JP2004069371A - 筒体内面撮影装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】継ぎ目のない良質な撮影画像を得ることができる筒体内面撮影装置を目的とするものである。
【解決手段】被検査体の外方に撮像素子を1次元ラインセンサとした撮像装置8を配置し、被検査体内面の縦細領域を1次元ラインセンサに屈折投影する細幅反射鏡12を、被検査体の中心軸を含む平面上にその上下端の角部が被検査体の前後内面に近接するよう傾斜配置させるとともに縦細領域を照明する細幅反射鏡12を被検査体内面と等距離で近接配置する。そして被検査体像を1次元ラインセンサに連続的に入力するよう細幅反射鏡12と細幅照明灯13とを回転させる駆動装置5に取り付けて細幅反射鏡12と細幅照明灯13を360°回転させて撮影を行なうものである。
【選択図】        図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は鋳造したシリンダブロックボア等の小径筒体内面を検査するための画像を得る筒体内面撮影装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、鋳造したシリンダブロックボア等の小径筒体内面の欠陥検査は、図7に示されるように、被検査体内に照明灯50と小型のCCDカメラ51を挿入して被検査体内面を直接撮影するか、被検査体内に挿入した鏡に映った内面像を外部に配置させたCCDカメラで撮影するのが一般的であった。被検査体内に照明灯50と小型のCCDカメラ51を挿入する場合、被検査体がCCDカメラ51と照明灯50とを挿入できるだけの大きさでなければ撮影できないという問題があった。また被検査体がシリンダブロックボアの場合、被測定部位はボア円弧面であるため内面を均一な明るさに照明することが極めて難しく、鏡を被検査体内に挿入して撮影しても欠陥の解析を正確に行なえるだけのきれいな画像を得ることが難しかった。このような照明斑のある画像を基にして解析を行なうと照明斑等を欠陥と誤判定する恐れがたぶんにあった。さらに傾斜させた鏡を被検査体内に挿入してボア内面の円弧面方向を広範囲に撮影しようとする場合、鏡の横幅を大きくしなければならないが、傾斜させた鏡の横幅を大きくすると縦幅を小さくしなければボア内に挿入することができなかった。ところが鏡の縦幅を小さくするとボアのストローク方向の撮影範囲が狭くなるため上下位置を変えながら何度も撮影を行なわねばならず撮影に多くの時間がかかるというという問題があった。
【0003】
またこのような画像解析を行なうCCDカメラは1000×1000ピクセルが一般的である。このようなCCDカメラで例えば20mm範囲を撮影できるものとした場合、被検査体の内径がφ70mmでは内周は約220mmとなるので、11枚の画像を撮影しなければならない。このためCCDカメラを一定角度(20mm)分づつ移動させて撮影を行なわねばならず、手間と時間がかかるという問題があった。しかも11枚の画像の明るさが均一にならないため、画像を繋ぎ合わせようとすると画像の継ぎ目が際立って良質な連続画像を得ることができず正確な画像解析ができないという問題があった。そこで撮影枚数と継ぎ目を少なくするために大きな画角を有する焦点距離の短いレンズを用いることも考えられるが、曲面である被検査体内面を広範囲に均一な照明にすることはさらに難しくきれいな画像を得ることはできなかった。しかも筒体内面に光沢があると均一な照明を行なうことは不可能に近かった。さらに分割して撮影を行なう場合、撮像装置または被検査体を正確な角度で回転させねばならず回転駆動機構が複雑で高価なものになるという問題もあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は大きな縦幅を有する継ぎ目のない良質な筒状撮影画像を得ることができる筒体内面撮影装置を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前述の目的を達成するため本発明は、被検査体の外方に撮像素子を1次元ラインセンサとした撮像装置を配置し、被検査体内面の縦細領域を1次元ラインセンサに屈折投影する細幅反射鏡を、被検査体の中心軸を含む平面上にその上下端の角部が被検査体の前後内面に近接するよう傾斜配置させて撮像装置の先端に取り付け、また1次元ラインセンサに投影される被検査体の縦細領域を照明する細幅反射鏡の縦寸法より若干大きい縦寸法を有する細幅照明灯を被検査体内面と等距離で近接配置して撮像装置の先端に取り付け、さらに縦細領域の被検査体像を1次元ラインセンサに連続的に入力するよう細幅反射鏡と細幅照明灯とを回転させる駆動装置を設けた筒体内面撮影装置を請求項1の発明とし、請求項1の発明において、駆動装置に昇降機構が組み込まれる筒体内面撮影装置を請求項2の発明とし、請求項1または2の発明において、細幅反射鏡と細幅照明灯とが被検査体内面に対して入射角と反射角の関係に配置される筒体内面撮影装置を請求項3の発明とし、請求項1から3の発明において、細幅照明灯が多数のLEDを縦に配設させた筒体内面撮影装置を請求項4の発明とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の好ましい実施の形態を図に基づいて説明する。
本発明は撮像装置8と撮像装置8の先端に取り付けられ細幅反射鏡12と細幅照明灯13を回転させて連続的に撮影を行なえるようにする駆動装置5とからなるものである。
図1中、1は装置本体であり、該装置本体1はガイドレール2aを敷設したベッド2と、該ベッド2の一側方部に立設される支柱3と、前記ベッド2のガイドレール2aにガイドされて移動自在とした被検査体(シリンダブロックボアのような比較的小径のもの)を受け台4aを介して載せるスライダ4と、前記支柱3に取付けられる撮像装置8の回転と昇降を行う駆動装置5とからなる。該駆動装置5は昇降機構6と回転機構7とを組み合わせたものである。そして、被検査体を載置したスライダ4を移動させることにより被検査体の複数あるボアの中心に撮像装置8の中心を位置合わせできるものとしている。駆動装置5の昇降機構6と回転機構7により撮像装置8は回転および昇降が行なわれ、該撮像装置8の回転および昇降により撮像装置8の先端に取り付けられる細幅反射鏡12と細幅照明灯13とは回転および昇降がされるものである。
【0007】
駆動装置5の昇降機構6を作動させることにより撮像装置8の先端に取り付けた撮像装置8より小さい細幅反射鏡12と細幅照明灯13は被検査体内の撮影位置に挿入することができる。また、細幅反射鏡12は被検査体内面の縦細領域を1次元ラインセンサに屈折投影するもので、細幅反射鏡12が写し出す上下範囲より大きい深さを有する被検査体は、被検査体内に挿入した撮像装置8を上昇又は下降させることにより、被検査体の深さ全体を撮影することが可能となる。さらに、細幅照明灯13は細幅反射鏡12により屈折投影される被検査体の縦細領域を照明するもので、細幅反射鏡12の縦寸法より若干大きい縦寸法を有するものである。また細幅反射鏡12により屈折投影される縦細領域は駆動装置5の回転機構7により撮像装置8を360°回転させつつ撮影することにより被検査体の内周面全体が撮影されるものとしている。
【0008】
前記撮像装置8を図3、4に基づいてさらに詳細に説明すれば、被検査体の外方に配置される撮像装置8はレンズ8aと1次元ラインセンサの撮像素子を有するディジタルカメラ11を略逆U字状のフレーム12に取り付けたものである。また、撮像装置8の先端に取り付けられる前記撮影ヘッド9には被検査体内面の縦細領域を上方のディジタルカメラ11に屈折投影する細幅反射鏡12と、細幅反射鏡12に写し出される縦細領域付近を照明する細幅照明灯13とが設けられている。
【0009】
前記撮影ヘッド9を図3、4に基づいて詳細に説明すれば、撮影ヘッド9は略逆U字状のフレーム12の先端開口縁に取り付けられて垂設される屈曲部付の取付金具15に細幅反射鏡12を挟持固定するとともに、該取付金具15の屈曲部に基端を固定した逆L字状のステイ14に細幅照明灯13を取り付けたもので、細幅反射鏡12は被検査体の中心軸を含む平面上にその上下端の角部が被検査体の前後内面に近接するように傾斜配置させたもので、傾斜角度は被検査体内面像を上方に投影するよう45°の傾斜をもって配置されている。また細幅反射鏡12は真空蒸着により表面を鏡面としたものである。これは鏡面を保護するためにガラスの裏面に形成するとガラスの表面で反射する像と鏡面で反射する像とができて二重像となることを防止するためである。さらに細幅反射鏡12は細幅照明灯13に挟まれて均一な明るさで照明された縦細領域を屈折投影するものとしている。細幅反射鏡12を幅約4mmの縦長のものとしたのはディジタルカメラ11の撮像素子が5000の画素を一列に配設した1次元ラインセンサで、画素1個分の像を投影できればよいからであり、このようにすることにより細幅反射鏡12の上下端の角部を被検査体の前後内面に近接させることができる。これにより細幅反射鏡12による被検査体内面の上下投影領域は最大となり、撮像装置8による撮影領域も最大となり最も効率のよい撮影が行なえるものとなる。
【0010】
細幅反射鏡12の両側に配置される細幅照明灯13は多数のLED(Light Emitting Diode)を縦一列に縦設したものであり、45°傾斜させた細幅反射鏡12の縦寸法(高さ)より若干大きい縦寸法を有するものとしている。これは上下で光量不足が生じることがないように余裕をもたせるためである。また細幅照明灯13は被検査体内面と等距離で近接配置されるものとして被検査体内面の縦細領域全体を均一な明るさで照明できるようにしている。さらに細幅照明灯13をLEDとしたのは消費電力が少ないうえに堅牢で取り扱いが容易なためである。
【0011】
また、前記した撮像装置8の回転機構7は、図1、2に示されるように、モータ20とモータ20の出力軸に取り付けられたウオームホイール21と該ウオームホイール21に噛合するウオームギア22と回転軸23とからなるものである。24は回動角度検出機構であり、該回動角度検出機構24は回転軸23に取り付けられた円板25と該円板25に取り付けられた位置センサ26とからなるもので、回動角度検出機構24により撮像装置8の回転始点が決められる。この回転機構7をコンピュータにより制御すれば、計測操作を自動化することができる。
【0012】
27はベッド2の水平調整自在な脚、28は昇降機構6を昇降動させる手動ハンドルである。昇降機構6は好ましい実施の形態では手動ハンドル28を回動させて昇降動させるものとしているがコンピュータにより制御されるモータにより駆動してもよく、このようにすれば計測操作を自動化ができることとなる。29は撮像装置8の昇降量を計測する測長器であり、コンピュータにより昇降を自動化する際には測長器のデータをコンピュータに入力してモータの制御を行なうものとする。
【0013】
このように構成されたものは、先ず、駆動装置5の昇降機構6を操作して撮像装置8の細幅反射鏡12と細幅照明灯13が被検査体(シリンダブロック)と干渉しない位置まで上昇させるとともに、被検査体のスライダ4を撮像装置8の側方に移動させる。そして、移動させた側方でスライダ4の受け台4aにシリンダブロックを載置する。被検査体を受け台4aに載置後、シリンダブロックの検査すべき最初のボア(筒体)の上部開口から撮影ヘッド9に取り付けられた細幅反射鏡12と細幅照明灯13がシリンダブロックのボア内に挿入できる位置までスライダ4を移動させる。
【0014】
次に、駆動装置5の昇降機構6の手動ハンドル28を手動で回して細幅反射鏡12と細幅照明灯13をシリンダブロックのボア内に侵入させる。このときの下降量は筒体の下端縁が撮影されるように位置させるものとしている。このようにして細幅反射鏡12と細幅照明灯13の下降位置が決まったら、細幅照明灯13を点灯させるとともに撮像装置8のディジタルカメラ11を起動させ、さらに駆動装置5の回転機構7を駆動し、撮像装置8を一定速度で360°回転させる。
【0015】
このときシリンダブロックのボア内面像は撮影ヘッド9の細幅反射鏡12により90°上方に屈折されレンズ8aを介してディジタルカメラ11の1次元ラインセンサに反射投影されているので、シリンダブロックのボア全内周面が撮影されることとなる。1次元ラインセンサに投影された像は順次にメモリに連続的に取り込んでゆけばよい。
【0016】
そして、このようにしてシリンダブロックのボア全内周面を撮影した画像に基づいて解析を行なって鋳造されたシリンダブロックのボア内に巣などの欠陥がないかを検査するものである。
【0017】
なお、前記好ましい実施の形態では、細幅照明灯13は細幅反射鏡12の両側に配置させたものとしているが、撮影面の光沢度が極めて高い場合は、図6に示されるように、細幅反射鏡13と細幅照明灯13とを被検査体に対して入射角と反射角の関係に配置させることにより、細幅照明灯部13の照明により撮影面が部分的に光った高輝度部位を生じさせることがなくなるので均一で斑のない撮影画像を得ることができる。
【0018】
また、前記好ましい実施の形態では、細幅照明灯13をLEDよりなるものとしているが、液晶の光源に用いるバックライト等の極細の蛍光管やEL(Electro Luminescence)等を用いてもよいことは勿論である。
【0019】
【発明の効果】
本発明は前記説明により明らかなように、被検査体の外方に撮像素子を1次元ラインセンサとした撮像装置を配置し、被検査体内面の縦細領域を1次元ラインセンサに屈折投影する細幅反射鏡を、被検査体の中心軸を含む平面上にその上下端の角部が被検査体の前後内面に近接するよう傾斜配置させて撮像装置の先端に取り付け、また1次元ラインセンサに投影される被検査体の縦細領域を照明する細幅反射鏡の縦寸法より若干大きい縦寸法を有する細幅照明灯を被検査体内面と等距離で近接配置して撮像装置の先端に取り付け、さらに縦細領域の被検査体像を1次元ラインセンサに連続的に入力するよう細幅反射鏡と細幅照明灯とを回転させる駆動装置を設けたものとしたから、細幅反射鏡により1次元ラインセンサに入力される被検査体の縦細領域の狭い範囲を照明するだけでよいため被撮影面を均一な明るさで照明することができることとなる。また細幅反射鏡を被検査体の中心軸を含む平面上にその上下端の角部が被検査体の前後内面に近接するよう傾斜配置させたものとしているから、被検査体内面の上下投影領域が最大となるので、撮影範囲が最大となり被検査体内面全体を短時間で撮影することができ、検査効率を高めることができる。しかも細幅反射鏡と細幅照明灯を被検査体内で回転させて行なう連続撮影であるため、被検査体の全内周面を継ぎ目なく均一な明るさで撮影することができる。さらに連続撮影のため撮影時間を短縮でき処理時間を向上させることができる。請求項2のように、駆動装置に昇降機構が組み込まれるものとすることにより、細幅反射鏡と細幅照明灯を被検査体と干渉しない位置への移動や、被検査体内への挿入を簡単且つ素早く行なうことができる。また、請求項3のように、細幅反射鏡と細幅照明灯とが被検査体内面に対して入射角と反射角の関係に配置されるものとすることにより、被検査体が光沢のあるものであっても均一で斑のない照明を行なうことができる。請求項4のように、細幅照明灯が多数のLEDを縦に配設させたものとすることにより、小型で耐久性がよく、消費電力を極めて僅かなものとすることができる等種々の利点を有するものである。
従って、本発明は従来の問題点を解消した筒体内面撮影装置として業界の発展に寄与するところ大なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい実施の形態を示す一部切欠側面図である。
【図2】本発明の好ましい実施の形態を示す一部切欠正面図である。
【図3】本発明の好ましい実施の形態の撮像装置を示す一部切欠側面図である。
【図4】本発明の好ましい実施の形態の撮像装置を示す一部切欠正面図である。
【図5】本発明の好ましい実施の形態の撮影状態を示す一部切欠平面図である。
【図6】本発明の好ましい実施の形態において、細幅反射鏡と細幅照明灯を入射角と反射角の関係に配置した状態を示す説明図である。
【図7】従来の撮影装置の概略説明図である。
【符号の説明】
5 駆動装置
6 昇降機構
8 撮像装置
12 細幅反射鏡
13 細幅照明灯

Claims (4)

  1. 被検査体の外方に撮像素子を1次元ラインセンサとした撮像装置を配置し、被検査体内面の縦細領域を1次元ラインセンサに屈折投影する細幅反射鏡を、被検査体の中心軸を含む平面上にその上下端の角部が被検査体の前後内面に近接するよう傾斜配置させて撮像装置の先端に取り付け、また1次元ラインセンサに投影される被検査体の縦細領域を照明する細幅反射鏡の縦寸法より若干大きい縦寸法を有する細幅照明灯を被検査体内面と等距離で近接配置して撮像装置の先端に取り付け、さらに縦細領域の被検査体像を1次元ラインセンサに連続的に入力するよう細幅反射鏡と細幅照明灯とを回転させる駆動装置を設けたことを特徴とする筒体内面撮影装置。
  2. 駆動装置に昇降機構が組み込まれることを特徴とする請求項1に記載の筒体内面撮影装置。
  3. 細幅反射鏡と細幅照明灯とが被検査体内面に対して入射角と反射角の関係に配置されることを特徴とする請求項1または2に記載の筒体内面撮影装置。
  4. 細幅照明灯が多数のLEDを縦に配設させたものであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の筒体内面撮影装置。
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