JP2004061877A - 表示システム、表示装置、及びデータ生成装置 - Google Patents
表示システム、表示装置、及びデータ生成装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】データを圧縮することなくデータ量を減らすことができ、各種の制御信号及び音声データを伝送するためのケーブルを共用して映像データを送信することができる表示システム、表示装置、及びデータ生成装置の提供。
【解決手段】モニタ装置から映像データの送信要求がある場合(S3)、ナビゲーション装置は、カラーパレットデータ及び映像フォーマット情報をモニタ装置へ送信する(S5)。モニタ装置では、受信したカラーパレットデータ及び映像フォーマット情報に基づいてカラーパレット、フレームレート、表示解像度を設定し(S7〜S9)、ナビゲーション装置に対して映像データを送信させるための制御コマンドを送信する。そして、ナビゲーション装置から映像データが送信された場合、カラーパレットによる色情報の変換を行って映像を表示する。
【選択図】 図6
【解決手段】モニタ装置から映像データの送信要求がある場合(S3)、ナビゲーション装置は、カラーパレットデータ及び映像フォーマット情報をモニタ装置へ送信する(S5)。モニタ装置では、受信したカラーパレットデータ及び映像フォーマット情報に基づいてカラーパレット、フレームレート、表示解像度を設定し(S7〜S9)、ナビゲーション装置に対して映像データを送信させるための制御コマンドを送信する。そして、ナビゲーション装置から映像データが送信された場合、カラーパレットによる色情報の変換を行って映像を表示する。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等の車両に搭載された情報機器間にて映像データを伝送して表示すべくなしてある表示システム、映像データに応じた映像を表示する表示装置、及び映像データを生成するデータ生成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車に各種の情報機器を搭載させて、種々の情報を処理するシステムが普及している。例えば、ラジオ放送の放送波を受信して、音声情報を再生するだけでなく、その放送波に含まれる交通情報を文字情報として表示させるラジオ受信機が搭載されている。また、所謂カーオーディオ装置として、コンパクトディスク(CD)、ミニディスク(MD)などの音声記録媒体を再生する装置が搭載されている。また、GPS(Global Positioning System)から得られる位置情報及び車速センサなどから得られる走行状態情報に基づいて、現在位置近傍の道路地図、目的地までの経路などのナビゲーション用の映像データを生成して表示するナビゲーションシステムも一般的に装備されている。このような機器以外に、無線電話機、テレビジョンシステムなどの搭載も広く行われている。
【0003】
これら車載用の情報機器は、他の車載用の情報機器とは特に関連がなく独立的に車内に搭載されることが多い。よって、各情報機器毎に配線を行わなければならず、多数の情報機器を搭載した場合には、非常に多くの配線を施す必要がある。
【0004】
そこで、配線数を減らすことを目的として、これらの情報機器をLAN(Local Area Network)に接続させて、映像データ及び音声データの双方の送受信が可能な車載LANを構築しようとする試みがなされている。
【0005】
図9は、従来のデータ伝送システムの構成を示す模式図である。図中6は、MOST環(MOST : Media Oriented Systems Transport)からなるデータ通信網である。データ通信網6には、映像表示を行うモニタ装置1と、アンテナ4eを有するラジオチューナ4aと、CDを再生するCDプレイヤ4bと、音声を出力するスピーカ4d、ナビゲーション用の映像データを生成するナビゲーション装置2と、ハンズフリー装置5と、これらの各情報機器の動作を制御するコントローラ4cとが接続されている。
【0006】
また、ナビゲーション装置2とモニタ装置1との間には、ナビゲーション装置2にて生成された映像データをモニタ装置1へ伝送するための伝送配線7が設けられている。モニタ装置1は、例えば液晶ディスプレイであり、伝送配線7を介してナビゲーション装置2から伝送されたナビゲーション用の映像データに基づいた映像を表示する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前述のような車載用のLANにおいて映像データを伝送する場合には、帯域の制約によりMPEG1信号(MPEG : Motion Picture Expert Group)、MPEG2信号、又はDV信号(DV : Digital Video)等の圧縮された映像信号を利用しなければならない。しかしながら、これらの映像信号は、何れもDCT符号化(DCT : Discrete Cosine Transform)等により高周波成分をカットして圧縮しているため、地図上の細かな文字を表示する必要があるナビゲーション用の映像データとして利用するには不向きであるという問題点を有していた。
【0008】
また、リアルタイム性が要求されるナビゲーション用の映像データにはMPEG圧縮は不向きであるため、従来では、ナビゲーション用の映像データを伝送するために専用の伝送ケーブル(図9の伝送配線7)を設ける必要がある。この伝送ケーブルとしは、アナログのRGBケーブル、又はデジタル映像ケーブルなどが使用されている。
【0009】
このように、従来では、各種の情報機器、コントローラ4c等から出力される制御信号及び音声データの伝送経路(データ通信網6)とは別に、ナビゲーション用の映像データを伝送するための特別な配線(伝送配線7)を設ける必要があるので、車載LANにおいて十分な省線化が実現できていないという問題点がある。
【0010】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、複数の色情報に夫々対応させた識別情報により各画素の色情報を規定した映像データをデータ生成装置にて生成し、生成した映像データを表示装置へ送信し、表示装置では色情報と識別情報とを対応させた色情報テーブルを利用して受信した映像データに応じた映像を表示する構成とすることにより、映像データを圧縮することなくデータ量を減らすことにより通信帯域を節約でき、しかも、制御信号、音声データを送信するためのケーブルを共用して映像データも送信することができる表示システム、表示装置、及びデータ生成装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
第1発明に係る表示システムは、データ生成装置及び表示装置を接続してなり、前記データ生成装置は、複数色の色情報に夫々対応させた識別情報により各画素の色情報を規定した映像データを生成するデータ生成手段と、該データ生成手段により生成した映像データを送信する送信手段とを備え、前記表示装置は、前記データ生成装置から送信された映像データを受信する受信手段と、各色情報と識別情報との間の対応関係を規定する色情報テーブルを予め記憶してある記憶手段と、該記憶手段に記憶してある色情報テーブルに基づき、受信した映像データに応じた映像を表示する表示手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
第2発明に係る表示システムは、第1発明に係る表示システムにおいて、前記データ生成装置は、色情報テーブルを生成する手段と、該手段にて生成した色情報テーブルを前記表示装置へ送信する手段とを更に備え、前記表示装置は、前記データ生成装置から送信された色情報テーブルに基づき、前記記憶手段に記憶してある色情報テーブルを更新すべくなしてあることを特徴とする。
【0013】
第3発明に係る表示システムは、第1発明又は第2発明に係る表示システムにおいて、前記表示装置は、受信した映像データを周期的に前記表示手段へ伝送すべくなしてあり、前記表示手段へ伝送する周期を変更可能になしてあることを特徴とする。
【0014】
第4発明に係る表示システムは、第1発明乃至第3発明の何れかの表示システムにおいて、前記表示装置は、表示すべき映像データの表示解像度を変換する手段を更に備えることを特徴とする。
【0015】
第5発明に係る表示システムは、第1発明乃至第4発明の何れかの表示システムにおいて、前記データ生成装置は、IEEE1394に準拠した通信プロトコルに従って映像データを前記表示装置へ送信すべくなしてあることを特徴とする。
【0016】
第6発明に係る表示システムは、第1発明乃至第5発明の何れかの表示システムにおいて、前記データ生成装置は、IEEE1394の産業用デジタルカメラ仕様による通信プロトコルに従って映像データを前記表示装置へ送信すべくなしてあることを特徴とする。
【0017】
第7発明に係る表示装置は、複数色の色情報に夫々対応させた識別情報により各画素の色情報を規定した映像データを外部から受付ける手段と、各色情報と識別情報との間の対応関係を規定する色情報テーブルを予め記憶してある記憶手段と、色情報テーブルを外部から受付ける手段と、受付けた色情報テーブルに基づき、前記記憶手段に記憶してある色情報テーブルを更新する手段と、前記記憶手段に記憶してある色情報テーブルに基づき、受付けた映像データに応じた映像を表示する表示手段とを備えることを特徴とする。
【0018】
第8発明に係るデータ生成装置は、複数色の色情報に夫々対応させた識別情報により各画素の色情報を規定した映像データを生成する手段と、色情報テーブルを生成する手段と、生成した映像データ及び色情報テーブルを外部へ送信する手段とを備えることを特徴とする。
【0019】
第1発明、第7発明、及び第8発明にあっては、複数の色情報に夫々対応させた識別情報により各画素の色情報を規定した映像データをデータ生成装置にて生成し、生成した映像データを表示装置へ送信し、表示装置では色情報と識別情報とを対応させた色情報テーブルを利用して、受信した映像データに基づく映像を表示するようにしている。したがって、データ生成装置から送信する映像データのデータ量を圧縮することなく減らすことができ、制御信号、音声データ等の伝送のために使用する通信ケーブルを用いて映像データを送信することが可能であり、ケーブルの省線化を図ることができる。
【0020】
第2発明にあっては、色情報テーブルをデータ生成装置にて生成し、生成した色情報テーブルを表示装置へ送信して更新できるようにしている。そのため、データ生成装置と表示装置との間で色情報テーブルを共用することができ、その色情報テーブルを利用して表示するため、映像データのデータ量を圧縮することなく減らすことが可能となる。
【0021】
第3発明にあっては、表示装置にて受信した映像データを周期的に表示手段へ伝送して表示するようにしており、しかもその周期を変更可能になしてある。したがって、映像データの更新周期と同程度の周期でしか映像データを送信しないため、通信帯域を節約することが可能となる。
【0022】
第4発明にあっては、表示する映像データの表示解像度を変更する手段を備えているため、例えば、受信した映像データをスクロールさせて表示する場合、必ずしも高解像度の映像データが必要ではないため、映像データを送信する際には解像度を低くしたデータを送信し、表示手段で定められている表示解像度に合わせて表示することも可能となる。そのため、映像データの送信時のデータ量を減らすことができ、通信帯域を節約することができる。
【0023】
第5発明にあっては、IEEE1394の規格に準拠した通信プロトコルに従って映像データを送信するようにしている。そのため、IEEE1394規格で利用される通信ケーブルを利用して、制御信号、音声データ、映像データを送信することが可能となる。
【0024】
第6発明にあっては、例えば、IIDC Digital Camera SpecificationのようなIEEE1394の産業用デジタルカメラ仕様による通信プロトコルに従って映像データを送信するようにしている。IEEE1394の産業用デジタルカメラ仕様は、本来産業用カメラの映像データを送信するために利用されているが、この仕様を拡張することによって、例えば高解像度のナビゲーション用映像データの送信が可能となる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
図1は本実施の形態に係る表示システムの構成を示す模式図である。図中Cは自動車等の車両であり、該車両Cの内部に映像データを表示する液晶ディスプレイのようなモニタ装置10、ナビゲーション用の映像データを生成するナビゲーション装置20、コンパクトディスク(CD)又はミニディスク(MD)の再生等を行うオーディオ装置40、及びハンズフリー装置50がデータ通信網Nにより夫々接続されている。本発明では、データ通信網Nとして、IEEE1394の規格に準拠した通信網が利用される。
【0026】
モニタ装置10は自動車のダッシュボード上に設置され、オーディオ装置40はコンソール内に収納されている。また、ナビゲーション装置20は車両Cの後部に設けられたトランク内部に設置されており、ナビゲーション装置20には高周波ケーブル25を介してGPSアンテナ30が接続されている。ハンズフリー装置50は車両Cの座席の近傍に設置されており、例えば、携帯電話機のような音声通話装置が接続される。
【0027】
本発明では、モニタ装置10にて同時に表示する色数、並びに映像データのフレームレート及び解像度を、利用者に違和感を与えない程度に削減することによって、ナビゲーション装置20からモニタ装置10へ映像データを送信する際のデータ量を減らしていることを特徴とする。また、モニタ装置10にて同時に表示する色数(例えば256色)は一定であるが、表示装置10とナビゲーション装置20との間でカラーパレット(色情報テーブル)を共用して、随時更新するようにしているため、表示の際に用いる256色の組合せは適宜変更することができ、様々な色を表示することができることを特徴としている。
【0028】
ここで、カラーパレットとは、識別情報であるパレット番号の夫々に色情報(例えばRGB信号)を割当てたテーブルであり、図2にその一例を示す概念図を示した。図2に示した如く、8ビットのカラーパレットを用いる場合、0から255のパレット番号の夫々に24ビットカラー(1670万色)の何れかの色を割当てる。例えば、パレット番号0には、RGB値が(0,0,0)である色(黒色)を割り当て、パレット番号255には、RGB値が(255,255,255)である色(白色)を割り当てている。
本発明では、このようなカラーパレットをモニタ装置10とナビゲーション装置20との間で共用することにより、映像データにおける色情報として24ビットの情報を送信する代わりに、8ビットのカラーパレットによって代用可能であるため、送信する映像データのデータ量が低減される。
【0029】
以下、本表示システムの本質的な構成要素であるモニタ装置10とデータ生成装置であるナビゲーション装置20とについて詳細に説明する。
図3は本実施の形態に係るモニタ装置10の内部構成を示すブロック図である。モニタ装置10は、IEEE1394の規格に準拠した2つの接続ポート10P,10P、通信LSI11、映像処理LSI12、メモリ13、及び液晶モジュール14を備えており、接続ポート10P,10Pには、ナビゲーション装置20及びオーディオ装置40のような情報機器が接続される。
【0030】
各接続ポート10P,10Pは、モニタ装置10の内部で通信LSI11に接続されており、ナビゲーション装置20から送信された映像データ、オーディオ装置30から送信された音声データ等を受信するようにしている。通信LSI11は、本表示システムで利用されるデータ通信網Nの物理層、データリンク層、トランザクション層の処理を行うためのLSIである。
通信LSI11にて受信した映像データは映像処理LSI12へ送出され、映像処理LSI12によって映像処理が施される。映像処理LSI12は、カラーパレットを記憶する為のメモリ(不図示)を内部に有しており、該メモリに記憶されているカラーパレットに従って、受信した映像データの色情報を変換する。また、映像処理LSI12が行う映像処理は、前述した色情報の変換処理の他に表示解像度の変換処理、フレームレートの変換処理がある。なお、映像処理LSI12が行う各映像処理については後に詳述することにする。
【0031】
映像処理LSI12には、通信LSI11の他にメモリ13及び液晶モジュール14が接続されている。メモリ13には、前述した映像処理を実行するためのコンピュータプログラムが記憶されているとともに、通信LSI11にて受信した映像データ、及び映像処理の実行中に生成した各種のデータが一時的に記憶される。これらのコンピュータプログラム、映像データ等の各種データは、映像処理LSI12からの指示に応じて読出し処理と書込み処理とが行われる。
【0032】
液晶モジュール14は、映像データを液晶制御信号に変換する液晶ドライバと、前記液晶制御信号に基づいて映像を表示する液晶パネルとを備えており(不図示)、映像処理LSI12にて映像処理がなされた後、映像が表示される。
モニタ装置10は、ナビゲーション装置20から所定の周期(例えば100ms)にて送信された映像データを受信するようにしているが、液晶モジュール14での映像表示の更新周期(フレームレート)とナビゲーション装置20からの映像データの送信周期とが異なる場合、映像表示の更新周期に合わせるような処理を行って映像を表示する。具体的には、周期100msで映像データを受信して、60Hzの周期にて映像を更新しながら表示する場合、ナビゲーション装置20からの映像データをメモリ13にて一時的に保持し、6回繰り返して同じ映像データを液晶モジュール14へ伝送して、映像を表示する。
【0033】
図4は本実施の形態に係るナビゲーション装置20の内部構成を示すブロック図である。ナビゲーション装置20はマイクロコンピュータ24を備えており、該マイクロコンピュータ24には、グラフィック制御部23、メモリ25、GPS受信部26、ジャイロセンサ27、車速インタフェース(車速IF)28、DVDドライブ29等が接続されている。メモリ25には、ナビゲーション処理を実行するためのコンピュータプログラム及び各種のデータ、ナビゲーション処理の実行中に生成されたデータ等が格納される。マイクロコンピュータ24が、必要に応じて前記コンピュータプログラム及び各種のデータの読出し処理及び書込み処理を行うことによって、各ハードウェアを制御するようにしている。
【0034】
GPS受信部26にはGPSで利用される電波を受信するためのGPSアンテナ30が接続されており、該GPSアンテナ30から出力されたGPS信号を受信して、車両Cの現在位置に係る位置情報を算出して出力するようにしている。ジャイロセンサ27は車両Cの角速度を算出し、車速IF28は車速パルスを計数して車速を算出する車速センサ31からの車速情報を受信する。DVDドライブ29は、地図データが記憶されたDVD−ROMから地図データを読込むためのハードウェアであり、マイクロコンピュータ24からの指示に応じて所要の地図データを出力するようにしている。
【0035】
グラフィック制御部23は、DVDドライブ29から出力された地図データを元に、所定の周期(例えば100ms)で映像データを生成する。グラフィック制御部23にて生成された映像データは、映像処理LSI22で映像処理が施されて、通信LSI21及び接続ポート20Pを通じてナビゲーション装置20の外部へ出力される。
ここで、映像処理LSI22は、モニタ装置10の映像処理LSI12と同様に、カラーパレットを記憶する為のメモリ(不図示)を内部に有しており、該メモリに記憶されているカラーパレットに従って、送信すべき映像データの色情報を変換する処理を行う。具体的には、グラフィック制御部23にて生成した映像データのRGB値に近似する色を持つパレット番号に置換える処理を行う。また、映像処理LSI22は、必要に応じてカラーパレットの生成を行い、生成したカラーパレットのデータを通信LSI21を通じてモニタ装置10へ送信してモニタ装置10側のカラーパレットを更新するようにしている。
【0036】
本発明では、IEEE1394の規格に準拠したデータ通信網Nを使用し、ナビゲーション装置20と表示装置10との間の映像データの伝送に、IEEE1394の産業用デジタルカメラ仕様による通信プロトコルを利用することにより、映像データ及び音声データの伝送媒体を共用することができる。また、前記通信プロトコルを利用することによって、特別な処理を施すことなく800×480画素(ワイドVGA)等の高解像度の映像データを伝送することが可能である。
以下、この通信プロトコルによる解像度及びフレームレートの設定手法について、具体的に説明する。なお、以下の説明は、「IIDC 1394−based Digital Camera Specification Version 1.30 July 25,2000」の仕様(以下、単にIIDC仕様という)に基づくものである。
【0037】
IIDC仕様は、本来産業用カメラの映像データ伝送用に設計されているが、この仕様を拡張することにより、高解像度をもつナビゲーション用の映像データを伝送できる。ナビゲーション装置20の通信LSI21におけるCSR領域(CSR : Cotrol and Status Register)の解像度(オフセットアドレス:180h〜19Ch)、及びフレームレート(オフセットアドレス:200h〜25Ch)の領域の夫々に、ナビゲーション用の映像データに対応した解像度及びフレームレートの設定を準備しておくことにより、モニタ装置10からのアシンクロナス読出しの要求に対して、ナビゲーション装置20がこの映像伝送フォーマットに対応していることを知らせることができる。
【0038】
IIDC仕様には、ナビゲーション用の映像データに応じたワイドVGAの解像度は設定されていないが、将来のために予約されているフィールド(例えばオフセットアドレス180hのビット7,Format−0 Mode−7)をワイドVGAの解像度のために割り当てる。または、Format−7を使用して、縦横解像度及び画素当たりのビット数等の割り当てを行ってもよい。
また、カーナビゲーション装置20において、YUV(4:4:4)、RGB24ビット等の他の解像度又は映像フォーマットの映像データを取り扱う場合、180h〜19Chの他の空きエリアを利用してそれらの設定を行えば良い。
【0039】
ナビゲーション装置20のフレーム更新周期は、1秒間に10回であることが一般的である。すなわち、画面の更新周期は100ms毎に行われ、その更新周期は10フレーム/秒である。フレームレートに関しても、前記更新周期はIIDC仕様に設定されていない。そこで、例えばオフセットアドレス21Chを先に割当てたFormat−0 Mode−7に対するワイドVGA、YUV(4:2:2)のフレームレート設定用に割り当て、各ビットに10フレーム/秒等の値を割り当てる。
【0040】
また、モニタ装置10からナビゲーション装置20に対して解像度及びフレームレートの設定を行う場合には、オフセットアドレス600h近傍のアドレスにフォーマット(Format−0)、モード(Mode−7)、フレームレート及び使用するアイソクロナスチャンネルをアシンクロナス書き込みを使用することによって設定し、オフセットアドレス614hのビット0に対してアシンクロナス書込みを行うことにより映像データの送信開始および送信停止の制御を行う。
【0041】
映像データの伝送を行う際には、各フレームのデータを適当な大きさのパケットに分割して送信すればよく、図5にアイソクロナス通信のパケット構成の一例を示す概念図を示した。送信するパケットにはヘッダ情報及びCRC(Cyclic Redundancy Check)が付加されており、モニタ装置10では、送信開始時に指定されたチャンネルからデータを読込むことにより、地図データ等の映像データを受信することができる。
【0042】
従来のモニタ装置1とナビゲーション装置2とからなる表示システムには、制御信号等を伝送するためのデータ通信網6に加え、映像データを送信するためのRGBケーブルのような伝送配線7が存在するため、全体のケーブル構造が太くなり、車両内での配線が困難である。これに対し、本発明では、モニタ装置10とナビゲーション装置20との間にデータ通信網Nのみが存在し、1本のケーブルだけで済むので、配線の引き回しも従来より容易に行えると共に、その配線設計の自由度も向上する。
【0043】
図6及び図7は映像データの送信処理の処理手順について説明するフローチャートである。まず、モニタ装置10の通信LSI11はナビゲーション装置20が選択されているか否かを判断する(ステップS1)。ナビゲーション装置20が選択されていない場合(S1:NO)、ナビゲーション装置20が選択されるまで待機する。
【0044】
モニタ装置10の通信LSI11がナビゲーション装置20を選択していると判断した場合(S1:YES)、モニタ装置10は、前述のアシンクロナス読出しの要求を行うことによって映像データの送信要求情報を送信する(ステップS2)。
【0045】
ナビゲーション装置20が、モニタ装置10から送信された映像データの送信要求情報を受信した場合(ステップS3)、マイクロコンピュータ24はカラーパレットの生成処理を行い(ステップS4)、生成したカラーパレットのデータ(以下、カラーパレットデータという)を映像フォーマット情報と共にモニタ装置10へ送信する(ステップS5)。ここで、ナビゲーション装置20からモニタ装置10へ送信する映像フォーマット情報は、映像データの解像度、フレームレート、画素当たりのビット数等の映像データを規定するフォーマットの情報である。
【0046】
モニタ装置10が、カラーパレットデータ及び映像フォーマット情報を受信した場合(ステップS6)、受信したカラーパレットデータに基づいて映像処理LSI12に記憶されているカラーパレットを更新する(ステップS7)と共に、受信した映像データフォーマットに基づいてフレームレートの設定(ステップS8)と、表示解像度の設定(ステップS9)とを行う。次いで、モニタ装置10は、ナビゲーション装置20に対して映像データを送信させるための制御コマンドを送信する(ステップS10)。
【0047】
ナビゲーション装置20が、モニタ装置10から送信された制御コマンドを受信した場合(ステップS11)、通信LSI21のCSR領域に制御コマンドが書込まれ(ステップS12)、映像データの送信が開始される(ステップS13)。
【0048】
モニタ装置10は、ナビゲーション装置20から送信された映像データを受信し(ステップS14)、ステップS8で設定されたフレームレート、及びステップS9で設定された表示解像度に従って映像を表示する(ステップS15)。
例えば、通信LSI11が1秒間に10フレームの映像データを受信するが、液晶モジュール14に対して1秒間に60フレームの映像データを送出する必要がある場合、メモリ13で一時的に映像データを保持し、60Hzの周期で6回続けて同じ映像データを送出する。また、映像データをスクロールさせて表示する場合には、地図上の細かな文字の情報は不要であるが、高速に画面を更新する必要があるため、解像度を400×240程度に落とし、フレームレートを1秒当たり30フレームとした映像データを送信するようにナビゲーション装置20に要求する。そして、その映像データを通信LSI11で受信した場合、映像処理LSI12は、液晶モジュール14の表示解像度(800×480)に合わせる解像度変換処理を行う。
【0049】
次いで、モニタ装置10は映像データの送信元としてナビゲーション装置20以外の情報機器が選択されたか否かを判断する(ステップS16)。この判断は、通信LSI11がナビゲーション装置20からの映像データを受信したか否かにより行い、ナビゲーション装置20以外の情報機器が選択された場合、映像データの送信を停止させるための制御コマンドをナビゲーション装置20に対して送信する(ステップS17)。
【0050】
ナビゲーション装置20が、前記制御コマンドを受信した場合(ステップS18)、通信LSI21のCSR領域に制御コマンドが書込まれ(ステップS19)、映像データの送信が停止される(ステップS20)。
【0051】
カーナビゲーション装置20の映像処理LSI22は、カラーパレットの生成が可能であるため、例えば、表示画面の切換え時、又は本表示システムの利用時間帯に応じて使用するカラーパレットを変更することができる。
図8は、カラーパレットの更新処理の処理手順を説明するフローチャートである。ナビゲーション装置20のマイクロコンピュータ24は、表示画面の切換要求があるか否かを判断する(ステップS31)。表示画面の切換要求は、モニタ装置10からナビゲーション装置20に対して行うものであってもよく、また、ナビゲーション装置20が自分自身に対して行うものであってもよい。
【0052】
表示画面の切換要求がある場合(S31:YES)、表示画面情報を取得し(ステップS32)、取得した表示画面情報に基づきカラーパレットの生成を行う(ステップS33)。ここで、表示画面情報とは、どのような画面をモニタ装置10に表示させるかについての情報であり、表示画面情報に応じて使用するカラーパレットを変更することによって、例えば、表示形態等を設定する際のメニュー画面と、ナビゲーションを行っているときのナビゲーション画面との間で表示する映像の色調を変えることが可能となる。
【0053】
ステップS31にて、表示画面の切換要求がないと判断した場合(S31:NO)、所定時刻であるか否かを判断する(ステップS34)。所定時刻である場合(S34:YES)、時刻情報を取得して(ステップS35)、取得した時刻情報に基づきカラーパレットの生成を行う(ステップS36)。このように時刻情報に基づいてカラーパレットの生成を行うことにより、例えば、昼間時には明るい色調の表示画面にすることができ、また夜間時には暗い色調の表示画面にすることができる。
【0054】
ステップS33又はステップS36で生成されたカラーパレットのデータ(カラーパレットデータ)はモニタ装置10へ送信され(ステップS37)、映像処理LSI12のメモリに記憶されたカラーパレットが更新される。
【0055】
なお、本実施の形態では、ナビゲーション装置20の映像処理LSI22にてカラーパレットを生成する構成としたが、予め数種類のカラーパレットをメモリ25に格納しておき、必要に応じて所要のカラーパレットをメモリ25から読出すようにしてもよい。
【0056】
また、本実施の形態ではカラーパレットのサイズを8ビットとしたが、16ビットのカラーパレットを利用してもよい。この場合、24ビットカラーの映像データを送信するときと比較してデータ量を2/3倍に減じることができ、しかも、およそ65000色の同時表示が可能となる。
【0057】
更に、本実施の形態では、好適な例として車両Cの内部に構築された表示システムについて説明したが、必ずしも車両Cの内部に限定される必要はない。自動車以外の移動体だけでなく、屋内に構築した表示システムとしても適用可能であることは言うまでもないことである。
【0058】
【発明の効果】
以上、詳述したように、第1発明、第7発明、及び第8発明による場合は、複数の色情報に夫々対応させた識別情報により各画素の色情報を規定した映像データをデータ生成装置にて生成し、生成した映像データを表示装置へ送信し、表示装置では色情報と識別情報とを対応させた色情報テーブルを利用して、受信した映像データに基づく映像を表示するようにしている。したがって、データ生成装置から送信する映像データのデータ量を圧縮することなく減らすことができ、制御信号、音声データ等の伝送のために使用するケーブルを用いて映像データを送信することが可能であり、ケーブルの省線化を図ることができる。
【0059】
第2発明による場合は、色情報テーブルをデータ生成装置にて生成し、生成した色情報テーブルを表示装置へ送信して更新できるようにしている。そのため、データ生成装置と表示装置との間で色情報テーブルを共用することができ、その色情報テーブルを利用して表示するため、映像データのデータ量を圧縮することなく減らすことが可能となる。
【0060】
第3発明による場合は、表示装置にて受信した映像データを周期的に表示手段へ伝送して表示するようにしており、しかもその周期を変更可能になしてある。したがって、映像データの更新周期と同程度の周期でしか映像データを送信しないため、通信帯域を節約することが可能となる。
【0061】
第4発明による場合は、表示する映像データの表示解像度を変更する手段を備えているため、例えば、受信した映像データをスクロールさせて表示する場合、必ずしも高解像度の映像データが必要ではないため、映像データを送信する際には解像度を低くしたデータを送信し、表示手段で定められている表示解像度に合わせて表示することも可能となる。そのため、映像データの送信時のデータ量を減らすことができ、通信帯域を節約することができる。
【0062】
第5発明による場合は、IEEE1394の規格に準拠した通信プロトコルに従って映像データを送信するようにしている。そのため、IEEE1394規格で利用される通信ケーブルを利用して、制御信号、音声データ、映像データを送信することが可能となる。
【0063】
第6発明による場合は、例えば、IIDC Digital Camera SpecificationのようなIEEE1394の産業用デジタルカメラ仕様による通信プロトコルに従って映像データを送信するようにしている。IEEE1394の産業用デジタルカメラ仕様は、本来産業用カメラの映像データを送信するために利用されているが、この仕様を拡張することによって、例えば高解像度のナビゲーション用映像データの送信が可能となる等、本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る表示システムの構成を示す模式図である。
【図2】カラーパレットの一例を示す概念図である。
【図3】本実施の形態に係るモニタ装置の内部構成を示すブロック図である。
【図4】本実施の形態に係るナビゲーション装置の内部構成を示すブロック図である。
【図5】アイソクロナス通信のパケット構成の一例を示す概念図である。
【図6】映像データの送信処理の処理手順について説明するフローチャートである。
【図7】映像データの送信処理の処理手順について説明するフローチャートである。
【図8】カラーパレットの更新処理の処理手順を説明するフローチャートである。
【図9】従来のデータ伝送システムの構成を示す模式図である。
【符号の説明】
10 モニタ装置
11 通信LSI
12 映像処理LSI
13 メモリ
14 液晶モジュール
20 ナビゲーション装置
21 通信LSI
22 映像処理LSI
23 グラフィック制御部
24 マイクロコンピュータ
25 メモリ
C 車両
N データ通信網
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等の車両に搭載された情報機器間にて映像データを伝送して表示すべくなしてある表示システム、映像データに応じた映像を表示する表示装置、及び映像データを生成するデータ生成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車に各種の情報機器を搭載させて、種々の情報を処理するシステムが普及している。例えば、ラジオ放送の放送波を受信して、音声情報を再生するだけでなく、その放送波に含まれる交通情報を文字情報として表示させるラジオ受信機が搭載されている。また、所謂カーオーディオ装置として、コンパクトディスク(CD)、ミニディスク(MD)などの音声記録媒体を再生する装置が搭載されている。また、GPS(Global Positioning System)から得られる位置情報及び車速センサなどから得られる走行状態情報に基づいて、現在位置近傍の道路地図、目的地までの経路などのナビゲーション用の映像データを生成して表示するナビゲーションシステムも一般的に装備されている。このような機器以外に、無線電話機、テレビジョンシステムなどの搭載も広く行われている。
【0003】
これら車載用の情報機器は、他の車載用の情報機器とは特に関連がなく独立的に車内に搭載されることが多い。よって、各情報機器毎に配線を行わなければならず、多数の情報機器を搭載した場合には、非常に多くの配線を施す必要がある。
【0004】
そこで、配線数を減らすことを目的として、これらの情報機器をLAN(Local Area Network)に接続させて、映像データ及び音声データの双方の送受信が可能な車載LANを構築しようとする試みがなされている。
【0005】
図9は、従来のデータ伝送システムの構成を示す模式図である。図中6は、MOST環(MOST : Media Oriented Systems Transport)からなるデータ通信網である。データ通信網6には、映像表示を行うモニタ装置1と、アンテナ4eを有するラジオチューナ4aと、CDを再生するCDプレイヤ4bと、音声を出力するスピーカ4d、ナビゲーション用の映像データを生成するナビゲーション装置2と、ハンズフリー装置5と、これらの各情報機器の動作を制御するコントローラ4cとが接続されている。
【0006】
また、ナビゲーション装置2とモニタ装置1との間には、ナビゲーション装置2にて生成された映像データをモニタ装置1へ伝送するための伝送配線7が設けられている。モニタ装置1は、例えば液晶ディスプレイであり、伝送配線7を介してナビゲーション装置2から伝送されたナビゲーション用の映像データに基づいた映像を表示する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前述のような車載用のLANにおいて映像データを伝送する場合には、帯域の制約によりMPEG1信号(MPEG : Motion Picture Expert Group)、MPEG2信号、又はDV信号(DV : Digital Video)等の圧縮された映像信号を利用しなければならない。しかしながら、これらの映像信号は、何れもDCT符号化(DCT : Discrete Cosine Transform)等により高周波成分をカットして圧縮しているため、地図上の細かな文字を表示する必要があるナビゲーション用の映像データとして利用するには不向きであるという問題点を有していた。
【0008】
また、リアルタイム性が要求されるナビゲーション用の映像データにはMPEG圧縮は不向きであるため、従来では、ナビゲーション用の映像データを伝送するために専用の伝送ケーブル(図9の伝送配線7)を設ける必要がある。この伝送ケーブルとしは、アナログのRGBケーブル、又はデジタル映像ケーブルなどが使用されている。
【0009】
このように、従来では、各種の情報機器、コントローラ4c等から出力される制御信号及び音声データの伝送経路(データ通信網6)とは別に、ナビゲーション用の映像データを伝送するための特別な配線(伝送配線7)を設ける必要があるので、車載LANにおいて十分な省線化が実現できていないという問題点がある。
【0010】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、複数の色情報に夫々対応させた識別情報により各画素の色情報を規定した映像データをデータ生成装置にて生成し、生成した映像データを表示装置へ送信し、表示装置では色情報と識別情報とを対応させた色情報テーブルを利用して受信した映像データに応じた映像を表示する構成とすることにより、映像データを圧縮することなくデータ量を減らすことにより通信帯域を節約でき、しかも、制御信号、音声データを送信するためのケーブルを共用して映像データも送信することができる表示システム、表示装置、及びデータ生成装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
第1発明に係る表示システムは、データ生成装置及び表示装置を接続してなり、前記データ生成装置は、複数色の色情報に夫々対応させた識別情報により各画素の色情報を規定した映像データを生成するデータ生成手段と、該データ生成手段により生成した映像データを送信する送信手段とを備え、前記表示装置は、前記データ生成装置から送信された映像データを受信する受信手段と、各色情報と識別情報との間の対応関係を規定する色情報テーブルを予め記憶してある記憶手段と、該記憶手段に記憶してある色情報テーブルに基づき、受信した映像データに応じた映像を表示する表示手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
第2発明に係る表示システムは、第1発明に係る表示システムにおいて、前記データ生成装置は、色情報テーブルを生成する手段と、該手段にて生成した色情報テーブルを前記表示装置へ送信する手段とを更に備え、前記表示装置は、前記データ生成装置から送信された色情報テーブルに基づき、前記記憶手段に記憶してある色情報テーブルを更新すべくなしてあることを特徴とする。
【0013】
第3発明に係る表示システムは、第1発明又は第2発明に係る表示システムにおいて、前記表示装置は、受信した映像データを周期的に前記表示手段へ伝送すべくなしてあり、前記表示手段へ伝送する周期を変更可能になしてあることを特徴とする。
【0014】
第4発明に係る表示システムは、第1発明乃至第3発明の何れかの表示システムにおいて、前記表示装置は、表示すべき映像データの表示解像度を変換する手段を更に備えることを特徴とする。
【0015】
第5発明に係る表示システムは、第1発明乃至第4発明の何れかの表示システムにおいて、前記データ生成装置は、IEEE1394に準拠した通信プロトコルに従って映像データを前記表示装置へ送信すべくなしてあることを特徴とする。
【0016】
第6発明に係る表示システムは、第1発明乃至第5発明の何れかの表示システムにおいて、前記データ生成装置は、IEEE1394の産業用デジタルカメラ仕様による通信プロトコルに従って映像データを前記表示装置へ送信すべくなしてあることを特徴とする。
【0017】
第7発明に係る表示装置は、複数色の色情報に夫々対応させた識別情報により各画素の色情報を規定した映像データを外部から受付ける手段と、各色情報と識別情報との間の対応関係を規定する色情報テーブルを予め記憶してある記憶手段と、色情報テーブルを外部から受付ける手段と、受付けた色情報テーブルに基づき、前記記憶手段に記憶してある色情報テーブルを更新する手段と、前記記憶手段に記憶してある色情報テーブルに基づき、受付けた映像データに応じた映像を表示する表示手段とを備えることを特徴とする。
【0018】
第8発明に係るデータ生成装置は、複数色の色情報に夫々対応させた識別情報により各画素の色情報を規定した映像データを生成する手段と、色情報テーブルを生成する手段と、生成した映像データ及び色情報テーブルを外部へ送信する手段とを備えることを特徴とする。
【0019】
第1発明、第7発明、及び第8発明にあっては、複数の色情報に夫々対応させた識別情報により各画素の色情報を規定した映像データをデータ生成装置にて生成し、生成した映像データを表示装置へ送信し、表示装置では色情報と識別情報とを対応させた色情報テーブルを利用して、受信した映像データに基づく映像を表示するようにしている。したがって、データ生成装置から送信する映像データのデータ量を圧縮することなく減らすことができ、制御信号、音声データ等の伝送のために使用する通信ケーブルを用いて映像データを送信することが可能であり、ケーブルの省線化を図ることができる。
【0020】
第2発明にあっては、色情報テーブルをデータ生成装置にて生成し、生成した色情報テーブルを表示装置へ送信して更新できるようにしている。そのため、データ生成装置と表示装置との間で色情報テーブルを共用することができ、その色情報テーブルを利用して表示するため、映像データのデータ量を圧縮することなく減らすことが可能となる。
【0021】
第3発明にあっては、表示装置にて受信した映像データを周期的に表示手段へ伝送して表示するようにしており、しかもその周期を変更可能になしてある。したがって、映像データの更新周期と同程度の周期でしか映像データを送信しないため、通信帯域を節約することが可能となる。
【0022】
第4発明にあっては、表示する映像データの表示解像度を変更する手段を備えているため、例えば、受信した映像データをスクロールさせて表示する場合、必ずしも高解像度の映像データが必要ではないため、映像データを送信する際には解像度を低くしたデータを送信し、表示手段で定められている表示解像度に合わせて表示することも可能となる。そのため、映像データの送信時のデータ量を減らすことができ、通信帯域を節約することができる。
【0023】
第5発明にあっては、IEEE1394の規格に準拠した通信プロトコルに従って映像データを送信するようにしている。そのため、IEEE1394規格で利用される通信ケーブルを利用して、制御信号、音声データ、映像データを送信することが可能となる。
【0024】
第6発明にあっては、例えば、IIDC Digital Camera SpecificationのようなIEEE1394の産業用デジタルカメラ仕様による通信プロトコルに従って映像データを送信するようにしている。IEEE1394の産業用デジタルカメラ仕様は、本来産業用カメラの映像データを送信するために利用されているが、この仕様を拡張することによって、例えば高解像度のナビゲーション用映像データの送信が可能となる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
図1は本実施の形態に係る表示システムの構成を示す模式図である。図中Cは自動車等の車両であり、該車両Cの内部に映像データを表示する液晶ディスプレイのようなモニタ装置10、ナビゲーション用の映像データを生成するナビゲーション装置20、コンパクトディスク(CD)又はミニディスク(MD)の再生等を行うオーディオ装置40、及びハンズフリー装置50がデータ通信網Nにより夫々接続されている。本発明では、データ通信網Nとして、IEEE1394の規格に準拠した通信網が利用される。
【0026】
モニタ装置10は自動車のダッシュボード上に設置され、オーディオ装置40はコンソール内に収納されている。また、ナビゲーション装置20は車両Cの後部に設けられたトランク内部に設置されており、ナビゲーション装置20には高周波ケーブル25を介してGPSアンテナ30が接続されている。ハンズフリー装置50は車両Cの座席の近傍に設置されており、例えば、携帯電話機のような音声通話装置が接続される。
【0027】
本発明では、モニタ装置10にて同時に表示する色数、並びに映像データのフレームレート及び解像度を、利用者に違和感を与えない程度に削減することによって、ナビゲーション装置20からモニタ装置10へ映像データを送信する際のデータ量を減らしていることを特徴とする。また、モニタ装置10にて同時に表示する色数(例えば256色)は一定であるが、表示装置10とナビゲーション装置20との間でカラーパレット(色情報テーブル)を共用して、随時更新するようにしているため、表示の際に用いる256色の組合せは適宜変更することができ、様々な色を表示することができることを特徴としている。
【0028】
ここで、カラーパレットとは、識別情報であるパレット番号の夫々に色情報(例えばRGB信号)を割当てたテーブルであり、図2にその一例を示す概念図を示した。図2に示した如く、8ビットのカラーパレットを用いる場合、0から255のパレット番号の夫々に24ビットカラー(1670万色)の何れかの色を割当てる。例えば、パレット番号0には、RGB値が(0,0,0)である色(黒色)を割り当て、パレット番号255には、RGB値が(255,255,255)である色(白色)を割り当てている。
本発明では、このようなカラーパレットをモニタ装置10とナビゲーション装置20との間で共用することにより、映像データにおける色情報として24ビットの情報を送信する代わりに、8ビットのカラーパレットによって代用可能であるため、送信する映像データのデータ量が低減される。
【0029】
以下、本表示システムの本質的な構成要素であるモニタ装置10とデータ生成装置であるナビゲーション装置20とについて詳細に説明する。
図3は本実施の形態に係るモニタ装置10の内部構成を示すブロック図である。モニタ装置10は、IEEE1394の規格に準拠した2つの接続ポート10P,10P、通信LSI11、映像処理LSI12、メモリ13、及び液晶モジュール14を備えており、接続ポート10P,10Pには、ナビゲーション装置20及びオーディオ装置40のような情報機器が接続される。
【0030】
各接続ポート10P,10Pは、モニタ装置10の内部で通信LSI11に接続されており、ナビゲーション装置20から送信された映像データ、オーディオ装置30から送信された音声データ等を受信するようにしている。通信LSI11は、本表示システムで利用されるデータ通信網Nの物理層、データリンク層、トランザクション層の処理を行うためのLSIである。
通信LSI11にて受信した映像データは映像処理LSI12へ送出され、映像処理LSI12によって映像処理が施される。映像処理LSI12は、カラーパレットを記憶する為のメモリ(不図示)を内部に有しており、該メモリに記憶されているカラーパレットに従って、受信した映像データの色情報を変換する。また、映像処理LSI12が行う映像処理は、前述した色情報の変換処理の他に表示解像度の変換処理、フレームレートの変換処理がある。なお、映像処理LSI12が行う各映像処理については後に詳述することにする。
【0031】
映像処理LSI12には、通信LSI11の他にメモリ13及び液晶モジュール14が接続されている。メモリ13には、前述した映像処理を実行するためのコンピュータプログラムが記憶されているとともに、通信LSI11にて受信した映像データ、及び映像処理の実行中に生成した各種のデータが一時的に記憶される。これらのコンピュータプログラム、映像データ等の各種データは、映像処理LSI12からの指示に応じて読出し処理と書込み処理とが行われる。
【0032】
液晶モジュール14は、映像データを液晶制御信号に変換する液晶ドライバと、前記液晶制御信号に基づいて映像を表示する液晶パネルとを備えており(不図示)、映像処理LSI12にて映像処理がなされた後、映像が表示される。
モニタ装置10は、ナビゲーション装置20から所定の周期(例えば100ms)にて送信された映像データを受信するようにしているが、液晶モジュール14での映像表示の更新周期(フレームレート)とナビゲーション装置20からの映像データの送信周期とが異なる場合、映像表示の更新周期に合わせるような処理を行って映像を表示する。具体的には、周期100msで映像データを受信して、60Hzの周期にて映像を更新しながら表示する場合、ナビゲーション装置20からの映像データをメモリ13にて一時的に保持し、6回繰り返して同じ映像データを液晶モジュール14へ伝送して、映像を表示する。
【0033】
図4は本実施の形態に係るナビゲーション装置20の内部構成を示すブロック図である。ナビゲーション装置20はマイクロコンピュータ24を備えており、該マイクロコンピュータ24には、グラフィック制御部23、メモリ25、GPS受信部26、ジャイロセンサ27、車速インタフェース(車速IF)28、DVDドライブ29等が接続されている。メモリ25には、ナビゲーション処理を実行するためのコンピュータプログラム及び各種のデータ、ナビゲーション処理の実行中に生成されたデータ等が格納される。マイクロコンピュータ24が、必要に応じて前記コンピュータプログラム及び各種のデータの読出し処理及び書込み処理を行うことによって、各ハードウェアを制御するようにしている。
【0034】
GPS受信部26にはGPSで利用される電波を受信するためのGPSアンテナ30が接続されており、該GPSアンテナ30から出力されたGPS信号を受信して、車両Cの現在位置に係る位置情報を算出して出力するようにしている。ジャイロセンサ27は車両Cの角速度を算出し、車速IF28は車速パルスを計数して車速を算出する車速センサ31からの車速情報を受信する。DVDドライブ29は、地図データが記憶されたDVD−ROMから地図データを読込むためのハードウェアであり、マイクロコンピュータ24からの指示に応じて所要の地図データを出力するようにしている。
【0035】
グラフィック制御部23は、DVDドライブ29から出力された地図データを元に、所定の周期(例えば100ms)で映像データを生成する。グラフィック制御部23にて生成された映像データは、映像処理LSI22で映像処理が施されて、通信LSI21及び接続ポート20Pを通じてナビゲーション装置20の外部へ出力される。
ここで、映像処理LSI22は、モニタ装置10の映像処理LSI12と同様に、カラーパレットを記憶する為のメモリ(不図示)を内部に有しており、該メモリに記憶されているカラーパレットに従って、送信すべき映像データの色情報を変換する処理を行う。具体的には、グラフィック制御部23にて生成した映像データのRGB値に近似する色を持つパレット番号に置換える処理を行う。また、映像処理LSI22は、必要に応じてカラーパレットの生成を行い、生成したカラーパレットのデータを通信LSI21を通じてモニタ装置10へ送信してモニタ装置10側のカラーパレットを更新するようにしている。
【0036】
本発明では、IEEE1394の規格に準拠したデータ通信網Nを使用し、ナビゲーション装置20と表示装置10との間の映像データの伝送に、IEEE1394の産業用デジタルカメラ仕様による通信プロトコルを利用することにより、映像データ及び音声データの伝送媒体を共用することができる。また、前記通信プロトコルを利用することによって、特別な処理を施すことなく800×480画素(ワイドVGA)等の高解像度の映像データを伝送することが可能である。
以下、この通信プロトコルによる解像度及びフレームレートの設定手法について、具体的に説明する。なお、以下の説明は、「IIDC 1394−based Digital Camera Specification Version 1.30 July 25,2000」の仕様(以下、単にIIDC仕様という)に基づくものである。
【0037】
IIDC仕様は、本来産業用カメラの映像データ伝送用に設計されているが、この仕様を拡張することにより、高解像度をもつナビゲーション用の映像データを伝送できる。ナビゲーション装置20の通信LSI21におけるCSR領域(CSR : Cotrol and Status Register)の解像度(オフセットアドレス:180h〜19Ch)、及びフレームレート(オフセットアドレス:200h〜25Ch)の領域の夫々に、ナビゲーション用の映像データに対応した解像度及びフレームレートの設定を準備しておくことにより、モニタ装置10からのアシンクロナス読出しの要求に対して、ナビゲーション装置20がこの映像伝送フォーマットに対応していることを知らせることができる。
【0038】
IIDC仕様には、ナビゲーション用の映像データに応じたワイドVGAの解像度は設定されていないが、将来のために予約されているフィールド(例えばオフセットアドレス180hのビット7,Format−0 Mode−7)をワイドVGAの解像度のために割り当てる。または、Format−7を使用して、縦横解像度及び画素当たりのビット数等の割り当てを行ってもよい。
また、カーナビゲーション装置20において、YUV(4:4:4)、RGB24ビット等の他の解像度又は映像フォーマットの映像データを取り扱う場合、180h〜19Chの他の空きエリアを利用してそれらの設定を行えば良い。
【0039】
ナビゲーション装置20のフレーム更新周期は、1秒間に10回であることが一般的である。すなわち、画面の更新周期は100ms毎に行われ、その更新周期は10フレーム/秒である。フレームレートに関しても、前記更新周期はIIDC仕様に設定されていない。そこで、例えばオフセットアドレス21Chを先に割当てたFormat−0 Mode−7に対するワイドVGA、YUV(4:2:2)のフレームレート設定用に割り当て、各ビットに10フレーム/秒等の値を割り当てる。
【0040】
また、モニタ装置10からナビゲーション装置20に対して解像度及びフレームレートの設定を行う場合には、オフセットアドレス600h近傍のアドレスにフォーマット(Format−0)、モード(Mode−7)、フレームレート及び使用するアイソクロナスチャンネルをアシンクロナス書き込みを使用することによって設定し、オフセットアドレス614hのビット0に対してアシンクロナス書込みを行うことにより映像データの送信開始および送信停止の制御を行う。
【0041】
映像データの伝送を行う際には、各フレームのデータを適当な大きさのパケットに分割して送信すればよく、図5にアイソクロナス通信のパケット構成の一例を示す概念図を示した。送信するパケットにはヘッダ情報及びCRC(Cyclic Redundancy Check)が付加されており、モニタ装置10では、送信開始時に指定されたチャンネルからデータを読込むことにより、地図データ等の映像データを受信することができる。
【0042】
従来のモニタ装置1とナビゲーション装置2とからなる表示システムには、制御信号等を伝送するためのデータ通信網6に加え、映像データを送信するためのRGBケーブルのような伝送配線7が存在するため、全体のケーブル構造が太くなり、車両内での配線が困難である。これに対し、本発明では、モニタ装置10とナビゲーション装置20との間にデータ通信網Nのみが存在し、1本のケーブルだけで済むので、配線の引き回しも従来より容易に行えると共に、その配線設計の自由度も向上する。
【0043】
図6及び図7は映像データの送信処理の処理手順について説明するフローチャートである。まず、モニタ装置10の通信LSI11はナビゲーション装置20が選択されているか否かを判断する(ステップS1)。ナビゲーション装置20が選択されていない場合(S1:NO)、ナビゲーション装置20が選択されるまで待機する。
【0044】
モニタ装置10の通信LSI11がナビゲーション装置20を選択していると判断した場合(S1:YES)、モニタ装置10は、前述のアシンクロナス読出しの要求を行うことによって映像データの送信要求情報を送信する(ステップS2)。
【0045】
ナビゲーション装置20が、モニタ装置10から送信された映像データの送信要求情報を受信した場合(ステップS3)、マイクロコンピュータ24はカラーパレットの生成処理を行い(ステップS4)、生成したカラーパレットのデータ(以下、カラーパレットデータという)を映像フォーマット情報と共にモニタ装置10へ送信する(ステップS5)。ここで、ナビゲーション装置20からモニタ装置10へ送信する映像フォーマット情報は、映像データの解像度、フレームレート、画素当たりのビット数等の映像データを規定するフォーマットの情報である。
【0046】
モニタ装置10が、カラーパレットデータ及び映像フォーマット情報を受信した場合(ステップS6)、受信したカラーパレットデータに基づいて映像処理LSI12に記憶されているカラーパレットを更新する(ステップS7)と共に、受信した映像データフォーマットに基づいてフレームレートの設定(ステップS8)と、表示解像度の設定(ステップS9)とを行う。次いで、モニタ装置10は、ナビゲーション装置20に対して映像データを送信させるための制御コマンドを送信する(ステップS10)。
【0047】
ナビゲーション装置20が、モニタ装置10から送信された制御コマンドを受信した場合(ステップS11)、通信LSI21のCSR領域に制御コマンドが書込まれ(ステップS12)、映像データの送信が開始される(ステップS13)。
【0048】
モニタ装置10は、ナビゲーション装置20から送信された映像データを受信し(ステップS14)、ステップS8で設定されたフレームレート、及びステップS9で設定された表示解像度に従って映像を表示する(ステップS15)。
例えば、通信LSI11が1秒間に10フレームの映像データを受信するが、液晶モジュール14に対して1秒間に60フレームの映像データを送出する必要がある場合、メモリ13で一時的に映像データを保持し、60Hzの周期で6回続けて同じ映像データを送出する。また、映像データをスクロールさせて表示する場合には、地図上の細かな文字の情報は不要であるが、高速に画面を更新する必要があるため、解像度を400×240程度に落とし、フレームレートを1秒当たり30フレームとした映像データを送信するようにナビゲーション装置20に要求する。そして、その映像データを通信LSI11で受信した場合、映像処理LSI12は、液晶モジュール14の表示解像度(800×480)に合わせる解像度変換処理を行う。
【0049】
次いで、モニタ装置10は映像データの送信元としてナビゲーション装置20以外の情報機器が選択されたか否かを判断する(ステップS16)。この判断は、通信LSI11がナビゲーション装置20からの映像データを受信したか否かにより行い、ナビゲーション装置20以外の情報機器が選択された場合、映像データの送信を停止させるための制御コマンドをナビゲーション装置20に対して送信する(ステップS17)。
【0050】
ナビゲーション装置20が、前記制御コマンドを受信した場合(ステップS18)、通信LSI21のCSR領域に制御コマンドが書込まれ(ステップS19)、映像データの送信が停止される(ステップS20)。
【0051】
カーナビゲーション装置20の映像処理LSI22は、カラーパレットの生成が可能であるため、例えば、表示画面の切換え時、又は本表示システムの利用時間帯に応じて使用するカラーパレットを変更することができる。
図8は、カラーパレットの更新処理の処理手順を説明するフローチャートである。ナビゲーション装置20のマイクロコンピュータ24は、表示画面の切換要求があるか否かを判断する(ステップS31)。表示画面の切換要求は、モニタ装置10からナビゲーション装置20に対して行うものであってもよく、また、ナビゲーション装置20が自分自身に対して行うものであってもよい。
【0052】
表示画面の切換要求がある場合(S31:YES)、表示画面情報を取得し(ステップS32)、取得した表示画面情報に基づきカラーパレットの生成を行う(ステップS33)。ここで、表示画面情報とは、どのような画面をモニタ装置10に表示させるかについての情報であり、表示画面情報に応じて使用するカラーパレットを変更することによって、例えば、表示形態等を設定する際のメニュー画面と、ナビゲーションを行っているときのナビゲーション画面との間で表示する映像の色調を変えることが可能となる。
【0053】
ステップS31にて、表示画面の切換要求がないと判断した場合(S31:NO)、所定時刻であるか否かを判断する(ステップS34)。所定時刻である場合(S34:YES)、時刻情報を取得して(ステップS35)、取得した時刻情報に基づきカラーパレットの生成を行う(ステップS36)。このように時刻情報に基づいてカラーパレットの生成を行うことにより、例えば、昼間時には明るい色調の表示画面にすることができ、また夜間時には暗い色調の表示画面にすることができる。
【0054】
ステップS33又はステップS36で生成されたカラーパレットのデータ(カラーパレットデータ)はモニタ装置10へ送信され(ステップS37)、映像処理LSI12のメモリに記憶されたカラーパレットが更新される。
【0055】
なお、本実施の形態では、ナビゲーション装置20の映像処理LSI22にてカラーパレットを生成する構成としたが、予め数種類のカラーパレットをメモリ25に格納しておき、必要に応じて所要のカラーパレットをメモリ25から読出すようにしてもよい。
【0056】
また、本実施の形態ではカラーパレットのサイズを8ビットとしたが、16ビットのカラーパレットを利用してもよい。この場合、24ビットカラーの映像データを送信するときと比較してデータ量を2/3倍に減じることができ、しかも、およそ65000色の同時表示が可能となる。
【0057】
更に、本実施の形態では、好適な例として車両Cの内部に構築された表示システムについて説明したが、必ずしも車両Cの内部に限定される必要はない。自動車以外の移動体だけでなく、屋内に構築した表示システムとしても適用可能であることは言うまでもないことである。
【0058】
【発明の効果】
以上、詳述したように、第1発明、第7発明、及び第8発明による場合は、複数の色情報に夫々対応させた識別情報により各画素の色情報を規定した映像データをデータ生成装置にて生成し、生成した映像データを表示装置へ送信し、表示装置では色情報と識別情報とを対応させた色情報テーブルを利用して、受信した映像データに基づく映像を表示するようにしている。したがって、データ生成装置から送信する映像データのデータ量を圧縮することなく減らすことができ、制御信号、音声データ等の伝送のために使用するケーブルを用いて映像データを送信することが可能であり、ケーブルの省線化を図ることができる。
【0059】
第2発明による場合は、色情報テーブルをデータ生成装置にて生成し、生成した色情報テーブルを表示装置へ送信して更新できるようにしている。そのため、データ生成装置と表示装置との間で色情報テーブルを共用することができ、その色情報テーブルを利用して表示するため、映像データのデータ量を圧縮することなく減らすことが可能となる。
【0060】
第3発明による場合は、表示装置にて受信した映像データを周期的に表示手段へ伝送して表示するようにしており、しかもその周期を変更可能になしてある。したがって、映像データの更新周期と同程度の周期でしか映像データを送信しないため、通信帯域を節約することが可能となる。
【0061】
第4発明による場合は、表示する映像データの表示解像度を変更する手段を備えているため、例えば、受信した映像データをスクロールさせて表示する場合、必ずしも高解像度の映像データが必要ではないため、映像データを送信する際には解像度を低くしたデータを送信し、表示手段で定められている表示解像度に合わせて表示することも可能となる。そのため、映像データの送信時のデータ量を減らすことができ、通信帯域を節約することができる。
【0062】
第5発明による場合は、IEEE1394の規格に準拠した通信プロトコルに従って映像データを送信するようにしている。そのため、IEEE1394規格で利用される通信ケーブルを利用して、制御信号、音声データ、映像データを送信することが可能となる。
【0063】
第6発明による場合は、例えば、IIDC Digital Camera SpecificationのようなIEEE1394の産業用デジタルカメラ仕様による通信プロトコルに従って映像データを送信するようにしている。IEEE1394の産業用デジタルカメラ仕様は、本来産業用カメラの映像データを送信するために利用されているが、この仕様を拡張することによって、例えば高解像度のナビゲーション用映像データの送信が可能となる等、本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る表示システムの構成を示す模式図である。
【図2】カラーパレットの一例を示す概念図である。
【図3】本実施の形態に係るモニタ装置の内部構成を示すブロック図である。
【図4】本実施の形態に係るナビゲーション装置の内部構成を示すブロック図である。
【図5】アイソクロナス通信のパケット構成の一例を示す概念図である。
【図6】映像データの送信処理の処理手順について説明するフローチャートである。
【図7】映像データの送信処理の処理手順について説明するフローチャートである。
【図8】カラーパレットの更新処理の処理手順を説明するフローチャートである。
【図9】従来のデータ伝送システムの構成を示す模式図である。
【符号の説明】
10 モニタ装置
11 通信LSI
12 映像処理LSI
13 メモリ
14 液晶モジュール
20 ナビゲーション装置
21 通信LSI
22 映像処理LSI
23 グラフィック制御部
24 マイクロコンピュータ
25 メモリ
C 車両
N データ通信網
Claims (8)
- データ生成装置及び表示装置を接続してなり、前記データ生成装置は、複数色の色情報に夫々対応させた識別情報により各画素の色情報を規定した映像データを生成するデータ生成手段と、該データ生成手段により生成した映像データを送信する送信手段とを備え、前記表示装置は、前記データ生成装置から送信された映像データを受信する受信手段と、各色情報と識別情報との間の対応関係を規定する色情報テーブルを予め記憶してある記憶手段と、該記憶手段に記憶してある色情報テーブルに基づき、受信した映像データに応じた映像を表示する表示手段とを備えることを特徴とする表示システム。
- 前記データ生成装置は、色情報テーブルを生成する手段と、該手段にて生成した色情報テーブルを前記表示装置へ送信する手段とを更に備え、前記表示装置は、前記データ生成装置から送信された色情報テーブルに基づき、前記記憶手段に記憶してある色情報テーブルを更新すべくなしてあることを特徴とする請求項1に記載の表示システム。
- 前記表示装置は、受信した映像データを周期的に前記表示手段へ伝送すべくなしてあり、前記表示手段へ伝送する周期を変更可能になしてあることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の表示システム。
- 前記表示装置は、表示すべき映像データの表示解像度を変換する手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の表示システム。
- 前記データ生成装置は、IEEE1394に準拠した通信プロトコルに従って映像データを前記表示装置へ送信すべくなしてあることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の表示システム。
- 前記データ生成装置は、IEEE1394の産業用デジタルカメラ仕様による通信プロトコルに従って映像データを前記表示装置へ送信すべくなしてあることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載の表示システム。
- 複数色の色情報に夫々対応させた識別情報により各画素の色情報を規定した映像データを外部から受付ける手段と、各色情報と識別情報との間の対応関係を規定する色情報テーブルを予め記憶してある記憶手段と、色情報テーブルを外部から受付ける手段と、受付けた色情報テーブルに基づき、前記記憶手段に記憶してある色情報テーブルを更新する手段と、前記記憶手段に記憶してある色情報テーブルに基づき、受付けた映像データに応じた映像を表示する表示手段とを備えることを特徴とする表示装置。
- 複数色の色情報に夫々対応させた識別情報により各画素の色情報を規定した映像データを生成する手段と、色情報テーブルを生成する手段と、生成した映像データ及び色情報テーブルを外部へ送信する手段とを備えることを特徴とするデータ生成装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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