JP2004070647A - 紙幣処理装置 - Google Patents

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Takashi Akiba
秋葉 剛史
Yuichi Sakamoto
坂本 雄一
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Nippon Conlux Co Ltd
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Nippon Conlux Co Ltd
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Abstract

【課題】簡単な構造で、紙幣の引き抜きを防止するようにした紙幣処理装置を提供する。
【解決手段】紙幣搬送シュート8からなる紙幣搬送通路5に折れ曲り部13が形成された紙幣処理装置1において、この折れ曲り部13にスリット30を形成するようにした。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動販売機、両替機、遊戯機等の機器内に装着され、投入紙幣の真偽を判別するとともに、真券を収容する紙幣処理装置に関し、特に投入された紙幣を引き抜く悪戯を防止するようにした紙幣処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、上述した各機器に使用される紙幣処理装置においては、投入紙幣が真券と判断された後、その真券を引き抜くという悪戯が発生している。
【0003】
この紙幣を引き抜く手口としては、投入紙幣の後端にテープ等の紐部材を貼着し、投入紙幣が真券と判断された後、その紐部材を引っ張って紙幣投入口から投入紙幣を引き抜くというものである。
【0004】
このような、悪戯に対して従来の紙幣処理装置では以下の(1)乃至(3)に示すような各種の紙幣引き抜きに関する防止手段を施している。
【0005】
(1)紙幣の真偽を判別する識別部の光りセンサーを利用し、テープが通過した後の当該光りセンサーの透過レベルの低下を検出し、これにより投入紙幣にテープが貼着されているか否か判断して、テープを検知した場合は投入紙幣を返却するようにしたもの。
【0006】
(2)紙幣搬送通路に、テープ検知レバーと該テープ検知レバーが嵌挿するテープ検知孔とを設け、紙幣が通過した後、テープ検知レバーが検知孔内に入り込まないことを該テープ検知孔内の光りセンサーにより検知し、これによりテープの存在を検出して投入紙幣を返却するようにしたもの。
【0007】
(3)紙幣搬送通路にレバーおよびこのレバーが嵌挿する孔とからなるシャッター手段を設け、投入紙幣が真券と見なされると紙幣搬送通路を閉塞し、これにより投入紙幣を引き抜けないようにしたもの等がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来の紙幣処理装置に装着された紙幣引き抜き防止手段では、以下のような問題点がある。
【0009】
即ち、(1)に関しては、投入紙幣の後端に貼着されたテープが、識別部の光りセンサーを通過しない場合、即ちテープが光りセンサーを避けた位置の紙幣に貼着された場合はテープの有無を検出することができない。
【0010】
また(2)に関しては、同様に投入紙幣の後端に貼着されたテープがテープ検知レバーを通過しない場合、即ちテープがテープ検知レバーを避けた位置の紙幣に貼着された場合はテープの有無を検出することができない。また、コシが柔らかいテープの場合は、当該テープが検知レバーの下に潜り込み、この場合もテープの有無を検出することができない場合がある。
【0011】
さらに、(3)のシャッター機構の場合は、構造そのものが複雑で部品点数も多く、また大きなスペースも必要で、このため紙幣処理装置が高価となる難点がある。なお、レバーを使用した紙幣引き抜き防止手段でも同様の難点がある。
【0012】
この発明は、上述した事情に鑑み、簡単な構造で、紙幣の引き抜きを防止するようにした紙幣処理装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するため、この発明では、紙幣搬送シュートからなる紙幣搬送通路に折れ曲り部が形成された紙幣処理装置において、前記折れ曲り部にスリットを形成するようにしている。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、この発明に係わる紙幣処理装置の一実施例を詳述する。
【0015】
図1はこの発明に係わる紙幣処理装置1を示す概念斜視図で、特に装置本体2の背面に配設される真券収容用のスタッカを取り除き、さらにユニットボックス3を軸4を中心に矢印A方向へ回動させ、これによりユニットボックス3内に形成された紙幣搬送通路5の形状を明瞭に示したものである。
【0016】
この、紙幣処理装置1では、ユニットボックス3内に紙幣搬送部6が軸7を中心に回動自在に支承されている。
【0017】
この紙幣搬送部6は、環状の紙幣搬送シュート8と、この紙幣搬送シュート8の両端部に配設された一対の従動及び駆動プーリ9、10と、この一対のプーリ9、10間に巻回された紙幣搬送ベルト11とから構成されている。
【0018】
そして、この環状の紙幣搬送シュート8により、フロントマスク12に形成された後述する紙幣投入口に連通する紙幣搬送通路5に折れ曲り部13が形成されている。
【0019】
図2は図1の要部拡大破断面図で、特にユニットボックス3を装置本体2に装着した状態を示している。
【0020】
フロントマスク12に形成された紙幣投入口14に連通する一点鎖線で示す紙幣案内通路5は、措置本体2内に入ると上方に立上がり、その後、折れ曲り部13で方向を180度変換して下方へ向けて延設されている。
【0021】
一方、この紙幣案内通路5に沿った位置の装置本体2内及びユニットボックス3内には、図1に示す紙幣搬送ベルト11に圧接する従動ローラ15が複数個配設されている。
【0022】
そして、紙幣投入口14から投入された投入紙幣は紙幣搬送ベルト11(図1)と従動ローラ15間に把持され、これにより紙幣案内通路5に沿ってスタッカ16へ搬送されるように構成されている。
【0023】
なお、図2で、符号17は紙幣の投入を検知する紙幣投入検知レバー、18は紙幣の真偽を判別する従来からある紙幣識別部で、この紙幣識別部18は磁気センサ19、発光及び受光素子からなる光りセンサー20等から構成されている。また符号21は光りセンサー20等を支承する基板である。
【0024】
一方、図1で示すように、この紙幣処理装置1では、紙幣搬送通路5の折れ曲り部13を形成する環状の紙幣搬送シュート8には、その幅方向に沿って複数個のスリット30が形成されている。
【0025】
なお、実施例では、この複数個のスリット30は光りセンサー20を避けた位置にそれぞれ形成されている。
【0026】
このような、紙幣搬送通路5の折れ曲り部13にスリット30が形成された紙幣処理装置1によると、図3で示すように、後端にテープ40を貼着した紙幣41が紙幣投入口14内に投入され、かつその紙幣41が紙幣識別部18により真券と見なされると、その搬送が一時停止され、図示の如く一時保留状態(エスクロ状態)に至る。
【0027】
その際(エスクロ状態の際)、紙幣41の後端に貼着されたテープ40は、光りセンサー20を通過しない位置に貼着されているので、当該光りセンサー20によりテープ40の存在は検知されていない状態であるが、図1に示すように、折れ曲り部13に形成された複数のスリット30は、光りセンサー20を避けた位置にそれぞれ形成されているので、光りセンサー20を通過しない位置に貼着された前記テープ40はスリット30上に存在することとなる。
【0028】
この状態から、テープ40を矢印C方向へ引っ張ると、図4の斜視図及びその要部拡大断面図で示す図5のように、折れ曲り部13におけるテープ40に作用する力により、当該テープ40はスリット30内に埋没しその間に挟持されることとなる。
【0029】
このようにテープ40がスリット30内に埋没し挟持されると、挟持されたテープ40とスリット30との間に働く摩擦力により、当該テープ40の引き抜きが防止され、このため紙幣41の引き抜きも同時に防止されることとなる。
【0030】
なお、上記実施例ではテープ40をスリット30に挟持させ、これによりテープ40そのものの引き抜きを防止するようにしたが、図2と同一部分を同一符号で示す図6のように、スリット30が形成され環状の紙幣搬送シュート8内であって、その幅方向(図面垂直方向)に沿い、かつ刃先がスリット30側へ臨むように刃物部材50を配設するようにしてもよい。
【0031】
このように、スリット30内に刃物部材50を配設すると、図5と同一部分を同一符号で示す図7のように、テープ40を矢印C方向へ引っ張ると、折れ曲り部13におけるテープ40に作用する力により、当該テープ40がスリット30内に埋没する際に、当該スリット30内に配設された刃物部材50の刃先50aがテープ40に当接し、このため当該テープ40が刃物部材50により図8のように裁断されることとなる。
【0032】
このように、投入紙幣41の後端に貼着されたテープ40がスリット30内に配設された刃物部材50により裁断されると、一時保留(エスクロ)後の投入紙幣41は、図9で示すように、通常の紙幣収容処理に基づきスタッカ16内に収容される。
【0033】
なお、図5のようにスリット30内に刃物部材50を配設しない場合は、テープ40がスリット30内に挟持された状態を維持し続けるので、投入紙幣41は紙幣搬送通路路5中で詰まったままとなる。
【0034】
従って、この場合は通常の紙幣収容処理に基づくスタッカ16内への紙幣41の収容は行われず、異常処理として取り扱われるので、その詰まった投入紙幣41をオペーレータ等が紙幣処理装置1内から取り除かない限り、新たな投入紙幣の投入受入れ拒否状態が継続し、その間の投入紙幣の各種処理が中断されることとなる。
【0035】
なお、上記各実施例では、複数個のスリット30を光りセンサー20を避けた位置にそれぞれ形成するようにしたが、この発明は上記実施例に限定されることなく、複数個のスリット30を光りセンサー20と対応する位置、即ち同一ライン上に形成するようにしても良い。
【0036】
また上記実施例では、スリット30内に独立部品としての刃物部材50を配設するようにしたが、この発明は上記実施例に限定されることなく、スリット30の周縁部を尖らせて、そこに刃物加工を施し、これにより独立部品としての刃物部材50の使用を排除するようにしても良い。
【0037】
また、スリット30の形成場所も、上記実施例に限定されることなく、要は、折れ曲り部を有する紙幣搬送通路の当該折れ曲り部分に相当するシュートに形成すれば良く、その形成場所は実施例に記載された折れ曲り部に限定されることはない。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明に係わる紙幣処理装置では、紙幣搬送通路の折れ曲り部にスリットを形成し、このスリット内に紙幣引き抜き用のテープを挟ませてその引き抜きを防止するようにしたから、従来の紙幣処理装置に対して大幅な設計変更等を行うことなく、従来のものに簡単な加工を施すことで紙幣の引き抜きを防止する紙幣処理装置を安価に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はこの発明に係わる紙幣処理装置の概念斜視図。
【図2】図2は図1の要部拡大破断面図。
【図3】図3はこの発明に係わる紙幣処理装置の作用を示す要部拡大破断面図。
【図4】図4はこの発明に係わる紙幣処理装置の作用を示す概念斜視図。
【図5】図5はこの発明に係わる紙幣処理装置の作用を示す要部拡大破断面図。
【図6】図6は他の実施例を示す要部拡大破断面図。
【図7】図7は他の実施例の作用を示す要部拡大破断面図。
【図8】図8は他の実施例の作用を示す要部拡大破断面図。
【図9】図9は他の実施例の作用を示す要部拡大破断面図。
【符号の説明】
1…紙幣処理装置
5…紙幣搬送通路
8…紙幣搬送シュート
13…折れ曲り部
20…光りセンサー
30…スリット
50…刃物部材

Claims (5)

  1. 紙幣搬送シュートからなる紙幣搬送通路に折れ曲り部が形成された紙幣処理装置において、
    前記折れ曲り部にスリットを形成するようにしたことを特徴とする紙幣処理装置。
  2. 前記紙幣搬送シュートからなる紙幣処理装置はさらに光りセンサーを有し、前記スリットは該光りセンサーを避けた位置に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の紙幣処理装置。
  3. 前記紙幣搬送シュートからなる紙幣処理装置はさらに光りセンサーを有し、前記スリットは該光りセンサーと同一ライン上に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の紙幣処理装置。
  4. 前記スリットは前記紙幣搬送シュートの幅方向に沿って複数個形成されていることを特徴とする請求項1乃至3に記載の紙幣処理装置。
  5. 前記紙幣搬送シュート内には刃先が前記スリット側へ臨むように刃物部材が配設されていることを特徴とする請求項1乃至3に記載の紙幣処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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