JP2004070273A - 光変調装置、及び光変調装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】製造段階(画素密閉時)にて帯電粒子が画素から流れ出ることを防止する。
【解決手段】基板2(正確には、層7)の表面には隔壁3によって凹部Gが形成される。この凹部Gには絶縁性液体4や帯電粒子5が滴下される。符号1Aで示す部材は多数の孔部Eを有する部材であって、上方からゆっくりと下降される。これにより、帯電粒子5が各凹部Gから漏出することが防止される。その後、符号1Bで示す部材が配置され、部材1Aの孔部Eが塞がれて絶縁性液体4も帯電粒子5と共に各凹部(画素)に封じ込められる。
【選択図】 図3
【解決手段】基板2(正確には、層7)の表面には隔壁3によって凹部Gが形成される。この凹部Gには絶縁性液体4や帯電粒子5が滴下される。符号1Aで示す部材は多数の孔部Eを有する部材であって、上方からゆっくりと下降される。これにより、帯電粒子5が各凹部Gから漏出することが防止される。その後、符号1Bで示す部材が配置され、部材1Aの孔部Eが塞がれて絶縁性液体4も帯電粒子5と共に各凹部(画素)に封じ込められる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体中の帯電粒子を移動させて光変調を行う光変調装置及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近時、液体中の帯電粒子の電気泳動現象を応用した光変調装置の提案がされており、画像表示や光学シャッターとしての利用が期待されている。以下、その一例として、画像表示を行うための光変調装置(以下、電気泳動表示装置とする)について説明する。
【0003】
情報機器の発達に伴い、低消費電力且つ薄型の表示装置のニーズが増しており、これらニーズに合わせた表示装置の研究、開発が盛んに行われている。中でも液晶表示装置は、こうしたニーズに対応できる表示装置として活発な開発が行われ商品化されている。しかしながら、現在の液晶表示装置には、画面を見る角度や、反射光により画面上の文字が見ずらく、また光源のちらつき・低輝度等から生じる視覚へ負担が重いという問題があり、この問題が未だ十分に解決されていない。このため、低消費電力、視覚への負担軽減などの観点から反射型表示装置が期待されている。
【0004】
その一つとして、上述のように液体中の帯電粒子の電気泳動現象を応用した電気泳動表示装置がある(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
この電気泳動表示装置は、所定間隙を開けた状態に配置された上基板及び下基板と、これらの基板の間に充填された絶縁性液体と、該絶縁性液体に分散された多数の帯電泳動粒子と、それぞれの基板に沿うように各画素に配置された表示電極と、を備えている。そして、画素と画素との間には、画素を区画するために隔壁が設けられ、帯電泳動粒子の他の画素への移動を防止し、帯電泳動粒子の濃度を均一に維持するようになっている。
【0006】
なお、絶縁性液体や帯電泳動粒子を確実に注入する方法についても開示されており、具体的には、裏面電極板に有孔性スペーサーの各々の孔と対応する位置に分散系注入孔を各別に具備する構成や、裏面電極板に設けてある孔を介して各画素内に分散系を満たし、最後にその孔をシール部材により封止する方法が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0007】
【特許文献1】
米国特許第3612758号明細書
【特許文献2】
特開平1−248183号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来の電気泳動表示装置を製造する場合、
・下基板に表示電極等を作製し、
・画素と画素との間に相当する位置に隔壁を形成し、
・隔壁によって仕切られるそれぞれの凹部に絶縁性液体やほぼ等量の帯電粒子を充填し、
・上基板を隔壁に貼り付ける、
ようになっていた。
【0009】
このように上基板を隔壁に貼り付ける場合、絶縁性液体は各凹部から押し出されるが、そのときの絶縁性液体と共に帯電粒子までもが他の凹部等に押し出されてしまう場合があった。このため、各画素の帯電粒子の数量が均等でなくなってしまい、画像品質が悪くなってしまうという問題があった。
【0010】
そこで、本発明は、上述した問題を回避する光変調装置及び該光変調装置の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記事情を考慮してなされたものであり、所定間隙を開けた状態に配置された第1基板及び第2基板と、これらの基板の間に配置されて画素を仕切る隔壁部材と、該画素に配置された液体及び複数の帯電粒子と、該画素に配置される第1電極及び第2電極と、を備え、これらの電極の間に電圧を印加することに基づき前記帯電粒子を移動させて画像表示や光スイッチングを行う光変調装置において、
前記第1基板が、前記隔壁部材に接するように配置されると共に穴部を有する穴開き部材と、該穴部を閉塞するように配置される閉塞部材と、によって構成された、ことを特徴とする。
【0012】
また、請求項7に係る発明は、所定間隙を開けた状態に配置された第1基板及び第2基板と、これらの基板の間に配置されて画素を仕切る隔壁部材と、該画素に配置された液体及び複数の帯電粒子と、該画素に配置される第1電極及び第2電極と、を備えた光変調装置を製造する、光変調装置の製造方法において、
前記第2基板に前記隔壁部材を形成する工程と、
前記第2基板と前記隔壁部材とによって形成される凹部に前記液体や前記帯電粒子を配置する工程と、
前記穴開き部材を前記隔壁部材に押し付けて前記帯電粒子を前記凹部内に封止する工程と、
前記穴開き部材の穴部を閉塞するように閉塞部材を配置する工程と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図1至図5を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0014】
本実施の形態に係る光変調装置では、図1に示すように、所定間隙を開けた状態に配置された第1基板1及び第2基板2と、これらの基板1,2の間に配置されて画素Aを仕切る隔壁部材3と、画素Aに配置された液体4及び複数の帯電粒子5と、画素Aに配置される第1電極6a及び第2電極6bと、を備えており、これらの電極6a,6bの間に電圧を印加することに基づき前記帯電粒子5を移動させて画像表示や光スイッチングを行うようになっている。
【0015】
例えば、画像表示に用いる場合には、同図に示すように、第2電極6bを隔壁部材3の下部に配置すると共に、第1電極6aを第2基板2に沿うように配置し、第1電極6aの面を白色とし帯電粒子5を黒色とする。帯電粒子5が第2電極6bに引き付けられた場合には第1電極6aの面が視認されて白表示となり(右側の画素)、帯電粒子5が第1電極6aに引き付けられた場合には該粒子が視認されて黒表示となる(左側の画素)。また、白黒以外の他の色を使用しても良く、帯電粒子5を黒色とし第1電極6aの面を赤・緑・青色にした場合には3つの画素を一組としてカラー表示を行うことができる。
【0016】
本実施の形態では、第1基板1は、図1及び図2に示すように、前記隔壁部材3に接するように配置されると共に穴部Eを有する穴開き部材1Aと、該穴部Eを閉塞するように配置される閉塞部材1Bと、によって構成される。
【0017】
なお、図2は、穴開き部材1Aの平面形状を示す図であるが、穴部Eは均一な密度で配置されていると良く、具体的には、画素Aに1つずつ以上配置されるような密度で、好ましくは、画素Aに2つずつ以上配置されるような密度で形成されていると良い。また、穴開き部材1Aの厚さは、画素Aの幅より薄くすると良く、隔壁部材3の高さよりも薄くすると良く、隔壁部材3の幅より薄くすると良い。さらに、穴開き部材1Aには導電性に富む材料を用いても(詳細は後述)、隔壁部材3と接着するための接着剤を塗布しておいても(詳細は後述)、図4の符号20や図5の符号30,31で示すように吸液部材を配置しても良い(詳細は後述)。
【0018】
またさらに、穴部Eの大きさは、液体4が円滑に通り抜け、帯電粒子5が通り抜けないような大きさにすると良い。以下で通り抜けない大きさの調節について説明を加える。
【0019】
穴部Eの大きさは、画素空間の容積、帯電粒子の粒径、絶縁性液体の粘性、あるいは穴部Eを有する穴開き部材1Aを配置するときに同時に画素領域に設けられた電極に電圧を印加する方法を用いた場合などにより、適切に設計されるものである。
【0020】
また、閉塞部材1Bは、平滑な板状部材であっても良いが、穴部Eに塗り込められるようなペースト状材料を硬化させた部材であっても良い。
【0021】
ところで、図面では、第1電極6a及び第2電極6bが共に第2基板2の側に配置されているが、もちろんこれに限られるものではなく、第1基板1の側に配置しても良く、各基板1,2に別々に配置しても良い。
【0022】
その他の構成について説明する。
【0023】
穴開き部材1Aや閉塞部材1Bや第2基板2には、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ノルボルネン等のプラスチックフィルムや、ガラス、石英等の固い基板を使用できる。また、ポリイミド(PI)やステンレス等の金属基板などの着色しているものや不透明な基板を用いても良い。但し、第1基板1(つまり、穴開き部材1A及び閉塞部材1B)又は第2基板2の少なくとも一方は透明である必要がある。穴開き部材1A及び閉塞部材1Bの両方を透明にする場合は、それらの屈折率をほぼ等しくすると良い。具体的には、屈折率差を0.1以下にすると良い。
【0024】
第1電極6aや第2電極6bには、パターニング可能な導電性材料ならどのようなものを用いてもよい。例えば、クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)等の金属あるいはカーボンや銀ペースト、あるいは有機導電膜などが使用できる。第1電極6aを光反射層としても利用する場合は、銀(Ag)あるいはAl等の光反射率の高い材料を好適に使用する。この第1電極6aを白色表示として使用する場合は、電極表面そのものに光が乱反射するように表面凹凸をつけるか、あるいは電極上に光散乱層を形成しておく。
【0025】
隔壁部材3には、パターン化できる材料ならどのようなものでも用いることができる。例えば感光性を有するアクリル樹脂やエポキシ樹脂などを用いることができる。
【0026】
なお、隔壁部材3の上部には、前記液体4とは異なる表面エネルギーを有する部材(液体4と相溶しないものであって、例えばセルロース、PVAなど)を配置しておくと良い。
【0027】
液体4としては、イソパラフィン、シリコーンオイル及びキシレン、トルエン等の非極性溶媒であって透明なものを用いると良い。
【0028】
帯電粒子5としては、着色されていて液体4中で正極性又は負極性の良好な帯電特性を示す材料を用いると良い。例えば、各種の無機顔料や有機顔料やカーボンブラック、或いは、それらを含有させた樹脂を使用すると良い。粒子の粒径は通常0.01μm〜50μm程度のものを使用できるが、好ましくは、0.1から10μm程度のものを用いる。
【0029】
なお、上述した液体4中や帯電粒子5中には、帯電粒子5の帯電を制御し安定化させるための荷電制御剤を添加しておくと良い。かかる荷電制御剤としては、コハク酸イミド、モノアゾ染料の金属錯塩やサリチル酸や有機四級アンモニウム塩やニグロシン系化合物などを用いると良い。
【0030】
また、液体4中には、帯電粒子5同士の凝集を防ぎ分散状態を維持するための分散剤を添加しておいてもよい。かかる分散剤としては、燐酸カルシウム、燐酸マグネシウム等の燐酸多価金属塩、炭酸カルシウム等の炭酸塩、その他無機塩、無機酸化物、あるいは有機高分子材料などを用いることができる。
【0031】
上述した光変調装置は、表示装置として画像表示のために用いても、光学シャッターとして光スイッチングのために用いても良い。
【0032】
次に、図3を参照して、本実施の形態に係る光変調装置の製造方法について説明する。
【0033】
本実施の形態に係る光変調装置の製造方法は、
・ 前記第2基板2に前記隔壁部材3を形成する工程と(図3(a) 参照)、
・ 該隔壁部材3が上側になるように前記第2基板2を配置し、前記第2基板2と前記隔壁部材3とによって形成される凹部Gに前記液体4や前記帯電粒子5を配置する工程と、
・ 前記穴開き部材1Aを前記隔壁部材3に押し付けて前記帯電粒子5を前記凹部内に封止する工程と(図3(b)参照)、
・ 穴開き部材1Aの穴部Eを閉塞するように閉塞部材1Bを配置する工程と(図3(c) 参照)、
を含む。上述のように穴開き部材1Aを前記隔壁部材3に押し付けた場合、凹部Gに配置されていた液体4は、その穴部Eを通って外部に溢れ出るものの、帯電粒子5は穴部Eを通過できずに凹部Gに残存する。
【0034】
ところで、前記第1基板には、前記液体に浸漬されていない状態で穴部を有し、前記液体に浸漬されることによって穴部が閉塞される材質のものを用い(図6の符号1参照)、
・ 前記第2基板2に前記隔壁部材3を形成する工程と(図6(a) 参照)、
・ 該隔壁部材3が上側になるように前記第2基板2を配置し、前記第2基板2と前記隔壁部材3とによって形成される凹部Gに前記液体4や前記帯電粒子5を配置する工程と(図6(a) 参照)、
・ 穴部Eを有した状態の前記第1基板1を前記隔壁部材3に押し付けて前記帯電粒子5を前記凹部内に封止する工程と(図6(a) 参照)、
・ 該隔壁部材3に押し付けた状態の第1基板1が前記液体4に浸漬されることに基づき前記穴部Eが閉塞される工程と(同図(b) 参照)、
を実施するようにしても良い。
【0035】
なお、液体4は、凹部Gから溢れ出る程度に配置すると良い。これらの液体4や帯電粒子5を凹部Gに配置する方法としては、
▲1▼ 容器に液体4(或いは、液体4と帯電粒子5の両方)を入れておき、その容器に第2基板2を浸漬する方法や、
▲2▼そのような容器を用いず、ノズルによって供給する方法や、
▲3▼印刷により塗布する方法、
を挙げることができる。なお、▲2▼と▲3▼の方法の場合、液体4と帯電粒子5とは同時に供給するようにしても、別々に供給するようにしても良い。
【0036】
また、凹部Gが複数の場合には、各凹部Gに配置する帯電粒子5の個数を均等になるように調整する必要がある。その調整方法としては、
・個数を予め秤取り、その秤取った分を配置する方法と、
・電圧や時間など所定の条件を決めて、過剰濃度で配置した帯電粒子5及び液体4から所望量を選択し、配置する方法、
等がある。
【0037】
一方、前記穴開き部材1Aを前記隔壁部材3に押し付ける際に穴部Eより溢れ出てきた液体4は、適宜除去すると良い。例えば、
・吸液性に富むもの(例えば、布)等で拭き取っても、
・図4に示すように、吸液部材20を上面に配置した状態の穴開き部材1Aを前記隔壁部材3に押し付け、該吸液部材20によって溢れ出て来た液体4を除去し、その後、吸液部材20のみを取り去るようにしても、
・図5に示すように、2層の吸液部材30,31を配置した状態の穴開き部材1Aを隔壁部材3に押し付け、これらの吸液部材によって溢れ出て来た液体4を除去し、その後、上層の吸液部材30のみを取り去るようにしても、
良い。このような吸液部材には、液体4と相溶しないものならば何を用いても良く、例えば、発泡ウレタン、十分に乾燥させた紙類などを用いることが出来る。
【0038】
また、図3(b)では、穴開き部材1Aは水平状態が保持されたままで隔壁部材3に押し付けられているが、穴開き部材をフレキシブル材質とし、水平状態以外の姿勢で隔壁部材3に押し付けるようにしても良い。
【0039】
さらに、前記穴開き部材1Aを前記隔壁部材3に押し付ける際に電界を発生させて前記帯電粒子5を前記第2基板2の側に引き付けるようにしても良い。印加する極性は、帯電粒子5の帯電極性に応じて異なるが、帯電粒子5を第2基板2の側に引き付けられる限り、直流電圧だけに限らず交流電圧を印加するようにしても良い。このような電界の形成は、第1電極6a及び第2電極6bに電圧を印加して行っても、穴開き部材1Aを導電性材質にして電圧を印加して行っても、製造過程に臨時的に配置する電極によって行っても良い。なお、穴開き部材1Aを導電性材質にする方法としては、穴開き部材1Aの母材自体に導電材料(例えば、有機導電性膜)を用いる方法と、非導電材料の母材に導電層(例えば、ITO(インジウム・ティン・オキサイド)の層)を積層する方法とがある。
【0040】
またさらに、穴開き部材1Aの下面に接着剤(例えば、UV硬化型接着剤)を予め塗布しておいて、その接着剤によって穴開き部材1Aを隔壁部材3に接着するようにしても良い。穴開き部材1Aの母材自体に接着性を持たせておいても良い(例えば、熱融着フィルム)。
【0041】
また、穴開き部材1Aを隔壁部材3に完全に接着するまでは、穴開き部材1Aと隔壁部材3とが離れて帯電粒子5が漏出してしまわないように注意する必要がある。
【0042】
次に、本実施の形態の効果について説明する。
【0043】
本実施の形態によれば、製造段階(特に、画素を密閉する際)において帯電粒子5が画素から流れ出てしまわないようにすることができる。そして、帯電粒子の濃度の制御性を向上し、また帯電粒子を定量的に配置することが容易になり、その結果として生産性の向上の効果がある。
【0044】
【実施例】
以下、実施例に沿って本発明を更に詳細に説明する。
【0045】
(実施例1)
本実施例では図1に示す構造の電気泳動表示装置(光変調装置)を図3に示す方法により作製した。
【0046】
まず、第2基板2には厚さ0.1mmのステンレス基板を使用し、その表面には、多数の第1電極6aをマトリクス状に形成し、これらの第1電極6aを覆うようにアクリル樹脂層7を形成した。なお、第1電極6aには、光反射率の高いアルミニウムを用い、光反射散乱層を兼用させた。そして、このアクリル樹脂層7の表面には、画素Aと画素Aとの間に相当する位置に第2電極6bや隔壁3を形成し、各画素には絶縁性液体4や帯電粒子5をそれぞれ配置した。なお、第1電極上のアクリル樹脂や第2電極6bの表面は透明なノルボルネン樹脂で覆った。また、第2電極6bは全画素のものを電気的に接続して、同一電位に保持できるようにした。さらに、隔壁3の幅を8μmとし、高さを20μmとした。またさらに、絶縁性液体4には、荷電制御剤としてコハク酸イミド(商品名:OLOA1200、シェブロン社製)を含有させたイソパラフィン(商品名:アイソパー,エクソン社製)を用い、帯電粒子5には粒径1〜2μm程度のカーボンブラックを含有したポリスチレン−ポリメチルメタクリレート共重合体樹脂を用いた。この帯電粒子5は、絶縁性液体中では負極性を示した。また、1つの画素Aの大きさは240μm×80μmとし、画素数は200×600とした。
【0047】
その後、絶縁性液体4の上方から穴開き部材1Aをゆっくりと降下させていった。この穴開き部材1Aには、厚さが5μmのポリカーボネート製のものを用いた。なお、この穴開き部材1Aは、1つの画素に2つの割合となるように合計24万個の穴部Eを形成し、各穴部Eの直径は1μmφとした。また、穴開き部材1Aの下面には、厚さ0.1μmのUV硬化型接着層(不図示)を予め形成しておいた。
【0048】
そして、この穴開き部材1Aを、隔壁3に接触する位置まで緩やかに降下させたところ、余剰の絶縁性液体4は穴開き部材1Aの上側に溢れ出たが、帯電粒子5は流れ出なかった。
【0049】
その後、溢れ出た絶縁性液体4を除去し、UV光を照射した。このUV光照射によって穴開き部材1AのUV硬化型接着層が硬化されて、穴開き部材1Aが隔壁3に接着された。次に、閉塞部材1Bを穴開き部材1Aに載置し、それらを接着した。なお、この閉塞部材1Bには、厚さ200μmのガスバリヤ層が形成されているPETを使用した。
【0050】
本実施例によれば、帯電粒子5の他の画素への移動を防止し、画像品質を良好にできた。
【0051】
(実施例2)
本実施例では、図4に示す方法により電気泳動表示装置を作製した。なお、作製した電気泳動表示装置は、1つの画素の大きさを5mm×5mmとし、画素数を4つとした。また、隔壁3の幅は20μmとし、高さは30μmとした。さらに、第2基板2には厚さ1.1mmのガラス基板を使用し、第1電極6aには光反射率の大きい銀を用い、光反射散乱層を兼用させた。
【0052】
また、穴開き部材1Aには、厚さ2μmのノルボルネン製部材に、厚さ0.01μmの透明電極層ITOを積層したものを用いた。なお、この穴開き部材1Aには、1つの画素に1つの割合となるように合計4つの穴部Eを形成しておいた。また、穴部Eの直径は1mmΦとした。さらに、この穴開き部材1Aの上面には吸液部材としての発泡ウレタン板20を載置した。その他の構成は実施例1と同様とした。
【0053】
また、電気泳動表示装置の製造に際しては、これらの穴開き部材1A及び発泡ウレタン板20を絶縁性液体4の上方からゆっくりと降下させた。その結果、余剰の絶縁性液体4は発泡ウレタン板20にて吸い取られたが、帯電粒子5は流れ出なかった。
【0054】
そして、その後、発泡ウレタン板20を除去し、閉塞部材1Bを穴開き部材1Aに載置し、それらを接着した。その他の製造方法は実施例1と同じとした。
【0055】
本実施例によれば、帯電粒子5の他の画素への移動を防止し、画像品質を良好にできた。
【0056】
(実施例3)
本実施例では、図5に示す方法により電気泳動表示装置を作製した。なお、隔壁3の幅は5μmとし、高さは20μmとした。その他の構成は実施例1と同様とした。
【0057】
また、穴開き部材1Aには、厚さ5μmのノルボルネン製部材を用いた。なお、この穴開き部材1Aには、1つの画素に5つの割合となるように合計60万個の穴部Eを形成し、各穴部Eは、10μm×50μmの四角形とした。また、穴開き部材1Aの下面には、厚さ0.1μmの熱硬化型接着層(不図示)を予め形成しておいた。さらに、この穴開き部材1Aの上面には吸液部材としての発泡ウレタン板30,31を載置した。なお、発泡ウレタン板30の厚みは1mmとし、発泡ウレタン板31の厚みは100μmとした。
【0058】
また、電気泳動表示装置の製造に際しては、これらの穴開き部材1A及び発泡ウレタン板30,31を絶縁性液体4の上方からゆっくりと降下させたが、その際、第1電極6aには、+10V、第2電極6bには0Vを印加しておいた。その結果、余剰の絶縁性液体4は発泡ウレタン板30,31にて吸い取られたが、帯電粒子5は流れ出なかった。
【0059】
そして、その後、上側の発泡ウレタン板30だけを除去し、加熱により発泡ウレタン板31を隔壁3に接着した。最後に、閉塞部材であるUV硬化樹脂を発泡ウレタン板31に塗布し、バーコーターで平滑面を形成し、UV光照射によって樹脂を硬化させた。
【0060】
本実施例によれば、上述した各実施例と同様の効果が得られた。
【0061】
(実施例4)
本実施例では、実施例1と同様の電気泳動表示装置を、以下の方法により作製した。なお、隔壁3の幅は5μmとし、高さは20μmとした。また、穴開き部材1Aを貼り付ける際に、隔壁3の上面には厚さ5μmのセルロースを塗布した。さらに、帯電粒子5及び絶縁性液体4の供給はノズルを用いて行った。また、穴開き部材1Aには、フレキシブルな材質のものを用い、1つの画素に2つの割合となるように合計24万個の穴部Eを形成しておいた。この穴部Eの直径は3μmΦとした。
【0062】
また、この穴開き部材1Aの接着に際しては、予め一辺を第2基板2に接着した状態で押圧ローラーを回転移動することとした。この際、第1電極6aには、+10V、第2電極6bには0Vを電圧を印加して、帯電粒子5を第2基板2の側に引き付けておいた。これにより、帯電粒子5は各凹部内に残り、流れ出ることはなかった。また、隔壁上面のセルロースは絶縁性液体4を弾くため、凹部内の絶縁性液体4表面は盛り上がることとなった。その後、穴開き部材1Aの全周を第2基板2に接着し、穴開き部材1Aの上面に閉塞部材1Bを貼り付けた。その他の構成や製造条件は実施例1と同様とした。
【0063】
本実施例によれば、帯電粒子5の他の画素への移動を防止し、画像品質を良好にできた。
【0064】
(実施例5)
本実施例では、図6(b) に示す構造の電気泳動表示装置を以下の方法により作製した。なお、作製した電気泳動表示装置は、1つの画素の大きさを103μm×103μmとし、画素数は200×600とした。また、隔壁3の幅は5μmとし、その高さは20μmとした。さらに、第2基板2には厚さ0.1mmのPET基板を使用し、第1電極6aにはアルミニウムを用い、光反射散乱層を兼用させた。また、絶縁性液体4には、荷電制御剤としてコハク酸イミドを含有させたイソパラフィン(商品名:アイソパー、エクソン社製)を用い、帯電粒子5には粒径2〜3μmのカーボンブラックを含有したポリスチレンーポリメチルメタクリレート共重合体樹脂を用いた。
【0065】
ところで、第1基板1には、1つの画素に4個の割合となるように穴部Eを形成しておき(図6(a) には1つずつのみ図示)、穴部Eの径は約1μmとした。この第1基板1は、透明なシリコーン樹脂からなり、
・ 絶縁性液体4であるイソパラフィンに浸漬されていない状態(つまり、浸漬される前)で穴部Eを有し、
・ イソパラフィンに浸漬されることによって膨潤し、その浸漬後には穴部Eが経時的に膨潤して自己的に閉塞されるようになっている(図6(a) (b) 参照)。つまり、本実施例においては、第1基板1が、穴開き部材としての機能、及び閉塞部材としての機能の両方を発揮する(穴開き部材と閉塞部材とが同一の物体である)ようになっている。
【0066】
まず、第2基板2の表面には多数の第1電極6aをマトリクス状に形成し、これらの第1電極6aを覆うようにアクリル樹脂層7を形成した。そして、このアクリル樹脂層7の表面には、実施例1と同様に、第2電極6bや隔壁3を形成し、各画素には絶縁性液体4や帯電粒子5をそれぞれ配置した。なお、第1電極6a上のアクリル樹脂7や第2電極6bの表面は透明なノルボルネン樹脂で被覆した。
【0067】
その後、絶縁性液体4の上方から穴部Eを有する第1基板1をゆっくりと降下させた(図6(a) 参照)。すると、この第1基板1の穴部Eを通って、余剰な絶縁性液体4が徐々に第1基板1の上面に出てきたが、帯電粒子5は流れ出なかった。この余剰な液体を適宜除去しながら1時間程度経過したところで、第1基板1の穴部Eは自己的に閉塞した(図6(b) 参照)。
【0068】
穴部Eが閉塞した後に、第1基板1の表面に残った余剰な絶縁性液体4をきれいに除去し、表面を乾燥させた。
【0069】
本実施例によれば、製造工程において帯電粒子の他の画素への移動を防止して、注入初期の帯電粒子の分布を維持できるので、表示斑を抑制した品質の良い表示を行うことができた。
【0070】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、製造段階(特に、画素を密閉する際)において帯電粒子が画素から流れ出てしまわないようにすることができる。そして、帯電粒子の濃度の制御性を向上し、また帯電粒子を定量的に配置することが容易になり、その結果として生産性の向上の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光変調装置の作用を説明するための図。
【図2】穴開き部材の平面形状を示す図。
【図3】本発明に係る光変調装置の製造方法の一例を示す模式図。
【図4】本発明に係る光変調装置の製造方法の一例を示す模式図。
【図5】本発明に係る光変調装置の製造方法の一例を示す模式図。
【図6】本発明に係る光変調装置の製造方法の一例を示す模式図。
【符号の説明】
1 第1基板
1A 穴開き部材
1B 閉塞部材
2 第2基板
3 隔壁(隔壁部材)
4 絶縁性液体(液体)
5 帯電粒子
6a 第1電極
6b 第2電極
E 穴部
G 凹部
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体中の帯電粒子を移動させて光変調を行う光変調装置及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近時、液体中の帯電粒子の電気泳動現象を応用した光変調装置の提案がされており、画像表示や光学シャッターとしての利用が期待されている。以下、その一例として、画像表示を行うための光変調装置(以下、電気泳動表示装置とする)について説明する。
【0003】
情報機器の発達に伴い、低消費電力且つ薄型の表示装置のニーズが増しており、これらニーズに合わせた表示装置の研究、開発が盛んに行われている。中でも液晶表示装置は、こうしたニーズに対応できる表示装置として活発な開発が行われ商品化されている。しかしながら、現在の液晶表示装置には、画面を見る角度や、反射光により画面上の文字が見ずらく、また光源のちらつき・低輝度等から生じる視覚へ負担が重いという問題があり、この問題が未だ十分に解決されていない。このため、低消費電力、視覚への負担軽減などの観点から反射型表示装置が期待されている。
【0004】
その一つとして、上述のように液体中の帯電粒子の電気泳動現象を応用した電気泳動表示装置がある(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
この電気泳動表示装置は、所定間隙を開けた状態に配置された上基板及び下基板と、これらの基板の間に充填された絶縁性液体と、該絶縁性液体に分散された多数の帯電泳動粒子と、それぞれの基板に沿うように各画素に配置された表示電極と、を備えている。そして、画素と画素との間には、画素を区画するために隔壁が設けられ、帯電泳動粒子の他の画素への移動を防止し、帯電泳動粒子の濃度を均一に維持するようになっている。
【0006】
なお、絶縁性液体や帯電泳動粒子を確実に注入する方法についても開示されており、具体的には、裏面電極板に有孔性スペーサーの各々の孔と対応する位置に分散系注入孔を各別に具備する構成や、裏面電極板に設けてある孔を介して各画素内に分散系を満たし、最後にその孔をシール部材により封止する方法が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0007】
【特許文献1】
米国特許第3612758号明細書
【特許文献2】
特開平1−248183号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来の電気泳動表示装置を製造する場合、
・下基板に表示電極等を作製し、
・画素と画素との間に相当する位置に隔壁を形成し、
・隔壁によって仕切られるそれぞれの凹部に絶縁性液体やほぼ等量の帯電粒子を充填し、
・上基板を隔壁に貼り付ける、
ようになっていた。
【0009】
このように上基板を隔壁に貼り付ける場合、絶縁性液体は各凹部から押し出されるが、そのときの絶縁性液体と共に帯電粒子までもが他の凹部等に押し出されてしまう場合があった。このため、各画素の帯電粒子の数量が均等でなくなってしまい、画像品質が悪くなってしまうという問題があった。
【0010】
そこで、本発明は、上述した問題を回避する光変調装置及び該光変調装置の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記事情を考慮してなされたものであり、所定間隙を開けた状態に配置された第1基板及び第2基板と、これらの基板の間に配置されて画素を仕切る隔壁部材と、該画素に配置された液体及び複数の帯電粒子と、該画素に配置される第1電極及び第2電極と、を備え、これらの電極の間に電圧を印加することに基づき前記帯電粒子を移動させて画像表示や光スイッチングを行う光変調装置において、
前記第1基板が、前記隔壁部材に接するように配置されると共に穴部を有する穴開き部材と、該穴部を閉塞するように配置される閉塞部材と、によって構成された、ことを特徴とする。
【0012】
また、請求項7に係る発明は、所定間隙を開けた状態に配置された第1基板及び第2基板と、これらの基板の間に配置されて画素を仕切る隔壁部材と、該画素に配置された液体及び複数の帯電粒子と、該画素に配置される第1電極及び第2電極と、を備えた光変調装置を製造する、光変調装置の製造方法において、
前記第2基板に前記隔壁部材を形成する工程と、
前記第2基板と前記隔壁部材とによって形成される凹部に前記液体や前記帯電粒子を配置する工程と、
前記穴開き部材を前記隔壁部材に押し付けて前記帯電粒子を前記凹部内に封止する工程と、
前記穴開き部材の穴部を閉塞するように閉塞部材を配置する工程と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図1至図5を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0014】
本実施の形態に係る光変調装置では、図1に示すように、所定間隙を開けた状態に配置された第1基板1及び第2基板2と、これらの基板1,2の間に配置されて画素Aを仕切る隔壁部材3と、画素Aに配置された液体4及び複数の帯電粒子5と、画素Aに配置される第1電極6a及び第2電極6bと、を備えており、これらの電極6a,6bの間に電圧を印加することに基づき前記帯電粒子5を移動させて画像表示や光スイッチングを行うようになっている。
【0015】
例えば、画像表示に用いる場合には、同図に示すように、第2電極6bを隔壁部材3の下部に配置すると共に、第1電極6aを第2基板2に沿うように配置し、第1電極6aの面を白色とし帯電粒子5を黒色とする。帯電粒子5が第2電極6bに引き付けられた場合には第1電極6aの面が視認されて白表示となり(右側の画素)、帯電粒子5が第1電極6aに引き付けられた場合には該粒子が視認されて黒表示となる(左側の画素)。また、白黒以外の他の色を使用しても良く、帯電粒子5を黒色とし第1電極6aの面を赤・緑・青色にした場合には3つの画素を一組としてカラー表示を行うことができる。
【0016】
本実施の形態では、第1基板1は、図1及び図2に示すように、前記隔壁部材3に接するように配置されると共に穴部Eを有する穴開き部材1Aと、該穴部Eを閉塞するように配置される閉塞部材1Bと、によって構成される。
【0017】
なお、図2は、穴開き部材1Aの平面形状を示す図であるが、穴部Eは均一な密度で配置されていると良く、具体的には、画素Aに1つずつ以上配置されるような密度で、好ましくは、画素Aに2つずつ以上配置されるような密度で形成されていると良い。また、穴開き部材1Aの厚さは、画素Aの幅より薄くすると良く、隔壁部材3の高さよりも薄くすると良く、隔壁部材3の幅より薄くすると良い。さらに、穴開き部材1Aには導電性に富む材料を用いても(詳細は後述)、隔壁部材3と接着するための接着剤を塗布しておいても(詳細は後述)、図4の符号20や図5の符号30,31で示すように吸液部材を配置しても良い(詳細は後述)。
【0018】
またさらに、穴部Eの大きさは、液体4が円滑に通り抜け、帯電粒子5が通り抜けないような大きさにすると良い。以下で通り抜けない大きさの調節について説明を加える。
【0019】
穴部Eの大きさは、画素空間の容積、帯電粒子の粒径、絶縁性液体の粘性、あるいは穴部Eを有する穴開き部材1Aを配置するときに同時に画素領域に設けられた電極に電圧を印加する方法を用いた場合などにより、適切に設計されるものである。
【0020】
また、閉塞部材1Bは、平滑な板状部材であっても良いが、穴部Eに塗り込められるようなペースト状材料を硬化させた部材であっても良い。
【0021】
ところで、図面では、第1電極6a及び第2電極6bが共に第2基板2の側に配置されているが、もちろんこれに限られるものではなく、第1基板1の側に配置しても良く、各基板1,2に別々に配置しても良い。
【0022】
その他の構成について説明する。
【0023】
穴開き部材1Aや閉塞部材1Bや第2基板2には、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ノルボルネン等のプラスチックフィルムや、ガラス、石英等の固い基板を使用できる。また、ポリイミド(PI)やステンレス等の金属基板などの着色しているものや不透明な基板を用いても良い。但し、第1基板1(つまり、穴開き部材1A及び閉塞部材1B)又は第2基板2の少なくとも一方は透明である必要がある。穴開き部材1A及び閉塞部材1Bの両方を透明にする場合は、それらの屈折率をほぼ等しくすると良い。具体的には、屈折率差を0.1以下にすると良い。
【0024】
第1電極6aや第2電極6bには、パターニング可能な導電性材料ならどのようなものを用いてもよい。例えば、クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)等の金属あるいはカーボンや銀ペースト、あるいは有機導電膜などが使用できる。第1電極6aを光反射層としても利用する場合は、銀(Ag)あるいはAl等の光反射率の高い材料を好適に使用する。この第1電極6aを白色表示として使用する場合は、電極表面そのものに光が乱反射するように表面凹凸をつけるか、あるいは電極上に光散乱層を形成しておく。
【0025】
隔壁部材3には、パターン化できる材料ならどのようなものでも用いることができる。例えば感光性を有するアクリル樹脂やエポキシ樹脂などを用いることができる。
【0026】
なお、隔壁部材3の上部には、前記液体4とは異なる表面エネルギーを有する部材(液体4と相溶しないものであって、例えばセルロース、PVAなど)を配置しておくと良い。
【0027】
液体4としては、イソパラフィン、シリコーンオイル及びキシレン、トルエン等の非極性溶媒であって透明なものを用いると良い。
【0028】
帯電粒子5としては、着色されていて液体4中で正極性又は負極性の良好な帯電特性を示す材料を用いると良い。例えば、各種の無機顔料や有機顔料やカーボンブラック、或いは、それらを含有させた樹脂を使用すると良い。粒子の粒径は通常0.01μm〜50μm程度のものを使用できるが、好ましくは、0.1から10μm程度のものを用いる。
【0029】
なお、上述した液体4中や帯電粒子5中には、帯電粒子5の帯電を制御し安定化させるための荷電制御剤を添加しておくと良い。かかる荷電制御剤としては、コハク酸イミド、モノアゾ染料の金属錯塩やサリチル酸や有機四級アンモニウム塩やニグロシン系化合物などを用いると良い。
【0030】
また、液体4中には、帯電粒子5同士の凝集を防ぎ分散状態を維持するための分散剤を添加しておいてもよい。かかる分散剤としては、燐酸カルシウム、燐酸マグネシウム等の燐酸多価金属塩、炭酸カルシウム等の炭酸塩、その他無機塩、無機酸化物、あるいは有機高分子材料などを用いることができる。
【0031】
上述した光変調装置は、表示装置として画像表示のために用いても、光学シャッターとして光スイッチングのために用いても良い。
【0032】
次に、図3を参照して、本実施の形態に係る光変調装置の製造方法について説明する。
【0033】
本実施の形態に係る光変調装置の製造方法は、
・ 前記第2基板2に前記隔壁部材3を形成する工程と(図3(a) 参照)、
・ 該隔壁部材3が上側になるように前記第2基板2を配置し、前記第2基板2と前記隔壁部材3とによって形成される凹部Gに前記液体4や前記帯電粒子5を配置する工程と、
・ 前記穴開き部材1Aを前記隔壁部材3に押し付けて前記帯電粒子5を前記凹部内に封止する工程と(図3(b)参照)、
・ 穴開き部材1Aの穴部Eを閉塞するように閉塞部材1Bを配置する工程と(図3(c) 参照)、
を含む。上述のように穴開き部材1Aを前記隔壁部材3に押し付けた場合、凹部Gに配置されていた液体4は、その穴部Eを通って外部に溢れ出るものの、帯電粒子5は穴部Eを通過できずに凹部Gに残存する。
【0034】
ところで、前記第1基板には、前記液体に浸漬されていない状態で穴部を有し、前記液体に浸漬されることによって穴部が閉塞される材質のものを用い(図6の符号1参照)、
・ 前記第2基板2に前記隔壁部材3を形成する工程と(図6(a) 参照)、
・ 該隔壁部材3が上側になるように前記第2基板2を配置し、前記第2基板2と前記隔壁部材3とによって形成される凹部Gに前記液体4や前記帯電粒子5を配置する工程と(図6(a) 参照)、
・ 穴部Eを有した状態の前記第1基板1を前記隔壁部材3に押し付けて前記帯電粒子5を前記凹部内に封止する工程と(図6(a) 参照)、
・ 該隔壁部材3に押し付けた状態の第1基板1が前記液体4に浸漬されることに基づき前記穴部Eが閉塞される工程と(同図(b) 参照)、
を実施するようにしても良い。
【0035】
なお、液体4は、凹部Gから溢れ出る程度に配置すると良い。これらの液体4や帯電粒子5を凹部Gに配置する方法としては、
▲1▼ 容器に液体4(或いは、液体4と帯電粒子5の両方)を入れておき、その容器に第2基板2を浸漬する方法や、
▲2▼そのような容器を用いず、ノズルによって供給する方法や、
▲3▼印刷により塗布する方法、
を挙げることができる。なお、▲2▼と▲3▼の方法の場合、液体4と帯電粒子5とは同時に供給するようにしても、別々に供給するようにしても良い。
【0036】
また、凹部Gが複数の場合には、各凹部Gに配置する帯電粒子5の個数を均等になるように調整する必要がある。その調整方法としては、
・個数を予め秤取り、その秤取った分を配置する方法と、
・電圧や時間など所定の条件を決めて、過剰濃度で配置した帯電粒子5及び液体4から所望量を選択し、配置する方法、
等がある。
【0037】
一方、前記穴開き部材1Aを前記隔壁部材3に押し付ける際に穴部Eより溢れ出てきた液体4は、適宜除去すると良い。例えば、
・吸液性に富むもの(例えば、布)等で拭き取っても、
・図4に示すように、吸液部材20を上面に配置した状態の穴開き部材1Aを前記隔壁部材3に押し付け、該吸液部材20によって溢れ出て来た液体4を除去し、その後、吸液部材20のみを取り去るようにしても、
・図5に示すように、2層の吸液部材30,31を配置した状態の穴開き部材1Aを隔壁部材3に押し付け、これらの吸液部材によって溢れ出て来た液体4を除去し、その後、上層の吸液部材30のみを取り去るようにしても、
良い。このような吸液部材には、液体4と相溶しないものならば何を用いても良く、例えば、発泡ウレタン、十分に乾燥させた紙類などを用いることが出来る。
【0038】
また、図3(b)では、穴開き部材1Aは水平状態が保持されたままで隔壁部材3に押し付けられているが、穴開き部材をフレキシブル材質とし、水平状態以外の姿勢で隔壁部材3に押し付けるようにしても良い。
【0039】
さらに、前記穴開き部材1Aを前記隔壁部材3に押し付ける際に電界を発生させて前記帯電粒子5を前記第2基板2の側に引き付けるようにしても良い。印加する極性は、帯電粒子5の帯電極性に応じて異なるが、帯電粒子5を第2基板2の側に引き付けられる限り、直流電圧だけに限らず交流電圧を印加するようにしても良い。このような電界の形成は、第1電極6a及び第2電極6bに電圧を印加して行っても、穴開き部材1Aを導電性材質にして電圧を印加して行っても、製造過程に臨時的に配置する電極によって行っても良い。なお、穴開き部材1Aを導電性材質にする方法としては、穴開き部材1Aの母材自体に導電材料(例えば、有機導電性膜)を用いる方法と、非導電材料の母材に導電層(例えば、ITO(インジウム・ティン・オキサイド)の層)を積層する方法とがある。
【0040】
またさらに、穴開き部材1Aの下面に接着剤(例えば、UV硬化型接着剤)を予め塗布しておいて、その接着剤によって穴開き部材1Aを隔壁部材3に接着するようにしても良い。穴開き部材1Aの母材自体に接着性を持たせておいても良い(例えば、熱融着フィルム)。
【0041】
また、穴開き部材1Aを隔壁部材3に完全に接着するまでは、穴開き部材1Aと隔壁部材3とが離れて帯電粒子5が漏出してしまわないように注意する必要がある。
【0042】
次に、本実施の形態の効果について説明する。
【0043】
本実施の形態によれば、製造段階(特に、画素を密閉する際)において帯電粒子5が画素から流れ出てしまわないようにすることができる。そして、帯電粒子の濃度の制御性を向上し、また帯電粒子を定量的に配置することが容易になり、その結果として生産性の向上の効果がある。
【0044】
【実施例】
以下、実施例に沿って本発明を更に詳細に説明する。
【0045】
(実施例1)
本実施例では図1に示す構造の電気泳動表示装置(光変調装置)を図3に示す方法により作製した。
【0046】
まず、第2基板2には厚さ0.1mmのステンレス基板を使用し、その表面には、多数の第1電極6aをマトリクス状に形成し、これらの第1電極6aを覆うようにアクリル樹脂層7を形成した。なお、第1電極6aには、光反射率の高いアルミニウムを用い、光反射散乱層を兼用させた。そして、このアクリル樹脂層7の表面には、画素Aと画素Aとの間に相当する位置に第2電極6bや隔壁3を形成し、各画素には絶縁性液体4や帯電粒子5をそれぞれ配置した。なお、第1電極上のアクリル樹脂や第2電極6bの表面は透明なノルボルネン樹脂で覆った。また、第2電極6bは全画素のものを電気的に接続して、同一電位に保持できるようにした。さらに、隔壁3の幅を8μmとし、高さを20μmとした。またさらに、絶縁性液体4には、荷電制御剤としてコハク酸イミド(商品名:OLOA1200、シェブロン社製)を含有させたイソパラフィン(商品名:アイソパー,エクソン社製)を用い、帯電粒子5には粒径1〜2μm程度のカーボンブラックを含有したポリスチレン−ポリメチルメタクリレート共重合体樹脂を用いた。この帯電粒子5は、絶縁性液体中では負極性を示した。また、1つの画素Aの大きさは240μm×80μmとし、画素数は200×600とした。
【0047】
その後、絶縁性液体4の上方から穴開き部材1Aをゆっくりと降下させていった。この穴開き部材1Aには、厚さが5μmのポリカーボネート製のものを用いた。なお、この穴開き部材1Aは、1つの画素に2つの割合となるように合計24万個の穴部Eを形成し、各穴部Eの直径は1μmφとした。また、穴開き部材1Aの下面には、厚さ0.1μmのUV硬化型接着層(不図示)を予め形成しておいた。
【0048】
そして、この穴開き部材1Aを、隔壁3に接触する位置まで緩やかに降下させたところ、余剰の絶縁性液体4は穴開き部材1Aの上側に溢れ出たが、帯電粒子5は流れ出なかった。
【0049】
その後、溢れ出た絶縁性液体4を除去し、UV光を照射した。このUV光照射によって穴開き部材1AのUV硬化型接着層が硬化されて、穴開き部材1Aが隔壁3に接着された。次に、閉塞部材1Bを穴開き部材1Aに載置し、それらを接着した。なお、この閉塞部材1Bには、厚さ200μmのガスバリヤ層が形成されているPETを使用した。
【0050】
本実施例によれば、帯電粒子5の他の画素への移動を防止し、画像品質を良好にできた。
【0051】
(実施例2)
本実施例では、図4に示す方法により電気泳動表示装置を作製した。なお、作製した電気泳動表示装置は、1つの画素の大きさを5mm×5mmとし、画素数を4つとした。また、隔壁3の幅は20μmとし、高さは30μmとした。さらに、第2基板2には厚さ1.1mmのガラス基板を使用し、第1電極6aには光反射率の大きい銀を用い、光反射散乱層を兼用させた。
【0052】
また、穴開き部材1Aには、厚さ2μmのノルボルネン製部材に、厚さ0.01μmの透明電極層ITOを積層したものを用いた。なお、この穴開き部材1Aには、1つの画素に1つの割合となるように合計4つの穴部Eを形成しておいた。また、穴部Eの直径は1mmΦとした。さらに、この穴開き部材1Aの上面には吸液部材としての発泡ウレタン板20を載置した。その他の構成は実施例1と同様とした。
【0053】
また、電気泳動表示装置の製造に際しては、これらの穴開き部材1A及び発泡ウレタン板20を絶縁性液体4の上方からゆっくりと降下させた。その結果、余剰の絶縁性液体4は発泡ウレタン板20にて吸い取られたが、帯電粒子5は流れ出なかった。
【0054】
そして、その後、発泡ウレタン板20を除去し、閉塞部材1Bを穴開き部材1Aに載置し、それらを接着した。その他の製造方法は実施例1と同じとした。
【0055】
本実施例によれば、帯電粒子5の他の画素への移動を防止し、画像品質を良好にできた。
【0056】
(実施例3)
本実施例では、図5に示す方法により電気泳動表示装置を作製した。なお、隔壁3の幅は5μmとし、高さは20μmとした。その他の構成は実施例1と同様とした。
【0057】
また、穴開き部材1Aには、厚さ5μmのノルボルネン製部材を用いた。なお、この穴開き部材1Aには、1つの画素に5つの割合となるように合計60万個の穴部Eを形成し、各穴部Eは、10μm×50μmの四角形とした。また、穴開き部材1Aの下面には、厚さ0.1μmの熱硬化型接着層(不図示)を予め形成しておいた。さらに、この穴開き部材1Aの上面には吸液部材としての発泡ウレタン板30,31を載置した。なお、発泡ウレタン板30の厚みは1mmとし、発泡ウレタン板31の厚みは100μmとした。
【0058】
また、電気泳動表示装置の製造に際しては、これらの穴開き部材1A及び発泡ウレタン板30,31を絶縁性液体4の上方からゆっくりと降下させたが、その際、第1電極6aには、+10V、第2電極6bには0Vを印加しておいた。その結果、余剰の絶縁性液体4は発泡ウレタン板30,31にて吸い取られたが、帯電粒子5は流れ出なかった。
【0059】
そして、その後、上側の発泡ウレタン板30だけを除去し、加熱により発泡ウレタン板31を隔壁3に接着した。最後に、閉塞部材であるUV硬化樹脂を発泡ウレタン板31に塗布し、バーコーターで平滑面を形成し、UV光照射によって樹脂を硬化させた。
【0060】
本実施例によれば、上述した各実施例と同様の効果が得られた。
【0061】
(実施例4)
本実施例では、実施例1と同様の電気泳動表示装置を、以下の方法により作製した。なお、隔壁3の幅は5μmとし、高さは20μmとした。また、穴開き部材1Aを貼り付ける際に、隔壁3の上面には厚さ5μmのセルロースを塗布した。さらに、帯電粒子5及び絶縁性液体4の供給はノズルを用いて行った。また、穴開き部材1Aには、フレキシブルな材質のものを用い、1つの画素に2つの割合となるように合計24万個の穴部Eを形成しておいた。この穴部Eの直径は3μmΦとした。
【0062】
また、この穴開き部材1Aの接着に際しては、予め一辺を第2基板2に接着した状態で押圧ローラーを回転移動することとした。この際、第1電極6aには、+10V、第2電極6bには0Vを電圧を印加して、帯電粒子5を第2基板2の側に引き付けておいた。これにより、帯電粒子5は各凹部内に残り、流れ出ることはなかった。また、隔壁上面のセルロースは絶縁性液体4を弾くため、凹部内の絶縁性液体4表面は盛り上がることとなった。その後、穴開き部材1Aの全周を第2基板2に接着し、穴開き部材1Aの上面に閉塞部材1Bを貼り付けた。その他の構成や製造条件は実施例1と同様とした。
【0063】
本実施例によれば、帯電粒子5の他の画素への移動を防止し、画像品質を良好にできた。
【0064】
(実施例5)
本実施例では、図6(b) に示す構造の電気泳動表示装置を以下の方法により作製した。なお、作製した電気泳動表示装置は、1つの画素の大きさを103μm×103μmとし、画素数は200×600とした。また、隔壁3の幅は5μmとし、その高さは20μmとした。さらに、第2基板2には厚さ0.1mmのPET基板を使用し、第1電極6aにはアルミニウムを用い、光反射散乱層を兼用させた。また、絶縁性液体4には、荷電制御剤としてコハク酸イミドを含有させたイソパラフィン(商品名:アイソパー、エクソン社製)を用い、帯電粒子5には粒径2〜3μmのカーボンブラックを含有したポリスチレンーポリメチルメタクリレート共重合体樹脂を用いた。
【0065】
ところで、第1基板1には、1つの画素に4個の割合となるように穴部Eを形成しておき(図6(a) には1つずつのみ図示)、穴部Eの径は約1μmとした。この第1基板1は、透明なシリコーン樹脂からなり、
・ 絶縁性液体4であるイソパラフィンに浸漬されていない状態(つまり、浸漬される前)で穴部Eを有し、
・ イソパラフィンに浸漬されることによって膨潤し、その浸漬後には穴部Eが経時的に膨潤して自己的に閉塞されるようになっている(図6(a) (b) 参照)。つまり、本実施例においては、第1基板1が、穴開き部材としての機能、及び閉塞部材としての機能の両方を発揮する(穴開き部材と閉塞部材とが同一の物体である)ようになっている。
【0066】
まず、第2基板2の表面には多数の第1電極6aをマトリクス状に形成し、これらの第1電極6aを覆うようにアクリル樹脂層7を形成した。そして、このアクリル樹脂層7の表面には、実施例1と同様に、第2電極6bや隔壁3を形成し、各画素には絶縁性液体4や帯電粒子5をそれぞれ配置した。なお、第1電極6a上のアクリル樹脂7や第2電極6bの表面は透明なノルボルネン樹脂で被覆した。
【0067】
その後、絶縁性液体4の上方から穴部Eを有する第1基板1をゆっくりと降下させた(図6(a) 参照)。すると、この第1基板1の穴部Eを通って、余剰な絶縁性液体4が徐々に第1基板1の上面に出てきたが、帯電粒子5は流れ出なかった。この余剰な液体を適宜除去しながら1時間程度経過したところで、第1基板1の穴部Eは自己的に閉塞した(図6(b) 参照)。
【0068】
穴部Eが閉塞した後に、第1基板1の表面に残った余剰な絶縁性液体4をきれいに除去し、表面を乾燥させた。
【0069】
本実施例によれば、製造工程において帯電粒子の他の画素への移動を防止して、注入初期の帯電粒子の分布を維持できるので、表示斑を抑制した品質の良い表示を行うことができた。
【0070】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、製造段階(特に、画素を密閉する際)において帯電粒子が画素から流れ出てしまわないようにすることができる。そして、帯電粒子の濃度の制御性を向上し、また帯電粒子を定量的に配置することが容易になり、その結果として生産性の向上の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光変調装置の作用を説明するための図。
【図2】穴開き部材の平面形状を示す図。
【図3】本発明に係る光変調装置の製造方法の一例を示す模式図。
【図4】本発明に係る光変調装置の製造方法の一例を示す模式図。
【図5】本発明に係る光変調装置の製造方法の一例を示す模式図。
【図6】本発明に係る光変調装置の製造方法の一例を示す模式図。
【符号の説明】
1 第1基板
1A 穴開き部材
1B 閉塞部材
2 第2基板
3 隔壁(隔壁部材)
4 絶縁性液体(液体)
5 帯電粒子
6a 第1電極
6b 第2電極
E 穴部
G 凹部
Claims (10)
- 所定間隙を開けた状態に配置された第1基板及び第2基板と、これらの基板の間に配置されて画素を仕切る隔壁部材と、該画素に配置された液体及び複数の帯電粒子と、該画素に配置される第1電極及び第2電極と、を備え、これらの電極の間に電圧を印加することに基づき前記帯電粒子を移動させて画像表示や光スイッチングを行う光変調装置において、
前記第1基板が、前記隔壁部材に接するように配置されると共に穴部を有する穴開き部材と、該穴部を閉塞するように配置される閉塞部材と、によって構成された、
ことを特徴とする光変調装置。 - 前記第1基板が、穴開き部材としての機能、及び閉塞部材としての機能の両方を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の光変調装置。 - 前記穴開き部材の穴部は、画素に1つずつ以上配置されるような密度で形成された、
ことを特徴とする請求項1に記載の光変調装置。 - 前記穴開き部材及び前記閉塞部材が透明であり、それらの屈折率がほぼ等しい、
ことを特徴とする請求項1に記載の光変調装置。 - 前記穴開き部材の屈折率と前記閉塞部材の屈折率との差が0.1以下である、
ことを特徴とする請求項4に記載の光変調装置。 - 前記穴開き部材は、前記隔壁部材の高さよりも薄い、
ことを特徴とする請求項1に記載の光変調装置。 - 所定間隙を開けた状態に配置された第1基板及び第2基板と、これらの基板の間に配置されて画素を仕切る隔壁部材と、該画素に配置された液体及び複数の帯電粒子と、該画素に配置される第1電極及び第2電極と、を備えた光変調装置を製造する、光変調装置の製造方法において、
前記第2基板に前記隔壁部材を形成する工程と、
前記第2基板と前記隔壁部材とによって形成される凹部に前記液体や前記帯電粒子を配置する工程と、
前記穴開き部材を前記隔壁部材に押し付けて前記帯電粒子を前記凹部内に封止する工程と、
前記穴開き部材の穴部を閉塞するように閉塞部材を配置する工程と、
を備えたことを特徴とする光変調装置の製造方法。 - 所定間隙を開けた状態に配置された第1基板及び第2基板と、これらの基板の間に配置されて画素を仕切る隔壁部材と、該画素に配置された液体及び複数の帯電粒子と、該画素に配置される第1電極及び第2電極と、を備えた光変調装置を製造する、光変調装置の製造方法において、
前記第1基板には、前記液体に浸漬されていない状態で穴部を有し、前記液体に浸漬されることによって穴部が閉塞される材質のものを用い、
前記第2基板に前記隔壁部材を形成する工程と、
前記第2基板と前記隔壁部材とによって形成される凹部に前記液体や前記帯電粒子を配置する工程と、
穴部を有した状態の前記第1基板を前記隔壁部材に押し付けて前記帯電粒子を前記凹部内に封止する工程と、
該隔壁部材に押し付けた状態の第1基板が前記液体に浸漬されることに基づき前記穴部が閉塞される工程と、
を備えたことを特徴とする光変調装置の製造方法。 - 前記穴開き部材は、上面に吸液部材を配置した状態で前記隔壁部材に押し付け、該吸液部材によって溢れ出て来た液体を除去する、
ことを特徴とする請求項7或は8に記載の光変調装置の製造方法。 - 前記穴開き部材に接着剤を塗布しておいて、該接着剤によって該穴開き部材を前記隔壁部材に接着する、
ことを特徴とする請求項7或は8に記載の光変調装置の製造方法。
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