JP2004067094A - スタビライザブッシュ - Google Patents
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Abstract
【課題】 異音の発生および横ズレを防止できるとともに、部品点数増によるコスト上昇のおそれがなく、しかも、ばね特性、耐久性の良好なスタビライザブッシュを提供する。
【解決手段】 筒状に成形したゴム弾性体1の筒内にスタビライザバーを挿通保持し、その外周面を車両ボデーに取り付けたブラケットで保持するようにしたスタビライザブッシュにおいて、ゴム弾性体1を、筒状の基体ゴム2と内周部の円筒状高摺動性ゴム3とで構成する。スタビライザバーを保持する内周部を高摺動性ゴム3で構成したので、摺動抵抗が低減し、異音の発生が抑制される。また、ブラケットに接する基体ゴム2は、従来のゴム材で構成されるので、ブラケットとの摩擦抵抗が大きくなり、横ズレが発生しにくい。
【選択図】 図1
【解決手段】 筒状に成形したゴム弾性体1の筒内にスタビライザバーを挿通保持し、その外周面を車両ボデーに取り付けたブラケットで保持するようにしたスタビライザブッシュにおいて、ゴム弾性体1を、筒状の基体ゴム2と内周部の円筒状高摺動性ゴム3とで構成する。スタビライザバーを保持する内周部を高摺動性ゴム3で構成したので、摺動抵抗が低減し、異音の発生が抑制される。また、ブラケットに接する基体ゴム2は、従来のゴム材で構成されるので、ブラケットとの摩擦抵抗が大きくなり、横ズレが発生しにくい。
【選択図】 図1
Description
本発明は車両のスタビライザバーを保持するスタビライザブッシュに関する。
スタビライザブッシュは、図10に示すように、一般に、厚肉筒状のゴム弾性体1よりなり、その筒内に車両のスタビライザバーSを挿通保持するようになしてある。上記ゴム弾性体1は、頂面を平面とするとともに、軸方向の両端縁に径方向に張出すフランジ11を有しており、これらフランジ11間の外周面を略U字形のブラケット4内に保持せしめるようになしている。ブラケット4は両端部の取付け穴41にボルトを挿通することにより図略の車両ボデーに固定される。
上記ゴム弾性体1は、通常、天然ゴム系材料で構成される。ところが、この場合、車両の発進時やスタビライザバーSの作動角が大きい時などに、上記ゴム弾性体1の内周面とスタビライザバーSとが急激に相対変位して、異音が発生することがあった。このため、上記ゴム弾性体1を高摺動性ゴムで構成し、スタビライザバーSとの摺動抵抗を低減させて、異音を抑制したものがある。しかしながら、図11に示すように、上記ゴム弾性体1が横すべりしてスタビライザバーSの湾曲部S1に当接すると、スタビライザバーSから加わる横力によって、ゴム弾性体1がブラケット4に対して横ズレを生ずることがある。これは、ゴム弾性体1と、これに当接するブラケット4または車両ボデーとの摩擦係数が小さいからで、これを防止するにはゴム弾性体1に隣接して横ズレ防止ストッパを設けることが考えられるが、部品点数が増加し、コストが上昇するという問題がある。
一方、ゴム弾性体の内周面に樹脂材料よりなる摺動面を設けたスタビライザブッシュが知られている(例えば、実開昭63−39011号公報、特開昭63−57310号公報等)。しかしながら、樹脂材料はゴムに比べて剛性が高いため、スタビライザブッシュ全体のばねが高くなり、所望のばね特性を得ようとしてゴム弾性体を柔らかくすると、耐久性が低下する不具合があった。また、摺動面とスタビライザバーとの間に砂が入り込むと、磨耗したり、異音が発生したりするおそれがあった。
しかして、本発明の目的は、異音の発生および横ズレを防止できるとともに、部品点数増によるコスト上昇のおそれがなく、しかも、ばね特性、耐久性の良好なスタビライザブッシュを提供することにある。
本発明のスタビライザブッシュは、筒状に成形したゴム弾性体の筒内にスタビライザバーを挿通保持し、該ゴム弾性体の外周面を車両ボデーに取り付けたブラケットで保持するようになしてあり、上記ゴム弾性体は、少なくとも上記スタビライザバーに接する内周部を含む一部が高摺動性ゴムで構成してある(請求項1)。
上記構成によれば、上記ゴム弾性体は、上記スタビライザバーが挿通保持される内周部を高摺動性ゴムで構成したので、上記スタビライザバーの摺動抵抗が低減し、異音の発生が抑制される。また上記ゴム弾性体の基部は、従来のゴム材で構成されるので、ブラケットとの摩擦抵抗が大きくなり、横ズレが発生しにくい。よって、部品増によるコスト上昇を防止でき、樹脂材を用いていないので、ばね特性、耐久性も良好である。
上記高摺動性ゴムとしては、具体的には、基材となるゴムに高級脂肪酸アミドを配合することにより高摺動性を付与したゴムが使用できる(請求項2)。
上記高摺動性ゴムの基材となるゴムと、上記ゴム弾性体の基部を構成するゴムは、SP値の差が0.5以下であることが好ましく(請求項3)、接着強度が向上する。
上記高摺動性ゴムに含有される高級脂肪酸アミドと、上記ゴム弾性体の基部を構成するゴムは、SP値の差が1.5以上あることが好ましく(請求項4)、高級脂肪酸アミドの上記ゴム弾性体の基部側への移行を防止することができる。
上記ゴム弾性体の基部を構成するゴムは、ガス透過性が1×10-10 cm3・cm/ cm2・ sec・cmHg以下であるゴムを用いることがより好ましく(請求項5)、高温における高級脂肪酸アミドの移行を防止する効果が高い。
上記ゴム弾性体は、例えば、筒状の基体ゴムとその内周に積層形成した円筒状の高摺動性ゴムとからなる(請求項6)。
上記高摺動性ゴムの軸方向の端縁を径方向外方に延出して、上記基体ゴムの軸方向の端面を覆う構成とすることもできる(請求項7)。この時、上記ゴム弾性体の端面が高摺動性ゴムからなるので、該端面にスタビライザバーが接触することによる異音の発生が抑制される。
本発明によれば、上記ゴム弾性体は、上記スタビライザバーが挿通保持される内周部を高摺動性ゴムで構成したので、上記スタビライザバーの摺動抵抗が低減し、異音の発生が抑制される。また上記ゴム弾性体の基部は、従来のゴム材で構成されるので、ブラケットとの摩擦抵抗が大きくなり、横ズレが発生しにくい。よって、部品増によるコスト上昇を防止でき、樹脂材を用いていないので、ばね特性、耐久性も良好である。
図1(a)、(b)に本発明のスタビライザブッシュの一実施の形態を示す。図において、1はスタビライザブッシュを構成する厚肉筒状のゴム弾性体で、該ゴム弾性体1は、基部となる筒状の基体ゴム2の内周に、円筒状の高摺動性ゴム3を積層してなる。上記基体ゴム2は頂面を平面とした略U字断面に成形されており、その両端部外周縁を径方向に張出してフランジ21となしてある。そして、これらフランジ21の間の外周面を、車両フレームにボルト固定される略U字状の取付ブラケット(図略)に保持せしめるようになしてある。
上記基体ゴム2は、一般にスタビライザブッシュ材料として用いられる種々のゴム材料で構成される。具体的には、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、ニトリルゴム(NBR)、エチレンプロピレンジエン共重合ゴム(EPDM)、ブチルゴム(IIR)、塩素化ブチルゴム(Cl−IIR)、およびこれらのブレンドゴムが使用できる。
上記高摺動性ゴム3は、基材となるゴムに高級脂肪酸アミドを配合することにより高摺動性を付与したものである。ここで基材となるゴムは、特に制限されないが、例えば、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、ニトリルゴム(NBR)、エチレンプロピレンジエン共重合ゴム(EPDM)、ブチルゴム(IIR)、塩素化ブチルゴム(Cl−IIR)、およびこれらのブレンドゴムが使用できる。
上記高摺動性ゴム3において、基材ゴムに配合される高級脂肪酸アミドは、使用時に基材ゴム中よりブルーミングすることにより潤滑剤として機能し、摺動性を向上させる。高級脂肪酸アミドの具体例としては、例えば、オレイン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、エルシン酸アミド等の炭素数12〜22の飽和・不飽和脂肪酸アミドが挙げられる。基材ゴムへの高級脂肪酸アミドの配合量は、通常、5〜20重量%の範囲とするのがよく、配合量が5重量%未満では摺動抵抗の低減効果を十分持続することが難しい。また、配合量が20重量%を越えるとゴム物性に悪影響を与えるおそれがある。
上記高摺動性ゴム3は、上記基材ゴムと高級脂肪酸アミドを所定の配合比で配合してなる。この時、通常公知の添加剤、例えば、加硫剤、加硫促進剤、加硫助剤、加工助剤等を使用することができる。加硫剤としては、例えば硫黄、過酸化物、金属酸化物、ポリアミン等が挙げられ、通常、0.1〜10重量%の範囲で使用される。加硫促進剤としては、スルフェンアミド系、チアゾール系、チウラム系、ジチオカルバミン酸塩類、キサントゲン酸塩類等が、通常、0.1〜10重量%の範囲で使用される。加硫助剤としては、通常、酸化亜鉛等が使用され、その配合量は、通常、3〜15重量%の範囲である。加工助剤としては、ステアリン酸等の脂肪酸や脂肪油系油脂類が使用される。
上記構成のスタビライザブッシュを製作する場合には、まず、基体ゴム2および高摺動性ゴム3のうちの一方を成形し、加硫または半加硫させた後、型内に他の一方を注入し、加硫成形すればよい。それぞれのゴムを予め所定形状に成形した後、接着してももちろんよい。
ここで、基体ゴム2と高摺動性ゴム3の組み合わせは、特に制限されないが、高摺動性ゴム3の基材となるゴムと、基体ゴム2のSP値(溶解度パラメータ)の差が0.5以下となるようにすると両者の接合性が向上する。通常、高摺動性ゴム3の基材となるゴムを、基体ゴム2と同じか、同系のゴム材料とすると、SP値がほぼ同じになり、良好な接合性が得られるが、必ずしも同系材料でなくとも、SP値が近似するゴム材料を選択すれば、同様の効果が得られる。
また、高摺動性ゴム3は、スタビライザブッシュの使用時、その内部より高級脂肪酸アミドがブルーミングすることで摺動性を与えるが、基体ゴム2と高摺動性ゴム3の組み合わせによっては、ブルーミングした高級脂肪酸アミドが基体ゴム2側へ移行する場合がある。この移行を回避するには、基体ゴム2と高摺動性ゴム3中の脂肪酸アミドのSP値の差が1.5以上、好ましくは2以上となるように、基体ゴム2および高摺動性ゴム3を選択することが望ましい。
具体的には、例えば、天然ゴム(NR)、天然ゴム(NR)とブタジエンゴム(BR)のブレンドゴム(NR/BR)、およびブチルゴム(IIRまたはCl−IIR)が同程度のSP値を有するので(SP値:約8)、高摺動性ゴム3の基材となるゴムおよび基体ゴム2を、上記ゴム材料から選択し、高級脂肪酸アミドとしてSP値が約10のオレイン酸アミドを用いると、接合性に優れ、しかも高級脂肪酸アミドが移行しにくい組み合わせとなる。
ここで、高級脂肪酸アミドの移行については、基体ゴム2として、ガス透過性の低いゴム材料を用いると、その抑制効果をより高めることができる。具体的には、ガス透過性が1×10-10 cm3・cm/ cm2・ sec・cmHg以下であるゴム材料、例えば、ブチルゴム(IIRまたはCl−IIR)を用いるのがよく、特に高温で使用された時に顕著な効果が見られる。
上記構成によれば、スタビライザバーの外周を保持するスタビライザブッシュ内周部を高摺動性ゴム3で構成したので、スタビライザバーの摺動抵抗が低減し、発進時等、スタビライザバーが大きく変位する際に異音が発生することを防止できる。また、ブラケットおよび車両ボデーと接触するスタビライザブッシュの基体ゴム2は通常のゴム材料で構成されているので、両者の摩擦抵抗は大きく、横力を受けてもブラケットからの横ズレが起こりにくい。よって、横ズレ防止ストッパ等を設置する必要がないので、部品点数の削減、コスト低減が可能であり、樹脂材料を使用していないので、ばね特性、耐久性に優れる。
図2には本発明の第2の実施の形態を示す。本実施の形態において、ゴム弾性体1は、略円筒状の高摺動性ゴム3の上面に、略矩形断面の基体ゴム2を積層することにより構成される。本実施の形態では、ゴム弾性体1の、ブラケットとの嵌合部を高摺動性ゴム3で構成したので、ブラケットに組み付ける際の摩擦抵抗が軽減し、組付け性が向上する。なお、ゴム弾性体1は、車両ボデーに当接する上端部を通常のゴム材である基体ゴム2で構成しているので、この部分での摩擦抵抗が十分大きく、横ズレの発生が抑制される。このように、必要に応じ、高摺動性ゴム3、基体ゴム2の形状を変更してもよい。
図3は本発明の第3の実施の形態である。本実施の形態では、上記第1の実施の形態における高摺動性ゴム3の軸方向両端縁31を径方向外方に延出して、上記基体ゴム2の表面を覆っている。本実施の形態によれば、ゴム弾性体1の両端面が高摺動性ゴムよりなるので、該端面にスタビライザバーが接触する際の異音の発生を防止することができる。
図4は本発明の第4の実施の形態である。本実施の形態では、上記第1の実施の形態における高摺動性ゴム3外周面の複数か所に、基体ゴム2内に突出するT字断面の凸部32を設けている。ここでは、高摺動性ゴム3の上下の対称位置に計4か所の凸部32を設けており、その先端は基体ゴム2の外表面に達している(図4(a))。本実施の形態によれば、複数の凸部32により高摺動性ゴム3と基体ゴム2の接合力が向上するので、高摺動性ゴム3の基材ゴムと基体ゴム2とが同系のゴムでない場合に有利である。
図5は本発明の第5の実施の形態であり、本実施の形態では、上記第1の実施の形態における高摺動性ゴム3の断面形状を歯車形としている(図5(a))。この時、歯車の歯の形状を、図5(c)のように扇形としてもよい。本実施の形態によっても、上記第4の実施の形態と同様の効果が得られる。
図6は本発明の第6の実施の形態である。本実施の形態では、上記第1の実施の形態における高摺動性ゴム3の外周面33を荒らす処理を行い、粗面とした後、基体ゴム2と接合する。本実施の形態によれば、両者の接着面積が増すことにより、接合力を高める効果が得られる。
(実施例1)
基体ゴム2および高摺動性ゴム3の組み合わせと、高級脂肪酸アミドの移行および接着強度との関係について調べた。基体ゴム2として表1に示す配合の種々のゴム材料を、高摺動性ゴム3としてオレイン酸アミドを含有するNR/BRゴムを使用し、図7(b)に示す丸棒ダンベル形状のテストピースPを作製した。テストピースPは、図の左半部が高摺動性ゴム3、右半部が基体ゴム2となるようにしてあり、高摺動性ゴム3を成形した後、基体ゴム2を注入し、加硫することにより形成される。
基体ゴム2および高摺動性ゴム3の組み合わせと、高級脂肪酸アミドの移行および接着強度との関係について調べた。基体ゴム2として表1に示す配合の種々のゴム材料を、高摺動性ゴム3としてオレイン酸アミドを含有するNR/BRゴムを使用し、図7(b)に示す丸棒ダンベル形状のテストピースPを作製した。テストピースPは、図の左半部が高摺動性ゴム3、右半部が基体ゴム2となるようにしてあり、高摺動性ゴム3を成形した後、基体ゴム2を注入し、加硫することにより形成される。
上記テストピースを23℃で14日間放置し、高摺動性ゴム3から基体ゴム2へのオレイン酸アミドの移行量を測定した。高摺動性ゴム3との接合界面から3mm、6mm、9mm離れた部分での基体ゴム2中のオレイン酸アミド量(重量%)を測定し、結果を図7(a)に示した。なお、図中、○、△、□は、
○:界面から3mm
△:界面から6mm
□:界面から9mm
離れた位置におけるオレイン酸アミド量をそれぞれ示す。
○:界面から3mm
△:界面から6mm
□:界面から9mm
離れた位置におけるオレイン酸アミド量をそれぞれ示す。
接着強度は、上記テストピースを用いて引張速度50mm/minで引張試験を行うことにより測定した。結果を図7(a)に併記する。図中、●、▲、▼は、
●:高摺動性ゴム加硫時間1.5分(T90)*1
▲:高摺動性ゴム加硫時間 3分(T90X1.5)*2
▼:各ゴム材料単体
*1)T90: ΔV 229%
*2)T90X1.5:ΔV 225%
を示す。
*3)ノクセラー M−60P 0.6重量部
ノクセラー PX−P 1.2重量部
パルノック R−P 1.2重量部
*4)ノクセラー TET 2.0重量部
ノクセラー TS 1.0重量部
(いずれも大内新興化学工業(株)製、商品名)
*5)シクロヘキシル・ベンゾチアゾル・スルフェナミド
●:高摺動性ゴム加硫時間1.5分(T90)*1
▲:高摺動性ゴム加硫時間 3分(T90X1.5)*2
▼:各ゴム材料単体
*1)T90: ΔV 229%
*2)T90X1.5:ΔV 225%
を示す。
ノクセラー PX−P 1.2重量部
パルノック R−P 1.2重量部
*4)ノクセラー TET 2.0重量部
ノクセラー TS 1.0重量部
(いずれも大内新興化学工業(株)製、商品名)
*5)シクロヘキシル・ベンゾチアゾル・スルフェナミド
図に明らかなように、基体ゴム2とオレイン酸アミドとのSP値の差が大きくなるほどオレイン酸アミドの移行量が小さくなっており、SP値の差が1.5以上あれば明らかな効果が得られると考えられる。SP値の差が2以上で移行量はほとんど0となる。また、接着強度は、基体ゴム2として高摺動性ゴム3の基材ゴムを同じNR/BRゴムを用いた場合に最も高く、同系材料を使用することで接合力を向上できることがわかる。
(実施例2)
次に、基体ゴム2として表2に示す配合のIIRゴム、および実施例1で用いたのと同じ配合のNR/BRゴム(表1参照)を、高摺動性ゴム3として実施例1と同じ配合のオレイン酸アミドを含有するNR/BRゴムを使用して、図8(a)に示す形状のスタビライザブッシュを作製した。
次に、基体ゴム2として表2に示す配合のIIRゴム、および実施例1で用いたのと同じ配合のNR/BRゴム(表1参照)を、高摺動性ゴム3として実施例1と同じ配合のオレイン酸アミドを含有するNR/BRゴムを使用して、図8(a)に示す形状のスタビライザブッシュを作製した。
得られたスタビライザブッシュを80℃で72時間放置し、高温条件下における高摺動性ゴム3から基体ゴム2へのオレイン酸アミドの移行量を調べた。それぞれ、高摺動性ゴム3との接合界面から3mm、6mm離れた部分における、基体ゴム2中のオレイン酸アミド量(重量%)を測定し、結果をガス透過性を横軸として図8(b)に示した。なお、ガス透過性の測定は、窒素ガスを用い、雰囲気温度25℃の条件で行った。図中、○、△はIIRゴム、●、▲はNR/BRゴムを用いた場合の結果を示すもので、それぞれ、
○、●:界面から3mm
△、▲:界面から6mm
離れた位置におけるオレイン酸アミド量を示す。
*5)シクロヘキシル・ベンゾチアゾル・スルフェナミド
*6)ノクセラー TTCU 4.0重量部
ノクセラー TT 2.0重量部
ノクセラー DM 1.0重量部
(いずれも大内新興化学工業(株)製、商品名)
○、●:界面から3mm
△、▲:界面から6mm
離れた位置におけるオレイン酸アミド量を示す。
*6)ノクセラー TTCU 4.0重量部
ノクセラー TT 2.0重量部
ノクセラー DM 1.0重量部
(いずれも大内新興化学工業(株)製、商品名)
図に明らかなように、基体ゴム2としてIIRゴムを用いた場合には、移行量はほぼ0であり、高温条件下においても移行がほとんど生じていないことがわかる。一方、NR/BRゴムを用いた場合は、上記図7に示したように、常温では移行がほとんど見られないが、高温になると移行量が増えており、高温での使用が考えられる用途には、ガス透過性の低いゴム材料、特に1×10-10 cm3・cm/ cm2・ sec・cmHg以下のものを用いることがより好ましい。また、IIRゴムを用いた場合について、実施例1と同様の方法で、接着強度を測定したところ、接着強度は550N/cm2 であり、良好な結果が得られた。
図9は、ガス透過性を横軸、SP値を縦軸として種々のゴム材料の位置関係を表したものである。図より、例えば高摺動性ゴム3の基材をNR/BRゴムとした場合、接着性を高めるには、基体ゴム2としてSP値が近似するNRゴム、NR/BRゴム、およびIIRゴムを用いるのがよく、NBRゴム、EPDMゴムではSP値の差がやや大きくなる。一方、滑剤である高級脂肪酸アミドの移行を防止するには、IIRゴム、NBRゴムが、他のゴム材料よりガス透過性が低く好ましい。従って、基体ゴム2としてIIRゴムを用いると、接着性向上と、高温での移行防止を両立できることがわかる。
1 ゴム弾性体
2 基体ゴム
21 フランジ
3 高摺動性ゴム
31 両端縁
32 凸部
33 外周面
4 ブラケット
S スタビライザバー
S1 湾曲部
2 基体ゴム
21 フランジ
3 高摺動性ゴム
31 両端縁
32 凸部
33 外周面
4 ブラケット
S スタビライザバー
S1 湾曲部
Claims (7)
- 筒状に成形したゴム弾性体の筒内にスタビライザバーを挿通保持し、該ゴム弾性体の外周面を車両ボデーに取り付けたブラケットで保持するようになしたスタビライザブッシュであって、上記ゴム弾性体の、少なくとも上記スタビライザバーに接する内周部を含む一部を高摺動性ゴムで構成したことを特徴とするスタビライザブッシュ。
- 上記高摺動性ゴムが、基材となるゴムに高級脂肪酸アミドを配合することにより高摺動性を付与したゴムである請求項1記載のスタビライザブッシュ。
- 上記高摺動性ゴムの基材となるゴムと、上記ゴム弾性体の基部を構成するゴムのSP値の差を0.5以下とした請求項2記載のスタビライザブッシュ。
- 上記高摺動性ゴムに含有される高級脂肪酸アミドと、上記ゴム弾性体の基部を構成するゴムのSP値の差を1.5以上とした請求項2ないし3記載のスタビライザブッシュ。
- 上記ゴム弾性体の基部を構成するゴムのガス透過性が1×10-10 cm3・cm/ cm2・ sec・cmHg以下である請求項1ないし4記載のスタビライザブッシュ。
- 上記ゴム弾性体が、筒状の基体ゴムとその内周に積層形成した円筒状の高摺動性ゴムからなる請求項1ないし5記載のスタビライザブッシュ。
- 上記高摺動性ゴムの軸方向の端縁を径方向外方に延出して、上記基体ゴムの軸方向の端面を覆った請求項6記載のスタビライザブッシュ。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
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- 2003-09-04 JP JP2003313280A patent/JP2004067094A/ja active Pending
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