JP2004069014A - リニアガイド - Google Patents

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JP2004069014A JP2002232508A JP2002232508A JP2004069014A JP 2004069014 A JP2004069014 A JP 2004069014A JP 2002232508 A JP2002232508 A JP 2002232508A JP 2002232508 A JP2002232508 A JP 2002232508A JP 2004069014 A JP2004069014 A JP 2004069014A
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Tomoyuki Aizawa
相澤 知之
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NSK Ltd
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Abstract

【課題】より高い非磁性及び真空度が要求される環境下であっても、好適に用いることを可能としたリニアガイドを提供する。
【解決手段】案内レール1、スライダ2、エンドキャップ固定ボルト5をチタン合金から構成し、ボール3をセラミックスから構成するとともに、エンドキャップ4及びボール落下止め6はフッ素樹脂から構成することで、リニアガイド10を形成する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体製造装置、液晶製造装置、X線や電子線を使用した計測装置などの非磁性が要求される環境下で用いられる機械装置に好適に用いられるリニアガイドに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、リニアガイドの一例としてリニアガイドを構成するスライダや案内レールは、主に高炭素クロム軸受鋼や肌焼鋼などの鉄鋼材料が一般的に使用されている。このリニアガイドの使用環境は多種多用であり、近年、半導体製造装置、液晶製造装置、X線や電子線を使用した測定装置などのように、磁場を利用した装置や磁場によって測定精度が低下する装置における使用が増大している。
【0003】
このような装置において適用される構成部品としては、回転及び移動によって周辺の磁場を乱さないように非磁性が要求されるため、非磁性ステンレス鋼やベリリウム銅から構成されたものが使用されている。
しかし、この非磁性ステンレス鋼の透磁率は、1.002〜1.040程度であるが、この程度の透磁率でも、構成部品がわずかに磁化するだけでも精度不良の原因となるような電子線などを用いた分析装置や測定装置において適用することは困難である。
【0004】
そこで、より完全に近い非磁性が要求される場合には、透磁率が1.001以下であるベリリウム銅から構成されたリニアガイドが使用されている。ところが、このベリリウム銅を構成する元素であるベリリウムやその化合物の一部は、環境負荷物質として認識されているため、ベリリウム銅以外の材料から非磁性能力に優れたリニアガイドを形成することが切望されている。
【0005】
このような状況から、特開2001−227550号公報において、スライダと案内レールとを、耐食性、非磁性能力に優れるチタン合金製とした手段が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この手段によると、スライダ及び案内レールにおける非磁性を確保できるようになったが、さらなる非磁性が要求される環境下では、このスライダ及び案内レール以外の構成部品であるボールなどの磁性が問題となる場合があった。
【0007】
ここで、ボールもチタン合金製とすることが考えられるが、難削材であるチタン合金から、リニアガイドに要求される高精度なボールを数多く製造することは非常に困難であった。
また、リニアガイドの構成部品としては、ボールを循環させるエンドキャップ、それを取付けるボルト、及びボール落下止めなどの部品なども挙げられる。これらの構成部品には、通常、ステンレス材などの金属材料や、ポリアセタールなどの樹脂材から構成されている。
【0008】
ここで、上述の構成部品をステンレス材から構成すると、さらなる非磁性が要求される環境下においては、上述のボールと同様に磁性が問題となる場合があった。また、上述の構成部品をポリアセタールから構成すると、真空環境下で使用される半導体製造装置などにおいて、より高い真空度が要求される場合には、アウトガスの発生が問題となる場合があった。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、より高い非磁性及び真空度が要求される環境下であっても、好適に用いることを可能としたリニアガイドを提供することを課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するために、本発明のリニアガイドは、案内レールと、当該案内レールによって案内されるスライダと、前記スライダの有する第一のボール軌道溝及び前記案内レールの有する第二のボール軌道溝の間に転動自在に配置される複数の転導体とを備え、前記スライダ及び前記案内レールがチタン合金製であるリニアガイドにおいて、前記ボールが、セラミックス製であることを特徴としている。
【0011】
また、本発明のリニアガイドにおいて、前記スライダ、前記案内レール、及び前記ボール以外に具備された構成部品の全てが、チタン合金、アルミ合金、及びりん青銅から選択された金属材料製もしくはピーク材及びフッ素樹脂から選択された樹脂材料製のいずれかで構成されていることが好ましい。
ここで、本発明のリニアガイドにおいて「スライダ、案内レール、及びボール以外に具備された構成部品」とは、例えばエンドキャップ、それを取付けるボルト、及びボール落下止めなどの部品などを指す。
【0012】
本発明のリニアガイドによれば、スライダ及び案内レールがチタン合金製であるリニアガイドにおいて、ボールをセラミックス製としたことによって、さらなる非磁性が要求される環境下で適用された場合であっても、確実に非磁性を確保することが可能となる。
また、ボールを、容易且つ安価で入荷可能なセラミックス製としたことによって、低コストで非磁性を確保することが可能となる。
【0013】
さらに、スライダ、案内レール、及びボール以外に具備された構成部品の全てを、チタン合金、アルミ合金、及びりん青銅から選択された金属材料製もしくは、ピーク材及びフッ素樹脂から選択された樹脂材料製のいずれかで構成することによって、リニアガイド全体において、より確実に非磁性を確保することが可能となる。
【0014】
さらに、スライダ、案内レール、及びボール以外に具備された構成部品に樹脂材料を使用する場合に、この構成部品をピーク材及びフッ素樹脂から選択された樹脂材料から構成することによって、真空中におけるアウトガスを低下させることが可能となるため、より高い真空度が要求される環境下で用いられる機械装置にも好適に用いることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明におけるリニアガイドの一構成例を示し、(a)は正面図、(b)は平面視における一部断面図である。
本実施形態におけるリニアガイド10は、図1に示すように、断面が略矩形状の案内レール1と、当該案内レール1の長手方向に移動可能な横断面が略コ字状のスライダ2と、このスライダ2に形成された第一のボール軌道溝2a及び案内レール1に形成された第二のボール軌道溝1aによって形成されたボール転動路3A間に転動自在に配置されるボール3と、から構成されている。そして、このボール3が、ボール転動路3Aに沿って転がり運動をすることによって、スライダ2が案内レール1の長手方向(図1(b)における上下方向)に直線運動をするようになっている。
【0016】
また、スライダ2には、その軸方向(図1(b)における上下方向)両端部に、エンドキャップ固定ボルト5によって着脱自在にエンドキャップ4が設けられている。このエンドキャップ4内には、第一のボール軌道溝2aと第二のボール軌道溝1aとの間に形成されたボール転動路3Aと、ボール戻り路3Bとを連結させる略U字状のボール通路孔3Cを備えており、ボール3は、ボール戻り路3Bを経て、ボール転動路3Aを繰り返し転動可能となっている。さらに、案内レール1の第二のボール軌道溝1aの内側及びスライダ2の内周面及びには、ボール3の落下を防止するボール落下止め6が形成されている。
【0017】
ここで、本実施形態におけるリニアガイド10において、案内レール1、スライダ2、エンドキャップ固定ボルト5は、チタン合金から構成している。
また、ボール3は、セラミックスから構成している。
さらに、エンドキャップ4及びボール落下止め6は、ピーク材から構成している。
【0018】
このように、本実施形態におけるリニアガイド10によれば、案内レール1及びスライダ2のみならず、それ以外の構成部材を全てチタン合金と同等以下の磁性の材料とすることによって、より非磁性を確保することが可能となるため、厳しい非磁性が要求される環境下で用いられる機械装置に好適に用いることができる。
【0019】
また、本実施形態におけるリニアガイド10によれば、エンドキャップ4及びボール落下止め6をピーク材もしくはフッ素樹脂から構成することによって、真空中におけるアウトガスを低下させることが可能となるため、より高い真空度が要求される環境下で用いられる機械装置にも好適に用いることができる。
さらに、本実施形態におけるリニアガイド10によれば、ボール3をセラミックス製としたことによって、チタン合金製とする場合と比べて、窒化珪素系、ジルコニア系などの高精度のボール3が軸受用として容易且つ安価で入手できるため、低コストで非磁性を確保可能なリニアガイド10を提供することが可能となる。
【0020】
ここで、本実施形態におけるリニアガイド10において、使用者が頻繁に組ばらしをしない場合など、リニアガイド10の使用条件によっては、このボール落下止め6を省略し、低コストを実現するようにしてもよい。
なお、エンドキャップ固定ボルト5の構成材料は、これに限らず、アルミ合金やりん青銅から構成するようにしてもかまわない。
【0021】
また、エンドキャップ4及びボール落下止め6の構成材料は、これに限らず、フッ素樹脂、アルミ合金、りん青銅、チタン合金から構成するようにしてもかまわない。
【0022】
【発明の効果】
このように本発明のリニアガイドによれば、案内レール及びスライダがチタン合金製から構成されたリニアガイドにおいて、ボールをセラミックス製とすることによって、高い非磁性が要求される環境下で使用される機械装置に好適に用いることが可能となる。
【0023】
また、本発明のリニアガイドによれば、案内レール、スライダ、及びボール以外に具備された構成部品の全ても、チタン合金、アルミ合金、及びりん青銅から選択される金属材料製もしくは、ピーク材及びフッ素樹脂製から選択される樹脂材料製のいずれかで構成することによって、より高い非磁性及び真空度が要求される環境下で使用される機械装置に好適に用いることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるリニアガイドの一構成例を示し、(a)は正面図、(b)は平面視における一部断面図である。
【符号の説明】
1    案内レール
1a   第一のボール軌道溝
2    スライダ
2a   第二のボール軌道溝
3    ボール
4    エンドキャップ
5    エンドキャップ固定ボルト
6    ボール落下止め
10    リニアガイド

Claims (2)

  1. 案内レールと、当該案内レールによって案内されるスライダと、前記スライダの有する第一のボール軌道溝及び前記案内レールの有する第二のボール軌道溝の間に転動自在に配置される複数のボールとを備え、前記スライダ及び前記案内レールがチタン合金製であるリニアガイドにおいて、
    前記ボールが、セラミックス製であることを特徴とするリニアガイド。
  2. 前記スライダ、前記案内レール、及び前記ボール以外に具備された構成部品の全てが、チタン合金、アルミ合金、及びりん青銅から選択された金属材料製もしくはピーク材及びフッ素樹脂から選択された樹脂材料製のいずれかで構成されていることを特徴とする請求項1に記載のリニアガイド。
JP2002232508A 2002-08-09 2002-08-09 リニアガイド Pending JP2004069014A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011033199A (ja) * 2010-11-16 2011-02-17 Nagaoka Univ Of Technology 直動装置
CN102844578A (zh) * 2011-04-22 2012-12-26 日本精工株式会社 直动引导装置

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