JP2004069860A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】感光体上に形成されたトナー像を記録材に転写する前に、ポスト帯電器によってトナーの電荷を調整する画像形成装置において、ポスト帯電器の作動によって感光体の表面電位が変化することに起因する転写不良を防止する。
【解決手段】ポスト帯電器6の放電ワイヤ31及びシールド32に流れる電流を検知し、これらの差から、ポスト帯電器6から感光ドラムに流れる電流を検知する。この電流値に基づいて、転写位置における感光体の表面電位を求める。制御手段20は、この表面電位に応じて、転写バイアス印加電源30が転写ローラ7に印加する転写バイアスを制御する。これにより、感光体1上のトナー像を記録材Pに転写する際に、好適な転写電流が流れるので、転写電流不足及び過多に起因する転写不良を防止することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】ポスト帯電器6の放電ワイヤ31及びシールド32に流れる電流を検知し、これらの差から、ポスト帯電器6から感光ドラムに流れる電流を検知する。この電流値に基づいて、転写位置における感光体の表面電位を求める。制御手段20は、この表面電位に応じて、転写バイアス印加電源30が転写ローラ7に印加する転写バイアスを制御する。これにより、感光体1上のトナー像を記録材Pに転写する際に、好適な転写電流が流れるので、転写電流不足及び過多に起因する転写不良を防止することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタ,複写機,ファクシミリ等の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、データ通信用ネットワークによるデジタルデータ情報伝達及びその情報のハード出力機としての画像形成装置が盛んに提案されている。この種の画像形成装置としてはデジタルプリンタやデジタル複写機が知られている。
【0003】
ここで、図5を参照して、従来の画像形成装置の一例としデジタルプリンタの概略構成を説明する。
【0004】
同図に示す画像形成装置は、像担持体として感光ドラム1を備えている。感光ドラム1は、矢印R1方向に回転駆動され、帯電装置2によってその表面が所定の極性・電位に一様に帯電された後、露光装置3によって画像情報に応じた静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像装置5によってトナーが付着されてトナー像として現像される。
【0005】
こうして感光ドラム1上に形成されたトナー像は、転写装置7によって紙等の記録材P上に転写される。この記録材Pは、給紙カセット(不図示)内に収納されていたものが、給送ローラ、搬送ローラ(いずれも不図示)によってレジストローラ10に搬送され、感光ドラム1上のトナー像とタイミングを合わせるようにして、レジストローラ10によって感光ドラム1と転写装置7との間の転写位置Tに供給されたものである。
【0006】
トナー像転写後の記録材Pは、表面に残った残留トナーがクリーニング装置8によって除去され、さらに前露光ランプ9によって表面の電荷が除去された後、次の画像形成に供される。
【0007】
一方、トナー像転写後の記録材Pは、搬送ベルト12によって定着装置13に搬送され、ここで加熱・加圧されて表面トナー像が定着された後、画像形成装置本体外部に排出され、これで画像形成が終了する。
【0008】
上述の転写装置7としては、図5に示す転写ローラの外、転写ベルトなどの接触型の転写部材も提案されている。転写ベルトは、感光ドラム1表面に当接されて感光ドラム1との間に当接部(転写領域)を形成する。この転写領域には、トナー像とともに記録材Pが挿通されこのとき転写装置に転写バイアスを印加することにより、感光ドラム1上のトナー像が、記録材P上に転写される。
【0009】
上述の転写ローラや転写ベルト等の接触型の転写部材を使用した画像形成装置においては、良好な転写を行なうために、転写時に記録材Pの単位面積当たりに流れる転写電流を、記録材の抵抗,幅などにかかわらずある範囲内に入れて、適量の電荷を記録材Pに付与する必要がある。
【0010】
一般に、画像形成装置は複数種の記録材が使用可能に構成されている。このため、記録材の大きさによって感光ドラム又は転写部材(転写ローラ,転写ベルト)が記録材と接触する領域も異なってくる。このような場合、上述のような転写バイアスの印加に際して、定電流制御を行なうと、記録材のサイズが異なるために、転写装置が直接、感光ドラムに接触する領域が異なってくるので、記録材の種類によらず記録材部分のみにほぼ一定の電流を流すという所期の目的を達成することは困難であった。また、この問題は記録材のサイズに限らず記録材の厚さや材質にも起因するものである。
【0011】
上述のような場合、例えば給紙された記録材のサイズが小さく、転写部材と感光ドラムとの接触領域が大き過ぎると、定電流制御によって一定の電流を転写部材に流すように制御しても、記録材に付与される電荷量が不足することがあり、このため転写不良を起こしたり、記録材のトナー保持力が弱くなったりしてトナーの飛び散りなどの画像の乱れを生じる。これとは逆に、給紙された記録材のサイズが大きく、転写部材と感光ドラムとの接触領域が小さ過ぎると、定電流制御によって一定の電流を記録材に流すように制御しても、記録材に付与される電荷量が過大になることがあり、トナーが本来の帯電極性とは逆極性に帯電して画像が転写抜けを起こしてしまうことがある。
【0012】
このような定電流制御の欠点を回避するために、転写バイアスを定電圧制御する方法も考えられるが、転写ローラや転写ベルトに利用されるローラやベルトなどは、材質によって差異はあるが、その抵抗値が環境、特に湿度によって大きく変化し、さらに、記録材として最も多用されている紙もその抵抗の環境依存性が大であるので、記録材サイズ、材質、環境等にかかわらず安定した転写を行なうこともまた、困難であった。
【0013】
これらの欠点を解消するために、特に環境によって転写ローラ,転写ベルトなどの抵抗、記録材の抵抗が変化するのを同時に補正すべく、転写領域に記録材が存在するときには上述の定電流制御時にホールドした電圧の定数倍の電圧で定電圧制御するような手段が、例えば特開平2−264278号公報などに提案されている。
【0014】
また、現像については、現像方法として種々のものが知られている。例えば米国特許第2,874,063号明細書に記載されている磁気ブラシ現像方法、米国特許第221,776号明細書に記載されているパウダークラウド法、さらには、ファーブラシ現像法、液体現像法等の多数の方法がある。これらの現像方法において、特にトナー及びキャリヤを主体とする二成分現像剤を用いる磁気ブラシ現像法が広く実用化されているが、この方法は比較的安定して良好な画像が得られる反面、キャリヤの劣化、トナーとキャリヤとの混合比の変動という二成分現像剤に特有な欠点を有している。
【0015】
このような欠点を解消するために、トナーのみから成る一成分現像剤を用いる現像方法が各種提案されている。この現像方法によれば、キャリヤに対するトナーの混合比を制御する必要がなくなるために装置が簡略化されるという利点がある反面、キャリヤを用いないためにトナーに帯電電荷を与えることが難しいという欠点を有している。
【0016】
この欠点を補うために、例えば特開昭50−4539号公報には、トナー担持体との摩擦帯電により帯電電荷を付与する方法が、また特開昭54−2100号公報には、摩擦部材を設けてこれとの摩擦帯電により帯電電荷を付与する方法がそれぞれ記載されている。さらに、その摩擦部材に電圧を印加する方法、コロナ帯電等の帯電付与部材によりトナーを帯電させる方法等が工夫されている。また、現像後の感光ドラム上のトナー像をトナー電荷量制御帯電器(以下「ポスト帯電器」という。)によりトナー電荷量を転写効率が高くなるように調整する方法も知られている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ポスト帯電器を使用した場合、トナー電荷量は転写効率が高くなるように調整することができたとしても、このとき同時に感光ドラムの表面電位が変化してしまい、このことに起因してトナー像の良好な転写が行われないことがあった。
【0018】
そこで、本発明は、ポスト帯電手段(上述ではポスト帯電器)による感光体(上述では感光ドラム)の表面電位の変化に対応させて転写バイアスを制御することにより、転写電流の不足及び過多による画像不良を防止するようにした画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、移動可能な表面を有する感光体と、前記感光体表面を帯電する帯電手段と、帯電後の前記感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像に電荷を有するトナーを付着させてトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を転写位置にて他部材に転写させる転写手段と、を備えた画像形成装置において、トナー像転写時に前記転写手段に転写バイアスを印加する転写バイアス印加電源と、前記転写バイアス印加電源が前記転写手段に印加する転写バイアスを制御する制御手段と、転写前の前記感光体上のトナー像の電荷を調整するポスト帯電手段と、を備え、前記制御手段は、転写位置における前記感光体表面の表面電位に応じて、前記転写バイアス印加電源が前記転写手段に印加する転写バイアスを制御する、
ことを特徴とする。
【0020】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記制御手段は、帯電後の前記感光体表面が前記転写位置に到達したときの暗減衰と、前記ポスト帯電手段による感光体表面の電位の変化とから前記転写位置における前記感光体表面の表面電位を検出する、ことを特徴とする。
【0021】
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の画像形成装置において、前記制御手段は、前記ポスト帯電手段の作動時に、前記ポスト帯電手段から前記感光体に流れる電流に基づいて、前記ポスト帯電手段の作動による前記感光体表面の表面電位の変化を検出する、ことを特徴とする。
【0022】
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の画像形成装置において、前記ポスト帯電手段が、放電ワイヤとシールドとを有するコロナ放電器であり、前記制御手段は、前記コロナ放電器の作動時に前記放電ワイヤに流れる電流と前記シールドに流れる電流との差に基づいて、前記コロナ放電器の作動による前記感光体表面の表面電位の変化を検知する、ことを特徴とする。
【0023】
請求項5に係る発明は、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記転写手段が、前記感光体表面に接触可能な接触転写部材である、ことを特徴とする。
【0024】
請求項6に係る発明は、請求項5に記載の画像形成装置において、前記接触転写部材が、ローラ状の転写ローラである、ことを特徴とする。
【0025】
〔作用〕
上述のように、ポスト帯電手段を使用すると、感光体上のトナーの電荷量を適正化させて、他部材(例えば、紙等の記録材)へのトナーの転写効率を向上させることができる。しかし、このときポスト帯電手段を使用することで感光体の表面電位が変化してしまう。そこで、転写手段に印加する転写バイアスを転写位置における感光体の表面電位に応じて制御する。これにより、転写電流量の適正化を図る。すなわち、転写電流の不足により転写が完了しないという弊害と、転写電流の過剰により、画像欠陥が発生するといった弊害とを防止するのである。なお、転写電流量は転写手段に印加する電圧値と、転写位置での感光体表面電圧の電圧値の電位差及び、転写系のインピーダンスにより決定される。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、図面に沿って、本発明の実施の形態について説明する。なお、各図面において、同一の符号を付したものは、同様の構成又は作用を有するものであり、これらについての重複説明は適宜省略するものとする。
【0027】
<実施の形態1>
図1に、本発明に係る画像形成装置の一例として、実施の形態1に係る画像形成装置を示す。同図に示す画像形成装置は、電子写真方式の画像形成装置(例えば、プリンタや複写機)であり、同図はその概略構成を示す縦断面図である。
【0028】
同図に示す画像形成装置は、像担持体としてドラム型の電子写真感光体(感光体:以下「感光ドラム」という。)1を備えている。
【0029】
感光ドラム1の周囲には、その回転方向(矢印R1方向)に沿ってほぼ順に、感光ドラム1の表面を均一に帯電する一次帯電器(一次帯電手段)2、原稿を読み取って画像濃度に比例した画像信号に基づいてレーザ光によって感光ドラム1表面を露光することにより静電潜像を形成する露光装置(露光手段)3、感光ドラム1表面の電位を検知する電位センサ4、静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成する現像装置(現像手段)5、転写前のトナー像の電荷を整えるポスト帯電器(ポスト帯電手段)6、感光ドラム1上に形成されたトナー像を他部材としての記録材P(例えば、紙,透明フィルム)上に転写する転写ローラ(転写手段)7、トナー像転写後の感光ドラム1上の残留トナーを除去するクリーニング装置(クリーニング手段)8、感光ドラム1の残留電荷を除去する前露光ランプ(除電手段)9等が配置されている。
【0030】
また、記録材Pの搬送方向に沿っての上流側から順に、記録材Pを収納する給紙カセット、給紙カセット内から記録材Pを給紙する給紙ローラ、給紙された記録材Pを搬送する搬送ローラ(いずれも不図示)、搬送されてきた記録材Pを一旦停止させて斜行を矯正するとともにこの記録材Pを所定のタイミングで感光ドラム1と転写ローラ7との間の転写位置Tに供給するレジストローラ10、レジストローラ10からの記録材Pを転写位置Tに導くガイド部材11、トナー像転写後の記録材Pを搬送する搬送ベルト12、トナー像を記録材Pに定着させる定着装置13等が配設されている。
【0031】
上述の感光ドラム1は、円筒状の導電基体上に感光層(光導電層)を形成して構成されている。感光層としては、例えば、ポジ帯電が可能な半導体であるa−Si(アモルファスシリコン)によって構成することができる。感光ドラム1は、駆動手段(不図示)によって矢印R1方向に300mm/secのプロセススピード(周速度)で回転駆動される。
【0032】
一次帯電器2としては、本実施の形態では、スコロトロンタイプのコロナ放電器を使用している。感光ドラム1表面は、この一次帯電器2により、暗部電位Vdとして450Vに均一に帯電される。
【0033】
露光装置3としては、画像情報に応じてON/OFF制御されたレーザ光によって感光ドラム1表面を光走査するレーザスキャナが使用される。露光は、非印字部にレーザ露光を行うことで、感光ドラム1上に電位差を設ける、いわゆるバックグラウンド露光が採用されている。上述の一次帯電器2によって450Vに帯電された感光ドラム1表面は、レーザ光が照射された部分(露光部分)の電位、すなわち明部電位Vlが80Vとなる。
【0034】
上述の感光ドラム1表面は、その矢印R1方向の回転に伴う暗減衰によって帯電電位が低下する。例えば、感光ドラム1表面のうち、一次帯電器2によって450Vに帯電された部分は、ポスト帯電器6を作動させない場合には、暗減衰により、現像位置Dに到達したときには400V、転写位置Tに到達したときには350Vまで電位が低下する。
【0035】
現像装置5は、本実施の形態においては、ネガ帯電系の一成分現像剤(トナー)を使用している。現像容器5aに収納されたトナーは、現像スリーブ5b表面に担持されて現像スリーブ5bの回転により感光ドラム1表面に対向する現像位置Dまで搬送されて、感光ドラム1表面の静電潜像の電位が高い部分に付着されてトナー像を形成する。このトナーは、現像スリーブ5b表面に担持された状態で、単位重量当たりの電荷量(トリボ)が−10μC/gとなるように帯電されている。
【0036】
こうして感光ドラム1表面に形成されたトナー像は、ポスト帯電器6によって電荷が調整される。ポスト帯電器6は、コロトロンタイプのコロナ放電器によって構成されている。ポスト帯電器6に到達したトナー像は、ポスト帯電器6のコロナ電流によって再帯電される。このときの再帯電は、再帯電後に感光ドラム1の回転によってトナー像が転写位置Tに到達したときにトナーのトリボが−20μC/gとなるように行われる。なお、ポスト帯電器6については後に詳述する。
【0037】
上述のトナー像が転写位置Tに到達するタイミングに合わせるようにして、給紙カセット内の記録材Pが給送ローラ、搬送ローラ、レジストローラ10等により転写位置Tに供給され、さらに転写ローラ7に転写バイアスが印加されることにより、感光ドラム1上のトナー像が記録材P上に転写される。なお、転写ローラ7は、感光ドラム1表面に対して総圧3kgf(約29.4N)で下方から押圧されて感光ドラム1との間に転写領域となる転写ニップ部を形成している。このニップ部が感光ドラム1上のトナー像を記録材Pに転写する際の転写位置Tとなる。転写ローラ7については後に詳述する。
【0038】
トナー像転写後の感光ドラム1は、表面に残ったトナー(残留トナー)がクリーニング装置8のクリーニングブレード8aによって除去され、つづいて表面に残った電荷が前露光ランプ9によって除去されて、次の画像形成に供される。
【0039】
一方、トナー像転写後の記録材Pは、搬送ベルト12によって定着装置13に搬送され、ここで定着ローラ13aと加圧ローラ13bとの当接部において、加熱・加圧されて表面にトナー像が定着される。
【0040】
トナー像が定着された記録材Pは、画像形成装置本体外部に排出され、これにより1枚の記録材Pに対する画像形成が終了する。
【0041】
上記感光ドラム1の表面電位については、以下に示す電位制御機構によって一次帯電器2の汚れや環境差による放電効率の違いによらず一定に保たれる。
【0042】
図2は、感光ドラム1の表面電位を測定するための制御基板周辺の電気的構成の概略を説明する図である。同図において、制御基板(制御手段)20内には、制御プログラムの記述されたROM21と、プログラム上の必要データの一時記憶素子であるRAM22が処理の中心素子であるCPU23に接続されている。またインタフェイス素子であるI/O24と、データの変換素子であるA/D変換器25及びD/A変換器26が外部の周辺機器と接続され、制御基板20へ情報が入出力される。そして周辺機器として、電位センサ4が帯電及び露光後の感光ドラム1の表面電位を測定することが可能となっている。そして、感光ドラム1上に所望の暗部電位Vdや明部電位Vlを形成するために、一次帯電器2の印加電圧と、露光装置3の半導体レーザ27の印加出力値とを制御することが可能となっている。また、現像バイアス印加電源28が現像装置5に印加する現像バイアス(現像電位)を制御して濃度の安定性及びカブリ画像の防止を図っている。さらに、制御基板20には、ポスト帯電器6が接続されている。
【0043】
ポスト帯電器6によって感光ドラム方向にコロナ電流が照討されるとコロナ電流によって被照討対象の電荷量が減ることから、感光ドラム1上のトナーのトリボがマイナス方向に上昇するとともに、感光ドラム1の表面電位が高い場合には負極の電荷により感光ドラム1の表面電位が低下する。このような効果については図3に示す。感光ドラム1の表面電位は、ポスト帯電器6の感光ドラム方向差電流と相関があり、感光ドラム方向電流が負極側に多ければ、感光ドラム1の表面電位はより一層低下する。
【0044】
図4にポスト帯電器6の構成を示す。ポスト帯電器6は、放電ワイヤ31と、その周囲の3方囲むSUS(ステンレス)製のシールド32が形成されている。放電ワイヤ31は、直径100μmのタングステンの表面を酸化処理したものである。また、シールド32は、SUS(ステンレス)板金を屈曲させて長手方向に直交する方向の断面がコ字形となるように形成したものである。シールド32は、感光ドラム1に対向する部分に開口部32aを有している。さらには、放電ワイヤ31の汚れによる画像欠陥を解消するために、スポンジを基台としてその上に研磨紙を配置している研磨パッド(不図示)で放電ワイヤ31を挟み込み、1000枚分の画像形成毎にこの研磨パッドを移動させて放電ワイヤ31を清掃するようにしている。
【0045】
本実施の形態では、放電ワイヤ31に対して印加しているバイアスは、−500VのDC成分に、AC成分を重畳させている。このAC成分は、ピーク間電圧(ピークツーピーク)VPPで8.3kVの電圧を有するAC矩形波を1kHzで重畳するものである。このようなDC成分にAC成分を重畳させたバイアスを放電ワイヤ31に印加することにより、ワイヤ差電流として−400μAを印加できる設定となっている。
【0046】
本実施の形態においては、ポスト帯電器6の、感光ドラム方向電流量の差電流を管理すべく、図4に示すように、放電ワイヤ31に印加する電流を検知する電流検知手段33を設けている。この電流検知手段33は、正極と負極の電流をダイオード34,35を用いることで分岐し、それぞれの電流を電流計36,37で検知することで最終的に、差電流を求めることができるものである。
【0047】
さらに、シールド32へ流れ込む電流量を、上述の電流検知手段33と同様の構成の別の電流検知手段38によって検知する。そして、放電ワイヤ31に印加される差電流からシールド32へ流れ込む差電流を引くことで、感光ドラム方向電流が検知できる構成としている。感光ドラム方向差電流についてはポスト帯電器6の形状及び放電ワイヤ31に印加されるバイアスによってある程度決定されるが、耐久によってシールド32の表面にオゾン被爆によるオゾン生成物の膜が形成されることで増加する可能性がある。シールド32へのコロナ電流の流れ込みが阻害されるからである。したがって、ポスト帯電器6へ印加するバイアスの制御としては、目標とする感光ドラム方向差電流が確保できると予想されるバイアス設定にはするが、実際の感光ドラム方向差電流は、図4に示す電流検知手段33,38により検出しなければ正確な値を検出するのは難しい。
【0048】
上述のポスト帯電器6の感光ドラム方向差電流が−60μAあれば、感光ドラム1上のトナーのトリボをN/N環境下(温度23℃、相対湿度60%の常温常湿環境下)において−10μC/gから−20μC/gに上昇させることができ、転写位置Tにおけるトナーの転写効率を向上させることができるとともに、転写時のトナーの飛び散りをも防止できる。さらに、H/H環境下(温度30℃、相対湿度80%の高温高湿環境下)においては、現像装置5の現像スリーブ5a上でトナーに対して十分なトリボを付与することができないので、ポスト帯電器6によってトナーのトリボを上昇させることが転写性を確保する上で重要となる。
【0049】
なお、本実施の形態で使用した現像装置5において一成分トナーのトリボはH/H環境下で−5μC/gまで低下する場合があり、この場合においてポスト帯電器6の感光ドラム方向差電流が−90μAまで確保できればH/H環境下でもトナーのトリボを−18〜−20μC/gまで上昇させることができた。H/H環境下で転写性を重視した設定を選択した場合にはポスト帯電器6の感光ドラム方向差電流を−90μA確保できる設定とする。一方、H/H環境下では特にコロナ帯電器を用いた場合に過剰なオゾン生成物が感光ドラム1に付着することで「画像流れ」という画像不良が発生することもあるので、この画像流れを回避すべく感光ドラム方向差電流を低く抑えて転写性を多少犠牲にする設定とする場合がある。
【0050】
感光ドラム1上のトナー像を記録材Pに転写するのに必要な電流量(必要転写電流量)は主としてトナーの単位重量当たりの電荷量と単位面積当たりのトナー重量、及び感光ドラム1のプロセススピード(周速度)によって決定される。トナーを電荷とみたてて、その電荷の移動に必要な電流が必要転写電流量となる。ただし、必ずしも感光ドラム1と転写ローラ7との間の転写ニップ部の全領域が画像領域であるとは限らないので、画像領域外を回り込む電流量もこれに付加するものである。
【0051】
さらに、電流の振れを予定してある程度余裕をもって設定する。本実施の形態において使用する画像形成装置は、先に説明したとおりプロセススピードは300mm/sec、トナーの単位体積当たりのトリボは−20μC/mgであり、転写ニップ部の、感光ドラム軸方向に長さは330mmであるので、必要転写電流量は25μAで設定している。この転写電流量は、上述のポスト帯電器6によってトリボが調整されたトナーが、感光ドラム1の回転によって転写位置Tに到達したときのトリボに合わせている。
【0052】
上述の転写ローラ7は、直径12mmのSUS(ステンレス)製の芯金7aの外周面を、ASKA−C硬度30゜で外径28mmのエピクロロヒドリンスポンジの弾性層7bで円筒状に覆って構成されている。転写ローラ7表面に仮想の金属ドラムを当接させて周速300mm/secで回転させ、かつこの金属ドラムと転写ローラ7表面との間に25μAの電圧が流れるようにしたところ、転写ローラ7に印加された電圧はN/N環境下では2000Vであった。また、H/H環境下では500Vであった。この転写ローラ7はイオン導電系のローラであり、温度・湿度依存性があり、H/H環境下においては抵抗値が下がる傾向を有するからである。
【0053】
転写ローラ7は、転写バイアス印加電源30が接続されており、この転写バイアス印加電源30が転写ローラ7に印加する転写バイアスは、制御基板20によって制御されるようになっている。転写ローラ7に印加する転写バイアスの制御としては、定電圧制御を採用する。このときの印加電圧値はまずATVC(後述)により決定する。そして、後述するように、ポスト帯電器6の感光ドラム方向差電流を検知して補正をかける。
【0054】
ATVCについて詳説する。転写ローラ7は、イオン導電系のスポンジローラで体積抵抗を適宜に調整したものが使用されているが、この種の物質は周知のように、環境によってその抵抗値が数桁にわたって変化する。このため、環境にかかわらず常時、安定した転写電流を確保することが困難であり、この印加バイアスを安定化させる手段がATVC(Active Transfer Voltage Control)である。
【0055】
このATVCは、転写位置Tに記録材Pが存在しない非通紙時においては定電流制御を行い、このときの電圧をホールドして、通紙時にはこの電圧で定電圧制御を行うようにした制御方式である。
【0056】
転写ローラ7に一定電流を流し発生電圧をモニタし、その電圧を、等倍、係数倍、一定電圧を加える等すること、その他これらの組合せを行って印加バイアスを制御するもので、環境差による抵抗値変動があっても必要な転写電流を確保できる手法である。例えば必要転写電流値が25μAであった場合には、定電流制御により25μAを印加して、そのときに転写ローラ7にかかる電圧値を読み取り、さらに、記録材Pが転写位置Tに侵入したときに必要となる電圧を付加した電圧を転写電圧として設定する手法である。
【0057】
以下では、ポスト帯電器6の必要性が高い環境であるH/H環境下を例に、本実施の形態の動作を説明する。
【0058】
上述の転写ローラ7を、図1に示すように、画像形成装置に組み込む。転写電流として25μAを印加するためには感光ドラム1の表面電位が0Vであっても、転写位置TにA4サイズの記録材(厚み:64g/m2)が横送りで通過している際に転写ローラ7の芯金7aに対して900Vの電圧を印加する必要がある。転写ローラ7の抵抗に加えて、感光ドラム1の抵抗及び記録材自体に抵抗があるからである。
【0059】
ここで、転写電流については、感光ドラム1の表面電位と転写ローラ7に印加する電位との電位差によるものであるから、転写電流量として25μA確保するためには、例えば感光ドラム表面電位が350Vあれば転写ローラ7に印加すべきは1250Vとなる。ここで、トナーが感光ドラム1上に坦持されている部分、特にベタ黒領域での電位は前述のように350Vでありこの領域で必要転写電流25μAを設定すべきである。そして、この感光ドラム1の表面電位350Vは前述したように、ポスト帯電器6の感光ドラム方向差電流に応じて減少するものであることから、図3に示すグラフに従って、転写ローラ7に対向する(転写位置Tでの感光ドラム表面電位を見積り、転写ローラ7に印加する電圧を補正する。
【0060】
具体的にはH/H環境下で感光ドラム1上に現像されたトナーのトリボが−7μC/gであった場合に、このトナーのトリボ値を−15μC/gまで増加すべくポスト帯電器6の放電ワイヤ31に印加する差電流量を−240μAに設定したが、シールド32の表面が耐久により汚染された結果、シールド32への流れ込み電流量が−168μAと少なくなっており、感光ドラム方向差電流は(−240)−(−168)=−72μAとなったので、ポスト帯電器6のコロナ照討を受けた感光ドラム1の表面電位は350Vから20Vまで低下していると認識できる。なお、感光ドラム1上のトナーのトリボは−19μC/gまで向上したことが検知できるので、転写ローラ7に印加する電圧値は900V+20V=920Vに設定した。この結果、転写電流は記録材Pの通過時にほぼ25μA確保することができた。
【0061】
なお、本発明で行った上述の転写電圧補正を行わない場合、すなわちポスト帯電器6による感光ドラム方向差電流検知による転写電圧の補正を行わない場合には、感光ドラム1の表面電位は350Vを想定しなくてはならないので、転写電圧は900V+350V=1250Vに設定され、結果として転写電流は記録材Pの通過時にほぼ35μA流れることとなり、過剰な転写電流による画像不良が発生することとなる。
【0062】
以上の説明では、感光ドラム1から他部材としての記録材Pにトナー像を転写する例を説明したが、本発明はこれに限らず、感光ドラム1上に形成したトナー像を一旦、他部材としての中間転写ベルトや中間転写ドラム等の中間転写体に転写し、その後、中間転写体上から記録材Pに転写する方式の画像形成装置にも適用することができる。また、それぞれ異なる色のトナー像を形成する複数の感光ドラムを有し、搬送ベルト上に担持された記録材P上に、感光ドラム上に形成された各色のトナー像を順次に転写する方式、いわゆるタンデム方式の画像形成装置に対しても適用することができる。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、感光体上に形成されたトナー像を他部材に転写するに先立ち、転写効率を高めるべくポスト帯電器によってトナーの電荷量を調整することにより、感光体表面の表面電位が変化してしまった場合においても、転写位置における感光体表面の表面電位に応じて、制御手段が転写バイアスを制御するので、転写電流を好適なものとして、転写不良を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1に係る画像形成装置の概略構成を示す縦断面図である。
【図2】制御手段の電気的構成を示す図である。
【図3】ポスト帯電器の感光ドラム方向電流と、転写位置での感光ドラム表面電位との関係を示す図である。
【図4】ポスト帯電器の構成を説明する図である。
【図5】従来の画像形成装置の概略構成を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 感光体(電子写真感光体)
2 帯電手段(一次帯電器)
3 露光手段(露光装置)
5 現像手段(現像装置)
6 ポスト帯電手段(ポスト帯電器)
7 転写手段(接触転写部材、転写ローラ)
20 制御手段(制御基板)
30 転写バイアス印加電源
31 放電ワイヤ
32 シールド
P 記録材
T 転写位置
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタ,複写機,ファクシミリ等の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、データ通信用ネットワークによるデジタルデータ情報伝達及びその情報のハード出力機としての画像形成装置が盛んに提案されている。この種の画像形成装置としてはデジタルプリンタやデジタル複写機が知られている。
【0003】
ここで、図5を参照して、従来の画像形成装置の一例としデジタルプリンタの概略構成を説明する。
【0004】
同図に示す画像形成装置は、像担持体として感光ドラム1を備えている。感光ドラム1は、矢印R1方向に回転駆動され、帯電装置2によってその表面が所定の極性・電位に一様に帯電された後、露光装置3によって画像情報に応じた静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像装置5によってトナーが付着されてトナー像として現像される。
【0005】
こうして感光ドラム1上に形成されたトナー像は、転写装置7によって紙等の記録材P上に転写される。この記録材Pは、給紙カセット(不図示)内に収納されていたものが、給送ローラ、搬送ローラ(いずれも不図示)によってレジストローラ10に搬送され、感光ドラム1上のトナー像とタイミングを合わせるようにして、レジストローラ10によって感光ドラム1と転写装置7との間の転写位置Tに供給されたものである。
【0006】
トナー像転写後の記録材Pは、表面に残った残留トナーがクリーニング装置8によって除去され、さらに前露光ランプ9によって表面の電荷が除去された後、次の画像形成に供される。
【0007】
一方、トナー像転写後の記録材Pは、搬送ベルト12によって定着装置13に搬送され、ここで加熱・加圧されて表面トナー像が定着された後、画像形成装置本体外部に排出され、これで画像形成が終了する。
【0008】
上述の転写装置7としては、図5に示す転写ローラの外、転写ベルトなどの接触型の転写部材も提案されている。転写ベルトは、感光ドラム1表面に当接されて感光ドラム1との間に当接部(転写領域)を形成する。この転写領域には、トナー像とともに記録材Pが挿通されこのとき転写装置に転写バイアスを印加することにより、感光ドラム1上のトナー像が、記録材P上に転写される。
【0009】
上述の転写ローラや転写ベルト等の接触型の転写部材を使用した画像形成装置においては、良好な転写を行なうために、転写時に記録材Pの単位面積当たりに流れる転写電流を、記録材の抵抗,幅などにかかわらずある範囲内に入れて、適量の電荷を記録材Pに付与する必要がある。
【0010】
一般に、画像形成装置は複数種の記録材が使用可能に構成されている。このため、記録材の大きさによって感光ドラム又は転写部材(転写ローラ,転写ベルト)が記録材と接触する領域も異なってくる。このような場合、上述のような転写バイアスの印加に際して、定電流制御を行なうと、記録材のサイズが異なるために、転写装置が直接、感光ドラムに接触する領域が異なってくるので、記録材の種類によらず記録材部分のみにほぼ一定の電流を流すという所期の目的を達成することは困難であった。また、この問題は記録材のサイズに限らず記録材の厚さや材質にも起因するものである。
【0011】
上述のような場合、例えば給紙された記録材のサイズが小さく、転写部材と感光ドラムとの接触領域が大き過ぎると、定電流制御によって一定の電流を転写部材に流すように制御しても、記録材に付与される電荷量が不足することがあり、このため転写不良を起こしたり、記録材のトナー保持力が弱くなったりしてトナーの飛び散りなどの画像の乱れを生じる。これとは逆に、給紙された記録材のサイズが大きく、転写部材と感光ドラムとの接触領域が小さ過ぎると、定電流制御によって一定の電流を記録材に流すように制御しても、記録材に付与される電荷量が過大になることがあり、トナーが本来の帯電極性とは逆極性に帯電して画像が転写抜けを起こしてしまうことがある。
【0012】
このような定電流制御の欠点を回避するために、転写バイアスを定電圧制御する方法も考えられるが、転写ローラや転写ベルトに利用されるローラやベルトなどは、材質によって差異はあるが、その抵抗値が環境、特に湿度によって大きく変化し、さらに、記録材として最も多用されている紙もその抵抗の環境依存性が大であるので、記録材サイズ、材質、環境等にかかわらず安定した転写を行なうこともまた、困難であった。
【0013】
これらの欠点を解消するために、特に環境によって転写ローラ,転写ベルトなどの抵抗、記録材の抵抗が変化するのを同時に補正すべく、転写領域に記録材が存在するときには上述の定電流制御時にホールドした電圧の定数倍の電圧で定電圧制御するような手段が、例えば特開平2−264278号公報などに提案されている。
【0014】
また、現像については、現像方法として種々のものが知られている。例えば米国特許第2,874,063号明細書に記載されている磁気ブラシ現像方法、米国特許第221,776号明細書に記載されているパウダークラウド法、さらには、ファーブラシ現像法、液体現像法等の多数の方法がある。これらの現像方法において、特にトナー及びキャリヤを主体とする二成分現像剤を用いる磁気ブラシ現像法が広く実用化されているが、この方法は比較的安定して良好な画像が得られる反面、キャリヤの劣化、トナーとキャリヤとの混合比の変動という二成分現像剤に特有な欠点を有している。
【0015】
このような欠点を解消するために、トナーのみから成る一成分現像剤を用いる現像方法が各種提案されている。この現像方法によれば、キャリヤに対するトナーの混合比を制御する必要がなくなるために装置が簡略化されるという利点がある反面、キャリヤを用いないためにトナーに帯電電荷を与えることが難しいという欠点を有している。
【0016】
この欠点を補うために、例えば特開昭50−4539号公報には、トナー担持体との摩擦帯電により帯電電荷を付与する方法が、また特開昭54−2100号公報には、摩擦部材を設けてこれとの摩擦帯電により帯電電荷を付与する方法がそれぞれ記載されている。さらに、その摩擦部材に電圧を印加する方法、コロナ帯電等の帯電付与部材によりトナーを帯電させる方法等が工夫されている。また、現像後の感光ドラム上のトナー像をトナー電荷量制御帯電器(以下「ポスト帯電器」という。)によりトナー電荷量を転写効率が高くなるように調整する方法も知られている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ポスト帯電器を使用した場合、トナー電荷量は転写効率が高くなるように調整することができたとしても、このとき同時に感光ドラムの表面電位が変化してしまい、このことに起因してトナー像の良好な転写が行われないことがあった。
【0018】
そこで、本発明は、ポスト帯電手段(上述ではポスト帯電器)による感光体(上述では感光ドラム)の表面電位の変化に対応させて転写バイアスを制御することにより、転写電流の不足及び過多による画像不良を防止するようにした画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、移動可能な表面を有する感光体と、前記感光体表面を帯電する帯電手段と、帯電後の前記感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像に電荷を有するトナーを付着させてトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を転写位置にて他部材に転写させる転写手段と、を備えた画像形成装置において、トナー像転写時に前記転写手段に転写バイアスを印加する転写バイアス印加電源と、前記転写バイアス印加電源が前記転写手段に印加する転写バイアスを制御する制御手段と、転写前の前記感光体上のトナー像の電荷を調整するポスト帯電手段と、を備え、前記制御手段は、転写位置における前記感光体表面の表面電位に応じて、前記転写バイアス印加電源が前記転写手段に印加する転写バイアスを制御する、
ことを特徴とする。
【0020】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記制御手段は、帯電後の前記感光体表面が前記転写位置に到達したときの暗減衰と、前記ポスト帯電手段による感光体表面の電位の変化とから前記転写位置における前記感光体表面の表面電位を検出する、ことを特徴とする。
【0021】
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の画像形成装置において、前記制御手段は、前記ポスト帯電手段の作動時に、前記ポスト帯電手段から前記感光体に流れる電流に基づいて、前記ポスト帯電手段の作動による前記感光体表面の表面電位の変化を検出する、ことを特徴とする。
【0022】
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の画像形成装置において、前記ポスト帯電手段が、放電ワイヤとシールドとを有するコロナ放電器であり、前記制御手段は、前記コロナ放電器の作動時に前記放電ワイヤに流れる電流と前記シールドに流れる電流との差に基づいて、前記コロナ放電器の作動による前記感光体表面の表面電位の変化を検知する、ことを特徴とする。
【0023】
請求項5に係る発明は、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記転写手段が、前記感光体表面に接触可能な接触転写部材である、ことを特徴とする。
【0024】
請求項6に係る発明は、請求項5に記載の画像形成装置において、前記接触転写部材が、ローラ状の転写ローラである、ことを特徴とする。
【0025】
〔作用〕
上述のように、ポスト帯電手段を使用すると、感光体上のトナーの電荷量を適正化させて、他部材(例えば、紙等の記録材)へのトナーの転写効率を向上させることができる。しかし、このときポスト帯電手段を使用することで感光体の表面電位が変化してしまう。そこで、転写手段に印加する転写バイアスを転写位置における感光体の表面電位に応じて制御する。これにより、転写電流量の適正化を図る。すなわち、転写電流の不足により転写が完了しないという弊害と、転写電流の過剰により、画像欠陥が発生するといった弊害とを防止するのである。なお、転写電流量は転写手段に印加する電圧値と、転写位置での感光体表面電圧の電圧値の電位差及び、転写系のインピーダンスにより決定される。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、図面に沿って、本発明の実施の形態について説明する。なお、各図面において、同一の符号を付したものは、同様の構成又は作用を有するものであり、これらについての重複説明は適宜省略するものとする。
【0027】
<実施の形態1>
図1に、本発明に係る画像形成装置の一例として、実施の形態1に係る画像形成装置を示す。同図に示す画像形成装置は、電子写真方式の画像形成装置(例えば、プリンタや複写機)であり、同図はその概略構成を示す縦断面図である。
【0028】
同図に示す画像形成装置は、像担持体としてドラム型の電子写真感光体(感光体:以下「感光ドラム」という。)1を備えている。
【0029】
感光ドラム1の周囲には、その回転方向(矢印R1方向)に沿ってほぼ順に、感光ドラム1の表面を均一に帯電する一次帯電器(一次帯電手段)2、原稿を読み取って画像濃度に比例した画像信号に基づいてレーザ光によって感光ドラム1表面を露光することにより静電潜像を形成する露光装置(露光手段)3、感光ドラム1表面の電位を検知する電位センサ4、静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成する現像装置(現像手段)5、転写前のトナー像の電荷を整えるポスト帯電器(ポスト帯電手段)6、感光ドラム1上に形成されたトナー像を他部材としての記録材P(例えば、紙,透明フィルム)上に転写する転写ローラ(転写手段)7、トナー像転写後の感光ドラム1上の残留トナーを除去するクリーニング装置(クリーニング手段)8、感光ドラム1の残留電荷を除去する前露光ランプ(除電手段)9等が配置されている。
【0030】
また、記録材Pの搬送方向に沿っての上流側から順に、記録材Pを収納する給紙カセット、給紙カセット内から記録材Pを給紙する給紙ローラ、給紙された記録材Pを搬送する搬送ローラ(いずれも不図示)、搬送されてきた記録材Pを一旦停止させて斜行を矯正するとともにこの記録材Pを所定のタイミングで感光ドラム1と転写ローラ7との間の転写位置Tに供給するレジストローラ10、レジストローラ10からの記録材Pを転写位置Tに導くガイド部材11、トナー像転写後の記録材Pを搬送する搬送ベルト12、トナー像を記録材Pに定着させる定着装置13等が配設されている。
【0031】
上述の感光ドラム1は、円筒状の導電基体上に感光層(光導電層)を形成して構成されている。感光層としては、例えば、ポジ帯電が可能な半導体であるa−Si(アモルファスシリコン)によって構成することができる。感光ドラム1は、駆動手段(不図示)によって矢印R1方向に300mm/secのプロセススピード(周速度)で回転駆動される。
【0032】
一次帯電器2としては、本実施の形態では、スコロトロンタイプのコロナ放電器を使用している。感光ドラム1表面は、この一次帯電器2により、暗部電位Vdとして450Vに均一に帯電される。
【0033】
露光装置3としては、画像情報に応じてON/OFF制御されたレーザ光によって感光ドラム1表面を光走査するレーザスキャナが使用される。露光は、非印字部にレーザ露光を行うことで、感光ドラム1上に電位差を設ける、いわゆるバックグラウンド露光が採用されている。上述の一次帯電器2によって450Vに帯電された感光ドラム1表面は、レーザ光が照射された部分(露光部分)の電位、すなわち明部電位Vlが80Vとなる。
【0034】
上述の感光ドラム1表面は、その矢印R1方向の回転に伴う暗減衰によって帯電電位が低下する。例えば、感光ドラム1表面のうち、一次帯電器2によって450Vに帯電された部分は、ポスト帯電器6を作動させない場合には、暗減衰により、現像位置Dに到達したときには400V、転写位置Tに到達したときには350Vまで電位が低下する。
【0035】
現像装置5は、本実施の形態においては、ネガ帯電系の一成分現像剤(トナー)を使用している。現像容器5aに収納されたトナーは、現像スリーブ5b表面に担持されて現像スリーブ5bの回転により感光ドラム1表面に対向する現像位置Dまで搬送されて、感光ドラム1表面の静電潜像の電位が高い部分に付着されてトナー像を形成する。このトナーは、現像スリーブ5b表面に担持された状態で、単位重量当たりの電荷量(トリボ)が−10μC/gとなるように帯電されている。
【0036】
こうして感光ドラム1表面に形成されたトナー像は、ポスト帯電器6によって電荷が調整される。ポスト帯電器6は、コロトロンタイプのコロナ放電器によって構成されている。ポスト帯電器6に到達したトナー像は、ポスト帯電器6のコロナ電流によって再帯電される。このときの再帯電は、再帯電後に感光ドラム1の回転によってトナー像が転写位置Tに到達したときにトナーのトリボが−20μC/gとなるように行われる。なお、ポスト帯電器6については後に詳述する。
【0037】
上述のトナー像が転写位置Tに到達するタイミングに合わせるようにして、給紙カセット内の記録材Pが給送ローラ、搬送ローラ、レジストローラ10等により転写位置Tに供給され、さらに転写ローラ7に転写バイアスが印加されることにより、感光ドラム1上のトナー像が記録材P上に転写される。なお、転写ローラ7は、感光ドラム1表面に対して総圧3kgf(約29.4N)で下方から押圧されて感光ドラム1との間に転写領域となる転写ニップ部を形成している。このニップ部が感光ドラム1上のトナー像を記録材Pに転写する際の転写位置Tとなる。転写ローラ7については後に詳述する。
【0038】
トナー像転写後の感光ドラム1は、表面に残ったトナー(残留トナー)がクリーニング装置8のクリーニングブレード8aによって除去され、つづいて表面に残った電荷が前露光ランプ9によって除去されて、次の画像形成に供される。
【0039】
一方、トナー像転写後の記録材Pは、搬送ベルト12によって定着装置13に搬送され、ここで定着ローラ13aと加圧ローラ13bとの当接部において、加熱・加圧されて表面にトナー像が定着される。
【0040】
トナー像が定着された記録材Pは、画像形成装置本体外部に排出され、これにより1枚の記録材Pに対する画像形成が終了する。
【0041】
上記感光ドラム1の表面電位については、以下に示す電位制御機構によって一次帯電器2の汚れや環境差による放電効率の違いによらず一定に保たれる。
【0042】
図2は、感光ドラム1の表面電位を測定するための制御基板周辺の電気的構成の概略を説明する図である。同図において、制御基板(制御手段)20内には、制御プログラムの記述されたROM21と、プログラム上の必要データの一時記憶素子であるRAM22が処理の中心素子であるCPU23に接続されている。またインタフェイス素子であるI/O24と、データの変換素子であるA/D変換器25及びD/A変換器26が外部の周辺機器と接続され、制御基板20へ情報が入出力される。そして周辺機器として、電位センサ4が帯電及び露光後の感光ドラム1の表面電位を測定することが可能となっている。そして、感光ドラム1上に所望の暗部電位Vdや明部電位Vlを形成するために、一次帯電器2の印加電圧と、露光装置3の半導体レーザ27の印加出力値とを制御することが可能となっている。また、現像バイアス印加電源28が現像装置5に印加する現像バイアス(現像電位)を制御して濃度の安定性及びカブリ画像の防止を図っている。さらに、制御基板20には、ポスト帯電器6が接続されている。
【0043】
ポスト帯電器6によって感光ドラム方向にコロナ電流が照討されるとコロナ電流によって被照討対象の電荷量が減ることから、感光ドラム1上のトナーのトリボがマイナス方向に上昇するとともに、感光ドラム1の表面電位が高い場合には負極の電荷により感光ドラム1の表面電位が低下する。このような効果については図3に示す。感光ドラム1の表面電位は、ポスト帯電器6の感光ドラム方向差電流と相関があり、感光ドラム方向電流が負極側に多ければ、感光ドラム1の表面電位はより一層低下する。
【0044】
図4にポスト帯電器6の構成を示す。ポスト帯電器6は、放電ワイヤ31と、その周囲の3方囲むSUS(ステンレス)製のシールド32が形成されている。放電ワイヤ31は、直径100μmのタングステンの表面を酸化処理したものである。また、シールド32は、SUS(ステンレス)板金を屈曲させて長手方向に直交する方向の断面がコ字形となるように形成したものである。シールド32は、感光ドラム1に対向する部分に開口部32aを有している。さらには、放電ワイヤ31の汚れによる画像欠陥を解消するために、スポンジを基台としてその上に研磨紙を配置している研磨パッド(不図示)で放電ワイヤ31を挟み込み、1000枚分の画像形成毎にこの研磨パッドを移動させて放電ワイヤ31を清掃するようにしている。
【0045】
本実施の形態では、放電ワイヤ31に対して印加しているバイアスは、−500VのDC成分に、AC成分を重畳させている。このAC成分は、ピーク間電圧(ピークツーピーク)VPPで8.3kVの電圧を有するAC矩形波を1kHzで重畳するものである。このようなDC成分にAC成分を重畳させたバイアスを放電ワイヤ31に印加することにより、ワイヤ差電流として−400μAを印加できる設定となっている。
【0046】
本実施の形態においては、ポスト帯電器6の、感光ドラム方向電流量の差電流を管理すべく、図4に示すように、放電ワイヤ31に印加する電流を検知する電流検知手段33を設けている。この電流検知手段33は、正極と負極の電流をダイオード34,35を用いることで分岐し、それぞれの電流を電流計36,37で検知することで最終的に、差電流を求めることができるものである。
【0047】
さらに、シールド32へ流れ込む電流量を、上述の電流検知手段33と同様の構成の別の電流検知手段38によって検知する。そして、放電ワイヤ31に印加される差電流からシールド32へ流れ込む差電流を引くことで、感光ドラム方向電流が検知できる構成としている。感光ドラム方向差電流についてはポスト帯電器6の形状及び放電ワイヤ31に印加されるバイアスによってある程度決定されるが、耐久によってシールド32の表面にオゾン被爆によるオゾン生成物の膜が形成されることで増加する可能性がある。シールド32へのコロナ電流の流れ込みが阻害されるからである。したがって、ポスト帯電器6へ印加するバイアスの制御としては、目標とする感光ドラム方向差電流が確保できると予想されるバイアス設定にはするが、実際の感光ドラム方向差電流は、図4に示す電流検知手段33,38により検出しなければ正確な値を検出するのは難しい。
【0048】
上述のポスト帯電器6の感光ドラム方向差電流が−60μAあれば、感光ドラム1上のトナーのトリボをN/N環境下(温度23℃、相対湿度60%の常温常湿環境下)において−10μC/gから−20μC/gに上昇させることができ、転写位置Tにおけるトナーの転写効率を向上させることができるとともに、転写時のトナーの飛び散りをも防止できる。さらに、H/H環境下(温度30℃、相対湿度80%の高温高湿環境下)においては、現像装置5の現像スリーブ5a上でトナーに対して十分なトリボを付与することができないので、ポスト帯電器6によってトナーのトリボを上昇させることが転写性を確保する上で重要となる。
【0049】
なお、本実施の形態で使用した現像装置5において一成分トナーのトリボはH/H環境下で−5μC/gまで低下する場合があり、この場合においてポスト帯電器6の感光ドラム方向差電流が−90μAまで確保できればH/H環境下でもトナーのトリボを−18〜−20μC/gまで上昇させることができた。H/H環境下で転写性を重視した設定を選択した場合にはポスト帯電器6の感光ドラム方向差電流を−90μA確保できる設定とする。一方、H/H環境下では特にコロナ帯電器を用いた場合に過剰なオゾン生成物が感光ドラム1に付着することで「画像流れ」という画像不良が発生することもあるので、この画像流れを回避すべく感光ドラム方向差電流を低く抑えて転写性を多少犠牲にする設定とする場合がある。
【0050】
感光ドラム1上のトナー像を記録材Pに転写するのに必要な電流量(必要転写電流量)は主としてトナーの単位重量当たりの電荷量と単位面積当たりのトナー重量、及び感光ドラム1のプロセススピード(周速度)によって決定される。トナーを電荷とみたてて、その電荷の移動に必要な電流が必要転写電流量となる。ただし、必ずしも感光ドラム1と転写ローラ7との間の転写ニップ部の全領域が画像領域であるとは限らないので、画像領域外を回り込む電流量もこれに付加するものである。
【0051】
さらに、電流の振れを予定してある程度余裕をもって設定する。本実施の形態において使用する画像形成装置は、先に説明したとおりプロセススピードは300mm/sec、トナーの単位体積当たりのトリボは−20μC/mgであり、転写ニップ部の、感光ドラム軸方向に長さは330mmであるので、必要転写電流量は25μAで設定している。この転写電流量は、上述のポスト帯電器6によってトリボが調整されたトナーが、感光ドラム1の回転によって転写位置Tに到達したときのトリボに合わせている。
【0052】
上述の転写ローラ7は、直径12mmのSUS(ステンレス)製の芯金7aの外周面を、ASKA−C硬度30゜で外径28mmのエピクロロヒドリンスポンジの弾性層7bで円筒状に覆って構成されている。転写ローラ7表面に仮想の金属ドラムを当接させて周速300mm/secで回転させ、かつこの金属ドラムと転写ローラ7表面との間に25μAの電圧が流れるようにしたところ、転写ローラ7に印加された電圧はN/N環境下では2000Vであった。また、H/H環境下では500Vであった。この転写ローラ7はイオン導電系のローラであり、温度・湿度依存性があり、H/H環境下においては抵抗値が下がる傾向を有するからである。
【0053】
転写ローラ7は、転写バイアス印加電源30が接続されており、この転写バイアス印加電源30が転写ローラ7に印加する転写バイアスは、制御基板20によって制御されるようになっている。転写ローラ7に印加する転写バイアスの制御としては、定電圧制御を採用する。このときの印加電圧値はまずATVC(後述)により決定する。そして、後述するように、ポスト帯電器6の感光ドラム方向差電流を検知して補正をかける。
【0054】
ATVCについて詳説する。転写ローラ7は、イオン導電系のスポンジローラで体積抵抗を適宜に調整したものが使用されているが、この種の物質は周知のように、環境によってその抵抗値が数桁にわたって変化する。このため、環境にかかわらず常時、安定した転写電流を確保することが困難であり、この印加バイアスを安定化させる手段がATVC(Active Transfer Voltage Control)である。
【0055】
このATVCは、転写位置Tに記録材Pが存在しない非通紙時においては定電流制御を行い、このときの電圧をホールドして、通紙時にはこの電圧で定電圧制御を行うようにした制御方式である。
【0056】
転写ローラ7に一定電流を流し発生電圧をモニタし、その電圧を、等倍、係数倍、一定電圧を加える等すること、その他これらの組合せを行って印加バイアスを制御するもので、環境差による抵抗値変動があっても必要な転写電流を確保できる手法である。例えば必要転写電流値が25μAであった場合には、定電流制御により25μAを印加して、そのときに転写ローラ7にかかる電圧値を読み取り、さらに、記録材Pが転写位置Tに侵入したときに必要となる電圧を付加した電圧を転写電圧として設定する手法である。
【0057】
以下では、ポスト帯電器6の必要性が高い環境であるH/H環境下を例に、本実施の形態の動作を説明する。
【0058】
上述の転写ローラ7を、図1に示すように、画像形成装置に組み込む。転写電流として25μAを印加するためには感光ドラム1の表面電位が0Vであっても、転写位置TにA4サイズの記録材(厚み:64g/m2)が横送りで通過している際に転写ローラ7の芯金7aに対して900Vの電圧を印加する必要がある。転写ローラ7の抵抗に加えて、感光ドラム1の抵抗及び記録材自体に抵抗があるからである。
【0059】
ここで、転写電流については、感光ドラム1の表面電位と転写ローラ7に印加する電位との電位差によるものであるから、転写電流量として25μA確保するためには、例えば感光ドラム表面電位が350Vあれば転写ローラ7に印加すべきは1250Vとなる。ここで、トナーが感光ドラム1上に坦持されている部分、特にベタ黒領域での電位は前述のように350Vでありこの領域で必要転写電流25μAを設定すべきである。そして、この感光ドラム1の表面電位350Vは前述したように、ポスト帯電器6の感光ドラム方向差電流に応じて減少するものであることから、図3に示すグラフに従って、転写ローラ7に対向する(転写位置Tでの感光ドラム表面電位を見積り、転写ローラ7に印加する電圧を補正する。
【0060】
具体的にはH/H環境下で感光ドラム1上に現像されたトナーのトリボが−7μC/gであった場合に、このトナーのトリボ値を−15μC/gまで増加すべくポスト帯電器6の放電ワイヤ31に印加する差電流量を−240μAに設定したが、シールド32の表面が耐久により汚染された結果、シールド32への流れ込み電流量が−168μAと少なくなっており、感光ドラム方向差電流は(−240)−(−168)=−72μAとなったので、ポスト帯電器6のコロナ照討を受けた感光ドラム1の表面電位は350Vから20Vまで低下していると認識できる。なお、感光ドラム1上のトナーのトリボは−19μC/gまで向上したことが検知できるので、転写ローラ7に印加する電圧値は900V+20V=920Vに設定した。この結果、転写電流は記録材Pの通過時にほぼ25μA確保することができた。
【0061】
なお、本発明で行った上述の転写電圧補正を行わない場合、すなわちポスト帯電器6による感光ドラム方向差電流検知による転写電圧の補正を行わない場合には、感光ドラム1の表面電位は350Vを想定しなくてはならないので、転写電圧は900V+350V=1250Vに設定され、結果として転写電流は記録材Pの通過時にほぼ35μA流れることとなり、過剰な転写電流による画像不良が発生することとなる。
【0062】
以上の説明では、感光ドラム1から他部材としての記録材Pにトナー像を転写する例を説明したが、本発明はこれに限らず、感光ドラム1上に形成したトナー像を一旦、他部材としての中間転写ベルトや中間転写ドラム等の中間転写体に転写し、その後、中間転写体上から記録材Pに転写する方式の画像形成装置にも適用することができる。また、それぞれ異なる色のトナー像を形成する複数の感光ドラムを有し、搬送ベルト上に担持された記録材P上に、感光ドラム上に形成された各色のトナー像を順次に転写する方式、いわゆるタンデム方式の画像形成装置に対しても適用することができる。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、感光体上に形成されたトナー像を他部材に転写するに先立ち、転写効率を高めるべくポスト帯電器によってトナーの電荷量を調整することにより、感光体表面の表面電位が変化してしまった場合においても、転写位置における感光体表面の表面電位に応じて、制御手段が転写バイアスを制御するので、転写電流を好適なものとして、転写不良を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1に係る画像形成装置の概略構成を示す縦断面図である。
【図2】制御手段の電気的構成を示す図である。
【図3】ポスト帯電器の感光ドラム方向電流と、転写位置での感光ドラム表面電位との関係を示す図である。
【図4】ポスト帯電器の構成を説明する図である。
【図5】従来の画像形成装置の概略構成を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 感光体(電子写真感光体)
2 帯電手段(一次帯電器)
3 露光手段(露光装置)
5 現像手段(現像装置)
6 ポスト帯電手段(ポスト帯電器)
7 転写手段(接触転写部材、転写ローラ)
20 制御手段(制御基板)
30 転写バイアス印加電源
31 放電ワイヤ
32 シールド
P 記録材
T 転写位置
Claims (6)
- 移動可能な表面を有する感光体と、前記感光体表面を帯電する帯電手段と、帯電後の前記感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像に電荷を有するトナーを付着させてトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を転写位置にて他部材に転写させる転写手段と、を備えた画像形成装置において、
トナー像転写時に前記転写手段に転写バイアスを印加する転写バイアス印加電源と、
前記転写バイアス印加電源が前記転写手段に印加する転写バイアスを制御する制御手段と、
転写前の前記感光体上のトナー像の電荷を調整するポスト帯電手段と、を備え、
前記制御手段は、転写位置における前記感光体表面の表面電位に応じて、前記転写バイアス印加電源が前記転写手段に印加する転写バイアスを制御する、
ことを特徴とする画像形成装置。 - 前記制御手段は、帯電後の前記感光体表面が前記転写位置に到達したときの暗減衰と、前記ポスト帯電手段による感光体表面の電位の変化とから前記転写位置における前記感光体表面の表面電位を検出する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記制御手段は、前記ポスト帯電手段の作動時に、前記ポスト帯電手段から前記感光体に流れる電流に基づいて、前記ポスト帯電手段の作動による前記感光体表面の表面電位の変化を検出する、
ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。 - 前記ポスト帯電手段が、放電ワイヤとシールドとを有するコロナ放電器であり、前記制御手段は、前記コロナ放電器の作動時に前記放電ワイヤに流れる電流と前記シールドに流れる電流との差に基づいて、前記コロナ放電器の作動による前記感光体表面の表面電位の変化を検知する、
ことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。 - 前記転写手段が、前記感光体表面に接触可能な接触転写部材である、
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記接触転写部材が、ローラ状の転写ローラである、
ことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
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