図1は、本発明の実施の一形態としての車載用のオートチェンジャ装置11の概略的な構成を示す。筺体12は、たとえば1DINサイズなどとも呼ばれる一定の寸法で、ほぼ直方体の形状を有する。筺体12内には複数の収納部材を備えるストッカ13が収納され、複数枚、たとえば6枚のCD14を収納可能である。ディスク状の記録担体である各CD14は、個別に挿入および排出可能である。ストッカ13内に収納されたCD14は、個別にPUユニット15によって光学的に再生することができる。PUユニット15は、光学ピックアップを有し、架台16に装着される。筺体12内では、フローティング機構17によって架台16やストッカ13などの内部機構を弾発的に支持し、外部からの振動の影響を低減させる。ストッカ13は、積層分割手段である昇降分割機構18によって、全体としての昇降変位と、特定のCD14の収納位置から上方のみの部分を分割しての昇降変位が可能である。PUユニット15、架台16および昇降分割機構18の動作は、制御回路19によって制御される。制御回路19は、筺体2の一側方に配置される。フローティング機構17は、架台16やストッカ13を支持するシャーシ20を、筺体12から浮遊状態で支持する。CD14の挿入および排出を行う際には、ロック爪21がシャーシ20と筺体12との間を固定する。架台16の正面側には、シャッタ22が設けられ、筺体12に設けられる開口部23との間を開閉可能である。架台16には、搬送ローラ24も設けられる。
図2、図3、図4および図5は、図1に示すオートチェンジャ装置11に対するCD14の挿入から再生までの動作を示す。図2では、筐体12の開口部からCD14を挿入し、搬送ローラ24の上ローラ25および下ローラ26間で挟持しながら、ストッカ13の1つの保持位置まで挿入するディスクローディング状態を示す。PUユニット15には、CD14を回転駆動するためのターンテーブル27と、CD14に記憶されている情報を再生するためのPU28と、PU28をCD14の半径方向に移動させるトラッキング機構29とが含まれる。図3は、指定された保持位置よりも上方のストッカ13が分割されて上昇するとともに、架台16が上昇して指定された保持位置の高さにPUユニット15を合わせ、ストッカ13が分割されて上昇することによって形成される空間にPUユニット15を進出させるピックアップユニットのローディング状態を示す。図4は、CD14を保持する分割されたストッカ13が下降し、PUユニット15の回転軸にCD14をクランプするディスククランプ状態を示す。図5は、PUユニット15が後退し、ストッカ13による保持状態を解消した後、ストッカ13の分割部分が再び上昇し、PUユニット15によってCD14を再生するプレイバック状態を示す。
図6、図7、図8、図9および図10は、オートチェンジャ装置11のシャーシ20に関連する構成を示す。図6は平面図、図7は正面図、図8は背面図、図9は右側面図および図10は左側面図をそれぞれ示す。ベース30の左側面の後部には、下方に階段モータ31、上方にストッカモータ32がそれぞれ装着される。ベース30の上部はカバー33によって覆われる。
ベース30の左側方および右側方には、階段用スライド部材35,36がそれぞれ配置される。階段用スライド部材35,36には、階段溝37,38がそれぞれ形成され、階段用スライド部材35,36の前後方向の変位によって、架台16に6段階の昇降変位を行わせることができる。左側の階段用スライド部材35には、スリット39が設けられ、架台16の位置を、光学的に検出することができる。左側の階段用スライド部材35には、後方側の上部に前後方向に駆動するための階段用ラック40が設けられ、前方側の内方に階段上限用当接部41および階段原点用当接部42がそれぞれ形成される。左側の階段用スライド部材35と右側の階段用スライド部材36との間は、ベース30の前方に設けられる伝達レバー43によって連結される。伝達レバー43の中央には中心軸44が設けられ、伝達レバー43はベース30に対して中心軸44まわりの揺動変位が可能である。伝達レバー43を介して階段用スライド部材35および階段用スライド部材36が連結されているので、左右の階段用スライド部材35,36の移動方向は反対方向となる。このため、右側の階段用スライド部材36に設けられている階段溝38は、左側の階段用スライド部材35に設けられている階段溝37とは方向が逆向きである。
左側の階段用スライド部材35とベース30との間には、ロック用スライド部材45が配置される。ロック用スライド部材45の後方側の上部には、ロック用ラック46が形成される。ロック用スライド部材45には連動用ピン47が装着され、階段用スライド部材35に形成される連動用長孔48内に挿入される。階段用スライド部材35が、第2段から第6段までの位置に架台16を昇降変位させる範囲では、連動用ピン47は連動用長孔48内を自由に移動可能である。階段用スライド部材35が、架台16を第1段の位置まで下げるときには、連動用ピン47が連動用長孔48の前方端に当接し、ロック用スライド部材45を連動して後方側へ移動させる。ロック用スライド部材45の中間部には、架台16に設けられているPUユニット15の進出および後退のための機構を、搬送ローラ24を駆動する機構に接続するか否かの切換えを行うための搬送切換用カム49が形成されている。また、階段用スライド部材35,36の後部には、ストッカガイド50およびストッカストッパ51が形成され、後述するようにストッカ13の昇降移動および分割のために用いられる。左側の階段用スライド部材35とロック用スライド部材45との間は、ばね52によって引張られ、連動用ピン47が連動用長孔48の前方端に当接するように付勢される。
ロック用スライド部材45の内方寄りには、伝達用ラック53が形成される。伝達用ラック53は、ベース30の後方中央部に装着されるカム部材54の外周の一部に形成される歯55と噛合する。カム部材54は大略的に円形であり、その中心軸56まわりに角変位可能である。カム部材54の後方寄りの部分、右側方寄りの部分および前方寄りの部分には、後方ロック用カム溝57、側方ロック用カム溝58およびシャッタ用当接部59がそれぞれ形成される。後方ロック用カム溝57には、ロック爪21のホロワ60が挿通される。ロック爪21の中央には、前後方向に延びる長孔61が設けられ、ベース30から立設するピン62が長孔61に係合している。後方ロック用カム溝57が、カム部材54の角変位に合わせて、ホロワ60を後方に押出すと、ロック爪21を後方に押出し、その後端でシャーシ20を筐体12の後端から遠ざけるように、すなわちシャーシ20の前端側を筐体12の正面側に押付けることができる。側方ロック用カム溝58には、側方ロックレバー63の基端部に設けられるホロワ64が係合する。側方ロックレバー63は、大略的にL字型であり、その屈曲部に設けられる透孔にベース30から立設するピン65が挿入され、ピン65まわりに揺動変位可能である。側方ロックレバー63の先端部は、ベース30の右側方に突出し、ベース30を筐体12の右側面から離れるように押圧することができる。シャッタ用当接部59は、シャッタ伝達レバー66の基端部に設けられるピン67を、側方から押圧し、シャッタ伝達レバー66を揺動可能に支持する揺動軸68まわりに角変位させることができる。シャッタ伝達レバー66は、ばね69によってシャッタ22を閉じる方向に付勢される。
階段モータ31およびストッカモータ32の回転出力は、歯車列70,71を介してそれぞれ伝達される。ベース30の後端部の左方側寄りには、押出レバー72が設けられ、ストッカ13内に保持されているCD14を保持状態から押出すことができる。押出レバー72の下方には、伝達レバー73が設けられ、ロック用スライド部材45の後端部が当接可能である。ロック用スライド部材45がもっとも後退した状態で、伝達レバー73を介して押出レバー72の先端がストッカ13内に保持されているCD14を押出す。押出レバー72と伝達レバー73との間、および伝達レバー73とベース30との間には、それぞればね74,75が設けられる。押出レバー72と伝達レバー73との間では、ばね74によって押出レバー72の先端を押出す方向に付勢される。伝達レバー73は、ばね75によって、ロック用スライド部材45の後端との当接部が前進するように付勢される。
カバー33には、階段モータ31から歯車列71を介して伝達される回転駆動力を伝達するための歯車列76が内面側に取付けられる。歯車列76と噛合する平歯車77,78はカバー33の上面側に取付けられ、歯車列76の組立て後に後から挿入することができる。平歯車77,78と同様な平歯車79は、カバー33の下面側に取付けられる。各平歯車77,78,79は、ストッカ13に設けられる送りねじ80,81,82の上部に装着されている平歯車83,84,85とそれぞれ噛合する。
ベース30の前方寄りで、カム部材54の近傍に、スイッチ(以下、「SW」と略称することもある)基板86が取付けられる。スイッチ基板86の左方には、階段上下限レバー87の基端部が装着される。階段上下限レバー87の先端部は、階段用スライド部材35の階段上限用当接部41および階段原点用当接部42と当接可能である。階段上下限レバー87の先端が階段上限用当接部41に当接すると、階段上下限レバー87の基端側の階段上限SW88がON状態となる。階段用スライド部材35が後退して、階段原点用当接部42が階段上下限レバー87の先端部に当接すると、階段上下限レバー87の基端部は階段原点SW89をON状態とする。
スイッチ基板86には、さらにロック位置SW90が装着される。ロック位置SW90は、カム部材54の外周部の歯55に続く円周部分によって押圧されてON状態となり、この円周部分が終了するとOFF状態となる。カム部材54が角変位して、ロック爪21や側方ロックレバー63によってロック状態となるときには、ロック位置SW90はOFF状態となる。ベース30には、さらに架台16の高さを開口部23の高さに合わせ、搬送ローラ24によってCD14の挿入排出を行うための位置で、シャッタ伝達レバー66によってONとなる挿排位置SW91も取付けられる。
図11、図12、図13、図14および図15は、組合わされた状態のストッカ13の平面図、正面図、背面図、右側面図および左側面図をそれぞれ示す。本実施形態では、収納部材である5段分のストッカ部材100と最上段ストッカ部材101とによって、6段にCD14を収納可能なストッカ13が形成される。最上段ストッカ部材101には、後方寄りの2箇所と右側方の1箇所で、送りねじ80,81,82が螺合する。左側の後端の送りねじ80は、直接最上段ストッカ部材101に螺合する。他の送りねじ81,82は、昇降部材102,103を介してそれぞれ最上段ストッカ部材101と結合する。昇降部材102,103には送りねじ81,82と螺合するめねじが形成されており、最上段ストッカ部材101を上下方向に変位可能である。ただし、昇降部材102,103で最上段ストッカ部材101に対して変位可能となるようにめねじを形成しているので、各平歯車83,84,85と平歯車77,78,79との噛合状態の調整等が可能である。最上段ストッカ部材101の後端部には、位置検出片104が配置されている。位置検出片104は、後述するような高精度の位置検出のために使用される。
最上段ストッカ部材101には、分割用スライド部材105,106がそれぞれ取付けられる。分割用スライド部材105,106は、最上段スライド部材101の上面と摺動する平面部と、側方に垂下し、内方寄りに折れ曲がる先端を有する爪107とを有する。右側の分割用スライド部材105からは2箇所の爪107が垂下し、左側の分割用スライド部材106からは1箇所の爪107が垂下する。右側の分割用スライド部材105の爪107のうちの一方と左側の分割用スライド部材106の爪107とには、それぞれ外方に向かって突出する突起108が設けられる。突起108は、階段用スライド部材36,35のストッカガイド50に設けられる長孔に嵌合し、長孔に案内されて上下方向に変位可能であるとともに、階段用スライド部材36,35から前進または後退の変位のための駆動力が伝達される。
ストッカ部材100および最上段ストッカ部材101には、CD14を保持するための保持用板ばね109が、両側方よりも少しだけ前方寄りの部分に設けられ、保持用板ばね109が設けられる部分よりも後方寄りの部分には間隔をあけて複数の保持部であるCD載置用爪110が形成される。ストッカ部材100または最上段ストッカ部材101によって保持されるCD14は、外周部の後方寄りの部分がCD載置用爪110の内方寄りの先端上に載置され、さらに保持用板ばね110で後方側に押さえられて保持される。ストッカ部材100および最上段ストッカ部材101の側面には、選択部である分割用突起111がそれぞれ同一の高さとなるように形成され、階段用スライド部材35,36のストッカストッパ51と分割用スライド部材105,106の爪107とによって、選択的に分割可能である。
図16は、ストッカ13を分割した状態の全体的な斜視図を示し、図17は分割用突起111の斜視図を示す。分割用突起111は同一の位置に揃えられており、分割用スライド部材105,106の爪107と、階段用スライド部材35,36のストッカストッパ51とは、隣接した分割用突起111に対して下方および上方からそれぞれ当接する。ストッカモータ32を回転駆動して送りねじ80,81,82を回転させると、爪107によって選択されたストッカ部材100から最上段ストッカ部材101寄りの上方のストッカ13は持上げられ、分割される。
図18は、ストッカ13を分解した状態を示し、図19はストッカ部材100の積層状態を示す。各ストッカ部材100では、CD載置用爪110が立設されている一方表面の反対側の他方表面側の内側に、CD載置用爪110の外径よりも大きく、CD載置用爪110が挿嵌可能な透孔110aが設けられている。図19に示すような積層状態では、CD載置用爪110が透孔110aに挿嵌され、全体としての厚みを減少させることができる。
図20、図21、図22および図23は、個別のストッカ部材100の平面図、正面図、右側面図および左側面図をそれぞれ示す。図24、図25、図26および図27は、最上段ストッカ部材101の平面図、正面図、右側面図および左側面図をそれぞれ示す。最上段ストッカ部材101にも、一方表面側にCD載置用爪110が形成されている必要があるけれども、透孔110aは必ずしも形成されている必要はない。最上段ストッカ部材101よりも上にはストッカ部材100が積層されないからである。最上段ストッカ部材101には、図11〜図16に示すように、分割用スライド部材105,103が装着される。また後端部が位置検出片104が形成される。
ストッカ部材100および最上段ストッカ部材101の中心部よりも前方寄りの部分には、後述するターンテーブル27の中心軸が挿入可能なターンテーブル用長孔112が形成される。ストッカ部材100の後端部には、押出用切欠113が形成され、前述の押出レバー72の先端が進入可能である。
図28、図29、図30および図31は、図1に示す架台16の平面図、正面図、右側面図および左側面図をそれぞれ示す。CD14の挿入および排出のための搬送ローラ24の駆動とPUユニット15の進出および後退のための駆動とは、挿排モータ130が発生する回転力を共通に利用して行われる。挿排モータ130は、架台16の右側前方に取付けられており、回転力は伝達歯車131を介して上ローラ25の右端を回転駆動する。上ローラ25は、搬送ローラ24としての機能と、PUユニット15を進出および後退させるための回転力の伝達経路とを兼ねる。伝達歯車131を介して上ローラ25が回転駆動されると、上ローラ25の右端から左端へ回転力が伝達され、架台16の左側の伝達歯車132が駆動される。
伝達歯車132の終端では、移動歯車133を介してピニオン歯車134が噛合する。移動歯車133は、前述のロック用スライド部材45に形成される搬送切換用カム49によって上下に変位可能である。移動歯車133が上方に変位すると、伝達歯車132の最終段とピニオン歯車134との間の駆動力の伝達が遮断される。移動歯車133が伝達歯車132とピニオン歯車134との間に噛合している状態では、ピニオン歯車134が挿排モータ130からの回転力によって回転駆動され、ピニオン歯車134が噛合しているPUユニット15のラックを架台16から後方に進出させたり、進出させたPUユニット15を後退させて架台16側に引戻したりすることが可能となる。
伝達歯車132および移動歯車133と架台16の側面との間には、薄い金属板によるロック用スライド板135が設けられ、ばね136で後方寄りに付勢されている。ロック用スライド板135の前端は、PUユニット15の前端に係止されている。PUユニット15が移動して、ロック用スライド板135が後方にばね136によって引張られると、ロック用スライド板135に形成されているロック部で移動歯車133を伝達歯車132とピニオン歯車134との間の駆動力伝達位置に固定する。すなわち、一旦PUユニット15が架台16の最先端の位置から後方へ移動を開始すると、移動歯車133が伝達歯車132からピニオン歯車134につねに駆動力を伝達する状態となる。PUユニット15が架台16の最先端の位置に待機しているときのみロック用スライド板135が移動歯車133の上下の移動を許容し、架台16の側面から外方に突出する移動歯車133の軸137を、ロック用スライド部材45の搬送切換用カム49によって上方に持上げ、伝達経路を遮断することができるようになる。架台16の左側面および右側面には、それぞれ階段用スライド部材35,36の階段溝37,38に嵌合するホロワ138,139が突出する。
架台16の左側方で、伝達歯車132、移動歯車133およびピニオン歯車134の上方には、押込レバー140が設けられる。押込レバー140は、基端部付近に設けられる揺動軸141を中心に、先端部が角変位し、挿入されたCD14をストッカ13側に押込むために設けられる。押込レバー140は、ばね142によって、押込み方向と反対方向に付勢されている。押込レバー140に押込みのための角変位を与えるために、伝達レバー143が設けられる。伝達レバー143は、押込レバー140を付勢しているばね142よりは小さなばね力のばね144によって、押込レバー140が押込み動作を行う方向と逆方向に付勢される。伝達レバー143は、ロック用スライド部材45に形成される押込用カムによって駆動される。
搬送ローラ24の下ローラ26は、上ローラ25の直下ではなく、やや後方寄りにずれた位置に装着される。下ローラ26は、その軸の両端がU字状の溝内に支えられ、ほぼ上下方向に移動可能で、下ローラばね146によって上ローラ25側に引付けられている。上ローラ25と下ローラ26との間にCDが挿入されると、下ローラ26の位置が後方寄りにずれているので、挿入されたCDの先端は上側を向き、ストッカ13の前方張出し部に当接して案内され、保持用板ばね109やCD載置用爪110による保持位置まで円滑に案内される。下ローラ26が上ローラ25の直下にあると、挿入されたCDの先端が落込んで円滑な案内が困難となる可能性がある。
架台16の前方の上面には、複数の長孔150,151,152,153,154,155と係止溝付長孔156,157とが形成されている。係止溝付長孔156,157には、長孔150〜155と平行な長孔部と、ほぼ垂直な短い係止溝とを有する。これらの長孔は、大略的に幅方向に延びる。架台16の上面には、ばね受158も設けられている。これらの長孔150〜157とばね受158とは、架台16の前方上部に内蔵されるピン159によるディスク確認機構に使用される。
図32は、架台16の前方上部に内蔵されるディスク確認機構の構成を示す。前方寄りのスライド板160には、後方寄りの位置にラック161が形成され、長孔150,151に嵌合するホロワ162,163が立設される。スライド板160には、ピン164が立設され、ばね受166も形成される。スライド板160のラック161は、連動歯車169に噛合する。連動歯車169は、後方寄りのスライド板170の前方寄りの部分に形成されるラック171にも噛合する。スライド板170は、大略的にL字状であり、ラック171が形成されている幅方向に延びる部分と、その左端から前方に伸びる部分とを有する。幅方向に延びる部分には架台16の長孔152,153と嵌合するホロワ172,173が立設され、前方に延びる部分の先端付近には長孔154と嵌合するホロワ174が立設される。スライド部材170の屈曲部付近には、揺動レバー175の揺動軸176が固定される。揺動レバー175も大略的にL字状であり、その一方の腕の先端からはホロワ177が立設され、架台16に形成される係止溝付長孔156に嵌合する。揺動レバー175の他方の腕の先端には、ピン159が形成される。スライド板160の右方にも同様な揺動レバー175が設けられ、一方の腕の先端のホロワ177は係止溝付長孔157と嵌合する。スライド板160には長孔155と嵌合するホロワ167も立設されている。
スライド板160のばね受166と架台16のばね受158との間には引張ばねが取付けられ、スライド板160から立設するホロワ162,163,167がそれぞれ長孔150,151,155の左端に当接するように付勢される。スライド板170に立設されるホロワ172,173,174は、長孔152,153,154の右端に当接する。揺動レバー175の一方の腕の先端から立設するホロワ177は、係止溝付長孔156,157の係止溝の部分に落込むように各揺動レバー175はばねによって付勢されている。
CDが挿入されると、揺動レバー175のホロワ177が立設されている腕と異なる腕に設けられているピン159間が押広げられ、ホロワ177が係止溝付長孔156,157の係止溝の部分から外れ、スライド板160は右側の揺動レバー175によって右方向に、左側の揺動レバー175によってスライド板170が左方向にそれぞれ移動可能となる。一方の揺動レバー175のホロワ177が係止溝付長孔156,157の係止溝に留まった状態では、スライド板160,170の移動を行うことができない。すなわち、両方の揺動レバー175が同時に左右に押広げられる状態になったときのみCDの受入れが可能となる。これによって12cmの外径を有するCD14とは異なる外径、たとえば8cmの外径を有するシングルCDが誤って挿入される事態を防ぐことができる。揺動レバー175に設けられているピン159間の間隔は、シングルCDの外径よりもわずかに大きくなっており、シングルCDを挿入したときにはスライド板160,170に横方向の移動を生じさせることができない。
図28〜図31に示すように、架台16には、前後方向の一直線上に間隔をあけて配置される2つの発光ダイオード(「LED」と略称する)180,181が設けられる。LED180,181から発生する光は、後述するようにPUユニット15内に設けられる受光センサで検知される。架台16内でのスライド板160の移動は、挿入検知SW182によって検知され、CDが挿入されたことを検知することができる。
図33は、図1のPUユニット15の平面図を示す。PUユニット15のほぼ中央部には、ターンテーブル27が設けられ、モータ190によって中心軸191が直接回転駆動される。中心軸191には、複数の爪192が装着され、中心軸191の内方寄りに装着されるばね193によって半径方向外方に広がるように付勢される。ばね193は、カバー194によって保持される。ばね193は小径の圧縮ばねであり、中心軸191の軸線方向と平行に挿入すればよいので、組立てが比較的容易である。ターンテーブル27の左方には、PU28を移動させるトラッキング機構29が設けられる。さらにPUユニット15の左側方には、架台16に設けられるピニオン歯車134と噛合するラック195が取付けられ、ピニオン歯車134の回転力をPUユニット15の直線運動に変換する。トラッキング機構29は、PUユニット15のターンテーブル27よりも右側に配置されるモータ196およびその回転駆動力を伝達する伝達歯車197によって駆動される。
PUユニット15のターンテーブル27よりも右側の部分の後方には、センサ基板200が取付けられる。センサ基板200には、前方から後方に延びる直線上に、架台16に取付けられるLED180からの光の受光のための受光センサとして、排出完了センサ201およびディスク有無検知センサ202が間隔をあけて取付けられる。センサ基板200の後端には、PUユニット15が最も後方まで進出して、中心軸191にストッカ13に保持されているCD14を挿入可能なクランプ位置に到達することを検知するクランプ位置SW203が設けられる。センサ基板200の右側方には、クランプ位置から後退して、CD14の再生を行うPLAY位置を検出するPLAY位置センサ204が装着される。PLAY位置センサ204は、ホトインタラプタによって実現され、PLAY位置には光を遮るような部材を配置しておく。ターンテーブル27の下方で前方寄りの部分には、PU28が原点位置にある状態を検知するためのPU原点SW205が設けられる。また、PUユニット15の前端からわずかに突出する検出端を有し、PUユニット15が架台16の最前方の原点に位置することを検出するユニット原点SW206も設けられる。
図34は、左側の階段用スライド部材35とロック用スライド部材45との連動状態を示し、図35は階段用ラック40とロック用ラック46を駆動する状態を示す。ロック用スライド部材45は、階段用スライド部材35とベース30との間に配置され、前述の搬送切換用カム49が形成される。階段用スライド部材35は、階段モータ31によって回転駆動されるピニオン210に噛合する階段用ラック40を有する。ピニオン210は、ロック用スライド部材45のロック用ラック46とも噛合可能である。しかしながら、階段用ラック40とロック用ラック46とは、同時にピニオン210と噛合することはなく、いずれか一方のみが噛合する。噛合の切換えを円滑に行うため、階段用ラック40およびロック用ラック46の切換え部分では、歯211,212の形状が、たとえば山の幅が狭くなるように変形され、円滑な移行を可能としている。
図36は、右側の階段用スライド部材36の構成を示す。左側の階段用スライド部材35と逆方向に移動するので、階段溝38は、左側の階段用スライド部材35に形成されている階段溝37と逆方向となる。
図37は、カム部材54の角変位に伴うロック爪21、側方ロックレバー63およびロック用位置決め部材118の動作を示す。ロック用スライド部材45が後退したロック位置では、ロック爪21が後方に突出し、側方ロックレバー63が右側方に突出し、ロック用位置決め部材118が後方寄りに変位する。ロック位置SW90は、OFF状態となる。
図38および図39は、押出レバー72および押込レバー140に関連する構成を示す。図38に示す押出レバー72は、伝達レバー73との間にばね74が設けられているので、ストッカ13にCDが挿入されると後方に押され、挿入完了スイッチ124をON状態に作動させる。図39に示す押込レバー140では、伝達レバー143の突起221の形状が、直線部222と曲線部223とを有するので、ロック用スライド部材45に形成されている突起224が直線部222に当接するときには押込レバー140を角変位させる駆動力が伝達される。突起224が曲線部223に当接するときには、伝達レバー143のみが角変位し、押込レバー140には駆動力は伝達されない。
図40は、図1に示すシャッタ22に関連する構成を示す。シャッタ22は、シャッタ伝達レバー66を介して与えられる駆動力によって、ロック用スライド部材45が最も後退した位置でのみ開く。この状態で、ロック爪21、側方ロックレバー63およびロック用位置決め部材118によってシャーシ20が筐体12に対して固定された状態となっているので、CD14の挿入排出を円滑に行うことができる。シャッタ伝達レバー66の先端は、スライド板225を横方向に変位させる。横方向の変位は、傾斜溝226に嵌合するシャッタ22のピンを介して、上下方向の開閉動作に変換される。シャッタ22が閉じているか否かは、ホトインタラプタによる抜取り検知センサ228によって検出される。抜取り検知センサ228は、シャッタ伝達レバー66がその先端でシャッタ22によって開口部23を開けている状態でONとなる。一旦シャッタ22があいた状態でCD14を挿入した後、開口部23にCD14が残っている状態では、シャッタ22を閉じることができないので、抜取り検知センサ228はON状態を続ける。CD14が抜取られれば、抜取り検知センサ228はOFF状態となる。
図41は、図1に示すオートチェンジャ装置11の制御回路19に関連する電気的構成を示す。ストッカの上昇位置を検出するストッカ位置センサ114からは、位置検出片104の絶対位置に対応する電圧出力が得られる。この電圧出力は、アナログ/デジタル変換(以下「A/D」と略称する)回路230によってデジタルデータに変換され、マイクロコンピュータのプログラム動作によって実現される制御回路19に入力される。他のスイッチやセンサからの信号も制御回路19に入力され、予め設定されるプログラムに従って階段モータ31、ストッカモータ32、挿排モータ130が回転駆動される。また階段用スライド部材35,36の移動位置は、ホトインタラプタによって実現されるカウントセンサ123の発光素子と受光素子との間をスリット39が通過する回数の計数値として検知することができる。また制御回路19には、オートチェンジャ装置11の動作状態を入力するための指示入力手段であるキー入力装置231や、時間の設定や計時を行うタイマ232も接続される。
図42は図41の制御回路19の動作を示す。ステップa1から動作を開始し、ステップa2では、現在CD14の挿入または排出を行う挿排状態となっているか否かを判断する。挿排状態であれば、ステップa3で挿排状態に対するメカ初期化動作を行い、挿排状態でなければステップa4で挿排状態以外のメカ初期化動作を行う。ステップa3またはステップa4のメカ初期化が終了すると、ステップa5でキー入力装置231からの指示入力を待つ。指示入力があると、ステップa6で、CDの挿入が指示されたか否かを判断する。CD挿入が指示されたと判断されるときには、ステップa7で現在CDの再生中であるか否かを判断する。再生中であるときにはステップa8で、CD挿入準備動作として再生中のCDを排出する動作を行う。ステップa8のCD挿入準備動作が終了したとき、またはステップa7で再生中ではないと判断されるときには、ステップa9でCD挿入動作を行う。
ステップa6でCDの挿入動作ではないと判断されるときには、ステップa10でCD排出動作が指示されたか否かを判断する。CD排出動作が指示されているときには、ステップa11でCDを排出する動作を行う。ステップa10でCD排出が指示されていないと判断されるときにはステップa12でCD検索が指示されているか否かを判断する。指示されているときにはステップa13でストッカの各段についてCDの有無を検索する動作を行い、指示されていないときにはステップa14で残りの動作としてCDチェンジ動作を行う。ステップa9、ステップa11、ステップa13またはステップa14の動作が終了すると、ステップa5に戻る。なお、再生の途中で車載用オーディオ機器としての他の動作、たとえばチューナからの放送受信などの動作を指示されるときには、再生を中断状態とし、いつでも再生の再開可能な状態とする。
図43は、図42のステップa3におけるメカ初期化動作のフローチャートを示す。ステップb1から動作を開始し、ステップb2では階段モータ31を逆転駆動して架台16を下降させ、挿排位置に移動させる。ステップb3で挿排位置SW91がON状態となると、ステップb4のCD排出動作が開始される。ステップb5で排出完了センサ201がON状態となると、CDの排出が完了する。次にステップb5で挿入検知SW182がON状態となると、ステップb7のCD挿入動作が開始され、ステップb8で挿入完了SW124がON状態となるまで挿入動作が続けられる。ステップb9では階段モータ31を正転および逆転に駆動し、ロック位置スイッチ90がOFF状態からON状態となり、再びOFF状態となることをステップb10で検知してロック位置復帰動作を行う。次にステップb11でストッカモータ32を逆転駆動し、ストッカ13を下降させて原点位置に復帰させる。ストッカ13の位置は、ステップb12でストッカ位置センサ114からの出力が原点として予め設定されている値、たとえば(1F)hに対応するようになるか否か判断し、ステップb13で動作を終了する。以下、(1F)hの記法で、たとえば()内の「1F」が2桁の16進数であることを示す。
図44は、図42のステップa4における挿排状態以外のメカ初期化動作に対応するフローチャートを示す。ステップc1から動作を開始し、ステップc2ではストッカモータ32を正転させてストッカ13を上限まで上昇させる。ステップc3でストッカ位置センサ114の出力から上限位置への到達を検出すると、ステップc4で挿排モータ130を正転させ、PUユニット15を進出させてクランプ位置まで到達させる。クランプ位置への進出はステップc5でクランプ位置SW203のON作動によって検知され、次にステップc6で挿排モータ130を逆転させ、PUユニット15を後退させてPLAY位置まで復帰させる。PLAY位置への復帰は、ステップc7でPLAY位置センサ204によって検知される。ステップc8では、ストッカモータ32を逆転させてストッカ13を下降させる。ストッカ13の下降位置は、ステップc9でストッカ位置センサ114の出力から検知する。ストッカ13が下降すると、挿排モータ130を正転させ、PUユニット15を進出させてターンテーブル27に装着されているCD14を、ストッカ13内に挿入する。
ステップc11でクランプ位置SW203がON作動すると、挿排モータ130は停止し、一定時間t1経過後にストッカモータ32が正転してCD14はターンテーブル27の中心軸191側から抜出され、クランプが解除される。ステップc13でストッカ位置センサ114の出力から、ストッカ13の上昇位置が所定位置に達すると判断されると、ステップc14でPUユニット15が架台16の原点位置まで後退するユニット排出動作が行われる。ステップc15でユニット原点SW206によって原点復帰が検知されると、ステップc16でストッカモータ32を逆転させ、ストッカ13の原点復帰動作が行われる。ステップc17でストッカ位置センサ114の出力から原点復帰が検知されると、ステップc18で階段モータ31が逆転され、架台16の原点復帰動作が行われる。ステップc19で階段原点SW89がON状態となり、さらにスリット39が設けられている階段用スライド部材35の部分がカウントセンサ123から外れると、架台16の原点復帰が終了する。階段モータ31は時間t1だけ一旦停止した後、再び逆転を開始する。この間に階段用スライド部材35の階段用ラック40からロック用スライド部材45のロック用ラック46にピニオン210が噛合するラックが切換えられる。ステップc21でロック位置SW90がOFFになると、ステップc22で動作を終了する。
図45は、図42のステップa8におけるCD挿入準備動作のフローチャートを示す。ステップd1から動作を開始し、ステップd2ではストッカモータ32を逆転させストッカ13を下降させる。ステップd3でストッカ位置センサ114の出力から、ストッカ13の下降位置が所定位置に達すると、ストッカモータ32を停止し、一定時間t1経過後に挿排モータ130を正転させ、PUユニット15をストッカ13内に進出させる。ステップd5でクランプ位置SW203がONとなると、挿排モータ130を停止し、一定時間t1経過後にステップd6でストッカモータ32を正転させてストッカ13を上昇させ、CD14を中心軸191から抜出すクランプ解除を行う。
ステップd7でストッカ位置センサ114の出力からストッカ13が所定位置まで上昇することが検知されると、ステップd8でモータ130を逆転させPUユニット15をストッカ13内から後退させるユニット排出動作を行う。ステップd9でユニット原点SW206がON状態となると、挿排モータ130を停止する。次に一定時間t1経過後に、ステップd10でストッカモータ32を逆転させ、ストッカ13の原点復帰を行う。ステップd11でストッカ位置センサ114の出力が所定値に達すると、ストッカモータ32を停止し、一定時間t1経過後にステップd12で階段モータ31を逆転させ、架台16の原点復帰を行う。階段原点SW89がONとなった後、ピニオン210に噛合するラックが階段用スライド部材35の階段用ラック40からロック用スライド部材45のロック用ラック46に切換わり、ステップd15のロック位置復帰動作が行われる。ロック位置復帰動作はステップd14でロック位置SW90がOFFとなると終了し、階段モータ31を停止する。ステップd15ではストッカモータ32が正転され、ストッカ13の上昇動作が行われる。ストッカ位置センサ114の出力から、所定位置に達することがステップd16で検出されると、ストッカモータ32は停止する。一定時間t1経過後に、ステップd17の挿排モード切換え動作が階段モータ31を逆転させることによって行われる。ステップd19で挿排位置SW91がON状態となると、ステップd20で動作を終了する。
図46は、図42に示すステップa9のCD挿入動作のフローチャートを示す。ステップe1から動作を開始し、ステップe2では挿入検知SW182がハイレベルのOFFとなって、12cmのCD14が挿入されたことが検知される。一定時間t1経過後に、ステップe3で挿排モータ130が正転され、ディスク挿入の動作が開始される。挿入されたCD14が後方に移動するとともに、排出完了センサ201の出力がハイレベルとなり、挿入検知SW182がローレベルのON状態となり、ディスク有無検知センサ202の出力がハイレベルからローレベルに変化する。ステップe4で、CD14がストッカ13に挿入されて挿入完了SW124がON状態となると、ステップe5で階段モータ31が正転され、挿排位置からロック位置に復帰する動作が開始される。ロック位置SW90がON状態となると挿排モータ130が停止され、階段モータもt1の時間だけ停止した後、逆転され、再びロック位置SW90がOFFとなる位置で停止し、ステップe6でCD挿入動作を終了する。
図47は、図42のステップa11におけるCD排出動作のフローチャートを示す。ステップf1から動作を開始し、ステップf2ではストッカモータ32を逆転させてストッカ13の下降を行う。ステップf3でストッカ位置センサ114の出力から所定位置まで下降したと判断されると、ストッカモータ32を停止し、ステップf4でディスク返却のために、一定時間t1経過後に挿排モータ130を正転させ、PUユニット15をストッカ13内に進出させる。ステップf5でクランプ位置SW203がON状態となると、挿排モータ130を停止し、一定時間t1経過後にステップf6でクランプ解除動作を行うため、ストッカモータ32を正転させ、ストッカ13を上昇させる。ステップf7で、ストッカ位置センサ114の出力からストッカ13が所定高さまで到達したと判断されるときには、ステップf8で一定時間t1経過後に挿排モータ130を逆転させ、PUユニット15をストッカ13内から後退させるユニット排出動作を行わせる。ステップf9でユニット原点SW206がON状態となると、挿排モータ130を停止する。ステップf10では、ストッカ13の原点復帰を行うため、一定時間t1経過後にストッカモータ32を逆転させてストッカ13を下降させ、ステップf11でストッカ位置センサ114の出力から所定位置まで下降したことが検出されると、ストッカモータ32を停止する。ステップf12で一定時間t1経過後に階段モータ31を逆転させ、ステップf13で架台の原点位置を検出し、ラックの切換えのために一時停止した後、ステップf14でさらにロック用スライド部材45を移動させて、ステップf15でロック位置復帰を行う。
ステップf16ではストッカモータ32を正転させ、ストッカ13を上昇させる。ステップf17ではストッカ位置センサ114の出力からストッカ13が所定位置まで上昇することを検知する。ストッカ13が所定位置まで上昇するとステップf18で階段モータ31および挿排モータ130をそれぞれ逆転させ、CD14を排出するディスク排出のための動作を行う。ステップf19で挿排位置スイッチ91がONとなると、階段モータ31は停止させるけれども、挿排モータ130の逆転は継続し、ステップf20のCD排出動作を続ける。ステップf21で排出完了センサ201がローレベルとなってCDを検出すると挿排モータ130を停止する。ステップf22で一定時間t1経過後、階段モータ31を正転させ、ロック位置SW90が一旦ON状態となった後、階段モータ31を逆転させるロック位置復帰動作を行う。
図48は、図42のステップa12のCD検索動作のフローチャートを示す。ステップg1から動作を開始し、ステップg2ではストッカモータ32を正転させ、ストッカ上昇動作を行う。ステップg3でストッカ位置センサ114の出力からストッカ13が6段目の位置まで上昇していると判断されると、ストッカモータ32が停止し、一定時間t1経過後、ステップg4のCD排出動作が行われる。このとき階段モータ31および挿排モータ130は逆転される。ここで6段目にはCDが収納されている場合を想定する。
ステップg5でCDが押出レバー72によって排出完了センサ201の位置まで排出されると、排出完了センサ201に受光されるLED180からの光が遮断され、排出完了センサ201はOFF状態となる。ステップg6では、押込みレバー140によるディスク押込みのためのCD挿入動作として、階段モータ31および挿排モータ130を正転させ、ステップg7で挿入完了スイッチ124がON状態となるまでディスク押込みを続ける。ステップg8では階段モータ31を逆転させ、ステップg9でロック位置SW90が一旦OFF状態からON状態となり、再びON状態となる位置に停止させる。次にステップg10のストッカ上昇動作として、一定時間t1経過後にストッカモータ32を正転させてストッカ13を持上げる。ステップg11では、ストッカ位置センサ114の出力からストッカ13が5段目位置まで持上がることを検知する。ステップg12では一定時間t1経過後に、階段モータ31および挿排モータ130をそれぞれ逆転させ、CD排出動作を行う。ここで、5段目にはCDが収納されていない場合を想定する。
ステップg13では、挿排位置SW91がON状態となることによって、架台16が挿排位置に達したことを検知し階段モータ31および挿排モータ130を一旦停止させる。以下同様にして、ステップg14では第2段目のストッカ内にCD14が保持されているか否かを判断し、ステップg15では第1段目のストッカ内にCD14が保持されているか否かを判断し、ステップg16で動作を終了する。
図49は、図42のステップa14におけるCD検出の動作をフローチャートを示す。ステップh1から動作を開始し、ステップh2でストッカモータ32を逆転させてストッカ13を下降させる。ステップh3でストッカ位置センサ114の出力からストッカ13が所定位置まで下降していることが検出されると、ストッカモータ32が停止する。ステップh4で一定時間t1経過後に挿排モータ130を正転させ、PUユニット15に装着されているCD14をストッカ13に戻す。ステップh5でクランプ位置SW203がON状態となると、挿排モータ130を停止する。ステップh6では一定時間t1経過後にストッカモータ32を正転させ、CD14を中心軸191から抜出すクランプ解除動作を行う。ステップh7でストッカ位置センサ114の出力からストッカ13が上限位置まで上昇したと判断されると、ストッカモータ32を停止する。ステップh8で一定時間t1経過後に挿排モータ130を逆転させ、PUユニット15をストッカ13内から後退させユニット排出を行う。ステップh9でユニット原点SW206がON状態となると、挿排モータ130を停止する。ステップh10では、一定時間t1経過後にストッカモータ32を逆転させ、ストッカ13を全体として下降させストッカ原点復帰を行う。ステップh11で、ストッカ位置センサ114の出力からストッカ13が原点位置まで低下したと判断されると、ステップh12で一定時間t1経過後に階段モータ31を回転させ、ステップh13でカウントセンサ232の出力から架台16を所定の位置に停止させる。
ステップh14では、一定時間t1経過後、ストッカモータ32を正転させ、ストッカ13を分割して上昇させる。ステップh15では、ストッカ位置センサ114の出力からストッカ13の分割された上半分が上限位置まで上昇することを検知する。
ステップh16では、挿排モータ130を正転させ、PUユニット15をストッカ13内に進入させる。ステップh17でクランプ位置SW203がON状態となると、挿排モータ130を停止する。ステップh18で一定時間t1経過後にストッカモータ32を逆転させ、ステップh19でストッカ位置センサ114の出力から押圧位置まで下降したと判断されると、ストッカモータ32を停止する。ステップh20では、一定時間t2経過後に、ストッカモータ32を正転させ、分割されたストッカ13の上半分を再び上昇させる。この上昇位置は、ステップh21でストッカ位置センサ114の出力から判断する。ステップh22では、一定時間t1経過後に挿排モータ130を逆転させ、PUユニット15に移されたCD14をPUユニット15の後退とともにストッカ13から引出す。PUユニット15が、PLAY位置センサ204からの出力によって、PLAY位置まで到達すると判断されるとき、ステップh23で挿排モータ130を停止する。次にステップh24で一定時間t1経過後、ストッカモータ32を正転させ、ストッカ13をさらに上昇させる。ステップh25でストッカ13の上昇位置が上限のストッカ退避位置に到達すると判断されると、ステップh26で動作を終了する。
以上の各動作で、一定時間t1はたとえば100msecであり、t2は500msecである。以上説明した実施形態では、ストッカ13のストッカ部材100および1段目の最上段ストッカ部材101は、前方寄りの部分がCD14とほぼ等しい形状を有しているので、上ローラ25と下ローラ26との位置がずれて、挿入されるCD14の先端が上向きとなるのに対し、円滑に案内することができる。搬送ローラ24のローラの数を増やしたりして、CD14の挿入がほぼ水平に行えるようにすれば、ストッカ部材100や最上段ストッカ部材101の前方側の部分を設けないようにすることもできる。また、段数は6段に限らないことは勿論である。ディスク状記録担体としては、CD14と同様に、パーソナルコンピュータなどのCD−ROMにも同様に適用することができるのは勿論、レーザディスク(CD)やミニディスク(MD)などにも、同様に適用することができる。
本発明は、次の実施の形態が可能である。
(1)複数枚の記録媒体を収納する収納手段と、記録媒体を再生可能な再生手段と、挿入口から挿入された記録媒体を収納手段まで搬送する搬送手段とを備える記録媒体再生装置であって、前記搬送手段は搬送ローラを含むものであり、該搬送ローラは、少なくとも挿入口付近の第1の位置と、挿入口から離れた第2の位置との間で移動可能であることを特徴とする記録媒体の再生装置。
記録媒体再生装置は、収納手段と、再生手段と、搬送手段とを備える。収納手段は、複数枚の記録媒体を収納する。搬送手段は、挿入口から挿入された記録媒体を前記収納手段に搬送する。再生手段は、記録媒体を再生可能である。搬送手段には、搬送ローラが含まれ、少なくとも挿入口付近と挿入口から離れた位置との間で移動可能であるので、挿入口付近に位置するときには挿入口から挿入される記録媒体を効率よく収納手段に収納し、記録媒体を再生手段で再生するときには挿入口から離れた位置に移動することができる。
(2)前記搬送ローラは上下2つのローラからなり、上のローラを下のローラよりも記録媒体の挿入口側に配置すること特徴とする記録媒体の再生装置。
上のローラと下のローラとの位置がずれているので、挿入口から挿入するディスク状の記録媒体の先端が上向きとなるのに対し、円滑に案内することができる。
(3)前記搬送ローラは再生手段とともに移動可能であることを特徴とする記録媒体の再生装置。
搬送ローラと再生手段とを共通に移動可能であるので、駆動のための構成を共通に利用することができる。
(4)複数枚の記録媒体を収納する収納手段と、記録媒体を再生可能な再生手段と、挿入口から挿入された記録媒体を収納手段まで搬送する搬送手段とを備え、前記収納手段を分割し、再生手段を進入させ任意の記録媒体の再生を行う記録媒体再生装置であって、前記搬送手段を再生手段とオーバラップする位置に配置することを特徴とする記録媒体の再生装置。
記録媒体再生装置は、収納手段と、再生手段と、搬送手段とを備える。収納手段は、複数枚の記録媒体を収納する。搬送手段は、挿入口から挿入された記録媒体を前記収納手段に搬送する。再生手段は、収納手段を分割すれば、その間に進入することができ、任意の記録媒体を再生可能である。搬送手段を再生手段とオーバラップする位置に配置するので、記録媒体再生装置内の空間を有効に利用して、挿入口から挿入される記録媒体を効率よく収納手段に収納し、再生手段で再生することができる。
(5)収納手段に収納される記録媒体と重なりあわない位置で、前記搬送手段および再生手段がオーバラップする位置に配置されること特徴とする記録媒体の再生装置。
搬送手段および再生手段がオーバラップする位置は収納手段に収納される記録媒体と重なりあわない位置であるので、収納手段を分割する際などに、搬送手段および再生手段を位置させておくことができる。
(6)複数枚の記録媒体を収納する収納手段と、記録媒体を再生可能な再生手段と、挿入口から挿入された記録媒体を収納手段まで搬送する搬送手段とを備える記録媒体再生装置であって、前記搬送手段は搬送ローラおよび押込レバーからなることを特徴とする記録媒体の再生装置。
記録媒体再生装置は、収納手段と、再生手段と、搬送手段とを備える。収納手段は、複数枚の記録媒体を収納する。搬送手段は、挿入口から挿入された記録媒体を前記収納手段に搬送する。搬送手段は、搬送ローラおよび押込レバーからなるので、搬送ローラを回転させれば記録媒体の搬送を行うことができ、搬送ローラから外れた後は、押込ローラで収納手段に押込むことができる。
(7)複数枚の記録媒体を収納する収納手段と、記録媒体を再生可能な再生手段と、挿入口から挿入された記録媒体を収納手段まで搬送する搬送手段とを備え、前記収納手段を分割し、再生手段を進入させ任意の記録媒体の再生を行う記録媒体再生装置であって、前記収納手段に記録媒体を収納する押込レバーが再生手段の架台に設けられていることを特徴とする記録媒体の再生装置。
記録媒体再生装置は、収納手段と、再生手段と、搬送手段とを備える。収納手段は、複数枚の記録媒体を収納する。搬送手段は、挿入口から挿入された記録媒体を前記収納手段に搬送する。再生手段の架台には、収納手段に記録媒体を収納する押込レバーが設けられて、挿入された記録媒体を収納手段に押込むことができ、挿入口から挿入される記録媒体を効率よく収納手段に収納し、再生手段で再生することができる。
(8)複数枚の記録媒体を収納する収納手段と、記録媒体を再生可能な再生手段と、挿入口から挿入された記録媒体を収納手段まで搬送する搬送手段とを備える記録媒体再生装置であって、挿入口から挿入された記録媒体を収納手段まで搬送する動作を行わせ、記録媒体の搬送方向に移動可能なスライド部材の移動によって、挿入口のシャッタを開閉することを特徴とする記録媒体の再生装置。
記録媒体再生装置は、収納手段と、再生手段と、搬送手段とを備える。収納手段は、複数枚の記録媒体を収納する。挿入口から挿入された記録媒体を収納手段に搬送する動作を行わせ、記録媒体の搬送方向に移動可能なスライド部材の移動によって、挿入口のシャッタを開閉するので、挿入口に記録媒体が挿入された後、シャッタを閉じることができる。
(9)前記スライド部材の移動によってシャッタの開閉とともにフローティング支持される再生手段のフローティングロックをも行うことを特徴とする記録媒体の再生装置。
シャッタを開いて記録媒体の挿排を行うときは、再生手段のフローティングロックも行うことができる。