JP2004066634A - 印刷装置 - Google Patents
印刷装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004066634A JP2004066634A JP2002229111A JP2002229111A JP2004066634A JP 2004066634 A JP2004066634 A JP 2004066634A JP 2002229111 A JP2002229111 A JP 2002229111A JP 2002229111 A JP2002229111 A JP 2002229111A JP 2004066634 A JP2004066634 A JP 2004066634A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ribbon
- ink ribbon
- ink
- spool
- heating
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Landscapes
- Impression-Transfer Materials And Handling Thereof (AREA)
Abstract
【課題】印字内容の読みとりを不可能にし、機密が保持されるようにする。
【解決手段】サーマルヘッドと、巻取側リボンスプールとの間に、加熱ローラと回転ローラとを備える加熱ユニットを設けて、印刷後のインクリボンが巻取スプールに巻き取られる前に、加熱ローラでインクリボンに残っている残像を溶融することによって、印字内容の読みとりを不可能とし、機密が保持される。
【選択図】 図1
【解決手段】サーマルヘッドと、巻取側リボンスプールとの間に、加熱ローラと回転ローラとを備える加熱ユニットを設けて、印刷後のインクリボンが巻取スプールに巻き取られる前に、加熱ローラでインクリボンに残っている残像を溶融することによって、印字内容の読みとりを不可能とし、機密が保持される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、使用済みインクリボンから印字された内容が読みとられないようにする印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
印刷装置としては、例えば、図4に示すような熱転写プリンタ装置50がある。熱転写プリンタ装置50には、インクリボン51を供給する供給側リボンスプール52と、インクリボン51を巻き取る巻取側リボンスプール53とを有するインクカートリッジ54が装着される。この熱転写プリンタ装置50は、供給側リボンスプール42と巻取側リボンスプール53との間に備え付けられたドラム55にサーマルヘッド56が弾接されている。
【0003】
熱転写プリンタ装置50に用いられるインクカートリッジ54のインクリボン51は、薄いプラスチックフィルム上にイエロー、マゼンタ、シアン等の昇華性あるいは熱拡散性染料が塗布されたインク層が一定の間隔をもって形成されている。熱転写プリンタ装置50は、印刷の実行操作が行われると、巻取側リボンスプール53に係合した例えば駆動モータ等の可動軸58が回転駆動され、巻取側リボンスプール53がインクリボンの巻回方向である図4中の矢印X方向に回転され、ドラム55が印画紙を走行させる方向である図4中の矢印Y方向に回転され、ドラム55とサーマルヘッド56との間にインクリボン51を走行させる。そして、熱転写プリンタ装置50は、サーマルヘッド56がインクリボン51をプラスチックフィルム側から印画紙59に圧接させ、加熱し、選択的にインク層の塗料を熱転写することにより、印画紙59にカラー印刷を行う。したがって、印刷が行われたインクリボン51には、印刷した内容の残像が残ることになる。
【0004】
インクリボン51に印刷後の残像があると、その残像から印刷内容が第三者に読みとられてしまう。例えば、フォトショップ等の店頭に印刷装置を設置したときには、インクカートリッジを回収するフォトショップ関係者によって、印刷内容が読みとられ、機密情報が漏洩してしまうといったことがある。そこで、特開平5−330181号公報に示すように、熱転写プリンタ装置50には、巻取側リボンスプール53に巻き取られたインクリボン51を既に巻き取られているインクリボン51に溶着させて、巻回したインクリボンをほどくことができないようにする溶着機構57が付設されている。
【0005】
この溶着機構57は、インクリボン51に接して溶着を行う溶着部60と、巻取側リボンスプール53の可動軸58とベルト61で接続され、巻取側リボンスプール53の回転角度を検出する回転検出器62とを有する。溶着部60は、インクリボン51を溶融することで巻き取られた隣接するインクリボン51同士を溶着し、印刷済みのインクリボン51が巻取側リボンスプール53から巻き取られないようにして、第三者がインクリボン51の残像を読みとることができないようにする。
【0006】
例えば、90゜間隔で巻取側リボンスプール53に巻き取られているインクリボン51を溶着するときには、回転検出器62が巻取側リボンスプール53の回転角を検出し、巻取リボンスプールが90゜回転したとき、溶着部60が図4に示す矢印Z方向に移動し、巻取側リボンスプール53に巻き取られたインクリボン51に接触、溶融させ、インクリボン51を溶着させる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した熱転写プリンタ装置50は、溶着機構57の溶着部60によって、巻取側リボンスプール53に何重にも巻回されたインクリボン51を溶融する必要がある。このため、外周側のインクリボン51だけでなく、内周側のインクリボン51も溶融することできるように、印刷済みのインクリボン51が巻回された巻取側リボンスプール53に対して、高温、高圧を加えて溶融しなければならない。しかしながら、巻取側リボンスプール53のインクリボン51に対して、高温、高圧を加えると、外層側のインクリボン51が切断されてしまうことがある。インクリボン51が切断されたときには、使用不可能な状態となってしまう。
【0008】
また、熱転写プリンタ装置50は、巻取側リボンスプール53が巻回したインクリボン51を溶融するために、溶着機構57を設ける必要がある。この溶着機構57は、図示しないが、巻取側リボンスプール53に対して近接離間する移動機構を設ける必要があり、熱転写プリンタ装置50の構成が複雑化してしまう。
【0009】
そこで、本発明は、このような従来の実情を鑑みて提案されたものであり、インクリボンの残像を読みとり不可能にして、インクリボンに残像として残った情報の機密性を保持することができる印刷装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る印刷装置は、基材シートの少なくとも一方の面上にインク層が形成されてなるインクリボンが巻回されている供給側リボンスプールと、インクリボンを巻き取る巻取側リボンスプールとを有するインクカートリッジが装着される装着部と、装着部に装着されたインクカートリッジの巻取側リボンスプールを回転させることにより、インクリボンを走行させる走行機構と、走行機構により走行されているインクリボンを加熱し、印画紙にインクを熱転写するサーマルヘッドと、サーマルヘッドと巻取側リボンスプールとの間に、インクリボンを加熱する加熱ユニットとを備える。
【0011】
以上の構成を有する印刷装置は、サーマルヘッドと、巻取側リボンスプールとの間にインクリボンを加熱する加熱ユニットを配設することにより、印刷後のインクリボンに形成されている残像を溶融して、インクリボンの残像から印字内容の読みとりを不可能な状態にし、機密を保持する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した印刷装置について、図面を参照して詳細に説明する。図1に示す印刷装置1は、本発明が適用された熱転写型の印刷装置である。先ず、印刷装置1の説明に先だって、この印刷装置1に用いるインクカートリッジ2について図2を参照して説明する。
【0013】
このインクカートリッジ2は、インク層が形成されているインクリボン3と、インクリボン3が巻回されている供給側リボンスプール4と、供給側リボンスプール4に巻回されている巻取側リボンスプール5と、インクリボン3と供給側リボンスプール4と巻取側リボンスプール5とを収納するケース6を備える。
【0014】
インクリボン3は、プラスチックフィルムからなる基材シート上に、イエロー、マゼンタ、シアン等の昇華性あるいは熱拡散性染料が塗布されたインク層が一定の間隔をもって形成されている。このインクリボン3は、供給側リボンスプール4に巻回されたインクリボン3の一端を引き出して巻取側リボンスプール5に係止されている。
【0015】
供給側リボンスプール4及び巻取側リボンスプール5には、前端に環状に形成された回転支持部7a,7bが形成されており、この回転支持部7a,7bの内周面に連結凹部8a,8bが形成されている。供給側リボンスプール4及び巻取側リボンスプール5は、連結凹部8a,8bに、図示しない駆動モータ等の走行機構の駆動軸15が係合されることによって、走行機構により図2中の矢印A方向に回転駆動される。
【0016】
ケース6は、略円筒状の供給側リボンスプール4及び巻取側リボンスプール5を収納するための二つのリボンスプール収納部10a,10bが左右に離間し、互いに平行となすように設けられ、この二つのリボンスプール収納部10a,10bは連結部11によって連結されている。二つのリボンスプール収納部10a,10bは、前端に、供給側リボンスプール4及び巻取側スプール5の回転支持部7a,7bを挿嵌するための開口部12a,12bが形成されており、後端は閉口されている。
【0017】
このケース6には、二つのリボンスプール収納部10a,10bに供給側リボンスプール4及び巻取側リボンスプール5が回転可能な状態で収納され、供給側リボンスプール4と巻取側リボンスプール5との間のインクリボン3が連結部11に沿って延在される。連結部11は、供給側リボンスプール4から巻取側リボンスプール5へと走行するインクリボン3のインク層が形成されている面を外方に臨ませる印刷開口部13を有する。
【0018】
以上のようなインクカートリッジ2を用いる印刷装置1は、図1に示すように、インクカートリッジ2が装着される装着部14と、この装着部14に装着されたインクカートリッジ2のインクリボン3を走行させる駆動軸9a,9bを有する走行機構9と、走行機構9によって走行されているインクリボン3を加熱し、インク層の塗料を印画紙15に熱転写するサーマルヘッド16と、印刷後のインクリボン3を加熱する加熱ユニット17を備える。
【0019】
装着部14には、インクカートリッジ2が位置決めされた状態で装着される。インクカートリッジ2は、印刷装置1の装着部14に装着されると、駆動モータ等の走行機構9に接続された駆動軸9a,9bが供給側リボンスプール4及び巻取側リボンスプール5の各連結凹部8a,8bに嵌合される。走行機構9は、供給側リボンスプール4及び巻取側リボンスプール5の各連結凹部8a,8bと嵌合可能な形状の形成された駆動軸9a,9bを有する例えば駆動モータ等である。走行機構9は、巻取側リボンスプール5の連合凹部8bに嵌合されている駆動軸9bを図1中の矢印B方向に駆動させることによって、図1中の矢印C方向にインクリボン3を走行させて巻取側リボンスプール5に巻回させる。
【0020】
サーマルヘッド16は、図1中の矢印D方向に回転可能なドラム18に弾接され、接離可能な状態で設けられている。サーマルヘッド16とドラム18との間には、サーマルヘッド16側をインクリボン3が走行し、ドラム18側を印画紙15が走行している。インクリボン3は、巻取側リボンスプール5に係合された走行機構9の駆動軸9bが、インクリボン3を走行させる方向である図1中の矢印B方向に回転することにより、サーマルヘッド16とドラム18との間を走行する。印画紙15は、ドラム18をインクリボン3が走行している方向にある図1中の矢印D方向に回転することにより、インクリボン3の走行方向と同方向に、サーマルヘッド16とドラム18との間を走行する。
【0021】
サーマルヘッド16は、走行しているインクリボン3をドラム18側へ押圧して、インクカートリッジ2の印刷開口部13からインクリボン3を印画紙15に圧接した状態で、選択的に各インク層を加熱することによって、インク層の塗料を昇華させて印画紙15に転写する。
【0022】
加熱ユニット17は、サーマルヘッド16とインクカートリッジ2の巻取側リボンスプール5との間に位置し、回転可能な加熱ローラ19と回転ローラ20と備える。この加熱ユニット17は、印刷後のインクリボン3に形成されている印刷内容の残像を加熱、溶融して、残像を読みとり不可能な状態とし、印字内容の漏洩を防止する。
【0023】
加熱ローラ19は、回転可能であり、走行するインクリボン3のインク層が形成されている面側に設けられ、例えばヒータ等の加熱手段を内蔵している。加熱ローラ19は、加熱手段により100℃から200℃に温度設定することが可能である。
【0024】
回転ローラ20は、走行するインクリボン3の基材シート側、すなわち加熱ローラ19と相対向する位置に設けられる。この回転ローラ20には、硬度(JIS A)が30°以上、90°以下の範囲のものを用いる。
【0025】
加熱ユニット17は、加熱ローラ19、及び加熱ローラ19と相対向して弾接されている回転ローラ20とを図1中に示す矢印E方向に回転させて、印刷後のインクリボン3を加熱ローラ19と回転ローラ20との間に走行させる。
【0026】
加熱ユニット17は、100℃以上、200℃以下の範囲に温度設定した加熱ローラ19を印刷後のインクリボン3を介して、回転ローラ20側へ押圧し、巻取側リボンスプール5に巻き取られる前に、インクリボン3に形成されている残像を加熱、溶融する。
【0027】
印刷装置1では、加熱ローラ19の温度が100℃より低い場合、加熱ローラ19の温度が低すぎるため、インクリボン3の残像を十分に溶融することができなくなる。このため、インクリボン3には、残像の一部が残り、残った残像から印字内容を読みとりが可能となってしまう。一方、加熱ローラ19の温度が200℃より高い場合、溶融したインク層の塗料が加熱ローラ19の表面に付着して、溶融能力が落ちてしまう。また、加熱ローラ19の温度が200℃より高い場合、基材シートまで溶融してインクリボン3が切れてしまう。したがって、加熱ユニット17は、加熱ローラ19の温度を100℃以上、200℃以下の範囲にすることによって、インクリボン3の残像を読みとり可能な状態として、印字内容の漏洩を防止することができる。
【0028】
また、加熱ユニット17は、インクリボン3を効率的に加熱、溶融するため、回転ローラ20の硬度(JIS A)を30°以上、90°以下の範囲とする。印刷装置1では、回転ローラ20の硬度(JIS A)が30°より低い場合、回転ローラ20の硬度(JIS A)が低すぎるため、サーマルヘッド16のインクリボン3に対する圧接が弱くなり、十分に残像が加熱、溶融されてなくなってしまう。一方、回転ローラ20の硬度(JIS A)が90°より高い場合は、インクリボン3に高い負荷がかかりインクリボン3が切れて、残像が読みとり可能な状態となってしまう。したがって、回転ローラ20は、硬度(JIS A)(JIS A)を30°以上、90°以下の範囲とすることによって、インクリボン3の走行を安定させるとともに、加熱ローラ19による印刷後のインクリボン3に形成されている残像の加熱、溶融をより効率良く行うことができる。
【0029】
以上のことから、印刷装置1では、加熱ローラ19の温度を100℃以上、200℃以下の範囲に設定した加熱ローラ19と、硬度(JIS A)が30°以上、90°以下の範囲にある回転ローラ20とからなる加熱ユニット17を用いて、印刷後のインクリボン3の残像を加熱、溶融することにより、残像を読みとり不可能な状態として、印字内容の漏洩を防止される。
【0030】
以上の構成を有する印刷装置1は、ドラム18側から印画紙15を給紙するとともに、装着部14に装着されたインクカートリッジ2を図示しない制御部からの制御信号を受け取った走行機構9によって駆動され、インクリボン3をサーマルヘッド16とドラム18との間を供給側リボンスプール4から巻取側リボンスプール5へ走行させる。印刷装置1は、インクリボン3を介してサーマルヘッド16をドラム18側に押圧し、インクリボン3を印画紙15に圧接させた状態で、選択的に加熱することによって、カラー印刷を行う。
【0031】
印刷装置1は、印刷後のインクリボン3を巻取側リボンスプール5に巻き取られる前に、サーマルヘッド16と、インクカートリッジ2の巻取側リボンスプール5との間に設けた加熱ユニット17の加熱ローラ19で、印刷後のインクリボン3に形成された残像を加熱、溶融後、インクリボン3を巻取側リボンスプール5に巻回させる。したがって、印刷装置1は、印刷後のインクリボン3に形成されている残像を加熱、溶融させることによって、残像を読みとることが不可能となり、印字内容の漏洩が防止される。
【0032】
なお、本発明を適用した印刷装置1は、上述したドラム式に限らず、図3に示すようなキャプスタン式の印刷装置30にも適用される。なお、印刷装置30において、上記印刷装置1と同様の構成については同符号を付して詳細な説明を省略する。
【0033】
印刷装置30は、インクカートリッジ2が装着される装着部14と、この装着部14に装着されたインクカートリッジ2を走行させる駆動軸9a,9bを有する走行機構9と、走行機構9によって走行されているインクリボン3を加熱し、インク層の塗料を印画紙15に熱転写するサーマルヘッド16と、印刷後のインクリボン3を加熱する加熱ユニット17と、印画紙15を搬送する搬送駆動機構31とを備える。
【0034】
印刷装置30では、インクリボン3を有するインクカートリッジ2、走行機構9、サーマルヘッド16、加熱ローラ19及び回転ローラ20とを有する加熱ユニット17は印刷装置1と同様である。
【0035】
搬送駆動機構31は、キャプスタンローラ32と、ピンチローラ33とからなり、ピンチローラ33とキャプスタンローラ32とは相対向した位置に設けられている。したがって、搬送駆動機構31は、キャプスタンローラ32が図3中に示す矢印F1方向に回転して印画紙15を排紙し、図3中に示す矢印F2方向に回転して印画紙15の位置調整や給紙を行えるように、キャプスタンローラ32は図3中に示す矢印F1方向及び矢印F2方向の両方向に回転可能である。このため、搬送駆動機構31は、印画紙15を介してキャプスタンローラ32とピンチローラ33とを弾接した状態で、印画紙15の給排紙を行う。
【0036】
加熱ユニット17は、上述した印刷装置1と同様であり、加熱ローラ19と回転ローラ20とを有し、サーマルヘッド16と、巻取側リボンスプール5との間に設けられている。加熱ユニット17は、加熱ローラ19、及び加熱ローラ19と相対向して弾接されている回転ローラ20とを図3中に示す矢印G方向に回転させて、加熱ローラ19と回転ローラ20との間を図3中の矢印H方向に印刷後のインクリボン3を走行させる。そして、加熱ユニット17は、加熱ローラ19でインクリボン3の印字内容の残像を加熱、溶融する。
【0037】
加熱ユニット17は、加熱ローラ19の温度を100℃以上、200℃以下の範囲とする。加熱ユニット17は、加熱ローラ19の温度を100℃以上、200℃以下の範囲とすることによって、印字後のインクリボン3に形成されている残像を加熱、溶融して、残像の読みとりが不可能な状態にする。また、加熱ユニット17は、回転ローラ20の硬度(JIS A)を30°以上、90°以下の範囲とする。加熱ユニット17は、回転ローラ20の硬度(JIS A)を30°以上、90°以下の範囲とすることによって、加熱ユニット17によるインクリボン3の残像の溶融をより効率良く行うことができる。
【0038】
したがって、上述した加熱ユニット17よれば、印刷後のインクリボン3に形成されている残像を加熱、溶融することによって、残像の読みとりを不可能な状態となり、印字内容の漏洩が防止される。
【0039】
以上の構成を有する印刷装置30は、搬送駆動機構31によって走行する印画紙15とともに、装着部14に装着されたインクカートリッジ2を図示しない制御部からの制御信号を受け取った走行機構9によって駆動され、インクリボン3をサーマルヘッド16とプラテン34との間を供給側リボンスプール4から巻取側リボンスプール5へ走行させる。印刷装置30は、インクリボン3を介してサーマルヘッド16をプラテン34側に押圧し、インクリボン3を印画紙15に圧接させた状態で、選択的に加熱することによって、カラー印刷を行う。
【0040】
印刷装置30は、印刷後のインクリボン3を巻取側リボンスプール5に巻き取られる前に、サーマルヘッド16と、インクカートリッジ2の巻取側リボンスプール5との間に設けた加熱ユニット17の加熱ローラ19で、印刷後のインクリボン3に形成された残像を加熱ローラ19で加熱、溶融後、インクリボン3を巻取側リボンスプール5に巻回させる。したがって、印刷装置30は、印刷後のインクリボン3に形成されている残像を加熱、溶融させることによって、残像を読みとることが不可能となり、印字内容の漏洩が防止される。
【0041】
なお、加熱ユニット17は、加熱ローラ19がインクリボン3の基材シートに接し、回転ローラ20がインクリボン3のインク層が形成されている面に接するように配置して、基材シート7側から残像を加熱、溶融するようにしてもよい。また、加熱ローラ19及び回転ローラ20の幅は、インクリボン3の幅と同じ、若しくはより大きいものとする。
【0042】
更に、以上の例では、加熱ユニット17を加熱ローラ19と回転ローラ20とからなるものを説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0043】
【発明の効果】
以上、本発明に係る印刷装置によれば、サーマルヘッドと、巻取側リボンスプールとの間に加熱ユニットを設けて、インクリボンが巻取側リボンスプールに巻き取られる前にインクリボンの残像を加熱、溶融することによって、巻き取られたインクリボンから印字内容を読みとることが不可能となり、機密が保持される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された印刷装置の模式図である。
【図2】インクカートリッジの斜視図である。
【図3】他の形態として示す印刷装置の模式図である。
【図4】従来の印刷装置の模式図である。
【符号の説明】
1 印刷装置、2 インクカートリッジ、3 インクリボン、4 供給側リボンスプール4 巻取側リボンスプール、15 駆動軸、20 装着部、21 印画紙、22 サーマルヘッド、23 加熱ユニット、24 ドラム、25 加熱ローラ、26 回転ローラ
【発明の属する技術分野】
本発明は、使用済みインクリボンから印字された内容が読みとられないようにする印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
印刷装置としては、例えば、図4に示すような熱転写プリンタ装置50がある。熱転写プリンタ装置50には、インクリボン51を供給する供給側リボンスプール52と、インクリボン51を巻き取る巻取側リボンスプール53とを有するインクカートリッジ54が装着される。この熱転写プリンタ装置50は、供給側リボンスプール42と巻取側リボンスプール53との間に備え付けられたドラム55にサーマルヘッド56が弾接されている。
【0003】
熱転写プリンタ装置50に用いられるインクカートリッジ54のインクリボン51は、薄いプラスチックフィルム上にイエロー、マゼンタ、シアン等の昇華性あるいは熱拡散性染料が塗布されたインク層が一定の間隔をもって形成されている。熱転写プリンタ装置50は、印刷の実行操作が行われると、巻取側リボンスプール53に係合した例えば駆動モータ等の可動軸58が回転駆動され、巻取側リボンスプール53がインクリボンの巻回方向である図4中の矢印X方向に回転され、ドラム55が印画紙を走行させる方向である図4中の矢印Y方向に回転され、ドラム55とサーマルヘッド56との間にインクリボン51を走行させる。そして、熱転写プリンタ装置50は、サーマルヘッド56がインクリボン51をプラスチックフィルム側から印画紙59に圧接させ、加熱し、選択的にインク層の塗料を熱転写することにより、印画紙59にカラー印刷を行う。したがって、印刷が行われたインクリボン51には、印刷した内容の残像が残ることになる。
【0004】
インクリボン51に印刷後の残像があると、その残像から印刷内容が第三者に読みとられてしまう。例えば、フォトショップ等の店頭に印刷装置を設置したときには、インクカートリッジを回収するフォトショップ関係者によって、印刷内容が読みとられ、機密情報が漏洩してしまうといったことがある。そこで、特開平5−330181号公報に示すように、熱転写プリンタ装置50には、巻取側リボンスプール53に巻き取られたインクリボン51を既に巻き取られているインクリボン51に溶着させて、巻回したインクリボンをほどくことができないようにする溶着機構57が付設されている。
【0005】
この溶着機構57は、インクリボン51に接して溶着を行う溶着部60と、巻取側リボンスプール53の可動軸58とベルト61で接続され、巻取側リボンスプール53の回転角度を検出する回転検出器62とを有する。溶着部60は、インクリボン51を溶融することで巻き取られた隣接するインクリボン51同士を溶着し、印刷済みのインクリボン51が巻取側リボンスプール53から巻き取られないようにして、第三者がインクリボン51の残像を読みとることができないようにする。
【0006】
例えば、90゜間隔で巻取側リボンスプール53に巻き取られているインクリボン51を溶着するときには、回転検出器62が巻取側リボンスプール53の回転角を検出し、巻取リボンスプールが90゜回転したとき、溶着部60が図4に示す矢印Z方向に移動し、巻取側リボンスプール53に巻き取られたインクリボン51に接触、溶融させ、インクリボン51を溶着させる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した熱転写プリンタ装置50は、溶着機構57の溶着部60によって、巻取側リボンスプール53に何重にも巻回されたインクリボン51を溶融する必要がある。このため、外周側のインクリボン51だけでなく、内周側のインクリボン51も溶融することできるように、印刷済みのインクリボン51が巻回された巻取側リボンスプール53に対して、高温、高圧を加えて溶融しなければならない。しかしながら、巻取側リボンスプール53のインクリボン51に対して、高温、高圧を加えると、外層側のインクリボン51が切断されてしまうことがある。インクリボン51が切断されたときには、使用不可能な状態となってしまう。
【0008】
また、熱転写プリンタ装置50は、巻取側リボンスプール53が巻回したインクリボン51を溶融するために、溶着機構57を設ける必要がある。この溶着機構57は、図示しないが、巻取側リボンスプール53に対して近接離間する移動機構を設ける必要があり、熱転写プリンタ装置50の構成が複雑化してしまう。
【0009】
そこで、本発明は、このような従来の実情を鑑みて提案されたものであり、インクリボンの残像を読みとり不可能にして、インクリボンに残像として残った情報の機密性を保持することができる印刷装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る印刷装置は、基材シートの少なくとも一方の面上にインク層が形成されてなるインクリボンが巻回されている供給側リボンスプールと、インクリボンを巻き取る巻取側リボンスプールとを有するインクカートリッジが装着される装着部と、装着部に装着されたインクカートリッジの巻取側リボンスプールを回転させることにより、インクリボンを走行させる走行機構と、走行機構により走行されているインクリボンを加熱し、印画紙にインクを熱転写するサーマルヘッドと、サーマルヘッドと巻取側リボンスプールとの間に、インクリボンを加熱する加熱ユニットとを備える。
【0011】
以上の構成を有する印刷装置は、サーマルヘッドと、巻取側リボンスプールとの間にインクリボンを加熱する加熱ユニットを配設することにより、印刷後のインクリボンに形成されている残像を溶融して、インクリボンの残像から印字内容の読みとりを不可能な状態にし、機密を保持する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した印刷装置について、図面を参照して詳細に説明する。図1に示す印刷装置1は、本発明が適用された熱転写型の印刷装置である。先ず、印刷装置1の説明に先だって、この印刷装置1に用いるインクカートリッジ2について図2を参照して説明する。
【0013】
このインクカートリッジ2は、インク層が形成されているインクリボン3と、インクリボン3が巻回されている供給側リボンスプール4と、供給側リボンスプール4に巻回されている巻取側リボンスプール5と、インクリボン3と供給側リボンスプール4と巻取側リボンスプール5とを収納するケース6を備える。
【0014】
インクリボン3は、プラスチックフィルムからなる基材シート上に、イエロー、マゼンタ、シアン等の昇華性あるいは熱拡散性染料が塗布されたインク層が一定の間隔をもって形成されている。このインクリボン3は、供給側リボンスプール4に巻回されたインクリボン3の一端を引き出して巻取側リボンスプール5に係止されている。
【0015】
供給側リボンスプール4及び巻取側リボンスプール5には、前端に環状に形成された回転支持部7a,7bが形成されており、この回転支持部7a,7bの内周面に連結凹部8a,8bが形成されている。供給側リボンスプール4及び巻取側リボンスプール5は、連結凹部8a,8bに、図示しない駆動モータ等の走行機構の駆動軸15が係合されることによって、走行機構により図2中の矢印A方向に回転駆動される。
【0016】
ケース6は、略円筒状の供給側リボンスプール4及び巻取側リボンスプール5を収納するための二つのリボンスプール収納部10a,10bが左右に離間し、互いに平行となすように設けられ、この二つのリボンスプール収納部10a,10bは連結部11によって連結されている。二つのリボンスプール収納部10a,10bは、前端に、供給側リボンスプール4及び巻取側スプール5の回転支持部7a,7bを挿嵌するための開口部12a,12bが形成されており、後端は閉口されている。
【0017】
このケース6には、二つのリボンスプール収納部10a,10bに供給側リボンスプール4及び巻取側リボンスプール5が回転可能な状態で収納され、供給側リボンスプール4と巻取側リボンスプール5との間のインクリボン3が連結部11に沿って延在される。連結部11は、供給側リボンスプール4から巻取側リボンスプール5へと走行するインクリボン3のインク層が形成されている面を外方に臨ませる印刷開口部13を有する。
【0018】
以上のようなインクカートリッジ2を用いる印刷装置1は、図1に示すように、インクカートリッジ2が装着される装着部14と、この装着部14に装着されたインクカートリッジ2のインクリボン3を走行させる駆動軸9a,9bを有する走行機構9と、走行機構9によって走行されているインクリボン3を加熱し、インク層の塗料を印画紙15に熱転写するサーマルヘッド16と、印刷後のインクリボン3を加熱する加熱ユニット17を備える。
【0019】
装着部14には、インクカートリッジ2が位置決めされた状態で装着される。インクカートリッジ2は、印刷装置1の装着部14に装着されると、駆動モータ等の走行機構9に接続された駆動軸9a,9bが供給側リボンスプール4及び巻取側リボンスプール5の各連結凹部8a,8bに嵌合される。走行機構9は、供給側リボンスプール4及び巻取側リボンスプール5の各連結凹部8a,8bと嵌合可能な形状の形成された駆動軸9a,9bを有する例えば駆動モータ等である。走行機構9は、巻取側リボンスプール5の連合凹部8bに嵌合されている駆動軸9bを図1中の矢印B方向に駆動させることによって、図1中の矢印C方向にインクリボン3を走行させて巻取側リボンスプール5に巻回させる。
【0020】
サーマルヘッド16は、図1中の矢印D方向に回転可能なドラム18に弾接され、接離可能な状態で設けられている。サーマルヘッド16とドラム18との間には、サーマルヘッド16側をインクリボン3が走行し、ドラム18側を印画紙15が走行している。インクリボン3は、巻取側リボンスプール5に係合された走行機構9の駆動軸9bが、インクリボン3を走行させる方向である図1中の矢印B方向に回転することにより、サーマルヘッド16とドラム18との間を走行する。印画紙15は、ドラム18をインクリボン3が走行している方向にある図1中の矢印D方向に回転することにより、インクリボン3の走行方向と同方向に、サーマルヘッド16とドラム18との間を走行する。
【0021】
サーマルヘッド16は、走行しているインクリボン3をドラム18側へ押圧して、インクカートリッジ2の印刷開口部13からインクリボン3を印画紙15に圧接した状態で、選択的に各インク層を加熱することによって、インク層の塗料を昇華させて印画紙15に転写する。
【0022】
加熱ユニット17は、サーマルヘッド16とインクカートリッジ2の巻取側リボンスプール5との間に位置し、回転可能な加熱ローラ19と回転ローラ20と備える。この加熱ユニット17は、印刷後のインクリボン3に形成されている印刷内容の残像を加熱、溶融して、残像を読みとり不可能な状態とし、印字内容の漏洩を防止する。
【0023】
加熱ローラ19は、回転可能であり、走行するインクリボン3のインク層が形成されている面側に設けられ、例えばヒータ等の加熱手段を内蔵している。加熱ローラ19は、加熱手段により100℃から200℃に温度設定することが可能である。
【0024】
回転ローラ20は、走行するインクリボン3の基材シート側、すなわち加熱ローラ19と相対向する位置に設けられる。この回転ローラ20には、硬度(JIS A)が30°以上、90°以下の範囲のものを用いる。
【0025】
加熱ユニット17は、加熱ローラ19、及び加熱ローラ19と相対向して弾接されている回転ローラ20とを図1中に示す矢印E方向に回転させて、印刷後のインクリボン3を加熱ローラ19と回転ローラ20との間に走行させる。
【0026】
加熱ユニット17は、100℃以上、200℃以下の範囲に温度設定した加熱ローラ19を印刷後のインクリボン3を介して、回転ローラ20側へ押圧し、巻取側リボンスプール5に巻き取られる前に、インクリボン3に形成されている残像を加熱、溶融する。
【0027】
印刷装置1では、加熱ローラ19の温度が100℃より低い場合、加熱ローラ19の温度が低すぎるため、インクリボン3の残像を十分に溶融することができなくなる。このため、インクリボン3には、残像の一部が残り、残った残像から印字内容を読みとりが可能となってしまう。一方、加熱ローラ19の温度が200℃より高い場合、溶融したインク層の塗料が加熱ローラ19の表面に付着して、溶融能力が落ちてしまう。また、加熱ローラ19の温度が200℃より高い場合、基材シートまで溶融してインクリボン3が切れてしまう。したがって、加熱ユニット17は、加熱ローラ19の温度を100℃以上、200℃以下の範囲にすることによって、インクリボン3の残像を読みとり可能な状態として、印字内容の漏洩を防止することができる。
【0028】
また、加熱ユニット17は、インクリボン3を効率的に加熱、溶融するため、回転ローラ20の硬度(JIS A)を30°以上、90°以下の範囲とする。印刷装置1では、回転ローラ20の硬度(JIS A)が30°より低い場合、回転ローラ20の硬度(JIS A)が低すぎるため、サーマルヘッド16のインクリボン3に対する圧接が弱くなり、十分に残像が加熱、溶融されてなくなってしまう。一方、回転ローラ20の硬度(JIS A)が90°より高い場合は、インクリボン3に高い負荷がかかりインクリボン3が切れて、残像が読みとり可能な状態となってしまう。したがって、回転ローラ20は、硬度(JIS A)(JIS A)を30°以上、90°以下の範囲とすることによって、インクリボン3の走行を安定させるとともに、加熱ローラ19による印刷後のインクリボン3に形成されている残像の加熱、溶融をより効率良く行うことができる。
【0029】
以上のことから、印刷装置1では、加熱ローラ19の温度を100℃以上、200℃以下の範囲に設定した加熱ローラ19と、硬度(JIS A)が30°以上、90°以下の範囲にある回転ローラ20とからなる加熱ユニット17を用いて、印刷後のインクリボン3の残像を加熱、溶融することにより、残像を読みとり不可能な状態として、印字内容の漏洩を防止される。
【0030】
以上の構成を有する印刷装置1は、ドラム18側から印画紙15を給紙するとともに、装着部14に装着されたインクカートリッジ2を図示しない制御部からの制御信号を受け取った走行機構9によって駆動され、インクリボン3をサーマルヘッド16とドラム18との間を供給側リボンスプール4から巻取側リボンスプール5へ走行させる。印刷装置1は、インクリボン3を介してサーマルヘッド16をドラム18側に押圧し、インクリボン3を印画紙15に圧接させた状態で、選択的に加熱することによって、カラー印刷を行う。
【0031】
印刷装置1は、印刷後のインクリボン3を巻取側リボンスプール5に巻き取られる前に、サーマルヘッド16と、インクカートリッジ2の巻取側リボンスプール5との間に設けた加熱ユニット17の加熱ローラ19で、印刷後のインクリボン3に形成された残像を加熱、溶融後、インクリボン3を巻取側リボンスプール5に巻回させる。したがって、印刷装置1は、印刷後のインクリボン3に形成されている残像を加熱、溶融させることによって、残像を読みとることが不可能となり、印字内容の漏洩が防止される。
【0032】
なお、本発明を適用した印刷装置1は、上述したドラム式に限らず、図3に示すようなキャプスタン式の印刷装置30にも適用される。なお、印刷装置30において、上記印刷装置1と同様の構成については同符号を付して詳細な説明を省略する。
【0033】
印刷装置30は、インクカートリッジ2が装着される装着部14と、この装着部14に装着されたインクカートリッジ2を走行させる駆動軸9a,9bを有する走行機構9と、走行機構9によって走行されているインクリボン3を加熱し、インク層の塗料を印画紙15に熱転写するサーマルヘッド16と、印刷後のインクリボン3を加熱する加熱ユニット17と、印画紙15を搬送する搬送駆動機構31とを備える。
【0034】
印刷装置30では、インクリボン3を有するインクカートリッジ2、走行機構9、サーマルヘッド16、加熱ローラ19及び回転ローラ20とを有する加熱ユニット17は印刷装置1と同様である。
【0035】
搬送駆動機構31は、キャプスタンローラ32と、ピンチローラ33とからなり、ピンチローラ33とキャプスタンローラ32とは相対向した位置に設けられている。したがって、搬送駆動機構31は、キャプスタンローラ32が図3中に示す矢印F1方向に回転して印画紙15を排紙し、図3中に示す矢印F2方向に回転して印画紙15の位置調整や給紙を行えるように、キャプスタンローラ32は図3中に示す矢印F1方向及び矢印F2方向の両方向に回転可能である。このため、搬送駆動機構31は、印画紙15を介してキャプスタンローラ32とピンチローラ33とを弾接した状態で、印画紙15の給排紙を行う。
【0036】
加熱ユニット17は、上述した印刷装置1と同様であり、加熱ローラ19と回転ローラ20とを有し、サーマルヘッド16と、巻取側リボンスプール5との間に設けられている。加熱ユニット17は、加熱ローラ19、及び加熱ローラ19と相対向して弾接されている回転ローラ20とを図3中に示す矢印G方向に回転させて、加熱ローラ19と回転ローラ20との間を図3中の矢印H方向に印刷後のインクリボン3を走行させる。そして、加熱ユニット17は、加熱ローラ19でインクリボン3の印字内容の残像を加熱、溶融する。
【0037】
加熱ユニット17は、加熱ローラ19の温度を100℃以上、200℃以下の範囲とする。加熱ユニット17は、加熱ローラ19の温度を100℃以上、200℃以下の範囲とすることによって、印字後のインクリボン3に形成されている残像を加熱、溶融して、残像の読みとりが不可能な状態にする。また、加熱ユニット17は、回転ローラ20の硬度(JIS A)を30°以上、90°以下の範囲とする。加熱ユニット17は、回転ローラ20の硬度(JIS A)を30°以上、90°以下の範囲とすることによって、加熱ユニット17によるインクリボン3の残像の溶融をより効率良く行うことができる。
【0038】
したがって、上述した加熱ユニット17よれば、印刷後のインクリボン3に形成されている残像を加熱、溶融することによって、残像の読みとりを不可能な状態となり、印字内容の漏洩が防止される。
【0039】
以上の構成を有する印刷装置30は、搬送駆動機構31によって走行する印画紙15とともに、装着部14に装着されたインクカートリッジ2を図示しない制御部からの制御信号を受け取った走行機構9によって駆動され、インクリボン3をサーマルヘッド16とプラテン34との間を供給側リボンスプール4から巻取側リボンスプール5へ走行させる。印刷装置30は、インクリボン3を介してサーマルヘッド16をプラテン34側に押圧し、インクリボン3を印画紙15に圧接させた状態で、選択的に加熱することによって、カラー印刷を行う。
【0040】
印刷装置30は、印刷後のインクリボン3を巻取側リボンスプール5に巻き取られる前に、サーマルヘッド16と、インクカートリッジ2の巻取側リボンスプール5との間に設けた加熱ユニット17の加熱ローラ19で、印刷後のインクリボン3に形成された残像を加熱ローラ19で加熱、溶融後、インクリボン3を巻取側リボンスプール5に巻回させる。したがって、印刷装置30は、印刷後のインクリボン3に形成されている残像を加熱、溶融させることによって、残像を読みとることが不可能となり、印字内容の漏洩が防止される。
【0041】
なお、加熱ユニット17は、加熱ローラ19がインクリボン3の基材シートに接し、回転ローラ20がインクリボン3のインク層が形成されている面に接するように配置して、基材シート7側から残像を加熱、溶融するようにしてもよい。また、加熱ローラ19及び回転ローラ20の幅は、インクリボン3の幅と同じ、若しくはより大きいものとする。
【0042】
更に、以上の例では、加熱ユニット17を加熱ローラ19と回転ローラ20とからなるものを説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0043】
【発明の効果】
以上、本発明に係る印刷装置によれば、サーマルヘッドと、巻取側リボンスプールとの間に加熱ユニットを設けて、インクリボンが巻取側リボンスプールに巻き取られる前にインクリボンの残像を加熱、溶融することによって、巻き取られたインクリボンから印字内容を読みとることが不可能となり、機密が保持される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された印刷装置の模式図である。
【図2】インクカートリッジの斜視図である。
【図3】他の形態として示す印刷装置の模式図である。
【図4】従来の印刷装置の模式図である。
【符号の説明】
1 印刷装置、2 インクカートリッジ、3 インクリボン、4 供給側リボンスプール4 巻取側リボンスプール、15 駆動軸、20 装着部、21 印画紙、22 サーマルヘッド、23 加熱ユニット、24 ドラム、25 加熱ローラ、26 回転ローラ
Claims (6)
- 基材シートの少なくとも一方の面上にインク層が形成されてなるインクリボンが巻回されている供給側リボンスプールと、上記インクリボンを巻き取る巻取側リボンスプールとを有するインクカートリッジが装着される装着部と、
上記装着部に装着されたインクカートリッジの巻取側リボンスプールを回転させることにより、インクリボンを走行させる走行機構と、
上記走行機構により走行されているインクリボンを加熱し、印画紙にインクを熱転写するサーマルヘッドと、
上記サーマルヘッドと上記巻取側リボンスプールとの間に、上記インクリボンを加熱する加熱ユニットとを備える印刷装置。 - 上記加熱ユニットは、上記インクリボンを介して相対向して配設される加熱ローラと回転ローラとを有し、上記加熱ローラと上記回転ローラとは、回転可能な状態で弾接されている請求項1記載の印刷装置。
- 上記加熱ローラは、100℃以上、200℃以下の範囲で温度設定が可能である請求項2記載の印刷装置。
- 上記回転ローラの硬度(JIS A)が、30°以上、90°以下の範囲である請求項2記載の印刷装置。
- 上記加熱ローラは、上記インクリボンのインク層が形成されている面を加熱する請求項2記載の印刷装置。
- 上記加熱ローラは、上記インクリボンの基材シート側の面を加熱する請求項2記載の印刷装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002229111A JP2004066634A (ja) | 2002-08-06 | 2002-08-06 | 印刷装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002229111A JP2004066634A (ja) | 2002-08-06 | 2002-08-06 | 印刷装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004066634A true JP2004066634A (ja) | 2004-03-04 |
Family
ID=32015625
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002229111A Withdrawn JP2004066634A (ja) | 2002-08-06 | 2002-08-06 | 印刷装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004066634A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101187020B1 (ko) | 2010-03-05 | 2012-09-28 | 아이앤에이시스템 (주) | 인쇄정보 유출방지 기능을 갖는 프린터 |
-
2002
- 2002-08-06 JP JP2002229111A patent/JP2004066634A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101187020B1 (ko) | 2010-03-05 | 2012-09-28 | 아이앤에이시스템 (주) | 인쇄정보 유출방지 기능을 갖는 프린터 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4732774B2 (ja) | プリンタ及びプリント方法 | |
US6714227B2 (en) | Image forming apparatus and method, and transferring medium cassette | |
JP3191570B2 (ja) | テープユニット | |
JP4207682B2 (ja) | 再転写方式の印刷装置及び再転写方式の印刷方法 | |
JP3813221B2 (ja) | 熱転写リボン着脱装置 | |
JPH07314862A (ja) | インクリボンカセット | |
JP2004066634A (ja) | 印刷装置 | |
JP3373714B2 (ja) | 熱転写プリンタおよびこれによるカラー画像形成方法 | |
US20050162503A1 (en) | Thermal image forming apparatus and method | |
JP6825422B2 (ja) | 熱転写印画装置及び熱転写印画方法 | |
JPH08192562A (ja) | 熱転写記録装置 | |
JP2003154694A (ja) | 中間転写印刷装置 | |
WO2008005200A1 (en) | Universal donor cartridge | |
JP4682053B2 (ja) | プリンタ | |
JP2870573B2 (ja) | 熱転写記録装置 | |
JPH07237362A (ja) | テープユニット | |
JP2947078B2 (ja) | 熱転写印刷装置 | |
JP3200233B2 (ja) | 記録装置 | |
JP6757518B2 (ja) | 熱転写システム | |
JPH10839A (ja) | 画像形成装置、クリーニングリボン、クリーニング装置 およびクリーニング方法 | |
JPS6144674A (ja) | 熱転写型プリンタ | |
JP2005074902A (ja) | 中間転写方式熱転写プリンタ | |
JP2018051828A (ja) | 熱転写印画装置及び熱転写印画方法 | |
JP4698557B2 (ja) | 熱転写型画像形成装置 | |
JPH08118695A (ja) | プリント装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20051101 |