JP2004066927A - 車両用温度センサ、車両用曇り止め装置、結露推定方法 - Google Patents

車両用温度センサ、車両用曇り止め装置、結露推定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】フロント窓ガラスの結露を検出するための赤外線センサを提供する。
【解決手段】赤外線センサ71は、センサ本体71aの筐体とフロント窓ガラス100の内壁とを熱的に結合する熱結合部材110とを備える。熱結合部材110は、熱伝導材料により、カップ状に形成されているとともに、底壁にて開口部111が設けられている。センサ本体71aは、赤外線を検出する四角形状のセンサエレメントを搭載してなる基板と、センサエレメントを覆うように配置されるカップ状の筐体とを有する。センサエレメントは、入射する赤外線量に応じた電気信号を出力する32個のセルが4行8列のマトリックス状に配置されて構成されている。
【選択図】    図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ウインドシールドの結露を検出するための車両用温度センサ、結露推定方法、車両用曇り止め装置に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
従来、車両のフロントガラスの結露を検出するために、フロントガラスの近傍の湿度を、電気抵抗値の変化(または、静電容量の変化)を利用して検出するセンサが考案されている。
【0003】
しかし、このようなセンサとしては、フロントガラスの結露を検出するためだけの専用のものが必要でコストが上昇するといった問題が生じている。そこで、本発明者は、車室内の温度分布を検出するために提案されている公知のIRセンサ(特開平2001−150920、特開平10−160580号公報)を利用してウインドシールドの結露を検出するための車両用温度センサについて検討した。
【0004】
そこで、本発明は、車室内の温度分布を検出するセンサエレメントを利用して、ウインドシールドの結露を検出するための車両用温度センサ、結露推定方法、車両用曇り止め装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、車室内の各エリアの温度を個々に検出する検出手段(71a)と、検出手段と車両のウインドシールドの内壁とを熱的に結合する結合部材(110)と、を有することを特徴とする。
【0006】
この場合、検出手段は、結合部材を介して、ウインドシールドから熱的な影響を受けることができる。このことにより、車室内の温度分布を検出するセンサエレメントを利用して、ウインドシールドの結露を検出するための車両用温度センサを提供することができる。
【0007】
具体的には、車両用温度センサの検出手段としては、請求項2に記載の発明のように、結合部材によりウインドシールドの内壁と熱的に結合され、各エリアに向けて形成された開口部(711)を有する筐体(710)と、筐体の開口部内に嵌合されて、各エリアから入射された入射光のうち赤外線を透過するフィルタ(714)と、筐体内に配設され、フィルタを透過した赤外線をエリア毎に検出するセンサエレメント(713)と、を有するように構成してもよい。
【0008】
なお、請求項3に記載の発明のように、検出手段としては、サーモパイル式のIRセンサを用いるようにしてもよい。
【0009】
請求項1乃至3のうちいずれか1つに記載の車両用温度センサを用いて、次のように、ウインドシールドの曇りを除去するようにしてもよい。
【0010】
具体的には、請求項4に記載の発明のように、車室内の各エリアの温度を個々に検出する検出手段(71a)と、検出手段と車両のウインドシールドの内壁とを熱的に結合する結合部材(110)と、検出手段の検出に応じて、各エリアの温度分布が所定範囲内に入っているか否かを判定する第1の判定手段(S110)と、各エリアの温度分布が所定範囲内に入っていることを第1の判定手段が判定したとき、ウインドシールドが結露しているとして、ウインドシールドの曇りを除去する除去手段(S120)と、を有するようにしてもよい。
【0011】
ここで、請求項5に記載の発明のように、第1の判定手段は、検出された温度分布が所定範囲内に入っているか否かを繰り返し判定し、検出された温度分布が所定範囲内に入っているとの判定を所定回数以上行ったときには、除去手段が、ウインドシールドの曇りを除去するようにしてもよい。
【0012】
これにより、ウインドシールドが結露しているか否かの判定を精度良く行うことができる。
【0013】
さらに、請求項6に記載の発明のように、検出手段の検出に応じて、各エリアのうち少なくとも1つのエリアの検出温度が、所定範囲内から外れたか否かを判定する第2の判定手段と、各エリアのうち少なくとも1つのエリアの検出温度が所定範囲内から外れたことを第2の判定手段が判定したとき、ウインドシールドの曇りの除去を停止する停止手段と、を有するようにしてもよい。
【0014】
また、請求項7に記載の発明のように、車室内の各エリアの温度を個々に検出する検出手段(71a)と、検出手段と車両のウインドシールドの内壁とを熱的に結合する結合部材(110)と、検出手段の検出に応じて、ウインドシールドの結露度合いを推定する推定手段と、推定されたウインドシールド結露度合いに応じて、ウインドシールドの曇りを除去する除去手段と、を有するようにしてもよい。
【0015】
ここで、請求項8に記載の発明のように、推定手段が、検出手段の検出に基づき、各エリアのうち少なくとも1つのエリアの検出温度が所定範囲内に入ってから各エリアの全ての検出温度が所定範囲内に入るまでの時間を計測し、この計測された時間に基づき、ウインドシールド結露度合いを推定するようにしてもよい。
【0016】
また、除去手段としては、請求項9に記載の発明のように、ウインドシールドの曇りを除去するための送風空気をウインドシールドの内壁に吹き出すように構成してもよい。さらに、除去手段としては、請求項10に記載の発明のように、ウインドシールドを加熱するために、通電により熱を発生する電熱線を有するように構成してもよい。
【0017】
また、請求項1乃至3のうちいずれか1つに記載の車両用温度センサを、次のように、ウインドシールドの結露の発生を推定する結露推定方法に用いるようにしてもよい。
【0018】
すなわち、請求項11に記載の発明では、車両のウインドシールドの内壁と熱的に結合され、かつ車室内の各エリアの温度を個々に検出する検出手段(71a)を用いて、ウインドシールドの結露の発生を推定する結露推定方法であって、検出手段の検出に応じて、各エリアの温度分布が所定範囲内に入っているか否かを判定し、検出された温度分布が所定範囲内に入っていることが判定されたとき、ウインドシールドの内壁に結露が発生していることを推定することを特徴とする。
【0019】
また、請求項12に記載の発明では、車両のウインドシールドの内壁と熱的に結合され、かつ車室内の各エリアの温度を個々に検出する検出手段(71a)を用いて、各エリアの温度分布を検出し、検出された温度分布に応じて、ウインドシールドの結露度合いを推定することを特徴とする。
【0020】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する一実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施形態になる車両用温度検出装置を用いた車両用空調装置の全体構成図であり、空調装置1の空調ケース2は車室内前部の計器盤内側に配置され、車室内へ向かって流れる空気の通路を形成する。空調ケース2の空気流れ上流端には内外気切替箱3が設けられ、この内外気切替箱3内の内外気切替ドア4により内気吸入口5と外気吸入口6とを開閉することにより、車室内の空気(内気)または車室外の空気(外気)を切替導入する。なお、内外気切替ドア4は、サーボモータからなる電気駆動装置20により駆動される。
【0022】
内外気切替箱3の空気流れ下流側には送風機7が配置され、送風機7のケース8に遠心式のファン9が収納され、電動モータ10にてファン9が回転駆動される。電動モータ10に印加される電圧(以下、ブロワ電圧という)は駆動回路40により制御され、このブロワ電圧の制御により送風機7の回転速度、ひいては送風機7の送風量が調整される。
【0023】
送風機7の空気流れ下流側には、冷房用熱交換器としての蒸発器11が配置されている。この蒸発器11は、冷媒を圧縮して吐出する圧縮機30を含む冷凍サイクルに設けられるものであって、蒸発器11に流入した低圧冷媒が送風機7の送風空気から吸熱して蒸発することにより送風空気を冷却する。
【0024】
なお、圧縮機30は車両エンジン(図示せず)により駆動されるようになっており、圧縮機30は動力断続用の電磁クラッチ31が備えられ、電磁クラッチ31への電力供給は駆動回路41により断続される。
【0025】
空調ケース2内で蒸発器11の空気流れ下流側には、暖房用熱交換器としてのヒータコア12が配置されており、このヒータコア12は車両エンジンの温水(冷却水)を熱源として送風空気を加熱する。また、このヒータコア12の側方には、ヒータコア12をバイパスして送風空気を流すためのバイパス通路13が形成されている。
【0026】
蒸発器11とヒータコア12の間に板状ドアからなるエアミックスドア14が回動可能に配置されている。このエアミックスドア14は温度調節手段であり、ヒータコア12を通過する温風とバイパス通路13を通過する冷風との風量割合を調節することにより車室内へ吹き出す空気の温度を調節する。ヒータコア12からの温風とバイパス通路13からの冷風をヒータコア12下流側で混合させて所望温度の空気を作り出すことができる。なお、エアミックスドア14は、サーボモータからなる電気駆動装置21により駆動される。
【0027】
空調ケース2の空気流れ下流端部には、デフロスタ開口部15とフェイス開口部16とフット開口部17が開口している。デフロスタ開口部15は図示しないデフロスタダクトを介して車両フロント窓ガラス内面に向けて送風空気を吹き出すもので、回動自在な板状のデフロスタドア15aにより開閉される。
【0028】
フェイス開口部16は図示しないフェイスダクトを介して車室内乗員の上半身に向けて送風空気を吹き出すもので、回動自在な板状のフェイスドア16aにより開閉される。さらに、フット開口部17は図示しないフットダクトを介して車室内乗員の足元に向けて送風空気を吹き出すもので、回動自在な板状のフットドア17aにより開閉される。
【0029】
上記した吹出モード設定用の各ドア15a、16a、17aは、共通のリンク機構18に連結され、このリンク機構18を介してサーボモータからなる電気駆動装置22により駆動される。そして、各ドア15a、16a、17aの作動により、次に述べる5つの吹出モードを設定可能になっている。
【0030】
すなわち、フェイスモード時は、フェイス開口部16を全開し、デフロスタ開口部15およびフット開口部17を全閉して、フェイス開口部16から送風空気を吹き出す。
【0031】
バイレベルモード時は、フェイス開口部16とフット開口部17の両方を開口し、デフロスタ開口部15を全閉して、フェイス開口部16とフット開口部17の両方から送風空気を略同量ずつ吹き出す。
【0032】
フットモード時は、フット開口部17を全開すると共にデフロスタ開口部15を小開度だけ開口し、フェイス開口部16を全閉して、フット開口部17から主に送風空気を吹き出し、デフロスタ開口部15から少量の送風空気を吹き出す。
【0033】
フットデフロスタモード時は、デフロスタ開口部15およびフット開口部17を同程度開口し、フェイス開口部16を全閉して、フットモード時に比較してフット開口部17からの吹出風量を減少させ、デフロスタ開口部15からの吹出風量を増加させる。
【0034】
デフロスタモード時は、デフロスタ開口部15を全開し、フェイス開口部16およびフット開口部17を全閉して、デフロスタ開口部15から送風空気を吹き出す。
【0035】
次に、本実施形態における電気制御部の概要を説明すると、空調用電子制御装置50は、CPU、ROM、RAM等からなる周知のマイクロコンピュータとその周辺回路にて構成されるもので、空調用電子制御装置50には、車両エンジンのイグニッションスイッチ60を介して車載バッテリ61から電源が供給される。
【0036】
空調用電子制御装置50には、空調制御のために、センサ群70〜77から検出信号が入力される。これらのセンサとしては、エンジン冷却水温を検出する水温センサ70、図示しない運転者およびその周辺の温度と前面窓ガラスの温度とを検出する赤外線センサ71(詳細後述)、外気温を検出する外気センサ72、日射量を検出する日射センサ73、蒸発器11を通過した直後の空気温度(以下、蒸発器後温度という)を検出する蒸発気温度センサ74、エアミックスドア14の実際の開度を検出するA/M開度センサ75、車速を検出する車速センサ76、車室内空気の相対湿度を検出する湿度センサ77が設けられている。
【0037】
さらに、車室内の計器盤周辺に配置される空調操作パネル80には、乗員により手動操作される下記のスイッチが備えられ、これらのスイッチの操作信号も空調用電子制御装置50に入力される。
【0038】
空調操作パネル80のスイッチとしては、設定温度の信号を発生する温度設定スイッチ81、送風機7の風量切替信号を発生する風量スイッチ82、内外気切替信号を発生する内外気スイッチ83、吹出モード信号を発生する吹出モードスイッチ84、圧縮機30の電磁クラッチ31のオンオフ信号を発生するエアコンスイッチ85、空調の自動制御モード設定用のオート信号を発生するオートスイッチ86が設けられている。
【0039】
次に、赤外線センサ71について詳細に説明する。図2に示すように、赤外線センサ71は、センサ本体71aと、このセンサ本体71aの筐体とフロント窓ガラス100の内壁とを熱的に結合する熱結合部材110とを備える。熱結合部材110は、熱伝導材料(例えば、アルミニュウムなどの金属)により、カップ状に形成されているとともに、底壁にて開口部111が設けられている。なお、熱結合部材110は、フロント窓ガラス100の内壁に対して、例えば接着剤等により固定される。
【0040】
センサ本体71aは、赤外線を検出する四角形状のセンサエレメント713を搭載してなる基板712と、センサエレメント713を覆うように配置されるカップ状の筐体710とを有する。
【0041】
センサエレメント713は、入射する赤外線量に応じた電気信号を出力する38個のセルから構成され、38個のセルが4行8列のマトリックス状に配置されている。これにより、図4に示す32個の各視野毎の表面温度、すなわち32個の各エリアの温度をそれぞれ独立に検出するようになっている。なお、センサエレメント713としては、センサ自身の絶対温度を検出する温度センサ(図示しない)を含んで、サーモパイル式のIRセンサ構成している。
【0042】
また、筐体710は、その底壁にて各座席を含む所望領域に向けて形成された開口部711を有し、開口部711内には、所望領域から入射された入射光のうち赤外線だけを透過するフィルタ714が嵌合されている。このことにより、フィルタ714は、各座席を含む所望領域からの入射光が入射するようになっている。これに伴い、センサエレメント713としては、フィルタ714を通して、各乗員およびその周辺の温度が検出可能になっている。
【0043】
ここで、フィルタ714は、開口部711内に嵌合されて筐体710と熱的に結合されている。これにより、フィルタ714は、熱結合部材110を介して、フロント窓ガラス100と熱的に結合されている。従って、センサエレメント713としては、後述するように、フィルタ714から入射される赤外線を検出することで、結露を検出することができる。
【0044】
因みに、運転席において表面が露出している部位、すなわち、運転者によって覆われていない部位の温度は、車室内の温度と相関があるため、運転席の表面からの赤外線が入射するセルの信号に基づいて車室内の温度を推定することができる。
【0045】
次に、上記構成になる空調装置1の作動を説明する。まず、空調用電子制御装置50のマイクロコンピュータにより実行される制御処理について説明する。
【0046】
イグニッションスイッチ60がオンされて制御装置50に電源が供給された状態において、空調操作パネル80のオートスイッチ86が投入されると、センサ群70〜77からの検出信号、およびスイッチ群81〜86からの操作信号に基づいて、制御装置50が以下の制御処理を実行する。
【0047】
まず、設定温度、運転者およびその周辺の温度、前面窓ガラス94の温度、外気温、日射量等に基づいて、車室内へ吹き出される送風空気の目標吹出温度を算出する。この目標吹出温度は、車室内の温度を設定温度に維持するために必要な吹出空気の温度である。
【0048】
次に、目標吹出温度、蒸発器後温度、およびエンジン冷却水温に基づいて、エアミックスドア14の目標開度を算出し決定する。この目標開度は、車室内へ吹き出される送風空気の温度を目標吹出温度に維持するために必要な開度である。
【0049】
次に、送風機7により送風される空気の目標風量を目標吹出温度に基づいて算出し、目標風量を実現するためのブロワ電圧を決定する。次に、目標吹出温度に応じて内外気モードを決定し、目標吹出温度や車室内空気の相対湿度に基づいて吹出モードを決定し、蒸発器後温度に応じて圧縮機30の運転・停止を決定する。
【0050】
ここで、例えば、吹出モードとしてデフロスタモードを選択する例について説明する。
【0051】
先ず、センサエレメント713の各セルの検出出力が入力され(S100)、各セルの検出出力に基づき、次のようにフロント窓ガラス100が結露しているか否かを判定する(S110)。
【0052】
先ず、センサエレメント713には、各座席を含む所望領域からの赤外線が入射される為、通常、所望領域には不均一の温度分布が形成され、センサエレメント713のセル毎の出力は、不均一になる。
【0053】
しかし、フロント窓ガラス100が結露している場合には、フィルタ714は、フロント窓ガラス100に対して、熱結合部材110、筐体710を介して熱的に結合されているため、フィルタ714の温度としては、フロント窓ガラス100の温度と同等になる。すなわち、フィルタ714の温度としても、結露の発生する温度になり、フィルタ714が結露した状態では、センサエレメント713には各座標を含む所定領域からの赤外線ではなく、結露水温度に応じた赤外線が入射されるため、センサエレメント713としては、各セルの出力がほぼ均一になる。このため、センサエレメント713の各セルの出力が、所定範囲内に入っているときには、フロント窓ガラス100に結露が発生していることを判定(推定)する。
【0054】
すなわち、センサエレメント713の検出に基づき、各セルの検出温度分布が所定範囲内に入っているときには、フロント窓ガラス100に結露が発生していることを判定して、フロント窓ガラス100の結露を止めるために、吹出モードとしてデフロスタモードを選択する(S120)。これに伴い、冷凍サイクルによって除湿された空気をフロント窓ガラス100に向けて吹き出して、フロント窓ガラス100の曇りを除去する。
【0055】
(他の実施形態)
上記実施形態では、フロント窓ガラス100の結露を止めるために、冷凍サイクルによって除湿された空気をフロント窓ガラス100に向けて吹き出す例について説明したが、フロント窓ガラス100を透明導電性薄膜(電熱線)を用いて加熱するようにしてもよい。すなわち、フロント窓ガラス100の内壁に透明導電性薄膜を沿わしておき、車載バッテリから透明導電性薄膜に通電させて、透明導電性薄膜によりフロント窓ガラス100を加熱させるようにしてもよい。
【0056】
上記実施形態では、センサエレメント713として、センサ自身の絶対温度を検出する温度センサ(温度検出手段)を含んでいるものを示したが、この温度センサにより、フロント窓ガラス100の内壁の近傍の温度を検出し、この検出温度と、湿度センサ77により検出された車室内空気の相対湿度とに基づき、フロント窓ガラス100に結露が発生しているか否かを判定するようにしてもよい。
【0057】
上記実施形態では、ウインドシールドとして、フロント窓ガラス100を適用した例について説明したが、側方窓ガラスや後方窓ガラスを用いるようにしてもよい。
【0058】
上記実施形態では、センサエレメント713の検出に基づき、所望領域における温度分布が所定範囲内に入っていることの判定を一回行ったとき、フロント窓ガラス100が結露していることを判定したが、所望領域における温度分布が所定範囲内に入っていることの判定を複数回行ったとき、フロント窓ガラス100が結露していることを判定するようにしてもよい。
【0059】
上記実施形態において、センサエレメント713の各セルのうち、いずれか1つのセルの検出温度が所定範囲内から外れたとき、デフロスタモードを停止して、ウインドシールドの曇りの除去を停止する。
【0060】
上記実施形態において、センサエレメント713の検出に基づき、フロント窓ガラス100の結露度合い(すなわち、曇り度合い)を推定するようにしてもよい。
【0061】
例えば、センサエレメント713の各セルのうち、検出温度が所定範囲内に入っているセルの数により、ウインドシールドの結露度合を推定する。そして、透明導電性薄膜によりフロント窓ガラス100を加熱させる場合、検出温度が所定範囲内に入っているセルの数が多くなるについて、透明導電性薄膜に流す電流を増やして発熱量を上げたり、電流を流す時間を長くするようにしてもよい。
【0062】
さらに、各セルのうち少なくとも1つのセルの検出温度が所定範囲内に入ってから各セルの全ての検出温度が所定範囲内に入るまでの時間を計測し、この計測された時間に基づき、ウインドシールドの結露度合いを推定するようにしてもよい。この場合、計測時間が短いほど、結露度合い(曇り度合い)が大きいとして、透明導電性薄膜に流す電流を増やして発熱量を上げたり、電流を流す時間を長くするようにしてもよい。
【0063】
上記実施形態において、フロント窓ガラス100の結露を止めるために、吹出モードとしてデフロスタモードを選択した例について選択したが、フットデフモードを選択するようにしてもよい。
【0064】
上記実施形態において、車両用温度センサとして、サーモパイル式のセンサをを用いた例を示したが、これに限らず、パイロ、サーミスタボロメータ、ゴーレイセルなどの各種のタイプの赤外線センサを用いることができる。また、車室内の各エリアの温度を個々に検出するもので、窓ガラスの内壁とを熱的に結合できるものであれば、赤外線検出の温度センサ以外のセンサを用いるようにしてもよい。
【0065】
上記実施形態において、32個のセルを有するセンサエレメント713を筐体710内に配設して赤外線センサ71を構成するようにした例を示したが、図6に示すように、単一のセルを筐体710内に配設して構成されるセンサ本体71bを複数個(図では、2個の例を示す)用い、これらセンサ本体71bと熱結合部材110とにより赤外線センサを構成するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る車両用温度検出装置を適用した車両用空調装置の全体構成図である。
【図2】赤外線センサの取る付け構造を示す断面図である。
【図3】赤外線センサの構造を示す断面図である。
【図4】赤外線センサのセンサエレメントを示す図である。
【図5】マイクロコンピュータの作動を示すフローチャートである。
【図6】変形例の赤外線センサの構造を示す断面図である。
【符号の説明】
71…赤外線センサ、71a…センサ本体、100…フロント窓ガラス、
110…熱結合部材、111…開口部、713…センサエレメント、
710…筐体。

Claims (12)

  1. 車室内の各エリアの温度を個々に検出する検出手段(71a)と、
    前記検出手段と車両のウインドシールドの内壁とを熱的に結合する結合部材(110)と、
    を有することを特徴とする車両用温度センサ。
  2. 前記検出手段は、
    前記結合部材により前記ウインドシールドの内壁と熱的に結合され、前記各エリアに向けて形成された開口部(711)を有する筐体(710)と、
    前記筐体の開口部内に嵌合されて、前記各エリアから入射された入射光のうち赤外線を透過するフィルタ(714)と、
    前記筐体内に配設され、前記フィルタを透過した赤外線をエリア毎に検出するセンサエレメント(713)と、を有することを特徴とする請求項1に記載の車両用温度センサ。
  3. 前記検出手段は、サーモパイル式のIRセンサであることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用温度センサ。
  4. 車室内の各エリアの温度を個々に検出する検出手段(71a)と、
    前記検出手段と車両のウインドシールドの内壁とを熱的に結合する結合部材(110)と、
    前記検出手段の検出に応じて、前記各エリアの温度分布が所定範囲内に入っているか否かを判定する第1の判定手段(S110)と、
    前記各エリアの温度分布が所定範囲内に入っていることを前記第1の判定手段が判定したとき、前記ウインドシールドが結露しているとして、前記ウインドシールドの曇りを除去する除去手段(S120)と、を有することを特徴とする車両用曇り止め装置。
  5. 前記第1の判定手段は、前記検出された温度分布が所定範囲内に入っているか否かを繰り返し判定し、前記検出された温度分布が所定範囲内に入っているとの判定を所定回数以上行ったときには、前記除去手段が、前記ウインドシールドの曇りを除去することを特徴とする請求項4に記載の車両用曇り止め装置。
  6. 前記検出手段の検出に応じて、前記各エリアのうち少なくとも1つのエリアの検出温度が、前記所定範囲内から外れたか否かを判定する第2の判定手段と、
    前記各エリアのうち少なくとも1つのエリアの検出温度が前記所定範囲内から外れたことを前記第2の判定手段が判定したとき、前記ウインドシールドの曇りの除去を停止する停止手段と、を有することを特徴とする請求項4又は5に記載の車両用曇り止め装置。
  7. 車室内の各エリアの温度を個々に検出する検出手段(71a)と、
    前記検出手段と車両のウインドシールドの内壁とを熱的に結合する結合部材(110)と、
    前記検出手段の検出に応じて、前記ウインドシールドの結露度合いを推定する推定手段と、
    前記推定されたウインドシールド結露度合いに応じて、前記ウインドシールドの曇りを除去する除去手段と、を有することを特徴とする車両用曇り止め装置。
  8. 前記推定手段は、前記検出手段の検出に基づき、前記各エリアのうち少なくとも1つのエリアの検出温度が所定範囲内に入ってから前記各エリアの全ての検出温度が所定範囲内に入るまでの時間を計測し、この計測された時間に基づき、前記ウインドシールド結露度合いを推定することを特徴とする請求項7に記載の車両用曇り止め装置。
  9. 前記除去手段は、前記ウインドシールドの曇りを除去するための送風空気を前記ウインドシールドの内壁に吹き出すことを特徴とする請求項7または8に記載の車両用曇り止め装置。
  10. 前記除去手段は、前記ウインドシールドを加熱するために、通電により熱を発生する電熱線を有することを請求項7または8に記載の車両用曇り止め装置。
  11. 車両のウインドシールドの内壁と熱的に結合され、かつ車室内の各エリアの温度を個々に検出する検出手段(71a)を用いて、前記ウインドシールドの結露の発生を推定する結露推定方法であって、
    前記検出手段の検出に応じて、前記各エリアの温度分布が所定範囲内に入っているか否かを判定し、
    前記検出された温度分布が所定範囲内に入っていることが判定されたとき、前記ウインドシールドの内壁に結露が発生していることを推定することを特徴とする結露推定方法。
  12. 車両のウインドシールドの内壁と熱的に結合され、かつ車室内の各エリアの温度を個々に検出する検出手段(71a)を用いて、前記各エリアの温度分布を検出し、
    前記検出された温度分布に応じて、前記ウインドシールドの結露度合いを推定することを特徴とする結露推定方法。
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