JP2004065741A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【課題】遊技者の遊技意欲を向上させて、長期間に渡って新鮮味を失わずに楽しめる遊技機を提供する。
【解決手段】複数の識別情報を変動表示可能な表示手段3と、表示手段3に表示される識別情報を変動表示させた後に表示結果を確定表示させるゲームを実行し、確定表示される表示結果が、予め定められた所定の表示結果となった場合に、遊技者が所定の遊技価値を獲得可能となる遊技機において、予め定められた所定条件が成立することにより、遊技者に有利となる特定遊技状態に移行する制御を実行する制御手段と、特定遊技状態期間中に遊技者が獲得可能な最大遊技価値数を予め設定しておく設定手段とを備え、制御手段は、特定遊技状態期間中に、ゲームによって確定表示される表示結果が、前記所定の表示結果となった場合に、設定手段に設定された最大遊技価値数から所定の遊技価値数を減算させることによって、遊技者が獲得可能となる遊技価値数を変更する制御を実行する。
【選択図】 図1
【解決手段】複数の識別情報を変動表示可能な表示手段3と、表示手段3に表示される識別情報を変動表示させた後に表示結果を確定表示させるゲームを実行し、確定表示される表示結果が、予め定められた所定の表示結果となった場合に、遊技者が所定の遊技価値を獲得可能となる遊技機において、予め定められた所定条件が成立することにより、遊技者に有利となる特定遊技状態に移行する制御を実行する制御手段と、特定遊技状態期間中に遊技者が獲得可能な最大遊技価値数を予め設定しておく設定手段とを備え、制御手段は、特定遊技状態期間中に、ゲームによって確定表示される表示結果が、前記所定の表示結果となった場合に、設定手段に設定された最大遊技価値数から所定の遊技価値数を減算させることによって、遊技者が獲得可能となる遊技価値数を変更する制御を実行する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技機に関する。詳しくは、複数の識別情報を変動表示可能な表示手段と、表示手段に表示される識別情報を変動表示させた後に表示結果を確定表示させるゲームを実行し、確定表示される表示結果が、予め定められた所定の表示結果となった場合に、遊技者が所定の遊技価値を獲得しうる遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、スロットマシンのような遊技機において、遊技機本体の中央部に配置された複数列(例えば3列)の図柄から構成される識別情報を変動表示可能な表示装置を備え、遊技者の所定の操作によって、識別情報の変動表示を停止させるゲームを開始させて、表示装置に停止表示された各識別情報が、特賞図柄として、予め定められた表示態様(例えば「7、7、7」)が成立した場合に、特賞状態(特定遊技状態)を生起させ、特賞状態期間中のボーナスゲームによって遊技者に所定の遊技価値を付与するようにしている。この特賞状態期間は、予め終了条件が一律に決まっているため、ボーナスゲームによって遊技者に付与される遊技価値数をある程度予想できることが出来た。
【0003】
上述のような遊技機において、上述したゲームの回数をカウントし、カウントしたゲーム回数によって特定の条件が成立した場合には、表示装置に停止表示された各識別情報に応じて遊技者に配当される遊技価値数を変更する構成として、特開平2−295583号公報に開示されているようなものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の遊技機においては、ボーナスゲームによって遊技者に付与される遊技価値数がどれほどになるかを期待できるものの、遊技者に配当される遊技価値数が決まってしまい、単純にその遊技価値数が付与されるのみである。従って、ボーナスゲーム期間中に、遊技者の遊技技量を発揮させる仕様に乏しいとともに、ゲーム結果に応じて遊技価値が獲得できるか出来ないかを競うだけのゲーム内容に終始しており、単調なゲームの繰り返しによって、遊技者の遊技意欲を低下させ、すぐに飽きられてしまうゲーム内容であった。
【0005】
本発明は、上述のような従来の課題を解決するためになされたもので、その目的は、遊技者の遊技意欲を向上させて、長期間に渡って新鮮味を失わずに楽しめる遊技機を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によると、上記課題は、次のようにして解決される。
(1)複数の識別情報を変動表示可能な表示手段と、該表示手段に表示される識別情報を変動表示させた後に表示結果を確定表示させるゲームを実行し、該確定表示される表示結果が、予め定められた所定の表示結果となった場合に、遊技者が所定の遊技価値を獲得可能となる遊技機において、予め定められた所定条件が成立することにより、遊技者に有利となる特定遊技状態に移行する制御を実行する制御手段と、前記特定遊技状態期間中に遊技者が獲得可能な最大遊技価値数を予め設定しておく設定手段とを備え、前記制御手段は、前記特定遊技状態期間中に、前記ゲームによって確定表示される表示結果が、前記所定の表示結果となった場合に、前記設定手段に設定された最大遊技価値数から所定の遊技価値数を減算させることによって、遊技者が獲得可能となる遊技価値数を変更する制御を実行する。
【0007】
(2)上記(1)項において、遊技者が獲得可能となる遊技価値を遊技者側に付与する遊技価値付与手段を備え、該遊技価値付与手段は、特定遊技状態期間において遊技者が獲得可能となる遊技価値数を、前記特定遊技状態終了時に一括して付与し、前記特別遊技状態以外の遊技状態期間中においてゲームによって確定表示される表示結果が、所定の表示結果になる毎に遊技価値を付与する制御を実行する。
【0008】
(3)上記(1)または(2)項において、特定遊技状態期間中に、遊技者が獲得可能な遊技価値数を報知する報知手段を備える。
【0009】
(4)上記(1)〜(3)項のいずれかにおいて、設定手段には、遊技者が獲得可能な最大遊技価値数が複数種類設定され、制御手段は、前記複数種類の最大遊技価値数のうち、いずれか1つの最大遊技価値数を選択する。
【0010】
(5)上記(1)〜(4)項のいずれかにおいて、遊技者の操作によって特定遊技状態を終了させる終了指示手段を備え、該終了指示手段によって、特定遊技状態が終了する場合には、遊技者が獲得可能となる遊技価値数は、特定遊技状態を実行した際に獲得可能となる最小遊技価値数と同一または、該最小遊技価値数よりも少ない遊技価値数とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態を適用した遊技機(回胴式遊技機)(1)の正面図である。図2は、賞品として遊技価値(パチンコ球)を獲得可能になる識別情報の組合わせを示す模式図である。
【0012】
遊技機(1)は、中央の表示窓部(2)の内部に複数種類の識別情報が表示された3個の回胴体(3a、3b、3c)を有する表示手段の一例として回胴表示装置(3)を備える。
【0013】
この遊技機(1)では、以下のような遊技(ゲーム)が所定の制御手順に基づいて実行される。すなわち、遊技者が所有するパチンコ球を所定数賭けることによって、3個の回胴体(3a、3b、3c)が回転することで、識別情報の表示状態が変化し、その後、回胴体(3a、3b、3c)の回転が停止したときに表示窓部(2)を通して目視可能な回胴体(3a、3b、3c)の表面に貼付された識別情報が所定の組合わせになることに応じて、賞品としてパチンコ球を獲得可能になる遊技(ゲーム)が実行される。
【0014】
図2に示すように、識別情報の組合わせが(A)(「7、7、7」)であれば、賞品として15個のパチンコ球が、遊技機(1)の前面下部に設けられた球供給皿(5)または球貯留皿(6)に払出されることにより遊技価値が遊技者に付与されるとともに、後述する特定遊技状態(ビッグボーナス)に移行する。
【0015】
また、図2に示すように、小役入賞として、識別情報の組合わせが(B)(「ベル・ベル・ベル」)であれば、賞品として14個のパチンコ球が球供給皿(5)または球貯留皿(6)に払出されることにより、遊技価値が遊技者に付与される。同じく小役入賞として識別情報の組合わせが(C)(「プラム・プラム・プラム」)であれば、賞品として8個のパチンコ球が球供給皿(5)または球貯留皿(6)に払出されることにより、遊技価値が遊技者に付与される。
【0016】
但し、特定遊技状態(ビッグボーナス)期間中には、識別情報の組合わせが(B)(「ベル・ベル・ベル」)であれば、遊技者が獲得可能となるパチンコ球数(例えば最大10,000個)から10個を減算し、(C)(「プラム・プラム・プラム」)であれば、遊技者が獲得可能となるパチンコ球数から15個を減算することになる。
【0017】
上述のように、識別情報の組合わせ(B)(「ベル・ベル・ベル」)及び(C)(「プラム・プラム・プラム」)は、特定遊技状態(ビッグボーナス)以外の通常遊技中には、それらの組合わせが表示されるように遊技者は後述の停止操作部(7a、7b、7c)を操作する必要があるが、特定遊技状態(ビッグボーナス)期間中には、それらの組み合わせが表示されないように遊技者は停止操作部(7a、7b、7c)を操作する必要がある。これにより、同じ遊技機においても、遊技状況により操作を変更することが遊技価値を獲得するための得策となり、遊技性が広がる。
【0018】
表示窓部(2)は、透明樹脂で構成され、表示窓部(2)の内部に備える3つの回胴体(3a、3b、3c)を、表示窓部(2)の外側から目視可能となっている。回胴体(3a、3b、3c)は、横3列に並列されるとともに、それぞれの表面には、21個の識別情報が貼付され、各々回動することによって、各識別情報を随時変動表示可能に構成される。なお、回胴体(3a、3b、3c)は、電気的駆動源としてモータを使用しているが、他の電気的駆動源を利用してもよいし、電気的駆動源を利用せずに、電気的表示装置を利用してもよい。
【0019】
遊技機(1)の前面下部の右側に設けられたベット操作部(4)は、遊技者が所有するパチンコ球(遊技媒体)を所定数賭けるために使用されるものであり、遊技者がベット操作部(4)を操作することにより、球供給皿(5)に貯留されたパチンコ球が、遊技機内部に取り込まれる。
【0020】
遊技機(1)の前面下部の左側に設けられたスタートボタン(9)は、ベット操作部(4)の操作によりパチンコ球が所定数賭けられた状態で操作されると、3個の回胴体(3a、3b、3c)が回転する契機を与えるとともに、特定遊技状態(ビッグボーナス)に移行する条件が成立するか否かの抽選が実行される。このとき、小役が成立するか否かの抽選も同時に実行される。
【0021】
遊技機(1)の前面下部の中央に設けられた停止操作部(7a、7b、7c)は、3個の回胴体(3a、3b、3c)が回転している状態で操作されると、3個の回胴体(3a、3b、3c)が回転を停止する契機を与える。停止操作部(7a)には回胴体(3a)が対応し、停止操作部(7b)には回胴体(3b)が対応し、また停止操作部(7c)には回胴体(3c)が対応している。
【0022】
特定遊技状態 (ビッグボーナス)に移行するためには、特定遊技状態(ビッグボーナス)に移行する条件が成立するか否かの抽選で当選するとともに、確定表示される識別情報の組合わせが(A)(「7、7、7」)となる停止タイミングで停止操作部(7a、7b、7c)を操作する遊技条件が要求される。
【0023】
特定遊技状態に移行するには、上述の遊技条件が成立することが必要条件となるが、これは別に、所定の抽選により当選した場合や、識別情報の組合わせが別の組合せとなった場合や、所定時間が経過した場合等でもよい。
【0024】
特定遊技状態(ビッグボーナス)に移行すると、まず遊技者が獲得可能となる最大のパチンコ球数(例えば最大10,000個)が決められ、その後の所定回数(例えば50回)行われる遊技で、識別情報の組合わせ(B)(「ベル・ベル・ベル」)及び(C)(「プラム・プラム・プラム」)が表示される毎に、遊技者が獲得可能となるパチンコ球数から識別情報の組合わせに対応する数のパチンコ球数が減算される。
【0025】
特定遊技状態(ビッグボーナス)期間中は、上述の小役の当選確率が向上する制御が実行される。すなわち、確定表示される識別情報の組合わせが(B)(「ベル・ベル・ベル」)及び(C)(「プラム・プラム・プラム」)となる確率が通常時と比較して極めて高くなるため、特定遊技状態(ビックボーナス)期間中、遊技者は、確定表示される識別情報の組合わせが(B)(「ベル・ベル・ベル」)及び(C)(「プラム・プラム・プラム」)とならない停止タイミングで停止操作部(7a、7b、7c)を操作することが要求される。
【0026】
また、特定遊技状態(ビッグボーナス)期間中は、特定遊技状態(ビッグボーナス)に移行する条件が成立するか否かの抽選は実行されず、また、確定表示される識別情報の組合わせが(B)(「ベル・ベル・ベル」)及び(C)(「プラム・プラム・プラム」)以外の小役が成立するか否かの抽選も実行されない。特定遊技状態(ビッグボーナス)は、遊技(ゲーム)が所定回数(例えば50回)行われることを条件に終了する。
【0027】
終了指示手段の一例として、ベット操作部(4)の下方に設けられたビッグボーナスキャンセル操作部(18)を操作すると、特定遊技状態(ビッグボーナス)を終了させることが可能となる。この場合、遊技者が獲得可能となるパチンコ球数は、特定遊技状態を実行した際に、獲得可能となる最小遊技価値数と同一、または最小遊技価値数よりも少ない遊技価値数となるように制御される。
【0028】
報知手段の一例として、遊技機(1)の前面の上部中央に設けられた情報表示部(8)は、特定遊技状態(ビッグボーナス)期間中に遊技者が獲得可能となるパチンコ球数を随時表示するための表示部として機能する。これにより、特定遊技状態期間中に遊技者が獲得した遊技価値数に関連する情報を容易に把握することが可能となる。
【0029】
さらに、特定遊技状態(ビッグボーナス)以外にも、遊技者にとって有利な特典遊技状態がある。この特典遊技状態とは、抽選によって成立した所定の遊技価値を獲得可能となる小役を、事前に、3個の回胴体(3a、3b、3c)が変動表示状態終了以前に遊技者に報知することが可能な遊技状態を指す。
【0030】
この報知により、遊技者は、小役を発生させるための表示結果が得られるように、変動する識別情報を確認しながら、停止操作部(7a、7b、7c)によって、いわゆる目押しと呼ばれる所定の操作を試みる。従って、遊技者の技量によって、回胴表示装置(3)の表示結果を小役入賞となる表示結果とすることが比較的高い確率で可能となる。
【0031】
特典遊技状態に移行するには、所定の遊技条件が成立することが必要条件となる。ここでは、その一例として特定遊技状態(ビッグボーナス)に移行することを条件として、特定遊技状態終了後に特典遊技状態に移行する。これは別に、所定の抽選により当選した場合や、識別情報の組合わせが、ある特定の組合せとなった場合等でもよい。また、特典遊技状態は、設定される基準時間に達することによって終了する。
【0032】
以上、遊技機(1)に配置された各装置のうち主要なものは、マイクロコンピュータによって制御されており、これについて、制御ブロック図を参照しつつ説明する。
【0033】
図3は、遊技機(1)に配置された各装置に係わる制御ブロック図である。なお、発明の趣旨を簡潔に把握できるように、球供給皿(5)に貯留されたパチンコ球が、遊技機内部に取り込むための装置等の制御系統や電源回路等は、ここでは省略する。
【0034】
主制御部(10)は、制御プログラムおよびデータを記憶したROM(11)と、CPUのワークエリアとして機能するRAM(12)とともに一体型のワンチップCPUとして構成され、ROM(11)に記憶された制御プログラムにより、一連の制御処理を実行する制御手段を構成している。
【0035】
ROM(11)には、識別情報の組合わせに対応する払出されるパチンコ球数、及び特定遊技状態(ビッグボーナス)や特典遊技状態に関する制御手順が少なくとも予めプログラム設定され、この設定に従って、主制御部(10)は制御を行う。RAM(12)には、特典遊技状態期間中に、遊技者が獲得可能となるパチンコ球数を減算記憶するカウンタ領域(12a)が形成されている。
【0036】
主制御部(10)には、図示しない入力ポートを介して、ベット操作部(4)の内部に配設され、ベット操作部(4)が操作されたことを検出するベット検出スイッチ(13)、スタートボタン(9)を操作されたことを検出するスタートスイッチ(14)、停止操作部(7a、7b、7c)が操作されたことを検出する停止スイッチ群(15)、ビッグボーナスキャンセル操作部(18)に内部に配設され、ビッグボーナスキャンセル操作部(18)が操作されたことを検出するキャンセルスイッチ(19)が接続され、各検出信号を入力可能となっている。
【0037】
また、主制御部(10)には、図示しない出力ポートを介して、3個の回胴体(3a、3b、3c)や回胴体(3a、3b、3c)を回転させるための電気的駆動源としての3個のモータ等から構成される回胴表示装置(3)、遊技機(1)の裏面側に配置され、賞品としてのパチンコ球を払出すための電気的駆動源としての払出モータや払出されたパチンコ球を検出するための払出賞品球検出スイッチ等から構成される遊技価値付与手段の一例としての払出装置(16)、特定遊技状態(ビッグボーナス)期間中に遊技者が獲得したパチンコ球数や特典遊技状態期間の残時間等を表示するためのLCDディスプレイから構成される情報表示部(8)が接続され、各制御信号を出力可能となっている。
【0038】
なお、回胴表示装置(3)は、3個の回胴体(3a、3b、3c)による表示結果に関する制御信号を主制御部(10)に出力可能に構成されている。さらに、主制御部(10)は、特定遊技状態の移行期間を認識可能とする信号を情報出力端子(17)を介して遊技機(1)の外部へ出力可能に構成されている。
【0039】
図4は、主制御部(10)が実行する処理のうちの本実施形態に係わる遊技制御処理を説明するフローチャートである。
まずステップS1において、パチンコ球が所定数賭けられた状態で、遊技者がスタートボタン(9)を操作することによって、主制御部(10)は、スタートスイッチ(14)から検出信号が入力されたか否か、すなわち3個の回胴体(3a、3b、3c)が回転する(表示状態を変化させる)ゲーム開始条件が成立したか否かを判定する処理を実行する。ゲーム開始条件が成立したと判定する(YES)と、ステップS2へ移行する。一方、ゲーム開始条件が成立しないと判定する(NO)と、ここでの処理を終了する。
【0040】
ステップS2において、主制御部(10)は、回胴表示装置(3)の回胴体(3a、3b、3c)を回動させて、識別情報の表示状態を変化させることにより、ゲームを開始させる処理を実行する。
【0041】
ステップS3において、遊技者が停止操作部(7a、7b、7c)を操作することによって、主制御部(10)は、停止スイッチ群(15)から検出信号が入力されたか否か、すなわち、3個の回胴体(3a、3b、3c)が回転する(表示状態を変化させる)状態を停止させるゲーム終了条件が成立したか否かを判定する処理を実行する。ゲーム終了条件が成立したと判定する(YES)と、ステップS4へ移行する。一方、ゲーム終了条件が成立しないと判定する(NO)と、再度ステップS3の処理を実行する。
【0042】
ステップS4において、主制御部(10)は、回胴表示装置(3)の回胴体(3a、3b、3c)の回転を停止させて、識別情報の表示状態の変化を終了させることにより、ゲームを終了させる処理を実行する。
【0043】
ステップS5において、主制御部(10)は、回胴表示装置(3)の回胴体(3a、3b、3c)によって確定表示される識別情報の組合わせが特定表示結果であるか、すなわち、識別情報の組合わせが(A)(「7、7、7」)であるか否かを判定する処理を実行する。特定表示結果であると判定する(YES)と、払出装置(16)からパチンコ球15個を球供給皿(5)または球貯留皿(6)に払出して、ステップS6へ移行する。一方、特定表示結果ではないと判定する(NO)と、ステップS7へ移行する。
【0044】
ステップS6において、主制御部(10)は、特定遊技状態に移行したとして、後述する図5に示す特定遊技状態処理を実行する。
【0045】
一方、ステップS7において、主制御部(10)は、特定遊技状態以外の他の処理を実行する。すなわち、小役入賞が生起した場合には、所定数のパチンコ球を球供給皿(5)または球貯留皿(6)に払出す。また、小役入賞が生起しない場合には、所定数のパチンコ球を払出すことはしない。
【0046】
図5は、主制御部(10)が実行する処理のうちの図4に示したステップS6の特定遊技状態処理を説明するフローチャートである。
【0047】
ステップS60において、主制御部(10)は、特定遊技状態に移行したとして、遊技者が獲得可能となる最大パチンコ球数(ここでは一律10,000個)をセットする処理を実行する。また、一律にするのではなく、遊技者が獲得可能となる最大パチンコ球数をROM(11)の所定領域に予め複数(例えば10,000個、15,000個、20,000個)記憶させておき、いずれか1つの最大パチンコ球数を抽選で選択してもよい。
【0048】
なお、前述したように、特定遊技状態期間中は、確定表示される識別情報の組合わせが(B)(「ベル・ベル・ベル」)及び(C)(「プラム・プラム・プラム」)となる確率が通常時と比較して極めて高くなる特定ゲームが実行される。なお、特定ゲームでは、(B)(「ベル・ベル・ベル」)及び(C)(「プラム・プラム・プラム」)以外の小役が成立するか否かの抽選を実行せずに、遊技者の停止操作部(7a、7b、7c)による操作のみによって、確定表示される識別情報の組合わせが決定される構成にしてもよい。
【0049】
ステップS61において、遊技者がビッグボーナスキャンセル操作部(18)を操作することによって、主制御部(10)は、キャンセルスイッチ(19)から検出信号が入力されたか否かを判定する処理を実行する。検出信号が入力されたと判定する(YES)と、ステップS62へ移行する。一方、検出信号が入力されないと判定する(NO)と、ステップS63の処理を実行する。
【0050】
ステップS62において、主制御部(10)は、特定遊技状態を終了させて、キャンセルした際に付与される数のパチンコ球を払出装置(16)から球供給皿(5)または球貯留皿(6)に払出すことによって、所定数のパチンコ球を遊技者に付与してここでの処理を終了する。この場合、遊技者が獲得可能となるパチンコ球数は、特定遊技状態を実行した際に、獲得可能となる最小パチンコ数と同一、または、最小パチンコ数よりも少ないパチンコ数となるように制御される。
【0051】
これにより、特定遊技状態を途中で止めたり、最初から行わなかったり、そのときの状況に応じて遊技者が選択でき、よりゲーム性の面白味が向上するとともに、特定遊技状態を実行する遊技者に不利とならない範囲の遊技価値数を付与することができ、遊技の公平性が図られる。
【0052】
一方、ステップS63において、パチンコ球が1個賭けられた状態で、遊技者がスタートボタン(9)を操作することによって、主制御部(10)は、スタートスイッチ(14)から検出信号が入力されたか否か、すなわち3個の回胴体(3a、3b、3c)が回転する(表示状態を変化させる)特定遊技状態期間中の特定ゲーム開始条件が成立したか否かを判定する処理を実行する。特定ゲーム開始条件が成立したと判定する(YES)と、ステップS64へ移行する。一方、特定ゲーム開始条件が成立しないと判定する(NO)と、再度ステップS63の処理を実行する。
【0053】
ステップS64において、主制御部(10)は、回胴表示装置(3)の回胴体(3a、3b、3c)の表示状態を変化させることにより、特定ゲームを開始させる処理を実行して、ステップS65に移行する。
【0054】
ステップS65において、遊技者が停止操作部(7a、7b、7c)を操作することによって、主制御部(10)は、停止スイッチ群(15)から検出信号が入力されたか否か、すなわち、3個の回胴体(3a、3b、3c)が回転する(表示状態を変化させる)状態を停止させるゲーム終了条件が成立したか否かを判定する処理を実行する。ゲーム終了条件が成立したと判定する(YES)と、ステップS66へ移行する。一方、ゲーム終了条件が成立しないと判定する(NO)と、再度ステップS65の処理を実行する。
【0055】
ステップS66において、主制御部(10)は、回胴表示装置(3)の回胴体(3a、3b、3c)の表示状態の変化を終了させることにより、特定ゲームを終了させる処理を実行して、ステップS67に移行する。
【0056】
ステップS67において、主制御部(10)は、回胴表示装置(3)の回胴体(3a、3b、3c)によって確定表示される識別情報の組合わせが特別表示結果であるか、すなわち、確定表示される識別情報の組合わせが特別の表示結果として(B)(「ベル・ベル・ベル」)または(C)(「プラム・プラム・プラム」)であるか否かを判定する処理を実行する。特別の表示結果であると判定する(YES)と、ステップS68へ移行する。一方、特別の表示結果ではないと判定する(NO)と、ステップS61へ移行する。
【0057】
ステップS68において、主制御部(10)は、識別情報の組合わせが(B)(「ベル・ベル・ベル」)であれば、RAM(12)に形成されるカウンタ領域(12a)の現在の段階で遊技者が獲得可能となっているパチンコ球数から10個のパチンコ球数分を減算させる処理を実行する。また、識別情報の組合わせが(C)(「プラム・プラム・プラム」)であれば、RAM(12)に形成されるカウンタ領域(12a)の現在の段階で遊技者が獲得可能となっているパチンコ球数から15個のパチンコ球数分を減算させる処理を実行する。
【0058】
ステップS69において、主制御部(10)は、RAM(12)内に形成されるカウンタ領域(12a)のカウント値に対応する現在の段階で遊技者が獲得可能となっているパチンコ球数を情報表示部(8)に表示する処理を実行する。図1の情報表示部(8)にその表示例を示している。
【0059】
ステップS70において、主制御部(10)は、特定遊技状態を終了する条件が成立したか否かを判定する処理を実行する。すなわち、ステップS64〜ステップS66に示す遊技(ゲーム)が所定回数(例えば50回)行われたか否かを判定する。遊技(ゲーム)が所定回数行われたと判定する(YES)と、ステップS71へ移行する。一方、遊技(ゲーム)が所定回数に達しないと判定する(NO)と、ステップS61へ移行する。
【0060】
最後にステップS71において、主制御部(10)は、特定遊技状態を終了させるとともに、RAM(12)内に形成されるカウンタ領域(12a)のカウント値に対応する数の遊技者が獲得可能となっているパチンコ球を一括して払出装置(16)から球供給皿(5)または球貯留皿(6)に払出すことによって、所定数のパチンコ球を遊技者に付与する処理を実行する。このとき、RAM(12)内に形成されるカウンタ領域(12a)のカウント値を0にクリアするとともに、情報表示部(8)の表示を終了させる。
【0061】
上述の実施形態によれば、特定遊技状態期間には、ゲーム結果に応じて、遊技者が獲得可能となる遊技価値数が減少するという遊技者にとって緊迫感溢れるゲームを行うことができる。そして、非特定遊技状態期間でのゲーム結果に応じて遊技価値が獲得できるか出来ないかを競うゲーム内容と異なる新規なゲームを追加することによって、遊技者の遊技技量を発揮させて、遊技意欲を向上させることが可能となる。
【0062】
さらに、特定遊技状態になると、特定遊技状態の終了後に、実際に遊技者が獲得可能となる遊技価値数が決定されて、特定遊技状態終了時に一括して、所定数の遊技価値が付与されるため、特定遊技状態終了時に特定遊技状態の達成感が図られて興趣性が向上する。また、特定遊技状態以外の期間中には、所定の表示結果になる毎に所定数の遊技価値を付与するので、所持する遊技価値の数が少ない遊技者にとっては、遊技価値の付与がすぐに行われて便宜が図られる。
【0063】
また、特定遊技状態期間中に、現在の段階で遊技者が獲得可能となる遊技価値数を情報表示部(8)によって報知するため、当該情報を容易に把握することができる。さらに、特定遊技状態期間中に遊技者が獲得できる遊技価値量を抽選により選択する構成にすれば、遊技のバリエーションに富む遊技機となり、遊技の興趣性がより向上する。
【0064】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で、上記実施形態に種々の変形や変更を施すことが可能である。例えば、特典遊技状態の内容を、リプレイ用の識別情報が揃う確率が通常状態時(非特典遊技状態)と比較して高くすることや、遊技者が獲得できる遊技価値量を通常状態時(非特典遊技状態)と比較して多くすること等に変更すること、遊技者に付与される遊技価値量を他の数量に変更すること、遊技価値付与手段の一例として遊技者が獲得した遊技価値を所定数まで遊技機にクレジットさせ、所定数を超過した場合にのみ払出装置(16)から払出する構成にすること、遊技価値付与手段の他の例として遊技者が獲得した遊技価値を全てクレジットする構成にすること、遊技価値をコインに変更すること、2桁や4桁以上の識別情報を表示可能な表示装置を採用すること、遊技機を弾球遊技機とすること等が挙げられる。
【0065】
【発明の効果】
本発明によれば、次のような効果を奏することができる。
(a) 請求項1記載の発明によると、特定遊技状態期間には、ゲーム結果に応じて、遊技者が獲得可能となる遊技価値数が減少するという遊技者にとって緊迫感溢れるゲームを行うことができる。そして、非特定遊技状態期間でのゲーム結果に応じて遊技価値が獲得できるか出来ないかを競うゲーム内容と異なる新規なゲームが追加されることによって、遊技者の遊技技量を発揮させつつ、遊技意欲を向上させて、長期間に渡って新鮮味を失わずにゲームを楽しめることが可能となる。
【0066】
(b) 請求項2記載の発明によると、請求項1の発明の効果に加えて、特定遊技状態になると、特定遊技状態の終了後に、実際に遊技者が獲得可能となる遊技価値数が決定されて、特別遊技状態終了時に一括して所定数の遊技価値を付与するため、特定遊技状態終了時に特定遊技状態の達成感が図られて興趣性が向上する。また、特定遊技状態以外の期間中には、ゲーム毎に所定数の遊技価値を付与するので、所持する遊技価値の数が少ない遊技者にとって便宜が図られる。
【0067】
(c) 請求項3記載の発明によると、請求項1または2の発明の効果に加えて、遊技のバリエーションが富むようになり、遊技の興趣性が向上する。
【0068】
(d) 請求項4記載の発明によると、請求項1〜3のいずれかの発明の効果に加えて、特定技状態期間中に遊技者が獲得可能となる遊技価値を把握しながら、特定遊技状態を楽しめるため、利便性が向上する。
【0069】
(e) 請求項5記載の発明によると、請求項1〜3のいずれかの発明の効果に加えて、特定遊技状態を途中で止めたり、最初から行わなかったり、そのときの状況に応じて遊技者が選択でき、よりゲーム性の面白味が向上するとともに、特定遊技状態を実行する遊技者に不利とならない範囲の遊技価値数を付与することができ、遊技の公平性が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を適用した遊技機の正面図である。
【図2】賞品としてパチンコ球を獲得可能になる識別情報の組合わせを示す模式図である。
【図3】遊技機に配置された各装置に係わる制御ブロック図である。
【図4】主制御部が実行する遊技制御処理を説明するフローチャートである。
【図5】主制御部が実行する特定遊技状態処理を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
(1)遊技機
(2)表示窓部
(3)回胴表示装置(表示手段)
(3a)(3b)(3c)回胴体
(4)ベット操作部
(5)球供給皿
(6)球貯留皿
(7a)(7b)(7c)停止操作部
(8)情報表示部(報知手段)
(9)スタートボタン
(10)主制御部(制御手段)
(11)ROM(設定手段)
(12)RAM
(12a)カウンタ領域
(13)ベット検出スイッチ
(14)スタートスイッチ
(15)停止スイッチ群
(16)払出装置(遊技価値付与手段)
(17)情報出力端子
(18)ビッグボーナスキャンセル操作部(終了指示手段)
(19)キャンセルスイッチ
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技機に関する。詳しくは、複数の識別情報を変動表示可能な表示手段と、表示手段に表示される識別情報を変動表示させた後に表示結果を確定表示させるゲームを実行し、確定表示される表示結果が、予め定められた所定の表示結果となった場合に、遊技者が所定の遊技価値を獲得しうる遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、スロットマシンのような遊技機において、遊技機本体の中央部に配置された複数列(例えば3列)の図柄から構成される識別情報を変動表示可能な表示装置を備え、遊技者の所定の操作によって、識別情報の変動表示を停止させるゲームを開始させて、表示装置に停止表示された各識別情報が、特賞図柄として、予め定められた表示態様(例えば「7、7、7」)が成立した場合に、特賞状態(特定遊技状態)を生起させ、特賞状態期間中のボーナスゲームによって遊技者に所定の遊技価値を付与するようにしている。この特賞状態期間は、予め終了条件が一律に決まっているため、ボーナスゲームによって遊技者に付与される遊技価値数をある程度予想できることが出来た。
【0003】
上述のような遊技機において、上述したゲームの回数をカウントし、カウントしたゲーム回数によって特定の条件が成立した場合には、表示装置に停止表示された各識別情報に応じて遊技者に配当される遊技価値数を変更する構成として、特開平2−295583号公報に開示されているようなものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の遊技機においては、ボーナスゲームによって遊技者に付与される遊技価値数がどれほどになるかを期待できるものの、遊技者に配当される遊技価値数が決まってしまい、単純にその遊技価値数が付与されるのみである。従って、ボーナスゲーム期間中に、遊技者の遊技技量を発揮させる仕様に乏しいとともに、ゲーム結果に応じて遊技価値が獲得できるか出来ないかを競うだけのゲーム内容に終始しており、単調なゲームの繰り返しによって、遊技者の遊技意欲を低下させ、すぐに飽きられてしまうゲーム内容であった。
【0005】
本発明は、上述のような従来の課題を解決するためになされたもので、その目的は、遊技者の遊技意欲を向上させて、長期間に渡って新鮮味を失わずに楽しめる遊技機を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によると、上記課題は、次のようにして解決される。
(1)複数の識別情報を変動表示可能な表示手段と、該表示手段に表示される識別情報を変動表示させた後に表示結果を確定表示させるゲームを実行し、該確定表示される表示結果が、予め定められた所定の表示結果となった場合に、遊技者が所定の遊技価値を獲得可能となる遊技機において、予め定められた所定条件が成立することにより、遊技者に有利となる特定遊技状態に移行する制御を実行する制御手段と、前記特定遊技状態期間中に遊技者が獲得可能な最大遊技価値数を予め設定しておく設定手段とを備え、前記制御手段は、前記特定遊技状態期間中に、前記ゲームによって確定表示される表示結果が、前記所定の表示結果となった場合に、前記設定手段に設定された最大遊技価値数から所定の遊技価値数を減算させることによって、遊技者が獲得可能となる遊技価値数を変更する制御を実行する。
【0007】
(2)上記(1)項において、遊技者が獲得可能となる遊技価値を遊技者側に付与する遊技価値付与手段を備え、該遊技価値付与手段は、特定遊技状態期間において遊技者が獲得可能となる遊技価値数を、前記特定遊技状態終了時に一括して付与し、前記特別遊技状態以外の遊技状態期間中においてゲームによって確定表示される表示結果が、所定の表示結果になる毎に遊技価値を付与する制御を実行する。
【0008】
(3)上記(1)または(2)項において、特定遊技状態期間中に、遊技者が獲得可能な遊技価値数を報知する報知手段を備える。
【0009】
(4)上記(1)〜(3)項のいずれかにおいて、設定手段には、遊技者が獲得可能な最大遊技価値数が複数種類設定され、制御手段は、前記複数種類の最大遊技価値数のうち、いずれか1つの最大遊技価値数を選択する。
【0010】
(5)上記(1)〜(4)項のいずれかにおいて、遊技者の操作によって特定遊技状態を終了させる終了指示手段を備え、該終了指示手段によって、特定遊技状態が終了する場合には、遊技者が獲得可能となる遊技価値数は、特定遊技状態を実行した際に獲得可能となる最小遊技価値数と同一または、該最小遊技価値数よりも少ない遊技価値数とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態を適用した遊技機(回胴式遊技機)(1)の正面図である。図2は、賞品として遊技価値(パチンコ球)を獲得可能になる識別情報の組合わせを示す模式図である。
【0012】
遊技機(1)は、中央の表示窓部(2)の内部に複数種類の識別情報が表示された3個の回胴体(3a、3b、3c)を有する表示手段の一例として回胴表示装置(3)を備える。
【0013】
この遊技機(1)では、以下のような遊技(ゲーム)が所定の制御手順に基づいて実行される。すなわち、遊技者が所有するパチンコ球を所定数賭けることによって、3個の回胴体(3a、3b、3c)が回転することで、識別情報の表示状態が変化し、その後、回胴体(3a、3b、3c)の回転が停止したときに表示窓部(2)を通して目視可能な回胴体(3a、3b、3c)の表面に貼付された識別情報が所定の組合わせになることに応じて、賞品としてパチンコ球を獲得可能になる遊技(ゲーム)が実行される。
【0014】
図2に示すように、識別情報の組合わせが(A)(「7、7、7」)であれば、賞品として15個のパチンコ球が、遊技機(1)の前面下部に設けられた球供給皿(5)または球貯留皿(6)に払出されることにより遊技価値が遊技者に付与されるとともに、後述する特定遊技状態(ビッグボーナス)に移行する。
【0015】
また、図2に示すように、小役入賞として、識別情報の組合わせが(B)(「ベル・ベル・ベル」)であれば、賞品として14個のパチンコ球が球供給皿(5)または球貯留皿(6)に払出されることにより、遊技価値が遊技者に付与される。同じく小役入賞として識別情報の組合わせが(C)(「プラム・プラム・プラム」)であれば、賞品として8個のパチンコ球が球供給皿(5)または球貯留皿(6)に払出されることにより、遊技価値が遊技者に付与される。
【0016】
但し、特定遊技状態(ビッグボーナス)期間中には、識別情報の組合わせが(B)(「ベル・ベル・ベル」)であれば、遊技者が獲得可能となるパチンコ球数(例えば最大10,000個)から10個を減算し、(C)(「プラム・プラム・プラム」)であれば、遊技者が獲得可能となるパチンコ球数から15個を減算することになる。
【0017】
上述のように、識別情報の組合わせ(B)(「ベル・ベル・ベル」)及び(C)(「プラム・プラム・プラム」)は、特定遊技状態(ビッグボーナス)以外の通常遊技中には、それらの組合わせが表示されるように遊技者は後述の停止操作部(7a、7b、7c)を操作する必要があるが、特定遊技状態(ビッグボーナス)期間中には、それらの組み合わせが表示されないように遊技者は停止操作部(7a、7b、7c)を操作する必要がある。これにより、同じ遊技機においても、遊技状況により操作を変更することが遊技価値を獲得するための得策となり、遊技性が広がる。
【0018】
表示窓部(2)は、透明樹脂で構成され、表示窓部(2)の内部に備える3つの回胴体(3a、3b、3c)を、表示窓部(2)の外側から目視可能となっている。回胴体(3a、3b、3c)は、横3列に並列されるとともに、それぞれの表面には、21個の識別情報が貼付され、各々回動することによって、各識別情報を随時変動表示可能に構成される。なお、回胴体(3a、3b、3c)は、電気的駆動源としてモータを使用しているが、他の電気的駆動源を利用してもよいし、電気的駆動源を利用せずに、電気的表示装置を利用してもよい。
【0019】
遊技機(1)の前面下部の右側に設けられたベット操作部(4)は、遊技者が所有するパチンコ球(遊技媒体)を所定数賭けるために使用されるものであり、遊技者がベット操作部(4)を操作することにより、球供給皿(5)に貯留されたパチンコ球が、遊技機内部に取り込まれる。
【0020】
遊技機(1)の前面下部の左側に設けられたスタートボタン(9)は、ベット操作部(4)の操作によりパチンコ球が所定数賭けられた状態で操作されると、3個の回胴体(3a、3b、3c)が回転する契機を与えるとともに、特定遊技状態(ビッグボーナス)に移行する条件が成立するか否かの抽選が実行される。このとき、小役が成立するか否かの抽選も同時に実行される。
【0021】
遊技機(1)の前面下部の中央に設けられた停止操作部(7a、7b、7c)は、3個の回胴体(3a、3b、3c)が回転している状態で操作されると、3個の回胴体(3a、3b、3c)が回転を停止する契機を与える。停止操作部(7a)には回胴体(3a)が対応し、停止操作部(7b)には回胴体(3b)が対応し、また停止操作部(7c)には回胴体(3c)が対応している。
【0022】
特定遊技状態 (ビッグボーナス)に移行するためには、特定遊技状態(ビッグボーナス)に移行する条件が成立するか否かの抽選で当選するとともに、確定表示される識別情報の組合わせが(A)(「7、7、7」)となる停止タイミングで停止操作部(7a、7b、7c)を操作する遊技条件が要求される。
【0023】
特定遊技状態に移行するには、上述の遊技条件が成立することが必要条件となるが、これは別に、所定の抽選により当選した場合や、識別情報の組合わせが別の組合せとなった場合や、所定時間が経過した場合等でもよい。
【0024】
特定遊技状態(ビッグボーナス)に移行すると、まず遊技者が獲得可能となる最大のパチンコ球数(例えば最大10,000個)が決められ、その後の所定回数(例えば50回)行われる遊技で、識別情報の組合わせ(B)(「ベル・ベル・ベル」)及び(C)(「プラム・プラム・プラム」)が表示される毎に、遊技者が獲得可能となるパチンコ球数から識別情報の組合わせに対応する数のパチンコ球数が減算される。
【0025】
特定遊技状態(ビッグボーナス)期間中は、上述の小役の当選確率が向上する制御が実行される。すなわち、確定表示される識別情報の組合わせが(B)(「ベル・ベル・ベル」)及び(C)(「プラム・プラム・プラム」)となる確率が通常時と比較して極めて高くなるため、特定遊技状態(ビックボーナス)期間中、遊技者は、確定表示される識別情報の組合わせが(B)(「ベル・ベル・ベル」)及び(C)(「プラム・プラム・プラム」)とならない停止タイミングで停止操作部(7a、7b、7c)を操作することが要求される。
【0026】
また、特定遊技状態(ビッグボーナス)期間中は、特定遊技状態(ビッグボーナス)に移行する条件が成立するか否かの抽選は実行されず、また、確定表示される識別情報の組合わせが(B)(「ベル・ベル・ベル」)及び(C)(「プラム・プラム・プラム」)以外の小役が成立するか否かの抽選も実行されない。特定遊技状態(ビッグボーナス)は、遊技(ゲーム)が所定回数(例えば50回)行われることを条件に終了する。
【0027】
終了指示手段の一例として、ベット操作部(4)の下方に設けられたビッグボーナスキャンセル操作部(18)を操作すると、特定遊技状態(ビッグボーナス)を終了させることが可能となる。この場合、遊技者が獲得可能となるパチンコ球数は、特定遊技状態を実行した際に、獲得可能となる最小遊技価値数と同一、または最小遊技価値数よりも少ない遊技価値数となるように制御される。
【0028】
報知手段の一例として、遊技機(1)の前面の上部中央に設けられた情報表示部(8)は、特定遊技状態(ビッグボーナス)期間中に遊技者が獲得可能となるパチンコ球数を随時表示するための表示部として機能する。これにより、特定遊技状態期間中に遊技者が獲得した遊技価値数に関連する情報を容易に把握することが可能となる。
【0029】
さらに、特定遊技状態(ビッグボーナス)以外にも、遊技者にとって有利な特典遊技状態がある。この特典遊技状態とは、抽選によって成立した所定の遊技価値を獲得可能となる小役を、事前に、3個の回胴体(3a、3b、3c)が変動表示状態終了以前に遊技者に報知することが可能な遊技状態を指す。
【0030】
この報知により、遊技者は、小役を発生させるための表示結果が得られるように、変動する識別情報を確認しながら、停止操作部(7a、7b、7c)によって、いわゆる目押しと呼ばれる所定の操作を試みる。従って、遊技者の技量によって、回胴表示装置(3)の表示結果を小役入賞となる表示結果とすることが比較的高い確率で可能となる。
【0031】
特典遊技状態に移行するには、所定の遊技条件が成立することが必要条件となる。ここでは、その一例として特定遊技状態(ビッグボーナス)に移行することを条件として、特定遊技状態終了後に特典遊技状態に移行する。これは別に、所定の抽選により当選した場合や、識別情報の組合わせが、ある特定の組合せとなった場合等でもよい。また、特典遊技状態は、設定される基準時間に達することによって終了する。
【0032】
以上、遊技機(1)に配置された各装置のうち主要なものは、マイクロコンピュータによって制御されており、これについて、制御ブロック図を参照しつつ説明する。
【0033】
図3は、遊技機(1)に配置された各装置に係わる制御ブロック図である。なお、発明の趣旨を簡潔に把握できるように、球供給皿(5)に貯留されたパチンコ球が、遊技機内部に取り込むための装置等の制御系統や電源回路等は、ここでは省略する。
【0034】
主制御部(10)は、制御プログラムおよびデータを記憶したROM(11)と、CPUのワークエリアとして機能するRAM(12)とともに一体型のワンチップCPUとして構成され、ROM(11)に記憶された制御プログラムにより、一連の制御処理を実行する制御手段を構成している。
【0035】
ROM(11)には、識別情報の組合わせに対応する払出されるパチンコ球数、及び特定遊技状態(ビッグボーナス)や特典遊技状態に関する制御手順が少なくとも予めプログラム設定され、この設定に従って、主制御部(10)は制御を行う。RAM(12)には、特典遊技状態期間中に、遊技者が獲得可能となるパチンコ球数を減算記憶するカウンタ領域(12a)が形成されている。
【0036】
主制御部(10)には、図示しない入力ポートを介して、ベット操作部(4)の内部に配設され、ベット操作部(4)が操作されたことを検出するベット検出スイッチ(13)、スタートボタン(9)を操作されたことを検出するスタートスイッチ(14)、停止操作部(7a、7b、7c)が操作されたことを検出する停止スイッチ群(15)、ビッグボーナスキャンセル操作部(18)に内部に配設され、ビッグボーナスキャンセル操作部(18)が操作されたことを検出するキャンセルスイッチ(19)が接続され、各検出信号を入力可能となっている。
【0037】
また、主制御部(10)には、図示しない出力ポートを介して、3個の回胴体(3a、3b、3c)や回胴体(3a、3b、3c)を回転させるための電気的駆動源としての3個のモータ等から構成される回胴表示装置(3)、遊技機(1)の裏面側に配置され、賞品としてのパチンコ球を払出すための電気的駆動源としての払出モータや払出されたパチンコ球を検出するための払出賞品球検出スイッチ等から構成される遊技価値付与手段の一例としての払出装置(16)、特定遊技状態(ビッグボーナス)期間中に遊技者が獲得したパチンコ球数や特典遊技状態期間の残時間等を表示するためのLCDディスプレイから構成される情報表示部(8)が接続され、各制御信号を出力可能となっている。
【0038】
なお、回胴表示装置(3)は、3個の回胴体(3a、3b、3c)による表示結果に関する制御信号を主制御部(10)に出力可能に構成されている。さらに、主制御部(10)は、特定遊技状態の移行期間を認識可能とする信号を情報出力端子(17)を介して遊技機(1)の外部へ出力可能に構成されている。
【0039】
図4は、主制御部(10)が実行する処理のうちの本実施形態に係わる遊技制御処理を説明するフローチャートである。
まずステップS1において、パチンコ球が所定数賭けられた状態で、遊技者がスタートボタン(9)を操作することによって、主制御部(10)は、スタートスイッチ(14)から検出信号が入力されたか否か、すなわち3個の回胴体(3a、3b、3c)が回転する(表示状態を変化させる)ゲーム開始条件が成立したか否かを判定する処理を実行する。ゲーム開始条件が成立したと判定する(YES)と、ステップS2へ移行する。一方、ゲーム開始条件が成立しないと判定する(NO)と、ここでの処理を終了する。
【0040】
ステップS2において、主制御部(10)は、回胴表示装置(3)の回胴体(3a、3b、3c)を回動させて、識別情報の表示状態を変化させることにより、ゲームを開始させる処理を実行する。
【0041】
ステップS3において、遊技者が停止操作部(7a、7b、7c)を操作することによって、主制御部(10)は、停止スイッチ群(15)から検出信号が入力されたか否か、すなわち、3個の回胴体(3a、3b、3c)が回転する(表示状態を変化させる)状態を停止させるゲーム終了条件が成立したか否かを判定する処理を実行する。ゲーム終了条件が成立したと判定する(YES)と、ステップS4へ移行する。一方、ゲーム終了条件が成立しないと判定する(NO)と、再度ステップS3の処理を実行する。
【0042】
ステップS4において、主制御部(10)は、回胴表示装置(3)の回胴体(3a、3b、3c)の回転を停止させて、識別情報の表示状態の変化を終了させることにより、ゲームを終了させる処理を実行する。
【0043】
ステップS5において、主制御部(10)は、回胴表示装置(3)の回胴体(3a、3b、3c)によって確定表示される識別情報の組合わせが特定表示結果であるか、すなわち、識別情報の組合わせが(A)(「7、7、7」)であるか否かを判定する処理を実行する。特定表示結果であると判定する(YES)と、払出装置(16)からパチンコ球15個を球供給皿(5)または球貯留皿(6)に払出して、ステップS6へ移行する。一方、特定表示結果ではないと判定する(NO)と、ステップS7へ移行する。
【0044】
ステップS6において、主制御部(10)は、特定遊技状態に移行したとして、後述する図5に示す特定遊技状態処理を実行する。
【0045】
一方、ステップS7において、主制御部(10)は、特定遊技状態以外の他の処理を実行する。すなわち、小役入賞が生起した場合には、所定数のパチンコ球を球供給皿(5)または球貯留皿(6)に払出す。また、小役入賞が生起しない場合には、所定数のパチンコ球を払出すことはしない。
【0046】
図5は、主制御部(10)が実行する処理のうちの図4に示したステップS6の特定遊技状態処理を説明するフローチャートである。
【0047】
ステップS60において、主制御部(10)は、特定遊技状態に移行したとして、遊技者が獲得可能となる最大パチンコ球数(ここでは一律10,000個)をセットする処理を実行する。また、一律にするのではなく、遊技者が獲得可能となる最大パチンコ球数をROM(11)の所定領域に予め複数(例えば10,000個、15,000個、20,000個)記憶させておき、いずれか1つの最大パチンコ球数を抽選で選択してもよい。
【0048】
なお、前述したように、特定遊技状態期間中は、確定表示される識別情報の組合わせが(B)(「ベル・ベル・ベル」)及び(C)(「プラム・プラム・プラム」)となる確率が通常時と比較して極めて高くなる特定ゲームが実行される。なお、特定ゲームでは、(B)(「ベル・ベル・ベル」)及び(C)(「プラム・プラム・プラム」)以外の小役が成立するか否かの抽選を実行せずに、遊技者の停止操作部(7a、7b、7c)による操作のみによって、確定表示される識別情報の組合わせが決定される構成にしてもよい。
【0049】
ステップS61において、遊技者がビッグボーナスキャンセル操作部(18)を操作することによって、主制御部(10)は、キャンセルスイッチ(19)から検出信号が入力されたか否かを判定する処理を実行する。検出信号が入力されたと判定する(YES)と、ステップS62へ移行する。一方、検出信号が入力されないと判定する(NO)と、ステップS63の処理を実行する。
【0050】
ステップS62において、主制御部(10)は、特定遊技状態を終了させて、キャンセルした際に付与される数のパチンコ球を払出装置(16)から球供給皿(5)または球貯留皿(6)に払出すことによって、所定数のパチンコ球を遊技者に付与してここでの処理を終了する。この場合、遊技者が獲得可能となるパチンコ球数は、特定遊技状態を実行した際に、獲得可能となる最小パチンコ数と同一、または、最小パチンコ数よりも少ないパチンコ数となるように制御される。
【0051】
これにより、特定遊技状態を途中で止めたり、最初から行わなかったり、そのときの状況に応じて遊技者が選択でき、よりゲーム性の面白味が向上するとともに、特定遊技状態を実行する遊技者に不利とならない範囲の遊技価値数を付与することができ、遊技の公平性が図られる。
【0052】
一方、ステップS63において、パチンコ球が1個賭けられた状態で、遊技者がスタートボタン(9)を操作することによって、主制御部(10)は、スタートスイッチ(14)から検出信号が入力されたか否か、すなわち3個の回胴体(3a、3b、3c)が回転する(表示状態を変化させる)特定遊技状態期間中の特定ゲーム開始条件が成立したか否かを判定する処理を実行する。特定ゲーム開始条件が成立したと判定する(YES)と、ステップS64へ移行する。一方、特定ゲーム開始条件が成立しないと判定する(NO)と、再度ステップS63の処理を実行する。
【0053】
ステップS64において、主制御部(10)は、回胴表示装置(3)の回胴体(3a、3b、3c)の表示状態を変化させることにより、特定ゲームを開始させる処理を実行して、ステップS65に移行する。
【0054】
ステップS65において、遊技者が停止操作部(7a、7b、7c)を操作することによって、主制御部(10)は、停止スイッチ群(15)から検出信号が入力されたか否か、すなわち、3個の回胴体(3a、3b、3c)が回転する(表示状態を変化させる)状態を停止させるゲーム終了条件が成立したか否かを判定する処理を実行する。ゲーム終了条件が成立したと判定する(YES)と、ステップS66へ移行する。一方、ゲーム終了条件が成立しないと判定する(NO)と、再度ステップS65の処理を実行する。
【0055】
ステップS66において、主制御部(10)は、回胴表示装置(3)の回胴体(3a、3b、3c)の表示状態の変化を終了させることにより、特定ゲームを終了させる処理を実行して、ステップS67に移行する。
【0056】
ステップS67において、主制御部(10)は、回胴表示装置(3)の回胴体(3a、3b、3c)によって確定表示される識別情報の組合わせが特別表示結果であるか、すなわち、確定表示される識別情報の組合わせが特別の表示結果として(B)(「ベル・ベル・ベル」)または(C)(「プラム・プラム・プラム」)であるか否かを判定する処理を実行する。特別の表示結果であると判定する(YES)と、ステップS68へ移行する。一方、特別の表示結果ではないと判定する(NO)と、ステップS61へ移行する。
【0057】
ステップS68において、主制御部(10)は、識別情報の組合わせが(B)(「ベル・ベル・ベル」)であれば、RAM(12)に形成されるカウンタ領域(12a)の現在の段階で遊技者が獲得可能となっているパチンコ球数から10個のパチンコ球数分を減算させる処理を実行する。また、識別情報の組合わせが(C)(「プラム・プラム・プラム」)であれば、RAM(12)に形成されるカウンタ領域(12a)の現在の段階で遊技者が獲得可能となっているパチンコ球数から15個のパチンコ球数分を減算させる処理を実行する。
【0058】
ステップS69において、主制御部(10)は、RAM(12)内に形成されるカウンタ領域(12a)のカウント値に対応する現在の段階で遊技者が獲得可能となっているパチンコ球数を情報表示部(8)に表示する処理を実行する。図1の情報表示部(8)にその表示例を示している。
【0059】
ステップS70において、主制御部(10)は、特定遊技状態を終了する条件が成立したか否かを判定する処理を実行する。すなわち、ステップS64〜ステップS66に示す遊技(ゲーム)が所定回数(例えば50回)行われたか否かを判定する。遊技(ゲーム)が所定回数行われたと判定する(YES)と、ステップS71へ移行する。一方、遊技(ゲーム)が所定回数に達しないと判定する(NO)と、ステップS61へ移行する。
【0060】
最後にステップS71において、主制御部(10)は、特定遊技状態を終了させるとともに、RAM(12)内に形成されるカウンタ領域(12a)のカウント値に対応する数の遊技者が獲得可能となっているパチンコ球を一括して払出装置(16)から球供給皿(5)または球貯留皿(6)に払出すことによって、所定数のパチンコ球を遊技者に付与する処理を実行する。このとき、RAM(12)内に形成されるカウンタ領域(12a)のカウント値を0にクリアするとともに、情報表示部(8)の表示を終了させる。
【0061】
上述の実施形態によれば、特定遊技状態期間には、ゲーム結果に応じて、遊技者が獲得可能となる遊技価値数が減少するという遊技者にとって緊迫感溢れるゲームを行うことができる。そして、非特定遊技状態期間でのゲーム結果に応じて遊技価値が獲得できるか出来ないかを競うゲーム内容と異なる新規なゲームを追加することによって、遊技者の遊技技量を発揮させて、遊技意欲を向上させることが可能となる。
【0062】
さらに、特定遊技状態になると、特定遊技状態の終了後に、実際に遊技者が獲得可能となる遊技価値数が決定されて、特定遊技状態終了時に一括して、所定数の遊技価値が付与されるため、特定遊技状態終了時に特定遊技状態の達成感が図られて興趣性が向上する。また、特定遊技状態以外の期間中には、所定の表示結果になる毎に所定数の遊技価値を付与するので、所持する遊技価値の数が少ない遊技者にとっては、遊技価値の付与がすぐに行われて便宜が図られる。
【0063】
また、特定遊技状態期間中に、現在の段階で遊技者が獲得可能となる遊技価値数を情報表示部(8)によって報知するため、当該情報を容易に把握することができる。さらに、特定遊技状態期間中に遊技者が獲得できる遊技価値量を抽選により選択する構成にすれば、遊技のバリエーションに富む遊技機となり、遊技の興趣性がより向上する。
【0064】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で、上記実施形態に種々の変形や変更を施すことが可能である。例えば、特典遊技状態の内容を、リプレイ用の識別情報が揃う確率が通常状態時(非特典遊技状態)と比較して高くすることや、遊技者が獲得できる遊技価値量を通常状態時(非特典遊技状態)と比較して多くすること等に変更すること、遊技者に付与される遊技価値量を他の数量に変更すること、遊技価値付与手段の一例として遊技者が獲得した遊技価値を所定数まで遊技機にクレジットさせ、所定数を超過した場合にのみ払出装置(16)から払出する構成にすること、遊技価値付与手段の他の例として遊技者が獲得した遊技価値を全てクレジットする構成にすること、遊技価値をコインに変更すること、2桁や4桁以上の識別情報を表示可能な表示装置を採用すること、遊技機を弾球遊技機とすること等が挙げられる。
【0065】
【発明の効果】
本発明によれば、次のような効果を奏することができる。
(a) 請求項1記載の発明によると、特定遊技状態期間には、ゲーム結果に応じて、遊技者が獲得可能となる遊技価値数が減少するという遊技者にとって緊迫感溢れるゲームを行うことができる。そして、非特定遊技状態期間でのゲーム結果に応じて遊技価値が獲得できるか出来ないかを競うゲーム内容と異なる新規なゲームが追加されることによって、遊技者の遊技技量を発揮させつつ、遊技意欲を向上させて、長期間に渡って新鮮味を失わずにゲームを楽しめることが可能となる。
【0066】
(b) 請求項2記載の発明によると、請求項1の発明の効果に加えて、特定遊技状態になると、特定遊技状態の終了後に、実際に遊技者が獲得可能となる遊技価値数が決定されて、特別遊技状態終了時に一括して所定数の遊技価値を付与するため、特定遊技状態終了時に特定遊技状態の達成感が図られて興趣性が向上する。また、特定遊技状態以外の期間中には、ゲーム毎に所定数の遊技価値を付与するので、所持する遊技価値の数が少ない遊技者にとって便宜が図られる。
【0067】
(c) 請求項3記載の発明によると、請求項1または2の発明の効果に加えて、遊技のバリエーションが富むようになり、遊技の興趣性が向上する。
【0068】
(d) 請求項4記載の発明によると、請求項1〜3のいずれかの発明の効果に加えて、特定技状態期間中に遊技者が獲得可能となる遊技価値を把握しながら、特定遊技状態を楽しめるため、利便性が向上する。
【0069】
(e) 請求項5記載の発明によると、請求項1〜3のいずれかの発明の効果に加えて、特定遊技状態を途中で止めたり、最初から行わなかったり、そのときの状況に応じて遊技者が選択でき、よりゲーム性の面白味が向上するとともに、特定遊技状態を実行する遊技者に不利とならない範囲の遊技価値数を付与することができ、遊技の公平性が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を適用した遊技機の正面図である。
【図2】賞品としてパチンコ球を獲得可能になる識別情報の組合わせを示す模式図である。
【図3】遊技機に配置された各装置に係わる制御ブロック図である。
【図4】主制御部が実行する遊技制御処理を説明するフローチャートである。
【図5】主制御部が実行する特定遊技状態処理を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
(1)遊技機
(2)表示窓部
(3)回胴表示装置(表示手段)
(3a)(3b)(3c)回胴体
(4)ベット操作部
(5)球供給皿
(6)球貯留皿
(7a)(7b)(7c)停止操作部
(8)情報表示部(報知手段)
(9)スタートボタン
(10)主制御部(制御手段)
(11)ROM(設定手段)
(12)RAM
(12a)カウンタ領域
(13)ベット検出スイッチ
(14)スタートスイッチ
(15)停止スイッチ群
(16)払出装置(遊技価値付与手段)
(17)情報出力端子
(18)ビッグボーナスキャンセル操作部(終了指示手段)
(19)キャンセルスイッチ
Claims (5)
- 複数の識別情報を変動表示可能な表示手段と、該表示手段に表示される識別情報を変動表示させた後に表示結果を確定表示させるゲームを実行し、該確定表示される表示結果が、予め定められた所定の表示結果となった場合に、遊技者が所定の遊技価値を獲得可能となる遊技機において、
予め定められた所定条件が成立することにより、遊技者に有利となる特定遊技状態に移行する制御を実行する制御手段と、前記特定遊技状態期間中に遊技者が獲得可能な最大遊技価値数を予め設定しておく設定手段とを備え、
前記制御手段は、前記特定遊技状態期間中に、前記ゲームによって確定表示される表示結果が、前記所定の表示結果となった場合に、前記設定手段に設定された最大遊技価値数から所定の遊技価値数を減算させることによって、遊技者が獲得可能となる遊技価値数を変更する制御を実行することを特徴とする遊技機。 - 遊技者が獲得可能となる遊技価値を遊技者側に付与する遊技価値付与手段を備え、
該遊技価値付与手段は、特定遊技状態期間において遊技者が獲得可能となる遊技価値数を、前記特定遊技状態終了時に一括して付与し、前記特別遊技状態以外の遊技状態期間中においてゲームによって確定表示される表示結果が、所定の表示結果になる毎に遊技価値を付与する制御を実行することを特徴とする請求項1記載の遊技機。 - 特定遊技状態期間中に、遊技者が獲得可能な遊技価値数を報知する報知手段を備えることを特徴とする請求項1または請求項2記載の遊技機。
- 設定手段には、遊技者が獲得可能な最大遊技価値数が複数種類設定され、
制御手段は、前記複数種類の最大遊技価値数のうち、いずれか1つの最大遊技価値数を選択することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の遊技機。 - 遊技者の操作によって特定遊技状態を終了させる終了指示手段を備え、
該終了指示手段によって、特定遊技状態が終了する場合には、遊技者が獲得可能となる遊技価値数は、特定遊技状態を実行した際に獲得可能となる最小遊技価値数と同一または、該最小遊技価値数よりも少ない遊技価値数となることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の遊技機。
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JP2002231185A JP2004065741A (ja) | 2002-08-08 | 2002-08-08 | 遊技機 |
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- 2002-08-08 JP JP2002231185A patent/JP2004065741A/ja active Pending
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