JP2004066398A - 摺動性に優れたコレットチャック又はガイドブッシュ - Google Patents
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Abstract
【課題】耐摩耗性に優れ、かつ摺動性に優れ、さらにワークを傷つけないコレットチャック、又はガイドブッシュを安価に提供する。
【解決手段】コレットチャック又はガイドブッシュに於いて、ワークを保持又は把持する内周面に、耐摩耗性に優れ、且つ摺動性に優れた非金属材料を用いることにより、ワークを傷つけることのないコレットチャック又はガイドブッシュが提供される。ここで用いる非金属材料とは炭素繊維、炭素繊維複合材料、POM、PA、PTFE、PEEK、PPS又はPIのいずれか一種、又は複数種からなる。
【選択図】 図1
【解決手段】コレットチャック又はガイドブッシュに於いて、ワークを保持又は把持する内周面に、耐摩耗性に優れ、且つ摺動性に優れた非金属材料を用いることにより、ワークを傷つけることのないコレットチャック又はガイドブッシュが提供される。ここで用いる非金属材料とは炭素繊維、炭素繊維複合材料、POM、PA、PTFE、PEEK、PPS又はPIのいずれか一種、又は複数種からなる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はワークを保持又は把持するコレットチャック、又はガイドブッシュに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
コレットチャック又はガイドブッシュは内周面で円筒形状のワークを保持、又は把持するために用いられるが、内周面はワークと摺動するため摩滅する。
【0003】
その内周面の摩滅によって、コレットチャックまたはガイドブッシュの内周面の形状が変化することとなるので、ワークを保持、または把持する精度の異常となり、ひいてはコレットチャック又はガイドブッシュの製品寿命を終えることとなる。
【0004】
そのため、コレットチャック又はガイドブッシュの内周面に耐摩耗性に優れた材料を用いることにより、長寿命化を図る技術として、内周面に超硬合金やセラミックスを用いる方法が一般的に知られており、或いは、硬質皮膜を形成する方法が特開平10−109203号や特開2000−71103号の公報で知られている。
【0005】
しかしながら、上記技術の内周面に硬質材料を用いる方法や、硬質皮膜を形成する方法は、ワークの材質や硬さなどの状態によっては、コレットチャック又はガイドブッシュの長寿命化に効果が認められないものがある。
【0006】
これは、例えば内周面に超硬合金やセラミックスは、高速重加工を行うと、摩擦係数が比較的大きいため、ワークに傷が発生したり、焼き付きが生じたりすることがある。また、硬質皮膜を形成する方法は摩擦係数が低いため、ワークに傷が生じることは殆ど無いが、硬質皮膜では膜厚が薄いために、ワークとの摺動により皮膜が剥離し、結果として短寿命に終わることがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
以上のことから、本発明はコレットチャック又はガイドブッシュの内周面に摩擦係数の小さい材料を用い、且つ、その摩擦係数の小さい材料が容易に剥離しないコレットチャック又はガイドブッシュを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記の目的を達成するために、ガイドブッシュ又はコレットチャックのワークと摺接する内周面に、低摩擦係数の非金属材料を用いたガイドブッシュ又はコレットチャックを提供する。
【0009】
ここで、本発明において、低摩擦係数の非金属材料とは炭素繊維、炭素繊維複合材料、POM(ポリオキシメチレン)、PA(ポリアセタール)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)又はPI(ポリイミド)及びこれらの複合材料を指す。
【0010】
これらの材料の中で、炭素繊維は低摩擦係数でありながら、かつ耐摩耗性に優れており、他の樹脂は低摩擦係数が特徴である。
【0011】
そのため、ワークと摺接する内周面にこの低摩擦係数の樹脂を用いることによって、ワークに傷が発生することなく、かつ、薄膜処理と異なり剥離が生じることのない、長寿命のガイドブッシュ又はコレットチャックが提供できる。
【0012】
【発明実施の形態】
コレットチャックとガイドブッシュは構造上の差異が小さいため、ここではコレットチャックのみを説明する。以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。図1はコレットチャックの一例を示す概略図である。
【0013】
図1において、aは低摩擦係数の非金属材料で構成されるワーク保持部品であり、bはコレットチャックの外周テーパ部、cはワークを保持又は把持する内周面の縮径を可能にするための摺割りであって、dはコレットチャック本体部にa部を取り付けるためのネジ孔を示す。
【0014】
本実施例に於いては、コレットチャック本体部にネジによってa部を取り付けているが、他の実施例として接着剤のみで取り付ける方法(図2)や、返りの付いたピンを以て取り付ける方法、a部に溝を形成させ、且つコレットチャック本体部に山を形成させる方法(図3)などがある。
【0015】
ここで、ワーク保持部品aは炭素繊維、炭素繊維複合材料、POM、PA、PTFE、PEEK、PPS又はPIのいずれか一種、又は複数種からなる。これらの非金属材料は摺動性に優れ、耐摩耗性を兼ね備えているために、摺動するワークを保持するという意味に於いて、最適な材料である。
【0016】
発明者の実験によれば、炭素繊維や炭素繊維を含有する材料でワーク保持部品aを構成させると、アルミ材料のワークを保持する場合にはコレットチャックの長寿命化が図れることが確認できたが、鉄系のワークを保持すると、ワーク保持部品aが著しく摩滅した。
【0017】
また、POM、PA、PTEF、PEEK、PPS及びPIをワーク保持部品aに用いた場合は、ワークの材質にかかわらずコレットチャックの長寿命化が図れた。
【0018】
さらに前述の非鉄金属材料は弾性があるため、ワークを傷つけることが無い。
【0019】
【発明の効果】
以上説明してきたように、コレットチャック又はガイドブッシュのワークを保持する内周面を炭素繊維、炭素繊維複合材料、POM、PA、PTFE、PEEK、PPS又はPIのいずれか一種、又は複数種から構成させることにより、コレットチャックやガイドブッシュの長寿命化が達成され、且つワークを傷つけないため、本発明のコレットチャックやガイドブッシュを用いて製品を加工する際の生産性が大幅に向上する。
【0020】
また、従来技術のセラミックスや超硬合金に比べて本発明で用いる非金属材料は安価であるため、最終的に安価なコレットチャックやガイドブッシュを提供することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるガイドブッシュの一例を示す側面図と正面図の概略である。
【図2】本発明の非金属材料をコレットチャックに取り付ける一例を示す概略図である。
【図3】同じく、本発明の非金属材料をコレットチャックに取り付ける一例を示す概略図である。
【符号の説明】
aは低摩擦係数の非金属材料で構成されるワーク保持部品である。
bはコレットチャックの外周テーパ部である。
cはワークを保持又は把持する内周面の縮径を可能にするための摺割りである。
dはコレットチャック本体部にa部を取り付けるためのネジ孔である。
【産業上の利用分野】
本発明はワークを保持又は把持するコレットチャック、又はガイドブッシュに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
コレットチャック又はガイドブッシュは内周面で円筒形状のワークを保持、又は把持するために用いられるが、内周面はワークと摺動するため摩滅する。
【0003】
その内周面の摩滅によって、コレットチャックまたはガイドブッシュの内周面の形状が変化することとなるので、ワークを保持、または把持する精度の異常となり、ひいてはコレットチャック又はガイドブッシュの製品寿命を終えることとなる。
【0004】
そのため、コレットチャック又はガイドブッシュの内周面に耐摩耗性に優れた材料を用いることにより、長寿命化を図る技術として、内周面に超硬合金やセラミックスを用いる方法が一般的に知られており、或いは、硬質皮膜を形成する方法が特開平10−109203号や特開2000−71103号の公報で知られている。
【0005】
しかしながら、上記技術の内周面に硬質材料を用いる方法や、硬質皮膜を形成する方法は、ワークの材質や硬さなどの状態によっては、コレットチャック又はガイドブッシュの長寿命化に効果が認められないものがある。
【0006】
これは、例えば内周面に超硬合金やセラミックスは、高速重加工を行うと、摩擦係数が比較的大きいため、ワークに傷が発生したり、焼き付きが生じたりすることがある。また、硬質皮膜を形成する方法は摩擦係数が低いため、ワークに傷が生じることは殆ど無いが、硬質皮膜では膜厚が薄いために、ワークとの摺動により皮膜が剥離し、結果として短寿命に終わることがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
以上のことから、本発明はコレットチャック又はガイドブッシュの内周面に摩擦係数の小さい材料を用い、且つ、その摩擦係数の小さい材料が容易に剥離しないコレットチャック又はガイドブッシュを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記の目的を達成するために、ガイドブッシュ又はコレットチャックのワークと摺接する内周面に、低摩擦係数の非金属材料を用いたガイドブッシュ又はコレットチャックを提供する。
【0009】
ここで、本発明において、低摩擦係数の非金属材料とは炭素繊維、炭素繊維複合材料、POM(ポリオキシメチレン)、PA(ポリアセタール)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)又はPI(ポリイミド)及びこれらの複合材料を指す。
【0010】
これらの材料の中で、炭素繊維は低摩擦係数でありながら、かつ耐摩耗性に優れており、他の樹脂は低摩擦係数が特徴である。
【0011】
そのため、ワークと摺接する内周面にこの低摩擦係数の樹脂を用いることによって、ワークに傷が発生することなく、かつ、薄膜処理と異なり剥離が生じることのない、長寿命のガイドブッシュ又はコレットチャックが提供できる。
【0012】
【発明実施の形態】
コレットチャックとガイドブッシュは構造上の差異が小さいため、ここではコレットチャックのみを説明する。以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。図1はコレットチャックの一例を示す概略図である。
【0013】
図1において、aは低摩擦係数の非金属材料で構成されるワーク保持部品であり、bはコレットチャックの外周テーパ部、cはワークを保持又は把持する内周面の縮径を可能にするための摺割りであって、dはコレットチャック本体部にa部を取り付けるためのネジ孔を示す。
【0014】
本実施例に於いては、コレットチャック本体部にネジによってa部を取り付けているが、他の実施例として接着剤のみで取り付ける方法(図2)や、返りの付いたピンを以て取り付ける方法、a部に溝を形成させ、且つコレットチャック本体部に山を形成させる方法(図3)などがある。
【0015】
ここで、ワーク保持部品aは炭素繊維、炭素繊維複合材料、POM、PA、PTFE、PEEK、PPS又はPIのいずれか一種、又は複数種からなる。これらの非金属材料は摺動性に優れ、耐摩耗性を兼ね備えているために、摺動するワークを保持するという意味に於いて、最適な材料である。
【0016】
発明者の実験によれば、炭素繊維や炭素繊維を含有する材料でワーク保持部品aを構成させると、アルミ材料のワークを保持する場合にはコレットチャックの長寿命化が図れることが確認できたが、鉄系のワークを保持すると、ワーク保持部品aが著しく摩滅した。
【0017】
また、POM、PA、PTEF、PEEK、PPS及びPIをワーク保持部品aに用いた場合は、ワークの材質にかかわらずコレットチャックの長寿命化が図れた。
【0018】
さらに前述の非鉄金属材料は弾性があるため、ワークを傷つけることが無い。
【0019】
【発明の効果】
以上説明してきたように、コレットチャック又はガイドブッシュのワークを保持する内周面を炭素繊維、炭素繊維複合材料、POM、PA、PTFE、PEEK、PPS又はPIのいずれか一種、又は複数種から構成させることにより、コレットチャックやガイドブッシュの長寿命化が達成され、且つワークを傷つけないため、本発明のコレットチャックやガイドブッシュを用いて製品を加工する際の生産性が大幅に向上する。
【0020】
また、従来技術のセラミックスや超硬合金に比べて本発明で用いる非金属材料は安価であるため、最終的に安価なコレットチャックやガイドブッシュを提供することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるガイドブッシュの一例を示す側面図と正面図の概略である。
【図2】本発明の非金属材料をコレットチャックに取り付ける一例を示す概略図である。
【図3】同じく、本発明の非金属材料をコレットチャックに取り付ける一例を示す概略図である。
【符号の説明】
aは低摩擦係数の非金属材料で構成されるワーク保持部品である。
bはコレットチャックの外周テーパ部である。
cはワークを保持又は把持する内周面の縮径を可能にするための摺割りである。
dはコレットチャック本体部にa部を取り付けるためのネジ孔である。
Claims (2)
- ワークを保持又は把持するための内周面を持ち、該ワークの保持位置の外周面にテーパ形状を有し、該テーパ面を押圧することによって、ワークを保持又は把持する内周面の縮径を可能にするための摺割りを有するコレットチャック又はガイドブッシュに於いて、
ワークを保持又は把持する内周面を構成する材料が、摺動性に優れた非金属材料からなることを特徴とするコレットチャック又はガイドブッシュ。 - 請求項1のコレットチャック又はガイドブッシュに於いて、ワークを保持又は把持する内周面を構成する摺動性に優れた非金属材料が
炭素繊維、炭素繊維複合材料、POM、PA、PTFE、PEEK、PPS又はPIのいずれか一種、又は複数種からなることを特徴とするコレットチャック又はガイドブッシュ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002229359A JP2004066398A (ja) | 2002-08-07 | 2002-08-07 | 摺動性に優れたコレットチャック又はガイドブッシュ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002229359A JP2004066398A (ja) | 2002-08-07 | 2002-08-07 | 摺動性に優れたコレットチャック又はガイドブッシュ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004066398A true JP2004066398A (ja) | 2004-03-04 |
Family
ID=32015768
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002229359A Pending JP2004066398A (ja) | 2002-08-07 | 2002-08-07 | 摺動性に優れたコレットチャック又はガイドブッシュ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004066398A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7469907B2 (en) * | 2004-11-10 | 2008-12-30 | Hydra-Lock Corporation | Mechanically actuated workpiece holder including a plastic collet |
CN102876040A (zh) * | 2012-10-08 | 2013-01-16 | 合肥杰事杰新材料股份有限公司 | 一种聚苯硫醚复合材料及其制备方法 |
JP2014030860A (ja) * | 2012-08-01 | 2014-02-20 | Sankyotateyama Inc | ピーリング装置 |
-
2002
- 2002-08-07 JP JP2002229359A patent/JP2004066398A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7469907B2 (en) * | 2004-11-10 | 2008-12-30 | Hydra-Lock Corporation | Mechanically actuated workpiece holder including a plastic collet |
JP2014030860A (ja) * | 2012-08-01 | 2014-02-20 | Sankyotateyama Inc | ピーリング装置 |
CN102876040A (zh) * | 2012-10-08 | 2013-01-16 | 合肥杰事杰新材料股份有限公司 | 一种聚苯硫醚复合材料及其制备方法 |
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