JP3501454B1 - 防災事業計画支援方法とそのシステム - Google Patents

防災事業計画支援方法とそのシステム

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JP3501454B1
JP3501454B1 JP2003311856A JP2003311856A JP3501454B1 JP 3501454 B1 JP3501454 B1 JP 3501454B1 JP 2003311856 A JP2003311856 A JP 2003311856A JP 2003311856 A JP2003311856 A JP 2003311856A JP 3501454 B1 JP3501454 B1 JP 3501454B1
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浩平 古川
大昭 竹本
丈晴 佐藤
義則 荒木
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有限会社山口ティー・エル・オー
株式会社エイトコンサルタント
中電技術コンサルタント株式会社
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Abstract

【要約】 【課題】 自然災害発生の危険度を評価する方法に関
し、汎用性が高く、明快、且つ客観的な評価ルールを容
易に設定できる防災事業計画支援方法とそのシステムを
提供する。 【解決手段】 自然災害発生の危険度に係わる複数の要
因の属性値と前記自然災害発生・非発生の実績情報を読
み取り可能に格納する工程S1と、複数の要因とこの複
数の要因に係るカテゴリー区間によって形成されるモデ
ルを選択する工程S2と、複数の要因の中から自然災害
の危険度に関する重要要因を抽出する工程S4と、抽出
された重要要因に基づく第1のルールを抽出する工程S
6と、この第1ルールを拡大した拡大ルールを抽出する
工程S9と、この拡大ルール同士を組合わせた組合せル
ールを抽出する工程S12を有する。

Description

【発明の詳細な説明】 【技術分野】
【0001】 本発明は、複数の箇所の自然災害発生・
非発生の実績情報を解析し自然災害発生の危険度を評価
するためのルールを設定し、自然災害発生・非発生を評
価しその評価に基づいて防災事業計画の立案などを支援
する防災事業計画支援方法とそのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】 豪雨や地震、火山活動等による自然災害
は、毎年、我が国に甚大な被害を与えている。例えば、
土砂災害は、我が国の国土の約7割が山地で地質的にも
脆弱な地域が多く、急峻な地形が多い等の地理的条件
や、都市化の進展による山麓部の土砂災害危険地域への
人口増加等の社会的条件、更には台風や梅雨等の集中豪
雨に見舞われ易いといった気象的条件により、我が国に
おける宿命的な自然災害の一つとなっており、毎年、全
国各地で多数発生し、尊い人命が失われ、貴重な財産が
破壊されているが、かかる土砂災害の危険箇所(土石流
危険渓流、急傾斜地崩壊危険箇所、地すべり危険箇所)
は、全国で約18万箇所と多く、ハード面の対策による整
備率は25%台と低いのが現状である。
【0003】 かかる状況に対し、これだけ多くの危険
箇所全てにハード面の対策を実施するには、予算的、時
間的な制約もあることから、ソフト面における対策によ
りハ−ド面の対策の遅れをカバーする必要性が認識され
てきており、又、限られた予算を最も効果的に利用する
ために、土砂災害発生の危険度の高い箇所の防災事業計
画を優先的に施工することができる、明快、且つ客観的
な施工の優先順位付けを容易に行うことができる方法が
求められている。
【0004】 ソフト面の対策の目的は、土砂災害から
人命を守り、更には財産の破壊を最小限に留めるハード
対策を支援することにあり、ソフト面の対策には、警報
の発令や避難の指示、被害状況に応じた応急対応や二次
災害の防止対応の支援などを的確かつ迅速に行う機能が
必要であり、また、種々の防災情報の収集・整理・伝達
を如何に迅速に行うかが求められる。特に、的確な警報
の発令や避難の指示は重要であり、これらは、降雨要因
として短期降雨指標と長期降雨指標を用いて設定された
警戒や避難の基準雨量線に基づき行われるが、複数の斜
面或いは複数の渓流を含む地域全体で一つの基準雨量線
を用いている場合が多く、また、直線で近似した基準雨
量線が殆どである(例えば、非特許文献1)。即ち、従
来の多くの基準雨量線では、斜面毎或いは渓流毎に異な
る地形要因による土砂災害発生の危険度は考慮されず、
また、複雑な自然現象を直線近似で表現していることか
ら、その精度については課題が残されていた。
【0005】 このため、本発明者らは、警戒避難を支
援する警戒避難支援システムの構築を目指し、鋭意研究
を重ねてきた。即ち、例えば、降雨要因として短期降雨
指標と長期降雨指標を用い、渓流要因として最急渓床勾
配や降雨集中度など、土石流危険渓流毎の地形特性を考
慮した警戒基準雨量線、避難基準雨量線、及び発生限界
雨量線を設定する方法を提案し(非特許文献2)、文字
や数字、画像などを地図と結び付けてコンピュータ上で
さまざまな情報を検索、結合、分析することができ、そ
の結果を地図に表現する機能を有する地理情報システム
(GIS)を用い、渓流毎の土石流発生危険度判定結果の
色表示、渓流毎の警戒避難基準雨量線及び発生限界雨量
線の表示、雨量観測所毎のスネーク曲線の表示、避難場
所情報の表示、被害想定の表示、被害情報の入力と集
計、予測雨量に対する予測土石流発生危険度判定結果の
表示の機能を有する土石流警戒避難支援システムを提案
した(非特許文献3)。また、斜面毎の線形がけ崩れ発
生限界雨量線を設定する方法を提案し(非特許文献
4)、更に、非線形判別に優れたRBFネットワークを用
い、その学習機能を利用して最適な中間層と出力層との
結線の重みを決定することにより、地域毎の非線形がけ
崩れ発生限界雨量線を設定する方法を提案した(非特許
文献5)。
【0006】 本発明者らは又、RBFネットワークを用
いて、斜面要因又は渓流要因を考慮した非線形の土砂災
害の発生限界雨量線、避難基準雨量線及び警戒基準雨量
線を設定する方法を提案した(例えば、非特許文献
6)。この方法によれば、精度の高い非線形、且つ個別
の土砂災害の発生限界雨量線、避難基準雨量線及び警戒
基準雨量線を設定することができる。本発明者らは更
に、DEAを用いた非線形の土砂災害の発生限界雨量線、
避難基準雨量線及び警戒基準雨量線を設定する方法を提
案した(例えば、非特許文献7)。
【0007】 一方、防災事業計画の優先順位付けの方
法に関しては、土砂災害発生の可能性の大きさに関する
要因としての土砂災害発生危険度、土砂災害発生時の損
害の大きさに関する要因としての保全人家戸数等、更に
は、その必要とする防災事業の費用など、様々な要因が
関係することもあり、その優先順位付けの方法は、未だ
十分には確立されたと言える状況にない。特にその重要
な要因であり、自然現象として、明快、且つ客観的に評
価すべき土砂災害発生の危険度でさえ、様々な要因が絡
み合い、未だ満足できる評価方法が確立されていない。
【0008】 この土砂災害発生危険度の評価方法に関
し、本発明者らは、上述の警戒避難を支援する警戒避難
支援システムの構築を目指した研究の中で、斜面毎或い
は渓流毎の地形要因を考慮した個別の警戒基準雨量線
や、避難基準雨量線、発生限界雨量線を設定するため
に、地形要因を考慮した土砂災害発生の危険度を評価す
る方法を提案した。即ち、例えば、地形要因と降雨要因
を説明変数とし、土砂災害の発生・非発生を目的変数と
して、統計的手法の一種である重判別分析を用いる方法
を提案した(非特許文献2、非特許文献4)。この方法
は、解析が複雑であると共に直感的に分かり難く、又、
重判別分析は、互いに相関を持っている説明要因の場
合、精度の高い警戒基準雨量線や、避難基準雨量線、発
生限界雨量線を作ることが難しいという問題があった。
本発明者らは又、斜面要因毎にカテゴリー別のがけ崩れ
発生率を算出し、その発生率を当該斜面要因・当該カテ
ゴリーの設定点数とし、このようにして設定した斜面要
因毎の得点を加算することにより個別斜面の危険度を点
数制により評価する方法を提案した(非特許文献6)。
この方法は、非常に簡易であり、経験的な判断を必要と
せず、更には、斜面要因間のウエイトを自動的に調整で
きるものであり、実際の崩壊現象(危険度との関係にお
いての、崩壊確率、或いは崩壊傾向)を非常に良く再現
できる方法である。
【0009】 しかしながら、この方法は、先ず地形要
因毎に評価し、その地形要因毎の評価点を加算して総合
評価する方法であって、複雑に絡み合う地形要因間の関
係を必ずしも明確に反映するとは言えず、満足できるも
のではなかった。このため、本発明者らは更に、ラフ集
合を用いて、要因相互の複雑な因果関係を見出し、土砂
災害発生危険度を評価する方法を提案した。即ち、先
ず、重要な要因をラフ集合により抽出する方法として、
要因毎の評価値(例えば、要因が勾配の場合、10°、20
°、30°、40°・・・といった計測値を示す)を、該要
因毎に複数のカテゴリー区間(要因が勾配の場合、10°
〜20°、20°〜30°、30°〜40°の範囲を示す、又、渓
流方位のようにもともと物理的な順位を持たない東、
西、南、北等もこれに該当する)に分割したカテゴリー
区間名(カテゴリー区間のそれぞれに充てた通し番号を
示す)を属性値として置き換え、土砂災害発生・非発生
の実績を決定属性値(例えば、自然災害発生の場合を
1、非発生の場合を0とした値を示す)として個別のデー
タを分類し、決定属性値の異なる矛盾データを有する領
域を矛盾領域、他を整合領域として、整合度(=整合領
域内データ数/全データ数)を指標としてその要求水準
を設定し、要求水準を達成する最小必要要因数を求める
ことにより、その要求水準を達成する要因の組合せを、
要求水準を達成する重要要因の組合せとして抽出する方
法を提案した(例えば、非特許文献8)。
【0010】 この論文には、解析例として、全要因
(20)を用いた場合は整合度99.65%、要求水準80%と
した場合、最小必要要因数5、内最大の整合度82.70%
が得られ、この重要5地形要因と2つの降雨要因(時間
雨量、累積雨量)から、降雨2要因を含む5要因が抽出
され、その整合度は92.98%が得られたことが示されて
いる。また、領域を整合と見做す当該領域内の矛盾デー
タの上限比率として定義されるエラーレベルを用いるこ
とにより、補足率を上げることができることが示されて
いる。
【0011】 続いて、本発明者らは、この重要要因の
組合せを用いて、土砂災害発生・非発生を評価するルー
ルをラフ集合(Rough Sets)、即ち、各データを上述の属
性値と決定属性値との関係で表した決定表を用い、ルー
ル領域内の整合データの割合を示す確信度(=ルール領
域内適合データ数/ルール領域内全データ数)を精度の
指標とし、サポート(=ルール領域内全データ数/全デ
ータ数)を汎用性の指標として、ラフ集合により決定表
から土砂災害発生・非発生の決定属性値を確定するルー
ルを抽出する方法を提案した。しかしながら、この方法
は、抽出されるルールが非常に多く、例えば、その論文
に記載された例では、発生データ213に対し136、非発生
データ1,022に対し250のルールが抽出され、著しく汎用
性が低い(サポートが小さい)という問題があった。
【0012】 なお、ラフ集合を用いてルールを抽出す
る他の従来技術としては、例えば、ユニバーサル圧延機
を用いた多段圧延で目標寸法を実現すべくロール隙設定
範囲を、ラフ集合により、複数の圧延実績に基づいて抽
出する特許文献1が挙げられ、この明細書には、ラフ集
合により決定表からルールを抽出する実施の形態が詳細
に開示されている。
【特許文献1】特開2002−282913号公報
【非特許文献1】建設省土木研究所:土石流の警戒・避
難基準雨量の設定に関する研究(III)、土木研究所資
料 第2548号、1988年3月
【非特許文献2】高橋透 他5名:地形特性を考慮した
土石流警戒避難基準雨量線の設定、砂防学会誌、Vol.5
3, No.1, p.35-46, 2000
【非特許文献3】瀬尾克美 他4名:GISを用いた土石
流警戒避難支援システムの構築〜山口県大島郡における
モデルの開発〜、砂防学会誌、Vol.53, No.4, p.30-37,
2000
【非特許文献4】倉本和正 他5名:急傾斜地における
斜面要因を考慮したがけ崩れ発生限界雨量線の設定手法
に関する研究、土木学会論文集、No.658/VI-48, pp.207
-220, 2000.9
【非特許文献5】倉本和正 他5名:RBFネットワーク
を用いた非線形がけ崩れ発生限界雨量線の設定に関する
研究、土木学会論文集、No.672/VI-50, pp.117-132, 20
01.3
【非特許文献6】倉本和正 他5名:斜面要因を考慮し
た斜面毎の非線形がけ崩れ発生限界雨量線の設定方法と
その崩壊予測精度、土木学会論文集、No.707/VI-55, p
p.67-81, 2002.6
【非特許文献7】佐藤丈晴 他4名:DEAを用いたがけ
崩れにおける警戒避難基準雨量の設定,土木学会論文
集、No.707/VI-55, pp.153-163, 2002.6
【非特許文献8】榊原弘之 他5名:ラフ集合を用いた
データマイニングによるがけ崩れ発生要因の抽出に関す
る研究、土木学会論文集、No.658/VI-48, pp.221-229,
2000.9
【非特許文献9】岡本正男 他4名:ラフ集合を用いた
データマイニングによる土砂移動現象の重要要因及びル
ール抽出に関する研究、砂防学会誌、Vol.54, No.6, p.
4-15, 2002
【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】
【0013】 前述のとおり従来技術においては、複雑
に絡み合う地形要因間の関係を必ずしも明確に反映する
とは言えず、各々の要因の相関の度合いなども考慮され
ることなく評価されてしまい、評価の客観性に欠ける可
能性があるという課題があった。また、得られるルール
の数が非常に多く、サポートが非常に小さくなるため評
価の汎用性に欠ける可能性があるという課題があった。
本発明は、前述の状況に鑑み、汎用性が高く、明快、且
つ客観的な評価ルールを容易に設定できると同時に効率
的な防災事業計画を立案などすることができる防災事業
計画支援方法そのシステムを提供することを目的とす
る。
【課題を解決するための手段】
【0014】 上記の目的を達成するため、本発明者は
鋭意研究を重ねた結果、例えば、前述の本発明者らが提
案したラフ集合を用いた方法により抽出したルールを第
1のルールとし、この第1のルールは著しく汎用性が低
い(サポートが小さい)ことに鑑み、本発明では更に、
第1のルールのカテゴリー区間で規定されるルール領域
を拡大した第2のルールを求め、この第2のルールを土
砂災害発生の危険度を評価するルールとすることにより
上記の目的を達成できることを見出し、更に、その好適
な実施の形態を見出し、本発明を完成するに至ったもの
である。
【0015】 即ち、請求項1記載の発明は、コンピュ
ータが各工程を実行しながら複数の箇所の自然災害発生
・非発生の実績情報を解析して自然災害発生の危険度を
評価し防災事業の計画立案を支援する方法において、自
然災害発生の危険度に係わる複数の要因の属性値と自然
災害発生・非発生の実績情報をデータ格納部に読み取り
可能に格納する工程と、自然災害発生の危険度に係わる
複数の要因とこの複数の要因に係るカテゴリー区間によ
って形成されるモデルをモデル格納部から選択する工程
と、このモデルに含まれる複数の要因を組み合せて整合
度を解析し、該整合度と情報入力部により入力された該
整合度に対する要求水準又はデータ格納部に格納された
該整合度に対する要求水準をデータ抽出部により読み出
して比較しこの要求水準を満足する重要要因の組合せを
モデル格納部から選択されたモデルに含まれる複数の要
因の中からモデル抽出部により抽出する工程(以下、本
工程を重要要因選択工程という。)と、この重要要因選
択工程において選択された重要要因の組合せとこの重要
要因の組合せに係るカテゴリー区間によって形成される
ルールにおける属性値と自然災害の発生・非発生の実績
情報をデータ格納部からデータ抽出部により読み出して
確信度及びサポートを解析し、該確信度及びサポートと
情報入力部により入力された該確信度及びサポートに対
する要求水準又はデータ格納部に格納された該確信度及
びサポートに対する要求水準をデータ抽出部により読み
出して比較しこれらの要求水準のいずれか一方を満足す
るルールを抽出する工程(第1のルール抽出工程)と、
この第1のルール抽出工程において抽出されたルール
(第1のルール)に対して、重要要因の組合せにおい
て、属性値が大きいほど自然災害発生の危険度が大きく
なる要因の場合、自然災害の発生の実績情報に関しカテ
ゴリー区間の上限を外して下限値以上として、又は、自
然災害の非発生の実績情報に関しカテゴリー区間の下限
を外して上限値以下として、あるいは、重要要因の組合
せにおいて、属性値が小さいほど自然災害発生の危険度
が大きくなる要因の場合、自然災害の発生の実績情報に
関しカテゴリー区間の下限を外して上限値以下として、
又は、自然災害の非発生の実績情報に関しカテゴリー区
間の上限を外して下限値以上として、第1のルールのカ
テゴリー区間を拡大し(拡大ルール)、重要要因の組合
せと拡大されたカテゴリー区間によって形成される拡大
ルールにおける属性値と自然災害の発生・非発生の実績
情報をデータ格納部からデータ抽出部により読み出して
確信度及びサポートを解析し、該確信度及びサポートと
情報入力部により入力された該確信度及びサポートに対
する要求水準又はデータ格納部に格納された該確信度及
びサポートに対する要求水準をデータ抽出部より読み出
して比較し両方の要求水準を満足する拡大ルールを抽出
する工程(第2のルール抽出工程)と、第2のルール抽
出工程において抽出された拡大ルールに関して解析され
た確信度とサポート及びこれらと要求水準とを比較した
結果を出力する工程とを有することを特徴とする防災事
業計画支援方法である。
【0016】 また、請求項2に記載の発明は、請求項
1に記載された防災事業計画支援方法において、箇所と
は斜面或いは渓流であり、自然災害とは土砂災害である
ことを特徴とするものである。
【0017】 請求項3記載の発明は、請求項1又は請
求項2に記載の防災事業計画支援方法において、重要要
因選択工程は、データ格納部に格納された自然災害発生
の危険度に係る複数の要因をデータ抽出部により読み出
して、決定属性値の異なる矛盾データの割合が所定の上
限値以下である領域を整合領域とし、この整合領域内の
データ数の全データ数に対する比率として定義される整
合度を指標として、少なくとも一組の該整合度が高い重
要要因の組合せを抽出することを特徴とするものであ
る。
【0018】 請求項4記載の発明は、請求項1乃至請
求項3のいずれか1に記載された防災事業計画支援方法
において、データ格納部に格納された自然災害発生の危
険度に係る複数の要因のうち、危険度に対して物理的な
順位を持たない区分に分類された要因の場合には、その
要因の分割に於ける各カテゴリー区間の自然災害発生率
を算出し、その自然災害発生率の順に、自然災害発生の
危険度が大きくなる方向又は小さくなる方向にカテゴリ
ー区間を配列することを特徴とするものである。
【0019】 請求項5の発明は、請求項1乃至請求項
4のいずれか1に記載の発明において、第2のルール抽
出工程は、第1のルールのカテゴリー区間を拡大し確信
度及びサポートを解析し該確信度及びサポートと情報入
力部により入力された該確信度及びサポートに対する要
求水準又はデータ格納部に格納された該確信度及びサポ
ートに対する要求水準をデータ抽出部により読み出して
比較し、拡大ルールすべてにおいて要求水準の少なくと
もいずれか一方を満足しない場合には、拡大ルールと拡
大ルールを組み合わせる工程(組合せルール)と、この
組合せルールについて確信度及びサポートを解析し該確
信度及びサポートと情報入力部により入力された該確信
度及びサポートに対する要求水準又はデータ格納部に格
納された該確信度及びサポートに対する要求水準をデー
タ抽出部により読み出して比較し両方の要求水準を満足
する組合せルールを抽出する工程とを備え、組合せルー
ルにおいて要求水準の少なくともいずれか一方を満足し
ない場合には、重要要因選択工程へ戻ることを特徴とす
るものである。
【0020】 請求項6の発明は、請求項1乃至請求項
5のいずれか1に記載の防災事業計画支援方法におい
て、第1のルール抽出工程及び第2のルール抽出工程
は、情報入力部により入力された該確信度及びサポート
に対する要求水準又はデータ格納部に格納された該確信
度及びサポートに対する要求水準を満足した確信度及び
サポートを有する第1のルール又は拡大ルール又は組合
せルールのいずれかに含まれる要因の属性値を座標空間
における距離として評価する工程を有することを特徴と
するものである。
【0021】 請求項7記載の発明は、情報入力部から
入力される自然災害に係る複数の要因に関する属性値と
自然災害発生・非発生の実績情報を格納するデータ格納
部と、複数の要因に係る要因情報と複数の要因毎のカテ
ゴリー区間に係るカテゴリー情報を格納するモデル格納
部と、属性値と自然災害発生・非発生の実績情報をデー
タ格納部から抽出するデータ抽出部と、要因情報とカテ
ゴリー情報をモデル格納部から抽出するモデル抽出部
と、このモデル抽出部によって抽出された要因情報に含
まれる複数の要因の組合せに対して属性値と実績情報を
使用して整合度を解析し、その整合度と情報入力部によ
り入力された該整合度に対する要求水準又はデータ格納
部に格納された該整合度に対する要求水準をデータ抽出
部により読み出して比較し、所望の整合度要求水準を満
足する重要要因を選択する重要要因解析部と、この重要
要因解析部で選択された重要要因の組合せとこの重要要
因の組合せに係るカテゴリー区間によって複数のルール
を設定する第1のルール設定部と、この第1のルール設
定部によって設定されたルールに対して、重要要因の組
合せにおいて、属性値が大きいほど自然災害発生の危険
度が大きくなる要因の場合、自然災害の発生の実績情報
に関しカテゴリー区間の上限を外して下限値以上とし
て、又は、自然災害の非発生の実績情報に関しカテゴリ
ー区間の下限を外して上限値以下として、あるいは、重
要要因の組合せにおいて、属性値が小さいほど自然災害
発生の危険度が大きくなる要因の場合、自然災害の発生
の実績情報に関しカテゴリー区間の下限を外して上限値
以下として、又は、自然災害の非発生の実績情報に関し
カテゴリー区間の上限を外して下限値以上として、複数
のルールのカテゴリー区間を拡大して複数の拡大ルール
を設定する拡大ルール設定部と、これらの複数のルール
又は拡大ルール毎に属性値と実績情報を使用して確信度
及びサポートを解析する確信度・サポート解析部と、解
析結果を出力する情報出力部とを有し、第1のルール設
定部は、確信度・サポート解析部で解析された確信度及
びサポートと情報入力部により入力された該確信度及び
サポートに対する要求水準又はデータ格納部に格納され
た該確信度及びサポートに対する要求水準をデータ抽出
部より読み出して比較し要求水準のいずれか一方を満足
するルールを第1のルールとして設定し、拡大ルール設
定部は、確信度及びサポートと情報入力部により入力さ
れた該確信度及びサポートに対する要求水準又はデータ
格納部に格納された該確信度及びサポートに対する要求
水準をデータ抽出部より読み出して比較し要求水準の両
方を満足するルールを拡大ルールとして設定する防災事
業計画支援システムである。
【0022】 請求項8記載の発明は、請求項7に記載
の防災事業計画支援システムに、複数の拡大ルールのう
ち少なくとも2を組み合わせた組合せルールを設定する
組合せルール設定部を備え、この組合せルール設定部
は、確信度・サポート解析部で解析された確信度及びサ
ポートと情報入力部により入力された該確信度及びサポ
ートに対する要求水準又はデータ格納部に格納された該
確信度及びサポートに対する要求水準をデータ抽出部よ
り読み出して比較し要求水準の両方を満足するルールを
組合せルールとして設定するものである。
【発明の効果】
【0023】 以上、詳細に説明したように、本発明
は、複数の箇所の自然災害発生危険度に関し、明快、且
つ客観的でかつ汎用性に優れる評価ルールを容易に設定
できる自然災害発生・非発生の評価ルール設定方法を提
供することができる効果がある。又、複数の防災事業計
画の施工の優先順位付けに係る複数の箇所の危険度評価
に関し、その評価ルールを用いた防災事業計画支援方
法、並びにその防災事業計画支援方法を用いた防災事業
計画支援システムを提供することができ、これにより汎
用性が高く、明快、且つ客観的な評価情報を提供し、複
数の防災事業計画の施工の優先順位付けを支援できる効
果がある。更に又、警戒警報の発令や避難の指示など警
戒避難に係る自然災害発生危険度の評価に関しても利用
が可能であり、その評価ルールを用いた警戒避難支援方
法やシステムにも応用が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】 以下、本発明に係る防災事業計画支援方
法及び防災事業計画支援システムの実施の最良の形態に
ついて、降雨を誘因とし斜面或いは渓流で発生する土砂
災害を例として説明するが、本発明は、これに限定され
ることなく、地震や火山活動よる災害、或いは河川災害
など他の自然災害を対象としても好適に実施することが
できる。
【0025】 本発明の実施の最良の形態及び実施例を
説明する前に、本願明細書に記載される発明、実施の最
良の形態及び実施例の理解を容易にするため、本願明細
書中で使用される語の定義を示す。中には従来の技術に
て説明したものもあるが、ここでまとめて記載する。本
願明細書でいう「防災事業」とは、直接的に防災のため
の施設を施工する事業に限らず、斜面或いは渓流の危険
性を調査するために行う調査事業など、その施工につき
優先順位付けを必要とする全ての防災に係る事業を包含
するものである。また、本願明細書でいう土砂災害発生
の危険度に係る「要因」とは、表土の厚さ、地盤の状
況、斜面と不連続面の関係、断層の有無、岩石区分等の
地形や地質に係る要因、植生、樹木の樹齢、伐採痕の有
無、湧水の有無、崩壊履歴の有無等の環境に係る要因、
時間雨量、実効雨量、連続雨量等の降雨に係る要因を含
み、これらを適宜、本発明の評価ルールを設定するため
の属性として用いることができる。例えば、所定降雨要
因条件下での土砂災害発生・非発生の実績を、降雨要因
を除く他の要因を属性として解析した場合には、潜在的
な危険度を評価するルールを設定することができ、降雨
要因を含み解析した場合には、降雨要因を含む総合的な
災害発生の危険度を評価するルールを設定することがで
きる。なお、地形・地質要因と環境要因を含み、誘因で
ある降雨要因との対比で、「地形要因」と総称すること
がある。
【0026】 本願明細書でいう「カテゴリー」とは、
各要因を評価するための物理量あるいは非物理量に基づ
いて区分したものをいい、「カテゴリー区間」とは、そ
の区分された範囲をいう。例えば、河川の流域平均勾配
という地形要因であれば、「°」という物理量に対し
て、0°〜10°をカテゴリー1、10°〜20°をカ
テゴリー2などとし、0°〜10°の区間自体をカテゴ
リー区間という。また、渓流方位という地形要因では、
「東西南北」という非物理量に対して東をカテゴリー
1、西をカテゴリー2などとし、このような場合、カテ
ゴリー区間としてはその一方向をいう。
【0027】 本願明細書でいう「モデル」とは、要因
とその要因に関するカテゴリーを組み合わせたものの集
合をいう。例えば、流域平均勾配とカテゴリーの組合せ
及び流域面積とそのカテゴリーの組合せなどを集合させ
た全体をいう。具体的には、後に説明する表4に記載さ
れるように地形要因とそれぞれのカテゴリーの組合せを
集合させた全体をいう。本願明細書でいう「ルール」と
は、モデルの中から選択される一部分であり、所定の選
択された要因と、その要因に関するカテゴリーの中から
1の区間を選択して組み合わせたものをいう。例えば、
流域平均勾配と10°〜20°というカテゴリー1を組
み合わせたものをいうが、必ずしも1の要因と1のカテ
ゴリーを組み合わせたものという意味ではなく、複数の
要因、カテゴリーを組み合わせたものであっても1のル
ールとなることもある。このルールは、1のルールにお
いて、カテゴリー区間を拡大することで「拡大ルール」
としたり、ルール同士を組み合わせることで「組合せル
ール」とすることができる。
【0028】 本願明細書でいう「属性値」とは、各要
因における複数のカテゴリー区間名あるいはカテゴリー
区間を示す序数、すなわち、カテゴリー1、カテゴリー
2などの1又は2のことをいう。また、「決定属性」と
は、自然災害などの発生あるいは非発生などを示すもの
であり、またそれを数値で表現したものを「決定属性
値」という。本願明細書では、自然災害の発生を
「0」、非発生を「1」として表現している。
【0029】 また、本願明細書でいう「整合度」と
は、重要要因の最適な組合せを抽出する際に用いられる
量であり、例えば、ある1の地点での土砂災害を考える
と、この地点に関する複数の要因に対してそれぞれ属性
値や決定属性値が存在することになる。また、他の多数
の地点における状況も考慮すると、ある要因については
土砂災害の発生と非常に相関があるものの、ある要因に
ついてはあまり相関がないというような場合も考えられ
る。そこで、ある要因を削除した際に生じる矛盾データ
がどれだけ少ないか、言い換えれば整合領域内のデータ
数がどれだけ多いかを示す指標を考慮すれば様々な自然
災害において、どのような要因の組合せが深くかかわっ
ているかについて把握することができる。すなわち、重
要要因の最適組合せを考慮するための指標が整合度であ
り、(整合領域内のデータ数)/(全データ数)で定義
される。また、本願明細書では、整合度とは少し異なる
語として「確信度」という語を使用している。これは、
(ルール領域内適合データ数)/(ルール領域内全デー
タ数)で定義される語である。また、「サポート」と
は、(ルール領域内全データ数)/(全データ数)で定
義される語である。また、適合データとは、ルール領域
に含まれるデータの内、そのデータの決定属性値がルー
ルの決定属性値と一致するデータで定義される語であ
る。
【0030】 本発明は、上述のように、例えば、前述
の本発明者らが提案したラフ集合を用いた方法により抽
出したルールを第1のルールとし、更に、第1のルール
のカテゴリー区間で規定されるルール領域を拡大した第
2のルールを求め、この第2のルールを土砂災害発生の
危険度を評価するルールとすることを最大の特徴とす
る。即ち、本発明は、解析するための実績情報として、
土砂災害発生の危険度に係る複数の要因毎に複数のカテ
ゴリー区間に分割したカテゴリー区間名を属性値、土砂
災害発生・非発生の実績を決定属性値として整理した決
定表などを用い、決定表から土砂災害発生・非発生の決
定属性値を確定する第1のルールを抽出する工程と、第
1のルールのカテゴリー区間で規定されるルール領域を
拡大した第2のルールを求める工程とを備え、その第2
のルールを土砂災害発生の危険度を評価するルールとし
たことを最大の特徴とする。
【0031】 かかるカテゴリー区間に分割された解析
データから抽出されるルールは、一般に、属性値毎に
「…以上、且つ、…未満」といったカテゴリー区間で限
定される領域を規定しているが、このルールを本発明の
意図する土砂災害発生・非発生の評価ルール設定方法に
適用した場合、評価値が大きいほどより自然災害発生の
危険度が大きくなる、例えば、渓床勾配などの要因につ
いては、急勾配であればあるほど災害が発生し易いた
め、抽出されたルールのカテゴリー区間の下限値以下の
方が抽出されたカテゴリー区間より安全性が高く、抽出
されたルールのカテゴリー区間の上限値以上の方が抽出
されたカテゴリー区間より危険性が高いと判断し、ま
た、逆に評価値が小さいほどより自然災害発生の危険度
が大きくなる、例えば、樹木の樹齢などの要因について
は、樹齢が高ければ高いほど幹が大きく根も張るため災
害は発生し難いため、抽出されたルールのカテゴリー区
間の上限値以上の方が抽出されたカテゴリー区間より安
全性が高く、抽出されたルールのカテゴリー区間の下限
値以下の方が抽出されたカテゴリー区間より危険性が高
いと判断するのが合理的であり、更には、かかる拡大を
行った上で、その拡大されたルールの妥当性を評価する
のが合理的である。即ち、評価値が大きくなるほど自然
災害発生の危険度が増加する要因でルールが構成される
場合、発生のルールでは、カテゴリー区間の上限を外し
た拡大により危険性を評価するルールとし、非発生のル
ールでは、カテゴリー区間の下限を外した拡大により安
全性を評価するルールとする、又は評価値が小さくなる
ほど自然災害発生の危険度が増加する要因でルールが構
成される場合、発生のルールでは、カテゴリー区間の下
限を外した拡大により危険性を評価するルールとし、非
発生のルールでは、カテゴリー区間の上限を外した拡大
により安全性を評価するルールとすることにより、より
信頼性の高いルールを設定できると共に、汎用性の高い
(サポートが大きい)ルールを設定することができる。
なお、評価値が大きくなるほど自然災害発生の危険度が
増加する要因と評価値が小さくなるほど自然災害発生の
危険度が増加する要因が混在するルールであっても、適
宜要因の評価値と自然災害発生の危険度との関係を考慮
して、より安全もしくは危険となる方向に拡大すること
ができる。また、この限界値を変更して領域の拡大を行
う拡大の場合、いわゆる「予測し得ない発生データ」を
包含するようになることがあり、確信度が低下すること
がある。
【0032】 図1は、このカテゴリー区間の限界値を
変更して行う拡大について説明するための概念図であっ
て、(a)は拡大前、(b)は拡大後を示す図面であり、
土石流発生データ(図中、黒丸)10、土石流非発生デー
タ(図中、白丸)44、合計全データ数54について、要因
1と要因2を属性として二次元表示したものである。各
要因は、それぞれ1、2、3の3カテゴリーに分割され
ており、この分割で、決定属性値の異なるデータを有す
るカテゴリー領域、即ち、矛盾データの領域は、要因1
と要因2の組合せとして(1、3)、(2、1)、
(2、3)及び(3、2)であり、決定属性値が同じデ
ータのみを有するカテゴリー領域、即ち、整合データの
領域は、(1、1)、(1、2)、(2、2)、(3、
1)及び(3、3)であって、この分割の整合度(=整
合領域内データ数/全データ数)は、31/54である。な
お、エラーレベルを設定し用いた場合には、矛盾データ
の割合がそのエラーレベル以下の領域は、整合データの
領域とみなされ、整合領域として取り扱われる。
【0033】 図1(a)で非発生の整合ルール領域、
即ち、非発生の確信度1のルール領域は、(1、1)、
(1、2)、(2、2)及び(3、1)であり、サポー
トは、それぞれ6/54、7/54、7/54、6/54である。即
ち、従来の方法により抽出されるルールは、確信度1の
非発生ルールとして、サポート6/54〜7/54の4ルール
であり、サポート合計は26/54となる。
【0034】 一方、(2、2)領域の下限値を外す拡
大を行った図1(b)では、確信度28/29、サポート29
/54の拡大(2、2)のルールが求められることにな
る。即ち、(2、2)のルールにおいて、拡大後のサポ
ート29/54は、拡大前のサポート7/54と比較して大幅に
向上しており、このサポートは、前述した4ルールのサ
ポート合計26/54を上回るものである。
【0035】 なお、このカテゴリー区間の限界値を変
更して行うルール領域の拡大は、ルールに関与する全て
の要因について行うことを要件とするものではなく、例
えば、斜面方位の東・西・南・北や、植生、地質区分等
のように、もともと幾つかの物理的な順位を持たない区
分に分類された要因は、その拡大を必ずしも要さない。
【0036】 かかる拡大は、上述の限界値を変更して
行う拡大の他、複数の限界値変更ルールを組合せて、即
ち、OR条件で統合したルールとしてルール領域を拡大し
て行うこともできる。この組合せは、複数の限界値変更
ルール同士、更には、組合せたルールに別のルールを組
合せる多重の組合せ等、種々の形態で実施することがで
きる。組合せによるルールの拡大は、確信度のより高い
ルールを組合せることにより、確信度の低下を最小限に
抑え、サポートを上げることができる。例えば、確信度
1のルール4個を組合せた場合、その拡大したルールの
確信度は1のままであり低下しない。なお、組合せは、
所定の確信度以上を条件として、最大のサポートをとる
ようにして行うのが好ましい。
【0037】 第1のルールを抽出するための実績情報
である決定表は、例えば、表1に示すように、個々の斜
面(ID)毎或いは個々の渓流(ID)毎に、土砂災害発生
の危険度に係る複数の要因毎の評価値と、土砂災害発生
・非発生の実績との組で表されるデータを収集し、複数
の要因毎にそれぞれ複数のカテゴリー区間に分割し、そ
のカテゴリー区間名をデータの複数の要因毎の評価値に
対応してそれぞれ付与し、各要因のカテゴリー区間名を
属性値、土砂災害の発生・非発生の実績を決定属性値と
して整理した決定表を作成することができる。なお、決
定表は、予め、別な装置で作成しても、或いは人間が作
成しても良く、又、引き続きそれを用いてルールの抽出
を行える同一の装置で作成しても良い。
【0038】
【表1】
【0039】 土砂災害発生の危険度に係る要因には、
渓流方位の東・西・南・北や、植生、地質区分等のよう
に、もともと幾つかの物理的な順位を持たない区分に分
類されたものがあるが、この場合には、例えば、その分
割(東・西・南・北など)に於ける各区間の土砂災害発
生率を算定し、その土砂災害発生率の順に、土砂災害発
生の危険度が大きくなる方向(又は、小さくなる方向)
にカテゴリー区間を決定し、カテゴリー分割するのが好
ましい。要因の評価値の方向を統一することにより、デ
ータやルールの図表表示が容易になり、又、直感的に分
かり易いものになる。図2は、1980年に長崎市で発生し
た土石流データ(発生150、非発生462)を用いて、渓流
方位につき、土石流発生率の順に並べて表示したもので
あり、この実績データは、東向き、西向き、南向き、北
向きの順に危険度が高いと判断できる。これらの考えを
応用すれば、もともと物理的な順位を持たない要因で
も、土石流発生率で順位付けすることで、ルール領域を
拡大することができる。
【0040】 本発明の実施においては、土砂災害発生
の危険度に係る複数の要因から、整合度を指標として、
少なくとも一組の整合度が高い重要な要因の組合せを抽
出する工程を設け、その抽出した重要な要因の組合せを
用いてルールを求めるのが好ましい。かかる実施の最良
の形態により、例えば、所定の確信度、或いは、所定の
サポートを有する土砂災害発生・非発生の評価ルールが
得られなかった場合には、整合度を変えて重要な要因の
組合せの再抽出を行い、所定の要求水準を満たすルール
を設定することもできる。
【0041】 第1のルールの抽出、或いは重要要因の
抽出の解析手法としては、ID3やファジィ理論による
メンバーシップ関数なども使用でき、本発明を限定する
ものではないが、特にはラフ集合が好ましい。ラフ集合
は、与えられたデータベースの質を変えずに分類に寄与
しない要因を除去していく簡略化あるいは縮約化を行う
ことで、最小限必要な要因を探索することに主眼がおか
れた解析手法であり、明快、且つ客観的な評価ルールを
容易に抽出することができ、又、それを評価する確信
度、サポートが計算される特徴を有する。縮約化された
決定表の例としては、表2に示すようなものがある。
【0042】
【表2】
【0043】 ラフ集合によるルールの抽出は、前述の
従来技術と同様であり、その詳細な実施の形態の説明は
省略するが、概ね、以下のような手順でルールの抽出を
行う。即ち、(1)属性値が全て同じに拘らず決定属性
値が異なる矛盾したデータが無いか調べ、矛盾がある場
合は、それを除き、他の決定属性値と同様に纏めてお
く。(2)除去しても新たに矛盾したデータが生じない
条件属性、即ち、不要な要因がないか調べ、不要な要因
は除去する。(3)異なる決定属性値のデータとの識別
に絶対に必要な属性値である核値を求め、必要でない属
性値は削除する。(4)それぞれの決定属性値のデータ
において、異なる決定属性値のデータと識別可能である
ために必要な要因の組である縮約を求める。(5)同じ
データを纏めて、それぞれの決定属性値を確定する最終
的なルールを得る。なお、核値を求める手順(3)を省
略して直接縮約を求めることもできる。
【0044】 次に、第1のルールを抽出する工程、及
び第2のルールを求める工程の実施の最良の形態につい
て、更に具体的に説明する。即ち、本発明の第1のルー
ルを抽出する工程、及び第2のルールを求める工程は、
設定された所定の確信度と所定のサポートを要求水準と
して、第1のルールを抽出する工程では、所定の確信度
以上であることを条件にして第1のルールを抽出し、第
2のルールを求める工程では、先ず、抽出した第1のル
ール領域の拡大により限界値変更ルールを求め、それが
所定のサポート以上かどうかを判定し、所定のサポート
以上の場合にはそのルールを最適な第2のルールとして
処理を終了し、所定のサポートに満たない場合には、複
数の限界値変更ルール等を組合せた組合せルールを求
め、その組合せルールが所定のサポート以上かどうかを
判定し、所定のサポート以上の場合にはそのルールを最
適な第2のルールとして処理を終了し、組合せルールに
よっても所定のサポートに満たない場合には、整合度を
変更して、再度、重要な地形要因の組合せの抽出からや
り直すことにより、最終的に、目的とする要求水準を満
たす最適な第2のルールを求めることができる。
【0045】 以上の実施の最良の形態で得られた土砂
災害発生・非発生の評価ルールによれば、多数の斜面或
いは多数の渓流につき、そのルール領域に含まれる斜面
或いは渓流を、所定の危険度を有する斜面或いは渓流と
して、区分し順位付けすることができるが、通常、その
ルール領域には複数の斜面或いは複数の渓流が含まれて
おり、本発明は更に、このルール領域に含まれる複数の
斜面或いは複数の渓流について、その個別の危険度を評
価し順位付けする形態で実施することもできる。その個
別の評価は、例えば、得られた評価ルールに用いられて
いる要因を座標軸とした座標空間において、その原点か
ら遠いほど土砂災害発生の危険度が高いとして、順位付
けすることができる。その個別評価の一例として、斜面
及び渓流と原点からの距離を基に算出することが可能で
ある。また、属性値が小さいほど自然災害発生の危険度
が大きくなる要因を含む場合には、属性値の方向、例え
ば、大きいほど危険度が高くなるようにカテゴリーを整
列して検討する方法もある。
【0046】 以上のような実施の最良の形態により、
本発明の自然災害発生・非発生の評価ルール設定方法に
よれば、汎用性が高く、明快、且つ客観的な評価ルール
を容易に設定することができる。
【0047】 従って、本発明の実施の最良の形態に係
る防災事業計画支援方法によれば、複数の箇所につい
て、その自然災害発生の危険度を上述のような評価ルー
ルを用いて評価し、その評価した情報を防災事業計画の
施工の優先順位付けに用いることが可能であり、汎用性
が高く、明快、且つ客観的な自然災害発生の危険度に係
る評価情報を提供することができ、複数の防災事業計画
の優先順位付けを効果的に支援することができる。
【0048】 次に、本発明の実施の最良の形態に係る
防災事業計画支援システムについて説明する。本発明の
支援システムは、上述した本発明の防災事業計画支援方
法をシステムとして捉えたものである。対象とする箇所
毎の土砂災害発生の危険度に係る複数の要因毎の評価値
などを入力する情報入力装置と、その入力情報や土砂災
害発生・非発生の評価ルール、その評価ルールを用いて
評価した評価情報などを記憶する情報格納装置と、少な
くとも評価ルールを用いて対象とする複数の箇所の自然
災害発生の危険度を評価する機能を有する情報処理演算
装置と、その評価情報などを表示及び/又は出力する情
報出力装置と、を備えたシステムとして実施できる。
【0049】 その具体的な構成としては、例えば、情
報入力装置をキーボード、マウス、ペンタブレットなど
複数種類の装置からなり目的に応じた使い分け可能な装
置とし、情報格納装置を磁気ディスク等のコンピュータ
用記憶装置とし、情報処理演算装置をワークステーショ
ンやパーソナルコンピュータ等のコンピュータとし、情
報出力装置をCRTディスプレイ、プリンタなど複数種類
の装置からなり目的に応じた使い分け可能な装置として
構成することができ、このような構成において、対話型
処理によって、例えば、集合論のモデルや要求水準を変
えた、詳細・広範な評価情報を提供することができるな
ど、防災事業計画の施工の優先順位付けをより効果的に
支援することができる。
【0050】 評価ルール設定の解析や優先順位付けの
評価に用いる地形要因とその評価値としては、国土交通
省が数年サイクルで実施している土石流危険渓流、急傾
斜地崩壊危険箇所等の調査結果などをデータベースと
し、保全人家戸数やその種別など、土砂災害発生の危険
性、規則性に関係しないデータを除き、必要な場合、デ
ータの標準化を行い、これを評価ルール設定の解析や優
先順位付けの評価に用いるのが好ましい。降雨要因とそ
の評価値としては、気象庁のアメダスデータの膨大な蓄
積があり、これをデータベースとして用いるのが好まし
く、これにより土砂災害発生の危険度に係る複数の要因
毎の評価値と、所定降雨条件下での土砂災害発生・非発
生の実績との組で表されるデータを容易、且つ広範に収
集することができる。
【0051】 処理は、対話型処理によって、工程毎に
処理演算結果などを表示させてこれを確認し、必要なら
評価ルール設定のための解析モデルや、要求水準などの
条件を変えた再計算をさせるなど、ステップ毎に進める
こともでき、或いは、例えば、自然災害発生・非発生の
実績との組で表されるデータを収集する工程から始まる
評価ルール設定のための解析を含み、最終的な防災事業
計画の施工の優先順位付け支援までを一連の処理として
連続的に行わせることもできるように構成するのが好ま
しい。
【0052】 評価ルール設定の解析や優先順位付けの
評価の結果は、一覧表での表示やグラフでの表示、或い
は、これらのカラーマッピング表示などを可能とし、こ
れらのプリンタ出力、必要に応じて、情報格納装置への
記憶を可能として実施するのが好ましい。また、GISを
用い、箇所毎の自然災害発生の危険度、或いは防災事業
計画の優先度などを、その地形図上に表示する機能を有
する防災事業計画支援システムとして実施するのが好ま
しい。
【0053】 本発明の実施の最良の形態にかかる防災
事業計画支援システムは、予め、本発明の自然災害発生
・非発生の評価ルール設定方法を用いて設定され確立さ
れた評価ルールを、本システムの情報格納装置に記憶
し、これを用いて、防災事業計画の対象である複数の箇
所について、その自然災害発生の危険度を評価し、その
評価した情報を防災事業計画の施工の優先順位付けに係
る評価情報として提供する形態で実施することもでき、
又、本発明の方法により自然災害発生・非発生の評価ル
ールを設定するための装置と、その評価ルールを用い
て、防災事業計画の施工の優先順位付けに係る評価情報
を提供する装置と、分離した形態で実施することもで
き、更には又、本発明の方法を用いた自然災害発生・非
発生の評価ルールの設定から、その評価ルールを用いた
防災事業計画の施工の優先順位付けに係る評価情報の提
供までを一体の装置で処理する形態で実施することもで
きる。
【0054】 本発明の実施の最良の形態にかかる自然
災害発生・非発生の評価ルールは、当然にして、個々の
箇所の自然災害発生の危険度を評価し得るものであっ
て、これを用いて評価した情報を警戒警報の発令や避難
の指示など警戒避難に係る評価情報として、警戒避難を
支援することもでき、上述の防災事業計画支援方法や防
災事業計画支援システムと同様にして、さらには警戒避
難支援方法あるいは警戒避難支援システムとして実施す
ることもできる。
【0055】 以上のような実施の最良の形態により、
本発明によれば、複数の箇所の自然災害発生危険度に関
し、汎用性が高く、明快、且つ客観的な評価ルールを容
易に設定でき、その評価ルールを用いて評価した評価情
報を提供することにより防災事業計画の施工の順位付け
や、警戒避難を効果的に支援することができる。
【実施例】
【0056】 以下、実施例により本発明を具体的に説
明する。先ず、第1の実施例として、本発明の実施の最
良の形態、特に防災事業計画支援方法において、自然災
害発生・非発生の評価ルールを設定する過程について説
明する。図3乃至図6は、その自然災害発生・非発生の
評価ルールを設定する過程について、好ましい工程・手
順を示した概略フローチャートである。なお、本実施例
において紹介する評価ルールを設定する過程は、防災事
業計画支援システムにおいても共通するものである。
【0057】 自然災害発生・非発生の評価ルールの設
定は、図3に示すように、先ず、ステップS1におい
て、ルールの抽出のための要求水準を設定する。要求水
準は、確信度に対するものとサポートに対するものの2
通りある。また、このステップS1と同時あるいはその
前後において、様々な地形、地点における自然災害発生
の危険度に係わる複数の要因に関する評価値、及びその
属性値と自然災害発生・非発生の実績情報を読み取り可
能に格納しておく。また、それぞれの評価値や属性値を
得た地点についてはその特定ができるようにID番号な
どを付しておく。解析対象とする複数の箇所について、
要因毎の評価値と、自然災害発生・非発生の実績との組
で表されるデータを収集し、複数の要因毎にそれぞれ複
数のカテゴリー区間に分割しそのカテゴリー区間名をデ
ータの複数の要因毎の評価値に対応してそれぞれ付与
し、そのデータから、各要因のカテゴリー区間名を属性
値、自然災害の発生・非発生の実績を決定属性値として
整理した決定表を作成しておくとよい。また、この要因
の選択を予め行った上で要因に関する評価値、属性値、
自然災害発生・非発生の実績情報やID番号などを格納
しておいてもよい。
【0058】 次に、ステップS2では解析モデルの選
択を行う。解析モデルの選択とは、危険度に係わる要因
において、どの程度のカテゴリー区間を考慮するかとい
うことを意味する。このカテゴリー区間の選定も上述の
決定表を参考にすると、カテゴリーの属性値と自然災害
の発生・非発生の実績を一覧表として見ることができる
ので便利である。
【0059】 次いで、ステップS3では、そのモデル
を用いた解析を行い重要要因の選択を実行する。このス
テップS3は、図4にその詳細を示して説明を追加す
る。まず、危険度に係わる要因を組み合わせ(ステップ
S31)、その後、整合度を指標として少なくとも一組
の整合度が高い重要な要因の組合せを抽出する。具体的
には、各要因に関する整合度を解析し(ステップS3
2)、整合度要求水準を入力し(ステップS33)、整
合度の解析結果と要求水準の比較を行う(ステップS3
4)。そして、整合度の高い所望の重要要因の組合せを
選択する(ステップS35)。ステップS33の整合度
要求水準の入力は、情報入力装置を用いて入力される
が、この重要要因の選択のステップS3よりも前の段階
で情報入力装置から入力しておいてもよく、予め情報格
納装置に格納しておいて、そこから読み出してもよい。
また、選択された重要要因は情報出力装置あるいは情報
表示装置を用いて、出力や表示を可能とする。
【0060】 次に、ステップS4乃至S6で、第1の
ルールの抽出を行う。図中点線で囲んだ部分のうち上側
の部分が第1のルール抽出工程である。この第1のルー
ルの抽出には、ステップS3において選択した重要要因
の組合せを用いて、所望の確信度以上であることを条件
として抽出する。ステップS4について、図5(a)に
その内容を詳細に示しながら説明する。まず重要要因を
組み合わせて(ステップS41)、それから確信度とサ
ポートを解析する(ステップS42)。この解析結果と
ステップS1において設定された確信度及びサポートの
要求水準と比較する(ステップS43)。確信度及びサ
ポートの要求水準はステップS1で設定したが、予め設
定して情報格納装置に格納しておき、それを読み出して
比較してもよい。また、この要求水準は情報入力部によ
り入力された所望の値を入力して設定するあるいは格納
しておくことができる。また、解析結果については、情
報出力装置や情報表示装置を用いて出力、表示させるこ
とができる。
【0061】 図3に戻って、これらの要求水準との比
較において(ステップS5)、確信度とサポートの両方
が要求水準を満足する場合には、ステップS13に進み
調査数量の絞込みを実施する。また、確信度が満たされ
るもののサポートが満たされない場合には第1のルール
として抽出する(ステップS6)。さらに、ステップS
5において、確信度の要求水準を満足しない場合には、
ステップS3に戻り整合度の要求水準を変更して(ステ
ップS33)、重要要因の選択から再度やり直す。
【0062】 次に、この抽出した第1のルールの領域
を拡大した限界値変更ルール(拡大ルール)を求め、そ
れが所望のサポート以上の場合にはそのルールを最適な
ルールとして処理を終了し、所望のサポートに満たない
場合には、限界値変更ルール同士を組合せた組合せルー
ルを求め、その組合せルールが所望のサポート以上の場
合にはそのルールを最適なルールとして処理を終了し、
組合せルールによっても所望のサポートに満たない場合
には、整合度を変更して、再度、重要な要因の組合せの
抽出からやり直すことにより、最終的に、目的とする確
信度あるいはサポートの要求水準を満たす最適ルールを
求める。この工程が、点線で囲まれた下側の部分に相当
する第2のルール抽出工程である。
【0063】 この第2のルール抽出について図3を参
照しながら具体的に説明する。ステップS7では、ルー
ルを拡大する解析を行うが、このステップS7は図5
(b)に詳細を示して説明する。まず、前述のようなカ
テゴリー区間の限界値を変更するなどしてルールの拡大
を行い(ステップS71)、その後ステップS4におけ
る解析と同様に確信度とサポートの解析を実行し(ステ
ップS72)、確信度及びサポートの要求水準と比較す
る(ステップS73)。このルール拡大解析において
も、解析結果は情報出力装置や情報表示装置を用いて出
力、表示させることができる。
【0064】 図3に戻り、ステップS8では、ステッ
プS73における比較の結果、確信度及びサポートの要
求水準を満足するか否かを判断し、満足した場合にはそ
の拡大ルールを抽出しこれを最適ルールとする(ステッ
プS9)。一方、ステップS8で確信度及びサポートの
要求水準をいずれか一方でも満足しないと判断した場合
には、ステップS10に進み、ルール組合せ解析を実施
する。このステップS10については、図6にその詳細
なステップを示しながら説明を加える。図6において、
まずステップS101では、組合せルールの条件を入力
する。この組合せルールの条件とは、各限界値変更ルー
ル(拡大ルール)における確信度とサポートに対して一
定のレベル以上であることなどである。この組合せ条件
を満足する拡大ルールを抽出し(ステップS102)、
この中からさらに1〜N番目の最良ルールを抽出する
(ステップS103)。このN番目は所望の数字を選択
するが、次のステップS104において確信度とサポー
トの解析を実行した後、要求水準とその解析結果を比較
する際(ステップS105)に、この要求水準のサポー
トを満足するような必要最小限の数字が選択されるべき
である。このステップS10においても、解析結果は情
報出力装置や情報表示装置を用いて出力、表示させるこ
とができる。
【0065】 図3に再び戻り、確信度及びサポートに
関する要求水準を満足する場合(ステップS11)に
は、ステップS12で組合せルールを抽出して、これを
最適ルールとする。しかしながら、サポートに関する要
求水準を満足しない場合には、ステップS3に戻り、整
合度の要求水準を変更して(ステップS33)重要要因
の組合せの選択を再度実行して再解析を行う。ここまで
で、最適ルールの抽出の処理は終了する。
【0066】 次に、調査数量の絞込みのステップS1
3がある。このステップS13は、前述のとおり、ステ
ップS5で確信度とサポートの要求水準を満足した場
合、及び第1のルール抽出工程と第2のルール抽出工程
を経て最適ルールの抽出が実行された後の工程とされ
る。この調査数量の絞込みは、この最適なルールを自然
災害発生・非発生の評価ルールとして、複数の箇所につ
いて、その自然災害発生の危険度を評価し、その評価し
た情報をさらに、客観的に順位付け、あるいは優先度を
評価することによって、調査された結果を絞り込むもの
である。従って、例えば事業予算などの関係から、一定
の危険度に係る地域の防災事業計画を実行するなどの要
請がある場合には、最適ルールによって抽出された結果
をさらに絞り込み、防災事業計画の優先順位付けに係る
評価情報として提供することにより、汎用性が高く、明
快、且つ客観的な自然災害発生の危険度に係る評価情報
を提供し、複数の防災事業計画の施工の優先順位付けを
効果的に支援することができる。
【0067】 次に、上述の第1の実施例をベースとし
てさらに具体的な実例を示しながら、第2の実施例とし
て説明する。1982年7月に日本観測史上最も激しい集中
豪雨により、長崎市周辺で激甚な災害をもたらした土石
流災害を対象として、本発明の方法により土石流災害発
生・非発生の評価ルールを設定した例について説明す
る。本実施例は、降雨条件を概ね同一と看做し得る渓流
を対象として、降雨要因を除き、地形要因のみで解析
し、地形要因に基づく土石流災害発生の潜在的な危険度
を評価するルールを設定したものである。対象の土石流
危険渓流は612渓流であり、その内、土石流が発生した
渓流は150渓流、非発生の渓流は残りの462渓流である。
なお、土石流発生のみを用い、山腹斜面崩壊等の小規模
な土砂移動は土石流非発生として扱った。地形要因とし
ては、一次谷に分割した土石流危険渓流について、土石
流発生に重要と考えられる表3の15要因を調査し用い
た。使用した解析手法はラフ集合である。
【0068】
【表3】
【0069】 要因間のカテゴリー数が著しく異なる
と、多数のカテゴリーによって細分化されることで、各
々の部分集合に属する渓流数が少なくなり、整合データ
として評価される確率が増加し、カテゴリー数が多い要
因が重要要因として抽出されるため、ラフ集合を用いる
場合は、出来るだけカテゴリー数を揃えるのが好まし
い。本実施例では、地形要因中の渓流方位と降雨集中度
評価の2要因が元のデータからカテゴリー分類されてお
り、既にカテゴリー数が決定しているため、他の地形要
因に対しても同様のカテゴリー数(4個から5個)に分
類し、各要因のカテゴリー配分は、データの最大値、最
小値及び分布状況を考慮し、等間隔に設定した。そのカ
テゴリー分類した結果を、表4に示す。
【0070】
【表4】
【0071】 次に、このカテゴリー分類された15要因
につき、ラフ集合により、整合度の要求水準を80%以上
として、重要な地形要因の組合せの抽出を行った。な
お、本実施例では、第1のルールの抽出を行う際に、確
信度が1となるルールのみの抽出を行うため、矛盾デー
タを含まないようにエラーレベルを0とした。
【0072】 要求水準を満たす重要要因の組合せとし
て、全部で26通り抽出された。図7は、80%から1%毎
にその組合せの累積された数を示したものであり、例え
ば、要求水準81%を満たす組合せは16通りであることを
示し、また、整合度が高くなるにつれて急激に組合せ数
が減少し、84%を達成している組合せは2通りのみであ
ることを示している。表5は、この中で整合度が上位5
位までの組合せを示し、最も整合度の高い組合せは、最
急渓床勾配(3)、流域長(6)、流域形状比(8)、渓流方位
(10)、流域最大傾斜(12)の組合せで、その整合度は84.9
7%である。以下の解析は、この最も整合度の高い組合
せを用いて行ったものである。なお、最も整合度の高い
組合せが複数の場合には、整合度の高い組合せで多く用
いられている要因を、より多く含む組合せを用いるのが
好ましい。さらに、後で検討する拡大ルールの精度を向
上させるためには、属性値が大きいほど発生率が上昇
し、発生データ数が増加する、もしくは属性値が低いほ
ど非発生データ数が増加する要因を選定することが望ま
しい。
【0073】
【表5】
【0074】 この抽出された最も整合度の高い重要要
因の組合せから得られた決定表において各要因の属性値
を次の方法により削除する。削除する属性値は、重要要
因の抽出と同様に、削除しても決定属性値に矛盾が生じ
ない属性値とする。削除した属性値は、どんな値でも良
いことを意味するアスタリスク(*)に置き換える。以
上より、決定表を簡潔に整理したのが第1のルールとな
る。第1の土石流ルール数は計213個であり、その内、
確信度1、サポート0.02以上のルールを示したのが表6
である。なお、表中、判定1は非発生を意味する。表1
に示すように、サポートは、最も高いルール(Rule A)
でも、0.049であり、解析の対象とした渓流全体の4.9%
しか適応できない。Rule Aは、流域長(6)のカテゴリー
が2、流域形状比(8) のカテゴリーが2、流域最大傾斜
(12) のカテゴリーが1であり、このルール領域の渓流
は、長崎災害時と同じ雨量でも極めて土石流が発生し難
いことを意味している。
【0075】
【表6】
【0076】 次に、この第1のルールについて、限界
値を変更して行うルール領域を拡大した限界値変更ルー
ルを求めた。即ち、評価値が大きいほどより自然災害発
生の危険度が大きくなる要因の場合には、発生ルールの
場合は、第1のルールを構成する各要因のカテゴリーの
上限を外して、下限値以上のカテゴリーを全て含有する
範囲に拡大し、非発生ルールの場合は、第1のルールを
構成する各要因のカテゴリーの下限を外して、上限値以
下のカテゴリーを全て含有する範囲に拡大し、その拡大
した限界値変更ルールの確信度とサポートを算出した。
一方、評価値が小さいほどより自然災害発生の危険度が
大きくなる要因の場合には、発生ルールの場合は、第1
のルールを構成する各要因のカテゴリーの下限を外し
て、上限値以下のカテゴリーを全て含有する範囲に拡大
し、非発生ルールの場合は、第1のルールを構成する各
要因のカテゴリーの上限を外して、下限値以上のカテゴ
リーを全て含有する範囲に拡大し、その拡大した限界値
変更ルールの確信度とサポートを算出した。本実施の最
良の形態においては前者の場合に相当し、ルール領域の
拡大は、まず属性値が大きいほど土石流発生の危険度が
大きくなる要因(最急渓床勾配(3)、流域長(6)、流
域最大傾斜(12))について行った。更に、もともと物
理的な順位を持たない要因(流域形状比(8)、渓流方
位(10))についても、土石流発生率から順位付けし、
ルール領域の拡大を行った。
【0077】 表7、表8は、その限界値変更ルールの
内、確信度0.90以上でサポートが0.05以上の土石流非発
生の拡大ルールを示したものであり、表7が最急渓床勾
配(3)、流域長(6)、流域最大傾斜(12)の要因につ
いてのみ拡大を行った結果であり、表8は全要因で拡大
を行った結果である。例えば、表7のRule_A1は、流域
長(6)がカテゴリー2(0.3km)以下、渓流方位(10)がカ
テゴリー3(南向き)、流域最大傾斜(12) がカテゴリ
ー3(45°)以下のルール領域を意味し、そのルール領
域内の土石流非発生渓流が8.3%であることを示してい
る。また、表8の全要因を拡大した結果は、確信度0.90
以上でサポートが0.05以上を満たす拡大ルール数は表7
の結果より多く、各ルールのサポートも高いことを示し
ている。このことから、もともと物理的な順位を持たな
い要因の拡大は、この実施例において有効であると言え
る。なお、表7、表8の「ルール満足数」とは、当該ル
ールに含まれるデータ数(渓流数)を意味するが、この
ルールは限界値変更ルールのため、複数のルールに含ま
れるデータが存在し得る。即ち、第1のルールでは、複
数のルールに含まれるデータは存在しないが、限界値変
更ルールでは、複数のルールに含まれるデータが存在し
得る。
【0078】
【表7】
【0079】
【表8】
【0080】 表7、表8に示すように、限界値を変更
して領域を拡大したため、多くのルールは1であった確
信度が若干低下する結果となったが、サポートは数倍も
の上昇率を示し、0.1を越えるルールも珍しくない。即
ち、この限界値変更ルールは、従来のラフ集合で抽出さ
れるルールと比較して、サポートが格段に大きく、その
適応領域が、従来のカテゴリー領域だけでなく、そのカ
テゴリー以下(又は、以上)のカテゴリー全てを含むこ
とで、土石流という自然現象に対して、矛盾のないルー
ルであると言える。なお、発生のルールについても、同
様に限界値変更ルールを求めたが、確信度0.9以上のル
ールで最大のサポートは0.013であり、表7の条件(確
信度0.90以上、サポート0.05以上)を満たすルールは存
在しなかった。
【0081】 次に、この限界値変更ルールを組合せて
組合せルールを求めた。即ち、(1)先ず、表7で単独
のルールとして最大のサポートを有するRule_A11の確信
度0.944、サポート0.261を要求水準とし、(2)確信度
が最大でサポートが最大のルールを抽出する。当該のル
ールは表7のRule_A1である。(3)その抽出したルー
ルと、そのルールを満足するデータを削除し、残りのル
ールの確信度とサポートを再計算する。(4)再計算し
た確信度が要求水準の0.944を越えるルールの中で、最
もサポートの高いルールを組合せるべきルールとして抽
出する(第1回組合せの場合、表7のRule_A7)。
(5)(3)と(4)を、所定の要求水準を満たすまで
繰り返す。以上の手順により、三段階までの組合せを行
った結果を、表9に示す。表8の単独ルールについても
上記と同様な方法で組合せた結果、表9の精度と大きな
差はみられなかった。
【0082】
【表9】
【0083】 表9中の削除される渓流」とは、当該組
合せルールに含まれるデータ数(渓流数)を意味し、削
除した非発生渓流数/削除した渓流数」は当該組合せル
ールの確信度、削除した渓流数/全渓流数」は当該組合
せルールのサポートを意味する。表9に示すように、二
段階の組合せ(Rule_A1+Rule_A7+Rule_A14)により、
確信度95.5%、サポート33.0%という、要求水準とした
Rule_A11の確信度94.4%、サポート26.1%を越えるルー
ルが得られた。
【0084】 次に、第3の実施例として、第2の実施
例で設定した本発明のルールを、他の地域に適用した例
について説明する。適用した地域は、香川県小豆島(災
害発生時期:1974年7月、主な岩種:安山岩・花崗
岩)、広島県広島市(災害発生時期:1999年6月、主な
岩種:花崗岩)、広島県加計町(災害発生時期:1988年
7月、主な岩種:花崗岩)である。適用したルールは、
限界値変更ルールであり、確信度0.95以上で最もサポー
トの大きいルール(Case1、表7のRule_A7)と、確信度
0.8以上でサポートが最も高いルール(Case2、表7(確
信度0.90以上)外)である。
【0085】 Case1のルールを適用した結果を、長崎
市と対比して表10に示し、Case2のルールを適用した
結果を、長崎市と対比して表11に示した。表10に示
すように、Case1のルールは、サポートが比較的小さい
ため、長崎市と地形が類似する広島市を除き、他地域で
は殆ど使用できない。一方、サポートが大きいCase2の
ルールは、表11に示すように、概ね他地域でも使用は
可能である。但し、小豆島の花崗岩地域では極端に確信
度が低下し、小豆島の安山岩地域では確信度は上昇して
いるがサポートが極端に低下している。これは、小豆島
は、流域最大傾斜が、長崎市と比較して、非常に緩やか
である等、全く異なる地形形状を有することによる。即
ち、この実施例は、本発明のルールを設定するに際し
て、高精度のルールを設定するためには、かかる地形形
状の相違を反映し得る地形要因を適正にカテゴリー化し
て用いるか、若しくは、地域毎にルールを設定する必要
があることを示している。
【0086】
【表10】
【0087】
【表11】
【0088】 次に得られた評価ルールによって特定で
きたデータの優先順位を決定する。優先順位の設定に用
いる評価ルールは、出来るだけ多くのデータを特定でき
る事が望ましい。したがって、評価ルールとしては、全
要因を拡大した表8の単独ルールから組合せルールを求
めた。先ず、確信度が0.9以上で最もサポートが高いRul
e_B42(確信度0.902、サポート0.307)を満足するデー
タを削除し、残りのルールの確信度とサポートを再計算
する。以下、同様に確信度0.9以上でサポートが最も高
いルールを抽出し、計5つのルールを組合せる。表12
に組合せルールを示す。
【0089】
【表12】
【0090】 優先順位の決定は、評価ルールに用いら
れている要因を座標軸とした座標空間において、その原
点からの距離が遠いほど土砂災害発生の危険度が高いと
して、順位付けが可能である。距離の算出には、各要因
の土石流発生に対する重要度(重み)を考慮する。各要
因の重みは、どの属性値でも良いアスタリスク(*)が
多い要因ほど重要度が低いと考え、各要因の重みを
(1)式により定義した。
【0091】
【数1】
【0092】 例えば流域最大傾斜(8)の重みは、*
以外の数4、ルール数5より4/5=0.8となる。各要因の重
みを算出した結果を図8に示す。図8より、流域長
(6)、流域形状比(8)、流域最大傾斜(12)が最も高い
重みとなった。距離の算出は、次式に定義する重み付き
距離によって行う。
【0093】
【数2】
【0094】 (2)式より算出した重み付き距離を図
9に示す。図9より土石流非発生渓流の優先順位は、原
点からの重み付き距離が遠いほどデータ数が減少する傾
向にある。これは、最も安全である土石流非発生渓流ほ
ど数が多いといった、自然現象と矛盾しない妥当な優先
順位と言える。
【0095】 以上、本発明の実施例を説明したが、特
許請求の範囲で規定された本発明の本質と範囲から逸脱
することなく、その形態や細部に種々の変更がなされて
も良いことは明らかである。例えば、組合せルールは、
実施例で説明した、確信度が最大でサポートが最大のル
ールを抽出して始める手順に限らず、例えば、所定の確
信度以上で最大のサポートを有するルールを抽出して始
める手順など、種々の形態で行うことができ、又、上述
の(2)〜(5)を繰り返し、複数の組合せルールを設
定することもできる。
【0096】 次に、本発明の防災事業計画支援システ
ムに係る実施の最良の形態について図10及び図11を
参照しながら説明する。(特に、請求項9及び請求項1
0に対応)図10は、本実施の最良の形態に係る防災事
業計画支援システムの構成図である。この防災事業計画
支援システムは、先に説明した防災事業計画支援方法を
システムとして捉えた発明であり、図10において、防
災事業計画支援システムは情報処理演算装置1、情報格
納装置2、情報入力装置3、情報出力装置5及び情報表
示装置6から構成される。操作者4は、情報入力装置3
を介して情報処理演算装置1あるいは情報格納装置2に
アクセス可能であり、情報格納装置2の中のデータ格納
部21には各地形におけるID番号23やその地点、す
なわちID番号23に対応するように評価値データ2
4、さらにその評価値データ24をベースとして得られ
る属性値データ25、災害実績データ26及び解析結果
データ27などを格納することができる。また、モデル
格納部22には、要因情報28やカテゴリー情報29を
格納することができる。
【0097】 情報処理演算装置1では、データ抽出部
11が情報格納装置2のデータ格納部21に格納された
属性値データ25あるいは災害実績データ26などを抽
出し、モデル抽出部12が、モデル格納部22に格納さ
れた要因情報28やカテゴリー情報29を読み出しなが
ら選択することでモデルを構成する。最適ルール決定部
13は、構成されたモデルを用いて解析を行い、最適な
ルールを決定する。この最適ルール決定部13における
最適なルールの決定については、図11を参照しながら
詳細に後述する。
【0098】 決定された最適なルールを自然災害の発
生・非発生の評価ルールとして複数の箇所について、そ
の自然災害発生の危険度を評価し、その評価した情報を
さらに、客観的に順位付け、あるいは優先度を評価する
ことによって、調査された結果を絞り込むために優先順
位をつけるものである。この順位のつけ方については、
防災事業計画支援方法の実施の最良の形態で説明したと
おりである。例えば、評価ルールに用いられている要因
を座標軸とした座標空間において、その原点からの距離
を演算する機能を優先順位決定部14に持たせ、その距
離が遠いほど土砂災害発生の危険度が高いとして、順位
付けをするものである。このような優先順位決定部14
については、防災事業計画支援方法の実施の最良の形態
においてステップS13として説明したとおりの機能を
備えるものであるのでその説明は省略する。データ抽出
部11において抽出されるデータ、モデル抽出部12に
おいて構成されるモデルの内容や最適ルール決定部13
の解析結果、さらに優先順位決定部14において決定さ
れた優先順位あるいはその優先順位が決定されたデータ
の内容などは情報出力装置5において出力され、例えば
情報表示装置6を介して操作者4などに示される。最終
的には、情報出力装置5あるいは情報表示装置6によっ
て防災事業の調査計画案7が示される。
【0099】 図11は、最適ルール決定部13の内部
を模式的に示す構成図である。最適ルール決定部13に
は、重要要因解析部31、ルール設定部32及び確信度
・サポート解析部33が備えられている。重要要因解析
部31は、防災事業計画支援方法の実施の最良の形態に
おけるステップS3の内容を実行する機能を備える部分
である。具体的には、モデル抽出部12において構成さ
れたモデルについて、そのモデルを用いた解析を行い重
要要因の選択を行う。例えば、自然災害に関する要因を
選択し、それを組み合わせて、整合度を解析し、その要
求水準と比較しながら、少なくとも一組の整合度が高い
重要な要因の組合せを抽出する。整合度要求水準は、情
報入力装置3から入力されるようにしておいてもよい
し、予めデータ格納部21に格納しておいて読み出して
もよい。
【0100】 重要要因解析部31において解析された
重要要因を用いルール設定部32で最適なルールの設定
を行うが、その設定には確信度・サポート解析部33に
おける解析結果を使用する。これらルール設定部32及
び確信度・サポート解析部33における作用は、防災事
業計画支援方法の実施の最良の形態において説明した2
つの点線で示した第1のルール抽出と第2のルール抽出
の作用と同様である。なお、ルール設定部32は、第1
のルール設定部34、拡大ルール設定部35及び組合せ
ルール設定部36から構成される。それぞれ名称通り、
第1のルール、拡大ルール及び組合せルールを設定する
ものである。
【0101】 もう少し詳細に説明すると、重要要因解
析部31で抽出された重要要因の組合せを用いて、確信
度・サポート解析部33において確信度とサポートを解
析し、この解析結果を用いて、第1のルール設定部34
では、確信度とサポートの両方が要求水準を満足する場
合には、その重要要因の組合せ自体を最適ルールと決定
し、優先順位決定部14において客観的に順位付け、あ
るいは優先度を評価することによって調査された結果を
絞り込むために優先順位をつけるものである。また、確
信度の要求水準を満足するもののサポートが満たされな
い場合には第1のルールとして抽出する。さらに、確信
度の要求水準さえ満足しない場合には、重要要因解析部
31において、整合度の要求水準を変更して、重要要因
の選択から再度やり直す。整合度の要求水準の変更は、
情報入力装置3から所望の整合度を再度入力するとよ
い。あるいは、予め変更用の整合度の要求水準を予めデ
ータ格納部21に格納しておき、それを読み出してもよ
い。
【0102】 次に、拡大ルール設定部35では、第1
のルール設定部34で抽出した第1のルールの領域を拡
大した限界値変更ルール(拡大ルール)を求め、それを
用いて確信度・サポート解析部33で再度確信度とサポ
ートを求める解析を実施し、その解析結果がいずれの要
求水準をも満足している場合には、そのルールを最適な
ルールとして処理を終了する。また、それ以外の場合に
は、組合せルール設定部36において、複数の限界値ル
ールを組み合わせた組合せルールを求め、確信度・サポ
ート解析部33で確信度とサポートを解析し、その解析
結果がいずれの要求水準をも満足する場合にはそのルー
ルを最適なルールとして処理を終了する。組合せルール
によっても所望のサポートに満たない場合には、重要要
因解析部31において、整合度の要求水準を変更して、
再度、重要な要因の組合せの抽出からやり直すことによ
り、最終的に、目的とする確信度あるいはサポートの要
求水準を満たす最適ルールを求める。この場合も整合度
の要求水準の変更は情報入力装置3から再入力するか、
あるいは前述のとおり予め変更用の整合度の要求水準を
予めデータ格納部21に格納しておき、それを読み出し
てもよい。本実施の最良の形態においては、確信度・サ
ポート解析部33を設けて、第1のルール設定部34、
拡大ルール設定部35、組合せルール設定部36から構
成されるルール設定部32とは別の構成としたが、各ル
ール設定部34,35,36に確信度・サポート解析部
を備える構成としてもよく、その場合には、図11に示
す確信度・サポート解析部33は削除してもよい。拡大
ルール設定部35及び組合せルール設定部36によって
得られた最適なルールは、優先順位決定部14において
優先順位がつけられる。なお、第1のルール設定部3
4、拡大ルール設定部35及び組合せルール設定部36
において、確信度とサポートの解析結果と比較される確
信度とサポートの要求水準は、情報入力装置3から入力
するようにしたり、あるいは予め情報入力装置3からデ
ータ格納部21に入力しておき、このデータ格納部21
から読み出してそれぞれ比較してもよい。
【0103】 以上のような解析の結果や解析に用いら
れるデータなどは情報出力装置5や情報表示装置6を介
して他のシステムなどに出力あるいは、操作者などに対
して示される。このように構成された防災事業計画支援
システムにおいては、複数の箇所の自然災害発生危険度
に関して精度が高く客観的であり、しかも汎用性の高い
評価ルールを提供しながら、その評価ルールを用いるこ
とでより明快で容易に、客観性と汎用性の高い防災事業
計画の立案や施工などを支援することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0104】 自治体や防災センターなど公的な機関に
おける防災計画の立案業務やハザードマップ作成など幅
広い用途がある。また、教育機関などにおいて災害の未
然防止や避難訓練用の教材としても活用が見込まれ、さ
らに、建設・土木事業を営む私企業においても、防災事
業のニーズ掘り起こしや事業提案のためのツール、ある
いは公的機関との連携を図るための共有ツールとして活
用が可能であり、企業の防災技術に関する研究開発や設
計事業などの用途にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】要因のカテゴリー区間の限界値を変更して行う
ルール領域の拡大について説明するための概念図であっ
て、(a)は拡大前、(b)は拡大後を示す概念図であ
る。
【図2】もともと幾つかの物理的な順位を持たない区分
に分類された要因を、各区間の自然災害発生率により順
序付け、カテゴリー分類する方法を説明するための図で
ある。
【図3】本発明の実施の最良の形態に係る防災事業計画
支援方法について、自然災害発生・非発生の評価ルール
を設定する過程の好ましい工程・手順を示したフローチ
ャートである。
【図4】図3のステップS3の内容を詳細に示すフロー
チャートである。
【図5】(a)は図3のステップS4の内容を詳細に示
すフローチャートであり、(b)は図3のステップS7
の内容を詳細に示すフローチャートである。
【図6】図3のステップS10の内容を詳細に示すフロ
ーチャートである。
【図7】本発明の実施例として、15要因につき、ラフ集
合により、整合度80%以上、エラーレベル0として抽出
した26通りの要因の組合せを、1%毎にその累積された
数を示した図である。
【図8】(1)式より算出した評価ルール構成する各要因
の重要度である。
【図9】表12の評価ルールにより特定できた土石流非
発生渓流について(2)式により優先順位を算出した結果
である。
【図10】本発明の実施の最良の形態に係る防災事業計
画支援システムの概略構成図である。
【図11】本実施の最良の形態にかかる防災事業計画支
援システムの最適ルール決定部の詳細を示す構成図であ
る。
【符号の説明】
【0106】 1…情報処理演算装置 2…情報格納装置 3…情報入
力装置 4…操作者5…情報出力装置 6…情報表示装
置 7…調査計画案 11…データ抽出部 12…モデ
ル抽出部 13…最適ルール決定部 14…優先順位決
定部 21…データ格納部 22…モデル格納部 23
…ID番号 24…評価値データ 25…属性値データ
26…災害実績データ 27…解析結果データ 28
…要因情報 29…カテゴリー情報 31…重要要因解
析部 32…ルール設定部 33…確信度・サポート解
析部 34…第1のルール設定部 35…拡大ルール設
定部 36…組合せルール設定部
フロントページの続き 早期審査対象出願 (72)発明者 竹本 大昭 山口県宇部市常盤台2丁目16番1号 山 口大学工学部内 (72)発明者 佐藤 丈晴 岡山県岡山市津島京町3丁目1番21号 株式会社エイトコンサルタント内 (72)発明者 荒木 義則 広島県広島市南区出汐2丁目3番30号 中電技術コンサルタント株式会社内 (56)参考文献 特開2002−282913(JP,A) 榊原弘之 他5名,ラフ集合を用いた データマイニングによるがけ崩れ発生要 因の抽出に関する研究,土木学会論文 集,日本,2000年 9月,No.658 /VI−48,pp.221−229 岡本正男 他4名,ラフ集合を用いた データマイニングによる土砂移動現象の 重要要因及びルール抽出に関する研究, 砂防学会誌,日本,2002年 3月,Vo l.54, No.6,p4−15 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G06F 17/60 154 G06F 19/00 100 JICSTファイル(JOIS)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンピュータが各工程を実行しながら複
    数の箇所の自然災害発生・非発生の実績情報を解析して
    自然災害発生の危険度を評価し防災事業の計画立案を支
    援する方法において、前記自然災害発生の危険度に係わ
    る複数の要因の属性値と前記自然災害発生・非発生の実
    績情報をデータ格納部に読み取り可能に格納する工程
    と、前記自然災害発生の危険度に係わる複数の要因とこ
    の複数の要因に係るカテゴリー区間によって形成される
    モデルをモデル格納部から選択する工程と、このモデル
    に含まれる複数の要因を組み合せて整合度を解析し、該
    整合度と情報入力部により入力された該整合度に対する
    要求水準又は前記データ格納部に格納された該整合度に
    対する要求水準をデータ抽出部により読み出して比較し
    この要求水準を満足する重要要因の組合せを前記モデル
    格納部から選択されたモデルに含まれる複数の要因の中
    からモデル抽出部により抽出する工程(以下、本工程を
    重要要因選択工程という。)と、この重要要因選択工程
    において選択された重要要因の組合せとこの重要要因の
    組合せに係るカテゴリー区間によって形成されるルール
    における前記属性値と前記自然災害の発生・非発生の実
    績情報を前記データ格納部から前記データ抽出部により
    読み出して確信度及びサポートを解析し、該確信度及び
    サポートと前記情報入力部により入力された該確信度及
    びサポートに対する要求水準又は前記データ格納部に格
    納された該確信度及びサポートに対する要求水準を前記
    データ抽出部により読み出して比較しこれらの要求水準
    のいずれか一方を満足するルールを抽出する工程(以
    下、本工程を第1のルール抽出工程という。)と、この
    第1のルール抽出工程において抽出されたルール(以
    下、第1のルール抽出工程において抽出されたルールを
    第1のルールという。)に対して、前記重要要因の組合
    せにおいて、前記属性値が大きいほど自然災害発生の危
    険度が大きくなる要因の場合、前記自然災害の発生の実
    績情報に関し前記カテゴリー区間の上限を外して下限値
    以上として、又は、前記自然災害の非発生の実績情報に
    関し前記カテゴリー区間の下限を外して上限値以下とし
    て、あるいは、前記重要要因の組合せにおいて、前記属
    性値が小さいほど自然災害発生の危険度が大きくなる要
    因の場合、前記自然災害の発生の実績情報に関し前記カ
    テゴリー区間の下限を外して上限値以下として、又は、
    前記自然災害の非発生の実績情報に関し前記カテゴリー
    区間の上限を外して下限値以上として、第1のルールの
    カテゴリー区間を拡大し(以下、拡大された第1のルー
    ルを拡大ルールという。)、前記重要要因の組合せと前
    記拡大されたカテゴリー区間によって形成される拡大ル
    ールにおける前記属性値と前記自然災害の発生・非発生
    の実績情報を前記データ格納部から前記データ抽出部に
    より読み出して前記確信度及びサポートを解析し、該確
    信度及びサポートと前記情報入力部により入力された該
    確信度及びサポートに対する要求水準又は前記データ格
    納部に格納された該確信度及びサポートに対する前記要
    求水準を前記データ抽出部より読み出して比較し両方の
    前記要求水準を満足する拡大ルールを抽出する工程(以
    下、本工程を第2のルール抽出工程という。)と、前記
    第2のルール抽出工程において抽出された拡大ルールに
    関して解析された前記確信度とサポート及びこれらと前
    記要求水準とを比較した結果を出力する工程とを有する
    ことを特徴とする防災事業計画支援方法。
  2. 【請求項2】 前記箇所は斜面或いは渓流であり、前記
    自然災害は土砂災害であることを特徴とする請求項1記
    載の方法。
  3. 【請求項3】 前記重要要因選択工程は、前記データ格
    納部に格納された前記自然災害発生の危険度に係る複数
    の要因を前記データ抽出部により読み出して、決定属性
    値の異なる矛盾データの割合が所定の上限値以下である
    領域を整合領域とし、この整合領域内のデータ数の全デ
    ータ数に対する比率として定義される整合度を指標とし
    て、少なくとも一組の該整合度が高い重要要因の組合せ
    を抽出することを特徴とする請求項1又は請求項2のい
    ずれか1に記載の防災事業計画支援方法。
  4. 【請求項4】 前記データ格納部に格納された前記自然
    災害発生の危険度に係る複数の要因のうち、危険度に対
    して物理的な順位を持たない区分に分類された要因の場
    合には、その要因の分割に於ける各カテゴリー区間の自
    然災害発生率を算出し、その自然災害発生率の順に、自
    然災害発生の危険度が大きくなる方向又は小さくなる方
    向に前記カテゴリー区間を配列することを特徴とする請
    求項1乃至請求項3のいずれか1に記載の防災事業計画
    支援方法。
  5. 【請求項5】 前記第2のルール抽出工程は、前記第1
    のルールのカテゴリー区間を拡大し前記確信度及びサポ
    ートを解析し該確信度及びサポートと前記情報入力部に
    より入力された該確信度及びサポートに対する要求水準
    又は前記データ格納部に格納された該確信度及びサポー
    トに対する前記要求水準を前記データ抽出部により読み
    出して比較し、前記拡大ルールすべてにおいて前記要求
    水準の少なくともいずれか一方を満足しない場合には、
    前記拡大ルールと前記拡大ルールを組み合わせる工程
    (以下、組み合わせたルールを組合せルールという。)
    と、この組合せルールについて前記確信度及びサポート
    を解析し該確信度及びサポートと前記情報入力部により
    入力された該確信度及びサポートに対する要求水準又は
    前記データ格納部に格納された該確信度及びサポートに
    対する要求水準を前記データ抽出部により読み出して比
    較し両方の前記要求水準を満足する組合せルールを抽出
    する工程とを備え、前記組合せルールにおいて前記要求
    水準の少なくともいずれか一方を満足しない場合には、
    前記重要要因選択工程へ戻ることを特徴とする請求項1
    乃至請求項4のいずれか1に記載の防災事業計画支援方
    法。
  6. 【請求項6】 前記第1のルール抽出工程及び前記第2
    のルール抽出工程は、前記情報入力部により入力された
    該確信度及びサポートに対する要求水準又は前記データ
    格納部に格納された該確信度及びサポートに対する前記
    要求水準を満足した確信度及びサポートを有する前記第
    1のルール又は前記拡大ルール又は前記組合せルールの
    いずれかに含まれる前記要因の属性値を座標空間におけ
    る距離として評価する工程を有することを特徴とする請
    求項1乃至請求項5のいずれか1に記載の防災事業計画
    支援方法。
  7. 【請求項7】 情報入力部から入力される自然災害に係
    る複数の要因に関する属性値と前記自然災害発生・非発
    生の実績情報を格納するデータ格納部と、前記複数の要
    因に係る要因情報と前記複数の要因毎のカテゴリー区間
    に係るカテゴリー情報を格納するモデル格納部と、前記
    属性値と自然災害発生・非発生の実績情報を前記データ
    格納部から抽出するデータ抽出部と、前記要因情報とカ
    テゴリー情報を前記モデル格納部から抽出するモデル抽
    出部と、このモデル抽出部によって抽出された要因情報
    に含まれる複数の要因の組合せに対して前記属性値と実
    績情報を使用して整合度を解析し、その整合度と情報入
    力部により入力された該整合度に対する要求水準又は前
    記データ格納部に格納された該整合度に対する要求水準
    をデータ抽出部により読み出して比較し、所望の整合度
    要求水準を満足する重要要因を選択する重要要因解析部
    と、この重要要因解析部で選択された重要要因の組合せ
    とこの重要要因の組合せに係るカテゴリー区間によって
    複数のルールを設定する第1のルール設定部と、この第
    1のルール設定部によって設定されたルールに対して、
    前記重要要因の組合せにおいて、前記属性値が大きいほ
    ど自然災害発生の危険度が大きくなる要因の場合、前記
    自然災害の発生の実績情報に関し前記カテゴリー区間の
    上限を外して下限値以上として、又は、前記自然災害の
    非発生の実績情報に関し前記カテゴリー区間の下限を外
    して上限値以下として、あるいは、前記重要要因の組合
    せにおいて、前記属性値が小さいほど自然災害発生の危
    険度が大きくなる要因の場合、前記自然災害の発生の実
    績情報に関し前記カテゴリー区間の下限を外して上限値
    以下として、又は、前記自然災害の非発生の実績情報に
    関し前記カテゴリー区間の上限を外して下限値以上とし
    て、前記複数のルールのカテゴリー区間を拡大して複数
    の拡大ルールを設定する拡大ルール設定部と、これらの
    複数のルール又は拡大ルール毎に前記属性値と前記実績
    情報を使用して確信度及びサポートを解析する確信度・
    サポート解析部と、解析結果を出力する情報出力部とを
    有し、前記第1のルール設定部は、前記確信度・サポー
    ト解析部で解析された前記確信度及びサポートと前記情
    報入力部により入力された該確信度及びサポートに対す
    る要求水準又は前記データ格納部に格納された該確信度
    及びサポートに対する前記要求水準を前記データ抽出部
    より読み出して比較し前記要求水準のいずれか一方を満
    足するルールを第1のルールとして設定し、前記拡大ル
    ール設定部は、前記確信度及びサポートと前記情報入力
    部により入力された該確信度及びサポートに対する要求
    水準又は前記データ格納部に格納された該確信度及びサ
    ポートに対する前記要求水準を前記データ抽出部より読
    み出して比較し前記要求水準の両方を満足するルールを
    拡大ルールとして設定することを特徴とする防災事業計
    画支援システム。
  8. 【請求項8】 前記複数の拡大ルールのうち少なくとも
    2を組み合わせた組合せルールを設定する組合せルール
    設定部を備え、この組合せルール設定部は、前記確信度
    ・サポート解析部で解析された前記確信度及びサポート
    と前記情報入力部により入力された該確信度及びサポー
    トに対する要求水準又は前記データ格納部に格納された
    該確信度及びサポートに対する前記要求水準を前記デー
    タ抽出部より読み出して比較し前記要求水準の両方を満
    足するルールを組合せルールとして設定することを特徴
    とする請求項7記載の防災事業計画支援システム。
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