JP2004067914A - インキ組成物 - Google Patents

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Noriko Kiyoyanagi
清柳 典子
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Abstract

【課題】スタンプに使用可能で、可視光下では普通の有色インキとの見分けがつきにくく、インキの安定性および印字物の発光強度および耐光性が良好で、ブラックライトの光を当てるなど簡易的な方法で検出可能な印字物を得られる蛍光発光性のインキ組成物の開発。
【解決手段】一般式(1)で表される化合物(A)、着色顔料(B)、植物油脂(C)を含有することを特徴とする蛍光発光性のインキ組成物。
【化1】

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スタンプ等に使用可能なインキ組成物で、紫外線(ブラックライト等)の光を当てて簡易的に発光を検出できる蛍光発光性インキの組成物である。更に詳しくは安定性が良好で、可視光下では普通の有色インキとの違いがわかりにくく、発光検出時には普通のインキとの違いが目視で認識しやすく、耐光性が良好な蛍光発光性インキに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から証明書類、有価証券類、小切手などの書類の偽造や改ざんを防止するための処置は様々な方法が検討されている。その中で例えば特殊インキを使用する方法としては、不正を防止したい文字、数字情報などを着色剤および蛍光顔料または染料を使用したインキを用いて印刷し、特定の波長の光を照射し、蛍光を検出することによって印刷物の真偽を判定することが出来る方法などがある。
しかしながら、これまでの特殊インキは検出時の感度を十分に得ようとすると、可視光下で目立たせないために下地となる基材の色が限定されるなどの制限があった。
また、特開平10−7956公報ではインキの材料中にブリードアウトしやすい成分を入れて文字等の線の周囲に蛍光物質をしみださせ、その発光を検出する方法が提案されている。しかしこの方法では印刷部のまわりにしみだした蛍光物質の色が検出時以外でも目立ってしまうことがあり、改ざん防止という目的を考えると印刷用紙の色を限定せざるを得ないという問題があった。
さらに、印鑑やスタンプに使用する場合は、通常の印刷やコーティングと違い塗布量がかなり少ないため、目視で簡易的に判定しようとすると十分な発光を得るのは難しかった。十分な発光を得るために蛍光物質の量を増やすと、蛍光物質の色によって本来のインキの色とは違う色になってしまうなどの問題もあり、改良が望まれていた。
可視光下で無色の蛍光物質としてユーロピウム化合物は各種提案されており、特開2002−88292公報には、ユーロピウム化合物と非着色顔料とビヒクルからなるインキが提案されている(尚、該公報に記載にユーロピウム化合物の入手が困難であり、該公報における発明の詳細は不明である)また、印刷物の十分な耐光性を得るためにいまだ様々な検討がされており、課題として残っている状況である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような問題を解決し、インキの経時安定性及び印字物の耐光性が良好で、可視光下では普通のインキとの違いがわかりにくく、ブラックライトなどの紫外線を当てて目視で簡易的に発光を検出できる蛍光発光性インキ組成物を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記したような問題点を解決すべく鋭意研究した結果、本発明を完成させた。即ち本発明は、
(1)一般式(1)で表される化合物(A)、着色顔料(B)、植物油脂(C)を含有することを特徴とするインキ組成物、
【0005】
【化2】
Figure 2004067914
(式中Xは置換基を有してもよい芳香環または複素環基を表し、Yは炭素数1〜10のフッ化炭化水素基を表し、Z1、Z2およびZ3はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコシキル基、水酸基、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリール基またはアラルキル基を表す。)
(2)Xが置換基を有してもよいベンゼン環基、ナフタレン環基、ピリジン環基、チオフェン環基またはフラン環基である、(1)に記載のインキ組成物、
(3)Xがアルキル基、アルコキシル基、芳香環基、複素環基、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、水酸基、アラルキル基またはハロゲン原子で置換されてもよいベンゼン環基、ナフタレン環基、ピリジン環基、チオフェン環基またはフラン環基である、(2)に記載のインキ組成物、
(4)Yがトリフルオロメチル基である、(1)から(3)のいずれか一項に記載のインキ組成物、
(5)Z1、Z2およびZ3が水素原子である、(1)から(4)のいずれか一項に記載のインキ組成物、
(6)植物油脂(C)がヨウ素価100以下の不乾性油である(1)から(5)のいずれか一項に記載のインキ組成物、
(7)常温で固体の動植物油誘導体(D)を含有する(1)から(6)のいずれか一項に記載のインキ組成物、
(8)着色顔料(B)の色相が、一般式(1)で表される化合物(A)に紫外線を照射したときの発光色とは異なることを特徴とする(1)から(7)のいずれか一項に記載のインキ組成物、
(9)一般式(1)で表される化合物(A)の含有量がインキ組成物の全質量中1〜10質量%であることを特徴とする(1)から(8)のいずれか一項に記載のインキ組成物、
(10)着色剤(B)の含有量がインキ組成物の全質量中0.02〜5質量%であることを特徴とする(1)から(9)のいずれか一項に記載のインキ組成物、
(11)(1)から(10)のいずれか一項に記載のインキ組成物で着色された基材、
を提供するものである。
【発明実施の形態】
【0006】
本発明を詳細に説明する。
本発明で用いる一般式(1)中のXは置換基を有してもよい芳香環または複素環であり、芳香環としては、例えばベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、アズレン環、フェナンスレン環などが挙げられ、複素環としては、例えばピリジン環、チオフェン環、フラン環、ピラジン環、チアゾール環、オキサゾール環、キノリン環、インドール環などが挙げられる。好ましくはベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、チオフェン環、フラン環等である。Xの結合位置は、チオフェン環、ナフタレン環、フラン環は2−位が、ピリジン環は3−位が好ましい。上記したXの芳香環または複素環が有しうる置換基としては水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシル基、芳香環基、複素環基、アミノ基、炭素数1〜4のアルキルアミノ基、炭素数1〜8のジアルキルアミノ基、水酸基、アラルキル基、ハロゲン原子などの例が挙げられ、好ましくは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基である。特に、置換基を有する芳香環または複素環として特に好ましいものとしてはベンゼン環、チオフェン環が挙げられる。又ベンゼン環の置換基としてはメチル基、メトキシ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、フェニル基、ベンジル基等の例が挙げられ、これらの置換位置としては4位又は3位が好ましい。更にチオフェン環の置換基としてはメチル基が好ましく、その置換位置としては3位が好ましい。
【0007】
Yは炭素数1〜10のフッ化炭化水素基を表し、その具体例としてはトリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、ヘプタデカフルオロオクチル基等のパーフルオロアルキル基、またはモノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロエチル基、テトラフルオロプロピル基、オクタフルオロペンチル基などが挙げられる。好ましくはトリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタデカフルオロオクチル基等の炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基であり、更に好ましくはトリフルオロメチル基である。Z1、Z2、Z3はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコシキル基、水酸基、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリール基またはアラルキル基を表す。ハロゲン原子としては塩素原子、フッ素原子、臭素原子、ヨウ素原子等があげられる。またアルキル基、アルコシキル基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基などのアルキル基は直鎖または分岐状の飽和、不飽和の炭化水素基であり、ニトロ基,シアノ基、ハロゲン原子などの置換基を有しても良い。アリール基としてはフェニル基、トリル基、ナフチル基などが挙げられる。アラルキル基としてはベンジル基、フェネチル基などが挙げられる。好ましいZ1、Z2、Z3としては、水素原子、メチル基、メトキシ基、水酸基であり、特にこのましくは水素原子である。Z1、Z2、Z3の結合位置としては、リンの結合位置に対してパラ位が好ましい。
【0008】
前記一般式(1)の化合物は例えば、特開2001−354953公報に記載の方法に従い、下記式に示すように例えばアルコールやアセトン溶媒中、トリフェニルホスフィンオキサイド類と、例えばパーフルオロアルキル−1−(2−アリール)−1,3−ブタンジオンを水酸化ナトリウム存在下、過塩素酸ユーロピウムや塩化ユーロピウムなどと好ましくは0〜80℃で反応することにより合成できる。
【0009】
【化3】
Figure 2004067914
【0010】
また前記式(1)に示した化合物の好適な例として下記表1のような化合物例が挙げられる。しかしながら本発明がこれらの化合物に限定されるものではない。表中でのベンゼン環はPh、ナフタレン環はNp、ピリジン環はPy、チオフェン環はTh、フラン環はFu、ベンジル基はBzとそれぞれ表す。Z1、Z2、Z3がH以外の場合の置換位置としては、Pの結合位置に対してオルソ位を2位とした位置関係を示す。
【0011】
【表1】
Figure 2004067914
【0012】
これら一般式(1)で表される化合物は2種類以上を混合して用いることも出来る。一般式(1)で表される化合物(A)の含有量は、得られる印刷物での発光強度や粘度などを考慮すると、インキ組成物の全質量中、通常0.1〜20質量%、好ましくは0.5〜15質量%、より好ましくは1〜10質量%の範囲である。
【0013】
本発明のインキ組成物に含有される着色顔料(B)としては、インキの分野で通常用いられる有機顔料や無機顔料を特に制限なく用いることが出来る。
有機顔料としては例えば、アントラキノン系、フタロシアニン系、ベンゾイミダゾロン系、キナクリドン系、アゾキレート系、アゾ系、イソインドリン系、イソインドリノン系、ピランスロン系、インダスロン系、アンスラピリミジン系、ジブロモアンザンスロン系、フラバンスロン系、ペリレン系、ペリノン系、キノフタロン系、チオインジゴ系、ジオキサジン系、キナクリドン系等の顔料や酸性染料、塩基性染料、直接染料等をそれぞれの沈澱剤で不溶化したレーキ顔料、染付けレーキ顔料が使用できる。これらの顔料は、必要に応じて単独又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0014】
また、無機顔料の例としては、複合金属酸化物顔料、カーボンブラック、黒色低次酸窒化チタン、硫酸鉛、黄色鉛、ベンガラ、群青、紺青、酸化クロム、鉄黒、鉛丹、硫化亜鉛、カドミウムエロー、カドミウムレッド、亜鉛末、マンガン紫、コバルト紫等が挙げられる。これらの顔料は、必要に応じて単独又は2種以上組み合わせて使用することができる。また、酸化チタン、硫酸バリウム、亜鉛華、アンチモン白、炭酸マグネシウムなどを上記無機顔料と併用することもできる。さらに、上記の有機顔料と無機顔料を必要に応じて単独又は2種以上組み合わせて用いることもできる。
また、本発明においては着色顔料(B)の色は一般式(1)で表される化合物(A)に紫外線を照射したときの発光色とは異なることが好ましい。発光色と着色顔料(B)の色が異なる方が、ブラックライトにより紫外線を照射したときの発光を検出器を使わずとも、目視で容易に検出することができる為である。
着色顔料(B)の含有量はインキ組成物の全質量中、通常0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜8質量%、より好ましくは0.02〜5質量%の範囲である。
【0015】
本発明のインキ組成物は植物油脂(C)を含有する。使用しうる植物油脂(C)としては、アマニ油、エノ油、キリ油などの乾性油、ゴマ油、ナタネ油、綿実油、大豆油などの半乾性油、ツバキ油、オリーブ油、ひまし油などの不乾性油が挙げられる。それの中で本発明では転写性、乾燥性などのインキ適性の点でヨウ素価100以下の不乾性油がより適している。
植物油脂(C)の含有量はインキ組成物の全質量中、通常70〜99.9質量%、好ましくは75〜99.5質量%、より好ましくは80〜99質量%の範囲である。
【0016】
本発明のインキ組成物においては、分散安定性向上(沈降防止)、にじみ防止の為、常温(およそ5〜35℃)で固体の動植物油誘導体(D)を含有するのが好ましい。使用しうる動植物油誘導体(D)の例としては、動植物油類の変性物で、例えば水素添加、アミン化、ウレタン化、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイドの付加などの方法で動植物油類を変性することにより得られる化合物が挙げられ、中でもひまし油誘導体が好ましく、その具体例としては例えば水添ひまし油、ひまし油エチレンオキサイド付加物、ひまし油プロピレンオキサイド付加物、ひまし油エチレンオキサイド付加物の脂肪酸エステル、ひまし油の無水フタル酸変性物、ポリオキシエチレン水添ひまし油、ポリオキシプロピレン水添ひまし油などが挙げられ、それらの中でも水添ひまし油は特に好ましい。
動植物油誘導体(D)の含有量はインキ組成物の全質量中、通常0.01〜20質量%、好ましくは0.05〜15質量%、より好ましくは0.1〜10質量%の範囲である。
【0017】
さらに、本発明のインキ組成物には、必要に応じて、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、二酸化珪素、二酸化チタン、タルク、クレイ、カオリン、コロイダルシリカ、金属粉末等の無機粉末やこれらの無機粉末を表面処理した無機フィラーや、スチレンマイクロボール、ポリスチレン樹脂ビーズ、アクリル系樹脂ビーズ、ウレタン樹脂ビーズ、ポリカーボネート樹脂ビーズ、ベンゾグアナミン−ホルマリン縮合物の樹脂粉末、ベンゾグアナミン−メラミン−ホルマリン縮合物の樹脂粉末、尿素−ホルマリン縮合物の樹脂粉末、アスパラギン酸エステル誘導体、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アマイド、エポキシ樹脂パウダー、ポリエチレンパウダー、テトラブロモビスフェノールA、デカブロモジフェニルオキサイド、トリクレジルホスフェート、トリエチルホスフェート、芳香族ポリエステル等の有機フィラーを含有することができる。また、ポリマー、消泡剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤やベンゾフェノン系紫外線吸収剤やヒンダードアミン型ライトスタビライザーなどの光安定化剤、酸化防止剤、重合禁止剤、帯電防止剤などの添加剤を、種類、使用量を適宜選択して併用することができる。
【0018】
本発明のインキ組成物を製造するには、例えば次のようにすればよい。すなわち、一般式(1)で表される化合物(A)、着色顔料(B)、植物油脂(C)、必要に応じて動植物油誘導体(D)、その他の添加剤を公知の攪拌機により均一に混合する。また、必要に応じてボールミル、ロールミル、サンドミル、ディゾルバー等の公知の分散機により分散させてもよい。その際、ポリカルボン酸系の分散剤やシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、シリコーン系分散剤や有機共重合体系の分散剤など一般的に知られている各種分散剤や界面活性剤を併用することも可能である。
このようにして得られた本発明のインキ組成物は経時的に安定である。
【0019】
本発明のインキ組成物で着色されうる基材としては、紙、フィルムなどの情報記録媒体であるが、これらに限定されるものではない。
本発明のインキ組成物で印字する方法としては、オフセット印刷や凸版印刷、フレキソ印刷など、公知の印刷方法が挙げられる。また、本発明のインキ組成物をガーゼ・スポンジなどに含浸させて作製したスタンプ台を用いてゴム印などで押す方法、スタンプに内蔵したインキと多孔質ゴムの印判によりスタンプ台を使用せずに印字する方法、インキ組成物を含浸させた多孔質ゴムロールを使用してオフセット方式で印判に転写して印字する方法などに特に適している。いずれの方法による印字も紫外線を照射し発光を検知する検出器を用いて確認できることはもちろんである。
【0020】
さらに本発明のインキ組成物は、着色顔料(B)の添加量を少なくし、薄い着色のインキを作製しても分散安定性やインキの転写性が良好で、またスタンプ用インキとして使用した場合に、時間が経過しても印字部分のまわりがしみだしによって汚れたり、印字部分がにじんで線の輪郭がなくなるなどの問題がない。薄い着色があるため、印字されているかどうかが目視で確認できるうえ、本来の書類の記載事項の上から押印しても邪魔にならない。
また、本発明のインキ組成物を使用した印字物の発光を検出する方法としては市販のブラックライトの光を当てて目視で確認する方法が挙げられる。本発明のインキ組成物は自由にインキ色を選んでも、検出時には市販のブラックライトで十分な発光強度が得られ目視で簡易的に判定ができる。尚、紫外線を照射し発光を検出する検出器を用いて確認できることはもちろんである。
【0021】
本発明のインキで印字した印字物は、通常の状態では普通のインキの印字物と何ら変わりはなく、改ざん防止という目的に適している。
コピーで複写した上で改ざんした場合には、本来発光があるはずの部分に発光は検出されず、真偽を容易に判定することが可能である。また、印字は従来の蛍光染料などを使用したインキに比べて耐光性などの保存性が良好である。
【0022】
本発明のインキ組成物は安定性が良好であり、本発明のインキ組成物による印字の発光強度が強く、耐光性にも優れているため、スタンプ用のインキとして有用である。またブラックライトの光を当てたときの発光を容易に検出できるため、本発明のインキ組成物は、証明書類、有価証券類、小切手などの書類の偽造や改ざんを防止するためのインキとして有用である。
【0023】
【実施例】
本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明がこれらに限定されるものではない。尚、実施例において部は質量部を意味する。
【0024】
実施例1
ひまし油                           95部
化合物例(1)                         3部
緑色着色顔料
(イルガライトグリーンGLPO;チバスペシャルティケミカルズ社製1部
ひまし油誘導体(ADVITROL100;ズードケミー触媒社製) 1部
【0025】
上記の成分を混合した後、ペイントシェーカーにて1時間混合分散して本発明のインキ組成物を得た。このインキを折りたたんだガーゼに含浸させた。これを簡易的にスタンプ台として使用してゴム印で上質紙に印字(押印)し、本発明のインキ組成物による印字物を得た。
【0026】
実施例2
実施例1において緑色着色顔料のかわりに青色着色顔料(イルガライトブルーGLO;チバスペシャルティケミカルズ社製)を用いる以外は実施例1と同様にして本発明のインキ組成物および印字物を得た。
【0027】
実施例3
実施例1において化合物例(1)のかわりに化合物例(8)を用いる以外は実施例1と同様にして本発明のインキ組成物および印字物を得た。
【0028】
実施例4
実施例1においてひまし油誘導体(ADVITROL100;ズードケミー触媒社製)のかわりにひまし油誘導体(REOCIN;ズードケミー触媒社製)を用いる以外は実施例1と同様にして本発明のインキ組成物および印字物を得た。
【0029】
比較例1
実施例1において緑色着色顔料の代わりに青色染料(カヤセットブルーN;日本化薬社製)0.1部を用いた以外は実施例1と同様にして比較用のインキ組成物および印字物を得た。
【0030】
標準インキ緑
化合物例(1)の化合物を使用しない以外は実施例1と同様にして標準インキ緑のインキ組成物および印字物を得た。
【0031】
標準インキ青−1
化合物例(1)の化合物を使用しない以外は実施例2と同様にして標準インキ青−1のインキ組成物および印字物を得た。
標準インキ青−2
化合物例(1)の化合物を使用しない以外は比較例1と同様にして標準インキ青−2のインキ組成物および印字物を得た。
【0032】
この様にして得られたインキ組成物および印字物の評価を行い、それぞれの結果を表2、表3に示した。また、評価基準は以下に述べるものを採用した。
Figure 2004067914
【0033】
Figure 2004067914
【0034】
(1)インキの安定性
得られたインキ組成物を室温にて3日放置し、目視で観察することにより安定性を評価した。
○:溶解または分散の均一な状態で安定している。
△:沈降物がみられるが、再分散性は良好であり、攪拌すれば均一な状態となる。
×:分離がみられ再分散性が不良である。あるいは変色する。
(2)印字物の色
実施例1、3、4は先に挙げた標準インキ緑と、実施例2は標準インキ青−1と、比較例1は標準インキー2と通常の状態(可視光下)で比較した。
色の比較は印字直後と、印字物を室内で3ヶ月保管後の2回実施してそれぞれ結果を示した。
○:それぞれの標準インキと違いがなかった。
×:色の違いがあった。
(3)印字物のにじみ
得られた印字物を室温にて1ヶ月保管後、可視光下目視で観察することによりにじみを評価した。
○:印字部分およびその周りににじみによる変化がない
×:印字部分のにじみにより線が不鮮明になる。あるいは印字部分のまわりがにじみにより汚れている
【0035】
(4)発光強度
得られた印字物にハンディーUVランプ(井内盛栄堂社製 SLUV−6)で254nmおよび365nmのUV光を照射し、印字部の発光を目視で確認した。
実施例1〜4、並びに比較例1では赤色に発光した。
発光の確認は印字直後と、印字物を室内で3ヶ月保管後と、印字物をEYE SUPER UV TESTER SUV−W11(岩崎電気社製)にて60℃、60%RHの条件で1時間耐光試験を行った後の、計3回実施してそれぞれ結果を示した。
○:いずれの波長のUV光でも目視で容易に判定できる発光があった。
△:少なくとも一方の波長のUV光で弱い発光があるが、明るい室内では目視で容易に判定するのは難しい状態だった。
×:発光が目視で確認できなかった
(5)スタンプ台の保存性
得られたインキを簡易的にガーゼに含浸させたスタンプ台を室内に放置し、1週間後に同様の方法で印字評価を行なった。
○:問題なく印字でき、色、発光ともに変化がなかった。
×:印字できなかった。あるいは色の変化、発光強度の低下があった。
【0036】
表2、3から明らかなように、本発明のインキは安定性が良好で、可視光下では普通のインキとの違いがわからず、検出時には発光強度が高く普通のインキとの違いが目視で認識しやすく、耐光性が良好で、時間が経過してもにじみもなかった。さらにスタンプ用のインキとして使用する場合にインキの乾きもなく安定して印字可能であることが確認できた。
【0037】
【発明の効果】
本発明のインキ組成物は安定性が良好であり、スタンプ用のインキとして有用であり、その印字物はブラックライトの光を当てたときの発光強度が強く、目視にて容易に発光を検出できる。また、時間が経過しても印字部分のまわりがしみだしによって汚れてしまったり、印字部分がにじんで線の輪郭がなくなるなどの問題がない。さらに可視光下では普通のインキとの違いがわかりにくく、検出時には普通のインキとの違いが目視で認識しやすい為、本発明のインキ組成物を不正を防止したい文字、数字情報などを印刷するインキに使用したり、書類の一部分に判子で文字や模様を押したりすることによって、コピーなどで偽造された書類の真偽を、目視で簡易的に判定することが出来る。さらに耐光性にも優れているため、本発明のインキ組成物は証明書類、有価証券類、小切手などの書類の偽造や改ざんを防止するためのインキとして有用である。

Claims (11)

  1. 一般式(1)で表される化合物(A)、着色顔料(B)、植物油脂(C)を含有することを特徴とするインキ組成物
    Figure 2004067914
    (式中Xは置換基を有してもよい芳香環または複素環基を表し、Yは炭素数1〜10のフッ化炭化水素基を表し、Z1、Z2およびZ3はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコシキル基、水酸基、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリール基またはアラルキル基を表す。)
  2. Xが置換基を有してもよいベンゼン環基、ナフタレン環基、ピリジン環基、チオフェン環基またはフラン環基である、請求項1に記載のインキ組成物
  3. Xがアルキル基、アルコキシル基、芳香環基、複素環基、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、水酸基、アラルキル基またはハロゲン原子で置換されてもよいベンゼン環基、ナフタレン環基、ピリジン環基、チオフェン環基またはフラン環基である、請求項2に記載のインキ組成物
  4. Yがトリフルオロメチル基である、請求項1から3のいずれか一項に記載のインキ組成物
  5. Z1、Z2およびZ3が水素原子である、請求項1から4のいずれか一項に記載のインキ組成物
  6. 植物油脂(C)がヨウ素価100以下の不乾性油である請求項1から5のいずれか一項に記載のインキ組成物
  7. 常温で固体の動植物油誘導体(D)を含有する請求項1から6のいずれか一項に記載のインキ組成物
  8. 着色顔料(B)の色相が、一般式(1)で表される化合物(A)に紫外線を照射したときの発光色とは異なることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のインキ組成物
  9. 一般式(1)で表される化合物(A)の含有量がインキ組成物の全質量中1〜10質量%であることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載のインキ組成物
  10. 着色剤(B)の含有量がインキ組成物の全質量中0.02〜5質量%であることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載のインキ組成物
  11. 請求項1から10のいずれか一項に記載のインキ組成物で着色された基材
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