JP2004063361A - 二酸化炭素固定化方法及びその装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】SOFC等の燃料電池10から排出される二酸化炭素含有排ガスを、水素雰囲気下にて二酸化炭素の還元反応が生じる第1の温度域に調節する昇温器11と、前記第1の温度域を維持して二酸化炭素を一酸化炭素に還元するシフト反応器12と、酸化還元反応により前記一酸化炭素から炭素と二酸化炭素が生成する第2の温度域に調節する冷却器13と、該第2の温度域に維持して前記酸化還元反応により炭素を析出させる炭素析出・分離器14と、を備え、前記燃料電池10から排出される排ガス中の二酸化炭素を、該排ガスに含有される水素を利用して前記昇温器11及び冷却器13の温度制御により炭素として析出させて回収することを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、都市ガス、LPガス若しくは有機性廃棄物を嫌気性発酵して得られるメタンガス等を燃料源とした燃料電池の排ガスに含有される二酸化炭素及びその他各種二酸化炭素発生源から排出される排ガスに含有される二酸化炭素を排ガスから分離する二酸化炭素固定化方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
エネルギーの枯渇問題、大気汚染等の環境問題等への対策として、燃料電池に期待が寄せられている。燃料電池は発電効率が高く、環境性にも優れており、また排熱も利用できることから実現化に向けて広く研究、開発されている。 燃料電池のなかでも、特にリン酸形(PAFC)、固体高分子形(PEFC)、溶融炭酸塩形(MCFC)、固体酸化物形(SOFC)の研究が盛んに行われており、一部は実用化に至っている。さらに、燃料電池の特性として電力の他に排熱を利用することによるコージェネレーションシステムが挙げられ、これにより無駄のないエネルギ利用が可能となり省エネルギ化が達成される。
【0003】
一般に、燃料電池は天然ガス、燃料油、或いはバイオガス等を燃料源としており、この燃料源は燃料電池モジュールの内部若しくは外部の改質プロセスを経てCO、H2、CO2、H2Oを生成し、これらのうちCO若しくはH2により燃料電池内で発電反応が引き起こされる。しかしながら、純粋なCO若しくはH2からなる燃料ガスを使用することは少なく、大抵が天然ガス等の燃料源を改質して燃料ガスを生成しており、また燃料電池内で高効率で発電反応を行うためには過剰なH2が必要とされるため、燃料電池排ガス中にはH2、CO2等が残留することとなる。
【0004】
そこで、特表2000−501227公報に最適な効率で運転できる高温燃料電池設備が開示されている。これは、電気化学反応により消費されるより多いH2が改質プロセスにて生成され、高温燃料電池において消費されなかった余剰H2が該燃料電池の外部でその他の利用、即ち化学工業において可能な全ての用途を対象として利用される。これにより、燃料電池を高効率で以って運転可能であるとともに、燃料ガスの余剰成分が有効利用されて高温燃料電池設備全体の効率が向上する。
しかし、前記燃料電池設備においては発電の高効率化、余剰水素の有効利用は改善されるものの、排ガス中に含有されるCO2の処理については何ら言及されていない。つまり、燃料電池の開発において炭化水素を燃料源とした場合のCO2排出における対策は講じられていないのが現状である。
【0005】
近年、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの増大は地球の温暖化を引き起こし生態系をはじめとする環境に悪影響を与えるとして問題視されている。これに対して発電所、工場等からの排煙、自動車からの排気ガス等の排ガス中に含有されるCO2を固定化して除去する方法が研究されている。
排ガスとともに多量に排出されるCO2を固定化する方法の一つとして、例えば水素雰囲気下でCO2を還元し、微粉状炭素に変換する方法が提案されている。即ち、触媒存在下で下記反応式(1)のごとく二酸化炭素と水素を反応させて炭素と水を生成するものである。
CO2+2H2 → C+2H2O …(1)
【0006】
この反応式を利用した二酸化炭素固定化装置が特開平11−29314号公報、特開平11−128682号公報、特開2000−226205公報等に記載されている。
特開平11−128682号公報によれば二酸化炭素固定化装置は、図5に示されるように、有機廃棄物処理部51で有機廃棄物の嫌気性発酵等によりCH4やCO2を含む発生ガスを生じさせ、該発生ガス中のCH4をメタン分離・濃縮部52にて精製し、メタン分解・水素発生部53にて触媒存在下で炭素とH2に分解する。メタン分解・水素発生部53で発生したH2は二酸化炭素固定部54に送られ、触媒存在下で前記有機廃棄物処理51から分離されたCO2及び外部から導入したCO2と反応させて炭素と水を生成し、CO2を固定化している。
【0007】
かかる発明によれば、触媒存在下でCO2とH2、若しくはCO2とCH4を反応させて炭素と水を生成しているため装置を安価に構成することができ、また有機廃棄物からH2及びCH4を得ているため、廃棄物処理を同時に行うことができ非常に効率的な固定化方法が実現できる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、嫌気性発酵により有機性廃棄物24からメタンガスを生成した場合、図4に示されるように排ガス中の約30%を占めるのCO2が嫌気性発酵槽17から排出され、約70%程度のメタンガスが生成する。そして、メタンガスをSOFC10の燃料源とした場合、さらにCO2の排出量は増加する。しかしながら、上記したように、燃料電池から排出されるCO2の削減については殆ど対策が講じられていない。
一方、有機廃棄物を嫌気性発酵した際に発生する二酸化炭素の固定化方法を記載している前記特開平11−128682号公報では、何れの反応においても触媒が必要とされ、生成した炭素を触媒と分離して精製することが困難であり、またランニングコストが嵩むという問題点を有している。
従って、本発明はかかる従来技術の問題に鑑み、燃料電池から排出される二酸化炭素を効率良く固定化することができ、低コストでかつ純度の高い炭素を得ることができる二酸化炭素固定化方法及びその装置の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明はかかる課題を解決するために、請求項1記載の発明は、
燃料電池から排出される二酸化炭素含有排ガスを約1000〜1200℃の第1の温度域に昇温し、前記二酸化炭素を水素雰囲気下にて一酸化炭素にシフト反応させた後、該一酸化炭素を含有する排ガスを約600℃以下の第2の温度域まで冷却して酸化還元反応により該排ガス中の一酸化炭素から主として炭素を生成することを特徴とし、さらに請求項2記載の発明は、前記第2の温度域とした前記排ガス中に含有される二酸化炭素から、触媒作用により炭素と水とを生成することを特徴としている。
【0010】
かかる発明は、前記二酸化炭素含有排ガスを前記第1の温度域に温度調節することにより吸熱反応である下記反応式(2)の反応がおこり、さらに前記第2の温度域まで冷却することにより発熱反応である下記反応式(3)の反応がおこり、二酸化炭素から炭素と二酸化炭素が生成される。
CO2+H2 → CO+2H2O …(2)
2CO → C+CO2 …(3)
また、前記第2の温度域では下記反応式(4)の反応が平衡しておこっているため排ガス中に残存するCO2及び反応式(3)にて生成したCO2は殆ど炭素まで還元されることとなる。
CO2+2H2 → C+2H2O …(4)
【0011】
このように、かかる発明によれば排ガスの温度制御のみでCO2を固定化することができるため、低コストでかつ純粋な炭素を簡単に得ることができる。尚、上記反応式(3)、及び(4)にて触媒を使用しても良いことは勿論である。
また、前記二酸化炭素含有排ガスは燃料電池にて非常に高温に昇温されているため、前記第1の温度域にするための供給熱量が少なくて済む。さらに、燃料電池からの排ガス中に含有される余剰水素を利用することができるため、新たな水素の供給の必要がなく効率の良い二酸化炭素の固定化が可能となる。
【0012】
尚、請求項3記載の発明は、前記請求項1若しくは2において、前記燃料電池が、固体酸化物形燃料電池(SOFC)であることを特徴とする。該SOFCは、メタンガスを直接燃料極へ供給することができ改質装置を別に設ける必要がないため好適である。また、SOFCは排ガス温度が約900〜1000℃であり、前記第1の温度域まで昇温することが容易で低コスト化が可能となる。尚、SOFCのように高温型燃料電池を利用して排ガス温度が既に第1の温度域に達している場合には特に昇温する必要はない。
【0013】
請求項4記載の発明は、燃料電池から排出される二酸化炭素含有排ガスを、水素雰囲気下にて二酸化炭素の還元反応が生じる第1の温度域に調節する第1の温度調節手段と、前記第1の温度域を維持して二酸化炭素を一酸化炭素に還元するシフト反応手段と、酸化還元反応により前記一酸化炭素から炭素と二酸化炭素が生成する第2の温度域に調節する第2の温度調節手段と、該第2の温度域に維持して前記酸化還元反応により主として炭素を析出させる炭素析出手段と、を備え、
前記燃料電池から排出される排ガス中の二酸化炭素を、該排ガスに含有される水素を利用して前記第1の温度調節手段及び第2の温度調節手段の温度制御により炭素として析出させて回収することを特徴とする。
【0014】
かかる発明によれば、排ガスの温度制御のみで簡単にCO2を固定化することが可能で、かつ不純物を殆ど含有しない炭素を回収することができる。また、かかる発明は、燃料電池の排ガスが高温で排出され、かつH2を含有しているという燃料電池の特性を好適に活用した発明である。
【0015】
また、請求項5記載の発明は、前記燃料電池の前段側に有機性廃棄物を原料として嫌気性発酵を行う嫌気性発酵槽を設け、該嫌気性発酵槽にて生成したメタンガスを前記燃料電池の燃料源としたことを特徴とする。
このように、前記燃料電池の燃料源を嫌気性発酵槽にて生成されたメタンガスとすることで、有機性廃棄物の処理問題や化石燃料の枯渇化問題にも貢献することとなる。
【0016】
さらに、請求項6記載の発明は、前記第1の温度域が約1000〜1200℃であることを特徴とし、また請求項7記載の発明は、前記第2の温度域が約600℃以下であることが好ましい。
さらにまた、前記燃料電池が、固体酸化物形燃料電池(SOFC)であることが好適である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
図1は本発明の第1実施形態にかかる二酸化炭素固定化装置の全体構成図で、図2及び図3は夫々図1の別の実施形態である第2、第3実施形態の全体構成図である。
【0018】
図1において、10は燃料電池、11は第1の温度調節手段である昇温器、12はシフト反応器、13は第2の温度調節手段である冷却器、14は炭素析出・分離器、15は排ガス処理・排熱回収設備、16は煙突である。
本実施形態にかかる二酸化炭素固定化装置は、前記燃料電池10からの排ガスが供給され、バーナにより該排ガス温度を適宜調節可能な昇温器11と、前記昇温器11により温度調節された排ガスが導入されてCO2からCOへの還元反応が行われるシフト反応器12と、CO含有排ガスの温度を調節可能な冷却器13と、前記冷却器により温度調節された排ガスが導入されて主としてCOから炭素を析出させ、分離回収する炭素析出・分離器14とから構成され、前記燃料電池10から排出される排ガス中の二酸化炭素を固定化することを目的としている。
【0019】
前記燃料電池10は、固体酸化物形燃料電池(SOFC)が最も適しているが、溶融炭酸塩形(MCFC)、リン酸形(PAFC)等の何れの燃料電池にも適用可能である。但し、リン酸形(PAFC)、固体高分子形(PEFC)といった低温作動型の燃料電池に適用する場合には供給される燃料源から水素を生成する改質器を設ける必要がある。
前記燃料電池(SOFC)10に供給される燃料源20は天然ガス、LPガス、バイオガス、メタンガス、水素、一酸化炭素等が挙げられるが、例えば該燃料源20としてメタンガスを主体とする燃料ガスを供給した場合、燃料電池10内では下記各反応式(5)、(6)、(7)により電力が生成する。
CH4+H2O → CO+3H2 …(5)
CH4+2H2O → CO2+4H2 …(6)
2H2+O2 → 2H2O …(7)
【0020】
つまり、燃料電池10内に供給された燃料源20は水蒸気と反応して、上記反応式(5)、(6)により一酸化炭素と水素若しくは二酸化炭素と水素とに変換される改質がおこり、次に外部から供給される空気21の酸素と前記生成した水素が発電反応の反応式(7)により水に変換され、同時に発電される。かかる燃料電池10は約900〜1000℃で運転され、該燃料電池の排ガスは略前記温度域を有する高温で排出される。該排ガスには上記反応式(7)にて生成した水蒸気(H2O)、反応式(5)、(6)にて生成したCO、CO2、H2及び未反応で排ガス中に残存するCH4、H2等が含有されている。
【0021】
また、前記昇温器11は、前記燃料電池排ガスが導入されて該排ガスを第1の温度域である約1000〜1200℃に温度調節可能な構成となっている。本実施形態では昇温器11としてバーナを具備して昇温させる構成としているが、排ガスが前記第1の温度域程度、若しくはそれ以上で導入される場合には特に昇温機能を備えている必要はない。
燃料電池排ガスが前記第1の温度域より低い場合は、該排ガス中のCH4、H2、COは導入空気22と下記反応式(8)、(9)、(10)の燃焼反応によりCO2、H2Oを生成する。
CH4+2O2 → CO2+2H2O …(8)
2H2+O2 → 2H2O …(9)
2CO+O2 → 2CO2 …(10)
このように、燃焼反応させることにより排ガス中のCH4、CO等の残留物が燃焼してCO2に変換されるため、炭素として回収可能な形態とすることができ好適である。
【0022】
前記第1の温度域に調節された排ガスは前記シフト反応器12に導入され、ここで吸熱反応である下記反応式(2)により該排ガス中のCO2がCOにシフト変換される。
CO2+H2 → CO+H2O …(2)
そして、前記COを含有する排ガスは前記冷却器13に導入される。該冷却器13は熱交換器25等の冷却手段が具備されており、該排ガスを第2の温度域の約600℃以下となるように温度調節する。熱交換により回収された排熱は、蒸気23等の形態で他で再利用される。
【0023】
前記第2の温度域に温度調節された排ガスは、前記炭素析出・分離器14に導入され、ここで該排ガス中のCOは下記反応式(3)によりCとCO2に変換される。
2CO → C+CO2 …(3)
前記反応式(3)は発熱反応であり、放出される熱量は後段の排ガス処理・排熱回収設備15にて回収され有効利用する。
また、前記反応と同時に下記反応式(4)によりCO2と排ガス中のH2からCとH2Oとを生成する反応が進む。
CO2+2H2 → C+2H2O …(4)
【0024】
このようにして、燃料電池排ガス中のCO2を炭素として析出させて固定化を可能としている。尚、前記炭素析出・分離器14では前記反応式(3)及び反応式(4)の反応を促進させるために触媒を用いてもよい。
かかる実施形態により、排ガスの温度制御のみで簡単にCO2を固定化することが可能で、かつ不純物を殆ど含有しない炭素を回収することができる。また、排ガス中に含有される余剰水素を利用しているため新たな水素の供給の必要がなくかつ排ガス中の水素を有効利用できる。
【0025】
図2に示す本発明の第2実施形態では、有機性廃棄物24を嫌気性発酵させて得られるメタンガスを燃料源とした燃料電池からの排ガス中に含有されるCO2を固定化する装置を提供している。有機性廃棄物24は例えばビール工場において発酵残渣やビール分を含む多量の排水や、生ゴミ、食品廃棄物、畜産糞尿、下水処理場の曝気、沈殿処理により発生する有機性廃棄物を含む多量の汚泥等を用いることが好ましい。
本第2実施形態は、前記第1実施形態と略同様の構成であるが、前記燃料電池10の前段側に嫌気性発酵槽17と、その後段に不純物除去装置18とを設けている。前記嫌気性発酵槽17では、前記嫌気性発酵槽17に導入された有機性廃棄物(有機物)が下記反応式(11)によりCH4とCO2に分解され、不純物除去装置18に送給される。
有機物 → nCH4+mCO2 …(11)
【0026】
前記不純物除去装置18は、活性炭やゼオライト等の吸着剤を利用することが好適であるが、前記有機性廃棄物の性状などにより除去すべき物質に応じた手段を適宜選択するとよい。
そして、前記不純物除去装置18から排出されたCH4、CO2を含有する燃料ガスは前記燃料電池10に導入され、発電に使用され、昇温器11に導入される。このとき、前記燃料電池排ガスと同時に、前記昇温器11に火力発電所、焼却炉等から排出されたCO2含有排ガスを導入しても良く、必要に応じてH2を投入しながら同時に二酸化炭素固定化処理を施すことも可能である。
尚、かかる第2実施形態では、燃料電池10以降の構成は前記第1実施形態と略同様の構成であるため説明を省略する。
このように、ビール工場や下水処理場等にて発生する有機性廃棄物を嫌気性発酵させて生成したメタンガスを利用することにより、各種設備から排出される有機性廃棄物を有効利用することができ、化石燃料の枯渇化問題や環境汚染問題に貢献することが可能となる。
【0027】
図3に示す第3実施形態は、前記第2実施形態と同様に有機性廃棄物24を嫌気性発酵槽17にて嫌気性発酵して発生したメタンガスを利用した装置であるが、前記発生したメタンガス量を検出して不足している場合には補助燃料源27を燃料電池10に追加供給する構成となっている。尚、その他の構成は前記第1実施形態と略同様の構成であるため説明を省略する。
かかる第3実施形態における二酸化炭素固定化装置は、前記嫌気性発酵槽17の排ガスラインに発生ガスの流量計30を設置し、該流量計30をコントローラ28と接続し、該コントローラ28により補助燃料源27から燃料電池10に接続される補助燃料供給ライン上に設置された流量制御弁29を開閉制御し、発生ガス量に応じた燃料電池への補助燃料源の供給量を調節している。該補助燃料源27はメタンガスを主体としたガスを使用することが好適である。
【0028】
また、別の実施形態として、前記燃料電池10での発電量を計測して予め設定した発電目標量に対する不足分を補う量の補助燃料源が供給されるように、前記コントローラ28により開閉制御弁29をフィードバック制御してもよい。
かかる実施形態によれば、有機性廃棄物の有効利用ができるとともに、前記燃料電池10からの安定した電力26を確保することができる。
【0029】
【発明の効果】
以上記載のごとく本発明によれば、排ガスの温度制御のみで簡単にCO2を固定化することが可能で、かつ不純物を殆ど含有しない炭素を回収することができる。また、かかる発明は、主として燃料電池からの排ガス中に含有される二酸化炭素を対象としているため、排ガス自体が高温であり前記第1の温度域にするための供給熱量が少なくて済む。さらに、燃料電池からの排ガス中に含有される余剰水素を利用することができるため、新たな水素の供給の必要がなく効率の良い二酸化炭素の固定化処理が可能となる。
また、燃料電池に固体酸化物形燃料電池(SOFC)を利用することにより、供給熱量が少なくて済み、低コスト化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる二酸化炭素固定化装置の全体構成図である。
【図2】図1の別の実施形態である第2実施形態にかかる二酸化炭素固定化装置の全体構成図である。
【図3】図1の別の実施形態である第3実施形態にかかる二酸化炭素固定化装置の全体構成図である。
【図4】メタンガスを燃料源とした固体酸化形燃料電池の説明図である。
【図5】従来の有機性廃棄物利用二酸化炭素固定化装置のブロック図である。
【符号の説明】
10 燃料電池
11 昇温器(第1の温度調節手段)
12 シフト反応器
13 冷却器(第2の温度調節手段)
14 炭素析出・分離器
15 排ガス処理・排熱回収設備
17 嫌気性発酵槽
18 不純物除去装置
19 炭素
20 燃料源
24 有機性廃棄物
28 コントローラ
29 流量制御弁
30 流量計
31 CO2含有排ガス
Claims (8)
- 燃料電池から排出される二酸化炭素含有排ガスを約1000〜1200℃の第1の温度域に昇温し、前記二酸化炭素を水素雰囲気下にて一酸化炭素にシフト反応させた後、該一酸化炭素を含有する排ガスを約600℃以下の第2の温度域まで冷却して酸化還元反応により該排ガス中の一酸化炭素から主として炭素を生成することを特徴とする二酸化炭素固定化方法。
- 前記第2の温度域とした前記排ガス中に含有される二酸化炭素から、触媒作用により炭素と水とを生成することを特徴とする請求項1記載の二酸化炭素固定化方法。
- 前記燃料電池が、固体酸化物形燃料電池(SOFC)であることを特徴とする請求項1若しくは2に記載の二酸化炭素固定化方法。
- 燃料電池から排出される二酸化炭素含有排ガスを、水素雰囲気下にて二酸化炭素の還元反応が生じる第1の温度域に調節する第1の温度調節手段と、前記第1の温度域を維持して二酸化炭素を一酸化炭素に還元するシフト反応手段と、酸化還元反応により前記一酸化炭素から炭素と二酸化炭素が生成する第2の温度域に調節する第2の温度調節手段と、該第2の温度域に維持して前記酸化還元反応により主として炭素を析出させる炭素析出手段と、を備え、
前記燃料電池から排出される排ガス中の二酸化炭素を、該排ガスに含有される水素を利用して前記第1の温度調節手段及び第2の温度調節手段の温度制御により炭素として析出させて回収することを特徴とする二酸化炭素固定化装置。 - 前記燃料電池の前段側に有機性廃棄物を原料として嫌気性発酵を行う嫌気性発酵槽を設け、該嫌気性発酵槽にて生成したメタンガスを前記燃料電池の燃料源としたことを特徴とする請求項4記載の二酸化炭素固定化装置。
- 前記第1の温度域が約1000〜1200℃であることを特徴とする請求項4記載の二酸化炭素固定化装置。
- 前記第2の温度域が約600℃以下であることを特徴とする請求項4記載の二酸化炭素固定化装置。
- 前記燃料電池が、固体酸化物形燃料電池(SOFC)であることを特徴とする請求項4乃至7の何れかに記載の二酸化炭素固定化装置。
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