JP2004060518A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】NOx触媒38よりも下流の排気通路43にNOx濃度センサ43を配設する。エンジン1の運転状態がNOxパージモードから成層燃焼モードに移行して、NOx触媒38が排気ガス中のNOxの吸蔵を再開したときに、NOx濃度センサ43からの信号に基づいて触媒38の劣化を検出する(SC4)。NOx濃度センサ43により検出されるNOx濃度の時間変化率に基づいて、NOx触媒38の劣化が主に熱劣化によるものか或いは硫黄被毒によるものかを判定する(SC5)。硫黄被毒による劣化であればSパージを行う(SC6)。熱劣化であればそのことを車両の乗員に報知する。
【選択図】 図7
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、排気ガスの空燃比状態が理論空燃比に対応する状態よりもリーンな状態のときにNOxを吸蔵する一方、その吸蔵したNOxを空燃比状態のリッチ化に応じて放出し且つ還元浄化するNOx吸蔵タイプの触媒を備えた内燃機関の排気浄化装置に関し、特に、前記触媒の劣化に適切に対処するための制御技術の分野に属する。尚、NOx吸蔵タイプの触媒については既に種々の構成のものが公知であり、それらはNOx吸収タイプ或いはNOx吸着タイプ等と呼ばれることもあるが、この明細書においてNOx吸蔵タイプの触媒というときには、前記いずれの呼称のものをも含むものとする。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種の排気浄化装置として、例えば特許第2888124号公報に開示されるように、内燃機関の排気通路にNOx吸蔵タイプの触媒を配置し、この触媒の下流側に配設したNOx濃度センサからの信号に基づいて、触媒の劣化を検出するようにしたものが知られている。すなわち、NOx吸蔵タイプの触媒は、内燃機関が理論空燃比よりもリーンな空燃比で運転されて(以下、リーン運転ともいう)、排気の空燃比状態が理論空燃比に対応する状態よりもリーンな状態のときにNOxを吸蔵する一方、内燃機関の運転空燃比が理論空燃比乃至それよりもリッチになって(以下、リッチ運転ともいう)、排気の空燃比状態が理論空燃比乃至それよりもリッチな状態(以下、単にリッチ状態ともいう)になれば、吸蔵したNOxを放出して還元浄化するという機能を有する。
【0003】
そして、前記従来例の排気浄化装置では、内燃機関のリッチ運転によって触媒が吸蔵したNOxの放出を完了し、その後、当該内燃機関がリーン運転に切り換わって、触媒が排気ガス中のNOxの吸蔵を再開したときに、その時点から触媒下流のNOx濃度が所定値になるまでの時間が短ければ、触媒の劣化によってNOxの吸蔵能が低下していると判定し、例えば警報の作動により車両の乗員者に触媒の劣化を報知して、この触媒の交換を促すようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、一般に、NOx吸蔵タイプの触媒としては、担体に酸化バリウム等のNOx吸蔵材と白金やパラジウム等の貴金属とを担持させたものが用いられており、このような触媒の劣化状態としては、内燃機関からの高温の排気に曝されて前記貴金属やNOx吸蔵材の機能が低下すること(熱劣化)や、排気ガスに含まれる硫黄成分がNOx吸蔵材と強く結びついて、NOxの吸蔵能を阻害すること(硫黄被毒)等が知られている。
【0005】
そして、触媒が前記硫黄被毒の状態にあるときには、排気ガスの空燃比状態をリッチ状態に保ちながら、例えばガソリン機関ならば点火時期のリタード等によって排気温度を高くして、触媒の温度状態を所定以上に維持することにより、この触媒のNOx吸蔵材から硫黄成分を離脱させることができ、これによりNOxの吸蔵能を回復することができる。
【0006】
しかしながら、前記従来例の排気浄化装置では単に触媒の劣化を検出して、車両の乗員に警報を発するようにしているだけなので、上述の如く触媒の機能を回復可能な硫黄被毒の場合であっても乗員への警報が行われることになり、この警報が極めて煩雑なものとなる。
【0007】
斯かる問題点に鑑み、本願の発明者らは、NOx吸蔵タイプの触媒の劣化原因の特定について鋭意、研究を重ねた結果、触媒が一旦、吸蔵したNOxの放出を完了して、その後、排気ガス中のNOxの吸蔵を再開したときに、該触媒下流側のNOx濃度の変化の様子いが熱劣化の場合と硫黄被毒の場合とで大きく異なることを見出して、発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本願発明の目的とするところは、内燃機関の排気通路にNOx吸蔵タイプの触媒を備えた排気浄化装置において、この触媒の劣化したことのみならず、その原因をも自動的に特定して、それぞれ適切な対処を可能とすることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の解決手段では、触媒下流側の排気通路にNOx濃度センサを配設し、触媒の劣化が検出された場合には、その触媒が吸蔵したNOxの放出を完了して排気ガス中のNOxの吸蔵を再開したときに、前記NOx濃度センサにより検出されるNOx濃度の時間変化率に基づいて、触媒の劣化原因を判定するようにした。
【0010】
具体的に、請求項1の発明では、内燃機関の排気通路に配設され、排気ガスの空燃比状態が理論空燃比に対応する状態よりもリーンな状態のときにNOxを吸蔵する一方、吸蔵したNOxを空燃比状態のリッチ化に応じて放出し且つ還元浄化するNOx吸蔵タイプの触媒と、該触媒よりも下流側の排気通路で排気ガス中の所定ガス成分の濃度を検出するガス成分濃度検出手段と、少なくとも前記ガス成分濃度検出手段による検出値に基づいて、触媒の劣化を検出する触媒劣化検出手段とを備えた内燃機関の排気浄化装置を前提とする。そして、前記触媒よりも下流側の排気通路に配設されて排気ガス中のNOxの濃度を検出するNOx濃度センサと、前記触媒劣化検出手段により触媒の劣化が検出された場合に、その触媒が吸蔵したNOxの放出を完了して排気ガス中のNOxの吸蔵を再開したときに、前記NOx濃度センサにより検出されるNOx濃度の時間変化率を求めて、この時間変化率が予め設定した基準値以上であれば、触媒の劣化原因における硫黄被毒の影響が大であると判定する劣化原因判定手段とを備える構成とする。
【0011】
前記の構成により、まず、内燃機関がリーン運転されて、排気ガスの空燃比状態が理論空燃比よりもリーンな状態になると、酸素過剰雰囲気の排気ガス中のNOxがNOx吸蔵タイプの触媒によって吸蔵される。一方、内燃機関がリッチ運転されると排気の空燃比状態もリッチ状態になり、このときには前記触媒において吸蔵されているNOxが放出されて、還元浄化されることになる。
【0012】
ここで、前記触媒が劣化するとそのNOx吸蔵能が低下するため、例えば前記内燃機関のリッチ運転によって触媒が一旦、吸蔵したNOxを全て放出したとしても、その後、内燃機関がリーン運転に切り換わって触媒による排気ガス中のNOxの吸蔵が再開したときに、該触媒下流のNOxの濃度は相対的に早く増大するようになる。また、この際、触媒が熱劣化している場合にはNOx濃度の増大変化の立ち上がりが比較的緩やかなものとなり、一方、硫黄被毒の場合にはNOx濃度の増大変化の立ち上がりが比較的急峻なものとなる。
【0013】
そこで、この発明では、前記触媒が吸蔵したNOxの放出を完了して排気ガス中のNOxの吸蔵を再開したときに、該触媒の下流のNOx濃度センサにより検出されるNOx濃度の時間変化率を求めて、この時間変化率が予め設定した基準値以上であれば、触媒の劣化原因における硫黄被毒の影響が大であると判定するようにした。このことで、触媒の劣化が熱劣化によるものか或いは硫黄被毒によるものかを正確に判定することができ、この判定結果に基づいて、劣化の状態に応じた適切な対処を行うことが可能になる。
【0014】
具体的には、請求項2の発明のように、劣化原因判定手段により触媒の劣化原因における硫黄被毒の影響が大であると判定されたとき、触媒から硫黄成分の離脱を促進するように内燃機関の運転状態を制御する劣化時制御手段を備えることが好ましい。
【0015】
こうすれば、触媒の劣化原因における硫黄被毒の影響が大であるときには、劣化時制御手段により、例えば排気ガスの空燃比状態がリッチになり且つ排気ガスの温度状態が所定以上に高くなるように内燃機関の運転状態が制御される。これにより、NOx吸蔵タイプの触媒から硫黄成分の離脱が促進されて、当該触媒によるNOxの吸蔵能が回復する。
【0016】
請求項3の発明では、請求項2の発明における劣化原因判定手段を、触媒が吸蔵したNOxの放出を完了して排気ガス中のNOxの吸蔵を再開したときに、NOx濃度センサにより検出されるNOx濃度の時間変化率が設定基準値よりも小さければ、触媒の劣化原因における硫黄被毒の影響が小であると判定するものとし、さらに、触媒劣化検出手段により触媒の劣化が検出され、且つ前記劣化原因判定手段により硫黄被毒の影響が小であると判定されたときに、該触媒の劣化を報知する報知手段を備えるものとする。
【0017】
このことで、触媒の劣化が検出され、且つその劣化原因における硫黄被毒の影響が小であると判定されたときには、この触媒は熱劣化していてNOx吸蔵能を回復させることはできないから、報知手段により触媒の劣化が報知される。そして、触媒が速やかに交換されることで、排気状態の悪化が未然に防止される。一方、硫黄被毒の影響が大であると判定されたときには直ちに報知が行われることはなく、従って、報知の煩雑さが解消される。
【0018】
請求項4の発明では、請求項3の発明における報知手段を、劣化時制御手段による内燃機関の制御が行われた後も、触媒劣化検出手段により触媒の劣化が検出されるときには、劣化原因判定手段による判定の結果によらず触媒の劣化を報知するものとする。
【0019】
このことで、仮に、劣化原因判定手段により誤って、触媒の劣化原因が硫黄被毒によるものであると判定されたとしても、その後、さらに触媒の劣化が検出されるときには触媒の劣化が報知されるので、この触媒を速やかに交換して、排気状態の悪化を未然に防止することができる。
【0020】
請求項5の発明では、触媒が吸蔵したNOxの放出を完了して排気ガス中のNOxの吸蔵を再開したときに、NOx濃度センサにより検出されるNOx濃度の時間変化率が設定基準値よりも大きい別の設定値以上であれば、触媒から硫黄成分の離脱を促進するように内燃機関の運転状態を制御する硫黄被毒軽減制御手段を備えるものとする。
【0021】
すなわち、NOx吸蔵タイプの触媒が排気ガス中のNOxの吸蔵を再開したときに、NOx濃度センサにより検出されるNOx濃度の時間変化率が大きいということは、当該触媒のNOx吸蔵能が低下しているということであるから、このときには触媒劣化検出手段により触媒の劣化が検出されていなくても、該触媒からの硫黄成分の離脱が促進されるように、硫黄被毒軽減制御手により内燃機関の運転状態を制御する。これにより、触媒によるNOx吸蔵能の回復が図られる。
【0022】
請求項6の発明では、NOx濃度センサをガス成分濃度検出手段とし、触媒劣化検出手段は、触媒が吸蔵したNOxの放出を完了して排気ガス中のNOxの吸蔵を再開したときに、前記NOx濃度センサからの信号に基づいて触媒の劣化を検出するものとする。
【0023】
このことで、従来例(特許第2888124号)のものと同様に、触媒が吸蔵したNOxの放出を完了して排気ガス中のNOxの吸蔵を再開したときに、NOx濃度センサからの信号に基づいて触媒の劣化を検出することができる。
【0024】
請求項7の発明では、ガス成分濃度検出手段として触媒よりも下流側の排気通路に酸素濃度センサを配設するとともに、該触媒よりも上流側の排気通路にも酸素濃度センサを配設し、触媒劣化検出手段は、前記触媒の上流側及び下流側の酸素濃度センサからの信号に基づいて、触媒の劣化を検出するものとする。
【0025】
すなわち、例えば、NOx吸蔵タイプの触媒において排気ガス中のNOxが吸蔵されるときには、その排気ガス中の酸素が消費されて酸素濃度が低下することになるし、反対に、触媒からNOxが放出されて還元されるときには、排気ガス中の酸素濃度が増大することになる。このため、内燃機関の運転空燃比がリーンな状態とリッチな状態との間で変化するときには、前記触媒によるNOxの吸蔵又は放出によって触媒上流側の酸素濃度センサの出力と下流側の酸素濃度センサの出力との間にずれが生じ、このずれの大きさが触媒のNOx吸蔵能によって変化することになる。従って、該上流側及び下流側酸素濃度センサからの信号に基づいて触媒の劣化を検出することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基いて説明する。
【0027】
図1は、本発明に係る排気浄化装置を適用した筒内直噴式ガソリンエンジン1(内燃機関)の全体的な構成を示す。同図においてエンジン1は、複数の気筒2,2,…(1つのみ図示する)が直列に設けられたシリンダブロック3と、このシリンダブロック3上に配置されたシリンダヘッド4とを有し、各気筒2内にはそれぞれピストン5が往復動可能に嵌挿されていて、そのピストン5の冠面とシリンダヘッド4の下面との間の気筒2内に燃焼室6が区画形成されている。ピストン5の往復動はコネクティングロッド7を介してクランク軸8の回転運動に変換され、このクランク軸8により出力される。また、前記シリンダブロック3には、クランク軸8の一端側においてその回転角度を検出する電磁式のクランク角センサ9と、各気筒2毎の燃焼圧の変動に基づいてノッキングを検出するためのノックセンサ10と、図示しないウオータジャケットの内部に臨んで冷却水の温度(エンジン水温)を検出するエンジン水温センサ11とがそれぞれ配設されている。
【0028】
前記シリンダヘッド4には、各気筒2毎に燃焼室6の天井面に臨んで開口するように吸気ポート12及び排気ポート13が2つずつ開口していて、その各ポート開口部に吸気及び排気弁14,15が配置されている。これら吸気弁14及び排気弁15は、それぞれシリンダヘッド4の内部に軸支された吸気側及び排気側カム軸(図示せず)によって、前記クランク軸8の回転に同期して開作動されるようになっている。また、吸気側のカム軸には、その回転角度を検出するための電磁式のカム角センサ16が付設されている。また、各気筒2毎に前記シリンダヘッド4を上下方向に貫通し且つ吸排気弁14,15に取り囲まれるようにして、点火プラグ17が配設されている。この点火プラグ17の先端の電極は燃焼室6の天井面から所定距離だけ下方に突出している。また、点火プラグ17の基端部は、ヘッドカバーを貫通するように配設された点火回路18(イグナイタ)に接続されている。
【0029】
前記燃焼室6の底部となるピストン5の冠面は、外周側の部位が燃焼室6の天井面と略平行な形状とされる一方、ピストン5冠面の略中央部には平面視で概略レモン形状の凹部が設けられている。また、燃焼室6の吸気側の周縁部に噴口を臨ませてインジェクタ(燃料噴射弁)20が配設されている。このインジェクタ20は、例えば、燃焼室6に臨む先端部の噴口から燃料を旋回流として噴出させて、軸心の延びる方向に沿うようにホローコーン状に噴射する公知のスワールインジェクタとすればよいが、これに限るものではなく、スリットタイプや多噴口タイプのインジェクタとしてもよく、或いは芯弁を圧電素子によって動作させる構成のものを用いてもよい。
【0030】
前記インジェクタ20の基端側は全気筒2,2,…に共通の燃料分配管21に接続されていて、この燃料分配管21により高圧燃料ポンプ22から吐出される燃料が各気筒2毎のインジェクタ20に分配されるようになっている。そして、そのインジェクタ20により気筒2の圧縮行程で燃料が噴射されると、この燃料噴霧は燃焼室6内の吸気流動によって減速されて、適度な濃度状態の混合気塊を点火プラグ17周りに形成する。尚、前記燃料分配管21には、インジェクタ20から噴射される燃料の圧力状態(燃料噴射圧)を測定するための燃圧センサ23が配設されている。
【0031】
エンジン1の一側面(図の右側の側面)には、各気筒2毎の吸気ポート12に連通するように吸気通路25が接続されている。この吸気通路25は、エンジン1の燃焼室6に対してエアクリーナ26で濾過した吸気を供給するものであり、その上流側から下流側に向かって順に、エンジン1への吸入空気量を検出するホットワイヤ式エアフローセンサ27と、吸気通路25の断面積を変更する電気式スロットル弁28及びその位置を検出するスロットルセンサ29と、サージタンク30とが配設されている。前記スロットル弁28は、図外のアクセルペダルに対して機械的には連結されておらず、図示しない電動モータにより開閉されるようになっている。また、サージタンク30には、スロットル弁28よりも下流の吸気通路25の圧力を検出するブーストセンサ31が配設されている。
【0032】
また、前記サージタンク30よりも下流側の吸気通路25は、各気筒2毎に分岐する独立通路とされ、該各独立通路の下流端部はさらに2つに分岐してそれぞれ吸気ポート12に個別に連通する分岐路となっている。この分岐路乃至独立通路には、燃焼室6内の吸気流動の強さ調節するための絞り弁32(Tunble SwirlConrol Valve:以下、TSCVという)が配設されていて、例えばステッピングモータ等によって開閉作動される。このTSCV32の弁体には一部に切り欠きが形成されており、全閉状態ではその切り欠き部のみから下流側に流れる吸気が燃焼室6において強い筒内流動を生成する。一方、TSCV32が開かれるに従い、吸気は切り欠き部以外からも流通するようになって、筒内流動の強さは徐々に低下するようになる。
【0033】
エンジン1の他側面(図の左側の側面)には、気筒2内の燃焼室6から既燃ガス(排気ガス)を排出するための排気通路34が接続されている。この排気通路34の上流端側は、各気筒2毎の排気ポート13に繋がる排気マニホルド35により構成され、該排気マニホルド35よりも下流側の排気通路34には、排気ガス中の有害成分である炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)及び窒素酸化物(NOx)を浄化するための2つの触媒コンバータ36,37が直列に配設されている。
【0034】
前記上流側の触媒コンバータ36は、詳細は図示しないが、ケーシング内にハニカム構造の担体を収容したもので、この担体の各貫通孔の壁面にいわゆる三元触媒の触媒層が形成されている。この三元触媒(以下、上流側三元触媒36ともいう)は、従来より周知の通り、排気ガスの空燃比状態が略理論空燃比を含む所定の状態にあるときに、HC、CO、NOxを略完全に浄化可能なものである。
【0035】
また、下流側の触媒コンバータ37は、1つのケーシング内に2つの担体を直列に収容し、そのうちの上流側の担体の各貫通孔壁面にいわゆるNOx吸蔵タイプの触媒層を形成して、上流側NOx触媒38を構成するとともに、下流側の担体にも同様にNOx吸蔵タイプの触媒層を形成して、下流側NOx触媒39を構成したものである。ここで、前記NOx触媒38,39は、例えばゼオライト等のベースコートに酸化バリウム等のNOx吸蔵材と白金やパラジウム等の貴金属とを担持させてなり、排気ガスの空燃比状態が理論空燃比に対応する状態よりもリーンな状態のときに排気ガス中のNOxを吸蔵する一方、そのようにして吸蔵したNOxを空燃比状態のリッチ化に応じて放出し、且つ還元浄化するという機能を有する。
【0036】
詳しくは、前記NOx吸蔵タイプの触媒により排気ガス中のNOxが吸蔵され、或いは放出されるメカニズムは、以下のようなものであると考えられている。すなわち、図2(a)に模式的に示すように、排気ガスの空燃比状態がリーンな状態のときには、酸素過剰雰囲気の排気ガス中のNOx(図例ではNO)が触媒金属(図例ではPt)上で酸素O2と反応して、その一部がバリウムと結合しながら、硝酸塩NO3として吸蔵される。一方、排気ガスの空燃比状態が略理論空燃比乃至それよりもリッチな状態であれば、前記とは反対の向きに反応が進行し、バリウムから離れたNO2が排気ガス中のHC,COと反応して(還元反応)、窒素N2と酸素O2とに分解される。
【0037】
前記エンジン1の排気マニホルド35の集合部付近には排気中の酸素濃度を検出する酸素濃度センサ40が配設されており、主にこの酸素濃度センサ40からの信号に基づいてエンジン1の空燃比フィードバック制御が行われるようになっている。また、前記2つの触媒コンバータ36,37の中間には上流側の三元触媒36の劣化状態を判定するための酸素濃度センサ41と、NOx触媒38へ流入する排気ガスの温度を検出する排気温度センサ42とが配設され、さらに、2つのNOx触媒38,39の中間には、排気ガス中のNOxの濃度を検出するNOx濃度センサ43が配設されている。このNOx濃度センサ43は、排気通路34を流れる排気ガスの一部を閉空間に取り込んで、そこから酸素ポンプにより酸素濃度が殆ど零(例えば10−3ppm以下)になるまで酸素を汲み出し、これにより排気ガス中のNOxの分解を促進するとともに、そのNOxの分解によって新たに得られた酸素の濃度を測定することにより、排気ガス中のNOx濃度を検出するものである。
【0038】
また、前記排気マニホルド35よりも下流側の排気通路34には、そこから分岐するようにして排気ガスの一部を吸気通路25に還流させる排気還流通路45(以下、EGR通路という)の上流端が連通している。このEGR通路45の下流端は前記サージタンク30の内部に臨んで開口していて、該下流端近傍のEGR通路45にはデューティソレノイド弁からなるEGR弁46が配設されている。このEGR弁46によってEGR通路45における排気の還流量が調節されるようになっている。尚、符号47は、各気筒2の燃焼室6から漏れ出るブローバイガスをサージタンク30まで導くパージ通路である。
【0039】
上述した点火回路18、インジェクタ20、高圧燃料ポンプ22、スロットル弁28、TSCV32、EGR弁46等は、いずれもエンジンコントロールユニット50(以下、ECUという)によって作動制御される。一方、このECU50には、少なくとも、前記クランク角センサ9、ノックセンサ10、水温センサ11、エアフローセンサ27、スロットルセンサ29,2つの酸素濃度センサ40,41、排気温度センサ42、NOx濃度センサ43等からの出力信号がそれぞれ入力され、さらに、アクセルペダルの操作量(以下、アクセル開度という)を検出するアクセル開度センサ51からの出力信号と、エンジン回転速度(クランク軸8の回転速度)を検出する回転速度センサ52からの出力信号と、車速センサ53からの出力信号とが入力されるようになっている。
【0040】
すなわち、ECU50は、前記各センサから入力される信号に基づいてエンジン1への吸入空気量や各気筒2毎の燃料噴射量、噴射時期及び点火時期を制御し、さらに、気筒2内の吸気流動の強さや排気の還流割り合い等を制御する。具体的には、例えば図3に制御マップの一例を示すように、エンジン1の温間の全運転領域のうち低速低負荷側には予め成層燃焼領域(S)が設定されていて、ここでは、インジェクタ20により気筒2の圧縮行程で燃料を噴射させて、点火プラグ17の電極の周りに層状に偏在させた混合気を燃焼させる成層燃焼モードになる。この際、スロットル弁28は大きく開いてポンプ損失を低減するようにしており、この結果、各気筒2の燃焼室6における平均的な空燃比は理論空燃比よりも大幅にリーンな状態(例えばA/F>30)になる。
【0041】
一方、前記成層燃焼領域(S)以外はいわゆる均一燃焼領域(H)であり、ここではインジェクタ20により主に気筒2の吸気行程で燃料を噴射させて、燃焼室6内で吸気と燃料とを十分に混合し、該燃焼室6全体に概ね均一な混合気を形成した上で燃焼させる均一燃焼モードになる。この均一燃焼領域(H)のうちの大部分の領域では、燃料噴射量やスロットル弁28の開度等を、混合気の空燃比が略理論空燃比(A/F≒14.7)になるように制御するが、特に全負荷付近では理論空燃比よりもリッチな状態(例えばA/F=12〜14)になるように制御して、高負荷に対応した大出力を得られるようにする。
【0042】
つまり、この実施形態のエンジン1は、基本的に負荷状態(目標トルク)やエンジン回転速度に応じて、成層燃焼モード、即ち混合気の空燃比が理論空燃比よりも大幅にリーンな状態で運転するリーン運転の状態と、均一燃焼モード、即ち略理論空燃比乃至それよりもリッチな状態で運転するリッチ運転の状態とに切換えられるようになっている。
【0043】
また、そのような基本的な運転制御の外に、NOx触媒38によるNOx吸蔵能を所定以上のレベルに維持するために、エンジン1のリーン運転がある程度以上、継続して、NOx触媒38によるNOxの吸蔵量が多くなったときには、一時的にリッチ運転に切換えてNOx触媒38からNOxを放出させ、且つこれを還元浄化するようにしている(いわゆるNOxパージ)。すなわち、まず、エンジン1がリッチ運転からリーン運転に切り換わって、NOx触媒38に流入する排気ガスの空燃比状態がリッチな状態からリーンな状態に変化したとき、排気通路34から大気中に放出される排気ガス中のNOxの濃度は、図4に一例を示すように、NOx触媒38におけるNOx吸蔵量の増大と共に徐々に増大する。これは、NOx触媒38のNOx吸蔵量が少ない間は、排気ガス中のNOxの略全てがNOx触媒38により吸蔵されるが、NOxの吸蔵量がある程度多くなると、それ以降は新たなNOxの吸蔵が制限されるからである。そして、NOx吸蔵量がNOx触媒38の容量等によって決まる最大吸増量に達すると、それ以上、新たにNOxを吸蔵することはできなくなってしまう。
【0044】
そこで、斯かるNOx触媒38の特性を考慮して、この実施形態では、触媒下流に設けたNOx濃度センサ43からの信号に基づいて、排気ガス中のNOx濃度が所定以上に高くなったときにNOxパージを行い、これにより、NOx触媒38から吸蔵したNOxを放出させ且つ還元浄化して、そのNOx吸蔵能を回復させるようにしている。
【0045】
ところで、上述の如き構成のNOx触媒38では、排気ガスに含まれる僅かな硫黄成分(例えば硫黄酸化物S0x)がNOxと同様のメカニズムによって徐々にバリウムに吸蔵されることになり、このバリウムとSOxとの結びつきがバリウムとNOxとの結びつきよりも強いことから、NOx触媒38における硫黄成分の吸蔵量が時間の経過とともに徐々に増大し、これによりNOx吸蔵能が低下するという現象が起きる(硫黄被毒)。
【0046】
これに対し、NOx触媒38をリッチ雰囲気下で所定以上の高温状態に維持すると、この触媒のバリウムからSOxを離脱させて、NOxの場合と同様に排気ガス中のHC,COによって還元できることは知られており、このようにしてNOx触媒38から硫黄成分を離脱させれば、NOx触媒38によるNOx吸蔵能を回復することができる(いわゆる硫黄パージ、以下、Sパージともいう)。
【0047】
一方、NOx触媒38は、高温の排気ガスに曝されて徐々にNOx吸蔵能が低下するいわゆる熱劣化を起こすが、この場合には前記硫黄被毒の場合のようにNOx吸蔵能を回復させることはできないので、劣化の程度が大きくなれば新しいものに交換する必要がある。
【0048】
そこで、この実施形態では、エンジン1の運転中に、NOx触媒38よりも下流の排気通路34に配設したNOx濃度センサ43からの信号に基づいて、NOx触媒38の劣化の状態を判定し、該触媒38の劣化が主に硫黄被毒に因るものである場合にはSパージを行って触媒38のNOx吸蔵能を回復させるようにし、また、NOx吸蔵触媒38が主に熱劣化を起こしているときにはそのことを報知して、触媒38の交換を促すようにしている。
【0049】
以下、前記ECU50によるエンジン1の具体的な制御手順について、図5〜図9に示すフローチャート図に基づいて説明する。
【0050】
まず、図5に示すメインフローにおいてスタート後のステップSA1では、クランク角センサ9、水温センサ11、カム角センサ16、エアフローセンサ27、酸素濃度センサ40、アクセル開度センサ51、回転速度センサ52等からの出力信号を入力し、さらにECU50のRAMに一時的に保存されているデータを読み込む。続いて、ステップSA2において、エンジン1の目標トルクとエンジン回転速度とに基づいて、図3の如き制御マップからエンジン1の現在の運転モードを決定する。尚、目標トルクは、エンジン1の負荷状態に対応するものであり、例えば、回転速度センサ52により検出されたエンジン回転速度とアクセル開度センサ51により検出されたアクセル開度とに基づいて、予め実験的に設定したマップから読み出すようにすればよい。
【0051】
続いて、ステップSA3において成層燃焼モードかどうか判定する。この判定がNOで均一燃焼モードであればステップSA4に進んで、エンジン1が均一燃焼状態になるようにインジェクタ20やスロットル弁28等を制御し、しかる後にリターンする一方、判定がYESで成層燃焼モードであれば、ステップSA5に進み、今度は、NOxパージモードとする条件が成立したかどうか判定する。この判定は、例えば、NOx濃度センサ43により検出されるNOx濃度が設定値を超えたときに、その後の所定時間、エンジン1が継続してリッチ運転されるまでの間、NOxパージモード条件が成立しているとすればよい。
【0052】
そして、NOxパージモード条件が成立でYESであれば、ステップSA6に進んで、エンジン1が理論空燃比又はそれよりもリッチな空燃比(例えばA/F=12.0〜14.7)で均一燃焼状態になるように、インジェクタ20やスロットル弁28等を制御することによってNOxパージを行い、しかる後に、リターンする。一方、前記ステップSA5においてNOxパージモード条件が不成立でNOと判定すれば、ステップSA7に進む。
【0053】
ステップSA7では、Sパージモードとする条件が成立したかどうか判定する。この判定の具体的な内容については後述するが、Sパージモード条件成立でYESと判定すればステップSA8に進んで、エンジン1が均一燃焼状態になるようにインジェクタ20やスロットル弁28等を制御するとともに、混合気の空燃比を理論空燃比又はそれよりもリッチにし且つ点火時期を大幅にリタードさせて、排気ガスの空燃比状態をリッチ化しながらその温度を大幅に高めて(Sパージ実行)、しかる後に、リターンする。このことで、NOx触媒38の温度が所定以上の高温に維持され、リッチ雰囲気下でバリウムからのSOxの離脱が促進される。
【0054】
一方、前記ステップSA7においてSパージモード条件が不成立でNOと判定すれば、ステップSA9に進んで、エンジン1が成層燃焼状態になるようにインジェクタ20やスロットル弁28等を制御し、しかる後にリターンする。
【0055】
(NOx触媒の劣化状態の判定)
次に、前記メインフローのステップSA7におけるSパージモードの実行条件について説明する。まず、図6に示すフローは、NOx触媒38の硫黄被毒の判定を正確に行うための条件を判定するものであって、スタート後のステップSB1では、エンジン1がNOxパージモードから成層燃焼モードへ移行してから所定の期間内であるかどうか判定する。すなわち、この実施形態では、NOx触媒38が吸蔵したNOxの放出を完了して、排気ガス中のNOxの吸蔵を再開したときにのみ、該NOx触媒38の硫黄被毒を判定するようにしている。
【0056】
前記ステップSB1における判定がNOであれば、硫黄被毒の判定の条件が成立していないとういうことで、ステッップSB8に進み、硫黄被毒の判定条件成立を示すフラグF1をオフにする(F1←0)。一方、ステップSB1における判定がYESならばステップSB2に進んで、今度はエンジン水温が所定値以上であるかどうか判定する。これはエンジン1の暖機を確認するためのものであり、例えばエンジン水温が45°C以下であれば(判定がNO)前記ステップSB8に進む一方、それよりもエンジン水温が高ければステップSB3に進む。
【0057】
ステップSB3では、エンジン回転速度が所定値以下であるかどうか判定し、この判定がNOであれば前記ステッップSB8に進む一方、判定がYESならばステップSB4に進んで、エンジン1の目標トルクが所定値以下であるかどうか判定する。この判定がNOであれば前記ステッップSB8に進む一方、判定がYESならばステップSB5に進む。すなわち、エンジン1の目標トルク又は回転速度の少なくとも一方が所定以上に高くて、排気ガスの流量がある程度以上、多いときには、NOx濃度センサ43による検出値の精度がやや低くなると考えられるので、このときには硫黄被毒の判定は行わない。
【0058】
ステップSB5では、排気温度センサ42からの出力に基づいて、NOx触媒38の温度が活性の高い所定の温度範囲にあるかどうか判定し、この判定がNOであれば前記ステッップSB8に進む一方、判定がYESならばステップSB6に進んで、今度はエンジン1が加速運転以外かどうか判定する。この判定がNOであれば前記ステッップSB8に進む一方、判定がYESならばステップSB7に進んで、硫黄被毒の判定条件が成立したとして、前記フラグF1をオンにする(F1←1)。尚、加速運転時に判定を行わないようにするのは、エンジン1の運転状態が大きく変化するときには、排気ガスの流量やその内部のガス成分濃度も過渡的に大きく変動し、NOx濃度センサ43による検出値の精度がやや低くなると考えられるからである。
【0059】
次に、図7に示すフローは、前記の硫黄被毒判定条件の成立を前提として、実際にNOx触媒38の硫黄被毒の状況を判定する手順を示すものであり、まず、スタート後のステップSC1において、前記フラグF1の値を読み込んで、硫黄被毒判定条件の成立を判定する。そして、フラグF1がオフ(F1=0)でNOであればステップSC8に進み、NOx触媒38の硫黄被毒を示すフラグF2をオフにして(F2←0)、しかる後にリターンする。一方、前記ステップSC1の判定がYESならば、ステップSC2に進んでNOx濃度センサ43の出力を読み込み、続くステップSC3において該NOx濃度センサ43の出力値の時間変化率(NOx濃度の時間変化率)を演算する。具体的にはセンサ出力の今回値から前回値を減算すればよい。
【0060】
続いて、ステップSC4において、NOx濃度センサ43からの出力に基づいてNOx触媒38の劣化を判定する。すなわち、エンジン1がNOxパージモードから成層燃焼モードに移行してから、その後、最初にNOx濃度センサ43の検出値が所定値を超えるまでの時間を測定し、この測定時間が予め設定した時間よりも短いときに、NOx触媒38が劣化していると判定する(YES)。そして、このときにはステップSC5に進んで、今度は、前記ステップSC3にて演算したNOx濃度の時間変化率が予め設定した第1基準値(設定基準値)以上かどうか判定する。この判定がNOであれば前記ステップSC8に進む一方、判定がYESならば、ステップSC6に進んで前記フラグF2をオンにして(F2←1)、しかる後にリターンする。
【0061】
すなわち、NOx触媒38が劣化した場合、図10に一例を示すように、エンジン1の運転状態がリッチ運転からリーン運転に切り換わって、NOx触媒38が排気ガス中のNOxの吸蔵を再開したときに、その後、該触媒38の下流でNOx濃度が増大し始めるまでの時間が短くなる。この際、図に破線で示す熱劣化の場合と一点差線で示す硫黄被毒の場合とを比較すると、いずれも新品の触媒(図に実線で示す)よりも早くNOx濃度が増大しているものの、その増大変化の様子は明らかに異なっていて、硫黄被毒の場合のNOx濃度の立ち上がりが熱劣化の場合と比べて急峻なものとなる。
【0062】
言い換えると、NOx触媒38が吸蔵したNOxの放出を完了して、排気ガス中のNOxの吸蔵を再開したときに、触媒下流の排気ガス中のNOx濃度の時間変化率は、硫黄被毒の場合の方が熱劣化の場合よりも明確に大きくなるから、この実施形態では、両者を区別できるように第1基準値を設定して、前記ステップSC3の如くNOx濃度の時間変化率が第1基準値以上のときには触媒38の劣化原因が主に硫黄被毒によると判定し、一方、NOx濃度の時間変化率が第1基準値よりも小さいときには硫黄被毒ではない(熱劣化である)と判定するようにしている。
【0063】
これに対し、前記ステップSC4において、NOx触媒38が劣化していないNOと判定すれば、ステップSC7に進んで、前記ステップSC3にて演算したNOx濃度の時間変化率が前記第1基準値(ステップSC5)よりも大きな第2基準値(別の設定値)以上かどうか判定する。この判定がNOであれば前記ステップSC8に進む一方、判定がYESならば前記ステップSC7に進む。すなわち、NOx触媒38の劣化が判定されないときであっても、該NOx触媒38がNOxパージの後に排気ガス中のNOxの吸蔵を再開したときに、その触媒下流のNOx濃度の時間変化率が非常に大きいときには、NOx触媒38の硫黄被毒を判定して、後述の如くSパージを行うようにしている。
【0064】
次に、図8に示すフローは、エンジン1がSパージを実行可能な状態にあるかどうか判定する手順を示し、スタート後のステップSD1では、エンジン水温が所定値以上であるかどうか判定する。この判定がNOであればステッップSD6に進んで、Sパージの実行条件の成立を示すフラグF3をオフにし(F3←0)、しかる後にリターンする一方、判定がYESならばステップSD2に進んで、エンジン回転速度が所定値以上であるかどうか判定する。この判定がNOであれば前記ステッップSD6に進む一方、判定がYESならばステップSD3に進む。
【0065】
ステップSD3では、エンジン1の目標トルクが所定値以上であるかどうか判定し、この判定がNOであれば前記ステッップSD6に進む一方、判定がYESならばステップSD4に進んで、今度は車速が所定値以上であるかどうか判定する。そして、その判定がNOであれば前記ステッップSD6に進む一方、判定がYESならばステップSD5に進んで、Sパージの実行条件が成立したとして、前記フラグF3をオンにし(F3←1)、しかる後にリターンする。
【0066】
つまり、エンジン1が完全に暖機されていて(例えばエンジン水温が80°C以上)NOx触媒38の温度が比較的高く、且つエンジン1の目標トルク乃至エンジン回転速度が高くて排気ガスの流量が比較的多い状態であり、さらに、比較的車速の高い状態のときに、Sパージの実行が可能であると判定する。
【0067】
そして、前記図7に示すフローにおいてNOx触媒38の硫黄被毒が判定されて、フラグF2がオンになり(F2←1)、しかも、図8に示すフローにおいてSパージを実行可能と判定されて、フラグF3もオンになれば(F3←1)、このときに前記図5のメインフローのステップSA7においてSパージモード条件が成立(YES)と判定して、エンジン1をSパージモードで運転することになり、これによりNOx触媒38の硫黄被毒が軽減乃至解消されて、NOx吸蔵能が回復する。
【0068】
次に、図9に示すフローは、NOx触媒38の劣化を検出して、これに応じて車両の乗員に報知を行う手順を示し、スタート後のステップSE1では、前記図7に示すフローのステップSC4と同様にしてNOx触媒38の劣化を判定する。この判定がNOであればステッップSE5に進み、乗員への報知を行わないでリターンする。この報知の方法としては、例えば車両のインストルメントパネルに配設した劣化報知ランプ(図示せず)を点灯させるようにすればよい。
【0069】
一方、前記ステップSE1においてNOx触媒38の劣化を判定したときには(判定がYES)、続くステッップSE2においてNOx触媒38の硫黄被毒を判定する。この判定は、前記図7に示すフローのステップSC6やSC8において設定されるフラグF2の値に基づいて行われ、フラグF2がオフ(F2=0)で判定がYESであればステップSE3に進んで、報知を行い(例えば劣化報知ランプを点灯させる)、しかる後にリターンする。また、前記ステップSE2においてフラグF2がオン(F2=1)で判定がNOであればステッップSE4に進んで、今度は、前回の制御サイクルにおいてSパージモードの制御を行ったかどうか判定する。この判定がNOであれば前記ステッップSE5に進む一方、判定がYESであれば前記ステップSE3に進んで乗員への報知を行い、しかる後にリターンする。
【0070】
つまり、NOx触媒38の劣化が検出され、且つその主原因が硫黄被毒ではないと判定されたときには、NOx触媒38は熱劣化していて、NOx吸蔵能を回復させることは難しいから、そのことを車両の乗員に報知して、NOx触媒38の交換を促すようにする。一方、NOx触媒38の劣化が主に硫黄被毒によると判定すれば直ちに報知を行うことはないが、そのときでもSパージを行った後にさらに触媒の劣化が検出されたときには、報知を行う。
【0071】
上述した図5〜図9のフローチャートの制御手順は、ECU50のメモリに電子的に格納されている複数のプログラムがそれぞれCPUにより実行されることによって実現されるものであり、このことで、前記ECU50は、以下の発明の構成要件をソフトウエア的に備えている。
【0072】
すなわち、図7に示すフローのステップSC4と、図9に示すフローのステップSE1とによって、それぞれ、NOx触媒38が吸蔵したNOxの放出を完了して排気ガス中のNOxの吸蔵を再開したときに、NOx濃度センサ43からの信号に基づいて当該NOx触媒38の劣化を検出する触媒劣化検出手段50aが構成されている。
【0073】
また、前記図7のフローのステップSC5によって、前記の如くNOx触媒38の劣化が検出された場合に、その触媒38が吸蔵したNOxの放出を完了して排気ガス中のNOxの吸蔵を再開したときに、NOx濃度センサ43により検出されるNOx濃度の時間変化率を求めて、この時間変化率が予め設定した第1基準値以上であれば、触媒38が硫黄被毒している(NOx触媒38の劣化原因における硫黄被毒の影響が大である)と判定する劣化原因判定手段50bが構成されている。この劣化原因判定手段50bは、NOx濃度の時間変化率が前記第1基準値よりも小さければ、NOx触媒38は硫黄被毒していない(NOx触媒38の劣化原因における硫黄被毒の影響が小である)と判定するものである。
【0074】
また、図5に示すフローのステップSA7,SA8によって、NOx触媒38が硫黄被毒により劣化していると判定されたときに、当該NOx触媒38から硫黄成分(SOx)の離脱を促進するようにエンジン1をSパージモードで運転する劣化時制御手段50cが構成されている。また、そのステップSA7,SA8は、NOx触媒38が吸蔵したNOxの放出を完了して排気ガス中のNOxの吸蔵を再開したときに、NOx濃度センサ43により検出されるNOx濃度の時間変化率が第1基準値よりも大きい第2基準値(別の設定値)以上であれば、NOx触媒38からSOxの離脱を促進するようにエンジン1をSパージモードで運転する硫黄被毒軽減制御手段50dをも構成している。
【0075】
さらに、図9に示すフローのステップSE3と例えば車両の劣化報知ランプとによって、NOx触媒38の劣化が判定され、且つ該触媒38が硫黄被毒ではない(硫黄被毒の影響が小である)と判定されたときに、当該NOx触媒38の劣化を車両の乗員に報知する報知手段50eが構成されている。そして、この報知手段50eによれば、Sパージが行われてもNOx触媒38の劣化が検出されるときには、前記劣化原因判定手段50bによる判定の結果によらず、NOx触媒38の劣化を報知するようになっている。
【0076】
したがって、この実施形態に係る内燃機関の排気浄化装置によると、まず、エンジン1が低速低負荷側の成層燃焼領域(S)にあって、各気筒2の燃焼室6の平均的な空燃比が理論空燃比よりも大幅にリーンな状態になると、排気ガスの空燃比状態もリーン状態になり、この排気ガス中のNOxがNOx触媒38によって吸蔵される。一方、エンジン1が均一燃焼領域(H)にあって各気筒2の燃焼室6の平均的な空燃比が略理論空燃比乃至それよりもリッチな状態になると、排気ガスの空燃比状態もリッチ状態になり、このときには前記NOx触媒38において吸蔵されているNOxが放出され、且つ還元浄化される。
【0077】
また、エンジン1の前記成層燃焼領域(S)でのリーン運転が継続して、NOx触媒38におけるNOx吸蔵量が増大すると、このNOx吸蔵量の増大に応じてNOx触媒によるNOx吸蔵能が低下し、大気中へ排出される排気ガスのNOx濃度が徐々に高くなるが、NOx濃度センサ43による検出値が所定値以上になれば、NOxパージが行われて、NOx触媒38によるNOx吸蔵能の回復が図られる。
【0078】
さらに、前記NOxパージが終了して、エンジン1がNOxパージモードでのリッチ運転から成層燃焼モードでのリーン運転に移行したとき、NOx触媒38は吸蔵したNOxの放出を完了して排気ガス中のNOxの吸蔵を再開することになるが、このとき、所定の条件が成立していることを前提として、NOx濃度センサ43からの信号に基づいてNOx触媒38の劣化が判定され、さらに、NOx濃度の時間変化率に基づいて、NOx触媒38の劣化原因が主に硫黄被毒によるものか、或いは熱劣化によるものかの判定がなされる。
【0079】
そうして、劣化の原因が主に硫黄被毒によると判定されると、所定の条件の成立を前提としてエンジン1の運転モードがSパージモードに切換えられ、NOx触媒38からのSOxの離脱が促進されて、当該NOx触媒38によるNOx吸蔵能の回復が図られる。一方、NOx触媒38の熱劣化が判定されると、このことが車両の乗員に報知され、NOx触媒38が速やかに交換されることで、排気状態の悪化が未然に防止される。
【0080】
つまり、NOx触媒38の劣化を検出したときに、熱劣化であれば直ちに乗員への報知を行う一方、硫黄被毒による劣化であれば乗員への報知は行わずに、SパージによってNOx吸蔵能の回復を図る、というように劣化の状態に応じた適切な対処を行うようにしており、このことで、報知の煩雑さが解消される。
【0081】
しかも、仮に、誤って熱劣化を硫黄被毒による劣化であると判定したとしても、Sパージの後にさらにNOx触媒38の劣化を検出したときには直ちに報知を行うようにしているので、誤判定に起因して排気状態の悪化を招くこともない。
【0082】
尚、本発明の構成は前記実施形態のものに限定されることはなく、その他の種々の構成をも包含するものである。一例を挙げれば、前記実施形態においてはNOx触媒38の下流にガス成分濃度検出手段としてNOx濃度センサ43を設け、このセンサ43からの出力のみに基づいてNOx触媒38の劣化を検出するようにしているが(図7のSC4を参照)、これに限るものではない。すなわち、例えば、前記NOx濃度センサ43とは別にNOx触媒38及び下流側三元触媒39の間に酸素濃度センサを配設し、この酸素濃度センサとNOx触媒38の上流の酸素濃度センサ41とからそれぞれ出力される信号に基づいて、NOx触媒38の劣化を検出するようにしてもよい。
【0083】
具体的に、排気ガスのがリーン状態で、NOx触媒38によりNOxが吸蔵されるときには、そのために酸素が消費されることになり、反対に、リッチ状態でNOx触媒38からNOxが放出されて還元されるときには、排気ガス中の酸素濃度が増大することになる。従って、例えば、エンジン1がリーン運転とリッチ運転との間で移行したときに、NOx触媒38によるNOxの吸蔵又は放出に伴い該触媒38の上流側の酸素濃度センサ41の出力と下流側の酸素濃度センサの出力との間にずれが生じる。そして、ぞのずれの大きさはNOx触媒38によるNOx吸蔵能が大きいほど大きくなるから、前記両酸素濃度センサからの信号に基づいて、NOx触媒38の劣化を検出することができる。
【0084】
また、前記実施形態では、2つのNOx触媒38,39を一のケーシング内に収容して、下流側の触媒コンバータ37を構成しているが、このような構成とせずに、例えばそれぞれ別のケーシングに収容するようにしてもよいことはいうまでもない。
【0085】
また、本願発明は、前記実施形態のような直噴ガソリンエンジン以外にも適用可能であることはいうまでもなく、気筒の平均的な空燃比が理論空燃比よりもリーンなリーン運転の状態と略理論空燃比乃至それよりもリッチなリッチ運転の状態とに切換えられるような内燃機関であれば、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジンを問わず、前記と同様の作用効果を得ることができる。
【0086】
【発明の効果】
以上、説明したように、請求項1の発明に係る内燃機関の排気浄化装置によると、NOx吸蔵タイプの触媒よりも下流側の排気通路にNOx濃度センサを配設し、触媒の劣化が検出された場合には、その触媒が吸蔵したNOxの放出を完了して排気ガス中のNOxの吸蔵を再開したときに、前記NOx濃度センサにより検出されるNOx濃度の時間変化率に基づいて、触媒の劣化原因を判定することで、当該触媒の劣化のみならず、その劣化が熱劣化によるものか或いは硫黄被毒によるものかを判定することができる。この判定結果に基づいて、触媒の劣化状態に応じた適切な対処を行うことができる。
【0087】
請求項2の発明によると、触媒の劣化原因における硫黄被毒の影響が大であると判定したときには、触媒から硫黄成分の離脱を促進するように内燃機関の運転状態を制御することで、触媒によるNOxの吸蔵能を回復することができる。
【0088】
請求項3の発明によると、触媒の熱劣化を判定したときにはこのことを報知して、触媒の交換により排気状態の悪化を未然に防止できる。一方、硫黄被毒による劣化を判定したときには報知を行わないことで、報知の煩雑さを解消できる。
【0089】
請求項4の発明によると、仮に、硫黄被毒による劣化と誤判定したとしても、さらに触媒の劣化を検出したときには報知を行うことによって、誤判定に起因する排気状態の悪化を防止できる。
【0090】
請求項5の発明によると、触媒の劣化が検出されないときであっても、該触媒の硫黄被毒が判定されれば、触媒からの硫黄成分の離脱を促進するように内燃機関の運転状態を制御して、触媒のNOx吸蔵能を回復することができる。
【0091】
請求項6の発明によると、触媒の下流に配設したNOx濃度センサからの信号に基づいて、触媒の劣化を検出することができる。
【0092】
請求項7の発明によると、触媒の上流側及び下流側にそれぞれ配設した酸素濃度センサからの信号に基づいて、触媒の劣化を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る内燃機関の制御システムの全体構成を示す図である。
【図2】NOx触媒によるNOxの吸蔵、放出のメカニズムの説明図である。
【図3】エンジンを成層燃焼状態又は均一燃焼状態とする運転領域をそれぞれ設定した制御マップの一例を示す図である。
【図4】排気ガスがリッチ状態からリーン状態に切り換わった後、NOx触媒のNOx吸蔵量とその下流のNOx濃度との変化を対応付けて示した説明図である。
【図5】エンジン制御の概要を示すメインフローのフローチャート図である。
【図6】硫黄被毒の判定条件の成立を判定する制御のフローチャート図である。
【図7】硫黄被毒を判定する制御のフローチャート図である。
【図8】Sパージの実行条件を判定する制御のフローチャート図である。
【図9】NOx触媒の劣化を報知する制御のフローチャート図である。
【図10】NOx触媒が吸蔵したNOxの放出を完了して排気ガス中のNOxの吸蔵を再開したときに、その下流のNOx濃度が変化する様子を、熱劣化の場合と硫黄被毒の場合とで対比して示した説明図である。
【符号の説明】
1 エンジン(内燃機関)
34 排気通路
38 NOx触媒(NOx吸蔵タイプの触媒)
41 酸素濃度センサ
43 NOx濃度センサ
50 ECU(エンジンコントロールユニット)
50a 触媒劣化検出手段
50b 劣化原因判定手段
50c 劣化時制御手段
50d 硫黄被毒軽減制御手段
50e 報知手段
Claims (7)
- 内燃機関の排気通路に配設され、排気ガスの空燃比状態が理論空燃比に対応する状態よりもリーンな状態のときにNOxを吸蔵する一方、吸蔵したNOxを空燃比状態のリッチ化に応じて放出し且つ還元浄化するNOx吸蔵タイプの触媒と、
前記触媒よりも下流側の排気通路で排気ガス中の所定ガス成分の濃度を検出するガス成分濃度検出手段と、
少なくとも前記ガス成分濃度検出手段による検出値に基づいて、触媒の劣化を検出する触媒劣化検出手段とを備えた内燃機関の排気浄化装置において、
前記触媒よりも下流側の排気通路に配設されて、排気ガス中のNOxの濃度を検出するNOx濃度センサと、
前記触媒劣化検出手段により触媒の劣化が検出された場合に、その触媒が吸蔵したNOxの放出を完了して排気ガス中のNOxの吸蔵を再開したときに、前記NOx濃度センサにより検出されるNOx濃度の時間変化率を求めて、この時間変化率が予め設定した基準値以上であれば、触媒の劣化原因における硫黄被毒の影響が大であると判定する劣化原因判定手段とを備えることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。 - 請求項1において、
劣化原因判定手段により触媒の劣化原因における硫黄被毒の影響が大であると判定されたとき、触媒から硫黄成分の離脱を促進するように内燃機関の運転状態を制御する劣化時制御手段を備えることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。 - 請求項2において、
劣化原因判定手段は、触媒が吸蔵したNOxの放出を完了して排気ガス中のNOxの吸蔵を再開したときに、NOx濃度センサにより検出されるNOx濃度の時間変化率が設定基準値よりも小さければ、触媒の劣化原因における硫黄被毒の影響が小であると判定するものであり、
触媒劣化検出手段により触媒の劣化が検出され、且つ前記劣化原因判定手段により硫黄被毒の影響が小であると判定されたときに、該触媒の劣化を報知する報知手段を備えることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。 - 請求項3において、
報知手段は、劣化時制御手段による内燃機関の制御が行われた後も、触媒劣化検出手段により触媒の劣化が検出されるときには、劣化原因判定手段による判定の結果によらず触媒の劣化を報知するように構成されていることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。 - 請求項1において、
触媒が吸蔵したNOxの放出を完了して排気ガス中のNOxの吸蔵を再開したときに、NOx濃度センサにより検出されるNOx濃度の時間変化率が設定基準値よりも大きい別の設定値以上であれば、触媒から硫黄成分の離脱を促進するように内燃機関の運転状態を制御する硫黄被毒軽減制御手段を備えることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。 - 請求項1において、
NOx濃度センサがガス成分濃度検出手段であり、
触媒劣化検出手段は、触媒が吸蔵したNOxの放出を完了して排気ガス中のNOxの吸蔵を再開したときに、前記NOx濃度センサからの信号に基づいて触媒の劣化を検出するように構成されていることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。 - 請求項1において、
ガス成分濃度検出手段は、触媒よりも下流側の排気通路に配設された酸素濃度センサであり、
前記触媒よりも上流側の排気通路にも酸素濃度センサが配設され、
触媒劣化検出手段は、前記触媒の上流側及び下流側の酸素濃度センサからの信号に基づいて、触媒の劣化を検出するように構成されていることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
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