JP2004062571A - 硬貨収納繰出装置 - Google Patents
硬貨収納繰出装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004062571A JP2004062571A JP2002220876A JP2002220876A JP2004062571A JP 2004062571 A JP2004062571 A JP 2004062571A JP 2002220876 A JP2002220876 A JP 2002220876A JP 2002220876 A JP2002220876 A JP 2002220876A JP 2004062571 A JP2004062571 A JP 2004062571A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- coins
- belt
- coin
- feeding
- area
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Abstract
【課題】硬貨の収納量を増加できる硬貨収納繰出装置34を提供する。
【解決手段】繰出ベルト66のベルト上面域80に、貯留空間61から繰出方向側端部域に向けて上り傾斜する第1のベルト上面域部位81を形成し、貯留空間61の繰込方向側端部域に向けて上り傾斜する第2のベルト上面域部位82を形成する。繰出ベルト66のベルト上面域80を繰込方向Rへ移動させ、収納域73の収納済み硬貨を第2のベルト上面域部位82に向けて移動させる。収納済み硬貨を第2のベルト上面域部位82で上昇させ、収納済み硬貨側へ移動する繰り込み硬貨を収納済み硬貨の下へもぐり込ませる。繰り込み硬貨の収納域73への移動を確実にし、貯留空間61の収納域73での硬貨の収納量を増加させる。
【選択図】 図1
【解決手段】繰出ベルト66のベルト上面域80に、貯留空間61から繰出方向側端部域に向けて上り傾斜する第1のベルト上面域部位81を形成し、貯留空間61の繰込方向側端部域に向けて上り傾斜する第2のベルト上面域部位82を形成する。繰出ベルト66のベルト上面域80を繰込方向Rへ移動させ、収納域73の収納済み硬貨を第2のベルト上面域部位82に向けて移動させる。収納済み硬貨を第2のベルト上面域部位82で上昇させ、収納済み硬貨側へ移動する繰り込み硬貨を収納済み硬貨の下へもぐり込ませる。繰り込み硬貨の収納域73への移動を確実にし、貯留空間61の収納域73での硬貨の収納量を増加させる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、貯留空間に硬貨を収納するとともに収納した硬貨を1枚ずつ繰り出す硬貨収納繰出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の硬貨収納繰出装置は、例えば、硬貨を金種別に分類収納する入金処理と分類収納された硬貨を出金する出金処理とをする営業店カウンターに設置される硬貨入出金機などに内蔵使用される。
【0003】
従来の硬貨収納繰出装置は、例えば、実用新案登録第2539581号公報に示すように、上部から送り込まれる硬貨を貯留する貯留空間が形成された受収枠と、この受収枠の貯留空間の底部を形成して貯留空間に貯留される硬貨を載せるベルト上面域を有し、このベルト上面域の一方への回転時に貯留空間からの繰出方向に硬貨を移動させ、他方への回転時に貯留空間内への繰込方向に硬貨を移動させて収納し、このベルト上面域が貯留空間からの繰出方向に向けて上り傾斜している繰出ベルトと、貯留空間の繰出方向側端部域にあって繰出ベルトにより繰り出される硬貨を径方向および厚み方向に1枚ずつに規制するゲート部とを備えている。
【0004】
こうした構造を採るのは、硬貨収納繰出装置が組み込まれる硬貨入出金機が単体であるいは紙幣入出金機とともに一体で、営業店カウンター内に組み込み可能なように高さをできるだけ低くしたコンパクト構造とするためである。
【0005】
そして、このような構造の硬貨収納繰出装置では、繰出ベルトの上面域が貯留空間とされ、この繰出ベルトの所定域に硬貨を収納している。また、貯留空間の繰出方向側端部域には、繰出ベルトにより繰り出される硬貨を径方向および厚み方向に1枚ずつに規制するゲート部を備えるが、このゲート部に向かうに従い、繰出ベルト上の硬貨の量を減少させ、硬貨をゲート部で確実に1層1列にさせることと、硬貨の繰込収納時に繰出ベルト上の硬貨をスムーズに繰出ベルト上の所定域に収納させることの意図から、繰出ベルトの上面域はゲート部に向けて上り傾斜する平面としている。
【0006】
ところが、繰出ベルト上へ送り込まれた硬貨を繰出ベルトの所定域へ収納する場合、収納済み硬貨が送り込もうとする硬貨の邪魔をし、送り込み硬貨が繰出ベルトの収納域となる所定域へ収納され難い。
【0007】
そのため、送り込み硬貨を繰出ベルトの収納域へ送り込む際、繰出ベルトの上面域に上下振動を与え、送り込み硬貨をこの上下振動中に収納済み硬貨の下へもぐり込ませて繰出ベルトの収納域へ送り込むようにしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来では、送り込み硬貨を繰出ベルトの収納域に送り込むため、繰出ベルトの上面域に上下振動を与えても、収納済み硬貨は収納量が増えれば増えるほど、十分に上下動せず、送り込み硬貨が収納済み硬貨の下へもぐり込ませることができなくなる。そのため、硬貨の収納量の増加が望めないという問題がある。
【0009】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、硬貨の収納量を増加できる硬貨収納繰出装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の硬貨収納繰出装置は、硬貨を貯留する貯留空間が形成された受収枠と、この受収枠の貯留空間に貯留される硬貨を載せるベルト上面域を有し、このベルト上面域の一方への回転時に貯留空間からの繰出方向に硬貨を移動させ、他方への回転時に貯留空間内への繰込方向に硬貨を移動させる繰出ベルトと、前記貯留空間の繰出方向側端部域で前記繰出ベルトにより繰り出される硬貨を径方向および厚み方向に1枚ずつに規制するゲート部と、前記繰出ベルトのベルト上面域に、貯留空間から繰出方向側端部域に向けて上り傾斜する第1のベルト上面域部位を形成するとともに、この第1のベルト上面域部位に対して貯留空間の繰込方向側端部域に向けて上り傾斜する第2のベルト上面域部位を形成し、これら第1および第2のベルト上面域部位を支持する繰出ベルト支持手段とを具備しているものである。
【0011】
そして、この構成では、繰出ベルトのベルト上面域を繰込方向へ移動させることにより、収納済み硬貨を第2のベルト上面域部位で上昇させて、収納済み硬貨側へ移動する繰り込み硬貨を収納済み硬貨の下へもぐり込ませ、繰り込み硬貨の移動が収納済み硬貨で停滞するのを防止し、貯留空間での硬貨の収納量を増加可能とする。
【0012】
請求項2記載の硬貨収納繰出装置は、上部から送り込まれる硬貨を受け入れて一時保留する一時保留域およびこの一時保留域に隣接して一時保留硬貨を収納する収納域を有する貯留空間が形成された受収枠と、この受収枠の貯留空間の一時保留域と収納域との間に開閉可能に設けられた開閉板と、この開閉板を開閉する開閉板駆動手段と、前記貯留空間に貯留される硬貨を載せるベルト上面域を有し、このベルト上面域の一方への回転時に貯留空間の収納域から一時保留域への繰出方向に硬貨を移動させ、他方への回転時に一時保留域から収納域への繰込方向に硬貨を移動させる繰出ベルトと、前記貯留空間の繰出方向側端部域で前記繰出ベルトにより繰り出される硬貨を径方向および厚み方向に1枚ずつに規制するゲート部と、前記繰出ベルトのベルト上面域に、前記一時保留域および収納域の一部に臨んで貯留空間から繰出方向側端部域に向けて上り傾斜する第1のベルト上面域部位を形成するとともに、この第1のベルト上面域部位に対して収納域の残部に臨んで貯留空間の繰込方向側端部域に向けて上り傾斜する第2のベルト上面域部位を形成し、これら第1および第2のベルト上面域部位を支持する繰出ベルト支持手段とを具備しているものである。
【0013】
そして、この構成では、繰出ベルトのベルト上面域を繰込方向へ移動させることにより、収納域の収納済み硬貨および一時保留域の一時保留硬貨を第2のベルト上面域部位に向けて移動させ、収納済み硬貨を第2のベルト上面域部位で上昇させて、収納済み硬貨側へ移動する一時保留硬貨を収納済み硬貨の下へもぐり込ませ、一時保留硬貨の収納域への移動が収納済み硬貨で停滞するのを防止し、貯留空間の収納域での硬貨の収納量を増加可能とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0015】
図4に、硬貨収納繰出装置を適用した循環式硬貨入出金機の内部構造の平面図を示し、この循環式硬貨入出金機は、図示しない機体内に配設され、例えば、金融機関の窓口などにおいて、2人のテラー間に設置されるとともに、各テラーによって操作される2台の端末機に接続されて、両テラーによって共用される。なお、図4において、左側を機体の前側、右側を機体の後側、上側を機体の左側、下側を機体の右側として説明する。
【0016】
機体に設けられる図示しない硬貨入金口の下方に位置して硬貨貯留繰出部11が配設され、この硬貨貯留繰出部11は、硬貨入金口を通じて投入される入金硬貨を受け入れる硬貨貯留繰出部枠12を有し、この硬貨貯留繰出部枠12の底部には硬貨を左側方向へ繰り出す繰出ベルト13が張設され、この繰出ベルト13の繰出方向の端部に硬貨を径方向および厚み方向に1枚ずつにするゲート部14が配設されている。ゲート部14は、繰出ベルト13の上方で、繰出ベルト13の周面の回転方向と逆方向つまり硬貨の送出を規制する方向に回転して繰出ベルト13で繰出方向に送られる硬貨を1層に規制する逆転ローラ15を有している。
【0017】
また、硬貨貯留繰出部11の繰出ベルト13の繰出方向には、硬貨貯留繰出部11から1枚ずつ繰り出される硬貨を受け入れて搬送する硬貨通路18が形成されている。この硬貨通路18は、繰出ベルト13から連続して左側方向に向けて形成される識別通路部19、この識別通路部19の左端から後方へ向けて形成されるリジェクト分岐通路部20、およびこのリジェクト分岐通路部20の後端から右側方向に向けて形成される種類別分岐通路部21を有している。これら各通路部19〜21は、硬貨を載せる通路板22上に形成され、通路板22の上方には硬貨を各通路部19〜21に沿って搬送する搬送ベルト23〜25が張設されている。
【0018】
識別通路部19には、搬送される硬貨の真偽や金種を識別する識別部26が配置されている。
【0019】
リジェクト分岐通路部20には、リジェクト硬貨を分岐するリジェクト硬貨分岐部27が配設されている。このリジェクト硬貨分岐部27は、通路板22に形成された分岐孔28を有し、この分岐孔28には図示しない分岐板が配置され、この分岐板が図示しないソレノイドによって硬貨の通過を許容する閉鎖位置とリジェクト硬貨を分岐孔28内へ強制的に案内する開放位置とに移動される。
【0020】
種類別分岐通路部21には、硬貨を種類別に分岐する複数の種類別硬貨分岐部29が配設されており、これら種類別硬貨分岐部29は、上流側(左側)から順に、オーバーフロー硬貨用、5円硬貨用、1円硬貨用、50円硬貨用、100円硬貨用、10円硬貨用、500円硬貨用として構成され、通路板22に形成された分岐孔30を有している。オーバーフロー硬貨用および5円硬貨用の種類別硬貨分岐部29は、強制的に硬貨を分岐するもので、分岐孔30に配置される分岐板31を有し(図2参照)、この分岐板31が図示しないソレノイドによって硬貨の通過を許容する閉鎖位置と硬貨を分岐孔30内へ強制的に案内する開放位置とに移動される。1円硬貨用、50円硬貨用、100円硬貨用、10円硬貨用、500円硬貨用の種類別硬貨分岐部29は、硬貨の径寸法に応じて小径硬貨から大形硬貨の順に形状分岐するように構成されている。なお、この実施の形態の複数の種類別硬貨分岐部29は、1つのオーバーフロー硬貨分岐部と複数の金種別硬貨分岐部とで構成され、オーバーフロー硬貨分岐部として構成される種類別硬貨分岐部29については符号29aを付して説明する。
【0021】
また、種類別分岐通路部21の下方には、種類別硬貨分岐部29で種類別に分岐される硬貨を収納するとともに前方へ1枚ずつ繰出可能とする複数の硬貨収納繰出装置34が機体の左右方向に並設されており、これら硬貨収納繰出装置34は、種類別硬貨分岐部29に対応して、左側から順に、オーバーフロー硬貨用、5円硬貨用、1円硬貨用、50円硬貨用、100円硬貨用、10円硬貨用、500円硬貨用として構成されている。なお、この実施の形態の複数の硬貨収納繰出装置34は、1つのオーバーフロー硬貨収納投出部と複数の金種別硬貨収納投出部とで構成され、オーバーフロー硬貨収納投出部として構成される硬貨収納繰出装置34については符号34aを付して説明する。
【0022】
また、各硬貨収納繰出装置34の前方域に沿って、機体の左右方向に搬送コンベヤ37が張設されている。この搬送コンベヤ37は、左右のローラ38間に搬送ベルト39を張設したベルトコンベヤにて構成され、機体の左右方向の一端および他端のいずれの方向にも搬送可能としている。搬送コンベヤ37の左端近傍には、硬貨通路18のリジェクト硬貨分岐部27で分岐されるリジェクト硬貨が受け入れられる。なお、搬送ベルト39の上方に臨むベルト上面域の下側には、図示していないが、搬送ベルト39を支えるベルト支持板が配設されているとともに、このベルト支持板の下側に搬送ベルト39上の硬貨の有無を検知する硬貨検知基板が配設されている。
【0023】
また、搬送コンベヤ37の左端で機体の左側に沿って、搬送コンベヤ37で左端に搬送される硬貨を受け入れて前方へ搬送するシュート40が配設され、このシュート40によって硬貨が機体に対して着脱可能とする左側出金箱41へ放出される。シュート40の入口には開放によって搬送コンベヤ37からの硬貨の受け入れを許容するとともに閉鎖によって搬送コンベヤ37からの硬貨の受け入れを規制するシャッタ42が開閉可能に配設されている。
【0024】
また、搬送コンベヤ37の右端で機体の右側に沿って、搬送コンベヤ37で右端に搬送される硬貨を受け入れて前方へ搬送するベルトコンベヤ43が配設されている。このベルトコンベヤ43の入口には開放によって搬送コンベヤ37からの硬貨の受け入れを許容するとともに閉鎖によって搬送コンベヤ37からの硬貨の受け入れを規制するシャッタ44が上下に開閉可能に配設されているとともに、搬送コンベヤ37上からベルトコンベヤ43上に硬貨が乗り移るための乗移り板45が配設されている。ベルトコンベヤ43は、前後のローラ46間に搬送ベルト47を張設したベルトコンベヤにて構成され、機体の前方向へ硬貨を搬送可能としている。なお、搬送ベルト47の上方に臨むベルト上面域の下側には、図示していないが、搬送ベルト47を支えるベルト支持板が配設されているとともに、このベルト支持板の下側に搬送ベルト47上の硬貨の有無を検知する硬貨検知基板が配設されている。
【0025】
ベルトコンベヤ43の途中には、搬送コンベヤ37から搬送されてくる硬貨を硬貨貯留繰出部11に送って環流させる環流搬送部48が配設されている。この環流搬送部48は、ベルトコンベヤ43上に進退可能とする環流板49を有し、この環流板49が、ベルトコンベヤ43上に進出させてベルトコンベヤ43を搬送されてくる硬貨を硬貨貯留繰出部11に環流させる環流位置と、ベルトコンベヤ43上から退避させてベルトコンベヤ43を搬送されてくる硬貨の下流方向への搬送を許容する退避位置とに移動される。
【0026】
また、ベルトコンベヤ43の前端には、ベルトコンベヤ43の前端から放出される硬貨を受け入れる図示しないシュートが配設され、このシュートの下部には出金シュート部と回収シュート部50とに分岐され、この分岐位置に硬貨を出金シュート部または回収シュート部50に振り分ける振分部材が配設されている。出金シュート部により硬貨が機体に対して着脱可能とする右側出金箱51に導かれ、回収シュート部50により硬貨が機体内に装着される回収カセット52に導かれる。
【0027】
次に、図1ないし図3に、硬貨収納繰出装置34の構成を示し、各硬貨収納繰出装置34は、硬貨(図1には符号Cで示し、以下省略する)を貯留する貯留空間61が形成された受収枠62を有し、この受収枠62には、貯留空間61の左右両側を構成する垂直方向の側面部63,63、この側面部63,63の下端から互いに接近する方向へ傾斜して繰出ベルト66の上面接触位置に至る側面傾斜部64,64、および後端側を構成する規制部65が形成されており、貯留空間61の底面には繰出ベルト66が配設されている。
【0028】
オーバーフロー硬貨用の硬貨収納繰出装置34aを除く各硬貨収納繰出装置34の繰出ベルト66の上方であって前後方向の前寄り約3分の1程度の位置に、開閉板71が開閉可能に配置されている。貯留空間61の開閉板71の前側に種類別分岐通路部21の種類別硬貨分岐部29から送り込まれる硬貨を一時保留する一時保留域72が、後側に一時保留硬貨を収納可能とする収納域73が形成されている。各開閉板71は、一端が1本の駆動軸74に固着され、この駆動軸74を中心として、下方に垂下されて貯留空間61の一時保留域72と収納域73とを区分する区分位置と、他端が後方へ持ち上げられて貯留空間61の一時保留域72と収納域73とが連通される連通位置つまり開放位置との間を揺動可能に支持され、駆動軸74の一端に連結される例えばモータやソレノイドなどにより構成される開閉板駆動手段75によって一括して揺動される。
【0029】
一時保留域72の上方には、種類別分岐通路部21の種類別硬貨分岐部29が位置されていて、その種類別硬貨分岐部29から分岐されて落下してくる硬貨が受け入れられる受収口76が形成されている。
【0030】
また、繰出ベルト66は、受収枠62の側面部63,63の間隔より幅広の平ベルトにて構成され、貯留空間61に貯留される硬貨を載せるベルト上面域80を有し、このベルト上面域80の一方への回転時つまり前方への回転時に貯留空間61の収納域73から一時保留域72への繰出方向Fに硬貨を移動させ、他方への回転時つまり後方への回転時に貯留空間61の一時保留域72から収納域73への繰込方向Rに硬貨を移動させる。
【0031】
繰出ベルト66のベルト上面域80は、一時保留域72および収納域73の前側の一部に臨んで貯留空間61から繰出方向側端部域に向けて上り傾斜する第1のベルト上面域部位81、この第1のベルト上面域部位81に対して収納域73の後側の残部に臨んで貯留空間61の繰込方向側端部域に向けて上り傾斜する第2のベルト上面域部位82、およびこれら第1のベルト上面域部位81と第2のベルト上面域部位82との間で湾曲して設けられた湾曲ベルト上面域部位83を有している。
【0032】
繰出ベルト66は、ベルト上面域80に第1のベルト上面域部位81、第2のベルト上面域部位82および湾曲ベルト上面域部位83を形成するように、繰出ベルト支持手段84によって支持されている。この繰出ベルト支持手段84は、前端側に配置されて繰出ベルト66が掛け回されるローラ85、後端側上下位置に配置されて繰出ベルト66が掛け回されるローラ86,87、湾曲ベルト上面域部位83の上面両側に配置されて繰出ベルト66を湾曲状に押え付ける複数のローラ88、およびベルト上面域80の下方のベルト下面域80aを支持する複数のローラ89を有している。図3に示すように、湾曲ベルト上面域部位83の上面両側に配置されて繰出ベルト66を湾曲状に押え付ける複数のローラ88は、側面傾斜部64,64に形成された窪み部分に回転自在に配置されている。
【0033】
さらに、繰出ベルト支持手段84は、繰出ベルト66のベルト上面域80を支えるベルト支持板90を有し、このベルト支持板90には、ベルト上面域80の第1のベルト上面域部位81を支持する第1のベルト支持板部位91、ベルト上面域80の第2のベルト上面域部位82を支持する第2のベルト支持板部位92、およびこれら第1のベルト支持板部位91と第2のベルト支持板部位92との間でベルト上面域80の湾曲ベルト上面域部位83を支持する湾曲ベルト支持板部位93が形成されている。
【0034】
側面傾斜部64,64についても、ベルト上面域80の第1のベルト上面域部位81に対応した第1の側面傾斜部位94、ベルト上面域80の第2のベルト上面域部位82に対応した第2の側面傾斜部位95、およびこれら第1の側面傾斜部位94と第2の側面傾斜部位95との間でベルト上面域80の湾曲ベルト上面域部位83に対応した湾曲側面傾斜部位96が形成されている。
【0035】
前端側のローラ85は各硬貨収納繰出装置34毎に独立して駆動される駆動軸97に固着され、駆動軸97は繰出ベルト駆動手段98によって回転駆動され、ベルト上面域80が繰出方向Fまたは繰込方向Rに回転移動される。繰出ベルト駆動手段98は、モータ99を有し、このモータ99の駆動力がギヤ100などを介して駆動軸97に伝達される。
【0036】
ベルト支持板90の下側には、繰出ベルト66のベルト上面域80の第1および第2のベルト上面域部位81,82の下側位置に対応した領域に、第1および第2のベルト上面域部位81,82上の硬貨の有無を検知する硬貨検知基板101,102が配設されている。これら硬貨検知基板101,102は、例えば、一次コイルおよび二次コイルを平面状に配置し、一次コイルに定電流信号を与えて、硬貨がある場合とない場合とで二次コイルに発生する検出信号が変化することに応じて硬貨の有無を検知する金属センサを備えている。
【0037】
受収枠62の両側の側面部63,63には、繰出ベルト66のベルト上面域80の湾曲ベルト上面域部位83の上側位置に対応した領域に、その湾曲ベルト上面域部位83の湾曲に沿って複数のセンサ孔103が形成され、これらセンサ孔103に湾曲ベルト上面域部位83上の硬貨の有無を検知する投光器と受光器とを対とする投受光センサ104が配置されている。例えば、図2に示すように、各受収枠62には前側から第1、第2、第3および第4の4つのセンサ孔103が同軸上に形成され、ある1つの受収枠62については第1および第3の2つのセンサ孔103に投受光センサ104が配置され、この受収枠62に隣接する受収枠62については第2および第4の2つのセンサ孔103に投受光センサ104が配置され、すなわち、隣接する受収枠62で投受光センサ104の位置をずらして配置されている。これにより、受収枠62の側面部63のセンサ孔103に投受光センサ104を配置する場合に、並設される隣の受収枠62が隣接配置されていても、その隣の収納枠62の投受光センサ104が配置されない空のセンサ孔103を利用することができて、投受光センサ104を余裕をもって配置することができる。
【0038】
また、貯留空間61の繰出方向側端部域で、一時保留域72の前側には、繰出ベルト66により繰り出される硬貨を径方向および厚み方向に1枚ずつに規制するゲート部111が設けられている。このゲート部111は、繰出ベルト66のベルト上面域80に対向して配設される逆転ローラ112を有し、繰出ベルト66の繰出方向Fへの回転時に逆転ローラ112が繰出ベルト66のベルト上面域80の移動方向と逆方向に回転して、繰出ベルト66によって繰出方向Fに送られる硬貨が1層に規制される。逆転ローラ112は繰出ベルト駆動手段98のギヤ100などの駆動伝達経路を通じて駆動伝達され、繰出ベルト66が繰出方向Fへ回転されるときに逆転ローラ112が逆転されて図1中反時計回り方向回転される。その駆動伝達経路中にはワンウェイクラッチが配置されており、繰出ベルト66が繰込方向Rへ回転される際には、逆転ローラ112は回転されない。
【0039】
貯留空間61の左右方向の幅つまり側面部63,63の間隔は、処理する最大径硬貨の径より大きく、最小径硬貨の径の2枚分より小さく形成され、繰出ベルト66によって繰出方向Fに送られる硬貨が径方向に1枚に規制される。
【0040】
各硬貨収納繰出装置34の貯留空間61の左右方向の幅は、硬貨種類に関係なく同一に形成され、各種類の硬貨の収納に共用されている。そのため、各硬貨収納繰出装置34に収納する金種などの変更に対して容易に対応できるように構成されている。なお、硬貨収納繰出装置34aも、硬貨収納繰出装置34と同様に構成されている。
【0041】
そして、繰出ベルト66の下側に配置される硬貨検知基板101,102および投受光センサ104により、貯留空間61の全域における硬貨の有無を検知するように構成されている。すなわち、収納域73の領域A1、一時保留域72の後側の領域A2、およびゲート部111の下側の領域A3の3つの領域について硬貨の有無をそれぞれ検知するように構成され、さらに、収納域73の領域A1では、硬貨検知基板101および投受光センサ104によって湾曲ベルト上面域部位83から前側の領域A11を検知し、硬貨検知基板102および投受光センサ104によって湾曲ベルト上面域部位83から後側の領域A12を検知するように構成されている。
【0042】
また、繰出ベルト66の前方には、ゲート部111を通過した硬貨が前方の搬送コンベヤ37へ搬送される硬貨投出路121が形成され、この硬貨投出路121の上方に硬貨を硬貨投出路121の底面に押さえ付けながら投出方向に搬送する複数の押えローラ122がそれぞれ配置されている。これら押えローラ122は、前側に1つ、後側に2つで、前側と後側とで左右に位置がずれて配置されており、繰出方向Fに回転駆動される。硬貨投出路121の両側には繰出ベルト66の上面から垂直に立ち上がって硬貨の縁部を案内するガイド板123,123(左手のガイド板123は側面傾斜部64の内端位置と同位置)が配設され、これらガイド板123に2つのセンサ124,125が繰出方向Fに並んで配列されている。これらセンサ124,125は、投光器と受光器とを対とする投受光式光センサで、押えローラ122の回転速度と関連付けて2つのセンサ124,125を硬貨が通過する際に硬貨径を検知して金種を確認するとともに投出枚数をカウントするように構成されている。なお、硬貨投出路121には、硬貨の投出を停止させる図示しないストッパ手段が配設されている。
【0043】
次に、本実施の形態の作用を説明する。
【0044】
まず、入金処理について説明する。
【0045】
図4において、左側または右側のテラーにより入金処理が指令されるとともに、入金硬貨が機体の硬貨入金口を通じて硬貨貯留繰出部11に投入されることにより、入金処理が開始される。
【0046】
入金処理が開始されることにより、硬貨貯留繰出部11に受け入れられた硬貨が、硬貨貯留繰出部11の繰出ベルト13の繰出回転と逆転ローラ15の逆回転とによって、硬貨貯留繰出部11内から1枚ずつ硬貨通路18の識別通路部19に繰り出され、識別部26で識別される。
【0047】
識別部26で正常と識別された硬貨は、硬貨通路18の種類別分岐通路部21に搬送され、該当金種の種類別硬貨分岐部29で分岐され、硬貨収納繰出装置34の繰出ベルト66上に送り込まれる。このとき、図1に示すように、開閉板71が区分位置に移動されていて一時保留域72と収納域73とが区分されているとともに、繰出ベルト66は繰込方向Rへ回転されており、繰出ベルト66上に落下した硬貨は、種類別硬貨分岐部29の下方位置から一時保留域72内の後側寄り位置へ送られてばら状態で一時保留される。
【0048】
識別部26で正常と識別された入金硬貨でも、一時保留域72に所定枚数の硬貨が収納されて満杯となった金種や、収納域73に所定枚数の硬貨が収納されて満杯となっている金種については、オーバーフロー硬貨として処理され、種類別分岐通路部21の最上流に位置するオーバーフロー用の種類別硬貨分岐部29aで分岐され、オーバーフロー用の硬貨収納繰出装置34aに一時保留される。このとき、オーバーフロー用の硬貨収納繰出装置34aでは開閉板71を備えていないので、繰出ベルト66上に落下したオーバーフロー硬貨は、貯留空間61の後方に送られて一時保留される。
【0049】
識別部26で異常と識別されたリジェクト硬貨は、硬貨通路18のリジェクト分岐通路部20のリジェクト硬貨分岐部27で分岐され、搬送コンベヤ37上に送り込まれて一時保留される。搬送コンベヤ37上に一時保留されるリジェクト硬貨の枚数が設定量、例えば5枚を越えた場合、入金処理が一時停止され、搬送コンベヤ37上のリジェクト硬貨が、例えば左側のテラーによる入金処理の場合には左側へ向けて搬送されるとともにシャッタ42の開放によってシュート40に送り込まれ、このシュート40により左側出金箱41に返却される。この左側出金箱41に返却されたリジェクト硬貨は、左側出金箱41を機体から抜き外すことで取り出される。なお、右側のテラーによる入金処理の場合には、右側出金箱51にリジェクト硬貨が返却される。リジェクト硬貨の返却完了後に、入金処理が再開される。
【0050】
そして、硬貨貯留繰出部11からの入金硬貨の繰り出しが完了するとともに、硬貨通路18上での入金硬貨の搬送が完了し、識別部26にて入金硬貨を所定時間検知しなくなった後、硬貨貯留繰出部11の繰出動作および硬貨通路18の搬送動作が停止される。
【0051】
このとき、搬送コンベヤ37にリジェクト硬貨が一時保留されている場合には、リジェクト硬貨の再識別処理が開始される。搬送コンベヤ37上のリジェクト硬貨は、搬送コンベヤ37にて右側へ向けて搬送されるとともにシャッタ44の開放によってベルトコンベヤ43に送り込まれ、このベルトコンベヤ43で前方へ向けて搬送されるとともにその搬送途中で環流搬送部48により硬貨貯留繰出部11に再投入され、全てのリジェクト硬貨が硬貨貯留繰出部11に送り込まれたら、硬貨貯留繰出部11内から1枚ずつ硬貨通路18に再び繰り出され、識別部26で再識別される。
【0052】
再識別の結果、正常と識別された入金硬貨は、該当金種の種類別硬貨分岐部29で分岐されて該当金種の一時保留域72に一時保留されるか、オーバーフロー用の種類別硬貨分岐部29aで分岐されてオーバーフロー用の硬貨収納繰出装置34aに一時保留される。
【0053】
再識別の結果、異常と識別されたリジェクト硬貨は、リジェクト硬貨分岐部27で分岐されて搬送コンベヤ37に再び送り込まれて一時保留され、全てのリジェクト硬貨の再識別処理が完了した後に、例えば左側のテラーによる入金処理の場合には搬送コンベヤ37にて左側へ向けて搬送されるとともにシャッタ42の開放によってシュート40に送り込まれ、このシュート40により左側出金箱41に返却される。この左側出金箱41に返却されたリジェクト硬貨は、左側出金箱41を機体から抜き外すことで取り出される。なお、右側のテラーによる入金処理の場合には、右側出金箱51にリジェクト硬貨が返却される。
【0054】
そして、再識別を含む入金硬貨の一時保留が完了するとともに、再識別後のリジェクト硬貨の返却が完了した後、入金承認または入金不承認の指令に待機する。
【0055】
テラーにより入金承認が指令されることにより、金種別の硬貨収納繰出装置34の一時保留域72に一時保留されていた硬貨は、開閉板71の開放と繰出ベルト66の繰込方向Rへの回動とによって、後方の収納域73に送られてばら状態で収納される。
【0056】
このとき、繰出ベルト66のベルト上面域80を繰込方向Rへ移動させることにより、収納域73の収納済み硬貨および一時保留域72の一時保留硬貨が第2のベルト上面域部位82に向けて移動し、収納済み硬貨が第2のベルト上面域部位82で上昇した後に第2のベルト上面域部位82から第1のベルト上面域部位81または湾曲ベルト上面域部位83上に自然に落下するか、規制部65に当接して落下する。この収納済み硬貨の上昇、落下により、収納済み硬貨側へ移動する一時保留硬貨を収納済み硬貨の下へもぐり込ませることができ、一時保留硬貨の収納域73への移動が収納済み硬貨で停滞するのが防止され、貯留空間61の収納域73での硬貨の収納量を増加させることができる。
【0057】
一時保留硬貨の収納後、開閉板71が区分位置に戻され、オーバーフロー硬貨が一時保留されている場合には、そのオーバーフロー硬貨の収納動作が開始される。つまり、オーバーフロー用の硬貨収納繰出装置34aに一時保留されていたオーバーフロー硬貨は、繰出ベルト66の繰出方向Fへの回動と逆転ローラ112の逆転とにより搬送コンベヤ37に1枚ずつ繰り出され、この搬送コンベヤ37にて右側へ向けて搬送されるとともにシャッタ44の開放によってベルトコンベヤ43に送り込まれ、このベルトコンベヤ43で前方へ向けて搬送されるとともに回収シュート部50を通じて回収カセット52に送り込まれて収納される。これら一時保留硬貨の収納により、入金処理が完了となる。なお、オーバーフロー用の硬貨収納繰出装置34aからのオーバーフロー硬貨を投出する際、他の金種別の硬貨収納繰出装置34の繰出ベルト66は停止されており、開閉板71が区分位置に位置して収納域73内の硬貨の前方への移動を規制するので、それら金種別の収納硬貨が投出されることはない。
【0058】
また、テラーにより入金不承認つまり返却が指令されることにより、金種別の硬貨収納繰出装置34の一時保留域72に一時保留されていた硬貨、およびオーバーフロー用の硬貨収納繰出装置34aに一時保留されていた硬貨は、繰出ベルト66の繰出方向Fへの回動と逆転ローラ112の逆転とにより硬貨収納繰出装置34内および硬貨収納繰出装置34a内から硬貨投出路121を通じて搬送コンベヤ37上に1枚ずつ投出され、例えば、左側のテラーによる入金処理の場合には、搬送コンベヤ37にて左側へ向けて搬送されるともにシャッタ42の開放によってシュート40に送り込まれ、このシュート40により左側出金箱41に返却される。この左側出金箱41に返却された返却硬貨は、左側出金箱41を機体から抜き外して取り出される。なお、右側のテラーによる入金処理の場合には、右側出金箱51に返却硬貨が返却される。返却硬貨が返却されることで、入金処理が完了となる。
【0059】
次に、出金処理について説明する。
【0060】
左側または右側のテラーにより出金処理が指令されるとともに出金金額や出金希望金種および枚数が入力されることにより、出金処理が開始される。
【0061】
出金処理が開始されることにより、開閉板71が開放され、繰出ベルト66の繰出方向Fへの回動によって収納域73内の硬貨が前方へ移動される。出金金種に該当する金種の出金硬貨は、繰出ベルト66の繰出方向Fへの回動と逆転ローラ112の逆転とにより硬貨投出路121を通じて搬送コンベヤ37に1枚ずつ投出される。このとき、硬貨投出路121の2つのセンサ124,125により、硬貨が通過する際に硬貨径を検知して金種を確認するとともに投出枚数をカウントする。また、出金金種に該当しない金種の硬貨、出金金種に該当する金種でも所定の出金枚数を繰り出し終わった金種の硬貨は、硬貨投出路121のストッパ手段によって投出が規制される。
【0062】
全ての硬貨が投出され終わった後、繰出ベルト66の繰込方向Rへの回転により、一時保留域72およびゲート部111の付近に送られた硬貨が収納域73へ戻される。このときにも、第2のベルト上面域部位82での収納済み硬貨の上昇、落下により、収納済み硬貨側へ移動する硬貨を収納済み硬貨の下へもぐり込ませることができ、硬貨の収納域73への移動が収納済み硬貨で停滞するのが防止され、硬貨が収納域73へ確実に戻される。
【0063】
そして、搬送コンベヤ37に投出された出金硬貨は、例えば左側のテラーによる出金処理の場合には、搬送コンベヤ37にて左側へ向けて搬送されるとともにシャッタ42の開放によってシュート40に送り込まれ、このシュート40により左側出金箱41に払い出される。この左側出金箱41に出金された出金硬貨は、左側出金箱41を機体から抜き外すことで取り出される。なお、右側のテラーによる入金処理の場合には、右側出金箱51に出金硬貨が出金される。
【0064】
また、出金処理時に硬貨収納繰出装置34から出金硬貨を繰り出す際、または入金処理時に一時保留硬貨を返却硬貨として返却するために繰り出す際、ゲート部111で詰まりが生じた場合には、繰出ベルト66が繰込方向Rに回転されて硬貨詰まりが解消された後に、繰出が再開される。このときにも、第2のベルト上面域部位82での収納済み硬貨の上昇、落下により、収納済み硬貨側へ移動する硬貨を収納済み硬貨の下へもぐり込ませることができ、硬貨の収納域73への移動が収納済み硬貨で停滞するのが防止されるため、ゲート部111の付近の硬貨が収納域73側に確実に戻され、繰出再開時に硬貨を確実に繰り出すことができる。
【0065】
以上のように、繰出ベルト66のベルト上面域80を繰込方向Rへ移動させることにより、収納域73の収納済み硬貨および一時保留域72の一時保留硬貨を第2のベルト上面域部位82に向けて移動させ、収納済み硬貨を第2のベルト上面域部位82で上昇させて、収納済み硬貨側へ移動する一時保留硬貨を収納済み硬貨の下へもぐり込ませることができ、一時保留硬貨の収納域73への移動が収納済み硬貨で停滞するのを防止でき、貯留空間61の収納域73での硬貨の収納量を増加させることができる。
【0066】
さらに、繰出ベルト66上に貯留空間61の一時保留域72と収納域73とを形成してこれらを開閉板71で開閉するので、繰出ベルト66上に一時保留域72を形成できて硬貨収納繰出装置34の高さを低くできるとともに、硬貨の一時保留機能、さらには一時保留硬貨の繰出側または繰込側への確実な送り機能を得ることができる。
【0067】
なお、前記実施の形態では、硬貨収納繰出装置34を循環式硬貨入出金機に適用した例を示したが、循環式硬貨入出金機に限られるものではなく、例えば、自動販売機の硬貨処理ユニット、すなわち投入硬貨を受け入れて収納するとともにその収納硬貨を釣銭硬貨として使用するユニットにも適用でき、同様の作用効果が得られる。
【0068】
【発明の効果】
請求項1記載の硬貨収納繰出装置によれば、繰出ベルトのベルト上面域を繰込方向へ移動させることにより、収納済み硬貨を第2のベルト上面域部位で上昇させて、収納済み硬貨側へ移動する繰り込み硬貨を収納済み硬貨の下へもぐり込ませることができ、繰り込み硬貨の移動が収納済み硬貨で停滞するのを防止でき、貯留空間での硬貨の収納量を増加させることができる。
【0069】
請求項2記載の硬貨収納繰出装置によれば、繰出ベルトのベルト上面域を繰込方向へ移動させることにより、収納域の収納済み硬貨および一時保留域の一時保留硬貨を第2のベルト上面域部位に向けて移動させ、収納済み硬貨を第2のベルト上面域部位で上昇させて、収納済み硬貨側へ移動する一時保留硬貨を収納済み硬貨の下へもぐり込ませることができ、一時保留硬貨の収納域への移動が収納済み硬貨で停滞するのを防止でき、貯留空間の収納域での硬貨の収納量を増加させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す硬貨収納繰出装置の断面図である。
【図2】同上硬貨収納繰出装置の一部の平面図である。
【図3】同上図1のA−A矢視図である。
【図4】同上硬貨収納繰出装置を適用した循環式硬貨入出金機の内部構造の平面図である。
【符号の説明】
34 硬貨収納繰出装置
61 貯留空間
62 受収枠
66 繰出ベルト
71 開閉板
72 一時保留域
73 収納域
75 開閉板駆動手段
80 ベルト上面域
81 第1のベルト上面域部位
82 第2のベルト上面域部位
84 繰出ベルト支持手段
111 ゲート部
【発明の属する技術分野】
本発明は、貯留空間に硬貨を収納するとともに収納した硬貨を1枚ずつ繰り出す硬貨収納繰出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の硬貨収納繰出装置は、例えば、硬貨を金種別に分類収納する入金処理と分類収納された硬貨を出金する出金処理とをする営業店カウンターに設置される硬貨入出金機などに内蔵使用される。
【0003】
従来の硬貨収納繰出装置は、例えば、実用新案登録第2539581号公報に示すように、上部から送り込まれる硬貨を貯留する貯留空間が形成された受収枠と、この受収枠の貯留空間の底部を形成して貯留空間に貯留される硬貨を載せるベルト上面域を有し、このベルト上面域の一方への回転時に貯留空間からの繰出方向に硬貨を移動させ、他方への回転時に貯留空間内への繰込方向に硬貨を移動させて収納し、このベルト上面域が貯留空間からの繰出方向に向けて上り傾斜している繰出ベルトと、貯留空間の繰出方向側端部域にあって繰出ベルトにより繰り出される硬貨を径方向および厚み方向に1枚ずつに規制するゲート部とを備えている。
【0004】
こうした構造を採るのは、硬貨収納繰出装置が組み込まれる硬貨入出金機が単体であるいは紙幣入出金機とともに一体で、営業店カウンター内に組み込み可能なように高さをできるだけ低くしたコンパクト構造とするためである。
【0005】
そして、このような構造の硬貨収納繰出装置では、繰出ベルトの上面域が貯留空間とされ、この繰出ベルトの所定域に硬貨を収納している。また、貯留空間の繰出方向側端部域には、繰出ベルトにより繰り出される硬貨を径方向および厚み方向に1枚ずつに規制するゲート部を備えるが、このゲート部に向かうに従い、繰出ベルト上の硬貨の量を減少させ、硬貨をゲート部で確実に1層1列にさせることと、硬貨の繰込収納時に繰出ベルト上の硬貨をスムーズに繰出ベルト上の所定域に収納させることの意図から、繰出ベルトの上面域はゲート部に向けて上り傾斜する平面としている。
【0006】
ところが、繰出ベルト上へ送り込まれた硬貨を繰出ベルトの所定域へ収納する場合、収納済み硬貨が送り込もうとする硬貨の邪魔をし、送り込み硬貨が繰出ベルトの収納域となる所定域へ収納され難い。
【0007】
そのため、送り込み硬貨を繰出ベルトの収納域へ送り込む際、繰出ベルトの上面域に上下振動を与え、送り込み硬貨をこの上下振動中に収納済み硬貨の下へもぐり込ませて繰出ベルトの収納域へ送り込むようにしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来では、送り込み硬貨を繰出ベルトの収納域に送り込むため、繰出ベルトの上面域に上下振動を与えても、収納済み硬貨は収納量が増えれば増えるほど、十分に上下動せず、送り込み硬貨が収納済み硬貨の下へもぐり込ませることができなくなる。そのため、硬貨の収納量の増加が望めないという問題がある。
【0009】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、硬貨の収納量を増加できる硬貨収納繰出装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の硬貨収納繰出装置は、硬貨を貯留する貯留空間が形成された受収枠と、この受収枠の貯留空間に貯留される硬貨を載せるベルト上面域を有し、このベルト上面域の一方への回転時に貯留空間からの繰出方向に硬貨を移動させ、他方への回転時に貯留空間内への繰込方向に硬貨を移動させる繰出ベルトと、前記貯留空間の繰出方向側端部域で前記繰出ベルトにより繰り出される硬貨を径方向および厚み方向に1枚ずつに規制するゲート部と、前記繰出ベルトのベルト上面域に、貯留空間から繰出方向側端部域に向けて上り傾斜する第1のベルト上面域部位を形成するとともに、この第1のベルト上面域部位に対して貯留空間の繰込方向側端部域に向けて上り傾斜する第2のベルト上面域部位を形成し、これら第1および第2のベルト上面域部位を支持する繰出ベルト支持手段とを具備しているものである。
【0011】
そして、この構成では、繰出ベルトのベルト上面域を繰込方向へ移動させることにより、収納済み硬貨を第2のベルト上面域部位で上昇させて、収納済み硬貨側へ移動する繰り込み硬貨を収納済み硬貨の下へもぐり込ませ、繰り込み硬貨の移動が収納済み硬貨で停滞するのを防止し、貯留空間での硬貨の収納量を増加可能とする。
【0012】
請求項2記載の硬貨収納繰出装置は、上部から送り込まれる硬貨を受け入れて一時保留する一時保留域およびこの一時保留域に隣接して一時保留硬貨を収納する収納域を有する貯留空間が形成された受収枠と、この受収枠の貯留空間の一時保留域と収納域との間に開閉可能に設けられた開閉板と、この開閉板を開閉する開閉板駆動手段と、前記貯留空間に貯留される硬貨を載せるベルト上面域を有し、このベルト上面域の一方への回転時に貯留空間の収納域から一時保留域への繰出方向に硬貨を移動させ、他方への回転時に一時保留域から収納域への繰込方向に硬貨を移動させる繰出ベルトと、前記貯留空間の繰出方向側端部域で前記繰出ベルトにより繰り出される硬貨を径方向および厚み方向に1枚ずつに規制するゲート部と、前記繰出ベルトのベルト上面域に、前記一時保留域および収納域の一部に臨んで貯留空間から繰出方向側端部域に向けて上り傾斜する第1のベルト上面域部位を形成するとともに、この第1のベルト上面域部位に対して収納域の残部に臨んで貯留空間の繰込方向側端部域に向けて上り傾斜する第2のベルト上面域部位を形成し、これら第1および第2のベルト上面域部位を支持する繰出ベルト支持手段とを具備しているものである。
【0013】
そして、この構成では、繰出ベルトのベルト上面域を繰込方向へ移動させることにより、収納域の収納済み硬貨および一時保留域の一時保留硬貨を第2のベルト上面域部位に向けて移動させ、収納済み硬貨を第2のベルト上面域部位で上昇させて、収納済み硬貨側へ移動する一時保留硬貨を収納済み硬貨の下へもぐり込ませ、一時保留硬貨の収納域への移動が収納済み硬貨で停滞するのを防止し、貯留空間の収納域での硬貨の収納量を増加可能とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0015】
図4に、硬貨収納繰出装置を適用した循環式硬貨入出金機の内部構造の平面図を示し、この循環式硬貨入出金機は、図示しない機体内に配設され、例えば、金融機関の窓口などにおいて、2人のテラー間に設置されるとともに、各テラーによって操作される2台の端末機に接続されて、両テラーによって共用される。なお、図4において、左側を機体の前側、右側を機体の後側、上側を機体の左側、下側を機体の右側として説明する。
【0016】
機体に設けられる図示しない硬貨入金口の下方に位置して硬貨貯留繰出部11が配設され、この硬貨貯留繰出部11は、硬貨入金口を通じて投入される入金硬貨を受け入れる硬貨貯留繰出部枠12を有し、この硬貨貯留繰出部枠12の底部には硬貨を左側方向へ繰り出す繰出ベルト13が張設され、この繰出ベルト13の繰出方向の端部に硬貨を径方向および厚み方向に1枚ずつにするゲート部14が配設されている。ゲート部14は、繰出ベルト13の上方で、繰出ベルト13の周面の回転方向と逆方向つまり硬貨の送出を規制する方向に回転して繰出ベルト13で繰出方向に送られる硬貨を1層に規制する逆転ローラ15を有している。
【0017】
また、硬貨貯留繰出部11の繰出ベルト13の繰出方向には、硬貨貯留繰出部11から1枚ずつ繰り出される硬貨を受け入れて搬送する硬貨通路18が形成されている。この硬貨通路18は、繰出ベルト13から連続して左側方向に向けて形成される識別通路部19、この識別通路部19の左端から後方へ向けて形成されるリジェクト分岐通路部20、およびこのリジェクト分岐通路部20の後端から右側方向に向けて形成される種類別分岐通路部21を有している。これら各通路部19〜21は、硬貨を載せる通路板22上に形成され、通路板22の上方には硬貨を各通路部19〜21に沿って搬送する搬送ベルト23〜25が張設されている。
【0018】
識別通路部19には、搬送される硬貨の真偽や金種を識別する識別部26が配置されている。
【0019】
リジェクト分岐通路部20には、リジェクト硬貨を分岐するリジェクト硬貨分岐部27が配設されている。このリジェクト硬貨分岐部27は、通路板22に形成された分岐孔28を有し、この分岐孔28には図示しない分岐板が配置され、この分岐板が図示しないソレノイドによって硬貨の通過を許容する閉鎖位置とリジェクト硬貨を分岐孔28内へ強制的に案内する開放位置とに移動される。
【0020】
種類別分岐通路部21には、硬貨を種類別に分岐する複数の種類別硬貨分岐部29が配設されており、これら種類別硬貨分岐部29は、上流側(左側)から順に、オーバーフロー硬貨用、5円硬貨用、1円硬貨用、50円硬貨用、100円硬貨用、10円硬貨用、500円硬貨用として構成され、通路板22に形成された分岐孔30を有している。オーバーフロー硬貨用および5円硬貨用の種類別硬貨分岐部29は、強制的に硬貨を分岐するもので、分岐孔30に配置される分岐板31を有し(図2参照)、この分岐板31が図示しないソレノイドによって硬貨の通過を許容する閉鎖位置と硬貨を分岐孔30内へ強制的に案内する開放位置とに移動される。1円硬貨用、50円硬貨用、100円硬貨用、10円硬貨用、500円硬貨用の種類別硬貨分岐部29は、硬貨の径寸法に応じて小径硬貨から大形硬貨の順に形状分岐するように構成されている。なお、この実施の形態の複数の種類別硬貨分岐部29は、1つのオーバーフロー硬貨分岐部と複数の金種別硬貨分岐部とで構成され、オーバーフロー硬貨分岐部として構成される種類別硬貨分岐部29については符号29aを付して説明する。
【0021】
また、種類別分岐通路部21の下方には、種類別硬貨分岐部29で種類別に分岐される硬貨を収納するとともに前方へ1枚ずつ繰出可能とする複数の硬貨収納繰出装置34が機体の左右方向に並設されており、これら硬貨収納繰出装置34は、種類別硬貨分岐部29に対応して、左側から順に、オーバーフロー硬貨用、5円硬貨用、1円硬貨用、50円硬貨用、100円硬貨用、10円硬貨用、500円硬貨用として構成されている。なお、この実施の形態の複数の硬貨収納繰出装置34は、1つのオーバーフロー硬貨収納投出部と複数の金種別硬貨収納投出部とで構成され、オーバーフロー硬貨収納投出部として構成される硬貨収納繰出装置34については符号34aを付して説明する。
【0022】
また、各硬貨収納繰出装置34の前方域に沿って、機体の左右方向に搬送コンベヤ37が張設されている。この搬送コンベヤ37は、左右のローラ38間に搬送ベルト39を張設したベルトコンベヤにて構成され、機体の左右方向の一端および他端のいずれの方向にも搬送可能としている。搬送コンベヤ37の左端近傍には、硬貨通路18のリジェクト硬貨分岐部27で分岐されるリジェクト硬貨が受け入れられる。なお、搬送ベルト39の上方に臨むベルト上面域の下側には、図示していないが、搬送ベルト39を支えるベルト支持板が配設されているとともに、このベルト支持板の下側に搬送ベルト39上の硬貨の有無を検知する硬貨検知基板が配設されている。
【0023】
また、搬送コンベヤ37の左端で機体の左側に沿って、搬送コンベヤ37で左端に搬送される硬貨を受け入れて前方へ搬送するシュート40が配設され、このシュート40によって硬貨が機体に対して着脱可能とする左側出金箱41へ放出される。シュート40の入口には開放によって搬送コンベヤ37からの硬貨の受け入れを許容するとともに閉鎖によって搬送コンベヤ37からの硬貨の受け入れを規制するシャッタ42が開閉可能に配設されている。
【0024】
また、搬送コンベヤ37の右端で機体の右側に沿って、搬送コンベヤ37で右端に搬送される硬貨を受け入れて前方へ搬送するベルトコンベヤ43が配設されている。このベルトコンベヤ43の入口には開放によって搬送コンベヤ37からの硬貨の受け入れを許容するとともに閉鎖によって搬送コンベヤ37からの硬貨の受け入れを規制するシャッタ44が上下に開閉可能に配設されているとともに、搬送コンベヤ37上からベルトコンベヤ43上に硬貨が乗り移るための乗移り板45が配設されている。ベルトコンベヤ43は、前後のローラ46間に搬送ベルト47を張設したベルトコンベヤにて構成され、機体の前方向へ硬貨を搬送可能としている。なお、搬送ベルト47の上方に臨むベルト上面域の下側には、図示していないが、搬送ベルト47を支えるベルト支持板が配設されているとともに、このベルト支持板の下側に搬送ベルト47上の硬貨の有無を検知する硬貨検知基板が配設されている。
【0025】
ベルトコンベヤ43の途中には、搬送コンベヤ37から搬送されてくる硬貨を硬貨貯留繰出部11に送って環流させる環流搬送部48が配設されている。この環流搬送部48は、ベルトコンベヤ43上に進退可能とする環流板49を有し、この環流板49が、ベルトコンベヤ43上に進出させてベルトコンベヤ43を搬送されてくる硬貨を硬貨貯留繰出部11に環流させる環流位置と、ベルトコンベヤ43上から退避させてベルトコンベヤ43を搬送されてくる硬貨の下流方向への搬送を許容する退避位置とに移動される。
【0026】
また、ベルトコンベヤ43の前端には、ベルトコンベヤ43の前端から放出される硬貨を受け入れる図示しないシュートが配設され、このシュートの下部には出金シュート部と回収シュート部50とに分岐され、この分岐位置に硬貨を出金シュート部または回収シュート部50に振り分ける振分部材が配設されている。出金シュート部により硬貨が機体に対して着脱可能とする右側出金箱51に導かれ、回収シュート部50により硬貨が機体内に装着される回収カセット52に導かれる。
【0027】
次に、図1ないし図3に、硬貨収納繰出装置34の構成を示し、各硬貨収納繰出装置34は、硬貨(図1には符号Cで示し、以下省略する)を貯留する貯留空間61が形成された受収枠62を有し、この受収枠62には、貯留空間61の左右両側を構成する垂直方向の側面部63,63、この側面部63,63の下端から互いに接近する方向へ傾斜して繰出ベルト66の上面接触位置に至る側面傾斜部64,64、および後端側を構成する規制部65が形成されており、貯留空間61の底面には繰出ベルト66が配設されている。
【0028】
オーバーフロー硬貨用の硬貨収納繰出装置34aを除く各硬貨収納繰出装置34の繰出ベルト66の上方であって前後方向の前寄り約3分の1程度の位置に、開閉板71が開閉可能に配置されている。貯留空間61の開閉板71の前側に種類別分岐通路部21の種類別硬貨分岐部29から送り込まれる硬貨を一時保留する一時保留域72が、後側に一時保留硬貨を収納可能とする収納域73が形成されている。各開閉板71は、一端が1本の駆動軸74に固着され、この駆動軸74を中心として、下方に垂下されて貯留空間61の一時保留域72と収納域73とを区分する区分位置と、他端が後方へ持ち上げられて貯留空間61の一時保留域72と収納域73とが連通される連通位置つまり開放位置との間を揺動可能に支持され、駆動軸74の一端に連結される例えばモータやソレノイドなどにより構成される開閉板駆動手段75によって一括して揺動される。
【0029】
一時保留域72の上方には、種類別分岐通路部21の種類別硬貨分岐部29が位置されていて、その種類別硬貨分岐部29から分岐されて落下してくる硬貨が受け入れられる受収口76が形成されている。
【0030】
また、繰出ベルト66は、受収枠62の側面部63,63の間隔より幅広の平ベルトにて構成され、貯留空間61に貯留される硬貨を載せるベルト上面域80を有し、このベルト上面域80の一方への回転時つまり前方への回転時に貯留空間61の収納域73から一時保留域72への繰出方向Fに硬貨を移動させ、他方への回転時つまり後方への回転時に貯留空間61の一時保留域72から収納域73への繰込方向Rに硬貨を移動させる。
【0031】
繰出ベルト66のベルト上面域80は、一時保留域72および収納域73の前側の一部に臨んで貯留空間61から繰出方向側端部域に向けて上り傾斜する第1のベルト上面域部位81、この第1のベルト上面域部位81に対して収納域73の後側の残部に臨んで貯留空間61の繰込方向側端部域に向けて上り傾斜する第2のベルト上面域部位82、およびこれら第1のベルト上面域部位81と第2のベルト上面域部位82との間で湾曲して設けられた湾曲ベルト上面域部位83を有している。
【0032】
繰出ベルト66は、ベルト上面域80に第1のベルト上面域部位81、第2のベルト上面域部位82および湾曲ベルト上面域部位83を形成するように、繰出ベルト支持手段84によって支持されている。この繰出ベルト支持手段84は、前端側に配置されて繰出ベルト66が掛け回されるローラ85、後端側上下位置に配置されて繰出ベルト66が掛け回されるローラ86,87、湾曲ベルト上面域部位83の上面両側に配置されて繰出ベルト66を湾曲状に押え付ける複数のローラ88、およびベルト上面域80の下方のベルト下面域80aを支持する複数のローラ89を有している。図3に示すように、湾曲ベルト上面域部位83の上面両側に配置されて繰出ベルト66を湾曲状に押え付ける複数のローラ88は、側面傾斜部64,64に形成された窪み部分に回転自在に配置されている。
【0033】
さらに、繰出ベルト支持手段84は、繰出ベルト66のベルト上面域80を支えるベルト支持板90を有し、このベルト支持板90には、ベルト上面域80の第1のベルト上面域部位81を支持する第1のベルト支持板部位91、ベルト上面域80の第2のベルト上面域部位82を支持する第2のベルト支持板部位92、およびこれら第1のベルト支持板部位91と第2のベルト支持板部位92との間でベルト上面域80の湾曲ベルト上面域部位83を支持する湾曲ベルト支持板部位93が形成されている。
【0034】
側面傾斜部64,64についても、ベルト上面域80の第1のベルト上面域部位81に対応した第1の側面傾斜部位94、ベルト上面域80の第2のベルト上面域部位82に対応した第2の側面傾斜部位95、およびこれら第1の側面傾斜部位94と第2の側面傾斜部位95との間でベルト上面域80の湾曲ベルト上面域部位83に対応した湾曲側面傾斜部位96が形成されている。
【0035】
前端側のローラ85は各硬貨収納繰出装置34毎に独立して駆動される駆動軸97に固着され、駆動軸97は繰出ベルト駆動手段98によって回転駆動され、ベルト上面域80が繰出方向Fまたは繰込方向Rに回転移動される。繰出ベルト駆動手段98は、モータ99を有し、このモータ99の駆動力がギヤ100などを介して駆動軸97に伝達される。
【0036】
ベルト支持板90の下側には、繰出ベルト66のベルト上面域80の第1および第2のベルト上面域部位81,82の下側位置に対応した領域に、第1および第2のベルト上面域部位81,82上の硬貨の有無を検知する硬貨検知基板101,102が配設されている。これら硬貨検知基板101,102は、例えば、一次コイルおよび二次コイルを平面状に配置し、一次コイルに定電流信号を与えて、硬貨がある場合とない場合とで二次コイルに発生する検出信号が変化することに応じて硬貨の有無を検知する金属センサを備えている。
【0037】
受収枠62の両側の側面部63,63には、繰出ベルト66のベルト上面域80の湾曲ベルト上面域部位83の上側位置に対応した領域に、その湾曲ベルト上面域部位83の湾曲に沿って複数のセンサ孔103が形成され、これらセンサ孔103に湾曲ベルト上面域部位83上の硬貨の有無を検知する投光器と受光器とを対とする投受光センサ104が配置されている。例えば、図2に示すように、各受収枠62には前側から第1、第2、第3および第4の4つのセンサ孔103が同軸上に形成され、ある1つの受収枠62については第1および第3の2つのセンサ孔103に投受光センサ104が配置され、この受収枠62に隣接する受収枠62については第2および第4の2つのセンサ孔103に投受光センサ104が配置され、すなわち、隣接する受収枠62で投受光センサ104の位置をずらして配置されている。これにより、受収枠62の側面部63のセンサ孔103に投受光センサ104を配置する場合に、並設される隣の受収枠62が隣接配置されていても、その隣の収納枠62の投受光センサ104が配置されない空のセンサ孔103を利用することができて、投受光センサ104を余裕をもって配置することができる。
【0038】
また、貯留空間61の繰出方向側端部域で、一時保留域72の前側には、繰出ベルト66により繰り出される硬貨を径方向および厚み方向に1枚ずつに規制するゲート部111が設けられている。このゲート部111は、繰出ベルト66のベルト上面域80に対向して配設される逆転ローラ112を有し、繰出ベルト66の繰出方向Fへの回転時に逆転ローラ112が繰出ベルト66のベルト上面域80の移動方向と逆方向に回転して、繰出ベルト66によって繰出方向Fに送られる硬貨が1層に規制される。逆転ローラ112は繰出ベルト駆動手段98のギヤ100などの駆動伝達経路を通じて駆動伝達され、繰出ベルト66が繰出方向Fへ回転されるときに逆転ローラ112が逆転されて図1中反時計回り方向回転される。その駆動伝達経路中にはワンウェイクラッチが配置されており、繰出ベルト66が繰込方向Rへ回転される際には、逆転ローラ112は回転されない。
【0039】
貯留空間61の左右方向の幅つまり側面部63,63の間隔は、処理する最大径硬貨の径より大きく、最小径硬貨の径の2枚分より小さく形成され、繰出ベルト66によって繰出方向Fに送られる硬貨が径方向に1枚に規制される。
【0040】
各硬貨収納繰出装置34の貯留空間61の左右方向の幅は、硬貨種類に関係なく同一に形成され、各種類の硬貨の収納に共用されている。そのため、各硬貨収納繰出装置34に収納する金種などの変更に対して容易に対応できるように構成されている。なお、硬貨収納繰出装置34aも、硬貨収納繰出装置34と同様に構成されている。
【0041】
そして、繰出ベルト66の下側に配置される硬貨検知基板101,102および投受光センサ104により、貯留空間61の全域における硬貨の有無を検知するように構成されている。すなわち、収納域73の領域A1、一時保留域72の後側の領域A2、およびゲート部111の下側の領域A3の3つの領域について硬貨の有無をそれぞれ検知するように構成され、さらに、収納域73の領域A1では、硬貨検知基板101および投受光センサ104によって湾曲ベルト上面域部位83から前側の領域A11を検知し、硬貨検知基板102および投受光センサ104によって湾曲ベルト上面域部位83から後側の領域A12を検知するように構成されている。
【0042】
また、繰出ベルト66の前方には、ゲート部111を通過した硬貨が前方の搬送コンベヤ37へ搬送される硬貨投出路121が形成され、この硬貨投出路121の上方に硬貨を硬貨投出路121の底面に押さえ付けながら投出方向に搬送する複数の押えローラ122がそれぞれ配置されている。これら押えローラ122は、前側に1つ、後側に2つで、前側と後側とで左右に位置がずれて配置されており、繰出方向Fに回転駆動される。硬貨投出路121の両側には繰出ベルト66の上面から垂直に立ち上がって硬貨の縁部を案内するガイド板123,123(左手のガイド板123は側面傾斜部64の内端位置と同位置)が配設され、これらガイド板123に2つのセンサ124,125が繰出方向Fに並んで配列されている。これらセンサ124,125は、投光器と受光器とを対とする投受光式光センサで、押えローラ122の回転速度と関連付けて2つのセンサ124,125を硬貨が通過する際に硬貨径を検知して金種を確認するとともに投出枚数をカウントするように構成されている。なお、硬貨投出路121には、硬貨の投出を停止させる図示しないストッパ手段が配設されている。
【0043】
次に、本実施の形態の作用を説明する。
【0044】
まず、入金処理について説明する。
【0045】
図4において、左側または右側のテラーにより入金処理が指令されるとともに、入金硬貨が機体の硬貨入金口を通じて硬貨貯留繰出部11に投入されることにより、入金処理が開始される。
【0046】
入金処理が開始されることにより、硬貨貯留繰出部11に受け入れられた硬貨が、硬貨貯留繰出部11の繰出ベルト13の繰出回転と逆転ローラ15の逆回転とによって、硬貨貯留繰出部11内から1枚ずつ硬貨通路18の識別通路部19に繰り出され、識別部26で識別される。
【0047】
識別部26で正常と識別された硬貨は、硬貨通路18の種類別分岐通路部21に搬送され、該当金種の種類別硬貨分岐部29で分岐され、硬貨収納繰出装置34の繰出ベルト66上に送り込まれる。このとき、図1に示すように、開閉板71が区分位置に移動されていて一時保留域72と収納域73とが区分されているとともに、繰出ベルト66は繰込方向Rへ回転されており、繰出ベルト66上に落下した硬貨は、種類別硬貨分岐部29の下方位置から一時保留域72内の後側寄り位置へ送られてばら状態で一時保留される。
【0048】
識別部26で正常と識別された入金硬貨でも、一時保留域72に所定枚数の硬貨が収納されて満杯となった金種や、収納域73に所定枚数の硬貨が収納されて満杯となっている金種については、オーバーフロー硬貨として処理され、種類別分岐通路部21の最上流に位置するオーバーフロー用の種類別硬貨分岐部29aで分岐され、オーバーフロー用の硬貨収納繰出装置34aに一時保留される。このとき、オーバーフロー用の硬貨収納繰出装置34aでは開閉板71を備えていないので、繰出ベルト66上に落下したオーバーフロー硬貨は、貯留空間61の後方に送られて一時保留される。
【0049】
識別部26で異常と識別されたリジェクト硬貨は、硬貨通路18のリジェクト分岐通路部20のリジェクト硬貨分岐部27で分岐され、搬送コンベヤ37上に送り込まれて一時保留される。搬送コンベヤ37上に一時保留されるリジェクト硬貨の枚数が設定量、例えば5枚を越えた場合、入金処理が一時停止され、搬送コンベヤ37上のリジェクト硬貨が、例えば左側のテラーによる入金処理の場合には左側へ向けて搬送されるとともにシャッタ42の開放によってシュート40に送り込まれ、このシュート40により左側出金箱41に返却される。この左側出金箱41に返却されたリジェクト硬貨は、左側出金箱41を機体から抜き外すことで取り出される。なお、右側のテラーによる入金処理の場合には、右側出金箱51にリジェクト硬貨が返却される。リジェクト硬貨の返却完了後に、入金処理が再開される。
【0050】
そして、硬貨貯留繰出部11からの入金硬貨の繰り出しが完了するとともに、硬貨通路18上での入金硬貨の搬送が完了し、識別部26にて入金硬貨を所定時間検知しなくなった後、硬貨貯留繰出部11の繰出動作および硬貨通路18の搬送動作が停止される。
【0051】
このとき、搬送コンベヤ37にリジェクト硬貨が一時保留されている場合には、リジェクト硬貨の再識別処理が開始される。搬送コンベヤ37上のリジェクト硬貨は、搬送コンベヤ37にて右側へ向けて搬送されるとともにシャッタ44の開放によってベルトコンベヤ43に送り込まれ、このベルトコンベヤ43で前方へ向けて搬送されるとともにその搬送途中で環流搬送部48により硬貨貯留繰出部11に再投入され、全てのリジェクト硬貨が硬貨貯留繰出部11に送り込まれたら、硬貨貯留繰出部11内から1枚ずつ硬貨通路18に再び繰り出され、識別部26で再識別される。
【0052】
再識別の結果、正常と識別された入金硬貨は、該当金種の種類別硬貨分岐部29で分岐されて該当金種の一時保留域72に一時保留されるか、オーバーフロー用の種類別硬貨分岐部29aで分岐されてオーバーフロー用の硬貨収納繰出装置34aに一時保留される。
【0053】
再識別の結果、異常と識別されたリジェクト硬貨は、リジェクト硬貨分岐部27で分岐されて搬送コンベヤ37に再び送り込まれて一時保留され、全てのリジェクト硬貨の再識別処理が完了した後に、例えば左側のテラーによる入金処理の場合には搬送コンベヤ37にて左側へ向けて搬送されるとともにシャッタ42の開放によってシュート40に送り込まれ、このシュート40により左側出金箱41に返却される。この左側出金箱41に返却されたリジェクト硬貨は、左側出金箱41を機体から抜き外すことで取り出される。なお、右側のテラーによる入金処理の場合には、右側出金箱51にリジェクト硬貨が返却される。
【0054】
そして、再識別を含む入金硬貨の一時保留が完了するとともに、再識別後のリジェクト硬貨の返却が完了した後、入金承認または入金不承認の指令に待機する。
【0055】
テラーにより入金承認が指令されることにより、金種別の硬貨収納繰出装置34の一時保留域72に一時保留されていた硬貨は、開閉板71の開放と繰出ベルト66の繰込方向Rへの回動とによって、後方の収納域73に送られてばら状態で収納される。
【0056】
このとき、繰出ベルト66のベルト上面域80を繰込方向Rへ移動させることにより、収納域73の収納済み硬貨および一時保留域72の一時保留硬貨が第2のベルト上面域部位82に向けて移動し、収納済み硬貨が第2のベルト上面域部位82で上昇した後に第2のベルト上面域部位82から第1のベルト上面域部位81または湾曲ベルト上面域部位83上に自然に落下するか、規制部65に当接して落下する。この収納済み硬貨の上昇、落下により、収納済み硬貨側へ移動する一時保留硬貨を収納済み硬貨の下へもぐり込ませることができ、一時保留硬貨の収納域73への移動が収納済み硬貨で停滞するのが防止され、貯留空間61の収納域73での硬貨の収納量を増加させることができる。
【0057】
一時保留硬貨の収納後、開閉板71が区分位置に戻され、オーバーフロー硬貨が一時保留されている場合には、そのオーバーフロー硬貨の収納動作が開始される。つまり、オーバーフロー用の硬貨収納繰出装置34aに一時保留されていたオーバーフロー硬貨は、繰出ベルト66の繰出方向Fへの回動と逆転ローラ112の逆転とにより搬送コンベヤ37に1枚ずつ繰り出され、この搬送コンベヤ37にて右側へ向けて搬送されるとともにシャッタ44の開放によってベルトコンベヤ43に送り込まれ、このベルトコンベヤ43で前方へ向けて搬送されるとともに回収シュート部50を通じて回収カセット52に送り込まれて収納される。これら一時保留硬貨の収納により、入金処理が完了となる。なお、オーバーフロー用の硬貨収納繰出装置34aからのオーバーフロー硬貨を投出する際、他の金種別の硬貨収納繰出装置34の繰出ベルト66は停止されており、開閉板71が区分位置に位置して収納域73内の硬貨の前方への移動を規制するので、それら金種別の収納硬貨が投出されることはない。
【0058】
また、テラーにより入金不承認つまり返却が指令されることにより、金種別の硬貨収納繰出装置34の一時保留域72に一時保留されていた硬貨、およびオーバーフロー用の硬貨収納繰出装置34aに一時保留されていた硬貨は、繰出ベルト66の繰出方向Fへの回動と逆転ローラ112の逆転とにより硬貨収納繰出装置34内および硬貨収納繰出装置34a内から硬貨投出路121を通じて搬送コンベヤ37上に1枚ずつ投出され、例えば、左側のテラーによる入金処理の場合には、搬送コンベヤ37にて左側へ向けて搬送されるともにシャッタ42の開放によってシュート40に送り込まれ、このシュート40により左側出金箱41に返却される。この左側出金箱41に返却された返却硬貨は、左側出金箱41を機体から抜き外して取り出される。なお、右側のテラーによる入金処理の場合には、右側出金箱51に返却硬貨が返却される。返却硬貨が返却されることで、入金処理が完了となる。
【0059】
次に、出金処理について説明する。
【0060】
左側または右側のテラーにより出金処理が指令されるとともに出金金額や出金希望金種および枚数が入力されることにより、出金処理が開始される。
【0061】
出金処理が開始されることにより、開閉板71が開放され、繰出ベルト66の繰出方向Fへの回動によって収納域73内の硬貨が前方へ移動される。出金金種に該当する金種の出金硬貨は、繰出ベルト66の繰出方向Fへの回動と逆転ローラ112の逆転とにより硬貨投出路121を通じて搬送コンベヤ37に1枚ずつ投出される。このとき、硬貨投出路121の2つのセンサ124,125により、硬貨が通過する際に硬貨径を検知して金種を確認するとともに投出枚数をカウントする。また、出金金種に該当しない金種の硬貨、出金金種に該当する金種でも所定の出金枚数を繰り出し終わった金種の硬貨は、硬貨投出路121のストッパ手段によって投出が規制される。
【0062】
全ての硬貨が投出され終わった後、繰出ベルト66の繰込方向Rへの回転により、一時保留域72およびゲート部111の付近に送られた硬貨が収納域73へ戻される。このときにも、第2のベルト上面域部位82での収納済み硬貨の上昇、落下により、収納済み硬貨側へ移動する硬貨を収納済み硬貨の下へもぐり込ませることができ、硬貨の収納域73への移動が収納済み硬貨で停滞するのが防止され、硬貨が収納域73へ確実に戻される。
【0063】
そして、搬送コンベヤ37に投出された出金硬貨は、例えば左側のテラーによる出金処理の場合には、搬送コンベヤ37にて左側へ向けて搬送されるとともにシャッタ42の開放によってシュート40に送り込まれ、このシュート40により左側出金箱41に払い出される。この左側出金箱41に出金された出金硬貨は、左側出金箱41を機体から抜き外すことで取り出される。なお、右側のテラーによる入金処理の場合には、右側出金箱51に出金硬貨が出金される。
【0064】
また、出金処理時に硬貨収納繰出装置34から出金硬貨を繰り出す際、または入金処理時に一時保留硬貨を返却硬貨として返却するために繰り出す際、ゲート部111で詰まりが生じた場合には、繰出ベルト66が繰込方向Rに回転されて硬貨詰まりが解消された後に、繰出が再開される。このときにも、第2のベルト上面域部位82での収納済み硬貨の上昇、落下により、収納済み硬貨側へ移動する硬貨を収納済み硬貨の下へもぐり込ませることができ、硬貨の収納域73への移動が収納済み硬貨で停滞するのが防止されるため、ゲート部111の付近の硬貨が収納域73側に確実に戻され、繰出再開時に硬貨を確実に繰り出すことができる。
【0065】
以上のように、繰出ベルト66のベルト上面域80を繰込方向Rへ移動させることにより、収納域73の収納済み硬貨および一時保留域72の一時保留硬貨を第2のベルト上面域部位82に向けて移動させ、収納済み硬貨を第2のベルト上面域部位82で上昇させて、収納済み硬貨側へ移動する一時保留硬貨を収納済み硬貨の下へもぐり込ませることができ、一時保留硬貨の収納域73への移動が収納済み硬貨で停滞するのを防止でき、貯留空間61の収納域73での硬貨の収納量を増加させることができる。
【0066】
さらに、繰出ベルト66上に貯留空間61の一時保留域72と収納域73とを形成してこれらを開閉板71で開閉するので、繰出ベルト66上に一時保留域72を形成できて硬貨収納繰出装置34の高さを低くできるとともに、硬貨の一時保留機能、さらには一時保留硬貨の繰出側または繰込側への確実な送り機能を得ることができる。
【0067】
なお、前記実施の形態では、硬貨収納繰出装置34を循環式硬貨入出金機に適用した例を示したが、循環式硬貨入出金機に限られるものではなく、例えば、自動販売機の硬貨処理ユニット、すなわち投入硬貨を受け入れて収納するとともにその収納硬貨を釣銭硬貨として使用するユニットにも適用でき、同様の作用効果が得られる。
【0068】
【発明の効果】
請求項1記載の硬貨収納繰出装置によれば、繰出ベルトのベルト上面域を繰込方向へ移動させることにより、収納済み硬貨を第2のベルト上面域部位で上昇させて、収納済み硬貨側へ移動する繰り込み硬貨を収納済み硬貨の下へもぐり込ませることができ、繰り込み硬貨の移動が収納済み硬貨で停滞するのを防止でき、貯留空間での硬貨の収納量を増加させることができる。
【0069】
請求項2記載の硬貨収納繰出装置によれば、繰出ベルトのベルト上面域を繰込方向へ移動させることにより、収納域の収納済み硬貨および一時保留域の一時保留硬貨を第2のベルト上面域部位に向けて移動させ、収納済み硬貨を第2のベルト上面域部位で上昇させて、収納済み硬貨側へ移動する一時保留硬貨を収納済み硬貨の下へもぐり込ませることができ、一時保留硬貨の収納域への移動が収納済み硬貨で停滞するのを防止でき、貯留空間の収納域での硬貨の収納量を増加させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す硬貨収納繰出装置の断面図である。
【図2】同上硬貨収納繰出装置の一部の平面図である。
【図3】同上図1のA−A矢視図である。
【図4】同上硬貨収納繰出装置を適用した循環式硬貨入出金機の内部構造の平面図である。
【符号の説明】
34 硬貨収納繰出装置
61 貯留空間
62 受収枠
66 繰出ベルト
71 開閉板
72 一時保留域
73 収納域
75 開閉板駆動手段
80 ベルト上面域
81 第1のベルト上面域部位
82 第2のベルト上面域部位
84 繰出ベルト支持手段
111 ゲート部
Claims (2)
- 硬貨を貯留する貯留空間が形成された受収枠と、
この受収枠の貯留空間に貯留される硬貨を載せるベルト上面域を有し、このベルト上面域の一方への回転時に貯留空間からの繰出方向に硬貨を移動させ、他方への回転時に貯留空間内への繰込方向に硬貨を移動させる繰出ベルトと、
前記貯留空間の繰出方向側端部域で前記繰出ベルトにより繰り出される硬貨を径方向および厚み方向に1枚ずつに規制するゲート部と、
前記繰出ベルトのベルト上面域に、貯留空間から繰出方向側端部域に向けて上り傾斜する第1のベルト上面域部位を形成するとともに、この第1のベルト上面域部位に対して貯留空間の繰込方向側端部域に向けて上り傾斜する第2のベルト上面域部位を形成し、これら第1および第2のベルト上面域部位を支持する繰出ベルト支持手段と
を具備していることを特徴とする硬貨収納繰出装置。 - 上部から送り込まれる硬貨を受け入れて一時保留する一時保留域およびこの一時保留域に隣接して一時保留硬貨を収納する収納域を有する貯留空間が形成された受収枠と、
この受収枠の貯留空間の一時保留域と収納域との間に開閉可能に設けられた開閉板と、
この開閉板を開閉する開閉板駆動手段と、
前記貯留空間に貯留される硬貨を載せるベルト上面域を有し、このベルト上面域の一方への回転時に貯留空間の収納域から一時保留域への繰出方向に硬貨を移動させ、他方への回転時に一時保留域から収納域への繰込方向に硬貨を移動させる繰出ベルトと、
前記貯留空間の繰出方向側端部域で前記繰出ベルトにより繰り出される硬貨を径方向および厚み方向に1枚ずつに規制するゲート部と、
前記繰出ベルトのベルト上面域に、前記一時保留域および収納域の一部に臨んで貯留空間から繰出方向側端部域に向けて上り傾斜する第1のベルト上面域部位を形成するとともに、この第1のベルト上面域部位に対して収納域の残部に臨んで貯留空間の繰込方向側端部域に向けて上り傾斜する第2のベルト上面域部位を形成し、これら第1および第2のベルト上面域部位を支持する繰出ベルト支持手段と
を具備していることを特徴とする硬貨収納繰出装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002220876A JP2004062571A (ja) | 2002-07-30 | 2002-07-30 | 硬貨収納繰出装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002220876A JP2004062571A (ja) | 2002-07-30 | 2002-07-30 | 硬貨収納繰出装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004062571A true JP2004062571A (ja) | 2004-02-26 |
Family
ID=31941351
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002220876A Pending JP2004062571A (ja) | 2002-07-30 | 2002-07-30 | 硬貨収納繰出装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004062571A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006209345A (ja) * | 2005-01-26 | 2006-08-10 | Glory Ltd | 循環式硬貨入出金機 |
-
2002
- 2002-07-30 JP JP2002220876A patent/JP2004062571A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006209345A (ja) * | 2005-01-26 | 2006-08-10 | Glory Ltd | 循環式硬貨入出金機 |
JP4598546B2 (ja) * | 2005-01-26 | 2010-12-15 | グローリー株式会社 | 循環式硬貨入出金機 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4960690B2 (ja) | 硬貨入出金機 | |
JPH0338635B2 (ja) | ||
JPH0472277B2 (ja) | ||
JPWO2008093420A1 (ja) | 硬貨入出金機 | |
JP5142637B2 (ja) | 貨幣入出金機 | |
JP2009059307A (ja) | 硬貨入出金機 | |
JP4897457B2 (ja) | 硬貨処理装置 | |
JP2004062571A (ja) | 硬貨収納繰出装置 | |
JP2009059308A (ja) | 硬貨入出金機 | |
JP5033593B2 (ja) | 硬貨処理機 | |
JP2002157630A (ja) | 硬貨収納繰出装置 | |
JP3549784B2 (ja) | 循環式硬貨入出金機 | |
JP2004302520A (ja) | 硬貨入出金装置 | |
JP3549785B2 (ja) | 循環式硬貨入出金機 | |
JP2004192175A (ja) | 硬貨入出金機 | |
JP3288252B2 (ja) | 貨幣入出金機 | |
JP2001067516A (ja) | 硬貨処理機 | |
JP3276483B2 (ja) | 一体型紙幣・硬貨入出金機 | |
JP2580584Y2 (ja) | 循環式硬貨入出金機 | |
JP2003187287A (ja) | 硬貨放出処理機 | |
JP2006065522A (ja) | 循環式硬貨入出金装置 | |
JP2593711Y2 (ja) | 硬貨分類装置 | |
JP3479428B2 (ja) | 硬貨入出金機の硬貨受収排出装置 | |
JP3214842B2 (ja) | 硬貨出金処理機 | |
JP2589243Y2 (ja) | 循環式硬貨入出金機 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050511 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20071128 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080123 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20080521 |