JP2001159502A - 転がり軸受用保持器のポケット隙間の測定方法 - Google Patents

転がり軸受用保持器のポケット隙間の測定方法

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JP2001159502A
JP2001159502A JP34202099A JP34202099A JP2001159502A JP 2001159502 A JP2001159502 A JP 2001159502A JP 34202099 A JP34202099 A JP 34202099A JP 34202099 A JP34202099 A JP 34202099A JP 2001159502 A JP2001159502 A JP 2001159502A
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pocket
retainer
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displacement
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Shinichiro Asae
真一郎 淺枝
Yasuyuki Muto
泰之 武藤
Minoru Kobari
実 小針
Hidekazu Takahashi
英一 高橋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 保持器6のポケット9内に玉を保持した状態
で、このポケット9の内面と玉の外面との間に存在する
ポケット隙間を、容易に且つ正確に測定自在とする。 【解決手段】 上記ポケット9内に、測定補助具12の
球形部13を保持する。この球形部13は、このポケッ
ト9内に保持すべき玉と同様の形状及び大きさを有す
る。そして、この球形部13を上記ポケット9内で変位
させた場合に於ける上記測定補助具12の変位を、変位
計17により測定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種回転装置の回
転部分を支持する為の転がり軸受を構成する保持器に設
けた複数のポケット内に転動自在に保持した転動体がこ
れら各ポケット内で変位可能な量であるポケット隙間
を、転がり軸受の使用状態に則して正確に測定可能にす
るものである。
【0002】
【従来の技術】各種回転装置の回転部分を支持する為
に、例えば図12に示す様な玉軸受が広く使用されてい
る。この玉軸受は、外周面に内輪軌道1を有する内輪2
と、内周面に外輪軌道3を有する外輪4とを同心に配置
し、上記内輪軌道1と外輪軌道3との間に、それぞれが
転動体である複数個の玉5、5を転動自在に設けて成
る。これら複数個の玉5、5は、保持器6により転動自
在に保持している。上記外輪4の軸方向両端部(図12
の左右両端部)内周面には、それぞれ円輪状のシールド
板7、7の外周縁を係止して、上記玉5、5設置部分に
存在するグリースが外部に漏洩したり、或は外部に浮遊
する塵芥等の異物がこの設置部分に進入したりするのを
防止している。尚、この様な非接触型のシールド板7、
7に代えて、接触型のシール板を使用する場合もある。
【0003】上記保持器6として一般的には、図13に
示す様な冠型保持器を使用している。この冠型保持器
は、ポリアミド、ポリ四弗化エチレン(PTFE)、ポ
リフェニレンサルファイド(PPS)、ポリアセタール
等の滑り易い合成樹脂により構成したもので、円環状の
主部8と、この主部8の軸方向片面(図13の上下方向
上面)に等間隔に設けられた複数のポケット9、9とを
備える。これら各ポケット9、9は、互いに間隔をあけ
て配置された1対の弾性片10、10と、上記主部8の
軸方向片面でこの1対の弾性片10、10の間部分に設
けられた凹面部11、11とから構成している。そし
て、各ポケット9、9に玉5、5(図12)を1個ず
つ、転動自在に保持する。
【0004】上記各玉5、5は、各ポケット9、9を構
成する1対ずつの弾性片10、10の先端縁同士の間隔
を弾性的に押し広げつつ、これら1対の弾性片10、1
0の間に押し込む事により、上記各ポケット9、9内に
保持する。この作業は、上記各玉5、5を前記内輪軌道
1と外輪軌道3との間に挿入し、これら各玉5、5を円
周方向等間隔に配置した後に行なう。即ち、上記内輪軌
道1と外輪軌道3との間に設けられた玉5、5に向けて
保持器6を押し付け、この保持器6のポケット9、9内
に玉5、5を抱き込む。上記保持器6は、この様に上記
各ポケット9、9内に玉5、5を抱き込む事により、こ
れら各玉5、5を上記内輪軌道1と外輪軌道3との間
に、転動自在に保持する。
【0005】保持器6を組み込んだ玉軸受の基本構成は
上述の通りであるが、この玉軸受の運転時に保持器音と
呼ばれる振動並びに騒音が発生するのを防止する為に
は、玉5、5に対する保持器6の動き量を適正にする必
要がある。この様な保持器の動き量は、上記各ポケット
9、9の内面と上記各玉5、5の転動面との間に存在す
る、所謂ポケット隙間に影響される。即ち、玉軸受用の
保持器6のポケット9、9の内面は球状凹面であり、球
状凸面である上記各玉5、5の転動面と近接対向させて
いるが、この球状凹面の曲率半径は、これら各玉5、5
の転動面の曲率半径よりも僅かに大きい。この様に各部
の曲率半径を規制するのは、上記各ポケット9、9の内
面と上記各玉5、5の転動面との間に潤滑剤を取り込み
つつ、これら各玉5、5の転動を円滑に行なわせる為に
必要である。
【0006】従って、上記各ポケット9、9の内面と上
記各玉5、5の転動面との間には微小な隙間が存在し、
この隙間に基づいてこれら各玉5、5が上記各ポケット
9、9内で、例えば図14(A)(B)に示す様に変位
する。上記隙間の大きさが小さ過ぎると、上記各ポケッ
ト9、9の内面と上記各玉5、5の転動面との間に潤滑
剤を十分に取り込めなくなって、これら内面と転動面と
の擦れ合い部の摩擦が大きくなり、玉軸受の回転トルク
が増大するだけでなく、上記保持器音が大きくなる。反
対に、上記隙間が大き過ぎた場合には、上記保持器6の
変位が著しくなって、やはり上記保持器音が大きくな
る。この様な理由で、上記ポケット隙間の大きさを求め
る事は、玉軸受等の転がり軸受の性能を向上させる点か
ら必要である。この様なポケット隙間を求める為に従来
は、キャリパゲージ等の測定器により上記各ポケット
9、9の内径を測定し、この測定結果と上記各玉5、5
の外径とから、上記ポケット隙間を算出していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述の様にして各ポケ
ット9、9の内径を測定する場合には、これら各ポケッ
ト9、9の内面に測定器の測定端子を接触させ、しかも
上記内径が最大となる部分(溝底部分)を捜し当てなけ
ればならない。この様にして行なう上記内径の測定作業
は、面倒で熟練を要し、測定部或は作業者によって測定
誤差を生じ易く、優れた再現性、信頼性を有する測定値
を得にくい。又、上記ポケットの内径を特定部分で測定
するだけである為、実際にポケット内に転動体を保持し
た状態で、これらポケットの内面と転動体の外面との間
に形成される隙間の寸法を必ずしも正確に求められない
可能性がある。更には、ミニアチュア玉軸受用等、小径
の保持器の場合には、ポケット内にキャリパゲージ等の
測定端子を差し込めず、各ポケット9、9の内径を測定
する事自体不可能な場合もある。本発明は、この様な事
情に鑑みて、保持器のサイズの大小に拘らず、ポケット
隙間を転がり軸受の使用状態に則して正確に測定でき
る、転がり軸受用保持器のポケット隙間の測定方法の実
現を図るものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の転がり軸受用保
持器のポケット隙間の測定方法は、転がり軸受用保持器
のポケット内に転動自在に保持した転動体の外面とこの
ポケットの内面との間に存在するポケット隙間の大きさ
を測定する為に利用する。この様な本発明の転がり軸受
用保持器のポケット隙間の測定は、少なくともポケット
の内面と対向する部分の形状及び大きさが当該ポケット
内に保持すべき転動体と同じである測定補助具を使用す
る。そして、この測定補助具の少なくとも一部をポケッ
ト内に保持した状態で、この測定補助具と上記転がり軸
受用保持器とを相対変位させる。そして、この変位量を
測定する事により、上記ポケット隙間の大きさを求め
る。
【0009】
【作用】上述の様に構成する本発明の転がり軸受用保持
器のポケット隙間の測定方法によれば、保持器のサイズ
の大小に拘らず、ポケット隙間を転がり軸受の使用状態
に則して正確に測定できる。即ち、転動体と同様の測定
補助具をポケット内に保持するのみで良く、このポケッ
ト内に測定端子を差し込む必要がない為、小型の保持器
に関するポケット隙間の測定も容易に行なえる。又、転
動体と同様の測定補助具を使用して、実際の場合と同様
の隙間に基づく変位量から上記ポケット隙間を求める
為、このポケット隙間を容易に且つ正確に求める事がで
きる。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の形態の第
1例を示している。尚、本例は、ポケット隙間のうち、
保持器6の軸方向の隙間であるアキシアル隙間を測定す
るのに、本発明を適用した場合に就いて示している。合
成樹脂製で冠型の保持器6のポケット9内に、測定補助
具12の一部を保持している。本例に使用する測定補助
具12は、球形部13と、この球形部13の外面の一部
にその基端部を結合した結合杆部14と、この結合杆部
14の先端部に結合固定した被検出部15とから成る。
このうちの球形部13の外径は、上記ポケット9内に保
持すべき玉5(図12)の外径と同じ{完全に同じか、
少なくとも玉5の外径に関する公差(一般的に±30μ
m程度)内}としている。
【0011】この様な測定補助具12を使用して上記保
持器6のポケット隙間を測定するには、この測定補助具
12の球形部13を、このポケット隙間を測定すべきポ
ケット9内に保持した状態で、上記測定補助具12と上
記保持器6とを相対変位させる。この為に本例の場合に
は、この保持器6を支持台16の上面に、この保持器6
の中心軸を鉛直方向に一致させた状態で、接着剤、負圧
或は磁気による吸着力等により支持固定している。そし
て、この状態のまま、上記結合杆部14を鉛直方向に配
置し、手に持ったピンセット等により、或は適宜のマニ
ピュレータにより、上記測定補助具12を昇降させる。
この昇降作業は、上記球形部13が下降し切った状態と
上昇し切った状態との間で行なう。そして、これら両状
態との間での上記測定補助具12の昇降量を、変位計1
7により測定する。この変位計17として本例の場合に
は、渦電流式、レーザ式、静電容量式等の非接触型のも
のを使用している。従って、測定時に上記測定補助具1
2に測定圧が作用せず、その分、測定精度を向上させる
事ができる。尚、渦電流式或は静電容量式のものを使用
する場合には、上記被検出部15の材質を検出可能な金
属製とする。上記変位計17として何れのものを使用し
た場合でも、この変位計17の測定値が、そのまま上記
ポケット9のアキシアル方向に関するポケット隙間とな
る。
【0012】上述の様に構成する本発明の転がり軸受用
保持器のポケット隙間の測定方法によれば、上記保持器
6のサイズの大小に拘らず、上記ポケット9のアキシア
ル方向に関するポケット隙間を、玉軸受の使用状態に則
して正確に測定できる。即ち、上記ポケット9内に保持
する玉5と同様の形状及び大きさを有する、上記測定補
助具12に設けた球形部13を上記ポケット9内に保持
するのみで良く、このポケット9内に測定器の測定端子
を差し込む必要がない。この為、ミニアチュア玉軸受用
の様に、小型の保持器6に関するポケット隙間の測定も
容易に行なえる。又、玉軸受を組み立てた状態でポケッ
ト9内に保持すべき玉5と同じ形状及び大きさを有す
る、球形部13を設けた測定補助具12を使用して、実
際の場合と同様の隙間に基づく変位量から上記ポケット
隙間を求める為、このポケット隙間を容易に且つ正確に
求める事ができる。
【0013】次に、図2は、本発明の実施の形態の第2
例を示している。本例の場合には、変位計17aとし
て、ダイヤルゲージ、ピックテスタ等の接触式のものを
使用している。そして、この変位計17aの測定端子
を、測定補助具12aを構成する結合杆部14の先端面
に突き当てている。上記変位計17aとして接触式のも
のを使用するのに伴って、上記測定補助具12aには、
上述した第1例の場合の様な被検出部15は設けていな
い。その他の構成及び作用は、上述した第1例の場合と
同様である。
【0014】次に、図3は、本発明の実施の形態の第3
例を示している。本例の場合には、測定補助具12bと
して、玉軸受を組み立てた状態でポケット9内に保持す
べき玉5(図12)と同様の(同一公差の、或は同一ロ
ットの)軸受鋼製のものを使用している(玉5をそのま
ま測定補助具12bとしている)。又、非接触式の変位
計17として、渦電流式のものを使用している。そし
て、この変位計17を、保持器6の一部で上記ポケット
9の奥端部に対応する部分を介して、上記測定補助具1
2bに対向させている。支持台16の一部で上記変位計
17を設置する部分には、渦電流出力に関するノイズの
影響を小さくする為に、必要に応じて透孔21を設け
る。測定作業を行なう際には、上記測定補助具12bを
昇降させ、上記変位計17によりその昇降量を測定す
る。
【0015】尚、本例の場合には、この昇降量の測定を
上記保持器6を介して渦電流式の変位計17により行な
う為、上記保持器6は非金属製等、上記測定補助具12
bと異なる材質のもの(実際の場合には合成樹脂製)で
なければならない。又、上記変位計17の測定端面と上
記測定補助具12bとの距離が大きくなると、上記昇降
量の測定を正確に行なえなくなる。具体的には、上記ポ
ケット9の奥端部での上記保持器6の厚さが1.5mmを
越えると、上記測定を正確に行なえなくなる。この為、
本例は、ミニアチュア玉軸受用の様に、小型の保持器6
に関するポケット隙間の測定を行なう場合に有効であ
る。本例の場合には、上記測定補助具12bの昇降は、
ピンセット等により機械的に行なう他、負圧や磁気を利
用した吸引力をON・OFFする事によっても可能であ
る。その他の構成及び作用は、前述した第1例の場合と
同様である。
【0016】次に、図4は、本発明の実施の形態の第4
例を示している。本例は、ポケット隙間のうち、保持器
6の直径方向の隙間であるラジアル隙間を測定するの
に、本発明を適用した場合に就いて示している。本例の
場合も上述した第3例の場合と同様に、測定補助具12
bとして、玉軸受を組み立てた状態でポケット9内に保
持すべき玉5(図12)と同様の軸受鋼製のものを使用
している。そして、非接触式の変位計17を上記測定補
助具12bに、上記保持器6の径方向で対向させてい
る。測定作業を行なう際には、上記測定補助具12bを
昇降(保持器6の径方向に変位させ)させ、上記変位計
17によりその昇降量を測定する。測定すべきポケット
隙間がアキシアル方向からラジアル方向に変わった以
外、測定補助具を昇降させる方法の点も含め、上述した
第3例の場合と同様である。
【0017】次に、図5は、本発明の実施の形態の第5
例を示している。本例の場合には、測定補助具12cを
固定のまま、保持器6を昇降させ、この保持器6の変位
(昇降量)を測定する様にしている。この為に本例の場
合には、上記測定補助具12cとして、結合杆部14の
先端部に支持板部18を結合固定したものを使用してい
る。又、上記変位計17は、上記保持器6の片面(図5
の上面)に対向させている。測定作業時には、上記支持
板部18を支持台16の上面に支持し、上記保持器6の
下面に圧縮空気を吹き付けたり、或は吹き付けを停止す
る事により、この保持器6を昇降させる。即ち、上記圧
縮空気の吹き付けによりこの保持器6を上昇させ、吹き
付けの停止によりこの保持器6を、自重により下降させ
る。尚、ミニアチュア玉軸受用の様な、軽量の保持器6
を下降させる場合には、この保持器6の上面に圧縮空気
を吹き付けて下降させても良い。そして、この様な吹き
付けとその停止との間での上記保持器6の昇降量を、上
記変位計17により測定する。尚、この変位計17とし
て、非接触式の変位計を使用する場合は、レーザ式、静
電容量式のものが好ましい。渦電流式のものも、保持器
6が金属製であれば使用可能である。昇降させる部材及
び測定対象が、測定補助具12cから保持器6に変わっ
た以外の構成及び作用は、前述した第1例の場合と同様
である。
【0018】次に、図6は、本発明の実施の形態の第6
例を示している。上述した各例が、測定補助具12〜1
2c或は保持器6を外力によりポケット9内で変位させ
ているのに対し、本例の場合には、玉5(図12)と同
様の測定補助具12bを、自重によりポケット9内で変
位させる様にしている。この様に、ポケット9内での測
定補助具12bの変位を自重で行なわせる事により、測
定補助具を変位させる為の機構を不要にすると共に、変
位方向を安定させて変位計の設定を容易にし、測定誤差
を少なく抑えられる様にしている。この為に本例の場合
には、保持器6を支持する支持台16aに変位計17
を、支持腕19により支持している。そして、この変位
計17の測定端面を、上記保持器6のポケット9内に保
持した上記測定補助具12bに対向させている。
【0019】測定作業を行なう際には、先ず、図6
(A)に示す様に、上記ポケット9の開口部を上方に向
け、上記測定補助具12bをこのポケット9の奥端部に
変位させた状態で、上記変位計17の測定端面から上記
測定補助具12bの外面までの距離を測定する。次い
で、図6(B)に示す様に、上記支持台16aを180
度反転させ、上記測定補助具12bを上記ポケット9の
開口側端部に変位させた状態で、上記変位計17の測定
端面から上記測定補助具12bの外面までの距離を測定
する。図6(A)の状態での測定値と、同じく(B)の
状態での測定値との差が、上記ポケット9のアキシアル
方向に関するポケット隙間となる。尚、上記2通りの状
態での測定作業の前後は問わない。本例の場合には、非
接触式の変位計17の他、接触式の変位計も使用可能で
ある。
【0020】又、本例を実施する場合、上記支持台16
aに対する上記保持器6の支持固定は、前述した各例の
場合と同様に、接着剤、負圧或は磁気による吸着力等に
より行なっても良いが、上記保持器6が軽量な合成樹脂
製の場合には、次の様な方法も採用可能である。即ち、
この保持器のポケットのうち、測定対象となるポケット
以外のポケットのうちの(好ましくは測定対象となるポ
ケットの両側のポケットを含む)少なくとも数個所のポ
ケット内に、磁性材製の転動体(固定具)を保持する。
そして、上記支持台16aの一部に設けた磁石(永久磁
石又は電磁石)によって上記転動体を吸引し、この転動
体により上記保持器6を上記支持台16aに抑え付け
る。この様な方法によりこの支持台16aに対して上記
保持器6を支持固定する場合には、測定対象となるポケ
ット内に保持する測定補助具は、セラミック或はオース
テナイト系ステンレス鋼等の、非磁性材により造る事が
好ましい。その他の構成及び作用は、前述した第1例の
場合と同様である。
【0021】次に、図7は、本発明の実施の形態の第7
例を示している。本例の場合も、上述した第6例の場合
と同様に、測定補助具12dを、自重によりポケット9
内で変位させる様にしている。但し、本例の場合には、
測定補助具の変位ではなく、保持器6の変位を測定する
様にしている。この為に本例の場合には、上記測定補助
具12dを構成する結合杆部14の先端部を結合固定し
た支持板部18aに、変位計17を支持している。
【0022】測定作業を行なう際には、先ず、図7
(A)に示す様に、上記ポケット9の開口部を下方に向
け、上記測定補助具12dの球形部13をこのポケット
9の奥端部に変位させた状態で、上記変位計17の測定
端面から上記保持器6の片面までの距離を測定する。次
いで、図7(B)に示す様に、上記支持台16aを18
0度反転させ、上記測定補助具12dの球形部13を上
記ポケット9の開口側端部に変位させた状態で、上記変
位計17の測定端面から上記保持器6の片面までの距離
を測定する。図7(A)の状態での測定値と、同じく
(B)の状態での測定値との差が、上記ポケット9のア
キシアル方向に関するポケット隙間となる。その他の構
成及び作用は、使用可能な変位計の種類も含めて、上述
した第6例の場合と同様である。
【0023】次に、図8は、本発明の実施の形態の第8
例を示している。上述した各例の場合には、1個のポケ
ット9に関するポケット隙間を測定するのに本発明を適
用しているのに対して、本例の場合には、複数(更には
総ての)ポケット9、9に関するポケット隙間を一挙に
測定するのに本発明を適用した場合に就いて示してい
る。実際に玉軸受を構成した場合、保持器6全体として
の変位量は、各ポケット9、9毎に存在するポケット隙
間となる訳ではなく、その時点で最も早く互いに接触す
るポケット9の内面と玉5(図12)との間に存在する
ポケット隙間に大きく影響される。従って、総てのポケ
ット9、9に玉5、5を保持した状態でのポケット隙間
を測定する事は、実際の玉軸受での保持器6の変位量を
知る上から重要である。従来は、この様に総てのポケッ
ト9、9に玉5、5を保持した状態でのポケット隙間を
測定する事はできなかったが、本発明により、次の様に
可能となった。
【0024】本例に使用する測定補助具12eは、上記
各ポケット9、9と等ピッチ且つ同位相で配置された球
形部13、13を有する。そして、これら各球形部1
3、13にそれぞれの基端部を結合した結合杆部14、
14の先端部を、円輪状若しくは円板状の連結板20に
結合して成る。この連結板20は、上記保持器6と平行
な状態のまま昇降自在としている。そして、この連結板
20の上面に対向させた変位計17により、この連結板
20の昇降量を検出自在としている。測定作業を行なう
際には、上記保持器6を支持台(図8には省略)の上面
に支持固定した状態で上記連結板20を昇降させ、上記
変位計17により、この連結板20の昇降量を測定す
る。この昇降量が、上記保持器6の各ポケット9、9内
に玉5、5を保持した状態での、アキシアル方向に関す
るポケット隙間となる。
【0025】尚、本例を実施する場合に、上記各球形部
13、13を総て上記連結板20に、上記各結合杆部1
4、14を介して結合した状態では、上記各球形部1
3、13を上記各ポケット9、9内に押し込めない場合
が考えられる。この様な場合には、上記各球形部13、
13と上記各結合管部14、14との結合を、これら各
球形部13、13を上記各ポケット9、9内に、1個ず
つ押し込んだ後に、瞬間接着剤等を使用して行なう。そ
の他の構成及び作用は、使用可能な変位計の種類も含め
て、前述した第1例の場合と同様である。
【0026】次に、図9は、本発明の実施の形態の第9
例を示している。本例の場合には、上述した第8例の場
合とは逆に、測定補助具12eの上下位置を固定したま
ま、保持器6を昇降させて、この保持器6の各ポケット
9、9内に玉を保持した状態での、アキシアル方向に関
するポケット隙間を測定する様にしている。この為に本
例の場合には、上記保持器6の下面に、変位計17の測
定端面を対向させている。尚、本例の場合には、この変
位計として、非接触式のものも、接触式のものも使用可
能であるが、非接触式のうちの渦電流式のものは、保持
器6が金属製でなければ使用できない。その他の構成及
び作用は、上述した第8例の場合と同様である。
【0027】次に、図10は、本発明の実施の形態の第
10例を示している。本例の場合には、総てのポケット
9、9に玉5、5(図12)を保持した状態での、円周
方向に関するポケット隙間を測定するのに、本発明を適
用している。この為に本例の場合には、前述の図8に示
した第8例の如き構成で、測定補助具12eを、保持器
6の中心軸を中心として回転させる。そして、この測定
補助具12eを構成する各球形部13、13を、上記各
ポケット9、9内で円周方向に変位させ、その変位量で
ある、上記測定補助具12eの回転方向変位量を、変位
計17により検出する様にしている。測定対象となるポ
ケット隙間が、アキシアル方向のものから円周方向のも
のに変わった以外は、上記第8例の場合と同様である。
【0028】次に、図11は、本発明の実施の形態の第
11例を示している。本例の場合には、上述した第10
例の場合とは逆に、測定補助具12eの回転方向位置を
固定したまま、保持器6を回転させて、この保持器6の
各ポケット9、9内に玉を保持した状態での、円周方向
に関するポケット隙間を測定する様にしている。この為
に本例の場合には、上記保持器6に、変位計17の測定
端面を対向させている。尚、本例の場合には、この変位
計として、非接触式のものも、接触式のものも使用可能
であるが、非接触式のうちの渦電流式のものは、保持器
が金属製でなければ使用できない。その他の構成及び作
用は、上述した第10例の場合と同様である。
【0029】尚、上述の説明は、本発明により玉軸受用
の冠型保持器のポケット隙間を測定する場合に就いて説
明したが、本発明は、ポケット内に測定補助具に相当す
る転動体を出し入れできる構造であれば、ころ軸受用の
保持器等、他の構造を有する保持器のポケット隙間の測
定にも利用できる。この場合に、保持器は合成樹脂製に
限らず、真鍮、鋼等の金属製保持器であっても良い。
又、転動体の材質に関しても、鋼に限らず、セラミック
でも良い。但し、使用する測定器の種類は、保持器並び
に転動体の材質に応じて選択する。
【0030】更に、各例を実施する場合、ポケット隙間
を測定する為に、変位計に代えて、光学式顕微鏡を使用
する事もできる。光学式顕微鏡を使用して上記ポケット
隙間を測定する場合には、測定補助具又は保持器がこの
ポケット隙間に基づく変位方向一端側に変位し切った状
態で、これら測定補助具又は保持器の特定部分に焦点を
合わせる。次いで、これら測定補助具又は保持器が変位
方向他端側に変位し切った状態で、再び上記特定部分に
焦点を合わせる。そして、変位方向両端部でそれぞれ特
定部分に焦点を合わせる事に伴うレンズの移動距離か
ら、上記ポケット隙間を求める。更には、顕微鏡の視野
にグリッドを設け、このグリッドにより、上記ポケット
隙間に基づく上記測定補助具又は保持器の移動量を、直
接求める事もできる。
【0031】
【発明の効果】本発明の転がり軸受用保持器のポケット
隙間の測定方法は、以上に述べた通り、ポケット隙間
を、転がり軸受の使用状態に則して正確に測定できるの
で、保持器音の低減等、各種転がり軸受の性能向上に寄
与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例を示す、図13の
A矢視図に相当する図。
【図2】同第2例を示す、図1と同様の図。
【図3】同第3例を示す、図1と同様の図。
【図4】同第4例を、測定補助具をポケットのラジアル
方向の両端側に移動させた状態で示す、図13のB矢視
図に相当する図。
【図5】同第5例を示す、図1と同様の図。
【図6】同第6例を、測定補助具の球形部をポケットの
スラスト方向の両端側に移動させた状態で示す、図1と
同様の図。
【図7】同第7例を、測定補助具の球形部をポケットの
スラスト方向の両端側に移動させた状態で示す、図1と
同様の図。
【図8】同第8例を示す、図1と同様の図。
【図9】同第9例を示す、図1と同様の図。
【図10】同第10例を示す、図1と同様の図。
【図11】同第11例を示す、図1と同様の図。
【図12】転がり軸受の1例を示す断面図。
【図13】保持器を取り出して示す斜視図。
【図14】ポケット隙間の概念を説明する為、転動体を
ポケットの両端側に移動させた状態で示す、図13のA
矢視図に相当する図。
【符号の説明】
1 内輪軌道 2 内輪 3 外輪軌道 4 外輪 5 玉 6 保持器 7 シールド板 8 主部 9 ポケット 10 弾性片 11 凹面部 12、12a、12b、12c、12d、12e 測定
補助具 13 球形部 14 結合杆部 15 被検出部 16、16a 支持台 17、17a 変位計 18、18a 支持板部 19 支持腕 20 連結板 21 透孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小針 実 神奈川県藤沢市鵠沼神明一丁目5番50号 日本精工株式会社内 (72)発明者 高橋 英一 神奈川県藤沢市鵠沼神明一丁目5番50号 日本精工株式会社内 Fターム(参考) 2F062 AA36 BB10 BC37 CC22 CC27 EE01 EE09 EE62 FG02 GG18 GG61 GG68 GG90 HH05 HH13 2F063 AA23 BA03 BB05 BB08 BC01 BD12 CA09 CA11 DA02 DA04 DB04 DC08 DD02 DD03 EB01 EB22 GA08 HA01 ZA01 ZA02 ZA06 3J101 AA02 AA32 AA42 BA25 BA44

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 転がり軸受用保持器のポケット内に転動
    自在に保持した転動体の外面とこのポケットの内面との
    間に存在するポケット隙間の大きさを測定する方法であ
    って、少なくともポケットの内面と対向する部分の形状
    及び大きさが当該ポケット内に保持すべき転動体と同じ
    である測定補助具をポケット内に保持した状態で、この
    測定補助具と上記転がり軸受用保持器とを相対変位さ
    せ、この変位量を測定する事により上記ポケット隙間の
    大きさを求める、転がり軸受用保持器のポケット隙間の
    測定方法。
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