JP2004066298A - ゴム物品補強用スチールコードとその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い接着性を有するゴム物品補強用スチールコードとその製造方法を提供する。
【解決手段】ブラスメッキしたスチールワイヤを湿式伸線して製造された複数本のフィラメントを撚り合わせて成るゴム物品補強用スチールコードを製造する際に、上記伸線工程に使用する潤滑剤として、レゾルシンを添加した湿式潤滑剤を用いて、上記スチールコードに使用されるフィラメント表面に適量のレゾルシンを付着させるようにした。
【選択図】 なし
【解決手段】ブラスメッキしたスチールワイヤを湿式伸線して製造された複数本のフィラメントを撚り合わせて成るゴム物品補強用スチールコードを製造する際に、上記伸線工程に使用する潤滑剤として、レゾルシンを添加した湿式潤滑剤を用いて、上記スチールコードに使用されるフィラメント表面に適量のレゾルシンを付着させるようにした。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゴム物品の補強材として用いられる、ゴムとの接着性に優れたゴム物品補強用スチールコードとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両用スチールラジアルタイヤの骨格部材などに使用されるゴム物品補強用スチールコードは、通常、ブラスメッキ処理したスチールワイヤを多段スリップ型湿式伸線方法を用いて所望の線径に伸線処理した後、この伸線されたスチールフィラメントを複数本撚り合わせたものが広く使用されている。
図1は多段スリップ型湿式伸線装置10を用いた湿式伸線方法の概要を示す図で、この方法は、潤滑液槽11内の湿式潤滑剤11m中に互いに対向するように配置された2つの多段の駆動キャプスタン12A,12Bとの間に、スチールワイヤ13を上記駆動キャプスタン12A,12Bの各段に交互に掛け渡す過程で、各段毎にダイス14による伸線を行うもので、最終ダイス14Zを経て伸線処理されたスチールワイヤ(スチールフィラメント)は、潤滑液槽11外側の駆動キャプスタン15から巻き取り工程へと送られる。
一般に、ブラスメッキされたスチールワイヤを湿式伸線する場合には、潤滑液(湿式潤滑剤)として、例えば、アルキルリン酸エステル等の極圧剤や脂肪酸塩等の油性剤等を主成分とし、界面活性剤や水分を添加した水溶性の潤滑剤を使用し、上記ワイヤ表面にリン酸エステルの亜鉛錯体等の被膜を形成し、これを極圧被膜として利用して伸線時のダイス−ワイヤ間の摩擦を低減することにより、ダイスやワイヤの損傷を抑制する方法が行われてきた。このことが、スチールコード用のフィラメントを高い生産性で製造することに非常に大きな役割を果たしてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
一方、上記スチールコードとゴムとの接着は、加硫工程において、フィラメント表面のメッキ中に含まれる銅とゴム中の硫黄とが反応することによって得られるが、このとき、フィラメント表面に残留した上記被膜が上記銅−硫黄の反応を阻害してしまい、このため、加硫ゴムが劣化したりゴムとの接着性が悪化してタイヤ等のゴム製品の耐久性が低下してしまうといった問題点があった。
【0004】
本発明は、従来の問題点に鑑みてなされたもので、高い接着性を有するゴム物品補強用スチールコードとその製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、素線の湿式伸線工程において、スチールコードに使用されるフィラメント表面に適量のレゾルシンを付着させることにより、スチールコードとゴムとの接着性を向上させることができることを見いだし、本発明に到ったものである。
すなわち、請求項1に記載の発明は、ブラスメッキしたスチールワイヤを湿式伸線して製造された複数本のフィラメントを撚り合わせて成るゴム物品補強用スチールコードの製造方法であって、上記伸線工程に使用する潤滑剤として、レゾルシンを添加した湿式潤滑剤を用いたことを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のゴム物品補強用スチールコードの製造方法において、上記湿式潤滑剤中のレゾルシン濃度を0.1〜0.7g/lとしたことを特徴とする。
【0007】
また、請求項3に記載の発明は、複数本のフィラメントを撚り合わせて製造されるゴム物品補強用スチールコードであって、ブラスメッキしたスチールワイヤを、0.1〜0.7g/lのレゾルシンを含有する湿式潤滑剤を用いて湿式伸線して製造された、複数本のフィラメントを撚り合わせて成ることを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本実施の形態に係るゴム物品補強用スチールコードの製造方法は、上記図1に示した多段スリップ型湿式伸線装置10に用いる湿式潤滑剤11mとして、油性剤、極圧添加剤、界面活性剤等の通常の湿式潤滑剤成分に加えて、0.1〜0.7g/lのレゾルシンを含有する湿式潤滑剤を用いて素線を湿式伸線し、表面に適量のレゾルシンを付着させた、伸線されたスチールワイヤ(フィラメント)を製造し、このフィラメントを複数本撚り合わせて製造されるもので、上記フィラメントの製造方法としては、湿式伸線に用いる湿式潤滑剤を除いては、上記従来例と同様である。
本発明では、レゾルシンを含有する湿式潤滑剤(以下、潤滑液という)を用いて伸線することにより、最終伸線でのスチールワイヤ表面の発熱及び伸線スピードの効果により、フィラメント表面にレゾルシンを均一に付着させるようにしている。なお、付随効果として、潤滑剤中にレゾルシンを添加することで潤滑剤の防菌効果も得られる。
このように、表面にレゾルシンが均一に付着されたフィラメントを用いてスチールコードを製造することにより、後述するように、スチールコードとゴムとの接着性を向上させることができる。なお、上記潤滑液中に、レゾルシンとともに、ブラスメッキの成分である銅及び亜鉛を含有させることにより、スチールコードとゴムとの接着性を更に向上させることができる。
【0009】
図2は、潤滑液中のレゾルシン濃度とスチールコードの耐久接着性(ゴム被覆率)との関係を示すグラフで、このグラフから明らかなように、耐久接着性がレゾルシン濃度に依存していることがわかる。すなわち、レゾルシン濃度が0.1g/l、とりわけ0.3g/l以上になるとゴム被覆率(%)が高くなり耐久接着性が向上する。また、レゾルシン濃度が0.7g/lを超えても、それ以上の耐久接着性の向上は見られない。
また、図3は、潤滑液中のレゾルシン濃度を様々に変化させて作製したスチールコードとゴムとを145℃で加硫接着したときの加硫時間とゴム被覆率(%)との関係を示すグラフで、このグラフからも、耐久接着性がレゾルシン濃度に依存していることがわかる。すなわち、レゾルシン濃度が0.1g/l、とりわけ0.3g/l以上になると、短い加硫時間でもゴム被覆率(%)が高くなり耐久接着性が向上する。また、レゾルシン濃度が0.7g/lを超えても、それ以上の耐久接着性の向上は見られないことから、潤滑液中のレゾルシン濃度の下限を0.1g/l以上とすることが好ましく、また、コスト面からは、レゾルシン濃度の上限を0.7g/lとすることが好ましい。
【0010】
<実施例>
以下に、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記に限定されるものではない。
約0.82wt%の炭素を含有する直径約5.5mmの高炭素鋼線材に、直径が約1.4mmとなるまで繰り返し乾式伸線を施した後、パテンティング処理及びブラスメッキ処理を加えて準備した線材について、様々なレゾルシン濃度の湿式潤滑剤を用いて、直径が約0.2mmとなるまで湿式伸線処理を施した。その後、以下の表1に示すような、レゾルシン添加量の異なる水準A〜Eのスチールコードを作製し、これらのスチールコードとゴムとを145℃・20分間加硫処理した。このときの耐久接着性をゴム被覆率(%)で表わした結果を表1に併せて記した。また、比較例として、レゾルシン処理していないスチールコード(水準F)を準備し、上記と同様の方法でその耐久接着性を評価した。
【表1】
表1から明らかなように、レゾルシン処理したコードでは、レゾルシン濃度の増加に伴ってゴム被覆率(%)が高くなっており、耐久接着性が向上していることが確認された。なお、レゾルシン濃度が0.7g/lを超えると、それ以上の耐久接着性の向上は見られなかった。
【0011】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ブラスメッキしたスチールワイヤを湿式伸線して製造された複数本のフィラメントを撚り合わせて成るゴム物品補強用スチールコードを製造する際に、上記伸線工程に使用する潤滑剤として、レゾルシンを添加した湿式潤滑剤を用い、スチールコードに使用されるフィラメント表面に適量のレゾルシンを付着させるようにしたので、ゴムとの接着性が良好なゴム物品補強用スチールコードを得ることができる。したがって、このようなゴム物品補強用スチールコードを用いることにより、タイヤ等のゴム製品の耐久性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】多段スリップ型湿式伸線装置の構成を示す図である。
【図2】潤滑液中のレゾルシン濃度と耐久接着性(ゴム被覆率)との関係を示すグラフである。
【図3】レゾルシン濃度を変化させた場合の、加硫時間とゴム被覆率との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
10 多段スリップ型湿式伸線装置、11 潤滑液槽、11m 湿式潤滑剤、12A,12B 駆動キャプスタン、13 スチールワイヤ、14 ダイス、
14Z 最終ダイス、15 駆動キャプスタン。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゴム物品の補強材として用いられる、ゴムとの接着性に優れたゴム物品補強用スチールコードとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両用スチールラジアルタイヤの骨格部材などに使用されるゴム物品補強用スチールコードは、通常、ブラスメッキ処理したスチールワイヤを多段スリップ型湿式伸線方法を用いて所望の線径に伸線処理した後、この伸線されたスチールフィラメントを複数本撚り合わせたものが広く使用されている。
図1は多段スリップ型湿式伸線装置10を用いた湿式伸線方法の概要を示す図で、この方法は、潤滑液槽11内の湿式潤滑剤11m中に互いに対向するように配置された2つの多段の駆動キャプスタン12A,12Bとの間に、スチールワイヤ13を上記駆動キャプスタン12A,12Bの各段に交互に掛け渡す過程で、各段毎にダイス14による伸線を行うもので、最終ダイス14Zを経て伸線処理されたスチールワイヤ(スチールフィラメント)は、潤滑液槽11外側の駆動キャプスタン15から巻き取り工程へと送られる。
一般に、ブラスメッキされたスチールワイヤを湿式伸線する場合には、潤滑液(湿式潤滑剤)として、例えば、アルキルリン酸エステル等の極圧剤や脂肪酸塩等の油性剤等を主成分とし、界面活性剤や水分を添加した水溶性の潤滑剤を使用し、上記ワイヤ表面にリン酸エステルの亜鉛錯体等の被膜を形成し、これを極圧被膜として利用して伸線時のダイス−ワイヤ間の摩擦を低減することにより、ダイスやワイヤの損傷を抑制する方法が行われてきた。このことが、スチールコード用のフィラメントを高い生産性で製造することに非常に大きな役割を果たしてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
一方、上記スチールコードとゴムとの接着は、加硫工程において、フィラメント表面のメッキ中に含まれる銅とゴム中の硫黄とが反応することによって得られるが、このとき、フィラメント表面に残留した上記被膜が上記銅−硫黄の反応を阻害してしまい、このため、加硫ゴムが劣化したりゴムとの接着性が悪化してタイヤ等のゴム製品の耐久性が低下してしまうといった問題点があった。
【0004】
本発明は、従来の問題点に鑑みてなされたもので、高い接着性を有するゴム物品補強用スチールコードとその製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、素線の湿式伸線工程において、スチールコードに使用されるフィラメント表面に適量のレゾルシンを付着させることにより、スチールコードとゴムとの接着性を向上させることができることを見いだし、本発明に到ったものである。
すなわち、請求項1に記載の発明は、ブラスメッキしたスチールワイヤを湿式伸線して製造された複数本のフィラメントを撚り合わせて成るゴム物品補強用スチールコードの製造方法であって、上記伸線工程に使用する潤滑剤として、レゾルシンを添加した湿式潤滑剤を用いたことを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のゴム物品補強用スチールコードの製造方法において、上記湿式潤滑剤中のレゾルシン濃度を0.1〜0.7g/lとしたことを特徴とする。
【0007】
また、請求項3に記載の発明は、複数本のフィラメントを撚り合わせて製造されるゴム物品補強用スチールコードであって、ブラスメッキしたスチールワイヤを、0.1〜0.7g/lのレゾルシンを含有する湿式潤滑剤を用いて湿式伸線して製造された、複数本のフィラメントを撚り合わせて成ることを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本実施の形態に係るゴム物品補強用スチールコードの製造方法は、上記図1に示した多段スリップ型湿式伸線装置10に用いる湿式潤滑剤11mとして、油性剤、極圧添加剤、界面活性剤等の通常の湿式潤滑剤成分に加えて、0.1〜0.7g/lのレゾルシンを含有する湿式潤滑剤を用いて素線を湿式伸線し、表面に適量のレゾルシンを付着させた、伸線されたスチールワイヤ(フィラメント)を製造し、このフィラメントを複数本撚り合わせて製造されるもので、上記フィラメントの製造方法としては、湿式伸線に用いる湿式潤滑剤を除いては、上記従来例と同様である。
本発明では、レゾルシンを含有する湿式潤滑剤(以下、潤滑液という)を用いて伸線することにより、最終伸線でのスチールワイヤ表面の発熱及び伸線スピードの効果により、フィラメント表面にレゾルシンを均一に付着させるようにしている。なお、付随効果として、潤滑剤中にレゾルシンを添加することで潤滑剤の防菌効果も得られる。
このように、表面にレゾルシンが均一に付着されたフィラメントを用いてスチールコードを製造することにより、後述するように、スチールコードとゴムとの接着性を向上させることができる。なお、上記潤滑液中に、レゾルシンとともに、ブラスメッキの成分である銅及び亜鉛を含有させることにより、スチールコードとゴムとの接着性を更に向上させることができる。
【0009】
図2は、潤滑液中のレゾルシン濃度とスチールコードの耐久接着性(ゴム被覆率)との関係を示すグラフで、このグラフから明らかなように、耐久接着性がレゾルシン濃度に依存していることがわかる。すなわち、レゾルシン濃度が0.1g/l、とりわけ0.3g/l以上になるとゴム被覆率(%)が高くなり耐久接着性が向上する。また、レゾルシン濃度が0.7g/lを超えても、それ以上の耐久接着性の向上は見られない。
また、図3は、潤滑液中のレゾルシン濃度を様々に変化させて作製したスチールコードとゴムとを145℃で加硫接着したときの加硫時間とゴム被覆率(%)との関係を示すグラフで、このグラフからも、耐久接着性がレゾルシン濃度に依存していることがわかる。すなわち、レゾルシン濃度が0.1g/l、とりわけ0.3g/l以上になると、短い加硫時間でもゴム被覆率(%)が高くなり耐久接着性が向上する。また、レゾルシン濃度が0.7g/lを超えても、それ以上の耐久接着性の向上は見られないことから、潤滑液中のレゾルシン濃度の下限を0.1g/l以上とすることが好ましく、また、コスト面からは、レゾルシン濃度の上限を0.7g/lとすることが好ましい。
【0010】
<実施例>
以下に、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記に限定されるものではない。
約0.82wt%の炭素を含有する直径約5.5mmの高炭素鋼線材に、直径が約1.4mmとなるまで繰り返し乾式伸線を施した後、パテンティング処理及びブラスメッキ処理を加えて準備した線材について、様々なレゾルシン濃度の湿式潤滑剤を用いて、直径が約0.2mmとなるまで湿式伸線処理を施した。その後、以下の表1に示すような、レゾルシン添加量の異なる水準A〜Eのスチールコードを作製し、これらのスチールコードとゴムとを145℃・20分間加硫処理した。このときの耐久接着性をゴム被覆率(%)で表わした結果を表1に併せて記した。また、比較例として、レゾルシン処理していないスチールコード(水準F)を準備し、上記と同様の方法でその耐久接着性を評価した。
【表1】
表1から明らかなように、レゾルシン処理したコードでは、レゾルシン濃度の増加に伴ってゴム被覆率(%)が高くなっており、耐久接着性が向上していることが確認された。なお、レゾルシン濃度が0.7g/lを超えると、それ以上の耐久接着性の向上は見られなかった。
【0011】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ブラスメッキしたスチールワイヤを湿式伸線して製造された複数本のフィラメントを撚り合わせて成るゴム物品補強用スチールコードを製造する際に、上記伸線工程に使用する潤滑剤として、レゾルシンを添加した湿式潤滑剤を用い、スチールコードに使用されるフィラメント表面に適量のレゾルシンを付着させるようにしたので、ゴムとの接着性が良好なゴム物品補強用スチールコードを得ることができる。したがって、このようなゴム物品補強用スチールコードを用いることにより、タイヤ等のゴム製品の耐久性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】多段スリップ型湿式伸線装置の構成を示す図である。
【図2】潤滑液中のレゾルシン濃度と耐久接着性(ゴム被覆率)との関係を示すグラフである。
【図3】レゾルシン濃度を変化させた場合の、加硫時間とゴム被覆率との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
10 多段スリップ型湿式伸線装置、11 潤滑液槽、11m 湿式潤滑剤、12A,12B 駆動キャプスタン、13 スチールワイヤ、14 ダイス、
14Z 最終ダイス、15 駆動キャプスタン。
Claims (3)
- ブラスメッキしたスチールワイヤを湿式伸線して製造された複数本のフィラメントを撚り合わせて成るゴム物品補強用スチールコードの製造方法において、上記伸線工程に使用する潤滑剤として、レゾルシンを添加した湿式潤滑剤を用いたことを特徴とするゴム物品補強用スチールコードの製造方法。
- 上記湿式潤滑剤中のレゾルシン濃度を0.1〜0.7g/lとしたことを特徴とする請求項1に記載のゴム物品補強用スチールコードの製造方法。
- ブラスメッキしたスチールワイヤを、0.1〜0.7g/lのレゾルシンを含有する湿式潤滑剤を用いて湿式伸線して製造された、複数本のフィラメントを撚り合わせて成ることを特徴とするゴム物品補強用スチールコード。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002229006A JP2004066298A (ja) | 2002-08-06 | 2002-08-06 | ゴム物品補強用スチールコードとその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002229006A JP2004066298A (ja) | 2002-08-06 | 2002-08-06 | ゴム物品補強用スチールコードとその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004066298A true JP2004066298A (ja) | 2004-03-04 |
Family
ID=32015549
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002229006A Pending JP2004066298A (ja) | 2002-08-06 | 2002-08-06 | ゴム物品補強用スチールコードとその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004066298A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006118104A (ja) * | 2004-10-25 | 2006-05-11 | Bridgestone Corp | ゴム補強用スチールコード及びその製造方法、並びにゴム−スチールコード複合体及び空気入りタイヤ |
JP2010046712A (ja) * | 2008-07-23 | 2010-03-04 | Bridgestone Corp | スチールワイヤの製造方法 |
WO2011030547A1 (ja) | 2009-09-09 | 2011-03-17 | 株式会社ブリヂストン | ブラスめっき付きスチールコード及びスチールコード-ゴム複合体並びにこれらを用いたタイヤ |
WO2012098880A1 (ja) | 2011-01-18 | 2012-07-26 | 株式会社ブリヂストン | スチールコード・ゴム複合体 |
WO2016052451A1 (ja) * | 2014-10-01 | 2016-04-07 | 株式会社ブリヂストン | 金属コード-ゴム複合体 |
-
2002
- 2002-08-06 JP JP2002229006A patent/JP2004066298A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006118104A (ja) * | 2004-10-25 | 2006-05-11 | Bridgestone Corp | ゴム補強用スチールコード及びその製造方法、並びにゴム−スチールコード複合体及び空気入りタイヤ |
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CN102597365A (zh) * | 2009-09-09 | 2012-07-18 | 株式会社普利司通 | 镀黄铜钢丝帘线和钢丝帘线-橡胶复合物、以及使用其的轮胎 |
US8962152B2 (en) | 2009-09-09 | 2015-02-24 | Bridgestone Corporation | Brass-plated steel cord and steel cord-rubber composite, and tire using the same |
WO2012098880A1 (ja) | 2011-01-18 | 2012-07-26 | 株式会社ブリヂストン | スチールコード・ゴム複合体 |
WO2016052451A1 (ja) * | 2014-10-01 | 2016-04-07 | 株式会社ブリヂストン | 金属コード-ゴム複合体 |
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