JP2004061672A - 光ファイバの端面加工方法、光ファイバおよび光ファイバの端面加工装置 - Google Patents
光ファイバの端面加工方法、光ファイバおよび光ファイバの端面加工装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】信頼性に優れ、反射減衰量等の光学的特性のバラツキが小さい光ファイバを低コストで製造することができる光ファイバの端面加工法、端面加工された光ファイバおよび光ファイバの端面加工装置を提供する。
【解決手段】所定の角度に劈開または研磨した光ファイバ端面11を瞬間溶融することにより、上記課題を解決する。このとき、劈開した光ファイバの端面2の角度θ1が0°以上20°以下であることが好ましく、また、その瞬間溶融がアーク放電により行われることが好ましい。この方法で製造された光ファイバの端面2は、その外周エッヂ3に丸みを有する点に外観上の特徴がある。また、本発明の光ファイバ端面加工装置は、光ファイバの端面を瞬間溶融するための一対の放電電極と、ホルダーに固定された光ファイバの端面を所定の溶融加工位置に移動させるための位置調整装置と、その放電電極間に所定の放電電圧を供給する電源装置とを備える。
【選択図】 図1
【解決手段】所定の角度に劈開または研磨した光ファイバ端面11を瞬間溶融することにより、上記課題を解決する。このとき、劈開した光ファイバの端面2の角度θ1が0°以上20°以下であることが好ましく、また、その瞬間溶融がアーク放電により行われることが好ましい。この方法で製造された光ファイバの端面2は、その外周エッヂ3に丸みを有する点に外観上の特徴がある。また、本発明の光ファイバ端面加工装置は、光ファイバの端面を瞬間溶融するための一対の放電電極と、ホルダーに固定された光ファイバの端面を所定の溶融加工位置に移動させるための位置調整装置と、その放電電極間に所定の放電電圧を供給する電源装置とを備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバの端面加工方法、光ファイバおよび光ファイバの端面加工装置に関し、更に詳しくは、劈開または研磨された光ファイバの端面に存在する顕著な劈開キズ、研磨痕、付着物等をなくすことにより、信頼性に優れ且つ反射減衰量等の光学的特性のバラツキが小さい光ファイバを低コストで製造するための光ファイバの端面加工方法、端面加工された光ファイバおよび光ファイバの端面加工装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバの端面は、通常、研磨により所定の角度に鏡面加工されている。具体的には、先ず、光ファイバの先端の被覆を剥離して裸ファイバを露出させ、その裸ファイバを接着剤等によりフェルール内に挿入固定する。次いで、そのフェルールの端面を粗さの異なる研磨フィルムで段階的に研磨することにより、光ファイバの端面が鏡面研磨される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した光ファイバの端面加工方法では、段階的な複数の研磨工程が必要となるので、工数削減によるコストダウンが図れないという問題がある。そのため、加工コストを低減できる光ファイバの新しい端面加工方法の開発が望まれている。
【0004】
また、研磨による光ファイバの端面加工方法においては、研磨後の研磨面に微細な研磨痕が存在したり、研磨後の超音波洗浄等でも十分に除去できない付着物が存在し易く、そうした研磨痕や付着物が、例えば反射減衰量等の光学的特性のバラツキの要因となることが指摘されている。
【0005】
本発明は、上記課題を解決すべくなされたものであって、その目的とするところは、信頼性に優れ、反射減衰量等の光学的特性のバラツキが小さい光ファイバを低コストで製造することができる光ファイバの端面加工法、端面加工された光ファイバおよび光ファイバの端面加工装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する請求項1に記載の光ファイバの端面加工方法は、所定の角度に劈開または研磨した光ファイバ端面を瞬間溶融することに特徴を有するものである。
【0007】
この発明は、研磨手段に代わる新しい端面加工方法および従来の研磨手段により加工された光ファイバの光学的特性をより向上させた端面加工方法を提供したものである。そして、この発明によれば、劈開面上の劈開キズ、ハックル、付着物等や、研磨面上の微細な研磨痕、付着物等があったとしても、それらに基づく信頼性の低下や光学的特性の低下等が生じない程度の短時間の溶融処理により、その端面を溶融処理するので、信頼性に優れ、反射減衰量等の光学的特性のバラツキが小さい光ファイバを低コストで製造することができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の光ファイバの端面加工方法において、劈開した光ファイバの端面の角度が0°以上20°以下であることに特徴を有する。この発明によれば、20°以下の角度の劈開面を有する光ファイバに対して、特に信頼性の向上と光ファイバの光学的特性のバラツキの低減を図ることができる。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の光ファイバの端面加工方法において、前記瞬間溶融がアーク放電により行われることに特徴を有する。この発明によれば、アーク放電により瞬間溶融するので、光ファイバ端面という微小領域の溶融条件を設定し易い。
【0010】
上記課題を解決する請求項4に記載の光ファイバは、本発明の光ファイバの端面加工方法により製造された光ファイバであって、当該光ファイバの劈開面または研磨面の外周エッヂに瞬間溶融に基づく丸みを有し、当該劈開面または研磨面は劈開キズまたは研磨痕を有しないことに特徴がある。この発明によれば、光ファイバ端面が、劈開キズや研磨痕等を有しない程度に瞬間溶融されているので、要求される光学的特性を確保でき、信頼性に優れた光ファイバを提供することができる。
【0011】
上記課題を解決する請求項5に記載の光ファイバの端面加工装置は、所定角度に劈開または研磨した光ファイバの端面を溶融加工する装置であって、前記光ファイバの端面を瞬間溶融するための一対の放電電極と、ホルダーに固定された光ファイバの端面を所定の溶融加工位置に移動させるための位置調整装置と、前記放電電極間に所定の放電電圧を供給する電源装置とを備えることに特徴を有する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の光ファイバの端面加工方法、端面加工された光ファイバおよび光ファイバの端面研磨装置について順次説明する。
【0013】
(光ファイバの端面加工方法)
本発明の光ファイバの端面加工方法は、図1および図2に示すように、所定の角度θ1に劈開した端面(以下、劈開面11という。)または所定の角度θ2に研磨した端面(以下、研磨面21という。)を瞬間溶融する方法である。
【0014】
先ず、劈開面11について図1(a)(c)を参照しつつ説明する。劈開面11は、光ファイバ1に張力を加え、必要に応じて捻りつつ、ダイヤモンドカッター等の切断刃を光ファイバ1の表面に押し当てることにより形成される。光ファイバ1に捻りを加えないで劈開させると、その劈開面11は、光ファイバ1に直交する劈開面11となり、その角度θ1は約0°となる。一方、光ファイバ1に所定の角度の捻りを加えて劈開させると、その劈開面11は、光ファイバ1の直交面からその捻り角度に対応した角度θ1だけ傾いた劈開面11となる。なお、劈開面11の角度θ1は、捻り角度とほぼ同じ角度で形成されるが、張力や切断刃の押し当て条件により微調整することができる。例えば、ナイロン被覆やUV樹脂層などを除去した直径125μmの裸ファイバに2N(約0.2kgf)程度の張力と約8°の捻りを加えつつ、その裸ファイバ表面に切断刃を押し当てることにより、図1に示すように、約8°傾いた劈開面11を形成することができる。
【0015】
本発明においては、劈開面11の角度θ1が0°以上20°以下であることが好ましい。劈開面11の角度が20°を超える場合には、大きく深いハックル13が形成されていることが多く、後述する瞬間溶融処理を施しても、光ファイバの信頼性や光学的特性を損なわない程度にそのハックル13を溶融することができないことがある。なお、より好ましい劈開面11の角度θ1は0°以上10°以下であり、この範囲の角度θ1で劈開した劈開面11は、その後の瞬間溶融処理により、光ファイバにクラックを発生させる可能性のある深い劈開痕(ハックル)を完全になくすことができるので、より優れた信頼性と光学的特性を維持する光ファイバを製造することができる。
【0016】
劈開面11には、図1(a)に示すように、切断刃が押し当てられた際にできる劈開初期キズ12(劈開キズと同じ。)、角度θ1が大きい場合に生じる劈開痕(ハックル13ともいう。)、劈開時に劈開面11に付着した破片等の付着物14が存在する。こうした劈開キズ等は、光ファイバの光学的特性(例えば、反射減衰量など)を低下させたり、ファイバ特性のバラツキを大きくする要因ともなっている。本発明の端面加工方法は、そうした劈開キズ等を後述の瞬間溶融手段により、小さくまたは消滅させることができる。
【0017】
次に、研磨面12について図2(a)(b)を参照しつつ説明する。研磨面12は、劈開等の任意の手段により切断した光ファイバ1をスリーブに固定し、所定の角度θ2に研磨することによって形成される。研磨面21を形成する際の光ファイバ1の切断については、被覆層が除去された裸ファイバをファイバクリーバーやファイバカッター等により切断する等の従来の種々の手段を適用できる。また、研磨方法については、光ファイバの端面を研磨した後にスリーブから取り外すことができるように固定して研磨する方法であれば特に限定されず、従来より行われている種々の研磨手段を適用することができる。例えば、粗さの異なる研磨フィルムにより段階的に研磨する公知の研磨方法を適用できる。
【0018】
本発明においては、研磨面12の角度θ2は特に限定されず、所望の角度で研磨することができるが、光ファイバ端面2の実用上の仕様用途を考慮すれば、0°以上50°以下であることが好ましい。
【0019】
次に、光ファイバ端面への瞬間溶融処理について説明する。
【0020】
本発明において、瞬間溶融とは、光ファイバ端面としての機能・特性を維持することができる程度にその端面を短時間溶融することをいう。したがって、光ファイバの用途によりその端面に要求される機能・特性は異なるが、本発明においては、その要求に応じた瞬間溶融が光ファイバ端面に施される。
【0021】
例えば、上述した劈開面11に対する瞬間溶融は、劈開面11に形成された劈開キズ12、劈開痕であるハックル13、切断時に発生するファイバ破片等の付着物14(「劈開キズ等」という。)に基づいた光ファイバの光学的特性の低下要因を排除できる程度に、その劈開キズ等を小さくまたは消滅させる条件に設定される。また、上述した研磨面21に対する瞬間溶融は、研磨面12に形成された研磨痕22や、研磨時に発生する研磨粉や砥粒粉等の付着物23(以下、これらを「研磨痕等」ということがある。)に基づいた光ファイバの光学的特性の低下要因を排除できる程度に、その研磨痕等を小さくまたは消滅させる条件に設定される。なお、光ファイバの光学的特性の低下要因としては、例えば、光ファイバ端面にクラックを発生させ成長させる可能性のある各種の傷の存在や、反射減衰量等の光学的特性を低下させたりそのバラツキを大きくする可能性のある付着物の存在等を挙げることができる。
【0022】
このとき、光ファイバ端面としての機能・特性を維持することができる程度を超える溶融処理が施されると、光ファイバの用途に応じた光学的特性が低下してしまう。例えば、劈開面11上に形成された全てのハックル13を消滅させるために長時間の溶融処理を施すことが、結果的に光ファイバ端面の形状を曲面にし、光ファイバに要求される光学的特性を低下させてしまうことがある。したがって、本発明の瞬間溶融とは、そうならないことを限度とした短時間の溶融処理、という意味である。
【0023】
瞬間溶融を行う手段としては、劈開面11または研磨面12上に付着した劈開キズ等や研磨痕等を小さくまたはなくすことができる手段であればよく特に限定されないが、アーク放電、火炎、レーザー等を利用した溶融手段を適用できる。なかでも、制御の容易さ、信頼性、経済性の面からアーク放電を用いた溶融手段を好ましく適用することができる。
【0024】
アーク放電は、パルス性アーク放電を繰り返すことによって行われ、例えば、5kVの電圧を、10ms〜9990msの範囲で調節し、デューティー比と放電時間を制御して行われる。
【0025】
このアーク放電は、プレ放電工程と本放電工程とを有することが好ましい。プレ放電工程は、本放電工程よりも高い周波数の電圧を短時間印加する工程であり、本放電工程での瞬間溶融を起こし易くするために適用される。プレ放電工程は、例えば、デューティー比:10%、放電時間:10ms、電圧:5kVで設定され、本放電工程は、例えば、デューティー比:36〜99%、放電時間:10〜99ms、電圧:5kVで設定される。
【0026】
(端面加工された光ファイバ)
上述した光ファイバの端面加工方法により、劈開キズ等や研磨痕が小さいまたは消滅した端面を有する光ファイバが製造される。こうして製造された光ファイバの端面2は、図1(b)および図2(b)に示すように、その外周エッヂに瞬間溶融に基づく丸みを有している点に外観上の顕著な特徴があり、こうした特徴を有さない他の端面加工方法と区別できる。なお、本発明は、直径125μmの裸ファイバを備えた光ファイバに好ましく適用される。
【0027】
(端面加工装置)
図3は、本発明の光ファイバの端面加工装置31の一例を示す概略図である。本発明の端面加工装置31は、所定角度に劈開または研磨した光ファイバ端面を瞬間溶融するためのアーク放電装置であり、放電電極32と位置調整装置33と電源装置35とを備えている。
【0028】
放電電極32は、所定の間隔で向かい合うように配置された一対の電極であり、先端が円錐状に加工されたタングステン電極が好ましく用いられる。光ファイバ端面は、この放電電極32間で起こるアーク放電により瞬間溶融される(図4を参照。)。
【0029】
位置調整装置33は、光ファイバ端面を、上述した放電電極間に移動させるための装置であり、回転ステージ41、Z軸ステージ42、X−Yステージ43とから構成されている。こうした各ステージにより、光ファイバ端面を所定位置に自在に移動させることができる。なお、各ステージの配置は特に限定されず、最上部のステージが回転ステージ41(図3を参照)であってもZ軸ステージであってもX−Yステージであってもよい。光ファイバは、最上部のステージに装着または形成されているホルダー34で固定される。ホルダー34の形状としては、板材にV溝を有した構造を例示でき、光ファイバ端面付近の裸ファイバ36をそのV溝内に装着し上方からクランプして固定する先端ホルダ部44と、UV樹脂で被覆された光ファイバ素線37またはUV樹脂とナイロンで被覆された光ファイバ芯線(37)の胴部をV溝内に装着し上方からクランプして固定するファイバホルダ部45とから構成されることが好ましい。
【0030】
電源装置25は、デューティー比と放電時間とによりアーク放電条件を設定できるものであり、例えば、電源装置をデューティー比:36%〜99%、放電パルス時間:10ms〜9990msまで調整可能となっている。電源装置の操作パネルには、例えば、電源スイッチ36、放電開始スイッチ37、デューティー比調整スイッチ38、放電時間調整スイッチ39等を配置することができる。
【0031】
【実施例】
実施例により本発明を更に具体的に説明する。
【0032】
(実施例1)
先ず、UV樹脂とナイロンで被覆された直径0.9mmの光ファイバ芯線を準備し、その先端部分の被覆層を剥離して直径125μmの裸ファイバを露出させた。次いで、露出させた裸ファイバに約2N(約0.2kgf)の張力と約8°の捻り加え、ダイヤモンドカッターからなる切断刃をその裸ファイバの表面に押し当てることにより、光ファイバの先端に8°劈開面を形成した(図1(a)を参照。)。
【0033】
こうして得られた8°劈開面を有する光ファイバを、図3に示す光ファイバの端面加工装置31のホルダー34にセットして位置調整を行い、次いで、デューティー比:71%、放電時間:2000msの条件でアーク放電を行って、その端面を瞬間溶融した。こうして加工された端面の拡大写真が図1(b)である。
【0034】
図1(a)に示すように、瞬間溶融する以前の劈開面11には、劈開キズ12、ハックル13、光ファイバの破片等の付着物14等が観察されたが、図1(b)に示すように、瞬間溶融した後の光ファイバ端面2では、それらの付着物やキズ等の消滅が確認された。なお、瞬間溶融処理が施されているか否かを判断できる特徴的な形態の一つとして、光ファイバ端面2の外周エッヂ3が丸みを帯び、滑らかになっていることが挙げられる。
【0035】
(実施例2)
上述の実施例1と同様に、その先端を露出させた光ファイバを準備し、得られた光ファイバをスリーブで挟んで固定し、そのスリーブ先端から突出した裸ファイバをファイバクリーバーで切断し、その後、その端面が50°になるように研磨した。研磨は、粗い研磨フィルムから細かい研磨フィルムまで段階的に使用して研磨した。光ファイバ先端の研磨面21を、実施例1と同じ条件で瞬間溶融した。こうして得られた光ファイバ端面2の拡大写真が図2(b)である。
【0036】
図2(a)に示すように、瞬間溶融する以前の研磨面21には微細な研磨痕22や砥粒・研磨屑等の付着物23が見られたが、図2(b)に示すように、瞬間溶融した後の光ファイバ端面2には、それらのキズや付着物は見られなかった。
【0037】
(反射減衰量の測定)
実施例1で端面加工した光ファイバと、実施例1の端面加工をする前の光ファイバの反射減衰量を測定し、その結果を図5に示した。本発明の端面加工方法により瞬間溶融された光ファイバの反射減衰量は、瞬間溶融されていない光ファイバの反射減衰量よりもバラツキが著しく小さくなっており、その標準偏差を比較すると0.74から0.33と半分以下に減少していることが確認された。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の光ファイバの端面加工方法および光ファイバの端面加工装置によれば、劈開された光ファイバ端面上の劈開キズ等、または、研磨された光ファイバ端面上の研磨痕等を小さくまたは消滅させることができる。その結果、残留キズ等を誘因としたクラックの発生や成長の可能性を著しく低下させることができるので、信頼性に優れ、反射減衰量等の光学的特性のバラツキが小さい光ファイバを製造することができる。
【0039】
こうした方法および装置による光ファイバの製造は、従来のような裸ファイバのフェルール挿入・接着・端面研磨等による先端形成工程が不要であり、部品点数および加工工数が削減でき、コストダウンが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ファイバの端面加工方法の対象となる劈開面の拡大写真(a)、瞬間溶融された後の光ファイバ端面の拡大写真(b)、および光ファイバ端面の形態説明図(c)の一例である。
【図2】本発明の光ファイバの端面加工方法の対象となる研磨面の拡大写真(a)、瞬間溶融された後の光ファイバ端面の拡大写真(b)、および光ファイバ端面の形態説明図(c)の一例である。
【図3】本発明の光ファイバの端面加工装置の一例を示す構成図である。
【図4】本発明の光ファイバの端面加工装置を使用した場合の放電態様の一例を示す概略図である。
【図5】本発明の端面加工を施した光ファイバと、その端面加工を施していない光ファイバの反射減衰量を比較したグラフである。
【符号の説明】
1 光ファイバ
2 処理された光ファイバ端面
3 外周エッヂ
11 劈開面
12 劈開キズ
13 ハックル
14 付着物
21 研磨面
22 研磨痕
23 付着物
31 端面加工装置
32 放電電極
33 位置調整装置
34 ホルダー
35 電源装置
36 裸ファイバ
37 光ファイバ素線または光ファイバ芯線
41 回転ステージ
42 Z軸ステージ
43 X−Yステージ
44 先端ホルダー部
45 ファイバホルダー部
46 電源スイッチ
47 放電開始スイッチ
48 デューティー比調整スイッチ
49 放電時間調整スイッチ
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバの端面加工方法、光ファイバおよび光ファイバの端面加工装置に関し、更に詳しくは、劈開または研磨された光ファイバの端面に存在する顕著な劈開キズ、研磨痕、付着物等をなくすことにより、信頼性に優れ且つ反射減衰量等の光学的特性のバラツキが小さい光ファイバを低コストで製造するための光ファイバの端面加工方法、端面加工された光ファイバおよび光ファイバの端面加工装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバの端面は、通常、研磨により所定の角度に鏡面加工されている。具体的には、先ず、光ファイバの先端の被覆を剥離して裸ファイバを露出させ、その裸ファイバを接着剤等によりフェルール内に挿入固定する。次いで、そのフェルールの端面を粗さの異なる研磨フィルムで段階的に研磨することにより、光ファイバの端面が鏡面研磨される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した光ファイバの端面加工方法では、段階的な複数の研磨工程が必要となるので、工数削減によるコストダウンが図れないという問題がある。そのため、加工コストを低減できる光ファイバの新しい端面加工方法の開発が望まれている。
【0004】
また、研磨による光ファイバの端面加工方法においては、研磨後の研磨面に微細な研磨痕が存在したり、研磨後の超音波洗浄等でも十分に除去できない付着物が存在し易く、そうした研磨痕や付着物が、例えば反射減衰量等の光学的特性のバラツキの要因となることが指摘されている。
【0005】
本発明は、上記課題を解決すべくなされたものであって、その目的とするところは、信頼性に優れ、反射減衰量等の光学的特性のバラツキが小さい光ファイバを低コストで製造することができる光ファイバの端面加工法、端面加工された光ファイバおよび光ファイバの端面加工装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する請求項1に記載の光ファイバの端面加工方法は、所定の角度に劈開または研磨した光ファイバ端面を瞬間溶融することに特徴を有するものである。
【0007】
この発明は、研磨手段に代わる新しい端面加工方法および従来の研磨手段により加工された光ファイバの光学的特性をより向上させた端面加工方法を提供したものである。そして、この発明によれば、劈開面上の劈開キズ、ハックル、付着物等や、研磨面上の微細な研磨痕、付着物等があったとしても、それらに基づく信頼性の低下や光学的特性の低下等が生じない程度の短時間の溶融処理により、その端面を溶融処理するので、信頼性に優れ、反射減衰量等の光学的特性のバラツキが小さい光ファイバを低コストで製造することができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の光ファイバの端面加工方法において、劈開した光ファイバの端面の角度が0°以上20°以下であることに特徴を有する。この発明によれば、20°以下の角度の劈開面を有する光ファイバに対して、特に信頼性の向上と光ファイバの光学的特性のバラツキの低減を図ることができる。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の光ファイバの端面加工方法において、前記瞬間溶融がアーク放電により行われることに特徴を有する。この発明によれば、アーク放電により瞬間溶融するので、光ファイバ端面という微小領域の溶融条件を設定し易い。
【0010】
上記課題を解決する請求項4に記載の光ファイバは、本発明の光ファイバの端面加工方法により製造された光ファイバであって、当該光ファイバの劈開面または研磨面の外周エッヂに瞬間溶融に基づく丸みを有し、当該劈開面または研磨面は劈開キズまたは研磨痕を有しないことに特徴がある。この発明によれば、光ファイバ端面が、劈開キズや研磨痕等を有しない程度に瞬間溶融されているので、要求される光学的特性を確保でき、信頼性に優れた光ファイバを提供することができる。
【0011】
上記課題を解決する請求項5に記載の光ファイバの端面加工装置は、所定角度に劈開または研磨した光ファイバの端面を溶融加工する装置であって、前記光ファイバの端面を瞬間溶融するための一対の放電電極と、ホルダーに固定された光ファイバの端面を所定の溶融加工位置に移動させるための位置調整装置と、前記放電電極間に所定の放電電圧を供給する電源装置とを備えることに特徴を有する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の光ファイバの端面加工方法、端面加工された光ファイバおよび光ファイバの端面研磨装置について順次説明する。
【0013】
(光ファイバの端面加工方法)
本発明の光ファイバの端面加工方法は、図1および図2に示すように、所定の角度θ1に劈開した端面(以下、劈開面11という。)または所定の角度θ2に研磨した端面(以下、研磨面21という。)を瞬間溶融する方法である。
【0014】
先ず、劈開面11について図1(a)(c)を参照しつつ説明する。劈開面11は、光ファイバ1に張力を加え、必要に応じて捻りつつ、ダイヤモンドカッター等の切断刃を光ファイバ1の表面に押し当てることにより形成される。光ファイバ1に捻りを加えないで劈開させると、その劈開面11は、光ファイバ1に直交する劈開面11となり、その角度θ1は約0°となる。一方、光ファイバ1に所定の角度の捻りを加えて劈開させると、その劈開面11は、光ファイバ1の直交面からその捻り角度に対応した角度θ1だけ傾いた劈開面11となる。なお、劈開面11の角度θ1は、捻り角度とほぼ同じ角度で形成されるが、張力や切断刃の押し当て条件により微調整することができる。例えば、ナイロン被覆やUV樹脂層などを除去した直径125μmの裸ファイバに2N(約0.2kgf)程度の張力と約8°の捻りを加えつつ、その裸ファイバ表面に切断刃を押し当てることにより、図1に示すように、約8°傾いた劈開面11を形成することができる。
【0015】
本発明においては、劈開面11の角度θ1が0°以上20°以下であることが好ましい。劈開面11の角度が20°を超える場合には、大きく深いハックル13が形成されていることが多く、後述する瞬間溶融処理を施しても、光ファイバの信頼性や光学的特性を損なわない程度にそのハックル13を溶融することができないことがある。なお、より好ましい劈開面11の角度θ1は0°以上10°以下であり、この範囲の角度θ1で劈開した劈開面11は、その後の瞬間溶融処理により、光ファイバにクラックを発生させる可能性のある深い劈開痕(ハックル)を完全になくすことができるので、より優れた信頼性と光学的特性を維持する光ファイバを製造することができる。
【0016】
劈開面11には、図1(a)に示すように、切断刃が押し当てられた際にできる劈開初期キズ12(劈開キズと同じ。)、角度θ1が大きい場合に生じる劈開痕(ハックル13ともいう。)、劈開時に劈開面11に付着した破片等の付着物14が存在する。こうした劈開キズ等は、光ファイバの光学的特性(例えば、反射減衰量など)を低下させたり、ファイバ特性のバラツキを大きくする要因ともなっている。本発明の端面加工方法は、そうした劈開キズ等を後述の瞬間溶融手段により、小さくまたは消滅させることができる。
【0017】
次に、研磨面12について図2(a)(b)を参照しつつ説明する。研磨面12は、劈開等の任意の手段により切断した光ファイバ1をスリーブに固定し、所定の角度θ2に研磨することによって形成される。研磨面21を形成する際の光ファイバ1の切断については、被覆層が除去された裸ファイバをファイバクリーバーやファイバカッター等により切断する等の従来の種々の手段を適用できる。また、研磨方法については、光ファイバの端面を研磨した後にスリーブから取り外すことができるように固定して研磨する方法であれば特に限定されず、従来より行われている種々の研磨手段を適用することができる。例えば、粗さの異なる研磨フィルムにより段階的に研磨する公知の研磨方法を適用できる。
【0018】
本発明においては、研磨面12の角度θ2は特に限定されず、所望の角度で研磨することができるが、光ファイバ端面2の実用上の仕様用途を考慮すれば、0°以上50°以下であることが好ましい。
【0019】
次に、光ファイバ端面への瞬間溶融処理について説明する。
【0020】
本発明において、瞬間溶融とは、光ファイバ端面としての機能・特性を維持することができる程度にその端面を短時間溶融することをいう。したがって、光ファイバの用途によりその端面に要求される機能・特性は異なるが、本発明においては、その要求に応じた瞬間溶融が光ファイバ端面に施される。
【0021】
例えば、上述した劈開面11に対する瞬間溶融は、劈開面11に形成された劈開キズ12、劈開痕であるハックル13、切断時に発生するファイバ破片等の付着物14(「劈開キズ等」という。)に基づいた光ファイバの光学的特性の低下要因を排除できる程度に、その劈開キズ等を小さくまたは消滅させる条件に設定される。また、上述した研磨面21に対する瞬間溶融は、研磨面12に形成された研磨痕22や、研磨時に発生する研磨粉や砥粒粉等の付着物23(以下、これらを「研磨痕等」ということがある。)に基づいた光ファイバの光学的特性の低下要因を排除できる程度に、その研磨痕等を小さくまたは消滅させる条件に設定される。なお、光ファイバの光学的特性の低下要因としては、例えば、光ファイバ端面にクラックを発生させ成長させる可能性のある各種の傷の存在や、反射減衰量等の光学的特性を低下させたりそのバラツキを大きくする可能性のある付着物の存在等を挙げることができる。
【0022】
このとき、光ファイバ端面としての機能・特性を維持することができる程度を超える溶融処理が施されると、光ファイバの用途に応じた光学的特性が低下してしまう。例えば、劈開面11上に形成された全てのハックル13を消滅させるために長時間の溶融処理を施すことが、結果的に光ファイバ端面の形状を曲面にし、光ファイバに要求される光学的特性を低下させてしまうことがある。したがって、本発明の瞬間溶融とは、そうならないことを限度とした短時間の溶融処理、という意味である。
【0023】
瞬間溶融を行う手段としては、劈開面11または研磨面12上に付着した劈開キズ等や研磨痕等を小さくまたはなくすことができる手段であればよく特に限定されないが、アーク放電、火炎、レーザー等を利用した溶融手段を適用できる。なかでも、制御の容易さ、信頼性、経済性の面からアーク放電を用いた溶融手段を好ましく適用することができる。
【0024】
アーク放電は、パルス性アーク放電を繰り返すことによって行われ、例えば、5kVの電圧を、10ms〜9990msの範囲で調節し、デューティー比と放電時間を制御して行われる。
【0025】
このアーク放電は、プレ放電工程と本放電工程とを有することが好ましい。プレ放電工程は、本放電工程よりも高い周波数の電圧を短時間印加する工程であり、本放電工程での瞬間溶融を起こし易くするために適用される。プレ放電工程は、例えば、デューティー比:10%、放電時間:10ms、電圧:5kVで設定され、本放電工程は、例えば、デューティー比:36〜99%、放電時間:10〜99ms、電圧:5kVで設定される。
【0026】
(端面加工された光ファイバ)
上述した光ファイバの端面加工方法により、劈開キズ等や研磨痕が小さいまたは消滅した端面を有する光ファイバが製造される。こうして製造された光ファイバの端面2は、図1(b)および図2(b)に示すように、その外周エッヂに瞬間溶融に基づく丸みを有している点に外観上の顕著な特徴があり、こうした特徴を有さない他の端面加工方法と区別できる。なお、本発明は、直径125μmの裸ファイバを備えた光ファイバに好ましく適用される。
【0027】
(端面加工装置)
図3は、本発明の光ファイバの端面加工装置31の一例を示す概略図である。本発明の端面加工装置31は、所定角度に劈開または研磨した光ファイバ端面を瞬間溶融するためのアーク放電装置であり、放電電極32と位置調整装置33と電源装置35とを備えている。
【0028】
放電電極32は、所定の間隔で向かい合うように配置された一対の電極であり、先端が円錐状に加工されたタングステン電極が好ましく用いられる。光ファイバ端面は、この放電電極32間で起こるアーク放電により瞬間溶融される(図4を参照。)。
【0029】
位置調整装置33は、光ファイバ端面を、上述した放電電極間に移動させるための装置であり、回転ステージ41、Z軸ステージ42、X−Yステージ43とから構成されている。こうした各ステージにより、光ファイバ端面を所定位置に自在に移動させることができる。なお、各ステージの配置は特に限定されず、最上部のステージが回転ステージ41(図3を参照)であってもZ軸ステージであってもX−Yステージであってもよい。光ファイバは、最上部のステージに装着または形成されているホルダー34で固定される。ホルダー34の形状としては、板材にV溝を有した構造を例示でき、光ファイバ端面付近の裸ファイバ36をそのV溝内に装着し上方からクランプして固定する先端ホルダ部44と、UV樹脂で被覆された光ファイバ素線37またはUV樹脂とナイロンで被覆された光ファイバ芯線(37)の胴部をV溝内に装着し上方からクランプして固定するファイバホルダ部45とから構成されることが好ましい。
【0030】
電源装置25は、デューティー比と放電時間とによりアーク放電条件を設定できるものであり、例えば、電源装置をデューティー比:36%〜99%、放電パルス時間:10ms〜9990msまで調整可能となっている。電源装置の操作パネルには、例えば、電源スイッチ36、放電開始スイッチ37、デューティー比調整スイッチ38、放電時間調整スイッチ39等を配置することができる。
【0031】
【実施例】
実施例により本発明を更に具体的に説明する。
【0032】
(実施例1)
先ず、UV樹脂とナイロンで被覆された直径0.9mmの光ファイバ芯線を準備し、その先端部分の被覆層を剥離して直径125μmの裸ファイバを露出させた。次いで、露出させた裸ファイバに約2N(約0.2kgf)の張力と約8°の捻り加え、ダイヤモンドカッターからなる切断刃をその裸ファイバの表面に押し当てることにより、光ファイバの先端に8°劈開面を形成した(図1(a)を参照。)。
【0033】
こうして得られた8°劈開面を有する光ファイバを、図3に示す光ファイバの端面加工装置31のホルダー34にセットして位置調整を行い、次いで、デューティー比:71%、放電時間:2000msの条件でアーク放電を行って、その端面を瞬間溶融した。こうして加工された端面の拡大写真が図1(b)である。
【0034】
図1(a)に示すように、瞬間溶融する以前の劈開面11には、劈開キズ12、ハックル13、光ファイバの破片等の付着物14等が観察されたが、図1(b)に示すように、瞬間溶融した後の光ファイバ端面2では、それらの付着物やキズ等の消滅が確認された。なお、瞬間溶融処理が施されているか否かを判断できる特徴的な形態の一つとして、光ファイバ端面2の外周エッヂ3が丸みを帯び、滑らかになっていることが挙げられる。
【0035】
(実施例2)
上述の実施例1と同様に、その先端を露出させた光ファイバを準備し、得られた光ファイバをスリーブで挟んで固定し、そのスリーブ先端から突出した裸ファイバをファイバクリーバーで切断し、その後、その端面が50°になるように研磨した。研磨は、粗い研磨フィルムから細かい研磨フィルムまで段階的に使用して研磨した。光ファイバ先端の研磨面21を、実施例1と同じ条件で瞬間溶融した。こうして得られた光ファイバ端面2の拡大写真が図2(b)である。
【0036】
図2(a)に示すように、瞬間溶融する以前の研磨面21には微細な研磨痕22や砥粒・研磨屑等の付着物23が見られたが、図2(b)に示すように、瞬間溶融した後の光ファイバ端面2には、それらのキズや付着物は見られなかった。
【0037】
(反射減衰量の測定)
実施例1で端面加工した光ファイバと、実施例1の端面加工をする前の光ファイバの反射減衰量を測定し、その結果を図5に示した。本発明の端面加工方法により瞬間溶融された光ファイバの反射減衰量は、瞬間溶融されていない光ファイバの反射減衰量よりもバラツキが著しく小さくなっており、その標準偏差を比較すると0.74から0.33と半分以下に減少していることが確認された。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の光ファイバの端面加工方法および光ファイバの端面加工装置によれば、劈開された光ファイバ端面上の劈開キズ等、または、研磨された光ファイバ端面上の研磨痕等を小さくまたは消滅させることができる。その結果、残留キズ等を誘因としたクラックの発生や成長の可能性を著しく低下させることができるので、信頼性に優れ、反射減衰量等の光学的特性のバラツキが小さい光ファイバを製造することができる。
【0039】
こうした方法および装置による光ファイバの製造は、従来のような裸ファイバのフェルール挿入・接着・端面研磨等による先端形成工程が不要であり、部品点数および加工工数が削減でき、コストダウンが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ファイバの端面加工方法の対象となる劈開面の拡大写真(a)、瞬間溶融された後の光ファイバ端面の拡大写真(b)、および光ファイバ端面の形態説明図(c)の一例である。
【図2】本発明の光ファイバの端面加工方法の対象となる研磨面の拡大写真(a)、瞬間溶融された後の光ファイバ端面の拡大写真(b)、および光ファイバ端面の形態説明図(c)の一例である。
【図3】本発明の光ファイバの端面加工装置の一例を示す構成図である。
【図4】本発明の光ファイバの端面加工装置を使用した場合の放電態様の一例を示す概略図である。
【図5】本発明の端面加工を施した光ファイバと、その端面加工を施していない光ファイバの反射減衰量を比較したグラフである。
【符号の説明】
1 光ファイバ
2 処理された光ファイバ端面
3 外周エッヂ
11 劈開面
12 劈開キズ
13 ハックル
14 付着物
21 研磨面
22 研磨痕
23 付着物
31 端面加工装置
32 放電電極
33 位置調整装置
34 ホルダー
35 電源装置
36 裸ファイバ
37 光ファイバ素線または光ファイバ芯線
41 回転ステージ
42 Z軸ステージ
43 X−Yステージ
44 先端ホルダー部
45 ファイバホルダー部
46 電源スイッチ
47 放電開始スイッチ
48 デューティー比調整スイッチ
49 放電時間調整スイッチ
Claims (5)
- 所定の角度に劈開または研磨した光ファイバの端面を瞬間溶融することを特徴とする光ファイバの端面加工方法。
- 劈開した光ファイバの端面の角度が0°以上20°以下であることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバの端面加工方法。
- 前記瞬間溶融がアーク放電により行われることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光ファイバの端面加工方法。
- 請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の光ファイバの端面加工方法により製造された光ファイバであって、当該光ファイバの劈開面または研磨面の外周エッヂに瞬間溶融に基づく丸みを有し、当該劈開面または研磨面が劈開キズまたは研磨痕を有しないことを特徴とする光ファイバ。
- 所定角度に劈開または研磨した光ファイバの端面を溶融加工する装置であって、前記光ファイバの端面を瞬間溶融するための一対の放電電極と、ホルダーに固定された光ファイバの端面を所定の溶融加工位置に移動させるための位置調整装置と、前記放電電極間に所定の放電電圧を供給する電源装置とを備えることを特徴とする光ファイバの端面加工装置。
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JP2002217331A JP2004061672A (ja) | 2002-07-25 | 2002-07-25 | 光ファイバの端面加工方法、光ファイバおよび光ファイバの端面加工装置 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012529678A (ja) * | 2009-06-08 | 2012-11-22 | コーニング インコーポレイテッド | 微細構造伝送光ファイバ |
JP2016503905A (ja) * | 2012-12-14 | 2016-02-08 | 深▲せん▼日海通訊技術股▲ふん▼有限公司 | 光ファイバ端面処理方法、光ファイバ端面及び処理装置 |
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-
2002
- 2002-07-25 JP JP2002217331A patent/JP2004061672A/ja active Pending
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