JP2004064097A - 高精度波長分散測定方法およびそれを用いた自動分散補償型光リンクシステム - Google Patents

高精度波長分散測定方法およびそれを用いた自動分散補償型光リンクシステム Download PDF

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Abstract

【課題】インサービス状態で主信号に瞬断等の影響を与えることなく、光伝送路の波長分散値を高精度に測定し、それを補償するための波長分散補償量を算出する。
【解決手段】キャリア抑圧手段と2値NRZ符号またはパーシャルレスポンス符号を用いて生成されたキャリア抑圧RZ符号化光信号、あるいはキャリア抑圧手段とクロック信号を用いて生成されたキャリア抑圧クロック信号を光伝送路に送信し、光伝送路を伝送されたキャリア抑圧RZ符号化光信号またはキャリア抑圧クロック信号の2つの帯域をそれぞれ帯域分割して受信し、その各帯域における2値NRZ符号成分またはパーシャルレスポンス符号成分またはクロック信号からそれぞれベースバンドの位相情報を抽出してその相対位相差を検出し、その相対位相差から光伝送路の波長分散値を算出する。
【選択図】  図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバ等の波長分散をもつ光伝送路を用いた光リンクシステムにおいて、その光伝送路の波長分散値を高精度に測定し、その補償量を算出する高精度波長分散測定方法に関する。
【0002】
さらに、この方法によって算出された補償量に基づいて分散補償器を制御することにより、光伝送路の波長分散さらには偏波モード分散を自動的に補償する自動分散補償型光リンクシステムに関する。
【0003】
【従来の技術】
高速チャネルを用いた光リンクシステムでは、光伝送路を構成する光ファイバ等がもつ波長分散、あるいは分散スロープ等の高次分散により波形劣化が生じ、それに起因する伝送品質の劣化が問題となっている。これは、光ファイバの波長分散やその高次分散等が、光信号の帯域幅に作用することによりその光パルス波形が崩れ、隣接する光パルスからの干渉を受けることにより発生する。また、光ファイバ等の波長分散は環境温度によっても変動するので、伝送品質の安定性に影響が出る。さらに、ある伝送区間に断線等の故障が発生したときに、ルート切り替えによる波長分散の変化によっても同様の問題が発生する。
【0004】
これらの問題を解決するために、種々の波長分散測定方法および分散補償技術と組み合わせた自動分散補償型光リンクシステムが提案されている。その一つに、受信した光信号から抽出した光クロック信号の強度をモニタし、それが最小または最大になるように波長分散値を制御するものがある。
【0005】
図28は、光時分割多重(OTDM)により生成した40Gbit/s RZ信号と、通常のデューティー比50%のRZ信号における光クロック信号強度と波長分散値の関係を示す(参考文献:G.Ishikawa and H.Ooi,”Demonstration of automaticdispersion equalization in 40Gbit/s OTDM transmission”, Technical Digest of European Conference on Optical Communication, pp.519−520, 1998)。
【0006】
図28(a) に示すOTDMにより生成した40Gbit/s RZ信号における光クロック信号強度には、アイ開口が最大となるポイントで極小値をとる特徴があるので、光クロック信号強度が極小値をとるように波長分散値を制御する。一方、図28(b) に示すデューティー比50%のRZ信号の場合には、光クロック信号強度が最大値を示すように波長分散値を制御する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来方法は、光クロック信号強度とアイ開口の単純な相関を仮定し、光クロック信号強度がOTDM信号では極小値、RZ信号では最大になるときに光信号が受ける波長分散量が0になり、アイ開口が最大になる特徴を利用している。
【0008】
しかし、これは光ファイバへの入射光パワーが十分に小さく、非線形光学効果による位相変調が無視できる領域において成り立つものである。一方、実際の伝送システムでは、このような領域に限って伝送されることはほとんどなく、自己位相変調効果や波長多重では相互位相変調や四光波混合等の非線形光学効果の影響が無視できない。すなわち、光ファイバ等の伝送媒体では、それ自体がもつ光非線形性により自己位相変調が起こり、これと波長分散との相互作用により、必ずしも零分散が最適分散値になるとは限らない。そのような領域では、クロック信号強度の極小(最大)およびアイ開口が最大になるポイントと波長分散が零になるポイントの一致は保証されない。すなわち、従来技術では十分な波長分散補償による伝送品質劣化の抑圧を達成することが困難であった。
【0009】
また、OTDM信号とRZ信号では、上記のように光クロック信号強度が極小値と最大値でそれぞれ最適分散値となるので、符号形式に応じて制御の方法が大きく異なることになる。さらに、OTDM信号は、アイ開口が最大となるポイントで光クロック信号強度が極小値をとるものの、その近傍には2つの極大点が存在する。このため、これを自動的に極小値に制御することは非常に困難になっている。さらに、そのダイナミックレンジは、最大で0.8 、最小で0.4 とわずか3dBしかない。したがって、SN比の観点からも安定した制御が困難になっている。
【0010】
さらに、従来技術では波長分散に応じた光クロック信号強度をモニタする際に、波長分散が正にずれても負にずれても同様に光クロック信号強度が変化し、波長分散値のズレの方向が不明である。したがって、その方向を判別するには、故意に波長分散値をずらしてアイ開口劣化を発生させる必要がある。すなわち、アイ開口劣化による伝送品質の劣化が避けられないので、インサービスでの実施は困難である。
【0011】
本発明は、インサービス状態で主信号に瞬断等の影響を与えることなく、光伝送路の波長分散値を高精度に測定し、それを補償するための波長分散補償量を算出することができる高精度波長分散測定方法を提供することを目的とする。
【0012】
さらに本発明は、この高精度波長分散測定方法と分散補償器を組み合わせ、算出された波長分散補償量に基づいて分散補償器を制御することにより光伝送路の波長分散やそのゆらぎを自動的に補償し、光リンクシステムの安定性および信頼性を向上を図ることができる自動分散補償型光リンクシステムを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の高精度波長分散測定方法は、キャリア抑圧手段と2値NRZ符号またはパーシャルレスポンス符号を用いて生成されたキャリア抑圧RZ符号化光信号、あるいはキャリア抑圧手段とクロック信号を用いて生成されたキャリア抑圧クロック信号を光伝送路に送信し、光伝送路を伝送されたキャリア抑圧RZ符号化光信号またはキャリア抑圧クロック信号の2つの帯域をそれぞれ帯域分割して受信し、その各帯域における2値NRZ符号成分またはパーシャルレスポンス符号成分またはクロック信号からそれぞれベースバンドの位相情報を抽出してその相対位相差を検出し、その相対位相差から光伝送路の波長分散値を算出する。
【0014】
請求項2に記載の高精度波長分散測定方法は、光伝送路を伝送されたキャリア抑圧RZ符号化光信号またはキャリア抑圧クロック信号の2つの帯域の両方と一方をそれぞれ帯域分割して受信し、その各帯域における2値RZまたはNRZ符号成分またはパーシャルレスポンス符号成分またはクロック信号からそれぞれベースバンドの位相情報を抽出してその相対位相差を検出し、その相対位相差から光伝送路の波長分散値を算出する。
【0015】
請求項3に記載の高精度波長分散測定方法は、光伝送路を伝送されたキャリア抑圧RZ符号化光信号またはキャリア抑圧クロック信号の2つの帯域の一方を受信し、その帯域における2値NRZ符号成分またはパーシャルレスポンス符号成分またはクロック信号のベースバンドの位相情報を抽出し、予め基準分散値において測定された位相状態との相対位相差を検出し、その相対位相差から光伝送路の波長分散値を算出する。
【0016】
請求項4に記載の高精度波長分散測定方法は、光伝送路を伝送されたキャリア抑圧RZ符号化光信号またはキャリア抑圧クロック信号の2つの帯域の両方と一方を分割帯域を切り替えて順次受信し、その各帯域における2値RZまたはNRZ符号成分またはパーシャルレスポンス符号成分またはクロック信号からそれぞれベースバンドの位相情報を抽出してその相対位相差を検出し、その相対位相差から光伝送路の波長分散値を算出する。
【0017】
請求項5に記載の高精度波長分散測定方法は、NRZ、RZ符号化光信号または光クロック信号を光伝送路に送信し、前記光伝送路に伝送された前記NRZ、RZ符号化光信号または光クロック信号の2つのVestigial side Band(VSB)帯域をそれぞれ帯域分割して受信し、各帯域におけるNRZ成分またはクロック成分からそれぞれベースバンドの位相情報を抽出してその相対位相差を検出し、その相対位相差から前記光伝送路の波長分散値を算出する。
【0018】
請求項6に記載の高精度波長分散測定方法は、NRZ、RZ符号化光信号または光クロック信号を光伝送路に送信し、前記光伝送路に伝送された前記NRZ、RZ符号化光信号または光クロック信号の2つのVSB帯域の両方と一方をそれぞれ帯域分割して受信し、各帯域におけるNRZ成分またはクロック成分からそれぞれベースバンドの位相情報を抽出してその相対位相差を検出し、その相対位相差から前記光伝送路の波長分散値を算出する。
【0019】
請求項7に記載の高精度波長分散測定方法は、NRZ、RZ符号化光信号または光クロック信号を光伝送路に送信し、前記光伝送路に伝送された前記NRZ、RZ符号化光信号または光クロック信号の2つのVSB帯域の一方を受信し、その帯域におけるNRZ成分またはクロック成分からそれぞれベースバンドの位相情報を抽出し、予め基準分散値において測定された位相状態との相対位相差を検出し、その相対位相差から前記光伝送路の波長分散値を算出する。
【0020】
請求項8に記載の高精度波長分散測定方法は、NRZ、RZ符号化光信号または光クロック信号を光伝送路に送信し、前記光伝送路に伝送された前記NRZ、RZ符号化光信号または光クロック信号の2つのVSB帯域の両方と一方を分割帯域を切り替えて順次受信し、その各帯域におけるNRZ成分またはクロック成分からそれぞれベースバンドの位相情報を抽出してその相対位相差を検出し、その相対位相差から前記光伝送路の波長分散値を算出する。
【0021】
また、キャリア抑圧RZ符号化光信号またはキャリア抑圧クロック信号の生成は、連続光を2値NRZ符号またはパーシャルレスポンス符号またはクロック信号で変調し、さらにその変調信号のビットレートのm/2倍(mは正の整数)の周波数を有するクロック信号を用いた変調により交番した位相差を加えてRZ符号化する(請求項9)。
【0022】
また、キャリア抑圧RZ符号化光信号またはキャリア抑圧クロック信号の生成は、連続光を変調信号のビットレートのm/2倍(mは正の整数)の周波数を有するクロック信号で変調してキャリア抑圧クロック信号を生成し、このキャリア抑圧クロック信号を変調信号として2値NRZ符号またはパーシャルレスポンス符号またはクロック信号で変調する(請求項10)。
【0023】
請求項11に記載の高精度波長分散測定方法は、連続光または変調信号にトーン信号を重畳し、受信側では、キャリア抑圧RZ符号化光信号またはキャリア抑圧クロック信号の2つの帯域をそれぞれ帯域分割して受信し、その各帯域におけるトーン信号を分離して相対位相差を検出し、その相対位相差から光伝送路の波長分散値を算出する。
【0024】
請求項12に記載の高精度波長分散測定方法は、連続光または変調信号にトーン信号を重畳し、受信側では、キャリア抑圧RZ符号化光信号またはキャリア抑圧クロック信号の2つの帯域の両方と一方をそれぞれ帯域分割して受信し、その各帯域におけるトーン信号を分離して相対位相差を検出し、その相対位相差から光伝送路の波長分散値を算出する。
【0025】
請求項13に記載の高精度波長分散測定方法は、連続光または変調信号にトーン信号を重畳し、受信側では、キャリア抑圧RZ符号化光信号またはキャリア抑圧クロック信号の2つの帯域の一方を受信し、その帯域におけるトーン信号を分離して位相情報を抽出し、予め基準分散値において測定された位相状態との相対位相差を検出し、その相対位相差から光伝送路の波長分散値を算出する。
【0026】
請求項14に記載の高精度波長分散測定方法は、連続光または変調信号にトーン信号を重畳し、受信側では、キャリア抑圧RZ符号化光信号またはキャリア抑圧クロック信号の2つの帯域の両方と一方を分割帯域を切り替えて順次受信し、その各帯域におけるトーン信号を分離して相対位相差を検出し、その相対位相差から光伝送路の波長分散値を算出する。
【0027】
請求項15に記載の高精度波長分散測定方法は、前記トーン信号が、前記光伝送路にラマン利得を生じさせることにより前記連続光または前記変調信号に対して重畳される。
【0028】
請求項16に記載の自動分散補償型光リンクシステムは、光伝送路を介して接続される波長多重光送信装置および波長多重光受信装置の少なくとも一つの波長チャネルに、請求項1から15のいずれかに記載の高精度波長分散測定方法によって前記光伝送路の波長分散値を算出する手段を備える。
【0029】
請求項17に記載の自動分散補償型光リンクシステムは、光伝送路を介して接続される光送信装置および光受信装置に、請求項1から15のいずれかに記載の高精度波長分散測定方法によって光伝送路の波長分散値を算出する手段を備え、光送信装置または光伝送路または光受信装置のいずれかに、この手段によって算出された光伝送路の波長分散値に基づいて分散補償を行う分散補償手段を備える。
【0030】
請求項18に記載の自動分散補償型光リンクシステムは、光伝送路を介して接続される波長多重光送信装置および波長多重光受信装置の少なくとも一つの波長チャネルに、請求項1から15のいずれかに記載の高精度波長分散測定方法によって前記光伝送路の波長分散値を算出する手段を備え、前記波長チャネルの前記波長多重光送信装置または前記波長多重光受信装置のいずれかに、前記波長分散値を算出する手段によって算出された前記光伝送路の波長分散値に基づいて分散補償を行う分散補償手段を備える。
【0031】
請求項19に記載の自動分散補償型光リンクシステムは、前記波長分散値を算出する手段が、複数の波長チャネルに対して適用するよう切り替えることができる光スイッチを備え、前記波長分散値を算出する手段を複数の波長チャネルの間で共用する。
【0032】
請求項20に記載の自動分散補償型光リンクシステムは、前記波長分散値を算出する手段が、複数の波長チャネルに対して適用するよう切り替えることができる光スイッチを備え、前記波長チャネルの前記波長多重光送信装置または前記波長多重光受信装置のいずれかに、前記波長分散値を算出する手段によって算出された前記光伝送路の波長分散値に基づいて分散補償を行う分散補償手段を備える。
【0033】
請求項21に記載の自動分散補償型光リンクシステムは、キャリア抑圧クロック生成手段と2値NRZ符号またはパーシャルレスポンス符号化手段により生成されたキャリア抑圧RZ符号化光信号を生成する光送信装置とその信号を受信する受信部とこの受信部と前記送信部との間に介挿された光伝送路とを備え前記受信部は、波長分散量を変化させて波長分散補償を行う波長分散補償手段と、前記キャリア抑圧RZ符号化光信号の2つの帯域をそれぞれ分割する帯域分割手段と、分割されたそれぞれの帯域の光信号を光電気変換する光電変換手段と、前記光電変換手段から出力されたベースバンド信号から任意の中心周波数を有するベースバンド成分を抽出するバンド抽出手段と、それぞれの帯域の光信号から抽出された同一の中心周波数を有するベースバンド成分の位相情報を抽出し比較する位相比較手段とからなる。
【0034】
請求項22に記載の自動分散補償型光リンクシステムは、キャリア抑圧クロック生成手段と2値NRZ符号またはパーシャルレスポンス符号化手段により生成されたキャリア抑圧RZ符号化光信号生成する光送信装置とその信号を受信する受信部とこの受信部と前記送信部との間に介挿された光伝送路とを備え、前記受信部は、波長分散量を変化させて波長分散補償を行う波長分散補償手段と、前記キャリア抑圧RZ符号化光信号の2つの帯域をそれぞれ分割する帯域分割手段と、分割されたそれぞれの帯域から任意の光周波数差を有する光帯域を抽出する光帯域抽出手段と、それぞれの帯域から抽出された光帯域を光電気変換する光電変換手段と、光電変換手段から出力されたベースバンド信号から位相情報を抽出し比較する位相比較手段とからなる。
【0035】
請求項23に記載の自動分散補償型光リンクシステムは、偏波分散補償を行う偏波分散補償手段とそれぞれの分割された帯域から抽出された光帯域もしくはベースバンド成分の少なくとも一方についてその強度を測定する強度測定手段とをさらに備える。
【0036】
請求項24に記載の光受信装置は、光伝送路からディジタル光信号を受信する装置であって、受信した前記ディジタル光信号の光スペクトル成分のうち少なくとも2つの異なる周波数成分を分離して抽出する手段と、前記抽出した成分間の相対的位相差を検出する位相比較手段と、前記位相比較手段から得られた相対位相差情報をもとに前記ディジタル光信号が前記光伝送路中で被った波長分散量を算出する波長分散測定手段と、前記波長分散測定手段の測定結果に基づき前記光伝送路の波長分散を補償する分散補償手段とを備える。
【0037】
請求項25に記載の光受信装置は、偏波モード分散補償手段を有し、分割された帯域から抽出された光帯域もしくはベースバンド成分の少なくとも一方についてその強度を測定する強度測定手段をさらに備える。
【0038】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の自動分散補償型光リンクシステムの基本構成を示す。
図において、本実施形態の自動分散補償型光リンクシステムは、キャリア抑圧手段と2値NRZ符号またはパーシャルレスポンス符号を用いて生成されたキャリア抑圧RZ符号化光信号、あるいはキャリア抑圧手段とクロック信号を用いて生成されたキャリア抑圧クロック信号を送信する光送信装置1と、光伝送路3を介して伝送されたキャリア抑圧RZ符号化光信号またはキャリア抑圧クロック信号を帯域分割して受信し、2値NRZ信号またはパーシャルレスポンス信号成分またはクロック信号を取り出し、その位相情報から算出される波長分散値に基づいて分散補償を行う光受信装置2により構成される。
【0039】
なお、光伝送路3には、送信端、受信端、あるいはその中間に、光受信装置3で十分なSN比を確保するための十分な光パワーが得られるように光増幅器を配置してもよい。
【0040】
以下の説明では、パーシャルレスポンス符号としてデュオバイナリ信号から生成されたキャリア抑圧RZ符号化光信号(以下「DCS−RZ光信号」という)を送信し、受信側でDCS−RZ光信号を帯域分割して受信し、そのベースバンドにおける相対位相差を検出する例を基本に説明するが、2値NRZ符号、多値のパーシャルレスポンス符号、あるいはクロック信号を用いる場合も同様である。DCS−RZ光信号については、文献(Miyamoto.Y. et al.,”Duobinary carrier−suppressed return−to−zero format and its application to 100GHz−spaced 8x43−Gbit/s DWDM unrepeatered transmission over 163km”, Optical Fiber Communication Conference and Exhibit.2001, OFC2001, vol.2, 2001)に詳細に説明されている。
【0041】
次に、第1の実施形態における自動分散補償型光リンクシステムについて説明する。
<第1の実施形態における光送信装置1の第1の構成例>
図2は、光送信装置1の第1の構成例を示す。図において、光送信装置1は、連続光を出力する連続光光源11と、連続光をデュオバイナリ信号で強度及び位相変調して光デュオバイナリ信号を生成するプッシュプル型マッハツェンダ光変調器12と、光デュオバイナリ信号にクロック信号を用いて交番した位相差を加えてRZ符号化し、DCS−RZ光信号に変換するプッシュプル型マッハツェンダ光変調器13により構成される。
【0042】
連続光光源11は、例えばDFBレーザを用いる。プッシュプル型マッハツェンダ光変調器12,13は、リチウムナイオベイト(LN)基板または半導体基板上に形成したマッハツェンダ干渉計型の光強度変調器であり、その2つのアームにそれぞれ変調のための電極を備え、両者を相補的に駆動することによりチャープフリーに変調できるものである。なお、X−cut構造のものを採用すれば、単一電極でもチャープフリー変調の実現は可能である。
【0043】
光送信装置1の動作について説明する。プッシュプル型マッハツェンダ光変調器12の各電極に、2値のバイナリ信号から変換された3値のデュオバイナリ信号を相補的に入力してプッシュプル駆動すると、連続光光源11から出力された連続光が強度及び位相変調され、通常のNRZ符号に比較して約半分の帯域をもつ光デュオバイナリ信号が生成される。
【0044】
この光デュオバイナリ信号をプッシュプル型マッハツェンダ光変調器13に入力し、同期したクロック信号でプッシュプル駆動して変調する。このとき、動作点を無変調時の透過率が最小の電圧とし、駆動するクロック信号の周波数を前段で生成された光デュオバイナリ信号のビットレートNbit/s の半分(N/2Hz)とする。これにより、プッシュプル型マッハツェンダ光変調器13は、交番位相RZ化する機能を備えたゲート特性をもち、DCS−RZ光信号が生成される。
【0045】
この様子を図4に模式的に示す。図4(a) は前段のプッシュプル型マッハツェンダ光変調器12から出力される光デュオバイナリ信号であり、この光デュオバイナリ信号の位相に合わせて、図4(b) に示すようにプッシュプル型マッハツェンダ光変調器13のプッシュプル駆動のゲート位相を設定する。この操作により、図4(c) に示すビット間位相差をもつRZ符号化光信号が得られる。これがDCS−RZ光信号の波形であり、図4(d) に示すように光スペクトルはキャリア成分が抑圧され、周波数差Nの2つの光デュオバイナリ成分を有する光スペクトルとなる。
【0046】
なお、後段のプッシュプル型マッハツェンダ光変調器13を駆動するクロック信号の周波数は、前段で生成された光デュオバイナリ信号のビットレートNbit/s に対して一般的にmN/2Hz(mは正の整数)としてもよい。例えばm=2の場合には、DCS−RZ光信号の2つの光デュオバイナリ成分の周波数差は2倍(2NHz)となる。
【0047】
<第1の実施形態における光送信装置1の第2の構成例>
図3は、光送信装置1の第2の構成例を示す。図において、光送信装置1は、連続光光源11から出力される連続光をプッシュプル型マッハツェンダ光変調器13に入力してクロック信号で変調して交番位相RZ符号化を行い、生成されるキャリア抑圧クロック信号をデュオバイナリ信号で変調するプッシュプル型マッハツェンダ光変調器12に入力する構成である。すなわち、前段のプッシュプル型マッハツェンダ光変調器13をクロック信号(周波数N/2)でプッシュプル駆動し、後段のプッシュプル型マッハツェンダ光変調器12をデュオバイナリ信号(ビットレートN)でプッシュプル駆動することにより、DCS−RZ光信号を生成する。
【0048】
<第1の実施形態における光送信装置1の第3の構成例>
図2および図3に示すプッシュプル型マッハツェンダ光変調器12をプッシュプル駆動する信号はデュオバイナリ信号に限らず、多値化したパーシャルレスポンス符号、または2値NRZ符号、またはプッシュプル型マッハツェンダ光変調器13を駆動するクロック信号とは独立した周波数のクロック信号を用いてもよい。その場合に光送信装置1から出力される光信号は、キャリア抑圧RZ符号化光信号またはキャリア抑圧クロック信号となり、光受信装置2では2つのパーシャルレスポンス符号成分、または2値NRZ符号成分またはクロック信号を帯域分割して受信することになる。
【0049】
<第1の実施形態における光送信装置1の第4の構成例>
図5は、光送信装置1の第4の構成例を示す。ここでは、図2に示す第1の構成例に対応する例を示すが、図3に示す第2の構成例の場合も同様である。
【0050】
図5(a) において、連続光光源11は、外部から供給されるトーン信号により連続光に微小な強度変調を重畳できる構成のものを用いる。その場合には、光受信装置2でDCS−RZ光信号を帯域分割して受信し、トーン信号を抽出してその位相状態を検出する。
【0051】
また、連続光光源11をトーン信号で直接変調する代わりに、電界吸収型光変調器やLN光変調器を用いた外部変調構成としてもよい。
【0052】
さらに、図5(b) に示すように、プッシュプル型マッハツェンダ光変調器12を駆動するデュオバイナリ信号、2値NRZ信号、クロック信号にトーン信号を重畳し、光受信装置2で同様にトーン信号を抽出する構成としてもよい。
【0053】
<第1の実施形態における光受信装置2の第1の構成例>
図6は、光受信装置2の第1の構成例を示す。図において、光受信装置2は、伝送されたDCS−RZ光信号のスペクトル成分中の2つのSSB成分(USB成分、LSB成分)を分離する帯域分割手段21と、USB成分およびLSB成分をそれぞれ直接検波してクロック信号成分を抽出する光受信器22−1,22−2と、各クロック信号成分の相対位相差を検出する位相比較器23と、この相対位相差を波長分散制御情報としてフィードバック入力して光伝送路3の波長分散補償を行う可変分散補償器24により構成される。
【0054】
帯域分割手段21は、光分岐器とUSB,LSB成分をそれぞれ分離する2つの光帯域通過型フィルタ、光ファイバまたは光導波路上に形成されたマッハツェンダ干渉計型の光フィルタ、アレイ導波路回折格子型フィルタ(AWG)などを用いる。光受信器22は、光電変換機能と信号再生機能を有し、タイミング抽出回路で抽出されたクロック信号を出力する構成である。位相比較器23は、光受信器22−1,22−2の各タイミング抽出回路から出力された2つのクロック信号成分の位相差に応じた電圧を出力するミキサを用いた構成、あるいはADコンバータ等を介して波形サンプリングを行って位相差を求める構成である。
【0055】
可変分散補償器24は、波長分散制御情報に基づいてその分散量を変化させる構成であり、例えばAWGを用いた構成(Hirano.A. et al.,”640Gbit/s (16 channel/spl times/42.7Gbit/s) WDM L−band DSF transmission experiment using 25nm bandwidth AWG dispersion slope compensator”, Electronics Letters, vol.36, no.19, pp.1638−1639, 2000 )、VIPA(Shirasaki.M. et al.,”Variable dispersion compensator using the virtually imaged phased array (VIPA) for 40−Gbit/s WDM transmission systems”, ECOC2000 PDP)、可変ファイバグレーティング(Ohn.M.M. et al.,”Dispersion variable fiber Bragg grating using a piezoelectric stack”, Electronics Letters, vol.32, no.21, pp.2000−2001, 1996)などを用いることができる。
【0056】
光受信装置2の動作について、図7を参照して説明する。光送信装置1から出力されるDCS−RZ光信号の光スペクトルは、2つのUSB,LSB成分がビットレートNに対応した周波数だけ離れたものとなる(図7(a))。光伝送路3を伝送されたDCS−RZ光信号は、光受信装置2の帯域分割手段21に入力され、USB,LSB成分がそれぞれが選択される(図7(b))。これらのUSB,LSB成分は、光受信器22−1,22−2でそれぞれ自乗検波され(図7(c))、タイミング抽出回路でクロック信号が抽出出力される(図7(d))。位相比較器23は、2つのUSB,LSB成分に対応するクロック信号の相対位相差Δφを求め、波長分散制御情報として可変分散補償器24へフィードバックする。可変分散補償器24は、波長分散制御情報に基づいてその分散量を変化させ、光伝送路3の波長分散値と合わせた総波長分散値が受信の際の最適値になるように制御することにより、光伝送路3の波長分散の影響を最小限に抑えて良好で安定した伝送品質を保つことができる。
【0057】
なお、ここでは光受信器のタイミング抽出回路でクロック信号を抽出して相対位相差を求める構成を示したが、位相比較器23として上記のADコンバータ等を介して波形サンプリングを行って位相差を求める構成のものを用いれば、必ずしもクロック信号を抽出する必要がなく、ディジタル信号の波形そのものの時間遅延から必要な波長分散制御情報を得ることが可能である。
【0058】
また、図5に示したように、光送信装置1でトーン信号を重畳して伝送する場合には、光受信器22−1,22−2で自乗検波後にバンドパスフィルタでトーン信号を分離し、位相比較器23では2つのトーン信号の相対位相差を検出する構成としてもよい。
【0059】
<第1の実施形態における光受信装置2の第2の構成例>
図8は、光受信装置2の第2の構成例を示す。図において、光受信装置2は、伝送されたDCS−RZ光信号を2分岐する光分岐器25と、その一方から1つのSSB成分(USB成分またはLSB成分)を分離する光フィルタ26と、DCS−RZ光信号と分離されたSSB成分をそれぞれ直接検波してクロック信号成分を抽出する光受信器22−1,22−2と、各クロック信号成分の相対位相差を検出する位相比較器23と、この相対位相差を波長分散制御情報としてフィードバック入力して光伝送路3の波長分散補償を行う可変分散補償器24により構成される。
【0060】
本構成例の特徴は、光受信器22−1でDCS−RZ光信号を直接受信し、DCS−RZ光信号から抽出したクロック信号成分と、そのUSB成分またはLSB成分から抽出したクロック信号成分の相対位相差を求めるところにある。DCS−RZ光信号からクロック信号成分を抽出する場合には、クロック信号成分は2つのSSB成分のビートにより発生するので、波長分散に伴う位相ずれを起こさない。すなわち、非常に安定した位相のリファレンスとして使用でき、測定される波長分散制御情報の信頼性向上につながる。
【0061】
<第1の実施形態における光受信装置2の第3の構成例>
図9は、光受信装置2の第3の構成例を示す。図において、光受信装置2は、伝送されたDCS−RZ光信号から1つのSSB成分(USB成分またはLSB成分)を分離する光フィルタ26と、そのSSB成分を直接検波してクロック信号成分を抽出する光受信器22と、このクロック信号成分と予め基準分散値において測定しておいた位相状態との相対位相差を検出する位相比較器27と、この相対位相差を波長分散制御情報としてフィードバック入力して光伝送路3の波長分散補償を行う可変分散補償器24により構成される。
【0062】
本構成例の特徴は、光フィルタ26、光受信器22および位相比較器27で、予め基準分散値においてクロック信号成分の位相状態を測定して記憶し、次に測定対象の光伝送路を介して伝送されたDCS−RZ光信号のクロック信号成分との相対位相差を検出するところにある。これにより、光受信装置2の構成を簡単にすることができる。
【0063】
<第1の実施形態における光受信装置2の第4の構成例>
図10は、光受信装置2の第4の構成例を示す。図において、光受信装置2は、伝送されたDCS−RZ光信号とその1つのSSB成分(USB成分またはLSB成分)を交互に分離する帯域可変光フィルタ28と、順次分離されたDCS−RZ光信号および1つのSSB成分を直接検波してクロック信号成分を抽出する光受信器22と、順次抽出された各クロック信号成分の相対位相差を検出する位相比較器29と、この相対位相差を波長分散制御情報としてフィードバック入力して光伝送路3の波長分散補償を行う可変分散補償器24により構成される。
【0064】
本構成例の特徴は、帯域可変光フィルタ28、光受信器22および位相比較器29で、まずDCS−RZ光信号を受信してクロック信号成分を検出し、次に例えばUSB成分を受信してクロック信号成分を検出し、各クロック信号成分の相対位相差を検出するところにある。これにより、光受信装置2の構成を簡単にすることができる。
【0065】
なお、以上示した各光受信装置2の位相比較器23,27,29では、光受信器22で抽出されたクロック信号を用いて位相比較を行っているが、上記のADコンバータ等により受信波形をディジタル化し、その波形そのものの時間遅延から波長分散制御情報を得るようにしてもよい。
【0066】
また、光送信装置1でトーン信号を重畳して伝送する場合には、位相比較器では2つのトーン信号の相対位相差を検出する構成としてもよい。このトーン信号は、主信号のビットレートとは独立に周波数を設定することができるので、トーン信号の周波数を変化させることにより、2つのトーン信号の相対位相差の検出感度および範囲、すなわち光伝送路3の波長分散値の検出感度および範囲をフレキシブルに変更することができる。
【0067】
また、以上示した各光受信装置2では、受信側で分散補償を行う構成になっているが、可変分散補償器24を送信側に配置し、監視信号回線等を利用して光受信装置2で検出した波長分散制御情報を送信側に伝達する構成としてもよい。
【0068】
次に、第2の実施形態における自動分散補償型光リンクシステムについて説明する。
<第2の実施形態における自動分散補償型光リンクシステムの第1の構成例>
図11は、自動分散補償型光リンクシステムの第1の構成例を示す。この図に示す自動分散補償型光リンクシステムは、安定した連続光を発生するDFB−LD(DFBレーザダイオード)11と、マッハツェンダ光変調器12と、光増幅器14と、光信号を伝搬させる光伝送路3と、光伝送路3の損失により減衰した光を増幅する光増幅器31と、光伝送路3における群速度分散を補償する可変分散補償器24と、NRZまたはRZ光信号のVSBの高周波成分及び低周波成分をそれぞれ切り出す光フィルタ26−1、26−2と、トーン信号により分散測定する際において、光フィルタ26−1,26−2によってそれぞれ切り出された光信号を自乗検波し、この検波信号よりトーン信号を分離するバンドパスフィルタを具備する光受信器22−1、22−2と、光受信器22−1、22−2それぞれから出力されるクロック信号の、基準分散値における位相等との相対位相差を測定する位相比較器23とから構成される。
【0069】
次に、本構成例の動作を説明する。本構成例の基本動作は、第1の実施形態のシステムに準ずるが、第1の実施形態においては2つのSSB成分すなわちUSB、LSBの両方を分離してそれぞれ受信していたのに対して、本構成例の動作における特徴は、NRZあるいはRZ光信号のVSB成分の片方ずつを光フィルタ26−1、26−2により選択して受信し、それらの間の相対位相差により波長分散を検出する構成を採ることである。本構成例によれば、キャリア抑圧手段を必要としない通常のNRZやRZ光信号に対しても適用できるため、安価に高精度な分散測定を実現できる。
【0070】
<第2の実施形態における自動分散補償型光リンクシステムの第2の構成例>
図12は、自動分散補償型光リンクシステムの第2の構成例を示す。この図に示す自動分散補償型光リンクシステムは、DFB−LD11、マッハツェンダ光変調器12、光増幅器14等により構成され、それぞれ異なるn(nは自然数)種類の光波長を持つ複数の光送信器1と、これら光送信器1より発生する光信号を波長多重する光合波手段15と、光信号を伝搬させる光伝送路3と、伝送した波長多重信号をそれぞれ波長ごとに分離する光分波手段33と、光伝送路3の損失により減衰した光を増幅する複数の光増幅器31−1〜31−nと、光伝送路3における群速度分散を補償する複数の可変分散補償器24−1〜24−nと、これら光信号からその一部の光を分岐する複数の光分岐39−1〜39−nと、分岐された複数の光信号から任意の1チャネルを選択する機能を持つ光SW回路36と、キャリア抑圧RZ光信号の二つのSSB成分を切り出す、あるいはNRZまたはRZ光信号のVSB成分の片方ずつをそれぞれ切り出す光フィルタ26−1、26−2と、トーン信号により分散測定する際において、光フィルタ26−1,26−2によってそれぞれ切り出された光信号を自乗検波し、この検波信号よりトーン信号を分離するバンドパスフィルタを具備する光受信器22−1、22−2と、光受信器22−1、22−2それぞれから出力されるクロック信号の、基準分散値における位相等との相対位相差を測定する位相比較器23と、位相比較器23より得られた位相変化量情報に基づいて波長分散値を計算し、可変分散補償器24−1〜24−nにこれを補償する分散値を取るよう制御する制御回路37とから構成される。
【0071】
光合波手段15、光分波手段33には、アレイ導波路型回折格子等を用いることができる。光フィルタ26−1、26−2には、アレイ導波路型回折格子やマッハツェンダ干渉計型光フィルタを用いることができる。本構成例においては、光フィルタ26−1、26−2に周期的透過率特性を持つ光フィルタを用い、その繰返し周期が光分波手段33の繰返し周期、すなわち波長間隔の整数分の1のものを用いるのが望ましい。
【0072】
次に、本構成例の動作を説明する。本構成例の基本動作は、第1の実施形態のシステムに準ずるが、第1の実施形態においては一つの波長の光信号のみを考慮していたが、本構成例では複数の波長チャネルを持つ波長多重システムに対して適用している。本構成例によれば、各波長チャネルの波長分散量をそれぞれ個別に測定できるため、それぞれ個別に最適となる波長分散量に補償することができる。またその際に用いる検出回路は1つでよいため、安価に安定なリンクシステムを構築することができる。また、光フィルタ26−1、26−2に波長間隔と等しい周期を持つマッハツェンダ干渉計型光フィルタ等を用いると、各チャネルの光信号はそれぞれUSBおよびLSB成分に同時に分離することができる。
【0073】
<第2の実施形態における自動分散補償型光リンクシステムの第3の構成例>
図13は、自動分散補償型光リンクシステムの第3の構成例を示す。この図に示す自動分散補償型光リンクシステムは、安定した連続光を発生するDFB−LD、マッハツェンダー光変調器、光増幅器等により構成され、それぞれ異なる光波長を持つ複数の光送信装置1、これら光送信装置1より発生する光信号を波長多重する光合波手段15、光信号を伝搬させる光伝送路3、光伝送路3にラマン利得を持たせるための励起光源16、励起光源光を光伝送路3に入射するための光合波器17、伝送した波長多重信号をそれぞれ波長ごとに分離する光分波手段33、光伝送路3の損失により減衰した光を増幅する複数の光増幅器31−1〜31−n、光伝送路3における群速度分散を補償する可変分散補償器24−1〜24−n、これら光信号からその一部の光を分岐する複数の光分岐39−1〜39−n、分岐された複数の光信号から任意の1チャネルを選択する機能を持つ光SW回路36、キャリア抑圧RZ光信号の二つのSSB成分を切り出す、あるいはNRZまたはRZ光信号のVSB成分の片方づつをそれぞれ切り出す光フィルタ26−1,26−2、切り出された光信号を自乗検波し、トーン信号により分散測定する際において、光フィルタ26−1,26−2によってそれぞれ切り出された光信号を自乗検波し、この検波信号よりトーン信号を分離するバンドパスフィルタを具備する光受信器22−1、22−2と、光受信器22−1、22−2それぞれから出力されるクロック信号の、基準分散値における位相等との相対位相差を測定する位相比較器23と、位相比較器23より得られた位相変化量情報に基づいて波長分散値を計算し、可変分散補償器24−1〜24−nにこれを補償する分散値を取るよう制御する制御回路37とから構成される。
【0074】
本構成例は、トーン信号を重畳する手段を、ラマン利得を得るための励起光源16とトーン信号により強度変調することで実現するものである。本構成を用いることにより、各光送信装置1へ個別に変調するための手段を、1つの励起光源16を変調することにより実現するため、より低コストでかつ簡易な構成で実現できる。この構成においては、励起光源16より励起光を注入する側の光伝送路3部分によりラマン利得の大きな光ファイバを用いることで、変調の効率を上げることができることは言うまでも無い。これには通常の分散補償ファイバ等が利用できる。
【0075】
<第2の実施形態における自動分散補償型光リンクシステムの第4の構成例>
図14は、自動分散補償型光リンクシステムの第4の構成例を示す。この図に示す自動分散補償型光リンクシステムは、DFB−LD11、マッハツェンダ光変調器12、光増幅器14等により構成され、それぞれ異なる光波長を持つ複数の光送信器1と、これら光送信器1より発生する光信号を波長多重する光合波手段15と、光信号を伝搬させる光伝送路3と、光伝送路3における群速度分散を分散スロープを含めて補償する可変分散補償器24と、伝送した波長多重信号をそれぞれ波長ごとに分離する光分波手段33と、光伝送路3の損失により減衰した光を増幅する複数の光増幅器31−1〜31−nと、これら光信号からその一部の光を分岐する複数の光分岐39−1〜39−nと、分岐された複数の光信号から任意の1チャネルを選択する機能を持つ光SW回路36と、キャリア抑圧RZ光信号の二つのSSB成分を切り出す、あるいはNRZまたはRZ光信号のVSB成分の片方づつをそれぞれ切り出す光フィルタ26−1、26−2と、トーン信号により分散測定する際において、光フィルタ26−1,26−2によってそれぞれ切り出された光信号を自乗検波し、この検波信号よりトーン信号を分離するバンドパスフィルタを具備する光受信器22−1、22−2と、光受信器22−1、22−2それぞれから出力されるクロック信号の、基準分散値における位相等との相対位相差を測定する位相比較器23と、位相比較器23より得られた位相変化量情報に基づいて波長分散値を計算し、可変分散補償器24−1〜24−nにこれを補償する分散値を取るよう制御する制御回路37とから構成される。
【0076】
次に、本構成例の動作を説明する。本構成例の基本動作は、第2の実施形態における第2のシステム構成例に準ずるが、第2の実施形態における第2のシステム構成例においては、群速度分散を各波長チャネル毎に個別に補償していたのに対して、本構成では複数の波長チャネルを、分散スロープを含めてまとめて補償できる可変分散補償器24を備えることである。一括して複数の波長チャネルを補償できるため、可変分散補償器24の必要数を削減でき、より安価なシステムを提供することができる。
【0077】
次に、第3の実施形態における自動分散補償型光リンクシステムについて説明する。
<第3の実施形態における自動分散補償型光リンクシステムの第1の構成例>
図15は、自動分散補償型光リンクシステムの第1の構成例を示す。この図において光送信装置1は、キャリア抑圧手段と2値NRZ符号またはパーシャルレスポンス符号を用いて生成されたキャリア抑圧RZ符号化光信号を送信する。光伝送路3を介して伝送されたキャリア抑圧RZ符号化光信号は光分岐42によって光分岐され、一方は光受信器43に入力され、もう一方は帯域分割手段44に入力される。帯域分割手段44によって2値NRZ符号またはパーシャルレスポンス符号を取り出した後、光電変換器45−1、45−2によって光電気変換を行いベースバンドに変換する。続いて、バンド抽出手段46−1、46−2において、変換されたベースバンドから任意の中心周波数を持つバンドを取り出し、位相比較手段47によって位相情報から算出される波長分散値に基づいて波長分散補償手段41を変化させ、波長分散を補償する。
なお、光伝送路3には、送信端、受信端、あるいはその中間に光受信器で十分なSN比を確保するための十分な光パワーが得られるように光増幅器を配置してもよい。
【0078】
以下の説明では、デュオバイナリ符号から生成されたキャリア抑圧RZ符号化光信号(以下、DCS−RZ光信号という)を用いて説明するが、2値NRZ信号を用いたキャリア抑圧RZ符号化光信号(DCS−RZ光信号)、多値のパーシャルレスポンス符号を用いる場合も同様である。CS−RZ光信号については、文献(Y. Miyamoto et. al., ”320−Gbit/s (8x40Gbit/s) WDM transmission over 367−km zero−dispersion−flattened line with 120−km repeater spacing using carrier−suppressed return−to−zero pulse format”, Tech. Dig. OAA ’99, PDP4, 1999)に、DCS−RZ光信号については、文献(Y. Miyamoto et. al., ”Duobinary carrier suppressed return−to−zero format and its application to 100GHz−spaced 8x43Gbit/s DWDM unrepeatered transmission over 163km”, Tech. Dig. OFC2001, Vol. 2, 2001)に詳細に説明されている。
【0079】
DCS−RZ信号の光スペクトルは、図25に示すようにキャリア成分が抑圧された周波数差N(ビットレート)の2つの光デュオバイナリ成分(USB及びLSB)を有する光スペクトルとなる。帯域分割手段44は、USB及びLSB成分をそれぞれ分割する2つの光帯域通過型フィルタ、光ファイバまたは光導波路上に形成されたマッハツェンダ干渉計型光フィルタ、アレイ導波路回折格子型フィルタなどを用いる。また、位相比較手段47は、バンド抽出手段46−1、46−2から出力された2つのクロック信号の位相差に応じた電圧を出力するミキサを用いた構成、あるいはA/Dコンバータなどを介して波形サンプリングを行って位相差を求める構成を用いる。また、波長分散補償手段41は、波長分散制御情報に基づいてその波長分散値を変化させる構成であり、例えば、AWGを用いた構成、Virtually Imaged Phased Array(VIPA)を用いた構成、可変ファイバグレーティングを用いた構成などがある。
【0080】
次に、図25を参照して図15に示すシステムの動作を説明する。光送信装置1から光伝送路3を介して伝送されたDCS−RZ信号(図25(a))を帯域分割手段44によってUSB及びLSB成分に分割する(図25(b))。そして、それぞれの成分を光電変換によってベースバンドに変換する。次に、USB及びLSB成分から変換されたベースバンドから、バンド抽出手段46−1、46−2によって任意の中心周波数成分(図25ではf1及びf2)を抽出し(図25(c))、クロック信号を生成する(図25(d))。位相比較手段47はUSB及びLSB成分から生成されたクロック信号の相対位相差Δφを求め(図25(e))、求めた結果から波長分散補償手段41を制御する。
【0081】
この動作によって検出できる波長分散値の範囲は、相対位相差を求めるクロック信号の繰り返し周波数に反比例する(図26)。低い繰り返し周波数(f1)のクロック信号を用いた位相検出は、高い繰り返し周波数(f2)のクロック信号を用いた場合と比較して検出可能な相対位相差が拡大し、検出可能な分散値は増大する。一方、相対位相差の繰り返し周期に対する変化量は、繰り返し周波数に比例するため、分解能は低下する。
本構成例では、任意の中心周波数を持つクロック信号を抽出することができるため、システム導入時等の幅広い波長分散の補償にも、システム運用時の精密な波長分散の補償にも適用することができる。
【0082】
<第3の実施形態における自動分散補償型光リンクシステムの第2の構成例>
図16は、自動分散補償型光リンクシステムの第2の構成例を示す。本構成例は帯域分割手段44で分割したUSB成分及びLSB成分を光学SW(スイッチ)48を用いて、所望の中心周波数を有するBPF(バンドパスフィルタ)461〜46nを通過した2つの信号の位相を位相比較器471で比較し、LPF(ローパスフィルタ)49−1を通して制御回路50に対して出力する構成としたものである。光学SW48は、機械的に光導波路を切り替えるものでも、MEMSを用いたものでも、音響光学(AO)を用いたものでも、熱光学(TO)を用いたものでもよい。また、BPF461〜46nは、誘電体フィルタでも、導波管フィルタでもよい。
このような構成を実現することによってそれぞれのBPF461〜46nの中心周波数に相当する動作周波数を有する光電変換器45−1〜45−n、位相比較器471〜47nを用いればよく、安価な構成で実現することができる。
【0083】
<第3の実施形態における自動分散補償型光リンクシステムの第3の構成例>
図17は、自動分散補償型光リンクシステムの第3の構成例を示す。本構成例例は帯域分割手段44で分割したUSB成分及びLSB成分を光電変換器45−1、45−2でベースバンドに変換した後、電気SW(スイッチ)51を用いて、所望の中心周波数を有するBPF(バンドパスフィルタ)461〜46nを通過した2つの信号の位相を位相比較器471で比較し、LPF(ローパスフィルタ)49−1を通して制御回路50に対して出力する構成としたものである。電気SW51は、機械的に同軸を切り替えるものでもよいし、デジタルICを用いたものでもよい。
このような構成を実現することによって、光電変換器45−1、45−2を共有することができる。また、電気部品の集積化を行うことができ、装置の小型化、安定化を実現することができる。
【0084】
<第3の実施形態における自動分散補償型光リンクシステムの第4の構成例>
図18は、自動分散補償型光リンクシステムの第4の構成例を示す。本構成例は、所望の繰り返し周波数を有するクロック信号を生成するために、所望の中心周波数に調整することができる可変BPF52−1、52−2を備えたものである。
このような構成を実現することによって、コンポーネントを共有することができるため、装置の小型化、安定化を実現することができる。また、任意の繰り返し周波数を有するクロック信号を用いて波長分散値を検出することができる。
また、繰り返し周波数を変化させて、相対位相差を検出する場合、各繰り返し周波数に対して初期値を設定するために、可変遅延器51−1、51−2を用いて繰り返し周波数に対応した遅延を与える必要がある。
一方、可変遅延器51−1、51−2を不要にするためには、例えば以下の方法がある。まず初めに、導入するリンクシステムにおいて規格外となる波長分散値を検出できる繰り返し周波数(F)から、その繰り返し周波数に対応した遅延を与える。分散値の検出分解能を向上させるために、周波数(F)の2n+1倍(n:整数)の繰り返し周波数を有するクロック信号を用いて相対位相差を検出する。上記の繰り返し周波数を選択することで、初期に与えた遅延を変更することなく、初期値を設定でき、方向も含めて相対位相差を正しく検出することができる。そのため可変遅延器51−1、51−2を省略することができ、装置の小型化を実現することができる。
【0085】
次に、第4の実施形態における自動分散補償型光リンクシステムについて説明する。
<第4の実施形態における自動分散補償型光リンクシステムの第1の構成例>
図19は、自動分散補償型光リンクシステムの第1の構成例を示す。この図において第3の実施形態における第1の構成例(図15)と異なる点は、任意の繰り返し周波数を有するクロック信号を生成する手段として光帯域抽出手段53−1、53−2を用いることにある。
次に、図27を参照して図19に示すシステムの動作を説明する。光送信装置1から光伝送路3介して伝送されたDCS−RZ信号を帯域分割手段44によってUSB成分及びLSB成分に分割する(図27(a))。分割したUSB成分及びLSB成分から、光帯域抽出手段53−1、53−2によってそれぞれUSB及びLSBのキャリアと任意の中心波長成分を抽出する(図27(b))。USBのキャリアと任意の中心波長成分、LSBのキャリアと任意の中心波長成分それぞれを光電変換手段に入力するとキャリアと任意の中心波長の光周波数差(図27ではf1及びf2)に応じたビート信号に変換され(図27(c))、その光周波数差を繰り返し周波数とするクロック信号が生成される(図27(d))。位相比較手段はUSB及びLSB成分から生成されたクロック信号の相対位相差Δφを求め(図27(e))、求めた結果から波長分散補償手段を制御する。 本構成例では、任意の中心波長成分を抽出することができるため、システム導入時等の幅広い波長分散の補償にも、システム運用時の精密な波長分散の補償にも適用することができる。また、光帯域抽出手段53−1、53−2を用いることにより、より高速の光信号に対しても同じ構成が適用でき、つまり帯域抽出手段に関してビットレートフレキシブルにでき、更なる高速化を目指した場合、バンドパスフィルタの高周波部品を削減できる利点がある。
【0086】
<第4の実施形態における自動分散補償型光リンクシステムの第2の構成例>
図20は、自動分散補償型光リンクシステムの第2の構成例を示す。本構成例は帯域分割手段44で分割したUSB成分及びLSB成分を光学SW(スイッチ)48を用いて、所望の中心波長を有する光帯域を抽出するOBPF(光バンドパスフィルタ)531〜53nを通過した光信号を光電変換器45−1、45−2によって光電気変換をして、この2つの電気信号の位相を位相比較器471で比較し、その出力をLPF49−1を通して制御回路50へ出力するようにしたものである。OBPF531〜53nは、誘電体多層膜フィルタでも、ファイバグレーティングフィルタでも、光ファイバまたは光導波路上に形成されたマッハツェンダ干渉計型光フィルタ、アレイ導波路回折格子型フィルタでもよい。
このような構成を実現することによって、光電変換器45−1〜45−n及び位相比較器471〜47nは、それぞれのOBPF531〜53nの中心波長とUSB成分またはLSB成分のキャリアとの光周波数差に相当する動作周波数を有すればよく、安価な構成で実現することができる。
【0087】
<第4の実施形態における自動分散補償型光リンクシステムの第3の構成例>
図21は、自動分散補償型光リンクシステムの第3の構成例を示す。本構成例は帯域分割手段44で分割したUSB成分及びLSB成分は、光学SW48−1を用いて所望の中心波長を有する光帯域を抽出するOBPF531〜53nに入力されて所望の中心波長を有する光帯域が抽出された後、再び光学SW48−2を用いて、光電変換器45−1、45−2にそれぞれ入力させて光電変換した2つの電気信号の位相を位相比較器471で比較し、その出力をLPF49−1を通して制御回路50へ出力するようにしたものである。光学SW48−1、48−2は、機械的に光導波路を切り替えるものでも、MEMSを用いたものでも、音響光学(AO)を用いたものでも、熱光学(TO)を用いたものでもよい。
このような構成を実現することによって、光電変換器45−1、45−2、位相比較器471を共有することができる。また、電気部品の集積化を行うことができ、装置の小型化、安定化を実現することができる。
【0088】
<第4の実施形態における自動分散補償型光リンクシステムの第4の構成例>
図22は、自動分散補償型光リンクシステムの第4の構成例を示す。本構成例は、所望の繰り返し周波数を有するクロック信号を生成するために、所望の中心波長に調整することができる可変OBPF54−1、54−2を備えたものである。
このような構成を実現することによって、コンポーネントを共有することができ、装置の小型化、安定化を実現することができる。また、任意の繰り返し周波数を有するクロック信号を用いて波長分散値を検出することができる。また、可変遅延器51−1、51−2を不要にするためには、例えば第3の実施形態における自動分散補償型光リンクシステムの第4の構成例で記載した方法等がある。
【0089】
次に、第5の実施形態における自動分散補償型光リンクシステムについて説明する。
<第5の実施形態における自動分散補償型光リンクシステムの第1の構成例>
図23は、自動分散補償型光リンクシステムの第1の構成例を示す。前述した第3、4の実施形態では、波長分散を帯域分割したUSB成分とLSB成分から抽出したクロック信号の相対位相差を検出して補償するのに対し、第5の実施形態は偏波モード分散を抽出したクロック信号の強度をモニタして補償する点が異なる。図23において光送信装置1は、キャリア抑圧手段と2値NRZ符号またはパーシャルレスポンス符号を用いて生成されたキャリア抑圧RZ符号化光信号を送信する。光伝送路3を介して伝送されたキャリア抑圧RZ符号化光信号は光分岐42によって分岐され、一方は光受信器43に入力され、もう一方は帯域分割手段44に入力される。帯域分割手段44によって2値NRZ符号またはパーシャルレスポンス符号を取り出した後、光電変換器45−1、45−2によってベースバンドに変換する。変換されたベースバンドから任意の中心周波数を持つバンドを取り出し、位相情報から算出される波長分散値に基づいて波長分散補償手段41を変化させ、波長分散を補償する。また、強度検出手段57によって、取り出したバンドの少なくとも一方の強度をモニタし、強度が最大となるように偏波モード分散補償手段55を変化させ、偏波モードの分散を補償する。
なお、光伝送路3には、送信端、受信端、あるいはその中間に光受信器で十分なSN比を確保するための十分な光パワが得られるように光増幅器を配置してもよい。
【0090】
また、帯域分割手段44には、USB成分及びLSB成分をそれぞれ分割する2つの光帯域通過型フィルタ、光ファイバまたは光導波路上に形成されたマッハツェンダ干渉計型光フィルタ、アレイ導波路回折格子型フィルタなどを用いる。また、位相比較手段47は、バンド抽出手段46−1、46−2から出力された2つのクロック信号の位相差に応じた電圧を出力するミキサを用いた構成、あるいはA/Dコンバータなどを介して波形サンプリングを行って位相差を求める構成を用いる。また、波長分散補償手段41は、波長分散制御情報に基づいてその波長分散値を変化させる構成であり、例えば、AWGを用いた構成、Virtually Imaged Phased Array(VIPA)を用いた構成、可変ファイバグレーティングを用いた構成などがある。強度検出手段57は、例えばRFスペクトルアナライザを用いてもよいし、RFパワメータを用いてもよい。偏波モード分散補償手段55は、強度検出手段57によってモニタされた強度が最大となるように変化させる構成であり、例えば、固定の偏波モード分散値を与え、入力される信号の二つの主偏波状態(PSP)のパワー比を変化させる構成、偏波ビームスプリッタ(PBS)によって直交する偏波に分離した後、一方の偏波に光学的あるいは電気的に遅延を変化させる構成等がある。
【0091】
本構成例によれば、波長分散補償を行うことができるのに加え、さらに、波長分散で検出するクロック信号を用いて偏波モード分散を前記波長分散と独立して補償することができる利点がある。
【0092】
<第5の実施形態における自動分散補償型光リンクシステムの第2の構成例>
図24は、自動分散補償型光リンクシステムの第2の構成例を示す。この図では、図18に示す構成例を基本として図示しているが、第5の実施形態における構成例は前述した全ての構成例に適用することができる。
波長分散及び偏波モード分散の補償方法に関するアルゴリズムは、例えば以下のようになる。
システム導入時には、クロック信号の相対位相差を検出して波長分散を補償する。波長分散を補償した後、クロック信号の強度が最大となるように偏波モード分散を補償する。
一方、システム運用時には、クロック信号の相対位相差と強度を双方モニタし、双方とも変化した場合は波長分散を補償し、強度のみが変化した場合には偏波モード分散を補償する。このようにシステム運用時にも、伝送した信号に影響を与えることなく、波長分散と偏波モード分散を独立に補償することが可能である。
【0093】
なお、本発明による自動分散補償型光リンクシステムは、第1、2、3の実施形態に記載した光信号以外にも、DPSK符号、QPSK符号、Duobinary符号、BPSK符号、CRZ符号、CS−RZ符号、DCS−RZ符号、RZ−DPSK符号(T. Miyano et al., Tech. Dig. in OECC2000, paper 14D3−3, July, 2000.)、特願2002−040855で提案しているCS−RZ−DPSK符号等の各種符号形式を用いることが可能である。
【0094】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の高精度波長分散測定方法および自動分散補償型光リンクシステムは、インサービス状態のまま主信号に影響を与えることなく光伝送路の波長分散値を測定することができる。また、本発明方法およびシステムでは、主信号のビットレートにおける分散耐力に比較して十分な検出感度および精度を備えており、波長分散の影響による伝送品質の劣化を未然に検知して補償することができる。
さらに、トーン信号を用いる場合には、検出感度および範囲をフレキシブルに変更することができるので、光伝送路故障等によるルート切り替えの際に発生する波長分散値の大きなずれにも対応でき、適切な分散補償量を即座に検出して補償することができる。
これにより、光リンクシステムの安定運用および信頼性向上を実現することができる。
また、波長分散による伝送品質の劣化と偏波モード分散による伝送品質の劣化を独立に検知し、自動的に補償できる。このことは光伝送システムの信頼性向上、保守運用の簡素化を可能にする効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自動分散補償型光リンクシステムの基本構成を示すブロック図。
【図2】第1の実施形態における光送信装置1の第1の構成例を示すブロック図。
【図3】第1の実施形態におけるDCS−RZ光信号の生成原理を説明する図。
【図4】第1の実施形態における光送信装置1の第2の構成例を示すブロック図。
【図5】第1の実施形態における光送信装置1の第4の構成例を示すブロック図。
【図6】第1の実施形態における光受信装置2の第1の構成例を示すブロック図。
【図7】第1の実施形態における光受信装置2の動作について説明する図。
【図8】第1の実施形態における光受信装置2の第2の構成例を示すブロック図。
【図9】第1の実施形態における光受信装置2の第3の構成例を示すブロック図。
【図10】第1の実施形態における光受信装置2の第4の構成例を示すブロック図。
【図11】第2の実施形態における自動分散補償型光リンクシステムの第1の構成例を示すブロック図。
【図12】第2の実施形態における自動分散補償型光リンクシステムの第2の構成例を示すブロック図。
【図13】第2の実施形態における自動分散補償型光リンクシステムの第3の構成例を示すブロック図。
【図14】第2の実施形態における自動分散補償型光リンクシステムの第4の構成例を示すブロック図。
【図15】第3の実施形態における自動分散補償型光リンクシステムの第1の構成例を示すブロック図。
【図16】第3の実施形態における自動分散補償型光リンクシステムの第2の構成例を示すブロック図。
【図17】第3の実施形態における自動分散補償型光リンクシステムの第3の構成例を示すブロック図。
【図18】第3の実施形態における自動分散補償型光リンクシステムの第4の構成例を示すブロック図。
【図19】第4の実施形態における自動分散補償型光リンクシステムの第1の構成例を示すブロック図。
【図20】第4の実施形態における自動分散補償型光リンクシステムの第2の構成例を示すブロック図。
【図21】第4の実施形態における自動分散補償型光リンクシステムの第3の構成例を示すブロック図。
【図22】第4の実施形態における自動分散補償型光リンクシステムの第4の構成例を示すブロック図。
【図23】第5の実施形態における自動分散補償型光リンクシステムの第1の構成例を示すブロック図。
【図24】第5の実施形態における自動分散補償型光リンクシステムの第2の構成例を示すブロック図。
【図25】第3の実施形態における自動分散補償型光リンクシステムの第1の構成例の動作について説明する図。
【図26】繰り返し周波数と位相差検出範囲について説明する図。
【図27】第4の実施形態における自動分散補償型光リンクシステムの第1の構成例の動作について説明する図。
【図28】光クロック信号強度と波長分散値の関係を示す図。
【符号の説明】
1  光送信装置
11 連続光光源
12,13 プッシュプル型マッハツェンダ光変調器
14 光増幅器
15 光合波手段
16 励起光源
17 光合波器
2  光受信装置
21 帯域分割手段
22 光受信器
23,27,29 位相比較器
24 可変分散補償器
25 光分岐器
26 光フィルタ
28 帯域可変光フィルタ
3  光伝送路
31 光増幅器
32 光分波器
35 受信器
36 光SW回路
37 制御回路
44 帯域分割手段
45 光電変換器
46 バンド抽出手段
47 位相比較手段
48 光学SW
50 制御回路
55 偏波モード分散補償手段
57 強度検出手段

Claims (25)

  1. キャリア抑圧手段と2値NRZ符号またはパーシャルレスポンス符号を用いて生成されたキャリア抑圧RZ符号化光信号、あるいはキャリア抑圧手段とクロック信号を用いて生成されたキャリア抑圧クロック信号を光伝送路に送信し、
    前記光伝送路を伝送された前記キャリア抑圧RZ符号化光信号またはキャリア抑圧クロック信号の2つの帯域をそれぞれ帯域分割して受信し、その各帯域における2値NRZ符号成分またはパーシャルレスポンス符号成分またはクロック信号からそれぞれベースバンドの位相情報を抽出してその相対位相差を検出し、その相対位相差から前記光伝送路の波長分散値を算出する
    ことを特徴とする高精度波長分散測定方法。
  2. キャリア抑圧手段と2値NRZ符号またはパーシャルレスポンス符号を用いて生成されたキャリア抑圧RZ符号化光信号、あるいはキャリア抑圧手段とクロック信号を用いて生成されたキャリア抑圧クロック信号を光伝送路に送信し、
    前記光伝送路を伝送された前記キャリア抑圧RZ符号化光信号またはキャリア抑圧クロック信号の2つの帯域の両方と一方をそれぞれ帯域分割して受信し、その各帯域における2値RZまたはNRZ符号成分またはパーシャルレスポンス符号成分またはクロック信号からそれぞれベースバンドの位相情報を抽出してその相対位相差を検出し、その相対位相差から前記光伝送路の波長分散値を算出する
    ことを特徴とする高精度波長分散測定方法。
  3. キャリア抑圧手段と2値NRZ符号またはパーシャルレスポンス符号を用いて生成されたキャリア抑圧RZ符号化光信号、あるいはキャリア抑圧手段とクロック信号を用いて生成されたキャリア抑圧クロック信号を光伝送路に送信し、
    前記光伝送路を伝送された前記キャリア抑圧RZ符号化光信号またはキャリア抑圧クロック信号の2つの帯域の一方を受信し、その帯域における2値NRZ符号成分またはパーシャルレスポンス符号成分またはクロック信号のベースバンドの位相情報を抽出し、予め基準分散値において測定された位相状態との相対位相差を検出し、その相対位相差から前記光伝送路の波長分散値を算出する
    ことを特徴とする高精度波長分散測定方法。
  4. キャリア抑圧手段と2値NRZ符号またはパーシャルレスポンス符号を用いて生成されたキャリア抑圧RZ符号化光信号、あるいはキャリア抑圧手段とクロック信号を用いて生成されたキャリア抑圧クロック信号を光伝送路に送信し、
    前記光伝送路を伝送された前記キャリア抑圧RZ符号化光信号またはキャリア抑圧クロック信号の2つの帯域の両方と一方を分割帯域を切り替えて順次受信し、その各帯域における2値RZまたはNRZ符号成分またはパーシャルレスポンス符号成分またはクロック信号からそれぞれベースバンドの位相情報を抽出してその相対位相差を検出し、その相対位相差から前記光伝送路の波長分散値を算出する
    ことを特徴とする高精度波長分散測定方法。
  5. NRZ、RZ符号化光信号または光クロック信号を光伝送路に送信し、
    前記光伝送路に伝送された前記NRZ、RZ符号化光信号または光クロック信号の2つのVSB帯域をそれぞれ帯域分割して受信し、各帯域におけるNRZ成分またはクロック成分からそれぞれベースバンドの位相情報を抽出してその相対位相差を検出し、その相対位相差から前記光伝送路の波長分散値を算出する
    ことを特徴とする高精度波長分散測定方法。
  6. NRZ、RZ符号化光信号または光クロック信号を光伝送路に送信し、
    前記光伝送路に伝送された前記NRZ、RZ符号化光信号または光クロック信号の2つのVSB帯域の両方と一方をそれぞれ帯域分割して受信し、各帯域におけるNRZ成分またはクロック成分からそれぞれベースバンドの位相情報を抽出してその相対位相差を検出し、その相対位相差から前記光伝送路の波長分散値を算出する
    ことを特徴とする高精度波長分散測定方法。
  7. NRZ、RZ符号化光信号または光クロック信号を光伝送路に送信し、
    前記光伝送路に伝送された前記NRZ、RZ符号化光信号または光クロック信号の2つのVSB帯域の一方を受信し、その帯域におけるNRZ成分またはクロック成分からそれぞれベースバンドの位相情報を抽出し、予め基準分散値において測定された位相状態との相対位相差を検出し、その相対位相差から前記光伝送路の波長分散値を算出する
    ことを特徴とする高精度波長分散測定方法。
  8. NRZ、RZ符号化光信号または光クロック信号を光伝送路に送信し、
    前記光伝送路に伝送された前記NRZ、RZ符号化光信号または光クロック信号の2つのVSB帯域の両方と一方を分割帯域を切り替えて順次受信し、その各帯域におけるNRZ成分またはクロック成分からそれぞれベースバンドの位相情報を抽出してその相対位相差を検出し、その相対位相差から前記光伝送路の波長分散値を算出する
    ことを特徴とする高精度波長分散測定方法。
  9. 請求項1〜請求項8に記載の高精度波長分散測定方法において、
    連続光を2値NRZ符号またはパーシャルレスポンス符号またはクロック信号で変調し、さらにその変調信号のビットレートのm/2倍(mは正の整数)の周波数を有するクロック信号を用いた変調により交番した位相差を加えてRZ符号化し、前記キャリア抑圧RZ符号化光信号またはキャリア抑圧クロック信号を生成する
    ことを特徴とする高精度波長分散測定方法。
  10. 請求項1〜請求項8に記載の高精度波長分散測定方法において、
    連続光を変調信号のビットレートのm/2倍(mは正の整数)の周波数を有するクロック信号で変調してキャリア抑圧クロック信号を生成し、このキャリア抑圧クロック信号を前記変調信号として2値NRZ符号またはパーシャルレスポンス符号またはクロック信号で変調し、前記キャリア抑圧RZ符号化光信号またはキャリア抑圧クロック信号を生成する
    ことを特徴とする高精度波長分散測定方法。
  11. 請求項9または請求項10に記載の高精度波長分散測定方法において、
    前記連続光または前記変調信号にトーン信号を重畳し、
    前記受信側では、前記キャリア抑圧RZ符号化光信号またはキャリア抑圧クロック信号の2つの帯域をそれぞれ帯域分割して受信し、その各帯域におけるトーン信号を分離して相対位相差を検出し、その相対位相差から前記光伝送路の波長分散値を算出する
    ことを特徴とする高精度波長分散測定方法。
  12. 請求項9または請求項10に記載の高精度波長分散測定方法において、
    前記連続光または前記変調信号にトーン信号を重畳し、
    前記受信側では、前記キャリア抑圧RZ符号化光信号またはキャリア抑圧クロック信号の2つの帯域の両方と一方をそれぞれ帯域分割して受信し、その各帯域におけるトーン信号を分離して相対位相差を検出し、その相対位相差から前記光伝送路の波長分散値を算出する
    ことを特徴とする高精度波長分散測定方法。
  13. 請求項9または請求項10に記載の高精度波長分散測定方法において、
    前記連続光または前記変調信号にトーン信号を重畳し、
    前記受信側では、前記キャリア抑圧RZ符号化光信号またはキャリア抑圧クロック信号の2つの帯域の一方を受信し、その帯域におけるトーン信号を分離して位相情報を抽出し、予め基準分散値において測定された位相状態との相対位相差を検出し、その相対位相差から前記光伝送路の波長分散値を算出する
    ことを特徴とする高精度波長分散測定方法。
  14. 請求項9または請求項10に記載の高精度波長分散測定方法において、
    前記連続光または前記変調信号にトーン信号を重畳し、
    前記受信側では、前記キャリア抑圧RZ符号化光信号またはキャリア抑圧クロック信号の2つの帯域の両方と一方を分割帯域を切り替えて順次受信し、その各帯域におけるトーン信号を分離して相対位相差を検出し、その相対位相差から前記光伝送路の波長分散値を算出する
    ことを特徴とする高精度波長分散測定方法。
  15. 請求項11に記載の高精度波長分散測定方法において、
    前記トーン信号は、前記光伝送路にラマン利得を生じさせることにより前記連続光または前記変調信号に対して重畳されることを特徴とする高精度波長分散測定方法。
  16. 光伝送路を介して接続される波長多重光送信装置および波長多重光受信装置の少なくとも一つの波長チャネルに、請求項1から15のいずれかに記載の高精度波長分散測定方法によって前記光伝送路の波長分散値を算出する手段を備えた
    ことを特徴とする自動分散補償型光リンクシステム。
  17. 光伝送路を介して接続される光送信装置および光受信装置に、請求項1から15のいずれかに記載の高精度波長分散測定方法によって前記光伝送路の波長分散値を算出する手段を備え、
    前記光送信装置または前記光伝送路または前記光受信装置のいずれかに、前記波長分散値を算出する手段によって算出された前記光伝送路の波長分散値に基づいて分散補償を行う分散補償手段を備えた
    ことを特徴とする自動分散補償型光リンクシステム。
  18. 光伝送路を介して接続される波長多重光送信装置および波長多重光受信装置の少なくとも一つの波長チャネルに、請求項1から15のいずれかに記載の高精度波長分散測定方法によって前記光伝送路の波長分散値を算出する手段を備え、
    前記波長チャネルの前記波長多重光送信装置または前記波長多重光受信装置のいずれかに、前記波長分散値を算出する手段によって算出された前記光伝送路の波長分散値に基づいて分散補償を行う分散補償手段を備えた
    ことを特徴とする自動分散補償型光リンクシステム。
  19. 請求項16から18のいずれかに記載の自動分散補償型光リンクシステムにおいて、
    前記波長分散値を算出する手段は、
    複数の波長チャネルに対して適用するよう切り替えることができる光スイッチを備え、前記波長分散値を算出する手段を複数の波長チャネルの間で共用する
    ことを特徴とする自動分散補償型光リンクシステム。
  20. 請求項16から18のいずれかに記載の自動分散補償型光リンクシステムにおいて、
    前記波長分散値を算出する手段は、
    複数の波長チャネルに対して適用するよう切り替えることができる光スイッチを備え、
    前記波長チャネルの前記波長多重光送信装置または前記波長多重光受信装置のいずれかに、前記波長分散値を算出する手段によって算出された前記光伝送路の波長分散値に基づいて分散補償を行う分散補償手段を備えた
    ことを特徴とする自動分散補償型光リンクシステム。
  21. キャリア抑圧クロック生成手段と2値NRZ符号またはパーシャルレスポンス符号化手段により生成されたキャリア抑圧RZ符号化光信号生成する光送信装置とその信号を受信する受信部とこの受信部と前記送信部との間に介挿された光伝送路とを備えた自動分散補償型光リンクシステムであって、
    前記受信部は、
    波長分散量を変化させて波長分散補償を行う波長分散補償手段と、
    前記キャリア抑圧RZ符号化光信号の2つの帯域をそれぞれ分割する帯域分割手段と、
    分割されたそれぞれの帯域の光信号を光電気変換する光電変換手段と、
    前記光電変換手段から出力されたベースバンド信号から任意の中心周波数を有するバンドを抽出するバンド抽出手段と、
    それぞれの帯域の光信号から抽出された同一の中心ベースバンド周波数を有するバンドの位相情報を抽出し比較する位相比較手段と
    からなることを特徴とする自動分散補償型光リンクシステム。
  22. キャリア抑圧クロック生成手段と2値NRZ符号またはパーシャルレスポンス符号化手段により生成されたキャリア抑圧RZ符号化光信号生成する光送信装置とその信号を受信する受信部とこの受信部と前記送信部との間に介挿された光伝送路とを備えた自動分散補償型光リンクシステムであって、
    前記受信部は、
    波長分散量を変化させて波長分散補償を行う波長分散補償手段と、
    前記キャリア抑圧RZ符号化光信号の2つの帯域をそれぞれ分割する帯域分割手段と、
    分割されたそれぞれの帯域から任意の中心波長を有する光帯域を抽出する光帯域抽出手段と、
    それぞれの帯域から抽出された光帯域を光電気変換する光電変換手段と、
    光電変換手段から出力されたベースバンド信号から位相情報を抽出し比較する位相比較手段と
    からなることを特徴とする自動分散補償型光リンクシステム。
  23. 請求項21または22に記載の自動分散補償型光リンクシステムにおいて、
    偏波分散補償を行う偏波分散補償手段とそれぞれの分割された帯域から抽出された光帯域もしくはバンドの少なくとも一方についてその強度を測定する強度測定手段とをさらに備えた
    ことを特徴とする自動分散補償型光リンクシステム。
  24. 光伝送路からディジタル光信号を受信する光受信装置であって、
    受信した前記ディジタル光信号の光スペクトル成分のうち少なくとも2つの異なる周波数成分を分離して抽出する手段と、
    前記抽出した成分間の相対的位相差を検出する位相比較手段と、
    前記位相比較手段から得られた相対位相差情報をもとに前記ディジタル光信号が前記光伝送路中で被った波長分散量を算出する波長分散測定手段と、
    前記波長分散測定手段の測定結果に基づき前記光伝送路の波長分散を補償する分散補償手段と
    を備えたことを特徴とする光受信装置。
  25. 請求項24に記載の光受信装置において、
    偏波モード分散補償手段を有し、分割された帯域から抽出された光帯域もしくはベースバンド成分の少なくとも一方についてその強度を測定する強度測定手段をさらに備えたことを特徴とする光受信装置。
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