JP2004070863A - 公共事業計画立案支援方法とそのシステムとそのプログラムとそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents

公共事業計画立案支援方法とそのシステムとそのプログラムとそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】明快、且つ客観的な施工の優先順位付けを容易に行うことができる、公共事業計画立案支援方法とそのシステムなどを提供することを目的とする。
【解決手段】複数の公共事業の計画立案の優先順位付けに係わる複数の要因毎の評価値を第1の格納手段20に入力する工程S2と、この評価値を読み出し標準化して得られる標準化評価値を第2の格納手段21に入力する工程S4と、データ包絡分析法を用いて公共事業毎の比率尺度を最大化する解析により最適なウエイト値と比率尺度を求め第3の格納手段23に入力する工程S5と、この第3の格納手段23から比率尺度を読み出して表示及び/又は出力する工程S6と、比率尺度が同一の公共事業がある場合において影響度を演算して第4の格納手段24に入力し表示及び/又は表示する工程S9とを有する。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の公共事業の施工計画においてその施工の優先順位付けの設定を支援するための公共事業計画立案支援方法とそのシステムとそのプログラムとそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
土砂災害(土石流、がけ崩れ、地すべり)を防ぐための防災施設など、公共事業施設の施工計画は、それを必要とする箇所が多いなどの理由により、複数の計画の優先順位付けを行いその優先順位に従って施工を行うことが多いが、その優先順位付けの方法は、未だ十分には確立されたと言える状況にない。
【0003】
例えば、土砂災害は、我が国の国土の約7割が山地で地質的にも脆弱な地域が多く、急峻な地形が多い等の地理的条件や、都市化の進展による山麓部の土砂災害危険地域への人口増加等の社会的条件、更には土砂災害の誘因となる台風や梅雨等の集中豪雨に見舞われ易いといった気象的条件により、我が国における宿命的な自然災害の一つとなっており、毎年、全国各地で多数発生し、尊い人命が失われ、貴重な財産が破壊されているが、かかる土砂災害の危険地域(土石流危険渓流、急傾斜地崩壊危険箇所、地すべり危険箇所)は、全国で約18万箇所と多く、ハード対策による整備率は25%台と低いのが現状であり、また、これだけ多くの危険箇所全てにハード対策を実施するには、予算的、時間的な制約もあることから、ソフト対策によりハ−ド対策の遅れをカバーする必要性が認識されてきているのが実状である。
【0004】
かかる防災施設計画の優先順位付けには様々な要因が絡み合い、その優先順位付けの方法としては、例えば、土砂災害発生の可能性の大きさに関する要因としての土砂災害発生危険度、土砂災害発生時の損害の大きさに関する要因としての保全人家戸数など、幾つかの重要な要因についてその相対的な優先度を◎、○、△などで評価し、更に、それらの総合的な優先度を、同様に、◎、○、△などで評価し、最終的に、かかる評価情報に基づき、政策的、行政的な判断も含み、優先順位付けを行う方法や、要因毎に所定の評価基準により数値評価し、更に、各要因に所定の重み付けを行って総合的な優先度を数値評価し、最終的に、かかる評価情報に基づき、政策的、行政的な判断も含み、優先順位付けを行う方法などがある。
【0005】
かかる従来技術は、最終的に、政策的、行政的な判断も含み優先順位付けを行うことは止むを得ず、更には望ましいとも言えるが、前者の方法は、明確な優先順位付けの評価ができず、また、評価者の意思によってその順位評価が変わるという問題があり、後者は、評価者の意思によって各要因の重み付けが異なり、総合的な優先度の評価が変わるという問題がある。即ち、両者ともに、評価者が変わると優先順位付けも変化することになり、明快、且つ客観的な施工の優先順位付けが出来ないという問題があった。
【0006】
また、周知の如く、ダムや干拓等の大規模な公共事業施設の計画においては、費用と経済的効果(その事業によって防止すべき損害を含む)との関係、即ち、費用対効果比によって事業計画を評価する方法が用いられているが、費用及び経済的効果を精度よく評価するためには、膨大な費用と、時間、労力を要し、対象とする計画が多い場合には、実質上、この方法を適用するのは困難である。
【0007】
なお、優先順位付けの技術に関連し、特開2001−325686号公報(防災情報処理方法及びシステム)、特開2000−067125号公報(災害復旧計画支援装置)、特開2000−048073号公報(対策の時間管理ルールを考慮した災害時意思決定支援装置およびそのシステム)、特開平11−316781号公報(災害発生時における意思決定表示方法及びその装置)等には、優先順位に応じた資源量の割り当てなどが示されているが、何れも、予め優先順位を記憶し、或いは優先順位を規定するルールを記憶するものであって、優先順位付けを行う具体的な技術は開示されていない。
【0008】
また、特開平09−033684号公報(予防保全方法及び予防保全装置)には、プラントの機器の損傷発生防止に最適な予防保全計画を立案することを目的に、損傷発生の可能性の大きさに関する損傷発生可能性指標と損傷発生時のプラントへの影響度の大きさに関す機器重要度指標に基づいて安全性を評価して、保全を適用すべき機器の優先度を順位付けし、保全を適用すべき各機器について、予防保全と事後保全の経済性の指標(コスト及び難易度)を比較して保全対策の優先度を順位付けし、これらの優先度に基づき保全計画の素案を作成し、現状及び対策後の機器の寿命の予測結果の比較に基づいて各機器についての最適な保全計画を立案する技術が示されている。この従来技術は、謂わば、費用対効果比の経済合理性に基づき優先順位付けを行う技術の一形態であるが、本発明の意図する公共事業施設の施工順位付けにそのまま使用できるものではない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、複数の公共事業施設の計画においてその施工の優先順位付けを行う方法に係わる前述の状況に鑑み、明快、且つ客観的な施工の優先順位付けを容易に行うことができる公共事業計画立案支援方法とそのシステムとそのプログラムとそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明者は鋭意研究を重ねた結果、本発明者らが非線形のがけ崩れ発生限界線の設定に導入したデータ包絡分析法(例えば、佐藤、他:DEAを用いたがけ崩れ発生限界雨量線の設定手法,第53回平成13年度土木学会中国支部研究発表会発表概要集,pp.673−674,2001.6)が、公共事業施設の施工の優先順位付けにも適用できることを見出し、更に、その好適な実施の形態を見出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0011】
即ち、請求項1の発明は、複数の公共事業の計画立案の優先順位付けに係わる複数の要因毎の評価値を該複数の公共事業毎に書き込み可能な第1の格納手段に入力する工程と、この複数の要因毎の評価値を第1の格納手段から読み出してデータ包絡分析法を用いて該公共事業毎に該複数の要因毎の評価値とそれに対するウエイト値の積の和として定義される該公共事業毎の比率尺度をそれぞれ最大化する解析により最適なウエイト値と比率尺度を求め該比率尺度を第3の格納手段に入力する工程(以下、本工程を「データ包絡分析法を用いて解析する工程」ということがある。)と、この第3の格納手段から該比率尺度を読み出して表示及び/又は出力する工程とを有する公共事業計画立案支援方法である。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記第1の格納手段から前記複数の公共事業に係る前記複数の要因毎の評価値を読み出し標準化して得られる標準化評価値を第2の格納手段に入力する工程を更に有し、前記データ包絡分析法を用いて解析する工程を、この複数の要因毎の標準化評価値を第2の格納手段から読み出してデータ包絡分析法を用いて該公共事業毎に該複数の要因毎の標準化評価値とそれに対するウエイト値の積の和として定義される該公共事業毎の比率尺度をそれぞれ最大化する解析により最適なウエイト値と比率尺度を求め該比率尺度を第3の格納手段に入力する工程とした公共事業計画立案支援方法である。
【0013】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明において、前記データ包絡分析法を用いて解析する工程を、データ包絡分析法のCCRモデル、領域限定CCRモデル、超CCRモデル、領域限定超CCRモデルのいずれかを用いて解析する工程とした公共事業計画立案支援方法である。
【0014】
請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3記載の発明において、前記データ包絡分析法を用いて解析する工程で用いた前記複数の要因のうち1の要因を選択する工程と、該データ包絡分析法を用いて解析する工程でフロンティアを構成する公共事業として抽出された公共事業に係る該選択された要因の評価値又は標準化評価値と該データ包絡分析法を用いて解析する工程で求められた最適なウエイト値の積として定義される影響度を該抽出された公共事業毎に第4の格納手段に入力する工程と、この第4の格納手段から該影響度を読み出して表示及び/又は出力する工程とを有する公共事業計画立案支援方法である。
【0015】
請求項5の発明は、請求項1乃至請求項3記載の発明において、前記データ包絡分析法を用いて解析する工程で用いた前記複数の要因のうち複数要因を選択する工程と、この選択された複数要因の重み値を入力する工程と、該データ包絡分析法を用いて解析する工程でフロンティアを構成する公共事業として抽出された公共事業に係る該選択された複数要因毎の評価値又は標準化評価値と該データ包絡分析法を用いて解析する工程で求められた該選択された複数要因毎の最適なウエイト値と該入力された重み値の積の和として定義される合計影響度を該抽出された公共事業毎に算出して第4の格納手段に入力する工程と、この第4の格納手段から該合計影響度を読み出して表示及び/又は出力する工程とを有する記載の公共事業計画立案支援方法である。
【0016】
請求項6の発明は、請求項1乃至請求項5記載の発明において、前記第1の格納手段に入力された前記複数の公共事業に係る前記複数の要因毎の評価値又は前記第2の格納手段に入力された該複数の公共事業に係る該複数の要因毎の標準評価値を読み出して、超CCRモデル又は領域限定超CCRモデルによるデータ包絡分析法を用いて、該複数の公共事業のうちフロンティアを構成する公共事業について、該フロンティアを構成する公共事業毎に当該公共事業を除く第2のフロンティアを構成してこれを基準とし当該公共事業の要因毎の評価値又は標準化評価値とそれに対する第2のウエイト値の積の和として定義される当該公共事業の第2の比率尺度を最大化する解析により第2の最適なウエイト値と第2の比率尺度を求め該第2の比率尺度を第4の格納手段に入力する工程と、この第4の格納手段から該フロンティアを構成する公共事業の第2の比率尺度を読み出して表示及び/又は出力する工程とを有する公共事業計画立案支援方法である。
【0017】
請求項7の発明は、請求項1乃至請求項6記載の発明において、予め前記複数の要因以外の要因に係る第2の評価値を前記複数の公共事業毎に第4の格納手段に入力する工程あるいは該複数の要因以外の要因に係る第2の評価値を前記データ包絡分析法を用いて解析する工程でフロンティアを構成する公共事業として抽出された公共事業毎に第4の格納手段に入力する工程と、この第4の格納手段から該抽出された公共事業の前記第2の評価値を読み出して表示及び/又は出力する工程とを有する公共事業計画立案支援方法である。
【0018】
請求項8の発明は、請求項1又は請求項2記載の公共事業計画立案支援方法を該公共事業施設の優先順位付けに係る第一の評価情報を求める第一の工程とし、請求項4乃至請求項7の公共事業計画立案支援方法を該公共事業施設の優先順位付けに係る第二の評価情報を求める第二の工程とし、該第一の評価情報及び/又は該第二の評価情報を含む情報を施工の優先順位付けの評価情報とし、該解析した複数の計画から最も優先すべき計画を決定する第三の工程を更に有し、該決定した最も優先すべき計画を除き、該第一の工程、該第二の工程、及び該第三の工程を順次繰り返し、所定の順位までの優先順位付けを行う公共事業計画立案支援方法である。
【0019】
請求項9の発明は、請求項2乃至請求項8記載の発明において行う評価値の標準化に係る形態であり、前記標準化を、前記複数の要因毎の評価値の平均値と標準偏差を算出して行う標準化とした公共事業計画立案支援方法である。
【0020】
請求項10の発明は、請求項1記載の発明をシステムとして捉えた発明であり、複数の公共事業の計画立案の優先順位付けに係わる複数の要因毎の評価値を該複数の公共事業毎に書き込み可能な第1の格納手段と、この第1の格納手段から該評価値を読み出してデータ包絡分析法を用いて該公共事業毎に該複数の要因毎の評価値とそれに対するウエイト値の積の和として定義される該公共事業毎の比率尺度をそれぞれ最大化する解析により最適なウエイト値と比率尺度を求める第2の演算手段と、この比率尺度を入力する第3の格納手段と、この第3の格納手段から該比率尺度を読み出して表示及び/又は出力する表示手段とを有する公共事業立案支援システムである。
【0021】
請求項11の発明は、請求項2記載の発明をシステムとして捉えた発明であり、複数の公共事業の計画立案の優先順位付けに係わる複数の要因毎の評価値を該複数の公共事業毎に書き込み可能な第1の格納手段と、この第1の格納手段から該複数の要因毎の評価値を読み出し標準化する第1の演算手段と、この複数の要因毎の標準化評価値を入力する第2の格納手段と、この第2の格納手段から該標準化評価値を読み出してデータ包絡分析法を用いて該公共事業毎に該複数の要因毎の標準化評価値とそれに対するウエイト値の積の和として定義される該公共事業毎の比率尺度をそれぞれ最大化する解析により最適なウエイト値と比率尺度を求める第2の演算手段と、この比率尺度を入力する第3の格納手段と、この第3の格納手段から該比率尺度を読み出して表示及び/又は出力する表示手段とを有する公共事業立案支援システムである。
【0022】
請求項12と請求項13の発明は、請求項2記載の発明をプログラムとして捉えた発明とそのプログラムを記録した記録媒体であって、請求項12の発明は、複数の公共事業の計画立案の優先順位付けに係わる複数の要因毎の評価値を該複数の公共事業毎に書き込み可能な第1の格納手段に入力する工程と、この第1の格納手段から該複数の要因毎の評価値を読み出し標準化して得られる標準化評価値を第2の格納手段に入力する工程と、この複数の要因毎の標準化評価値を第2の格納手段から読み出してデータ包絡分析法を用いて該公共事業毎に該複数の要因毎の標準化評価値とそれに対するウエイト値の積の和として定義される該公共事業毎の比率尺度をそれぞれ最大化する解析により最適なウエイト値と比率尺度を求め該比率尺度を第3の格納手段に入力する工程と、この第3の格納手段から該比率尺度を読み出して表示及び/又は出力する工程とを実行させる公共事業立案支援プログラムであり、請求項13の発明は、その公共事業立案支援プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0023】
【発明の実施の形態】
一般に多次元の意思決定軸を持っている問題を定量的に評価する際には、人間は、何らかの方法を利用してそれを一次元化しなければ順位付けできず、何らかのウエイト値を設定して一次元化を行っている。このウエイト付けが、明快、且つ客観的な合理性を有する場合にはその順位付けの評価に問題が生じないが、殆どの場合、明快な設定が困難であり、経験とか勘とかによって決めざるを得ないことも多い。
【0024】
本発明は、かかる多次元の要因(多次元の意思決定軸)間のウエイト付けをデータ包絡分析法(DEA:Data Envelopment Analysis)により行おうとするもので、公共事業施設の施工の優先順位付けにDEAを適用し、その解析で得られる比率尺度を含む情報を施工順位付けの評価情報とすることに最大の特徴を有すものである。DEAは、経営効率の改善を目的に、1978年、Cooperらが提唱した効率を定量的に評価する手法(例えば、刃根:経営効率性の測定と改善‐包絡分析法DEAによる‐、日科技連出版社、1993)であり、それぞれのデータ(DEAで言う「意思決定者(DMU)」)が、許される範囲内で、最も都合がよい(順位が高くなる)ウエイト値(本発明でいう「最適なウエイト値」)を自動的に決定して、そのウエイト付けに基づく荷重和(本発明でいう「比率尺度」)により評価するという特徴がある。即ち、DEAの考え方の概念は、それぞれのDMUが有する特徴を、許される範囲内で最大限生かす評価が、適正な評価になるというものである。
【0025】
次に、かかるDEAを適用した本発明の実施の形態として、先ず、DEAの特徴であるフロンティアの設定方法、及びそのフロンティアを基準とした比率尺度の求め方について説明する。図1は、二次元データを例として、DEAのCCRモデル(Charnes−Cooper−Rhodesモデル:Charnes、Cooper、Rhodesによって1978年に提案されたデータ包絡分析法の最初のモデル)を用いた解析方法を説明するための概念図であって、要因1、要因2は、公共事業施設の施工の優先順位付けに係わる要因とし、A〜Eは、検討対象である公共事業施設の計画の評価データ点とする。
【0026】
比率尺度の基準(=1)となるフロンティア(包絡線)は、図1において、右上の領域には他のデータが無い(優位集合が無い)データの包絡線として設定される。即ち、全ての点についてその点を通る直線を設定し、優位集合が存在しない直線を設定し得る点が、フロンティアを構成する点として抽出される。図1の場合、点A、C、Dがフロンティアを構成する点(比率尺度=1)であり、これらを結ぶ曲線がフロンティアである。一方、B、Eは、どのような傾きにしても優位集合が存在するため、フロンティアに内包される点となり、これらの比率尺度は、フロンティアを基準として求められ、例えば、Bの比率尺度は、OB/OPとして求められる。
【0027】
なお、一般的に、次元の異なるデータを等しく用いる場合には、データの範囲、単位などの影響を避けるため、無次元化したデータを用いるのが適当であり、また、データ包絡分析法ではその解析データに正値条件が課せられていることもあり、本発明の実施においては、解析の対象となる要因データ(本発明でいう「要因の評価値」)の標準化を実施するのが好ましい。即ち、本発明でいう要因データの標準化とは、何らかの方法を用いてデータの次元の統一をある程度図ると共に、データを正値に変換することを意味し、かかる要因データの標準化は、例えば、要因データをXi、標準偏差σi、平均値μi、標準化したデータ(本発明でいう「要因の標準化評価値」)をNiとして、最大化したいデータ(例えば、危険度)、最小化したいデータ(例えば、概算工費)をそれぞれ次式により標準化することができる。この平均値と標準偏差を用いる標準化が最もポピュラーではあるが、本発明は、特にこのような標準化の方法に限定されるものではない。
【0028】
【数1】
Figure 2004070863
上式において例えばaとして50を、bとして10を代入するとよい。
【0029】
図1は、DEAのCCRモデルによる設定を示したものであるが、DEAにはCCRモデル以外に、GDEA(Generalized Data Envelopment Analysis)モデル、BCC(Banker−Charnes−Cooperが提案)モデル、DRS(Decreasing Returns to Scale)モデル、IRS(Increasing Returns to Scale)モデル、GRS(General Returns to Scale)モデルなど様々なモデルがあり、特に本発明を限定するものではないが、パラメータ等の設定が不要で、データのみからフロンティアの設定が可能なCCRモデルが好適である。
【0030】
また、DEAでは、許される範囲内で最も都合よくウエイト値を設定するため、非常に重要な要因にも拘らず、殆どその要因の影響を受けずに比率尺度が設定される場合があり、例えば、図1のDの場合、要因1の影響は大きいが、要因2の影響は非常に小さくなっている。このような極端な偏りのあるウエイト付けを避けるため、全ての要因からそれぞれ最低限の影響を受けるように、それぞれの要因のウエイト値の上下限値を設定する領域限定CCRモデルを用いることもできる。即ち、厳密にそのウエイト値を決定することは出来ないが、常識的にどの程度の範囲の重要度(ウエイト値)を持つかを、ある程度ラフにでも設定できる場合には、この領域限定CCRモデルを用いることにより、より明快な施工の優先順位付けができる。
【0031】
図2は、二次元データを例として、DEAの領域限定CCRモデルを説明するための概念図であって、破線で限定領域を示しており、この破線より外側の領域にあるデータは、重み付けに制限が生じ、限定を設けないCCRモデルで優先度が高いと判定された箇所も、領域限定CCRモデルでは優先度が低下する場合もある。
【0032】
以上、説明したCCRモデル、領域限定CCRモデルは、フロンティアを構成する点(全点、比率尺度=1)についてはその相対評価を行わない解析方法であるが、更に、フロンティアを構成する点についてその相対評価を行う超CCRモデル、又は領域限定超CCRモデルを用いた解析を行うこともできる。超CCRモデル、領域限定超CCRモデルは、フロンティアを構成する当該の点を除いた仮想的なフロンティア(本発明では、「第2のフロンティア」又は「超フロンティア」と称する。)を設定し、この超フロンティアを基準線として、当該の点の仮想的な比率尺度(本発明では、「第2の比率尺度」又は「超比率尺度」と称する。)を求めるものであり、超比率尺度は1より大きい値となる。
【0033】
図3は、図1と同様の二次元データを例として、DEAの超CCRモデルを説明するための概念図であって、フロンティアを構成する点の一つであるCの超比率尺度を求める場合を示したものである。この場合、当該の点Cを除いた超フロンティアは、A〜Dの直線を含み設定され、この超フロンティアを基準線として、当該の点Cの超比率尺度は、OC/OQとして求められる。フロンティアを構成する他の点に対しても、同様の計算により超比率尺度が求められる。
【0034】
以上の実施の形態により、複数の公共事業の計画立案の優先順位付けに係わる複数の要因毎の評価値を入力データとし、その評価値又はそれを標準化した標準化評価値を多次元の解析データとして、データ包絡分析法を用いて公共事業毎に複数の要因毎の解析データとそれに対するウエイト値の積の和として定義される公共事業毎の比率尺度をそれぞれ最大化する解析により最適なウエイト値と比率尺度を求め、解析により得られた比率尺度を評価指標として含む第一の評価情報を求めることができ、フロンティアを構成する計画を、少なくともフロンティアに内包される計画より優先順位が高く、且つ最も優先順位が高い計画を含む集合として、抽出することができる。
【0035】
次に、以上のようなフロンティアの設定を含む実施の形態を第一の工程とし、第一の工程で抽出されたフロンティアを構成する複数の計画について、その施工の優先順位付けのための第二の評価情報を求める、第二の工程の好ましい実施の形態を説明する。
【0036】
その一つは、第一の工程で得られた比率尺度への特定の要因の影響度を評価指標として含み、フロンティアを構成する複数の計画についてその施工順位を評価する第二の評価情報を求めるものである。この特定の要因としては、解析に用いた複数の要因の中から、施工順位付け評価に係り最もすべき要因を一つ更に選択することもでき、例えば、重視すべき複数の要因を更に選択すると共にその選択した複数の要因の重み値を設定し、この重み値を用いた複数の要因の影響度の合計を評価指標して、フロンティアを構成する複数の計画についてその施工順位を評価する第二の評価情報を求めることもできる。
【0037】
本発明でいう比率尺度への要因の影響度とは、DEAの解析により求められる比率尺度に対する当該要因の寄与分であって、当該要因のウエイト値と解析に用いた当該要因のデータ(評価値又は標準化評価値)との積で定義され、比率尺度は、各影響度の和であり、特に、フロンティアを構成する計画(比率尺度=1)では、各影響度が、比率尺度に対する各要因の寄与率となっている。なお、影響度に係る特定の要因の選択と選択した複数の要因の重み値の設定は、第一の工程のDEAを用いた解析の前に行うこともでき、その解析の後に行うこともできる。
【0038】
第二の工程の好ましい実施の形態の二番目は、前述の超CCRモデル又は領域限定超CCRモデルを用いた解析により得られた、超比率尺度を評価指標して含み第二の評価情報を求める形態である。即ち、この第二の工程は、超比率尺度の大小を、フロンティアを構成する点(公共事業施設の計画)の施工の優先順位付けの第二の評価情報とする形態であり、超比率尺度は、当該のフロンティアを構成する点が有する、類似のウエイト付けを有する集合のなかでの特異性を示す指標であり、このことが、超比率尺度の大小を、フロンティアを構成する点の施工の優先順位付け評価情報の一つとすることができる論理的な根拠である。
【0039】
なお、超CCRモデル又は領域限定超CCRモデルを用いて第二の評価情報を求める解析は、第一の工程のDEAを用いた解析として行うこともでき、或いは又、第一の工程のDEAを用いた解析の後に、例えば、同じ多次元の解析データを用いて第二の工程として行うこともできる。また、この超比率尺度を評価指標とした評価情報は、前述の要因の影響度又は合計影響度を評価指標とした評価情報と併せ、第二の評価情報とすることもできる。
【0040】
第二の工程の好ましい実施の形態の三番目は、フロンティアを構成する複数の計画について、第一の工程のDEAによる解析で用いた要因以外の要因に係る第2の評価値を評価指標して含み、フロンティアを構成する複数の計画についてその施工の優先順位を評価するものである。かかる第2の評価値の好ましい形態としては、本発明を限定するものではないが、費用対効果比がある。即ち、第一の工程で抽出した少数のフロンティアを構成する計画に対し、その必要とする費用と得られる経済的効果との関係(費用対効果比)によって評価することにより、比較的少ない費用、時間、労力で明快、且つ客観的な施工の優先順位付けに係る第二の評価情報を得ることができる。この費用対効果比による評価と共に、前述の解析に用いた要因の影響度又は合計影響度による評価、超比率尺度による評価などを含め、第二の評価情報とすることもできる。また、第2の評価値の入力は、第一の工程のDEAを用いた解析の前に行うこともでき、或いは又、第一の工程のDEAを用いた解析の後に行うこともできるが、前者の場合、抽出されたフロンティアを構成する計画に対する第2の評価値の有無を判定し、入力されていないフロンティアを構成する計画の第2の評価値を入力する工程を設ける必要がある。
【0041】
なお、費用対効果比の評価においては、例えば、前述の特開平09−033684号公報(予防保全方法及び予防保全装置)などにも示されているように、対策の規模、内容によって、その費用と防止できる(又は低減できる)損害との関係が変わり、その組合せは無数に存在するため、統一された基準の基で費用対効果比の評価を行う必要がある。このような費用対効果比の評価は、例えば、従来のダム事業計画の評価方法などと同様にして行うことができる。
【0042】
以上のような第二の工程は、第一の工程で求めた比率尺度が同じ複数の計画についてその優先順位付けの評価情報を求めことができる工程であり、フロンティアを構成する計画に限らず、フロンティアに内包され比率尺度が同じ複数の計画についてその優先順位付けの評価情報を求めることもできる。即ち、かかる実施の形態によれば、第一の工程と第二の工程とにより、解析の対象とした全ての計画について、明快、且つ客観的な優先順位付けを容易に行うことが可能な評価情報を求めことができる。
【0043】
以上のようにして求めた第一の評価情報及び/又は第二の評価情報を含む情報を施工の優先順位付けの評価情報とし、総合的な判断によって、解析した複数の計画から最も優先すべき計画を決定する第三の工程を設けるのが望ましい。即ち、公共事業施設は、その施工の優先順位付けに非常に多くの要因が係り、その全てを含めて評価情報を求めることは不可能であると共に、効率的でもなく、最終的に、これらを含めて総合的な判断を行う第三の工程を設けるのが望ましい。また、公共事業施設では、数値的な評価が困難な要因、例えば、地域的な偏りの是正、政策的誘導、或いは地域振興など、政策的、行政的な判断も含み優先順位付けを行う必要がある場合もあり、この観点からも、第三の工程を設けるのが望ましい。
【0044】
第三の工程で決定した計画を除き、第一の工程、第二の工程、及び第三の工程を順次繰り返すことにより、所定の順位、例えば、当該年度予算で執行できる順位までの優先順位付けを行うことができる。なお、第一の工程から繰り返すのは、先に抽出したフロンティアを構成する計画の中に二番目に高い優先度を有する計画が含まれている保証はなく、例えば、最も高い優先度を有する計画に近接し内包された計画が、二番目に高い優先度を有する可能性があるからである。
【0045】
かかる本発明の実施の形態において、例えば、政策的、行政的な判断を伴う第三の工程として、都道府県議会、或いは市町村議会での審議・決定を待っていたのでは、当然ながら、本発明を有効に利用することが困難になる。従って、例えば、第三の工程として、何ケースかの判定モデルを設定し、この判定モデルに従った何ケースかの施工の優先順位付けを行い、それぞれの判定モデルによる施工の優先順位付けを審議資料として、都道府県議会等で決定することが望ましい。このような判定モデルとしては、例えば、重要対策地域など特定地域を所定の施工数まで最優先するモデル、重要対策地域や危険度が高い地域など複数の特定地域を、順次、それぞれ所定の施工数まで最優先するモデル、第二の評価情報で最も優先度の高い計画をそのまま最も優先すべき計画として決定するモデルなどが挙げられる。
【0046】
次に、施工の優先順位付けに係わり設定するDEA解析の要因について、土砂災害に対する防災施設の計画を例として、具体的に説明する。設定する要因としては、土砂災害発生の可能性の大きさに関する要因と、土砂災害発生時の損害の大きさに関する要因とをそれぞれ一つ以上を用いることが好ましく、更には、土砂災害発生の可能性の大きさに関する要因の一つとして、斜面要因毎又は渓流要因毎に評価した土砂災害発生の危険度を用いるのが好ましい。
【0047】
例えば、斜面要因は、地形要因、地質・土質要因、環境要因、或いは地震要因などに区分され、更に、それぞれの区分毎に、例えば、地形要因としては、傾斜度、斜面高さ、斜面方位、斜面形状、横断形状、遷急線などに細分され、具体的には、地方自治体等の急傾斜地崩壊危険箇所点検調査データとして、非常に膨大なデータベースが構築されている。がけ崩れ発生の危険度は、このデータベースを利用して評価することができるが、評価に必要な作業量と得られる評価の信頼性とのバランスの観点から、先ず、がけ崩れ発生に及ぼす影響度が大きい重要な斜面要因を、例えば、ラフ集合を用いて6要因程度、抽出するのが望ましい。
【0048】
抽出した重要な斜面要因に基づく危険度の評価は、公知の多変量解析、ファジイ理論、或いは点数制などが使用でき、本発明を特に限定するものではないが、斜面要因毎にカテゴリー別(5カテゴリー程度が好ましい。)のがけ崩れ発生率を算出し、その発生率を当該斜面要因・当該カテゴリーの設定点数とし、このようにして設定した斜面要因毎の得点を加算することにより個別斜面の危険度を点数制により評価するのが好ましい。この方法は、非常に簡易であり、経験的な判断を必要とせず、更には、斜面要因間のウエイトを自動的に調整できるものであり、実際の崩壊現象(潜在危険度との関係においての、崩壊確率、或いは崩壊傾向)を非常に良く再現できる方法である。
【0049】
土砂災害発生時の損害の大きさに関する要因としては、同様に、地方自治体等が行う急傾斜地崩壊危険箇所点検調査のデータである保全人家戸数、公共施設数、或いは、危険箇所に関係する人数、被害想定額などを用いることができる。また、概算工費などを要因とすることもできるが、DEAの解析に用いる要因数としては、重要な要因を3〜5程度(三次元データ〜五次元データ程度)選択するのが好ましく、要因数を多くするとフロンティアを構成する点として抽出される計画の数が比例的に増大し、その中での優先順位付けの評価を行う第二の工程の処理負荷が増大すると共に、一巡の処理で、解析の対象とした中から最も優先度の高いものを決定し、これを除き一巡の処理を繰り返すという実施の形態の場合、要因数を増やしたからといって、優先順位付けの評価の信頼性が増大する効果が得られるわけではない。
【0050】
次に、本発明の公共事業立案支援システムについて説明する。
本発明の支援システムは、上述した本発明の方法を用いて公共事業施設の施工の優先順位付けを支援するシステムであって、対象とする複数の公共事業施設の優先順位付けに係わる複数の要因毎の評価値などを入力する情報入力装置と、入力情報やそれを用いた解析結果などを記憶する格納手段である情報格納装置と、少なくともDEAによる解析を行う機能を有する演算手段である情報処理演算装置と、解析結果などを表示及び/又は出力する表示手段である情報出力装置とを備えたシステムとして構成できる。
【0051】
詳細には、実施例の説明で行うが、その具体的な構成としては、例えば、情報入力装置をキーボード、マウス、ペンタブレットなど複数種類の装置からなり目的に応じた使い分け可能な装置とし、情報格納装置を磁気ディスク等のコンピュータ用記憶装置とし、情報処理演算装置をワークステーションやパーソナルコンピュータ等のコンピュータとし、情報出力装置をCRTディスプレイ、プリンタなど複数種類の装置からなり目的に応じた使い分け可能な装置として構成することができ、このような構成において、対話型処理によって施工の優先順位付けを行えるようにするのが好ましい。
【0052】
かかる構成において、好ましい実施の形態について、以下、説明する。
対象とする公共事業施設の解析データを情報格納装置に記憶させる方法として、DEAの解析に使用し得る解析データとして入力し、これを記憶させる方法と、入力されたデータを記憶させると共に、その入力データをコンピュータで例えば標準化などの処理・加工をして解析データを作り、この処理・加工した解析データを記憶させる方法があるが、可能な限り、オペレータの負担を軽減させる意味で後者とするのが好ましい。なお、入力する要因数は、DEAの解析においてそれを選択する自由度を大きくするため、多い方が好ましい。
【0053】
操作者(評価者)が、情報格納装置に記憶された公共事業施設の中から、解析の対象とする複数の公共事業施設を指定できるようにすることが好ましく、例えば、県内全域や市町村、重要対策地域、危険度が高い地域、或いは、保全人家戸数が多い斜面など、その解析対象とする公共事業施設の範囲を設定し指定可能とすることが望ましい。
【0054】
また、DEAの解析に用いる複数の要因を選択可能とし、第一の工程、第二の工程、第三の工程で用いる解析・判定モデルの選択を可能とすることが望ましい。解析・判定モデルとしては、例えば、上述のように、第一の工程での好ましい解析法としての、DEAのCCRモデル、領域限定CCRモデル、超CCRモデル、領域限定超CCRモデルや、第二の工程でのフロンティアを構成する計画についての好ましい評価法としての、要因の影響度により評価するモデル、超比率尺度により評価するモデル、費用対効果比により評価するモデルや、第三の工程に係る政策的、行政的な判断などを含む判定モデルとしての、特定地域を所定の施工数まで最優先するモデル、複数の特定地域を、順次、それぞれ所定の施工数まで最優先するモデル、第二の評価情報で最も優先度の高い計画をそのまま最も優先すべき計画として決定するモデル、などを選択指定可能とすることが好ましい。
【0055】
処理は、対話型処理によって、工程毎に評価結果を表示させ、これを確認し、必要なら解析・判定モデル或いは条件を変えた再計算をさせるなど、ステップ毎に進めることもでき、或いは、所定の順位までの優先順位付けを一連の処理として連続的に行わせることもできる。評価結果は、一覧表での表示やグラフでの表示、或いは、これらのカラーマッピング表示などを可能とし、これらのプリンタ出力、必要に応じて、情報格納装置への記憶を可能とする。
【0056】
なお、本発明を好適に実施するために、先ず、本発明により、過去の実績を用いた施工の優先順位付けを行い、例えば、好ましい解析要因、好ましい解析・判定モデルなどにつき検証・検討し、これらの結果を用いて、新たな計画についての優先順位付けを行うのが好ましい。また、新たな計画の優先順位付けの評価情報に、例えば、過去の実績を併せて示し、過去の実績を参照しながら、新たな計画の優先順位付けの決定を行えるようにするのが望ましい。
【0057】
また、以上の説明では、第一の工程、第二の工程及び第三の工程を、順次、繰り返す実施の形態を中心に説明したが、例えば、超CCRモデル又は領域限定超CCRモデルを用いた一回の解析により得られる、フロンティアに内包される計画に対する比率尺度と、フロンティアを構成する計画に対する超比率尺度とを評価指標として含む評価情報を、解析対象の全計画についての優先順位付けを行うための評価情報とすることもできる。即ち、超CCRモデル又は領域限定超CCRモデルを用いて第一の工程を一回実施することにより、その一回の解析により得られる比率尺度と超比率尺度とを評価指標として、解析対象の全計画についての優先順位付けを行うこともできる。
【0058】
以上のような実施の形態により、本発明は、複数の公共事業施設の計画においてその施工の優先順位付けを行うに際し、明快、且つ客観的な優先順位付けを容易に行うことができる公共事業計画立案支援方法及びそのシステム、更にそのプログラム或いはプログラムを格納した記録媒体を提供することができる。
【0059】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
図4は、本実施の形態に係る公共事業計画立案支援方法の第一の実施例を示すフローチャートである。ステップS1では施設整備など公共事業に関する要因の情報データベース10から要因を選択し、ステップS2ではその要因毎の評価値を評価値格納部20へ入力している。さらに、評価値格納部20から要因毎の評価値を読み出してステップS3では評価値の平均値と標準偏差の計算を行い、ステップS4で前述したような標準化を行うことによって標準化評価値を算出している。
【0060】
この標準化評価値は標準化評価値格納部21に格納される。次のステップS5では、標準化評価値を用いて、CCRモデルを採用しながらデータ包絡分析法によって最適なウエイト値と比率尺度の解析を行い、ウエイト値・比率尺度格納部23へ格納する。さらに、ステップS6では求められた比率尺度を表示する。以上のようなステップをまとめて本実施例では第一の工程という。この第一の工程を実施することによって、総合的には図5に示されるようなグラフが求められる。
【0061】
図5は、前述のCCRモデルを用いた解析方法を概念的に説明するための図1と同様、二次元データを例とした、本発明の実施例を説明するための各データの散布とCCRモデルによるフロンティアを示す図である。図5の要因とそのデータは、仮想的に設定した例であって、要因1、要因2は、公共事業施設の施工の優先順位付けに係わる要因とし、1〜5は、検討対象である公共事業施設の計画のデータ点とする。なお、図5中の’標準化’は、そのような標準化を行った要因データを用いたことを意味する。
【0062】
図5のデータについての、DEAのCCRモデルによる解析結果を、表1に纏めて示すが、図5にも明らかなように、1、3、4がフロンティアを構成(比率尺度=1)し、2、5がフロンティアに内包(比率尺度<1)されている。
【0063】
【表1】
Figure 2004070863
【0064】
表1において、ウエイトは、各データの比率尺度が最も大きくなるように、DEAの解析により自動的に設定された各要因の重みであり、影響度は、例えば、影響度1は、比率尺度に対する要因1の寄与を意味し、(ウエイト1)×(要因1)で求められる。従って、比率尺度は、各影響度の和となっており、特に、フロンティアを構成するデータ(比率尺度=1)では、各影響度が、比率尺度に影響している各要因の割合となっている。
【0065】
この実施例では、先ず、第一の工程において、DEAのCCRモデルによる解析により、最も優先度の高いデータを含む集合として、フロンティアを構成するデータ1、3、4が抽出され、第一の評価情報には、フロンティアを構成するデータとして1、3、4が示される。
【0066】
即ち、図4に示されたステップS7の第1の優先順位判定では、これらの3つの計画がその他の2つの計画に比べて優先順位が高い判定となるものの、これらは比率尺度が同一の公共事業設備の施工計画となっている(ステップS8)。その場合には、さらに図4に示されるとおりステップS9の第二の工程へと進む。第二の工程では第2の評価値を算出して、この第2評価値を第2評価値格納部24に格納し、この第2評価値を用いてステップS10で第2の優先順位判定を行う。この第二の工程について、図6を用いて詳細に説明する。
【0067】
図6(a)では、第二の工程において、このフロンティアを構成するデータ、1、3、4の中から最も優先度の高い要因のデータを選択する。例えば要因1を選択した場合には、図6(a)において、ステップS11で要因1を選択し、その要因に対する標準化評価値とウエイト値の積を計算して前述の影響度をステップS12で算出する。そしてこの影響度を第2評価値格納部24に格納してステップS13で読み出して影響度を表示する。本実施例では、要因1を選択した場合には、データ1、3、4の中では4が最も大きく、次に3、最後に1の順となっている。大きい順序あるいは小さい順序など、所望の序列に沿って表示する。
【0068】
また、第一の工程で得られた比率尺度への要因の影響度による評価は、優先すべき複数の要因を選択し、その選択した複数の要因に重み値を設定して、重み値を考慮した影響度の和として定義される合計影響度を指標とすることもでき、図6(b)は、かかる形態の第二の工程を示したフローチャート例であって、ステップS11で複数の要因、即ち要因1と要因2を選択して、重み値を考慮してステップS12で合計の影響度を計算し第2評価値格納部24に格納して、ステップS13で合計影響度を第2評価値格納部24から読み出して表示する。
【0069】
本実施例では、第二の工程として、この合計影響度を評価指標とするモデルを採用するものとし、要因1と要因2との重み値を1:2とし、この重み付けを用いた合計影響度を評価指標して、第一の工程で抽出したフロンティアを構成するデータについての施工順位を評価するものとする。
重み付けを、要因1:要因2=1:2とした場合、フロンティアを構成する各データについて、図5に示したデータ点3を通る線分の傾きを有する直線の優位性(原点からの距離)で評価されることから、3が最も高い優先度を有するデータとなる。即ち、第2評価値としての合計影響度からすると、最も高い優先度を有するデータとして、3が示される。
【0070】
次に、本実施例では、第一の工程で得られる第一の評価情報及び/又は第二の工程で得られる第二の評価情報を含む情報を施工順位付けの評価情報とし、総合的な判断によって、解析した複数のデータから最も優先すべきデータを決定する第三の工程を、第二の工程で評価した第2の評価情報によってこれを決定するものとする。即ち、この場合、最も優先度の高いデータとして3が決定される。
【0071】
以上のようにして決定した最も優先度の高い3を除く4データにつき、再度、DEAのCCRモデルにより解析した結果を、表2に纏めて示す。表2に明らかなように、二巡目においては、1、4がフロンティアを構成し、2、5がフロンティアに内包されており、フロンティアを構成する1と4に関しては、一巡目と同様にして、要因1と要因2との重み付けを1:2とし、この重み付けを用いた影響度の合計を評価指標した評価により、二番目に優先度の高いデータとして1が決定される。
【0072】
【表2】
Figure 2004070863
【0073】
かかる一連の処理を、決定されたデータを除き繰り返すことにより、本実施例では、公共事業施設の施工の優先順位付けとして、最終的に、3、1、4、5、2が得られる。
【0074】
次に、第二の実施例として、図5のデータについて、超CCRモデルによる解析を行い、第二の工程で、フロンティアを構成するデータについての施工順位を、超比率尺度を用いて評価した例について図6(c)を参照しながら説明する。
図6(c)は、第二の工程で超CCRモデルを用いて最適なウエイト値と超比率尺度を算出する場合を示すものである。標準化評価値格納部21から標準化評価値を読み出しステップS11で超CCRモデルを用いて算出した最適ウエイト値と超比率尺度を算出する。
【0075】
表3は、一巡目の超CCRモデルによる解析結果であり、表4は二巡目、表5は三巡目、表6は、四巡目の超CCRモデルによる解析結果である。なお、これらの表中の’比率尺度’は、本発明でいう比率尺度と超比率尺度とを含んでいるが、使用した解析プログラムの都合上、纏めて比率尺度の表記になっている。表3と表1を比較して分かるように、フロンティアに内包される2と5の比率尺度は、両モデルで同じであるのに対し、フロンティアを構成する1、3、4については、CCRモデルで求めた比率尺度が1であり(表1)、超CCRモデルで求めた超比率尺度は、1より大きくなっている(表3)。
【0076】
【表3】
Figure 2004070863
【0077】
【表4】
Figure 2004070863
【0078】
【表5】
Figure 2004070863
【0079】
【表6】
Figure 2004070863
【0080】
かかる一連の処理により、本実施例では、最終的に、公共事業施設の施工の優先順位付けとして、4、3、5、1、2が得られた。なお、表1に示した一巡目の’比率尺度’によって全てのデータの優先順位付けを行った場合、4、3、1、5、2の順位付けが得られる。
【0081】
なお、図6(d)に示したのは第三の実施例として、第二の工程において、新たに要因を追加選択して入力し、この要因に関する評価値を算出する場合である。ステップS11では、施設整備など公共事業に関する要因の情報データベース10には含まれていない新たな要因を選択し、ステップS12でその要因に関する評価値を算出し、第2評価値格納部24に格納し、さらにステップS13でその第2評価値を表示するものである。
【0082】
以上のような本実施例によれば、公共事業の計画立案時において明快で且つ客観的な優先順位付けを容易に行うことができる。
【0083】
次に、図7を用いて本発明に係る公共事業計画立案支援システムについて説明する。図7は、本実施例に係る公共事業計画立案支援システムの構成図である。
図7において、本システムは大まかには情報処理演算装置11、情報格納装置12、情報入力装置13、情報出力装置25、情報表示装置26から構成されている。操作者14は、情報入力装置13を介して公共設備施工などの公共事業の優先順位の決定に関する要因を選択してその評価値を情報格納装置12の評価値格納部20に入力する。情報処理演算装置11の統計処理演算部15では、この評価値を用いて平均値や標準偏差などを求める統計処理を行い、これらのデータを用いて標準化演算部16で標準化を行う。具体的な標準化の方法は先に説明したとおりであり、標準化された評価値は標準化評価値格納部21に格納される。
【0084】
モデル格納部22は、データ包絡分析法で用いるモデルを予め格納するものであり、この中の例えばCCRモデルなどが選択されて最適ウエイト値演算部17で最適ウエイト値が算出され、比率尺度演算部18では比率尺度が算出され、これらの値はウエイト値・比率尺度格納部23に格納される。ウエイト値・比率尺度格納部23に格納された比率尺度は、情報出力装置25が読み出して情報表示装置26に出力し表示される。なお、比率尺度を最大化するようにして最適なウエイト値を求めるというデータ包絡分析法の解析原理で明らかなように、最適ウエイト値演算部17と比率尺度演算部18とは、シリーズに処理を行うものではなく、合わせて両方の解析を行うものである。
【0085】
第2評価値演算部19は、比率尺度の他の第2の評価値を演算するもので例えば、影響度や複数の要因の影響度を合計した合計影響度、さらに超CCRモデルや領域限定超CCRモデルなどを使用してデータ包絡分析法で演算した超比率尺度などの演算を行うものである。第2評価値格納部24は、この第2評価値演算部19で演算された第2評価値を格納するものである。
【0086】
以上のような公共事業計画立案支援システムの実施例によっても、公共事業の計画立案時において明快で且つ客観的な優先順位付けを容易に行うことができる。
【0087】
なお、以上説明した公共事業計画立案支援方法の各ステップはコンピュータ内部に組み込まれるプログラムが実行できるものであり、このプログラムについての説明及びそのプログラムを記録した記録媒体に関する実施例の説明は省略する。
【0088】
以上、本発明の実施例を説明したが、特許請求の範囲で規定された本発明の精神と範囲から逸脱することなく、その形態や細部に種々の変更がなされても良いことは明らかである。
【0089】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明は、複数の公共事業施設の計画などの公共事業計画においてその施工の優先順位付けを行うという立案に際し、明快、且つ客観的な優先順位付けを容易に行うことができるという効果がある。即ち、本発明によれば、従来、明確な順位付けの評価ができず、経験とか勘とかによって決めざるを得ないため、評価者が変わると優先順位付けも変わるといった問題があった、複数の公共事業施設の計画の優先順位付けを、明快、客観的、且つ容易に行うことができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】二次元データを例として、DEAのCCRモデルを用いた解析方法を説明するための概念図である。
【図2】二次元データを例として、DEAの領域限定CCRモデルを説明するための概念図である。
【図3】二次元データを例として、DEAの超CCRモデルを説明するための概念図である。
【図4】本発明の第一の実施例に係る公共事業計画立案支援方法のステップを示すフローチャートである。
【図5】二次元データを例とした、本発明の実施例を説明するための各データの散布とDEAのCCRモデルによるフロンティアを示す図である。
【図6】(a)は本第一の実施例に係る第二の工程の一例を示すフローチャートであり、(b)は本第一の実施例に係る第二の工程のその他の例を示すフローチャートであり、(c)は第二の実施例に係る第二の工程の一例を示すフローチャートであり、(d)は、第三の実施例に係る第二の工程の一例を示すフローチャートである。
【図7】本発明に係る公共事業計画立案支援システムの実施例を示す構成図である。
【符号の説明】
10…施設整備など公共事業に関する要因の情報データベース 11…情報処理演算装置 12…情報格納装置 13…情報入力装置 14…操作者 15…統計処理演算部 16…標準化演算部 17…最適ウエイト値演算部 18…比率尺度演算部 19…第2評価値演算部 20…評価値格納部 21…標準化評価値格納部 22…モデル格納部 23…ウエイト値・比率尺度格納部 24…第2評価値格納部 25…情報出力装置 26…情報表示装置

Claims (13)

  1. 複数の公共事業の計画立案の優先順位付けに係わる複数の要因毎の評価値を該複数の公共事業毎に書き込み可能な第1の格納手段に入力する工程と、この複数の要因毎の評価値を第1の格納手段から読み出してデータ包絡分析法を用いて該公共事業毎に該複数の要因毎の評価値とそれに対するウエイト値の積の和として定義される該公共事業毎の比率尺度をそれぞれ最大化する解析により最適なウエイト値と比率尺度を求め該比率尺度を第3の格納手段に入力する工程(以下、本願明細書の特許請求の範囲においては、本工程を「データ包絡分析法を用いて解析する工程」という。)と、この第3の格納手段から該比率尺度を読み出して表示及び/又は出力する工程とを有することを特徴とする公共事業計画立案支援方法。
  2. 前記第1の格納手段から前記複数の公共事業に係る前記複数の要因毎の評価値を読み出し標準化して得られる標準化評価値を第2の格納手段に入力する工程を更に有し、前記データ包絡分析法を用いて解析する工程は、この複数の要因毎の標準化評価値を第2の格納手段から読み出してデータ包絡分析法を用いて該公共事業毎に該複数の要因毎の標準化評価値とそれに対するウエイト値の積の和として定義される該公共事業毎の比率尺度をそれぞれ最大化する解析により最適なウエイト値と比率尺度を求め該比率尺度を第3の格納手段に入力する工程であることを特徴とする請求項1記載の公共事業計画立案支援方法。
  3. 前記データ包絡分析法を用いて解析する工程は、データ包絡分析法のCCRモデル、領域限定CCRモデル、超CCRモデル、領域限定超CCRモデルのいずれかを用いて解析する工程であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の公共事業計画立案支援方法。
  4. 前記データ包絡分析法を用いて解析する工程で用いた前記複数の要因のうち1の要因を選択する工程と、該データ包絡分析法を用いて解析する工程でフロンティアを構成する公共事業として抽出された公共事業に係る該選択された要因の評価値又は標準化評価値と該データ包絡分析法を用いて解析する工程で求められた最適なウエイト値の積として定義される影響度を該抽出された公共事業毎に第4の格納手段に入力する工程と、この第4の格納手段から該影響度を読み出して表示及び/又は出力する工程とを有することを特徴とする請求項1乃至請求項3記載の公共事業計画立案支援方法。
  5. 前記データ包絡分析法を用いて解析する工程で用いた前記複数の要因のうち複数要因を選択する工程と、この選択された複数要因の重み値を入力する工程と、該データ包絡分析法を用いて解析する工程でフロンティアを構成する公共事業として抽出された公共事業に係る該選択された複数要因毎の評価値又は標準化評価値と該データ包絡分析法を用いて解析する工程で求められた該選択された複数要因毎の最適なウエイト値と該入力された重み値の積の和として定義される合計影響度を該抽出された公共事業毎に算出して第4の格納手段に入力する工程と、この第4の格納手段から該合計影響度を読み出して表示及び/又は出力する工程とを有することを特徴とする請求項1乃至請求項3記載の公共事業計画立案支援方法。
  6. 前記第1の格納手段に入力された前記複数の公共事業に係る前記複数の要因毎の評価値又は前記第2の格納手段に入力された該複数の公共事業に係る該複数の要因毎の標準評価値を読み出して、超CCRモデル又は領域限定超CCRモデルによるデータ包絡分析法を用いて、該複数の公共事業のうちフロンティアを構成する公共事業について、該フロンティアを構成する公共事業毎に当該公共事業を除く第2のフロンティアを構成してこれを基準とし当該公共事業の要因毎の評価値又は標準化評価値とそれに対する第2のウエイト値の積の和として定義される当該公共事業の第2の比率尺度を最大化する解析により第2の最適なウエイト値と第2の比率尺度を求め該第2の比率尺度を第4の格納手段に入力する工程と、この第4の格納手段から該フロンティアを構成する公共事業の第2の比率尺度を読み出して表示及び/又は出力する工程とを有することを特徴とする請求項1乃至請求項5記載の公共事業計画立案支援方法。
  7. 予め前記複数の要因以外の要因に係る第2の評価値を前記複数の公共事業毎に第4の格納手段に入力する工程あるいは該複数の要因以外の要因に係る第2の評価値を前記データ包絡分析法を用いて解析する工程でフロンティアを構成する公共事業として抽出された公共事業毎に第4の格納手段に入力する工程と、この第4の格納手段から該抽出された公共事業の前記第2の評価値を読み出して表示及び/又は出力する工程とを有することを特徴とする請求項1乃至請求項6記載の公共事業計画立案支援方法。
  8. 請求項1又は請求項2記載の公共事業計画立案支援方法を該公共事業施設の優先順位付けに係る第一の評価情報を求める第一の工程とし、請求項4乃至請求項7の公共事業計画立案支援方法を該公共事業施設の優先順位付けに係る第二の評価情報を求める第二の工程とし、該第一の評価情報及び/又は該第二の評価情報を含む情報を施工の優先順位付けの評価情報とし、該解析した複数の計画から最も優先すべき計画を決定する第三の工程を更に有し、該決定した最も優先すべき計画を除き、該第一の工程、該第二の工程、及び該第三の工程を順次繰り返し、所定の順位までの優先順位付けを行うことを特徴とする公共事業計画立案支援方法。
  9. 前記標準化は、前記複数の要因毎の評価値の平均値と標準偏差を算出して行う標準化であることを特徴とする請求項2乃至請求項8記載の公共事業計画立案支援方法。
  10. 複数の公共事業の計画立案の優先順位付けに係わる複数の要因毎の評価値を該複数の公共事業毎に書き込み可能な第1の格納手段と、この第1の格納手段から該評価値を読み出してデータ包絡分析法を用いて該公共事業毎に該複数の要因毎の評価値とそれに対するウエイト値の積の和として定義される該公共事業毎の比率尺度をそれぞれ最大化する解析により最適なウエイト値と比率尺度を求める第2の演算手段と、この比率尺度を入力する第3の格納手段と、この第3の格納手段から該比率尺度を読み出して表示及び/又は出力する表示手段とを有することを特徴とする公共事業立案支援システム。
  11. 複数の公共事業の計画立案の優先順位付けに係わる複数の要因毎の評価値を該複数の公共事業毎に書き込み可能な第1の格納手段と、この第1の格納手段から該複数の要因毎の評価値を読み出し標準化する第1の演算手段と、この複数の要因毎の標準化評価値を入力する第2の格納手段と、この第2の格納手段から該標準化評価値を読み出してデータ包絡分析法を用いて該公共事業毎に該複数の要因毎の標準化評価値とそれに対するウエイト値の積の和として定義される該公共事業毎の比率尺度をそれぞれ最大化する解析により最適なウエイト値と比率尺度を求める第2の演算手段と、この比率尺度を入力する第3の格納手段と、この第3の格納手段から該比率尺度を読み出して表示及び/又は出力する表示手段とを有することを特徴とする公共事業立案支援システム。
  12. 複数の公共事業の計画立案の優先順位付けに係わる複数の要因毎の評価値を該複数の公共事業毎に書き込み可能な第1の格納手段に入力する工程と、この第1の格納手段から該複数の要因毎の評価値を読み出し標準化して得られる標準化評価値を第2の格納手段に入力する工程と、この複数の要因毎の標準化評価値を第2の格納手段から読み出してデータ包絡分析法を用いて該公共事業毎に該複数の要因毎の標準化評価値とそれに対するウエイト値の積の和として定義される該公共事業毎の比率尺度をそれぞれ最大化する解析により最適なウエイト値と比率尺度を求め該比率尺度を第3の格納手段に入力する工程と、この第3の格納手段から該比率尺度を読み出して表示及び/又は出力する工程とを実行させることを特徴とする公共事業立案支援プログラム。
  13. 請求項12記載の公共事業立案支援プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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