JP2004069734A - プラズマディスプレイの駆動方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】プラズマディスプレイの黒表示時、あるいは低階調を表示するときの映像品位を向上させることを目的とする。
【解決手段】走査電極2と維持電極3が互いに平行に配置された基板1と、前記走査電極2及び維持電極3と直交するように赤、緑、青の放電セルに対応させてデータ電極10を配置した基板8とを備えたプラズマディスプレイパネルに、初期化期間、書き込み期間、維持期間を設けて表示駆動するプラズマディスプレイの駆動方法であって、初期化期間において、赤、緑、青の放電セルに対応するデータ電極10のうち、一種類以上のデータ電極10に他と異なる正の電圧を印加するものである。
【選択図】 図1
【解決手段】走査電極2と維持電極3が互いに平行に配置された基板1と、前記走査電極2及び維持電極3と直交するように赤、緑、青の放電セルに対応させてデータ電極10を配置した基板8とを備えたプラズマディスプレイパネルに、初期化期間、書き込み期間、維持期間を設けて表示駆動するプラズマディスプレイの駆動方法であって、初期化期間において、赤、緑、青の放電セルに対応するデータ電極10のうち、一種類以上のデータ電極10に他と異なる正の電圧を印加するものである。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、大画面で、薄型、軽量のディスプレイ装置として知られているプラズマディスプレイの駆動方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、プラズマディスプレイパネル(PDP)を用いたディスプレイは、視認性に優れた表示パネル(薄型表示デバイス)として注目されており、高精細化及び大画面化が進められている。
【0003】
このPDPには、大別して、駆動的にはAC型とDC型があり、放電形式では面放電型と対向放電型の2種類があるが、高精細化、大画面化及び製造の簡便性から、現状では、AC型で面放電型のPDPが主流を占めるようになってきている。
【0004】
図4にPDPにおけるパネル構造の一例を示している。図4に示すように、ガラス基板などの透明な第1基板である前面側の基板1上には、第1電極である走査電極2と第2電極である維持電極3とで対をなすストライプ状の表示電極4が複数対形成され、そして基板1上の隣り合う表示電極4間には遮光層5が配置形成されている。この走査電極2及び維持電極3は、それぞれ透明電極2a、3a及びこの透明電極2a、3aに電気的に接続された銀等のバス電極2b、3bとから構成されている。また、前記前面側の基板1には、前記複数対の電極群を覆うように誘電体層6が形成され、その誘電体層6上には保護膜7が形成されている。
【0005】
また、前記前面側の基板1に対向配置される第2基板である背面側の基板8上には、走査電極2及び維持電極3の表示電極4と直交する方向に、絶縁体層9で覆われた複数のストライプ状のデータ電極10が形成されている。このデータ電極10間の絶縁体層9上には、データ電極10と平行にストライプ状の複数の隔壁11が配置され、この隔壁11間の側面11a及び絶縁体層9の表面に蛍光体層12が設けられている。
【0006】
これらの基板1と基板8とは、走査電極2及び維持電極3とデータ電極10とが直交するように、微小な放電空間を挟んで対向配置されるとともに、周囲が封止され、そして前記放電空間には、ヘリウム、ネオン、アルゴン、キセノンのうちの一種または混合ガスが放電ガスとして封入されている。また、放電空間は、隔壁11によって複数の区画に仕切ることにより、表示電極4とデータ電極10との交点が位置する複数の放電セル13が設けられ、その各放電セル13には、赤色、緑色及び青色となるように蛍光体層12が一色ずつ順次配置されている。
【0007】
次に、このパネルの電極配列図を図5に示す。図5に示すように、このパネルの電極配列はm×nのマトリックス構成であり、列方向にはm列のデータ電極D1〜Dmが配列されており、行方向にはn行の走査電極SCN1〜SCNn及び維持電極SUS1〜SUSnが配列されている。また、図4に示した放電セル13は図5に示すように構成されている。
【0008】
このパネルを駆動するための従来の駆動方法の動作駆動タイミング図を図6に示す。この駆動方法は256階調の階調表示を行うためのものであり、1フィールド期間を8個のサブフィールドで構成している。以下、従来のパネルの駆動方法について、説明する。
【0009】
図6に示すように、第1ないし第8のサブフィールドはそれぞれ初期化期間、書き込み期間、維持期間及び消去期間から構成されている。まず、第1のサブフィールドにおける動作について説明する。
【0010】
図6に示すように、初期化期間の前半の初期化動作において、全てのデータ電極D1〜Dm及び全ての維持電極SUS1〜SUSnを0(V)に保持し、全ての走査電極SCN1〜SCNnには、全ての維持電極SUS1〜SUSnに対して放電開始電圧以下となる電圧Vp(V)から、放電開始電圧を越える電圧Vr(V)に向かって緩やかに上昇するランプ電圧を印加する。このランプ電圧が上昇する間に、全ての放電セル13において、全ての走査電極SCN1〜SCNnから全てのデータ電極D1〜Dm及び全ての維持電極SUS1〜SUSnにそれぞれ一回目の微弱な初期化放電が起こり、走査電極SCN1〜SCNn上の保護膜7の表面に負の壁電圧が蓄積されるとともに、データ電極D1〜Dm上の絶縁体層9の表面及び維持電極SUS1〜SUSn上の保護膜7の表面には正の壁電圧が蓄積される。
【0011】
さらに、初期化期間の後半の初期化動作において、全ての維持電極SUS1〜SUSnを正電圧Vh(V)に保ち、全ての走査電極SCN1〜SCNnには、全ての維持電極SUS1〜SUSnに対して放電開始電圧以下となる電圧Vq(V)から放電開始電圧を越える0(V)に向かって緩やかに下降するランプ電圧を印加する。このランプ電圧が下降する間に、再び全ての放電セル13において、全ての維持電極SUS1〜SUSnから全ての走査電極SCN1〜SCNnにそれぞれ二回目の微弱な初期化放電が起こり、走査電極SCN1〜SCNn上の保護膜7表面の負の壁電圧及び維持電極SUS1〜SUSn上の保護膜7表面の正の壁電圧が弱められる。一方、データ電極D1〜Dm上の絶縁体層9の表面の正の壁電圧はそのまま保たれる。以上により初期化期間の初期化動作が終了する。
【0012】
次の書き込み期間の書き込み動作において、全ての走査電極SCN1〜SCNnをVs(V)に保持し、データ電極D1〜Dmのうち、第一行目に表示すべき放電セル13に対応する所定のデータ電極に正の書き込みパルス電圧Vw(V)を、第一行目の走査電極SCN1に走査パルス電圧0(V)をそれぞれ印加する。このとき、所定のデータ電極と走査電極SCN1との交差部における絶縁体層9の表面と走査電極SCN1上の保護膜7の表面との間の電圧は、書き込みパルス電圧Vw(V)にデータ電極D1〜Dm上の絶縁体層9の表面の正の壁電圧が加算されたものとなるため、この交差部において、所定のデータ電極と走査電極SCN1との間及び維持電極SUS1と走査電極SCN1との間に書き込み放電が起こり、この交差部の走査電極SCN1上の保護膜7表面に正電圧が蓄積され、維持電極SUS1上の保護膜7表面に負電圧が蓄積され、書き込み放電が起こったデータ電極上の絶縁体層9の表面に負電圧が蓄積される。
【0013】
次に、データ電極D1〜Dmのうち、第二行目に表示すべき放電セル13に対応する所定のデータ電極に正の書き込みパルス電圧Vw(V)を、第二行目の走査電極SCN2に走査パルス電圧0(V)をそれぞれ印加する。このとき、所定のデータ電極と走査電極SCN2との交差部における絶縁体層9の表面と走査電極SCN2上の保護膜7の表面との間の電圧は、書き込みパルス電圧Vw(V)に所定のデータ電極上の絶縁体層9の表面の正の壁電圧が加算されたものとなるため、この交差部において、所定のデータ電極と走査電極SCN2との間及び維持電極SUS2と走査電極SCN2との間に書き込み放電が起こり、この交差部の走査電極SCN2上の保護膜7表面に正電圧が蓄積され、維持電極SUS2上の保護膜7表面に負電圧が蓄積される。
【0014】
同様な動作が引き続いて行われ、最後に、データ電極D1〜Dmのうち、第n行目に表示すべき放電セル13に対応する所定のデータ電極に正の書き込みパルス電圧Vw(V)を、第n行目の走査電極SCNnに走査パルス電圧0(V)をそれぞれ印加する。このとき、所定のデータ電極と走査電極SCNnとの交差部において、所定のデータ電極と走査電極SCNnとの間及び維持電極SUSnと走査電極SCNnとの間に書き込み放電が起こり、この交差部の走査電極SCNn上の保護膜7表面に正電圧が蓄積され、維持電極SUSn上の保護膜7表面に負電圧が蓄積され、書き込み放電が起こったデータ電極上の絶縁体層9の表面に負電圧が蓄積される。以上により書き込み期間における書き込み動作が終了する。
【0015】
続く維持期間において、先ず、全ての走査電極SCN1〜SCNn及び維持電極SUS1〜SUSnを0(V)に一旦戻した後、全ての走査電極群SCN1〜SCNnに正の維持パルス電圧Vm(V)を印加すると、書き込み放電を起こした放電セル13における走査電極SCN1〜SCNn上の保護膜7と維持電極SUS1〜SUSn上の保護膜7との間の電圧は、維持パルス電圧+Vm(V)に、書き込み期間において蓄積された走査電極SCN1〜SCNn上の保護膜7表面の正電圧及び維持電極SUS1〜SUSn上の保護膜7表面の負電圧が加算されたものとなる。このため、書き込み放電を起こした放電セルにおいて、走査電極SCN1〜SCNnと維持電極SUS1〜SUSnとの間に維持放電が起こり、この維持放電を起こした放電セルにおける走査電極SCN1〜SCNn上の保護膜7表面に負電圧が蓄積され、維持電極SUS1〜SUSn上の保護膜7表面に正電圧が蓄積される。その後、維持パルス電圧は0(V)に戻る。
【0016】
続いて、全ての維持電極SUS1〜SUSnに正の維持パルス電圧Vm(V)を印加すると、維持放電を起こした放電セル13における維持電極SUS1〜SUSn上の保護膜7と走査電極SCN1〜SCNn上の保護膜7との間の電圧は、維持パルス電圧Vm(V)に、直前の維持放電によって蓄積された走査電極SCN1〜SCNn上の保護膜7表面の負電圧及び維持電極SUS1〜SUSn上の保護膜7表面の正電圧が加算されたものとなる。このため、この維持放電を起こした放電セルにおいて、維持電極SUS1〜SUSnと走査電極SCN1〜SCNnとの間に維持放電が起こることにより、その放電セルにおける維持電極SUS1〜SUSn上の保護膜7表面に負電圧が蓄積され、走査電極SCN1〜SCNn上の保護膜7表面に正電圧が蓄積される。その後、前記維持パルス電圧は0(V)に戻る。
【0017】
以降同様に、全ての走査電極SCN1〜SCNnと全ての維持電極SUS1〜SUSnとに正の維持パルス電圧Vm(V)を交互に印加することにより、維持放電が継続して行われ、維持期間の最終において、全ての走査電極SCN1〜SCNnに正の維持パルス電圧Vm(V)を印加すると、維持放電を起こした放電セル13における走査電極SCN1〜SCNn上の保護膜7と維持電極SUS1〜SUSn上の保護膜7との間の電圧は、維持パルス電圧Vm(V)に、直前の維持放電によって蓄積された走査電極SCN1〜SCNn上の保護膜7表面の正電圧と維持電極SUS1〜SUSn上の保護膜7表面の負電圧が加算されたものとなる。このため、この維持放電を起こした放電セルにおいて、走査電極SCN1〜SCNnと維持電極SUS1〜SUSnとの間に維持放電が起こることにより、その放電セルにおける走査電極SCN1〜SCNn上の保護膜7表面に負電圧が蓄積され、維持電極SUS1〜SUSn上の保護膜7表面に正電圧が蓄積される。その後、維持パルス電圧は0(V)に戻る。以上により維持期間の維持動作が終了する。この維持放電により発生する紫外線で励起された蛍光体層12からの可視発光を表示に用いている。
【0018】
続く消去期間において、全ての維持電極SUS1〜SUSnに0(V)から+Ve(V)に向かって緩やかに上昇するランプ電圧を印加すると、維持放電を起こした放電セル13において、走査電極SCN1〜SCNn上の保護膜7と維持電極SUS1〜SUSn上の保護膜7との間の電圧は、維持期間の最終時点における、走査電極SCN1〜SCNn上の保護膜7表面の負電圧及び維持電極SUS1〜SUSn上の保護膜7表面の正電圧がこのランプ電圧に加算されたものとなる。このため、維持放電を起こした放電セルにおいて、維持電極SUS1〜SUSnと走査電極SCN1〜SCNnとの間に微弱な消去放電が起こり、走査電極SCN1〜SCNn上の保護膜7表面の負電圧と維持電極SUS1〜SUSn上の保護膜7表面の正電圧が弱められて維持放電は停止する。以上により消去期間における消去動作が終了する。
【0019】
ただし、以上の動作において、表示が行われない放電セルに関しては、初期化期間に初期化放電は起こるが、書き込み放電、維持放電及び消去放電は行われず、表示が行われない放電セルの走査電極SCN1〜SCNnと維持電極SUS1〜SUSnの保護膜7の表面の壁電圧、及びデータ電極D1〜Dm上の絶縁体層9の表面の壁電圧は、初期化期間の終了時の状態のまま保たれる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このようなパネル構造、駆動方法を用いた場合、第2基板上の赤、緑、青の蛍光体層の影響により、データ電極をカソードとし、走査電極をアノードとした放電の開始電圧に差が発生する。一般的には、緑の蛍光体層のある放電セルの放電開始電圧が最も高く、ついで、赤、青の順である。そのために、赤と青の放電セル内部の放電量が緑に比べて多いため、初期化期間中の微弱放電による発光色が紫色になる。黒表示時には初期化期間の微弱放電の色が、そのまま表示されるために、「黒表示なのに紫色」となってしまうという課題がある。
【0021】
先の従来例の初期化の場合に、データ電極と走査電極間の放電と走査電極と維持電極間の放電がほぼ同時に発生する。走査電極と維持電極の放電には、蛍光体層の影響が少ないので全色同等の放電、同等の発光が行われ、全体の色としての「紫色」は軽減されている。
【0022】
しかし近年、黒表示のときの輝度を低下させるために初期化期間の発光を抑える取り組みがなされており、その方式のひとつとして1フィールド中の少なくともひとつのサブフィールドの初期化期間は、走査電極と維持電極間での微弱な放電を積極的に行わず、データ電極と走査電極間の微弱放電のみを行う駆動方法がある。この駆動方式の場合には、先の「黒表示のときに紫色」という課題が顕著になってくる。
【0023】
本発明はこのような課題を解決し、プラズマディスプレイの黒表示時、あるいは低階調を表示するときの映像品位を向上させることを目的とするものである。
【0024】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、プラズマディスプレイパネルに、初期化期間、書き込み期間、維持期間を設けて表示駆動するプラズマディスプレイの駆動方法であって、初期化期間において、赤、緑、青の放電セルに対応する第3電極のうち、一種類以上の第3電極に他と異なる正の電圧を印加するものである。
【0025】
【発明の実施の形態】
すなわち、本発明の請求項1に記載の発明は、第1電極と第2電極が互いに平行に配置された第1基板と、前記第1電極及び第2電極と直交するように赤、緑、青の放電セルに対応させて第3電極を配置した第2基板とを備え、前記第1基板と第2基板とを対向配置して構成したプラズマディスプレイパネルに、初期化期間、書き込み期間、維持期間を設けて表示駆動するプラズマディスプレイの駆動方法であって、初期化期間において、赤、緑、青の放電セルに対応する第3電極のうち、一種類以上の第3電極に他と異なる正の電圧を印加することを特徴とする。
【0026】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1において、第1電極及び第2電極のうち、初期化期間に初期化電圧が印加される側の電極と第3電極間の放電開始電圧によって、初期化期間の第3電極の電位を決めることを特徴とし、請求項3に記載の発明は、請求項2において、放電開始電圧が低い第3電極に高い電圧を印加することを特徴とする。
【0027】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1において、初期化期間において、第3電極に印加する正の電圧の印加期間が、赤、緑、青の放電セルに対応する第3電極のうちの一種類以上において異なることを特徴とし、請求項5に記載の発明は、請求項4において、第1電極及び第2電極のうち、初期化期間に初期化電圧が印加される側の電極と第3電極間の放電開始電圧によって、初期化期間の第3電極に印加する正の電圧の印加期間を決めることを特徴とする。
【0028】
さらに、請求項6に記載の発明は、請求項1において、第3電極に印加する電圧が、緩やかに上昇する部分を含むことを特徴とし、請求項7に記載の発明は、請求項1において、第3電極に印加する電圧が、ランプ状に変化する部分を含むことを特徴とし、請求項8に記載の発明は、請求項1において、第3電極に印加する電圧が、指数関数的に変化する部分を含むことを特徴とする。
【0029】
以下、本発明の一実施の形態によるプラズマディスプレイの駆動方法について、図1〜図3を用いて説明する。
【0030】
(実施の形態1)
図1に本発明の実施の形態1によるプラズマディスプレイの駆動方法において、初期化期間のパネル駆動波形を示している。なお、パネル構造及び初期化期間のデータ電極と走査電極との放電を除く駆動方法は、従来の技術で説明した内容と同じである。
【0031】
図1に示すように、初期化期間の前半の初期化動作において、維持電極SUS1〜SUSnを0(V)に保持する。全ての走査電極SCN1〜SCNnには、全ての維持電極SUS1〜SUSnに対して放電開始電圧以下となる電圧Vp(V)から、放電開始電圧を越える電圧Vr(V)に向かって緩やかに上昇するランプ電圧を印加する。このとき赤の蛍光体層の放電セルの書き込み動作を制御するデータ電極D1、D4、…、Dm−2にはVwR(V)、緑の蛍光体層の放電セルの書き込み動作を制御するデータ電極D2、D5、…、Dm−1にはVwG(V)、このとき青の蛍光体層の放電セルの書き込み動作を制御するデータ電極D3、D6、…、DmにはVwB(V)を同じタイミングで印加する。データ電極をカソード、走査電極をアノードとして放電させるときには、蛍光体の帯電特性などの影響を大きく受ける。図1中の駆動波形は、放電開始電圧が青の放電セル<赤の放電セル<緑の放電セルであるPDPを駆動している。
【0032】
ここで、放電開始電圧が、赤の放電セルがVr−180(V)、緑の放電セルがVr−140(V)、青の放電セルがVr−200(V)であったとする。微弱な初期化放電の時、放電セル内部には外部からの印加電圧(=走査電極印加電圧―データ電極印加電圧)と放電開始電圧の差分の壁電荷が発生し、壁電圧を形成する。
【0033】
赤の放電セル、緑の放電セル、青の放電セルのデータ電極の印加電圧が、VwR(V)=VwG(V)=VwB(V)=0(V)とすると、壁電圧はそれぞれ180(V)、140(V)、200(V)となる、この壁電圧を発生するときの壁電荷の移動量(=放電量)の差が発光の差となって現れる。
【0034】
よって、図1に示すように、データ電極D1〜Dmにはそれぞれの放電セルの色に対応したVwR(V)、VwG(V)、VwB(V)を印加する。緑の放電セルが、最も放電開始電圧が高いので、VwG(V)140−140=0(V)とし、VwR(V)=180−140=40(V)、VwB(V)=200−140=60(V)とする。
【0035】
まず、全ての走査電極SCN1〜SCNnに印加するランプ電圧が上昇していくと、全ての放電セル13において、第一に、全ての走査電極SCN1〜SCNnと青の放電セルを駆動するデータ電極D3、D6、…Dmの間で微弱な初期化放電が始まり、ついで、走査電極SCN1〜SCNnと赤の放電セルを駆動するデータ電極D1、D4、…Dm−2の間で放電が始まり、最後に走査電極SCN1〜SCNnと緑の放電セルを駆動するデータ電極D2、D5、…Dm−1の間で微弱な初期化放電が始まる。走査電極SCN1〜SCNn上の保護膜7の表面に負の壁電圧が蓄積されるとともに、データ電極D1〜Dm上の絶縁体層9の表面に正の壁電圧が蓄積されていく。
【0036】
次に、走査電極SCN1〜SCNnへの印加電圧が上昇中にデータ電極D1、D4、…、Dm−2にはVwR(V)=40(V)、データ電極D3、D6、…、DmにはVwB(V)=60(V)を同じタイミングで印加する。すると赤の放電セルのデータ電極D1、D4、…、Dm−2、青の放電セルのデータ電極D3、D6、…、Dmと走査電極SCN1〜SCNn間が放電開始電圧以下となり、青の放電セルと赤の放電セル内の微弱放電がとまる。さらに、走査電極SCN1〜SCNnにランプ電圧を上昇させ続けると放電開始以上となり、再び微弱放電が始まる。その結果、赤の放電セル、緑の放電セル、青の放電セル内部では、等しく壁電荷140(V)を形成する。
【0037】
なお、赤の放電セル内の壁電圧が140(V)蓄積した後や、青の放電セル内に壁電圧140(V)がすでに蓄積した後に、VwR(V)、VwB(V)を印加した場合には微弱放電は再開しない。
【0038】
緑の放電セルは走査電極SCN1〜SCNnがVr(V)に達するまで中断することなく微弱放電を続け、140Vの壁電荷が蓄積される。
【0039】
なお、初期化期間の後半の初期化動作は、従来と同じであり、説明を省略する。
【0040】
以上のように初期化期間中に赤、緑、青の放電セルのデータ電極に異なる正の電圧を印加することで、放電量を制御し等しく発光させることで黒表示時や低階調を表示するときの映像品位を向上させることができる。
【0041】
(実施の形態2)
図2に本発明の実施の形態2によるプラズマディスプレイの駆動方法において、初期化期間のパネル駆動波形を示している。図2中の駆動波形は、放電開始電圧が青の放電セル<赤の放電セル<緑の放電セルであるPDPを駆動している。パネル構造及び初期化期間のデータ電極と走査電極との放電を除く駆動方法は、従来の技術で説明した内容と同じである。
【0042】
図2に示すように初期化期間の前半の初期化動作において、維持電極SUS1〜SUSnを0(V)に保持する。全ての走査電極SCN1〜SCNnには、全ての維持電極SUS1〜SUSnに対して放電開始電圧以下となる電圧Vp(V)から、放電開始電圧を越える電圧Vr(V)に向かって緩やかに上昇するランプ電圧を印加する。このとき、赤の蛍光体層の放電セルの書き込み動作を制御するデータ電極D1、D4、…、Dm−2、及び青の蛍光体層の放電セルの書き込み動作を制御するデータ電極D3、D6、…、DmにはVw2(V)を異なるタイミングで印加する。また、放電開始電圧の最も高い緑の蛍光体層の放電セルの書き込み動作を制御するデータ電極D2、D5、…、Dm−1は0(V)印加しておく。
【0043】
上記実施の形態1と同様に、放電開始電圧が、赤のセルがVr−180(V)、緑の放電セルがVr−140(V)、青の放電セルがVr−200(V)であったとする。Vw2(V)の下限値は、青の放電セルと赤の放電セルのうち低いほうの放電開始電圧と緑のセルの放電開始電圧との差の電圧である。よって、Vw2(V)=(Vr−140)−(Vr−200)=60(V)以上必要である。
【0044】
まず、全ての走査電極SCN1〜SCNnに印加するランプ電圧が上昇していくと、全ての放電セル13において、第1に、全ての走査電極SCN1〜SCNnと青の放電セルを駆動するデータ電極D3、D6、…Dmの間で微弱な初期化放電が始まり、ついで走査電極SCN1〜SCNnと赤の放電セルを駆動するデータ電極D1、D4、…Dm−2の間で放電が始まり、最後に走査電極SCN1〜SCNnと緑の放電セルを駆動するデータ電極D2、D5、…Dm−1の間で微弱な初期化放電が始まる。走査電極SCN1〜SCNn上の保護膜7の表面に負の壁電圧が蓄積されるとともに、データ電極D1〜Dm上の絶縁体層9の表面に正の壁電圧が蓄積されていく。
【0045】
次に、走査電極SCN1〜SCNnに印加される電圧がVr−60(V)付近まで上昇したら、データ電極D3、D6、…、DmにVw2(V)=60(V)を印加する。すると、青の放電セル内のデータ電極D3、D6、…、Dmと走査電極間SCN1〜SCNn間が放電開始電圧以下となり、微弱放電が終了する。この時点で、青の放電セルには、(Vr−60)−(Vr−200)=140(V)の壁電圧が蓄積している。次に、走査電極SCN1〜SCNnに印加される電圧が、Vr−40(V)付近まで上昇したらデータ電極D3、D6、…、Dmにw2(V)=60(V)を印加する。すると、赤の放電セル内のデータ電極と走査電極間は放電開始電圧以下となり、微弱放電が終了する。赤の放電セルには、(Vr−40)−(Vr−180)=140(V)の壁電圧が蓄積している。緑の放電セルのみが、走査電極SCN1〜SCNnがVr(V)に達するまで微弱放電を続け、微弱放電終了時には、Vr−(Vr−140)=140(V)の壁電荷が蓄積される。なお、初期化期間の後半の初期化動作は、従来と同じであり、説明を省略する。そして、初期化期間前半は等しく壁電荷140(V)を形成するための放電が行われ、初期化期間の発光は3色とも同程度となる。
【0046】
以上のように初期化期間に赤、緑、青の放電セルのデータ電極にGNDとは別の一種類の電圧を印加することで、比較的容易に放電量を制御することができ、発光黒表示時や低階調を表示するときの映像品位を向上させることができる。
【0047】
(実施の形態3)
図3に本発明の実施の形態3によるプラズマディスプレイの駆動方法において、初期化期間のパネル駆動波形を示している。パネル構造及び初期化期間のデータ電極と走査電極との放電を除く駆動方法は、従来の技術で説明した内容と同じである。
【0048】
上記実施の形態1と同様に、放電開始電圧が、赤のセルがVr−180(V)、緑の放電セルがVr−140(V)、青のセルがVr−200(V)であったとする。緑の放電セルが、最も放電開始電圧が高いのでVwG(V)=0(V)とする。
【0049】
まず、全ての走査電極SCN1〜SCNnに印加するランプ電圧が上昇していくと、全ての放電セル13において、第一に、全ての走査電極SCN1〜SCNnと青の放電セルを駆動するデータ電極D3、D6、…Dmの間で微弱な初期化放電が始まり、ついで走査電極SCN1〜SCNnと赤の放電セルを駆動するデータ電極D1、D4、…Dm−2の間で放電が始まり、最後に走査電極SCN1〜SCNnと緑の放電セルを駆動するデータ電極D2、D5、…Dm−1の間で微弱な初期化放電が始まる。走査電極SCN1〜SCNn上の保護膜7の表面に負の壁電圧が蓄積されるとともに、データ電極D1〜Dm上の絶縁体層9の表面正の壁電圧が蓄積されていく。
【0050】
次に、走査電極SCN1〜SCNnに印加される電圧がVr−60(V)付近まで上昇したら、走査電極SCN1〜SCNnに印加される電圧波形と同じ電圧/時間の傾きをもつ電圧をデータ電極D3、D6、…、Dmに印加する。すると、青の放電セル内のデータ電極D3、D6、…、Dmと走査電極間SCN1〜SCNn間は放電開始電圧に近い状態を、走査電極SCN1〜SCNnがVr(V)に達するまで保持する。続いて、走査電極SCN1〜SCNnに印加される電圧が、Vr−40(V)付近まで、上昇したら青の放電セルと同様に赤の放電セルのデータ電極D1、D4、…、Dm−2に走査電極SCN1〜SCNnに印加される電圧波形と同じ電圧/時間の傾きをもつ電圧を印加する。すると、赤の放電セル内のデータ電極D1、D4、…、Dm−2と走査電極間SCN1〜SCNn間も放電開始電圧に近い状態を、走査電極SCN1〜SCNnがVr(V)に達するまで保持する。この結果、青の放電セルには、(Vr−60)−(Vr−200)=140(V)の壁電圧、赤の放電セルには、(Vr−40)−(Vr−180)=140(V)の壁電圧が発生している。緑の放電セルは走査電極SCN1〜SCNnがVr(V)に達するまで中断することなく微弱放電を続け、微弱放電終了時には、Vr−(Vr−140)=140(V)の壁電荷が蓄積される。途中、赤や青の放電セル内部の壁電圧が外部からの影響を受けて減少したとしても、それぞれのデータ電極と走査電極間は放電開始電圧で維持されているため、減少したら、すぐさま微弱放電を行うため不足分を補うことができる。なお、初期化期間の後半の初期化動作は、従来と同じであり、説明を省略する。
【0051】
以上のように初期化前半の期間に、赤、緑、青の放電セルのデータ電極に走査電極に印加する電圧波形と同じ電圧/時間の傾きをもつ電圧を印加することで、蓄積される壁電圧を同じにし、また一時的に壁電圧が減少したとしてもその分の壁電荷を直ちに補うことが安定して行えるので、安定な放電を維持しつつ、黒色は表示のときの着色を防ぐことができる。
【0052】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明にかかるプラズマディスプレイの駆動方法によれば、初期化期間の赤、緑、青の放電セルの放電時間、放電量を制御することができるので、発光黒表示時や低階調を表示するときの映像品位を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1によるプラズマディスプレイの駆動方法において、初期化期間のパネル駆動波形を示す波形図
【図2】本発明の実施の形態2によるプラズマディスプレイの駆動方法において、初期化期間のパネル駆動波形を示す波形図
【図3】本発明の実施の形態3によるプラズマディスプレイの駆動方法において、初期化期間のパネル駆動波形を示す波形図
【図4】一般的なプラズマディスプレイパネルの構成を示す斜視図
【図5】従来のプラズマディスプレイパネルの電極配列を示す説明図
【図6】従来のプラズマディスプレイの駆動動作タイミング図
【符号の説明】
1、8 基板
2 走査電極
3 維持電極
10 データ電極
12 蛍光体層
13 放電セル
【発明の属する技術分野】
本発明は、大画面で、薄型、軽量のディスプレイ装置として知られているプラズマディスプレイの駆動方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、プラズマディスプレイパネル(PDP)を用いたディスプレイは、視認性に優れた表示パネル(薄型表示デバイス)として注目されており、高精細化及び大画面化が進められている。
【0003】
このPDPには、大別して、駆動的にはAC型とDC型があり、放電形式では面放電型と対向放電型の2種類があるが、高精細化、大画面化及び製造の簡便性から、現状では、AC型で面放電型のPDPが主流を占めるようになってきている。
【0004】
図4にPDPにおけるパネル構造の一例を示している。図4に示すように、ガラス基板などの透明な第1基板である前面側の基板1上には、第1電極である走査電極2と第2電極である維持電極3とで対をなすストライプ状の表示電極4が複数対形成され、そして基板1上の隣り合う表示電極4間には遮光層5が配置形成されている。この走査電極2及び維持電極3は、それぞれ透明電極2a、3a及びこの透明電極2a、3aに電気的に接続された銀等のバス電極2b、3bとから構成されている。また、前記前面側の基板1には、前記複数対の電極群を覆うように誘電体層6が形成され、その誘電体層6上には保護膜7が形成されている。
【0005】
また、前記前面側の基板1に対向配置される第2基板である背面側の基板8上には、走査電極2及び維持電極3の表示電極4と直交する方向に、絶縁体層9で覆われた複数のストライプ状のデータ電極10が形成されている。このデータ電極10間の絶縁体層9上には、データ電極10と平行にストライプ状の複数の隔壁11が配置され、この隔壁11間の側面11a及び絶縁体層9の表面に蛍光体層12が設けられている。
【0006】
これらの基板1と基板8とは、走査電極2及び維持電極3とデータ電極10とが直交するように、微小な放電空間を挟んで対向配置されるとともに、周囲が封止され、そして前記放電空間には、ヘリウム、ネオン、アルゴン、キセノンのうちの一種または混合ガスが放電ガスとして封入されている。また、放電空間は、隔壁11によって複数の区画に仕切ることにより、表示電極4とデータ電極10との交点が位置する複数の放電セル13が設けられ、その各放電セル13には、赤色、緑色及び青色となるように蛍光体層12が一色ずつ順次配置されている。
【0007】
次に、このパネルの電極配列図を図5に示す。図5に示すように、このパネルの電極配列はm×nのマトリックス構成であり、列方向にはm列のデータ電極D1〜Dmが配列されており、行方向にはn行の走査電極SCN1〜SCNn及び維持電極SUS1〜SUSnが配列されている。また、図4に示した放電セル13は図5に示すように構成されている。
【0008】
このパネルを駆動するための従来の駆動方法の動作駆動タイミング図を図6に示す。この駆動方法は256階調の階調表示を行うためのものであり、1フィールド期間を8個のサブフィールドで構成している。以下、従来のパネルの駆動方法について、説明する。
【0009】
図6に示すように、第1ないし第8のサブフィールドはそれぞれ初期化期間、書き込み期間、維持期間及び消去期間から構成されている。まず、第1のサブフィールドにおける動作について説明する。
【0010】
図6に示すように、初期化期間の前半の初期化動作において、全てのデータ電極D1〜Dm及び全ての維持電極SUS1〜SUSnを0(V)に保持し、全ての走査電極SCN1〜SCNnには、全ての維持電極SUS1〜SUSnに対して放電開始電圧以下となる電圧Vp(V)から、放電開始電圧を越える電圧Vr(V)に向かって緩やかに上昇するランプ電圧を印加する。このランプ電圧が上昇する間に、全ての放電セル13において、全ての走査電極SCN1〜SCNnから全てのデータ電極D1〜Dm及び全ての維持電極SUS1〜SUSnにそれぞれ一回目の微弱な初期化放電が起こり、走査電極SCN1〜SCNn上の保護膜7の表面に負の壁電圧が蓄積されるとともに、データ電極D1〜Dm上の絶縁体層9の表面及び維持電極SUS1〜SUSn上の保護膜7の表面には正の壁電圧が蓄積される。
【0011】
さらに、初期化期間の後半の初期化動作において、全ての維持電極SUS1〜SUSnを正電圧Vh(V)に保ち、全ての走査電極SCN1〜SCNnには、全ての維持電極SUS1〜SUSnに対して放電開始電圧以下となる電圧Vq(V)から放電開始電圧を越える0(V)に向かって緩やかに下降するランプ電圧を印加する。このランプ電圧が下降する間に、再び全ての放電セル13において、全ての維持電極SUS1〜SUSnから全ての走査電極SCN1〜SCNnにそれぞれ二回目の微弱な初期化放電が起こり、走査電極SCN1〜SCNn上の保護膜7表面の負の壁電圧及び維持電極SUS1〜SUSn上の保護膜7表面の正の壁電圧が弱められる。一方、データ電極D1〜Dm上の絶縁体層9の表面の正の壁電圧はそのまま保たれる。以上により初期化期間の初期化動作が終了する。
【0012】
次の書き込み期間の書き込み動作において、全ての走査電極SCN1〜SCNnをVs(V)に保持し、データ電極D1〜Dmのうち、第一行目に表示すべき放電セル13に対応する所定のデータ電極に正の書き込みパルス電圧Vw(V)を、第一行目の走査電極SCN1に走査パルス電圧0(V)をそれぞれ印加する。このとき、所定のデータ電極と走査電極SCN1との交差部における絶縁体層9の表面と走査電極SCN1上の保護膜7の表面との間の電圧は、書き込みパルス電圧Vw(V)にデータ電極D1〜Dm上の絶縁体層9の表面の正の壁電圧が加算されたものとなるため、この交差部において、所定のデータ電極と走査電極SCN1との間及び維持電極SUS1と走査電極SCN1との間に書き込み放電が起こり、この交差部の走査電極SCN1上の保護膜7表面に正電圧が蓄積され、維持電極SUS1上の保護膜7表面に負電圧が蓄積され、書き込み放電が起こったデータ電極上の絶縁体層9の表面に負電圧が蓄積される。
【0013】
次に、データ電極D1〜Dmのうち、第二行目に表示すべき放電セル13に対応する所定のデータ電極に正の書き込みパルス電圧Vw(V)を、第二行目の走査電極SCN2に走査パルス電圧0(V)をそれぞれ印加する。このとき、所定のデータ電極と走査電極SCN2との交差部における絶縁体層9の表面と走査電極SCN2上の保護膜7の表面との間の電圧は、書き込みパルス電圧Vw(V)に所定のデータ電極上の絶縁体層9の表面の正の壁電圧が加算されたものとなるため、この交差部において、所定のデータ電極と走査電極SCN2との間及び維持電極SUS2と走査電極SCN2との間に書き込み放電が起こり、この交差部の走査電極SCN2上の保護膜7表面に正電圧が蓄積され、維持電極SUS2上の保護膜7表面に負電圧が蓄積される。
【0014】
同様な動作が引き続いて行われ、最後に、データ電極D1〜Dmのうち、第n行目に表示すべき放電セル13に対応する所定のデータ電極に正の書き込みパルス電圧Vw(V)を、第n行目の走査電極SCNnに走査パルス電圧0(V)をそれぞれ印加する。このとき、所定のデータ電極と走査電極SCNnとの交差部において、所定のデータ電極と走査電極SCNnとの間及び維持電極SUSnと走査電極SCNnとの間に書き込み放電が起こり、この交差部の走査電極SCNn上の保護膜7表面に正電圧が蓄積され、維持電極SUSn上の保護膜7表面に負電圧が蓄積され、書き込み放電が起こったデータ電極上の絶縁体層9の表面に負電圧が蓄積される。以上により書き込み期間における書き込み動作が終了する。
【0015】
続く維持期間において、先ず、全ての走査電極SCN1〜SCNn及び維持電極SUS1〜SUSnを0(V)に一旦戻した後、全ての走査電極群SCN1〜SCNnに正の維持パルス電圧Vm(V)を印加すると、書き込み放電を起こした放電セル13における走査電極SCN1〜SCNn上の保護膜7と維持電極SUS1〜SUSn上の保護膜7との間の電圧は、維持パルス電圧+Vm(V)に、書き込み期間において蓄積された走査電極SCN1〜SCNn上の保護膜7表面の正電圧及び維持電極SUS1〜SUSn上の保護膜7表面の負電圧が加算されたものとなる。このため、書き込み放電を起こした放電セルにおいて、走査電極SCN1〜SCNnと維持電極SUS1〜SUSnとの間に維持放電が起こり、この維持放電を起こした放電セルにおける走査電極SCN1〜SCNn上の保護膜7表面に負電圧が蓄積され、維持電極SUS1〜SUSn上の保護膜7表面に正電圧が蓄積される。その後、維持パルス電圧は0(V)に戻る。
【0016】
続いて、全ての維持電極SUS1〜SUSnに正の維持パルス電圧Vm(V)を印加すると、維持放電を起こした放電セル13における維持電極SUS1〜SUSn上の保護膜7と走査電極SCN1〜SCNn上の保護膜7との間の電圧は、維持パルス電圧Vm(V)に、直前の維持放電によって蓄積された走査電極SCN1〜SCNn上の保護膜7表面の負電圧及び維持電極SUS1〜SUSn上の保護膜7表面の正電圧が加算されたものとなる。このため、この維持放電を起こした放電セルにおいて、維持電極SUS1〜SUSnと走査電極SCN1〜SCNnとの間に維持放電が起こることにより、その放電セルにおける維持電極SUS1〜SUSn上の保護膜7表面に負電圧が蓄積され、走査電極SCN1〜SCNn上の保護膜7表面に正電圧が蓄積される。その後、前記維持パルス電圧は0(V)に戻る。
【0017】
以降同様に、全ての走査電極SCN1〜SCNnと全ての維持電極SUS1〜SUSnとに正の維持パルス電圧Vm(V)を交互に印加することにより、維持放電が継続して行われ、維持期間の最終において、全ての走査電極SCN1〜SCNnに正の維持パルス電圧Vm(V)を印加すると、維持放電を起こした放電セル13における走査電極SCN1〜SCNn上の保護膜7と維持電極SUS1〜SUSn上の保護膜7との間の電圧は、維持パルス電圧Vm(V)に、直前の維持放電によって蓄積された走査電極SCN1〜SCNn上の保護膜7表面の正電圧と維持電極SUS1〜SUSn上の保護膜7表面の負電圧が加算されたものとなる。このため、この維持放電を起こした放電セルにおいて、走査電極SCN1〜SCNnと維持電極SUS1〜SUSnとの間に維持放電が起こることにより、その放電セルにおける走査電極SCN1〜SCNn上の保護膜7表面に負電圧が蓄積され、維持電極SUS1〜SUSn上の保護膜7表面に正電圧が蓄積される。その後、維持パルス電圧は0(V)に戻る。以上により維持期間の維持動作が終了する。この維持放電により発生する紫外線で励起された蛍光体層12からの可視発光を表示に用いている。
【0018】
続く消去期間において、全ての維持電極SUS1〜SUSnに0(V)から+Ve(V)に向かって緩やかに上昇するランプ電圧を印加すると、維持放電を起こした放電セル13において、走査電極SCN1〜SCNn上の保護膜7と維持電極SUS1〜SUSn上の保護膜7との間の電圧は、維持期間の最終時点における、走査電極SCN1〜SCNn上の保護膜7表面の負電圧及び維持電極SUS1〜SUSn上の保護膜7表面の正電圧がこのランプ電圧に加算されたものとなる。このため、維持放電を起こした放電セルにおいて、維持電極SUS1〜SUSnと走査電極SCN1〜SCNnとの間に微弱な消去放電が起こり、走査電極SCN1〜SCNn上の保護膜7表面の負電圧と維持電極SUS1〜SUSn上の保護膜7表面の正電圧が弱められて維持放電は停止する。以上により消去期間における消去動作が終了する。
【0019】
ただし、以上の動作において、表示が行われない放電セルに関しては、初期化期間に初期化放電は起こるが、書き込み放電、維持放電及び消去放電は行われず、表示が行われない放電セルの走査電極SCN1〜SCNnと維持電極SUS1〜SUSnの保護膜7の表面の壁電圧、及びデータ電極D1〜Dm上の絶縁体層9の表面の壁電圧は、初期化期間の終了時の状態のまま保たれる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このようなパネル構造、駆動方法を用いた場合、第2基板上の赤、緑、青の蛍光体層の影響により、データ電極をカソードとし、走査電極をアノードとした放電の開始電圧に差が発生する。一般的には、緑の蛍光体層のある放電セルの放電開始電圧が最も高く、ついで、赤、青の順である。そのために、赤と青の放電セル内部の放電量が緑に比べて多いため、初期化期間中の微弱放電による発光色が紫色になる。黒表示時には初期化期間の微弱放電の色が、そのまま表示されるために、「黒表示なのに紫色」となってしまうという課題がある。
【0021】
先の従来例の初期化の場合に、データ電極と走査電極間の放電と走査電極と維持電極間の放電がほぼ同時に発生する。走査電極と維持電極の放電には、蛍光体層の影響が少ないので全色同等の放電、同等の発光が行われ、全体の色としての「紫色」は軽減されている。
【0022】
しかし近年、黒表示のときの輝度を低下させるために初期化期間の発光を抑える取り組みがなされており、その方式のひとつとして1フィールド中の少なくともひとつのサブフィールドの初期化期間は、走査電極と維持電極間での微弱な放電を積極的に行わず、データ電極と走査電極間の微弱放電のみを行う駆動方法がある。この駆動方式の場合には、先の「黒表示のときに紫色」という課題が顕著になってくる。
【0023】
本発明はこのような課題を解決し、プラズマディスプレイの黒表示時、あるいは低階調を表示するときの映像品位を向上させることを目的とするものである。
【0024】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、プラズマディスプレイパネルに、初期化期間、書き込み期間、維持期間を設けて表示駆動するプラズマディスプレイの駆動方法であって、初期化期間において、赤、緑、青の放電セルに対応する第3電極のうち、一種類以上の第3電極に他と異なる正の電圧を印加するものである。
【0025】
【発明の実施の形態】
すなわち、本発明の請求項1に記載の発明は、第1電極と第2電極が互いに平行に配置された第1基板と、前記第1電極及び第2電極と直交するように赤、緑、青の放電セルに対応させて第3電極を配置した第2基板とを備え、前記第1基板と第2基板とを対向配置して構成したプラズマディスプレイパネルに、初期化期間、書き込み期間、維持期間を設けて表示駆動するプラズマディスプレイの駆動方法であって、初期化期間において、赤、緑、青の放電セルに対応する第3電極のうち、一種類以上の第3電極に他と異なる正の電圧を印加することを特徴とする。
【0026】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1において、第1電極及び第2電極のうち、初期化期間に初期化電圧が印加される側の電極と第3電極間の放電開始電圧によって、初期化期間の第3電極の電位を決めることを特徴とし、請求項3に記載の発明は、請求項2において、放電開始電圧が低い第3電極に高い電圧を印加することを特徴とする。
【0027】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1において、初期化期間において、第3電極に印加する正の電圧の印加期間が、赤、緑、青の放電セルに対応する第3電極のうちの一種類以上において異なることを特徴とし、請求項5に記載の発明は、請求項4において、第1電極及び第2電極のうち、初期化期間に初期化電圧が印加される側の電極と第3電極間の放電開始電圧によって、初期化期間の第3電極に印加する正の電圧の印加期間を決めることを特徴とする。
【0028】
さらに、請求項6に記載の発明は、請求項1において、第3電極に印加する電圧が、緩やかに上昇する部分を含むことを特徴とし、請求項7に記載の発明は、請求項1において、第3電極に印加する電圧が、ランプ状に変化する部分を含むことを特徴とし、請求項8に記載の発明は、請求項1において、第3電極に印加する電圧が、指数関数的に変化する部分を含むことを特徴とする。
【0029】
以下、本発明の一実施の形態によるプラズマディスプレイの駆動方法について、図1〜図3を用いて説明する。
【0030】
(実施の形態1)
図1に本発明の実施の形態1によるプラズマディスプレイの駆動方法において、初期化期間のパネル駆動波形を示している。なお、パネル構造及び初期化期間のデータ電極と走査電極との放電を除く駆動方法は、従来の技術で説明した内容と同じである。
【0031】
図1に示すように、初期化期間の前半の初期化動作において、維持電極SUS1〜SUSnを0(V)に保持する。全ての走査電極SCN1〜SCNnには、全ての維持電極SUS1〜SUSnに対して放電開始電圧以下となる電圧Vp(V)から、放電開始電圧を越える電圧Vr(V)に向かって緩やかに上昇するランプ電圧を印加する。このとき赤の蛍光体層の放電セルの書き込み動作を制御するデータ電極D1、D4、…、Dm−2にはVwR(V)、緑の蛍光体層の放電セルの書き込み動作を制御するデータ電極D2、D5、…、Dm−1にはVwG(V)、このとき青の蛍光体層の放電セルの書き込み動作を制御するデータ電極D3、D6、…、DmにはVwB(V)を同じタイミングで印加する。データ電極をカソード、走査電極をアノードとして放電させるときには、蛍光体の帯電特性などの影響を大きく受ける。図1中の駆動波形は、放電開始電圧が青の放電セル<赤の放電セル<緑の放電セルであるPDPを駆動している。
【0032】
ここで、放電開始電圧が、赤の放電セルがVr−180(V)、緑の放電セルがVr−140(V)、青の放電セルがVr−200(V)であったとする。微弱な初期化放電の時、放電セル内部には外部からの印加電圧(=走査電極印加電圧―データ電極印加電圧)と放電開始電圧の差分の壁電荷が発生し、壁電圧を形成する。
【0033】
赤の放電セル、緑の放電セル、青の放電セルのデータ電極の印加電圧が、VwR(V)=VwG(V)=VwB(V)=0(V)とすると、壁電圧はそれぞれ180(V)、140(V)、200(V)となる、この壁電圧を発生するときの壁電荷の移動量(=放電量)の差が発光の差となって現れる。
【0034】
よって、図1に示すように、データ電極D1〜Dmにはそれぞれの放電セルの色に対応したVwR(V)、VwG(V)、VwB(V)を印加する。緑の放電セルが、最も放電開始電圧が高いので、VwG(V)140−140=0(V)とし、VwR(V)=180−140=40(V)、VwB(V)=200−140=60(V)とする。
【0035】
まず、全ての走査電極SCN1〜SCNnに印加するランプ電圧が上昇していくと、全ての放電セル13において、第一に、全ての走査電極SCN1〜SCNnと青の放電セルを駆動するデータ電極D3、D6、…Dmの間で微弱な初期化放電が始まり、ついで、走査電極SCN1〜SCNnと赤の放電セルを駆動するデータ電極D1、D4、…Dm−2の間で放電が始まり、最後に走査電極SCN1〜SCNnと緑の放電セルを駆動するデータ電極D2、D5、…Dm−1の間で微弱な初期化放電が始まる。走査電極SCN1〜SCNn上の保護膜7の表面に負の壁電圧が蓄積されるとともに、データ電極D1〜Dm上の絶縁体層9の表面に正の壁電圧が蓄積されていく。
【0036】
次に、走査電極SCN1〜SCNnへの印加電圧が上昇中にデータ電極D1、D4、…、Dm−2にはVwR(V)=40(V)、データ電極D3、D6、…、DmにはVwB(V)=60(V)を同じタイミングで印加する。すると赤の放電セルのデータ電極D1、D4、…、Dm−2、青の放電セルのデータ電極D3、D6、…、Dmと走査電極SCN1〜SCNn間が放電開始電圧以下となり、青の放電セルと赤の放電セル内の微弱放電がとまる。さらに、走査電極SCN1〜SCNnにランプ電圧を上昇させ続けると放電開始以上となり、再び微弱放電が始まる。その結果、赤の放電セル、緑の放電セル、青の放電セル内部では、等しく壁電荷140(V)を形成する。
【0037】
なお、赤の放電セル内の壁電圧が140(V)蓄積した後や、青の放電セル内に壁電圧140(V)がすでに蓄積した後に、VwR(V)、VwB(V)を印加した場合には微弱放電は再開しない。
【0038】
緑の放電セルは走査電極SCN1〜SCNnがVr(V)に達するまで中断することなく微弱放電を続け、140Vの壁電荷が蓄積される。
【0039】
なお、初期化期間の後半の初期化動作は、従来と同じであり、説明を省略する。
【0040】
以上のように初期化期間中に赤、緑、青の放電セルのデータ電極に異なる正の電圧を印加することで、放電量を制御し等しく発光させることで黒表示時や低階調を表示するときの映像品位を向上させることができる。
【0041】
(実施の形態2)
図2に本発明の実施の形態2によるプラズマディスプレイの駆動方法において、初期化期間のパネル駆動波形を示している。図2中の駆動波形は、放電開始電圧が青の放電セル<赤の放電セル<緑の放電セルであるPDPを駆動している。パネル構造及び初期化期間のデータ電極と走査電極との放電を除く駆動方法は、従来の技術で説明した内容と同じである。
【0042】
図2に示すように初期化期間の前半の初期化動作において、維持電極SUS1〜SUSnを0(V)に保持する。全ての走査電極SCN1〜SCNnには、全ての維持電極SUS1〜SUSnに対して放電開始電圧以下となる電圧Vp(V)から、放電開始電圧を越える電圧Vr(V)に向かって緩やかに上昇するランプ電圧を印加する。このとき、赤の蛍光体層の放電セルの書き込み動作を制御するデータ電極D1、D4、…、Dm−2、及び青の蛍光体層の放電セルの書き込み動作を制御するデータ電極D3、D6、…、DmにはVw2(V)を異なるタイミングで印加する。また、放電開始電圧の最も高い緑の蛍光体層の放電セルの書き込み動作を制御するデータ電極D2、D5、…、Dm−1は0(V)印加しておく。
【0043】
上記実施の形態1と同様に、放電開始電圧が、赤のセルがVr−180(V)、緑の放電セルがVr−140(V)、青の放電セルがVr−200(V)であったとする。Vw2(V)の下限値は、青の放電セルと赤の放電セルのうち低いほうの放電開始電圧と緑のセルの放電開始電圧との差の電圧である。よって、Vw2(V)=(Vr−140)−(Vr−200)=60(V)以上必要である。
【0044】
まず、全ての走査電極SCN1〜SCNnに印加するランプ電圧が上昇していくと、全ての放電セル13において、第1に、全ての走査電極SCN1〜SCNnと青の放電セルを駆動するデータ電極D3、D6、…Dmの間で微弱な初期化放電が始まり、ついで走査電極SCN1〜SCNnと赤の放電セルを駆動するデータ電極D1、D4、…Dm−2の間で放電が始まり、最後に走査電極SCN1〜SCNnと緑の放電セルを駆動するデータ電極D2、D5、…Dm−1の間で微弱な初期化放電が始まる。走査電極SCN1〜SCNn上の保護膜7の表面に負の壁電圧が蓄積されるとともに、データ電極D1〜Dm上の絶縁体層9の表面に正の壁電圧が蓄積されていく。
【0045】
次に、走査電極SCN1〜SCNnに印加される電圧がVr−60(V)付近まで上昇したら、データ電極D3、D6、…、DmにVw2(V)=60(V)を印加する。すると、青の放電セル内のデータ電極D3、D6、…、Dmと走査電極間SCN1〜SCNn間が放電開始電圧以下となり、微弱放電が終了する。この時点で、青の放電セルには、(Vr−60)−(Vr−200)=140(V)の壁電圧が蓄積している。次に、走査電極SCN1〜SCNnに印加される電圧が、Vr−40(V)付近まで上昇したらデータ電極D3、D6、…、Dmにw2(V)=60(V)を印加する。すると、赤の放電セル内のデータ電極と走査電極間は放電開始電圧以下となり、微弱放電が終了する。赤の放電セルには、(Vr−40)−(Vr−180)=140(V)の壁電圧が蓄積している。緑の放電セルのみが、走査電極SCN1〜SCNnがVr(V)に達するまで微弱放電を続け、微弱放電終了時には、Vr−(Vr−140)=140(V)の壁電荷が蓄積される。なお、初期化期間の後半の初期化動作は、従来と同じであり、説明を省略する。そして、初期化期間前半は等しく壁電荷140(V)を形成するための放電が行われ、初期化期間の発光は3色とも同程度となる。
【0046】
以上のように初期化期間に赤、緑、青の放電セルのデータ電極にGNDとは別の一種類の電圧を印加することで、比較的容易に放電量を制御することができ、発光黒表示時や低階調を表示するときの映像品位を向上させることができる。
【0047】
(実施の形態3)
図3に本発明の実施の形態3によるプラズマディスプレイの駆動方法において、初期化期間のパネル駆動波形を示している。パネル構造及び初期化期間のデータ電極と走査電極との放電を除く駆動方法は、従来の技術で説明した内容と同じである。
【0048】
上記実施の形態1と同様に、放電開始電圧が、赤のセルがVr−180(V)、緑の放電セルがVr−140(V)、青のセルがVr−200(V)であったとする。緑の放電セルが、最も放電開始電圧が高いのでVwG(V)=0(V)とする。
【0049】
まず、全ての走査電極SCN1〜SCNnに印加するランプ電圧が上昇していくと、全ての放電セル13において、第一に、全ての走査電極SCN1〜SCNnと青の放電セルを駆動するデータ電極D3、D6、…Dmの間で微弱な初期化放電が始まり、ついで走査電極SCN1〜SCNnと赤の放電セルを駆動するデータ電極D1、D4、…Dm−2の間で放電が始まり、最後に走査電極SCN1〜SCNnと緑の放電セルを駆動するデータ電極D2、D5、…Dm−1の間で微弱な初期化放電が始まる。走査電極SCN1〜SCNn上の保護膜7の表面に負の壁電圧が蓄積されるとともに、データ電極D1〜Dm上の絶縁体層9の表面正の壁電圧が蓄積されていく。
【0050】
次に、走査電極SCN1〜SCNnに印加される電圧がVr−60(V)付近まで上昇したら、走査電極SCN1〜SCNnに印加される電圧波形と同じ電圧/時間の傾きをもつ電圧をデータ電極D3、D6、…、Dmに印加する。すると、青の放電セル内のデータ電極D3、D6、…、Dmと走査電極間SCN1〜SCNn間は放電開始電圧に近い状態を、走査電極SCN1〜SCNnがVr(V)に達するまで保持する。続いて、走査電極SCN1〜SCNnに印加される電圧が、Vr−40(V)付近まで、上昇したら青の放電セルと同様に赤の放電セルのデータ電極D1、D4、…、Dm−2に走査電極SCN1〜SCNnに印加される電圧波形と同じ電圧/時間の傾きをもつ電圧を印加する。すると、赤の放電セル内のデータ電極D1、D4、…、Dm−2と走査電極間SCN1〜SCNn間も放電開始電圧に近い状態を、走査電極SCN1〜SCNnがVr(V)に達するまで保持する。この結果、青の放電セルには、(Vr−60)−(Vr−200)=140(V)の壁電圧、赤の放電セルには、(Vr−40)−(Vr−180)=140(V)の壁電圧が発生している。緑の放電セルは走査電極SCN1〜SCNnがVr(V)に達するまで中断することなく微弱放電を続け、微弱放電終了時には、Vr−(Vr−140)=140(V)の壁電荷が蓄積される。途中、赤や青の放電セル内部の壁電圧が外部からの影響を受けて減少したとしても、それぞれのデータ電極と走査電極間は放電開始電圧で維持されているため、減少したら、すぐさま微弱放電を行うため不足分を補うことができる。なお、初期化期間の後半の初期化動作は、従来と同じであり、説明を省略する。
【0051】
以上のように初期化前半の期間に、赤、緑、青の放電セルのデータ電極に走査電極に印加する電圧波形と同じ電圧/時間の傾きをもつ電圧を印加することで、蓄積される壁電圧を同じにし、また一時的に壁電圧が減少したとしてもその分の壁電荷を直ちに補うことが安定して行えるので、安定な放電を維持しつつ、黒色は表示のときの着色を防ぐことができる。
【0052】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明にかかるプラズマディスプレイの駆動方法によれば、初期化期間の赤、緑、青の放電セルの放電時間、放電量を制御することができるので、発光黒表示時や低階調を表示するときの映像品位を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1によるプラズマディスプレイの駆動方法において、初期化期間のパネル駆動波形を示す波形図
【図2】本発明の実施の形態2によるプラズマディスプレイの駆動方法において、初期化期間のパネル駆動波形を示す波形図
【図3】本発明の実施の形態3によるプラズマディスプレイの駆動方法において、初期化期間のパネル駆動波形を示す波形図
【図4】一般的なプラズマディスプレイパネルの構成を示す斜視図
【図5】従来のプラズマディスプレイパネルの電極配列を示す説明図
【図6】従来のプラズマディスプレイの駆動動作タイミング図
【符号の説明】
1、8 基板
2 走査電極
3 維持電極
10 データ電極
12 蛍光体層
13 放電セル
Claims (8)
- 第1電極と第2電極が互いに平行に配置された第1基板と、前記第1電極及び第2電極と直交するように赤、緑、青の放電セルに対応させて第3電極を配置した第2基板とを備え、前記第1基板と第2基板とを対向配置して構成したプラズマディスプレイパネルに、初期化期間、書き込み期間、維持期間を設けて表示駆動するプラズマディスプレイの駆動方法であって、初期化期間において、赤、緑、青の放電セルに対応する第3電極のうち、一種類以上の第3電極に他と異なる正の電圧を印加することを特徴とするプラズマディスプレイの駆動方法。
- 第1電極及び第2電極のうち、初期化期間に初期化電圧が印加される側の電極と第3電極間の放電開始電圧によって、初期化期間の第3電極の電位を決めることを特徴とする請求項1記載のプラズマディスプレイの駆動方法。
- 放電開始電圧が低い第3電極に高い電圧を印加することを特徴とする請求項2記載のプラズマディスプレイの駆動方法。
- 初期化期間において、第3電極に印加する正の電圧の印加期間が、赤、緑、青の放電セルに対応する第3電極のうちの一種類以上において異なることを特徴とする請求項1記載のプラズマディスプレイの駆動方法。
- 第1電極及び第2電極のうち、初期化期間に初期化電圧が印加される側の電極と第3電極間の放電開始電圧によって、初期化期間の第3電極に印加する正の電圧の印加期間を決めることを特徴とする請求項4記載のプラズマディスプレイの駆動方法。
- 第3電極に印加する電圧が、緩やかに上昇する部分を含むことを特徴とする請求項1記載のプラズマディスプレイの駆動方法。
- 第3電極に印加する電圧が、ランプ状に変化する部分を含むことを特徴とする請求項1記載のプラズマディスプレイの駆動方法。
- 第3電極に印加する電圧が、指数関数的に変化する部分を含むことを特徴とする請求項1記載のプラズマディスプレイの駆動方法。
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