JP2004060034A - 真空蒸着方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】クリーンルーム環境内で蒸着装置を使用する際の、チャンバーの開閉に伴う排気による清浄汚染を改善することを目的とする。
【解決手段】課題を解決するために本発明は、チャンバー内に蒸着物と被蒸着物を設置し、該被蒸着物に該蒸着物により薄膜形成する真空蒸着方法において、該チャンバーを開ける直前にチャンバー内を真空環境から大気環境に置換し、チャンバー内に残留する気体を再度強制的に排気することを特徴とする真空蒸着方法により課題を解決する。
【選択図】 図3
【解決手段】課題を解決するために本発明は、チャンバー内に蒸着物と被蒸着物を設置し、該被蒸着物に該蒸着物により薄膜形成する真空蒸着方法において、該チャンバーを開ける直前にチャンバー内を真空環境から大気環境に置換し、チャンバー内に残留する気体を再度強制的に排気することを特徴とする真空蒸着方法により課題を解決する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は特にクリーンルーム内で使用し、クリーンルームという清浄な雰囲気を蒸着装置のチャンバーを開ける時の排気で汚さないことを可能とした真空蒸着方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
古今を問わずして圧電材料に電極の薄膜を形成する一般的な方法に「蒸着」があり、それを実現するのが一般に言われる真空蒸着装置である。真空蒸着装置とは、チャンバーと呼ばれるガラスなどでできた開口部を有したドーム状の釜で、このチャンバーの中を真空雰囲気にし、チャンバー内部に配置する蒸着物を被蒸着物に蒸着し薄膜を形成する手法のひとつである。
【0003】
もう少し詳細について記述すると、真空蒸着装置は、およそ1×10−3〜1×10−5Pa(パスカル=N/m2)程度の圧力にまで真空排気ができるようなチャンバー容器内で蒸着を行うものである。そして、チャンバー内部には、蒸着物と被蒸着物を配置します。特に、圧電材料など蒸着物による薄膜の形成量を周波数に換算し読みとることで、蒸着量を監視(モニター)することもできる。
【0004】
従って、蒸着物はヒータと呼ばれる発熱体(主にはモリブデン金属)の上に金、銀、アルミ、クロムなどの蒸着金属を載せて、これらの金属を真空雰囲気中で蒸発させることで、被蒸着物に蒸発金属を形成する。そのため、蒸着量は上述の方法で監視し、その監視に基づき蒸発量を制御するためにシャッターと呼ばれる蒸発を制御する機構が備わっているのが一般的な真空蒸着装置でもある。
【0005】
実際の蒸着(蒸発)にはヒータに数十Aという大きな電流を供給し、蒸着金属が蒸発する温度までヒータを加熱する必要がある。また同時に、蒸着で形成する薄膜の品質や剥離強度(被蒸着物に蒸着してできた薄膜の張り付き強度)を高めるためには、高真空環境での蒸着が必要である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
昨今の圧電部品はIT(情報技術)に裏付けられ代表するように、高精度で高密度の要求が強まっている。そして具体的に携帯端末を一例にすると、小型化と軽量化も要求課題として挙げられている。従って、携帯端末のクロック源である圧電材料(主には水晶振動子や水晶発振器)も極小型化、極軽量化の要求が高まっている現状にある。
【0007】
これらの極小型化、極軽量化に加えて、クロック源としての発振精度、信頼度を向上し高精度化、高密度化に対応するために、最近ではクリーンルームと言ったクラス1000以下と言う清浄雰囲気で水晶振動子の製造が行われている。
【0008】
従って、クリーンルームの雰囲気の中で真空蒸着装置を用いて蒸着工程を行う必要が一般的な作業工程として取り込まれる状況にある。そのため、従来の技術で行われる蒸着工程では、クリーンルームの環境下にありながら、蒸着作業を行う度にクリーンルーム内の清浄雰囲気を汚していることになる。
【0009】
ここで、真空蒸着装置による蒸着方法について、その動作的見知から見た説明を補足すると以下のようになる。
基本としては、真空雰囲気を実現するチャンバー容器の内部で蒸着を行うが、チャンバー内部を大気圧の状態から高真空の状態までに真空度を上げ、更には蒸着作業を終えて、チャンバー内部を大気圧の状態にまで戻す一連の作業が伴うことになる。
【0010】
この一連のチャンバー内部の真空環境を実現するために、真空蒸着装置には、大きく分けて2種類の真空環境を得るためのポンプを備えている。ひとつは、大気圧から1×10−1〜1×10−2Paまでの低真空環境を実現するロータリーポンプにより排気する。そして、その後の高真空環境を得るために油拡散ポンプにより蒸着環境である1×10−6〜1×10−7Paという真空排気環境を実現するものである。
【0011】
要するに、チャンバー容器内部を大気圧から高真空時については大きな問題は無いものの、高真空環境から大気圧に戻し、チャンバー内部の蒸着物や被蒸着物を取り出すためにチャンバーを開閉する際に、チャンバー内部に浮遊する蒸着金属がクリーンルーム内に拡散し、結果的にはクリーンルーム内を汚してしまうという課題を秘めている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明は、チャンバー内に蒸着物と被蒸着物を設置し、被蒸着物に蒸着物により薄膜形成する真空蒸着方法において、蒸着作業を終了後該チャンバー内を大気圧環境にし、該チャンバーを開ける直前に該チャンバー内を低真空環境に置換し、該チャンバー内に残留する気体を強制的に排気することを特徴とする真空蒸着方法である。
【0013】
このように本発明では、チャンバー容器内部を大気圧から高真空にし、高真空環境から大気圧に戻し、チャンバー内部の蒸着物や被蒸着物を取り出すためにチャンバーを開ける際に、チャンバー内部に浮遊する蒸着金属(パーティクル、塵埃など)がクリーンルーム内に拡散し、結果的にはクリーンルーム内を汚さぬように、蒸着作業を終了後チャンバー内を大気圧環境にし、チャンバーを開ける直前にチャンバー内を低真空環境に置換し、チャンバー内に残留する気体と共に浮遊物を強制的に排気することで、蒸着作業を終えチャンバー内部の蒸着物や被蒸着物を取り出す時のチャンバー内部の浮遊物のクリーンルーム内への拡散を阻止することが可能となり課題を解決するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に従ってこの発明の実施例を説明する。なお、各図において同一の符号は同様の対象を示すものとする。
図1は本発明一実施例である真空蒸着装置2の概念図である。真空蒸着装置2は排気系としてロータリポンプRPと拡散ポンプDPとで構成されており、この2つのポンプにより低真空環境(ロータリポンプRPで実現)から高真空環境(拡散ポンプDPで実現)へとチャンバー1内部の気圧を変化させ高真空環境を得ることができる。そして、チャンバー1内部の真空状態(真空度)はガイスラー真空計G(7〜10cm離した電極間の放電形状を視る)やペニング真空計などで高真空度具合を測定する。
【0015】
ここで図2に示す真空蒸着装置2の排気系を説明する。図中の排気系にハッチングされているところが、実際には真空排気環境になっている部分を示す。図2は排気系の概念図であり、同時に一連の真空蒸着を行うための排気系を説明するものでもある。図2(a)はロータリポンプRPにより低真空(一般に言う荒引き)環境を実現する状態を示すものである。この状態では真空蒸着装置2の排気系は、ロータリポンプのバルブRVを開け、メインバルブMVとフォアバルブFVを閉めた状態でロータリポンプRPから排気を行う。(ベントバルブVVとパイロットバルブPLVは閉状態)
【0016】
次に図2(b)のように高真空環境を実現するために、ロータリポンプのバルブRVを閉めメインバルブMVを開けて拡散ポンプからの排気を行うことで、チャンバー1内は高真空の環境となる。この高真空の状態でチャンバー1内では蒸着作業が展開されるわけであるが、蒸着作業が終終わるとロータリポンプのバルブRVとメインバルブMVを閉めてチャンバー1近くにあるベントバルブVVを開けることでチャンバー1内が徐々に大気圧に近づく。
【0017】
そして、チャンバー1を開けるときになって初めて本発明の特徴である蒸着作業を終了後チャンバー1を開ける直前にチャンバー1内を低真空環境に置換し、チャンバー1内に残留する気体を再度強制的に排気することを特徴とする真空蒸着方法により、チャンバー1内の浮遊物を真空蒸着装置2の排気系を経由して排気する。具体的には、高真空環境から大気圧環境に近い圧力までチャンバー1内の真空状態を上げ、更にロータリーポンプで得られる真空状態(中真空)まで、チャンバー1内部を再度真空にする。上記動作の概念図を図3に示す。
【0018】
この動作を数回繰り返すことでチャンバー1内部の浮遊物を排除することができる。この場合の繰り返し動作については、真空蒸着工程における作業時間と製造コストにより決定することになるが、理想から言えばチャンバー1内の浮遊物が皆無になる(上記動作で浮遊物を排気できなくなる)まで行うことが望ましい。このような動作によりチャンバー1内の気圧を大気圧に近づけて、再度チャンバー1内気体を排気するものである。
【0019】
なお、本発明の実施例ではロータリポンプと拡散ポンプによる真空蒸着装置2の概念で説明したが、拡散ポンプに代えてクライオポンプであっても、また他の機構で高真空環境を得る場合や、他の手法での蒸着装置(例えば電子ビーム蒸着装置、スパッタ蒸着装置など)であっても同様に作用することは言うまでもない。また、チャンバー1を開口する際に供給するガスは、N2などのクリーンエアーであれば事足りる。
【0020】
上述の内容から分かるように、チャンバー1を開口したときのチャンバー1内部に浮遊する蒸着金属をチャンバー1外部に拡散させないように、ベルジャ内の浮遊物を真空蒸着装置2の排気系に戻してクリーンルーム外へ排気したことで課題を解決するものである。従って当然ながら、真空蒸着装置2の排気はクリーンルーム外へと排気がなされる排気となっている。
【0021】
【発明の効果】
本発明により、従来の蒸着工程では、クリーンルームの環境下にありながら、蒸着作業を行う度にクリーンルーム内の清浄雰囲気を汚している現状を改善でき、そして更には、製品品質の向上と安定化をも実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の真空蒸着装置の概念図である。
【図2】真空蒸着装置によるチャンバー内を真空環境にする動作を説明する概念図である。
【図3】本発明の特徴である蒸着作業終了後の概念図を示す。
【発明の属する技術分野】
本発明は特にクリーンルーム内で使用し、クリーンルームという清浄な雰囲気を蒸着装置のチャンバーを開ける時の排気で汚さないことを可能とした真空蒸着方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
古今を問わずして圧電材料に電極の薄膜を形成する一般的な方法に「蒸着」があり、それを実現するのが一般に言われる真空蒸着装置である。真空蒸着装置とは、チャンバーと呼ばれるガラスなどでできた開口部を有したドーム状の釜で、このチャンバーの中を真空雰囲気にし、チャンバー内部に配置する蒸着物を被蒸着物に蒸着し薄膜を形成する手法のひとつである。
【0003】
もう少し詳細について記述すると、真空蒸着装置は、およそ1×10−3〜1×10−5Pa(パスカル=N/m2)程度の圧力にまで真空排気ができるようなチャンバー容器内で蒸着を行うものである。そして、チャンバー内部には、蒸着物と被蒸着物を配置します。特に、圧電材料など蒸着物による薄膜の形成量を周波数に換算し読みとることで、蒸着量を監視(モニター)することもできる。
【0004】
従って、蒸着物はヒータと呼ばれる発熱体(主にはモリブデン金属)の上に金、銀、アルミ、クロムなどの蒸着金属を載せて、これらの金属を真空雰囲気中で蒸発させることで、被蒸着物に蒸発金属を形成する。そのため、蒸着量は上述の方法で監視し、その監視に基づき蒸発量を制御するためにシャッターと呼ばれる蒸発を制御する機構が備わっているのが一般的な真空蒸着装置でもある。
【0005】
実際の蒸着(蒸発)にはヒータに数十Aという大きな電流を供給し、蒸着金属が蒸発する温度までヒータを加熱する必要がある。また同時に、蒸着で形成する薄膜の品質や剥離強度(被蒸着物に蒸着してできた薄膜の張り付き強度)を高めるためには、高真空環境での蒸着が必要である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
昨今の圧電部品はIT(情報技術)に裏付けられ代表するように、高精度で高密度の要求が強まっている。そして具体的に携帯端末を一例にすると、小型化と軽量化も要求課題として挙げられている。従って、携帯端末のクロック源である圧電材料(主には水晶振動子や水晶発振器)も極小型化、極軽量化の要求が高まっている現状にある。
【0007】
これらの極小型化、極軽量化に加えて、クロック源としての発振精度、信頼度を向上し高精度化、高密度化に対応するために、最近ではクリーンルームと言ったクラス1000以下と言う清浄雰囲気で水晶振動子の製造が行われている。
【0008】
従って、クリーンルームの雰囲気の中で真空蒸着装置を用いて蒸着工程を行う必要が一般的な作業工程として取り込まれる状況にある。そのため、従来の技術で行われる蒸着工程では、クリーンルームの環境下にありながら、蒸着作業を行う度にクリーンルーム内の清浄雰囲気を汚していることになる。
【0009】
ここで、真空蒸着装置による蒸着方法について、その動作的見知から見た説明を補足すると以下のようになる。
基本としては、真空雰囲気を実現するチャンバー容器の内部で蒸着を行うが、チャンバー内部を大気圧の状態から高真空の状態までに真空度を上げ、更には蒸着作業を終えて、チャンバー内部を大気圧の状態にまで戻す一連の作業が伴うことになる。
【0010】
この一連のチャンバー内部の真空環境を実現するために、真空蒸着装置には、大きく分けて2種類の真空環境を得るためのポンプを備えている。ひとつは、大気圧から1×10−1〜1×10−2Paまでの低真空環境を実現するロータリーポンプにより排気する。そして、その後の高真空環境を得るために油拡散ポンプにより蒸着環境である1×10−6〜1×10−7Paという真空排気環境を実現するものである。
【0011】
要するに、チャンバー容器内部を大気圧から高真空時については大きな問題は無いものの、高真空環境から大気圧に戻し、チャンバー内部の蒸着物や被蒸着物を取り出すためにチャンバーを開閉する際に、チャンバー内部に浮遊する蒸着金属がクリーンルーム内に拡散し、結果的にはクリーンルーム内を汚してしまうという課題を秘めている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明は、チャンバー内に蒸着物と被蒸着物を設置し、被蒸着物に蒸着物により薄膜形成する真空蒸着方法において、蒸着作業を終了後該チャンバー内を大気圧環境にし、該チャンバーを開ける直前に該チャンバー内を低真空環境に置換し、該チャンバー内に残留する気体を強制的に排気することを特徴とする真空蒸着方法である。
【0013】
このように本発明では、チャンバー容器内部を大気圧から高真空にし、高真空環境から大気圧に戻し、チャンバー内部の蒸着物や被蒸着物を取り出すためにチャンバーを開ける際に、チャンバー内部に浮遊する蒸着金属(パーティクル、塵埃など)がクリーンルーム内に拡散し、結果的にはクリーンルーム内を汚さぬように、蒸着作業を終了後チャンバー内を大気圧環境にし、チャンバーを開ける直前にチャンバー内を低真空環境に置換し、チャンバー内に残留する気体と共に浮遊物を強制的に排気することで、蒸着作業を終えチャンバー内部の蒸着物や被蒸着物を取り出す時のチャンバー内部の浮遊物のクリーンルーム内への拡散を阻止することが可能となり課題を解決するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に従ってこの発明の実施例を説明する。なお、各図において同一の符号は同様の対象を示すものとする。
図1は本発明一実施例である真空蒸着装置2の概念図である。真空蒸着装置2は排気系としてロータリポンプRPと拡散ポンプDPとで構成されており、この2つのポンプにより低真空環境(ロータリポンプRPで実現)から高真空環境(拡散ポンプDPで実現)へとチャンバー1内部の気圧を変化させ高真空環境を得ることができる。そして、チャンバー1内部の真空状態(真空度)はガイスラー真空計G(7〜10cm離した電極間の放電形状を視る)やペニング真空計などで高真空度具合を測定する。
【0015】
ここで図2に示す真空蒸着装置2の排気系を説明する。図中の排気系にハッチングされているところが、実際には真空排気環境になっている部分を示す。図2は排気系の概念図であり、同時に一連の真空蒸着を行うための排気系を説明するものでもある。図2(a)はロータリポンプRPにより低真空(一般に言う荒引き)環境を実現する状態を示すものである。この状態では真空蒸着装置2の排気系は、ロータリポンプのバルブRVを開け、メインバルブMVとフォアバルブFVを閉めた状態でロータリポンプRPから排気を行う。(ベントバルブVVとパイロットバルブPLVは閉状態)
【0016】
次に図2(b)のように高真空環境を実現するために、ロータリポンプのバルブRVを閉めメインバルブMVを開けて拡散ポンプからの排気を行うことで、チャンバー1内は高真空の環境となる。この高真空の状態でチャンバー1内では蒸着作業が展開されるわけであるが、蒸着作業が終終わるとロータリポンプのバルブRVとメインバルブMVを閉めてチャンバー1近くにあるベントバルブVVを開けることでチャンバー1内が徐々に大気圧に近づく。
【0017】
そして、チャンバー1を開けるときになって初めて本発明の特徴である蒸着作業を終了後チャンバー1を開ける直前にチャンバー1内を低真空環境に置換し、チャンバー1内に残留する気体を再度強制的に排気することを特徴とする真空蒸着方法により、チャンバー1内の浮遊物を真空蒸着装置2の排気系を経由して排気する。具体的には、高真空環境から大気圧環境に近い圧力までチャンバー1内の真空状態を上げ、更にロータリーポンプで得られる真空状態(中真空)まで、チャンバー1内部を再度真空にする。上記動作の概念図を図3に示す。
【0018】
この動作を数回繰り返すことでチャンバー1内部の浮遊物を排除することができる。この場合の繰り返し動作については、真空蒸着工程における作業時間と製造コストにより決定することになるが、理想から言えばチャンバー1内の浮遊物が皆無になる(上記動作で浮遊物を排気できなくなる)まで行うことが望ましい。このような動作によりチャンバー1内の気圧を大気圧に近づけて、再度チャンバー1内気体を排気するものである。
【0019】
なお、本発明の実施例ではロータリポンプと拡散ポンプによる真空蒸着装置2の概念で説明したが、拡散ポンプに代えてクライオポンプであっても、また他の機構で高真空環境を得る場合や、他の手法での蒸着装置(例えば電子ビーム蒸着装置、スパッタ蒸着装置など)であっても同様に作用することは言うまでもない。また、チャンバー1を開口する際に供給するガスは、N2などのクリーンエアーであれば事足りる。
【0020】
上述の内容から分かるように、チャンバー1を開口したときのチャンバー1内部に浮遊する蒸着金属をチャンバー1外部に拡散させないように、ベルジャ内の浮遊物を真空蒸着装置2の排気系に戻してクリーンルーム外へ排気したことで課題を解決するものである。従って当然ながら、真空蒸着装置2の排気はクリーンルーム外へと排気がなされる排気となっている。
【0021】
【発明の効果】
本発明により、従来の蒸着工程では、クリーンルームの環境下にありながら、蒸着作業を行う度にクリーンルーム内の清浄雰囲気を汚している現状を改善でき、そして更には、製品品質の向上と安定化をも実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の真空蒸着装置の概念図である。
【図2】真空蒸着装置によるチャンバー内を真空環境にする動作を説明する概念図である。
【図3】本発明の特徴である蒸着作業終了後の概念図を示す。
Claims (2)
- チャンバー内に蒸着物と被蒸着物を設置し、該被蒸着物に該蒸着物により薄膜形成する真空蒸着方法において、
蒸着作業を終了後該チャンバー内を大気圧環境にし、該チャンバーを開ける直前に該チャンバー内を低真空環境に置換し、該チャンバー内に残留する気体を強制的に排気することを特徴とする真空蒸着方法。 - 請求項1記載の置換作業を複数回繰り返すことを特徴とする真空蒸着方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002223754A JP2004060034A (ja) | 2002-07-31 | 2002-07-31 | 真空蒸着方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002223754A JP2004060034A (ja) | 2002-07-31 | 2002-07-31 | 真空蒸着方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004060034A true JP2004060034A (ja) | 2004-02-26 |
Family
ID=31943437
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002223754A Pending JP2004060034A (ja) | 2002-07-31 | 2002-07-31 | 真空蒸着方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004060034A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008121040A (ja) * | 2006-11-09 | 2008-05-29 | Shimadzu Corp | 真空成膜装置 |
-
2002
- 2002-07-31 JP JP2002223754A patent/JP2004060034A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008121040A (ja) * | 2006-11-09 | 2008-05-29 | Shimadzu Corp | 真空成膜装置 |
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Legal Events
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A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050729 |
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