JP2004061956A - 光送信装置及びその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】与えられた条件で光変調器の最大の消光比が得られる光送信装置を提供することを目的とする。
【解決手段】光変調器20に対する入力信号の振幅の所定の片側のみが振幅変調された状態とし、当該入力信号の振幅の片側が光変調器の変調特性曲線の極小部分に適用されるように同入力信号のレベルを制御する構成である。
【選択図】 図10
【解決手段】光変調器20に対する入力信号の振幅の所定の片側のみが振幅変調された状態とし、当該入力信号の振幅の片側が光変調器の変調特性曲線の極小部分に適用されるように同入力信号のレベルを制御する構成である。
【選択図】 図10
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は例えばマッハツェンダ型の光変調器を備えた光送信装置及び同光送信装置の制御方法に係り、特に同光変調器の消光比を効果的に維持可能な構成を有する光送信装置及び光送信装置の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光通信システムに使用される光送信器において、半導体レーザに供給する電流をデータ信号により変調する直接変調方式が知られている。しかしながら、この直接変調方式では、光ファイバ内の波長分散の影響により、伝送速度が高くなるに従って出力される光信号における動的波長変動(チャーピング)の影響が大きくなる傾向があり、長距離伝送には適さないと考えられる。そこで、原理的にチャーピングが生じにくいマッハツェンダ型の光変調器を備えた光送信器が検討されている。
【0003】
このマッハツェンダ型の光変調器を利用した光送信装置では、長距離伝送における信号の減衰があっても所定の精度で信号伝送を達成可能なように、所謂消光比の維持が必須である。
【0004】
図1は従来の一例の光送信器の概略構成を示すブロック図である。図中、マッハツェンダ型光変調器20はLD(レーザダイオード)光源10からの直流光を受け、外部からの電気入力信号に応じて駆動回路40によって駆動されることにより、当該電気入力信号に応じた光信号を送出する。
【0005】
図2にこのマッハツェンダ型変調器の構造図を示し、図3には同マッハツェンダ型光変調器の入力電圧に対する光出力特性を示す。
【0006】
図2に示す如く、マッハツェンダ型光変調器では、光源からの光が2つの導波路上に分岐され、1方の導波路上の電極に入力信号としての電圧を印加することにより、図3に示す如く、同光変調器の変調特性曲線に応じて対応する光出力信号を出力する構成を有する。ここで、この光変調器の印加電圧として高速信号を入力すれば、光出力として高速光信号が得られることとなる。尚、以後、このような、その変調特性曲線のレンジを最大限利用可能なマッハツェンダ型変調器への入力信号の頂部から底部迄の電圧差をVπと称する(図3参照)。
【0007】
ここで上記消光比とは、図3に示す如く、光変調器の光出力波形の最大値VHと最小値VLとの比で決まる値であり、次式で表される。
【0008】
EX=10×LogVH/VL [dB]
この値が悪くなると、光伝送特性が劣化する。また、ビットレートが速くなる程符号間干渉等により消光比が悪くなる傾向にある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の如くの外部光変調方式の光送信器において、この消光比を改善する為の構成に関し、消光比の安定化を行い、もって動作点ドリフトや温度・経年変動によって変調器入力信号の振幅変動が発生しても安定して光出力を供給することを可能とする構成を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題の解決のため、本発明では、主信号を、その振幅の所定の片側のみについて所定の周波数の信号によって振幅変調し、入力信号が印加され当該入力信号に応じ所定の変調特性曲線に従って入射光を変調する光変調器に対し上記所定の周波数の低周波信号で片側振幅変調された入力信号を印加して動作点制御を実行する構成において、前記光変調器に対して更に所定のバイアス信号を印加し、もって上記振幅変調手段によって振幅変調された入力信号波形の振幅の所定の片側が上記光変調器の所定の変調特性曲線の極小部分に適用されるように実質的に前記所定の変調特性曲線に対する前記入力信号のレベルを制御する構成を有する。
【0011】
このような構成とすることにより、何らかの要因で光変調器に対して印加される入力信号の振幅が減少した場合、当該入力信号の振幅のうちの所定の片側が光変調器の変調特性曲線の極小部分に適用されるように実質的に光変調器に対する入力信号のレベルが調節される。その結果、光変調器から発せられる光出力は当該変調特性曲線の主に下側の部分を利用して生成されることとなる。従って光出力波形の頂部(山部)の光強度と底部(谷部)の光強度との比で定義される消光比として、与えられた条件で最大の光消光比を得ることが出来る。
【0012】
【発明の実施の形態】
図4は本発明の第1実施例による光送信装置の概略構成を示すブロック図である。
【0013】
同図に示す光送信装置は、レーザ光を発光する光源10と、マッハツェンダ型光変調器20と、外部から供給される送信信号に応じてマッハツェンダ型光変調器20の電極の一方の端子21に当該送信信号に応じた駆動信号を印加する駆動回路40とよりなる。
【0014】
マッハツェンダ型光変調器20では、駆動回路40によって外部から供給される入力信号(送信信号)に応じて、図3に示す如く、所定の変調特性曲線に従って光源10から照射されるレーザ光を変調し、対応する光出力信号を発生する。この光出力信号が光ファイバを通して遠方の対応する受信装置に対して送信される。
【0015】
同光送信装置は更に、所定の周波数f0の動作点制御用低周波信号を発生して駆動回路40に供給する低周波発信器60を含む。ここで、当該動作点制御用低周波信号の周波数f0は、例えば送信信号の搬送周波数が40kHz乃至を超える範囲であった場合、1kHz等とされ、送信信号の搬送周波数より相当低い周波数が使用される。当該動作点制御用低周波信号は駆動回路40にて、上記送信信号に応じた駆動信号に更に重畳される。
【0016】
更に同光送信装置は、マッハツェンダ型光変調器20の光出力を分岐する光カプラ30、当該光カプラ30からの光分岐信号及び上記低周波発信器60から供給される動作点制御用低周波信号を受け、後述する所定の動作点制御を実行し、その結果マッハツェンダ型光変調器20の電極の他の端子22に動作点制御用バイアス電圧を印加する。
【0017】
更に同光送信装置は、低周波重畳制御回路70を有する。この回路の動作については後述する本発明の第1実施例の動作の説明において併せて説明する。
【0018】
次に、同光送信装置における動作点制御回路50の基本的機能について、図5の動作フローチャート、及び図6、図7の波形図並びに同回路50の回路図と共に説明する。
【0019】
尚、この基本的機能は特開平3−251815号公報で開示されている「外部変調器の制御方式」における「光信号波形の上下部分において主信号に対して十分低い周波数の波形を重畳し、これをモニタPDで検出してマッハツェンダ型光変調器のバイアスを最適位置に維持する構成」と同様である。
【0020】
図6(a)及び図7(a)、(b)は、夫々図3に対応し、上記動作点制御回路50の基本的動作を説明するための図である。
【0021】
まず、図5のステップS1にて、低周波発信器60にて低周波信号を発生する。次にステップS2にて、図4に示すα切り替え信号によって入力されるα値が正か負かにより、負の場合、当該低周波信号の位相を180度反転する。このα切り替え信号とは、例えば図11の(a)と(b)とに示す如く、α値が正の場合にはマッハツェンダ型光変調器20の変調特性曲線の上り傾斜部分を使用し、負の場合には同曲線の下り傾斜部分を使用するというように、同曲線の異なる傾斜部分を選択的に適用するための信号である。尚、ここで、上記αの絶対値は同送信装置の制御に関わる数値であるが、本発明の要旨とは直接関係無いため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0022】
次にステップS3にて、送信信号(主信号)を当該低周波信号で振幅変調(重畳)する。即ち、図6(b)に示すごとく、駆動回路40にて、低周波発信器60が発生した波形f0の極性を極性比較器41で比較し、その正の部分については送信信号の振幅を増加させ、負の部分については送信信号の振幅を減少させる制御を行う。
【0023】
更にステップS4で、マッハツェンダ型光変調器20にて、当該変調後(重畳後)の入力信号でレーザダイオードである光源10の出射光を変調する。そして、ステップS5にて、マッハツェンダ型光変調器20の光出力を光カプラ30で分岐し、一方を同光送信装置の光出力として出力し、他方を動作点制御回路50に入力する。
【0024】
ここで、図6(a)に示すように、低周波発信器60から入力信号に対して駆動回路40を介して周波数f0の低周波信号が重畳された入力信号がVπの最適点に位置する場合、図示の如く入力信号の頂部と底部においてf0の低周波信号が重畳された部分が丁度マッハツェンダ型光変調器の光変調特性曲線の頂部と底部に夫々適用される。そのため、光出力波形の低周波信号は、周波数f0の信号を半波整流した波形となり、その光出力波形の平均値はVH−VLの1/2のレベルで一定となる。
【0025】
その結果、図4の動作点制御回路50において、光カプラ30から分岐入力され、光検出器PDで検出された(ステップS6)検出信号は平坦な波形となり、その信号が電流/電圧変換器51、帯域通過フィルタ52を経た後、位相比較器53にて、上記周波数f0の低周波発信器60の出力波形と位相比較される(図6(b)参照)(ステップS7)。
【0026】
ここで被比較信号である帯域通過フィルタ52の出力は平坦な波形の信号であるために位相比較器53の出力も平坦な波形で且つゼロレベルとなり、その信号が低域通過フィルタ54、増幅器55、低域通過フィルタ56を夫々経た後マッハツェンダ型光変調器20の電極に印加される。この場合、マッハツェンダ型光変調器に印加されるバイアス電圧はゼロとなるため、実質的にバイアスは掛からない。従って、ステップS8以降は該当せず、そのままステップS6に戻る。よってこの場合、入力信号波形が変調器20の変調特性曲線に対して適用される位置は変化しない。尚、上記位相比較器53では、実質的に双方の波形同士をそのDC成分を考慮せずその符号を考慮して掛け合わせる処理を行う。その結果、この場合、一方が平坦であるため、他方の波形である低周波f0とは無関係にその出力波形も平坦となり且つゼロレベルとなる。
【0027】
他方、何らかの要因によって図7(a)に示すように動作点ドリフトが発生し、その結果動作点が最適点からプラス電圧方向に外れた場合、入力波形の頂部と底部は夫々光変調特性曲線の中段の上り傾斜部分及び下り傾斜部分に夫々適用される。その結果、光出力波形は歪み、光出力波形の平均値として、低周波のf0成分が、元の低周波重畳波形と逆位相(180度位相)で検出されることになる(ステップS7,ステップS8のNo)。
【0028】
その結果、動作点制御回路50では図7(c)の上部の波形図で示す如く、このf0が検出され、途中帯域通過フィルタ52にて位相が反転されるため、位相比較器53にて低周波発振器60の位相f0との位相比較では、比較する双方の信号の位相が同位相となる。その結果、位相比較器53の出力波形は正方向に半波整流した如くの波形となり、その信号が、低域通過フィルタ54、反転増幅器55、及び56を経た結果夫々において平均化され且つ反転され、マッハツェンダ型光変調器20にはマイナス方向のバイアスが印加されることとなる。
【0029】
その結果、図7(a)の矢印で示す如く、入力波形が適用される位置はマイナス方向に移動し(ステップS10)、結果的に図6(a)に示す如くの最適位置へと戻るようにとフィードバック制御が行われることとなる。
【0030】
尚、この場合、位相比較器53では、双方の波形が同位相となるため、互いに掛け合わせた結果、常に正方向のみの振幅を有する波形が出力され、これを平均化して反転した結果、負方向のバイアスとなる。
【0031】
同様に図7(b)に示す如くに動作点ドリフトの結果入力波形がマイナス方向にずれた場合、光カプラ30では入力波形と同位相の信号が検出される(ステップS7、ステップS8のYes)。その結果、上記の場合とは逆に、図7(c)の下部の波形図で示す如く、位相比較器53からは逆に負方向に半波整流した如くの波形が出力される。
【0032】
その結果、各反転増幅器54,55,56にて夫々反転され、動作点制御回路50からはプラス方向のバイアス電圧がマッハツェンダ型光変調器20に印加され(ステップS9)、その結果、図7(b)の矢印で示す如く、入力波形はプラス方向に移動し、結果的に図6(a)に示す如くの最適位置へと戻るようとフィードバック制御が行われることとなる。
【0033】
尚、この場合、位相比較器53では、双方の波形が逆位相となるため、互いに掛け合わせた結果、常に負方向のみの振幅を有する波形が出力され、これを平均化し手反転した結果、正方向のバイアスとなる。
【0034】
このような制御において、例えば温度変動・経年劣化等によって図8に示す如くに入力信号の振幅が減少した場合、上に図6、図7と共に説明した如く、波形の平均値として低周波信号f0が光出力されないように制御をかけているため、図9に示すように、入力信号波形の上部と下部の振幅による光出力波形の上部と下部の振幅が打ち消しあってf0出力が無くなる、即ち平坦な光出力となるバイアス点で安定する。この場合、以下の如く、出力波形における消光比は劣化する。
【0035】
即ち、劣化前、例えば図6(a)の状態、即ち変調器20の変調特性曲線の頂点と谷点との間のレンジを最大限活かした状態における消光比は
EX=10×LogVH/VL [dB]
の通りであるが、劣化後、即ち図9の状態では
EXd=10×Log(VH−ΔV)/(VL+ΔV) [dB]
であり明らかに
EXd<EX
となる。
【0036】
このように温度変動・経年劣化等で駆動振幅が変動してしまうと消光比が劣化し、伝送特性に悪影響を与える。従って、本発明の第1実施例では、この消光比が常に最良となるような制御を行う。この制御の内容について、図10の動作フローチャート及び図11、図12の波形図と共に説明する。
【0037】
図10において、ステップS21、S22,S26,S27,S28,S29,S30,S31は、夫々上記図5の動作フローチャートにおけるS1,S2,S5,S6,S7,S8、S9,S10と同様であるため、重複した説明を省略する。
【0038】
図10において、ステップS24では、図4における低周波重畳制御回路70によって、既に低周波発信器60によって振幅変調を受けた波形に対し、更に、上記α値が正の際には低周波発信器60が発生した低周波信号と同じ周波数f0且つ位相を180度反転した低周波信号を重畳し、α値が負の際には低周波発信器60が発生した低周波信号と同じ周波数f0且つ同位相の低周波信号を重畳する。
【0039】
その結果、図11に示す如く、αが正の場合(同図(a))には入力波形の頂部の振幅変調分が打ち消され、結果的に谷部の振幅変調分のみを有する片側振幅変調波形となる。
【0040】
更にステップS25では、ステップS24の重畳処理によって得られた片側変調された状態の入力信号をマッハツェンダ型光変調器20に印加し、同変調器20の所定の変調特性曲線に従って入射光を変調する。
【0041】
図11及び図12は、夫々入力信号の振幅が減衰して図3に示すVπより小さくなった場合における図10に示す制御前後の出力波形を示す。図11(a)はαがプラス1の場合であり、同図下方に示す如く、上記ステップS24の重畳処理、即ちf0の低周波信号で振幅変調された送信信号にf0の低周波信号の位相が180度反転された信号が重畳されることによって、上述の如く、振幅変調された送信信号の上部の振幅変調分が打ち消され、その結果下部のみの片側振幅変調された波形が得られる。
【0042】
これをステップS26にてマッハツェンダ型光変調器20に印加することによって得られる光出力は振幅変調したf0の低周波信号と逆位相の波形となる(ステップS29のNo)。従って図7の例と同様に入力信号の底部の振幅変調部分の振幅が光出力として小さくなるように制御動作がなされる。その結果図7の例同様入力信号波形が変調特性曲線に対して適用される位置はマイナス方向に移動し(ステップS31)、図12(a)に示す如く、入力信号の下部の振幅変調部分が変調特性波形の谷部分に適用される状態で安定する。
【0043】
同様に図11(b)はαが−1の場合であり、同図下方に示す如く、上記ステップS24の重畳処理、即ちf0の低周波信号で振幅変調された送信信号にf0の低周波信号と同位相の信号が重畳されることによって、振幅変調後の送信信号の下部の振幅変調分が打ち消され、その結果上部のみ片側振幅変調された波形が得られる。
【0044】
これをステップS26にてマッハツェンダ型光変調器20に印加することによって得られる光出力は、振幅変調したf0の低周波信号と逆位相の波形となる。又、この場合ステップS22にて既に低周波信号の位相を反転しているため、反転前の低周波信号の位相とマッハツェンダ型光変調器20の光出力波形の位相とは同位相となる(ステップS29のYes)。
【0045】
従って図7(b)の例と同様に入力信号が変調特性曲線に対して適用される位置がプラス方向に移動するようにバイアス制御がなされる(ステップS30)。その結果、入力信号の頂部の振幅変調部分の振幅が、光変調後の光出力において小さくなるように制御動作がなされる。そして結果的には図12(b)に示す如く、入力信号の上部の振幅変調部分が変調特性波形の谷部分に適用される状態で安定する。
【0046】
このようにして、本発明の第1実施例による動作点制御によれば、入力信号の振幅の所定の片側がマッハツェンダ型光変調器20の変調特性曲線の谷部分に適用される位置となるようにバイアス制御がなされる。その結果、図12(a)、(b)の夫々の波形図で示される如く、入力信号の振幅が光変調特性曲線の主に下側に対して適用され、上側の部分に不使用部分ΔVが存在することとなる。
【0047】
ここで、上述の如く光出力波形の最大値と最小値との比によって定義される消光比は、分子の変化量に対して、分母の変化量の方がより大きく計算結果に対して影響する。そのため、消光比を良くする為には、光出力波形のL側をVπの下端部、即ち光変調特性曲線の谷側により近付けることが有効であり、それは、上述のごとく、図11(a)、(b)にて示す如く、マッハツェンダ型光変調器20に対する入力信号に対する低周波信号の重畳を片側のみとすることで達成可能である。
【0048】
次に、図13、図14、図15と共に、本発明の第2実施例について説明する。
【0049】
この第2実施例では、外部から供給される送信信号がオフとなった際に、光源10をオフとせずにマッハツェンダ型光変調器20の光出力を実施的にオフにし得る構成を有する。尚、ここで、第2実施例は図13にその構成を示す如く、上述の第1実施例と同様の構成を有し、第1実施例の構成においても実現可能である。但し、後述の如く、第2実施例ではマッハツェンダ型光変調器20に対する入力信号に対し、低周波f0の信号で振幅変調後常に同低周波f0の信号の逆位相の信号を重畳する。したがって、図11(a)に示すαが正の場合に相当する。
【0050】
ここで、図13にて、駆動回路40にシャットダウン信号SDが入力されて図14の下段に示す如く送信信号の振幅がゼロとなる場合を考える。
【0051】
上記の如く、この第2実施例でも第1実施例同様当該送信信号波形に対し、低周波発信器60によるf0の振幅変調が施され、その後、低周波重畳制御回路70の制御によってf0の低周波信号が重畳される。そしてそのようにして得られた入力信号がマッハツェンダ型光変調器20に印加される。そしてこの場合、送信信号がオフであって上記40kHz超の高周波の主信号成分を含まないため、マッハツェンダ型光変調器20に印加される入力信号は図14に示す如くf0の低周波成分のみを含むものとなる。
【0052】
その結果、図14の右側に示す如く、上記低周波信号とは逆位相の光出力波形が得られる(ステップS29のNo)。したがって第1実施例の図11(a)の場合同様の動作点制御動作により、入力信号波形が光変調特性曲線に対して適用される位置がマイナス方向に移動するようにバイアスが掛けられ、その結果、図15に示す如く、入力信号の振幅変調部分、即ち入力信号波形そのものが光変調特性曲線の谷部分に適用される位置で安定する。その結果、同図に示す如く、光出力はゼロに近い状態で安定する。よってマッハツェンダ型光変調器20の光出力は実質的にオフ状態となる。
【0053】
このように本発明の第2実施例では、比較的簡易な構成で、主信号がオフ状態となった際に光源をオフとしなくても自動的にマッハツェンダ型光変調器20の光出力をオフ状態とすることが可能である。
【0054】
このように、本発明では、比較的簡易な構成で、温度・電源変動・経年変化等に対して送信信号の振幅が変化した場合でも、消光比を常に最大限とすることが可能であり、もって光伝送特性の安定化が可能である。特に、今後伝送速度が超高速になった場合、駆動回路の出力である光変調器の入力信号の振幅が減少する傾向にあるが、そのような場合でも、本発明によれば消光比を常に最適に保つことが可能である。
【0055】
本発明の以下の付記に記載の構成を含む。
【0056】
(付記1)
主信号を所定の周波数の信号によって振幅の所定の片側のみ振幅変調する振幅変調手段と、
上記振幅変調手段によって上記所定の周波数の低周波信号で片側振幅変調された入力信号が印加され、当該入力信号に応じて、所定の変調特性曲線に従って入射光を変調する光変調器と、
前記光変調器に対して所定のバイアス信号を印加し、もって上記振幅変調手段によって振幅変調された入力信号波形の振幅の所定の片側が上記光変調器の所定の変調特性曲線の極小部分に適用されるように実質的に前記所定の変調特性曲線に対して適用される前記入力信号のレベルを制御する動作点制御手段とよりなる光送信装置。
【0057】
(付記2)
前記振幅変調手段は、主信号を上記所定の周波数で振幅変調し、当該振幅変調後の信号に対して更に上記所定の周波数で同相又は逆相の信号を重畳することによって上記主信号の振幅の片側の振幅変調分を打ち消すことによって上記所定の周波数で片側のみ振幅変調された信号を発生する構成の付記1に記載の光送信装置。
【0058】
(付記3)
前記振幅変調手段は、前記光変調器に対する入力信号が前記光変調器の所定の変調特性曲線の上り傾斜部分に適用されるモードでは前記入力信号波形の底部のみ振幅変調され、所定の変調特性曲線の下り傾斜部分に適用されるモードでは前記入力信号波形の頂部のみ振幅変調された状態の入力信号を前記光変調器に印加する構成の付記1又は2に記載の光送信装置。
【0059】
(付記4)
主信号を所定の周波数の信号によって振幅変調する振幅変調手段と、
上記振幅変調手段によって上記所定の周波数の低周波信号で振幅変調された入力信号が印加され、当該入力信号に応じて、所定の変調特性曲線に従って入射光を変調する光変調器と
前記光変調器に対して所定のバイアス信号を印加し、もって主信号がオフ状態となった際、上記振幅変調手段によって振幅変調された入力信号波形が上記光変調器の所定の変調特性曲線の極小部分に適用されるように実質的に前記所定の変調特性曲線に対して適用される前記入力信号のレベルを制御する動作点制御手段とよりなる光送信装置。
【0060】
(付記5)
前記動作点制御手段は位相比較手段よりなり、光変調器の光出力波形と前記所定の周波数の信号の波形とを比較し、両者の波形が互いに同相であるか逆相であるかによって光変調器に対して相対する方向にバイアスを掛ける構成の付記1乃至4のうちのいずれかに記載の光送信装置。
【0061】
(付記6)
前記光変調器はマッハツェンダ型光変調器よりなる付記1乃至5のうちのいずれかに記載の光送信装置。
【0062】
(付記7)
所定の周波数の信号によって主信号の振幅の片側のみが振幅変調された状態に変換する振幅変調段階と、
入力信号が印加され当該入力信号に応じて、所定の変調特性曲線に従って入射光を変調する光変調器に対し、上記振幅変調段階にて上記所定の周波数の低周波信号で片側振幅変調された入力信号を印加する入力信号印加段階と、
前記光変調器に対して更に所定のバイアス信号を印加し、もって上記振幅変調手段によって振幅変調された入力信号波形の振幅の上記所定の片側が上記光変調器の所定の変調特性曲線の極小部分に適用されるように実質的に前記所定の変調特性曲線に対して適用される前記入力信号のレベルを制御する動作点制御段階とよりなる光送信装置の制御方法。
【0063】
(付記8)
前記振幅変調段階は、主信号を上記所定の周波数で振幅変調し、当該振幅変調後の信号に対して更に上記所定の周波数で同相又は逆相の信号を重畳することによって上記主信号の振幅の片側の振幅変調分を打ち消すことによって上記所定の周波数で片側振幅変調された信号を発生する構成の付記7に記載の光送信装置。
【0064】
(付記9)
前記振幅変調段階は、前記光変調器に対する入力信号が前記光変調器の所定の変調特性曲線の上り傾斜部分に適用されるモードでは前記入力信号波形の底部のみ振幅変調され、所定の変調特性曲線の下り傾斜部分に適用されるモードでは前記入力信号波形の頂部のみ振幅変調された状態の入力信号を前記光変調器に印加する構成の付記7又は8に記載の光送信装置の制御方法。
【0065】
(付記10)
主信号を所定の周波数の信号によって振幅変調する振幅変調段階と、
入力信号が印加され当該入力信号に応じて所定の変調特性曲線に従って入射光を変調する光変調器に対し、上記振幅変調段階にて上記所定の周波数の低周波信号で振幅変調された入力信号を印加する入力信号印加段階と、
前記光変調器に対して更に所定のバイアス信号を印加し、もって主信号がオフ状態となった際、上記振幅変調手段によって振幅変調された入力信号波形が上記光変調器の所定の変調特性曲線の極小部分に適用されるように実質的に前記所定の変調特性曲線に対して適用される前記入力信号のレベルを制御する動作点制御段階とよりなる光送信装置の制御方法。
【0066】
(付記11)
前記動作点制御段階は位相比較段階よりなり、当該位相比較段階では、光変調器の光出力波形と前記所定の周波数の信号の波形とを比較し、両者の波形が同相であるか逆相であるかによって光変調器に対して相対する方向にバイアスを掛ける構成の付記7乃至10のうちのいずれかに記載の光送信装置の制御方法。
【0067】
(付記12)
前記光変調器はマッハツェンダ型光変調器よりなる付記7乃至11のうちのいずれかに記載の光送信装置の制御方法。
【0068】
【発明の効果】
本発明によれば、光変調器に対する入力信号の振幅の所定の片側のみが振幅変調された状態とし、当該入力信号の振幅の片側が光変調器の変調特性曲線の極小部分に適用されるように変調特性曲線に対して適用される同入力信号のレベルを制御する。その結果、何らかの要因で光変調器に対する入力信号の振幅が減少した場合であっても、常に主に変調特性曲線の下側部分が使用されることとなり、従って与えられた条件で最大の消光比が得られる構成を提供可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の一例の光送信装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示すマッハツェンダ型光変調器の原理を説明するための図である。
【図3】図2に示すマッハツェンダ型光変調器の入出力特性を説明するための図である。
【図4】本発明の第1実施例による光送信装置の概略構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第1実施例による光送信装置の動作点制御動作の流れを示すフローチャート(その1)である。
【図6】本発明の第1実施例による光送信装置の動作点制御動作を説明するための図(その1)である。
【図7】本発明の第1実施例による光送信装置の動作点制御動作を説明するための図(その2)である。
【図8】本発明の第1実施例による光送信装置の動作点制御動作を説明するための図(その3)である。
【図9】本発明の第1実施例による光送信装置の動作点制御動作を説明するための図(その4)である。
【図10】本発明の第1実施例による光送信装置の動作点制御動作の流れを示すフローチャート(その2)である。
【図11】本発明の第1実施例による光送信装置の動作点制御動作を説明するための図(その5)である。
【図12】本発明の第1実施例による光送信装置の動作点制御動作を説明するための図(その6)である。
【図13】本発明の第2実施例による光送信装置の概略構成を示すブロック図である。
【図14】本発明の第2実施例による光送信装置によるシャットダウン動作を説明するための図(その1)である。
【図15】本発明の第2実施例による光送信装置によるシャットダウン動作を説明するための図(その2)である。
【符号の説明】
10 光源
20 マッハツェンダ型光変調器
30 光カプラ
40 駆動装置
50 動作点制御回路
60 低周波発信器
70 低周波重畳制御回路
【発明の属する技術分野】
本発明は例えばマッハツェンダ型の光変調器を備えた光送信装置及び同光送信装置の制御方法に係り、特に同光変調器の消光比を効果的に維持可能な構成を有する光送信装置及び光送信装置の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光通信システムに使用される光送信器において、半導体レーザに供給する電流をデータ信号により変調する直接変調方式が知られている。しかしながら、この直接変調方式では、光ファイバ内の波長分散の影響により、伝送速度が高くなるに従って出力される光信号における動的波長変動(チャーピング)の影響が大きくなる傾向があり、長距離伝送には適さないと考えられる。そこで、原理的にチャーピングが生じにくいマッハツェンダ型の光変調器を備えた光送信器が検討されている。
【0003】
このマッハツェンダ型の光変調器を利用した光送信装置では、長距離伝送における信号の減衰があっても所定の精度で信号伝送を達成可能なように、所謂消光比の維持が必須である。
【0004】
図1は従来の一例の光送信器の概略構成を示すブロック図である。図中、マッハツェンダ型光変調器20はLD(レーザダイオード)光源10からの直流光を受け、外部からの電気入力信号に応じて駆動回路40によって駆動されることにより、当該電気入力信号に応じた光信号を送出する。
【0005】
図2にこのマッハツェンダ型変調器の構造図を示し、図3には同マッハツェンダ型光変調器の入力電圧に対する光出力特性を示す。
【0006】
図2に示す如く、マッハツェンダ型光変調器では、光源からの光が2つの導波路上に分岐され、1方の導波路上の電極に入力信号としての電圧を印加することにより、図3に示す如く、同光変調器の変調特性曲線に応じて対応する光出力信号を出力する構成を有する。ここで、この光変調器の印加電圧として高速信号を入力すれば、光出力として高速光信号が得られることとなる。尚、以後、このような、その変調特性曲線のレンジを最大限利用可能なマッハツェンダ型変調器への入力信号の頂部から底部迄の電圧差をVπと称する(図3参照)。
【0007】
ここで上記消光比とは、図3に示す如く、光変調器の光出力波形の最大値VHと最小値VLとの比で決まる値であり、次式で表される。
【0008】
EX=10×LogVH/VL [dB]
この値が悪くなると、光伝送特性が劣化する。また、ビットレートが速くなる程符号間干渉等により消光比が悪くなる傾向にある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の如くの外部光変調方式の光送信器において、この消光比を改善する為の構成に関し、消光比の安定化を行い、もって動作点ドリフトや温度・経年変動によって変調器入力信号の振幅変動が発生しても安定して光出力を供給することを可能とする構成を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題の解決のため、本発明では、主信号を、その振幅の所定の片側のみについて所定の周波数の信号によって振幅変調し、入力信号が印加され当該入力信号に応じ所定の変調特性曲線に従って入射光を変調する光変調器に対し上記所定の周波数の低周波信号で片側振幅変調された入力信号を印加して動作点制御を実行する構成において、前記光変調器に対して更に所定のバイアス信号を印加し、もって上記振幅変調手段によって振幅変調された入力信号波形の振幅の所定の片側が上記光変調器の所定の変調特性曲線の極小部分に適用されるように実質的に前記所定の変調特性曲線に対する前記入力信号のレベルを制御する構成を有する。
【0011】
このような構成とすることにより、何らかの要因で光変調器に対して印加される入力信号の振幅が減少した場合、当該入力信号の振幅のうちの所定の片側が光変調器の変調特性曲線の極小部分に適用されるように実質的に光変調器に対する入力信号のレベルが調節される。その結果、光変調器から発せられる光出力は当該変調特性曲線の主に下側の部分を利用して生成されることとなる。従って光出力波形の頂部(山部)の光強度と底部(谷部)の光強度との比で定義される消光比として、与えられた条件で最大の光消光比を得ることが出来る。
【0012】
【発明の実施の形態】
図4は本発明の第1実施例による光送信装置の概略構成を示すブロック図である。
【0013】
同図に示す光送信装置は、レーザ光を発光する光源10と、マッハツェンダ型光変調器20と、外部から供給される送信信号に応じてマッハツェンダ型光変調器20の電極の一方の端子21に当該送信信号に応じた駆動信号を印加する駆動回路40とよりなる。
【0014】
マッハツェンダ型光変調器20では、駆動回路40によって外部から供給される入力信号(送信信号)に応じて、図3に示す如く、所定の変調特性曲線に従って光源10から照射されるレーザ光を変調し、対応する光出力信号を発生する。この光出力信号が光ファイバを通して遠方の対応する受信装置に対して送信される。
【0015】
同光送信装置は更に、所定の周波数f0の動作点制御用低周波信号を発生して駆動回路40に供給する低周波発信器60を含む。ここで、当該動作点制御用低周波信号の周波数f0は、例えば送信信号の搬送周波数が40kHz乃至を超える範囲であった場合、1kHz等とされ、送信信号の搬送周波数より相当低い周波数が使用される。当該動作点制御用低周波信号は駆動回路40にて、上記送信信号に応じた駆動信号に更に重畳される。
【0016】
更に同光送信装置は、マッハツェンダ型光変調器20の光出力を分岐する光カプラ30、当該光カプラ30からの光分岐信号及び上記低周波発信器60から供給される動作点制御用低周波信号を受け、後述する所定の動作点制御を実行し、その結果マッハツェンダ型光変調器20の電極の他の端子22に動作点制御用バイアス電圧を印加する。
【0017】
更に同光送信装置は、低周波重畳制御回路70を有する。この回路の動作については後述する本発明の第1実施例の動作の説明において併せて説明する。
【0018】
次に、同光送信装置における動作点制御回路50の基本的機能について、図5の動作フローチャート、及び図6、図7の波形図並びに同回路50の回路図と共に説明する。
【0019】
尚、この基本的機能は特開平3−251815号公報で開示されている「外部変調器の制御方式」における「光信号波形の上下部分において主信号に対して十分低い周波数の波形を重畳し、これをモニタPDで検出してマッハツェンダ型光変調器のバイアスを最適位置に維持する構成」と同様である。
【0020】
図6(a)及び図7(a)、(b)は、夫々図3に対応し、上記動作点制御回路50の基本的動作を説明するための図である。
【0021】
まず、図5のステップS1にて、低周波発信器60にて低周波信号を発生する。次にステップS2にて、図4に示すα切り替え信号によって入力されるα値が正か負かにより、負の場合、当該低周波信号の位相を180度反転する。このα切り替え信号とは、例えば図11の(a)と(b)とに示す如く、α値が正の場合にはマッハツェンダ型光変調器20の変調特性曲線の上り傾斜部分を使用し、負の場合には同曲線の下り傾斜部分を使用するというように、同曲線の異なる傾斜部分を選択的に適用するための信号である。尚、ここで、上記αの絶対値は同送信装置の制御に関わる数値であるが、本発明の要旨とは直接関係無いため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0022】
次にステップS3にて、送信信号(主信号)を当該低周波信号で振幅変調(重畳)する。即ち、図6(b)に示すごとく、駆動回路40にて、低周波発信器60が発生した波形f0の極性を極性比較器41で比較し、その正の部分については送信信号の振幅を増加させ、負の部分については送信信号の振幅を減少させる制御を行う。
【0023】
更にステップS4で、マッハツェンダ型光変調器20にて、当該変調後(重畳後)の入力信号でレーザダイオードである光源10の出射光を変調する。そして、ステップS5にて、マッハツェンダ型光変調器20の光出力を光カプラ30で分岐し、一方を同光送信装置の光出力として出力し、他方を動作点制御回路50に入力する。
【0024】
ここで、図6(a)に示すように、低周波発信器60から入力信号に対して駆動回路40を介して周波数f0の低周波信号が重畳された入力信号がVπの最適点に位置する場合、図示の如く入力信号の頂部と底部においてf0の低周波信号が重畳された部分が丁度マッハツェンダ型光変調器の光変調特性曲線の頂部と底部に夫々適用される。そのため、光出力波形の低周波信号は、周波数f0の信号を半波整流した波形となり、その光出力波形の平均値はVH−VLの1/2のレベルで一定となる。
【0025】
その結果、図4の動作点制御回路50において、光カプラ30から分岐入力され、光検出器PDで検出された(ステップS6)検出信号は平坦な波形となり、その信号が電流/電圧変換器51、帯域通過フィルタ52を経た後、位相比較器53にて、上記周波数f0の低周波発信器60の出力波形と位相比較される(図6(b)参照)(ステップS7)。
【0026】
ここで被比較信号である帯域通過フィルタ52の出力は平坦な波形の信号であるために位相比較器53の出力も平坦な波形で且つゼロレベルとなり、その信号が低域通過フィルタ54、増幅器55、低域通過フィルタ56を夫々経た後マッハツェンダ型光変調器20の電極に印加される。この場合、マッハツェンダ型光変調器に印加されるバイアス電圧はゼロとなるため、実質的にバイアスは掛からない。従って、ステップS8以降は該当せず、そのままステップS6に戻る。よってこの場合、入力信号波形が変調器20の変調特性曲線に対して適用される位置は変化しない。尚、上記位相比較器53では、実質的に双方の波形同士をそのDC成分を考慮せずその符号を考慮して掛け合わせる処理を行う。その結果、この場合、一方が平坦であるため、他方の波形である低周波f0とは無関係にその出力波形も平坦となり且つゼロレベルとなる。
【0027】
他方、何らかの要因によって図7(a)に示すように動作点ドリフトが発生し、その結果動作点が最適点からプラス電圧方向に外れた場合、入力波形の頂部と底部は夫々光変調特性曲線の中段の上り傾斜部分及び下り傾斜部分に夫々適用される。その結果、光出力波形は歪み、光出力波形の平均値として、低周波のf0成分が、元の低周波重畳波形と逆位相(180度位相)で検出されることになる(ステップS7,ステップS8のNo)。
【0028】
その結果、動作点制御回路50では図7(c)の上部の波形図で示す如く、このf0が検出され、途中帯域通過フィルタ52にて位相が反転されるため、位相比較器53にて低周波発振器60の位相f0との位相比較では、比較する双方の信号の位相が同位相となる。その結果、位相比較器53の出力波形は正方向に半波整流した如くの波形となり、その信号が、低域通過フィルタ54、反転増幅器55、及び56を経た結果夫々において平均化され且つ反転され、マッハツェンダ型光変調器20にはマイナス方向のバイアスが印加されることとなる。
【0029】
その結果、図7(a)の矢印で示す如く、入力波形が適用される位置はマイナス方向に移動し(ステップS10)、結果的に図6(a)に示す如くの最適位置へと戻るようにとフィードバック制御が行われることとなる。
【0030】
尚、この場合、位相比較器53では、双方の波形が同位相となるため、互いに掛け合わせた結果、常に正方向のみの振幅を有する波形が出力され、これを平均化して反転した結果、負方向のバイアスとなる。
【0031】
同様に図7(b)に示す如くに動作点ドリフトの結果入力波形がマイナス方向にずれた場合、光カプラ30では入力波形と同位相の信号が検出される(ステップS7、ステップS8のYes)。その結果、上記の場合とは逆に、図7(c)の下部の波形図で示す如く、位相比較器53からは逆に負方向に半波整流した如くの波形が出力される。
【0032】
その結果、各反転増幅器54,55,56にて夫々反転され、動作点制御回路50からはプラス方向のバイアス電圧がマッハツェンダ型光変調器20に印加され(ステップS9)、その結果、図7(b)の矢印で示す如く、入力波形はプラス方向に移動し、結果的に図6(a)に示す如くの最適位置へと戻るようとフィードバック制御が行われることとなる。
【0033】
尚、この場合、位相比較器53では、双方の波形が逆位相となるため、互いに掛け合わせた結果、常に負方向のみの振幅を有する波形が出力され、これを平均化し手反転した結果、正方向のバイアスとなる。
【0034】
このような制御において、例えば温度変動・経年劣化等によって図8に示す如くに入力信号の振幅が減少した場合、上に図6、図7と共に説明した如く、波形の平均値として低周波信号f0が光出力されないように制御をかけているため、図9に示すように、入力信号波形の上部と下部の振幅による光出力波形の上部と下部の振幅が打ち消しあってf0出力が無くなる、即ち平坦な光出力となるバイアス点で安定する。この場合、以下の如く、出力波形における消光比は劣化する。
【0035】
即ち、劣化前、例えば図6(a)の状態、即ち変調器20の変調特性曲線の頂点と谷点との間のレンジを最大限活かした状態における消光比は
EX=10×LogVH/VL [dB]
の通りであるが、劣化後、即ち図9の状態では
EXd=10×Log(VH−ΔV)/(VL+ΔV) [dB]
であり明らかに
EXd<EX
となる。
【0036】
このように温度変動・経年劣化等で駆動振幅が変動してしまうと消光比が劣化し、伝送特性に悪影響を与える。従って、本発明の第1実施例では、この消光比が常に最良となるような制御を行う。この制御の内容について、図10の動作フローチャート及び図11、図12の波形図と共に説明する。
【0037】
図10において、ステップS21、S22,S26,S27,S28,S29,S30,S31は、夫々上記図5の動作フローチャートにおけるS1,S2,S5,S6,S7,S8、S9,S10と同様であるため、重複した説明を省略する。
【0038】
図10において、ステップS24では、図4における低周波重畳制御回路70によって、既に低周波発信器60によって振幅変調を受けた波形に対し、更に、上記α値が正の際には低周波発信器60が発生した低周波信号と同じ周波数f0且つ位相を180度反転した低周波信号を重畳し、α値が負の際には低周波発信器60が発生した低周波信号と同じ周波数f0且つ同位相の低周波信号を重畳する。
【0039】
その結果、図11に示す如く、αが正の場合(同図(a))には入力波形の頂部の振幅変調分が打ち消され、結果的に谷部の振幅変調分のみを有する片側振幅変調波形となる。
【0040】
更にステップS25では、ステップS24の重畳処理によって得られた片側変調された状態の入力信号をマッハツェンダ型光変調器20に印加し、同変調器20の所定の変調特性曲線に従って入射光を変調する。
【0041】
図11及び図12は、夫々入力信号の振幅が減衰して図3に示すVπより小さくなった場合における図10に示す制御前後の出力波形を示す。図11(a)はαがプラス1の場合であり、同図下方に示す如く、上記ステップS24の重畳処理、即ちf0の低周波信号で振幅変調された送信信号にf0の低周波信号の位相が180度反転された信号が重畳されることによって、上述の如く、振幅変調された送信信号の上部の振幅変調分が打ち消され、その結果下部のみの片側振幅変調された波形が得られる。
【0042】
これをステップS26にてマッハツェンダ型光変調器20に印加することによって得られる光出力は振幅変調したf0の低周波信号と逆位相の波形となる(ステップS29のNo)。従って図7の例と同様に入力信号の底部の振幅変調部分の振幅が光出力として小さくなるように制御動作がなされる。その結果図7の例同様入力信号波形が変調特性曲線に対して適用される位置はマイナス方向に移動し(ステップS31)、図12(a)に示す如く、入力信号の下部の振幅変調部分が変調特性波形の谷部分に適用される状態で安定する。
【0043】
同様に図11(b)はαが−1の場合であり、同図下方に示す如く、上記ステップS24の重畳処理、即ちf0の低周波信号で振幅変調された送信信号にf0の低周波信号と同位相の信号が重畳されることによって、振幅変調後の送信信号の下部の振幅変調分が打ち消され、その結果上部のみ片側振幅変調された波形が得られる。
【0044】
これをステップS26にてマッハツェンダ型光変調器20に印加することによって得られる光出力は、振幅変調したf0の低周波信号と逆位相の波形となる。又、この場合ステップS22にて既に低周波信号の位相を反転しているため、反転前の低周波信号の位相とマッハツェンダ型光変調器20の光出力波形の位相とは同位相となる(ステップS29のYes)。
【0045】
従って図7(b)の例と同様に入力信号が変調特性曲線に対して適用される位置がプラス方向に移動するようにバイアス制御がなされる(ステップS30)。その結果、入力信号の頂部の振幅変調部分の振幅が、光変調後の光出力において小さくなるように制御動作がなされる。そして結果的には図12(b)に示す如く、入力信号の上部の振幅変調部分が変調特性波形の谷部分に適用される状態で安定する。
【0046】
このようにして、本発明の第1実施例による動作点制御によれば、入力信号の振幅の所定の片側がマッハツェンダ型光変調器20の変調特性曲線の谷部分に適用される位置となるようにバイアス制御がなされる。その結果、図12(a)、(b)の夫々の波形図で示される如く、入力信号の振幅が光変調特性曲線の主に下側に対して適用され、上側の部分に不使用部分ΔVが存在することとなる。
【0047】
ここで、上述の如く光出力波形の最大値と最小値との比によって定義される消光比は、分子の変化量に対して、分母の変化量の方がより大きく計算結果に対して影響する。そのため、消光比を良くする為には、光出力波形のL側をVπの下端部、即ち光変調特性曲線の谷側により近付けることが有効であり、それは、上述のごとく、図11(a)、(b)にて示す如く、マッハツェンダ型光変調器20に対する入力信号に対する低周波信号の重畳を片側のみとすることで達成可能である。
【0048】
次に、図13、図14、図15と共に、本発明の第2実施例について説明する。
【0049】
この第2実施例では、外部から供給される送信信号がオフとなった際に、光源10をオフとせずにマッハツェンダ型光変調器20の光出力を実施的にオフにし得る構成を有する。尚、ここで、第2実施例は図13にその構成を示す如く、上述の第1実施例と同様の構成を有し、第1実施例の構成においても実現可能である。但し、後述の如く、第2実施例ではマッハツェンダ型光変調器20に対する入力信号に対し、低周波f0の信号で振幅変調後常に同低周波f0の信号の逆位相の信号を重畳する。したがって、図11(a)に示すαが正の場合に相当する。
【0050】
ここで、図13にて、駆動回路40にシャットダウン信号SDが入力されて図14の下段に示す如く送信信号の振幅がゼロとなる場合を考える。
【0051】
上記の如く、この第2実施例でも第1実施例同様当該送信信号波形に対し、低周波発信器60によるf0の振幅変調が施され、その後、低周波重畳制御回路70の制御によってf0の低周波信号が重畳される。そしてそのようにして得られた入力信号がマッハツェンダ型光変調器20に印加される。そしてこの場合、送信信号がオフであって上記40kHz超の高周波の主信号成分を含まないため、マッハツェンダ型光変調器20に印加される入力信号は図14に示す如くf0の低周波成分のみを含むものとなる。
【0052】
その結果、図14の右側に示す如く、上記低周波信号とは逆位相の光出力波形が得られる(ステップS29のNo)。したがって第1実施例の図11(a)の場合同様の動作点制御動作により、入力信号波形が光変調特性曲線に対して適用される位置がマイナス方向に移動するようにバイアスが掛けられ、その結果、図15に示す如く、入力信号の振幅変調部分、即ち入力信号波形そのものが光変調特性曲線の谷部分に適用される位置で安定する。その結果、同図に示す如く、光出力はゼロに近い状態で安定する。よってマッハツェンダ型光変調器20の光出力は実質的にオフ状態となる。
【0053】
このように本発明の第2実施例では、比較的簡易な構成で、主信号がオフ状態となった際に光源をオフとしなくても自動的にマッハツェンダ型光変調器20の光出力をオフ状態とすることが可能である。
【0054】
このように、本発明では、比較的簡易な構成で、温度・電源変動・経年変化等に対して送信信号の振幅が変化した場合でも、消光比を常に最大限とすることが可能であり、もって光伝送特性の安定化が可能である。特に、今後伝送速度が超高速になった場合、駆動回路の出力である光変調器の入力信号の振幅が減少する傾向にあるが、そのような場合でも、本発明によれば消光比を常に最適に保つことが可能である。
【0055】
本発明の以下の付記に記載の構成を含む。
【0056】
(付記1)
主信号を所定の周波数の信号によって振幅の所定の片側のみ振幅変調する振幅変調手段と、
上記振幅変調手段によって上記所定の周波数の低周波信号で片側振幅変調された入力信号が印加され、当該入力信号に応じて、所定の変調特性曲線に従って入射光を変調する光変調器と、
前記光変調器に対して所定のバイアス信号を印加し、もって上記振幅変調手段によって振幅変調された入力信号波形の振幅の所定の片側が上記光変調器の所定の変調特性曲線の極小部分に適用されるように実質的に前記所定の変調特性曲線に対して適用される前記入力信号のレベルを制御する動作点制御手段とよりなる光送信装置。
【0057】
(付記2)
前記振幅変調手段は、主信号を上記所定の周波数で振幅変調し、当該振幅変調後の信号に対して更に上記所定の周波数で同相又は逆相の信号を重畳することによって上記主信号の振幅の片側の振幅変調分を打ち消すことによって上記所定の周波数で片側のみ振幅変調された信号を発生する構成の付記1に記載の光送信装置。
【0058】
(付記3)
前記振幅変調手段は、前記光変調器に対する入力信号が前記光変調器の所定の変調特性曲線の上り傾斜部分に適用されるモードでは前記入力信号波形の底部のみ振幅変調され、所定の変調特性曲線の下り傾斜部分に適用されるモードでは前記入力信号波形の頂部のみ振幅変調された状態の入力信号を前記光変調器に印加する構成の付記1又は2に記載の光送信装置。
【0059】
(付記4)
主信号を所定の周波数の信号によって振幅変調する振幅変調手段と、
上記振幅変調手段によって上記所定の周波数の低周波信号で振幅変調された入力信号が印加され、当該入力信号に応じて、所定の変調特性曲線に従って入射光を変調する光変調器と
前記光変調器に対して所定のバイアス信号を印加し、もって主信号がオフ状態となった際、上記振幅変調手段によって振幅変調された入力信号波形が上記光変調器の所定の変調特性曲線の極小部分に適用されるように実質的に前記所定の変調特性曲線に対して適用される前記入力信号のレベルを制御する動作点制御手段とよりなる光送信装置。
【0060】
(付記5)
前記動作点制御手段は位相比較手段よりなり、光変調器の光出力波形と前記所定の周波数の信号の波形とを比較し、両者の波形が互いに同相であるか逆相であるかによって光変調器に対して相対する方向にバイアスを掛ける構成の付記1乃至4のうちのいずれかに記載の光送信装置。
【0061】
(付記6)
前記光変調器はマッハツェンダ型光変調器よりなる付記1乃至5のうちのいずれかに記載の光送信装置。
【0062】
(付記7)
所定の周波数の信号によって主信号の振幅の片側のみが振幅変調された状態に変換する振幅変調段階と、
入力信号が印加され当該入力信号に応じて、所定の変調特性曲線に従って入射光を変調する光変調器に対し、上記振幅変調段階にて上記所定の周波数の低周波信号で片側振幅変調された入力信号を印加する入力信号印加段階と、
前記光変調器に対して更に所定のバイアス信号を印加し、もって上記振幅変調手段によって振幅変調された入力信号波形の振幅の上記所定の片側が上記光変調器の所定の変調特性曲線の極小部分に適用されるように実質的に前記所定の変調特性曲線に対して適用される前記入力信号のレベルを制御する動作点制御段階とよりなる光送信装置の制御方法。
【0063】
(付記8)
前記振幅変調段階は、主信号を上記所定の周波数で振幅変調し、当該振幅変調後の信号に対して更に上記所定の周波数で同相又は逆相の信号を重畳することによって上記主信号の振幅の片側の振幅変調分を打ち消すことによって上記所定の周波数で片側振幅変調された信号を発生する構成の付記7に記載の光送信装置。
【0064】
(付記9)
前記振幅変調段階は、前記光変調器に対する入力信号が前記光変調器の所定の変調特性曲線の上り傾斜部分に適用されるモードでは前記入力信号波形の底部のみ振幅変調され、所定の変調特性曲線の下り傾斜部分に適用されるモードでは前記入力信号波形の頂部のみ振幅変調された状態の入力信号を前記光変調器に印加する構成の付記7又は8に記載の光送信装置の制御方法。
【0065】
(付記10)
主信号を所定の周波数の信号によって振幅変調する振幅変調段階と、
入力信号が印加され当該入力信号に応じて所定の変調特性曲線に従って入射光を変調する光変調器に対し、上記振幅変調段階にて上記所定の周波数の低周波信号で振幅変調された入力信号を印加する入力信号印加段階と、
前記光変調器に対して更に所定のバイアス信号を印加し、もって主信号がオフ状態となった際、上記振幅変調手段によって振幅変調された入力信号波形が上記光変調器の所定の変調特性曲線の極小部分に適用されるように実質的に前記所定の変調特性曲線に対して適用される前記入力信号のレベルを制御する動作点制御段階とよりなる光送信装置の制御方法。
【0066】
(付記11)
前記動作点制御段階は位相比較段階よりなり、当該位相比較段階では、光変調器の光出力波形と前記所定の周波数の信号の波形とを比較し、両者の波形が同相であるか逆相であるかによって光変調器に対して相対する方向にバイアスを掛ける構成の付記7乃至10のうちのいずれかに記載の光送信装置の制御方法。
【0067】
(付記12)
前記光変調器はマッハツェンダ型光変調器よりなる付記7乃至11のうちのいずれかに記載の光送信装置の制御方法。
【0068】
【発明の効果】
本発明によれば、光変調器に対する入力信号の振幅の所定の片側のみが振幅変調された状態とし、当該入力信号の振幅の片側が光変調器の変調特性曲線の極小部分に適用されるように変調特性曲線に対して適用される同入力信号のレベルを制御する。その結果、何らかの要因で光変調器に対する入力信号の振幅が減少した場合であっても、常に主に変調特性曲線の下側部分が使用されることとなり、従って与えられた条件で最大の消光比が得られる構成を提供可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の一例の光送信装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示すマッハツェンダ型光変調器の原理を説明するための図である。
【図3】図2に示すマッハツェンダ型光変調器の入出力特性を説明するための図である。
【図4】本発明の第1実施例による光送信装置の概略構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第1実施例による光送信装置の動作点制御動作の流れを示すフローチャート(その1)である。
【図6】本発明の第1実施例による光送信装置の動作点制御動作を説明するための図(その1)である。
【図7】本発明の第1実施例による光送信装置の動作点制御動作を説明するための図(その2)である。
【図8】本発明の第1実施例による光送信装置の動作点制御動作を説明するための図(その3)である。
【図9】本発明の第1実施例による光送信装置の動作点制御動作を説明するための図(その4)である。
【図10】本発明の第1実施例による光送信装置の動作点制御動作の流れを示すフローチャート(その2)である。
【図11】本発明の第1実施例による光送信装置の動作点制御動作を説明するための図(その5)である。
【図12】本発明の第1実施例による光送信装置の動作点制御動作を説明するための図(その6)である。
【図13】本発明の第2実施例による光送信装置の概略構成を示すブロック図である。
【図14】本発明の第2実施例による光送信装置によるシャットダウン動作を説明するための図(その1)である。
【図15】本発明の第2実施例による光送信装置によるシャットダウン動作を説明するための図(その2)である。
【符号の説明】
10 光源
20 マッハツェンダ型光変調器
30 光カプラ
40 駆動装置
50 動作点制御回路
60 低周波発信器
70 低周波重畳制御回路
Claims (5)
- 主信号を所定の周波数の信号によって振幅の所定の片側のみ振幅変調する振幅変調手段と、
上記振幅変調手段によって上記所定の周波数の低周波信号で片側振幅変調された入力信号が印加され、当該入力信号に応じて、所定の変調特性曲線に従って入射光を変調する光変調器と、
前記光変調器に対して更に所定のバイアス信号を印加し、もって上記振幅変調手段によって振幅変調された入力信号波形の振幅の所定の片側が上記光変調器の所定の変調特性曲線の極小部分に適用されるように実質的に前記所定の変調特性曲線に対する前記入力信号のレベルを制御する動作点制御手段とよりなる光送信装置。 - 前記振幅変調手段は、前記光変調器に対する入力信号が前記光変調器の所定の変調特性曲線の上り傾斜部分に適用されるモードでは前記入力信号波形の下側のみ振幅変調され、所定の変調特性曲線の下り傾斜部分に適用されるモードでは前記入力信号波形の上側のみ振幅変調された状態の入力信号を前記光変調器に印加する構成の請求項1に記載の光送信装置。
- 主信号を所定の周波数の信号によって振幅変調する振幅変調手段と、
上記振幅変調手段によって上記所定の周波数の低周波信号で振幅変調された入力信号が印加され、当該入力信号に応じて、所定の変調特性曲線に従って入射光を変調する光変調器と
前記光変調器に対して所定のバイアス信号を印加し、もって上記主信号がオフとなった際、上記振幅変調手段によって振幅変調された入力信号波形が上記光変調器の所定の変調特性曲線の極小部分に適用されるように実質的に前記所定の変調特性曲線に対する前記入力信号のレベルを制御する動作点制御手段とよりなる光送信装置。 - 主信号を所定の周波数の信号によって主信号の振幅の所定の片側のみ振幅変調された状態とする振幅変調段階と、
入力信号が印加され当該入力信号に応じ所定の変調特性曲線に従って入射光を変調する光変調器に対し、上記振幅変調段階手段によって上記所定の周波数の低周波信号でその振幅の片側のみが振幅変調された状態の入力信号を印加する段階と、
前記光変調器に対して所定のバイアス信号を印加し、もって上記振幅変調段階によって振幅変調された入力信号波形の振幅の片側が記光変調器の所定の変調特性曲線の極小部分に適用されるように実質的に前記所定の変調特性曲線に対する前記入力信号のレベルを制御する動作点制御段階とよりなる光送信装置の制御方法。 - 主信号を所定の周波数の信号によって振幅変調する振幅変調段階と、
入力信号が印加され当該入力信号に応じ所定の変調特性曲線に従って入射光を変調する光変調器に対し、上記振幅変調段階手段によって上記所定の周波数の低周波信号で振幅変調された入力信号を印加する段階と、
前記光変調器に対して所定のバイアス信号を印加し、もって主信号がオフ状態となった際、上記振幅変調段階によって振幅変調された入力信号波形が上記光変調器の所定の変調特性曲線の極小部分とに適用されるように実質的に前記所定の変調特性曲線に対する前記入力信号のレベルを制御する動作点制御段階とよりなる光送信装置の制御方法。
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