JP2004065180A - から揚げ粉、まぶし粉、及びフライ食品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】から揚げ粉及びまぶし粉を食肉などの種々に具材に単にまぶして、油で揚げることによって製造されるから揚げなどのフライ食品が、柔らかくジューシーな好ましい食感と、衣部分と具材部分の食味バランスが良好なものにすることである。
【解決手段】高度分岐環状デキストリンを所定量配合することにより、食肉などの具材を柔らかくて、ジューシーな好ましい食感と、衣部分と具材部分の食味バランスが良好なから揚げなどのフライ食品を製造することができる。また油切れや揚げ色の付き具合も良好なものを得ることができる。
【選択図】なし
【解決手段】高度分岐環状デキストリンを所定量配合することにより、食肉などの具材を柔らかくて、ジューシーな好ましい食感と、衣部分と具材部分の食味バランスが良好なから揚げなどのフライ食品を製造することができる。また油切れや揚げ色の付き具合も良好なものを得ることができる。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、から揚げ粉及びまぶし粉、さらにはそのから揚げ粉及びまぶし粉を使用してフライ食品を製造する方法に関する。詳しくは、本発明は、から揚げ、とんかつ等のフライ食品に用いられるから揚げ粉及びまぶし粉、及びそのようなから揚げ粉やまぶし粉を使用してフライ食品を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、各種のフライ食品を製造する場合には、一般に小麦粉や澱粉、澱粉加水分解物等の穀粉類が用いられている。
【0003】
代表的なフライ食品である、から揚げの製造にあたっては、食肉など具材にから揚げ粉をそのまままぶして油で揚げるという簡便方法が用いられている。しかしこの方法では、具材への付着性が悪くから揚げ粉が脱落しやすい、かつから揚げの具材が硬くなり食感や食味が劣るという欠点がある。
またから揚げの一般的な製造方法としては、食肉などの具材を調味液に漬け込んで具材に調味料を浸し込ませた後に穀粉等の衣を付着させて油で揚げる方法が知られている。この方法では、具材に調味液が沁み込むので具材の保水力が高まり、油で揚げた際に食感や食味の良好なから揚げを得ることができる。しかしながら、この方法では調味液の調整及び調味液への具材の漬け込みが必要であり、手間と時間がかかる。
【0004】
そこで食肉などの具材にから揚げ粉をまぶして製造する簡易方法で、食感や食味を改良する方法がいくつか知られている。
食肉を柔らかくする方法として、パパイン等のプロテアーゼを香辛料、食塩、穀粉等の他の材料と一緒にして食肉にまぶし、所定の時間放置した後、油で揚げることが知られている。この方法では、食肉の表面に付着したプロテアーゼが表面蛋白質を分解して、食肉を柔らかくするという方法であるが、時間の管理が重要である。所定の時間以上に放置しても、食肉内部の蛋白質の分解は進まず、食肉表面の蛋白質の分解のみが著しくなるために好ましい食肉の外観や食感・食味が得られなくなり、衣の付着性も悪くなるという欠点がある。
【0005】
また、から揚げ粉の中に片栗粉などの澱粉を添加する方法や澱粉加水分解物を添加することで、から揚げの食感や食味を改良することも知られている。しかし片栗粉などの澱粉を添加する方法では、食感や食味が若干改良できるが、同時に油切れが悪く、べた付くことが問題である。澱粉加水分解物では、オリゴ糖などの低分子還元糖を多く含有するため、揚げ色が付きすぎるという欠点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
食肉等の具材にから揚げ粉及びまぶし粉を直接まぶした後、油で揚げるフライ食品の簡易製造方法で、食感や食味の良好なから揚げ等のフライ食品を製造することを目的とする。また、から揚げ等のフライ食品に求められる主な品質上の特性として、▲1▼火ぶくれなどの外観がなく、揚げ衣の剥離が少なく、衣にパリっとした食感があること、▲2▼適度な揚げ色が付いていること、▲3▼食肉等の具材の内部がジューシーで柔らかいこと、▲4▼油切れが良く、べた付かないこと、が挙げられる。
【0007】
から揚げ粉やまぶし粉について、前項のような必要性から食感や食味を改良させるための種々の研究が、従来から行われてきた。従来の技術の項で紹介したように、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、タピオカ澱粉、小麦澱粉、米澱粉、ライ澱粉、ワキシーコーンスターチなどの澱粉より得られたデキストロース当量5〜50の澱粉加水分解物を含有するから揚げ粉(特開平6−217724号公報)、或いは、アミロースを含有するフライ用食品用打ち粉(特開平8−38087号公報)、馬鈴薯澱粉を含有するから揚げ粉(特開2000−350561号公報)等が提案されている。しかし、何れの方法も食肉などの具材の食感や食味を十分に改良できているとは言えなかった。
【0008】
【課題を解決する為の手段】
出願人は鋭意努力の結果、から揚げ粉及びまぶし粉に高度分岐環状デキストリンを配合させることで、上記課題を解決した。
【0009】
高度分岐環状デキストリンとは、アミロペクチンにブランチングエンザイムを作用させて創られるものであり、分子量が均一で、かつ環状構造を有する新規な糖質であり、内分岐構造と外分岐構造とを有する、重合度50以上であるグルカンを言う。ここでグルカンという用語にはグルカンの誘導体が含まれる。内分岐環状構造部分とは、本願明細書においては、α−1,4グルコシド結合とα−1,6グルコシド結合とで形成される環状構造部分を言う。外分岐構造部分とは、本願明細書においては、上記内分岐環状構造に結合した非環状構造部分を言う。高度分岐環状デキストリンおよびその製造方法は、特許第3107358号に詳細に記載される。
【0010】
本発明で言うから揚げ粉やまぶし粉は、高度分岐環状デキストリンを含有している限り、その他の材料や成分、調整方法等は限定されず、から揚げ粉やまぶし粉として従来から使用されている材料や成分、調整方法を用いることができる。本発明のから揚げ粉およびまぶし粉は、小麦粉や澱粉などの穀粉類を主成分とするのが好ましく、特に穀粉類として小麦粉を使用するのが好ましい。更に、本発明のから揚げ粉及びまぶし粉は、澱粉類と共に粉末醤油、食塩、糖類、粉末味噌、アミノ酸やその他の調味料、香辛料、香料、色素、ビタミン等の栄養成分などの材料や成分のうちから適当なものを適宜組み合わせて使用することができる。
【0011】
更に、必要に応じて、本発明のから揚げ粉及びまぶし粉の中に、増粘剤、ゲル化剤、乳化剤、プロテアーゼなどの酵素を含有させることで、食肉などの具材の食感や食味が柔らかく、かつジューシーなから揚げ及びフライ食品を得ることができる。高分岐デキストリンは全重量に対して、高度分岐環状デキストリンを5〜40重量%の割合で含有させるのが好ましく、約10〜30重量%とするのが特に好ましい。
【0012】
本発明で言うから揚げ粉やまぶし粉に、高度分岐環状デキストリンを含有することによって得られる効果の作用機構として、高度分岐環状デキストリンの持つ特性が関与していると考えられる。すなわち高度分岐環状デキストリンは、均一な分子量分布からなる高分子デキストリンであることや、皮膜形成能があること、分子内に環状構造を有するため油との親和性が良いことなどの特性が係っている。内部がジューシーで柔らかな食感になる理由として、具材の表面にまぶされた均一な高分子の高度分岐環状デキストリンが油で加熱され、具材表面で皮膜を形成し、具材内部の水分の揮発を抑制することによると推定される。
【0013】
本発明のから揚げ粉及びまぶし粉は、鶏、カモ、アヒル、七面鳥などのトリ肉、豚、牛、羊、ヤギなどの畜肉、魚介類、野菜類などの種々の具材に使用することができ、特に肉類や魚介類のフライ食品を製造する際のから揚げ粉及びまぶし粉として適している。
【0014】
本発明のから揚げ粉及びまぶし粉を用いてフライ食品を製造する際の調理方法は特に限定されないが、通常、具材を適当な大きさにし、それに本発明のから揚げ粉及びまぶし粉を粉末状または顆粒状のまま、もしくは水や油脂に溶解もしくは分散状態で具材にまぶし、必要に応じて所定時間放置した後、適温(通常160〜170℃)に熱した油で揚げると良い。
【0015】
以下の実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はそれに限定されない。
<実施例1および比較例1、2>
下記の表1に示す配合からなるから揚げ粉を各々50gずつ準備した。鶏肉を約20gの大きさに切断し、これに食塩、コショウを適量ふりかけて10分程度冷蔵庫で放置してなじませた。次いで、この鶏肉200gに上記で準備したから揚げ粉をまぶし、そのまま室温で5分間放置した。次いで、このから揚げ粉を付着させた鶏肉を、160〜170℃に熱したサラダ油で3分間揚げて、鶏肉のから揚げをつくった。
【0016】
【表1】
【0017】
このようにして作った鶏肉のから揚げの食感及び食味を、パネラー10名で試食し評価した。その結果は表2及び表3の通りであった。
【0018】
【表2】鶏肉のから揚げの食感の官能評価結果
【0019】
【表3】鶏肉のから揚げの食味の官能評価結果
【0020】
実施例1は、小麦粉だけの比較例1や馬鈴薯澱粉を含有させた比較例2と比べて、食感や食味が大幅に改善されていて、おいしくなるという結果が得られた。比較例1と2は、共に内部のジューシー感が弱く、食感での差は明確ではなかった。食味の点では、比較例2は、粉っぽさが感じられた。また外観上は、比較例1と2は揚げ色がつきにくいのに対し、実施例1は適度な、好ましい揚げ色がついた。
【0021】
<実施例2〜7>
高度分岐環状デキストリンの配合率を5〜60重量%の範囲で変化させた下記の表4に示す配合からなるから揚げ粉を各々50gずつ準備した。鶏肉を約20gの大きさに切断し、これに食塩、コショウを適量ふりかけて10分程度冷蔵庫で放置してなじませた。次いで、この鶏肉200gに上記で準備したから揚げ粉をまぶし、そのまま室温で5分間放置した。次いで、このから揚げ粉を付着させた鶏肉を、160〜170℃に熱したサラダ油で3分間揚げて、鶏肉のから揚げをつくった。
【0022】
【表4】
【0023】
このようにして作った鶏肉のから揚げの食感及び食味を、パネラー10名で試食し評価した。その結果は表5及び表6の通りであった。
【0024】
【表5】鶏肉のから揚げの食感の官能評価結果
【0025】
【表6】鶏肉のから揚げの食味の官能評価結果
【0026】
実施例2〜7のうち、実施例3、4、5のから揚げは、その内部がとてもジューシーであった、また実施例3と4のから揚げの衣部分はパリパリしていて、油切れも良く良好であった。実施例5は、少し粉っぽさがあるため衣部分と具材の食味のバランスはやや劣った。また外観上は、実施例2〜5は適度な揚げ色がつくのに対し、高度分岐環状デキストリン含有量が多い実施例6及び7は揚げ色がつきにくく、かつ表面が火ぶくれ様のかさかさした形状になり、油切れも良くなかった。
【0027】
実施例2〜7の結果から、本発明におけるから揚げ粉及びまぶし粉の高度分岐環状デキストリンの含有量を5〜40重量%の割合にする場合に、から揚げの食感や食味が好ましくなり、更に10〜30重量%とする場合に特に好ましく、おいしくなるということが明らかになった。
【0028】
【発明の効果】
本発明のから揚げ粉及びまぶし粉は高度分岐環状デキストリンを含有していることにより、食肉などの具材を柔らかくて、ジューシーな好ましい食感と、衣部分と具材部分の食味バランスが良好なから揚げなどのフライ食品を製造することができる。また油切れや揚げ色の付き具合も良好である。本発明のから揚げ粉及びまぶし粉には、肉類、魚介類、野菜類などの種々の具材に対して有効に使用することができ、それらの具材に単にまぶして油で揚げるだけで、食感や食味の良好なから揚げなどのフライ食品を極めて簡単にかつ短時間に製造することができるという利点がある。
【発明の属する技術分野】
本発明は、から揚げ粉及びまぶし粉、さらにはそのから揚げ粉及びまぶし粉を使用してフライ食品を製造する方法に関する。詳しくは、本発明は、から揚げ、とんかつ等のフライ食品に用いられるから揚げ粉及びまぶし粉、及びそのようなから揚げ粉やまぶし粉を使用してフライ食品を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、各種のフライ食品を製造する場合には、一般に小麦粉や澱粉、澱粉加水分解物等の穀粉類が用いられている。
【0003】
代表的なフライ食品である、から揚げの製造にあたっては、食肉など具材にから揚げ粉をそのまままぶして油で揚げるという簡便方法が用いられている。しかしこの方法では、具材への付着性が悪くから揚げ粉が脱落しやすい、かつから揚げの具材が硬くなり食感や食味が劣るという欠点がある。
またから揚げの一般的な製造方法としては、食肉などの具材を調味液に漬け込んで具材に調味料を浸し込ませた後に穀粉等の衣を付着させて油で揚げる方法が知られている。この方法では、具材に調味液が沁み込むので具材の保水力が高まり、油で揚げた際に食感や食味の良好なから揚げを得ることができる。しかしながら、この方法では調味液の調整及び調味液への具材の漬け込みが必要であり、手間と時間がかかる。
【0004】
そこで食肉などの具材にから揚げ粉をまぶして製造する簡易方法で、食感や食味を改良する方法がいくつか知られている。
食肉を柔らかくする方法として、パパイン等のプロテアーゼを香辛料、食塩、穀粉等の他の材料と一緒にして食肉にまぶし、所定の時間放置した後、油で揚げることが知られている。この方法では、食肉の表面に付着したプロテアーゼが表面蛋白質を分解して、食肉を柔らかくするという方法であるが、時間の管理が重要である。所定の時間以上に放置しても、食肉内部の蛋白質の分解は進まず、食肉表面の蛋白質の分解のみが著しくなるために好ましい食肉の外観や食感・食味が得られなくなり、衣の付着性も悪くなるという欠点がある。
【0005】
また、から揚げ粉の中に片栗粉などの澱粉を添加する方法や澱粉加水分解物を添加することで、から揚げの食感や食味を改良することも知られている。しかし片栗粉などの澱粉を添加する方法では、食感や食味が若干改良できるが、同時に油切れが悪く、べた付くことが問題である。澱粉加水分解物では、オリゴ糖などの低分子還元糖を多く含有するため、揚げ色が付きすぎるという欠点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
食肉等の具材にから揚げ粉及びまぶし粉を直接まぶした後、油で揚げるフライ食品の簡易製造方法で、食感や食味の良好なから揚げ等のフライ食品を製造することを目的とする。また、から揚げ等のフライ食品に求められる主な品質上の特性として、▲1▼火ぶくれなどの外観がなく、揚げ衣の剥離が少なく、衣にパリっとした食感があること、▲2▼適度な揚げ色が付いていること、▲3▼食肉等の具材の内部がジューシーで柔らかいこと、▲4▼油切れが良く、べた付かないこと、が挙げられる。
【0007】
から揚げ粉やまぶし粉について、前項のような必要性から食感や食味を改良させるための種々の研究が、従来から行われてきた。従来の技術の項で紹介したように、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、タピオカ澱粉、小麦澱粉、米澱粉、ライ澱粉、ワキシーコーンスターチなどの澱粉より得られたデキストロース当量5〜50の澱粉加水分解物を含有するから揚げ粉(特開平6−217724号公報)、或いは、アミロースを含有するフライ用食品用打ち粉(特開平8−38087号公報)、馬鈴薯澱粉を含有するから揚げ粉(特開2000−350561号公報)等が提案されている。しかし、何れの方法も食肉などの具材の食感や食味を十分に改良できているとは言えなかった。
【0008】
【課題を解決する為の手段】
出願人は鋭意努力の結果、から揚げ粉及びまぶし粉に高度分岐環状デキストリンを配合させることで、上記課題を解決した。
【0009】
高度分岐環状デキストリンとは、アミロペクチンにブランチングエンザイムを作用させて創られるものであり、分子量が均一で、かつ環状構造を有する新規な糖質であり、内分岐構造と外分岐構造とを有する、重合度50以上であるグルカンを言う。ここでグルカンという用語にはグルカンの誘導体が含まれる。内分岐環状構造部分とは、本願明細書においては、α−1,4グルコシド結合とα−1,6グルコシド結合とで形成される環状構造部分を言う。外分岐構造部分とは、本願明細書においては、上記内分岐環状構造に結合した非環状構造部分を言う。高度分岐環状デキストリンおよびその製造方法は、特許第3107358号に詳細に記載される。
【0010】
本発明で言うから揚げ粉やまぶし粉は、高度分岐環状デキストリンを含有している限り、その他の材料や成分、調整方法等は限定されず、から揚げ粉やまぶし粉として従来から使用されている材料や成分、調整方法を用いることができる。本発明のから揚げ粉およびまぶし粉は、小麦粉や澱粉などの穀粉類を主成分とするのが好ましく、特に穀粉類として小麦粉を使用するのが好ましい。更に、本発明のから揚げ粉及びまぶし粉は、澱粉類と共に粉末醤油、食塩、糖類、粉末味噌、アミノ酸やその他の調味料、香辛料、香料、色素、ビタミン等の栄養成分などの材料や成分のうちから適当なものを適宜組み合わせて使用することができる。
【0011】
更に、必要に応じて、本発明のから揚げ粉及びまぶし粉の中に、増粘剤、ゲル化剤、乳化剤、プロテアーゼなどの酵素を含有させることで、食肉などの具材の食感や食味が柔らかく、かつジューシーなから揚げ及びフライ食品を得ることができる。高分岐デキストリンは全重量に対して、高度分岐環状デキストリンを5〜40重量%の割合で含有させるのが好ましく、約10〜30重量%とするのが特に好ましい。
【0012】
本発明で言うから揚げ粉やまぶし粉に、高度分岐環状デキストリンを含有することによって得られる効果の作用機構として、高度分岐環状デキストリンの持つ特性が関与していると考えられる。すなわち高度分岐環状デキストリンは、均一な分子量分布からなる高分子デキストリンであることや、皮膜形成能があること、分子内に環状構造を有するため油との親和性が良いことなどの特性が係っている。内部がジューシーで柔らかな食感になる理由として、具材の表面にまぶされた均一な高分子の高度分岐環状デキストリンが油で加熱され、具材表面で皮膜を形成し、具材内部の水分の揮発を抑制することによると推定される。
【0013】
本発明のから揚げ粉及びまぶし粉は、鶏、カモ、アヒル、七面鳥などのトリ肉、豚、牛、羊、ヤギなどの畜肉、魚介類、野菜類などの種々の具材に使用することができ、特に肉類や魚介類のフライ食品を製造する際のから揚げ粉及びまぶし粉として適している。
【0014】
本発明のから揚げ粉及びまぶし粉を用いてフライ食品を製造する際の調理方法は特に限定されないが、通常、具材を適当な大きさにし、それに本発明のから揚げ粉及びまぶし粉を粉末状または顆粒状のまま、もしくは水や油脂に溶解もしくは分散状態で具材にまぶし、必要に応じて所定時間放置した後、適温(通常160〜170℃)に熱した油で揚げると良い。
【0015】
以下の実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はそれに限定されない。
<実施例1および比較例1、2>
下記の表1に示す配合からなるから揚げ粉を各々50gずつ準備した。鶏肉を約20gの大きさに切断し、これに食塩、コショウを適量ふりかけて10分程度冷蔵庫で放置してなじませた。次いで、この鶏肉200gに上記で準備したから揚げ粉をまぶし、そのまま室温で5分間放置した。次いで、このから揚げ粉を付着させた鶏肉を、160〜170℃に熱したサラダ油で3分間揚げて、鶏肉のから揚げをつくった。
【0016】
【表1】
【0017】
このようにして作った鶏肉のから揚げの食感及び食味を、パネラー10名で試食し評価した。その結果は表2及び表3の通りであった。
【0018】
【表2】鶏肉のから揚げの食感の官能評価結果
【0019】
【表3】鶏肉のから揚げの食味の官能評価結果
【0020】
実施例1は、小麦粉だけの比較例1や馬鈴薯澱粉を含有させた比較例2と比べて、食感や食味が大幅に改善されていて、おいしくなるという結果が得られた。比較例1と2は、共に内部のジューシー感が弱く、食感での差は明確ではなかった。食味の点では、比較例2は、粉っぽさが感じられた。また外観上は、比較例1と2は揚げ色がつきにくいのに対し、実施例1は適度な、好ましい揚げ色がついた。
【0021】
<実施例2〜7>
高度分岐環状デキストリンの配合率を5〜60重量%の範囲で変化させた下記の表4に示す配合からなるから揚げ粉を各々50gずつ準備した。鶏肉を約20gの大きさに切断し、これに食塩、コショウを適量ふりかけて10分程度冷蔵庫で放置してなじませた。次いで、この鶏肉200gに上記で準備したから揚げ粉をまぶし、そのまま室温で5分間放置した。次いで、このから揚げ粉を付着させた鶏肉を、160〜170℃に熱したサラダ油で3分間揚げて、鶏肉のから揚げをつくった。
【0022】
【表4】
【0023】
このようにして作った鶏肉のから揚げの食感及び食味を、パネラー10名で試食し評価した。その結果は表5及び表6の通りであった。
【0024】
【表5】鶏肉のから揚げの食感の官能評価結果
【0025】
【表6】鶏肉のから揚げの食味の官能評価結果
【0026】
実施例2〜7のうち、実施例3、4、5のから揚げは、その内部がとてもジューシーであった、また実施例3と4のから揚げの衣部分はパリパリしていて、油切れも良く良好であった。実施例5は、少し粉っぽさがあるため衣部分と具材の食味のバランスはやや劣った。また外観上は、実施例2〜5は適度な揚げ色がつくのに対し、高度分岐環状デキストリン含有量が多い実施例6及び7は揚げ色がつきにくく、かつ表面が火ぶくれ様のかさかさした形状になり、油切れも良くなかった。
【0027】
実施例2〜7の結果から、本発明におけるから揚げ粉及びまぶし粉の高度分岐環状デキストリンの含有量を5〜40重量%の割合にする場合に、から揚げの食感や食味が好ましくなり、更に10〜30重量%とする場合に特に好ましく、おいしくなるということが明らかになった。
【0028】
【発明の効果】
本発明のから揚げ粉及びまぶし粉は高度分岐環状デキストリンを含有していることにより、食肉などの具材を柔らかくて、ジューシーな好ましい食感と、衣部分と具材部分の食味バランスが良好なから揚げなどのフライ食品を製造することができる。また油切れや揚げ色の付き具合も良好である。本発明のから揚げ粉及びまぶし粉には、肉類、魚介類、野菜類などの種々の具材に対して有効に使用することができ、それらの具材に単にまぶして油で揚げるだけで、食感や食味の良好なから揚げなどのフライ食品を極めて簡単にかつ短時間に製造することができるという利点がある。
Claims (5)
- 高度分岐環状デキストリンを含有することを特徴とするから揚げ粉及びまぶし粉
- 揚げ物の具材に請求項1のから揚げ粉及びまぶし粉をそのまままぶして油で揚げることを特徴とするフライ食品の製造方法
- 高度分岐環状デキストリンが、デンプンにブランチングエンザイムを作用させてつくられたデキストリンである、請求項1に記載のから揚げ粉及びまぶし粉
- 高度分岐環状デキストリンの含有量が、から揚げ粉及びまぶし粉総重量の5〜40重量%であることを特徴とする、請求項1に記載のから揚げ粉及びまぶし粉
- 高度分岐環状デキストリンの含有量が、から揚げ粉及びまぶし粉総重量の10〜30重量%であることを特徴とする、請求項1に記載のから揚げ粉及びまぶし粉
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---|---|---|---|
JP2002231991A JP2004065180A (ja) | 2002-08-08 | 2002-08-08 | から揚げ粉、まぶし粉、及びフライ食品の製造方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010029077A (ja) * | 2008-07-25 | 2010-02-12 | Aoba Kasei Kk | 肉用食感改良剤、食肉の食感改良方法および改良食肉 |
JP2012085579A (ja) * | 2010-10-20 | 2012-05-10 | Matsutani Chem Ind Ltd | 揚げ物用バッター |
-
2002
- 2002-08-08 JP JP2002231991A patent/JP2004065180A/ja active Pending
Cited By (2)
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---|---|---|---|---|
JP2010029077A (ja) * | 2008-07-25 | 2010-02-12 | Aoba Kasei Kk | 肉用食感改良剤、食肉の食感改良方法および改良食肉 |
JP2012085579A (ja) * | 2010-10-20 | 2012-05-10 | Matsutani Chem Ind Ltd | 揚げ物用バッター |
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