JP3697472B2 - 土砂災害の発生限界線、避難基準線及び警戒基準線の作成方法とそのプログラム及び土砂災害の警戒避難支援システム - Google Patents
土砂災害の発生限界線、避難基準線及び警戒基準線の作成方法とそのプログラム及び土砂災害の警戒避難支援システム Download PDFInfo
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なお、本願明細書において、発生情報線とは、土砂災害など自然災害の発生に関する発生限界線、避難基準線及び警戒基準線を含む概念をいう。
第1の工程は、標準化解析部が、予め実データベースに格納された又は入力部から入力された実学習データのうち、短期降雨指標と長期降雨指標の実データを標準化して標準化学習データを生成して、標準化データベースに格納する工程であり、
第2の工程は、判別境界面解析部が、標準化データベースから標準化学習データを読み出し、標準化された短期降雨指標と長期降雨指標をそれぞれ示す軸にそれぞれ所定間隔の格子線を設定して、短期降雨指標と長期降雨指標との二次元平面を該格子線で形成される単位格子領域に分割し、該単位格子領域毎に、単位格子領域内に土砂災害発生の標準化学習データが存在しかつ該単位格子領域を形成する右上の格子点に放射状基底関数が設定されていない場合に限り発生の放射状基底関数を設定し、単位格子領域内に土砂災害非発生の標準化学習データが存在しかつ該単位格子領域を形成する左下の格子点に放射状基底関数が設定されていない場合に限り該格子点に非発生の放射状基底関数を設定する手段と、
発生の放射状基底関数及び非発生の放射状基底関数を設定する手段において、設定される単位格子領域毎に標準化された短期降雨指標と長期降雨指標に対応して含まれる土砂災害発生の標準化学習データ及び土砂災害非発生の標準化学習データをクラスタリングする手段と、
発生の放射状基底関数及び非発生の放射状基底関数を設定する手段において設定された発生の放射状基底関数及び非発生の放射状基底関数の半径の最適化を図る手段と、
土砂災害発生の標準化学習データ及び土砂災害非発生の標準化学習データをクラスタリングする手段によってクラスタリングされた標準化学習データと、発生の放射状基底関数及び非発生の放射状基底関数の半径の最適化を図る手段によって最適化された半径とを用いた発生の放射状基底関数と非発生の放射状基底関数を合成する手段と、
を有して判別境界面を構築して、判別境界面解析データベースに格納する工程であり、
発生の放射状基底関数及び非発生の放射状基底関数の半径の最適化を図る手段は、短期降雨指標と長期降雨指標との二次元平面を所定間隔の格子線で形成される単位格子領域内に存在する土砂災害の発生データと土砂災害の非発生データによって、土砂災害の発生領域と非発生領域と混在領域の3グループに分類し、予め設定した上下限値内を条件として半径の初期値を発生する第1の乱数発生手段を備えて、この第1の乱数発生手段によって複数の半径の初期値を発生させ、該発生させた複数の半径の初期値の放射状基底関数の目的関数を求め、該目的関数の値が最も小さくなる点を最適化の半径の初期値として設定し、かつ、3つのグループ毎にそれぞれ短期降雨指標軸方向の放射状基底関数の半径と長期降雨指標軸方向の放射状基底関数の半径とが同じに設定される初期点設定手段と、
目的関数に含まれる複数の変数から1の変数を選択する第2の乱数発生手段と、下限値0と所定上限値内を条件としてステップ幅係数を発生させる第3の乱数発生手段とを備えて、最適化の半径の初期値の変数で規定される現在値の目的関数の感度とステップ幅係数の積をステップ幅としてトンネル先値を所定の条件の下に設定しこのトンネル先値を現在値として更新するトンネル処理手段と、
トンネル処理手段によって更新された現在値の目的関数の変数に対する感度を求めてこの感度に従って目的関数の値を最小化する局所値を求めるための収束計算を行う最急降下処理手段と、
この最急降下処理手段によって得られた局所値の目的関数の値が所定の条件を満足する場合には局所値を最適値とし、所定の条件を満足しない場合には最適化計算回数を更新してトンネル処理手段に戻って最適化処理を続行する判定手段と、を有し、
トンネル処理手段における所定の条件は、トンネル先値の放射状基底関数の半径が予め設定された最小値以上であること、及び土砂災害の発生領域と非発生領域における長期降雨指標軸方向の放射状基底関数の半径と短期降雨指標軸方向の放射状基底関数の半径との最大比率が設定値を超えないことであることを特徴とし、
最急降下処理手段における所定の条件は、目的関数の値の変化量の絶対値が予め設定された所定の値より小さいあるいは最適化計算回数が予め設定された所定の許容回数よりも大きいこと、及び土砂災害の発生領域と非発生領域における長期降雨指標軸方向の放射状基底関数の半径と短期降雨指標軸方向の放射状基底関数の半径との最大比率が設定値を超えないことであることを特徴とし、
第3の工程は、発生情報線作成部が、判別境界面解析データベースから判別境界面を読み出し、所定の発生危険度に対応する等高線として標準化した土砂災害の発生限界線、避難基準線及び警戒基準線の少なくともいずれかを作成する工程というものである。
第1の工程は、標準化解析部が、予め実データベースに格納された又は入力部から入力された実学習データのうち、短期降雨指標と長期降雨指標の実データを標準化して標準化学習データを生成して、標準化データベースに格納する工程であり、
第2の工程は、判別境界面解析部が、標準化データベースから標準化学習データを読み出し、標準化された短期降雨指標と長期降雨指標をそれぞれ示す軸にそれぞれ所定間隔の格子線を設定して、短期降雨指標と長期降雨指標との二次元平面を該格子線で形成される単位格子領域に分割し、該単位格子領域毎に、単位格子領域内に土砂災害発生の標準化学習データが存在しかつ該単位格子領域を形成する右上の格子点に放射状基底関数が設定されていない場合に限り発生の放射状基底関数を設定し、単位格子領域内に土砂災害非発生の標準化学習データが存在しかつ該単位格子領域を形成する左下の格子点に放射状基底関数が設定されていない場合に限り該格子点に非発生の放射状基底関数を設定する手段と、
発生の放射状基底関数及び非発生の放射状基底関数を設定する手段において、設定される単位格子領域毎に標準化された短期降雨指標と長期降雨指標に対応して含まれる土砂災害発生の標準化学習データ及び土砂災害非発生の標準化学習データをクラスタリングする手段と、
発生の放射状基底関数及び非発生の放射状基底関数を設定する手段において設定された発生の放射状基底関数及び非発生の放射状基底関数の半径の最適化を図る手段と、
土砂災害発生の標準化学習データ及び土砂災害非発生の標準化学習データをクラスタリングする手段によってクラスタリングされた標準化学習データと、発生の放射状基底関数及び非発生の放射状基底関数の半径の最適化を図る手段によって最適化された半径とを用いた発生の放射状基底関数と非発生の放射状基底関数を合成する手段と、
を有して判別境界面を構築して、判別境界面解析データベースに格納する工程であり、
発生の放射状基底関数及び非発生の放射状基底関数の半径の最適化を図る手段は、短期降雨指標と長期降雨指標との二次元平面を所定間隔の格子線で形成される単位格子領域内に存在する土砂災害の発生データと土砂災害の非発生データによって、土砂災害の発生領域と非発生領域と混在領域の3グループに分類し、予め設定した上下限値内を条件として半径の初期値を発生する第1の乱数発生手段を備えて、この第1の乱数発生手段によって複数の半径の初期値を発生させ、該発生させた複数の半径の初期値の放射状基底関数の目的関数を求め、該目的関数の値が最も小さくなる点を最適化の半径の初期値として設定し、かつ、3つのグループ毎にそれぞれ短期降雨指標軸方向の放射状基底関数の半径と長期降雨指標軸方向の放射状基底関数の半径とが同じに設定される初期点設定手段と、
目的関数に含まれる複数の変数から1の変数を選択する第2の乱数発生手段と、下限値0と所定上限値内を条件としてステップ幅係数を発生させる第3の乱数発生手段とを備えて、最適化の半径の初期値の変数で規定される現在値の目的関数の感度とステップ幅係数の積をステップ幅としてトンネル先値を所定の条件の下に設定しこのトンネル先値を現在値として更新するトンネル処理手段と、
トンネル処理手段によって更新された現在値の目的関数の変数に対する感度を求めてこの感度に従って目的関数の値を最小化する局所値を求めるための収束計算を行う最急降下処理手段と、
この最急降下処理手段によって得られた局所値の目的関数の値が所定の条件を満足する場合には局所値を最適値とし、所定の条件を満足しない場合には最適化計算回数を更新してトンネル処理手段に戻って最適化処理を続行する判定手段と、を有し、
トンネル処理手段における所定の条件は、トンネル先値の放射状基底関数の半径が予め設定された最小値以上であること、及び土砂災害の発生領域と非発生領域における長期降雨指標軸方向の放射状基底関数の半径と短期降雨指標軸方向の放射状基底関数の半径との最大比率が設定値を超えないことであることを特徴とし、
最急降下処理手段における所定の条件は、目的関数の値の変化量の絶対値が予め設定された所定の値より小さいあるいは最適化計算回数が予め設定された所定の許容回数よりも大きいこと、及び土砂災害の発生領域と非発生領域における長期降雨指標軸方向の放射状基底関数の半径と短期降雨指標軸方向の放射状基底関数の半径との最大比率が設定値を超えないことであることを特徴とし、
第3の工程は、発生情報線作成部が、判別境界面解析データベースから判別境界面を読み出し、所定の発生危険度に対応する等高線として標準化した土砂災害の発生限界線、避難基準線及び警戒基準線の少なくともいずれかを作成する工程であることを特徴とするものである。
標準化解析部は、予め実データベースに格納された又は入力部から入力された実学習データのうち、短期降雨指標と長期降雨指標の実データを標準化して標準化学習データを生成して、標準化データベースに格納し、
判別境界面解析部は、標準化データベースから標準化学習データを読み出し、標準化された短期降雨指標と長期降雨指標をそれぞれ示す軸にそれぞれ所定間隔の格子線を設定して、短期降雨指標と長期降雨指標との二次元平面を該格子線で形成される単位格子領域に分割し、該単位格子領域毎に、単位格子領域内に土砂災害発生の標準化学習データが存在しかつ該単位格子領域を形成する右上の格子点に放射状基底関数が設定されていない場合に限り発生の放射状基底関数を設定し、単位格子領域内に土砂災害非発生の標準化学習データが存在しかつ該単位格子領域を形成する左下の格子点に放射状基底関数が設定されていない場合に限り該格子点に非発生の放射状基底関数を設定する手段と、
発生の放射状基底関数及び非発生の放射状基底関数を設定する手段において、設定される単位格子領域毎に標準化された短期降雨指標と長期降雨指標に対応して含まれる土砂災害発生の標準化学習データ及び土砂災害非発生の標準化学習データをクラスタリングする手段と、
発生の放射状基底関数及び非発生の放射状基底関数を設定する手段において設定された発生の放射状基底関数及び非発生の放射状基底関数の半径の最適化を図る手段と、
土砂災害発生の標準化学習データ及び土砂災害非発生の標準化学習データをクラスタリングする手段によってクラスタリングされた標準化学習データと、発生の放射状基底関数及び非発生の放射状基底関数の半径の最適化を図る手段によって最適化された半径とを用いた発生の放射状基底関数と非発生の放射状基底関数を合成する手段と、
を有して判別境界面を構築して、判別境界面解析データベースに格納し、
発生の放射状基底関数及び非発生の放射状基底関数の半径の最適化を図る手段は、短期降雨指標と長期降雨指標との二次元平面を所定間隔の格子線で形成される単位格子領域内に存在する土砂災害の発生データと土砂災害の非発生データによって、土砂災害の発生領域と非発生領域と混在領域の3グループに分類し、予め設定した上下限値内を条件として半径の初期値を発生する第1の乱数発生手段を備えて、この第1の乱数発生手段によって複数の半径の初期値を発生させ、該発生させた複数の半径の初期値の放射状基底関数の目的関数を求め、該目的関数の値が最も小さくなる点を最適化の半径の初期値として設定し、かつ、3つのグループ毎にそれぞれ短期降雨指標軸方向の放射状基底関数の半径と長期降雨指標軸方向の放射状基底関数の半径とが同じに設定される初期点設定手段と、
目的関数に含まれる複数の変数から1の変数を選択する第2の乱数発生手段と、下限値0と所定上限値内を条件としてステップ幅係数を発生させる第3の乱数発生手段とを備えて、最適化の半径の初期値の変数で規定される現在値の目的関数の感度とステップ幅係数の積をステップ幅としてトンネル先値を所定の条件の下に設定しこのトンネル先値を現在値として更新するトンネル処理手段と、
トンネル処理手段によって更新された現在値の目的関数の変数に対する感度を求めてこの感度に従って目的関数の値を最小化する局所値を求めるための収束計算を行う最急降下処理手段と、
この最急降下処理手段によって得られた局所値の目的関数の値が所定の条件を満足する場合には局所値を最適値とし、所定の条件を満足しない場合には最適化計算回数を更新してトンネル処理手段に戻って最適化処理を続行する判定手段と、を有し、
トンネル処理手段における所定の条件は、トンネル先値の放射状基底関数の半径が予め設定された最小値以上であること、及び土砂災害の発生領域と非発生領域における長期降雨指標軸方向の放射状基底関数の半径と短期降雨指標軸方向の放射状基底関数の半径との最大比率が設定値を超えないことであることを特徴とし、
最急降下処理手段における所定の条件は、目的関数の値の変化量の絶対値が予め設定された所定の値より小さいあるいは最適化計算回数が予め設定された所定の許容回数よりも大きいこと、及び土砂災害の発生領域と非発生領域における長期降雨指標軸方向の放射状基底関数の半径と短期降雨指標軸方向の放射状基底関数の半径との最大比率が設定値を超えないことであることを特徴とし、
発生情報線作成部は、判別境界面解析データベースから判別境界面を読み出し、所定の発生危険度に対応する等高線として標準化した土砂災害の発生限界線、避難基準線及び警戒基準線の少なくともいずれかを作成するものである。
また、コンピュータに実行されるプログラムとしては、実測した降雨データとその土砂災害発生・非発生のデータを、コンピュータを含むシステムの入力データとして、その入力データから降雨量の次元を有する短期降雨指標と長期降雨指標の実データを算出する工程を含み、それを実学習データとしてデータベースに格納し、そのデータベースから実学習データを読み出す工程を実行できるのが好ましい。あるいは、既に実学習データが求まっている場合には、その入力を、コンピュータを含むシステムの実学習データを収集あるいは読み出す工程として実施できるのが好ましい。即ち、降雨データは、種々の形態で存在することがあるため、本発明を実施するコンピュータを含むシステムとしては、その種々の形態の降雨データを入力データとして処理し得るように構成するのが望ましい。
なお、本願特許請求の範囲と明細書において、実データとは、実際に生じた現象の生のデータを言い、実学習データとはRBFネットワークの学習データとして用いられる実データという意味であり、実質的な相違点はない。また、標準化データと標準化学習データも同様の関係にあり実質的な相違点はない。
次に、ステップS12で、標準化データ基準値の選定を行う。標準化データ基準値とは、標準化を行う際に用いられるものでどのような値でも良く、本発明を限定するものではないが、1、10、100など区切りの良い数値が望ましく、これにより標準化データの取扱いや表示が容易になる。本実施の形態においては、この標準化データ基準値を短期降雨指標と長期降雨指標に関してそれぞれSSmmax、SLmmaxとする。
これらの標準化データ基準値は、入力されてもよいし、図1に示されるように標準化解析用データベース3に標準化データ基準値テーブル4として格納しておいてもよい。この標準化データ基準値テーブル4は、予め選定されたいくつかの数字がセットとして格納されるものである。
ステップS13は、標準化のための変換係数の演算を行う工程である。この変換係数の演算は、例えば、(1)全ての実学習データの中から短期降雨指標と長期降雨指標の実データの最大値(RSmax、RLmax)をそれぞれ求め、(2)その最大値にそれぞれ1以上である所定の定数を掛けてそれぞれの実データ基準値(RSmmax、RLmmax)を算出し、先のステップS12で選定した標準化データ基準値を実データ基準値で除す演算を行う。このようにして得られる係数が標準化変換係数5である。
標準化変換係数5は、本実施の形態においては、標準化解析用データベース3に格納されるが別個にデータベースを設けて格納してもよい。
ステップS14は、標準化データが演算される工程である。この工程では、ステップS13で演算された標準化変換係数5を標準化解析用データベース3から読み出し、これと、実学習データの短期降雨指標データあるいは長期降雨指標データとの積を求めることによって無次元化する変換を行う。
ステップS15では、ステップS14で得られた標準化学習データ7を標準化データベース6に格納する。
まず、ステップS21である放射状基底関数の中心位置を設定する工程の好ましい実施の形態について説明する。
本発明の実施においては、短期降雨指標と長期降雨指標に係る標準化学習データ7を標準化データベース6から読み出して、短期降雨指標軸と長期降雨指標軸とにそれぞれ所定間隔の格子線を設定して、短期降雨指標と長期降雨指標との二次元平面をその格子線で形成される単位格子領域に分割し、単位格子領域毎に、(1)領域内に土砂災害発生の学習データ(以下、単に「発生データ」ということがある)が存在しかつ領域を形成する右上の格子点に基底関数が設定されていない場合に限りその格子点に基底関数を設定し、(2)領域内に土砂災害非発生の学習データ(以下、単に「非発生データ」ということがある)が存在しかつ領域を形成する左下の格子点に基底関数が設定されていない場合に限りその格子点に基底関数を設定する、といった手順により行うのが好ましい。
また、図3は、縦軸11に短期降雨指標として時間雨量を、横軸12に長期降雨指標として実効雨量をとって、白抜き丸として非発生の降雨データ14を、黒塗り四角として発生の降雨データ14をプロットしたものである。
これを単位格子領域に分割して発生・非発生の学習データ(降雨データ14)をプロットして、基底関数13を設定した様子を概念図として示すのが図4である。
また、基底関数13の中心位置を設定する際に分割した単位格子領域を用い、領域内の発生・非発生の学習データ(降雨データ14a〜14d)それぞれにつき予め設定された学習データの上限数と抑制パラメータの上限値と下限値とを用いて、領域毎に発生・非発生の学習データそれぞれにつき、(1)その抑制パラメータを、領域内の学習データ数に基づき、上限数以上の学習データを有する領域の学習データには抑制パラメータの下限値を設定し、一つのみである領域の学習データには抑制パラメータの上限値を設定し、その間の領域の学習データには抑制パラメータの上限値と下限値を比例配分して設定する、(2)学習データが複数存在する場合には、図5に示されるように、クラスタ16a〜16dを設定し、そこに含まれる複数の学習データ(降雨データ14a〜14d)を重心法によりクラスタリングした新たな学習データ(クラスタ代表点15a〜15d)を一つ設定し、その元の複数の学習データを削除する、といった手順により実施することができる。
なお、予め設定する学習データの上限数などは、発生データと非発生データで異なっても良く、同じに設定することもできる。
なお、試行錯誤などによって予め求められた基底関数の半径、中心位置、結線の重みの抑制パラメータの上下限値などのRBNFのパラメータは、標準化解析用データベース3に格納してもよいし、求められた値を解析時に入力されるようにしてもよい。
以下、図7〜図10中、Xは最適化の変数である半径を意味し、X1とX2は非発生領域の基底関数の半径、X3とX4は発生領域の基底関数の半径、X5とX6は混在領域の基底関数の半径を示し、それぞれ前者(サフィックスが奇数)が長期降雨指標軸の半径を後者(サフィックスが偶数)が短期降雨指標軸の半径を示している。
なお、図7は、最適化の初期点の選択を、その設定された初期点でのエネルギの値を比較することで行う例を示しているが、それぞれ所定回の最適化計算を行った後、その結果を比較することによって選択するマルチスタートポイント法などで行うこともできる。また、初期点を乱数発生させず、固定した初期点を設定することで行っても良い。
ステップ幅係数の上下限値や変数のトンネル先の値(半径)を制約する条件、適用係数の上下限値は、予め試行錯誤により適宜求めて設定し、標準化データベース6などに格納しておくとよい。
放射状基底関数の例としては上述のとおりガウス関数があり、このガウス関数は図11に示されるような形状をしている。このガウス関数を格子点に配置して、非発生の高さを1とし、発生の高さを−1としてRBFネットワークで学習させながら、これらの基底関数を合成させて面を形成させる。これが判別境界面である。この判別境界面の例を図12に示す。
これらの軸によって表現される3次元座標中に判別境界面17が描画されている。この判別境界面17は、上述のとおり格子点に存在するそれぞれのガウス関数を面として合成させて得られるものである。非発生が1であり、発生が−1であることからこの面が高い箇所では例えば土砂災害の非発生の確率が高く、低い箇所では発生確率が高いと判断されるのである。
ステップS24は、基底関数を合成することによって、このような判別境界面17を求める工程である。
次に、図1において、このステップS24において得られた判別境界面17をはじめとして、判別境界面の解析で得られた判別境界面解析データ9を判別境界面解析データベース8に格納するのがステップS25である。
さらに、ステップS3は、得られた判別境界面17あるいは判別境界面解析データ9を利用して発生情報線を作成する工程である。この例えば土砂災害などの発生情報線の作成工程S3の実施の形態に関して以下に詳細に述べる。
出力部10には、発生限界線、避難基準線、警戒基準線などの発生情報線のみならず、解析に使用したデータをはじめとして判別境界面なども解析結果として出力させるとよい。
それぞれの工程の内容及び作用、効果については、既に土砂災害の発生情報線の作成方法の実施の形態において説明したとおりである。その他、土砂災害の発生情報線の作成方法の実施の形態に係る説明と重複する箇所についてはその説明を省略した。
土砂災害発生情報管理システム21は、データ(実学習データ)25や解析条件26の入力を入力部22で受けるか、あるいは予め入力部22を介して実データベース1に格納された実学習データ2を入力部22から読み出してもよい。
入力部22で入力されたあるいは実データベース1から入力部22によって読み出された実学習データ2は、標準化解析部23において標準化される。この標準化解析部23における標準化の解析の内容については、図14を参照しながら説明するが、土砂災害の発生情報線の作成方法に係る実施の形態において説明したステップS1と同様である。
土砂災害の発生情報線の作成方法の実施の形態においては、実データ選定工程があったが、土砂災害の警戒避難支援システムにおいては、入力部22を備えておりこの入力部22を介して実データが入力されたり、実学習データ2を予め実データベース1に格納しておき、それを読み出したりするので標準化解析部23には選定する構成要素を含んでいない。
標準化データ基準値選定部28では、標準化解析用データベース3に格納された標準化データ基準値テーブル4から予め選定されたいくつかの数字のうち、1つを選んで読み出す。この標準化データ基準値の例は、既にステップS12の説明時に述べたが、1,10,100などの区切りのよい数字がある。この選定については、予め標準化解析部23としての推奨値を定めておき、それを自動的に読み出すようにしておいてもよいし、システムの利用者に対して標準化データ基準値テーブル4を出力部10を介して提示して、利用者の所望の値を入力部22を介して入力するようにしてもよい。あるいは、利用者が標準化データ基準値テーブル4を参照することなく所望の値を入力部22を介して入力することができるようにしておいてもよい。
変換係数演算部29は、標準化のための変換係数の演算を行う。この標準化変換係数の演算についても既にステップS13の説明で行ったのでここでは省略する。標準化変換係数5は、標準化解析用データベース3に格納される。
標準化データ演算部30では、標準化解析用データベース3に格納された標準化変換係数5を読み出し、これを実データベース1から読み出した実学習データ2に掛けることによって無次元化する変換によって標準化学習データ7を演算する。演算された標準化学習データ7は、標準化データベース6に格納される。
その他、土砂災害の発生情報線の作成方法の実施の形態に係る説明と重複する箇所についてはその説明を省略した。
図15は判別境界面解析部24の詳細な構成を示す概念図である。図15において、判別境界面解析部24は、放射状基底関数中心位置設定部32、クラスタリング解析部33、放射状基底関数半径最適化部34及び基底関数合成部39から構成される。また、放射状基底関数半径最適化部34はさらに初期点設定部35、トンネル処理部36、最急降下処理部37及び判定部38によって構成される。
判別境界面解析部24では、標準化データベース6に格納された標準化学習データ7を読み出して、各々の構成要素において解析を実行していくが、この判別境界面解析部24のそれぞれの構成要素に関する作用及び効果については、土砂災害の発生情報線の作成方法のステップS2の各工程について説明したものと同様であるのでここでは省略する。
但し、土砂災害の発生情報線の作成方法の実施の形態においては、ステップS25として、ステップS24で基底関数を合成することによって解析された判別境界面やその他の判別境界面解析データ9について判別境界面解析データベース8に格納する工程が設けられているが、本実施の形態に係るシステムでは、基底関数合成部39をはじめとして、放射状基底関数中心位置設定部32乃至判定部38のそれぞれの構成要素から解析結果としてのデータが判別境界面解析データ9として判別境界面解析データベース8に送信され格納される。
出力部10は、例えば液晶のディスプレーなどの表示装置であったり、プリンターであったり、あるいはコンピュータなどの他の演算装置へデータ信号を出力するものであるが、解析によって得られた判別境界面や発生限界線、避難基準線、警戒基準線などの発生情報線について出力する。
本発明の警戒避難支援システムは、本発明の土砂災害の発生情報線の作成方法で設定された土砂災害の発生限界線、避難基準線及び警戒基準線の少なくともいずれかを用いたことを特徴とする警戒避難支援システムであって、その詳細な構成は、本発明を限定するものではなく、例えば、前述の本発明者らが提案した土石流警戒避難支援システム(非特許文献2)と同様な構成において、本発明を実施できることは明らかである。
Claims (4)
- 標準化解析部によって短期降雨指標と長期降雨指標と土砂災害発生・非発生とのデータセットからなる実学習データの標準化を実行する第1の工程と、判別境界面解析部によって前記短期降雨指標と前記長期降雨指標との二次元平面を所望の間隔の格子線で形成される単位格子領域に分割して格子点上に放射状基底関数を設定し、この格子点上の放射状基底関数を合成することで形成される判別境界面を構築する第2の工程と、発生情報線作成部によって土砂災害の発生限界線、避難基準線及び警戒基準線の少なくともいずれかを作成する第3の工程とを有する土砂災害の発生限界線、避難基準線及び警戒基準線の作成方法であって、
前記第1の工程は、前記標準化解析部が、予め実データベースに格納された又は入力部から入力された前記実学習データのうち、前記短期降雨指標と長期降雨指標の実データを標準化して標準化学習データを生成して、標準化データベースに格納する工程であり、
前記第2の工程は、前記判別境界面解析部が、前記標準化データベースから前記標準化学習データを読み出し、標準化された短期降雨指標と長期降雨指標をそれぞれ示す軸にそれぞれ所定間隔の格子線を設定して、前記短期降雨指標と長期降雨指標との二次元平面を該格子線で形成される単位格子領域に分割し、該単位格子領域毎に、単位格子領域内に土砂災害発生の前記標準化学習データが存在しかつ該単位格子領域を形成する右上の格子点に放射状基底関数が設定されていない場合に限り発生の放射状基底関数を設定し、単位格子領域内に土砂災害非発生の前記標準化学習データが存在しかつ該単位格子領域を形成する左下の格子点に放射状基底関数が設定されていない場合に限り該格子点に非発生の放射状基底関数を設定する手段と、
前記発生の放射状基底関数及び非発生の放射状基底関数を設定する手段において、設定される単位格子領域毎に前記標準化された短期降雨指標と長期降雨指標に対応して含まれる前記土砂災害発生の標準化学習データ及び土砂災害非発生の標準化学習データをクラスタリングする手段と、
前記発生の放射状基底関数及び非発生の放射状基底関数を設定する手段において設定された発生の放射状基底関数及び非発生の放射状基底関数の半径の最適化を図る手段と、
前記土砂災害発生の標準化学習データ及び土砂災害非発生の標準化学習データをクラスタリングする手段によってクラスタリングされた標準化学習データと、前記発生の放射状基底関数及び非発生の放射状基底関数の半径の最適化を図る手段によって最適化された半径とを用いた前記発生の放射状基底関数と非発生の放射状基底関数を合成する手段と、
を有して判別境界面を構築して、判別境界面解析データベースに格納する工程であり、
前記発生の放射状基底関数及び非発生の放射状基底関数の半径の最適化を図る手段は、前記短期降雨指標と長期降雨指標との二次元平面を前記所定間隔の格子線で形成される前記単位格子領域内に存在する土砂災害の発生データと土砂災害の非発生データによって、土砂災害の発生領域と非発生領域と混在領域の3グループに分類し、予め設定した上下限値内を条件として前記半径の初期値を発生する第1の乱数発生手段を備えて、この第1の乱数発生手段によって複数の前記半径の初期値を発生させ、該発生させた複数の前記半径の初期値の前記放射状基底関数の目的関数を求め、該目的関数の値が最も小さくなる点を最適化の半径の初期値として設定し、かつ、前記3つのグループ毎にそれぞれ前記短期降雨指標軸方向の前記放射状基底関数の半径と前記長期降雨指標軸方向の前記放射状基底関数の半径とが同じに設定される初期点設定手段と、
前記目的関数に含まれる複数の変数から1の変数を選択する第2の乱数発生手段と、下限値0と所定上限値内を条件としてステップ幅係数を発生させる第3の乱数発生手段とを備えて、前記最適化の半径の初期値の変数で規定される現在値の前記目的関数の感度と前記ステップ幅係数の積をステップ幅としてトンネル先値を所定の条件の下に設定しこのトンネル先値を前記現在値として更新するトンネル処理手段と、
前記トンネル処理手段によって更新された現在値の目的関数の変数に対する感度を求めてこの感度に従って前記目的関数の値を最小化する局所値を求めるための収束計算を行う最急降下処理手段と、
この最急降下処理手段によって得られた局所値の前記目的関数の値が所定の条件を満足する場合には前記局所値を最適値とし、前記所定の条件を満足しない場合には最適化計算回数を更新してトンネル処理手段に戻って最適化処理を続行する判定手段と、を有し、
前記トンネル処理手段における所定の条件は、前記トンネル先値の放射状基底関数の半径が予め設定された最小値以上であること、及び前記土砂災害の発生領域と非発生領域における前記長期降雨指標軸方向の前記放射状基底関数の半径と前記短期降雨指標軸方向の前記放射状基底関数の半径との最大比率が設定値を超えないことであることを特徴とし、
前記最急降下処理手段における所定の条件は、前記目的関数の値の変化量の絶対値が予め設定された所定の値より小さいあるいは前記最適化計算回数が予め設定された所定の許容回数よりも大きいこと、及び前記土砂災害の発生領域と非発生領域における前記長期降雨指標軸方向の前記放射状基底関数の半径と前記短期降雨指標軸方向の前記放射状基底関数の半径との最大比率が設定値を超えないことであることを特徴とし、
前記第3の工程は、前記発生情報線作成部が、前記判別境界面解析データベースから前記判別境界面を読み出し、所定の発生危険度に対応する等高線として標準化した土砂災害の発生限界線、避難基準線及び警戒基準線の少なくともいずれかを作成する工程であることを特徴とする土砂災害の発生限界線、避難基準線及び警戒基準線の作成方法。 - 前記設定する土砂災害の発生限界線、避難基準線及び警戒基準線は、地形要因による土砂災害発生の潜在危険度が異なる複数の斜面あるいは複数の渓流を含む、地域全体の斜面あるいは渓流の発生限界線であることを特徴とする請求項1記載の土砂災害の発生限界線、避難基準線及び警戒基準線の作成方法。
- コンピュータに、標準化解析部によって短期降雨指標と長期降雨指標と土砂災害発生・非発生とのデータセットからなる実学習データの標準化を実行する第1の工程と、判別境界面解析部によって前記短期降雨指標と前記長期降雨指標との二次元平面を所望の間隔の格子線で形成される単位格子領域に分割して格子点上に放射状基底関数を設定し、この格子点上の放射状基底関数を合成することで形成される判別境界面を構築する第2の工程と、発生情報線作成部によって土砂災害の発生限界線、避難基準線及び警戒基準線の少なくともいずれかを作成する第3の工程とを実行させる土砂災害の発生限界線、避難基準線及び警戒基準線の作成プログラムであって、
前記第1の工程は、前記標準化解析部が、予め実データベースに格納された又は入力部から入力された前記実学習データのうち、前記短期降雨指標と長期降雨指標の実データを標準化して標準化学習データを生成して、標準化データベースに格納する工程であり、
前記第2の工程は、前記判別境界面解析部が、前記標準化データベースから前記標準化学習データを読み出し、標準化された短期降雨指標と長期降雨指標をそれぞれ示す軸にそれぞれ所定間隔の格子線を設定して、前記短期降雨指標と長期降雨指標との二次元平面を該格子線で形成される単位格子領域に分割し、該単位格子領域毎に、単位格子領域内に土砂災害発生の前記標準化学習データが存在しかつ該単位格子領域を形成する右上の格子点に放射状基底関数が設定されていない場合に限り発生の放射状基底関数を設定し、単位格子領域内に土砂災害非発生の前記標準化学習データが存在しかつ該単位格子領域を形成する左下の格子点に放射状基底関数が設定されていない場合に限り該格子点に非発生の放射状基底関数を設定する手段と、
前記発生の放射状基底関数及び非発生の放射状基底関数を設定する手段において、設定される単位格子領域毎に前記標準化された短期降雨指標と長期降雨指標に対応して含まれる前記土砂災害発生の標準化学習データ及び土砂災害非発生の標準化学習データをクラスタリングする手段と、
前記発生の放射状基底関数及び非発生の放射状基底関数を設定する手段において設定された発生の放射状基底関数及び非発生の放射状基底関数の半径の最適化を図る手段と、
前記土砂災害発生の標準化学習データ及び土砂災害非発生の標準化学習データをクラスタリングする手段によってクラスタリングされた標準化学習データと、前記発生の放射状基底関数及び非発生の放射状基底関数の半径の最適化を図る手段によって最適化された半径とを用いた前記発生の放射状基底関数と非発生の放射状基底関数を合成する手段と、
を有して判別境界面を構築して、判別境界面解析データベースに格納する工程であり、
前記発生の放射状基底関数及び非発生の放射状基底関数の半径の最適化を図る手段は、前記短期降雨指標と長期降雨指標との二次元平面を前記所定間隔の格子線で形成される前記単位格子領域内に存在する土砂災害の発生データと土砂災害の非発生データによって、土砂災害の発生領域と非発生領域と混在領域の3グループに分類し、予め設定した上下限値内を条件として前記半径の初期値を発生する第1の乱数発生手段を備えて、この第1の乱数発生手段によって複数の前記半径の初期値を発生させ、該発生させた複数の前記半径の初期値の前記放射状基底関数の目的関数を求め、該目的関数の値が最も小さくなる点を最適化の半径の初期値として設定し、かつ、前記3つのグループ毎にそれぞれ前記短期降雨指標軸方向の前記放射状基底関数の半径と前記長期降雨指標軸方向の前記放射状基底関数の半径とが同じに設定される初期点設定手段と、
前記目的関数に含まれる複数の変数から1の変数を選択する第2の乱数発生手段と、下限値0と所定上限値内を条件としてステップ幅係数を発生させる第3の乱数発生手段とを備えて、前記最適化の半径の初期値の変数で規定される現在値の前記目的関数の感度と前記ステップ幅係数の積をステップ幅としてトンネル先値を所定の条件の下に設定しこのトンネル先値を前記現在値として更新するトンネル処理手段と、
前記トンネル処理手段によって更新された現在値の目的関数の変数に対する感度を求めてこの感度に従って前記目的関数の値を最小化する局所値を求めるための収束計算を行う最急降下処理手段と、
この最急降下処理手段によって得られた局所値の前記目的関数の値が所定の条件を満足する場合には前記局所値を最適値とし、前記所定の条件を満足しない場合には最適化計算回数を更新してトンネル処理手段に戻って最適化処理を続行する判定手段と、を有し、
前記トンネル処理手段における所定の条件は、前記トンネル先値の放射状基底関数の半径が予め設定された最小値以上であること、及び前記土砂災害の発生領域と非発生領域における前記長期降雨指標軸方向の前記放射状基底関数の半径と前記短期降雨指標軸方向の前記放射状基底関数の半径との最大比率が設定値を超えないことであることを特徴とし、
前記最急降下処理手段における所定の条件は、前記目的関数の値の変化量の絶対値が予め設定された所定の値より小さいあるいは前記最適化計算回数が予め設定された所定の許容回数よりも大きいこと、及び前記土砂災害の発生領域と非発生領域における前記長期降雨指標軸方向の前記放射状基底関数の半径と前記短期降雨指標軸方向の前記放射状基底関数の半径との最大比率が設定値を超えないことであることを特徴とし、
前記第3の工程は、前記発生情報線作成部が、前記判別境界面解析データベースから前記判別境界面を読み出し、所定の発生危険度に対応する等高線として標準化した土砂災害の発生限界線、避難基準線及び警戒基準線の少なくともいずれかを作成する工程であることを特徴とする土砂災害の発生限界線、避難基準線及び警戒基準線の作成プログラム。 - 短期降雨指標と長期降雨指標と土砂災害発生・非発生とのデータセットからなる実学習データの標準化を実行する標準化解析部と、前記短期降雨指標と前記長期降雨指標との二次元平面を所望の間隔の格子線で形成される単位格子領域に分割して格子点上に放射状基底関数を設定し、この格子点上の放射状基底関数を合成することで形成される判別境界面を構築する判別境界面解析部と、土砂災害の発生限界線、避難基準線及び警戒基準線の少なくともいずれかを作成する発生情報線作成部とを有する土砂災害の警戒避難支援システムにおいて、
前記標準化解析部は、予め実データベースに格納された又は入力部から入力された前記実学習データのうち、前記短期降雨指標と長期降雨指標の実データを標準化して標準化学習データを生成して、標準化データベースに格納し、
前記判別境界面解析部は、前記標準化データベースから前記標準化学習データを読み出し、標準化された短期降雨指標と長期降雨指標をそれぞれ示す軸にそれぞれ所定間隔の格子線を設定して、前記短期降雨指標と長期降雨指標との二次元平面を該格子線で形成される単位格子領域に分割し、該単位格子領域毎に、単位格子領域内に土砂災害発生の前記標準化学習データが存在しかつ該単位格子領域を形成する右上の格子点に放射状基底関数が設定されていない場合に限り発生の放射状基底関数を設定し、単位格子領域内に土砂災害非発生の前記標準化学習データが存在しかつ該単位格子領域を形成する左下の格子点に放射状基底関数が設定されていない場合に限り該格子点に非発生の放射状基底関数を設定する手段と、
前記発生の放射状基底関数及び非発生の放射状基底関数を設定する手段において、設定される単位格子領域毎に前記標準化された短期降雨指標と長期降雨指標に対応して含まれる前記土砂災害発生の標準化学習データ及び土砂災害非発生の標準化学習データをクラスタリングする手段と、
前記発生の放射状基底関数及び非発生の放射状基底関数を設定する手段において設定された発生の放射状基底関数及び非発生の放射状基底関数の半径の最適化を図る手段と、
前記土砂災害発生の標準化学習データ及び土砂災害非発生の標準化学習データをクラスタリングする手段によってクラスタリングされた標準化学習データと、前記発生の放射状基底関数及び非発生の放射状基底関数の半径の最適化を図る手段によって最適化された半径とを用いた前記発生の放射状基底関数と非発生の放射状基底関数を合成する手段と、
を有して判別境界面を構築して、判別境界面解析データベースに格納し、
前記発生の放射状基底関数及び非発生の放射状基底関数の半径の最適化を図る手段は、前記短期降雨指標と長期降雨指標との二次元平面を前記所定間隔の格子線で形成される前記単位格子領域内に存在する土砂災害の発生データと土砂災害の非発生データによって、土砂災害の発生領域と非発生領域と混在領域の3グループに分類し、予め設定した上下限値内を条件として前記半径の初期値を発生する第1の乱数発生手段を備えて、この第1の乱数発生手段によって複数の前記半径の初期値を発生させ、該発生させた複数の前記半径の初期値の前記放射状基底関数の目的関数を求め、該目的関数の値が最も小さくなる点を最適化の半径の初期値として設定し、かつ、前記3つのグループ毎にそれぞれ前記短期降雨指標軸方向の前記放射状基底関数の半径と前記長期降雨指標軸方向の前記放射状基底関数の半径とが同じに設定される初期点設定手段と、
前記目的関数に含まれる複数の変数から1の変数を選択する第2の乱数発生手段と、下限値0と所定上限値内を条件としてステップ幅係数を発生させる第3の乱数発生手段とを備えて、前記最適化の半径の初期値の変数で規定される現在値の前記目的関数の感度と前記ステップ幅係数の積をステップ幅としてトンネル先値を所定の条件の下に設定しこのトンネル先値を前記現在値として更新するトンネル処理手段と、
前記トンネル処理手段によって更新された現在値の目的関数の変数に対する感度を求めてこの感度に従って前記目的関数の値を最小化する局所値を求めるための収束計算を行う最急降下処理手段と、
この最急降下処理手段によって得られた局所値の前記目的関数の値が所定の条件を満足する場合には前記局所値を最適値とし、前記所定の条件を満足しない場合には最適化計算回数を更新してトンネル処理手段に戻って最適化処理を続行する判定手段と、を有し、
前記トンネル処理手段における所定の条件は、前記トンネル先値の放射状基底関数の半径が予め設定された最小値以上であること、及び前記土砂災害の発生領域と非発生領域における前記長期降雨指標軸方向の前記放射状基底関数の半径と前記短期降雨指標軸方向の前記放射状基底関数の半径との最大比率が設定値を超えないことであることを特徴とし、
前記最急降下処理手段における所定の条件は、前記目的関数の値の変化量の絶対値が予め設定された所定の値より小さいあるいは前記最適化計算回数が予め設定された所定の許容回数よりも大きいこと、及び前記土砂災害の発生領域と非発生領域における前記長期降雨指標軸方向の前記放射状基底関数の半径と前記短期降雨指標軸方向の前記放射状基底関数の半径との最大比率が設定値を超えないことであることを特徴とし、
前記発生情報線作成部は、前記判別境界面解析データベースから前記判別境界面を読み出し、所定の発生危険度に対応する等高線として標準化した土砂災害の発生限界線、避難基準線及び警戒基準線の少なくともいずれかを作成することを特徴とする土砂災害の警戒避難支援システム。
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