JP2004063847A - 露光装置、露光方法、及びステージ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ステージ近傍の空間の温度揺らぎを高効率的に解消する。
【解決手段】ウエハステージ130と投影光学系PLの間の空間において、ウエハステージ130が+Y方向に移動するときには、給排気部156から気体を供給し、給排気部157から気体を排出することにより、+Y方向の気流を生成し、ウエハステージ130が−Y方向に移動するときには、給排気部157から気体を供給し、給排気部156から気体を排出することにより、−Y方向の気流を生成する。
【選択図】 図1
【解決手段】ウエハステージ130と投影光学系PLの間の空間において、ウエハステージ130が+Y方向に移動するときには、給排気部156から気体を供給し、給排気部157から気体を排出することにより、+Y方向の気流を生成し、ウエハステージ130が−Y方向に移動するときには、給排気部157から気体を供給し、給排気部156から気体を排出することにより、−Y方向の気流を生成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体集積回路、液晶表示素子、薄膜磁気ヘッド、その他のマイクロデバイス、又はフォトマスク等をリソグラフィ技術を用いて製造する際に使用される露光装置及び露光方法、並びに該露光装置等に適用可能なステージ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体素子、液晶表示素子、撮像素子(CCD等)、薄膜磁気ヘッドを含むマイクロデバイス等の製造に際しては、マスクとしてのレチクルのパターンを投影光学系を介してフォトレジストが塗布された半導体ウエハやガラスプレート等の感光基板に露光転写するために露光装置が用いられる。
【0003】
感光基板は、露光処理を実施する前に、投影光学系の光軸に直交する面内でXY方向に位置決めされるとともに、その表面を投影光学系の像面に対して合わせ込むフォーカス・レベリング調整が行われる。感光基板のXY方向の位置決めは、該感光基板を保持するステージの位置を複数のレーザ干渉計により検出し、その検出結果に基づいて、露光すべきショット領域を投影光学系の投影領域に一致するように移動することにより行われる。また、感光基板の表面の投影光学系の像面に対する合わせ込みは、感光基板の表面に斜めに露光光の波長と異なる波長の検出光を照射し、その反射光を光電検出して、その検出結果が所定の基準に一致するように感光基板のZ方向(投影光学系の光軸に沿う方向)の位置及び傾きを自動調整するようにした斜入射光式のフォーカス調整装置(AF装置)を用いて行われる。
【0004】
ところで、一般に、感光基板を保持する基板ステージは投影光学系の下側に配置される。そして、当該ステージは駆動機構等の発熱部を有しているとともに、感光基板に対する露光光の照射により発生する熱により周囲の温度が上昇する。このため、投影光学系と基板ステージの間及びその近傍の空間において、いわゆる陽炎現象によって温度揺らぎ(屈折率の変動)が生じる。基板ステージの近傍には、レーザ干渉計やAF装置の検出光の光路が配置されているので、該検出光が不規則に屈折されてしまい、これらの検出値に誤差を生じ、感光基板の位置決めや姿勢制御に悪影響を与える。このため、精度の高いパターンの形成が行えない場合がある。
【0005】
このような温度揺らぎによる干渉計等の計測誤差を緩和するため、投影光学系と基板ステージとの間の空間に温度調節された空気流を形成する送風手段を設け、投影光学系と基板ステージとの間の空間の空気を温度調節された空気で置換するようにしたものが、例えば、特開平5−126522号公報などに開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、基板ステージは、露光処理前の基板の位置決めのため、あるいは露光中に高速で移動されるため、投影光学系と基板ステージとの間の空間に単に温度調節された空気を送風するのみでは、基板ステージの移動の方向と送風手段による送風方向とが必ずしも一致せず、基板ステージの移動方向に応じて空気流の流入速度やその均一性に差異を生じ、投影光学系と基板ステージとの間の空間に生じている温度揺らぎを十分に解消することができないことがあった。
【0007】
この場合、投影光学系と基板ステージとの間の空間に、基板ステージの移動方向に左右されない程度の強い空気流を形成するようにすれば、そのような問題を解消することが可能であると考えられるが、送風手段としてその出力が大きいものを用いる必要があるとともに、基板ステージの移動等に支障を与える可能性もあり、得策とはいえない。
【0008】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、ステージ近傍の空間の温度揺らぎを高効率的に解消することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
以下、この項に示す説明では、本発明を、実施形態を表す図面に示す参照符号に対応つけて説明するが、本発明の各構成要件は、これら参照符号を付した図面に示す部材等に限定されるものではない。
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る発明によると、露光対象としての基板(W)を少なくとも一軸(Y軸)に沿う正方向(+Y方向)及び逆方向(−Y方向)に移動するステージ(120,130)を備え、マスク(R)のパターンの投影光学系(PL)を介した像を、該ステージ上の基板に露光転写する露光装置において、前記投影光学系と前記ステージとの間の空間に前記ステージの移動方向に一致するような気流を生じさせる気流生成装置(150)を備えた露光装置が提供される。
【0011】
本発明の第1の観点に係る露光装置では、ステージの移動の方向と気流生成装置による気流方向とが必ず一致するため、従来のようにステージの移動方向に応じて気体の流入速度やその均一性に差異を生じるということがなくなり、投影光学系と基板ステージとの間の空間及びその近傍に生じている温度揺らぎを十分に解消することができる。
【0012】
上述した本発明の第1の観点に係る露光装置において、前記気流生成装置(150)は、前記一軸に沿うような気流が生じるように前記空間に気体を供給する管路(156〜159)、又は前記一軸に沿うような気流が生じるように前記空間の気体を排出する管路(156〜159)を有することができる。この場合において、前記気流生成装置は、前記一軸に沿う正方向に気体の流れを生じさせる第1モード、及び前記一軸に沿う逆方向に気体の流れを生じさせる第2モードを選択的に実施するモード切換装置(155)と、前記空間における前記気体の流れが前記ステージ(120,130)の移動方向に一致するように、前記モード切換装置のモードを切り換える制御装置(151)を有することができる。
【0013】
また、上述した本発明の第1の観点に係る露光装置において、前記気流生成装置(150)は、前記一軸に沿うような気流が生じるように前記空間に対する気体の供給又は排出をそれぞれ選択的に実施する一対の管路(156〜159)を有することができる。前記一対の管路の給排気口は前記一軸に沿って互いに対応するように配置されることが望ましい。これらの場合において、前記気流生成装置(150)は、前記管路(156,157)の一方を介して気体を供給し他方を介して気体を排出して前記一軸に沿う正方向に気体の流れを生じさせる第1モード、及び該管路の一方を介して気体を排出し他方を介して気体を供給して前記一軸に沿う逆方向に気体の流れを生じさせる第2モードを選択的に実施するモード切換装置(155)と、前記空間における前記気体の流れが前記ステージ(120,130)の移動方向に一致するように、前記モード切換装置のモードを切り換える制御装置(151)を有することができる。
【0014】
上述した一対の給排気用の管路(214〜217)を設けた場合において、前記気流生成装置(150)は、前記管路の一方に連通された第1ポンプ室(212)と、前記給排気管の他方に連通された第2ポンプ室(213)とを有し、該第1ポンプ室と該第2ポンプ室との間の隔壁(211)の位置を移動して、該第1ポンプ室と該第2ポンプ室の体積比を変更することにより、前記管路を介して給排気を実施するポンプ装置(210)を有することができ、この場合に、前記隔壁は前記ステージの移動に連動して移動するようにできる。
【0015】
また、上述した給気用若しくは排気用又は給排気用の管路(156,157)を設けた場合において、前記管路は断面が網目状に配列された複数の気体通路(P)を有することができる。
【0016】
さらに、前記管路(160)の途中に該管路内を流通される気体の温度を調整する温度調整装置(153)を設けることができる。
【0017】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点によれば、パターンが形成されたマスク(R)と露光対象としての基板(W)を、該基板の位置を検出光を用いて光学的に計測しつつ同期移動させながら露光する露光方法において、前記基板の近傍の前記検出光の光路を含む空間に該基板の移動方向に沿う気流を形成しつつ露光するようにした露光方法が提供される。基板の移動の方向と気流方向とを一致させているため、基板の移動に支障を生じることなく、基板近傍の空間における温度揺らぎを十分に解消することができる。従って、基板の位置の計測精度を向上することができ、露光精度を向上することができる。
【0018】
上記目的を達成するため、本発明の第3の観点によれば、パターンが形成されたマスク(R)と露光対象としての基板(W)を、該マスクの位置を検出光を用いて光学的に計測しつつ同期移動させながら露光する露光方法において、前記マスクの近傍の前記検出光の光路を含む空間に該マスクの移動方向に沿う気流を形成しつつ露光するようにした露光方法が提供される。マスクの移動の方向と気流方向とを一致させているため、マスクの移動に支障を生じることなく、マスク近傍の空間における温度揺らぎを十分に解消することができる。従って、マスクの位置の計測精度を向上することができ、露光精度を向上することができる。
【0019】
上記目的を達成するため、本発明の第4の観点によると、移動対象物(R,W)を少なくとも一軸に沿う正方向及び逆方向に移動するステージ(120,130)と、前記移動対象物の位置を検出光を用いて光学的に計測する計測装置(123,133,AF1,AF2)と、前記移動対象物の近傍の前記検出光の光路を含む空間に、該移動対象物の移動方向に沿う正方向及び逆方向に選択的に気体の流れを生じさせる気流生成装置(150)と、前記移動対象物の移動方向の切り換えに応じて前記気体の流れ方向を切り換えるよう前記気流生成装置を制御する制御装置(151)とを備えたステージ装置が提供される。移動対象物の移動の方向と気流方向とを一致させているため、移動対象物の移動に支障を生じることなく、移動対象物近傍の空間における温度揺らぎを十分に解消することができる。従って、移動対象物の位置の計測精度を向上することができ、移動対象物の位置決めや移動中の位置精度を向上することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0021】
図1は、本発明の実施形態に係る露光装置の概略構成を示す図であり、この露光装置は、ステップ・アンド・スキャン方式の縮小投影露光装置である。なお、以下の説明においては、図1中に示されたXYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ説明する。XYZ直交座標系は、X軸が紙面に対して垂直となるように設定され、Y軸及びZ軸が紙面に対して平行となるように設定されている。図中のXYZ座標系は、実際にはXY平面が水平面に平行な面に設定され、Z軸が鉛直上方向に設定される。Y軸に沿う方向がスキャン(走査)方向である。
【0022】
図1において、光源100からの光(ここでは、ArFエキシマレーザ光とする)としての紫外パルス光(以下、露光光と称する)は、照明光学系ILとの間で光路を位置的にマッチングさせるための可動ミラー等を含むビームマッチングユニット(BMU)101を通り、パイプ102を介して光アッテネータとしての可変減光器103に入射する。
【0023】
この露光装置を全体的に管理・制御する主制御系140は、ウエハ(感光基板)W上に塗布されたレジストに対する露光量を制御するため、光源100との間で通信することにより、発光の開始及び停止、発振周波数及びパルスエネルギーで定まる出力を制御するとともに、可変減光器103における露光光に対する減光率を段階的又は連続的に調整する。
【0024】
可変減光器103を通った露光光は、所定の光軸に沿って配置されるレンズ系104、105よりなるビーム整形光学系を経て、オプチカル・インテグレータ(ホモジナイザー)としてのフライアイレンズ106に入射する。ここで、フライアイレンズ106を用いる代わりに、ロッドインテグレータ(内面反射型インテグレータ)あるいは回折光学素子等を採用してもよい。なお、フライアイレンズ106は、照度分布均一性をさらに高めるために、直列に2段配置してもよい。
【0025】
フライアイレンズ106の射出面には開口絞り系107が配置されている。開口絞り系107には、通常照明用の円形の開口絞り、複数の偏心した小開口よりなる変形照明用の開口絞り、輪帯照明用の開口絞り等が切り換え自在に配置され、ウエハW上に転写すべきパターンに応じてレチクルRの照明条件、即ち、照明光学系ILの瞳面上での露光光の光量分布(オプティカル・インテグレータ106によって形成される2次光源の形状や大きさなど)を変更可能となっている。
【0026】
なお、開口絞り系107を用いる代わりに、あるいはそれと組み合わせて、例えば照明光学系ILの光路に交換して配置される複数の回折光学素子、照明光学系ILの光軸に沿って移動可能なプリズム(円錐プリズムや多面体プリズムなど)、及びズーム光学系の少なくとも1つを含む光学ユニットを、光源100とオプティカル・インテグレータ106との間に配置し、照明条件の変更に応じてオプティカル・インテグレータ106の入射面上での露光光の強度分布又は入射角度範囲を変更可能として、光量損失を抑えるようにしてもよい。
【0027】
フライアイレンズ106から射出されて開口絞り系107の所定の開口絞りを通過した露光光は、透過率が高く反射率が低いビームスプリッタ108に入射する。ビームスプリッタ108で反射された光は光電検出器よりなるインテグレータセンサ109に入射し、インテグレータセンサ109の検出信号は不図示の信号線を介して主制御系140に供給される。
【0028】
ビームスプリッタ108の透過率及び反射率は予め高精度に計測されて、主制御系140内のメモリに記憶されており、主制御系140は、インテグレータセンサ109の検出信号より間接的に投影光学系PLに対する露光光の入射光量、ひいてはウエハW上での露光光の光量をモニタできるようになっている。
【0029】
ビームスプリッタ108を透過した露光光は、コンデンサレンズ系110、反射ミラー111、コンデンサレンズ系112を介して、固定スリット板113に入射する。固定スリット板113は、X方向に延在する細長い矩形状のスリット(開口)を有しており、入射した露光光は、この固定スリット板113のスリットによってX方向に延在する細長い矩形状の光に整形される。
【0030】
照明光学系ILによって露光光が照射されるレチクルR上の照明領域、及び後述の投影光学系PLに関してその照明領域と共役で、かつレチクルRのパターン像が形成される投影領域(即ち、投影光学系PLによって露光光が照射されるウエハW上の露光領域)は、基本的に固定スリット板113によって規定される。当該照明領域又は投影領域の形状、即ち走査露光時にレチクルR及びウエハWが移動される走査方向としてのY方向についての幅(短辺方向の寸法)、及び該走査方向と直交する非走査方向としてのX方向についての幅(長辺方向の寸法)を調整するために、可動式のブラインド(遮光板)を有するレチクルブラインド機構(不図示)を設けてもよい。なお、これらの固定スリット板113(及びレチクルブランド機構は、後述するレチクルRのパターン形成面と共役な面又はその近傍に配置されている。
【0031】
固定スリット板113の矩形状のスリットによって整形された露光光は、結像用レンズ系114、反射ミラー115、及び主コンデンサレンズ系116を介して、レチクルRの回路パターン領域上で固定スリット板113のスリットと相似な照明領域を照明する。
【0032】
照明光学系ILから射出された露光光により、マスクステージとしてのレチクルステージ120に保持されたレチクルRの一部が照明される。レチクルRのスリット状の照明領域内のパターンの像は、投影光学系PLを介して縮小倍率1/α(αは、例えば、5又は4等)で、フォトレジストが塗布されたウエハWの表面に投影される。
【0033】
レチクルステージ120は、レチクルステージ用のベース121上で、保持しているレチクルRをXY平面内で回転方向及び並進方向に微動して、その姿勢を調整することができる。また、Y方向に一定速度で往復移動できるようになっている。レチクルステージ120の上部には移動鏡122が固定されており、この移動鏡122に対向してレーザ干渉計123が配置されている。なお、図1においては、図示を簡略化しているが、移動鏡122として、レチクルステージ120上においてX方向に延びた移動鏡(又は少なくとも1つのレトロリフレクタ)とY方向に延びた移動鏡とが設けられており、各々の移動鏡に対向してレーザ干渉計が設けられている。
【0034】
レチクルステージ120の上部に固定された移動鏡122、及び対向して配置されたレーザ干渉計123によってレチクルステージ120のX座標、Y座標、及び回転角が計測され、この計測値が主制御系140に供給されている。主制御系140のステージ制御部(不図示)は、その計測値及び各種の制御情報に基づいて、レチクルステージ120の駆動モータ(リニアモータやボイスコイルモータ等)の動作を制御することにより、その走査速度及び位置の制御が行われる。レチクルRの回転誤差は、ステージ制御部を介してレチクルステージ120を微少回転することにより補正される。
【0035】
一方、ウエハWは、ウエハステージ130にウエハホルダ(不図示)を介して吸着保持されている。ウエハステージ130上には、図示は省略するが、位置決め用の基準マーク部材や照度分布検出センサ(いわゆる照度ムラセンサ)が固定されている。ウエハステージ130は、ウエハステージ用のベース131上で、例えばリニアモータによりウエハWのY方向への等速走査、X方向及びY方向へのステッピング動作を行う。
【0036】
ウエハステージ130の上部には移動鏡132が固定されており、この移動鏡132に対向してレーザ干渉計133が配置されている。なお、図1においては、図示を簡略化しているが、移動鏡132として、ウエハステージ130上においてX方向に延びた移動鏡とY方向に延びた移動鏡とが設けられており、各々の移動鏡に対向してレーザ干渉計が設けられている。
【0037】
ウエハステージ130の上部に固定された移動鏡132、及び対向して配置されたレーザ干渉計133によってウエハステージ130のX座標、Y座標、及び回転角が計測され、この計測値が主制御系140に供給されている。主制御系140のステージ制御部は、その計測値及び各種の制御情報に基づいて、ウエハステージ130の駆動モータ(リニアモータやボイスコイルモータ等)の動作を制御することにより、その走査速度及び位置の制御が行われる。ウエハWの回転誤差は、ステージ制御部を介してウエハステージ130を微少回転することにより補正される。
【0038】
さらに、投影光学系PLの光軸AX方向(Z方向)に関するウエハWの位置を検出する送光系AF1及び受光系AF2を有する斜入射方式の多点焦点位置検出系(以下、フォーカスセンサAFと呼ぶ)が設けられている。このフォーカスセンサAFは、投影光学系PLの視野内でパターンの縮小像が投影される露光領域の内部、及びY方向に関する露光領域の両側に設定される複数の計測点にそれぞれ光ビームを照射するとともに、ウエハWで反射された光をそれぞれ独立に受光して、各計測点におけるウエハWのZ方向の位置(本例では、所定の基準面、例えば投影光学系PLの像面に対するウエハWの表面の位置ずれ量)を検出するものである。このフォーカスセンサAFの計測値は主制御系140に出力され、主制御系140のステージ制御部はその計測値に基づいてウエハステージ130を駆動し、ウエハWのフォーカス位置(光軸AX方向の位置)、及び傾斜角の制御(フォーカス及びレベリング調整)を行う。これにより、投影光学系PLの露光領域内で投影光学系PLの像面とウエハW上の各ショット領域の表面とがほぼ合致する、即ち、露光領域内でショット領域の表面が投影光学系PLの焦点深度内に設定されることになる。
【0039】
主制御系140のステージ制御部は、レチクルステージ120及びウエハステージ130のそれぞれの移動位置、移動速度、移動加速度、位置オフセット等の各種情報に基づいて、レチクルステージ120及びウエハステージ130を制御する。走査露光時には、レチクルステージ120とウエハステージ130とが同期駆動され、照明光学系ILによって露光光が照射される照明領域に対してレチクルRが+Y方向(又は−Y方向)に速度Vrで移動されるのに同期して、投影光学系PLによって露光光が照射される露光領域(照明領域内のパターン像が形成される投影領域)に対してウエハWが−Y方向(又は+Y方向)に速度(1/α)・Vr(αは、例えば、5又は4)で移動される。これにより、レチクルRのパターン領域の全面が露光光で照明されるとともに、ウエハW上の1つのショット領域が露光光で走査露光され、そのショット領域にレチクルRのパターンが転写される。
【0040】
なお、投影光学系PLは、ここでは屈折系(ジオプトリック系)であるが、反射屈折系(カタジオプトリック系)、又は反射系(カトプトリック系)としてもよい。
【0041】
また、照明光学系ILの主要部は、気密性の良好なサブチャンバ117内に収容されており、サブチャンバ117内は、光路中の光損失を低減するため、温度調節された清浄なドライエアー、又は窒素、ヘリウム等の不活性ガス(本実施形態ではヘリウムとする)で置換(パージ)されるようになっている。投影光学系PLの鏡筒内も同様となっている。照明光学系IL、投影光学系PLへのヘリウムガスの供給は管路134を介して行われる。これらのガスの供給ないし回収のための装置は、露光装置が設置されるクリーンルームの階下に設けられる、いわゆる機会室(ユーティリティースペース)内に設置される。また、露光装置本体は、全体を覆う箱状の環境チャンバ内に収容されており、環境チャンバ内も温度制御された気体(本実施形態では窒素とする)がフロー供給されている。
【0042】
主制御系140は、磁気ディスク装置等の記憶装置(不図示)を有しており、記憶装置に、露光データファイルが格納されている。露光データファイルには、レチクルRに関する情報やアライメント情報等が記録されている。
【0043】
上述したように、投影光学系PLとウエハステージ130の間の空間ないしその近傍(以下、簡単のため、ウエハ空間という)には、ステージ位置計測用のレーザ干渉計133の検出光の光路が設けられているとともに、フォーカスセンサAF(AF1,AF2)の検出光の光路が設けられている。そして、ウエハステージ130は駆動モータ等の発熱部を備えているとともに、露光光のウエハWへの照射により、ウエハ空間内には温度揺らぎ(気体の屈折率が部分的に異なる現象)が生じ、各計測装置133,AF1,AF2の計測精度を低下させる場合がある。これを防止するため、本実施形態では、ウエハ空間に温度制御された気体を供給するとともに、該ウエハ空間内の気体を排出することにより、該ウエハ空間に気体の流れを生成する気流生成装置150を設けている。
【0044】
なお、この問題は、レチクルステージ120と照明光学系ILとの間の空間及びその近傍(以下、簡単のため、レチクル空間という)についても同様にあてはまるので、本実施形態では、ウエハ空間に対する下記の気流生成装置150と同様の気流生成装置がレチクル空間についても同様に設けられているものとする。但し、その構成は両者ともほぼ同じなので、ウエハ空間についての気流生成装置150についてのみ説明し、レチクル空間についての気流生成装置についてはその説明を省略する。
【0045】
この気流生成装置150は、気流制御装置151、気体供給装置152、気体温度調整装置(温調装置)153、気体回収装置154、モード切換装置155、管路158,159,160,161、及び気体給排部(管路の気体給排気口近傍の部分)156,157を備えて構成されている。なお、特に限定されないが、この実施形態では、この気流生成装置150によりウエハ空間に供給される気体は、環境チャンバ内のパージガスと同じ窒素ガスであるものとして説明する。
【0046】
気体供給装置152は、高純度窒素が封入された窒素ボンベ、該窒素ボンベからの窒素の供給又は停止を制御する電磁弁、気体圧送用のポンプないしファン等を備えて構成されており、気流制御装置151からの制御信号に基づいて、窒素ガスの管路160に対する供給及び停止を行う。気体回収装置154は、気体吸引用のポンプないしファン及び回収した気体を蓄積保存する回収ボンベ等を備えて構成されており、気流制御装置151からの制御信号に基づいて、管路161を介してのガスの回収及び停止を行う。気体供給装置152及び気体回収装置154にその一端が接続された管路160,161の他端はモード切換装置155に接続されている。
【0047】
気体供給装置152とモード切換装置155を接続する管路160上には、気体温度調整装置153が設けられている。気体温度調整装置153は、図2に示されているように、管路160に密着して、あるいは介装して設けられた熱交換ユニット171と、媒質温調ユニット172と、媒質管路173,174を備えて構成されている。フロリナート等の媒質(ここでは冷媒)が媒質温調ユニット172と熱交換ユニット171の間を媒質管路173,174を介して循環されており、媒質温調ユニット172にて所定の温度に調節(ここでは冷却)された媒質は媒質管路173を介して熱交換ユニット171に送られ、管路160を流通される窒素ガスGSとの間で熱交換を行い、該パージガスを所定の温度に設定する。熱交換ユニット171で熱交換により温度が上昇した媒質は媒質管路174を介して媒質温調ユニット172に戻され、ここで所定の温度に冷却された後、熱交換ユニット171に送られ、以後、この動作を繰り返す。
【0048】
図1において、モード切換装置155は、4つのポートを有しており、管路158,159,160,161が対応するポートにそれぞれ接続されている。モード切換装置155は、管路160を管路158に接続するとともに管路161を管路159に接続する第1モードと、管路160を管路159に接続するとともに管路161を管路158に接続する第2モードとを、気流制御装置151からの制御信号に基づいて選択的に切り換える装置である。
【0049】
モード切換装置155にその一端が接続された管路158の他端は、気体給排気部156に接続されており、同じくモード切換装置155にその一端が接続された管路159の他端は、気体給排気部157に接続されている。気体給排気部156,157は、それぞれ給排気口を有しており、これらの給排気口が、レーザ干渉計133の検出光の光路を含むようにウエハステージ130を挟んで対向して配置されている。
【0050】
図3は気流制御装置151による気流生成処理を示すフローチャートである。気流生成装置151は、まず、気体供給装置152,気体回収装置154、気体温度調節装置153及びモード切換装置155を初期化するとともに、各装置の作動を開始した後(ステップ301)、主制御系140からウエハステージ130のスキャン方向(移動方向)についての情報を受け取り、ウエハステージ130のスキャン方向が第1方向(+Y方向)であるか、第2方向(−Y方向)であるかを判断する(ステップ302)。
【0051】
ウエハステージ130のスキャン方向が第1方向であると判断した場合には、第1方向に気流を生成するようモード切換装置155に制御信号を送る。モード切換装置155は、管路160を管路158に接続するとともに、管路161を管路159に接続する第1モードを実行する。これにより、気体供給装置152からの窒素ガスは管路160を介して送られ、気体温度調整装置153により所定の温度に設定され、モード切換装置155、管路158、気体給排気部156を経て、ウエハ空間に吐出される。一方、ウエハ空間内のガスは、気体給排気部157を介して吸引され、管路159、モード切換装置155、管路161を経て回収装置154により回収される。これにより、ウエハステージ130が第1方向に移動している時は、ウエハ空間内には、その移動方向と同じ第1方向に窒素ガスの流れが生じる。ウエハステージ130の移動方向と窒素ガスの気流方向が一致しているので、給排気部156から吐出された窒素ガスは、給排気部157へと円滑に流れ、ウエハ空間は所定温度に設定された清浄な窒素ガスで一様に置換される。その後、全てのショット領域に対する露光が終了したか否かを判断し(ステップ305)、終了と判断した場合にはこの処理を終了し、終了でないと判断した場合にはステップ302に戻る。
【0052】
ステップ302において、気流制御装置151は、ウエハステージ130のスキャン方向が第2方向であると判断した場合には、第2方向に気流を生成するようモード切換装置155に制御信号を送る。モード切換装置155は、管路160を管路159に接続するとともに、管路161を管路158に接続する第2モードを実行する。これにより、気体供給装置152からの窒素ガスは管路160を介して送られ、気体温度調整装置153により所定の温度に設定され、モード切換装置155、管路159、気体給排気部157を経て、ウエハ空間に吐出される。一方、ウエハ空間内のガスは、気体給排気部156を介して吸引され、管路158、モード切換装置155、管路161を経て回収装置154により回収される。これにより、ウエハステージ130が第2方向に移動している時は、ウエハ空間内には、その移動方向と同じ第2方向に窒素ガスの流れが生じる。ウエハステージ130の移動方向と窒素ガスの気流方向が一致しているので、給排気部157から吐出された窒素ガスは、給排気部156へと円滑に流れ、ウエハ空間は所定温度に設定された清浄な窒素ガスで一様に置換される。
【0053】
ウエハWの各ショット領域に対するスキャン露光は、レチクルステージ120の移動量を最小にするため、往復動作、即ち、第1方向へのスキャンの後、ウエハWをステップ移動し、第2方向へのスキャンを実施し、これらを順次繰り返すことにより行われる。従って、この実施形態におけるウエハ空間には、ウエハステージ130のスキャン動作に従ってそのスキャン方向と同じ方向への窒素ガスの流れが交互に生成されることになる。但し、複数のショット領域について同一方向へのスキャン動作を繰り返す場合には、ウエハ空間内での窒素ガスの流れもその複数のショット領域の露光中は同一方向に生成されることになる。
【0054】
なお、一のショット領域の露光後、次のショット領域への移動のためのステップ移動中、即ちスキャン動作以外のウエハWの移動中のウエハ空間内での気流の生成については、気流の生成を継続しても、気流の生成を停止してもいずれでもよい。気流の生成を継続する場合には、スキャン方向に沿う方向へのステップ移動については、ステップ移動の方向に一致するように気流を生成するようにでき、スキャン方向に沿う方向以外の方向へのステップ移動については、直前のモードをそのまま継続し、あるいは次のスキャン方向と一致するモードに切り換えるようにしてもよい。また、図1の露光装置では1つのショット領域の走査露光終了後であって走査方向(例えば+Y方向である第1方向)に関してウエハステージ130を減速している間に、次のショット領域の走査露光のためにウエハステージ130のX方向へのステップ移動を開始するとともに、このステップ移動が終了する前に−Y方向(第2方向)へのウエハステージ130の加速を開始する、即ちX方向の速度成分とY方向の速度成分とが同時に零とならないようにウエハステージ130を移動してスループットを向上させるシーケンスが採用される。この場合は、例えばウエハステージ130のY方向の速度成分が零となるまでは第1方向に気流を生成し続け、それ以降は第2方向に気流を生成すればよい。なお、走査露光終了直後ではウエハステージ130の+Y方向の減速とX方向への加速とをほぼ同時に行い、次ショット領域の走査露光開始直前ではウエハステージ130の−Y方向への加速とX方向の減速とをほぼ同時に行うこととしているが、必ずしもこの両方を行わなくてもよく、いずれか一方のみを行う場合でも同様にウエハステージ130のY方向の速度成分に着目し、この速度成分が零となる時点で第1方向への気流の生成と第2方向への気流の生成とを切り替えればよい。
【0055】
上述した実施形態において、特に限定されないが、気体給排気部156及び/又は気体給排気部157の内部構造としては、例えば、図4に示されているように、その断面が網目状に仕切られた複数の気体通路Pを有するものを採用することが望ましい。このような構成を採用することにより、ウエハ空間に全体的に一様な気体の流れを生成することができ、ウエハ空間内の温度揺らぎをより高効率的に解消することができるようになるからである。この場合において、各気体通路の形状は、図4のように、矩形である必要はなく、三角形その他の多角形、あるいは円形若しくは楕円形であってもよい。給排気部の全体の形状も、同図のように矩形である必要はなく、その他の形状であってもよい。
【0056】
また、上述した実施形態においては、互いに対向して設けられた一対の給排気部156,157により、第1方向及び第2方向へのそれぞれの気流生成を行うようにしたが、給排気部156,157のそれぞれの位置に、気体を供給する給気部と気体を排気する排気部をそれぞれ隣接して設けてもよい。この場合には、モード切換装置155は不要となり、一方側の給気部から気体を供給し他方側の排気部から排気するモードと、他方側の給気部から気体を供給し一方側の排気部から排気するモードを気流制御装置151により切り換えるようにすればよい。
【0057】
さらに、ウエハ空間内に第1方向への気流と第2方向への気流を生成するためには、給気と排気の両者を行った方が円滑な気流を生成できる点で好ましいが、必ずしもそのようにする必要はなく、給排気部156,157の位置に給気部のみあるいは排気部のみを設け、給気のみあるいは排気のみを行うことにより、ウエハ空間内にウエハステージ130の移動方向に一致する気流を生成するようにしてもよい。
【0058】
上述した実施形態では、環境チャンバ内を窒素ガスによりパージするとともに、ウエハ空間内に窒素ガスを用いて気流を生成するようにしたが、これらのガスとしては、ヘリウムガス、アルゴン、ネオン、その他の希ガスであってもよい。ヘリウムガスを用いる場合には、ヘリウムガスは比較的に高額であるので、供給したヘリウムガスを回収した後に、これを浄化して再度供給に用いるようにするとよい。さらに、露光光の波長によっては、ドライエアを用いてもよい。
【0059】
また、レチクルステージ120と照明光学系ILとの間及びその近傍の空間(レチクル空間)についての気流生成装置とウエハ空間についての気流生成装置との関係においては、レチクル空間用の気流生成装置をウエハ空間用の気流生成装置とは別に独立に設けてもよく、あるいは給排気部をレチクルステージ120を挟んで対応するように設け、ウエハ空間用の気流生成装置の管路158及び159から分岐した管路をレチクル空間用の各給排気部に接続するようにしてもよい。このとき、本実施形態では、レチクルRとウエハWのスキャン方向は互いに逆向きであるので、ウエハ空間に第1方向の気流を生成しているときには、レチクル空間には第2方向の気流が、ウエハ空間に第2方向の気流を生成しているときには、レチクル空間には第1方向の気流が生成されるように設定する。なお、レチクルRとウエハWのスキャン方向が同じ向きである場合には、ウエハ空間に第1方向の気流を生成しているときには、レチクル空間にも第1方向の気流が、ウエハ空間に第2方向の気流を生成しているときには、レチクル空間にも第2方向の気流が生成されるように設定する。
【0060】
さらに、上述した実施形態では、スキャン方向としてのY方向に沿う方向に気流を生成するようにしたが、X方向に沿う方向にも気流を生成するようにして、Y方向へのスキャン移動及びステップ移動に加えて、X方向へのステップ移動時にも、そのステージの移動方向に沿うように気流を生成するようにしてもよい。
【0061】
次に、本実施形態の変形例を図5を参照して説明する。図1と実質的に同じ部分には同じ番号を付して、その説明は省略する。この変形例では、一対の給排気部203,204がウエハステージ130の左右の斜め上方からウエハステージ130を指向するように斜めに設けられており、各給排気部203,204の給排気口は下側を向くように設定されている。また、給排気機構201,202は、給排気部203,204に隣接して設けられており、気流生成制御装置200により、給排気機構201,202の作動が制御されるようになってる。給排気機構201,202としては、環境チャンバ内の気体(ここでは、例えば、窒素ガス)を給排気部203,204からウエハ空間内に吹き出すとともに、ウエハ空間内の気体を環境チャンバ内に排出するものを採用している。具体的には、気体の送風及び吸引を選択的に切り換えることができる送風ファンないしポンプである。
【0062】
この例では、図中、点線矢印で示されているような気流が生成されることになる。ステージ130の近傍に設置される各種の装置や部材との関係で、給排気部の設置場所に制約がある場合等に有利であるとともに、図1と比較してその構成が簡略なので、露光装置の仕様によっては、このような構成を採用するとよい。なお、給排気機構201,202内に、ケミカルフィルタやHEPA(HighEfficiency Particle Air)フィルタ等の浄化フィルタ、及び温度調整装置等を設けるとよい。
【0063】
図6は、図5の構成をさらに簡略化した例を示している。この例では、気体給排気機構として、同図に示されているような単一のポンプ装置210を採用している。このポンプ装置210は、隔壁211を介して左右に第1ポンプ室212及び第2ポンプ室213が設けられており、給排気部216にその一端が接続された管路214の他端が第1ポンプ室212に接続され、給排気部217にその一端が接続された管路215の他端が第2ポンプ室213に接続されている。給排気部216,217の構成は、図5の給排気部203,204と同様である。
【0064】
隔壁211を図中左方向(−Y方向)に移動すると、第1ポンプ室212が圧縮されて管路214を介して給排気部216から気体がウエハ空間内に吐出されるとともに、第2ポンプ室213が拡張してウエハ空間内の気体が給排気部217、管路215を介して第2ポンプ室213に流入される。これにより、ウエハ空間内に第1方向(+Y方向)の気流が生成される。一方、隔壁211を図中右方向(+Y方向)に移動すると、第2ポンプ室213が圧縮されて管路215を介して給排気部217から気体がウエハ空間内に吐出されるとともに、第1ポンプ室212が拡張してウエハ空間内の気体が給排気部216、管路214を介して第1ポンプ室212に流入される。これにより、ウエハ空間内に第2方向(−Y方向)の気流が生成される。
【0065】
ポンプ装置210の隔壁211の移動は、ウエハステージ130のスキャン方向に一致するように、独立した駆動装置により行うようにできる。但し、隔壁211の一部をウエハステージ130の可動部に方向変換機構及び変速機構等を介して取り付けて、ウエハステージ130の移動に同期して逆方向に隔壁211を移動するようにすれば、隔壁211の移動用に別途駆動機構や制御機構を設ける必要がなく高効率的である。ところで、上記各実施形態では窒素又はヘリウムなどの不活性ガス(以下、パージガスと総称する)を用いて気流を生成するときにそのパージガスを回収するものとしたが、必ずしもその回収を行わなくてもよいし、あるいは回収のみを行って再利用しなくてもよい。
【0066】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。従って、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0067】
例えば、上記の実施形態においては、光源としてArFエキシマレーザ光(波長193nm)を射出するものを採用した露光装置について説明しているが、本発明はこれに限定されず、g線(436nm)、i線(365nm)、KrFエキシマレーザ(248nm)、F2 レーザ(157nm)等を採用することができる。
【0068】
露光用照明光として、DFB半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域、又は可視域の単一波長レーザを、例えばエルビウム(又はエルビウムとイットリビウムの両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いてもよい。
【0069】
例えば、単一波長レーザの発振波長を1.51〜1.59μmの範囲内とすると、発生波長が189〜199nmの範囲内である8倍高調波、又は発生波長が151〜159nmの範囲内である10倍高調波が出力される。特に発振波長を1.544〜1.553μmの範囲内とすると、193〜194nmの範囲内の8倍高調波、即ちArFエキシマレーザとほぼ同一波長となる紫外光が得られ、発振波長を1.57〜1.58μmの範囲内とすると、157〜158nmの範囲内の10倍高調波、即ちF2 レーザとほぼ同一波長となる紫外光が得られる。
【0070】
また、発振波長を1.03〜1.12μmの範囲内とすると、発生波長が147〜160nmの範囲内である7倍高調波が出力され、特に発振波長を1.099〜1.106μmの範囲内とすると、発生波長が157〜158μmの範囲内の7倍高調波、即ちF2 レーザとほぼ同一波長となる紫外光が得られる。なお、単一波長発振レーザとしてはイットリビウム・ドープ・ファイバーレーザを用いる。
【0071】
また、上述の説明では、本発明を用いて特に好適なステップ・アンド・スキャン方式の縮小投影型露光装置(スキャニング・ステッパー)についての説明としたが、レチクルとウエハとを静止させた状態でレチクルパターンの全面に露光光を照射して、そのレチクルパターンが転写されるべきウエハ上の1つの区画領域(ショット領域)を静止露光するステップ・アップ・リピート方式の縮小投影型露光装置(ステッパー)にも本発明を適用することができる。さらに、ステップ・アンド・スティッチ方式の縮小投影型露光装置やミラープロジェクション・アライナー等にも適用することができる。その他、基板を移動するステージ装置に広く適用可能である。
【0072】
さらに、半導体素子や液晶表示素子の製造に用いられる露光装置だけでなく、プラズマディスプレイ、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCDなど)、マイクロマシン、DNAチップなどの製造に用いられる露光装置、及びレチクル又はマスクを製造するために、ガラス基板又はシリコンウエハなどに回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用できる。即ち本発明は、露光装置の露光方式や用途等に関係なく適用可能である。
【0073】
前述した本発明の実施形態に係る露光装置(図1)は、光源100、各種の光学素子ないし光学装置を含んで構成される照明光学系IL、レチクルステージ120を含むレチクル移動系、ウエハステージ130を含むウエハ移動系、投影光学系PL、ウエハ空間に気流を生成する気流生成装置150、レチクル空間に気流を生成する気流生成装置等の図1に示された各要素等を環境チャンバ内に収容し、各気流生成装置の管路158〜161等の配管や電気配線を行い、電気的、機械的、又は光学的に連結して組み上げた後、総合調整(電気調整、動作確認等)をすることにより製造される。なお、露光装置の製造は、温度及びクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
【0074】
本発明の実施形態に係る露光装置を用いてデバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)を生産するには、まず、設計ステップにおいて、デバイスの機能設計(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、その機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続き、マスク製作ステップにおいて、設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。一方、ウエハ製造ステップにおいて、シリコン等の材料を用いてウエハを製造する。
【0075】
次に、ウエハプロセスステップにおいて、上記ステップで用意したマスクとウエハを使用して、リソグラフィ技術によってウエハ上に実際の回路等を形成する。次いで、組立ステップにおいて、ウエハプロセスステップにおいて処理されたウエハを用いてチップ化する。この組立ステップには、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の工程が含まれる。最後に、検査ステップにおいて、組立ステップで作製されたデバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経た後にデバイスが完成し、これが出荷される。
【0076】
【発明の効果】
本発明は以上詳述したように、ステージ近傍の空間に該ステージの移動方向に一致するように気体の流れを生成するようにしたので、該ステージの移動の妨げとなることなく、ステージ近傍の空間の温度揺らぎを高効率的に解消することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る露光装置の全体構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態における気流生成装置の温度調整装置の概略を示す図である。
【図3】本発明の実施形態における気流生成装置の気流制御装置の処理を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施形態における気流生成装置の給排気部の断面構成の一例を示す図である。
【図5】本発明の他の実施形態に係る露光装置の要部構成を示す図である。
【図6】本発明のさらに他の実施形態に係る露光装置の要部構成を示す図である。
【符号の説明】
IL…照明光学系
PL…投影光学系
R…レチクル
W…ウエハ
AF1,AF2…フォーカスセンサ
120…レチクルステージ
130…ウエハステージ
123,133…レーザ干渉計
140…主制御系
150…気流生成装置
151…気流制御装置
152…気体供給装置
153…気体温度調整装置
154…気体回収装置
155…モード切換装置
156,157…給排気部
158〜161…管路
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体集積回路、液晶表示素子、薄膜磁気ヘッド、その他のマイクロデバイス、又はフォトマスク等をリソグラフィ技術を用いて製造する際に使用される露光装置及び露光方法、並びに該露光装置等に適用可能なステージ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体素子、液晶表示素子、撮像素子(CCD等)、薄膜磁気ヘッドを含むマイクロデバイス等の製造に際しては、マスクとしてのレチクルのパターンを投影光学系を介してフォトレジストが塗布された半導体ウエハやガラスプレート等の感光基板に露光転写するために露光装置が用いられる。
【0003】
感光基板は、露光処理を実施する前に、投影光学系の光軸に直交する面内でXY方向に位置決めされるとともに、その表面を投影光学系の像面に対して合わせ込むフォーカス・レベリング調整が行われる。感光基板のXY方向の位置決めは、該感光基板を保持するステージの位置を複数のレーザ干渉計により検出し、その検出結果に基づいて、露光すべきショット領域を投影光学系の投影領域に一致するように移動することにより行われる。また、感光基板の表面の投影光学系の像面に対する合わせ込みは、感光基板の表面に斜めに露光光の波長と異なる波長の検出光を照射し、その反射光を光電検出して、その検出結果が所定の基準に一致するように感光基板のZ方向(投影光学系の光軸に沿う方向)の位置及び傾きを自動調整するようにした斜入射光式のフォーカス調整装置(AF装置)を用いて行われる。
【0004】
ところで、一般に、感光基板を保持する基板ステージは投影光学系の下側に配置される。そして、当該ステージは駆動機構等の発熱部を有しているとともに、感光基板に対する露光光の照射により発生する熱により周囲の温度が上昇する。このため、投影光学系と基板ステージの間及びその近傍の空間において、いわゆる陽炎現象によって温度揺らぎ(屈折率の変動)が生じる。基板ステージの近傍には、レーザ干渉計やAF装置の検出光の光路が配置されているので、該検出光が不規則に屈折されてしまい、これらの検出値に誤差を生じ、感光基板の位置決めや姿勢制御に悪影響を与える。このため、精度の高いパターンの形成が行えない場合がある。
【0005】
このような温度揺らぎによる干渉計等の計測誤差を緩和するため、投影光学系と基板ステージとの間の空間に温度調節された空気流を形成する送風手段を設け、投影光学系と基板ステージとの間の空間の空気を温度調節された空気で置換するようにしたものが、例えば、特開平5−126522号公報などに開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、基板ステージは、露光処理前の基板の位置決めのため、あるいは露光中に高速で移動されるため、投影光学系と基板ステージとの間の空間に単に温度調節された空気を送風するのみでは、基板ステージの移動の方向と送風手段による送風方向とが必ずしも一致せず、基板ステージの移動方向に応じて空気流の流入速度やその均一性に差異を生じ、投影光学系と基板ステージとの間の空間に生じている温度揺らぎを十分に解消することができないことがあった。
【0007】
この場合、投影光学系と基板ステージとの間の空間に、基板ステージの移動方向に左右されない程度の強い空気流を形成するようにすれば、そのような問題を解消することが可能であると考えられるが、送風手段としてその出力が大きいものを用いる必要があるとともに、基板ステージの移動等に支障を与える可能性もあり、得策とはいえない。
【0008】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、ステージ近傍の空間の温度揺らぎを高効率的に解消することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
以下、この項に示す説明では、本発明を、実施形態を表す図面に示す参照符号に対応つけて説明するが、本発明の各構成要件は、これら参照符号を付した図面に示す部材等に限定されるものではない。
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る発明によると、露光対象としての基板(W)を少なくとも一軸(Y軸)に沿う正方向(+Y方向)及び逆方向(−Y方向)に移動するステージ(120,130)を備え、マスク(R)のパターンの投影光学系(PL)を介した像を、該ステージ上の基板に露光転写する露光装置において、前記投影光学系と前記ステージとの間の空間に前記ステージの移動方向に一致するような気流を生じさせる気流生成装置(150)を備えた露光装置が提供される。
【0011】
本発明の第1の観点に係る露光装置では、ステージの移動の方向と気流生成装置による気流方向とが必ず一致するため、従来のようにステージの移動方向に応じて気体の流入速度やその均一性に差異を生じるということがなくなり、投影光学系と基板ステージとの間の空間及びその近傍に生じている温度揺らぎを十分に解消することができる。
【0012】
上述した本発明の第1の観点に係る露光装置において、前記気流生成装置(150)は、前記一軸に沿うような気流が生じるように前記空間に気体を供給する管路(156〜159)、又は前記一軸に沿うような気流が生じるように前記空間の気体を排出する管路(156〜159)を有することができる。この場合において、前記気流生成装置は、前記一軸に沿う正方向に気体の流れを生じさせる第1モード、及び前記一軸に沿う逆方向に気体の流れを生じさせる第2モードを選択的に実施するモード切換装置(155)と、前記空間における前記気体の流れが前記ステージ(120,130)の移動方向に一致するように、前記モード切換装置のモードを切り換える制御装置(151)を有することができる。
【0013】
また、上述した本発明の第1の観点に係る露光装置において、前記気流生成装置(150)は、前記一軸に沿うような気流が生じるように前記空間に対する気体の供給又は排出をそれぞれ選択的に実施する一対の管路(156〜159)を有することができる。前記一対の管路の給排気口は前記一軸に沿って互いに対応するように配置されることが望ましい。これらの場合において、前記気流生成装置(150)は、前記管路(156,157)の一方を介して気体を供給し他方を介して気体を排出して前記一軸に沿う正方向に気体の流れを生じさせる第1モード、及び該管路の一方を介して気体を排出し他方を介して気体を供給して前記一軸に沿う逆方向に気体の流れを生じさせる第2モードを選択的に実施するモード切換装置(155)と、前記空間における前記気体の流れが前記ステージ(120,130)の移動方向に一致するように、前記モード切換装置のモードを切り換える制御装置(151)を有することができる。
【0014】
上述した一対の給排気用の管路(214〜217)を設けた場合において、前記気流生成装置(150)は、前記管路の一方に連通された第1ポンプ室(212)と、前記給排気管の他方に連通された第2ポンプ室(213)とを有し、該第1ポンプ室と該第2ポンプ室との間の隔壁(211)の位置を移動して、該第1ポンプ室と該第2ポンプ室の体積比を変更することにより、前記管路を介して給排気を実施するポンプ装置(210)を有することができ、この場合に、前記隔壁は前記ステージの移動に連動して移動するようにできる。
【0015】
また、上述した給気用若しくは排気用又は給排気用の管路(156,157)を設けた場合において、前記管路は断面が網目状に配列された複数の気体通路(P)を有することができる。
【0016】
さらに、前記管路(160)の途中に該管路内を流通される気体の温度を調整する温度調整装置(153)を設けることができる。
【0017】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点によれば、パターンが形成されたマスク(R)と露光対象としての基板(W)を、該基板の位置を検出光を用いて光学的に計測しつつ同期移動させながら露光する露光方法において、前記基板の近傍の前記検出光の光路を含む空間に該基板の移動方向に沿う気流を形成しつつ露光するようにした露光方法が提供される。基板の移動の方向と気流方向とを一致させているため、基板の移動に支障を生じることなく、基板近傍の空間における温度揺らぎを十分に解消することができる。従って、基板の位置の計測精度を向上することができ、露光精度を向上することができる。
【0018】
上記目的を達成するため、本発明の第3の観点によれば、パターンが形成されたマスク(R)と露光対象としての基板(W)を、該マスクの位置を検出光を用いて光学的に計測しつつ同期移動させながら露光する露光方法において、前記マスクの近傍の前記検出光の光路を含む空間に該マスクの移動方向に沿う気流を形成しつつ露光するようにした露光方法が提供される。マスクの移動の方向と気流方向とを一致させているため、マスクの移動に支障を生じることなく、マスク近傍の空間における温度揺らぎを十分に解消することができる。従って、マスクの位置の計測精度を向上することができ、露光精度を向上することができる。
【0019】
上記目的を達成するため、本発明の第4の観点によると、移動対象物(R,W)を少なくとも一軸に沿う正方向及び逆方向に移動するステージ(120,130)と、前記移動対象物の位置を検出光を用いて光学的に計測する計測装置(123,133,AF1,AF2)と、前記移動対象物の近傍の前記検出光の光路を含む空間に、該移動対象物の移動方向に沿う正方向及び逆方向に選択的に気体の流れを生じさせる気流生成装置(150)と、前記移動対象物の移動方向の切り換えに応じて前記気体の流れ方向を切り換えるよう前記気流生成装置を制御する制御装置(151)とを備えたステージ装置が提供される。移動対象物の移動の方向と気流方向とを一致させているため、移動対象物の移動に支障を生じることなく、移動対象物近傍の空間における温度揺らぎを十分に解消することができる。従って、移動対象物の位置の計測精度を向上することができ、移動対象物の位置決めや移動中の位置精度を向上することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0021】
図1は、本発明の実施形態に係る露光装置の概略構成を示す図であり、この露光装置は、ステップ・アンド・スキャン方式の縮小投影露光装置である。なお、以下の説明においては、図1中に示されたXYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ説明する。XYZ直交座標系は、X軸が紙面に対して垂直となるように設定され、Y軸及びZ軸が紙面に対して平行となるように設定されている。図中のXYZ座標系は、実際にはXY平面が水平面に平行な面に設定され、Z軸が鉛直上方向に設定される。Y軸に沿う方向がスキャン(走査)方向である。
【0022】
図1において、光源100からの光(ここでは、ArFエキシマレーザ光とする)としての紫外パルス光(以下、露光光と称する)は、照明光学系ILとの間で光路を位置的にマッチングさせるための可動ミラー等を含むビームマッチングユニット(BMU)101を通り、パイプ102を介して光アッテネータとしての可変減光器103に入射する。
【0023】
この露光装置を全体的に管理・制御する主制御系140は、ウエハ(感光基板)W上に塗布されたレジストに対する露光量を制御するため、光源100との間で通信することにより、発光の開始及び停止、発振周波数及びパルスエネルギーで定まる出力を制御するとともに、可変減光器103における露光光に対する減光率を段階的又は連続的に調整する。
【0024】
可変減光器103を通った露光光は、所定の光軸に沿って配置されるレンズ系104、105よりなるビーム整形光学系を経て、オプチカル・インテグレータ(ホモジナイザー)としてのフライアイレンズ106に入射する。ここで、フライアイレンズ106を用いる代わりに、ロッドインテグレータ(内面反射型インテグレータ)あるいは回折光学素子等を採用してもよい。なお、フライアイレンズ106は、照度分布均一性をさらに高めるために、直列に2段配置してもよい。
【0025】
フライアイレンズ106の射出面には開口絞り系107が配置されている。開口絞り系107には、通常照明用の円形の開口絞り、複数の偏心した小開口よりなる変形照明用の開口絞り、輪帯照明用の開口絞り等が切り換え自在に配置され、ウエハW上に転写すべきパターンに応じてレチクルRの照明条件、即ち、照明光学系ILの瞳面上での露光光の光量分布(オプティカル・インテグレータ106によって形成される2次光源の形状や大きさなど)を変更可能となっている。
【0026】
なお、開口絞り系107を用いる代わりに、あるいはそれと組み合わせて、例えば照明光学系ILの光路に交換して配置される複数の回折光学素子、照明光学系ILの光軸に沿って移動可能なプリズム(円錐プリズムや多面体プリズムなど)、及びズーム光学系の少なくとも1つを含む光学ユニットを、光源100とオプティカル・インテグレータ106との間に配置し、照明条件の変更に応じてオプティカル・インテグレータ106の入射面上での露光光の強度分布又は入射角度範囲を変更可能として、光量損失を抑えるようにしてもよい。
【0027】
フライアイレンズ106から射出されて開口絞り系107の所定の開口絞りを通過した露光光は、透過率が高く反射率が低いビームスプリッタ108に入射する。ビームスプリッタ108で反射された光は光電検出器よりなるインテグレータセンサ109に入射し、インテグレータセンサ109の検出信号は不図示の信号線を介して主制御系140に供給される。
【0028】
ビームスプリッタ108の透過率及び反射率は予め高精度に計測されて、主制御系140内のメモリに記憶されており、主制御系140は、インテグレータセンサ109の検出信号より間接的に投影光学系PLに対する露光光の入射光量、ひいてはウエハW上での露光光の光量をモニタできるようになっている。
【0029】
ビームスプリッタ108を透過した露光光は、コンデンサレンズ系110、反射ミラー111、コンデンサレンズ系112を介して、固定スリット板113に入射する。固定スリット板113は、X方向に延在する細長い矩形状のスリット(開口)を有しており、入射した露光光は、この固定スリット板113のスリットによってX方向に延在する細長い矩形状の光に整形される。
【0030】
照明光学系ILによって露光光が照射されるレチクルR上の照明領域、及び後述の投影光学系PLに関してその照明領域と共役で、かつレチクルRのパターン像が形成される投影領域(即ち、投影光学系PLによって露光光が照射されるウエハW上の露光領域)は、基本的に固定スリット板113によって規定される。当該照明領域又は投影領域の形状、即ち走査露光時にレチクルR及びウエハWが移動される走査方向としてのY方向についての幅(短辺方向の寸法)、及び該走査方向と直交する非走査方向としてのX方向についての幅(長辺方向の寸法)を調整するために、可動式のブラインド(遮光板)を有するレチクルブラインド機構(不図示)を設けてもよい。なお、これらの固定スリット板113(及びレチクルブランド機構は、後述するレチクルRのパターン形成面と共役な面又はその近傍に配置されている。
【0031】
固定スリット板113の矩形状のスリットによって整形された露光光は、結像用レンズ系114、反射ミラー115、及び主コンデンサレンズ系116を介して、レチクルRの回路パターン領域上で固定スリット板113のスリットと相似な照明領域を照明する。
【0032】
照明光学系ILから射出された露光光により、マスクステージとしてのレチクルステージ120に保持されたレチクルRの一部が照明される。レチクルRのスリット状の照明領域内のパターンの像は、投影光学系PLを介して縮小倍率1/α(αは、例えば、5又は4等)で、フォトレジストが塗布されたウエハWの表面に投影される。
【0033】
レチクルステージ120は、レチクルステージ用のベース121上で、保持しているレチクルRをXY平面内で回転方向及び並進方向に微動して、その姿勢を調整することができる。また、Y方向に一定速度で往復移動できるようになっている。レチクルステージ120の上部には移動鏡122が固定されており、この移動鏡122に対向してレーザ干渉計123が配置されている。なお、図1においては、図示を簡略化しているが、移動鏡122として、レチクルステージ120上においてX方向に延びた移動鏡(又は少なくとも1つのレトロリフレクタ)とY方向に延びた移動鏡とが設けられており、各々の移動鏡に対向してレーザ干渉計が設けられている。
【0034】
レチクルステージ120の上部に固定された移動鏡122、及び対向して配置されたレーザ干渉計123によってレチクルステージ120のX座標、Y座標、及び回転角が計測され、この計測値が主制御系140に供給されている。主制御系140のステージ制御部(不図示)は、その計測値及び各種の制御情報に基づいて、レチクルステージ120の駆動モータ(リニアモータやボイスコイルモータ等)の動作を制御することにより、その走査速度及び位置の制御が行われる。レチクルRの回転誤差は、ステージ制御部を介してレチクルステージ120を微少回転することにより補正される。
【0035】
一方、ウエハWは、ウエハステージ130にウエハホルダ(不図示)を介して吸着保持されている。ウエハステージ130上には、図示は省略するが、位置決め用の基準マーク部材や照度分布検出センサ(いわゆる照度ムラセンサ)が固定されている。ウエハステージ130は、ウエハステージ用のベース131上で、例えばリニアモータによりウエハWのY方向への等速走査、X方向及びY方向へのステッピング動作を行う。
【0036】
ウエハステージ130の上部には移動鏡132が固定されており、この移動鏡132に対向してレーザ干渉計133が配置されている。なお、図1においては、図示を簡略化しているが、移動鏡132として、ウエハステージ130上においてX方向に延びた移動鏡とY方向に延びた移動鏡とが設けられており、各々の移動鏡に対向してレーザ干渉計が設けられている。
【0037】
ウエハステージ130の上部に固定された移動鏡132、及び対向して配置されたレーザ干渉計133によってウエハステージ130のX座標、Y座標、及び回転角が計測され、この計測値が主制御系140に供給されている。主制御系140のステージ制御部は、その計測値及び各種の制御情報に基づいて、ウエハステージ130の駆動モータ(リニアモータやボイスコイルモータ等)の動作を制御することにより、その走査速度及び位置の制御が行われる。ウエハWの回転誤差は、ステージ制御部を介してウエハステージ130を微少回転することにより補正される。
【0038】
さらに、投影光学系PLの光軸AX方向(Z方向)に関するウエハWの位置を検出する送光系AF1及び受光系AF2を有する斜入射方式の多点焦点位置検出系(以下、フォーカスセンサAFと呼ぶ)が設けられている。このフォーカスセンサAFは、投影光学系PLの視野内でパターンの縮小像が投影される露光領域の内部、及びY方向に関する露光領域の両側に設定される複数の計測点にそれぞれ光ビームを照射するとともに、ウエハWで反射された光をそれぞれ独立に受光して、各計測点におけるウエハWのZ方向の位置(本例では、所定の基準面、例えば投影光学系PLの像面に対するウエハWの表面の位置ずれ量)を検出するものである。このフォーカスセンサAFの計測値は主制御系140に出力され、主制御系140のステージ制御部はその計測値に基づいてウエハステージ130を駆動し、ウエハWのフォーカス位置(光軸AX方向の位置)、及び傾斜角の制御(フォーカス及びレベリング調整)を行う。これにより、投影光学系PLの露光領域内で投影光学系PLの像面とウエハW上の各ショット領域の表面とがほぼ合致する、即ち、露光領域内でショット領域の表面が投影光学系PLの焦点深度内に設定されることになる。
【0039】
主制御系140のステージ制御部は、レチクルステージ120及びウエハステージ130のそれぞれの移動位置、移動速度、移動加速度、位置オフセット等の各種情報に基づいて、レチクルステージ120及びウエハステージ130を制御する。走査露光時には、レチクルステージ120とウエハステージ130とが同期駆動され、照明光学系ILによって露光光が照射される照明領域に対してレチクルRが+Y方向(又は−Y方向)に速度Vrで移動されるのに同期して、投影光学系PLによって露光光が照射される露光領域(照明領域内のパターン像が形成される投影領域)に対してウエハWが−Y方向(又は+Y方向)に速度(1/α)・Vr(αは、例えば、5又は4)で移動される。これにより、レチクルRのパターン領域の全面が露光光で照明されるとともに、ウエハW上の1つのショット領域が露光光で走査露光され、そのショット領域にレチクルRのパターンが転写される。
【0040】
なお、投影光学系PLは、ここでは屈折系(ジオプトリック系)であるが、反射屈折系(カタジオプトリック系)、又は反射系(カトプトリック系)としてもよい。
【0041】
また、照明光学系ILの主要部は、気密性の良好なサブチャンバ117内に収容されており、サブチャンバ117内は、光路中の光損失を低減するため、温度調節された清浄なドライエアー、又は窒素、ヘリウム等の不活性ガス(本実施形態ではヘリウムとする)で置換(パージ)されるようになっている。投影光学系PLの鏡筒内も同様となっている。照明光学系IL、投影光学系PLへのヘリウムガスの供給は管路134を介して行われる。これらのガスの供給ないし回収のための装置は、露光装置が設置されるクリーンルームの階下に設けられる、いわゆる機会室(ユーティリティースペース)内に設置される。また、露光装置本体は、全体を覆う箱状の環境チャンバ内に収容されており、環境チャンバ内も温度制御された気体(本実施形態では窒素とする)がフロー供給されている。
【0042】
主制御系140は、磁気ディスク装置等の記憶装置(不図示)を有しており、記憶装置に、露光データファイルが格納されている。露光データファイルには、レチクルRに関する情報やアライメント情報等が記録されている。
【0043】
上述したように、投影光学系PLとウエハステージ130の間の空間ないしその近傍(以下、簡単のため、ウエハ空間という)には、ステージ位置計測用のレーザ干渉計133の検出光の光路が設けられているとともに、フォーカスセンサAF(AF1,AF2)の検出光の光路が設けられている。そして、ウエハステージ130は駆動モータ等の発熱部を備えているとともに、露光光のウエハWへの照射により、ウエハ空間内には温度揺らぎ(気体の屈折率が部分的に異なる現象)が生じ、各計測装置133,AF1,AF2の計測精度を低下させる場合がある。これを防止するため、本実施形態では、ウエハ空間に温度制御された気体を供給するとともに、該ウエハ空間内の気体を排出することにより、該ウエハ空間に気体の流れを生成する気流生成装置150を設けている。
【0044】
なお、この問題は、レチクルステージ120と照明光学系ILとの間の空間及びその近傍(以下、簡単のため、レチクル空間という)についても同様にあてはまるので、本実施形態では、ウエハ空間に対する下記の気流生成装置150と同様の気流生成装置がレチクル空間についても同様に設けられているものとする。但し、その構成は両者ともほぼ同じなので、ウエハ空間についての気流生成装置150についてのみ説明し、レチクル空間についての気流生成装置についてはその説明を省略する。
【0045】
この気流生成装置150は、気流制御装置151、気体供給装置152、気体温度調整装置(温調装置)153、気体回収装置154、モード切換装置155、管路158,159,160,161、及び気体給排部(管路の気体給排気口近傍の部分)156,157を備えて構成されている。なお、特に限定されないが、この実施形態では、この気流生成装置150によりウエハ空間に供給される気体は、環境チャンバ内のパージガスと同じ窒素ガスであるものとして説明する。
【0046】
気体供給装置152は、高純度窒素が封入された窒素ボンベ、該窒素ボンベからの窒素の供給又は停止を制御する電磁弁、気体圧送用のポンプないしファン等を備えて構成されており、気流制御装置151からの制御信号に基づいて、窒素ガスの管路160に対する供給及び停止を行う。気体回収装置154は、気体吸引用のポンプないしファン及び回収した気体を蓄積保存する回収ボンベ等を備えて構成されており、気流制御装置151からの制御信号に基づいて、管路161を介してのガスの回収及び停止を行う。気体供給装置152及び気体回収装置154にその一端が接続された管路160,161の他端はモード切換装置155に接続されている。
【0047】
気体供給装置152とモード切換装置155を接続する管路160上には、気体温度調整装置153が設けられている。気体温度調整装置153は、図2に示されているように、管路160に密着して、あるいは介装して設けられた熱交換ユニット171と、媒質温調ユニット172と、媒質管路173,174を備えて構成されている。フロリナート等の媒質(ここでは冷媒)が媒質温調ユニット172と熱交換ユニット171の間を媒質管路173,174を介して循環されており、媒質温調ユニット172にて所定の温度に調節(ここでは冷却)された媒質は媒質管路173を介して熱交換ユニット171に送られ、管路160を流通される窒素ガスGSとの間で熱交換を行い、該パージガスを所定の温度に設定する。熱交換ユニット171で熱交換により温度が上昇した媒質は媒質管路174を介して媒質温調ユニット172に戻され、ここで所定の温度に冷却された後、熱交換ユニット171に送られ、以後、この動作を繰り返す。
【0048】
図1において、モード切換装置155は、4つのポートを有しており、管路158,159,160,161が対応するポートにそれぞれ接続されている。モード切換装置155は、管路160を管路158に接続するとともに管路161を管路159に接続する第1モードと、管路160を管路159に接続するとともに管路161を管路158に接続する第2モードとを、気流制御装置151からの制御信号に基づいて選択的に切り換える装置である。
【0049】
モード切換装置155にその一端が接続された管路158の他端は、気体給排気部156に接続されており、同じくモード切換装置155にその一端が接続された管路159の他端は、気体給排気部157に接続されている。気体給排気部156,157は、それぞれ給排気口を有しており、これらの給排気口が、レーザ干渉計133の検出光の光路を含むようにウエハステージ130を挟んで対向して配置されている。
【0050】
図3は気流制御装置151による気流生成処理を示すフローチャートである。気流生成装置151は、まず、気体供給装置152,気体回収装置154、気体温度調節装置153及びモード切換装置155を初期化するとともに、各装置の作動を開始した後(ステップ301)、主制御系140からウエハステージ130のスキャン方向(移動方向)についての情報を受け取り、ウエハステージ130のスキャン方向が第1方向(+Y方向)であるか、第2方向(−Y方向)であるかを判断する(ステップ302)。
【0051】
ウエハステージ130のスキャン方向が第1方向であると判断した場合には、第1方向に気流を生成するようモード切換装置155に制御信号を送る。モード切換装置155は、管路160を管路158に接続するとともに、管路161を管路159に接続する第1モードを実行する。これにより、気体供給装置152からの窒素ガスは管路160を介して送られ、気体温度調整装置153により所定の温度に設定され、モード切換装置155、管路158、気体給排気部156を経て、ウエハ空間に吐出される。一方、ウエハ空間内のガスは、気体給排気部157を介して吸引され、管路159、モード切換装置155、管路161を経て回収装置154により回収される。これにより、ウエハステージ130が第1方向に移動している時は、ウエハ空間内には、その移動方向と同じ第1方向に窒素ガスの流れが生じる。ウエハステージ130の移動方向と窒素ガスの気流方向が一致しているので、給排気部156から吐出された窒素ガスは、給排気部157へと円滑に流れ、ウエハ空間は所定温度に設定された清浄な窒素ガスで一様に置換される。その後、全てのショット領域に対する露光が終了したか否かを判断し(ステップ305)、終了と判断した場合にはこの処理を終了し、終了でないと判断した場合にはステップ302に戻る。
【0052】
ステップ302において、気流制御装置151は、ウエハステージ130のスキャン方向が第2方向であると判断した場合には、第2方向に気流を生成するようモード切換装置155に制御信号を送る。モード切換装置155は、管路160を管路159に接続するとともに、管路161を管路158に接続する第2モードを実行する。これにより、気体供給装置152からの窒素ガスは管路160を介して送られ、気体温度調整装置153により所定の温度に設定され、モード切換装置155、管路159、気体給排気部157を経て、ウエハ空間に吐出される。一方、ウエハ空間内のガスは、気体給排気部156を介して吸引され、管路158、モード切換装置155、管路161を経て回収装置154により回収される。これにより、ウエハステージ130が第2方向に移動している時は、ウエハ空間内には、その移動方向と同じ第2方向に窒素ガスの流れが生じる。ウエハステージ130の移動方向と窒素ガスの気流方向が一致しているので、給排気部157から吐出された窒素ガスは、給排気部156へと円滑に流れ、ウエハ空間は所定温度に設定された清浄な窒素ガスで一様に置換される。
【0053】
ウエハWの各ショット領域に対するスキャン露光は、レチクルステージ120の移動量を最小にするため、往復動作、即ち、第1方向へのスキャンの後、ウエハWをステップ移動し、第2方向へのスキャンを実施し、これらを順次繰り返すことにより行われる。従って、この実施形態におけるウエハ空間には、ウエハステージ130のスキャン動作に従ってそのスキャン方向と同じ方向への窒素ガスの流れが交互に生成されることになる。但し、複数のショット領域について同一方向へのスキャン動作を繰り返す場合には、ウエハ空間内での窒素ガスの流れもその複数のショット領域の露光中は同一方向に生成されることになる。
【0054】
なお、一のショット領域の露光後、次のショット領域への移動のためのステップ移動中、即ちスキャン動作以外のウエハWの移動中のウエハ空間内での気流の生成については、気流の生成を継続しても、気流の生成を停止してもいずれでもよい。気流の生成を継続する場合には、スキャン方向に沿う方向へのステップ移動については、ステップ移動の方向に一致するように気流を生成するようにでき、スキャン方向に沿う方向以外の方向へのステップ移動については、直前のモードをそのまま継続し、あるいは次のスキャン方向と一致するモードに切り換えるようにしてもよい。また、図1の露光装置では1つのショット領域の走査露光終了後であって走査方向(例えば+Y方向である第1方向)に関してウエハステージ130を減速している間に、次のショット領域の走査露光のためにウエハステージ130のX方向へのステップ移動を開始するとともに、このステップ移動が終了する前に−Y方向(第2方向)へのウエハステージ130の加速を開始する、即ちX方向の速度成分とY方向の速度成分とが同時に零とならないようにウエハステージ130を移動してスループットを向上させるシーケンスが採用される。この場合は、例えばウエハステージ130のY方向の速度成分が零となるまでは第1方向に気流を生成し続け、それ以降は第2方向に気流を生成すればよい。なお、走査露光終了直後ではウエハステージ130の+Y方向の減速とX方向への加速とをほぼ同時に行い、次ショット領域の走査露光開始直前ではウエハステージ130の−Y方向への加速とX方向の減速とをほぼ同時に行うこととしているが、必ずしもこの両方を行わなくてもよく、いずれか一方のみを行う場合でも同様にウエハステージ130のY方向の速度成分に着目し、この速度成分が零となる時点で第1方向への気流の生成と第2方向への気流の生成とを切り替えればよい。
【0055】
上述した実施形態において、特に限定されないが、気体給排気部156及び/又は気体給排気部157の内部構造としては、例えば、図4に示されているように、その断面が網目状に仕切られた複数の気体通路Pを有するものを採用することが望ましい。このような構成を採用することにより、ウエハ空間に全体的に一様な気体の流れを生成することができ、ウエハ空間内の温度揺らぎをより高効率的に解消することができるようになるからである。この場合において、各気体通路の形状は、図4のように、矩形である必要はなく、三角形その他の多角形、あるいは円形若しくは楕円形であってもよい。給排気部の全体の形状も、同図のように矩形である必要はなく、その他の形状であってもよい。
【0056】
また、上述した実施形態においては、互いに対向して設けられた一対の給排気部156,157により、第1方向及び第2方向へのそれぞれの気流生成を行うようにしたが、給排気部156,157のそれぞれの位置に、気体を供給する給気部と気体を排気する排気部をそれぞれ隣接して設けてもよい。この場合には、モード切換装置155は不要となり、一方側の給気部から気体を供給し他方側の排気部から排気するモードと、他方側の給気部から気体を供給し一方側の排気部から排気するモードを気流制御装置151により切り換えるようにすればよい。
【0057】
さらに、ウエハ空間内に第1方向への気流と第2方向への気流を生成するためには、給気と排気の両者を行った方が円滑な気流を生成できる点で好ましいが、必ずしもそのようにする必要はなく、給排気部156,157の位置に給気部のみあるいは排気部のみを設け、給気のみあるいは排気のみを行うことにより、ウエハ空間内にウエハステージ130の移動方向に一致する気流を生成するようにしてもよい。
【0058】
上述した実施形態では、環境チャンバ内を窒素ガスによりパージするとともに、ウエハ空間内に窒素ガスを用いて気流を生成するようにしたが、これらのガスとしては、ヘリウムガス、アルゴン、ネオン、その他の希ガスであってもよい。ヘリウムガスを用いる場合には、ヘリウムガスは比較的に高額であるので、供給したヘリウムガスを回収した後に、これを浄化して再度供給に用いるようにするとよい。さらに、露光光の波長によっては、ドライエアを用いてもよい。
【0059】
また、レチクルステージ120と照明光学系ILとの間及びその近傍の空間(レチクル空間)についての気流生成装置とウエハ空間についての気流生成装置との関係においては、レチクル空間用の気流生成装置をウエハ空間用の気流生成装置とは別に独立に設けてもよく、あるいは給排気部をレチクルステージ120を挟んで対応するように設け、ウエハ空間用の気流生成装置の管路158及び159から分岐した管路をレチクル空間用の各給排気部に接続するようにしてもよい。このとき、本実施形態では、レチクルRとウエハWのスキャン方向は互いに逆向きであるので、ウエハ空間に第1方向の気流を生成しているときには、レチクル空間には第2方向の気流が、ウエハ空間に第2方向の気流を生成しているときには、レチクル空間には第1方向の気流が生成されるように設定する。なお、レチクルRとウエハWのスキャン方向が同じ向きである場合には、ウエハ空間に第1方向の気流を生成しているときには、レチクル空間にも第1方向の気流が、ウエハ空間に第2方向の気流を生成しているときには、レチクル空間にも第2方向の気流が生成されるように設定する。
【0060】
さらに、上述した実施形態では、スキャン方向としてのY方向に沿う方向に気流を生成するようにしたが、X方向に沿う方向にも気流を生成するようにして、Y方向へのスキャン移動及びステップ移動に加えて、X方向へのステップ移動時にも、そのステージの移動方向に沿うように気流を生成するようにしてもよい。
【0061】
次に、本実施形態の変形例を図5を参照して説明する。図1と実質的に同じ部分には同じ番号を付して、その説明は省略する。この変形例では、一対の給排気部203,204がウエハステージ130の左右の斜め上方からウエハステージ130を指向するように斜めに設けられており、各給排気部203,204の給排気口は下側を向くように設定されている。また、給排気機構201,202は、給排気部203,204に隣接して設けられており、気流生成制御装置200により、給排気機構201,202の作動が制御されるようになってる。給排気機構201,202としては、環境チャンバ内の気体(ここでは、例えば、窒素ガス)を給排気部203,204からウエハ空間内に吹き出すとともに、ウエハ空間内の気体を環境チャンバ内に排出するものを採用している。具体的には、気体の送風及び吸引を選択的に切り換えることができる送風ファンないしポンプである。
【0062】
この例では、図中、点線矢印で示されているような気流が生成されることになる。ステージ130の近傍に設置される各種の装置や部材との関係で、給排気部の設置場所に制約がある場合等に有利であるとともに、図1と比較してその構成が簡略なので、露光装置の仕様によっては、このような構成を採用するとよい。なお、給排気機構201,202内に、ケミカルフィルタやHEPA(HighEfficiency Particle Air)フィルタ等の浄化フィルタ、及び温度調整装置等を設けるとよい。
【0063】
図6は、図5の構成をさらに簡略化した例を示している。この例では、気体給排気機構として、同図に示されているような単一のポンプ装置210を採用している。このポンプ装置210は、隔壁211を介して左右に第1ポンプ室212及び第2ポンプ室213が設けられており、給排気部216にその一端が接続された管路214の他端が第1ポンプ室212に接続され、給排気部217にその一端が接続された管路215の他端が第2ポンプ室213に接続されている。給排気部216,217の構成は、図5の給排気部203,204と同様である。
【0064】
隔壁211を図中左方向(−Y方向)に移動すると、第1ポンプ室212が圧縮されて管路214を介して給排気部216から気体がウエハ空間内に吐出されるとともに、第2ポンプ室213が拡張してウエハ空間内の気体が給排気部217、管路215を介して第2ポンプ室213に流入される。これにより、ウエハ空間内に第1方向(+Y方向)の気流が生成される。一方、隔壁211を図中右方向(+Y方向)に移動すると、第2ポンプ室213が圧縮されて管路215を介して給排気部217から気体がウエハ空間内に吐出されるとともに、第1ポンプ室212が拡張してウエハ空間内の気体が給排気部216、管路214を介して第1ポンプ室212に流入される。これにより、ウエハ空間内に第2方向(−Y方向)の気流が生成される。
【0065】
ポンプ装置210の隔壁211の移動は、ウエハステージ130のスキャン方向に一致するように、独立した駆動装置により行うようにできる。但し、隔壁211の一部をウエハステージ130の可動部に方向変換機構及び変速機構等を介して取り付けて、ウエハステージ130の移動に同期して逆方向に隔壁211を移動するようにすれば、隔壁211の移動用に別途駆動機構や制御機構を設ける必要がなく高効率的である。ところで、上記各実施形態では窒素又はヘリウムなどの不活性ガス(以下、パージガスと総称する)を用いて気流を生成するときにそのパージガスを回収するものとしたが、必ずしもその回収を行わなくてもよいし、あるいは回収のみを行って再利用しなくてもよい。
【0066】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。従って、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0067】
例えば、上記の実施形態においては、光源としてArFエキシマレーザ光(波長193nm)を射出するものを採用した露光装置について説明しているが、本発明はこれに限定されず、g線(436nm)、i線(365nm)、KrFエキシマレーザ(248nm)、F2 レーザ(157nm)等を採用することができる。
【0068】
露光用照明光として、DFB半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域、又は可視域の単一波長レーザを、例えばエルビウム(又はエルビウムとイットリビウムの両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いてもよい。
【0069】
例えば、単一波長レーザの発振波長を1.51〜1.59μmの範囲内とすると、発生波長が189〜199nmの範囲内である8倍高調波、又は発生波長が151〜159nmの範囲内である10倍高調波が出力される。特に発振波長を1.544〜1.553μmの範囲内とすると、193〜194nmの範囲内の8倍高調波、即ちArFエキシマレーザとほぼ同一波長となる紫外光が得られ、発振波長を1.57〜1.58μmの範囲内とすると、157〜158nmの範囲内の10倍高調波、即ちF2 レーザとほぼ同一波長となる紫外光が得られる。
【0070】
また、発振波長を1.03〜1.12μmの範囲内とすると、発生波長が147〜160nmの範囲内である7倍高調波が出力され、特に発振波長を1.099〜1.106μmの範囲内とすると、発生波長が157〜158μmの範囲内の7倍高調波、即ちF2 レーザとほぼ同一波長となる紫外光が得られる。なお、単一波長発振レーザとしてはイットリビウム・ドープ・ファイバーレーザを用いる。
【0071】
また、上述の説明では、本発明を用いて特に好適なステップ・アンド・スキャン方式の縮小投影型露光装置(スキャニング・ステッパー)についての説明としたが、レチクルとウエハとを静止させた状態でレチクルパターンの全面に露光光を照射して、そのレチクルパターンが転写されるべきウエハ上の1つの区画領域(ショット領域)を静止露光するステップ・アップ・リピート方式の縮小投影型露光装置(ステッパー)にも本発明を適用することができる。さらに、ステップ・アンド・スティッチ方式の縮小投影型露光装置やミラープロジェクション・アライナー等にも適用することができる。その他、基板を移動するステージ装置に広く適用可能である。
【0072】
さらに、半導体素子や液晶表示素子の製造に用いられる露光装置だけでなく、プラズマディスプレイ、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCDなど)、マイクロマシン、DNAチップなどの製造に用いられる露光装置、及びレチクル又はマスクを製造するために、ガラス基板又はシリコンウエハなどに回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用できる。即ち本発明は、露光装置の露光方式や用途等に関係なく適用可能である。
【0073】
前述した本発明の実施形態に係る露光装置(図1)は、光源100、各種の光学素子ないし光学装置を含んで構成される照明光学系IL、レチクルステージ120を含むレチクル移動系、ウエハステージ130を含むウエハ移動系、投影光学系PL、ウエハ空間に気流を生成する気流生成装置150、レチクル空間に気流を生成する気流生成装置等の図1に示された各要素等を環境チャンバ内に収容し、各気流生成装置の管路158〜161等の配管や電気配線を行い、電気的、機械的、又は光学的に連結して組み上げた後、総合調整(電気調整、動作確認等)をすることにより製造される。なお、露光装置の製造は、温度及びクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
【0074】
本発明の実施形態に係る露光装置を用いてデバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)を生産するには、まず、設計ステップにおいて、デバイスの機能設計(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、その機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続き、マスク製作ステップにおいて、設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。一方、ウエハ製造ステップにおいて、シリコン等の材料を用いてウエハを製造する。
【0075】
次に、ウエハプロセスステップにおいて、上記ステップで用意したマスクとウエハを使用して、リソグラフィ技術によってウエハ上に実際の回路等を形成する。次いで、組立ステップにおいて、ウエハプロセスステップにおいて処理されたウエハを用いてチップ化する。この組立ステップには、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の工程が含まれる。最後に、検査ステップにおいて、組立ステップで作製されたデバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経た後にデバイスが完成し、これが出荷される。
【0076】
【発明の効果】
本発明は以上詳述したように、ステージ近傍の空間に該ステージの移動方向に一致するように気体の流れを生成するようにしたので、該ステージの移動の妨げとなることなく、ステージ近傍の空間の温度揺らぎを高効率的に解消することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る露光装置の全体構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態における気流生成装置の温度調整装置の概略を示す図である。
【図3】本発明の実施形態における気流生成装置の気流制御装置の処理を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施形態における気流生成装置の給排気部の断面構成の一例を示す図である。
【図5】本発明の他の実施形態に係る露光装置の要部構成を示す図である。
【図6】本発明のさらに他の実施形態に係る露光装置の要部構成を示す図である。
【符号の説明】
IL…照明光学系
PL…投影光学系
R…レチクル
W…ウエハ
AF1,AF2…フォーカスセンサ
120…レチクルステージ
130…ウエハステージ
123,133…レーザ干渉計
140…主制御系
150…気流生成装置
151…気流制御装置
152…気体供給装置
153…気体温度調整装置
154…気体回収装置
155…モード切換装置
156,157…給排気部
158〜161…管路
Claims (14)
- 露光対象としての基板を少なくとも一軸に沿う正方向及び逆方向に移動するステージを備え、マスクのパターンの投影光学系を介した像を、該ステージ上の基板に露光転写する露光装置において、
前記投影光学系と前記ステージとの間の空間に前記ステージの移動方向に一致するような気流を生じさせる気流生成装置を備えたことを特徴とする露光装置。 - 前記気流生成装置は、前記一軸に沿うような気流が生じるように前記空間に気体を供給する管路を有することを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
- 前記気流生成装置は、前記一軸に沿うような気流が生じるように前記空間の気体を排出する管路を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の露光装置。
- 前記気流生成装置は、前記一軸に沿う正方向に気体の流れを生じさせる第1モード、及び前記一軸に沿う逆方向に気体の流れを生じさせる第2モードを選択的に実施するモード切換装置と、
前記空間における前記気体の流れが前記ステージの移動方向に一致するように、前記モード切換装置のモードを切り換える制御装置を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の露光装置。 - 前記気流生成装置は、前記一軸に沿うような気流が生じるように前記空間に対する気体の供給又は排出をそれぞれ選択的に実施する一対の管路を有することを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
- 前記一対の管路の給排気口は前記一軸に沿って互いに対応するように配置されたことを特徴とする請求項5に記載の露光装置。
- 前記気流生成装置は、前記管路の一方を介して気体を供給し他方を介して気体を排出して前記一軸に沿う正方向に気体の流れを生じさせる第1モード、及び該管路の一方を介して気体を排出し他方を介して気体を供給して前記一軸に沿う逆方向に気体の流れを生じさせる第2モードを選択的に実施するモード切換装置と、
前記空間における前記気体の流れが前記ステージの移動方向に一致するように、前記モード切換装置のモードを切り換える制御装置を有することを特徴とする請求項5又は6に記載の露光装置。 - 前記気流生成装置は、前記管路の一方に連通された第1ポンプ室と、前記管路の他方に連通された第2ポンプ室とを有し、該第1ポンプ室と該第2ポンプ室との間の隔壁の位置を移動して、該第1ポンプ室と該第2ポンプ室の体積比を変更することにより、前記管路を介して給排気を実施するポンプ装置を有することを特徴とする請求項5〜7のいずれか一項に記載の露光装置。
- 前記隔壁は前記ステージの移動に連動して移動することを特徴とする請求項8に記載の露光装置。
- 前記管路は断面が網目状に配列された複数の気体通路を有することを特徴とする請求項2〜9のいずれか一項に記載の露光装置。
- 前記管路の途中に該管路内を流通される気体の温度を調整する温度調整装置を設けたことを特徴とする請求項2〜10のいずれか一項に記載の露光装置。
- パターンが形成されたマスクと露光対象としての基板を、該基板の位置を検出光を用いて光学的に計測しつつ同期移動させながら露光する露光方法において、
前記基板の近傍の前記検出光の光路を含む空間に該基板の移動方向に沿う気流を形成しつつ露光することを特徴とする露光方法。 - パターンが形成されたマスクと露光対象としての基板を、該マスクの位置を検出光を用いて光学的に計測しつつ同期移動させながら露光する露光方法において、
前記マスクの近傍の前記検出光の光路を含む空間に該マスクの移動方向に沿う気流を形成しつつ露光することを特徴とする露光方法。 - 移動対象物を少なくとも一軸に沿う正方向及び逆方向に移動するステージと、
前記移動対象物の位置を検出光を用いて光学的に計測する計測装置と、
前記移動対象物の近傍の前記検出光の光路を含む空間に、該移動対象物の移動方向に沿う正方向及び逆方向に選択的に気体の流れを生じさせる気流生成装置と、
前記移動対象物の移動方向の切り換えに応じて前記気体の流れ方向を切り換えるよう前記気流生成装置を制御する制御装置と、
を備えたことを特徴とするステージ装置。
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