JP2004060464A - タービン制御システム - Google Patents
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Abstract
【課題】個々のプラント毎に別途シミュレータを用意せずに、シミュレーション部の特性をプラントの実特性に合わせることが容易に可能なタービン制御システムを提供する。
【解決手段】操作指令を出力する入出力インターフェースから出力された操作指令および制御対象プラントから検出された状態信号を入力し、演算して求めた制御指を前記制御対象プラントに向け出力する制御部を備えたタービン制御装置と、前記タービン制御装置とは別置きされ、前記制御対象プラントを模擬するシミュレーション部を備えたシミュレータと、通常運転時は前記プラント状態信号を前記制御部に入力させると共に、前記制御指令値を制御対象プラントに出力させ、制御対象プラントをシミュレーションする際は、模擬入力信号を前記プラント状態信号に切り替えて前記制御部に入力させると共に、前記制御指令値を制御対象プラント側からシミュレーション部側に切り替える手段とを備えた。
【選択図】 図1
【解決手段】操作指令を出力する入出力インターフェースから出力された操作指令および制御対象プラントから検出された状態信号を入力し、演算して求めた制御指を前記制御対象プラントに向け出力する制御部を備えたタービン制御装置と、前記タービン制御装置とは別置きされ、前記制御対象プラントを模擬するシミュレーション部を備えたシミュレータと、通常運転時は前記プラント状態信号を前記制御部に入力させると共に、前記制御指令値を制御対象プラントに出力させ、制御対象プラントをシミュレーションする際は、模擬入力信号を前記プラント状態信号に切り替えて前記制御部に入力させると共に、前記制御指令値を制御対象プラント側からシミュレーション部側に切り替える手段とを備えた。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はタービン制御システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
図5を参照して従来のタービン制御システムについて説明する。
タービン制御システム1は、一般にタービンを制御するために制御指令を制御対象のプラントに出力するタービン制御装置2と、このタービン制御装置2に操作指令aを入力する入出力インターフェース(ヒューマン・マシン・インターフェース(HMI)ともいう)3と、このタービン制御装置2を運転訓練する際、タービン制御装置2の制御対象であるプラントを模擬したシミュレータ4とを備えている。5はシミュレータ4内に設けたシミュレーション部である。
【0003】
また、前記タービン制御装置2は、前記入出力インターフェース3から操作指令および制御対象であるプラントのタービン本体や各種弁等から検出されたタービン速度信号、弁開度信号あるいは負荷信号等のプラント状態信号bをフィードバックして入力し、所望のタービン速度や負荷が得られるように弁開度指令(以下、制御指令という)を所定のアルゴリズムに基づいて算出し、出力する制御部6を備えている。
【0004】
7´は前記制御部6に入力される信号を、プラント状態信号bからシミュレータ4のシミュレーション部5から出力される模擬信号cに、あるいはその逆に模擬信号cからプラント状態信号bに切り替える常用/模擬切り替え部であり、8´は制御指令dの出力先を制御対象プラントからシミュレータ4のシミュレーション部5に、あるいはその逆に切り替えるための常用/模擬切り替え器である。
【0005】
このように構成されたタービン制御システムは、通常運転時前記切り替え部7´、8´を図示実線の状態に接続しており、運転訓練等のためにシミュレーションを行う場合は、前記切り替え部7´、8´を図示破線の状態に切り替えて、前記制御部6側とシミュレータ4のシミュレーション部5とを接続する必要があった。図示のシステム構成例は単一システム構成であるが、2重化システム構成、3重化システム構成の場合においても同様のことがいえる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、従来システムは運転訓練時のシミュレーションを行う場合、個々のプラント毎にシミュレータを1台用意し、そのうえ、切り替え部7´、8´は一般的に配線変更で行うように構成しているため、そのセットアップに手間を要するばかりでなく、シミュレーション部3の特性を実際のプラントの特性と合わせるために面倒な調整が必要であった。
【0007】
そこで本発明は、上記従来技術の欠点に鑑み、シミュレーションを行う場合、プラント毎に個々にシミュレータを用意せずに、また、シミュレーション部の特性をプラントの実特性に合わせることが容易に可能なタービン制御システムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、請求項1に係わるタービン制御システムの発明は、操作指令を出力する入出力インターフェースと、この入出力インターフェースから出力された操作指令および制御対象プラントから検出されたプラント状態信号を入力し、所定のアルゴリズムに基づいて演算して制御指令値を求め、前記制御対象プラントに向け出力する制御部を備えたタービン制御装置と、前記制御対象プラントを模擬するシミュレータと、から構成したタービン制御システムにおいて、前記タービン制御装置とは別置きされ、前記制御対象プラントを模擬する模擬信号を出力するシミュレーション部を備えたシミュレータと、前記タービン制御装置に設けられ、通常運転時は、プラント状態信号を前記制御部に入力させると共に、前記制御指令値を制御対象プラントに出力させ、制御対象プラントをシミュレーションする際は、前記模擬入力信号を前記プラント状態信号に切り替えて前記制御部に入力させると共に、前記制御指令値を制御対象プラント側からシミュレーション部側に切り替える切り替え手段と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、タービン制御装置毎に、シミュレーション装置を用意することなくシミュレーションを行うことが可能なタービン制御システムを提供することができる。
【0010】
また、請求項2に係わるタービン制御システムの発明は、請求項1において、前記制御部を常用系と待機系とに2系列化すると共に、いずれかの系の正常な制御部の制御指令を選択して出力する切り替え装置を設けたことを特徴とする。 この発明によれば、2系列化システムにおいても、個々のプラント毎にシミュレータを用意することなく、シミュレーションを行うことが可能である。
【0011】
また、請求項3に係わるタービン制御システムの発明は、請求項2において、常用系と待機系に2系列化した前記制御部に対してそれぞれ個別に操作指令を出力するように前記入出力インターフェースを複数個設け、前記プラント状態信号あるいは前記模擬信号のうちのいずれか一方の信号を常用系の制御部に入力し、他方の信号を待機系の制御部に入力するように構成した切り替え手段を設けたことを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、タービン制御装置を操作する入出力インターフェースを各系毎に備えているため、通常運転中にも、待機系の制御部を使って、シミュレーションを行うことが可能である。
【0013】
また、請求項4に係わるタービン制御システムの発明は、請求項1ないし3において、前記タービン制御装置に設けられ、前記プラント状態信号および前記制御対象プラントに出力される制御出力を常時入力し、前記別置きされたシミュレーション部との間で信号のやり取りを行う伝送装置と、前記シミュレータに設けられ、前記伝送装置を介して常時取り込んだプラント状態信号および前記制御指令値に基づいて制御対象プラントの伝達関数を同定するシステム同定部と、を設けたことを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、プラントの伝達関数を求め、シミュレーションを行う場合には、前記システム同定部で求まったプラントの伝達関数を遠隔地のシミュレーション部にセットすることで、請求項1の発明に加え、シミュレーション部の特性を容易にプラントの実特性に合わせることが可能なタービン制御システムを提供することができる。
【0015】
さらに、請求項5に係わるタービン制御システムの発明によれば、請求項1ないし4において、プラント状態信号および前記シミュレーション部から出力される模擬入力を比較し、前記制御対象プラントの異常を検出する異常検出部を備えたことを特徴とする。
【0016】
この発明によれば、通常のプラント運転中は、制御装置の制御出力より、遠隔地のシミュレーション部おいて、プラントの状態変化を求め、前記シミュレータ部で求まったプラントの状態と実際のプラントの状態を示す外部入力を比較し、異常状態を検出することで、請求項1の発明に加え、プラントの異常状態を検出することが可能なタービン制御装置を提供することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、各発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、各図に共通する部分には同一符号をつけて説明を省略する。
【0018】
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態を示すシステム構成図である。本実施形態によるタービン制御システム1は、基本的には従来の技術と同様、プラントのタービンを制御するためのタービン制御装置2と、このタービン制御装置2に操作指令を入力する入出力インターフェース3と、このタービン制御装置2を用いて制御対象プラントの運転訓練を行う際、タービン制御装置2によって制御されるプラントを模擬するためのシミュレータ4とを備えている。
【0019】
しかしながら、本実施形態においては、上記の構成に加えて、前記シミュレータ4をタービン制御装置2と1対1の関係で対応して設ける代わりに、遠隔地に別置きして伝送路9で接続し、さらにこのシミュレータ4内にプラント状態信号bとタービン制御装置2から出力される制御指令dとを入力することによって、タービン制御装置2が制御するプラントの伝達関数を同定するシステム同定部10を設けるようにしたものである。
【0020】
一方、遠隔地にシミュレータ4を設置したことに伴い、前記タービン制御装置2内には、タービン制御装置2自体と前記シミュレータ4との間で信号のやり取りを行うための伝送装置11を設けると共に、シミュレーション時に前記制御部6に入力されているプラント状態信号bをシミュレーション部5から伝送路9および伝送装置11を介して出力される模擬信号cに切り替える入力側の常用/模擬切り替え器7と、制御部2から出力される制御指令dの出力先を制御対象プラント側から伝送装置4側に切り替える出力側の常用/模擬切り替え器8とを備えている。
【0021】
そして、プラント状態信号bおよび制御指令dを、それぞれ接続回路12−1および12−2によって前記伝送装置11に常時入力するようにし、さらにこの伝送装置11および伝送路9を介してシステム同定部10に入力し、制御対象プラントの伝達関数を例えばARMAモデル(Auto Regressive Moving Average;自己回帰移動平均モデル)にて求めるように構成している。
【0022】
このように構成した本実施形態に係わるタービン制御システムにおいて、制御対象プラントの通常運転中は、常用/模擬切り替え器7および8を実線で示す位置に設定してプラント状態信号bを制御部6に入力させ、操作指令aとプラント状態信号bとを所定のアルゴリズムに基づいて演算して求め、この制御指令を制御対象プラントに出力して、プラントの各種弁の弁開度を制御し、タービン速度、負荷等を制御している。
【0023】
一方、運転訓練等を目的とした制御対象プラントのシミュレーションを行う場合は、前記入口側の常用/模擬切り替え器7を実線の位置から破線の位置に切り替え接続し、シミュレーション部5の模擬出力を伝送路9および伝送装置11を介して制御部6に入力する。
【0024】
また同時に、前記出口側の常用/模擬切り替え器8を破線で示す位置に切り替え接続し、制御部6から出力される制御指令dを伝送装置11および伝送路9を介してシミュレーション部5に入力する。
【0025】
そして、シミュレーション部5から制御部6に対して制御対象プラントを模擬した模擬信号cを入力してシミュレーションを行う。この場合シミュレーション部5の特性は、プラント状態信号bおよび制御指令dが接続回路12−1、12−2を介して前記システム同定部10に常時入力され、制御対象プラントの実特性に合わせるようにしているので、従来技術のようにシミュレーションを行う都度、人為的に特性を合わせる作業等は必要とはしない。
【0026】
なお、図1ではタービン制御装置6とシミュレータ4とを1対1の対応関係で描いたが、本発明の主旨は1台のシミュレータで複数台のタービン制御装置2に対応することを可能にしたものであり、図示しない他のタービン制御システム1についても、図1の場合と同様に共通のシミュレータ4を他のタービン制御装置2内に設けた伝送装置11に接続される。
【0027】
以上述べたように、本発明のタービン制御システムは、タービン制御装置2内にシミュレータ4との間を信号のやり取りを行う伝送装置11を設けると共に、シミュレーション時には、制御部6の入出力信号回路を切り替える常用/模擬切り替え手段(7および8)を設けるようにしたので、個々のプラント毎にシミュレータ4を用意することなく、また、配線変更等の手間をかけることもなくシミュレーションを行うことが可能となる。
【0028】
さらに、シミュレーションを行う際、シミュレーション部5にはシステム同定部10で求めた制御対象プラントの特性を示すARMAモデルの伝達関数をセットするようにしたので、シミュレーション部5の特性を容易にプラントの実特性に合わせることが可能となる。
【0029】
(第2の実施形態)
図2は本発明の第2の実施形態を示すシステム構成図である。本実施形態は図1の実施形態に比べて大きく異なる点は、制御部6を2系列化(2重化)した点にある。6aは常時運転に供される常用系の制御部であり、6bは常用系の故障時に代わって運転に供される待機系の制御部である。13は常用系の制御部6aと、待機系の制御部6bとの出力信号を入力して制御部6aあるいは6bの異常を監視する監視部である。14はこの監視部13の指令に基づいて常用系と待機系とを切り替えるための切り替え器である。その他の構成は、図1に示した実施形態の場合と同じなので説明を省略する。
【0030】
本実施形態の場合においても、図1の実施形態の場合と同様、通常運転中は常用/模擬切り替え手段(切り替え器7および8)の接続位置は実線で示す位置にあり、プラント状態信号bを常用系制御部6aと待機系制御部6bの双方に入力し、出力側に設けた常用系/待機系切り替え器14は制御部6aからの出力daを選択し、出力側の常用/模擬切り替え器8は制御部6aから出力される制御指令daを外部(制御対象プラント)に出力する。
【0031】
そしてシミュレーションを行う場合は、常用/模擬切り替え器7および8を破線の位置に切り替えてプラント状態信号bを切り離し、代わりにシミュレーション部5の模擬信号cを伝送路9および伝送装置11を介して制御部6a、6bに入力し、そして制御部6aの制御指令daを切り替え器14、常用/模擬切り替え器8、伝送装置11、伝送路9を介してシミュレーション部5に入力し、制御対象プラントのシミュレーションを行う。
【0032】
ところで、本実施形態では制御部を2系列化し、監視部13で制御部の異常を検出することができるように構成しているので、運転中の常用系の制御部6aに異常が発生した場合、直ちに、常用系/待機系切り替え器14を操作して正常な待機系制御部6bを選択し、この制御部6bによりタービン制御装置2として正常な制御指令を出力する。この常用系/待機系切り替え器14による制御部6a、6bの切り替え操作は、タービン制御装置2の通常運転中あるいはシミュレーション時の如何に拘わらず、監視部13の異常検出時に直ちに実行される。
【0033】
以上述べたように、本実施形態によれば、第1の実施形態の機能に加えて、制御部を2系列化して、選択している制御部が故障した場合でも直ちに正常な制御部に接続替えすることができるので、タービン制御システムの信頼性を一段と高めることができる。
【0034】
(第3の実施形態)
図3は本発明の第3の実施形態を示すシステム構成図である。本実施形態と図2に記載の第2の実施形態との主な相違点は、第2の実施形態の場合、入出力インターフェースが1台であったのを、本実施形態の場合、常用系の制御6a、待機系の制御部6bにそれぞれ対応した入出力インターフェース3a、3bを設けることにより、プラント制御中にシミュレーションを併行して実施することを可能にした点にあり、さらにこれに付随して、常用/模擬切り替え器7および常用系/待機系切り替え器14を2分割構成としてそれぞれ7a、7bおよび14a、14bとした点にある。
【0035】
以下、本実施形態の特徴点を詳細に説明する。タービン制御装置2の通常運転時、入出力インターフェース3aから出力された操作指令a1は、常用系制御部6aに入力され、そしてプラント状態信号bは常用/模擬切り替え器7aにより常用系制御部6aに入力されると共に、接続回路12−1、伝送装置11を介してシミュレーション部5に入力される。そして常用系制御部6aの制御指令daは常用系/待機系切り替え器14aにより制御対象プラント向けに出力されると共に、接続回路12−2および伝送装置11を介してシミュレーション部5に入力されるように構成されている。
【0036】
一方、待機側の入出力インターフェース3bから出力された操作指令a2は、待機系制御部6bに入力され、そして、模擬信号cは伝送路9および伝送装置11を介して切り替え器7bを経て待機系制御部6bに入力される。待機系制御部6bの制御出力dbは、常用系/待機系切り替え器14bにより制御対象プラント側とは切り離され、伝送装置11を通してシミュレーション部5に送られるように構成されている。
【0037】
タービン制御装置2の通常運転中は、常用系制御部6aは操作指令a1とプラント状態信号bとを入力して所定のアルゴリズムにより演算を行い制御指令daを算出し、常用系/待機系切り替え器14aを介して制御対象プラントに出力され、プラントを制御する。
【0038】
このとき、常用系制御部6aの出力daは接続回路12−2を通して伝送装置11に入力され、さらに伝送路9を介してシミュレータ4に入力される。この結果、タービン制御装置2の通常運転中は、制御対象プラントを制御しながら、制御対象プラントのシミュレーション実施に備えて、プラント状態信号bと制御指令dとをシステム同定部10に入力し、プラントの伝達関数をARMAモデルにて求めている。
【0039】
制御対象プラントのシミュレーションを実施する場合には、制御部6a、6bの切り替えを行う必要はなく、前記システム同定部10で既に求まっているプラントの特性を示すARMAモデルの伝達関数をシミュレーション部5にセットし、待機系制御部6bに伝送装置11、切り替え器7bを介して模擬信号cを入力するだけでよい。この場合、シミュレーション部5にはプラントの伝達関数がセットされているので何の調整も必要なく、制御対象プラントのシミュレーションを行うことができる。
【0040】
なお、運転中の常用系制御部6aが故障した場合には、監視部13が直ちに動作して、常用系/待機系切り替え器14a、14bを実線の位置から破線の位置に切り替える。この結果、今まで待機系であった制御部6bにプラント状態信号bが入力されるようになり、待機系制御部6bでは操作指令a2とプラント状態信号bとから制御指令dbを演算し、この指令dbを切り替え器14bを介して外部の制御対象プラントへ出力する。
【0041】
これにより正常にプラントの制御を続行することができる。この場合においても、プラント状態信号bと待機系制御部6bの制御指令dbはそれぞれ接続回路12−1および12−2により伝送装置11、伝送路9を介してシミュレータ4に入力され、システム同定部10に入力される。この結果、運転中の演算部が6aから6bに切り替わった場合でも、特に調整をすることなく、シミュレーションを行うことができる。
【0042】
以上述べたように、本実施形態によれば、制御部を多系列化(多重化)し、入出力インターフェースもこの制御部に対応した台数分だけ増設するように構成したので、既に述べた第1の実施形態および第2の実施形態の機能に加えて、通常運転をしながらシミュレーションを実施することができるという特有の作用効果を奏することができる。
【0043】
(第4の実施形態)
図4は本発明の第4の実施形態を示すシステム構成図である。本実施形態と第1の実施形態との相違点は、通常運転中にプラント状態信号bとシミュレーション部5から出力される模擬信号cとを比較して偏差を求め、その偏差が一定値を超えた場合、制御対象プラントの異常と判断する異常検出部15を設けた点にあり、その他の構成は図1の実施形態と同じなので説明を省略する。
【0044】
本実施形態は、第1の実施形態同様、シミュレーションを行う際、常用/模擬切り替え器7および8を切り替え接続して模擬信号cを制御部2に入力するが、シミュレーション部5に入力するプラント状態信号bおよび制御指令dの偏差を異常検出部15で監視するようにしたので、もし、偏差が一定値を超えた場合には、制御対象プラントに異常があるものと判断することができるので、プラントの健全性を確認することが可能となる。
なお、本実施形態の技術思想は、図2、図3のように多系列化したタービン制御装置にも適用できるものである。
【0045】
以上述べたように、本実施形態によれば、第1の実施形態の機能に加えて、制御部6の入出力信号であるプラント状態信号bおよび制御指令dの偏差を監視し、この偏差が一定値を超えた場合には、制御対象プラントに異常があるものと判断することができるので、プラントの健全性を確認することが可能となる
【0046】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、タービン制御装置の単一システムあるいは多系列(多重系)システムに拘わらず、制御対象プラント個々にシミュレータを用意することなく、また、配線変更の手間をかけることなくシミュレーションを行うことができる。さらに、システム同定部によりシミュレーション部の特性を実際のプラントの特性に容易に合わせることが可能となる。
【0047】
また、他の発明によれば、制御部を多系列化すると共に、これに合わせて入出力インターフェースを増設したので、一方の制御部により通常運転をしながら別の制御部により、シミュレーションを実施することができる。
【0048】
またさらに、他の発明によれば、制御部の入出力信号の偏差を監視し、この偏差が所定値を超えると異常と判断する異常検出部を設けるようにしたので、プラントの健全性を容易に確認することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明の実施形態を表すシステム構成図。
【図2】第2の発明の実施形態を表すシステム構成図。
【図3】第3の発明の実施形態を表すシステム構成図。
【図4】第4の発明の実施形態を表すシステム構成図。
【図5】従来の技術の実施形態を表すシステム構成図。
【符号の説明】
1…タービン制御システム、2…タービン制御装置、3…入出力インターフェース、3a…常用系用入出力インターフェース、3b…待機系用入出力インターフェース、4…シミュレータ、5…シミュレーション部、6…制御部、6a…常用系制御部、6b…待機系制御部、7…入力側常用/模擬切り替え器、8…出力側常用/模擬切り替え器、9…伝送路、10…システム同定部、11…伝送装置、12−1、12−2…接続回路、13…監視部、14…常用系/待機系切り替え器、15…異常検出部。
【発明の属する技術分野】
本発明はタービン制御システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
図5を参照して従来のタービン制御システムについて説明する。
タービン制御システム1は、一般にタービンを制御するために制御指令を制御対象のプラントに出力するタービン制御装置2と、このタービン制御装置2に操作指令aを入力する入出力インターフェース(ヒューマン・マシン・インターフェース(HMI)ともいう)3と、このタービン制御装置2を運転訓練する際、タービン制御装置2の制御対象であるプラントを模擬したシミュレータ4とを備えている。5はシミュレータ4内に設けたシミュレーション部である。
【0003】
また、前記タービン制御装置2は、前記入出力インターフェース3から操作指令および制御対象であるプラントのタービン本体や各種弁等から検出されたタービン速度信号、弁開度信号あるいは負荷信号等のプラント状態信号bをフィードバックして入力し、所望のタービン速度や負荷が得られるように弁開度指令(以下、制御指令という)を所定のアルゴリズムに基づいて算出し、出力する制御部6を備えている。
【0004】
7´は前記制御部6に入力される信号を、プラント状態信号bからシミュレータ4のシミュレーション部5から出力される模擬信号cに、あるいはその逆に模擬信号cからプラント状態信号bに切り替える常用/模擬切り替え部であり、8´は制御指令dの出力先を制御対象プラントからシミュレータ4のシミュレーション部5に、あるいはその逆に切り替えるための常用/模擬切り替え器である。
【0005】
このように構成されたタービン制御システムは、通常運転時前記切り替え部7´、8´を図示実線の状態に接続しており、運転訓練等のためにシミュレーションを行う場合は、前記切り替え部7´、8´を図示破線の状態に切り替えて、前記制御部6側とシミュレータ4のシミュレーション部5とを接続する必要があった。図示のシステム構成例は単一システム構成であるが、2重化システム構成、3重化システム構成の場合においても同様のことがいえる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、従来システムは運転訓練時のシミュレーションを行う場合、個々のプラント毎にシミュレータを1台用意し、そのうえ、切り替え部7´、8´は一般的に配線変更で行うように構成しているため、そのセットアップに手間を要するばかりでなく、シミュレーション部3の特性を実際のプラントの特性と合わせるために面倒な調整が必要であった。
【0007】
そこで本発明は、上記従来技術の欠点に鑑み、シミュレーションを行う場合、プラント毎に個々にシミュレータを用意せずに、また、シミュレーション部の特性をプラントの実特性に合わせることが容易に可能なタービン制御システムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、請求項1に係わるタービン制御システムの発明は、操作指令を出力する入出力インターフェースと、この入出力インターフェースから出力された操作指令および制御対象プラントから検出されたプラント状態信号を入力し、所定のアルゴリズムに基づいて演算して制御指令値を求め、前記制御対象プラントに向け出力する制御部を備えたタービン制御装置と、前記制御対象プラントを模擬するシミュレータと、から構成したタービン制御システムにおいて、前記タービン制御装置とは別置きされ、前記制御対象プラントを模擬する模擬信号を出力するシミュレーション部を備えたシミュレータと、前記タービン制御装置に設けられ、通常運転時は、プラント状態信号を前記制御部に入力させると共に、前記制御指令値を制御対象プラントに出力させ、制御対象プラントをシミュレーションする際は、前記模擬入力信号を前記プラント状態信号に切り替えて前記制御部に入力させると共に、前記制御指令値を制御対象プラント側からシミュレーション部側に切り替える切り替え手段と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、タービン制御装置毎に、シミュレーション装置を用意することなくシミュレーションを行うことが可能なタービン制御システムを提供することができる。
【0010】
また、請求項2に係わるタービン制御システムの発明は、請求項1において、前記制御部を常用系と待機系とに2系列化すると共に、いずれかの系の正常な制御部の制御指令を選択して出力する切り替え装置を設けたことを特徴とする。 この発明によれば、2系列化システムにおいても、個々のプラント毎にシミュレータを用意することなく、シミュレーションを行うことが可能である。
【0011】
また、請求項3に係わるタービン制御システムの発明は、請求項2において、常用系と待機系に2系列化した前記制御部に対してそれぞれ個別に操作指令を出力するように前記入出力インターフェースを複数個設け、前記プラント状態信号あるいは前記模擬信号のうちのいずれか一方の信号を常用系の制御部に入力し、他方の信号を待機系の制御部に入力するように構成した切り替え手段を設けたことを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、タービン制御装置を操作する入出力インターフェースを各系毎に備えているため、通常運転中にも、待機系の制御部を使って、シミュレーションを行うことが可能である。
【0013】
また、請求項4に係わるタービン制御システムの発明は、請求項1ないし3において、前記タービン制御装置に設けられ、前記プラント状態信号および前記制御対象プラントに出力される制御出力を常時入力し、前記別置きされたシミュレーション部との間で信号のやり取りを行う伝送装置と、前記シミュレータに設けられ、前記伝送装置を介して常時取り込んだプラント状態信号および前記制御指令値に基づいて制御対象プラントの伝達関数を同定するシステム同定部と、を設けたことを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、プラントの伝達関数を求め、シミュレーションを行う場合には、前記システム同定部で求まったプラントの伝達関数を遠隔地のシミュレーション部にセットすることで、請求項1の発明に加え、シミュレーション部の特性を容易にプラントの実特性に合わせることが可能なタービン制御システムを提供することができる。
【0015】
さらに、請求項5に係わるタービン制御システムの発明によれば、請求項1ないし4において、プラント状態信号および前記シミュレーション部から出力される模擬入力を比較し、前記制御対象プラントの異常を検出する異常検出部を備えたことを特徴とする。
【0016】
この発明によれば、通常のプラント運転中は、制御装置の制御出力より、遠隔地のシミュレーション部おいて、プラントの状態変化を求め、前記シミュレータ部で求まったプラントの状態と実際のプラントの状態を示す外部入力を比較し、異常状態を検出することで、請求項1の発明に加え、プラントの異常状態を検出することが可能なタービン制御装置を提供することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、各発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、各図に共通する部分には同一符号をつけて説明を省略する。
【0018】
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態を示すシステム構成図である。本実施形態によるタービン制御システム1は、基本的には従来の技術と同様、プラントのタービンを制御するためのタービン制御装置2と、このタービン制御装置2に操作指令を入力する入出力インターフェース3と、このタービン制御装置2を用いて制御対象プラントの運転訓練を行う際、タービン制御装置2によって制御されるプラントを模擬するためのシミュレータ4とを備えている。
【0019】
しかしながら、本実施形態においては、上記の構成に加えて、前記シミュレータ4をタービン制御装置2と1対1の関係で対応して設ける代わりに、遠隔地に別置きして伝送路9で接続し、さらにこのシミュレータ4内にプラント状態信号bとタービン制御装置2から出力される制御指令dとを入力することによって、タービン制御装置2が制御するプラントの伝達関数を同定するシステム同定部10を設けるようにしたものである。
【0020】
一方、遠隔地にシミュレータ4を設置したことに伴い、前記タービン制御装置2内には、タービン制御装置2自体と前記シミュレータ4との間で信号のやり取りを行うための伝送装置11を設けると共に、シミュレーション時に前記制御部6に入力されているプラント状態信号bをシミュレーション部5から伝送路9および伝送装置11を介して出力される模擬信号cに切り替える入力側の常用/模擬切り替え器7と、制御部2から出力される制御指令dの出力先を制御対象プラント側から伝送装置4側に切り替える出力側の常用/模擬切り替え器8とを備えている。
【0021】
そして、プラント状態信号bおよび制御指令dを、それぞれ接続回路12−1および12−2によって前記伝送装置11に常時入力するようにし、さらにこの伝送装置11および伝送路9を介してシステム同定部10に入力し、制御対象プラントの伝達関数を例えばARMAモデル(Auto Regressive Moving Average;自己回帰移動平均モデル)にて求めるように構成している。
【0022】
このように構成した本実施形態に係わるタービン制御システムにおいて、制御対象プラントの通常運転中は、常用/模擬切り替え器7および8を実線で示す位置に設定してプラント状態信号bを制御部6に入力させ、操作指令aとプラント状態信号bとを所定のアルゴリズムに基づいて演算して求め、この制御指令を制御対象プラントに出力して、プラントの各種弁の弁開度を制御し、タービン速度、負荷等を制御している。
【0023】
一方、運転訓練等を目的とした制御対象プラントのシミュレーションを行う場合は、前記入口側の常用/模擬切り替え器7を実線の位置から破線の位置に切り替え接続し、シミュレーション部5の模擬出力を伝送路9および伝送装置11を介して制御部6に入力する。
【0024】
また同時に、前記出口側の常用/模擬切り替え器8を破線で示す位置に切り替え接続し、制御部6から出力される制御指令dを伝送装置11および伝送路9を介してシミュレーション部5に入力する。
【0025】
そして、シミュレーション部5から制御部6に対して制御対象プラントを模擬した模擬信号cを入力してシミュレーションを行う。この場合シミュレーション部5の特性は、プラント状態信号bおよび制御指令dが接続回路12−1、12−2を介して前記システム同定部10に常時入力され、制御対象プラントの実特性に合わせるようにしているので、従来技術のようにシミュレーションを行う都度、人為的に特性を合わせる作業等は必要とはしない。
【0026】
なお、図1ではタービン制御装置6とシミュレータ4とを1対1の対応関係で描いたが、本発明の主旨は1台のシミュレータで複数台のタービン制御装置2に対応することを可能にしたものであり、図示しない他のタービン制御システム1についても、図1の場合と同様に共通のシミュレータ4を他のタービン制御装置2内に設けた伝送装置11に接続される。
【0027】
以上述べたように、本発明のタービン制御システムは、タービン制御装置2内にシミュレータ4との間を信号のやり取りを行う伝送装置11を設けると共に、シミュレーション時には、制御部6の入出力信号回路を切り替える常用/模擬切り替え手段(7および8)を設けるようにしたので、個々のプラント毎にシミュレータ4を用意することなく、また、配線変更等の手間をかけることもなくシミュレーションを行うことが可能となる。
【0028】
さらに、シミュレーションを行う際、シミュレーション部5にはシステム同定部10で求めた制御対象プラントの特性を示すARMAモデルの伝達関数をセットするようにしたので、シミュレーション部5の特性を容易にプラントの実特性に合わせることが可能となる。
【0029】
(第2の実施形態)
図2は本発明の第2の実施形態を示すシステム構成図である。本実施形態は図1の実施形態に比べて大きく異なる点は、制御部6を2系列化(2重化)した点にある。6aは常時運転に供される常用系の制御部であり、6bは常用系の故障時に代わって運転に供される待機系の制御部である。13は常用系の制御部6aと、待機系の制御部6bとの出力信号を入力して制御部6aあるいは6bの異常を監視する監視部である。14はこの監視部13の指令に基づいて常用系と待機系とを切り替えるための切り替え器である。その他の構成は、図1に示した実施形態の場合と同じなので説明を省略する。
【0030】
本実施形態の場合においても、図1の実施形態の場合と同様、通常運転中は常用/模擬切り替え手段(切り替え器7および8)の接続位置は実線で示す位置にあり、プラント状態信号bを常用系制御部6aと待機系制御部6bの双方に入力し、出力側に設けた常用系/待機系切り替え器14は制御部6aからの出力daを選択し、出力側の常用/模擬切り替え器8は制御部6aから出力される制御指令daを外部(制御対象プラント)に出力する。
【0031】
そしてシミュレーションを行う場合は、常用/模擬切り替え器7および8を破線の位置に切り替えてプラント状態信号bを切り離し、代わりにシミュレーション部5の模擬信号cを伝送路9および伝送装置11を介して制御部6a、6bに入力し、そして制御部6aの制御指令daを切り替え器14、常用/模擬切り替え器8、伝送装置11、伝送路9を介してシミュレーション部5に入力し、制御対象プラントのシミュレーションを行う。
【0032】
ところで、本実施形態では制御部を2系列化し、監視部13で制御部の異常を検出することができるように構成しているので、運転中の常用系の制御部6aに異常が発生した場合、直ちに、常用系/待機系切り替え器14を操作して正常な待機系制御部6bを選択し、この制御部6bによりタービン制御装置2として正常な制御指令を出力する。この常用系/待機系切り替え器14による制御部6a、6bの切り替え操作は、タービン制御装置2の通常運転中あるいはシミュレーション時の如何に拘わらず、監視部13の異常検出時に直ちに実行される。
【0033】
以上述べたように、本実施形態によれば、第1の実施形態の機能に加えて、制御部を2系列化して、選択している制御部が故障した場合でも直ちに正常な制御部に接続替えすることができるので、タービン制御システムの信頼性を一段と高めることができる。
【0034】
(第3の実施形態)
図3は本発明の第3の実施形態を示すシステム構成図である。本実施形態と図2に記載の第2の実施形態との主な相違点は、第2の実施形態の場合、入出力インターフェースが1台であったのを、本実施形態の場合、常用系の制御6a、待機系の制御部6bにそれぞれ対応した入出力インターフェース3a、3bを設けることにより、プラント制御中にシミュレーションを併行して実施することを可能にした点にあり、さらにこれに付随して、常用/模擬切り替え器7および常用系/待機系切り替え器14を2分割構成としてそれぞれ7a、7bおよび14a、14bとした点にある。
【0035】
以下、本実施形態の特徴点を詳細に説明する。タービン制御装置2の通常運転時、入出力インターフェース3aから出力された操作指令a1は、常用系制御部6aに入力され、そしてプラント状態信号bは常用/模擬切り替え器7aにより常用系制御部6aに入力されると共に、接続回路12−1、伝送装置11を介してシミュレーション部5に入力される。そして常用系制御部6aの制御指令daは常用系/待機系切り替え器14aにより制御対象プラント向けに出力されると共に、接続回路12−2および伝送装置11を介してシミュレーション部5に入力されるように構成されている。
【0036】
一方、待機側の入出力インターフェース3bから出力された操作指令a2は、待機系制御部6bに入力され、そして、模擬信号cは伝送路9および伝送装置11を介して切り替え器7bを経て待機系制御部6bに入力される。待機系制御部6bの制御出力dbは、常用系/待機系切り替え器14bにより制御対象プラント側とは切り離され、伝送装置11を通してシミュレーション部5に送られるように構成されている。
【0037】
タービン制御装置2の通常運転中は、常用系制御部6aは操作指令a1とプラント状態信号bとを入力して所定のアルゴリズムにより演算を行い制御指令daを算出し、常用系/待機系切り替え器14aを介して制御対象プラントに出力され、プラントを制御する。
【0038】
このとき、常用系制御部6aの出力daは接続回路12−2を通して伝送装置11に入力され、さらに伝送路9を介してシミュレータ4に入力される。この結果、タービン制御装置2の通常運転中は、制御対象プラントを制御しながら、制御対象プラントのシミュレーション実施に備えて、プラント状態信号bと制御指令dとをシステム同定部10に入力し、プラントの伝達関数をARMAモデルにて求めている。
【0039】
制御対象プラントのシミュレーションを実施する場合には、制御部6a、6bの切り替えを行う必要はなく、前記システム同定部10で既に求まっているプラントの特性を示すARMAモデルの伝達関数をシミュレーション部5にセットし、待機系制御部6bに伝送装置11、切り替え器7bを介して模擬信号cを入力するだけでよい。この場合、シミュレーション部5にはプラントの伝達関数がセットされているので何の調整も必要なく、制御対象プラントのシミュレーションを行うことができる。
【0040】
なお、運転中の常用系制御部6aが故障した場合には、監視部13が直ちに動作して、常用系/待機系切り替え器14a、14bを実線の位置から破線の位置に切り替える。この結果、今まで待機系であった制御部6bにプラント状態信号bが入力されるようになり、待機系制御部6bでは操作指令a2とプラント状態信号bとから制御指令dbを演算し、この指令dbを切り替え器14bを介して外部の制御対象プラントへ出力する。
【0041】
これにより正常にプラントの制御を続行することができる。この場合においても、プラント状態信号bと待機系制御部6bの制御指令dbはそれぞれ接続回路12−1および12−2により伝送装置11、伝送路9を介してシミュレータ4に入力され、システム同定部10に入力される。この結果、運転中の演算部が6aから6bに切り替わった場合でも、特に調整をすることなく、シミュレーションを行うことができる。
【0042】
以上述べたように、本実施形態によれば、制御部を多系列化(多重化)し、入出力インターフェースもこの制御部に対応した台数分だけ増設するように構成したので、既に述べた第1の実施形態および第2の実施形態の機能に加えて、通常運転をしながらシミュレーションを実施することができるという特有の作用効果を奏することができる。
【0043】
(第4の実施形態)
図4は本発明の第4の実施形態を示すシステム構成図である。本実施形態と第1の実施形態との相違点は、通常運転中にプラント状態信号bとシミュレーション部5から出力される模擬信号cとを比較して偏差を求め、その偏差が一定値を超えた場合、制御対象プラントの異常と判断する異常検出部15を設けた点にあり、その他の構成は図1の実施形態と同じなので説明を省略する。
【0044】
本実施形態は、第1の実施形態同様、シミュレーションを行う際、常用/模擬切り替え器7および8を切り替え接続して模擬信号cを制御部2に入力するが、シミュレーション部5に入力するプラント状態信号bおよび制御指令dの偏差を異常検出部15で監視するようにしたので、もし、偏差が一定値を超えた場合には、制御対象プラントに異常があるものと判断することができるので、プラントの健全性を確認することが可能となる。
なお、本実施形態の技術思想は、図2、図3のように多系列化したタービン制御装置にも適用できるものである。
【0045】
以上述べたように、本実施形態によれば、第1の実施形態の機能に加えて、制御部6の入出力信号であるプラント状態信号bおよび制御指令dの偏差を監視し、この偏差が一定値を超えた場合には、制御対象プラントに異常があるものと判断することができるので、プラントの健全性を確認することが可能となる
【0046】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、タービン制御装置の単一システムあるいは多系列(多重系)システムに拘わらず、制御対象プラント個々にシミュレータを用意することなく、また、配線変更の手間をかけることなくシミュレーションを行うことができる。さらに、システム同定部によりシミュレーション部の特性を実際のプラントの特性に容易に合わせることが可能となる。
【0047】
また、他の発明によれば、制御部を多系列化すると共に、これに合わせて入出力インターフェースを増設したので、一方の制御部により通常運転をしながら別の制御部により、シミュレーションを実施することができる。
【0048】
またさらに、他の発明によれば、制御部の入出力信号の偏差を監視し、この偏差が所定値を超えると異常と判断する異常検出部を設けるようにしたので、プラントの健全性を容易に確認することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明の実施形態を表すシステム構成図。
【図2】第2の発明の実施形態を表すシステム構成図。
【図3】第3の発明の実施形態を表すシステム構成図。
【図4】第4の発明の実施形態を表すシステム構成図。
【図5】従来の技術の実施形態を表すシステム構成図。
【符号の説明】
1…タービン制御システム、2…タービン制御装置、3…入出力インターフェース、3a…常用系用入出力インターフェース、3b…待機系用入出力インターフェース、4…シミュレータ、5…シミュレーション部、6…制御部、6a…常用系制御部、6b…待機系制御部、7…入力側常用/模擬切り替え器、8…出力側常用/模擬切り替え器、9…伝送路、10…システム同定部、11…伝送装置、12−1、12−2…接続回路、13…監視部、14…常用系/待機系切り替え器、15…異常検出部。
Claims (5)
- 操作指令を出力する入出力インターフェースと、この入出力インターフェースから出力された操作指令および制御対象プラントから検出されたプラント状態信号を入力し、所定のアルゴリズムに基づいて演算して制御指令値を求め、この制御指令値を前記制御対象プラントに向け出力する制御部を備えたタービン制御装置と、前記制御対象プラントを模擬するシミュレータと、から構成したタービン制御システムにおいて、
前記タービン制御装置とは別置きされ、前記制御対象プラントを模擬する模擬信号を出力するシミュレーション部を備えたシミュレータと、
前記タービン制御装置に設けられ、通常運転時は、前記プラント状態信号を前記制御部に入力させると共に、前記制御指令値を制御対象プラントに出力させ、制御対象プラントをシミュレーションする際は、前記模擬入力信号を前記プラント状態信号に切り替えて前記制御部に入力させると共に、前記制御指令値を制御対象プラント側からシミュレーション部側に切り替える切り替え手段と、
を備えたことを特徴とするタービン制御システム。 - 前記制御部を常用系と待機系とに2系列化すると共に、いずれかの系の正常な制御部の制御指令を選択して出力する常用/待機切り替え手段を設けたことを特徴とする請求項1記載のタービン制御システム。
- 常用系と待機系とに2系列化した前記制御部に対してそれぞれ個別に操作指令を出力するように前記入出力インターフェースを複数個設け、
前記プラント状態信号あるいは前記模擬信号のうちのいずれか一方の信号を常用系の制御部に入力し、他方の信号を待機系の制御部に入力するように構成した常用/待機切り替え手段を設けたことを特徴とする請求項2記載のタービン制御システム。 - 前記タービン制御装置に設けられ、前記プラント状態信号および前記制御対象プラントに出力される制御指令を常時入力し、前記別置きされたシミュレーション部との間で信号のやり取りを行う伝送装置と、
前記シミュレータに設けられ、前記伝送装置を介して常時取り込んだプラント状態信号および前記制御指令値に基づいて制御対象プラントの伝達関数を同定するシステム同定部と、
を設けたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のタービン制御システム。 - プラント状態信号および前記シミュレーション部から出力される模擬入力を比較し、前記制御対象プラントの異常を検出する異常検出部を備えたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のタービン制御システム。
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JP2005250985A (ja) * | 2004-03-05 | 2005-09-15 | Gunma Prefecture | 機械システムの診断方法及び機械システム診断装置 |
JP2014500986A (ja) * | 2010-07-28 | 2014-01-16 | フィッシャー−ローズマウント システムズ,インコーポレイテッド | 教育又は技量認定のためのフィールド装置のシミュレーションを有する携帯型フィールドメンテナンスツール |
-
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- 2002-07-25 JP JP2002216748A patent/JP2004060464A/ja not_active Withdrawn
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