JP2004068412A - 外部養生体 - Google Patents
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Abstract
【課題】組立・解体が容易に行えて異なる現場への転用が可能で、しかも、軽量化を図るとともに、必要な強度確保する。
【解決手段】外部養生体ユニットが、複数互いに側部どうしを連結されることで構築中の建物の上部側面を覆うように配置される。
外部養生体ユニットは、互いに平行となるよう鉛直方向に延びて配置されかつ支持部材が取り付けられる複数の建地フレーム3と、それら建地フレーム3と直交するように連結されるとともに互いに平行に配置される複数の布フレーム4と、建地フレームと布フレームとの交差部分どうしを連結するブレース5と、建地フレームの外方に建地フレームと平行に配置される外周補助建地材7と、布フレームに平行に配置される水平ラチス梁と備える。隣り合う外部養生体ユニットの対向する外部補助建地材7同士は、伸縮可能なスライディングダンパ15によって連結される。
【選択図】 図1
【解決手段】外部養生体ユニットが、複数互いに側部どうしを連結されることで構築中の建物の上部側面を覆うように配置される。
外部養生体ユニットは、互いに平行となるよう鉛直方向に延びて配置されかつ支持部材が取り付けられる複数の建地フレーム3と、それら建地フレーム3と直交するように連結されるとともに互いに平行に配置される複数の布フレーム4と、建地フレームと布フレームとの交差部分どうしを連結するブレース5と、建地フレームの外方に建地フレームと平行に配置される外周補助建地材7と、布フレームに平行に配置される水平ラチス梁と備える。隣り合う外部養生体ユニットの対向する外部補助建地材7同士は、伸縮可能なスライディングダンパ15によって連結される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はビル等を構築するときに用いて好適な外部養生体に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、ビル等の建物を施工するに際しては、構築中の建物の上部の施工現場の側面を覆う外部養生体が用いられる。外部養生体は、落下養生や外部への塵埃の飛散防止、防音等を目的として建物全体を覆うシート等の遮蔽体の取付等のために利用される他、作業足場の確保のためにも利用される。
【0003】
従来一般に知られている外部養生体は、いわゆる枠組足場を用いて地上より立設する形態のものであるが、この種の外部養生体では、ビル等を構築する場合に足場の組立・解体に多大な手間とコストがかかる。このため、外部養生体を地上ではなく施工中の建物に支持させて設置し、施工の進捗にともなって外部養生体全体を順次上方へ盛り替えていくという工法も用いられつつある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このように施工の進捗に伴い順次上方へ盛り替えていくタイプの従来の外部養生体にあっては、以下のような問題があった。
すなわち、ビル等の建物を構築するに際して用いる従来の移動式外部養生体の一つに、パイプ材を組み合わせてなるフレームを主体としたものがあるが、組み立てに多大な手間がかかり、また、現場ごとに製作しているため、ある現場から他の現場への転用が困難であるという問題があった。
また、従来の他の移動式外部養生体として軽量形鋼を組み合わせてなるフレームを主体としたものもあるが、このものにあっては、フレームの面方向及び面外方向の荷重に対して弱く、盛り替えのため吊り上げてスライディングさせる際にひずみが生じるという問題があった。
【0005】
上記事情に鑑みて、本発明は、組立・解体が容易に行えて異なる現場への転用が可能であり、しかも、軽量化と必要な強度確保とを同時に満足させることができる外部養生体を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明においては以下の手段を採用した。
すなわち、請求項1記載の外部養生体は、支持部材を介して構築中の建物に支持される外部養生体ユニットが、複数互いに側部どうしを連結されることで、前記構築中の建物の上部の施工現場の少なくとも側面を覆うように配置される外部養生体であって、前記外部養生体ユニットは、互いに平行となるよう鉛直方向に延びて配置されるとともに前記支持部材が取り付けられる複数の建地フレームと、それら建地フレームと直交するように連結されるとともに互いに平行に配置される複数の布フレームと、前記建地フレームと前記布フレームとの交差部分どうしを連結するブレースと、前記布フレームに平行に配置される水平ラチス梁と備えてなることを特徴とする。
上記外部養生体によれば、ユニット化されたものを複数互いの側部同士を連結するものであり、組立・解体が容易に行えて異なる現場への転用が可能である。また、建地フレーム及び布フレーム等からなる簡素化されたフレーム構成であるので、軽量化が図れる。さらに、建地フレーム等にはブレースが設けられているのでユニット面と平行な面方向の強度が確保され、また、水平ラチス梁が設けられているので、ユニット面と直交する方向の強度も確保されている。
【0007】
請求項2記載の外部養生体は、請求項1記載のものにおいて、前記建地フレームの外方には該建地フレームと平行に外周補助建地材が設けられ、隣り合う外部養生体ユニットの対向する外部補助建地材同士が、伸縮可能なスライディングダンパによって連結されていることを特徴とする。
上記外部養生体によれば、外部養生体ユニットが伸縮可能なスライディングダンパによって連結されているので、個々の外部養生体ユニットを吊り上げてスライディングさせる際に、外部養生体ユニットが変形する等の理由によって両外部養生体ユニット同士の距離が変わるときでも、前記スライディングダンパがそれを吸収することから、引張力や圧縮力を作用させることなく、それら外部養生体ユニットをスムーズにスライディングさせることができる。
【0008】
請求項3記載の外部養生体は、請求項2記載のものにおいて、前記スライディングダンパが、対向する一側の外部養生体ユニットの外周補助建地材に、対向する他側の外部養生体ユニットに向けて水平方向に延びて固定される筒体と、該筒体にその軸線方向に移動可能に嵌合される横移動体と、該横移動体と連結されるとともに前記他側の外部養生体ユニットの外周補助建地材の溝部内に上下方向移動可能に挿入される縦移動体と、前記筒体と前記横移動体との間に介在される弾性材とから構成されていることを特徴とする。
上記外部養生体によれば、外部養生体ユニットの一つを吊り上げてスライディングさせる際に、縦移動体が外部養生体ユニットの外周補助建地材の溝部内を上下方向に相対移動するので、連結された状態のままで、外部養生体ユニットの一つをスライディングさせることができる。また、このとき、外部養生体ユニットが変形する等により、両外部養生体ユニット同士の距離が変わる場合でも、筒体とそれと嵌合する横移動体とが軸線方向へ相対移動可能になっていてそれを吸収することから、引張力や圧縮力を作用させることなく、それら外部養生体ユニットをスムーズにスライディングさせることができる。
【0009】
請求項4記載の外部養生体は、請求項1〜3のいずれかに記載の外部養生体において、前記建地フレームには足場が取り付けられていることを特徴とする。
上記外部養生体によれば、作業足場を兼ねることとなり、別途足場を設ける場合に比べ、コストの削減が図れかつ作業スペースを広く確保することができる。
【0010】
請求項5記載の外部養生体は、請求項1〜4のいずれかに記載の外部養生体において、前記ブレースには養生ネットが緊結されていることを特徴とする。
上記外部養生体によれば、養生ネット緊結のための専用の建地や布地が不要となり、全体構成の簡素化と軽量化が図れる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
図1(a)は本発明に係る外部養生体1の正面図、図1(b)は図1(a)のXーX線に沿う断面図である。
外部養生体1は、複数の外部養生体ユニット1A…が、互いに側部どうしを連結されることで、構築中の建物の上部の施工現場の少なくとも側面を覆うように配置されるものである。
なお、図1では2個の外部養生ユニット1Aを連結したものしか示していないが、実際にはこれら外部養生体ユニット1Aが多数、互いの側部同士を連結されて配置される。
【0012】
外部養生体ユニット1Aは、互いに平行となるよう鉛直方向に延びて配置される複数(図1では2本)の建地フレーム3と、それら建地フレーム3と直交するように連結されるとともに互いに平行に等間隔をあけて配置される複数(図1では4本)の布フレーム4と、建地フレーム3と布フレーム4との交差部分どうしを連結するようX字状に配置されるブレース5と、布フレーム4に平行に配置される水平ラチス梁6とを備える。
【0013】
建地フレーム3の外方には所定間隔をあけて該建地フレーム3と平行に外周補助建地材7が設けられ、これら外周補助建地材7は前記建地フレーム3よりも外方へ延びる前記布フレーム4の端部に連結されている。また、これら外周補助建地材7と布フレーム4との連結部にも、建地フレーム3と布フレーム4との連結部にまががるX字状のブレース8が配置される。
【0014】
前記建地フレーム3、前記布フレーム4及び前記外周補助建地材7は、それぞれ形鋼や軽量形鋼により構成される。例えば、建地フレーム3にはI形鋼またはH形鋼が用いられ、布フレーム4及び外周補助建地材7には軽溝形鋼が用いられる。また、ブレース5、8には適宜径の丸鋼が用いられる。なお、上記した材料はあくまで例示であり、必要に応じ適宜他の材料を用いてもよいのは言うまでもない。
【0015】
また、建地フレーム3にはブラケット足場20が構築中の建物側に位置するように取り付けられている。ブラケット足場20は、建地フレーム3の所定高さ位置に固定的に取り付けられても、あるいは上下方向に移動調整可能に取り付けられいてもよく、個数は単数、複数いずれでもよい。
【0016】
前記水平ラチス梁6は、建地フレーム3の建物側の側面に上下方向に間隔をあけて複数(図2では3個)取り付けられるものである。
水平ラチス梁6の具体的構成は、例えば、最下端に配置されるものでは、図1(b)に示すように、長手部材と短手部材からなる平面視コ字状の枠体6aと、該枠体6aの補強を行う長手部材の両端から内方へ入った位置に短手部材と平行に配置される補強材6bと、枠体6a及び最下端の布フレーム4との間にジグザグ状に渡されるラチス材6cとから構成されている。そして、枠体6aと補強材6bはそれぞれ例えば軽山形鋼からなり、ラチス材6cは丸鋼からなっている。
なお、水平ラチス梁6が取り付けられ位置は、最下部に位置するものの場合、布フレーム4と同じ高さ位置とされているが、これに限られることなく、布フレーム4とは異なる高さ位置に設けてもよい。
【0017】
また、建地フレーム3の中間部所定位置には、当該外部養生体ユニット1Aを構築中の建物に支持させる公知の支持部材10が取り付けられている。
支持部材10は、この実施の形態の場合、高さ方向に間隔をあけて配置される前述した3個の水平ラチス梁6の内、最上部と中間部にそれぞれ配置される前記水平ラチス梁6と同一高さ位置に設けられている。支持部材10は、前記建地フレーム3の側部にそれと直交するよう建物側へ水平方向に延びる延出部10aと、延出部10aの下部に延出部10aの突出量の約半分程度延出部10aと同方向(建物側)へ突出する反力受け部10bと、該反力受け部10bに対向するよう延出部10aにその軸線方向に沿って移動可能に取り付けられた固定金物10cとからなっている。
なお、延出部10aは例えばI形鋼またはH形鋼からなり、反力受け部10bはI形鋼またはH形鋼と鋼板とが同一面状に溶接されてなり、また、固定金物10cは、延出部10aに移動可能に外嵌されるとともに止めねじ10caによって延出部10aに対し適宜位置で固定され、その下端部に固着用ねじ10cbを有してなるものである。
【0018】
そして、この支持部材10では、延出部10aの下面をバルコニーBの立ち上がり部Baの上面に突き当てるとともに、前記反力受け部10bと前記固定金物の固着用ねじ10cbとの間でバルコニーBの立ち上がり部Baを挟み込み、これにより、当該外部養生体ユニット1Aを構築中の建物の所定高さ位置に固定できるようになっている。
【0019】
なお、この実施の形態で示す支持部材10は、水平ラチス梁6と一体的に設けられているが、これに限られることなく、水平ラチス梁6とは別々に設けてもよい。また、支持部材10は、建地フレーム3に対し上下方向へ移動可能に取り付け、他の現場へ転用されたときに、その建物の階高に対応できるように構成してもよい。さらに、必要に応じて、後述するように外部養生体ユニット1Aを吊り上げてスライディングさせる際等に、建物側へ出っ張らないように収納可能あるいは脱着可能な構成にしてもよい。
【0020】
前記ブレース5、8には養生ネット12が緊結されている。この養生ネット12は、外部養生体1の下端よりも下方へ垂れ下がり、該外部養生体1が取り付けられる建物のフロアより一階下側のバルコニーBまで延びる長さに設定されている。
なお、最下端に位置する水平ラチス梁6の上面にも養生ネット13が緊結されてる。
【0021】
隣り合う外部養生体ユニット1Aの外部補助建地材7同士は、伸縮可能なスライディングダンパ15によって連結されている。
スライディングダンパ15は、図3に示すように、対向する一側の外部養生体ユニット1A(図3において右側)の外周補助建地材7に、対向する他側の外部養生体ユニット1Aに向けて水平方向に延びて固定される外筒(筒体)15aと、該外筒15a内にその軸線方向に移動可能に嵌合される内筒(横移動体)15bと、該内筒15bと連結部材15cを介して連結されるとともに前記対向する外部養生体ユニット1Aの他側の外周補助建地材7の溝部内に上下方向移動可能に挿入されるパイプ材(縦移動体)15dと、前記外筒15aと前記内筒15bとの間に介在される弾性材15eとから構成されている。
【0022】
ここで、弾性材15eとしてこの実施の形態の場合スプリングが用いられ、このスプリングは、前記外筒15aの底部に固定されたスプリング座15aaと、前記内筒15bの端部に固定されたスプリング座15baとの間に介装されている。また、内筒15bとパイプ材15cとを連結する連結部材15cは、他側の外部養生体ユニット1Aの外周補助建地材7を構成する軽溝形鋼の溝開口部7aを貫通しており、同軽溝形鋼とは干渉しないようになっている。
【0023】
また、外部養生体1にはバルコニーのPC板セット用やシーリング・塗装工事用の足場が設けられる。足場としては、前記水平ラチス梁6を利用し、その上に足場板を載せて確保してもよく、また、水平ラチス梁6とは別に、専用の足場を、前記建地フレーム3に上下方向移動可能に設けてもよい。
【0024】
次に、上記構成の外部養生体1の作用について説明する。
建物を施工しているときには、外部養生体1は少なくとも施工階の外周を覆うように設置される。
具体的には、図2に示すように、上下2段に設けられた支持部材10の延出部10aの下面をバルコニーBの立ち上がり部Baの上面に突き当てるとともに、反力受け部10bと固定金物10cの固着用ねじ10cbとの間でバルコニーBの立ち上がり部Baを挟み込み、これにより、支持部材10を建物のバルコニーBに固定し、もって、当該外部養生体ユニット1Aを構築中の建物の所定高さ位置に固定させる。互いに隣接する外部養生体ユニット1Aどうしは、スライディングダンパ15によって互いに連結される。そして、各外部養生体ユニット1Aの外周面等に養生ネット12、13を張設することにより、建物の施工階並びにその下側の階は、その外周が全周にわたって養生されることとなる。
【0025】
そして、施工の進捗に伴い、外部養生体1を上方へ盛り替えるときには、外部養生体ユニット1Aを一つずつ盛り替えるようにする。これには、まず、盛り替えようとする外部養生体ユニット1Aを、クレーンあるいはウインチ等の吊り上げ機構により吊り下げて支持し、この状態で、支持部材10による支持を解除する。すなわち、固着用ねじ10cbを緩めて、この固着用ねじ10cbと反力受け部10bとの間の挟み込みを解除し、その後、止めネジ10caを緩めて、固定金物10cを反力受け部10bから遠ざかる方向へ移動させる。その後、必要に応じて、支持部材10を建物のバルコニーと干渉しないよう、収納したり取り外したりする。
【0026】
次いで、図示しないクレーン等の吊り上げ機構によって、外部養生体ユニット1Aを所定高さまでスライディングさせる。
このとき、パイプ材15cが外周補助建地材7内に上下方向へ移動可能に嵌合されているため、スライディングダンパ15で隣接する外部養生体ユニット1Aどうしを連結した状態のまま、その内の一つの外部養生体ユニット1Aをスライディングさせることができる。また、このとき、吊り上げ機構による吊り上げ位置等の関係で、外部養生体ユニット1Aに偏荷重が加わって変形し、これに伴い、隣接する両外部養生体ユニット1A同士の距離が変わる場合でも、外筒15aとそれに嵌合している内筒15bとが軸線方向へ相対移動可能になっていて、これにより同距離が変わることを吸収するから、引張力や圧縮力を作用させることなく、同外部養生体ユニット1Aをスムーズにスライディングさせることができる。
【0027】
外部養生体ユニット1Aを所定高さ位置までスライディングさせた後、再び、支持部材10を建物側へ突出するようにセットし、該支持部材10によってスライディング後の外部養生体ユニット1Aをその高さ位置に固定させる。
【0028】
上記構成の外部養生体1によれば、ユニット化されたものを複数互いの側部同士を連結するものであるから、組立・解体が容易に行えて、異なる現場への転用が可能である。また、建地フレーム3及び布フレーム4等からなる簡素化されたフレーム構成であるので、軽量化が図れる。さらに、建地フレーム3等にはブレースが設けられているのでユニット面と平行な面方向の強度が確保され、また、建地フレーム3等には水平ラチス梁6が設けられているので、ユニット面と直交する方向の強度も確保されている。
【0029】
以上において本発明の一実施の形態を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で他の構成を採用することができる。
例えば、前述の実施の形態では、建地フレーム3を2本としているが、3本以上としても勿論かまわない。また、布フレーム4もその本数は、上記実施の形態の如く4本に限られることなく、3本あるいは5本以上であってもよい。
また、前記実施の形態では、対向する一側の外部養生体ユニット1Aの外周補助建地材7に外筒15aを設け、この外筒15a内に内筒15bをその軸線方向に移動可能に嵌合させているが、これに限られることなく、外筒と内筒を逆に配置してもよい。すなわち、対向する一側の外部養生体ユニット1Aの外周補助建地材7に内筒を設け、この内筒に外筒をその軸線方向に移動可能に嵌合させてもよい。
【0030】
【発明の効果】
請求項1に係る請求項1記載の外部養生体によれば、ユニット化されたものを複数互いの側部同士を連結するものであり、組立・解体が容易に行えて異なる現場への転用が可能である。また、建地フレーム及び布フレーム等からなる簡素化されたフレーム構成であるので、軽量化が図れる。さらに、建地フレーム等にはブレースが設けられているのでユニット面と平行な面方向の強度が確保され、また、水平ラチス梁が設けられているので、ユニット面と直交する方向の強度も確保されている。
【0031】
請求項2に係る外部養生体によれば、外部養生体ユニットが伸縮可能なスライディングダンパによって連結されているので、個々の外部養生体ユニットを吊り上げてスライディングさせる際に、外部養生体ユニット同士を連結したままでも、スライディングダンパの働きにより引張力や圧縮力を作用させることなく、それら外部養生体ユニットをスムーズにスライディングさせることができる。
【0032】
請求項3に係る外部養生体によれば、スライディングダンパを、筒体と、筒体に移動可能に嵌合される横移動体と、横移動体と連結される縦移動体と、筒体と横移動体との間に介在される弾性材とによる、必要最小限の構成部品から構成しているので、小形、軽量化が図れ、外部養生体ユニット同士を、ある程度の横方向及び縦方向の相対移動を許容しつつ連結することができる。
【0033】
請求項4に係る外部養生体によれば、前記建地フレームに足場を取り付けているから、別途足場を設ける場合に比べ、コストの削減が図れかつ作業スペースを広く確保することができる。
【0034】
請求項5記載の外部養生体によれば、養生ネット緊結のための専用の建地や布地が不要となり、全体構成の簡素化並びに軽量化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の外部養生体の実施の形態を示すもので、(a)は正面図、(b)は(a)のXーX線に沿う断面図である。
【図2】本発明の外部養生体の側面図である。
【図3】図1(a)のY円部の拡大図である。
【符号の説明】
1 外部養生体
1A 外部養生体ユニット
3 建地フレーム
4 布フレーム
5 ブレース
6 水平ラチス梁
7 外部補助建地材
10 支持部材
12、13 養生ネット
15 スライディングダンパ
15a 外筒(筒体)
15b 内筒(横移動体)
15c 連結部材
15d パイプ材(縦移動体)
15e 弾性体
20 ブラケット足場
【発明の属する技術分野】
本発明はビル等を構築するときに用いて好適な外部養生体に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、ビル等の建物を施工するに際しては、構築中の建物の上部の施工現場の側面を覆う外部養生体が用いられる。外部養生体は、落下養生や外部への塵埃の飛散防止、防音等を目的として建物全体を覆うシート等の遮蔽体の取付等のために利用される他、作業足場の確保のためにも利用される。
【0003】
従来一般に知られている外部養生体は、いわゆる枠組足場を用いて地上より立設する形態のものであるが、この種の外部養生体では、ビル等を構築する場合に足場の組立・解体に多大な手間とコストがかかる。このため、外部養生体を地上ではなく施工中の建物に支持させて設置し、施工の進捗にともなって外部養生体全体を順次上方へ盛り替えていくという工法も用いられつつある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このように施工の進捗に伴い順次上方へ盛り替えていくタイプの従来の外部養生体にあっては、以下のような問題があった。
すなわち、ビル等の建物を構築するに際して用いる従来の移動式外部養生体の一つに、パイプ材を組み合わせてなるフレームを主体としたものがあるが、組み立てに多大な手間がかかり、また、現場ごとに製作しているため、ある現場から他の現場への転用が困難であるという問題があった。
また、従来の他の移動式外部養生体として軽量形鋼を組み合わせてなるフレームを主体としたものもあるが、このものにあっては、フレームの面方向及び面外方向の荷重に対して弱く、盛り替えのため吊り上げてスライディングさせる際にひずみが生じるという問題があった。
【0005】
上記事情に鑑みて、本発明は、組立・解体が容易に行えて異なる現場への転用が可能であり、しかも、軽量化と必要な強度確保とを同時に満足させることができる外部養生体を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明においては以下の手段を採用した。
すなわち、請求項1記載の外部養生体は、支持部材を介して構築中の建物に支持される外部養生体ユニットが、複数互いに側部どうしを連結されることで、前記構築中の建物の上部の施工現場の少なくとも側面を覆うように配置される外部養生体であって、前記外部養生体ユニットは、互いに平行となるよう鉛直方向に延びて配置されるとともに前記支持部材が取り付けられる複数の建地フレームと、それら建地フレームと直交するように連結されるとともに互いに平行に配置される複数の布フレームと、前記建地フレームと前記布フレームとの交差部分どうしを連結するブレースと、前記布フレームに平行に配置される水平ラチス梁と備えてなることを特徴とする。
上記外部養生体によれば、ユニット化されたものを複数互いの側部同士を連結するものであり、組立・解体が容易に行えて異なる現場への転用が可能である。また、建地フレーム及び布フレーム等からなる簡素化されたフレーム構成であるので、軽量化が図れる。さらに、建地フレーム等にはブレースが設けられているのでユニット面と平行な面方向の強度が確保され、また、水平ラチス梁が設けられているので、ユニット面と直交する方向の強度も確保されている。
【0007】
請求項2記載の外部養生体は、請求項1記載のものにおいて、前記建地フレームの外方には該建地フレームと平行に外周補助建地材が設けられ、隣り合う外部養生体ユニットの対向する外部補助建地材同士が、伸縮可能なスライディングダンパによって連結されていることを特徴とする。
上記外部養生体によれば、外部養生体ユニットが伸縮可能なスライディングダンパによって連結されているので、個々の外部養生体ユニットを吊り上げてスライディングさせる際に、外部養生体ユニットが変形する等の理由によって両外部養生体ユニット同士の距離が変わるときでも、前記スライディングダンパがそれを吸収することから、引張力や圧縮力を作用させることなく、それら外部養生体ユニットをスムーズにスライディングさせることができる。
【0008】
請求項3記載の外部養生体は、請求項2記載のものにおいて、前記スライディングダンパが、対向する一側の外部養生体ユニットの外周補助建地材に、対向する他側の外部養生体ユニットに向けて水平方向に延びて固定される筒体と、該筒体にその軸線方向に移動可能に嵌合される横移動体と、該横移動体と連結されるとともに前記他側の外部養生体ユニットの外周補助建地材の溝部内に上下方向移動可能に挿入される縦移動体と、前記筒体と前記横移動体との間に介在される弾性材とから構成されていることを特徴とする。
上記外部養生体によれば、外部養生体ユニットの一つを吊り上げてスライディングさせる際に、縦移動体が外部養生体ユニットの外周補助建地材の溝部内を上下方向に相対移動するので、連結された状態のままで、外部養生体ユニットの一つをスライディングさせることができる。また、このとき、外部養生体ユニットが変形する等により、両外部養生体ユニット同士の距離が変わる場合でも、筒体とそれと嵌合する横移動体とが軸線方向へ相対移動可能になっていてそれを吸収することから、引張力や圧縮力を作用させることなく、それら外部養生体ユニットをスムーズにスライディングさせることができる。
【0009】
請求項4記載の外部養生体は、請求項1〜3のいずれかに記載の外部養生体において、前記建地フレームには足場が取り付けられていることを特徴とする。
上記外部養生体によれば、作業足場を兼ねることとなり、別途足場を設ける場合に比べ、コストの削減が図れかつ作業スペースを広く確保することができる。
【0010】
請求項5記載の外部養生体は、請求項1〜4のいずれかに記載の外部養生体において、前記ブレースには養生ネットが緊結されていることを特徴とする。
上記外部養生体によれば、養生ネット緊結のための専用の建地や布地が不要となり、全体構成の簡素化と軽量化が図れる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
図1(a)は本発明に係る外部養生体1の正面図、図1(b)は図1(a)のXーX線に沿う断面図である。
外部養生体1は、複数の外部養生体ユニット1A…が、互いに側部どうしを連結されることで、構築中の建物の上部の施工現場の少なくとも側面を覆うように配置されるものである。
なお、図1では2個の外部養生ユニット1Aを連結したものしか示していないが、実際にはこれら外部養生体ユニット1Aが多数、互いの側部同士を連結されて配置される。
【0012】
外部養生体ユニット1Aは、互いに平行となるよう鉛直方向に延びて配置される複数(図1では2本)の建地フレーム3と、それら建地フレーム3と直交するように連結されるとともに互いに平行に等間隔をあけて配置される複数(図1では4本)の布フレーム4と、建地フレーム3と布フレーム4との交差部分どうしを連結するようX字状に配置されるブレース5と、布フレーム4に平行に配置される水平ラチス梁6とを備える。
【0013】
建地フレーム3の外方には所定間隔をあけて該建地フレーム3と平行に外周補助建地材7が設けられ、これら外周補助建地材7は前記建地フレーム3よりも外方へ延びる前記布フレーム4の端部に連結されている。また、これら外周補助建地材7と布フレーム4との連結部にも、建地フレーム3と布フレーム4との連結部にまががるX字状のブレース8が配置される。
【0014】
前記建地フレーム3、前記布フレーム4及び前記外周補助建地材7は、それぞれ形鋼や軽量形鋼により構成される。例えば、建地フレーム3にはI形鋼またはH形鋼が用いられ、布フレーム4及び外周補助建地材7には軽溝形鋼が用いられる。また、ブレース5、8には適宜径の丸鋼が用いられる。なお、上記した材料はあくまで例示であり、必要に応じ適宜他の材料を用いてもよいのは言うまでもない。
【0015】
また、建地フレーム3にはブラケット足場20が構築中の建物側に位置するように取り付けられている。ブラケット足場20は、建地フレーム3の所定高さ位置に固定的に取り付けられても、あるいは上下方向に移動調整可能に取り付けられいてもよく、個数は単数、複数いずれでもよい。
【0016】
前記水平ラチス梁6は、建地フレーム3の建物側の側面に上下方向に間隔をあけて複数(図2では3個)取り付けられるものである。
水平ラチス梁6の具体的構成は、例えば、最下端に配置されるものでは、図1(b)に示すように、長手部材と短手部材からなる平面視コ字状の枠体6aと、該枠体6aの補強を行う長手部材の両端から内方へ入った位置に短手部材と平行に配置される補強材6bと、枠体6a及び最下端の布フレーム4との間にジグザグ状に渡されるラチス材6cとから構成されている。そして、枠体6aと補強材6bはそれぞれ例えば軽山形鋼からなり、ラチス材6cは丸鋼からなっている。
なお、水平ラチス梁6が取り付けられ位置は、最下部に位置するものの場合、布フレーム4と同じ高さ位置とされているが、これに限られることなく、布フレーム4とは異なる高さ位置に設けてもよい。
【0017】
また、建地フレーム3の中間部所定位置には、当該外部養生体ユニット1Aを構築中の建物に支持させる公知の支持部材10が取り付けられている。
支持部材10は、この実施の形態の場合、高さ方向に間隔をあけて配置される前述した3個の水平ラチス梁6の内、最上部と中間部にそれぞれ配置される前記水平ラチス梁6と同一高さ位置に設けられている。支持部材10は、前記建地フレーム3の側部にそれと直交するよう建物側へ水平方向に延びる延出部10aと、延出部10aの下部に延出部10aの突出量の約半分程度延出部10aと同方向(建物側)へ突出する反力受け部10bと、該反力受け部10bに対向するよう延出部10aにその軸線方向に沿って移動可能に取り付けられた固定金物10cとからなっている。
なお、延出部10aは例えばI形鋼またはH形鋼からなり、反力受け部10bはI形鋼またはH形鋼と鋼板とが同一面状に溶接されてなり、また、固定金物10cは、延出部10aに移動可能に外嵌されるとともに止めねじ10caによって延出部10aに対し適宜位置で固定され、その下端部に固着用ねじ10cbを有してなるものである。
【0018】
そして、この支持部材10では、延出部10aの下面をバルコニーBの立ち上がり部Baの上面に突き当てるとともに、前記反力受け部10bと前記固定金物の固着用ねじ10cbとの間でバルコニーBの立ち上がり部Baを挟み込み、これにより、当該外部養生体ユニット1Aを構築中の建物の所定高さ位置に固定できるようになっている。
【0019】
なお、この実施の形態で示す支持部材10は、水平ラチス梁6と一体的に設けられているが、これに限られることなく、水平ラチス梁6とは別々に設けてもよい。また、支持部材10は、建地フレーム3に対し上下方向へ移動可能に取り付け、他の現場へ転用されたときに、その建物の階高に対応できるように構成してもよい。さらに、必要に応じて、後述するように外部養生体ユニット1Aを吊り上げてスライディングさせる際等に、建物側へ出っ張らないように収納可能あるいは脱着可能な構成にしてもよい。
【0020】
前記ブレース5、8には養生ネット12が緊結されている。この養生ネット12は、外部養生体1の下端よりも下方へ垂れ下がり、該外部養生体1が取り付けられる建物のフロアより一階下側のバルコニーBまで延びる長さに設定されている。
なお、最下端に位置する水平ラチス梁6の上面にも養生ネット13が緊結されてる。
【0021】
隣り合う外部養生体ユニット1Aの外部補助建地材7同士は、伸縮可能なスライディングダンパ15によって連結されている。
スライディングダンパ15は、図3に示すように、対向する一側の外部養生体ユニット1A(図3において右側)の外周補助建地材7に、対向する他側の外部養生体ユニット1Aに向けて水平方向に延びて固定される外筒(筒体)15aと、該外筒15a内にその軸線方向に移動可能に嵌合される内筒(横移動体)15bと、該内筒15bと連結部材15cを介して連結されるとともに前記対向する外部養生体ユニット1Aの他側の外周補助建地材7の溝部内に上下方向移動可能に挿入されるパイプ材(縦移動体)15dと、前記外筒15aと前記内筒15bとの間に介在される弾性材15eとから構成されている。
【0022】
ここで、弾性材15eとしてこの実施の形態の場合スプリングが用いられ、このスプリングは、前記外筒15aの底部に固定されたスプリング座15aaと、前記内筒15bの端部に固定されたスプリング座15baとの間に介装されている。また、内筒15bとパイプ材15cとを連結する連結部材15cは、他側の外部養生体ユニット1Aの外周補助建地材7を構成する軽溝形鋼の溝開口部7aを貫通しており、同軽溝形鋼とは干渉しないようになっている。
【0023】
また、外部養生体1にはバルコニーのPC板セット用やシーリング・塗装工事用の足場が設けられる。足場としては、前記水平ラチス梁6を利用し、その上に足場板を載せて確保してもよく、また、水平ラチス梁6とは別に、専用の足場を、前記建地フレーム3に上下方向移動可能に設けてもよい。
【0024】
次に、上記構成の外部養生体1の作用について説明する。
建物を施工しているときには、外部養生体1は少なくとも施工階の外周を覆うように設置される。
具体的には、図2に示すように、上下2段に設けられた支持部材10の延出部10aの下面をバルコニーBの立ち上がり部Baの上面に突き当てるとともに、反力受け部10bと固定金物10cの固着用ねじ10cbとの間でバルコニーBの立ち上がり部Baを挟み込み、これにより、支持部材10を建物のバルコニーBに固定し、もって、当該外部養生体ユニット1Aを構築中の建物の所定高さ位置に固定させる。互いに隣接する外部養生体ユニット1Aどうしは、スライディングダンパ15によって互いに連結される。そして、各外部養生体ユニット1Aの外周面等に養生ネット12、13を張設することにより、建物の施工階並びにその下側の階は、その外周が全周にわたって養生されることとなる。
【0025】
そして、施工の進捗に伴い、外部養生体1を上方へ盛り替えるときには、外部養生体ユニット1Aを一つずつ盛り替えるようにする。これには、まず、盛り替えようとする外部養生体ユニット1Aを、クレーンあるいはウインチ等の吊り上げ機構により吊り下げて支持し、この状態で、支持部材10による支持を解除する。すなわち、固着用ねじ10cbを緩めて、この固着用ねじ10cbと反力受け部10bとの間の挟み込みを解除し、その後、止めネジ10caを緩めて、固定金物10cを反力受け部10bから遠ざかる方向へ移動させる。その後、必要に応じて、支持部材10を建物のバルコニーと干渉しないよう、収納したり取り外したりする。
【0026】
次いで、図示しないクレーン等の吊り上げ機構によって、外部養生体ユニット1Aを所定高さまでスライディングさせる。
このとき、パイプ材15cが外周補助建地材7内に上下方向へ移動可能に嵌合されているため、スライディングダンパ15で隣接する外部養生体ユニット1Aどうしを連結した状態のまま、その内の一つの外部養生体ユニット1Aをスライディングさせることができる。また、このとき、吊り上げ機構による吊り上げ位置等の関係で、外部養生体ユニット1Aに偏荷重が加わって変形し、これに伴い、隣接する両外部養生体ユニット1A同士の距離が変わる場合でも、外筒15aとそれに嵌合している内筒15bとが軸線方向へ相対移動可能になっていて、これにより同距離が変わることを吸収するから、引張力や圧縮力を作用させることなく、同外部養生体ユニット1Aをスムーズにスライディングさせることができる。
【0027】
外部養生体ユニット1Aを所定高さ位置までスライディングさせた後、再び、支持部材10を建物側へ突出するようにセットし、該支持部材10によってスライディング後の外部養生体ユニット1Aをその高さ位置に固定させる。
【0028】
上記構成の外部養生体1によれば、ユニット化されたものを複数互いの側部同士を連結するものであるから、組立・解体が容易に行えて、異なる現場への転用が可能である。また、建地フレーム3及び布フレーム4等からなる簡素化されたフレーム構成であるので、軽量化が図れる。さらに、建地フレーム3等にはブレースが設けられているのでユニット面と平行な面方向の強度が確保され、また、建地フレーム3等には水平ラチス梁6が設けられているので、ユニット面と直交する方向の強度も確保されている。
【0029】
以上において本発明の一実施の形態を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で他の構成を採用することができる。
例えば、前述の実施の形態では、建地フレーム3を2本としているが、3本以上としても勿論かまわない。また、布フレーム4もその本数は、上記実施の形態の如く4本に限られることなく、3本あるいは5本以上であってもよい。
また、前記実施の形態では、対向する一側の外部養生体ユニット1Aの外周補助建地材7に外筒15aを設け、この外筒15a内に内筒15bをその軸線方向に移動可能に嵌合させているが、これに限られることなく、外筒と内筒を逆に配置してもよい。すなわち、対向する一側の外部養生体ユニット1Aの外周補助建地材7に内筒を設け、この内筒に外筒をその軸線方向に移動可能に嵌合させてもよい。
【0030】
【発明の効果】
請求項1に係る請求項1記載の外部養生体によれば、ユニット化されたものを複数互いの側部同士を連結するものであり、組立・解体が容易に行えて異なる現場への転用が可能である。また、建地フレーム及び布フレーム等からなる簡素化されたフレーム構成であるので、軽量化が図れる。さらに、建地フレーム等にはブレースが設けられているのでユニット面と平行な面方向の強度が確保され、また、水平ラチス梁が設けられているので、ユニット面と直交する方向の強度も確保されている。
【0031】
請求項2に係る外部養生体によれば、外部養生体ユニットが伸縮可能なスライディングダンパによって連結されているので、個々の外部養生体ユニットを吊り上げてスライディングさせる際に、外部養生体ユニット同士を連結したままでも、スライディングダンパの働きにより引張力や圧縮力を作用させることなく、それら外部養生体ユニットをスムーズにスライディングさせることができる。
【0032】
請求項3に係る外部養生体によれば、スライディングダンパを、筒体と、筒体に移動可能に嵌合される横移動体と、横移動体と連結される縦移動体と、筒体と横移動体との間に介在される弾性材とによる、必要最小限の構成部品から構成しているので、小形、軽量化が図れ、外部養生体ユニット同士を、ある程度の横方向及び縦方向の相対移動を許容しつつ連結することができる。
【0033】
請求項4に係る外部養生体によれば、前記建地フレームに足場を取り付けているから、別途足場を設ける場合に比べ、コストの削減が図れかつ作業スペースを広く確保することができる。
【0034】
請求項5記載の外部養生体によれば、養生ネット緊結のための専用の建地や布地が不要となり、全体構成の簡素化並びに軽量化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の外部養生体の実施の形態を示すもので、(a)は正面図、(b)は(a)のXーX線に沿う断面図である。
【図2】本発明の外部養生体の側面図である。
【図3】図1(a)のY円部の拡大図である。
【符号の説明】
1 外部養生体
1A 外部養生体ユニット
3 建地フレーム
4 布フレーム
5 ブレース
6 水平ラチス梁
7 外部補助建地材
10 支持部材
12、13 養生ネット
15 スライディングダンパ
15a 外筒(筒体)
15b 内筒(横移動体)
15c 連結部材
15d パイプ材(縦移動体)
15e 弾性体
20 ブラケット足場
Claims (5)
- 支持部材を介して構築中の建物に支持される外部養生体ユニットが、複数互いに側部どうしを連結されることで、前記構築中の建物の上部の施工現場の少なくとも側面を覆うように配置される外部養生体であって、
前記外部養生体ユニットは、互いに平行となるよう鉛直方向に延びて配置されるとともに前記支持部材が取り付けられる複数の建地フレームと、それら建地フレームと直交するように連結されるとともに互いに平行に配置される複数の布フレームと、前記建地フレームと前記布フレームとの交差部分どうしを連結するブレースと、前記布フレームに平行に配置される水平ラチス梁と備えてなることを特徴とする外部養生体。 - 請求項1記載の外部養生体において、
前記建地フレームの外方には該建地フレームと平行に外周補助建地材が設けられ、
隣り合う外部養生体ユニットの対向する外部補助建地材同士は、伸縮可能なスライディングダンパによって連結されていることを特徴とする外部養生体。 - 請求項2記載の外部養生体において、
前記スライディングダンパは、対向する一側の外部養生体ユニットの外周補助建地材に、対向する他側の外部養生体ユニットに向けて水平方向に延びて固定される筒体と、該筒体にその軸線方向に移動可能に嵌合される横移動体と、該横移動体と連結されるとともに前記他側の外部養生体ユニットの外周補助建地材の溝部内に上下方向移動可能に挿入される縦移動体と、前記筒体と前記横移動体との間に介在される弾性材とから構成されていることを特徴とする外部養生体。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の外部養生体において、
前記建地フレームには足場が取り付けられていることを特徴とする外部養生体。 - 請求項1〜4のいずれかに記載の外部養生体において、
前記ブレースには養生ネットが緊結されていることを特徴とする外部養生体。
Priority Applications (1)
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013245479A (ja) * | 2012-05-25 | 2013-12-09 | Ohbayashi Corp | 建物の養生装置及び養生方法 |
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-
2002
- 2002-08-06 JP JP2002228942A patent/JP2004068412A/ja not_active Withdrawn
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