JP2004069301A - 音響式検査方法および音響式検査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】空洞や亀裂など物体の内部状態、物体の固定状態などを、高効率かつ簡便に検査する手段を提供する。
【解決手段】被検査物体に音を照射してたわみ振動を励起し、励起されたたわみ振動を検出して、検出されたたわみ振動の周波数と振幅に基づいて、被検査物体の固有振動数を推定することによって、被検査物体の状態を検査する。
【選択図】     図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、音を照射して物体にたわみ振動を励起して、たわみ振動の振動数と振幅から、物体の状態を非接触で検査する方法にかかわる。本発明は、殻構造を持つ物体の、殻の厚みや材質あるいは殻内側の状態などを検査する場合、梁構造を持つ物体の、梁の厚みや材質あるいは支持状態を検査する場合、本来中実な構造の物体中に生じた亀裂や空洞などの欠陥を検出する場合、塗装や鍍金など物体上の薄膜に生じた剥離を検出する場合、などに用いられる。
【0002】
【従来の技術】
上記のような検査を目的として、従来、超音波式の検査方法が用いられている。超音波式の検査方法は、超音波振動子から、直接に或いは水や油などを介して被検査物体中に超音波パルスを送信し、殻や梁の境界面あるいは亀裂等の欠陥部分で反射してくる超音波パルスを受信して反射の存在を検知するとともに、超音波パルスの伝播所要時間から反射面までの距離を推定する。
【0003】
超音波式の検査方法の他に従来用いられている方法として、打音法がある。打音法は、被検査物体の表面にハンマーなどで打撃を加え、このときに物体に発生する振動を、物体表面から放射される音響信号の形で、あるいは直接の振動波形の形で検出して、物体の状態を推定する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
超音波式の検査方法では、反射パルス検出の時間分解能を高めるために、通常、反射面までの距離に比較して十分に小さい波長の超音波を用いる。このため、指向性もまた鋭くなり、一カ所の検査でカバーされるのは、超音波パルスが送信される軸の近傍の狭い領域である。しかし、例えば、コンクリート構造物において、壁面の剥落の危険が在って問題になる欠陥は、微細な欠陥ではなくある程度以上の大きさを持った欠陥である。したがって、コンクリート構造物の検査のように、物体内部の大域的な状態を推定する目的に超音波式の検査方法を適用する場合には、多数の点で検査を行って、それらの結果を総合する処理が必要となる。被検査物体が比較的小さい場合や、被検査物体を自由に配置できる場合には、被検査物体を液槽中に入れて超音波振動子を機械的に走査して、内部状態を画像化する方式などが行われている。しかし、被検査物体を液槽中に浸すのが困難な場合などにこの方式を適用しようとすると、莫大なコストを要することとなる。さらに、超音波式の検査方法には、コンクリート構造物の例でいうと、目的とする欠陥だけではなく、微細な内部構造すなわち鉄筋や骨材による境界面からの反射をも捉えてしまうという問題点も存在する。
【0005】
打音法による検査は、超音波式の検査方法とは対照的に、微細な内部構造は捉え難い代わりに、大域的な構造を捉えるのに適している。しかしながら、従来の打音法では、検査に人が介在するため、検査効率が低いことと、判定が検査員の「勘」に影響されるという問題がある。これらの欠点を改善するために、打音法を自動化する試みがなされているが、効率的かつ自動的に打撃を加える手段は非常に高価になる。また、被検査物体に接触して打撃を加えるので、例えば物体上の薄膜の状態のように、被検査物体が微細で壊れやすいような場合には、打撃法は適用が困難である。被検査物体に接触して打撃を加えることに起因する欠点を克服する方式として、衝撃波を用いて打撃を加える方式が考案されている(特願平2000−07949)。この方式は、打撃が非接触で加えられるため、検査装置と被検査物体の距離を大きく採ったり、効率的に検査領域を走査することが可能である。しかし、衝撃波の発生には、火薬や爆発性燃料、あるいは高圧空気源と衝撃波管を用いる必要があるため、装置が大規模かつ高価になり、適用可能な対象も限定されることが避けられない。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述の従来法の課題を解決して、被検査物体の大域的な状態を効率的に検査することができ、なおかつ安価に実現可能な、非接触式の検査方法と検査装置を提供するために、本発明では、音波を利用して被検査物体を励振する。また、物体のたわみ振動に着目して、その振動数と振幅の情報から物体の状態を推定する。
【0007】
殻構造の物体においては、殻の表面垂直方向への変位に対抗する弾性力と、殻自身の慣性によって、振動系が形成され、表面垂直方向に外力が加わると、殻のたわみ振動が励起される。このたわみ振動の最低次の固有振動数は、振動部分の質量と復元力の大きさで決まる。質量は、殻の材質、厚み、面積などの関数であり、一方、復元力は、殻の材質、厚み、構造、殻内側に充満している媒質の種類や圧力によって決定される。したがって、殻にたわみ振動を励起して、その振動数と振幅を測定することで、殻構造の物体の上記諸条件に関する情報を得ることが可能になる。梁構造の物体でも同様に、梁の垂直方向に外力が加わるとたわみ振動が生じ、その固有振動数は、梁の材質、厚み、支持部分の接合状態などによって決定される。
【0008】
中実の物体に空洞などの欠陥がある場合には、空洞上部は、周囲を支持された殻の構造をもつから、表面垂直方向に外力が加わると、たわみ振動が励起される。中実の物体に亀裂が入っている場合にも、剥離部分は一種の梁の構造を持つこととなるから、剥離部分にはたわみ振動が生じる。また、物体表面の薄膜の一部に剥離がある場合には、薄膜の剥離部分は太鼓の振動膜のようにたわみ振動を起こす。これらのたわみ振動の固有振動数には、亀裂や空洞の深さと大きさ、薄膜の剥離部分の大きさなどの情報が含まれる。
【0009】
物体にたわみ振動を励起して、物体の状態に関する情報を得るために、本発明では、音波を用いて被検査物体の表面を励振する。超音波式の検査方法では、超音波の波長は、物体表面から反射境界面までの距離よりも十分に小さくなるように選ばれるのに対して、たわみ振動の固有振動数における波長は、表面から境界面までの距離よりも大きい。したがって、本発明では、超音波式の検査方法に比較して、遙かに長い波長の音波を用いることになり、広い範囲の表面を同時に励振することができる。このため、大域的な状態の検査が可能となるとともに、効率的に検査を行うことができる。また、長波長の音波は、空気などの気体中にも効率よく放射されるため、非接触での励振が可能となる。したがって、液槽中に浸すことが困難な対象にも適用することができ、また、微細な対象も損傷を与えることなく検査することができる。さらに、長波長の音波は、非常に安価な装置で発生することが可能である上に、一つの装置で数オクターブ以上の周波数範囲をカバーすることも容易である。
【0010】
本発明の検査方法は、上に説明したとおり、超音波式の検査方法と比較して広い範囲の検査を行うことが可能である。しかし、大きな被検査物体では、低い周波数の音波で励振してもなお、一度に全体を検査することはできない場合がある。請求項3に関わる発明では、被検査物体上の検査領域を、被検査物体の表面に沿って走査する。これによって、広い範囲の検査を実行することが可能となる。さらに、物体表面上のどの場所でたわみ振動が大きく励起されるかを測定することで、欠陥や空洞の大きさと分布など、被検査物体の状態に関する二次元的情報を得ることが可能である。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明では、被検査物体に音を照射して、物体表面上の圧力変動=音圧によって物体に振動的な外力を印可する。上述の通り、使用する周波数が低いから、音は、スピーカーなどの電気音響変換器によって容易に放射することができる。また、音が伝播する媒質は気体であっても液体であっても構わない。したがって、被検査物体は、空気あるいは何らかの気体中に在っても、液体中に浸されていても構わない。一方、物体に生じたたわみ振動は、レーザー変位計やレーザードップラー振動計などの光学式の検出器、対象物体が導電性であれば渦電流式や静電容量式の変位検出器、加速度ピックアップや歪みゲージなど、数多くの検出手段が考えられる。これらの中から、検査の条件に応じて適切なものを選択することができる。検出した振動の周波数と振幅に基づいて、被検査物体の状態を推定する方式にも、検査の対象と条件に従って、多くの方式が考えられる。以下、実施例に即して具体的な実施形態を説明する。
【0012】
【実施例】
(第一実施例)図1は、本発明の第一実施例である。図1において、22が被検査物体であり、本実施例ではコンクリート構造物である。24は、コンクリート内部の空洞である。コンクリート構造物の内部に、ある程度以上の大きさの空洞が存在すると、剥落の可能性が大きくなって非常に危険である。10は、被検査物体22の表面に音波14を照射しているスピーカーである。44は増幅器であり、発振器42で発生された信号を増幅してスピーカー10を駆動している。12は、レーザードップラー振動計測装置であり、空洞の上部に形成された殻構造部分に励起されたたわみ振動32の振動速度を、非接触で計測している。46は信号処理装置であり、レーザードップラー振動計測装置12で検出した振動波形を処理し、結果を制御装置40に出力している。制御装置40は、発振器42に制御信号18を出力するとともに、信号処理装置46の出力から、被検査物体22に励起されたたわみ振動32の固有振動数を計算し、欠陥の有無と程度を推定して、結果を表示している。
【0013】
図2は、図1中の主要な信号の波形を示す図である。(a)は、制御装置40から発振器42に出力される制御信号18であり、発振器42の周波数変調信号として用いられている。発振器42は、この信号によって制御された周波数の正弦波を発振して増幅器44へ出力する。ここで、fは、想定される固有振動数の下限、fは、想定される固有振動数の上限である。また、Tは、周波数を一回スイープするのに要する時間である。(b)は、変調された信号、すなわち発振器42の出力信号を模式的に示したものである。(c)は、被検査物体表面の振動変位波形を模式的に表したものである。(d)は、信号処理装置46で(c)の信号を二乗検波した信号である。
【0014】
図2(b)の信号を増幅して音波として照射すると、被検査物体22の表面には、時間とともに同図(a)のように周波数が変化する正弦的な外力が印可されることになる。もし、被検査物体であるコンクリート構造物の内部に空洞が存在し、空洞上部の殻構造のたわみ振動の固有振動数fが、fとfの間の値であれば、発振器出力の周波数がちょうどfに等しくなる時刻tの近傍で、物体の表面変位の振幅が急激に大きくなり、(c)に模式的に示したような波形を示すことになる。表面変位信号(c)を二乗検波すると、その包絡線が時刻tの近傍で最大値をとる(d)のような信号となる。これに対して、空洞や亀裂などの欠陥が存在しない場合、あるいは存在しても非常に小さくて実用上問題とならない場合には、固有振動数は高い値となってfを越えるので、時刻0からTまでの周波数スイープ期間内に、共振を起こすことがない。以上の説明から分かるように、周波数スイープの期間内に、二乗検波信号(d)に大きなピークが現れるか否かによって、欠陥が存在するか否かが判定できる。また、欠陥が存在する場合には、二乗検波信号のピーク出現時刻tから、たわみ振動の固有振動数を計算することができ、この振動数から欠陥の状態を推定することができる。なお、本実施例では、レーザードップラー振動計測装置12に内蔵された積分機能を利用して、非検査物体の振動速度の信号を表面変位信号に変換してから処理しているが、速度信号のままでも、図2と同様の処理を適用できることは言うまでもない。
【0015】
(第二実施例)図3は、薄膜の剥離検出に応用した本発明の第二実施例である。図3において、54は、ベース物体52の表面に形成された薄膜である。56は、剥離で、本来ベース物体52に密着しているべき薄膜54が、剥がれているが、表面上は正常に見えている部分である。本実施例のスピーカー10を駆動する増幅器や、信号を発生する発振器、レーザードップラー振動計測装置12の出力を処理する信号処理装置、全体を制御し検査結果を推定する制御装置は、第一実施例と同じ構成である(図示せず)。薄膜がベース物体に密着している場合には、薄膜のたわみ振動は生じないが、図3に示すように剥離が存在すると、剥離上部の薄膜はたわみ振動を生じる。第一実施例と同様にして、一定の周波数範囲の中に共振が現れるか否かを検出することで、剥離の存在を判定することができる。また、たわみ振動の固有振動数を検出することで、剥離の程度と大きさを推定することができる。なお、本実施例は、剥離を検出対象としているが、同様の構成によって、薄膜表面に付着した汚れ、薄膜の組成変化、あるいは薄膜の張力の異常などの検出を行うことができる。
【0016】
(第三実施例)図4は、本発明の第三の実施例である。図4において、60は金属製容器であり、その内部には固体の内容物63が保存されており、圧力は内部圧力Pに等しい。62は、コイルであり、渦電流検出器64と組み合わせて、金属製容器60の蓋68の変位を検出している。スピーカー、増幅器、発振器、信号処理装置、制御装置の構成と働きは、第一実施例と同じである。本実施例は、内容物63が腐敗して内部圧力が高くなっている異常な金属容器を発見することを目的としている。金属製容器の蓋のたわみ振動の固有振動数は、金属製容器の内部圧力によって変化するから、本実施例の構成で蓋のたわみ振動の固有振動数を検出すれば、内部圧力Pを推定でき、被検査容器が正常か異常かを判定することが可能になる。
【0017】
(第四実施例)図5は、部材の溶接部の検査に応用した、本発明の第四実施例である。図5において、76は固定部材であって、基礎72に、74の溶接部によって固定されている。発振器、信号処理装置、制御装置(図示せず)は、第一実施例と同じ構成になっており、スピーカー10から周波数変調された正弦波を照射し、固定部材76の振動をレーザードップラー振動計測装置12で検出して、固定部材76の固有振動数を計算している。固定部材76は、片持ち梁の構造を持ち、そのたわみ振動の固有振動数は、部材の材質や厚みとともに、溶接部の接合状態の影響を受ける。溶接部に欠陥があって完全な接合となっていない場合には、固有振動数は小さくなる。本実施例では、固定部材の固有振動数を測定して、溶接部分の欠陥の有無を検査している。なお、本実施例は、溶接部の検査を目的としているが、固定部材の固定方法が、溶接以外の方法による場合でも、全く同様に本発明を適用できることは言うまでもない。例えば、接着による場合の接着状態の検査、ネジ止めによる場合の固定状態の検査、あるいは鋳物による成型の場合の「鬆」の検査、射出成形による一体成型の場合の成型状態の検査などに本発明を適用することができる。
【0018】
第一実施例から第四実施例では、図2(a)に示したように、低い周波数領域ではゆっくりと、高い周波数領域では急速に周波数をスイープしているが、被検査物体の条件によっては、線形に周波数を変調した信号を用いる場合もある。また、条件によっては、周波数変調した正弦波を用いるのではなく、広い周波数成分を含んだ雑音を用いて被検査物体を加振しても構わない。雑音を用いた場合には、信号処理装置内の処理も、二乗検波信号のピーク時刻を検出するのではなく、レーザードップラー振動計測装置の出力信号を周波数分析して、スペクトルのピークを検出する処理に変更する必要があることは言うまでもない。
【0019】
検査の目的が、欠陥の程度や大きさの推定ではなく、欠陥や異常の有無の検出である場合には、たわみ振動の固有振動数の絶対値を検出することではなく、固有振動数が、正常な場合の値と異なっているか否かを確かめることで目的を達成できる。このような目的に対しては、発振器、信号処理装置、制御装置を、必ずしもこれまで述べてきた構成にする必要は無い。例えば、正常な被検査物体の固有振動数に等しい周波数でスピーカーを正弦的に駆動し、励起されるたわみ振動の振幅を測定して、正常な場合の振幅と比較して、或る限度を越えて隔たっている場合に異常の判定をする構成とすればよい。この構成では、必要な信号処理は、正弦波の振幅を検出することだけであり、非常に単純な装置で実現することができる。
【0020】
以上の他にも、たわみ振動の固有振動数を推定する方式は多種考え得る。要するに、本発明の本質は、音波を利用して被検査物体にたわみ振動を励起し、たわみ振動の固有振動数を推定して、その値から被検査物体の状態を知るところに存するのであり、固有振動数を検出し推定する手段の如何によって左右されるものではない。
【0021】
(第五実施例)図6は、本発明の第五実施例である。本発明の検査方法は、上に説明したとおり、超音波式の検査方法と比較して広い範囲の検査を行うことが可能である。しかし、大きな被検査物体、例えばコンクリート構造物などでは、本発明の検査方法でも、一度に全体を検査することはできない。このような場合には、被検査物体表面に音波を照射してたわみ振動を励起する手段と、たわみ振動を検出する手段を、被検査物体の表面に沿って走査することで、広い範囲の検査を実行することができる。図6において、10’はスピーカーであって、直線上に複数台設置され、被検査物体22の表面の帯状の領域に音波を照射している。12’はレーザードップラー振動計測装置であり、やはり上記直線上に複数台設置され、上記帯状領域内の、一定の距離を隔てた複数の点の振動を検出している。増幅器44、発振器42、信号処理装置46、および制御装置40’の基本構成は、第一実施例と同様であり、各部の信号波形も、図2中に示した波形と同様である。ただし、被検査物体表面の振動検出と共振周波数の計算は、レーザードップラー振動計測装置一つずつに関して実行されている。スピーカー10’およびレーザードップラー振動計測装置12’は、走査装置(図示せず)に取り付けられていて、前記帯状領域に直角な走査方向に移動しながら、被検査面全面を検査している
【0022】
図6において、41はデータベースである。データベース41には、被検査物体22と同じ構造・材質の物体に空洞または亀裂による欠陥が存在する場合の、たわみ振動の固有振動数と、振幅の二次元分布が記録されている。本実施例では、多数の典型的な欠陥をコンピューターシミュレーションを利用して解析し、データベースを構築しているが、実際の測定データに基づいて構築されたデータベースを利用してももちろん構わない。制御装置40’では、実測されたたわみ振動のデータとデータベースを照合し、欠陥の位置を表示するとともに、多変量解析の手法を用いて欠陥をクラスに分類し、どのような欠陥であるかを結果として表示している。なお、被検査物体の条件によっては、多変量解析の手法に代えて、ニューラルネットワークを用いる場合もある。
【0023】
本実施例では、直線状に配置した複数のスピーカー10’およびレーザードップラー振動計測装置12’を走査装置に取り付け、被検査物体の表面に沿って移動することによって、被検査面全体の検査を行っている。しかし、被検査物体の条件に応じて、各1台のスピーカーおよびレーザードップラー振動計測装置を、二次元的に走査して、被検査面の全体を覆うようにしても構わない。あるいは、特に高速な検査が必要とされる場合には、スピーカーおよびレーザードップラー振動計測装置を二次元的に多数配置する場合もある。なお、走査動作は、スピーカーおよびレーザードップラー振動計測装置自体を平行移動させる方法のほかに、スピーカーないしレーザードップラー振動計測装置の首振り動作を用いる方法、レーザードップラー振動計測装置のレーザービームを鏡を用いて反射させ、鏡の角度を調節する方法などを採ってもよい。
【0024】
【発明の効果】
請求項1および請求項2に関わる発明は、被検査物体に音を照射してたわみ振動を励起し、励起されたたわみ振動を検出して、検出されたたわみ振動の周波数と振幅に基づいて、被検査物体の状態を推定する。たわみ振動の振動数と振幅に基づいているため、対象の微視的な状態を検出する超音波式の検査法とは異なって、被検査物体の大域的な状態を推定することが可能になる。また、超音波式の検査法に比較して、波長の長い音波を用いるため、音を照射して被検査物体を励振する手段として、安価でしかも周波数帯域の広い機器を利用することが可能となる。更に、非接触で被検査物体を励振することが可能なので、微細な被検査物体の検査が可能となる。このように、大域的な状態の推定が可能で、しかも非接触の検査手段を、安価に提供できることが、本発明の著しい効果である。また、非接触の検査が可能であることから、検査領域の走査動作が容易に実現できる。請求項3に関わる発明は、上記の効果に加えて、広い領域を高効率に検査することを可能にする効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例を示す図である。
【図2】信号の処理の概要を説明する図である。
【図3】本発明の第二実施例を示す図である。
【図4】本発明の第三実施例を示す図である。
【図5】本発明の第四実施例を示す図である。
【図6】本発明の第五実施例を示す図である。
【符号の説明】
10  スピーカー
10’ スピーカー
12  レーザードップラー振動計測装置
12’ レーザードップラー振動計測装置
14  音波
18  制御信号
20  被検査物体表面
22  被検査物体
24  空洞
26  欠陥
30  走査方向
32  たわみ振動
40  制御装置
40’ 制御装置
41  データベース
42  発振器
44  増幅器
46  信号処理装置
52  ベース物体
54  薄膜
56  剥離
60  金属製容器
62  コイル
63  内容物
64  渦電流検出器
68  蓋
72  基礎
74  溶接部
76  固定部材

Claims (3)

  1. 被検査物体に音を照射してたわみ振動を励起し、
    励起されたたわみ振動を検出して、
    検出されたたわみ振動の周波数と振幅に基づいて、被検査物体の状態を推定することを特徴とする音響式検査方法。
  2. 被検査物体に音を照射してたわみ振動を励起する手段と、
    励起されたたわみ振動を検出する手段を有し、
    上記検出手段によって得られたたわみ振動の周波数と振幅とに基づいて、被検査物体の状態を推定することを特徴とする音響式検査装置。
  3. 被検査物体上の検査領域を、被検査物体の表面に沿って走査しうるように構成したことを特徴とする、請求項2に記載の音響式検査装置。
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