JP2004060714A - 自動変速機 - Google Patents
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Abstract
【課題】良好な所望の前進6速段、後進1速段のギヤ比を得ることができる自動変速機を提供することである。
【解決手段】入力軸と、変速用複式プラネタリギヤと、固定要素を固定可能とし入力要素を入力軸に連結可能とした減速用ダブルピニオンプラネタリギヤとを同軸上に配置する。変速用複式プラネタリギヤの第1要素を、第1ブレーキを介して固定し又は減速用ダブルピニオンプラネタリギヤの出力要素に連結可能とする。第2要素を、第2クラッチを介して入力軸に連結し又は第2ブレーキを介して固定する。第4要素を第1クラッチを介して入力軸に連結し、第3要素を出力部材に常時連結する。制御装置により各クラッチ及び各ブレーキを係脱して前進6速、後進1速を達成する。
【選択図】 図1
【解決手段】入力軸と、変速用複式プラネタリギヤと、固定要素を固定可能とし入力要素を入力軸に連結可能とした減速用ダブルピニオンプラネタリギヤとを同軸上に配置する。変速用複式プラネタリギヤの第1要素を、第1ブレーキを介して固定し又は減速用ダブルピニオンプラネタリギヤの出力要素に連結可能とする。第2要素を、第2クラッチを介して入力軸に連結し又は第2ブレーキを介して固定する。第4要素を第1クラッチを介して入力軸に連結し、第3要素を出力部材に常時連結する。制御装置により各クラッチ及び各ブレーキを係脱して前進6速、後進1速を達成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、入力軸に連結可能とされた減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ及び変速用複式プラネタリギヤの各要素に連結されたクラッチ及びブレーキを係脱して入力軸の回転を複数段に変速して出力軸に伝達する自動変速機に関する。
【0002】
【従来の技術】
第1ダブルピニオンプラネタリギヤと、第2ダブルピニオンプラネタリギヤと、減速用ダブルピニオンプラネタリギヤと、入力軸とを同軸上に配置し、前記第1及び第2ダブルピニオンプラネタリギヤの各リングギヤを直結して第2クラッチを介して入力軸に連結し、又は第2ブレーキを介して固定し、第1ダブルピニオンプラネタリギヤのキャリアと第2ダブルピニオンプラネタリギヤのサンギヤとを直結するとともに前記減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのリングギヤに第3クラッチを介して連結し、又は第1ブレーキを介して固定し、前記第1ダブルピニオンプラネタリギヤのサンギヤを第1クラッチを介して入力軸に連結し、第2ダブルピニオンプラネタリギヤのキャリアを出力部材に常時連結し、前記減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのサンギヤを常時固定しキャリアを入力軸に直結して前進5速、後進1速を達成する自動変速機が特許第2693632号公報に開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の自動変速機は、前進5速、後進1速の間でギヤ比を切り換えることが可能である。しかし、近年は燃費及び動力伝達性能向上を図るため、或いは運転者の嗜好にマッチしたギヤ比を得るために、簡単な構造で、適切に離間した前進6速段のギヤ比を成立することができる自動変速機が求められている。
【0004】
本発明は係る要望に応えるためになされたもので、良好な所望の前進6速段、後進1速段のギヤ比を得ることができる自動変速機を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、請求項1に記載の発明の構成上の特徴は、変速用複式プラネタリギヤを第1ダブルピニオンプラネタリギヤ及び第2シングルピニオンプラネタリギヤで構成し、前記第2シングルピニオンプラネタリギヤのサンギヤを前記第1要素とし、前記第1ダブルピニオンプラネタリギヤのサンギヤと前記第2シングルピニオンプラネタリギヤのキャリアとを直結して前記第2要素とし、前記第1ダブルピニオンプラネタリギヤのキャリアを第4要素とし、前記第1ダブルピニオンプラネタリギヤ及び前記第2シングルピニオンプラネタリギヤの各リングギヤを直結して前記第3要素とし、前記変速用複式プラネタリギヤの前記第1要素を第1ブレーキを介して固定し、前記第2要素を第2クラッチを介して入力軸に連結し、又は第2ブレーキを介して固定し、前記第4要素を第1クラッチを介して入力軸に連結し、前記第3要素を出力部材に常時連結し、減速用ダブルピニオンプラネタリギヤの出力要素を前記第1要素に連結可能とし、固定要素を固定可能とし入力要素を前記入力軸に連結可能とし、制御装置により前記各クラッチ及び各ブレーキを選択的に係脱して前進6速段、後進1速段を達成することである。
【0006】
請求項2に係る発明の構成上の特徴は、変速用複式プラネタリギヤを第1及び第2シングルピニオンプラネタリギヤで構成し、前記第1及び第2シングルピニオンプラネタリギヤのリングギヤ及びサンギヤを直結して第1要素とし、前記第1及び第2シングルピニオンプラネタリギヤの各キャリアを直結して第2要素とし、前記第1シングルピニオンプラネタリギヤのサンギヤを第4要素とし、前記第2シングルピニオンプラネタリギヤのリングギヤを第3要素とし、前記変速用複式プラネタリギヤの前記第1要素を第1ブレーキを介して固定し、前記第2要素を第2クラッチを介して入力軸に連結し、又は第2ブレーキを介して固定し、前記第4要素を第1クラッチを介して入力軸に連結し、前記第3要素を出力部材に常時連結し、減速用ダブルピニオンプラネタリギヤの出力要素を前記第1要素に連結可能とし、固定要素を固定可能とし入力要素を前記入力軸に連結可能とし、制御装置により前記各クラッチ及び各ブレーキを選択的に係脱して前進6速段、後進1速段を達成することである。
【0007】
請求項3に係る発明の構成上の特徴は、変速用複式プラネタリギヤを第1シングルピニオンプラネタリギヤ及び第2ダブルピニオンプラネタリギヤで構成し、前記第2ダブルピニオンプラネタリギヤのサンギヤを第1要素とし、前記第1シングルピニオンプラネタリギヤ及び前記第2ダブルピニオンプラネタリギヤの各リングギヤを直結して第2要素とし、前記第1シングルピニオンプラネタリギヤのサンギヤと前記第2ダブルピニオンプラネタリギヤのキャリアとを直結して第4要素とし、前記第1シングルピニオンプラネタリギヤのキャリアを第3要素とし、前記変速用複式プラネタリギヤの前記第1要素を第1ブレーキを介して固定し、前記第2要素を第2クラッチを介して入力軸に連結し、又は第2ブレーキを介して固定し、前記第4要素を第1クラッチを介して入力軸に連結し、前記第3要素を出力部材に常時連結し、減速用ダブルピニオンプラネタリギヤの出力要素を前記第1要素に連結可能とし、固定要素を固定可能とし入力要素を前記入力軸に連結可能とし、制御装置により前記各クラッチ及び各ブレーキを選択的に係脱して前進6速段、後進1速段を達成することである。
【0008】
請求項4に係る発明の構成上の特徴は、変速用複式プラネタリギヤを第1ダブルピニオンプラネタリギヤ及び第2シングルピニオンプラネタリギヤで構成し、前記第1ダブルピニオンプラネタリギヤのキャリアと前記第2シングルピニオンプラネタリギヤのサンギヤとを直結して第1要素とし、前記第2シングルピニオンプラネタリギヤのキャリアを第2要素とし、前記第1ダブルピニオンプラネタリギヤのサンギヤを第4要素とし、前記第1ダブルピニオンプラネタリギヤ及び前記第2シングルピニオンプラネタリギヤの各リングギヤを直結して第3要素とし、前記変速用複式プラネタリギヤの前記第1要素を第1ブレーキを介して固定し、前記第2要素を第2クラッチを介して入力軸に連結し、又は第2ブレーキを介して固定し、前記第4要素を第1クラッチを介して入力軸に連結し、前記第3要素を出力部材に常時連結し、減速用ダブルピニオンプラネタリギヤの出力要素を前記第1要素に連結可能とし、固定要素を固定可能とし入力要素を前記入力軸に連結可能とし、制御装置により前記各クラッチ及び各ブレーキを選択的に係脱して前進6速段、後進1速段を達成することである。
【0009】
請求項5に係る発明の構成上の特徴は、変速用複式プラネタリギヤを第1シングルピニオンプラネタリギヤ及び第2ダブルピニオンプラネタリギヤで構成し、前記第2ダブルピニオンプラネタリギヤのキャリアを第1要素とし、前記第1シングルピニオンプラネタリギヤのリングギヤを第2要素とし、前記第1シングルピニオンプラネタリギヤ及び前記第2ダブルピニオンプラネタリギヤの各サンギヤを直結して第4要素とし、前記第1シングルピニオンプラネタリギヤのキャリアと前記第2ダブルピニオンプラネタリギヤのリングギヤとを直結して第3要素とし、前記変速用複式プラネタリギヤの前記第1要素を第1ブレーキを介して固定し、前記第2要素を第2クラッチを介して入力軸に連結し、又は第2ブレーキを介して固定し、前記第4要素を第1クラッチを介して入力軸に連結し、前記第3要素を出力部材に常時連結し、減速用ダブルピニオンプラネタリギヤの出力要素を前記第1要素に連結可能とし、固定要素を固定可能とし入力要素を前記入力軸に連結可能とし、制御装置により前記各クラッチ及び各ブレーキを選択的に係脱して前進6速段、後進1速段を達成することである。
【0010】
請求項6に係る発明の構成上の特徴は、変速用複式プラネタリギヤを第1ダブルピニオンプラネタリギヤ及び第2シングルピニオンプラネタリギヤで構成し、前記第1ダブルピニオンプラネタリギヤ及び第2シングルピニオンプラネタリギヤの各サンギヤを直結して第1要素とし、前記第1ダブルピニオンプラネタリギヤのリングギヤと前記第2シングルピニオンプラネタリギヤのキャリアとを直結して第2要素とし、前記第1ダブルピニオンプラネタリギヤのキャリアを第4要素とし、前記第2シングルピニオンプラネタリギヤのリングギヤを第3要素とし、前記変速用複式プラネタリギヤの前記第1要素を第1ブレーキを介して固定し、前記第2要素を第2クラッチを介して入力軸に連結し、又は第2ブレーキを介して固定し、前記第4要素を第1クラッチを介して入力軸に連結し、前記第3要素を出力部材に常時連結し、減速用ダブルピニオンプラネタリギヤの出力要素を前記第1要素に連結可能とし、固定要素を固定可能とし入力要素を前記入力軸に連結可能とし、制御装置により前記各クラッチ及び各ブレーキを選択的に係脱して前進6速段、後進1速段を達成することである。
【0011】
請求項7に係る発明の構成上の特徴は、変速用複式プラネタリギヤを第1ダブルピニオンプラネタリギヤ及び第2シングルピニオンプラネタリギヤで構成し、前記第1ダブルピニオンプラネタリギヤのキャリアと前記第2シングルピニオンプラネタリギヤのサンギヤとを直結して第1要素とし、前記第1ダブルピニオンプラネタリギヤのリングギヤ及び第2シングルピニオンプラネタリギヤのキャリアを直結して第2要素とし、前記第1ダブルピニオンプラネタリギヤのサンギヤを第4要素とし、前記第2シングルピニオンプラネタリギヤのリングギヤを第3要素とし、前記変速用複式プラネタリギヤの前記第1要素を第1ブレーキを介して固定し、前記第2要素を第2クラッチを介して入力軸に連結し、又は第2ブレーキを介して固定し、前記第4要素を第1クラッチを介して入力軸に連結し、前記第3要素を出力部材に常時連結し、減速用ダブルピニオンプラネタリギヤの出力要素を前記第1要素に連結可能とし、固定要素を固定可能とし入力要素を前記入力軸に連結可能とし、制御装置により前記各クラッチ及び各ブレーキを選択的に係脱して前進6速段、後進1速段を達成することである。
【0012】
請求項8に係る発明の構成上の特徴は、変速用複式プラネタリギヤを第1ダブルピニオンプラネタリギヤ及び第2シングルピニオンプラネタリギヤで構成し、前記第2シングルピニオンプラネタリギヤのリングギヤを第1要素とし、前記第1ダブルピニオンプラネタリギヤのサングギヤと前記第2シングルピニオンプラネタリギヤのキャリアとを直結して第2要素とし、前記第1ダブルピニオンプラネタリギヤのキャリアと第2シングルピニオンプラネタリギヤのサンギヤとを直結して第4要素とし、前記第1ダブルピニオンプラネタリギヤのリングギヤを第3要素とし、前記変速用複式プラネタリギヤの前記第1要素を第1ブレーキを介して固定し、前記第2要素を第2クラッチを介して入力軸に連結し、又は第2ブレーキを介して固定し、前記第4要素を第1クラッチを介して入力軸に連結し、前記第3要素を出力部材に常時連結し、減速用ダブルピニオンプラネタリギヤの出力要素を前記第1要素に連結可能とし、固定要素を固定可能とし入力要素を前記入力軸に連結可能とし、制御装置により前記各クラッチ及び各ブレーキを選択的に係脱して前進6速段、後進1速段を達成することである。
【0013】
請求項9に係る発明の構成上の特徴は、請求項1乃至8のいずれかにおいて、前記出力要素は前記減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのリングギヤとされ第3クラッチを介して前記第1要素に連結され、前記固定要素は前記減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのサンギヤとされ常時固定され、前記入力要素は前記減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのキャリアとされ前記入力軸に直結されたことである。
【0014】
請求項10に係る発明の構成上の特徴は、請求項1乃至8のいずれかにおいて、前記出力要素は前記減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのリングギヤとされ前記第1要素に直結され、前記固定要素は前記減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのサンギヤとされ常時固定され、前記入力要素は前記減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのキャリアとされ第3クラッチを介して前記入力軸に連結されたことである。
【0015】
請求項11に係る発明の構成上の特徴は、請求項1乃至8のいずれかにおいて、前記出力要素は前記減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのリングギヤとされ前記第1要素に直結され、前記固定要素は前記減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのサンギヤとされ第3ブレーキを介して固定され、前記入力要素は前記減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのキャリアとされ前記入力軸に直結されたことである。
【0016】
請求項12に係る発明の構成上の特徴は、請求項1乃至8のいずれかにおいて、前記出力要素は前記減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのリングギヤとされ前記第1要素に直結され、前記固定要素は前記減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのサンギヤとされ第3ブレーキを介して固定され、前記入力要素は前記減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのキャリアとされ第3クラッチを介して前記入力軸に連結されたことである。
【0017】
請求項13に係る発明の構成上の特徴は、請求項1乃至8のいずれかにおいて、前記出力要素は前記減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのリングギヤとされ第3クラッチを介して前記第1要素に連結され、前記固定要素は前記減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのキャリアとされ常時固定され、前記入力要素は前記減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのサンギヤとされ前記入力軸に直結されたことである。
【0018】
請求項14に係る発明の構成上の特徴は、請求項1乃至8のいずれかにおいて、前記出力要素は前記減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのリングギヤとされ前記第1要素に直結され、前記固定要素は前記減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのキャリアとされ常時固定され、前記入力要素は前記減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのサンギヤとされ第3クラッチを介して前記入力軸に連結されたことである。
【0019】
請求項15に係る発明の構成上の特徴は、請求項1乃至8のいずれかにおいて、前記出力要素は前記減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのリングギヤとされ前記第1要素に直結され、前記固定要素は前記減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのキャリアとされ第3ブレーキを介して固定され、前記入力要素は前記減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのサンギヤとされ前記入力軸に直結されたことである。
【0020】
請求項16に係る発明の構成上の特徴は、請求項1乃至8のいずれかにおいて、前記出力要素は前記減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのリングギヤとされ前記第1要素に直結され、前記固定要素は前記減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのキャリアとされ第3ブレーキを介して固定され、前記入力要素は前記減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのサンギヤとされ第3クラッチを介して前記入力軸に連結されたことである。
【0021】
【発明の作用・効果】
上記のように構成した請求項1に係る発明においては、第2シングルピニオンプラネタリギヤのサンギヤを第1要素として第1ブレーキにより選択的に固定する。第1ダブルピニオンプラネタリギヤのサンギヤと第2シングルピニオンプラネタリギヤのキャリアとを直結し第2要素として第2クラッチにより入力軸に選択的に連結し、又は第2ブレーキにより選択的に固定する。第1ダブルピニオンプラネタリギヤのキャリアを第4要素として第1クラッチにより入力軸に選択的に連結する。第1ダブルピニオンプラネタリギヤ及び第2シングルピニオンプラネタリギヤの各リングギヤを直結し第3要素として出力部材に常時連結する。固定要素を固定可能とし、入力要素を入力軸に連結可能とした減速用ダブルピニオンプラネタリギヤの出力要素を第1要素に連結可能とし、出力部材に前進6速、後進1速を出力する。
【0022】
上記のように構成した請求項2に係る発明においては、第1及び第2シングルピニオンプラネタリギヤのリングギヤ及びサンギヤを直結し第1要素として第1ブレーキにより選択的に固定する。第1及び第2シングルピニオンプラネタリギヤの各キャリアを直結し第2要素として第2クラッチにより入力軸に選択的に連結し、又は第2ブレーキにより選択的に固定する。第1シングルピニオンプラネタリギヤのサンギヤを第4要素として第1クラッチにより入力軸に選択的に連結する。第2シングルピニオンプラネタリギヤのリングギヤを第3要素として出力部材に常時連結する。固定要素を固定可能とし、入力要素を入力軸に連結可能とした減速用ダブルピニオンプラネタリギヤの出力要素を第1要素に連結可能とし、出力部材に前進6速、後進1速を出力する。
【0023】
上記のように構成した請求項3に係る発明においては、第2ダブルピニオンプラネタリギヤのサンギヤを第1要素として第1ブレーキにより選択的に固定する。第1シングルピニオンプラネタリギヤ及び第2ダブルピニオンプラネタリギヤの各リングギヤを直結し第2要素として第2クラッチにより入力軸に選択的に連結し、又は第2ブレーキにより選択的に固定する。第1シングルピニオンプラネタリギヤのサンギヤと第2ダブルピニオンプラネタリギヤのキャリアとを直結し第4要素として第1クラッチにより入力軸に選択的に連結する。第1シングルピニオンプラネタリギヤのキャリアを第3要素として出力部材に常時連結する。固定要素を固定可能とし、入力要素を入力軸に連結可能とした減速用ダブルピニオンプラネタリギヤの出力要素を第1要素に連結可能とし、出力部材に前進6速、後進1速を出力する。
【0024】
上記のように構成した請求項4に係る発明においては、第1ダブルピニオンプラネタリギヤのキャリアと第2シングルピニオンプラネタリギヤのサンギヤとを直結し第1要素として第1ブレーキにより選択的に固定する。第2シングルピニオンプラネタリギヤのキャリアを第2要素として第2クラッチにより入力軸に選択的に連結し、又は第2ブレーキにより選択的に固定する。第1ダブルピニオンプラネタリギヤのサンギヤを第4要素として第1クラッチにより入力軸に選択的に連結する。第1ダブルピニオンプラネタリギヤ及び第2シングルピニオンプラネタリギヤの各リングギヤを直結し第3要素として出力部材に常時連結する。固定要素を固定可能とし、入力要素を入力軸に連結可能とした減速用ダブルピニオンプラネタリギヤの出力要素を第1要素に連結可能とし、出力部材に前進6速、後進1速を出力する。
【0025】
上記のように構成した請求項5に係る発明においては、第2ダブルピニオンプラネタリギヤのキャリアを第1要素として第1ブレーキにより選択的に固定する。第1シングルピニオンプラネタリギヤのリングギヤを第2要素として第2クラッチにより入力軸に選択的に連結し、又は第2ブレーキにより選択的に固定する。第1シングルピニオンプラネタリギヤ及び第2ダブルピニオンプラネタリギヤの各サンギヤを直結し第4要素として第1クラッチにより入力軸に選択的に連結する。第1シングルピニオンプラネタリギヤのキャリアと前記第2ダブルピニオンプラネタリギヤのリングギヤとを直結し第3要素として出力部材に常時連結する。固定要素を固定可能とし、入力要素を入力軸に連結可能とした減速用ダブルピニオンプラネタリギヤの出力要素を第1要素に連結可能とし、出力部材に前進6速、後進1速を出力する。
【0026】
上記のように構成した請求項6に係る発明においては、第1ダブルピニオンプラネタリギヤ及び第2シングルピニオンプラネタリギヤの各サンギヤを直結し第1要素として第1ブレーキにより選択的に固定する。第1ダブルピニオンプラネタリギヤのリングギヤと第2シングルピニオンプラネタリギヤのキャリアとを直結し第2要素として第2クラッチにより入力軸に選択的に連結し、又は第2ブレーキにより選択的に固定する。第1ダブルピニオンプラネタリギヤのキャリアを第4要素として第1クラッチにより入力軸に選択的に連結する。第2シングルピニオンプラネタリギヤのリングギヤを第3要素として出力部材に常時連結する。固定要素を固定可能とし、入力要素を入力軸に連結可能とした減速用ダブルピニオンプラネタリギヤの出力要素を第1要素に連結可能とし、出力部材に前進6速、後進1速を出力する。
【0027】
上記のように構成した請求項7に係る発明においては、第1ダブルピニオンプラネタリギヤのキャリアと第2シングルピニオンプラネタリギヤのサンギヤとを直結し第1要素として第1ブレーキにより選択的に固定する。第1ダブルピニオンプラネタリギヤのリングギヤ及び第2シングルピニオンプラネタリギヤのキャリアを直結し第2要素として第2クラッチにより入力軸に選択的に連結し、又は第2ブレーキにより選択的に固定する。第1ダブルピニオンプラネタリギヤのサンギヤを第4要素として第1クラッチにより入力軸に選択的に連結する。前記第2シングルピニオンプラネタリギヤのリングギヤを第3要素として出力部材に常時連結する。固定要素を固定可能とし、入力要素を入力軸に連結可能とした減速用ダブルピニオンプラネタリギヤの出力要素を第1要素に連結可能とし、出力部材に前進6速、後進1速を出力する。
【0028】
上記のように構成した請求項8に係る発明においては、第2シングルピニオンプラネタリギヤのリングギヤを第1要素として第1ブレーキにより選択的に固定する。前記第1ダブルピニオンプラネタリギヤのサンギヤと前記第2シングルピニオンプラネタリギヤのキャリアとを直結し第2要素として第2クラッチにより入力軸に選択的に連結し、又は第2ブレーキにより選択的に固定する。第1ダブルピニオンプラネタリギヤのキャリアと第2シングルピニオンプラネタリギヤのサンギヤとを直結し第4要素として第1クラッチにより入力軸に選択的に連結する。第1ダブルピニオンプラネタリギヤのリングギヤを第3要素として出力部材に常時連結する。固定要素を固定可能とし、入力要素を入力軸に連結可能とした減速用ダブルピニオンプラネタリギヤの出力要素を第1要素に連結可能とし、出力部材に前進6速、後進1速を出力する。
【0029】
上記のように構成した請求項9に係る発明においては、減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのサンギヤが常時固定され、キャリアが入力軸に直結され、リングギヤが第3クラッチにより変速用複式プラネタリギヤの第1要素に選択的に連結される。
【0030】
上記のように構成した請求項10に係る発明においては、減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのサンギヤが常時固定され、キャリアが第3クラッチにより入力軸に選択的に連結され、リングギヤが変速用複式プラネタリギヤの第1要素に直結される。
【0031】
上記のように構成した請求項11に係る発明においては、減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのサンギヤが第3ブレーキにより選択的に固定され、キャリアが入力軸に直結され、リングギヤが変速用複式プラネタリギヤの第1要素に直結される。
【0032】
上記のように構成した請求項12に係る発明においては、減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのサンギヤが第3ブレーキにより選択的に固定され、キャリアが第3クラッチにより選択的に入力軸に連結され、リングギヤが変速用複式プラネタリギヤの第1要素に直結される。
【0033】
上記のように構成した請求項13に係る発明においては、減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのキャリアが常時固定され、サンギヤが入力軸に直結され、リングギヤが第3クラッチにより変速用複式プラネタリギヤの第1要素に選択的に連結される。
【0034】
上記のように構成した請求項14に係る発明においては、減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのキャリアが常時固定され、サンギヤが第3クラッチにより入力軸に選択的に連結され、リングギヤが変速用複式プラネタリギヤの第1要素に直結される。
【0035】
上記のように構成した請求項15に係る発明においては、減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのキャリアが第3ブレーキにより選択的に固定され、サンギヤが入力軸に直結され、リングギヤが変速用複式プラネタリギヤの第1要素に直結される。
【0036】
上記のように構成した請求項16に係る発明においては、減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのキャリアが第3ブレーキにより選択的に固定され、サンギヤが第3クラッチにより選択的に入力軸に連結され、リングギヤが変速用複式プラネタリギヤの第1要素に直結される。
【0037】
本発明によれば、入力軸の回転を、減速用プラネタリギヤをダブルピニオンプラネタリギヤで構成し、且つ変速用複式プラネタリギヤを上記のように構成した、従来と異なる簡単な他の構成で、適切に離間した良好な所望の前進6速段、後進1速段のギヤ比で変速して出力部材に伝達し、燃費及び動力伝達性能向上を図るとともに運転者の嗜好にマッチしたギヤ比を得ることができる。
【0038】
【実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明に係る自動変速機の第1の実施形態について説明する。図1において、10は本発明に係る自動変速機で、例えば自動車のエンジンにより回転駆動される流体トルクコンバータ11の出力回転を変速して駆動輪に伝達するために使用される。自動変速機10は、車体に取り付けられたトランスミッションケース12内に共通軸線13上に順次支承された入力軸14、第1ダブルピニオンプラネタリギヤ15及び第2シングルピニオンプラネタリギヤ16からなる変速用複式プラネタリギヤ17、減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18及び出力部材19で構成されている。
【0039】
変速用複式プラネタリギヤ17の第1ダブルピニオンプラネタリギヤ15は、共通軸線13上に回転可能に支承されたサンギヤ20、リングギヤ21及びサンギヤ20とリングギヤに夫々噛合し且つ互いに噛合する一対のプラネタリギヤ22,23を支承するキャリア24を有し、第2シングルピニオンプラネタリギヤ16は、共通軸線13上に回転可能に支承されたサンギヤ25、リングギヤ26及びサンギヤ25とリングギヤ26に噛合するプラネタリギヤ27を支承するキャリア28から構成されている。第1ダブルピニオンプラネタリギヤ15のサンギヤ20とリングギヤ21が、第2シングルピニオンプラネタリギヤ16のキャリア28とリングギヤ26に夫々直結されている。第1ダブルピニオンプラネタリギヤのキャリア24は第1クラッチC−1を介して入力軸14に連結されている。互いに直結されたサンギヤ20とキャリア28は第2クラッチC−2を介して入力軸14に連結され、又は第2ブレーキB−2を介してケース12に固定される。互いに直結されたリングギヤ21,26は出力部材19に常時連結されている。第2シングルピニオンプラネタリギヤ16のサンギヤ25は、第1ブレーキB−1を介してケース12に固定される。
【0040】
減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18は、共通軸線13上に回転可能に支承されたサンギヤ28、リングギヤ29及びサンギヤ28とリングギヤ29に夫々噛合し且つ互いに噛合する一対のプラネタリギヤ30,31を支承するキャリア32から構成されている。減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18のリングギヤ29は第3クラッチC−3を介して第2シングルピニオンプラネタリギヤ16のサンギヤ25に連結されている。サンギヤ28はケース12に常時固定され、キャリア32は入力軸14に直結されている。
【0041】
なお、流体トルクコンバータ11のポンプインペラ33は図略のエンジンによって回転駆動されてオイルを送り出し、ステータ34がオイルの反力を受け止めてトルクをタービン35に発生するようになっている。入力軸14はタービン35に直結されている。36はポンプインペラ33とタービン35とを連結するロックアップクラッチである。
【0042】
以上のように構成された自動変速機10は、第1乃至第3クラッチC−1〜C−3を選択的に係脱し、第1、第2ブレーキB−1,B−2を選択的に作動して変速用複式プラネタリギヤ17及び減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18の各要素の回転を規制することにより、前進6速段、後進1速段のギヤ比を成立することができる。図2において、各速段に対応する各クラッチ、ブレーキの欄に丸が付されている場合、クラッチであれば接続状態、ブレーキであれば回転規制状態にあることを示す。
【0043】
変速用複式プラネタリギヤ17の第1ダブルピニオンプラネタリギヤ15及び減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18においては、サンギヤの回転数Ns、キャリアの回転数Nc、リングギヤの回転数Nrとダブルピニオンプラネタリギヤのギヤ比λとの関係は、式(1)で示され、変速用複式プラネタリギヤ17の第2シングルピニオンプラネタリギヤ16においては、サンギヤの回転数Ns、キャリアの回転数Nc、リングギヤの回転数Nrとシングルピニオンプラネタリギヤのギヤ比λとの関係は、式(2)で示され、各速段におけるギヤ比は、式(1)、(2)に基づいて算出される。サンギヤ20,25,28の歯数をZ20,Z25,Z28、リングギヤ21,26,29の歯数をZ21,Z26,Z29とすると、第1ダブルピニオンプラネタリギヤ15、第2シングルピニオンプラネタリギヤ16、減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのギヤ比はλ1=Z20/Z21,λ2=Z25/Z26,λ3=Z28/Z29である。
【0044】
Nr=(1−λ)Nc+λNs・・・(1)
【0045】
Nr=(1+λ)Nc−λNs・・・(2)
【0046】
第1乃至第3制御クラッチC−1〜C−3を選択的に接続し、第1及び第2ブレーキB−1,B−2を選択的に作動したとき、変速用複式プラネタリギヤ17及び減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18の各要素の速度比は、図3に示す速度線図のようになる。速度線図は、プラネタリギヤのサンギヤ、キャリア、リングギヤからなる各要素を横軸方向にギヤ比に対応させた間隔で配置し、縦軸方向に各要素に対応してその速度比を取ったものである。図3には、変速用複式プラネタリギヤ17及び減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18の速度線図が左右に並べて記載されている。変速用複式プラネタリギヤ17では、第1ダブルピニオンプラネタリギヤ17のサンギヤ20と第2シングルピニオンプラネタリギヤ16のキャリア28、リングギヤ21とリングギヤ26が夫々直結されているので、S1,C2及びR1,R2が夫々付された各1本の縦線上に直結されたサンギヤ20とキャリア28、リングギヤ21とリングギヤ26の速度比を表している。第1ダブルピニオンプラネタリギヤ15については、キャリア24の縦線C1とサンギヤ20の縦線S1との間隔を1とみなし、リングギヤ21の縦線R1をキャリア24の縦線C1からサンギヤ20の縦線S1と同じ側にギヤ比λ1だけ離して配置されている。第2シングルピニオンプラネタリギヤ16については、キャリア28の縦線C2とサンギヤ25の縦線S2との間隔を1とみなし、リングギヤの縦線R2がキャリアの縦線C2からサンギヤの縦線S2の反対側に間隔λ2だけ離して配置されている。減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18については、キャリア32の縦線C3とサンギヤ28の縦線S3との間隔を1とみなし、リングギヤ29の縦線R3がキャリア32の縦線C3からサンギヤ28の縦線S3と同じ側にギヤ比λ3だけ離して配置されている。速度線図には、第1乃至第3クラッチC−1〜C−3、第1及び第2ブレーキB−1,B−2が選択的に作動された点にC−1〜C−3、B−1,B−2が記入されている。第1ダブルピニオンプラネタリギヤ15、第2シングルピニオンプラネタリギヤ16及び減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18の各ギヤ比λ1,λ2,λ3(サンギヤ20の歯数/リングギヤの歯数)は、0.695,0.642,0.565である。
【0047】
このように作成された変速用複式プラネタリギヤ17の速度線図において、4本の各縦線に対応する要素を縦線の右から並び順に第1、第2、第3、第4要素とする。第1実施形態の場合、第4要素としてのキャリア24は第1クラッチC−1を介して入力軸14に連結され、第3要素としての直結されたリングギヤ21,26は出力部材19に常時連結され、第2要素としての直結されたサンギヤ20とキャリア28は第2クラッチC−2を介して入力軸14に連結され、又は第2ブレーキB−2を介してケース12に固定され、第1要素としてのサンギヤ25は第3クラッチC−3を介して減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18のリングギヤ29に連結され、又は第1ブレーキB−1を介してケース12に固定される。
【0048】
自動変速機10の制御装置を図4に示すブロック図に基づいて説明する。CPUを内蔵した制御装置40は、エンジンの回転が伝達されるトルクコンバータ11のエンジン側回転数Neを検出するエンジン回転数センサ41、入力軸14の回転数Niを検出する入力回転数センサ42、出力部材19の回転数Nvを検出する出力回転数センサ43、シフトレバーが前進走行レンジD、ニュートラルレンジN、後進走行レンジRにシフトされているとき、検出信号D,N,Rを送出するレンジ位置センサ44、アクセルの踏み込み量Ssを検出するスロットル開度センサ45等から各検出信号が入力され、これら検出信号に基づいて最適な速段を選択し、制御電流を各クラッチ、ブレーキを作動させる各油圧サーボ装置46に出力して第1乃至第3クラッチC−1〜C−3、第1及び第2ブレーキB−1,B−2を図2に示すように選択的に係脱して前進6速段、後進1速段を達成する。
【0049】
以下、各変速段の作動について説明する。制御装置10により第1クラッチC−1、第2ブレーキB−2が係合される前進1速の場合、変速用複式プラネタリギヤ17の第1要素であるキャリア24に入力軸14の回転が第1クラッチC−1を介して入力され、第3要素である直結されたサンギヤ20とキャリア28が第2ブレーキB−2により固定されるので、第2要素であるリングギヤ21,26延いては出力部材19は1速のギヤ比で減速して正回転される。
【0050】
第1クラッチC−1、第1ブレーキB−1が係合される2速の場合、変速用複式プラネタリギヤ17のキャリア24に入力軸14の回転が第1クラッチC−1を介して入力され、第4要素であるサンギヤ25が第1ブレーキB−1により固定されるので、リングギヤ21延いては出力部材19は2速のギヤ比で減速して正回転される。
【0051】
第1及び第3クラッチC−1,C−3が係合される3速の場合、変速用複式プラネタリギヤ17のキャリア24に入力軸14の回転が第1クラッチC−1を介して入力され、サンギヤ25に減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18のリングギヤ29の回転が第3クラッチC−3を介して入力される。サンギヤ28が常時固定された減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18は、キャリヤ32に入力された入力軸14の回転を減速してリングギヤ29に出力するので、入力軸14の回転がキャリア24に入力され、減速された入力軸14の回転がサンギヤ25に入力された変速用複式プラネタリギヤ17のリングギヤ21,26延いては出力部材19は3速のギヤ比で減速して正回転される。
【0052】
第1及び第2クラッチC−1,C−2が係合される4速の場合、変速用複式プラネタリギヤ17のキャリア24に入力軸14の回転が第1クラッチC−1を介して入力され、直結されたサンギヤ20、キャリヤ28に入力軸14の回転が第2クラッチC−2を介して入力されるので、リングギヤ21,26延いては出力部材19は4速のギヤ比1で入力軸14と同じ速度で正回転される。
【0053】
第2及び第3クラッチC−2,C−3が係合される5速の場合、変速用複式プラネタリギヤ17の直結されたサンギヤ20とキャリア28に入力軸14の回転が第2クラッチC−2を介して入力され、サンギヤ25に減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18のリングギヤ29の回転が第3クラッチC−3を介して入力される。サンギヤ28が常時固定された減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18は、キャリヤ32に入力された入力軸14の回転を減速してリングギヤ29に出力するので、入力軸14の回転が直結されたサンギヤ20とキャリア28に入力され、減速された入力軸14の回転がサンギヤ25に入力された変速用複式プラネタリギヤ17のリングギヤ21,26延いては出力部材19は5速のギヤ比で増速して正回転される。
【0054】
第2クラッチC−2及び第1ブレーキB−1が係合される6速の場合、変速用複式プラネタリギヤ17の直結されたサンギヤ20とキャリア28に入力軸14の回転が第2クラッチC−2を介して入力され、サンギヤ25が第1ブレーキB−1により固定されるので、リングギヤ21,26延いては出力部材19は6速のギヤ比で増速して正回転される。
【0055】
第3クラッチC−3及び第2ブレーキB−2が係合される後進1速の場合、変速用複式プラネタリギヤ17の直結されたサンギヤ20とキャリア28がブレーキB−2により固定され、サンギヤ25に減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18のリングギヤ29の回転が第3クラッチC−3を介して入力される。サンギヤ28が常時固定された減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18は、キャリヤ32に入力された入力軸14の回転を減速してリングギヤ29に出力するので、直結されたサンギヤ20とキャリア28に入力軸14の回転が入力され、減速された入力軸14の回転がサンギヤ25に入力された変速用複式プラネタリギヤ17のリングギヤ21,26延いては出力部材19は後進1速のギヤ比で減速して逆回転される。
【0056】
入力軸14に直結された減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18のキャリア32の回転数を1とした場合の各変速段におけるサンギヤ20,25,28、キャリア24,28,32、及びリングギヤ21、26,29の回転比を示す図3の速度線図から明らかなように、各変速段における第3要素である直結されたリングギヤ21,26の回転比すなわちギヤ比は、適当な間隔をもって配列し、本発明に係る自動変速機によれば適切に離間した前進6速段、後進1速段のギヤ比を得ることができる。
【0057】
次に、第2の実施形態について、図5に基づいて説明する。第2の実施形態は、変速用複式プラネタリギヤ17の構成以外は第1の実施形態と同じであるので、同一部分は図面に同一符号を付けて詳細説明を省略し、第1実施形態と異なる点のみについて説明する。
【0058】
第2実施形態では、変速用複式プラネタリギヤ17は、第1及び第2シングルピニオンプラネタリギヤ50a,50bで構成され、各シングルピニオンプラネタリギヤ50a,50bは、共通軸線13上に回転可能に支承されたサンギヤ25a,25b、リングギヤ26a,26b及びサンギヤ25a,25bとリングギヤ26a,26bに噛合するプラネタリギヤ27a,27bを支承するキャリア28a,28bから構成されている。第1及び第2シングルピニオンプラネタリギヤ50a,50bのリングギヤ26a及びサンギヤ25bが直結されて第1要素として第1ブレーキB−1を介してケース12に固定され、又は減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18のリングギヤ29に第3クラッチC−3を介して連結される。各キャリア28a、28bが直結されて第2要素として第2クラッチC−2を介して入力軸14に連結され、又は第2ブレーキB−2を介してケース12に固定される。サンギヤ25aが第4要素として第1クラッチC−1を介して入力軸14に連結されている。リングギヤ26bが第3要素として出力部材19に常時連結されている。第1及び第2シングルピニオンプラネタリギヤ50a,50b、減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18の各ギヤ比は、λ1=0.475、λ2=0.642、λ3=0.565である。各変速段における各クラッチ、ブレーキの係合状態は第1実施形態と同じである。速度線図は図6に示すようになる。作動は第1実施形態と略同じであるので説明を省略する。
【0059】
次に、第3の実施形態について、図7に基づいて説明する。以降の実施形態については、第1の実施形態と相違する点のみについて説明する。第3実施形態では、変速用プラネタリギヤ17が第1シングルピニオンプラネタリギヤ51及び第2ダブルピニオンプラネタリギヤ52で構成されている。第2ダブルピニオンプラネタリギヤ52のサンギヤ20が第1要素として第1ブレーキB−1を介してケース12に固定され、又は減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18のリングギヤ29に第3クラッチC−3を介して連結される。第1シングルピニオンプラネタリギヤ51及び第2ダブルピニオンプラネタリギヤ52の各リングギヤ26,21が直結され第2要素として第2クラッチC−2を介して入力軸14に連結され、又は第2ブレーキB−2を介してケース12に固定される。第1シングルピニオンプラネタリギヤ51のサンギヤ25と第2ダブルピニオンプラネタリギヤ52のキャリア24とが直結されて第4要素として第1クラッチC−1を介して入力軸14に連結されている。第1シングルピニオンプラネタリギヤ51のキャリア28が第3要素として出力部材19に常時連結されている。第1シングルピニオンプラネタリギヤ51、第2ダブルピニオンプラネタリギヤ52、減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18の各ギヤ比は、λ1=0.439、λ2=0.678、λ3=0.565である。速度線図は図8に示すようになる。
【0060】
第4実施形態では、図9に示すように変速用プラネタリギヤ17が第1ダブルピニオンプラネタリギヤ53及び第2シングルピニオンプラネタリギヤ54で構成されている。第1ダブルピニオンプラネタリギヤ53のキャリア24と第2シングルピニオンプラネタリギヤ54のサンギヤ25とが直結されて第1要素として第1ブレーキB−1を介してケース12に固定され、又は減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18のリングギヤ29に第3クラッチC−3を介して連結される。第2シングルピニオンプラネタリギヤ54のキャリア28が第2要素として第2クラッチC−2を介して入力軸14に連結され、又は第2ブレーキB−2を介してケース12に固定される。第1ダブルピニオンプラネタリギヤ53のサンギヤ20が第4要素として第1クラッチC−1を介して入力軸14に連結されている。第1ダブルピニオンプラネタリギヤ53及び第2シングルピニオンプラネタリギヤ54の各リングギヤ21,26が直結されて第3要素として出力部材19に常時連結されている。第1ダブルピニオンプラネタリギヤ53、第2シングルピニオンプラネタリギヤ54、減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18の各ギヤ比は、λ1=0.332、λ2=0.642、λ3=0.565である。速度線図は図10に示すようになる。
【0061】
第5実施形態では、図11に示すように変速用プラネタリギヤ17が第1シングルピニオンプラネタリギヤ55及び第2ダブルピニオンプラネタリギヤ56で構成されている。第2ダブルピニオンプラネタリギヤ56のキャリア24が第1要素として第1ブレーキB−1を介してケース12に固定され、又は減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18のリングギヤ29に第3クラッチC−3を介して連結される。第1シングルピニオンプラネタリギヤ55のリングギヤ26が第2要素として第2クラッチC−2を介して入力軸14に連結され、又は第2ブレーキB−2を介してケース12に固定される。第1シングルピニオンプラネタリギヤ55及び第2ダブルピニオンプラネタリギヤ56の各サンギヤ25,20が直結されて第4要素として第1クラッチC−1を介して入力軸14に連結されている。第1シングルピニオンプラネタリギヤ55のキャリア28と第2ダブルピニオンプラネタリギヤ56のリングギヤ21とが直結されて第3要素として出力部材19に常時連結されている。速度線図は図12に示すようになる。
【0062】
第6実施形態では、図13に示すように変速用プラネタリギヤ17が第1ダブルピニオンプラネタリギヤ57及び第2シングルピニオンプラネタリギヤ58で構成されている。第1ダブルピニオンプラネタリギヤ57及び第2シングルピニオンプラネタリギヤ58の各サンギヤ20,25が直結されて第1要素として第1ブレーキB−1を介してケース12に固定され、又は減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18のリングギヤ29に第3クラッチC−3を介して連結される。第1ダブルピニオンプラネタリギヤ57のリングギヤ21と第2シングルピニオンプラネタリギヤ58のキャリア28とが直結されて第2要素として第2クラッチC−2を介して入力軸14に連結され、又は第2ブレーキB−2を介してケース12に固定される。第1ダブルピニオンプラネタリギヤ57のキャリア24が第4要素として第1クラッチC−1を介して入力軸14に連結されている。第2シングルピニオンプラネタリギヤ58のリングギヤ26が第3要素として出力部材19に常時連結されている。第1ダブルピニオンプラネタリギヤ57、第2シングルピニオンプラネタリギヤ58、減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18の各ギヤ比は、λ1=0.678、λ2=0.642、λ3=0.565である。速度線図は図14に示すようになる。
【0063】
第7実施形態では、図15に示すように変速用プラネタリギヤ17が第1ダブルピニオンプラネタリギヤ59及び第2シングルピニオンプラネタリギヤ60で構成されている。第1ダブルピニオンプラネタリギヤ59のキャリア24と第2シングルピニオンプラネタリギヤ60のサンギヤ25とが直結されて第1要素として第1ブレーキB−1を介してケース12に固定され、又は減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18のリングギヤ29に第3クラッチC−3を介して連結される。第1ダブルピニオンプラネタリギヤ59のリングギヤ21及び第2シングルピニオンプラネタリギヤ60のキャリア28が直結されて第2要素として第2クラッチC−2を介して入力軸14に連結され、又は第2ブレーキB−2を介してケース12に固定される。第1ダブルピニオンプラネタリギヤ59のサンギヤ20が第4要素として第1クラッチC−1を介して入力軸14に連結されている。第2シングルピニオンプラネタリギヤ60のリングギヤ26が第3要素として出力部材19に常時連結されている。第1ダブルピニオンプラネタリギヤ59、第2シングルピニオンプラネタリギヤ60、減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18の各ギヤ比は、λ1=0.322、λ2=0.642、λ3=0.565である。速度線図は図16に示すようになる。
【0064】
第8実施形態では、図17に示すように変速用プラネタリギヤ17が第1ダブルピニオンプラネタリギヤ61及び第2シングルピニオンプラネタリギヤ62で構成されている。第2シングルピニオンプラネタリギヤ62のリングギヤ26が第1要素として第1ブレーキB−1を介してケース12に固定され、又は減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18のリングギヤ29に第3クラッチC−3を介して連結される。第1ダブルピニオンプラネタリギヤ61のサングギヤ20と第2シングルピニオンプラネタリギヤ62のキャリア28とが直結され第2要素として第2クラッチC−2を介して入力軸14に連結され、又は第2ブレーキB−2を介してケース12に固定される。第1ダブルピニオンプラネタリギヤ61のキャリア24と第2シングルピニオンプラネタリギヤ62のサンギヤ25とが直結され第4要素として第1クラッチC−1を介して入力軸14に連結されている。第1ダブルピニオンプラネタリギヤ61のリングギヤ21が第3要素として出力部材19に常時連結されている。第1ダブルピニオンプラネタリギヤ61、第2シングルピニオンプラネタリギヤ62、減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18の各ギヤ比は、λ1=0.695、λ2=0.475、λ3=0.565である。速度線図は図18に示すようになる。
【0065】
上記実施形態では、減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18のサンギヤ28を固定要素として常時固定し、キャリア32を入力要素として入力軸14に直結し、リングギヤ29を出力要素として第3クラッチC−3を介して変速用複式プラネタリギヤ17の第1要素に連結しているが、入力軸14の回転を減速して第1要素に連結可能とする結合関係は、これに限られるものでないので、減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18の固定要素を固定可能とし、入力要素を入力軸に連結可能とし、出力要素を第1要素に連結可能とする結合関係について、以下に説明する。連結可能とは、直結及びクラッチを介した連結の両方を含む概念で、同一機能を有する2部材が、一具体例では直結され、他の具体例ではクラッチを介して連結される場合を含む。固定可能とは、常時固定及びブレーキを介した固定の両方を含む概念で、同一機能を有する2部材が、一具体例では常時固定され、他の具体例ではブレーキを介して固定される場合を含む。
【0066】
図19は減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18のサンギヤ28を固定要素として固定可能とし、キャリア32を入力要素として入力軸14と連結可能とし、リングギヤ29を出力要素として変速用複式プラネタリギヤ17の第1要素に連結可能とする各パターンを示すものである。
【0067】
19図(a)では、減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18のサンギヤ28がケース12に常時固定され、キャリア32が入力軸に直結され、リングギヤ29が第3クラッチC−3を介して変速用複式プラネタリギヤ17の第1要素に連結される。
【0068】
19図(b)では、減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18のサンギヤ28が常時固定され、キャリア32が第3クラッチC−3を介して入力軸14に連結され、リングギヤ29が変速用複式プラネタリギヤ17の第1要素に直結される。
【0069】
19図(c)では、減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18のサンギヤ28が第3ブレーキB−3を介してケース12に固定され、キャリア32が入力軸14に直結され、リングギヤ29が変速用複式プラネタリギヤ17の第1要素に直結される。この場合、第3ブレーキB−3が第3クラッチC−3の機能を果たし、サンギヤ28を固定することにより、入力軸14の回転が減速されたリングギヤ29の回転が第1要素に連結され、キャリア32の解放することにより、第1要素に直結されたリングギヤ29がブレーキB−1により固定されることを可能とする。
【0070】
19図(d)では、減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18のサンギヤ28が第3ブレーキB−3を介して固定され、キャリア32が第3クラッチC−3を介して入力軸に連結され、リングギヤ29が変速用複式プラネタリギヤ17の第1要素に直結される。
【0071】
図20は減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18のキャリア32を固定要素として固定可能とし、サンギヤ28を入力要素として入力軸14と連結可能とし、リングギヤ29を出力要素として変速用複式プラネタリギヤ17の第1要素に連結可能とする各パターンを示すものである。
【0072】
20図(a)では、減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18のキャリア32がケース12に常時固定され、サンギヤ28が入力軸14に直結され、リングギヤ29が第3クラッチC−3を介して変速用複式プラネタリギヤ17の第1要素に連結される。
【0073】
20図(b)では、減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18のキャリア32が常時固定され、サンギヤ28が第3クラッチC−3を介して入力軸14に連結され、リングギヤ29が変速用複式プラネタリギヤ17の第1要素に直結される。
【0074】
20図(c)では、減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18のキャリア32が第3ブレーキB−3を介して固定され、サンギヤ28が入力軸14に直結され、リングギヤ29が変速用複式プラネタリギヤ17の第1要素に直結される。この場合、第3ブレーキB−3が第3クラッチC−3の機能を果たし、キャリア32を固定することにより、入力軸14の回転が減速されたリングギヤ29の回転が第1要素に連結され、キャリア32の解放することにより、第1要素に直結されたリングギヤ29がブレーキB−1により固定されることを可能とする。
【0075】
20図(d)では、減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18のキャリア32が第3ブレーキB−3を介して固定され、サンギヤ28が第3クラッチC−3を介して入力軸14に連結され、リングギヤ29が変速用複式プラネタリギヤ17の第1要素に直結される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自動変速装置の第1実施形態を示すスケルトン図。
【図2】第1実施形態の各変速段におけるブレーキ及びクラッチの係合状態を示す図。
【図3】第1実施形態の各変速段におけるプラネタリギヤの各要素の回転比を示す速度線図。
【図4】制御装置を示すブロック図。
【図5】第2実施形態を示すスケルトン図。
【図6】第2実施形態の速度線図。
【図7】第3実施形態を示すスケルトン図。
【図8】第3実施形態の速度線図。
【図9】第4実施形態を示すスケルトン図。
【図10】第4実施形態の速度線図。
【図11】第5実施形態を示すスケルトン図。
【図12】第5実施形態の速度線図。
【図13】第6実施形態を示すスケルトン図。
【図14】第6実施形態の速度線図。
【図15】第7実施形態を示すスケルトン図。
【図16】第7実施形態の速度線図。
【図17】第8実施形態を示すスケルトン図。
【図18】第8実施形態の速度線図。
【図19】減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのサンギヤを固定要素、キャリアを入力要素、リングギヤを出力要素とした場合の連結関係を示す図。
【図20】減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのキャリアを固定要素、サンギヤを入力要素、リングギヤを出力要素とした場合の連結関係を示す図。
【符号の説明】
10…自動変速機、11…トルクコンバータ、12…トランスミッションケース、13…共通軸線、14…入力軸、15,53,57,59,61…第1ダブルピニオンプラネタリギヤ、16,50b,54,58,60,62…第2シングルピニオンプラネタリギヤ、17…変速用複式プラネタリギヤ、18…減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ、19…出力部材、40…制御装置、50a,51,55…第1シングルピニオンプラネタリギヤ、52,56…第2ダブルピニオンプラネタリギヤ、C−1〜C−3…第1乃至第3クラッチ、B−1,B−2,B−3…第1乃至第3ブレーキ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、入力軸に連結可能とされた減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ及び変速用複式プラネタリギヤの各要素に連結されたクラッチ及びブレーキを係脱して入力軸の回転を複数段に変速して出力軸に伝達する自動変速機に関する。
【0002】
【従来の技術】
第1ダブルピニオンプラネタリギヤと、第2ダブルピニオンプラネタリギヤと、減速用ダブルピニオンプラネタリギヤと、入力軸とを同軸上に配置し、前記第1及び第2ダブルピニオンプラネタリギヤの各リングギヤを直結して第2クラッチを介して入力軸に連結し、又は第2ブレーキを介して固定し、第1ダブルピニオンプラネタリギヤのキャリアと第2ダブルピニオンプラネタリギヤのサンギヤとを直結するとともに前記減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのリングギヤに第3クラッチを介して連結し、又は第1ブレーキを介して固定し、前記第1ダブルピニオンプラネタリギヤのサンギヤを第1クラッチを介して入力軸に連結し、第2ダブルピニオンプラネタリギヤのキャリアを出力部材に常時連結し、前記減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのサンギヤを常時固定しキャリアを入力軸に直結して前進5速、後進1速を達成する自動変速機が特許第2693632号公報に開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の自動変速機は、前進5速、後進1速の間でギヤ比を切り換えることが可能である。しかし、近年は燃費及び動力伝達性能向上を図るため、或いは運転者の嗜好にマッチしたギヤ比を得るために、簡単な構造で、適切に離間した前進6速段のギヤ比を成立することができる自動変速機が求められている。
【0004】
本発明は係る要望に応えるためになされたもので、良好な所望の前進6速段、後進1速段のギヤ比を得ることができる自動変速機を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、請求項1に記載の発明の構成上の特徴は、変速用複式プラネタリギヤを第1ダブルピニオンプラネタリギヤ及び第2シングルピニオンプラネタリギヤで構成し、前記第2シングルピニオンプラネタリギヤのサンギヤを前記第1要素とし、前記第1ダブルピニオンプラネタリギヤのサンギヤと前記第2シングルピニオンプラネタリギヤのキャリアとを直結して前記第2要素とし、前記第1ダブルピニオンプラネタリギヤのキャリアを第4要素とし、前記第1ダブルピニオンプラネタリギヤ及び前記第2シングルピニオンプラネタリギヤの各リングギヤを直結して前記第3要素とし、前記変速用複式プラネタリギヤの前記第1要素を第1ブレーキを介して固定し、前記第2要素を第2クラッチを介して入力軸に連結し、又は第2ブレーキを介して固定し、前記第4要素を第1クラッチを介して入力軸に連結し、前記第3要素を出力部材に常時連結し、減速用ダブルピニオンプラネタリギヤの出力要素を前記第1要素に連結可能とし、固定要素を固定可能とし入力要素を前記入力軸に連結可能とし、制御装置により前記各クラッチ及び各ブレーキを選択的に係脱して前進6速段、後進1速段を達成することである。
【0006】
請求項2に係る発明の構成上の特徴は、変速用複式プラネタリギヤを第1及び第2シングルピニオンプラネタリギヤで構成し、前記第1及び第2シングルピニオンプラネタリギヤのリングギヤ及びサンギヤを直結して第1要素とし、前記第1及び第2シングルピニオンプラネタリギヤの各キャリアを直結して第2要素とし、前記第1シングルピニオンプラネタリギヤのサンギヤを第4要素とし、前記第2シングルピニオンプラネタリギヤのリングギヤを第3要素とし、前記変速用複式プラネタリギヤの前記第1要素を第1ブレーキを介して固定し、前記第2要素を第2クラッチを介して入力軸に連結し、又は第2ブレーキを介して固定し、前記第4要素を第1クラッチを介して入力軸に連結し、前記第3要素を出力部材に常時連結し、減速用ダブルピニオンプラネタリギヤの出力要素を前記第1要素に連結可能とし、固定要素を固定可能とし入力要素を前記入力軸に連結可能とし、制御装置により前記各クラッチ及び各ブレーキを選択的に係脱して前進6速段、後進1速段を達成することである。
【0007】
請求項3に係る発明の構成上の特徴は、変速用複式プラネタリギヤを第1シングルピニオンプラネタリギヤ及び第2ダブルピニオンプラネタリギヤで構成し、前記第2ダブルピニオンプラネタリギヤのサンギヤを第1要素とし、前記第1シングルピニオンプラネタリギヤ及び前記第2ダブルピニオンプラネタリギヤの各リングギヤを直結して第2要素とし、前記第1シングルピニオンプラネタリギヤのサンギヤと前記第2ダブルピニオンプラネタリギヤのキャリアとを直結して第4要素とし、前記第1シングルピニオンプラネタリギヤのキャリアを第3要素とし、前記変速用複式プラネタリギヤの前記第1要素を第1ブレーキを介して固定し、前記第2要素を第2クラッチを介して入力軸に連結し、又は第2ブレーキを介して固定し、前記第4要素を第1クラッチを介して入力軸に連結し、前記第3要素を出力部材に常時連結し、減速用ダブルピニオンプラネタリギヤの出力要素を前記第1要素に連結可能とし、固定要素を固定可能とし入力要素を前記入力軸に連結可能とし、制御装置により前記各クラッチ及び各ブレーキを選択的に係脱して前進6速段、後進1速段を達成することである。
【0008】
請求項4に係る発明の構成上の特徴は、変速用複式プラネタリギヤを第1ダブルピニオンプラネタリギヤ及び第2シングルピニオンプラネタリギヤで構成し、前記第1ダブルピニオンプラネタリギヤのキャリアと前記第2シングルピニオンプラネタリギヤのサンギヤとを直結して第1要素とし、前記第2シングルピニオンプラネタリギヤのキャリアを第2要素とし、前記第1ダブルピニオンプラネタリギヤのサンギヤを第4要素とし、前記第1ダブルピニオンプラネタリギヤ及び前記第2シングルピニオンプラネタリギヤの各リングギヤを直結して第3要素とし、前記変速用複式プラネタリギヤの前記第1要素を第1ブレーキを介して固定し、前記第2要素を第2クラッチを介して入力軸に連結し、又は第2ブレーキを介して固定し、前記第4要素を第1クラッチを介して入力軸に連結し、前記第3要素を出力部材に常時連結し、減速用ダブルピニオンプラネタリギヤの出力要素を前記第1要素に連結可能とし、固定要素を固定可能とし入力要素を前記入力軸に連結可能とし、制御装置により前記各クラッチ及び各ブレーキを選択的に係脱して前進6速段、後進1速段を達成することである。
【0009】
請求項5に係る発明の構成上の特徴は、変速用複式プラネタリギヤを第1シングルピニオンプラネタリギヤ及び第2ダブルピニオンプラネタリギヤで構成し、前記第2ダブルピニオンプラネタリギヤのキャリアを第1要素とし、前記第1シングルピニオンプラネタリギヤのリングギヤを第2要素とし、前記第1シングルピニオンプラネタリギヤ及び前記第2ダブルピニオンプラネタリギヤの各サンギヤを直結して第4要素とし、前記第1シングルピニオンプラネタリギヤのキャリアと前記第2ダブルピニオンプラネタリギヤのリングギヤとを直結して第3要素とし、前記変速用複式プラネタリギヤの前記第1要素を第1ブレーキを介して固定し、前記第2要素を第2クラッチを介して入力軸に連結し、又は第2ブレーキを介して固定し、前記第4要素を第1クラッチを介して入力軸に連結し、前記第3要素を出力部材に常時連結し、減速用ダブルピニオンプラネタリギヤの出力要素を前記第1要素に連結可能とし、固定要素を固定可能とし入力要素を前記入力軸に連結可能とし、制御装置により前記各クラッチ及び各ブレーキを選択的に係脱して前進6速段、後進1速段を達成することである。
【0010】
請求項6に係る発明の構成上の特徴は、変速用複式プラネタリギヤを第1ダブルピニオンプラネタリギヤ及び第2シングルピニオンプラネタリギヤで構成し、前記第1ダブルピニオンプラネタリギヤ及び第2シングルピニオンプラネタリギヤの各サンギヤを直結して第1要素とし、前記第1ダブルピニオンプラネタリギヤのリングギヤと前記第2シングルピニオンプラネタリギヤのキャリアとを直結して第2要素とし、前記第1ダブルピニオンプラネタリギヤのキャリアを第4要素とし、前記第2シングルピニオンプラネタリギヤのリングギヤを第3要素とし、前記変速用複式プラネタリギヤの前記第1要素を第1ブレーキを介して固定し、前記第2要素を第2クラッチを介して入力軸に連結し、又は第2ブレーキを介して固定し、前記第4要素を第1クラッチを介して入力軸に連結し、前記第3要素を出力部材に常時連結し、減速用ダブルピニオンプラネタリギヤの出力要素を前記第1要素に連結可能とし、固定要素を固定可能とし入力要素を前記入力軸に連結可能とし、制御装置により前記各クラッチ及び各ブレーキを選択的に係脱して前進6速段、後進1速段を達成することである。
【0011】
請求項7に係る発明の構成上の特徴は、変速用複式プラネタリギヤを第1ダブルピニオンプラネタリギヤ及び第2シングルピニオンプラネタリギヤで構成し、前記第1ダブルピニオンプラネタリギヤのキャリアと前記第2シングルピニオンプラネタリギヤのサンギヤとを直結して第1要素とし、前記第1ダブルピニオンプラネタリギヤのリングギヤ及び第2シングルピニオンプラネタリギヤのキャリアを直結して第2要素とし、前記第1ダブルピニオンプラネタリギヤのサンギヤを第4要素とし、前記第2シングルピニオンプラネタリギヤのリングギヤを第3要素とし、前記変速用複式プラネタリギヤの前記第1要素を第1ブレーキを介して固定し、前記第2要素を第2クラッチを介して入力軸に連結し、又は第2ブレーキを介して固定し、前記第4要素を第1クラッチを介して入力軸に連結し、前記第3要素を出力部材に常時連結し、減速用ダブルピニオンプラネタリギヤの出力要素を前記第1要素に連結可能とし、固定要素を固定可能とし入力要素を前記入力軸に連結可能とし、制御装置により前記各クラッチ及び各ブレーキを選択的に係脱して前進6速段、後進1速段を達成することである。
【0012】
請求項8に係る発明の構成上の特徴は、変速用複式プラネタリギヤを第1ダブルピニオンプラネタリギヤ及び第2シングルピニオンプラネタリギヤで構成し、前記第2シングルピニオンプラネタリギヤのリングギヤを第1要素とし、前記第1ダブルピニオンプラネタリギヤのサングギヤと前記第2シングルピニオンプラネタリギヤのキャリアとを直結して第2要素とし、前記第1ダブルピニオンプラネタリギヤのキャリアと第2シングルピニオンプラネタリギヤのサンギヤとを直結して第4要素とし、前記第1ダブルピニオンプラネタリギヤのリングギヤを第3要素とし、前記変速用複式プラネタリギヤの前記第1要素を第1ブレーキを介して固定し、前記第2要素を第2クラッチを介して入力軸に連結し、又は第2ブレーキを介して固定し、前記第4要素を第1クラッチを介して入力軸に連結し、前記第3要素を出力部材に常時連結し、減速用ダブルピニオンプラネタリギヤの出力要素を前記第1要素に連結可能とし、固定要素を固定可能とし入力要素を前記入力軸に連結可能とし、制御装置により前記各クラッチ及び各ブレーキを選択的に係脱して前進6速段、後進1速段を達成することである。
【0013】
請求項9に係る発明の構成上の特徴は、請求項1乃至8のいずれかにおいて、前記出力要素は前記減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのリングギヤとされ第3クラッチを介して前記第1要素に連結され、前記固定要素は前記減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのサンギヤとされ常時固定され、前記入力要素は前記減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのキャリアとされ前記入力軸に直結されたことである。
【0014】
請求項10に係る発明の構成上の特徴は、請求項1乃至8のいずれかにおいて、前記出力要素は前記減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのリングギヤとされ前記第1要素に直結され、前記固定要素は前記減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのサンギヤとされ常時固定され、前記入力要素は前記減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのキャリアとされ第3クラッチを介して前記入力軸に連結されたことである。
【0015】
請求項11に係る発明の構成上の特徴は、請求項1乃至8のいずれかにおいて、前記出力要素は前記減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのリングギヤとされ前記第1要素に直結され、前記固定要素は前記減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのサンギヤとされ第3ブレーキを介して固定され、前記入力要素は前記減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのキャリアとされ前記入力軸に直結されたことである。
【0016】
請求項12に係る発明の構成上の特徴は、請求項1乃至8のいずれかにおいて、前記出力要素は前記減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのリングギヤとされ前記第1要素に直結され、前記固定要素は前記減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのサンギヤとされ第3ブレーキを介して固定され、前記入力要素は前記減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのキャリアとされ第3クラッチを介して前記入力軸に連結されたことである。
【0017】
請求項13に係る発明の構成上の特徴は、請求項1乃至8のいずれかにおいて、前記出力要素は前記減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのリングギヤとされ第3クラッチを介して前記第1要素に連結され、前記固定要素は前記減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのキャリアとされ常時固定され、前記入力要素は前記減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのサンギヤとされ前記入力軸に直結されたことである。
【0018】
請求項14に係る発明の構成上の特徴は、請求項1乃至8のいずれかにおいて、前記出力要素は前記減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのリングギヤとされ前記第1要素に直結され、前記固定要素は前記減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのキャリアとされ常時固定され、前記入力要素は前記減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのサンギヤとされ第3クラッチを介して前記入力軸に連結されたことである。
【0019】
請求項15に係る発明の構成上の特徴は、請求項1乃至8のいずれかにおいて、前記出力要素は前記減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのリングギヤとされ前記第1要素に直結され、前記固定要素は前記減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのキャリアとされ第3ブレーキを介して固定され、前記入力要素は前記減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのサンギヤとされ前記入力軸に直結されたことである。
【0020】
請求項16に係る発明の構成上の特徴は、請求項1乃至8のいずれかにおいて、前記出力要素は前記減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのリングギヤとされ前記第1要素に直結され、前記固定要素は前記減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのキャリアとされ第3ブレーキを介して固定され、前記入力要素は前記減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのサンギヤとされ第3クラッチを介して前記入力軸に連結されたことである。
【0021】
【発明の作用・効果】
上記のように構成した請求項1に係る発明においては、第2シングルピニオンプラネタリギヤのサンギヤを第1要素として第1ブレーキにより選択的に固定する。第1ダブルピニオンプラネタリギヤのサンギヤと第2シングルピニオンプラネタリギヤのキャリアとを直結し第2要素として第2クラッチにより入力軸に選択的に連結し、又は第2ブレーキにより選択的に固定する。第1ダブルピニオンプラネタリギヤのキャリアを第4要素として第1クラッチにより入力軸に選択的に連結する。第1ダブルピニオンプラネタリギヤ及び第2シングルピニオンプラネタリギヤの各リングギヤを直結し第3要素として出力部材に常時連結する。固定要素を固定可能とし、入力要素を入力軸に連結可能とした減速用ダブルピニオンプラネタリギヤの出力要素を第1要素に連結可能とし、出力部材に前進6速、後進1速を出力する。
【0022】
上記のように構成した請求項2に係る発明においては、第1及び第2シングルピニオンプラネタリギヤのリングギヤ及びサンギヤを直結し第1要素として第1ブレーキにより選択的に固定する。第1及び第2シングルピニオンプラネタリギヤの各キャリアを直結し第2要素として第2クラッチにより入力軸に選択的に連結し、又は第2ブレーキにより選択的に固定する。第1シングルピニオンプラネタリギヤのサンギヤを第4要素として第1クラッチにより入力軸に選択的に連結する。第2シングルピニオンプラネタリギヤのリングギヤを第3要素として出力部材に常時連結する。固定要素を固定可能とし、入力要素を入力軸に連結可能とした減速用ダブルピニオンプラネタリギヤの出力要素を第1要素に連結可能とし、出力部材に前進6速、後進1速を出力する。
【0023】
上記のように構成した請求項3に係る発明においては、第2ダブルピニオンプラネタリギヤのサンギヤを第1要素として第1ブレーキにより選択的に固定する。第1シングルピニオンプラネタリギヤ及び第2ダブルピニオンプラネタリギヤの各リングギヤを直結し第2要素として第2クラッチにより入力軸に選択的に連結し、又は第2ブレーキにより選択的に固定する。第1シングルピニオンプラネタリギヤのサンギヤと第2ダブルピニオンプラネタリギヤのキャリアとを直結し第4要素として第1クラッチにより入力軸に選択的に連結する。第1シングルピニオンプラネタリギヤのキャリアを第3要素として出力部材に常時連結する。固定要素を固定可能とし、入力要素を入力軸に連結可能とした減速用ダブルピニオンプラネタリギヤの出力要素を第1要素に連結可能とし、出力部材に前進6速、後進1速を出力する。
【0024】
上記のように構成した請求項4に係る発明においては、第1ダブルピニオンプラネタリギヤのキャリアと第2シングルピニオンプラネタリギヤのサンギヤとを直結し第1要素として第1ブレーキにより選択的に固定する。第2シングルピニオンプラネタリギヤのキャリアを第2要素として第2クラッチにより入力軸に選択的に連結し、又は第2ブレーキにより選択的に固定する。第1ダブルピニオンプラネタリギヤのサンギヤを第4要素として第1クラッチにより入力軸に選択的に連結する。第1ダブルピニオンプラネタリギヤ及び第2シングルピニオンプラネタリギヤの各リングギヤを直結し第3要素として出力部材に常時連結する。固定要素を固定可能とし、入力要素を入力軸に連結可能とした減速用ダブルピニオンプラネタリギヤの出力要素を第1要素に連結可能とし、出力部材に前進6速、後進1速を出力する。
【0025】
上記のように構成した請求項5に係る発明においては、第2ダブルピニオンプラネタリギヤのキャリアを第1要素として第1ブレーキにより選択的に固定する。第1シングルピニオンプラネタリギヤのリングギヤを第2要素として第2クラッチにより入力軸に選択的に連結し、又は第2ブレーキにより選択的に固定する。第1シングルピニオンプラネタリギヤ及び第2ダブルピニオンプラネタリギヤの各サンギヤを直結し第4要素として第1クラッチにより入力軸に選択的に連結する。第1シングルピニオンプラネタリギヤのキャリアと前記第2ダブルピニオンプラネタリギヤのリングギヤとを直結し第3要素として出力部材に常時連結する。固定要素を固定可能とし、入力要素を入力軸に連結可能とした減速用ダブルピニオンプラネタリギヤの出力要素を第1要素に連結可能とし、出力部材に前進6速、後進1速を出力する。
【0026】
上記のように構成した請求項6に係る発明においては、第1ダブルピニオンプラネタリギヤ及び第2シングルピニオンプラネタリギヤの各サンギヤを直結し第1要素として第1ブレーキにより選択的に固定する。第1ダブルピニオンプラネタリギヤのリングギヤと第2シングルピニオンプラネタリギヤのキャリアとを直結し第2要素として第2クラッチにより入力軸に選択的に連結し、又は第2ブレーキにより選択的に固定する。第1ダブルピニオンプラネタリギヤのキャリアを第4要素として第1クラッチにより入力軸に選択的に連結する。第2シングルピニオンプラネタリギヤのリングギヤを第3要素として出力部材に常時連結する。固定要素を固定可能とし、入力要素を入力軸に連結可能とした減速用ダブルピニオンプラネタリギヤの出力要素を第1要素に連結可能とし、出力部材に前進6速、後進1速を出力する。
【0027】
上記のように構成した請求項7に係る発明においては、第1ダブルピニオンプラネタリギヤのキャリアと第2シングルピニオンプラネタリギヤのサンギヤとを直結し第1要素として第1ブレーキにより選択的に固定する。第1ダブルピニオンプラネタリギヤのリングギヤ及び第2シングルピニオンプラネタリギヤのキャリアを直結し第2要素として第2クラッチにより入力軸に選択的に連結し、又は第2ブレーキにより選択的に固定する。第1ダブルピニオンプラネタリギヤのサンギヤを第4要素として第1クラッチにより入力軸に選択的に連結する。前記第2シングルピニオンプラネタリギヤのリングギヤを第3要素として出力部材に常時連結する。固定要素を固定可能とし、入力要素を入力軸に連結可能とした減速用ダブルピニオンプラネタリギヤの出力要素を第1要素に連結可能とし、出力部材に前進6速、後進1速を出力する。
【0028】
上記のように構成した請求項8に係る発明においては、第2シングルピニオンプラネタリギヤのリングギヤを第1要素として第1ブレーキにより選択的に固定する。前記第1ダブルピニオンプラネタリギヤのサンギヤと前記第2シングルピニオンプラネタリギヤのキャリアとを直結し第2要素として第2クラッチにより入力軸に選択的に連結し、又は第2ブレーキにより選択的に固定する。第1ダブルピニオンプラネタリギヤのキャリアと第2シングルピニオンプラネタリギヤのサンギヤとを直結し第4要素として第1クラッチにより入力軸に選択的に連結する。第1ダブルピニオンプラネタリギヤのリングギヤを第3要素として出力部材に常時連結する。固定要素を固定可能とし、入力要素を入力軸に連結可能とした減速用ダブルピニオンプラネタリギヤの出力要素を第1要素に連結可能とし、出力部材に前進6速、後進1速を出力する。
【0029】
上記のように構成した請求項9に係る発明においては、減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのサンギヤが常時固定され、キャリアが入力軸に直結され、リングギヤが第3クラッチにより変速用複式プラネタリギヤの第1要素に選択的に連結される。
【0030】
上記のように構成した請求項10に係る発明においては、減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのサンギヤが常時固定され、キャリアが第3クラッチにより入力軸に選択的に連結され、リングギヤが変速用複式プラネタリギヤの第1要素に直結される。
【0031】
上記のように構成した請求項11に係る発明においては、減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのサンギヤが第3ブレーキにより選択的に固定され、キャリアが入力軸に直結され、リングギヤが変速用複式プラネタリギヤの第1要素に直結される。
【0032】
上記のように構成した請求項12に係る発明においては、減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのサンギヤが第3ブレーキにより選択的に固定され、キャリアが第3クラッチにより選択的に入力軸に連結され、リングギヤが変速用複式プラネタリギヤの第1要素に直結される。
【0033】
上記のように構成した請求項13に係る発明においては、減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのキャリアが常時固定され、サンギヤが入力軸に直結され、リングギヤが第3クラッチにより変速用複式プラネタリギヤの第1要素に選択的に連結される。
【0034】
上記のように構成した請求項14に係る発明においては、減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのキャリアが常時固定され、サンギヤが第3クラッチにより入力軸に選択的に連結され、リングギヤが変速用複式プラネタリギヤの第1要素に直結される。
【0035】
上記のように構成した請求項15に係る発明においては、減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのキャリアが第3ブレーキにより選択的に固定され、サンギヤが入力軸に直結され、リングギヤが変速用複式プラネタリギヤの第1要素に直結される。
【0036】
上記のように構成した請求項16に係る発明においては、減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのキャリアが第3ブレーキにより選択的に固定され、サンギヤが第3クラッチにより選択的に入力軸に連結され、リングギヤが変速用複式プラネタリギヤの第1要素に直結される。
【0037】
本発明によれば、入力軸の回転を、減速用プラネタリギヤをダブルピニオンプラネタリギヤで構成し、且つ変速用複式プラネタリギヤを上記のように構成した、従来と異なる簡単な他の構成で、適切に離間した良好な所望の前進6速段、後進1速段のギヤ比で変速して出力部材に伝達し、燃費及び動力伝達性能向上を図るとともに運転者の嗜好にマッチしたギヤ比を得ることができる。
【0038】
【実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明に係る自動変速機の第1の実施形態について説明する。図1において、10は本発明に係る自動変速機で、例えば自動車のエンジンにより回転駆動される流体トルクコンバータ11の出力回転を変速して駆動輪に伝達するために使用される。自動変速機10は、車体に取り付けられたトランスミッションケース12内に共通軸線13上に順次支承された入力軸14、第1ダブルピニオンプラネタリギヤ15及び第2シングルピニオンプラネタリギヤ16からなる変速用複式プラネタリギヤ17、減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18及び出力部材19で構成されている。
【0039】
変速用複式プラネタリギヤ17の第1ダブルピニオンプラネタリギヤ15は、共通軸線13上に回転可能に支承されたサンギヤ20、リングギヤ21及びサンギヤ20とリングギヤに夫々噛合し且つ互いに噛合する一対のプラネタリギヤ22,23を支承するキャリア24を有し、第2シングルピニオンプラネタリギヤ16は、共通軸線13上に回転可能に支承されたサンギヤ25、リングギヤ26及びサンギヤ25とリングギヤ26に噛合するプラネタリギヤ27を支承するキャリア28から構成されている。第1ダブルピニオンプラネタリギヤ15のサンギヤ20とリングギヤ21が、第2シングルピニオンプラネタリギヤ16のキャリア28とリングギヤ26に夫々直結されている。第1ダブルピニオンプラネタリギヤのキャリア24は第1クラッチC−1を介して入力軸14に連結されている。互いに直結されたサンギヤ20とキャリア28は第2クラッチC−2を介して入力軸14に連結され、又は第2ブレーキB−2を介してケース12に固定される。互いに直結されたリングギヤ21,26は出力部材19に常時連結されている。第2シングルピニオンプラネタリギヤ16のサンギヤ25は、第1ブレーキB−1を介してケース12に固定される。
【0040】
減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18は、共通軸線13上に回転可能に支承されたサンギヤ28、リングギヤ29及びサンギヤ28とリングギヤ29に夫々噛合し且つ互いに噛合する一対のプラネタリギヤ30,31を支承するキャリア32から構成されている。減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18のリングギヤ29は第3クラッチC−3を介して第2シングルピニオンプラネタリギヤ16のサンギヤ25に連結されている。サンギヤ28はケース12に常時固定され、キャリア32は入力軸14に直結されている。
【0041】
なお、流体トルクコンバータ11のポンプインペラ33は図略のエンジンによって回転駆動されてオイルを送り出し、ステータ34がオイルの反力を受け止めてトルクをタービン35に発生するようになっている。入力軸14はタービン35に直結されている。36はポンプインペラ33とタービン35とを連結するロックアップクラッチである。
【0042】
以上のように構成された自動変速機10は、第1乃至第3クラッチC−1〜C−3を選択的に係脱し、第1、第2ブレーキB−1,B−2を選択的に作動して変速用複式プラネタリギヤ17及び減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18の各要素の回転を規制することにより、前進6速段、後進1速段のギヤ比を成立することができる。図2において、各速段に対応する各クラッチ、ブレーキの欄に丸が付されている場合、クラッチであれば接続状態、ブレーキであれば回転規制状態にあることを示す。
【0043】
変速用複式プラネタリギヤ17の第1ダブルピニオンプラネタリギヤ15及び減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18においては、サンギヤの回転数Ns、キャリアの回転数Nc、リングギヤの回転数Nrとダブルピニオンプラネタリギヤのギヤ比λとの関係は、式(1)で示され、変速用複式プラネタリギヤ17の第2シングルピニオンプラネタリギヤ16においては、サンギヤの回転数Ns、キャリアの回転数Nc、リングギヤの回転数Nrとシングルピニオンプラネタリギヤのギヤ比λとの関係は、式(2)で示され、各速段におけるギヤ比は、式(1)、(2)に基づいて算出される。サンギヤ20,25,28の歯数をZ20,Z25,Z28、リングギヤ21,26,29の歯数をZ21,Z26,Z29とすると、第1ダブルピニオンプラネタリギヤ15、第2シングルピニオンプラネタリギヤ16、減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのギヤ比はλ1=Z20/Z21,λ2=Z25/Z26,λ3=Z28/Z29である。
【0044】
Nr=(1−λ)Nc+λNs・・・(1)
【0045】
Nr=(1+λ)Nc−λNs・・・(2)
【0046】
第1乃至第3制御クラッチC−1〜C−3を選択的に接続し、第1及び第2ブレーキB−1,B−2を選択的に作動したとき、変速用複式プラネタリギヤ17及び減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18の各要素の速度比は、図3に示す速度線図のようになる。速度線図は、プラネタリギヤのサンギヤ、キャリア、リングギヤからなる各要素を横軸方向にギヤ比に対応させた間隔で配置し、縦軸方向に各要素に対応してその速度比を取ったものである。図3には、変速用複式プラネタリギヤ17及び減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18の速度線図が左右に並べて記載されている。変速用複式プラネタリギヤ17では、第1ダブルピニオンプラネタリギヤ17のサンギヤ20と第2シングルピニオンプラネタリギヤ16のキャリア28、リングギヤ21とリングギヤ26が夫々直結されているので、S1,C2及びR1,R2が夫々付された各1本の縦線上に直結されたサンギヤ20とキャリア28、リングギヤ21とリングギヤ26の速度比を表している。第1ダブルピニオンプラネタリギヤ15については、キャリア24の縦線C1とサンギヤ20の縦線S1との間隔を1とみなし、リングギヤ21の縦線R1をキャリア24の縦線C1からサンギヤ20の縦線S1と同じ側にギヤ比λ1だけ離して配置されている。第2シングルピニオンプラネタリギヤ16については、キャリア28の縦線C2とサンギヤ25の縦線S2との間隔を1とみなし、リングギヤの縦線R2がキャリアの縦線C2からサンギヤの縦線S2の反対側に間隔λ2だけ離して配置されている。減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18については、キャリア32の縦線C3とサンギヤ28の縦線S3との間隔を1とみなし、リングギヤ29の縦線R3がキャリア32の縦線C3からサンギヤ28の縦線S3と同じ側にギヤ比λ3だけ離して配置されている。速度線図には、第1乃至第3クラッチC−1〜C−3、第1及び第2ブレーキB−1,B−2が選択的に作動された点にC−1〜C−3、B−1,B−2が記入されている。第1ダブルピニオンプラネタリギヤ15、第2シングルピニオンプラネタリギヤ16及び減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18の各ギヤ比λ1,λ2,λ3(サンギヤ20の歯数/リングギヤの歯数)は、0.695,0.642,0.565である。
【0047】
このように作成された変速用複式プラネタリギヤ17の速度線図において、4本の各縦線に対応する要素を縦線の右から並び順に第1、第2、第3、第4要素とする。第1実施形態の場合、第4要素としてのキャリア24は第1クラッチC−1を介して入力軸14に連結され、第3要素としての直結されたリングギヤ21,26は出力部材19に常時連結され、第2要素としての直結されたサンギヤ20とキャリア28は第2クラッチC−2を介して入力軸14に連結され、又は第2ブレーキB−2を介してケース12に固定され、第1要素としてのサンギヤ25は第3クラッチC−3を介して減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18のリングギヤ29に連結され、又は第1ブレーキB−1を介してケース12に固定される。
【0048】
自動変速機10の制御装置を図4に示すブロック図に基づいて説明する。CPUを内蔵した制御装置40は、エンジンの回転が伝達されるトルクコンバータ11のエンジン側回転数Neを検出するエンジン回転数センサ41、入力軸14の回転数Niを検出する入力回転数センサ42、出力部材19の回転数Nvを検出する出力回転数センサ43、シフトレバーが前進走行レンジD、ニュートラルレンジN、後進走行レンジRにシフトされているとき、検出信号D,N,Rを送出するレンジ位置センサ44、アクセルの踏み込み量Ssを検出するスロットル開度センサ45等から各検出信号が入力され、これら検出信号に基づいて最適な速段を選択し、制御電流を各クラッチ、ブレーキを作動させる各油圧サーボ装置46に出力して第1乃至第3クラッチC−1〜C−3、第1及び第2ブレーキB−1,B−2を図2に示すように選択的に係脱して前進6速段、後進1速段を達成する。
【0049】
以下、各変速段の作動について説明する。制御装置10により第1クラッチC−1、第2ブレーキB−2が係合される前進1速の場合、変速用複式プラネタリギヤ17の第1要素であるキャリア24に入力軸14の回転が第1クラッチC−1を介して入力され、第3要素である直結されたサンギヤ20とキャリア28が第2ブレーキB−2により固定されるので、第2要素であるリングギヤ21,26延いては出力部材19は1速のギヤ比で減速して正回転される。
【0050】
第1クラッチC−1、第1ブレーキB−1が係合される2速の場合、変速用複式プラネタリギヤ17のキャリア24に入力軸14の回転が第1クラッチC−1を介して入力され、第4要素であるサンギヤ25が第1ブレーキB−1により固定されるので、リングギヤ21延いては出力部材19は2速のギヤ比で減速して正回転される。
【0051】
第1及び第3クラッチC−1,C−3が係合される3速の場合、変速用複式プラネタリギヤ17のキャリア24に入力軸14の回転が第1クラッチC−1を介して入力され、サンギヤ25に減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18のリングギヤ29の回転が第3クラッチC−3を介して入力される。サンギヤ28が常時固定された減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18は、キャリヤ32に入力された入力軸14の回転を減速してリングギヤ29に出力するので、入力軸14の回転がキャリア24に入力され、減速された入力軸14の回転がサンギヤ25に入力された変速用複式プラネタリギヤ17のリングギヤ21,26延いては出力部材19は3速のギヤ比で減速して正回転される。
【0052】
第1及び第2クラッチC−1,C−2が係合される4速の場合、変速用複式プラネタリギヤ17のキャリア24に入力軸14の回転が第1クラッチC−1を介して入力され、直結されたサンギヤ20、キャリヤ28に入力軸14の回転が第2クラッチC−2を介して入力されるので、リングギヤ21,26延いては出力部材19は4速のギヤ比1で入力軸14と同じ速度で正回転される。
【0053】
第2及び第3クラッチC−2,C−3が係合される5速の場合、変速用複式プラネタリギヤ17の直結されたサンギヤ20とキャリア28に入力軸14の回転が第2クラッチC−2を介して入力され、サンギヤ25に減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18のリングギヤ29の回転が第3クラッチC−3を介して入力される。サンギヤ28が常時固定された減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18は、キャリヤ32に入力された入力軸14の回転を減速してリングギヤ29に出力するので、入力軸14の回転が直結されたサンギヤ20とキャリア28に入力され、減速された入力軸14の回転がサンギヤ25に入力された変速用複式プラネタリギヤ17のリングギヤ21,26延いては出力部材19は5速のギヤ比で増速して正回転される。
【0054】
第2クラッチC−2及び第1ブレーキB−1が係合される6速の場合、変速用複式プラネタリギヤ17の直結されたサンギヤ20とキャリア28に入力軸14の回転が第2クラッチC−2を介して入力され、サンギヤ25が第1ブレーキB−1により固定されるので、リングギヤ21,26延いては出力部材19は6速のギヤ比で増速して正回転される。
【0055】
第3クラッチC−3及び第2ブレーキB−2が係合される後進1速の場合、変速用複式プラネタリギヤ17の直結されたサンギヤ20とキャリア28がブレーキB−2により固定され、サンギヤ25に減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18のリングギヤ29の回転が第3クラッチC−3を介して入力される。サンギヤ28が常時固定された減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18は、キャリヤ32に入力された入力軸14の回転を減速してリングギヤ29に出力するので、直結されたサンギヤ20とキャリア28に入力軸14の回転が入力され、減速された入力軸14の回転がサンギヤ25に入力された変速用複式プラネタリギヤ17のリングギヤ21,26延いては出力部材19は後進1速のギヤ比で減速して逆回転される。
【0056】
入力軸14に直結された減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18のキャリア32の回転数を1とした場合の各変速段におけるサンギヤ20,25,28、キャリア24,28,32、及びリングギヤ21、26,29の回転比を示す図3の速度線図から明らかなように、各変速段における第3要素である直結されたリングギヤ21,26の回転比すなわちギヤ比は、適当な間隔をもって配列し、本発明に係る自動変速機によれば適切に離間した前進6速段、後進1速段のギヤ比を得ることができる。
【0057】
次に、第2の実施形態について、図5に基づいて説明する。第2の実施形態は、変速用複式プラネタリギヤ17の構成以外は第1の実施形態と同じであるので、同一部分は図面に同一符号を付けて詳細説明を省略し、第1実施形態と異なる点のみについて説明する。
【0058】
第2実施形態では、変速用複式プラネタリギヤ17は、第1及び第2シングルピニオンプラネタリギヤ50a,50bで構成され、各シングルピニオンプラネタリギヤ50a,50bは、共通軸線13上に回転可能に支承されたサンギヤ25a,25b、リングギヤ26a,26b及びサンギヤ25a,25bとリングギヤ26a,26bに噛合するプラネタリギヤ27a,27bを支承するキャリア28a,28bから構成されている。第1及び第2シングルピニオンプラネタリギヤ50a,50bのリングギヤ26a及びサンギヤ25bが直結されて第1要素として第1ブレーキB−1を介してケース12に固定され、又は減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18のリングギヤ29に第3クラッチC−3を介して連結される。各キャリア28a、28bが直結されて第2要素として第2クラッチC−2を介して入力軸14に連結され、又は第2ブレーキB−2を介してケース12に固定される。サンギヤ25aが第4要素として第1クラッチC−1を介して入力軸14に連結されている。リングギヤ26bが第3要素として出力部材19に常時連結されている。第1及び第2シングルピニオンプラネタリギヤ50a,50b、減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18の各ギヤ比は、λ1=0.475、λ2=0.642、λ3=0.565である。各変速段における各クラッチ、ブレーキの係合状態は第1実施形態と同じである。速度線図は図6に示すようになる。作動は第1実施形態と略同じであるので説明を省略する。
【0059】
次に、第3の実施形態について、図7に基づいて説明する。以降の実施形態については、第1の実施形態と相違する点のみについて説明する。第3実施形態では、変速用プラネタリギヤ17が第1シングルピニオンプラネタリギヤ51及び第2ダブルピニオンプラネタリギヤ52で構成されている。第2ダブルピニオンプラネタリギヤ52のサンギヤ20が第1要素として第1ブレーキB−1を介してケース12に固定され、又は減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18のリングギヤ29に第3クラッチC−3を介して連結される。第1シングルピニオンプラネタリギヤ51及び第2ダブルピニオンプラネタリギヤ52の各リングギヤ26,21が直結され第2要素として第2クラッチC−2を介して入力軸14に連結され、又は第2ブレーキB−2を介してケース12に固定される。第1シングルピニオンプラネタリギヤ51のサンギヤ25と第2ダブルピニオンプラネタリギヤ52のキャリア24とが直結されて第4要素として第1クラッチC−1を介して入力軸14に連結されている。第1シングルピニオンプラネタリギヤ51のキャリア28が第3要素として出力部材19に常時連結されている。第1シングルピニオンプラネタリギヤ51、第2ダブルピニオンプラネタリギヤ52、減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18の各ギヤ比は、λ1=0.439、λ2=0.678、λ3=0.565である。速度線図は図8に示すようになる。
【0060】
第4実施形態では、図9に示すように変速用プラネタリギヤ17が第1ダブルピニオンプラネタリギヤ53及び第2シングルピニオンプラネタリギヤ54で構成されている。第1ダブルピニオンプラネタリギヤ53のキャリア24と第2シングルピニオンプラネタリギヤ54のサンギヤ25とが直結されて第1要素として第1ブレーキB−1を介してケース12に固定され、又は減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18のリングギヤ29に第3クラッチC−3を介して連結される。第2シングルピニオンプラネタリギヤ54のキャリア28が第2要素として第2クラッチC−2を介して入力軸14に連結され、又は第2ブレーキB−2を介してケース12に固定される。第1ダブルピニオンプラネタリギヤ53のサンギヤ20が第4要素として第1クラッチC−1を介して入力軸14に連結されている。第1ダブルピニオンプラネタリギヤ53及び第2シングルピニオンプラネタリギヤ54の各リングギヤ21,26が直結されて第3要素として出力部材19に常時連結されている。第1ダブルピニオンプラネタリギヤ53、第2シングルピニオンプラネタリギヤ54、減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18の各ギヤ比は、λ1=0.332、λ2=0.642、λ3=0.565である。速度線図は図10に示すようになる。
【0061】
第5実施形態では、図11に示すように変速用プラネタリギヤ17が第1シングルピニオンプラネタリギヤ55及び第2ダブルピニオンプラネタリギヤ56で構成されている。第2ダブルピニオンプラネタリギヤ56のキャリア24が第1要素として第1ブレーキB−1を介してケース12に固定され、又は減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18のリングギヤ29に第3クラッチC−3を介して連結される。第1シングルピニオンプラネタリギヤ55のリングギヤ26が第2要素として第2クラッチC−2を介して入力軸14に連結され、又は第2ブレーキB−2を介してケース12に固定される。第1シングルピニオンプラネタリギヤ55及び第2ダブルピニオンプラネタリギヤ56の各サンギヤ25,20が直結されて第4要素として第1クラッチC−1を介して入力軸14に連結されている。第1シングルピニオンプラネタリギヤ55のキャリア28と第2ダブルピニオンプラネタリギヤ56のリングギヤ21とが直結されて第3要素として出力部材19に常時連結されている。速度線図は図12に示すようになる。
【0062】
第6実施形態では、図13に示すように変速用プラネタリギヤ17が第1ダブルピニオンプラネタリギヤ57及び第2シングルピニオンプラネタリギヤ58で構成されている。第1ダブルピニオンプラネタリギヤ57及び第2シングルピニオンプラネタリギヤ58の各サンギヤ20,25が直結されて第1要素として第1ブレーキB−1を介してケース12に固定され、又は減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18のリングギヤ29に第3クラッチC−3を介して連結される。第1ダブルピニオンプラネタリギヤ57のリングギヤ21と第2シングルピニオンプラネタリギヤ58のキャリア28とが直結されて第2要素として第2クラッチC−2を介して入力軸14に連結され、又は第2ブレーキB−2を介してケース12に固定される。第1ダブルピニオンプラネタリギヤ57のキャリア24が第4要素として第1クラッチC−1を介して入力軸14に連結されている。第2シングルピニオンプラネタリギヤ58のリングギヤ26が第3要素として出力部材19に常時連結されている。第1ダブルピニオンプラネタリギヤ57、第2シングルピニオンプラネタリギヤ58、減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18の各ギヤ比は、λ1=0.678、λ2=0.642、λ3=0.565である。速度線図は図14に示すようになる。
【0063】
第7実施形態では、図15に示すように変速用プラネタリギヤ17が第1ダブルピニオンプラネタリギヤ59及び第2シングルピニオンプラネタリギヤ60で構成されている。第1ダブルピニオンプラネタリギヤ59のキャリア24と第2シングルピニオンプラネタリギヤ60のサンギヤ25とが直結されて第1要素として第1ブレーキB−1を介してケース12に固定され、又は減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18のリングギヤ29に第3クラッチC−3を介して連結される。第1ダブルピニオンプラネタリギヤ59のリングギヤ21及び第2シングルピニオンプラネタリギヤ60のキャリア28が直結されて第2要素として第2クラッチC−2を介して入力軸14に連結され、又は第2ブレーキB−2を介してケース12に固定される。第1ダブルピニオンプラネタリギヤ59のサンギヤ20が第4要素として第1クラッチC−1を介して入力軸14に連結されている。第2シングルピニオンプラネタリギヤ60のリングギヤ26が第3要素として出力部材19に常時連結されている。第1ダブルピニオンプラネタリギヤ59、第2シングルピニオンプラネタリギヤ60、減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18の各ギヤ比は、λ1=0.322、λ2=0.642、λ3=0.565である。速度線図は図16に示すようになる。
【0064】
第8実施形態では、図17に示すように変速用プラネタリギヤ17が第1ダブルピニオンプラネタリギヤ61及び第2シングルピニオンプラネタリギヤ62で構成されている。第2シングルピニオンプラネタリギヤ62のリングギヤ26が第1要素として第1ブレーキB−1を介してケース12に固定され、又は減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18のリングギヤ29に第3クラッチC−3を介して連結される。第1ダブルピニオンプラネタリギヤ61のサングギヤ20と第2シングルピニオンプラネタリギヤ62のキャリア28とが直結され第2要素として第2クラッチC−2を介して入力軸14に連結され、又は第2ブレーキB−2を介してケース12に固定される。第1ダブルピニオンプラネタリギヤ61のキャリア24と第2シングルピニオンプラネタリギヤ62のサンギヤ25とが直結され第4要素として第1クラッチC−1を介して入力軸14に連結されている。第1ダブルピニオンプラネタリギヤ61のリングギヤ21が第3要素として出力部材19に常時連結されている。第1ダブルピニオンプラネタリギヤ61、第2シングルピニオンプラネタリギヤ62、減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18の各ギヤ比は、λ1=0.695、λ2=0.475、λ3=0.565である。速度線図は図18に示すようになる。
【0065】
上記実施形態では、減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18のサンギヤ28を固定要素として常時固定し、キャリア32を入力要素として入力軸14に直結し、リングギヤ29を出力要素として第3クラッチC−3を介して変速用複式プラネタリギヤ17の第1要素に連結しているが、入力軸14の回転を減速して第1要素に連結可能とする結合関係は、これに限られるものでないので、減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18の固定要素を固定可能とし、入力要素を入力軸に連結可能とし、出力要素を第1要素に連結可能とする結合関係について、以下に説明する。連結可能とは、直結及びクラッチを介した連結の両方を含む概念で、同一機能を有する2部材が、一具体例では直結され、他の具体例ではクラッチを介して連結される場合を含む。固定可能とは、常時固定及びブレーキを介した固定の両方を含む概念で、同一機能を有する2部材が、一具体例では常時固定され、他の具体例ではブレーキを介して固定される場合を含む。
【0066】
図19は減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18のサンギヤ28を固定要素として固定可能とし、キャリア32を入力要素として入力軸14と連結可能とし、リングギヤ29を出力要素として変速用複式プラネタリギヤ17の第1要素に連結可能とする各パターンを示すものである。
【0067】
19図(a)では、減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18のサンギヤ28がケース12に常時固定され、キャリア32が入力軸に直結され、リングギヤ29が第3クラッチC−3を介して変速用複式プラネタリギヤ17の第1要素に連結される。
【0068】
19図(b)では、減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18のサンギヤ28が常時固定され、キャリア32が第3クラッチC−3を介して入力軸14に連結され、リングギヤ29が変速用複式プラネタリギヤ17の第1要素に直結される。
【0069】
19図(c)では、減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18のサンギヤ28が第3ブレーキB−3を介してケース12に固定され、キャリア32が入力軸14に直結され、リングギヤ29が変速用複式プラネタリギヤ17の第1要素に直結される。この場合、第3ブレーキB−3が第3クラッチC−3の機能を果たし、サンギヤ28を固定することにより、入力軸14の回転が減速されたリングギヤ29の回転が第1要素に連結され、キャリア32の解放することにより、第1要素に直結されたリングギヤ29がブレーキB−1により固定されることを可能とする。
【0070】
19図(d)では、減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18のサンギヤ28が第3ブレーキB−3を介して固定され、キャリア32が第3クラッチC−3を介して入力軸に連結され、リングギヤ29が変速用複式プラネタリギヤ17の第1要素に直結される。
【0071】
図20は減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18のキャリア32を固定要素として固定可能とし、サンギヤ28を入力要素として入力軸14と連結可能とし、リングギヤ29を出力要素として変速用複式プラネタリギヤ17の第1要素に連結可能とする各パターンを示すものである。
【0072】
20図(a)では、減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18のキャリア32がケース12に常時固定され、サンギヤ28が入力軸14に直結され、リングギヤ29が第3クラッチC−3を介して変速用複式プラネタリギヤ17の第1要素に連結される。
【0073】
20図(b)では、減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18のキャリア32が常時固定され、サンギヤ28が第3クラッチC−3を介して入力軸14に連結され、リングギヤ29が変速用複式プラネタリギヤ17の第1要素に直結される。
【0074】
20図(c)では、減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18のキャリア32が第3ブレーキB−3を介して固定され、サンギヤ28が入力軸14に直結され、リングギヤ29が変速用複式プラネタリギヤ17の第1要素に直結される。この場合、第3ブレーキB−3が第3クラッチC−3の機能を果たし、キャリア32を固定することにより、入力軸14の回転が減速されたリングギヤ29の回転が第1要素に連結され、キャリア32の解放することにより、第1要素に直結されたリングギヤ29がブレーキB−1により固定されることを可能とする。
【0075】
20図(d)では、減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ18のキャリア32が第3ブレーキB−3を介して固定され、サンギヤ28が第3クラッチC−3を介して入力軸14に連結され、リングギヤ29が変速用複式プラネタリギヤ17の第1要素に直結される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自動変速装置の第1実施形態を示すスケルトン図。
【図2】第1実施形態の各変速段におけるブレーキ及びクラッチの係合状態を示す図。
【図3】第1実施形態の各変速段におけるプラネタリギヤの各要素の回転比を示す速度線図。
【図4】制御装置を示すブロック図。
【図5】第2実施形態を示すスケルトン図。
【図6】第2実施形態の速度線図。
【図7】第3実施形態を示すスケルトン図。
【図8】第3実施形態の速度線図。
【図9】第4実施形態を示すスケルトン図。
【図10】第4実施形態の速度線図。
【図11】第5実施形態を示すスケルトン図。
【図12】第5実施形態の速度線図。
【図13】第6実施形態を示すスケルトン図。
【図14】第6実施形態の速度線図。
【図15】第7実施形態を示すスケルトン図。
【図16】第7実施形態の速度線図。
【図17】第8実施形態を示すスケルトン図。
【図18】第8実施形態の速度線図。
【図19】減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのサンギヤを固定要素、キャリアを入力要素、リングギヤを出力要素とした場合の連結関係を示す図。
【図20】減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのキャリアを固定要素、サンギヤを入力要素、リングギヤを出力要素とした場合の連結関係を示す図。
【符号の説明】
10…自動変速機、11…トルクコンバータ、12…トランスミッションケース、13…共通軸線、14…入力軸、15,53,57,59,61…第1ダブルピニオンプラネタリギヤ、16,50b,54,58,60,62…第2シングルピニオンプラネタリギヤ、17…変速用複式プラネタリギヤ、18…減速用ダブルピニオンプラネタリギヤ、19…出力部材、40…制御装置、50a,51,55…第1シングルピニオンプラネタリギヤ、52,56…第2ダブルピニオンプラネタリギヤ、C−1〜C−3…第1乃至第3クラッチ、B−1,B−2,B−3…第1乃至第3ブレーキ。
Claims (16)
- 変速用複式プラネタリギヤを第1ダブルピニオンプラネタリギヤ及び第2シングルピニオンプラネタリギヤで構成し、前記第2シングルピニオンプラネタリギヤのサンギヤを前記第1要素とし、前記第1ダブルピニオンプラネタリギヤのサンギヤと前記第2シングルピニオンプラネタリギヤのキャリアとを直結して前記第2要素とし、前記第1ダブルピニオンプラネタリギヤのキャリアを第4要素とし、前記第1ダブルピニオンプラネタリギヤ及び前記第2シングルピニオンプラネタリギヤの各リングギヤを直結して前記第3要素とし、前記変速用複式プラネタリギヤの前記第1要素を第1ブレーキを介して固定し、前記第2要素を第2クラッチを介して入力軸に連結し、又は第2ブレーキを介して固定し、前記第4要素を第1クラッチを介して入力軸に連結し、前記第3要素を出力部材に常時連結し、減速用ダブルピニオンプラネタリギヤの出力要素を前記第1要素に連結可能とし、固定要素を固定可能とし入力要素を前記入力軸に連結可能とし、制御装置により前記各クラッチ及び各ブレーキを選択的に係脱して前進6速段、後進1速段を達成することを特徴とする自動変速機。
- 変速用複式プラネタリギヤを第1及び第2シングルピニオンプラネタリギヤで構成し、前記第1及び第2シングルピニオンプラネタリギヤのリングギヤ及びサンギヤを直結して第1要素とし、前記第1及び第2シングルピニオンプラネタリギヤの各キャリアを直結して第2要素とし、前記第1シングルピニオンプラネタリギヤのサンギヤを第4要素とし、前記第2シングルピニオンプラネタリギヤのリングギヤを第3要素とし、前記変速用複式プラネタリギヤの前記第1要素を第1ブレーキを介して固定し、前記第2要素を第2クラッチを介して入力軸に連結し、又は第2ブレーキを介して固定し、前記第4要素を第1クラッチを介して入力軸に連結し、前記第3要素を出力部材に常時連結し、減速用ダブルピニオンプラネタリギヤの出力要素を前記第1要素に連結可能とし、固定要素を固定可能とし入力要素を前記入力軸に連結可能とし、制御装置により前記各クラッチ及び各ブレーキを選択的に係脱して前進6速段、後進1速段を達成することを特徴とする自動変速機。
- 変速用複式プラネタリギヤを第1シングルピニオンプラネタリギヤ及び第2ダブルピニオンプラネタリギヤで構成し、前記第2ダブルピニオンプラネタリギヤのサンギヤを第1要素とし、前記第1シングルピニオンプラネタリギヤ及び前記第2ダブルピニオンプラネタリギヤの各リングギヤを直結して第2要素とし、前記第1シングルピニオンプラネタリギヤのサンギヤと前記第2ダブルピニオンプラネタリギヤのキャリアとを直結して第4要素とし、前記第1シングルピニオンプラネタリギヤのキャリアを第3要素とし、前記変速用複式プラネタリギヤの前記第1要素を第1ブレーキを介して固定し、前記第2要素を第2クラッチを介して入力軸に連結し、又は第2ブレーキを介して固定し、前記第4要素を第1クラッチを介して入力軸に連結し、前記第3要素を出力部材に常時連結し、減速用ダブルピニオンプラネタリギヤの出力要素を前記第1要素に連結可能とし、固定要素を固定可能とし入力要素を前記入力軸に連結可能とし、制御装置により前記各クラッチ及び各ブレーキを選択的に係脱して前進6速段、後進1速段を達成することを特徴とする自動変速機。
- 変速用複式プラネタリギヤを第1ダブルピニオンプラネタリギヤ及び第2シングルピニオンプラネタリギヤで構成し、前記第1ダブルピニオンプラネタリギヤのキャリアと前記第2シングルピニオンプラネタリギヤのサンギヤとを直結して第1要素とし、前記第2シングルピニオンプラネタリギヤのキャリアを第2要素とし、前記第1ダブルピニオンプラネタリギヤのサンギヤを第4要素とし、前記第1ダブルピニオンプラネタリギヤ及び前記第2シングルピニオンプラネタリギヤの各リングギヤを直結して第3要素とし、前記変速用複式プラネタリギヤの前記第1要素を第1ブレーキを介して固定し、前記第2要素を第2クラッチを介して入力軸に連結し、又は第2ブレーキを介して固定し、前記第4要素を第1クラッチを介して入力軸に連結し、前記第3要素を出力部材に常時連結し、減速用ダブルピニオンプラネタリギヤの出力要素を前記第1要素に連結可能とし、固定要素を固定可能とし入力要素を前記入力軸に連結可能とし、制御装置により前記各クラッチ及び各ブレーキを選択的に係脱して前進6速段、後進1速段を達成することを特徴とする自動変速機。
- 変速用複式プラネタリギヤを第1シングルピニオンプラネタリギヤ及び第2ダブルピニオンプラネタリギヤで構成し、前記第2ダブルピニオンプラネタリギヤのキャリアを第1要素とし、前記第1シングルピニオンプラネタリギヤのリングギヤを第2要素とし、前記第1シングルピニオンプラネタリギヤ及び前記第2ダブルピニオンプラネタリギヤの各サンギヤを直結して第4要素とし、前記第1シングルピニオンプラネタリギヤのキャリアと前記第2ダブルピニオンプラネタリギヤのリングギヤとを直結して第3要素とし、前記変速用複式プラネタリギヤの前記第1要素を第1ブレーキを介して固定し、前記第2要素を第2クラッチを介して入力軸に連結し、又は第2ブレーキを介して固定し、前記第4要素を第1クラッチを介して入力軸に連結し、前記第3要素を出力部材に常時連結し、減速用ダブルピニオンプラネタリギヤの出力要素を前記第1要素に連結可能とし、固定要素を固定可能とし入力要素を前記入力軸に連結可能とし、制御装置により前記各クラッチ及び各ブレーキを選択的に係脱して前進6速段、後進1速段を達成することを特徴とする自動変速機。
- 変速用複式プラネタリギヤを第1ダブルピニオンプラネタリギヤ及び第2シングルピニオンプラネタリギヤで構成し、前記第1ダブルピニオンプラネタリギヤ及び第2シングルピニオンプラネタリギヤの各サンギヤを直結して第1要素とし、前記第1ダブルピニオンプラネタリギヤのリングギヤと前記第2シングルピニオンプラネタリギヤのキャリアとを直結して第2要素とし、前記第1ダブルピニオンプラネタリギヤのキャリアを第4要素とし、前記第2シングルピニオンプラネタリギヤのリングギヤを第3要素とし、前記変速用複式プラネタリギヤの前記第1要素を第1ブレーキを介して固定し、前記第2要素を第2クラッチを介して入力軸に連結し、又は第2ブレーキを介して固定し、前記第4要素を第1クラッチを介して入力軸に連結し、前記第3要素を出力部材に常時連結し、減速用ダブルピニオンプラネタリギヤの出力要素を前記第1要素に連結可能とし、固定要素を固定可能とし入力要素を前記入力軸に連結可能とし、制御装置により前記各クラッチ及び各ブレーキを選択的に係脱して前進6速段、後進1速段を達成することを特徴とする自動変速機。
- 変速用複式プラネタリギヤを第1ダブルピニオンプラネタリギヤ及び第2シングルピニオンプラネタリギヤで構成し、前記第1ダブルピニオンプラネタリギヤのキャリアと前記第2シングルピニオンプラネタリギヤのサンギヤとを直結して第1要素とし、前記第1ダブルピニオンプラネタリギヤのリングギヤ及び第2シングルピニオンプラネタリギヤのキャリアを直結して第2要素とし、前記第1ダブルピニオンプラネタリギヤのサンギヤを第4要素とし、前記第2シングルピニオンプラネタリギヤのリングギヤを第3要素とし、前記変速用複式プラネタリギヤの前記第1要素を第1ブレーキを介して固定し、前記第2要素を第2クラッチを介して入力軸に連結し、又は第2ブレーキを介して固定し、前記第4要素を第1クラッチを介して入力軸に連結し、前記第3要素を出力部材に常時連結し、減速用ダブルピニオンプラネタリギヤの出力要素を前記第1要素に連結可能とし、固定要素を固定可能とし入力要素を前記入力軸に連結可能とし、制御装置により前記各クラッチ及び各ブレーキを選択的に係脱して前進6速段、後進1速段を達成することを特徴とする自動変速機。
- 変速用複式プラネタリギヤを第1ダブルピニオンプラネタリギヤ及び第2シングルピニオンプラネタリギヤで構成し、前記第2シングルピニオンプラネタリギヤのリングギヤを第1要素とし、前記第1ダブルピニオンプラネタリギヤのサングギヤと前記第2シングルピニオンプラネタリギヤのキャリアとを直結して第2要素とし、前記第1ダブルピニオンプラネタリギヤのキャリアと第2シングルピニオンプラネタリギヤのサンギヤとを直結して第4要素とし、前記第1ダブルピニオンプラネタリギヤのリングギヤを第3要素とし、前記変速用複式プラネタリギヤの前記第1要素を第1ブレーキを介して固定し、前記第2要素を第2クラッチを介して入力軸に連結し、又は第2ブレーキを介して固定し、前記第4要素を第1クラッチを介して入力軸に連結し、前記第3要素を出力部材に常時連結し、減速用ダブルピニオンプラネタリギヤの出力要素を前記第1要素に連結可能とし、固定要素を固定可能とし入力要素を前記入力軸に連結可能とし、制御装置により前記各クラッチ及び各ブレーキを選択的に係脱して前進6速段、後進1速段を達成することを特徴とする自動変速機。
- 請求項1乃至8のいずれかにおいて、前記出力要素は前記減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのリングギヤとされ第3クラッチを介して前記第1要素に連結され、前記固定要素は前記減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのサンギヤとされ常時固定され、前記入力要素は前記減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのキャリアとされ前記入力軸に直結されたことを特徴とする自動変速機。
- 請求項1乃至8のいずれかにおいて、前記出力要素は前記減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのリングギヤとされ前記第1要素に直結され、前記固定要素は前記減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのサンギヤとされ常時固定され、前記入力要素は前記減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのキャリアとされ第3クラッチを介して前記入力軸に連結されたことを特徴とする自動変速機。
- 請求項1乃至8のいずれかにおいて、前記出力要素は前記減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのリングギヤとされ前記第1要素に直結され、前記固定要素は前記減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのサンギヤとされ第3ブレーキを介して固定され、前記入力要素は前記減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのキャリアとされ前記入力軸に直結されたことを特徴とする自動変速機。
- 請求項1乃至8のいずれかにおいて、前記出力要素は前記減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのリングギヤとされ前記第1要素に直結され、前記固定要素は前記減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのサンギヤとされ第3ブレーキを介して固定され、前記入力要素は前記減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのキャリアとされ第3クラッチを介して前記入力軸に連結されたことを特徴とする自動変速機。
- 請求項1乃至8のいずれかにおいて、前記出力要素は前記減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのリングギヤとされ第3クラッチを介して前記第1要素に連結され、前記固定要素は前記減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのキャリアとされ常時固定され、前記入力要素は前記減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのサンギヤとされ前記入力軸に直結されたことを特徴とする自動変速機。
- 請求項1乃至8のいずれかにおいて、前記出力要素は前記減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのリングギヤとされ前記第1要素に直結され、前記固定要素は前記減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのキャリアとされ常時固定され、前記入力要素は前記減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのサンギヤとされ第3クラッチを介して前記入力軸に連結されたことを特徴とする自動変速機。
- 請求項1乃至8のいずれかにおいて、前記出力要素は前記減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのリングギヤとされ前記第1要素に直結され、前記固定要素は前記減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのキャリアとされ第3ブレーキを介して固定され、前記入力要素は前記減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのサンギヤとされ前記入力軸に直結されたことを特徴とする自動変速機。
- 請求項1乃至8のいずれかにおいて、前記出力要素は前記減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのリングギヤとされ前記第1要素に直結され、前記固定要素は前記減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのキャリアとされ第3ブレーキを介して固定され、前記入力要素は前記減速用ダブルピニオンプラネタリギヤのサンギヤとされ第3クラッチを介して前記入力軸に連結されたことを特徴とする自動変速機。
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Cited By (1)
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KR100926847B1 (ko) | 2007-08-07 | 2009-11-13 | 현대 파워텍 주식회사 | 자동 변속기의 6속 파워 트레인 |
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Cited By (1)
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KR100926847B1 (ko) | 2007-08-07 | 2009-11-13 | 현대 파워텍 주식회사 | 자동 변속기의 6속 파워 트레인 |
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