JP2004063338A - 燃料電池用電力変換装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】DC/DCコンバータ及びDC/ACインバータに用いるスイッチング素子に要求される耐圧を低下させ、出力向上、効率向上、小型化、低コスト化を行うことができる電力変換装置を提供する。
【解決手段】電力変換装置3は、燃料電池2の電圧を降圧する第1のDC/DCコンバータ14と、燃料電池2の電圧を二次電池4の電圧に降圧するかまたは二次電池4の電圧を昇圧する第2のDC/DCコンバータ15と、第1の電極が燃料電池2に接続され、第2の電極が第2のDC/DCコンバータ15の高圧側に接続された逆流防止用のダイオード12と、ダイオード12の第2の電極に接続されDC/AC変換した電力を負荷へ供給するDC/ACインバータ13とを備える。燃料電池2の発電中は、コンバータ14及びコンバータ15及びインバータ13により燃料電池2から取り出す電流値の合計を所定値以上とする。
【選択図】 図1
【解決手段】電力変換装置3は、燃料電池2の電圧を降圧する第1のDC/DCコンバータ14と、燃料電池2の電圧を二次電池4の電圧に降圧するかまたは二次電池4の電圧を昇圧する第2のDC/DCコンバータ15と、第1の電極が燃料電池2に接続され、第2の電極が第2のDC/DCコンバータ15の高圧側に接続された逆流防止用のダイオード12と、ダイオード12の第2の電極に接続されDC/AC変換した電力を負荷へ供給するDC/ACインバータ13とを備える。燃料電池2の発電中は、コンバータ14及びコンバータ15及びインバータ13により燃料電池2から取り出す電流値の合計を所定値以上とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池の出力電圧を所望の電圧に変換する燃料電池用電力変換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池は、水素と空気中の酸素とを電解質を介して電気化学反応させることにより、直接電気を発生させるエネルギーシステムである。このため、他の発電システムのようなエネルギー形態の変換を伴わないので、効率の高い発電を行うことができる。
【0003】
しかしながら燃料電池は、負荷による出力電圧の変動(電圧垂下特性)が比較的大きいことが知られている。例えば、燃料として水素、酸化剤として酸素又は空気中の酸素を用いる水素酸素燃料電池においては、1セルの開回路電圧(無負荷電圧)はギブスの自由エネルギーで決まる起電力である1.23Vであるのに対して、定格電流を取り出した場合の定格電圧(公称電圧)は、内部抵抗等の影響を受けて通常0.7V程度である。
【0004】
このように燃料電池のセル当たりの定格電圧が低いため、家庭用コジェネレーション燃料電池システムや燃料電池車両では、多数のセルを直列接続した燃料電池スタックを構成して定格電圧を百V〜数百Vにすることにより配線抵抗によるロスを低減することが多い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、燃料電池スタックの定格電圧を数百Vとすると、2つの問題が生じる。その第1は、定格電圧と開回路電圧との差が大きいことである。第2は、燃料電池電圧から2次電池充電電圧まで電圧を降下させるDC/DCコンバータや、燃料電池の直流電圧を交流電圧に変換するDC/ACインバータのスイッチング素子の耐電圧も必然的に高まることである。
【0006】
第1の問題に対処する従来例としては、特開2000−36312号公報が知られている。この従来技術においては、燃料電池の出力を直流変換するコンバータの出力過電流、出力過負荷、出力過電圧等の保護検出信号を発生した場合、コンバータを保護停止させると共に、燃料電池が開放電圧になることを防止するダミーヒータを投入している。しかしダミーヒータで開放電圧を抑制すると、その消費電力が無駄となり、燃料電池の総合効率を低下させる問題が生じる。
【0007】
第2の問題に対しては、直流を交流に変換するDC/ACインバータや直流電圧を変換するDC/DCコンバータに使用する半導体素子の耐圧を上げているが、その時に電力変換装置の大型化や、電力変換効率の低下、コストの上昇という問題点があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、燃料電池及び該燃料電池より低圧の二次電池を備え、少なくとも燃料電池または二次電池の電力を変換して交流負荷に電力を供給する燃料電池用電力変換装置において、燃料電池の電圧を二次電池の電圧に降圧する第1のDC/DCコンバータと、燃料電池の電圧を二次電池の電圧に降圧するかまたは二次電池の電圧を昇圧する第2のDC/DCコンバータと、第1の電極が燃料電池に接続され、第2の電極が第2のDC/DCコンバータの高圧側に接続され、燃料電池への電流の逆流を防止するダイオードと、前記ダイオードの第2の電極に接続されDC/AC変換した電力を交流負荷へ供給するDC/ACインバータと、を備え、第1のDC/DCコンバータにより燃料電池から取り出す電流値を所定値以上とすることを要旨とする。
【0009】
【発明の効果】
本発明によれば、第1のDC/DCコンバータにより燃料電池から取り出す電流値を所定値(I1)以上とするので、燃料電池の出力電流はI1以下の電流範囲になることはなく、従って燃料電池の出力電圧が出力電流I1で決まる電圧より高くなることはなく、第1のDC/DCコンバータと第2のDC/DCコンバータとDC/ACインバータとに、燃料電池の低電流時の高い電圧に耐え得るだけの耐圧の高い素子を使用しなくて済むことになり、出力向上、効率向上、小型化、低コスト化が行えるという効果がある。
【0010】
【発明の実施の形態】
〔第1実施形態〕
次に図面を参照して、本発明に係る燃料電池用電力変換装置の第1実施形態を説明する。図1は、第1実施形態の燃料電池用電力変換装置を用いた燃料電池システムの構成図であり、燃料電池車両を示している。図2は、図1で用いた燃料電池の電圧‐電流特性を示した図である。
【0011】
図1において、燃料電池車両1は、燃料電池2と、電力変換装置3と、燃料電池2より低圧の二次電池4と、二次電池4の電圧で駆動される燃料電池補機5と、車両駆動用のモータ6と、モータ6の回転力を左右の駆動輪8に分配する作動装置7と、駆動輪8と、車両コントローラ9と、アクセルペダル10とを備えている。
【0012】
燃料電池補機5は、燃料電池に空気を供給するコンプレッサー、燃料電池冷却液を循環させるポンプ、車両電装品用の12Vに変換するDC/DCコンバータ等を含む。
【0013】
車両コントローラ9は、アクセルペダル10の踏み込み量を検出するアクセルセンサが接続されている。そしてアクセルセンサの検出値に基づいて、燃料電池2の発電力、電力変換装置3における第1のDC/DCコンバータ14,第2のDC/DCコンバータ15,及びDC/ACインバータ13の制御を行う。このため、車両コントローラ9は、マイクロプロセッサ、プログラムメモリ、ワークメモリ及び周辺インタフェースを備えているものとする。
【0014】
電力変換装置3は、燃料電池2または二次電池4の電力を変換して交流負荷であるモータ6に電力を供給するものである。
【0015】
また、電力変換装置3は、燃料電池2の正極(カソード)及び負極(アノード)を断続するリレー11と、燃料電池2の電圧を二次電池4の電圧に降圧する第1のDC/DCコンバータ14と、燃料電池2の電圧を二次電池4の電圧に降圧するかまたは二次電池4の電圧を昇圧する第2のDC/DCコンバータ15と、第1の電極(図1ではアノード)が燃料電池2に接続され、第2の電極(図1ではカソード)が第2のDC/DCコンバータ15の高圧側に接続され、燃料電池2への電流の逆流を防止するダイオード12と、ダイオード12の第2の電極(カソード)に接続されDC/AC変換した電力を交流負荷であるモータ6へ供給するDC/ACインバータ13と、を備えている。
【0016】
DC/ACインバータ13は、燃料電池2が発電した直流電力を交流に変換してモータ6に供給する一方、燃料電池2の発電電力が不足する場合は、第2のDC/DCコンバータ15が二次電池4の電圧を昇圧した電力も使用する。
【0017】
また特に限定されないが、DC/ACインバータ13は、燃料電池車両1を制動する場合、モータ6の回生電力を整流する機能を備え、回生電力を整流した直流電力を第2のDC/DCコンバータ15に供給する。このとき、第2のDC/DCコンバータ15は、降圧動作を行って二次電池4を充電する。即ち、燃料電池車両1を制動するときには、回生電力を二次電池4に貯蔵し、次の加速時に二次電池4から第2のDC/DCコンバータ15及びDC/ACインバータ13を介してモータ6を駆動することにより、エネルギー効率を高めている。
【0018】
さらに第1のDC/DCコンバータ14は、第2のDC/DCコンバータ15より高耐圧のスイッチング素子を備えていることに特徴がある。DC/DCコンバータ14,15用のスイッチング素子としては、バイポーラトランジスタ、MOS−FET、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)等が使用可能である。
【0019】
図2は、燃料電池2の出力の電流電圧特性を示す図である。燃料電池2の電流を増加させるに従って、電圧は低下する。特に電流が0からI1までは、電圧の降下が大きく、電流がI1を超えてからは電圧降下の度合いが小さくなるものの、電流が増加するに従って電圧が低下する。しかし定格電流を超えると極端に電圧が降下して燃料電池が劣化する。
【0020】
本実施形態では、電流が0からI1までの電圧がV1より高い領域では、第1のDC/DCコンバータ(図2以下では、単に第1のコンバータと略す)14を動作させ、電流がI1を超えて、電圧がV1以下になる領域では、第2のDC/DCコンバータ(図2以下では、単に第2のコンバータと略す)15を動作させている。これにより、第2のDC/DCコンバータ15は、V1以上の電源電圧で動作することはないので、第1のDC/DCコンバータ14より耐圧の低いスイッチング素子を用いることができ、大電力の変換時の効率を高くして燃料電池車両1の燃費を改善することができる。
【0021】
第1実施形態の動作概要は以下の通りである。まず、第1のDC/DCコンバータ14を常にI1以上の一定値(C)で作動させる。そしてモータのDC/ACインバータ13を作動(電力A)させ、燃料電池の発電電力(B)に対して、A+Cに過不足が生じた場合(B=A+Cでないとき)にのみ第2のDC/DCコンバータ15を作動させ、電力に過不足が生じないように制御する。第1のDC/DCコンバータは常にI1以上で動作させかつ、図1の構成によりダイオード12を電流が逆に流れることはないので、燃料電池2の電流がI1以下になることはない。したがって第2のDC/DCコンバータ15には(第1のDC/DCコンバータ14にも)V1以上の電圧が掛かることはなく、第2のDC/DCコンバータ15の素子は安価で効率のよい耐電圧の低いものとすることができる。
【0022】
ところで、この制御では、電流を常にI1以上にするのであるから、第1のDC/DCコンバータ14にも耐電圧の高い高圧用の素子は必要ないと思われるかもしれないが、実際にはスイッチング素子の切換時(ステップ的に電流をI1に立ち上げるので、この時サージ電圧が掛かる)や何らかの原因で電流がI1以下になることがあるため、それらに対応した高圧用の素子が第1のDC/DCコンバータに備えられていると第1のDC/DCコンバータの耐久性を高めることができる。
【0023】
ここで、コンバータは作動させなければ電圧が掛からない仕組みになっているので、電流範囲がI1以下でコンバータを作動させる必要がある場合には、第1のDC/DCコンバータ14のみを作動させ、第2のDC/DCコンバータ15を作動させなければ、第2のDC/DCコンバータ15にはV1以上の高電圧が掛かることはない(DC/ACインバータ13には大きなコンデンサが付いているため、大きな電圧が印加されても瞬時に電圧が上がることはない)。
【0024】
これにより、第1のDC/DCコンバータ14と第2のDC/DCコンバータ15のうち、耐電圧の高い素子を備えるのは少なくとも第1のDC/DCコンバータ14だけとすればよい。
【0025】
また、サージ電圧等、想定される電圧が燃料電池の低電流時の高電圧よりも小さければ、耐電圧の高い素子を備えたとしても、従来のものより耐電圧の低いものを使用することができる。また、第1のDC/DCコンバータ14は電流範囲がI1より少し大きい程度でよいので、第2のDC/DCコンバータ15に比べ容量の小さいもので済む。
【0026】
このため従来のようにコンバータ及びインバータを耐電圧の高い仕様にしたものに比べて、電力容量、即ち電流の小さい第1のDC/DCコンバータだけを耐電圧の高い素子を用い、第2のDC/DCコンバータは、大電流でも耐圧の低い素子で済むことになり、大電流の高耐圧素子が不要となるという効果がある。
【0027】
次に、図3のフローチャートを参照して、本実施形態の動作を説明する。以下の説明では、図1の各部の電力を以下に説明するA〜Fの記号で示す。
【0028】
【数1】
A=DC/ACインバータ13の要求電力
B=燃料電池2の発電電力
C=第1のDC/DCコンバータ14の動作電力
D=第2のDC/DCコンバータ15の動作電力(ただし、降圧動作方向、即ち二次電池や補機に電力を供給する方向を正、昇圧動作方向を負とする)
E=燃料電池補機5の要求電力
F=二次電池4の充放電電力(充電方向を正、放電方向は負)
また、フローチャートによる動作説明の前提として、図示しない水素供給源と、図示しない空気供給源から、それぞれ水素ガスと空気を燃料電池2へ供給することにより、燃料電池2は、直流電力(電流)の発電を開始しているものとする。
【0029】
まずステップ(以下、ステップをSと略す)101では、第1のDC/DCコンバータ14の動作を開始する。その時の動作電力は図2の電流I1値に相当する電力以上で一定値(C)とする。
【0030】
S102では燃料電池2の両極のリレー11をONにする。S103ではアクセル開度に応じて、DC/ACインバータ(図3以下では、単にインバータと略す)13の要求電力(A)と燃料電池補機5の要求電力(E)を決定する。
【0031】
S104ではDC/ACインバータ13の要求電力(A)と燃料電池2の発電電力(B)と第1のDC/DCコンバータ14の動作電力(C)を比較し、B=A+CであればS106へ移り、B≠A+CであればS105へ移る。
【0032】
S105では第2のDC/DCコンバータ15を動作させる電力(D)をDC/ACインバータ13の要求電力(A)と燃料電池2の発電電力(B)と第1のDC/DCコンバータ14の動作電力(C)により演算し(D=B−A−C)、S107へ移る。S106では第2のDC/DCコンバータ15の動作を停止させる(0動作)。
【0033】
S107では、S105で演算した第2のDC/DCコンバータ15を動作させる電力D(D=B−A−C)が正か否かを判定し、Dが正であればS108へ移り、Dが0または負であればS109へ移る。
【0034】
S108では第2のDC/DCコンバータ15を降圧動作させ、燃料電池2またはDC/ACインバータ13から二次電池4へ電力供給するように動作させる(二次電池4は充電)。この時の第2のDC/DCコンバータ15の動作電力は、S105で演算したD値である。
【0035】
S109では第2のDC/DCコンバータ15を昇圧動作させ、二次電池4からDC/ACインバータ13へ電力供給するように動作させる(二次電池は放電)。
【0036】
S110では二次電池4の充放電可能量と第2のDC/DCコンバータ15の動作電力(D)を比較し、供給可能であればS112へ移り、供給不能であればS111へ移る。S111では、第2のDC/DCコンバータ15の動作電力(D)を二次電池4の充放電可能量に合わせ(D=二次電池4供給可能量)、S112へ移る。
【0037】
S112では電力変換装置3の動作を継続させるか否かを判断し、継続させる場合にはS104へ移り、継続させない場合には電力変換装置3の動作を終了する。
【0038】
本実施形態によれば、上記動作をすることにより、図2中の電流I1以上の範囲における電圧が図2に示すように第2のコンバータ使用電圧範囲内(所定値以下)あれば、第1のDC/DCコンバータのスイッチング素子のみ高耐圧品を使用すればよいため、システムの小型化、低コスト化、効率の向上が見込める。
【0039】
〔第2実施形態〕
次に、本発明に係る燃料電池用電力変換装置の第2実施形態を説明する。第2実施形態の構成は、図1に示した第1実施形態と同様である。
【0040】
第2実施形態は、第1のDC/DCコンバータ14は効率の低い耐電圧の高い素子を使用しているため、第1のDC/DCコンバータ14はできるだけ使用しない方がシステムの効率が良くなるため、DC/ACインバータ13と第2のDC/DCコンバータ15によって燃料電池2に要求される電流がI1以上になっている場合には、第1のDC/DCコンバータ14を使用しないように制御するものである。
【0041】
第2実施形態の動作について、図4のフローチャートに沿って説明する。フローチャートによる動作説明の前提として、図示しない水素供給源と、図示しない空気供給源から、それぞれ水素ガスと空気を燃料電池2へ供給することにより、燃料電池2は、直流電力(電流)の発電を開始しているものとする。
【0042】
まず、S201では、第1のDC/DCコンバータ14の動作を開始する。その時の動作電力は図2の電流I1値以上で一定値(C)とする。S202では燃料電池2の両極に設けたリレー11をONにする。S203ではアクセル開度に応じて、DC/ACインバータ13の要求電力(A)と燃料電池補機5の要求電力(E)を決定する。
【0043】
S204ではDC/ACインバータ13の要求電力(A)と第2のDC/DCコンバータ15の動作電力(D)とを加算した値と、図2の電流I1に相当する燃料電池発電電力(電力としてはI1×V1であるが以下、I1と記す)とを比較し、A+D>I1であればS205へ移り、A+D>I1でなければS206へ移る。
【0044】
S205では第1のDC/DCコンバータ14を停止し(動作電力(C)を0にする)、S206へ移る。S206では第2のDC/DCコンバータ15を動作させる電力(D)が0か否かを判定し、D=0であればS208へ移り、D≠0ならばS207へ移る。
【0045】
S208では第2のDC/DCコンバータ15を停止させる(動作電力(D)を0とする)。
【0046】
S207では第2のDC/DCコンバータ15の動作電力(D)を、燃料電池2の発電電力(B)からDC/ACインバータ13の要求電力(A)及び第1のDC/DCコンバータ14の動作電力(C)を減じたものとする(D=B−A−C)。
【0047】
S209では第2のDC/DCコンバータ15を動作させる電力(D)が正か否かを判定し、D>0ならばS210へ進み、D≦0ならばS211へ進む。
【0048】
S210では第2のDC/DCコンバータ15を降圧動作させ、燃料電池2から二次電池4へ充電するように動作させる。ここで第2のDC/DCコンバータ15の動作電力は、S207で演算したD値である。
【0049】
S211では第2のDC/DCコンバータ15を昇圧動作させ、二次電池4からDC/ACインバータ13へ電力供給するように動作させる(二次電池は放電)。
【0050】
S212では二次電池4の充放電可能量と第2のDC/DCコンバータ15の動作電力(D)を比較し、供給可能であればS214へ移り、供給不能であればS213へ移る。S213では、第2のDC/DCコンバータ15の動作電力(D)を二次電池4の充放電可能量に合わせ(D=二次電池4供給可能量)、S214へ移る。
【0051】
S214では電力変換装置3の動作を継続させるかを判断し、継続させる場合にはS204へ移り、継続させない場合には終了する。
【0052】
本実施形態によれば、上記動作をすることにより、第1のDC/DCコンバータ14の使用領域を少なくしているため、システムの小型化、低コスト化、効率の向上が見込める。
【0053】
〔第3実施形態〕
次に、本発明に係る燃料電池用電力変換装置の第3実施形態を説明する。第3実施形態の構成は、図1に示した第1実施形態と同様である。
【0054】
第3実施形態は、DC/ACインバータ13と第2のDC/DCコンバータ15によって燃料電池2に要求される電流がI1以上になってない場合に、燃料電池に要求される電流がI1になるように第1のDC/DCコンバータ14を最低限の電力で使用するものである。これにより、燃料電池2の電流がI1でも効率の良い第2のDC/DCコンバータ15を使用でき、システム全体の効率を向上することができる。
【0055】
第3実施形態の動作について、図5のフローチャートに沿って説明する。フローチャートによる動作説明の前提として、図示しない水素供給源と、図示しない空気供給源から、それぞれ水素ガスと空気を燃料電池2へ供給することにより、燃料電池2は、直流電力(電流)の発電を開始しているものとする。
【0056】
まず、S301では第1のDC/DCコンバータ14の動作を開始する。その時の動作電力は図2の電流I1値以上で一定値(C)とする。S302では燃料電池2の両極に設けたリレー11をONにする。S303ではアクセル開度に応じて、DC/ACインバータ13の要求電力(A)と燃料電池補機5の要求電力(E)を決定する。
【0057】
S304ではDC/ACインバータ13の要求電力(A)と第2のDC/DCコンバータ15の動作電力(D)とを加算した値と、図2の電流I1に相当する燃料電池発電電力(I1)とを比較し、A+D>I1であればS305へ移り、A+D>I1でなければS306へ移る。
【0058】
S305では第1のDC/DCコンバータ14を停止し(動作電力(C)を0にする)、S306へ移る。S306では第1のDC/DCコンバータ14の動作電力(C)を燃料電池2の発電電力(B)、図2中のI1値、及び第2のDC/DCコンバータ15の動作電力(D)から、C=I1−(B+D)により演算する。
【0059】
S307では第2のDC/DCコンバータ15の動作電力(D)が0であるか否かを判定し、0であればS308へ移り、0でなければS309へ移る。
【0060】
S308では第2のDC/DCコンバータ15の動作を停止させる(動作電力(D)=0)。
【0061】
S309では第2のDC/DCコンバータ15を動作させる電力(D)をDC/ACインバータ13の要求電力(A)と燃料電池2の発電電力(B)と第1のDC/DCコンバータ14の動作電力(C)により演算し(D=B−A−C)、S310へ移る。S310ではS309で演算したDの値が正か否かを判定し、正であればS311へ移り、正でなければS312へ移る。
【0062】
S311では第2のDC/DCコンバータ15を降圧動作させて、燃料電池2から二次電池4へ電力供給するように動作させる(二次電池4を充電する)。第2のDC/DCコンバータ15の動作電力は、S309で演算したD値である。
【0063】
S312では第2のDC/DCコンバータ15を昇圧動作させて、二次電池4からDC/ACインバータ13へ電力供給するように動作させる(二次電池4は放電する)。
【0064】
S313では二次電池4の充放電可能量と第2のDC/DCコンバータ15の動作電力(D)を比較し、供給可能であればS315へ移り、供給不能であれば、S314へ移る。S314では、第2のDC/DCコンバータ15の動作電力(D)を二次電池4の充放電可能量に合わせ(D=二次電池4の供給可能量)、S315へ移る。
【0065】
S315では電力変換装置3の動作を継続させるかを判断し、継続させる場合にはS304へ移り、継続させない場合には終了する。
【0066】
上記動作をすることにより、図2中のI1以上の電圧が所定値以下であれば、燃料電池の電圧を高電圧にした場合でも、第1のDC/DCコンバータのスイッチング素子のみ高耐圧品を使用すればよく、その高耐圧ユニットの使用領域を少なくしているため、システムの小型化、低コスト化、効率の向上が見込める。
【0067】
〔第4実施形態〕
次に、本発明に係る燃料電池用電力変換装置の第4実施形態を説明する。第4実施形態の構成は、図1に示した第1実施形態と同様である。
【0068】
本実施形態は、第1のDC/DCコンバータ14の動作電力を制御して燃料電池電圧をVlに定電圧制御するための制御の一例である。例えば起動時にこの制御を行えば、燃料電池電圧がV1以下になったときには第1のDC/DCコンバータの動作電力はしだいに低下して、最後には停止することになる。つまり、電圧がV1以下になった後は第2のDC/DCコンバータによる動作に移行できる。
【0069】
第4実施形態の動作について、図6のフローチャートに沿って説明する。フローチャートによる動作説明の前提として、図示しない水素供給源と、図示しない空気供給源から、それぞれ水素ガスと空気を燃料電池2へ供給することにより、燃料電池2は、直流電力(電流)の発電を開始しているものとする。
【0070】
まず、S401では第1のDC/DCコンバータ14の動作を開始する。S402では燃料電池2の両極に設けたリレー11をONにする。S403では第1のDC/DCコンバータ14で燃料電池2端電圧を計測する。S404ではS403で計測した燃料電池2端電圧が図2の電流I1に相当する電圧V1より高いか否かを判定し、燃料電池端電圧>V1であればS405へ移り、燃料電池端電圧>V1でなければ、S406へ移る。
【0071】
S405では第1のDC/DCコンバータ14の動作電力(C)を増加させて、燃料電池端電圧が下がるように制御し、S407へ進む。
【0072】
S406では第1のDC/DCコンバータ14の動作電力(C)を減少させて、燃料電池端電圧が上がるように制御し、S407へ進む。
【0073】
S407では電力変換装置3の動作を継続させるかを判断し、継続させる場合にはS403へ移り、継続させない場合には電力変換装置3の動作を終了する。
【0074】
S403乃至S407のループにより、燃料電池端電圧は、一定電圧V1に収束するように制御される。
【0075】
上記動作をすることにより、図2中の電流I1以下の領域の電圧が所定値以下であれば、燃料電池の電圧を高電圧にした場合でも、第1のDC/DCコンバータのスイッチング素子のみ高耐圧品を使用すれば良く、その第1のDC/DCコンバータ単体で燃料電池端電圧が所定電圧(図2のV1)以下になるように定電圧制御を行うため、動作安定性、効率の向上が見込める。
【0076】
〔第5実施形態〕
次に、本発明に係る燃料電池用電力変換装置の第5実施形態を説明する。第5実施形態の構成は、図1に示した第1実施形態と同様である。
【0077】
第5実施形態は、第1のDC/DCコンバータ14を起動時のみ作動させ、起動後は停止する。起動後に燃料電池2の電流がI1以下になりそうな場合は、第2のDC/DCコンバータ15の動作電力を制御して、I1以上になるようにする。これにより、第1のDC/DCコンバータ14の使用が起動時のみになるので、システム全体の効率が向上する。
【0078】
第5実施形態の動作について、図7のフローチャートに沿って説明する。フローチャートによる動作説明の前提として、図示しない水素供給源と、図示しない空気供給源から、それぞれ水素ガスと空気を燃料電池2へ供給することにより、燃料電池2は、直流電力(電流)の発電を開始しているものとする。
【0079】
まず、S501では第1のDC/DCコンバータ14を一定電力(図2の電流I1以上に相当する電力)で動作を開始する。S502では燃料電池2の両極に設けられたリレー11をONにする。S503では第2のDC/DCコンバータ15を第1のDC/DCコンバータ14と同電力値で動作させる。S504では第1のDC/DCコンバータ14の動作を停止させる。S505ではアクセル開度に応じて、DC/ACインバータ13の要求電力(A)と燃料電池補機5の要求電力(E)を決定する。
【0080】
S606では、DC/ACインバータ13の要求電力(A)と燃料電池補機5の要求電カ量(E)と二次電池要求電力(F)とを加算したものが、図2中の電流I1に相当する電力(電力としてはI1×V1であるが以下、I1と記す)より大きいか否かを判定し、A+E+F>I1であれば、S507へ移り、A+E+F>I1でなければ、S508へ移る。
【0081】
S507では補正係数(G)を0にセットする。S508では補正係数(G)=I1−(A+E+F)とする。
【0082】
S509では第2のDC/DCコンバータ15の動作電力(D)をD=B−A−Gとする。
【0083】
S510ではS509で演算したD(=B−A−G)が正か否かを判定し、正であればS511へ移り、正でなければS512へ移る。
【0084】
S511では第2のDC/DCコンバータ15を降圧動作させ、燃料電池2から二次電池4でへ電力供給するように動作させる(二次電池4を充電する)。このとき第2のDC/DCコンバータ15の動作電力は、S509で演算したD値である。
【0085】
S512では第2のDC/DCコンバータ15を昇圧動作させ、二次電池4からDC/ACインバータ13へ電力供給する(二次電池4から放電する)。
【0086】
S513では二次電池4の充放電可能量と第2のDC/DCコンバータ15の動作電力(D)を比較し、供給可能であれば、S515へ移り、供給不能であれば、S514へ移る。
【0087】
S514では、第2のDC/DCコンバータ15の動作電力(D)を二次電池4の充放電可能量に合わせ(D=二次電池4の供給可能量)、S515へ移る。
【0088】
S515では電力変換装置3の動作を継続させるかを判断し、継続させる場合にはS505へ移り、継続させない場合には、電力変換装置3の動作を終了する。
【0089】
上記動作をすることにより、図2中の電流I1以上の領域の電圧が所定値以下であれば、燃料電池の電圧を高電圧にした場合でも、第1のDC/DCコンバータのスイッチング素子のみ高耐圧品を使用すればよく、しかも、起動時のみ第1のDC/DCコンバータを動作させるため、第1のDC/DCコンバータの使用領域を少なくしているため、システムの小型化、高圧用片方向降圧コンバータの小型、簡略化、低コスト化、効率の向上が見込める。
【0090】
〔第6実施形態〕
図8(a)は、第6実施形態の燃料電池用電力変換装置を用いた燃料電池システムの構成図である。図1に示した第1実施形態の構成との相違は、燃料電池2に対する逆流防止用のダイオード12が燃料電池負極側に設けられていることである。その他の構成及び動作は、第1〜第5実施形態と同様である。
【0091】
〔第7実施形態〕
図8(b)は、第7実施形態の燃料電池用電力変換装置を用いた燃料電池システムの構成図である。図1に示した第1実施形態の構成との相違は、燃料電池2に対する逆流防止用のダイオード12が燃料電池2の正極側と負極側との双方に設けられていることである。その他の構成及び動作は、第1〜第5実施形態と同様である。
【0092】
以上、説明してきたが、本発明記載の構成に限定したものではなく、実施形態が変わっても同一機能を有した物であれば、本発明の効果を得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の燃料電池用電力変換装置を用いた燃料電池システムの構成図である。
【図2】本発明に用いる燃料電池の電圧‐電流特性図である。
【図3】第1実施形態の動作を説明するフローチャート図である。
【図4】第2実施形態の動作を説明するフローチャート図である。
【図5】第3実施形態の動作を説明するフローチャート図である。
【図6】第4実施形態の動作を説明するフローチャート図である。
【図7】第5実施形態の動作を説明するフローチャート図である。
【図8】(a)は、第6実施形態の燃料電池用電力変換装置を用いた燃料電池システムの構成図であり、(b)は、第7実施形態の燃料電池用電力変換装置を用いた燃料電池システムの構成図である。
【符号の説明】
1:燃料電池車両
2:燃料電池
3:電力変換装置
4:二次電池
5:燃料電池補機
6:モータ
7:差動装置
8:駆動輪
9:車両コントローラ
10:アクセルペダル
11:リレー
12:ダイオード
13:DC/ACインバータ
14:第1のDC/DCコンバータ
15:第2のDC/DCコンバータ
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池の出力電圧を所望の電圧に変換する燃料電池用電力変換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池は、水素と空気中の酸素とを電解質を介して電気化学反応させることにより、直接電気を発生させるエネルギーシステムである。このため、他の発電システムのようなエネルギー形態の変換を伴わないので、効率の高い発電を行うことができる。
【0003】
しかしながら燃料電池は、負荷による出力電圧の変動(電圧垂下特性)が比較的大きいことが知られている。例えば、燃料として水素、酸化剤として酸素又は空気中の酸素を用いる水素酸素燃料電池においては、1セルの開回路電圧(無負荷電圧)はギブスの自由エネルギーで決まる起電力である1.23Vであるのに対して、定格電流を取り出した場合の定格電圧(公称電圧)は、内部抵抗等の影響を受けて通常0.7V程度である。
【0004】
このように燃料電池のセル当たりの定格電圧が低いため、家庭用コジェネレーション燃料電池システムや燃料電池車両では、多数のセルを直列接続した燃料電池スタックを構成して定格電圧を百V〜数百Vにすることにより配線抵抗によるロスを低減することが多い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、燃料電池スタックの定格電圧を数百Vとすると、2つの問題が生じる。その第1は、定格電圧と開回路電圧との差が大きいことである。第2は、燃料電池電圧から2次電池充電電圧まで電圧を降下させるDC/DCコンバータや、燃料電池の直流電圧を交流電圧に変換するDC/ACインバータのスイッチング素子の耐電圧も必然的に高まることである。
【0006】
第1の問題に対処する従来例としては、特開2000−36312号公報が知られている。この従来技術においては、燃料電池の出力を直流変換するコンバータの出力過電流、出力過負荷、出力過電圧等の保護検出信号を発生した場合、コンバータを保護停止させると共に、燃料電池が開放電圧になることを防止するダミーヒータを投入している。しかしダミーヒータで開放電圧を抑制すると、その消費電力が無駄となり、燃料電池の総合効率を低下させる問題が生じる。
【0007】
第2の問題に対しては、直流を交流に変換するDC/ACインバータや直流電圧を変換するDC/DCコンバータに使用する半導体素子の耐圧を上げているが、その時に電力変換装置の大型化や、電力変換効率の低下、コストの上昇という問題点があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、燃料電池及び該燃料電池より低圧の二次電池を備え、少なくとも燃料電池または二次電池の電力を変換して交流負荷に電力を供給する燃料電池用電力変換装置において、燃料電池の電圧を二次電池の電圧に降圧する第1のDC/DCコンバータと、燃料電池の電圧を二次電池の電圧に降圧するかまたは二次電池の電圧を昇圧する第2のDC/DCコンバータと、第1の電極が燃料電池に接続され、第2の電極が第2のDC/DCコンバータの高圧側に接続され、燃料電池への電流の逆流を防止するダイオードと、前記ダイオードの第2の電極に接続されDC/AC変換した電力を交流負荷へ供給するDC/ACインバータと、を備え、第1のDC/DCコンバータにより燃料電池から取り出す電流値を所定値以上とすることを要旨とする。
【0009】
【発明の効果】
本発明によれば、第1のDC/DCコンバータにより燃料電池から取り出す電流値を所定値(I1)以上とするので、燃料電池の出力電流はI1以下の電流範囲になることはなく、従って燃料電池の出力電圧が出力電流I1で決まる電圧より高くなることはなく、第1のDC/DCコンバータと第2のDC/DCコンバータとDC/ACインバータとに、燃料電池の低電流時の高い電圧に耐え得るだけの耐圧の高い素子を使用しなくて済むことになり、出力向上、効率向上、小型化、低コスト化が行えるという効果がある。
【0010】
【発明の実施の形態】
〔第1実施形態〕
次に図面を参照して、本発明に係る燃料電池用電力変換装置の第1実施形態を説明する。図1は、第1実施形態の燃料電池用電力変換装置を用いた燃料電池システムの構成図であり、燃料電池車両を示している。図2は、図1で用いた燃料電池の電圧‐電流特性を示した図である。
【0011】
図1において、燃料電池車両1は、燃料電池2と、電力変換装置3と、燃料電池2より低圧の二次電池4と、二次電池4の電圧で駆動される燃料電池補機5と、車両駆動用のモータ6と、モータ6の回転力を左右の駆動輪8に分配する作動装置7と、駆動輪8と、車両コントローラ9と、アクセルペダル10とを備えている。
【0012】
燃料電池補機5は、燃料電池に空気を供給するコンプレッサー、燃料電池冷却液を循環させるポンプ、車両電装品用の12Vに変換するDC/DCコンバータ等を含む。
【0013】
車両コントローラ9は、アクセルペダル10の踏み込み量を検出するアクセルセンサが接続されている。そしてアクセルセンサの検出値に基づいて、燃料電池2の発電力、電力変換装置3における第1のDC/DCコンバータ14,第2のDC/DCコンバータ15,及びDC/ACインバータ13の制御を行う。このため、車両コントローラ9は、マイクロプロセッサ、プログラムメモリ、ワークメモリ及び周辺インタフェースを備えているものとする。
【0014】
電力変換装置3は、燃料電池2または二次電池4の電力を変換して交流負荷であるモータ6に電力を供給するものである。
【0015】
また、電力変換装置3は、燃料電池2の正極(カソード)及び負極(アノード)を断続するリレー11と、燃料電池2の電圧を二次電池4の電圧に降圧する第1のDC/DCコンバータ14と、燃料電池2の電圧を二次電池4の電圧に降圧するかまたは二次電池4の電圧を昇圧する第2のDC/DCコンバータ15と、第1の電極(図1ではアノード)が燃料電池2に接続され、第2の電極(図1ではカソード)が第2のDC/DCコンバータ15の高圧側に接続され、燃料電池2への電流の逆流を防止するダイオード12と、ダイオード12の第2の電極(カソード)に接続されDC/AC変換した電力を交流負荷であるモータ6へ供給するDC/ACインバータ13と、を備えている。
【0016】
DC/ACインバータ13は、燃料電池2が発電した直流電力を交流に変換してモータ6に供給する一方、燃料電池2の発電電力が不足する場合は、第2のDC/DCコンバータ15が二次電池4の電圧を昇圧した電力も使用する。
【0017】
また特に限定されないが、DC/ACインバータ13は、燃料電池車両1を制動する場合、モータ6の回生電力を整流する機能を備え、回生電力を整流した直流電力を第2のDC/DCコンバータ15に供給する。このとき、第2のDC/DCコンバータ15は、降圧動作を行って二次電池4を充電する。即ち、燃料電池車両1を制動するときには、回生電力を二次電池4に貯蔵し、次の加速時に二次電池4から第2のDC/DCコンバータ15及びDC/ACインバータ13を介してモータ6を駆動することにより、エネルギー効率を高めている。
【0018】
さらに第1のDC/DCコンバータ14は、第2のDC/DCコンバータ15より高耐圧のスイッチング素子を備えていることに特徴がある。DC/DCコンバータ14,15用のスイッチング素子としては、バイポーラトランジスタ、MOS−FET、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)等が使用可能である。
【0019】
図2は、燃料電池2の出力の電流電圧特性を示す図である。燃料電池2の電流を増加させるに従って、電圧は低下する。特に電流が0からI1までは、電圧の降下が大きく、電流がI1を超えてからは電圧降下の度合いが小さくなるものの、電流が増加するに従って電圧が低下する。しかし定格電流を超えると極端に電圧が降下して燃料電池が劣化する。
【0020】
本実施形態では、電流が0からI1までの電圧がV1より高い領域では、第1のDC/DCコンバータ(図2以下では、単に第1のコンバータと略す)14を動作させ、電流がI1を超えて、電圧がV1以下になる領域では、第2のDC/DCコンバータ(図2以下では、単に第2のコンバータと略す)15を動作させている。これにより、第2のDC/DCコンバータ15は、V1以上の電源電圧で動作することはないので、第1のDC/DCコンバータ14より耐圧の低いスイッチング素子を用いることができ、大電力の変換時の効率を高くして燃料電池車両1の燃費を改善することができる。
【0021】
第1実施形態の動作概要は以下の通りである。まず、第1のDC/DCコンバータ14を常にI1以上の一定値(C)で作動させる。そしてモータのDC/ACインバータ13を作動(電力A)させ、燃料電池の発電電力(B)に対して、A+Cに過不足が生じた場合(B=A+Cでないとき)にのみ第2のDC/DCコンバータ15を作動させ、電力に過不足が生じないように制御する。第1のDC/DCコンバータは常にI1以上で動作させかつ、図1の構成によりダイオード12を電流が逆に流れることはないので、燃料電池2の電流がI1以下になることはない。したがって第2のDC/DCコンバータ15には(第1のDC/DCコンバータ14にも)V1以上の電圧が掛かることはなく、第2のDC/DCコンバータ15の素子は安価で効率のよい耐電圧の低いものとすることができる。
【0022】
ところで、この制御では、電流を常にI1以上にするのであるから、第1のDC/DCコンバータ14にも耐電圧の高い高圧用の素子は必要ないと思われるかもしれないが、実際にはスイッチング素子の切換時(ステップ的に電流をI1に立ち上げるので、この時サージ電圧が掛かる)や何らかの原因で電流がI1以下になることがあるため、それらに対応した高圧用の素子が第1のDC/DCコンバータに備えられていると第1のDC/DCコンバータの耐久性を高めることができる。
【0023】
ここで、コンバータは作動させなければ電圧が掛からない仕組みになっているので、電流範囲がI1以下でコンバータを作動させる必要がある場合には、第1のDC/DCコンバータ14のみを作動させ、第2のDC/DCコンバータ15を作動させなければ、第2のDC/DCコンバータ15にはV1以上の高電圧が掛かることはない(DC/ACインバータ13には大きなコンデンサが付いているため、大きな電圧が印加されても瞬時に電圧が上がることはない)。
【0024】
これにより、第1のDC/DCコンバータ14と第2のDC/DCコンバータ15のうち、耐電圧の高い素子を備えるのは少なくとも第1のDC/DCコンバータ14だけとすればよい。
【0025】
また、サージ電圧等、想定される電圧が燃料電池の低電流時の高電圧よりも小さければ、耐電圧の高い素子を備えたとしても、従来のものより耐電圧の低いものを使用することができる。また、第1のDC/DCコンバータ14は電流範囲がI1より少し大きい程度でよいので、第2のDC/DCコンバータ15に比べ容量の小さいもので済む。
【0026】
このため従来のようにコンバータ及びインバータを耐電圧の高い仕様にしたものに比べて、電力容量、即ち電流の小さい第1のDC/DCコンバータだけを耐電圧の高い素子を用い、第2のDC/DCコンバータは、大電流でも耐圧の低い素子で済むことになり、大電流の高耐圧素子が不要となるという効果がある。
【0027】
次に、図3のフローチャートを参照して、本実施形態の動作を説明する。以下の説明では、図1の各部の電力を以下に説明するA〜Fの記号で示す。
【0028】
【数1】
A=DC/ACインバータ13の要求電力
B=燃料電池2の発電電力
C=第1のDC/DCコンバータ14の動作電力
D=第2のDC/DCコンバータ15の動作電力(ただし、降圧動作方向、即ち二次電池や補機に電力を供給する方向を正、昇圧動作方向を負とする)
E=燃料電池補機5の要求電力
F=二次電池4の充放電電力(充電方向を正、放電方向は負)
また、フローチャートによる動作説明の前提として、図示しない水素供給源と、図示しない空気供給源から、それぞれ水素ガスと空気を燃料電池2へ供給することにより、燃料電池2は、直流電力(電流)の発電を開始しているものとする。
【0029】
まずステップ(以下、ステップをSと略す)101では、第1のDC/DCコンバータ14の動作を開始する。その時の動作電力は図2の電流I1値に相当する電力以上で一定値(C)とする。
【0030】
S102では燃料電池2の両極のリレー11をONにする。S103ではアクセル開度に応じて、DC/ACインバータ(図3以下では、単にインバータと略す)13の要求電力(A)と燃料電池補機5の要求電力(E)を決定する。
【0031】
S104ではDC/ACインバータ13の要求電力(A)と燃料電池2の発電電力(B)と第1のDC/DCコンバータ14の動作電力(C)を比較し、B=A+CであればS106へ移り、B≠A+CであればS105へ移る。
【0032】
S105では第2のDC/DCコンバータ15を動作させる電力(D)をDC/ACインバータ13の要求電力(A)と燃料電池2の発電電力(B)と第1のDC/DCコンバータ14の動作電力(C)により演算し(D=B−A−C)、S107へ移る。S106では第2のDC/DCコンバータ15の動作を停止させる(0動作)。
【0033】
S107では、S105で演算した第2のDC/DCコンバータ15を動作させる電力D(D=B−A−C)が正か否かを判定し、Dが正であればS108へ移り、Dが0または負であればS109へ移る。
【0034】
S108では第2のDC/DCコンバータ15を降圧動作させ、燃料電池2またはDC/ACインバータ13から二次電池4へ電力供給するように動作させる(二次電池4は充電)。この時の第2のDC/DCコンバータ15の動作電力は、S105で演算したD値である。
【0035】
S109では第2のDC/DCコンバータ15を昇圧動作させ、二次電池4からDC/ACインバータ13へ電力供給するように動作させる(二次電池は放電)。
【0036】
S110では二次電池4の充放電可能量と第2のDC/DCコンバータ15の動作電力(D)を比較し、供給可能であればS112へ移り、供給不能であればS111へ移る。S111では、第2のDC/DCコンバータ15の動作電力(D)を二次電池4の充放電可能量に合わせ(D=二次電池4供給可能量)、S112へ移る。
【0037】
S112では電力変換装置3の動作を継続させるか否かを判断し、継続させる場合にはS104へ移り、継続させない場合には電力変換装置3の動作を終了する。
【0038】
本実施形態によれば、上記動作をすることにより、図2中の電流I1以上の範囲における電圧が図2に示すように第2のコンバータ使用電圧範囲内(所定値以下)あれば、第1のDC/DCコンバータのスイッチング素子のみ高耐圧品を使用すればよいため、システムの小型化、低コスト化、効率の向上が見込める。
【0039】
〔第2実施形態〕
次に、本発明に係る燃料電池用電力変換装置の第2実施形態を説明する。第2実施形態の構成は、図1に示した第1実施形態と同様である。
【0040】
第2実施形態は、第1のDC/DCコンバータ14は効率の低い耐電圧の高い素子を使用しているため、第1のDC/DCコンバータ14はできるだけ使用しない方がシステムの効率が良くなるため、DC/ACインバータ13と第2のDC/DCコンバータ15によって燃料電池2に要求される電流がI1以上になっている場合には、第1のDC/DCコンバータ14を使用しないように制御するものである。
【0041】
第2実施形態の動作について、図4のフローチャートに沿って説明する。フローチャートによる動作説明の前提として、図示しない水素供給源と、図示しない空気供給源から、それぞれ水素ガスと空気を燃料電池2へ供給することにより、燃料電池2は、直流電力(電流)の発電を開始しているものとする。
【0042】
まず、S201では、第1のDC/DCコンバータ14の動作を開始する。その時の動作電力は図2の電流I1値以上で一定値(C)とする。S202では燃料電池2の両極に設けたリレー11をONにする。S203ではアクセル開度に応じて、DC/ACインバータ13の要求電力(A)と燃料電池補機5の要求電力(E)を決定する。
【0043】
S204ではDC/ACインバータ13の要求電力(A)と第2のDC/DCコンバータ15の動作電力(D)とを加算した値と、図2の電流I1に相当する燃料電池発電電力(電力としてはI1×V1であるが以下、I1と記す)とを比較し、A+D>I1であればS205へ移り、A+D>I1でなければS206へ移る。
【0044】
S205では第1のDC/DCコンバータ14を停止し(動作電力(C)を0にする)、S206へ移る。S206では第2のDC/DCコンバータ15を動作させる電力(D)が0か否かを判定し、D=0であればS208へ移り、D≠0ならばS207へ移る。
【0045】
S208では第2のDC/DCコンバータ15を停止させる(動作電力(D)を0とする)。
【0046】
S207では第2のDC/DCコンバータ15の動作電力(D)を、燃料電池2の発電電力(B)からDC/ACインバータ13の要求電力(A)及び第1のDC/DCコンバータ14の動作電力(C)を減じたものとする(D=B−A−C)。
【0047】
S209では第2のDC/DCコンバータ15を動作させる電力(D)が正か否かを判定し、D>0ならばS210へ進み、D≦0ならばS211へ進む。
【0048】
S210では第2のDC/DCコンバータ15を降圧動作させ、燃料電池2から二次電池4へ充電するように動作させる。ここで第2のDC/DCコンバータ15の動作電力は、S207で演算したD値である。
【0049】
S211では第2のDC/DCコンバータ15を昇圧動作させ、二次電池4からDC/ACインバータ13へ電力供給するように動作させる(二次電池は放電)。
【0050】
S212では二次電池4の充放電可能量と第2のDC/DCコンバータ15の動作電力(D)を比較し、供給可能であればS214へ移り、供給不能であればS213へ移る。S213では、第2のDC/DCコンバータ15の動作電力(D)を二次電池4の充放電可能量に合わせ(D=二次電池4供給可能量)、S214へ移る。
【0051】
S214では電力変換装置3の動作を継続させるかを判断し、継続させる場合にはS204へ移り、継続させない場合には終了する。
【0052】
本実施形態によれば、上記動作をすることにより、第1のDC/DCコンバータ14の使用領域を少なくしているため、システムの小型化、低コスト化、効率の向上が見込める。
【0053】
〔第3実施形態〕
次に、本発明に係る燃料電池用電力変換装置の第3実施形態を説明する。第3実施形態の構成は、図1に示した第1実施形態と同様である。
【0054】
第3実施形態は、DC/ACインバータ13と第2のDC/DCコンバータ15によって燃料電池2に要求される電流がI1以上になってない場合に、燃料電池に要求される電流がI1になるように第1のDC/DCコンバータ14を最低限の電力で使用するものである。これにより、燃料電池2の電流がI1でも効率の良い第2のDC/DCコンバータ15を使用でき、システム全体の効率を向上することができる。
【0055】
第3実施形態の動作について、図5のフローチャートに沿って説明する。フローチャートによる動作説明の前提として、図示しない水素供給源と、図示しない空気供給源から、それぞれ水素ガスと空気を燃料電池2へ供給することにより、燃料電池2は、直流電力(電流)の発電を開始しているものとする。
【0056】
まず、S301では第1のDC/DCコンバータ14の動作を開始する。その時の動作電力は図2の電流I1値以上で一定値(C)とする。S302では燃料電池2の両極に設けたリレー11をONにする。S303ではアクセル開度に応じて、DC/ACインバータ13の要求電力(A)と燃料電池補機5の要求電力(E)を決定する。
【0057】
S304ではDC/ACインバータ13の要求電力(A)と第2のDC/DCコンバータ15の動作電力(D)とを加算した値と、図2の電流I1に相当する燃料電池発電電力(I1)とを比較し、A+D>I1であればS305へ移り、A+D>I1でなければS306へ移る。
【0058】
S305では第1のDC/DCコンバータ14を停止し(動作電力(C)を0にする)、S306へ移る。S306では第1のDC/DCコンバータ14の動作電力(C)を燃料電池2の発電電力(B)、図2中のI1値、及び第2のDC/DCコンバータ15の動作電力(D)から、C=I1−(B+D)により演算する。
【0059】
S307では第2のDC/DCコンバータ15の動作電力(D)が0であるか否かを判定し、0であればS308へ移り、0でなければS309へ移る。
【0060】
S308では第2のDC/DCコンバータ15の動作を停止させる(動作電力(D)=0)。
【0061】
S309では第2のDC/DCコンバータ15を動作させる電力(D)をDC/ACインバータ13の要求電力(A)と燃料電池2の発電電力(B)と第1のDC/DCコンバータ14の動作電力(C)により演算し(D=B−A−C)、S310へ移る。S310ではS309で演算したDの値が正か否かを判定し、正であればS311へ移り、正でなければS312へ移る。
【0062】
S311では第2のDC/DCコンバータ15を降圧動作させて、燃料電池2から二次電池4へ電力供給するように動作させる(二次電池4を充電する)。第2のDC/DCコンバータ15の動作電力は、S309で演算したD値である。
【0063】
S312では第2のDC/DCコンバータ15を昇圧動作させて、二次電池4からDC/ACインバータ13へ電力供給するように動作させる(二次電池4は放電する)。
【0064】
S313では二次電池4の充放電可能量と第2のDC/DCコンバータ15の動作電力(D)を比較し、供給可能であればS315へ移り、供給不能であれば、S314へ移る。S314では、第2のDC/DCコンバータ15の動作電力(D)を二次電池4の充放電可能量に合わせ(D=二次電池4の供給可能量)、S315へ移る。
【0065】
S315では電力変換装置3の動作を継続させるかを判断し、継続させる場合にはS304へ移り、継続させない場合には終了する。
【0066】
上記動作をすることにより、図2中のI1以上の電圧が所定値以下であれば、燃料電池の電圧を高電圧にした場合でも、第1のDC/DCコンバータのスイッチング素子のみ高耐圧品を使用すればよく、その高耐圧ユニットの使用領域を少なくしているため、システムの小型化、低コスト化、効率の向上が見込める。
【0067】
〔第4実施形態〕
次に、本発明に係る燃料電池用電力変換装置の第4実施形態を説明する。第4実施形態の構成は、図1に示した第1実施形態と同様である。
【0068】
本実施形態は、第1のDC/DCコンバータ14の動作電力を制御して燃料電池電圧をVlに定電圧制御するための制御の一例である。例えば起動時にこの制御を行えば、燃料電池電圧がV1以下になったときには第1のDC/DCコンバータの動作電力はしだいに低下して、最後には停止することになる。つまり、電圧がV1以下になった後は第2のDC/DCコンバータによる動作に移行できる。
【0069】
第4実施形態の動作について、図6のフローチャートに沿って説明する。フローチャートによる動作説明の前提として、図示しない水素供給源と、図示しない空気供給源から、それぞれ水素ガスと空気を燃料電池2へ供給することにより、燃料電池2は、直流電力(電流)の発電を開始しているものとする。
【0070】
まず、S401では第1のDC/DCコンバータ14の動作を開始する。S402では燃料電池2の両極に設けたリレー11をONにする。S403では第1のDC/DCコンバータ14で燃料電池2端電圧を計測する。S404ではS403で計測した燃料電池2端電圧が図2の電流I1に相当する電圧V1より高いか否かを判定し、燃料電池端電圧>V1であればS405へ移り、燃料電池端電圧>V1でなければ、S406へ移る。
【0071】
S405では第1のDC/DCコンバータ14の動作電力(C)を増加させて、燃料電池端電圧が下がるように制御し、S407へ進む。
【0072】
S406では第1のDC/DCコンバータ14の動作電力(C)を減少させて、燃料電池端電圧が上がるように制御し、S407へ進む。
【0073】
S407では電力変換装置3の動作を継続させるかを判断し、継続させる場合にはS403へ移り、継続させない場合には電力変換装置3の動作を終了する。
【0074】
S403乃至S407のループにより、燃料電池端電圧は、一定電圧V1に収束するように制御される。
【0075】
上記動作をすることにより、図2中の電流I1以下の領域の電圧が所定値以下であれば、燃料電池の電圧を高電圧にした場合でも、第1のDC/DCコンバータのスイッチング素子のみ高耐圧品を使用すれば良く、その第1のDC/DCコンバータ単体で燃料電池端電圧が所定電圧(図2のV1)以下になるように定電圧制御を行うため、動作安定性、効率の向上が見込める。
【0076】
〔第5実施形態〕
次に、本発明に係る燃料電池用電力変換装置の第5実施形態を説明する。第5実施形態の構成は、図1に示した第1実施形態と同様である。
【0077】
第5実施形態は、第1のDC/DCコンバータ14を起動時のみ作動させ、起動後は停止する。起動後に燃料電池2の電流がI1以下になりそうな場合は、第2のDC/DCコンバータ15の動作電力を制御して、I1以上になるようにする。これにより、第1のDC/DCコンバータ14の使用が起動時のみになるので、システム全体の効率が向上する。
【0078】
第5実施形態の動作について、図7のフローチャートに沿って説明する。フローチャートによる動作説明の前提として、図示しない水素供給源と、図示しない空気供給源から、それぞれ水素ガスと空気を燃料電池2へ供給することにより、燃料電池2は、直流電力(電流)の発電を開始しているものとする。
【0079】
まず、S501では第1のDC/DCコンバータ14を一定電力(図2の電流I1以上に相当する電力)で動作を開始する。S502では燃料電池2の両極に設けられたリレー11をONにする。S503では第2のDC/DCコンバータ15を第1のDC/DCコンバータ14と同電力値で動作させる。S504では第1のDC/DCコンバータ14の動作を停止させる。S505ではアクセル開度に応じて、DC/ACインバータ13の要求電力(A)と燃料電池補機5の要求電力(E)を決定する。
【0080】
S606では、DC/ACインバータ13の要求電力(A)と燃料電池補機5の要求電カ量(E)と二次電池要求電力(F)とを加算したものが、図2中の電流I1に相当する電力(電力としてはI1×V1であるが以下、I1と記す)より大きいか否かを判定し、A+E+F>I1であれば、S507へ移り、A+E+F>I1でなければ、S508へ移る。
【0081】
S507では補正係数(G)を0にセットする。S508では補正係数(G)=I1−(A+E+F)とする。
【0082】
S509では第2のDC/DCコンバータ15の動作電力(D)をD=B−A−Gとする。
【0083】
S510ではS509で演算したD(=B−A−G)が正か否かを判定し、正であればS511へ移り、正でなければS512へ移る。
【0084】
S511では第2のDC/DCコンバータ15を降圧動作させ、燃料電池2から二次電池4でへ電力供給するように動作させる(二次電池4を充電する)。このとき第2のDC/DCコンバータ15の動作電力は、S509で演算したD値である。
【0085】
S512では第2のDC/DCコンバータ15を昇圧動作させ、二次電池4からDC/ACインバータ13へ電力供給する(二次電池4から放電する)。
【0086】
S513では二次電池4の充放電可能量と第2のDC/DCコンバータ15の動作電力(D)を比較し、供給可能であれば、S515へ移り、供給不能であれば、S514へ移る。
【0087】
S514では、第2のDC/DCコンバータ15の動作電力(D)を二次電池4の充放電可能量に合わせ(D=二次電池4の供給可能量)、S515へ移る。
【0088】
S515では電力変換装置3の動作を継続させるかを判断し、継続させる場合にはS505へ移り、継続させない場合には、電力変換装置3の動作を終了する。
【0089】
上記動作をすることにより、図2中の電流I1以上の領域の電圧が所定値以下であれば、燃料電池の電圧を高電圧にした場合でも、第1のDC/DCコンバータのスイッチング素子のみ高耐圧品を使用すればよく、しかも、起動時のみ第1のDC/DCコンバータを動作させるため、第1のDC/DCコンバータの使用領域を少なくしているため、システムの小型化、高圧用片方向降圧コンバータの小型、簡略化、低コスト化、効率の向上が見込める。
【0090】
〔第6実施形態〕
図8(a)は、第6実施形態の燃料電池用電力変換装置を用いた燃料電池システムの構成図である。図1に示した第1実施形態の構成との相違は、燃料電池2に対する逆流防止用のダイオード12が燃料電池負極側に設けられていることである。その他の構成及び動作は、第1〜第5実施形態と同様である。
【0091】
〔第7実施形態〕
図8(b)は、第7実施形態の燃料電池用電力変換装置を用いた燃料電池システムの構成図である。図1に示した第1実施形態の構成との相違は、燃料電池2に対する逆流防止用のダイオード12が燃料電池2の正極側と負極側との双方に設けられていることである。その他の構成及び動作は、第1〜第5実施形態と同様である。
【0092】
以上、説明してきたが、本発明記載の構成に限定したものではなく、実施形態が変わっても同一機能を有した物であれば、本発明の効果を得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の燃料電池用電力変換装置を用いた燃料電池システムの構成図である。
【図2】本発明に用いる燃料電池の電圧‐電流特性図である。
【図3】第1実施形態の動作を説明するフローチャート図である。
【図4】第2実施形態の動作を説明するフローチャート図である。
【図5】第3実施形態の動作を説明するフローチャート図である。
【図6】第4実施形態の動作を説明するフローチャート図である。
【図7】第5実施形態の動作を説明するフローチャート図である。
【図8】(a)は、第6実施形態の燃料電池用電力変換装置を用いた燃料電池システムの構成図であり、(b)は、第7実施形態の燃料電池用電力変換装置を用いた燃料電池システムの構成図である。
【符号の説明】
1:燃料電池車両
2:燃料電池
3:電力変換装置
4:二次電池
5:燃料電池補機
6:モータ
7:差動装置
8:駆動輪
9:車両コントローラ
10:アクセルペダル
11:リレー
12:ダイオード
13:DC/ACインバータ
14:第1のDC/DCコンバータ
15:第2のDC/DCコンバータ
Claims (7)
- 燃料電池及び該燃料電池より低圧の二次電池を備え、少なくとも燃料電池または二次電池の電力を変換して交流負荷に電力を供給する燃料電池用電力変換装置において、
燃料電池の電圧を二次電池の電圧に降圧する第1のDC/DCコンバータと、
燃料電池の電圧を二次電池の電圧に降圧するかまたは二次電池の電圧を昇圧する第2のDC/DCコンバータと、
第1の電極が燃料電池に接続され、第2の電極が第2のDC/DCコンバータの高圧側に接続され、燃料電池への電流の逆流を防止するダイオードと、
前記ダイオードの第2の電極に接続されDC/AC変換した電力を交流負荷へ供給するDC/ACインバータと、を備え、
第1のDC/DCコンバータにより燃料電池から取り出す電流値を所定値以上とすることを特徴とする燃料電池用電力変換装置。 - 前記交流負荷はモータであり、
前記DC/ACインバータは、該モータの回生電力を整流した直流電圧を前記ダイオードの第2電極側に供給する整流回路を内蔵し、
第2のDC/DCコンバータは、前記ダイオードを介した燃料電池の電圧または前記DC/ACインバータで整流された回生電圧を二次電池の電圧へ降圧することを特徴とする請求項1記載の燃料電池用電力変換装置。 - 第1のDC/DCコンバータは、第2のDC/DCコンバータより高耐圧のスイッチング素子を用いたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の燃料電池用電力変換装置。
- 燃料電池の起動時に、第1のDC/DCコンバータを所定値以上の一定電流で動作させ、前記DC/ACインバータと第2のDC/DCコンバータによって燃料電池に要求される電流値の合計が所定値以上になっている時には、第1のDC/DCコンバータの動作を停止することを特徴とする請求項3記載の燃料電池用電力変換装置。
- 燃料電池の起動時に第1のDC/DCコンバータを所定値以上の一定電流で動作させ、起動後はDC/ACインバータと第2のDC/DCコンバータによって燃料電池に要求される電流が所定値以上になってない場合に、燃料電池に要求される電流が所定値になるように第1のDC/DCコンバータを最低限の電力で動作させることを特徴とする請求項3記載の燃料電池用電力変換装置。
- 燃料電池の起動時に第1のDC/DCコンバータを所定値以上の一定電流で動作させ、起動後は第1のDC/DCコンバータを停止する一方、起動後に燃料電池の電流が所定値以下になりそうな場合は、第2のDC/DCコンバータの動作電力を制御して、所定値以上になるように制御することを特徴とする請求項3記載の燃料電池用電力変換装置。
- 燃料電池及び該燃料電池より低圧の二次電池を備え、少なくとも燃料電池または二次電池の電力を変換して交流負荷に電力を供給する燃料電池用電力変換装置において、
燃料電池の電圧を二次電池の電圧に降圧する第1のDC/DCコンバータと、
燃料電池の電圧を二次電池の電圧に降圧するかまたは二次電池の電圧を昇圧する第2のDC/DCコンバータと、
第1の電極が燃料電池に接続され、第2の電極が第2のDC/DCコンバータの高圧側に接続され、燃料電池への電流の逆流を防止するダイオードと、
前記ダイオードの第2の電極に接続されDC/AC変換した電力を交流負荷へ供給するDC/ACインバータと、を備え、
さらに第1のDC/DCコンバータは、第2のDC/DCコンバータより高耐圧のスイッチング素子を備えたことを特徴とする燃料電池用電力変換装置。
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