むグリーンシート9は、公知の低融点ガラスフリットと、公知のバインダ樹脂および有機溶剤とを混合し、これをドクターブレードによりPETフィルム上に成膜し、半乾燥させて粘土状のグリーンシートとしたものである。
【0050】
グリーンシート4aの厚みは30〜50μm程度である。蛍光体粉末を含むグリーンシート8と低融点ガラス粉末を含むグリーンシート9とでは、蛍光体粉末を含むグリーンシート8のほうが薄くなっており、蛍光体粉末を含むグリーンシート8の厚みが10〜20μm程度である場合、低融点ガラス粉末を含むグリーンシート9の厚みは20〜30μm程度である。
【0051】
次に、2層構造のグリーンシート4aに、プレスにより、表示ピッチにあわせた周期で隆起部10を形成する(図12参照)。すなわち、グリーンシート4aを細管内に配置した際に、隆起部10が図1で示した非放電ギャップ21に位置するような周期で、隆起部10を形成する。
【0052】
以後は、実施形態1と同様に、2層構造のグリーンシート4aを短冊状に切断し、これをさらにプレス成型して樋状のグリーンシートを作成する。そして、この樋状のグリーンシートを細管の内部に、例えば凹面を対向させて2枚挿入し、隆起部が非放電ギャップに位置するように位置を合わせ、乾燥、焼成することで、発光管の内壁面全体に蛍光体層を形成する。
【0053】
2層構造のグリーンシートを挿入して蛍光体層を形成した発光管を図13に示す。この図は発光管を側面からみた状態を示している。
この例では、2層構造のグリーンシートを細管の表示電極対2側とデータ電極3側に2枚挿入し、発光管1の内部に、表示電極対2側の蛍光体層5fと、データ電極3側の蛍光体層5gを形成している。蛍光体層5fには隆起部11が形成され、蛍光体層5gには隆起部12が形成されている。
【0054】
図13のB−B断面を図14に示し、C−C断面を図15に示す。
これらの図に示すように、蛍光体層5fに形成された隆起部11と蛍光体層5gに形成された隆起部12により、発光管1の放電領域が区画される。
【0055】
これにより、発光管アレイ型表示装置を作製して、発光管を発光させる際、隆起部の蛍光体層が発光に寄与するので、隆起部のない場合よりも発光効率が向上し、かつ隣接セルとの放電のクロストークが防止される。この場合、例えば表示電極対側の蛍光体層とデータ電極側の蛍光体層というように、複数のグリーンシートを用いて、複数の隆起部を設けた場合には、発光効率の向上とクロストーク防止の効果がより大きくなる。
【0056】
このようにして、蛍光体粉末を含む蛍光体層形成用のグリーンシートを作製し、このグリーンシートを発光管となる細管の内部に挿入した後、焼成して、発光管の内壁面に蛍光体層を形成することにより、発光管の内壁面の任意の場所に、任意の厚さで、均一な厚みの蛍光体層を形成することができる。
【0057】
【発明の効果】
本発明によれば、蛍光体層を、発光管となる細管の内壁面に沿って任意の厚さで、任意の場所に、均一な厚みで形成できるので、発光むらがなく、かつ効率の良い表示が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法によって製造される発光管を用いた発光管アレイ型表示装置の全体構成を示す説明図である。
【図2】本発明の実施形態1の製造方法を示す説明図である。
【図3】本発明の実施形態1の製造方法を示す説明図である。
【図4】本発明の実施形態1の製造方法を示す説明図である。
【図5】本発明の実施形態1の製造方法を示す説明図である。
【図6】中央に開口部を設けたグリーンシートを示す説明図である。
【図7】発光管アレイ型表示装置の発光管の部分拡大図である。
【図8】内壁面全体に蛍光体層を形成した発光管を示す説明図である。
【図9】内壁面に厚さの異なる蛍光体層を形成した発光管を示す説明図である。
【図10】蛍光体層の裏面に導電層を形成した発光管を示す説明図である。
【図11】本発明の実施形態2の2層構造のグリーンシートを示す説明図である。
【図12】本発明の実施形態2の隆起部を設けたグリーンシートを示す説明図である。
【図13】本発明の実施形態2の2層構造のグリーンシートを挿入して蛍光体層を形成した発光管を示す説明図である。
【図14】図13のB−B断面を示す説明図である。
【図15】図13のC−C断面を示す説明図である。
【符号の説明】
1 発光管
1a 細管
2 表示電極対
3 データ電極
4,4a グリーンシート
5,5a,5b,5c,5d,5e,5f,5g 蛍光体層
6 開口部
7 導電層
8 蛍光体粉末を含むグリーンシート
9 低融点ガラス粉末を含むグリーンシート
10,11,12 隆起部
21 非放電領域
31 前面側の基板
32 背面側の基板
Claims (9)
- 細管の内部に蛍光体層が配置されるとともに放電ガスが封入され、細管の外面に放電を発生させるための複数の電極を形成した発光管であって、
蛍光体粉末を含む半乾燥状態の蛍光体層形成用の組成物を所望の形状に成形して、細管の内部に配置し、焼成することで、細管の内部に蛍光体層を形成することからなる発光管の製造方法。 - 蛍光体層形成用の組成物が、蛍光体粉末に有機組成物を加えたものを半乾燥させたグリーンシートからなる請求項1記載の発光管の製造方法。
- 蛍光体層形成用の組成物の細管内への配置が、グリーンシートを樋状に成形し、細管を縦方向に保持して、細管の一方の開口端からその樋状のグリーンシートを自重を利用して細管の内部に挿入し、その後、細管を横方向に保持することからなる請求項2記載の発光管の製造方法。
- 電極が、発光管の表示面側に発光管の長手方向に交差する方向に形成された主電極と、発光管の背面側に発光管に沿って形成されたデータ電極とからなり、
グリーンシートのデータ電極に対応する位置に部分的に開口部が形成されてなる請求項2記載の発光管の製造方法。 - グリーンシートの細管内への配置が、発光管内壁面全体に複数のグリーンシートを配置することからなり、それによって発光管内壁面全体に蛍光体層が形成されてなる請求項2記載の発光管の製造方法。
- グリーンシートの細管内への配置が、厚さの異なる複数のグリーンシートを発光管の内部に配置することからなり、それによって発光管内壁面に層厚の異なる蛍光体層が形成されてなる請求項2記載の発光管の製造方法。
- グリーンシートのデータ電極に対向する面に導電層が形成されてなる請求項2記載の発光管の製造方法。
- グリーンシートのデータ電極に対向する面に低融点ガラス粉末を含む半乾燥状態の樹脂層が形成されてなる請求項2記載の発光管の製造方法。
- グリーンシートを細管内に配置する前に、グリーンシートの放電領域の境界に対応する位置に隆起部を形成する工程をさらに備えてなる請求項7記載の発光管の製造方法。
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