JP2004064436A - 水晶発振器 - Google Patents
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Abstract
【課題】製造に好適な水晶発振器の構造を提供する。
【解決手段】下段容器7において、上段容器4を積載する上側部分7bは、上段容器4の外周壁と外周サイズが略同一の周壁とする。下段容器7の下側部分7aは、上側部分7bの周壁の外周サイズより大なる外周サイズとする。そして、上段容器4は、下段容器7の上側部分7bの周壁の上面に対して、位置決め積載されてリフローにより固着されるようにする。
【選択図】 図2
【解決手段】下段容器7において、上段容器4を積載する上側部分7bは、上段容器4の外周壁と外周サイズが略同一の周壁とする。下段容器7の下側部分7aは、上側部分7bの周壁の外周サイズより大なる外周サイズとする。そして、上段容器4は、下段容器7の上側部分7bの周壁の上面に対して、位置決め積載されてリフローにより固着されるようにする。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水晶振動子とその発振回路を一体とした水晶発振器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近の携帯電話等の電子機器に内蔵するために、水晶振動子は水晶振動子のみの単品から発振回路等の電気回路を含んだ水晶発振器となり、その形状も非常に小型化されている。
このような水晶発振器は、水晶振動子が収容された容器と発振回路部が組み込まれた容器が、結合されて1体の容器とされ、フラットパッケージ型の外部電極を持つ単体部品の水晶発振器として市場に供給されている。
【0003】
図4はその1例を示すもので、図4(a)は水晶発振器の内部構造を断面的に示し、また図4(b)は上面側からみた様子を示している。
この水晶発振器80は、外観上は、基板82上に容器81がマウントされたものとされる。基板82の概略の大きさとして平面方向、5mm×3.5mm程度の長方形とされる。
そして、基板82の平面中央部は図4(a)のように抉られた状態とされ、その上面に、浅い箱形に形成されたセラミック基板製の容器64が固着される。基板82の抉られた部分は、容器81が上面に配されることで、例えば気密状態の空間Sとされる。
【0004】
容器81の上面側は蓋66が固着され、容器81の内部も気密状態の空間とされる。この容器81の内部には、薄い長方形の水晶振動子5が収容される。
一方、基板82側に形成された空間には、IC回路を構成するICチップ8が収容される。さらに基板82上で容器81の周囲部分の位置には、コンデンサ9等の電子部品がマウントされる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような構造の場合、製造工程において、基板82上に容器81を固着する際の位置決めが的確にしにくいという問題があった。即ち基板82において内部空間Sを形成するために抉った部分の上面に、図4(b)に示す位置状態のように正確に容器81を配置することが容易ではない。
【0006】
そこで図5に示すような構造の水晶発振器61が提案されていた。
図5(a)は水晶発振器61の内部構造を断面的に示し、また図5(b)は上面側からみた様子を示している。
この水晶発振器は、浅い箱形に形成された2つのセラミック基板製の容器本体64、67が上下2段に接合される。上段側の容器本体64(以下、上段容器64という)には、薄い金属(コバール等)製の蓋66をシーム溶接、ろう付け、又は、接着等で接合し、下段側の容器本体67(以下、下段容器67という)は、上段容器64の底部と接合することにより、内部を例えば気密状態に保つことができるようにしている。
【0007】
上段容器64の内部には、薄い長方形の水晶振動子5が収容され、一方、下段容器67の内部には、IC回路を構成するICチップ8やコンデンサ9等の電子部品が収容される。
このような構造において、上部の水晶振動子6を内部に封止した部分を水晶振動部62、下部の電子回路を封止した部分を発振回路部63と呼ぶこととする。
【0008】
下段容器67の底面には、当該水晶発振器61をプリント基板に表面実装するための外部電極13が複数個設けられ、内部の電子部品の所要の端子とセラミック基板のパターンや、スルーホールまたはスルーワイヤ等を介して接続されている。
なお、前記外部電極13の他に、水晶発振器を製造する際に使用する発振周波数調整用の電極14が形成されることもある。
【0009】
このように、水晶発振器61内の発振回路部63を構成する電子回路は、ほとんど、ICチップ1個に集積され、通常1〜3個の外付けのコンデンサや、他の電子部品がICチップ8の外部に接続されるに過ぎない。なお、ICチップ8には、周波数調整回路、温度補償回路等が内蔵されている。
表面実装用の電子部品の外部電極を、プリント基板のプリントパターンに形成されたランドに接合するには、リフローハンダ付けと、金製のバンプ(突起)と導電性接着剤を利用したフリップチップ方式が使用される場合がある。
【0010】
この図5の構造の場合、上段容器64は、上面が開口した外周壁を有する形状とされ、また下段容器67も、上面が開口した外周壁を有する形状とされている。そして図5(a)(b)からわかるように、上段容器64の外周壁64aの外周サイズと、下段容器67の外周壁67aの外周サイズは略同一とされる。
上段容器64と下段容器67の外周サイズが略同一であることは、下段容器67の上面に上段容器64を配置させる際には、その外周が合うように配置すればよい。即ち下段容器67自体が、上段容器64と配置位置のガイドとなる。これによって、製造工程において上段容器64の位置決めが容易且つ適切とできる。
【0011】
しかしながら次のような問題が生じた。
製造時において下段容器67の上面に上段容器64を固着する際には、下段容器67の外周壁67aの上面にクリームハンダを塗布したうえで上段容器64を位置を合わせて積載し、その状態でリフローハンダ付けを行う。
そのリフロー処理において高温化によりハンダが溶融する際には、そのハンダの溶融によって、下段容器67上での上段容器64の配置位置がわずかにずれることがある。
【0012】
ここで、上段容器64と下段容器67の外周サイズが略同一であるため、上記のズレが発生すると、上段容器64と下段容器67は図5(a)に示すようにズレた状態で固着されることになる。この場合、長方形状の各頂点部分はバリとなり、製品として適切でない。
従って、上段容器64の位置決めについては改善されるものの、上記ズレによる製品不良が発生しやすくなり、歩留まりも低下することとなった。
【0013】
【問題を解決するための手段】本発明の水晶発振器は上記の問題点を解決するためになされたもので、製造に好適な水晶発振器の構造を提供することを目的とする。
【0014】
このため本発明の水晶発振器には、上面が開口した外周壁を有する第1の容器の、上記外周壁内側に水晶振動子が搭載されている水晶振動部と、上記第1の容器の上記開口部分を遮蔽するために外周壁の上面に配される蓋部と、上記第1の容器の外周壁と外周サイズが略同一の周壁により成る上側部分と、上記上側部分の周壁の外周サイズより大なる外周サイズとされた下側部分とが一体的に形成されることで断面段差形状とされた第2の容器の内部に、発振回路が形成されている発振回路部とを備える。そして上記第2の容器における上記上側部分の周壁上に、上記第1の容器の上記外周壁の底面部が固着されて成るようにする。
【0015】
つまり第2の容器(下段容器)において、第1の容器(上段容器)を積載することになる上側部分は、上記第1の容器の外周壁と外周サイズが同一の周壁とされていることにより、第1の容器の積載位置を規定できるようにするとともに、第2の容器(下段容器)の下側部分は、上側部分の周壁の外周サイズより大なる外周サイズとすることで、リフロー時にズレが発生しても問題ないものとする。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図1〜図3を参照して説明する。
図1(a)は本実施の形態の水晶発振器1の外観の斜視図であり、図1(b)は蓋6、(水晶振動部の)容器本体4(以下、上段容器という)、および、(発振回路部の)容器本体7(以下、下段容器という)の接合を離して、内部の部品配置を示した斜視図である。
また図2(a)は水晶発振器1の内部構造を断面的に示し、また図2(b)は上面側からみた様子を示している。
【0017】
図1、図2に示した水晶発振器1は、概略の大きさとして平面方向の最大部分で、L=5mm、B=3.2mm程度の長方形とされ、また高さHが約1.5mmのものとされる。
そして、その形状は浅い箱形に形成された2つのセラミック基板製の上段容器4、下段容器7が上下2段に接合される。
上段容器4には、コバール等の薄い金属製の蓋6をシーム溶接、ろう付け、又は、接着等で接合し、また下段容器7は、上段容器4の底部と接合することにより、内部を例えば気密状態に保つことができるようにしている。
また水晶発振器1の底面には、表面実装用の外部電極13や調整用電極14を備えている。
【0018】
水晶振動部2は、浅い箱形のセラミック基板で作られた上段容器4の内側に、水晶振動子5を収容し、蓋6により、その内部が真空状態、あるいは窒素等の不活性ガスが充填された状態で気密封止される。
水晶振動子5は長方形の薄い板状で、両面に蒸着等で金属電極5aが形成され、第1の容器4の内側に形成された電極引き出し部5bと前記金属電極5aが導電性接着剤で接続される。
電極引き出し部5bからは、スルーホールや第1の容器4の内層に形成されたプリントパターン等を経由して、下段容器7の上縁に形成された接続電極10を介して発振回路部3に接続される。
【0019】
発振回路部3の下段容器7も、上段容器4とほぼ同様にセラミック基板から形成され、発振回路を構成する電子部品、即ちICチップ8やコンデンサ9等の電子部品を収容している。
これらセラミック基板はグリーンシート積層法で作られることが多く、アルミナを基板材料にし、導体材料としてモリブデン、タングステン等が使用され、焼成によりプリントパターンを形成したものである。
発振回路部3の下段容器7に形成されたプリントパターンのランドと、ICチップ8に接合されたバンプは導電性接着剤で、また、コンデンサ用の角型ランドとコンデンサ9の外部電極はリフローハンダで接合されている。製造工程としてはコンデンサ9をリフローハンダ付けした後で、ICチップ8を導電性熱硬化接続する。
【0020】
この水晶発振器1において、図1,図2からわかるように、下段容器7は、上段容器4の外周壁と外周サイズが略同一の周壁により成る上側部分7bと、上側部分7bの周壁の外周サイズより大なる外周サイズとされた下側部分7aとが一体的に形成されることで断面段差形状(図1,図2に段差Dとして示す)とされたものである。
なお、シーム溶接される蓋6の平面サイズについては、上段容器4の外周壁の外周サイズと略同一としてもよいし、図示している例のように、上段容器4の外周壁の外周サイズより小さいサイズとしてもよい。
【0021】
そして上段容器4は、下段容器7の上側部分7bとなる周壁上に積載された状態で固着される。
上段容器4の外周サイズと、下段容器7の上側部分7bの外周サイズは略同一であるため、図2に示すように、上段容器4と下段容器7の上側部分7bの外周面は段差を生じさせないように揃うことになる。
【0022】
製造時において下段容器7の上面に上段容器4を固着する際には、上段容器4の上側部分7bとされる周壁の上面にクリームハンダを塗布したうえで上段容器4を積載し、その状態でリフローハンダ付けを行う。
この際、上記のように上段容器4と下段容器7の上側部分7bの外周面は段差を生じないものであるため、例えば図3に示すように所定箇所、例えば平面方向に2辺の場所などにジグJをあてがうことで、下段容器7に積載する上段容器4を容易且つ的確に位置決めできることになる。
【0023】
また、リフロー処理において高温化によりハンダが溶融する際には、そのハンダの溶融によって、下段容器7の上側部分7b上で上段容器4の配置位置がわずかにずれることがあるが、本実施の形態の場合、あくまで下段容器7の上側部分7bに対する、上段容器4のわずかなズレとなる。
そして下段容器7の下側部分7aは、外周サイズが、上側部分7b及び上段容器4の外周サイズより大きいこと、及び上側部分7bの高さサイズは下段容器7の全体の高さサイズの半分以下であることで、リフロー時のわずかなズレは目立つものではなく、また製品として問題となるバリとはならない。
例えリフロー時にズレが発生したとしても、図6(b)に示すように上段容器4は、下段容器7の平面上に収まる。
【0024】
例えば、電子装置の内部基板等に水晶発振器1を実装する際において、図6(a)のよう水晶発振器1の周面に発生したバリは、水晶発振器1自体の実装時の位置決め等に悪影響を与えるが、本実施の形態の場合、あくまでも下段容器7の下側部分7aによって水晶発振器1の平面サイズ(L×B)が規定され、実装時に下段容器7の上側部分7bと上段容器4で生じたバリは、上記平面サイズ(L×B)以内に収まるため、水晶発振器1の実装工程に悪影響を与えない。
また特にいえば、本例の場合、リフロー直前の上段容器4の積載位置が上記のように正確に位置決めできることで、リフロー時のズレ、つまりバリの大きさ自体も微小なものとなるとともに、そのバリは下段容器7の下側部分7aの平面サイズ内に収まるものとなる。
【0025】
つまり本例によれば、リフロー時のズレによる悪影響を回避するために下段容器7の平面サイズを上段容器4の平面サイズより広くした構造であり、しかも、リフロー直前において、クリームハンダを塗布した下段容器7に上段容器4を積載する際に、非常に容易且つ適切に位置決めを行うことができるものである。
位置決めが容易であることは、製造作業の効率化を促進する。また正確な位置決めができることは、たとえリフロー時のズレでバリが発生しても、そのバリは微小なものであり、かつ水晶発振器1(下側部分7a)の平面方向のサイズ内に収まる問題のないものとすることができるため、製造上の歩留まりも向上する。
【0026】
【発明の効果】
以上の説明から理解されるように、本発明の水晶発振器は、第2の容器(下段容器)において、第1の容器(上段容器)を積載する上側部分は、上記第1の容器の外周壁と外周サイズが略同一の周壁とされている。また、第2の容器(下段容器)の下側部分の外周壁サイズは、上側部分の外周サイズよりも大きくされた形状とされている。これにより、リフロー直前での第1の容器の積載位置を容易かつ的確に規定できるという効果があり、さらにリフロー時にズレが発生したとしても、そのズレは製品として問題がないものとすることができる。これらのことから、製造の効率化、製品の歩留まりの向上を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の容器構造を採用した水晶発振器の斜視図である。
【図2】実施の形態の容器構造の断面図及び平面図である。
【図3】実施の形態の上段容器の積載時の説明図である。
【図4】従来例の容器構造の断面図及び平面図である。
【図5】他の従来例の容器構造の断面図及び平面図である。
【図6】リフロー時のズレの影響の説明図である。
【符号の説明】
1 水晶発振器
2 水晶振動部
3 発振回路部
4 上段容器
5 水晶振動子
6 蓋
7 下段容器
7a 下段容器の上側部分
7b 下段容器の下側部分
【発明の属する技術分野】
本発明は、水晶振動子とその発振回路を一体とした水晶発振器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近の携帯電話等の電子機器に内蔵するために、水晶振動子は水晶振動子のみの単品から発振回路等の電気回路を含んだ水晶発振器となり、その形状も非常に小型化されている。
このような水晶発振器は、水晶振動子が収容された容器と発振回路部が組み込まれた容器が、結合されて1体の容器とされ、フラットパッケージ型の外部電極を持つ単体部品の水晶発振器として市場に供給されている。
【0003】
図4はその1例を示すもので、図4(a)は水晶発振器の内部構造を断面的に示し、また図4(b)は上面側からみた様子を示している。
この水晶発振器80は、外観上は、基板82上に容器81がマウントされたものとされる。基板82の概略の大きさとして平面方向、5mm×3.5mm程度の長方形とされる。
そして、基板82の平面中央部は図4(a)のように抉られた状態とされ、その上面に、浅い箱形に形成されたセラミック基板製の容器64が固着される。基板82の抉られた部分は、容器81が上面に配されることで、例えば気密状態の空間Sとされる。
【0004】
容器81の上面側は蓋66が固着され、容器81の内部も気密状態の空間とされる。この容器81の内部には、薄い長方形の水晶振動子5が収容される。
一方、基板82側に形成された空間には、IC回路を構成するICチップ8が収容される。さらに基板82上で容器81の周囲部分の位置には、コンデンサ9等の電子部品がマウントされる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような構造の場合、製造工程において、基板82上に容器81を固着する際の位置決めが的確にしにくいという問題があった。即ち基板82において内部空間Sを形成するために抉った部分の上面に、図4(b)に示す位置状態のように正確に容器81を配置することが容易ではない。
【0006】
そこで図5に示すような構造の水晶発振器61が提案されていた。
図5(a)は水晶発振器61の内部構造を断面的に示し、また図5(b)は上面側からみた様子を示している。
この水晶発振器は、浅い箱形に形成された2つのセラミック基板製の容器本体64、67が上下2段に接合される。上段側の容器本体64(以下、上段容器64という)には、薄い金属(コバール等)製の蓋66をシーム溶接、ろう付け、又は、接着等で接合し、下段側の容器本体67(以下、下段容器67という)は、上段容器64の底部と接合することにより、内部を例えば気密状態に保つことができるようにしている。
【0007】
上段容器64の内部には、薄い長方形の水晶振動子5が収容され、一方、下段容器67の内部には、IC回路を構成するICチップ8やコンデンサ9等の電子部品が収容される。
このような構造において、上部の水晶振動子6を内部に封止した部分を水晶振動部62、下部の電子回路を封止した部分を発振回路部63と呼ぶこととする。
【0008】
下段容器67の底面には、当該水晶発振器61をプリント基板に表面実装するための外部電極13が複数個設けられ、内部の電子部品の所要の端子とセラミック基板のパターンや、スルーホールまたはスルーワイヤ等を介して接続されている。
なお、前記外部電極13の他に、水晶発振器を製造する際に使用する発振周波数調整用の電極14が形成されることもある。
【0009】
このように、水晶発振器61内の発振回路部63を構成する電子回路は、ほとんど、ICチップ1個に集積され、通常1〜3個の外付けのコンデンサや、他の電子部品がICチップ8の外部に接続されるに過ぎない。なお、ICチップ8には、周波数調整回路、温度補償回路等が内蔵されている。
表面実装用の電子部品の外部電極を、プリント基板のプリントパターンに形成されたランドに接合するには、リフローハンダ付けと、金製のバンプ(突起)と導電性接着剤を利用したフリップチップ方式が使用される場合がある。
【0010】
この図5の構造の場合、上段容器64は、上面が開口した外周壁を有する形状とされ、また下段容器67も、上面が開口した外周壁を有する形状とされている。そして図5(a)(b)からわかるように、上段容器64の外周壁64aの外周サイズと、下段容器67の外周壁67aの外周サイズは略同一とされる。
上段容器64と下段容器67の外周サイズが略同一であることは、下段容器67の上面に上段容器64を配置させる際には、その外周が合うように配置すればよい。即ち下段容器67自体が、上段容器64と配置位置のガイドとなる。これによって、製造工程において上段容器64の位置決めが容易且つ適切とできる。
【0011】
しかしながら次のような問題が生じた。
製造時において下段容器67の上面に上段容器64を固着する際には、下段容器67の外周壁67aの上面にクリームハンダを塗布したうえで上段容器64を位置を合わせて積載し、その状態でリフローハンダ付けを行う。
そのリフロー処理において高温化によりハンダが溶融する際には、そのハンダの溶融によって、下段容器67上での上段容器64の配置位置がわずかにずれることがある。
【0012】
ここで、上段容器64と下段容器67の外周サイズが略同一であるため、上記のズレが発生すると、上段容器64と下段容器67は図5(a)に示すようにズレた状態で固着されることになる。この場合、長方形状の各頂点部分はバリとなり、製品として適切でない。
従って、上段容器64の位置決めについては改善されるものの、上記ズレによる製品不良が発生しやすくなり、歩留まりも低下することとなった。
【0013】
【問題を解決するための手段】本発明の水晶発振器は上記の問題点を解決するためになされたもので、製造に好適な水晶発振器の構造を提供することを目的とする。
【0014】
このため本発明の水晶発振器には、上面が開口した外周壁を有する第1の容器の、上記外周壁内側に水晶振動子が搭載されている水晶振動部と、上記第1の容器の上記開口部分を遮蔽するために外周壁の上面に配される蓋部と、上記第1の容器の外周壁と外周サイズが略同一の周壁により成る上側部分と、上記上側部分の周壁の外周サイズより大なる外周サイズとされた下側部分とが一体的に形成されることで断面段差形状とされた第2の容器の内部に、発振回路が形成されている発振回路部とを備える。そして上記第2の容器における上記上側部分の周壁上に、上記第1の容器の上記外周壁の底面部が固着されて成るようにする。
【0015】
つまり第2の容器(下段容器)において、第1の容器(上段容器)を積載することになる上側部分は、上記第1の容器の外周壁と外周サイズが同一の周壁とされていることにより、第1の容器の積載位置を規定できるようにするとともに、第2の容器(下段容器)の下側部分は、上側部分の周壁の外周サイズより大なる外周サイズとすることで、リフロー時にズレが発生しても問題ないものとする。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図1〜図3を参照して説明する。
図1(a)は本実施の形態の水晶発振器1の外観の斜視図であり、図1(b)は蓋6、(水晶振動部の)容器本体4(以下、上段容器という)、および、(発振回路部の)容器本体7(以下、下段容器という)の接合を離して、内部の部品配置を示した斜視図である。
また図2(a)は水晶発振器1の内部構造を断面的に示し、また図2(b)は上面側からみた様子を示している。
【0017】
図1、図2に示した水晶発振器1は、概略の大きさとして平面方向の最大部分で、L=5mm、B=3.2mm程度の長方形とされ、また高さHが約1.5mmのものとされる。
そして、その形状は浅い箱形に形成された2つのセラミック基板製の上段容器4、下段容器7が上下2段に接合される。
上段容器4には、コバール等の薄い金属製の蓋6をシーム溶接、ろう付け、又は、接着等で接合し、また下段容器7は、上段容器4の底部と接合することにより、内部を例えば気密状態に保つことができるようにしている。
また水晶発振器1の底面には、表面実装用の外部電極13や調整用電極14を備えている。
【0018】
水晶振動部2は、浅い箱形のセラミック基板で作られた上段容器4の内側に、水晶振動子5を収容し、蓋6により、その内部が真空状態、あるいは窒素等の不活性ガスが充填された状態で気密封止される。
水晶振動子5は長方形の薄い板状で、両面に蒸着等で金属電極5aが形成され、第1の容器4の内側に形成された電極引き出し部5bと前記金属電極5aが導電性接着剤で接続される。
電極引き出し部5bからは、スルーホールや第1の容器4の内層に形成されたプリントパターン等を経由して、下段容器7の上縁に形成された接続電極10を介して発振回路部3に接続される。
【0019】
発振回路部3の下段容器7も、上段容器4とほぼ同様にセラミック基板から形成され、発振回路を構成する電子部品、即ちICチップ8やコンデンサ9等の電子部品を収容している。
これらセラミック基板はグリーンシート積層法で作られることが多く、アルミナを基板材料にし、導体材料としてモリブデン、タングステン等が使用され、焼成によりプリントパターンを形成したものである。
発振回路部3の下段容器7に形成されたプリントパターンのランドと、ICチップ8に接合されたバンプは導電性接着剤で、また、コンデンサ用の角型ランドとコンデンサ9の外部電極はリフローハンダで接合されている。製造工程としてはコンデンサ9をリフローハンダ付けした後で、ICチップ8を導電性熱硬化接続する。
【0020】
この水晶発振器1において、図1,図2からわかるように、下段容器7は、上段容器4の外周壁と外周サイズが略同一の周壁により成る上側部分7bと、上側部分7bの周壁の外周サイズより大なる外周サイズとされた下側部分7aとが一体的に形成されることで断面段差形状(図1,図2に段差Dとして示す)とされたものである。
なお、シーム溶接される蓋6の平面サイズについては、上段容器4の外周壁の外周サイズと略同一としてもよいし、図示している例のように、上段容器4の外周壁の外周サイズより小さいサイズとしてもよい。
【0021】
そして上段容器4は、下段容器7の上側部分7bとなる周壁上に積載された状態で固着される。
上段容器4の外周サイズと、下段容器7の上側部分7bの外周サイズは略同一であるため、図2に示すように、上段容器4と下段容器7の上側部分7bの外周面は段差を生じさせないように揃うことになる。
【0022】
製造時において下段容器7の上面に上段容器4を固着する際には、上段容器4の上側部分7bとされる周壁の上面にクリームハンダを塗布したうえで上段容器4を積載し、その状態でリフローハンダ付けを行う。
この際、上記のように上段容器4と下段容器7の上側部分7bの外周面は段差を生じないものであるため、例えば図3に示すように所定箇所、例えば平面方向に2辺の場所などにジグJをあてがうことで、下段容器7に積載する上段容器4を容易且つ的確に位置決めできることになる。
【0023】
また、リフロー処理において高温化によりハンダが溶融する際には、そのハンダの溶融によって、下段容器7の上側部分7b上で上段容器4の配置位置がわずかにずれることがあるが、本実施の形態の場合、あくまで下段容器7の上側部分7bに対する、上段容器4のわずかなズレとなる。
そして下段容器7の下側部分7aは、外周サイズが、上側部分7b及び上段容器4の外周サイズより大きいこと、及び上側部分7bの高さサイズは下段容器7の全体の高さサイズの半分以下であることで、リフロー時のわずかなズレは目立つものではなく、また製品として問題となるバリとはならない。
例えリフロー時にズレが発生したとしても、図6(b)に示すように上段容器4は、下段容器7の平面上に収まる。
【0024】
例えば、電子装置の内部基板等に水晶発振器1を実装する際において、図6(a)のよう水晶発振器1の周面に発生したバリは、水晶発振器1自体の実装時の位置決め等に悪影響を与えるが、本実施の形態の場合、あくまでも下段容器7の下側部分7aによって水晶発振器1の平面サイズ(L×B)が規定され、実装時に下段容器7の上側部分7bと上段容器4で生じたバリは、上記平面サイズ(L×B)以内に収まるため、水晶発振器1の実装工程に悪影響を与えない。
また特にいえば、本例の場合、リフロー直前の上段容器4の積載位置が上記のように正確に位置決めできることで、リフロー時のズレ、つまりバリの大きさ自体も微小なものとなるとともに、そのバリは下段容器7の下側部分7aの平面サイズ内に収まるものとなる。
【0025】
つまり本例によれば、リフロー時のズレによる悪影響を回避するために下段容器7の平面サイズを上段容器4の平面サイズより広くした構造であり、しかも、リフロー直前において、クリームハンダを塗布した下段容器7に上段容器4を積載する際に、非常に容易且つ適切に位置決めを行うことができるものである。
位置決めが容易であることは、製造作業の効率化を促進する。また正確な位置決めができることは、たとえリフロー時のズレでバリが発生しても、そのバリは微小なものであり、かつ水晶発振器1(下側部分7a)の平面方向のサイズ内に収まる問題のないものとすることができるため、製造上の歩留まりも向上する。
【0026】
【発明の効果】
以上の説明から理解されるように、本発明の水晶発振器は、第2の容器(下段容器)において、第1の容器(上段容器)を積載する上側部分は、上記第1の容器の外周壁と外周サイズが略同一の周壁とされている。また、第2の容器(下段容器)の下側部分の外周壁サイズは、上側部分の外周サイズよりも大きくされた形状とされている。これにより、リフロー直前での第1の容器の積載位置を容易かつ的確に規定できるという効果があり、さらにリフロー時にズレが発生したとしても、そのズレは製品として問題がないものとすることができる。これらのことから、製造の効率化、製品の歩留まりの向上を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の容器構造を採用した水晶発振器の斜視図である。
【図2】実施の形態の容器構造の断面図及び平面図である。
【図3】実施の形態の上段容器の積載時の説明図である。
【図4】従来例の容器構造の断面図及び平面図である。
【図5】他の従来例の容器構造の断面図及び平面図である。
【図6】リフロー時のズレの影響の説明図である。
【符号の説明】
1 水晶発振器
2 水晶振動部
3 発振回路部
4 上段容器
5 水晶振動子
6 蓋
7 下段容器
7a 下段容器の上側部分
7b 下段容器の下側部分
Claims (1)
- 上面が開口した外周壁を有する第1の容器の、上記外周壁内側に水晶振動子が搭載されている水晶振動部と、
上記第1の容器の上記開口部分を遮蔽するために外周壁の上面に配される蓋部と、
上記第1の容器の外周壁と外周サイズが略同一の周壁により成る上側部分と、上記上側部分の周壁の外周サイズより大なる外周サイズとされた下側部分とが一体的に形成されることで断面段差形状とされた第2の容器の内部に、発振回路が形成されている発振回路部と、
を備え、
上記第2の容器における上記上側部分の周壁上に、上記第1の容器の上記外周壁の底面部が固着されて成ることを特徴とする水晶発振器。
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Cited By (1)
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---|---|---|---|---|
JP2008035141A (ja) * | 2006-07-28 | 2008-02-14 | Kyocera Kinseki Corp | 圧電発振器 |
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JP2003224426A (ja) * | 2001-09-11 | 2003-08-08 | Toyo Commun Equip Co Ltd | 圧電発振器 |
-
2002
- 2002-07-29 JP JP2002220176A patent/JP2004064436A/ja active Pending
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