JP2004060123A - 紙製容器成形用紙の製造方法 - Google Patents

紙製容器成形用紙の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】後発泡タイプの後発泡コート紙の層を備えた紙製容器成形用紙の製造において、ウエットコーティングされた発泡剤が、プレスロールやガイドロール等に付着したり、用紙面を汚損したりしないようにすることにある。
【解決手段】紙製容器成形用原紙1の片面に、接着層を兼ねる耐水・疎水性層3を介して、不織布等の低密度用紙4をラミネートする低密度用紙ラミネート工程(図1(a)参照)と、該低密度用紙4面に発泡剤液7をコーティングして含浸させる発泡剤コーティング含浸工程(図1(b)参照)とからなる。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、紙箱等のカートン、紙カップ、紙製トレー容器、紙パック等の紙製容器成形用紙の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の紙カップ等の紙製容器成形用紙には、通常は、カップ原紙が使用されるが、紙カップの保温性や断熱性や手触り感等を考慮した場合は、成形用紙として紙層内部に空気を抱き込んだ発泡タイプの発泡紙が使用される。
【0003】
この発泡紙は、抄紙工程でパルプ材に発泡剤を混入させて抄紙するとともに、この抄紙工程の段階で加熱発泡又は化学発泡処理されたものであり、既に発泡処理された既発泡タイプ(低密度タイプ)の発泡紙であるため、紙カップ成形工程において、皺になり易く、また発泡時の紙粉が多く発生したり、発泡されているために紙面が平滑でなく、そのため印刷適性が良好でないし、また、発泡紙は低密度であるため良好な輸送効率や保管効率が得られない等の問題がある。
【0004】
また、従来の発泡紙としては、抄紙工程でパルプ材に発泡剤を混入させて抄紙して、この抄紙工程の段階では発泡剤が発泡しないように乾燥処理し、その後の段階で加熱発泡処理するようにした後発泡タイプ(混抄タイプ)の発泡紙があるが、抄紙工程で発泡剤を混抄して製造するため、製造ロット毎の抄紙量が大きくなり、また発泡紙の抄紙機専用化が必要になって、少量生産が採算的に困難で、発泡紙供給の小回りが効かないなどの問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、既発泡タイプ及び後発泡タイプの従来の発泡紙の上記問題を解決するために、本発明者は、不織布等の低密度の用紙を用いて、それに熱発泡性発泡剤をコーティングし、後に発泡させる後発泡タイプの後発泡コート紙を作成し、その後発泡コート紙を、従来から紙製容器の成形加工に通常使用されているようなコートボールや、カップ原紙、ノーコートアイボリー等の容器成形原紙の片面にラミネートした紙製容器成形用紙を出願した。
【0006】
上記紙製容器成形用紙は、上述したように、熱発泡性発泡剤をコーティングした後発泡コート紙と、コートボール、カップ原紙、ノーコートアイボリー、晒しクラフト、カード紙等の容器成形原紙とをラミネートして製造するものであるが、後発泡コート紙を作成する際に、例えばグラビア塗布方式のように熱発泡性発泡剤を周面に付着供給した塗布ロールとプレスロールとの間に不織布の様な低密度用紙を導入し、一度に低密度用紙面に、その紙坪量と同程度の塗布量をウエットコーティングすると、コーティング面に対して反対面の低密度用紙面にコーティング発泡剤が染み出し、プレスロールやガイドロール等に発泡剤が付着したり、付着した発泡剤が再度紙面に付着して用紙面を汚損したりして良好にコーティングできない場合がある。
【0007】
本発明は、後発泡タイプの後発泡コート紙をラミネートした紙製容器成形用紙の製造において、上記不都合を解消し、ウエットコーティングされた発泡剤がプレスロールやガイドロール等に付着したり、用紙面を汚損したりしないようにすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る発明は、紙製容器成形用原紙1の片面に耐水・疎水性層3を介して低密度用紙4をラミネートする低密度用紙ラミネート工程と、該低密度用紙4面に発泡剤をコーティングして含浸させる発泡剤コーティング含浸工程とからなることを特徴とする紙製容器成形用紙の製造方法である。
【0009】
本発明の請求項2に係る発明は、低密度用紙4の一面に耐水・疎水性層3を積層接着する耐水・疎水性層形成工程と、該低密度用紙4の他面に発泡剤をコーティングして含浸させる発泡剤コーティング含浸工程と、前記発泡剤をコーティングして含浸させた低密度用紙4を前記耐水・疎水性層3を介して紙製容器成形用原紙1とラミネートする低密度用紙ラミネート工程とからなることを特徴とする紙製容器成形用紙の製造方法である。
【0010】
本発明の請求項3に係る発明は、紙製容器成形用原紙層1と、耐水・疎水性層3と、低密度用紙層4との三層抄きにより抄紙する抄紙工程と、該低密度用紙層4面に発泡剤をコーティングして含浸させる発泡剤コーティング含浸工程とからなることを特徴とする紙製容器成形用紙の製造方法である。
【0011】
本発明の請求項4に係る発明は、上記請求項1乃至請求項3のいずれか1項に係る紙製容器成形用紙の製造方法において、前記紙製容器成形用原紙1が、コートボール、カップ原紙、晒しクラフト、カード紙、ノーコートアイボリーのいずれか1種である紙製容器成形用紙の製造方法である。
【0012】
本発明の請求項5に係る発明は、上記請求項1乃至請求項4のいずれか1項に係る紙製容器成形用紙の製造方法において、前記低密度用紙4が、紙密度0.75以下の不織布、コースター原紙等の用紙のいずれか1種である紙製容器成形用紙の製造方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の紙製容器成形用紙の製造方法の実施の形態を、図1に基づいて以下に詳細に説明すれば、まず、図1(a)に示すように、低密度用紙ラミネート工程において、片面に合成樹脂製の耐水・疎水性層3を塗布又はラミネートした紙製容器成形用原紙1と低密度用紙4とを、耐水・疎水性層3を内面にして重ね合わせ、対向するラミネート用のプレスロール10、11の対向間に導入してラミネートし、紙製容器成形用原紙1と耐水・疎水性層3と低密度用紙4からなる積層シートを形成する。
【0014】
次に、図1(b)に示すように、発泡剤コーティング含浸工程において、前記積層シートを、グラビアコーティング方式にて、供給層12内に循環貯留する発泡剤液7に浸漬して回転するグラビアコーティングロール13とプレスロール15との対向間に導入し、回転する前記グラビアコーティングロール13周面に付着供給される発泡剤液7の余剰液をドクター14にて掻き取りながら、ロール13周面に形成された多数セル凹部13a内に供給された発泡剤液7を前記積層シートの低密度用紙4の外面にコーティングして、低密度用紙4の層内に発泡剤を含浸させるものである。
【0015】
なお、上記発泡剤コーティング含浸工程において用いられるコーティング方式はグラビアコーティング方式に限定されず、ロールコーティング、コンマコーティング、ナイフコーティング等の適宜な方式を採用することができる。
【0016】
これにより、図3に示すように、紙製容器成形用原紙1の片面に、耐水・疎水性層3を介して、低密度用紙4に発泡剤がコーティングされた後発泡コート紙2がラミネートされた紙製容器成形用紙が得られる。
【0017】
原紙1と低密度用紙4とは、エクストルーダー方式にて接着性の加熱溶融樹脂を原紙1面に塗布して耐水・疎水性層3を形成して、エクストルーダーラミネート方式にて加圧にて接着してもよいし、あるいはドライラミネート用接着剤を塗布して耐水・疎水性層3を形成し、加熱加圧してドライラミネート方式にて接着してもよいし、ウエットラミネート用接着剤を塗布して耐水・疎水性層3を形成し、加圧乾燥(溶剤揮散)させてウエットラミネート方式にて接着してもよい。
【0018】
また、本発明の紙製容器成形用紙の製造方法の他の実施の形態としては、図2(a)に示すように、耐水・疎水性層形成工程において、ロールコーティング方式にて、供給層12内に循環貯留する耐水・疎水性層形成用樹脂液3aに浸漬して回転するコーティングロール16とプレスロール17との対向間に、低密度用紙4を導入し、回転する前記ロール16周面に付着供給される耐水・疎水性層形成用樹脂液3aを前記低密度用紙4の片面にコーティングして、耐水・疎水性層3を積層形成する。
【0019】
続いて、図2(b)に示すように、発泡剤コーティング含浸工程において、ロールコーティング方式にて、供給層12内に循環貯留する発泡剤液7に浸漬して回転するコーティングロール18とプレスロール19との対向間に、耐水・疎水性層3を積層形成した低密度用紙4を導入し、回転する前記ロール18周面に付着供給される発泡剤液7を、前記低密度用紙4の耐水・疎水性層3と反対面にコーティングして低密度用紙4の層内に発泡剤を含浸させ、後発泡コート紙2を形成する。
【0020】
続いて、図2(c)に示すように、低密度用紙ラミネート工程において、紙製容器成形用原紙1と前記後発泡コート紙2とを、耐水・疎水性層3を内面にして重ね合わせ、プレスロール10、11の対向間に導入し、耐水・疎水性層3を介してラミネートする。
【0021】
これにより、図3に示すように、紙製容器成形用原紙1の片面に、耐水・疎水性層3を介して、低密度用紙4に発泡剤がコーティングされた後発泡コート紙2がラミネートされた紙製容器成形用紙が得られる。
【0022】
また、本発明の紙製容器成形用紙の製造方法のその他の実施の形態としては、抄紙工程において、紙製容器成形用原紙層1と、耐水・疎水性層3と、低密度用紙層4とを三層抄き合わせして、三層抄合紙を抄紙する。
【0023】
次に、発泡剤コーティング含浸工程において、三層抄合紙の前記低密度用紙層4面に、熱発泡性発泡剤をコーティングして含浸させるものである。
【0024】
これにより、図3に示すように、紙製容器成形用原紙1の片面に、耐水・疎水性層3を介して、低密度用紙4に熱発泡性発泡剤がコーティングされた後発泡コート紙2がラミネートされた紙製容器成形用紙が得られる。
【0025】
本発明方法における前記耐水・疎水性層3は、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂等の熱可塑性の接着性樹脂が使用され、又はドライラミネート接着剤やウエットラミネート接着剤を用いて塗布量を多くして耐水・疎水性層3としたり、あるいは撥水薬剤を用いて耐水・疎水性層3としてもよく、接着剤層としての作用だけではなく、熱発泡性発泡剤を低密度用紙4の外面側にコーティングした際に、熱発泡性発泡剤が低密度用紙4を浸透して、その内面側に染み出すのを防ぐ作用があり、また紙製容器成形用原紙1面に熱発泡性発泡剤が到達するのを防ぐ作用があり、また、紙製容器の耐水性層や疎水性層として作用する。
【0026】
前記紙製容器成形用原紙1には、通常の紙製容器の成形用原紙として使用されている坪量150g/m2 〜200g/m2 又はそれ以上のコートボール、カップ原紙、ノーコートアイボリー、カード紙、晒しクラフトのいずれか1種又は1種以上が使用できる。
【0027】
また、前記低密度用紙4としては、紙密度が0.75g/cm3 以下、層間剥離強度が300gf/15mm幅以下の不織布、あるいはコースター原紙等が使用できる。
【0028】
本発明方法において作成される後発泡コート紙2の層は、図4に示すように、パルプ不織布等の天然繊維不織布、レーヨン不織布等の化学繊維不織布、あるいはコースター原紙などの低密度用紙4に、熱膨張性マイクロカプセル6(又は化学反応膨張性マイクロカプセル)と、低密度用紙3の繊維5とマイクロカプセル6とを結び付けるアクリル樹脂などのバインダーを配合した発泡剤をコートして含浸させたものである。
【0029】
本発明方法により製造された紙製容器成形用紙は、紙製容器成形原紙1側の面を容器外面側に、後発泡コート紙2側の面を容器内面側にして、従来の紙製容器の成形加工に使用する一般的なコートボール、カップ原紙、ノーコートアイボリー等の紙製容器成形用原紙の成形加工と同様の公知の成形加工により、紙箱、紙カップ、トレー容器、紙パック容器等の紙製容器を成形加工することができる。
【0030】
そして、その後、成形加工された前記紙製容器の後発泡コート紙2の層を、加熱発泡方式(又は化学反応発泡方式)にて発泡処理することにより、後発泡コート紙2の紙層内に膨張性マイクロカプセル6による多数の膨張発泡した中空状の発泡部を発生させて、後発泡コート紙2の厚さが増加した断熱、保温性のある紙製容器が得られる。
【0031】
以下に本発明の紙製容器成形用紙の具体的実施例を説明する。
【0032】
<実施例1>
図1(a)に示すように、低密度用紙ラミネート工程において、紙製容器成形用原紙1として坪量190g/m2 のカップ原紙(日本板紙(株)製)と低密度用紙4として坪量40g/m2 の不織布(KP9340、三和製紙(株)製)とを、その重ね合わせ内面に熱溶融したポリエチレン樹脂を厚さ15μmにて押し出しながら重ね合わせ、プレスロール10、11に導入し、サンドポリエチレンによるエクストルーダーラミネート方式にてラミネートして積層シートを得た。
【0033】
続いて、図1(b)に示すように、発泡剤コーティング含浸工程において、上記積層シートを、グラビアコーティング方式にて、供給層12内に循環貯留する下記組成の発泡剤液7(固形分25%)に浸漬して回転するグラビアコーティングロール13とプレスロール15との対向間に導入し、回転する前記グラビアコーティングロール13周面に付着供給される発泡剤液7の余剰液をドクター14にて掻き取りながら、ロール13周面に形成された多数セル凹部13a内に供給された発泡剤液7を前記積層シートの低密度用紙4の外面に、下記コーティング条件により40g/m2 wet塗布量にてコーティングし、低密度用紙4の層内に発泡剤を含浸させた。
【0034】
その後、発泡剤をコーティング含浸させた上記積層シートを、インラインにてオーブン乾燥機に120℃、20秒間導入して乾燥させて、実施例1による本発明の紙製容器成形用紙を得た。
Figure 2004060123
コーティング条件;
全塗布量40g/m2 wetにて、それを4回に分割して塗布した。
塗布された発泡剤固形分:(10×0.25)×4=10g/m2 
塗布・乾燥ラインスピード:40m/分
【0035】
上記実施例1にて作成した本発明の紙製容器成形用紙を用いて、公知の紙カップ成形加工により、紙製容器として紙カップを成形加工し、その紙カップを、オーブンにて140℃、2分間加熱して、紙カップの後発泡コート紙2の層を発泡させて、断熱性のある紙カップを得た。
Figure 2004060123
【0036】
<実施例2>
耐水・疎水性層形成工程において、低密度用紙4として坪量40g/m2 の不織布(KP9340、三和製紙(株)製)の片面に、エクストルーダーラ方式にて、熱溶融したポリエチレン樹脂を厚さ15μmにて押し出しながらコーティングして、低密度用紙4の片面に耐水・疎水性層3を積層形成した。(図2(a)参照)
【0037】
続いて、図2(b)に示すように、発泡剤コーティング含浸工程において、耐水・疎水性層3を積層形成した上記低密度用紙4を、ロールコーティング方式にて、供給層12内に循環貯留する発泡剤液7に浸漬して回転するコーティングロール18とプレスロール19との対向間に導入し、回転する前記ロール18周面に付着供給される下記組成による発泡剤液7を、前記低密度用紙4の耐水・疎水性層3と反対面に、下記コーティング条件にてコーティングして低密度用紙4の層内に発泡剤を含浸させた。
【0038】
その後、発泡剤をコーティング含浸させた上記低密度用紙4を、インラインにてオーブン乾燥機に120℃、20秒間導入して乾燥させ、後発泡コート紙2を得た。
Figure 2004060123
コーティング条件;
全塗布量40g/m2 wetにて、それを4回に分割して塗布した。
塗布された発泡剤固形分:(10×0.25)×4=10g/m2 
塗布・乾燥ラインスピード:40m/分
【0039】
続いて、図2(c)に示すように、低密度用紙ラミネート工程において、紙製容器成形用原紙1として坪量190g/m2 のカップ原紙(日本板紙(株)製)と上記後発泡コート紙2とを、耐水・疎水性層3を内面にして重ね合わせ、耐水・疎水性層3を加熱手段にて加熱溶融しながらプレスロール10、11の対向間に導入し、紙製容器成形用原紙1と後発泡コート紙2とを耐水・疎水性層3を介してラミネートして、実施例2による本発明の紙製容器成形用紙を得た。
【0040】
上記実施例2にて作成した本発明の紙製容器成形用紙を用いて、公知の紙カップ成形加工により、紙製容器として紙カップを成形加工し、その紙カップを、オーブンにて140℃、2分間加熱して、紙カップの後発泡コート紙2の層を発泡させて、断熱性のある紙カップを得た。
Figure 2004060123
【0041】
<比較例1>
上記実施例2の図2(a)に示す耐水・疎水性層形成工程を省略して、低密度用紙4として坪量40g/m2 の不織布(KP9340、三和製紙(株)製)の片面に、耐水・疎水性層3を積層形成しない不織布を、上記実施例2の図2(b)に示す発泡剤コーティング含浸工程において、ロールコーティング方式にて供給層12内に循環貯留する発泡剤液7に浸漬して回転するコーティングロール18とプレスロール19との対向間に導入し、回転する前記ロール18周面に付着供給される上記実施例2と同様の組成による発泡剤液7を、前記低密度用紙4の片面に上記実施例2と同様のコーティング条件にてコーティングして低密度用紙4の層内に発泡剤を含浸させた。
【0042】
その後、発泡剤をコーティング含浸させた上記低密度用紙4を、インラインにてオーブン乾燥機に120℃、20秒間導入して乾燥させ、比較例1の後発泡コート紙2を得た。
【0043】
続いて、上記実施例2の図2(c)に示す低密度用紙ラミネート工程として、紙製容器成形用原紙1として坪量190g/m2 のカップ原紙(日本板紙(株)製)と、上記発泡剤コーティング含浸工程にて得られた後発泡コート紙2とを、その重ね合わせ内面に耐水・疎水性層3(接着層)として、エクストルーダーラ方式にて熱溶融したポリエチレン樹脂を厚さ15μmにて押し出しコーティングして重ね合わせながら、プレスロール10、11の対向間に導入してラミネートした以外は、上記実施例2と同様にして比較例1の紙製容器成形用紙を得た。
【0044】
上記比較例1にて作成した紙製容器成形用紙を用いて、公知の紙カップ成形加工により、紙製容器として紙カップを成形加工し、その紙カップを、オーブンにて140℃、2分間加熱して、紙カップの後発泡コート紙2の層を発泡させて、断熱性のある紙カップを得た。
Figure 2004060123
【0045】
<比較例2>
紙製容器成形用紙として、通常紙製容器成形用原紙として使用されている坪量190g/m2 のカップ原紙(日本板紙(株)製)を用いて、公知の紙カップ成形加工により、紙製容器として紙カップを成形加工した。
【0046】
上記実施例1、2の本発明品(後発泡タイプの容器成形用紙及びそれを用いた紙カップ及び発泡後の紙カップ)と、比較例1の後発泡タイプの容器成形用紙及びそれを用いた発泡後の紙カップ)及び比較例2の通常のカップ原紙との比較評価結果を下記表1に示す。○・・・良好   ×・・・不良
【0047】
【表1】
Figure 2004060123
【0048】
【発明の効果】
本発明の紙製容器成形用紙の製造方法は、断熱性や保温性のある紙製容器の成形加工に使用する後発泡タイプのラミネート発泡紙の製法であり、製造される紙製容器成形用紙は、紙カップ、紙トレー容器、紙パック容器など紙製容器の成形工程後において発泡させることができ、紙製容器成形工程においては、通常の容器成形用原紙と同様に成形でき、成形加工適性も良好であって発泡による紙粉の発生もなく成形でき、また成形加工における皺の発生を解消できる効果がある。
【0049】
また、本発明の製造方法により得られる紙製容器成形用紙は、紙製容器成形工程後の発泡処理までは紙面が平滑であり、それまでは印刷適性が良好であり、また発泡処理までは発泡紙は、従来の既発泡タイプの用紙とは異なり比較的高密度であるため、容器成形材料及び半製品としての良好な輸送効率や保管効率が得られる効果がある。
【0050】
また、本発明の製造方法は、後発泡タイプの発泡紙でありながら、ラミネート方式とコーティング方式により製造でき、ラミネート方式の場合、抄紙工程でパルプ材に発泡剤を混入する工程が省略でき、したがって製造ロット毎の抄紙量が大きくならず小ロット生産に対応でき、採算的に見合う少量生産が可能であり、発泡紙の供給小回りが効くという効果があり、断熱性能や手触り感の良好な紙製容器の成形加工用の成形用紙の製法として効果的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の紙製容器成形用紙の製造方法の一例を説明する側面図。
【図2】本発明の紙製容器成形用紙の製造方法の他の例を説明する側面図。
【図3】本発明の紙製容器成形用紙の製造方法により得られた紙製容器成形用紙の積層断面図。
【図4】本発明の紙製容器成形用紙の製造方法により発泡剤をコートした後発泡コート紙の層内構造を説明する側断面模式図。
【符号の説明】
1…紙製容器成形用原紙 2…後発泡コート紙 3…耐水・疎水性層
4…低密度紙 5…パルプ繊維6…発泡性マイクロカプセル 7…発泡剤液

Claims (5)

  1. 紙製容器成形用原紙1の片面に耐水・疎水性層3を介して低密度用紙4をラミネートする低密度用紙ラミネート工程と、該低密度用紙4面に発泡剤をコーティングして含浸させる発泡剤コーティング含浸工程とからなることを特徴とする紙製容器成形用紙の製造方法。
  2. 低密度用紙4の一面に耐水・疎水性層3を積層接着する耐水・疎水性層形成工程と、該低密度用紙4の他面に発泡剤をコーティングして含浸させる発泡剤コーティング含浸工程と、前記発泡剤をコーティングして含浸させた低密度用紙4を前記耐水・疎水性層3を介して紙製容器成形用原紙1とラミネートする低密度用紙ラミネート工程とからなることを特徴とする紙製容器成形用紙の製造方法。
  3. 紙製容器成形用原紙層1と、耐水・疎水性層3と、低密度用紙層4との三層抄きにより抄紙する抄紙工程と、該低密度用紙層4面に発泡剤をコーティングして含浸させる発泡剤コーティング含浸工程とからなることを特徴とする紙製容器成形用紙の製造方法。
  4. 前記紙製容器成形用原紙1が、コートボール、カップ原紙、晒しクラフト、カード紙、ノーコートアイボリーのいずれか1種である請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の紙製容器成形用紙の製造方法。
  5. 前記低密度用紙4が、紙密度0.75以下の不織布、コースター原紙等の用紙のいずれか1種である請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の紙製容器成形用紙の製造方法。
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