JP2004065312A - 遊技機およびシミュレーションゲームプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】特別図柄変動遊技中にも遊技者に遊技球を発射させて遊技に関する技量を発揮させることができるようにして、遊技者を退屈させないようにすることができる遊技機およびシミュレーションゲームプログラムを提供する。
【解決手段】特別図柄変動遊技中にメインRAM32に記憶可能な保留球数が上限値の4個であるときに、始動入賞口13に遊技球が入賞すると、変動入賞口23の可動片23a、23bを開放し、メインRAM32に記憶された保留球数が3個以下であるときに、変動入賞口23の可動片23a、23bを閉鎖するようにし、特別図柄変動遊技中であっても、可動片23a、23bが閉鎖する保留球数にならないようにするために、始動入賞口13に遊技球が入賞するように遊技球を発射するように遊技を促す。
【選択図】 図1
【解決手段】特別図柄変動遊技中にメインRAM32に記憶可能な保留球数が上限値の4個であるときに、始動入賞口13に遊技球が入賞すると、変動入賞口23の可動片23a、23bを開放し、メインRAM32に記憶された保留球数が3個以下であるときに、変動入賞口23の可動片23a、23bを閉鎖するようにし、特別図柄変動遊技中であっても、可動片23a、23bが閉鎖する保留球数にならないようにするために、始動入賞口13に遊技球が入賞するように遊技球を発射するように遊技を促す。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、始動入賞口に遊技球が入賞したときに遊技球の数を保留球として記憶し、この記憶された保留球数を消化するように複数の図柄群を変動表示するようにした遊技機およびシミュレーションゲームプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
パチンコ遊技機に代表される遊技機にあっては、遊技盤の盤面に発射された遊技球が盤面を流下する途中で始動入賞口に入賞すると、大当り判定用乱数が抽出され、この乱数値がRAMの所定領域に記憶されるようになっている。
【0003】
そして、この判定結果に基づいて図柄表示装置の特別図柄が変動表示されて特別図柄変動遊技が行われる。大当り判定では、RAMに記憶された乱数値が予め定められた乱数値である場合に大当り入賞になり、それ以外の乱数値である場合には外れとなる。
【0004】
大当り入賞になると、特別図柄変動遊技に引き続いて大当り遊技が行われ、この大当り遊技では、大入賞口が開放し、遊技者は多量の賞球を獲得することができる。
【0005】
また、特別図柄変動遊技中に始動入賞があると、その始動入賞に応じて大当り判定用乱数が抽出され、この乱数値は所定数、例えば4個まで保留球として順次記憶される。この保留球の個数は4個の保留球記憶用LEDの点灯によって表示される。
【0006】
現在行われている特別図柄変動遊技が終了すると、RAMに記憶された乱数値に応じて次の新たな特別図柄変動遊技が保留球の記憶個数分だけ行われ、この遊技は保留球が消化されるまで継続される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の遊技機にあっては、RAMに記憶される保留球は所定数の4個を上限としていたため、4個の保留球が記憶されて保留球記憶用LEDが全点灯しているときに、以後いくら始動球入賞が発生しても保留球として記憶されずに、それに基づいて大当り判定も行われず、大当りが発生することがない。
【0008】
このため、遊技者は、保留球がある程度溜まっている状態、特に保留球が上限まであるときは、遊技球の発射を停止し、保留球が消化されてから遊技球の発射を再開する、所謂止め打ちと呼ばれる遊技方法を行っている。
【0009】
このように保留球が溜まっている状態での特別図柄変動遊技中にあっては遊技者は手持ち無沙汰であり、技量を発揮することができずに退屈である。これに加えて、止め打ちが横行すると、遊技球が発射されない時間が増えて遊技機の実質的な稼働率が低下してしまうという問題が発生してしまう。
【0010】
そこで本発明は、特別図柄変動遊技中にも遊技者に遊技球を発射させて遊技に関する技量を発揮させることができるようにして、遊技者を退屈させないようにすることができる遊技機およびシミュレーションゲームプログラムを提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の遊技機は、上記課題を解決するために、複数の図柄群を変動表示する図柄表示手段と、前記図柄群の変動表示中に始動入賞口に遊技球が入賞したときに前記遊技球の数を保留球として記憶する記憶手段とを備えた遊技機において、遊技球が入賞する変動入賞手段を備え、前記変動入賞手段は、前記記憶手段に記憶された保留球数が所定数以上のときに、前記始動入賞口に遊技球が入賞すると開放し、前記記憶手段に記憶された保留球数が前記所定数を下回るときに閉鎖することを特徴としている。
【0012】
その場合、特別図柄変動遊技中に、記憶手段に記憶された保留球数が所定数以上、例えば、1個以上、2個以上等のときに、始動入賞口に遊技球が入賞すると変動入賞手段を開放し、変動入賞手段が閉鎖する保留球数にならないようにするために、始動入賞口に遊技球を入賞させるように遊技球を発射することができる。
【0013】
この結果、遊技者に遊技に関する技量を発揮させることができ、遊技者を退屈させないようにすることができる。
【0014】
また、本発明の遊技機は、上記課題を解決するために、前記所定数は、前記記憶手段に記憶可能な保留球数の上限値に設定されることを特徴としている。
【0015】
その場合、保留球が記憶されずに大当り判定も行われない状態のときにあっても、始動入賞口に遊技球が入賞すると、変動入賞手段を開放するので、特別図柄変動遊技中であっても遊技球が始動入賞口に入賞するように遊技球の発射の継続を促すことができる。このため、遊技者に止め打ちを行うのを防止させることができ、遊技機の稼働率が低下するのを防止することができる。
【0016】
なお、本発明の遊技機において前記変動入賞手段の開放は、開放状態を維持し続ける連続的な開放でも良いし、所定時間ごとに開閉動作を繰り返す間欠的な開放でも良い。
【0017】
変動入賞手段の開放を間欠的に開放とすると、変動入賞手段が開状態になっているときを狙って遊技球を発射しなければならず、遊技者により高い技術が要求される。その結果、遊技者の退屈感を減退させることができる。また、変動入賞手段に多くの遊技球が入賞することによる出球率の上昇を抑制することができる。
【0018】
また、本発明の遊技機は、上記課題を解決するために、前記記憶手段に記憶された保留球数が前記所定数以上のときに、報知を行う報知手段を有することを特徴としている。
【0019】
その場合、変動入賞手段が開放動作を行うことにより遊技者に特典が付与されることを遊技者に知らせることができ、始動入賞口に遊技球を入賞させるような遊技を行うように遊技者に促すことができる。
【0020】
また、本発明の遊技機は、上記課題を解決するために、大当りが発生したとき、大当り遊技を開始する前に前記変動入賞手段が閉鎖することを特徴としている。
【0021】
その場合、大当り遊技中に変動入賞手段に遊技球を入賞させて遊技者により多くの利益を与えるのを防止することができ、無制限な出球率の上昇を防止することができる。
【0022】
また、本発明のシミュレーションゲームプログラムは、上記課題を解決するために、コンピュータに、複数の図柄群を変動表示する変動表示機能と、前記図柄群の変動表示中に始動入賞口に遊技球が入賞したときに、前記遊技球の数を保留球として記憶する記憶機能と、前記記憶機能で記憶された保留球数が所定数以上のときに前記始動入賞口に遊技球が入賞すると、前記始動入賞口と別体に設けられた変動入賞手段を開放する開放機能と、前記記憶機能で記憶された保留球数が前記所定数を下回るときに前記変動入賞手段を閉鎖する閉鎖機能とを実現することを特徴としている。
【0023】
その場合、上述した各シミュレーションプログラムは、各シミュレーションプログラムをROMカートリッジ、CD−ROM、DVD等の記録媒体に記憶させたり、通信衛星等のネットワーク環境下、あるいはインターネット等の通信回線を利用して配布することにより、家庭用ゲーム機等において遊技機と同様に、特別図柄変動遊技中に、記憶手段に記憶された保留球数が所定数以上、例えば、1個以上、2個以上等のときに、始動入賞口に遊技球が入賞すると変動入賞手段を開放し、変動入賞手段が閉鎖する保留球数にならないようにするために、始動入賞口に遊技球が入賞するように遊技球を発射することができる。この結果、遊技者に遊技に関する技量を発揮させることができ、遊技者を退屈させないようにすることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図9は本発明に係る遊技機の一実施形態を示す図であり、本発明をパチンコ遊技機に適用した例を示している。
【0025】
まず、このパチンコ遊技機の全体の概略構成について説明すると、図1において、パチンコ遊技機10の前面側には遊技盤11が着脱可能に取り付けられており、この遊技盤11はパチンコ遊技機10の前面側で透明な窓板に覆われた略円形の遊技領域11aを形成する。
【0026】
遊技盤11の下部には遊技球を収容する図示しない球受け皿および遊技者によって回動操作されるハンドルが設けられており、ハンドルの操作量に応じて球発射装置50が作動し、遊技盤11の遊技領域11a内に順次遊技球を発射するようになっている。
【0027】
遊技盤11には遊技領域11aを取り囲むとともに遊技球の発射通路12を形成する内外のガイドレール12a、12bが設けられており、遊技領域11aの略中央部上側寄りには表示画面41を有する液晶表示装置(図柄表示手段)40が装着されている。また、遊技盤11の遊技領域11aのうち液晶表示装置40の周囲には、複数の入賞口13、14A、14B、15A、15Bおよび16と、通過ゲート17A、17Bと、左右の風車18A、18Bと、左右の装飾用ランプ19A、19Bとがそれぞれ設けられている。
【0028】
また、発射通路12の上端部は遊技盤11の遊技領域11aの天側左方に位置しており、遊技領域11a内に発射された遊技球は遊技領域11aに配された多数の遊技くぎ(図示略)に弾かれながら、例えば液晶表示装置40の上方から左右一方側に流下する。
【0029】
そして、通過ゲート17Aまたは17Bを通過した後、液晶表示装置40の側部に位置するステージ導入部20A、20Bの何れかから液晶表示装置40の下部のステージ21に流下し、あるいは、液晶表示装置40の側方で風車18Aまたは18Bに当接する等して液晶表示装置40内に入ることなく流下して、始動入賞口13、袖入賞口14A、14B、落し入賞口15A、15B、大入賞口16の何れかに入るか、あるいは、それらから外れてアウト口22に入る。
【0030】
ここで、始動入賞口13は、可動片13a、13bを左右方向に開閉動作させるチューリップ式のもので、その入口幅を拡大縮小することができる。袖入賞口14A、14Bおよび落し入賞口15A、15Bは一般入賞口である。
【0031】
これら始動入賞口13や一般入賞口14A、14B、15A、15Bに遊技球が入賞すると、入賞した1個の遊技球に対して所定数の賞球(景品球)が払い出される。
【0032】
液晶表示装置40の表示画面41は、画像信号入力に基づいて任意の画像を表示するもので、例えば液晶ディスプレイから構成されている。なお、図柄表示手段としては液晶表示装置に限らず、CRT(陰極線管)またはプラズマディスプレイ等によって構成しても良いし、図柄が描かれたリールを回転駆動する機械式のものであっても良い。
【0033】
また、表示画面41は、遊技球の始動入賞口13への入賞時に、予め定められた数字やマークなどの特別図柄N1、N2、N3(図2参照)をその画面上で変動表示するとともに、それら特別図柄N1〜N3を所定の停止態様で停止させるようになっている。
【0034】
大入賞口16は、この液晶表示装置40での特別図柄の変動停止態様が特定の当り図柄の組合せを構成しているか否かに応じて作動し、開閉板16aを前後方向に開閉しながら、最大開口幅の入賞口を形成するものである。
【0035】
具体的には、液晶表示装置40が特別図柄N1〜N3の変動を開始した後、例えば図2(a)に示すような変動開始前の停止態様から図2(b)に示すように変動が開始され、所定時間が経過すると、例えば図2(c)〜図2(e)に示すように、左側の特別図柄N1、右側の特別図柄N3、中側の特別図柄N2の順に異なるタイミングで特別図柄N1〜N3が停止され、その停止図柄の組合せが所定の賞態様(例えば図2(e)に示す7、7、7のような同一図柄が揃う組合せ)となったとき、通常遊技と比較して遊技者に有利な特別遊技の状態(以下、大当り遊技状態という)となる。
【0036】
なお、本実施形態における大当たり遊技状態においては、大入賞口16の開閉板16aはその開放動作時間が所定時間に達するか、所定球数の入賞球が発生するまでを1回の周期として開放(開閉)動作され、その扉開放状態で遊技球を大入賞口16内に導入するようになっている。
【0037】
一方、本実施形態では、遊技盤11の始動入賞口13の右側に変動入賞口23が設けられており、この変動入賞口23は保留球の個数に応じて開閉する可動片23a、23bを有している。なお、この変動入賞口23の詳細は後述する。
【0038】
また、液晶表示装置40は、所定の条件で、所謂、リーチ状態が発生する可能性が通常より高いことを予兆したり、大当たり信頼度(大当たりとなる確率)が非常に高いリーチ状態となることを予告したりする表示を行うようになっている。ここで、リーチ状態とは、前記所定の賞態様が構成される直前の特別図柄の変動状態、例えば、図2(d)に示すように、最終停止図柄である中側の特別図柄N2を残して、第1停止図柄である左側の特別図柄N1と第2停止図柄である右側の特別図柄N3とが同一の数字または絵柄となって揃った状態をいう。また、当たり信頼度が非常に高いリーチ状態とは、前記所定の賞態様が構成される可能性が通常より数倍高いことを意味し、例えば信頼度100%のプレミアムリーチがこれに相当する。
【0039】
このような遊技機10の主たる遊技制御および表示画面41の表示制御等は、図3および図4に示す制御系によって実行される。図3、図4において、30はプログラム制御されるマイクロコンピュータ構成の主基板であり、この主基板30は、中央演算処理装置であるメインMPU(Micro Processor Unit)31、読出し専用メモリであるメインROM(Read Only Memory)32、随時書込み読出し可能なメインRAM(Random Access Memory)33および図示しない入出力インターフェースを含んで構成されている。
【0040】
メインMPU31には、始動入賞口13に遊技球が入賞したか否かを検出する始動入賞球センサ51と、一般入賞口である袖入賞口14A、14Bおよび落し入賞口15A、15Bに遊技球が入賞したか否かを検出する一般入賞球センサ52と、大入賞口16に遊技球が入賞したか否かを検出する大入賞球センサ53と、通過ゲート17Aまたは17Bを遊技球が通過したか否かを検出する通過球センサ54と、所謂Vゾーンへの入賞を検出するV入賞球センサ55と、変動入賞口23に遊技球が入賞したか否かを検出する可変入賞球センサ56とが接続されている。
【0041】
また、メインMPU31には、図柄制御基板61と、LED制御基板62、音声制御基板63と、賞球制御基板64と、普通電動役物65と、大入賞装置66および変動入賞装置67とが接続されている。
【0042】
メインMPU31は、定期的に発生するリセット信号の入力により、メインROM32に格納されている制御プログラムの処理を開始し、センサ51〜56からの検出情報、ROM32内に予め格納された各種設定データおよび判定テーブル、各操作部からの操作信号、内部に設けられた各種乱数カウンタからの乱数抽出値等に基づいて、図柄制御基板61の他に、LED制御基板62、音声制御基板63、賞球制御基板64、普通電動役物65、大入賞装置66および変動入賞装置67のアクチュエータ類に制御指令を出力して、これら液晶表示装置40および各種アクチュエータ類をそれぞれ駆動制御する。
【0043】
前記各種カウンタとは、例えば大当り判定用カウンタ71と、左、中、右のそれぞれの外れ図柄決定用カウンタ72と、大当り判定がされたときに同一図柄として表示する特別図柄(例えば「0〜9」のいずれか)の抽出に用いられる大当り図柄決定用カウンタ73と、リーチ演出するか否かを決定するためリーチ判定用カウンタ74、当りの場合の演出またはリーチの場合の演出を決定する演出決定用カウンタ75等であり、これらの乱数カウンタ71〜75は、それぞれのカウント値の更新範囲で、1ずつ増加(カウントアップ)した後、再度カウント値を最小値から増加させるようカウント値の更新を繰り返すようになっている。
【0044】
なお、外れ図柄決定用カウンタ72はそれぞれ左、中、右のそれぞれの外れ図柄を決定し、上述した更新機能を有する左図柄決定用カウンタ72a、右図柄決定用カウンタ72bおよび中図柄決定用カウンタ72cを備えている。
【0045】
また、図柄制御基板61は、メインMPU31からのコマンド信号に従って、液晶表示装置40に表示すべき画像データを生成して表示制御を実行するようになっており、特別図柄決定機能からの停止図柄決定コマンドおよび変動パターン決定コマンドに従って特別図柄の変動表示を制御する特別図柄変動制御機能と、予めそれぞれに信頼度が設定された複数の予兆画像を用い、変動パターン決定コマンド変動パターンに応じた予兆画像を選択する予兆選択機構と、その選択した予兆画像を用いてその画像に対応する演出内容とするためのデータを抽出し、予兆演出の表示、および、変動パターン決定機能で決定した変動パターンに応じたリーチ演出の表示を制御するアニメーション表示制御機能とを併有している。
【0046】
この図柄制御基板61は、主基板30とは別の回路基板上に、メインMPU31からの受信コマンドの解釈や所定のパラメータ設定を行うサブMPU81と、サブMPU81で実行される画像制御プログラムや演出用のデータを格納するプログラムROM82と、画像制御実行中のサブMPU81との間でデータを授受するワークRAM83と、画像を形成するためのドットデータを格納する画像ROM84と、サブMPU81で設定されたパラメータに応じて画像ROM84内のドットデータを読み込み、表示すべき画像データを生成するVDP(Video Display Processor)85と、VDP85で生成された画像データをRGB信号に変換するD/A変換器86と、制御プログラムが異常な処理ルーチンに入ったことを検出する一方、正常な処理ルーチンにおいては所定時間内にサブMPU81および所定時間毎に割込みをかけるためのCTC(Counter Timer Circuit)87と、図柄制御プログラムが異常な処理ルーチンに入ったときにサブMPU81を初期状態に戻すためのリセット命令を発生するリセットIC88とを含んで構成されている。
【0047】
一方、LED制御基板62は、装飾用ランプ19A、19B、ステージ21に設けられた複数のLEDランプ24a、24b(実線で示す)、保留球LED25a、25b、25c、25d、液晶表示装置40の上部に設けられた普通図柄表示用のLEDを含むLED表示装置81の作動を制御するもので、メインMPU31からの制御信号に応じて各種ランプおよびLEDの点灯・点滅制御を行うようになっている。
【0048】
また、音声制御基板63は、スピーカ等の音声出力装置82による音声出力を制御するもので、メインMPU31からの制御信号に応じて報知音声を出力させるようになっている。
【0049】
また、賞球制御基板64は、メインMPU31からの払出し指令信号に応じた数の遊技球を払出装置83により払い出させるようになっているとともに、ハンドルの操作量に応じて球発射装置50を作動するようになっている。
【0050】
普通電動役物65は、遊技球が通過ゲート17Aまたは17Bを通過したとき、通過球センサ54の検出信号に基づいてメインMPU31から出力される制御信号に応じて、普通図柄表示用LEDに2色交互点灯の点滅による普通図柄変動表示を実行させるとともに、所定色のLEDでその変動が停止したときに始動入賞口13の可動片13a、13bを作動して入口幅を拡大するようになっている。
【0051】
また、大入賞装置66は、大入賞口16を開閉させることができる変動入賞装置であり、メインMPU31から出力される制御信号に応じて大入賞口16を所定回数だけ連続して開閉するようになっている。
【0052】
このパチンコ遊技機10は、始動入賞球センサ51が、始動入賞口13での入賞の検出信号を出力すると、メインMPU31は、この検出信号に基づいて、液晶表示装置40での特別図柄の変動ゲームの表示に関する各種判定を行い、その判定に基づき、液晶表示装置40での特別図柄の表示とその停止態様並びに変動パターン等を決定し、その決定内容に即した表示制御指令を生成して、図柄制御回路61に出力する。
【0053】
ここでの変動表示による特別図柄の停止態様が所定の賞態様で、前記判定の結果が”大当り”であれば、大入賞口16の開閉板16aが開いて遊技球が非常に入賞し易い状態となり、通常遊技と比べ遊技者に非常に有利な特別遊技状態になるのである。
【0054】
一方、本実施形態では、図柄表示手段40の特別図柄N1、N2、N3の変動表示中、所謂特別図柄変動遊技中に始動入賞口13に遊技球が入賞したとき、始動入賞球センサ51が遊技球を検出すると、メインMPU31が大当り判定用カウンタ71の乱数抽出値に基づいて大当りの判定を行う。この乱数値は所定数、本実施形態では、保留球LED25a、25b、25c、25dの数、すなわち、4個までメインRAM33に記憶され、保留球LED25a、25b、25c、25dの点灯によって表示される。
【0055】
そして、現在行われている特別図柄変動遊技が終了すると、メインRAM33に記憶された乱数値に応じて次の新たな特別図柄変動遊技が保留球の記憶個数分だけ行われ、この遊技は保留球が消化されるまで継続される。
【0056】
具体的には、図5に示すように、メインRAM33は保留球記憶領域33aを有しており、特別図柄変動遊技中に始動入賞口13に遊技球が入賞したとき、メインMPU31が判定用カウンタ71で抽出された大当り判定用乱数を保留球記憶領域33aに記憶する。
【0057】
図5(a)では、例えば図柄変動中(大当り判定用乱数58)に4個の遊技球が始動入賞口13に入賞したとき、保留球記憶領域33aの記憶領域1に128の大当り判定用乱数が、記憶領域2に248の大当り判定用乱数が、記憶領域3に2の大当り判定用乱数が、記憶領域4に60の大当り判定用乱数が記憶されるものとする。
【0058】
また、この記憶領域1〜4に保留球が記憶されたときに4個の保留球LED25a、25b、25c、25dの全てが点灯される。なお、保留球LEDは、記憶領域1のみに大当り判定用乱数が記憶されたときには、左側の保留球LED25aのみが表示され、記憶領域に記憶される大当り判定用乱数が増えるに連れて左側から右側の保留球LEDが順次に点灯される。
【0059】
そして、現在行われている特別図柄変動遊技が終了すると、図5(b)に示すように、変動中の大当り判定用乱数を削除し、大当り判定用乱数を記憶領域1から変動中へ、記憶領域2から記憶領域1へというように移動させるとともに、右側の保留球LED25dを消灯し、この動作は保留球が消化されるまで継続される。そして、変動中の大当り判定用乱数がメインROM32に格納された大当り判定用テーブルの大当り乱数値と一致すれば、大当りとなる。
【0060】
ここで、メインRAM33に記憶される保留球は4個を上限としており、4個の保留球が記憶されて保留球LEDが全点灯しているときに、以後いくら始動球入賞が発生しても保留球として記憶されずに、それに基づいて大当り判定も行われない。
【0061】
そこで、本実施形態では、メインRAM33の保留球記憶領域33aに記憶可能な保留球数の上限値である4個のときに、始動入賞口13に遊技球が入賞して始動入賞球センサ51が遊技球を検出すると、メインMPU31が変動入賞装置67に指令信号を送信して可動片23a、23bを開放させ、メインRAM33に記憶された保留球数が4個を下回ると、すなわち、3個以下のときに変動入賞装置67に指令信号を送信して可動片23a、23bを閉鎖する。なお、本実施形態では、変動入賞口23、可動片23a、23bおよび変動入賞装置67が変動入賞手段を構成するものである。
【0062】
また、メインMPU31は大当りが発生したときに、大当り遊技を開始する前に変動入賞装置67に指令信号を送信して可動片23a、23bを閉鎖させる。
【0063】
さらに、メインMPU31はメインRAM33の保留球記憶領域33aに記憶された保留球数が4個のときに、ステージ21に設けられた複数のLEDランプ24a、24bを矢印に示すように始動入賞口13に向かって移動するように点灯させることにより、保留球記憶領域33aに記憶された保留球数が4個であることを報知するようになっている。
【0064】
本実施形態では、メインRAM33が記憶手段をLEDランプ24a、24bが報知手段を構成している。
次に、本実施形態に係るパチンコ遊技機の作用を図6〜図9のフローチャートに基づいて説明する。
まず、主基板30では、電源投入時に図6に示すような「メイン遊技処理」および図7に示す「割込み処理」が実行される。
【0065】
図6に示すメイン遊技処理では、まず、主基板30のメインMPU動作の初期設定を行なった後(ステップS1)、フラグをセットすることで割込み許可を行ない(ステップS2)、次いで、後述する特別図柄変動処理を行なう(ステップS3)。
【0066】
図7に示す「割込み処理」は、図6のメイン遊技制御の処理ステップS2または後述のステップS21で「割込み許可フラグ」がセットされていることを条件に、定期的(例えば3msごと)に実行される。
【0067】
この「割込み処理」では、まず、各レジスタのデータを主基板30のメインRAM33の所定領域に退避させた後(ステップS11)、大当り判定用カウンタ71および大当り図柄決定用カウンタ73、外れ図柄決定用カウンタ72、リーチ判定用カウンタ74、演出決定用カウンタ75の更新処理を行う(ステップS12)。
【0068】
なお、大当り判定用カウンタ71は、液晶表示装置40での特別図柄の変動結果を”大当り”とするか否かの判定(大当り判定)のために、例えば、0〜311の間でカウンタ値が更新される。
【0069】
大当り図柄決定用カウンタ73は、大当りでの停止態様の選択(どの特別図柄で揃えるかの選択)のために例えば、0〜11の範囲でカウンタ値が更新される。
【0070】
外れ図柄決定用カウンタ72は、外れでの停止態様の選択(どの特別図柄で揃えるかの選択)のために、左、中、右それぞれで、例えば0〜11の範囲でカウンタ値が更新される。
【0071】
リーチ判定用カウンタ74は、リーチの有無の判定のために、例えば0〜9の範囲でカウンタ値が更新される。また、演出決定用カウンタ75は、外れ演出、リーチ演出、当り演出の演出グループの選択のために、例えば0〜1023の範囲でカウンタ値が更新される。
【0072】
これらのカウンタ71〜75の更新処理後、タイマが更新され(ステップS13)、次いで、図8に示すような各種センサ情報等の入力信号処理が実行される(ステップS14)。
【0073】
次いで、普通図柄表示用LEDによる普通図柄の変動処理が実行される(ステップS15)。この処理では、普通図柄の変動についての入賞判定がされた後、その判定結果に基づいて普通図柄表示用の停止態様(例えば2色の普通図柄表示用LEDのうちどちらで停止するか)が制御される。
【0074】
次いで、装飾用ランプ19A、19B等の電飾部の制御を実行し(ステップS16)、次いで、払出し処理、すなわち、ステップS14の処理で出された払出し要求(後述する)に応じた入賞球(遊技球)の払出しを行う処理を実行する(ステップS17)。次いで、パチンコ遊技機の各種装置からのエラー信号に対しそれぞれ予め定められたエラー処理を実行する(ステップS18)。
【0075】
次いで、主基板30のメインRAM33に格納されている各種コマンドを図柄制御基板61、音声制御基板63等の各種制御回路に対して送信する送信データ出力処理を行った後(ステップS19)、ステップS11で主基板30のメインRAM33の所定領域に退避させていた各レジスタのデータを復帰させ(ステップS20)、割込み許可フラグをセットして(ステップS21)、割込み処理を終了する。
【0076】
なお、主基板30のRAMに格納されている前記各種コマンドには、後述の特別図柄変動処理で生成されるコマンドが含まれている。
【0077】
図8はステップS14の入力信号処理を示すフローチャートである。図8において、入力信号処理は、まず、始動入賞球センサ51からの検出信号に基づいて始動入賞口13に遊技球が入賞したか否かを判別し(ステップS31)、始動入賞口13に遊技球が入賞した場合には、賞球払出し指令を生成して払出し要求コマンドをメインRAM33に格納する(ステップS32)。
【0078】
メインRAM33の保留球記憶領域33aに記憶された保留球の個数、すなわち、大当り判定用乱数(乱数抽出値)が4個記憶されているか否かを判別し(ステップS33)、上限値でない場合には、保留球記憶領域33aの空き領域に大当り判定用乱数を格納して保留球の入賞記憶数を加算する(ステップS35)。なお、このときに、保留球の記憶数に応じた保留球LEDが点灯される。
【0079】
また、ステップS33で保留球記憶領域33aに記憶された保留球の個数が4個であれば、変動入賞装置67に開放指令信号を出力して変動入賞口23の可動片23a、23bを開放する(ステップS34)。
【0080】
このときには、全ての保留球LED25a、25b、25c、25dが点灯されるとともに、複数のLEDランプ24a、24bが矢印に示すように始動入賞口13に向かって移動するように点灯される。
【0081】
次いで、大入賞球センサ53からの検出信号に基づいて大入賞口16に遊技球が入賞したか否かを判別し(ステップS36)、大入賞口16に遊技球が入賞した場合には、賞球払出し指令を生成して払出し要求コマンドをメインRAM33に格納する(ステップS37)。
【0082】
次いで、一般入賞球センサ52からの検出信号に基づいて袖入賞口14A、14Bおよび落し入賞口15A、15Bの何れかの一般入賞口に遊技球が入賞したか否かを判別し(ステップS38)、一般入賞口に遊技球が入賞した場合には、賞球払出し指令を生成して払出し要求コマンドをメインRAM33に格納する(ステップS39)。
【0083】
次いで、変動入賞球センサ56からの検出信号に基づいて変動入賞口23に遊技球が入賞したか否かを判別し(ステップS40)、変動入賞口23に遊技球が入賞した場合には、賞球払出し指令を生成して払出し要求コマンドをメインRAM33に格納する。なお、ステップS37、S39、S41の払出要求コマンドに対しては、図7のステップS17の払出処理において遊技球の払出しが行われる。
【0084】
図9はステップS3の特別図柄変動処理を示すフローチャートである。この特別図画変動処理では、まず、始動入賞球センサ51によって始動入賞口13に遊技球が入賞したことが検出されたか否か、すなわち、始動記憶があるか否かを判別する(ステップS51)。そして、この判別が”NO”であれば、液晶表示装置40でのタイトルデモ画面と通常遊技画面との切換え制御を行なうデモ制御処理を実行する(ステップS52)。
【0085】
一方、ステップS51での判別結果が”YES”である場合、すなわち、始動入賞があると判別された場合には、次の処理を実行する。
【0086】
まず、始動入賞口13に遊技球が入賞したとき(すなわち、始動入賞球センサ51が遊技球を検出したとき)にメインRAM33の保留球記憶領域33aに格納された大当り判定用乱数とメインROM32に格納された大当り判定テーブルを比較して”大当り”であるか否かを判定する。
【0087】
この大当り判定テーブルでは、例えば乱数が7であると大当り、大当り判定用乱数の更新範囲における他の数(例えば0〜6、8〜311)であれば外れ、という判定項目が設定されている。
【0088】
ステップS53の判定結果が”大当り”であれば、始動入賞時にメインRAM33の保留球記憶領域33aに格納された大当り図柄決定用カウンタ73のカウンタ値を大当り停止態様の選択用乱数として読み出す。
【0089】
そして、メインROM32に格納された当り図柄決定用テーブルを参照して、予め定められた複数の大当り停止態様の中から一つを選択して大当り図柄を決定する(ステップS56)。ここで決定された大当り図柄は、特別図柄の変動停止後に確定する停止態様となる。
【0090】
次いで、割り込み処理のステップS12で更新された演出決定用カウンタ75のカウンタ値を「大当り停止態様の演出用乱数」として読み出し、メインROM32内に格納された当り演出決定テーブルを参照して、予め定められた複数の当り演出の中から一つを選択して当り演出を決定する(ステップS57)。
【0091】
また、ステップS53での判定が”外れ”であれば、始動入賞時にメインRAM33の保留球記憶領域33aに格納された大当り図柄決定用カウンタ73のカウンタ値を外れ停止態様の選択用乱数として読み出す。
【0092】
そして、メインROM32に格納された外れ図柄決定用テーブルを参照して、予め定められた複数の外れ停止態様の中から一つを選択して外れ図柄を決定する(ステップS54)。ここで決定された外れ図柄は、特別図柄の変動停止後に確定する停止態様となる。
【0093】
次いで、前記割り込み処理のステップS12で更新された演出決定用カウンタ74のカウンタ値を「外れ停止態様の演出用乱数」として読み出し、メインROM32内に格納された演出決定テーブルを参照して、予め定められた複数の演出の中から一つを選択して外れ演出を決定する(ステップS55)。
【0094】
ステップS54、S55、S56、S57のそれぞれのステップで特別図柄の停止態様および演出態様が決定すると、その決定内容に即すように液晶表示装置40の特別図柄N1、N2、M3の変動制御が行われるように、図柄制御基板40に対する制御指令としての「変動コマンド」を生成してこれをメインRAM33に格納する(ステップS58)。
【0095】
そして、メインRAM33に格納された変動コマンドは、前述の割込み処理の送信データ出力処理(ステップS19)で図柄制御基板40に送信される。
【0096】
これらの「変動コマンド」がメインRAM33に格納され、所定の図柄変動時間が経過するまで図柄変動時間待ち処理を実行し(ステップS59)、図柄制御基板40の特別図柄の変動表示が終了して特別図柄が停止すると、「確定コマンド」を生成してこれをメインRAM33に格納する(ステップS60)。
【0097】
次いで、大当りか否かを判別し(ステップS61)、この判別結果が”外れ”(ステップS62の”NO”)であれば、この「特別図柄変動処理」を終了する(ステップS64)。このとき、保留球記憶領域33aから変動の終了した大当り判定用乱数を削除し、各記憶領域の大当り判定用乱数を他の記憶領域に移し変える。
【0098】
また、ステップS61の判定結果が”大当り”(ステップS62で”YES”)の場合には、変動入賞装置67に閉鎖信号を出力して変動入賞口23の可動片23a、23bを閉鎖する(ステップS62)。次いで、大入賞口16の開閉板16aを開放して大当り遊技状態である特別遊技処理を実行する(ステップS63)。
【0099】
次いで、「特別図柄変動処理」を終了した後(ステップS64)、メインRAM33の保留球記憶領域33aに記憶された保留球の個数、すなわち、大当り判定用乱数(乱数抽出値)が4個であるか否かを判別し(ステップS65)、4個である場合には今回の処理を終了し、3個以下の場合には変動入賞装置67に閉鎖信号を出力して変動入賞口23の可動片23a、23bを閉鎖する。
【0100】
このように本実施形態では、特別図柄変動遊技中にメインRAM32に記憶可能な保留球数の上限値の4個であるときに、始動入賞口13に遊技球が入賞すると、変動入賞口23の可動片23a、23bを開放し、メインRAM32に記憶された保留球数が3個以下であるときに、変動入賞口23の可動片23a、23bを閉鎖したので、特別図柄変動遊技中であっても、可動片23a、23bが閉鎖する保留球数にならないようにするために、始動入賞口13に遊技球が入賞するように遊技球を発射することができる。この結果、遊技に関する技量を発揮させることができ、遊技者を退屈させないようにすることができる。
【0101】
また、保留球が4個メインRAM32に記憶され、それ以上の保留球がメインRAM32に記憶されずに大当り判定も行われない状態のときにあっても、始動入賞口13に遊技球が入賞すると、変動入賞口23の可動片23a、23bを開放することができるので、特別図柄変動遊技中であっても遊技球が始動入賞口13に入賞するように遊技球を発射することができることから、遊技者に止め打ちを行うのを防止させるように遊技球の発射の継続を促すことができ、パチンコ遊技機10の稼働率が低下するのを防止することができる。
【0102】
また、メインRAM23に記憶された保留球数が4個のときに、複数のLEDランプ24a、24bを矢印に示すように始動入賞口13に向かって移動するように点灯させることにより、保留球記憶領域33aに記憶された保留球数が4個であることを報知するようにしたので、変動入賞口23の可動片23a、23bが開放動作を行うことにより遊技者に特典が付与されることを遊技者に知らせることができ、始動入賞口13に遊技球を入賞させるような遊技を行うように遊技者に促すことができる。
【0103】
なお、この報知としては、その他に始動入賞口13にLEDランプを設けて点灯するようにしても良いし、液晶表示装置40の表示画面41に「変動入賞口が開放します」というような文字表示を行うようにしても良い。
【0104】
また、大当りが発生したとき、大当り遊技を開始する前に可動片23a、23bを閉鎖するようにしたため、無制限な出球率の上昇を防止することができる。大当り遊技中に変動入賞口23に遊技球を入賞させて遊技者により多くの利益を与えるのを防止することができ、無制限な出球率の上昇を防止することができる。
【0105】
また、本実施形態では、保留球が4個のときに変動入賞口23の可動片23a、23bを開放しているが、保留球が1個以上、2個以上若しくは3個以上で開放するようにしても良い。この際、例えば、メインRAM33に記憶される保留球が1個以上で可動片23a、23bを開放する場合には、メインRAM33に記憶される保留球が0個のときに可動片23a、23bを閉鎖するようにする。
【0106】
また、可動片23a、23bの開放は、開放状態を維持し続ける連続的な開放でも良いし、所定時間ごとに開閉動作を繰り返す間欠的な開放でも良い。
【0107】
可動片23a、23bの開放を間欠的に開放とすると、可動片23a、23bが開状態になっているときを狙って遊技球を発射しなければならず、遊技者により高い技術が要求される。その結果、遊技者の退屈感を減退させることができる。また、変動入賞口23に多くの遊技球が入賞することによる出球率の上昇を抑制することができる。
【0108】
図10本発明に係るシミュレーションゲームプログラムの一実施形態を示す図である。
【0109】
図10は上述したパチンコ遊技機と同様の遊技仕様を有するシミュレーションゲームプログラムであり、ROMカートリッジ、CD−ROM、DVD等の記録媒体に記憶させたり、通信衛星等のネットワーク環境下、あるいはインターネット等の通信回線を利用して配布されるものである。
【0110】
図10において、本シミュレーションゲームプログラムは、コンピュータに、複数の図柄群を変動表示する変動表示機能100と、図柄群の変動表示中に始動入賞口に遊技球が入賞したときに遊技球の数を保留球として記憶する記憶機能101と、記憶機能101で記憶された保留球数が所定数以上のときに始動入賞口に遊技球が入賞すると、始動入賞口と別体に設けられた変動入賞口を開放する開放機能102と、記憶機能101で記憶された保留球数が所定数を下回るときに変動入賞口を閉鎖する閉鎖機能103とを実現するものである。
【0111】
そして、テレビゲームコントローラやパソコン等のコンピュータ104に機能100〜103を実行させるものであり、コンピュータ104の画像モニタ105上に液晶表示装置40、始動入賞口13、変動入賞口23を含めた遊技盤11の全体の画像を写し出すと共に、発射ハンドルのレバーに変わるキーボード上に特定キーや専用操作ボタン等からなる操作スイッチ106を操作しながら疑似遊技が楽しめるようになっている。
【0112】
この結果、家庭用ゲーム機等において遊技機と同様に、特別図柄変動遊技中に、記憶機能101で記憶された保留球数が所定数以上、例えば、1個以上、2個以上等のときに、始動入賞口13に遊技球が入賞すると変動入賞口23を開放し、変動入賞口23が閉鎖する保留球数にならないようにするために、始動入賞口13に遊技球が入賞するように遊技球を発射することができる。この結果、遊技者に遊技に関する技量を発揮させることができ、遊技者を退屈させないようにすることができる。
【0113】
【発明の効果】
本発明によれば、特別図柄変動遊技中にも遊技者に遊技球を発射させて遊技に関する技量を発揮させることができ、遊技者を退屈させないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機の遊技盤の正面図である。
【図2】一実施形態における特別図柄の変動表示の一例を示す説明図である。
【図3】一実施形態のパチンコ遊技機における制御系のブロック構成図である。
【図4】一実施形態のパチンコ遊技機における主基板のブロック構成図である。
【図5】(a)は一実施形態のメインRAMの保留球記憶領域の全てに保留球(大当り判定用乱数)が記憶された状態を示す図、(b)はメインRAMの保留球記憶領域の1つの記憶領域の保留球が消化された状態を示す図である。
【図6】一実施形態における主基板のメイン遊技制御プログラムを示すフローチャートである。
【図7】一実施形態における主基板の割込み処理プログラムのフローチャートである。
【図8】一実施形態における主基板の入力信号処理のフローチャートである。
【図9】一実施形態における主基板の特別図柄変動処理のフローチャートである。
【図10】本発明に係るシミュレーションゲームプログラムの一実施形態を示す図であり、そのブロック図である。
【符号の説明】
10 パチンコ遊技機(遊技機)
23 変動入賞口(変動入賞手段)
23a、23b 可動片(変動入賞手段)
24a、24b LEDランプ(報知手段)
33 メインRAM(記憶手段)
40 液晶表示装置(図柄表示手段)
67 変動入賞装置(変動入賞手段)
100 変動表示機能
101 記憶機能
102 開放機能
103 閉鎖機能
【発明の属する技術分野】
本発明は、始動入賞口に遊技球が入賞したときに遊技球の数を保留球として記憶し、この記憶された保留球数を消化するように複数の図柄群を変動表示するようにした遊技機およびシミュレーションゲームプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
パチンコ遊技機に代表される遊技機にあっては、遊技盤の盤面に発射された遊技球が盤面を流下する途中で始動入賞口に入賞すると、大当り判定用乱数が抽出され、この乱数値がRAMの所定領域に記憶されるようになっている。
【0003】
そして、この判定結果に基づいて図柄表示装置の特別図柄が変動表示されて特別図柄変動遊技が行われる。大当り判定では、RAMに記憶された乱数値が予め定められた乱数値である場合に大当り入賞になり、それ以外の乱数値である場合には外れとなる。
【0004】
大当り入賞になると、特別図柄変動遊技に引き続いて大当り遊技が行われ、この大当り遊技では、大入賞口が開放し、遊技者は多量の賞球を獲得することができる。
【0005】
また、特別図柄変動遊技中に始動入賞があると、その始動入賞に応じて大当り判定用乱数が抽出され、この乱数値は所定数、例えば4個まで保留球として順次記憶される。この保留球の個数は4個の保留球記憶用LEDの点灯によって表示される。
【0006】
現在行われている特別図柄変動遊技が終了すると、RAMに記憶された乱数値に応じて次の新たな特別図柄変動遊技が保留球の記憶個数分だけ行われ、この遊技は保留球が消化されるまで継続される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の遊技機にあっては、RAMに記憶される保留球は所定数の4個を上限としていたため、4個の保留球が記憶されて保留球記憶用LEDが全点灯しているときに、以後いくら始動球入賞が発生しても保留球として記憶されずに、それに基づいて大当り判定も行われず、大当りが発生することがない。
【0008】
このため、遊技者は、保留球がある程度溜まっている状態、特に保留球が上限まであるときは、遊技球の発射を停止し、保留球が消化されてから遊技球の発射を再開する、所謂止め打ちと呼ばれる遊技方法を行っている。
【0009】
このように保留球が溜まっている状態での特別図柄変動遊技中にあっては遊技者は手持ち無沙汰であり、技量を発揮することができずに退屈である。これに加えて、止め打ちが横行すると、遊技球が発射されない時間が増えて遊技機の実質的な稼働率が低下してしまうという問題が発生してしまう。
【0010】
そこで本発明は、特別図柄変動遊技中にも遊技者に遊技球を発射させて遊技に関する技量を発揮させることができるようにして、遊技者を退屈させないようにすることができる遊技機およびシミュレーションゲームプログラムを提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の遊技機は、上記課題を解決するために、複数の図柄群を変動表示する図柄表示手段と、前記図柄群の変動表示中に始動入賞口に遊技球が入賞したときに前記遊技球の数を保留球として記憶する記憶手段とを備えた遊技機において、遊技球が入賞する変動入賞手段を備え、前記変動入賞手段は、前記記憶手段に記憶された保留球数が所定数以上のときに、前記始動入賞口に遊技球が入賞すると開放し、前記記憶手段に記憶された保留球数が前記所定数を下回るときに閉鎖することを特徴としている。
【0012】
その場合、特別図柄変動遊技中に、記憶手段に記憶された保留球数が所定数以上、例えば、1個以上、2個以上等のときに、始動入賞口に遊技球が入賞すると変動入賞手段を開放し、変動入賞手段が閉鎖する保留球数にならないようにするために、始動入賞口に遊技球を入賞させるように遊技球を発射することができる。
【0013】
この結果、遊技者に遊技に関する技量を発揮させることができ、遊技者を退屈させないようにすることができる。
【0014】
また、本発明の遊技機は、上記課題を解決するために、前記所定数は、前記記憶手段に記憶可能な保留球数の上限値に設定されることを特徴としている。
【0015】
その場合、保留球が記憶されずに大当り判定も行われない状態のときにあっても、始動入賞口に遊技球が入賞すると、変動入賞手段を開放するので、特別図柄変動遊技中であっても遊技球が始動入賞口に入賞するように遊技球の発射の継続を促すことができる。このため、遊技者に止め打ちを行うのを防止させることができ、遊技機の稼働率が低下するのを防止することができる。
【0016】
なお、本発明の遊技機において前記変動入賞手段の開放は、開放状態を維持し続ける連続的な開放でも良いし、所定時間ごとに開閉動作を繰り返す間欠的な開放でも良い。
【0017】
変動入賞手段の開放を間欠的に開放とすると、変動入賞手段が開状態になっているときを狙って遊技球を発射しなければならず、遊技者により高い技術が要求される。その結果、遊技者の退屈感を減退させることができる。また、変動入賞手段に多くの遊技球が入賞することによる出球率の上昇を抑制することができる。
【0018】
また、本発明の遊技機は、上記課題を解決するために、前記記憶手段に記憶された保留球数が前記所定数以上のときに、報知を行う報知手段を有することを特徴としている。
【0019】
その場合、変動入賞手段が開放動作を行うことにより遊技者に特典が付与されることを遊技者に知らせることができ、始動入賞口に遊技球を入賞させるような遊技を行うように遊技者に促すことができる。
【0020】
また、本発明の遊技機は、上記課題を解決するために、大当りが発生したとき、大当り遊技を開始する前に前記変動入賞手段が閉鎖することを特徴としている。
【0021】
その場合、大当り遊技中に変動入賞手段に遊技球を入賞させて遊技者により多くの利益を与えるのを防止することができ、無制限な出球率の上昇を防止することができる。
【0022】
また、本発明のシミュレーションゲームプログラムは、上記課題を解決するために、コンピュータに、複数の図柄群を変動表示する変動表示機能と、前記図柄群の変動表示中に始動入賞口に遊技球が入賞したときに、前記遊技球の数を保留球として記憶する記憶機能と、前記記憶機能で記憶された保留球数が所定数以上のときに前記始動入賞口に遊技球が入賞すると、前記始動入賞口と別体に設けられた変動入賞手段を開放する開放機能と、前記記憶機能で記憶された保留球数が前記所定数を下回るときに前記変動入賞手段を閉鎖する閉鎖機能とを実現することを特徴としている。
【0023】
その場合、上述した各シミュレーションプログラムは、各シミュレーションプログラムをROMカートリッジ、CD−ROM、DVD等の記録媒体に記憶させたり、通信衛星等のネットワーク環境下、あるいはインターネット等の通信回線を利用して配布することにより、家庭用ゲーム機等において遊技機と同様に、特別図柄変動遊技中に、記憶手段に記憶された保留球数が所定数以上、例えば、1個以上、2個以上等のときに、始動入賞口に遊技球が入賞すると変動入賞手段を開放し、変動入賞手段が閉鎖する保留球数にならないようにするために、始動入賞口に遊技球が入賞するように遊技球を発射することができる。この結果、遊技者に遊技に関する技量を発揮させることができ、遊技者を退屈させないようにすることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図9は本発明に係る遊技機の一実施形態を示す図であり、本発明をパチンコ遊技機に適用した例を示している。
【0025】
まず、このパチンコ遊技機の全体の概略構成について説明すると、図1において、パチンコ遊技機10の前面側には遊技盤11が着脱可能に取り付けられており、この遊技盤11はパチンコ遊技機10の前面側で透明な窓板に覆われた略円形の遊技領域11aを形成する。
【0026】
遊技盤11の下部には遊技球を収容する図示しない球受け皿および遊技者によって回動操作されるハンドルが設けられており、ハンドルの操作量に応じて球発射装置50が作動し、遊技盤11の遊技領域11a内に順次遊技球を発射するようになっている。
【0027】
遊技盤11には遊技領域11aを取り囲むとともに遊技球の発射通路12を形成する内外のガイドレール12a、12bが設けられており、遊技領域11aの略中央部上側寄りには表示画面41を有する液晶表示装置(図柄表示手段)40が装着されている。また、遊技盤11の遊技領域11aのうち液晶表示装置40の周囲には、複数の入賞口13、14A、14B、15A、15Bおよび16と、通過ゲート17A、17Bと、左右の風車18A、18Bと、左右の装飾用ランプ19A、19Bとがそれぞれ設けられている。
【0028】
また、発射通路12の上端部は遊技盤11の遊技領域11aの天側左方に位置しており、遊技領域11a内に発射された遊技球は遊技領域11aに配された多数の遊技くぎ(図示略)に弾かれながら、例えば液晶表示装置40の上方から左右一方側に流下する。
【0029】
そして、通過ゲート17Aまたは17Bを通過した後、液晶表示装置40の側部に位置するステージ導入部20A、20Bの何れかから液晶表示装置40の下部のステージ21に流下し、あるいは、液晶表示装置40の側方で風車18Aまたは18Bに当接する等して液晶表示装置40内に入ることなく流下して、始動入賞口13、袖入賞口14A、14B、落し入賞口15A、15B、大入賞口16の何れかに入るか、あるいは、それらから外れてアウト口22に入る。
【0030】
ここで、始動入賞口13は、可動片13a、13bを左右方向に開閉動作させるチューリップ式のもので、その入口幅を拡大縮小することができる。袖入賞口14A、14Bおよび落し入賞口15A、15Bは一般入賞口である。
【0031】
これら始動入賞口13や一般入賞口14A、14B、15A、15Bに遊技球が入賞すると、入賞した1個の遊技球に対して所定数の賞球(景品球)が払い出される。
【0032】
液晶表示装置40の表示画面41は、画像信号入力に基づいて任意の画像を表示するもので、例えば液晶ディスプレイから構成されている。なお、図柄表示手段としては液晶表示装置に限らず、CRT(陰極線管)またはプラズマディスプレイ等によって構成しても良いし、図柄が描かれたリールを回転駆動する機械式のものであっても良い。
【0033】
また、表示画面41は、遊技球の始動入賞口13への入賞時に、予め定められた数字やマークなどの特別図柄N1、N2、N3(図2参照)をその画面上で変動表示するとともに、それら特別図柄N1〜N3を所定の停止態様で停止させるようになっている。
【0034】
大入賞口16は、この液晶表示装置40での特別図柄の変動停止態様が特定の当り図柄の組合せを構成しているか否かに応じて作動し、開閉板16aを前後方向に開閉しながら、最大開口幅の入賞口を形成するものである。
【0035】
具体的には、液晶表示装置40が特別図柄N1〜N3の変動を開始した後、例えば図2(a)に示すような変動開始前の停止態様から図2(b)に示すように変動が開始され、所定時間が経過すると、例えば図2(c)〜図2(e)に示すように、左側の特別図柄N1、右側の特別図柄N3、中側の特別図柄N2の順に異なるタイミングで特別図柄N1〜N3が停止され、その停止図柄の組合せが所定の賞態様(例えば図2(e)に示す7、7、7のような同一図柄が揃う組合せ)となったとき、通常遊技と比較して遊技者に有利な特別遊技の状態(以下、大当り遊技状態という)となる。
【0036】
なお、本実施形態における大当たり遊技状態においては、大入賞口16の開閉板16aはその開放動作時間が所定時間に達するか、所定球数の入賞球が発生するまでを1回の周期として開放(開閉)動作され、その扉開放状態で遊技球を大入賞口16内に導入するようになっている。
【0037】
一方、本実施形態では、遊技盤11の始動入賞口13の右側に変動入賞口23が設けられており、この変動入賞口23は保留球の個数に応じて開閉する可動片23a、23bを有している。なお、この変動入賞口23の詳細は後述する。
【0038】
また、液晶表示装置40は、所定の条件で、所謂、リーチ状態が発生する可能性が通常より高いことを予兆したり、大当たり信頼度(大当たりとなる確率)が非常に高いリーチ状態となることを予告したりする表示を行うようになっている。ここで、リーチ状態とは、前記所定の賞態様が構成される直前の特別図柄の変動状態、例えば、図2(d)に示すように、最終停止図柄である中側の特別図柄N2を残して、第1停止図柄である左側の特別図柄N1と第2停止図柄である右側の特別図柄N3とが同一の数字または絵柄となって揃った状態をいう。また、当たり信頼度が非常に高いリーチ状態とは、前記所定の賞態様が構成される可能性が通常より数倍高いことを意味し、例えば信頼度100%のプレミアムリーチがこれに相当する。
【0039】
このような遊技機10の主たる遊技制御および表示画面41の表示制御等は、図3および図4に示す制御系によって実行される。図3、図4において、30はプログラム制御されるマイクロコンピュータ構成の主基板であり、この主基板30は、中央演算処理装置であるメインMPU(Micro Processor Unit)31、読出し専用メモリであるメインROM(Read Only Memory)32、随時書込み読出し可能なメインRAM(Random Access Memory)33および図示しない入出力インターフェースを含んで構成されている。
【0040】
メインMPU31には、始動入賞口13に遊技球が入賞したか否かを検出する始動入賞球センサ51と、一般入賞口である袖入賞口14A、14Bおよび落し入賞口15A、15Bに遊技球が入賞したか否かを検出する一般入賞球センサ52と、大入賞口16に遊技球が入賞したか否かを検出する大入賞球センサ53と、通過ゲート17Aまたは17Bを遊技球が通過したか否かを検出する通過球センサ54と、所謂Vゾーンへの入賞を検出するV入賞球センサ55と、変動入賞口23に遊技球が入賞したか否かを検出する可変入賞球センサ56とが接続されている。
【0041】
また、メインMPU31には、図柄制御基板61と、LED制御基板62、音声制御基板63と、賞球制御基板64と、普通電動役物65と、大入賞装置66および変動入賞装置67とが接続されている。
【0042】
メインMPU31は、定期的に発生するリセット信号の入力により、メインROM32に格納されている制御プログラムの処理を開始し、センサ51〜56からの検出情報、ROM32内に予め格納された各種設定データおよび判定テーブル、各操作部からの操作信号、内部に設けられた各種乱数カウンタからの乱数抽出値等に基づいて、図柄制御基板61の他に、LED制御基板62、音声制御基板63、賞球制御基板64、普通電動役物65、大入賞装置66および変動入賞装置67のアクチュエータ類に制御指令を出力して、これら液晶表示装置40および各種アクチュエータ類をそれぞれ駆動制御する。
【0043】
前記各種カウンタとは、例えば大当り判定用カウンタ71と、左、中、右のそれぞれの外れ図柄決定用カウンタ72と、大当り判定がされたときに同一図柄として表示する特別図柄(例えば「0〜9」のいずれか)の抽出に用いられる大当り図柄決定用カウンタ73と、リーチ演出するか否かを決定するためリーチ判定用カウンタ74、当りの場合の演出またはリーチの場合の演出を決定する演出決定用カウンタ75等であり、これらの乱数カウンタ71〜75は、それぞれのカウント値の更新範囲で、1ずつ増加(カウントアップ)した後、再度カウント値を最小値から増加させるようカウント値の更新を繰り返すようになっている。
【0044】
なお、外れ図柄決定用カウンタ72はそれぞれ左、中、右のそれぞれの外れ図柄を決定し、上述した更新機能を有する左図柄決定用カウンタ72a、右図柄決定用カウンタ72bおよび中図柄決定用カウンタ72cを備えている。
【0045】
また、図柄制御基板61は、メインMPU31からのコマンド信号に従って、液晶表示装置40に表示すべき画像データを生成して表示制御を実行するようになっており、特別図柄決定機能からの停止図柄決定コマンドおよび変動パターン決定コマンドに従って特別図柄の変動表示を制御する特別図柄変動制御機能と、予めそれぞれに信頼度が設定された複数の予兆画像を用い、変動パターン決定コマンド変動パターンに応じた予兆画像を選択する予兆選択機構と、その選択した予兆画像を用いてその画像に対応する演出内容とするためのデータを抽出し、予兆演出の表示、および、変動パターン決定機能で決定した変動パターンに応じたリーチ演出の表示を制御するアニメーション表示制御機能とを併有している。
【0046】
この図柄制御基板61は、主基板30とは別の回路基板上に、メインMPU31からの受信コマンドの解釈や所定のパラメータ設定を行うサブMPU81と、サブMPU81で実行される画像制御プログラムや演出用のデータを格納するプログラムROM82と、画像制御実行中のサブMPU81との間でデータを授受するワークRAM83と、画像を形成するためのドットデータを格納する画像ROM84と、サブMPU81で設定されたパラメータに応じて画像ROM84内のドットデータを読み込み、表示すべき画像データを生成するVDP(Video Display Processor)85と、VDP85で生成された画像データをRGB信号に変換するD/A変換器86と、制御プログラムが異常な処理ルーチンに入ったことを検出する一方、正常な処理ルーチンにおいては所定時間内にサブMPU81および所定時間毎に割込みをかけるためのCTC(Counter Timer Circuit)87と、図柄制御プログラムが異常な処理ルーチンに入ったときにサブMPU81を初期状態に戻すためのリセット命令を発生するリセットIC88とを含んで構成されている。
【0047】
一方、LED制御基板62は、装飾用ランプ19A、19B、ステージ21に設けられた複数のLEDランプ24a、24b(実線で示す)、保留球LED25a、25b、25c、25d、液晶表示装置40の上部に設けられた普通図柄表示用のLEDを含むLED表示装置81の作動を制御するもので、メインMPU31からの制御信号に応じて各種ランプおよびLEDの点灯・点滅制御を行うようになっている。
【0048】
また、音声制御基板63は、スピーカ等の音声出力装置82による音声出力を制御するもので、メインMPU31からの制御信号に応じて報知音声を出力させるようになっている。
【0049】
また、賞球制御基板64は、メインMPU31からの払出し指令信号に応じた数の遊技球を払出装置83により払い出させるようになっているとともに、ハンドルの操作量に応じて球発射装置50を作動するようになっている。
【0050】
普通電動役物65は、遊技球が通過ゲート17Aまたは17Bを通過したとき、通過球センサ54の検出信号に基づいてメインMPU31から出力される制御信号に応じて、普通図柄表示用LEDに2色交互点灯の点滅による普通図柄変動表示を実行させるとともに、所定色のLEDでその変動が停止したときに始動入賞口13の可動片13a、13bを作動して入口幅を拡大するようになっている。
【0051】
また、大入賞装置66は、大入賞口16を開閉させることができる変動入賞装置であり、メインMPU31から出力される制御信号に応じて大入賞口16を所定回数だけ連続して開閉するようになっている。
【0052】
このパチンコ遊技機10は、始動入賞球センサ51が、始動入賞口13での入賞の検出信号を出力すると、メインMPU31は、この検出信号に基づいて、液晶表示装置40での特別図柄の変動ゲームの表示に関する各種判定を行い、その判定に基づき、液晶表示装置40での特別図柄の表示とその停止態様並びに変動パターン等を決定し、その決定内容に即した表示制御指令を生成して、図柄制御回路61に出力する。
【0053】
ここでの変動表示による特別図柄の停止態様が所定の賞態様で、前記判定の結果が”大当り”であれば、大入賞口16の開閉板16aが開いて遊技球が非常に入賞し易い状態となり、通常遊技と比べ遊技者に非常に有利な特別遊技状態になるのである。
【0054】
一方、本実施形態では、図柄表示手段40の特別図柄N1、N2、N3の変動表示中、所謂特別図柄変動遊技中に始動入賞口13に遊技球が入賞したとき、始動入賞球センサ51が遊技球を検出すると、メインMPU31が大当り判定用カウンタ71の乱数抽出値に基づいて大当りの判定を行う。この乱数値は所定数、本実施形態では、保留球LED25a、25b、25c、25dの数、すなわち、4個までメインRAM33に記憶され、保留球LED25a、25b、25c、25dの点灯によって表示される。
【0055】
そして、現在行われている特別図柄変動遊技が終了すると、メインRAM33に記憶された乱数値に応じて次の新たな特別図柄変動遊技が保留球の記憶個数分だけ行われ、この遊技は保留球が消化されるまで継続される。
【0056】
具体的には、図5に示すように、メインRAM33は保留球記憶領域33aを有しており、特別図柄変動遊技中に始動入賞口13に遊技球が入賞したとき、メインMPU31が判定用カウンタ71で抽出された大当り判定用乱数を保留球記憶領域33aに記憶する。
【0057】
図5(a)では、例えば図柄変動中(大当り判定用乱数58)に4個の遊技球が始動入賞口13に入賞したとき、保留球記憶領域33aの記憶領域1に128の大当り判定用乱数が、記憶領域2に248の大当り判定用乱数が、記憶領域3に2の大当り判定用乱数が、記憶領域4に60の大当り判定用乱数が記憶されるものとする。
【0058】
また、この記憶領域1〜4に保留球が記憶されたときに4個の保留球LED25a、25b、25c、25dの全てが点灯される。なお、保留球LEDは、記憶領域1のみに大当り判定用乱数が記憶されたときには、左側の保留球LED25aのみが表示され、記憶領域に記憶される大当り判定用乱数が増えるに連れて左側から右側の保留球LEDが順次に点灯される。
【0059】
そして、現在行われている特別図柄変動遊技が終了すると、図5(b)に示すように、変動中の大当り判定用乱数を削除し、大当り判定用乱数を記憶領域1から変動中へ、記憶領域2から記憶領域1へというように移動させるとともに、右側の保留球LED25dを消灯し、この動作は保留球が消化されるまで継続される。そして、変動中の大当り判定用乱数がメインROM32に格納された大当り判定用テーブルの大当り乱数値と一致すれば、大当りとなる。
【0060】
ここで、メインRAM33に記憶される保留球は4個を上限としており、4個の保留球が記憶されて保留球LEDが全点灯しているときに、以後いくら始動球入賞が発生しても保留球として記憶されずに、それに基づいて大当り判定も行われない。
【0061】
そこで、本実施形態では、メインRAM33の保留球記憶領域33aに記憶可能な保留球数の上限値である4個のときに、始動入賞口13に遊技球が入賞して始動入賞球センサ51が遊技球を検出すると、メインMPU31が変動入賞装置67に指令信号を送信して可動片23a、23bを開放させ、メインRAM33に記憶された保留球数が4個を下回ると、すなわち、3個以下のときに変動入賞装置67に指令信号を送信して可動片23a、23bを閉鎖する。なお、本実施形態では、変動入賞口23、可動片23a、23bおよび変動入賞装置67が変動入賞手段を構成するものである。
【0062】
また、メインMPU31は大当りが発生したときに、大当り遊技を開始する前に変動入賞装置67に指令信号を送信して可動片23a、23bを閉鎖させる。
【0063】
さらに、メインMPU31はメインRAM33の保留球記憶領域33aに記憶された保留球数が4個のときに、ステージ21に設けられた複数のLEDランプ24a、24bを矢印に示すように始動入賞口13に向かって移動するように点灯させることにより、保留球記憶領域33aに記憶された保留球数が4個であることを報知するようになっている。
【0064】
本実施形態では、メインRAM33が記憶手段をLEDランプ24a、24bが報知手段を構成している。
次に、本実施形態に係るパチンコ遊技機の作用を図6〜図9のフローチャートに基づいて説明する。
まず、主基板30では、電源投入時に図6に示すような「メイン遊技処理」および図7に示す「割込み処理」が実行される。
【0065】
図6に示すメイン遊技処理では、まず、主基板30のメインMPU動作の初期設定を行なった後(ステップS1)、フラグをセットすることで割込み許可を行ない(ステップS2)、次いで、後述する特別図柄変動処理を行なう(ステップS3)。
【0066】
図7に示す「割込み処理」は、図6のメイン遊技制御の処理ステップS2または後述のステップS21で「割込み許可フラグ」がセットされていることを条件に、定期的(例えば3msごと)に実行される。
【0067】
この「割込み処理」では、まず、各レジスタのデータを主基板30のメインRAM33の所定領域に退避させた後(ステップS11)、大当り判定用カウンタ71および大当り図柄決定用カウンタ73、外れ図柄決定用カウンタ72、リーチ判定用カウンタ74、演出決定用カウンタ75の更新処理を行う(ステップS12)。
【0068】
なお、大当り判定用カウンタ71は、液晶表示装置40での特別図柄の変動結果を”大当り”とするか否かの判定(大当り判定)のために、例えば、0〜311の間でカウンタ値が更新される。
【0069】
大当り図柄決定用カウンタ73は、大当りでの停止態様の選択(どの特別図柄で揃えるかの選択)のために例えば、0〜11の範囲でカウンタ値が更新される。
【0070】
外れ図柄決定用カウンタ72は、外れでの停止態様の選択(どの特別図柄で揃えるかの選択)のために、左、中、右それぞれで、例えば0〜11の範囲でカウンタ値が更新される。
【0071】
リーチ判定用カウンタ74は、リーチの有無の判定のために、例えば0〜9の範囲でカウンタ値が更新される。また、演出決定用カウンタ75は、外れ演出、リーチ演出、当り演出の演出グループの選択のために、例えば0〜1023の範囲でカウンタ値が更新される。
【0072】
これらのカウンタ71〜75の更新処理後、タイマが更新され(ステップS13)、次いで、図8に示すような各種センサ情報等の入力信号処理が実行される(ステップS14)。
【0073】
次いで、普通図柄表示用LEDによる普通図柄の変動処理が実行される(ステップS15)。この処理では、普通図柄の変動についての入賞判定がされた後、その判定結果に基づいて普通図柄表示用の停止態様(例えば2色の普通図柄表示用LEDのうちどちらで停止するか)が制御される。
【0074】
次いで、装飾用ランプ19A、19B等の電飾部の制御を実行し(ステップS16)、次いで、払出し処理、すなわち、ステップS14の処理で出された払出し要求(後述する)に応じた入賞球(遊技球)の払出しを行う処理を実行する(ステップS17)。次いで、パチンコ遊技機の各種装置からのエラー信号に対しそれぞれ予め定められたエラー処理を実行する(ステップS18)。
【0075】
次いで、主基板30のメインRAM33に格納されている各種コマンドを図柄制御基板61、音声制御基板63等の各種制御回路に対して送信する送信データ出力処理を行った後(ステップS19)、ステップS11で主基板30のメインRAM33の所定領域に退避させていた各レジスタのデータを復帰させ(ステップS20)、割込み許可フラグをセットして(ステップS21)、割込み処理を終了する。
【0076】
なお、主基板30のRAMに格納されている前記各種コマンドには、後述の特別図柄変動処理で生成されるコマンドが含まれている。
【0077】
図8はステップS14の入力信号処理を示すフローチャートである。図8において、入力信号処理は、まず、始動入賞球センサ51からの検出信号に基づいて始動入賞口13に遊技球が入賞したか否かを判別し(ステップS31)、始動入賞口13に遊技球が入賞した場合には、賞球払出し指令を生成して払出し要求コマンドをメインRAM33に格納する(ステップS32)。
【0078】
メインRAM33の保留球記憶領域33aに記憶された保留球の個数、すなわち、大当り判定用乱数(乱数抽出値)が4個記憶されているか否かを判別し(ステップS33)、上限値でない場合には、保留球記憶領域33aの空き領域に大当り判定用乱数を格納して保留球の入賞記憶数を加算する(ステップS35)。なお、このときに、保留球の記憶数に応じた保留球LEDが点灯される。
【0079】
また、ステップS33で保留球記憶領域33aに記憶された保留球の個数が4個であれば、変動入賞装置67に開放指令信号を出力して変動入賞口23の可動片23a、23bを開放する(ステップS34)。
【0080】
このときには、全ての保留球LED25a、25b、25c、25dが点灯されるとともに、複数のLEDランプ24a、24bが矢印に示すように始動入賞口13に向かって移動するように点灯される。
【0081】
次いで、大入賞球センサ53からの検出信号に基づいて大入賞口16に遊技球が入賞したか否かを判別し(ステップS36)、大入賞口16に遊技球が入賞した場合には、賞球払出し指令を生成して払出し要求コマンドをメインRAM33に格納する(ステップS37)。
【0082】
次いで、一般入賞球センサ52からの検出信号に基づいて袖入賞口14A、14Bおよび落し入賞口15A、15Bの何れかの一般入賞口に遊技球が入賞したか否かを判別し(ステップS38)、一般入賞口に遊技球が入賞した場合には、賞球払出し指令を生成して払出し要求コマンドをメインRAM33に格納する(ステップS39)。
【0083】
次いで、変動入賞球センサ56からの検出信号に基づいて変動入賞口23に遊技球が入賞したか否かを判別し(ステップS40)、変動入賞口23に遊技球が入賞した場合には、賞球払出し指令を生成して払出し要求コマンドをメインRAM33に格納する。なお、ステップS37、S39、S41の払出要求コマンドに対しては、図7のステップS17の払出処理において遊技球の払出しが行われる。
【0084】
図9はステップS3の特別図柄変動処理を示すフローチャートである。この特別図画変動処理では、まず、始動入賞球センサ51によって始動入賞口13に遊技球が入賞したことが検出されたか否か、すなわち、始動記憶があるか否かを判別する(ステップS51)。そして、この判別が”NO”であれば、液晶表示装置40でのタイトルデモ画面と通常遊技画面との切換え制御を行なうデモ制御処理を実行する(ステップS52)。
【0085】
一方、ステップS51での判別結果が”YES”である場合、すなわち、始動入賞があると判別された場合には、次の処理を実行する。
【0086】
まず、始動入賞口13に遊技球が入賞したとき(すなわち、始動入賞球センサ51が遊技球を検出したとき)にメインRAM33の保留球記憶領域33aに格納された大当り判定用乱数とメインROM32に格納された大当り判定テーブルを比較して”大当り”であるか否かを判定する。
【0087】
この大当り判定テーブルでは、例えば乱数が7であると大当り、大当り判定用乱数の更新範囲における他の数(例えば0〜6、8〜311)であれば外れ、という判定項目が設定されている。
【0088】
ステップS53の判定結果が”大当り”であれば、始動入賞時にメインRAM33の保留球記憶領域33aに格納された大当り図柄決定用カウンタ73のカウンタ値を大当り停止態様の選択用乱数として読み出す。
【0089】
そして、メインROM32に格納された当り図柄決定用テーブルを参照して、予め定められた複数の大当り停止態様の中から一つを選択して大当り図柄を決定する(ステップS56)。ここで決定された大当り図柄は、特別図柄の変動停止後に確定する停止態様となる。
【0090】
次いで、割り込み処理のステップS12で更新された演出決定用カウンタ75のカウンタ値を「大当り停止態様の演出用乱数」として読み出し、メインROM32内に格納された当り演出決定テーブルを参照して、予め定められた複数の当り演出の中から一つを選択して当り演出を決定する(ステップS57)。
【0091】
また、ステップS53での判定が”外れ”であれば、始動入賞時にメインRAM33の保留球記憶領域33aに格納された大当り図柄決定用カウンタ73のカウンタ値を外れ停止態様の選択用乱数として読み出す。
【0092】
そして、メインROM32に格納された外れ図柄決定用テーブルを参照して、予め定められた複数の外れ停止態様の中から一つを選択して外れ図柄を決定する(ステップS54)。ここで決定された外れ図柄は、特別図柄の変動停止後に確定する停止態様となる。
【0093】
次いで、前記割り込み処理のステップS12で更新された演出決定用カウンタ74のカウンタ値を「外れ停止態様の演出用乱数」として読み出し、メインROM32内に格納された演出決定テーブルを参照して、予め定められた複数の演出の中から一つを選択して外れ演出を決定する(ステップS55)。
【0094】
ステップS54、S55、S56、S57のそれぞれのステップで特別図柄の停止態様および演出態様が決定すると、その決定内容に即すように液晶表示装置40の特別図柄N1、N2、M3の変動制御が行われるように、図柄制御基板40に対する制御指令としての「変動コマンド」を生成してこれをメインRAM33に格納する(ステップS58)。
【0095】
そして、メインRAM33に格納された変動コマンドは、前述の割込み処理の送信データ出力処理(ステップS19)で図柄制御基板40に送信される。
【0096】
これらの「変動コマンド」がメインRAM33に格納され、所定の図柄変動時間が経過するまで図柄変動時間待ち処理を実行し(ステップS59)、図柄制御基板40の特別図柄の変動表示が終了して特別図柄が停止すると、「確定コマンド」を生成してこれをメインRAM33に格納する(ステップS60)。
【0097】
次いで、大当りか否かを判別し(ステップS61)、この判別結果が”外れ”(ステップS62の”NO”)であれば、この「特別図柄変動処理」を終了する(ステップS64)。このとき、保留球記憶領域33aから変動の終了した大当り判定用乱数を削除し、各記憶領域の大当り判定用乱数を他の記憶領域に移し変える。
【0098】
また、ステップS61の判定結果が”大当り”(ステップS62で”YES”)の場合には、変動入賞装置67に閉鎖信号を出力して変動入賞口23の可動片23a、23bを閉鎖する(ステップS62)。次いで、大入賞口16の開閉板16aを開放して大当り遊技状態である特別遊技処理を実行する(ステップS63)。
【0099】
次いで、「特別図柄変動処理」を終了した後(ステップS64)、メインRAM33の保留球記憶領域33aに記憶された保留球の個数、すなわち、大当り判定用乱数(乱数抽出値)が4個であるか否かを判別し(ステップS65)、4個である場合には今回の処理を終了し、3個以下の場合には変動入賞装置67に閉鎖信号を出力して変動入賞口23の可動片23a、23bを閉鎖する。
【0100】
このように本実施形態では、特別図柄変動遊技中にメインRAM32に記憶可能な保留球数の上限値の4個であるときに、始動入賞口13に遊技球が入賞すると、変動入賞口23の可動片23a、23bを開放し、メインRAM32に記憶された保留球数が3個以下であるときに、変動入賞口23の可動片23a、23bを閉鎖したので、特別図柄変動遊技中であっても、可動片23a、23bが閉鎖する保留球数にならないようにするために、始動入賞口13に遊技球が入賞するように遊技球を発射することができる。この結果、遊技に関する技量を発揮させることができ、遊技者を退屈させないようにすることができる。
【0101】
また、保留球が4個メインRAM32に記憶され、それ以上の保留球がメインRAM32に記憶されずに大当り判定も行われない状態のときにあっても、始動入賞口13に遊技球が入賞すると、変動入賞口23の可動片23a、23bを開放することができるので、特別図柄変動遊技中であっても遊技球が始動入賞口13に入賞するように遊技球を発射することができることから、遊技者に止め打ちを行うのを防止させるように遊技球の発射の継続を促すことができ、パチンコ遊技機10の稼働率が低下するのを防止することができる。
【0102】
また、メインRAM23に記憶された保留球数が4個のときに、複数のLEDランプ24a、24bを矢印に示すように始動入賞口13に向かって移動するように点灯させることにより、保留球記憶領域33aに記憶された保留球数が4個であることを報知するようにしたので、変動入賞口23の可動片23a、23bが開放動作を行うことにより遊技者に特典が付与されることを遊技者に知らせることができ、始動入賞口13に遊技球を入賞させるような遊技を行うように遊技者に促すことができる。
【0103】
なお、この報知としては、その他に始動入賞口13にLEDランプを設けて点灯するようにしても良いし、液晶表示装置40の表示画面41に「変動入賞口が開放します」というような文字表示を行うようにしても良い。
【0104】
また、大当りが発生したとき、大当り遊技を開始する前に可動片23a、23bを閉鎖するようにしたため、無制限な出球率の上昇を防止することができる。大当り遊技中に変動入賞口23に遊技球を入賞させて遊技者により多くの利益を与えるのを防止することができ、無制限な出球率の上昇を防止することができる。
【0105】
また、本実施形態では、保留球が4個のときに変動入賞口23の可動片23a、23bを開放しているが、保留球が1個以上、2個以上若しくは3個以上で開放するようにしても良い。この際、例えば、メインRAM33に記憶される保留球が1個以上で可動片23a、23bを開放する場合には、メインRAM33に記憶される保留球が0個のときに可動片23a、23bを閉鎖するようにする。
【0106】
また、可動片23a、23bの開放は、開放状態を維持し続ける連続的な開放でも良いし、所定時間ごとに開閉動作を繰り返す間欠的な開放でも良い。
【0107】
可動片23a、23bの開放を間欠的に開放とすると、可動片23a、23bが開状態になっているときを狙って遊技球を発射しなければならず、遊技者により高い技術が要求される。その結果、遊技者の退屈感を減退させることができる。また、変動入賞口23に多くの遊技球が入賞することによる出球率の上昇を抑制することができる。
【0108】
図10本発明に係るシミュレーションゲームプログラムの一実施形態を示す図である。
【0109】
図10は上述したパチンコ遊技機と同様の遊技仕様を有するシミュレーションゲームプログラムであり、ROMカートリッジ、CD−ROM、DVD等の記録媒体に記憶させたり、通信衛星等のネットワーク環境下、あるいはインターネット等の通信回線を利用して配布されるものである。
【0110】
図10において、本シミュレーションゲームプログラムは、コンピュータに、複数の図柄群を変動表示する変動表示機能100と、図柄群の変動表示中に始動入賞口に遊技球が入賞したときに遊技球の数を保留球として記憶する記憶機能101と、記憶機能101で記憶された保留球数が所定数以上のときに始動入賞口に遊技球が入賞すると、始動入賞口と別体に設けられた変動入賞口を開放する開放機能102と、記憶機能101で記憶された保留球数が所定数を下回るときに変動入賞口を閉鎖する閉鎖機能103とを実現するものである。
【0111】
そして、テレビゲームコントローラやパソコン等のコンピュータ104に機能100〜103を実行させるものであり、コンピュータ104の画像モニタ105上に液晶表示装置40、始動入賞口13、変動入賞口23を含めた遊技盤11の全体の画像を写し出すと共に、発射ハンドルのレバーに変わるキーボード上に特定キーや専用操作ボタン等からなる操作スイッチ106を操作しながら疑似遊技が楽しめるようになっている。
【0112】
この結果、家庭用ゲーム機等において遊技機と同様に、特別図柄変動遊技中に、記憶機能101で記憶された保留球数が所定数以上、例えば、1個以上、2個以上等のときに、始動入賞口13に遊技球が入賞すると変動入賞口23を開放し、変動入賞口23が閉鎖する保留球数にならないようにするために、始動入賞口13に遊技球が入賞するように遊技球を発射することができる。この結果、遊技者に遊技に関する技量を発揮させることができ、遊技者を退屈させないようにすることができる。
【0113】
【発明の効果】
本発明によれば、特別図柄変動遊技中にも遊技者に遊技球を発射させて遊技に関する技量を発揮させることができ、遊技者を退屈させないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機の遊技盤の正面図である。
【図2】一実施形態における特別図柄の変動表示の一例を示す説明図である。
【図3】一実施形態のパチンコ遊技機における制御系のブロック構成図である。
【図4】一実施形態のパチンコ遊技機における主基板のブロック構成図である。
【図5】(a)は一実施形態のメインRAMの保留球記憶領域の全てに保留球(大当り判定用乱数)が記憶された状態を示す図、(b)はメインRAMの保留球記憶領域の1つの記憶領域の保留球が消化された状態を示す図である。
【図6】一実施形態における主基板のメイン遊技制御プログラムを示すフローチャートである。
【図7】一実施形態における主基板の割込み処理プログラムのフローチャートである。
【図8】一実施形態における主基板の入力信号処理のフローチャートである。
【図9】一実施形態における主基板の特別図柄変動処理のフローチャートである。
【図10】本発明に係るシミュレーションゲームプログラムの一実施形態を示す図であり、そのブロック図である。
【符号の説明】
10 パチンコ遊技機(遊技機)
23 変動入賞口(変動入賞手段)
23a、23b 可動片(変動入賞手段)
24a、24b LEDランプ(報知手段)
33 メインRAM(記憶手段)
40 液晶表示装置(図柄表示手段)
67 変動入賞装置(変動入賞手段)
100 変動表示機能
101 記憶機能
102 開放機能
103 閉鎖機能
Claims (5)
- 複数の図柄群を変動表示する図柄表示手段と、前記図柄群の変動表示中に始動入賞口に遊技球が入賞したときに前記遊技球の数を保留球として記憶する記憶手段とを備えた遊技機において、
遊技球が入賞する変動入賞手段を備え、
前記変動入賞手段は、前記記憶手段に記憶された保留球数が所定数以上のときに、前記始動入賞口に遊技球が入賞すると開放し、前記記憶手段に記憶された保留球数が前記所定数を下回るときに閉鎖することを特徴とする遊技機。 - 前記所定数は、前記記憶手段に記憶可能な保留球数の上限値に設定されることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
- 前記記憶手段に記憶された保留球数が前記所定数以上のときに、報知を行う報知手段を有することを特徴とする請求項1または2記載の遊技機。
- 大当りが発生したとき、大当り遊技を開始する前に前記変動入賞手段が閉鎖することを特徴とする請求項1〜3何れかに記載の遊技機。
- コンピュータに、複数の図柄群を変動表示する変動表示機能と、前記図柄群の変動表示中に始動入賞口に遊技球が入賞したときに、前記遊技球の数を保留球として記憶する記憶機能と、前記記憶機能で記憶された保留球数が所定数以上のときに前記始動入賞口に遊技球が入賞すると、前記始動入賞口と別体に設けられた変動入賞手段を開放する開放機能と、前記記憶機能で記憶された保留球数が前記所定数を下回るときに前記変動入賞手段を閉鎖する閉鎖機能とを実現することを特徴とするシミュレーションゲームプログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002225024A JP2004065312A (ja) | 2002-08-01 | 2002-08-01 | 遊技機およびシミュレーションゲームプログラム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002225024A JP2004065312A (ja) | 2002-08-01 | 2002-08-01 | 遊技機およびシミュレーションゲームプログラム |
Publications (1)
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JP2004065312A true JP2004065312A (ja) | 2004-03-04 |
Family
ID=32012820
Family Applications (1)
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JP2002225024A Withdrawn JP2004065312A (ja) | 2002-08-01 | 2002-08-01 | 遊技機およびシミュレーションゲームプログラム |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004065312A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017217381A (ja) * | 2016-06-10 | 2017-12-14 | 株式会社サンセイアールアンドディ | 遊技機 |
-
2002
- 2002-08-01 JP JP2002225024A patent/JP2004065312A/ja not_active Withdrawn
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JP2017217381A (ja) * | 2016-06-10 | 2017-12-14 | 株式会社サンセイアールアンドディ | 遊技機 |
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