JP2005188710A - ガス用シール材とその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 炭酸ガス透過性を低下させたガス用シール材とその製造方法を提供する。
【解決手段】 リング状の中芯2の外周面を弾性体1で被覆したガス用シール材であって、中芯2は有機繊維および金属の少なくとも一方からなるガス用シール材である。中芯2は有機繊維および金属の少なくとも一方からなる線状部材の両端部を接合した接合部3を有していることが好ましい。さらに、有機繊維および金属の少なくとも一方からなる線状部材の外周面に未加硫ゴムを塗布する工程と、線状部材の両端部を接合する工程と、未加硫ゴムを加硫する工程とを含むガス用シール材の製造方法である。
【選択図】 図1

Description

本発明はガス用シール材とその製造方法に関し、特に炭酸ガス透過性を低下させたガス用シール材とその製造方法に関する。
従来から、エアコン、冷蔵庫等の機器のコンプレッサ用冷媒として用いられている冷媒は、フロンR−134a(1,1,1,2−テトラフルオロエタン)が主流となっている。しかしながら、フロンR−134aは、オゾン層破壊および地球温暖化などの問題によりその使用禁止が予定されている。
このフロンR−134aの代替品としては炭化水素系ガスと炭酸ガスとが注目されているが、炭化水素系ガスは爆発や燃焼する危険性が高いため、将来的にはフロンR−134aの代替品として炭酸ガスが使用されるものと考えられている。
Oリングなどのガス用シール材は、このような機器の内部に存在するガスが機器の外部に漏れてしまうことを有効に防止することなどの目的で、機器の内部に取り付けられている。
現在、ガス用シール材の材質には、水素添加NBRやEPDMなどが用いられている。しかしながら、これらの材質は炭酸ガスとの相溶性が高いため炭酸ガス用のシール材の材質としては不適であるという問題があった。
そこで、たとえば特許文献1には、図8の模式的上面透視図に示すように、芯材12の外表面をゴム層11で被覆し、芯材12の周方向の一部に芯材12のない伸縮可能な部分13を設けたリング状シール部材が開示されている。このリング状シール部材においては、伸縮可能な部分13にリング状シール部材の組付け作業時に必要な柔軟性を持たせ、伸縮可能な部分以外の部分(芯材12の部分)にゴム層11を透過しやすい炭酸ガスに対する高い耐ガス透過性を持たせることができる。
しかしながら、このリング状シール部材を装置内部に設置して、この装置内部に高圧の炭酸ガスを封入した場合には、伸縮可能な部分13から封入した炭酸ガスが漏れやすくなるという問題があった。
また、特許文献2には、中心部が高ニトリル含量NBR加硫物からなり、表層部が低ニトリル含量NBR加硫物からなる二重構造のNBR製Oリングが開示されている。このOリングにおいては、中心部の高ニトリル含量NBR加硫物によりOリングの耐ガス透過性が高くなるとともに、表層部の比較的柔軟な低ニトリル含量NBR加硫物によりOリングの密着性が保持される。
しかしながら、このOリングは中心部と表層部とがともにNBRからなっているため、炭酸ガスに対する耐ガス透過性が十分でないという問題があった。
特開2002−5294号公報 特開平8−270799号公報
本発明の目的は、炭酸ガス透過性を低下させたガス用シール材とその製造方法を提供することにある。
本発明は、リング状の中芯の外周面を弾性体で被覆したガス用シール材であって、中芯は有機繊維および金属の少なくとも一方からなるガス用シール材である。
ここで、本発明のガス用シール材において、中芯は、有機繊維および金属の少なくとも一方からなる線状部材の両端部を接合されてなることが好ましい。
さらに、本発明は、有機繊維および金属の少なくとも一方からなる線状部材の外周面に未加硫ゴムを被覆する工程と、線状部材の両端部を接合する工程と、未加硫ゴムを加硫する工程と、を含むガス用シール材の製造方法である。
本発明によれば、炭酸ガス透過性を低下させたガス用シール材とその製造方法を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、本願の図面において、同一の参照符号は、同一部分または相当部分を表わすものとする。
図1(A)に本発明のガス用シール材の好ましい一例の模式的な上面図を示し、図1(B)に図1(A)に示したガス用シール材の線A−Aに沿った模式的な断面図を示す。図1(A)に示すように、本発明のガス用シール材は、リング状の中芯2の外周面を弾性体1で被覆した構成をとっている。そして、中芯2は接合部3を有している。このように、本発明においては、弾性体1よりも炭酸ガス透過性の低い中芯2をリング状に周方向に連続して形成しており、図8に示す従来のリング状シール部材のような中芯2がない部分を有しないことから、図8に示す従来のリング状シール部材よりも炭酸ガス透過性を低下させることができ、ガス用シール材のどの部分からも均一に炭酸ガスの透過を防止することができる。
図1(B)に示す本発明のガス用シール材の中芯2の断面積Scとガス用シール材全体の断面積Soとの比Sc/Soは、0.1以上0.4以下であることが好ましい。この比が0.1以上0.4以下である場合には、本発明のガス用シール材が良好なシール性を有し、かつ炭酸ガス透過性をより低下させることができる傾向にある。
弾性体1には、たとえばアクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体ゴム(EPDM)、フッ素ゴム(FKM)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、シリコーンゴム(Q)またはエピクロロヒドリンゴム(CO,ECO)などのゴムまたはこれらのゴムの混合物が用いられる。
アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)としては、たとえば、低ニトリル(アクリロニトリル含量24質量%)から高ニトリル(アクリロニトリル含量36〜42質量%)のものを用いることができる。さらに、NBRの耐油性を維持し、耐老化性を向上させるため、NBRの側鎖のシアノ基をそのまま残し、炭素の二重結合部分を選択的に水素添加した水素添加NBRも用いることができる。
エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体ゴム(EPDM)としては、たとえば、約40%〜60%のエチレン単位を含むエチレンとプロピレンとの二元共重合体に、約1%〜2%のエチリデンノルボルネン、シクロペンタジエンまたは1,4−ヘキサジエンなどの非共役二重結合を持つ第3成分を加えた三元共重合体を用いることができる。
フッ素ゴム(FKM)としては、フッ素化された弾性状の共重合体が用いられ、たとえばビニリデンフルオライドとヘキサフルオロプロペン、ペンタフルオロプロペン、トリフルオロエチレン、トリフルオロクロロエチレン、テトラフルオロエチレン、ビニルフルオライド、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)またはパーフルオロ(プロピルビニルエーテル)などの1種類または2種類以上の共重合体を用いることができる。
スチレン−ブタジエンゴム(SBR)としては、たとえば、75質量%のブタジエンと25質量%のラジカル共重合で得られる合成ゴムを用いることができる。
シリコーンゴム(Q)としては、たとえば、高重合度の線状のポリジメチルシロキサンとビニル基を有するビニルシロキサンとを共重合したメチルビニルシリコーンなどを用いることができる。
エピクロロヒドリンゴム(CO,ECO)としては、たとえば、エピクロロヒドリンの単独重合体(CO)や、エピクロロヒドリンとエチレンオキシドとの共重合体(ECO)などを用いることができる。
また、弾性体1には、たとえば架橋剤、加硫促進剤、充填剤、補強剤、可塑剤、老化防止剤または滑剤などの添加剤が含まれていてもよい。
架橋剤としては、たとえばベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン等の有機過酸化物または硫黄などを用いることができる。架橋剤は、ゴム100質量部に対して、好ましくは0.1〜10質量部配合される。
加硫促進剤としては、たとえばヘキサメチレンテトラミンなどのアルデヒド・アンモニア系加硫促進剤、1,3−ジフェニルグアニジン等のグアニジン系加硫促進剤、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジサルファイド等のチアゾール系加硫促進剤、N−オキシジエチレン・ベンゾチアジル−2−スルフェンアミド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド等のスルフェンアミド系加硫促進剤、テトラメチルチウラム・ジサルファイド、テトラエチルチウラム・ジサルファィド、テトラメチルチウラム・モノサルファイド等のチウラム系加硫促進剤、Zn−ジベンジル・ジチオカーバメイト、Zn−ジメチル・ジチオカーバメイト、Zn−ジエチル・ジチオカーバメイト、Zn−ジ−n−ブチル・ジチオカーバメイトなどのジチオ酸塩系加硫促進剤またはエチレン・チオウレア、ジエチル・チオウレア等のチオウレア系加硫促進剤などを用いることができる。これらの加硫促進剤は、1種類または2種類以上を併用できるが、ゴム100質量部に対して、好ましくは0.1〜10質量部配合される。
充填剤としては、たとえばケイ酸カルシウム、珪藻土、アルミナ、ベントナイト、グラファイト、雲母、炭酸カルシウム、酸化亜鉛または酸化マグネシウムなどが用いられる。充填剤はゴム100質量部に対して、好ましくは50質量部未満、より好ましくは10〜30質量部配合される。
補強剤としては、たとえばカーボンブラック、シリカまたはガラス繊維などを用いることができる。カーボンブラックは各種グレードのものが用いられ、たとえばSAF(N−110)、ISAF−LS(N−219)、ISAF−HM(N−220)、ISAF−LM(N−231)、ISAF−HS(N−242)、CF(N−293)、SCF(N−294)、EPC(S−300)、MPC(S−301)、HAF−LS−SC(S−315)、HAF−LS(N−326)、HAF(N−330)、HAF−HS(N−347)、SPF(N−358)、FF(N−440)、XCF(N−472)、FEF−LS(N−539)、FEF(N−550)、FEF−HS(N−568)、HMF(N−601)、GPF(N−660)、APF(N−683)、SRF−LM(N−761)またはSRF−HM(N−770)などを用いることができる。これらのカーボンブラックのうち平均粒子径が100nm以下、特に20〜50nmの範囲のものが好適に使用される。そして、カーボンブラックは、ゴム100質量部に対して、好ましくは100質量部以下、より好ましくは10〜70質量部配合される。
また、シリカは湿式方ホワイトカーボンおよび乾式方ホワイトカーボンのいずれも用いることができる。たとえばシリカの商品名としてカーブレックス、ニプシール、トクシール、ビタシール、ヒメジールなどの湿式方ホワイトカーボンがある。また乾式方ホワイトカーボンは、商品名としてエアロジルがある。ここでホワイトカーボンの平均粒子径は10〜80μmのものが好適に用いられ、ゴム100質量部に対して30質量部未満配合されることが好ましい。
可塑剤としては、たとえばDMP(フタル酸ジメチル)、DEP(フタル酸ジエチル)、DBP(フタル酸ジブチル)、DOP(フタル酸ジオクチル)、BBP(フタル酸ブチルベンジル)、無水ヒドロフタル酸エステル、TCP(リン酸トリクレジル)、TEP(トリエチルホスフェート)、オクチルジフェニルホスフェート、DOA(ジオクチルアジペート)、DOS(セバシン酸ジオクチル)などを用いることができる。可塑剤は、ゴム100質量部に対して、30質量部以下配合されることが好ましい。
老化防止剤としては、たとえば2−メルカプトベンズイミダゾール(MBI)、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合物(TMDQ)、ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル(NiDBC)などを用いることができる。老化防止剤は、ゴム成分100質量部に対して、3質量部以下配合されることが好ましく、2質量部以下配合されることがより好ましい。
滑剤としては、たとえばステアリン酸、ステアリン酸アミド、流動パラフィン、マイクロワックスまたはポリエチレンワックスなどが用いられる。滑剤は、ゴム100質量部に対して、30質量部以下配合されることが好ましい。
また、弾性体1には、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)などの熱可塑性エラストマーまたはこれらの熱可塑性エラストマーの混合物が用いられる。また、熱可塑性エラストマーとゴムとを混合して用いることもできる。
中芯2は、有機繊維および金属の少なくとも一方からなる。このようにすることによって、中芯2の外周面に被覆された弾性体1において、本発明のガス用シール材が設置されている機器の部材との間の密着性(シール性)を良好としつつ、弾性体1よりも炭酸ガス透過性の低い有機繊維および金属の少なくとも一方からなる中芯2において炭酸ガスの透過を防止することができる。
有機繊維としては、ポリアミド繊維およびポリエステル繊維の少なくとも一方を用いることが好ましく、ポリアミド繊維を用いることがさらに好ましい。ポリアミド繊維およびポリエステル繊維は炭酸ガス透過性が低いことから有効に炭酸ガスの透過を防止することができる。ポリアミド繊維は特に炭酸ガス透過性が低いことからより有効に炭酸ガスの透過を防止することができる。
また、ポリアミド繊維としては、たとえばナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン11、ナイロン12またはナイロン46などからなる繊維が用いられる。なかでも、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン11またはナイロン12からなる繊維を用いることが好ましい。この場合には、炭酸ガス透過性を特に低下させることができる。さらに、これらの繊維は、ガス用シール材の変形に柔軟に追随することができることから、ガス用シール材の耐久性およびシール性をさらに向上させることができるようになる。
金属としては、たとえば金、銀、銅、鉄またはこれらの合金などを用いることができる。なかでも、金属としては、鉄が用いられることが好ましい。この場合には、より低コストで本発明のガス用シール材の炭酸ガス透過性を低下させることができる。
中芯2の形状は、たとえば、図1(B)に示すような撚りのない素線であってもよく、図2の模式的断面図に示すような複数の素線をまとめて撚りこんだ撚線であってもよい。また、中芯2は、図3の模式図に示すようなスパイラル状の渦を巻いている素線であってもよい。なかでも、中芯2は、2〜30本の素線からなる撚線からなることが好ましく、2〜10本の素線からなる撚線からなることがより好ましく、1本の素線からなることがさらに好ましい。これらの場合には、本発明のガス用シール材の炭酸ガス透過性をより低下させることができる。また、中芯2は、複数の素線または撚線などを束ねて形成されてもよい。
撚線の撚り構造としては、たとえば複数の素線を撚り合わせた構造、複数の素線からなる撚線を複数撚り合わせた構造、または複数の素線からなる撚線とその周囲にある複数の素線とを撚り合わせた構造などがある。
以下、本発明のガス用シール材の製造方法の好ましい一例について説明する。
まず、弾性体1の材料となるゴムと添加剤とを所定量秤量し、秤量したこれらの材料をバンバリーミキサやインターミックスまたはロールなどを使用して混練混合することにより、未加硫ゴムを作製する。
次に、中芯2の材料となる有機繊維および金属の少なくとも一方からなる線状部材を用意し、この線状部材の外周面に上記未加硫ゴムを塗布することにより線状部材の外周面を未加硫ゴムで被覆する。そして、未加硫ゴムが塗布された線状部材を所定の長さに切断し、図4の模式的斜視図に示すように、未加硫ゴム1aが塗布された線状部材2aの形状がリング状となるように折り曲げる。次いで、線状部材2aの両端部を加熱して溶融した後に、図5の模式的拡大透視図に示すように、線状部材2aの両端部を接合したまま室温まで冷却して接合部3を形成する(バットジョイント)。また、図6の模式的拡大透視図に示すように、線状部材2aの両端部の側面同士を重ねて溶着することによって接合部3を形成してもよい(オーバーラップジョイント)。しかしながら、線状部材2aの材料の無駄を省く観点およびガス用シール材のどの箇所からも均一に炭酸ガス透過性を低下させる観点からはバットジョイントであることが好ましい。
なお、上記においては、線状部材に未加硫ゴムを塗布してから線状部材を切断しているが、予め所定の長さに切断した線状部材に未加硫ゴムを塗布してもよいことは言うまでもない。
そして、この未加硫ゴム1aが塗布されたリング状の線状部材2aを金型にセットしてたとえば150〜180℃で10〜30分間未加硫ゴム1aの加硫を行なうことによって、本発明のガス用シール材が製造される。
本発明においては、接合部3を形成して未加硫ゴム1aが塗布された線状部材2aをリング状にした後に金型のリング状の凹部にセットすることから、図8に示す従来のリング状シール部材を製造する場合のように所定の長さに切断された複数の芯材を間欠的に金型のリング状の凹部に沿わしてセットする必要がない。それゆえ、本発明においては、従来よりも容易にガス用シール材を製造することができる。
(実施例1)
まず、表1に示すゴム配合となるように各々の材料を秤量した後、これらの材料を混合した。次いで、この混合物をバンバリーミキサーでマスター練りし、その後オープンロールでファイナル練りして未加硫ゴムの組成物を得た。なお、表1に示すゴム配合の値は質量部で表わされている。
次に、断面径1.4mmのポリアミド(ナイロン6)繊維の外周面に上記未加硫ゴムの組成物を塗布し、所定の長さに切断した。そして、このポリアミド繊維の両端部を溶着して接合し、リング状に形成した。
その後、この未加硫ゴムの組成物が塗布されたリング状のポリアミド繊維を同じくリング状に凹部が形成されている金型にセットして、170℃で20分間未加硫ゴムを加硫してリング状のガス用シール材を成形した。そして、このガス用シール材のバリ取りを行なって仕上げをし、ガス用シール材を製造した。このガス用シール材の断面におけるポリアミド繊維の断面径Sc(1.54mm2)とガス用シール材の全体の断面径So(4.15mm2)との比Sc/Soは0.37であり、ガス用シール材全体の大きさ(ガス用シール材の外径)は84mmであった。
そして、このガス用シール材についての炭酸ガス透過性の評価を図7の模式的断面図に示す容量100ccの耐容器6を用いて行なった。
まず、図7に示す下方が開口しているドーム状の上蓋7と上方が開口している鍋形状の容器8とからなる耐容器6を用意した。ここで、上蓋7を容器8に被せると、これらが接触する箇所に断面が円形となる溝9が耐容器6の内部を取り囲むようにしてリング状に形成されている。
次に、耐容器6の溝9のそれぞれに実施例1のガス用シール材を嵌めこんだ後、上蓋7を容器8に被せ、上蓋7と容器8とを圧着して固定し、耐容器6内の圧力が8MPaになるまで、ガス注入口10から炭酸ガス(CO2)を耐容器6内に注入した。その後、栓14で炭酸ガス(CO2)の流路を塞ぐことにより耐容器6内を密封した。
そして、密封直後の耐容器6の質量を測定した。そして、耐容器6を温度40℃の条件下で10日間放置した後、10日間放置後の耐容器6の質量を測定した。
そして、密封直後の耐容器6の質量から10日間放置後の耐容器6の質量を差し引いた値をガスリーク量とし、この値の大小からガス用シール材の炭酸ガス透過性を評価した。
表1に実施例1のガス用シール材のガスリーク量を表わす。表1に示すように実施例1のガスリーク量は0.92gであって、良好な値を示した。なお、このガスリーク量の値は数値が小さいほど炭酸ガスの透過性の防止に優れていることを示す。
(比較例1)
表1に示すゴム配合となるように各々の材料を秤量した後、これらの材料を混合した。次いで、この混合物をバンバリーミキサーでマスター練りし、その後オープンロールでファイナル練りして未加硫ゴムの組成物を得た。
その後、この未加硫ゴムの組成物を実施例1で用いた金型に流し込んで、170℃で20分間未加硫ゴムを加硫し、中芯のないリング状のガス用シール材を成形した。そして、このガス用シール材を実施例1と同様の方法で炭酸ガスの透過性の評価を行なった。その結果を表1に示す。表1に示すように、比較例1のガス用シール材のガスリーク量は1.65gであって、実施例1のガス用シール材よりも炭酸ガスの透過量が多かった。
(比較例2)
表1に示すゴム配合となるように各々の材料を秤量した後、これらの材料を混合した。次いで、この混合物をバンバリーミキサーでマスター練りし、その後オープンロールでファイナル練りして未加硫ゴムの組成物を得た。
次に、この未加硫ゴムの組成物からなるゴムシートを2枚作製し、そのうちの1枚を実施例1で用いた金型のリング状の凹部に沿わしてセットした。そして、ガス用シール材に中芯の存在しない伸縮可能な部分を形成するため、このゴムシート上に、実施例1で用いたポリアミド繊維を2本、金型のリング状の凹部の周方向に不連続となるように設置した。続いて、このポリアミド繊維上に残りの1枚のゴムシートを被せた後に、170℃で20分間加硫し、中芯が周方向に連続していない伸縮可能な部分を有する図8に示す構成のリング状のガス用シール材を成形した。
そして、このガス用シール材を実施例1と同様の方法で炭酸ガスの透過性の評価を行なった。その結果を表1に示す。表1に示すように、比較例2のガス用シール材のガスリーク量は1.03gであって、実施例1のガス用シール材よりも炭酸ガスの透過量が多かった。
Figure 2005188710
(注1)カーボンブラック
(注2)大内新興化学工業(株)製の1,3−ジフェニルグアニジン
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明によれば炭酸ガス透過性を低下させたガス用シール材とその製造方法を提供することができるため、本発明は炭酸ガスが封入された機器、特に、コンプレッサ用冷媒として炭酸ガスを用いるエアコン、カーエアコンまたは冷蔵庫等の冷房用機器またはヒートポンプ給湯機等の加熱用機器に設置される炭酸ガス用シール材に好適に利用される。
(A)は本発明のガス用シール材の好ましい一例の模式的な上面図であり、(B)は(A)に示したガス用シール材の線A−Aに沿った模式的な断面図である。 本発明のガス用シール材の他の好ましい一例の模式的な断面図である。 本発明に用いられる中芯の好ましい一例の模式的な斜視図である。 本発明に用いられる未加硫ゴムを塗布した中芯の好ましい一例の模式的な斜視透視図である。 本発明において形成された中芯の接合部の好ましい一例の模式的な斜視透視図である。 本発明において形成された中芯の接合部の他の一例の模式的な斜視透視図である。 実施例における炭酸ガス透過性の評価に用いられた耐容器の模式的な断面図である。 従来のリング状シール部材の模式的な上面透視図である。
符号の説明
1 弾性体、1a 未加硫ゴム、2 中芯、2a 線状部材、3 接合部、6 耐容器、7 上蓋、8 容器、9 溝、10 ガス注入口、11 ゴム層、12 芯材、13 伸縮可能な部分、14 栓。

Claims (3)

  1. リング状の中芯の外周面を弾性体で被覆したガス用シール材であって、前記中芯は有機繊維および金属の少なくとも一方からなることを特徴とする、ガス用シール材。
  2. 前記中芯は、有機繊維および金属の少なくとも一方からなる線状部材の両端部を接合されてなることを特徴とする、請求項1に記載のガス用シール材。
  3. 有機繊維および金属の少なくとも一方からなる線状部材の外周面に未加硫ゴムを被覆する工程と、前記線状部材の両端部を接合する工程と、前記未加硫ゴムを加硫する工程と、を含む、ガス用シール材の製造方法。
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