JP2004062150A - 発光装置のデューティー比の決定方法及び該デューティー比を用いた駆動方法 - Google Patents

発光装置のデューティー比の決定方法及び該デューティー比を用いた駆動方法 Download PDF

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Mitsuaki Osame
納 光明
Masaru Yamazaki
山崎 優
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Abstract

【課題】発光素子の劣化を抑えて一定の輝度が得られるように、信頼性を向上させることができる、発光装置のデューティー比の決定方法及び該デューティー比を用いた駆動方法を課題とする。
【解決手段】発光素子の輝度を特定の値に定めたときの、発光素子の電流密度に値するX時間後の輝度の低下量のグラフと、発光素子のデューティー比に対するX時間後の輝度の低下量のグラフとを積算することで得られるグラフにおいて、輝度の低下量の最小値の1.5倍以下、より望ましくは1.2倍未満の輝度の低下量が得られる範囲内のデューティー比で駆動する。
【選択図】 図16

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電流を発光素子に供給するための手段と発光素子とが、複数の各画素に備えられた発光装置における、デューティー比の決定方法及び該デューティー比を用いた駆動方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
放送局側における機器やシステムへのデジタル技術の導入が進んでおり、近年では放送電波のデジタル化、すなわちデジタル放送の実現に向けて研究開発が各国で行われている。また、放送電波のデジタル化に対応して、画像情報を有するデジタルのビデオ信号(以下、デジタルビデオ信号とする)を、アナログに変換せずにデジタルのまま用いて画像を表示することが可能な、アクティブマトリクス型の表示装置の研究開発も、近年盛んに行われている。
【0003】
デジタルビデオ信号が有する2値の電圧により階調表示を行う駆動方法に、時間分割駆動法がある。一般的に、液晶などに比べて電界発光材料は応答速度が速いため、発光装置は時間分割駆動に適していると言える。
【0004】
時間分割駆動法は、画素の点灯する長さを制御することで階調表示を行う駆動法である。具体的には、1フレーム期間を複数の表示期間に分割する。そして、デジタルビデオ信号により、各表示期間において各画素が点灯または非点灯の状態になる。1フレーム期間において点灯した表示期間の長さの和を調整することで、該画素の階調を制御することができる。
【0005】
アクティブマトリクス型の発光装置において時間分割駆動法を用いた場合、各表示期間における画素の点灯の有無は、各画素に書き込まれるデジタルビデオ信号により制御される。デジタルビデオ信号の各画素への書き込みは、各表示期間に対応する書き込み期間において行われる。
【0006】
図13(A)に、画素部における、表示期間と、1行分の画素への書き込み期間(1ライン書き込み期間)の出現のタイミングを示す。なお全ての行の1ライン書き込み期間が終了するまでの期間が書き込み期間に相当する。横軸は時間を示しており、縦軸は、列方向における画素の位置を示している。
【0007】
一般的に時間分割駆動法では、画素へのデジタルビデオ信号の書き込みが各行毎に順に行われる。1ライン書き込み期間においてデジタルビデオ信号が書き込まれると同時に、表示期間が開始され、各画素の発光素子の発光が制御され、画素が点灯または非点灯の状態になる。
【0008】
そして次のビットに対応する1ライン書き込み期間が開始されると、該表示期間が終了して、次の表示期間が開始される。
【0009】
ここで、階調数を増やした場合について考える。階調数が増加すると、1フレーム期間内の表示期間の数が増加し、各表示期間の長さも短くなっていく。すると、図13(B)に示すように、最も短い表示期間Trに対応する書き込み期間Taが、次のビットに対応する書き込み期間Taと重なってしまう。
【0010】
アクティブマトリクス型の発光装置において、同時に2行以上の画素にデジタルビデオ信号を書き込むためには、各画素に対応する信号線を複数設ける必要があり、これは、開口率の低下を考慮するとあまり望ましい構成ではない。また、画素へのデジタルビデオ信号の書き込み速度が速くなれば、書き込み期間が短くて済むので、書き込み期間どうしが重なりにくくなる。しかし、信号線駆動回路の駆動周波数には限界があり、書き込み期間を短くすることは容易ではない。よって、書き込み期間を重ねないような、駆動方法を用いる必要がある。
【0011】
書き込み期間を重ねないように駆動する方法は、画素の構成に合わせて幾つか提案されている。図14(A)に示した駆動方法では、全行の画素において書き込み期間が終了するまで、陽極と陰極の間に電圧をかけないか、もしくは逆バイアスの電圧をかけることで、全画素の発光素子が発光しないように制御されている。そして、書き込み期間が終了した時点で表示期間を開始し、書き込まれたデジタルビデオ信号に基づいて発光素子の発光が制御されるようにする。
【0012】
また、図14(B)に示した駆動方法では、陽極と陰極の間に電圧をかけないか、もしくは逆バイアスの電圧をかけることで、各行毎に表示期間を強制的に終了させる。この場合、各行毎に陽極と陰極の間の電圧を制御するための機能を設けておく必要がある。例えば、各画素に、陽極と陰極の間の電圧を制御するためのTFTを別途設けたり、陽極及び陰極を各行毎に互いに分離したりすることで、各行毎に陽極と陰極の間の電圧を制御することが可能である。
【0013】
上記いずれの駆動方法において、表示期間が短くなっても、各書き込み期間が重ならないようにすることができる。そして、いずれの駆動方法も、デジタルビデオ信号に制御されずに、必ず画素が点灯しない期間(非表示期間)が存在する。図14(A)では、全行の画素において書き込み期間が終了するまでの期間が非表示期間に相当し、図14(B)では、表示期間を強制終了した後、次の書き込み期間が開始されるまでの間が非表示期間に相当する。
【0014】
この非表示期間の長さによって、1フレーム期間における表示期間の存在比(デューティー比)が決まる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、発光装置を実用化する上で問題となっているのが、電界発光層の劣化による発光素子の寿命の短さであった。図15に、発光素子に流れる電流に対する輝度の時間変化を示す。図15に示すように、時間の経過と共に電界発光材料が劣化すると、流れる電流に対して発光素子の輝度が低くなる。
【0016】
電界発光材料の劣化は、水分、酸素、光、熱によって促進される。具体的には、発光装置を駆動するデバイスの構造、電界発光材料の特性、電極の材料、作製工程における条件、発光装置の駆動方法等により、その劣化の速度が左右される。
【0017】
特に発光素子に流れる電流の量が増えれば増えるほど、発光素子の劣化が早く進む。発光素子が劣化すると、電界発光層にかかる電圧が一定であっても発光素子の輝度は低下し、表示する画像が不鮮明になる。
【0018】
本発明は上述した問題に鑑み、発光素子の劣化を抑えて一定の輝度が得られるような、信頼性の向上を課題とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、アクティブマトリクス型の発光装置において、時分割階調表示のデューティー比によって発光装置の信頼性に差が生じることを見出し、同時に、高い信頼性を確保するのに最適なデューティー比の算出のし方を見出した。
【0020】
なお発光装置とは、発光素子が封止された状態にあるパネルと、該パネルにコントローラを含むIC等を実装した状態にあるモジュールとを含む。
【0021】
図1に、発光初期を100%としたときの、時間経過における見た目の輝度(階調数)の実測値(規格化輝度)の変化量を、デューティー比ごとに示す。なおデューティー比100%における画面の輝度は1000cdであり、全てのデューティー比において、発光初期の見た目の輝度は全て同じとした。すなわち、全てのデューティー比において、1フレーム期間に発光素子に流れる電流の総和は全て等しいと見なすことができる。
【0022】
各デューティー比において、発光の初期段階において規格化輝度が100%よりも大きくなるが、その後、時間の経過と共に発光素子が劣化し、規格化輝度が低下している。最も輝度の低下が著しいのはデューティー比2.66%の場合であり、その次に100%、72.6%と続き、最も規格化輝度の低下が小さいのがデューティー比36%の場合である。
【0023】
図1に示したデータを用い、デューティー比に対する規格化輝度の値を、経過時間毎に示したデータを、図2に示す。ここではグラフを見やすくするため、図1に示したデータのうち、特に2時後、20時間後、44.3時間後、68.5時間後、95.5時間後のデータを示す。
【0024】
図2からも明らかなように、デューティー比36%の場合が最も規格化輝度の低下が小さく、デューティー比が72.6%、100%と大きすぎても、逆に2.66%と小さすぎても、信頼性がデューティー比36%の場合と比べて劣っていることがわかる。
【0025】
このことから、高い信頼性が得られる最適なデューティー比が、この場合36%前後の範囲に存在すると考えられる。
【0026】
本発明者らは、信頼性の高い最適なデューティー比が存在する理由として、デューティー比の最適な範囲を間に挟んで、2つの現象が生じているためではないかと考えた。
【0027】
デューティー比が最適な範囲よりも小さい場合について考察する。画面における見た目の輝度を一定に保つためには、1フレーム期間に発光素子に流れる総電流量を、デューティー比によらず一定にする必要がある。そのため図3(A)に示すようにデューティー比が小さくなると、発光期間(表示期間の和)は短いものの、単位面積あたり単位時間に通過する電気量、所謂電流密度が大きくなる。
【0028】
図16(A)に、デューティー比が一定のときの、X時間後の電流密度と輝度の低下量の関係を示す。図16(A)に示すように、発光素子の輝度は、電流密度が大きくなるにつれて低下する。これは電流密度が大きくなるほど、発光素子に流れる総電気量が増えるためと考えられる。しかし図16(A)から分かるように、電流密度がある一定の大きさを超えると、発光素子の輝度は急峻なカーブを描いて低下している。これは総電気量の増加のみでは説明がつかない。本発明者らは上記現象から、総電気量を一定に保っていても、電流密度がある一定の値よりも大きくなりすぎると、発光素子の劣化が促進され、輝度が低下するのではないかと考えた。よって、画面における見た目の輝度を一定に保ちつつ、デューティー比を小さくしすぎると、電流密度が大きくなるため、発光素子の輝度の低下が大きくなるのではないかと考えられる。
【0029】
次に、デューティー比が最適な範囲よりも大きい場合について考察する。1フレーム期間の総電流量を固定したとき、デューティー比が大きくなると、図3(B)に示すように電流密度は抑えられるが、発光期間(表示期間の和)が長くなる。発光する期間が長くなりすぎると発光素子の劣化が促進される。
【0030】
図16(B)に電流密度が一定のときの、X時間後のデューティー比と輝度の低下量の関係を示す。図16(B)に示すように、発光素子の輝度は、デューティー比が大きくなるにつれて低下する。これはデューティー比が大きくなるほど、発光素子に流れる総電気量が増えるためと考えられる。しかし図16(B)から分かるように、デューティー比がある一定の大きさを超えると、発光素子の輝度は急峻なカーブを描いて低下している。これは総電気量の増加のみでは説明がつかない。本発明者らは上記現象から、総電気量を一定に保っていても、デューティー比がある一定の値よりも大きくなりすぎると、発光素子の劣化が促進され、輝度が低下するのではないかと考えた。よって、画面における見た目の輝度を一定に保ちつつ、デューティー比を大きくしすぎると、連続して表示する期間が長くなるため、発光素子の輝度の低下が大きくなるのではないかと考えられる。
【0031】
連続して表示する期間が長いと発光素子の劣化が促進される理由については様々であるが、発光素子において生じる熱によって劣化が促進されるというのが理由の1つとして挙げられる。また、電界発光層中に存在するイオン性の不純物が、一方の電極に寄ってしまうことで、電界発光層の一部に他に比べて抵抗の低い領域が生じ、その抵抗の低い領域に積極的に電流が流れることで劣化が促進されるとも考えられる。
【0032】
このように発光素子の劣化には、上述した2つの現象が少なくとも関与していると考えられる。そして、これらの2つの現象を考慮することで、最も高い信頼性が得られるデューティー比の値を求めることができる。
【0033】
図16(A)と図16(B)を積算したグラフを、図16(C)に示す。なお、図16(A)に示したグラフは、右下がりのグラフであることには変わりはないが、発光素子の輝度によって形状が変わってくる。よって、最適なデューティー比を求める際に、発光素子の瞬間的な輝度を所望の値に固定し、グラフを1つに特定する。また、図16(B)に示したグラフは、右上がりのグラフであることには変わりはないが、電流密度の値によって形が変わってくる。よって、最適なデューティー比を求める際に、発光素子の瞬間的な輝度を所望の値に固定、言い換えると電流密度を固定することで、グラフを1つに特定する。
【0034】
図16(C)に示すように、図16(A)の右下がりのグラフと図16(B)に示す右上がりのグラフを積算すると、輝度の低下量の最小値を1つ有するグラフが得られる。該最小値が得られるデューティー比において駆動することで、最も高い信頼性が得られると考えられる。なお高い信頼性が得られると思われるデューティー比の範囲は、輝度の低下量の最小値の1.5倍以下程度、より望ましくは1.2倍未満程度の低下量となる範囲であれば良い。例えば輝度の低下量の最小値が初期輝度の40%だとすると、初期輝度の60%程度の低下量まで、最適なデューティー比の範囲に含めることができる。また図17に示すように、輝度の低下量の最小値が初期輝度の50%だとすると、より望ましくは、初期輝度の60%程度の低下量まで、最適なデューティー比の範囲に含めることができる。
【0035】
このように、最適なデューティー比を、発光期間に対する輝度の低下量と、電流密度による輝度の低下量とから求める。そして例えば図3(C)に示すような最適なデューティー比を用いて駆動を行なうことで、発光素子の劣化を抑えて一定の輝度が得られ、発光装置の信頼性を高めることができる。
【0036】
なお最適なデューティー比の値は、発光初期の輝度及び、発光素子の構成によっても異なる。しかしその都度、発光期間に対する輝度の低下量と、電流密度による輝度の低下量の兼ね合いを考慮することで、最適なデューティー比を見出すことができる。
【0037】
例えば、図1に示したデータからは、図1のデータを得るのに用いた発光素子の場合、1000cd相当の輝度を得ようとした場合、デューティー比を例えば36%±20%の範囲、より望ましくは20%より高くかつ50%未満の範囲を、最適な値として用いることができる。
【0038】
なお、アナログのビデオ信号を用いた駆動においても、最適なデューティー比を用いて駆動させることで、信頼性を向上させることができる。全画素へのアナログのビデオ信号の書き込みが終了するまで、陽極と陰極の間に電圧をかけないか、もしくは逆バイアスの電圧をかけることで、全画素の発光素子が発光しないようにし、意図的にデューティー比を調整することができる。また、点順次駆動の場合、各画素に、陽極と陰極の間の電圧を制御するためのTFTを別途設け、画素毎に表示期間を強制的に終了させて、デューティー比を調整するようにしても良い。また線順次駆動の場合は、デジタルの場合と同様に、例えば、各画素に、陽極と陰極の間の電圧を制御するためのTFTを別途設けたり、陽極及び陰極を各行毎に互いに分離したりすることで、各行毎に陽極と陰極の間の電圧を制御し、各行毎に表示期間を強制的に終了させることが可能である。
【0039】
また本発明の駆動方法は、アクティブ型の発光装置にのみ用いられるわけではなく、パッシブ型の発光装置に用いても良い。
【0040】
なお、本明細書において発光素子(OLED:Organic Light Emitting Diode)は、電場を加えることで発生するルミネッセンス(Electroluminescence)が得られる電界発光材料を含む層(以下、電界発光層と記す)と、陽極層と、陰極層とを有している。電界発光層は陽極と陰極の間に設けられており、単層または複数の層で構成されている。これらの層の中に無機化合物を含んでいる場合もある。電界発光層におけるルミネッセンスには、一重項励起状態から基底状態に戻る際の発光(蛍光)と三重項励起状態から基底状態に戻る際の発光(リン光)とが含まれる。
【0041】
【発明の実施の形態】
本実施の形態では、最適なデューティー比を用いた駆動方法について、発光装置の構成毎に説明する。
【0042】
まず、本発明の駆動方法を用いる発光装置の構成について説明する。ここでは、各画素に設けられた3つの薄膜トランジスタ(TFT)を用いて、発光素子の発光を制御する発光装置を例にして、本発明の駆動方法について説明する。
【0043】
図4に、本発明の駆動方法を用いる発光装置の画素部の回路図を示す。図4において、信号線(S1〜Sx)、電源線(V1〜Vx)、第1走査線(Ga1〜Gay)、第2走査線(Ge1〜Gey)が画素部501に設けられている。
【0044】
信号線(S1〜Sx)の1つと、電源線(V1〜Vx)の1つと、第1走査線(Ga1〜Gay)の1つと、第2走査線(Ge1〜Gey)の1つとを備えた領域が画素505である。画素部501にはマトリクス状に複数の画素505が配置されている。
【0045】
画素505の拡大図を図5に示す。図5において、507はスイッチング用TFTである。スイッチング用TFT507はn型であってもp型であってもどちらでも良い。スイッチング用TFT507のゲートは、第1走査線Gaj(j=1〜y)に接続されている。スイッチング用TFT507のソースとドレインは、一方が信号線Si(i=1〜x)に、もう一方が駆動用TFT508のゲートに接続されている。
【0046】
なお、本明細書において接続とは、特に記載のない限り電気的な接続を意味する。
【0047】
消去用TFT509のゲートは、第2走査線Gej(j=1〜y)に接続されている。消去用TFT509のソースとドレインは、一方が電源線Vi(i=1〜x)に、もう一方が駆動用TFT508のゲートに接続されている。
【0048】
駆動用TFT508のソースとドレインは、一方は電源線Viに、もう一方は発光素子510が有する画素電極に接続されている。
【0049】
発光素子510は陽極と、陰極と、陽極と陰極との間に設けられた電界発光層とからなる。陽極が駆動用TFT508のソースまたはドレインと接続している場合、陽極が画素電極、陰極が対向電極となる。逆に陰極が駆動用TFT508のソースまたはドレインと接続している場合、陰極が画素電極、陽極が対向電極となる。
【0050】
陽極が画素電極の場合、駆動用TFT508はpチャネル型TFTであることが望ましい。また、陰極が画素電極の場合、駆動用TFT508はnチャネル型TFTであることが望ましい。
【0051】
発光素子510の対向電極と電源線Viには、それぞれ電源から電圧が与えられている。なお本明細書において電圧とは、特に記載のない限り、グラウンドの電圧との電位差を意味する。そして対向電極と電源線との電圧差は、駆動用TFTがオンになったときに発光素子が発光する程度の大きさに保たれている。
【0052】
保持容量512が有する2つの電極は、一方は電源線Viに接続されており、もう一方は駆動用TFT508のゲートに接続されている。保持容量512はスイッチング用TFT505が非選択状態(オフ状態)にある時、駆動用TFT508のゲート電圧を保持するために設けられている。なお図8では保持容量512を設ける構成を示したが、本発明はこの構成に限定されず、保持容量512を設けない構成にしても良い。
【0053】
次に図4、図5で示した発光装置に用いる本発明の駆動方法について、図6を用いて説明する。なお、ここでは6ビットのデジタルビデオ信号を用いた場合について説明するが、ビット数はこれに限定されない。
【0054】
図6に示すように、フレーム周波数がkのとき、1秒間にk個のフレーム期間が存在している。フリッカ等の画面のちらつきを抑えるためには、kは60以上であることが望ましい。
【0055】
各フレーム期間内において、複数の表示期間と、非表示期間とが出現する。なお、デジタルビデオ信号は各行毎に入力されるため、各行毎に表示期間と、非表示期間の出現するタイミングはずれている。図6では、代表的に、デジタルビデオ信号が最初に入力される行の画素(初行画素)と、最後に入力される行の画素について、表示期間と、非表示期間の出現するタイミングを示す。
【0056】
図6では、表示期間と非表示期間が、Tr、Tr、Tr、Te、Tr、Te、Tr、Te、Tr、Teの順に出現している。Tr、Tr、Tr、Tr、Tr、Trは表示期間である。またTe、Te、Te、Teは非表示期間である。
【0057】
表示期間ごとに、対応するビットのデジタルビデオ信号が各行の画素に入力され、該デジタルビデオ信号に従って各画素の発光素子の発光が制御される。全行の画素への1ビットのデジタルビデオ信号の入力が完了するまでの期間が、書き込み期間Taに相当する。図6では、各表示期間内に書き込み期間Taが設けられることになる。
【0058】
次に、各画素の具体的な動作について説明する。各表示期間は行ごとに順に開始される。表示期間が開始された行では、該行の画素が有する1つの第1走査線Gaj(j=1〜y)が選択される。そして第1走査線Gajの選択が終了すると、次の行において表示期間が開始され、次の第1走査線Ga(j+1)が選択される。書き込み期間Taは、全第1走査線Ga1〜Gayの選択が完了するまでの期間に相当する。
【0059】
なお、図6におけるラッチ期間については、実施例1において詳しく説明する。
【0060】
第1走査線Gajが選択されると、第1走査線Gajにゲートが接続されている全てのスイッチング用TFT507がオンになる。そして、信号線S1〜Sxに入力された1ビットのデジタルビデオ信号が、スイッチング用TFT507を介して駆動用TFT508のゲートに入力される。
【0061】
そして、デジタルビデオ信号が有する情報に従って、駆動用TFT508のオンオフが決まる。駆動用TFTがオンのとき、発光素子510は発光し、逆にオフのときは発光しない。
【0062】
そして次の表示期間が開始されると、該表示期間に対応するビットのデジタルビデオ信号が画素に入力され、発光素子510が発光または非発光の状態になる。
【0063】
なお、図6に示す駆動方法では、表示期間Tr、Tr、Trの長さが、対応する書き込み期間Ta4、Ta5、Ta6よりも短くなっている。そのため、上記書き込み期間が終了する前に、上記書き込み期間と重なるように非表示期間Te4、Te5、Te6と、Te3が出現する。
【0064】
なお、非表示期間Teは、互いに重なっていても良いし、重なっていなくとも良い。
【0065】
非表示期間Teが開始されると、該行の画素が有する1つの第2走査線Gej(j=1〜y)が選択される。そして次に、次の行において、第2走査線Gej+1が選択される。非表示期間Teは、全第2走査線Ge1〜Geyの選択が完了するまでの期間に相当する。
【0066】
第2走査線Gejが選択されると、第2走査線Gejにゲートが接続されている全ての消去用TFT509がオンになる。そして電源線V1〜Vxの電圧が消去用TFT509を介して駆動用TFT508のゲートに与えられる。
【0067】
電源線の電圧が駆動用TFT508のゲートに与えられると、駆動用TFT508のゲートとソースが導通するため、ゲート電圧が0Vになり、オフとなる。なお本明細書では、nチャネル型TFTのソースに与えられる電圧は、ドレインに与えられる電圧よりも低いとする。また、pチャネル型TFTのソースに与えられる電圧は、ドレインに与えられる電圧よりも高いとする。
【0068】
よって発光素子510は全て非発光の状態になり、該行の画素が全て表示しなくなる。そのため、他行において書き込み期間Taが終了していなくとも、該行において表示期間Trが終了する。この表示期間と表示期間の間に存在する、画素が表示を行わない期間が、非表示期間に相当する。
【0069】
なお、本発明の駆動方法では、所望のデューティー比を得るために、書き込み期間よりも長い表示期間(図6ではTr)の後に、非表示期間(図6ではTe)を設けている。このようにデューティー比を制御するために、書き込み期間よりも長い表示期間の後に非表示期間を設けても良いし、書き込み期間よりも短い表示期間の後に出現する非表示期間を、必要以上に長くするようにしても良い。
【0070】
全ての表示期間が終了すると1フレーム期間が終了し、1つの画像を表示することができる。
【0071】
なお、全ての書き込み期間の長さの和は1フレーム期間よりも短い。そして、表示期間の比を、Tr:Tr:Tr:Tr:…:Tr=2(n−1):2(n−2):2(n−3):2(n−4):…:2とする。図6の場合、Tr:Tr:Tr:Tr:Tr:Tr=2:2:2:2:2:2となる。この表示期間の組み合わせで、1〜2階調のうち所望の階調表示を行うことができる。
【0072】
さらに本発明では、1フレーム期間に出現する非表示期間の長さを制御することで、デューティー比を制御することができる。図6では、表示期間と非表示期間の長さの比を、Tr:Tr:Tr:Te:Tr:Te:Tr:Te:Tr:Te=32:16:8:25:4:17:2:3:1:8とし、デューティー比が54.3%としている。このように非表示期間の長さを制御することで、最適な範囲に含まれるデューティー比を得ることができる。
【0073】
次に、各画素に設けられた2つの薄膜トランジスタ(TFT)を用いて、発光素子の発光を制御する発光装置を例にして、本発明の駆動方法について説明する。
【0074】
図7に、本発明の駆動方法を用いる発光装置の画素部の回路図を示す。信号線(S1〜Sx)、電源線(V1〜Vx)、走査線(G1〜Gy)が画素部401に設けられている。
【0075】
本実例の場合、信号線(S1〜Sx)のいずれか1つと、電源線(V1〜Vx)のいずれか1つと、走査線(G1〜Gy)のいずれか1つとを備えた領域が画素404である。画素部401にはマトリクス状に複数の画素404が配置されることになる。
【0076】
画素404の拡大図を図8に示す。図8において、405はスイッチング用TFTである。スイッチング用TFT405のゲートは、走査線Gj(j=1〜y)に接続されている。スイッチング用TFT405のソースとドレインは、一方が信号線Si(i=1〜x)に、もう一方が駆動用TFT406のゲートに接続されている。
【0077】
また、駆動用TFT406のソースとドレインは、一方が電源線Vi(i=1〜x)に接続され、もう一方は発光素子407の画素電極に接続される。
【0078】
発光素子407は陽極と陰極と、陽極と陰極との間に設けられた電界発光層とからなる。陽極が駆動用TFT406のソースまたはドレインと接続している場合、陽極が画素電極、陰極が対向電極となる。逆に陰極が駆動用TFT406のソースまたはドレインと接続している場合、陰極が画素電極、陽極が対向電極となる。
【0079】
発光素子407の対向電極と、電源線Viには、それぞれ電源から電圧が与えられている。そして対向電極と電源線の電圧差は、駆動用TFTがオンになったときに発光素子が発光する程度の大きさに保たれている。
【0080】
保持容量408が有する2つの電極は、一方は電源線Viに接続されており、もう一方は駆動用TFT406のゲートに接続されている。
【0081】
保持容量408はスイッチング用TFT405が非選択状態(オフ状態)にある時、駆動用TFT406のゲート電圧を保持するために設けられている。なお図8では保持容量408を設ける構成を示したが、本発明はこの構成に限定されず、保持容量408を設けない構成にしても良い。
【0082】
駆動用TFT406のソースまたはドレインが発光素子407の陽極と接続されている場合、駆動用TFT406はpチャネル型TFTであることが望ましい。また、駆動用TFT406のソースまたはドレインが発光素子407の陰極と接続されている場合、駆動用TFT406はnチャネル型TFTであることが望ましい。
【0083】
次に図7、図8で示した発光装置に用いる本発明の駆動方法について、図9を用いて説明する。なお、ここでは4ビットのデジタルビデオ信号を用いた場合について説明するが、ビット数はこれに限定されない。
【0084】
図9では、表示期間と書き込み期間が分離しており、Ta、Tr、Ta、Tr、Ta、Tr、Ta、Trの順に出現している。
【0085】
書き込み期間ごとに、対応するビットのデジタルビデオ信号が各行の画素に入力される。そして対応する表示期間において、該デジタルビデオ信号に従い各画素の発光素子が発光する。全行の画素への1ビットのデジタルビデオ信号の入力が完了するまでの期間が書き込み期間Taに相当する。
【0086】
画素の具体的な動作について説明する。各1ライン書き込み期間は、行ごとに順に開始される。1ライン書き込み期間が開始された行では、該行の画素が有する1つの走査線Gj(j=1〜y)が選択される。そして走査線Gjの選択が終了すると、次の行において1ライン書き込み期間が開始され、次の走査線Gj+1が選択される。書き込み期間Taは、全ての1ライン書き込み期間が終了するまでの期間、すなわち、全走査線G1〜Gyの選択が完了するまでの期間に相当する。
【0087】
なお、書き込み期間においては、発光素子407の対向電極には電源線Vi(i=1〜x)と同じ高さの電圧が印加されている。
【0088】
走査線Gjが選択されると、走査線Gjにゲートが接続されている全てのスイッチング用TFT405がオンになる。そして、信号線S1〜Sxに入力された1ビットのデジタルビデオ信号が、スイッチング用TFT405を介して駆動用TFT406のゲートに入力される。
【0089】
そして、デジタルビデオ信号が有する情報に従って、駆動用TFT406のオンオフが決まる。そして、書き込み期間においては、発光素子407の対向電極には電源線Viと同じ高さの電圧が印加されているので、駆動用TFT406のスイッチングに関わらず、全画素の発光素子407は発光しない。
【0090】
そして全ての1ライン書き込み期間が終了すると、書き込み期間が終了し、表示期間が開始される。各表示期間では、駆動用TFTがオンになったときに発光素子が発光するように、対向電極と電源線の間に電圧差を設ける。よって、書き込み期間に入力されたデジタルビデオ信号により駆動用TFTがオンになっていると、発光素子407は発光し、逆にオフになっていると発光しない。
【0091】
そして次の書き込み期間が開始されると、対応するビットのデジタルビデオ信号が画素に入力され、表示期間において発光素子407が発光または非発光の状態になる。
【0092】
全ての表示期間が終了すると、1フレーム期間が終了し、1つの画像を表示することができる。全ての書き込み期間の長さの和は1フレーム期間よりも短い。
【0093】
図9に示す駆動方法では、書き込み期間Taにおいて全画素が強制的に発光しない状態にあるので、書き込み期間Taが非表示期間Teに含まれている。すなわち、書き込み期間と非表示期間とがTe、Tr、Te、Tr、Te、Tr、Te、Trの順に出現していると言える。
【0094】
本発明の駆動方法では、デューティー比を最適な範囲に納める必要がある。よって図9に示す非表示期間Te、Teのように、書き込み期間よりも非表示期間を長くし、デューティー比を調整するようにしても良い。非表示期間を書き込み期間より長くするには、書き込み期間が終了した後も、対向電極と電源線の電圧を同じ高さに保ち、強制的に発光素子を発光させないようにすれば良い。このように非表示期間の長さを制御することで、最適な範囲に含まれるデューティー比を得ることができる。
【0095】
また、表示期間の比は、Tr:Tr:Tr:Tr:…:Tr=2(n−1):2(n−2):2(n−3):2(n−4):…:2とする。図9の場合、Tr:Tr:Tr:Tr=2:2:2:2となる。この表示期間の組み合わせで、1〜2階調のうち所望の階調表示を行うことができる。
【0096】
このように、非表示期間の長さを制御し、最適なデューティー比を用いて駆動することで、発光素子の劣化を抑えて一定の輝度が得られ、発光装置の信頼性を高めることができる。
【0097】
なお、最適なデューティー比は、発光期間に対する輝度の低下量と、電流密度による輝度の低下量によって定まり、発光初期の輝度及び、発光素子の構成によって異なる。よって、発光初期の輝度及び、発光素子の構成に合わせて、その都度、発光期間に対する輝度の低下量と、電流密度による輝度の低下量の兼ね合いを考慮し、最適なデューティー比を見出すことが重要である。
【0098】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明する。
【0099】
(実施例1)
本実施例では、図5、図8に示した画素部を駆動させるために用いる信号線駆動回路と、走査線駆動回路の詳しい構成について説明する。
【0100】
図10に発光装置の駆動回路の一例を、ブロック図で示す。図10(A)は信号線駆動回路601であり、シフトレジスタ602、ラッチ(A)603、ラッチ(B)604を有している。
【0101】
信号線駆動回路601において、シフトレジスタ602にクロック信号(CLK)およびスタートパルス(SP)が入力される。シフトレジスタ602は、これらのクロック信号(CLK)およびスタートパルス(SP)に基づきタイミング信号を順に発生させ、バッファ等(図示せず)を通して後段の回路へタイミング信号を順次供給する。
【0102】
シフトレジスタ602からのタイミング信号は、バッファ等によって緩衝増幅される。タイミング信号が供給される配線には、多くの回路あるいは素子が接続されているために負荷容量(寄生容量)が大きい。この負荷容量が大きいために生ずるタイミング信号の立ち上がりまたは立ち下がりの”鈍り”を防ぐために、このバッファが設けられる。なおバッファは必ずしも設ける必要はない。
【0103】
バッファによって緩衝増幅されたタイミング信号は、ラッチ(A)603に供給される。ラッチ(A)603は、nビットのデジタルビデオ信号を処理する複数のステージのラッチを有している。ラッチ(A)603は、前記タイミング信号が入力されると、信号線駆動回路601の外部から供給されるnビットのデジタルビデオ信号を順次取り込み、保持する。
【0104】
なお、ラッチ(A)603にデジタルビデオ信号を取り込む際に、ラッチ(A)603が有する複数のステージのラッチに、順にデジタルビデオ信号を入力しても良い。しかし本発明はこの構成に限定されない。ラッチ(A)603が有する複数のステージのラッチをいくつかのグループに分け、グループごとに並行して同時にデジタルビデオ信号を入力する、いわゆる分割駆動を行っても良い。このときのグループ数を分割数と呼ぶ。例えば4つのステージごとにラッチをグループに分けた場合、4分割で分割駆動すると言う。
【0105】
全てのラッチに(A)603にデータが書き込まれると、ラッチ(B)604にラッチシグナル(Latch Signal)が供給される。この瞬間、ラッチ(A)603に書き込まれ保持されているデジタルビデオ信号は、全ステージのラッチ(B)604に一斉に送られ、書き込まれる。このラッチに(A)603からラッチ(B)604にデータが送られる期間をラッチ期間と呼ぶ。
【0106】
デジタルビデオ信号をラッチ(B)604に送出し終えたラッチ(A)603には、シフトレジスタ602からのタイミング信号に基づき、デジタルビデオ信号の書き込みが再び行われる。
【0107】
この2順目の1ライン期間中には、ラッチ(B)604に書き込まれ、保持されているデジタルビデオ信号が信号線に入力される。
【0108】
図10(B)は走査線駆動回路の構成を示すブロック図である。
【0109】
走査線駆動回路605は、それぞれシフトレジスタ606、バッファ607を有している。また場合によってはレベルシフタを有していても良い。
【0110】
走査線駆動回路605において、シフトレジスタ606からのタイミング信号がバッファ607に供給され、対応する走査線(あるいは第1走査線、第2走査線)に供給される。走査線には、1ライン分の画素のスイッチング用TFT(あるいは消去用TFT)のゲートが接続されている。そして、1ライン分の画素のスイッチング用TFT(あるいは消去用TFT)を一斉にONにしなくてはならないので、バッファは大きな電流を流すことが可能なものが用いられる。
【0111】
(実施例2)
本実施例では、図1及び図2に示したデータを得るために用いた、発光素子の構成及び作製方法について説明する。
【0112】
図11に、図1及び図2のデータを得るために行なった測定において、用いられた発光素子の構成を示す。図11に示す発光素子は、画素電極としてITOを用い、陰極としてCaからなる導電膜と、Alからなる導電膜との積層からなる陰極を用いている。そして電界発光層は、黄色発光を呈するPPV系の電界発光材料からなる発光層と、ポリ(エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)水溶液(PEDOT/PSS)を塗布することで得られる正孔注入層とを有する。
【0113】
具体的な作製方法について説明すると、ITOからなる透明導電膜上に、PEDOT/PSS水溶液を1500rpmでスピン塗布したあと、常圧にて100℃で10分間ベークし、次に真空雰囲気下にて80℃で10分間ベークすることで、30nmのPEDOT/PSS層(正孔注入層)を得る。
【0114】
次に、黄色発光を呈するPPV誘導体のトルエン溶液(4g/l相当)を調整し、窒素雰囲気下にて、1300rpmでスピン塗布する。その後、80℃で10分間真空ベークを行い、80nmのPPV誘導体層(発光層)を得る。
【0115】
その後、Caを20nm真空蒸着し、さらにAlを100nm真空蒸着することで、陰極を形成する。
【0116】
(実施例3)
本実施例では、図5に示した発光装置の駆動方法について、図6とは異なる駆動方法の一例について説明する。
【0117】
本実施例では表示期間の幾つかを複数に分割し、分割表示期間としてフレーム期間内に分散するように出現させる。具体的に図12では、表示期間及び分割表示期間が、STr、STr、Tr、STr、STr、STr、STr、Tr、STr、STr、STr、STrの順に出現している。
【0118】
Tr、STr、STrは表示期間Tr1の分割表示期間である。また、STr、STr、STrは表示期間Trの分割表示期間である。また、STr、STrは表示期間Trの分割表示期間である。また、STr、STrは表示期間Trの分割表示期間である。
【0119】
本実施例では、少なくとも最上位ビットに対応する表示期間Trを、複数の分割表示期間に分割する。そして、同一ビットに対応する分割表示期間は、間に他のビットに対する表示期間または非表示期間を存在させる。上記構成によって、二進コード法による時間分割駆動において顕著な、偽輪郭などの表示妨害が視認されるのを防ぐことができる。
【0120】
そして、表示期間ごとに書き込み期間Taが設けられており、対応するビットのデジタルビデオ信号が各行の画素に入力され、該デジタルビデオ信号に従って各画素の発光素子が発光する。
【0121】
また、図6に示す駆動方法においては、表示期間Tr、Tr、分割表示期間STr、STr、STr、STr、STrの長さが、対応する書き込み期間Ta5、Ta6、とTa3、Ta4よりも短くなっている。そのため、上記書き込み期間が終了する前に、上記書き込み期間と重なるように非表示期間Te5、Te6と、Te3、Te4が出現する。
【0122】
非表示期間になると発光素子510は全て非発光の状態になり、該行の画素が全て表示しなくなる。そのため、他行において書き込み期間Taが終了していなくとも、該行において表示期間Trが終了する。図6では、分割表示期間STrと表示期間Trの間、表示期間Trと分割表示期間STrの間、分割表示期間STrとSTrの間、分割表示期間STrとSTrの間、分割表示期間STrと表示期間Trの間、表示期間Trと分割表示期間STrの間、分割表示期間STrとSTrの間、分割表示期間STrとSTrの間、分割表示期間STrとSTrの間に存在している。
【0123】
これら非表示期間の長さを調整することで、デューティー比を最適な範囲に納めることができ、信頼性を高めることができる。
【0124】
全ての表示期間が終了すると、1フレーム期間が終了し、1つの画像を表示することができる。
【0125】
表示期間と分割表示期間の長さの比は、(STr+STr+STr):(STr+STr+STr):(STr+STr):(STr+STr):…:Tr=2(n−1):2(n−2):2(n−3):2(n−4):…:2とする。この表示期間と分割表示期間の組み合わせで、1〜2階調のうち、所望の階調表示を行うことができる。
【0126】
【発明の効果】
このように、非表示期間の長さを制御し、最適なデューティー比を用いて駆動することで、発光素子の劣化を抑えて一定の輝度が得られ、発光装置の信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発光素子の時間経過に伴う輝度の変化の実測値。
【図2】デューティー比と輝度の変化の関係を示す実測値。
【図3】デューティー比と電流密度の関係を示す図。
【図4】発光装置の画素部の回路図。
【図5】発光装置の画素回路図。
【図6】本発明の駆動方法を示す図。
【図7】発光装置の画素部の回路図。
【図8】発光装置の画素回路図。
【図9】本発明の駆動方法を示す図。
【図10】駆動回路のブロック図。
【図11】測定に用いた発光素子の構成を示す図。
【図12】本発明の駆動方法を示す図。
【図13】表示期間と書き込み期間の出現のタイミングを示す図。
【図14】表示期間と書き込み期間の出現のタイミングを示す図。
【図15】発光素子の輝度の劣化の様子を示す図。
【図16】各条件における、X時間後の発光素子の輝度の低下量を示すグラフ。
【図17】各条件における、X時間後の発光素子の輝度の低下量を示すグラフ。

Claims (12)

  1. 発光素子を有する発光装置のデューティー比の決定方法であって、
    前記発光素子の輝度を特定の値に定めたときの、前記発光素子の電流密度に値するX時間後の輝度の低下量と、前記発光素子のデューティー比に対するX時間後の輝度の低下量とを積算することで得られる特性において、輝度の低下量の最小値の1.5倍以下の輝度の低下量が得られるデューティー比の範囲内において、前記発光装置のデューティー比を定めることを特徴とするデューティー比の決定方法。
  2. 発光素子を有する発光装置のデューティー比の決定方法であって、
    前記発光素子の輝度を特定の値に定めたときの、前記発光素子の電流密度に値するX時間後の輝度の低下量と、前記発光素子のデューティー比に対するX時間後の輝度の低下量とを積算することで得られる特性において、輝度の低下量の最小値の1.2倍未満の輝度の低下量が得られるデューティー比の範囲内において、前記発光装置のデューティー比を定めることを特徴とするデューティー比の決定方法。
  3. 発光素子を有する発光装置の駆動方法であって、
    36%±20%の範囲内のデューティー比で駆動することを特徴とする発光装置の駆動方法。
  4. 発光素子を有する発光装置の駆動方法であって、
    20%より高くかつ50%未満の範囲内のデューティー比で駆動することを特徴とする発光装置の駆動方法。
  5. 発光素子を有する発光装置の駆動方法であって、
    前記発光素子の輝度を特定の値に定めたときの、前記発光素子の電流密度に値するX時間後の輝度の低下量と、前記発光素子のデューティー比に対するX時間後の輝度の低下量とを積算することで得られる特性において、輝度の低下量の最小値の1.5倍以下の輝度の低下量が得られる範囲内のデューティー比で駆動することを特徴とする発光装置の駆動方法。
  6. 発光素子をそれぞれ有する画素が複数設けられた発光装置の駆動方法であって、
    前記発光素子の輝度を特定の値に定めたときの、前記発光素子の電流密度に値するX時間後の輝度の低下量と、前記発光素子のデューティー比に対するX時間後の輝度の低下量とを積算することで得られる特性において、輝度の低下量の最小値の1.5倍以下の輝度の低下量が得られる範囲内のデューティー比で駆動し、
    前記デューティー比は、全ての前記複数の画素において、前記陽極と陰極に同じ電圧が印加されているかもしくは逆バイアスの電圧が印加されている第1の期間の、1フレーム期間に占める割合を変えることで制御されることを特徴とする発光装置の駆動方法。
  7. 発光素子をそれぞれ有する画素が複数設けられた発光装置の駆動方法であって、
    前記発光素子の輝度を特定の値に定めたときの、前記発光素子の電流密度に値するX時間後の輝度の低下量と、前記発光素子のデューティー比に対するX時間後の輝度の低下量とを積算することで得られる特性において、輝度の低下量の最小値の1.5倍以下の輝度の低下量が得られる範囲内のデューティー比で駆動し、
    前記デューティー比は、前記複数の各画素ごとに、前記陽極と陰極に同じ電圧が印加されているかもしくは逆バイアスの電圧が印加されている第1の期間の、1フレーム期間に占める割合を変えることで制御されることを特徴とする発光装置の駆動方法。
  8. 発光素子を有する発光装置の駆動方法であって、
    前記発光素子の輝度を特定の値に定めたときの、前記発光素子の電流密度に値するX時間後の輝度の低下量と、前記発光素子のデューティー比に対するX時間後の輝度の低下量とを積算することで得られる特性において、輝度の低下量の最小値の1.2倍未満の輝度の低下量が得られる範囲内のデューティー比で駆動することを特徴とする発光装置の駆動方法。
  9. 発光素子をそれぞれ有する画素が複数設けられた発光装置の駆動方法であって、
    前記発光素子の輝度を特定の値に定めたときの、前記発光素子の電流密度に値するX時間後の輝度の低下量と、前記発光素子のデューティー比に対するX時間後の輝度の低下量とを積算することで得られる特性において、輝度の低下量の最小値の1.2倍未満の輝度の低下量が得られる範囲内のデューティー比で駆動し、
    前記デューティー比は、全ての前記複数の画素において、前記陽極と陰極に同じ電圧が印加されているかもしくは逆バイアスの電圧が印加されている第1の期間の、1フレーム期間に占める割合を変えることで制御されることを特徴とする発光装置の駆動方法。
  10. 発光素子をそれぞれ有する画素が複数設けられた発光装置の駆動方法であって、
    前記発光素子の輝度を特定の値に定めたときの、前記発光素子の電流密度に値するX時間後の輝度の低下量と、前記発光素子のデューティー比に対するX時間後の輝度の低下量とを積算することで得られる特性において、輝度の低下量の最小値の1.2倍未満の輝度の低下量が得られる範囲内のデューティー比で駆動し、
    前記デューティー比は、前記複数の各画素ごとに、前記陽極と陰極に同じ電圧が印加されているかもしくは逆バイアスの電圧が印加されている第1の期間の、1フレーム期間に占める割合を変えることで制御されることを特徴とする発光装置の駆動方法。
  11. 請求項3乃至請求項10のいずれか1項において、前記発光素子が発光する期間をビデオ信号により制御することで、階調を表示することを特徴とする発光装置の駆動方法。
  12. 請求項3乃至請求項11のいずれか1項において、前記発光素子の輝度をビデオ信号により制御することで、階調を表示することを特徴とする発光装置の駆動方法。
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