JP2004059852A - 粘着シート - Google Patents
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Abstract
【課題】基材と粘着剤が積層された粘着シートにおいて、被着体に寸法変化や変形が発生しても、粘着シートの浮き剥がれが発生し難い粘着シートを提供すること及び粘着シートの浮き剥がれの起こり難さを評価する方法を提供することである。
【解決手段】基材と粘着剤が積層された粘着シートであって、該基材の応力−歪み曲線における、特定の歪み時の応力値が、特定値以下である基材から構成される粘着シートにより、また前記特定の歪み時の応力値に基づいて粘着シートの浮き剥がれの起こり難さを評価する方法によって課題が達成できる。
【選択図】 なし
【解決手段】基材と粘着剤が積層された粘着シートであって、該基材の応力−歪み曲線における、特定の歪み時の応力値が、特定値以下である基材から構成される粘着シートにより、また前記特定の歪み時の応力値に基づいて粘着シートの浮き剥がれの起こり難さを評価する方法によって課題が達成できる。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被着体に寸法変化や変形が発生しても、浮き剥がれが発生し難い粘着シート及びその評価方法に関する。
【0002】
【従来技術】
粘着シートは商業用から家庭用まで広範囲にわたってラベル、ステッカー等の形で使用されている。これらの粘着シートは、被着体に貼付されている間、粘着シートと被着体との間に浮きの発生や剥がれの発生(以下、浮き剥がれという場合がある。)がないことが要求される。しかし、粘着シートが貼付された被着体が、寸法変化や変形するような条件にある場合、粘着シートの浮き剥がれが発生する。
【0003】
特に、印刷物の印刷面の保護あるいは高級感や光沢感を出す目的で使用されるオーバーラミネート用粘着シートでは、微小な浮き剥がれでも外観が大きく損なわれるため、浮き剥がれが発生しないことが非常に重要である。
【0004】
粘着シートの浮き剥がれを抑制するには、被着体が寸法変化や変形しても、粘着シートと被着体が充分に密着していることが重要である。特開2001−129932号公報では、ホットメルト接着剤を利用することにより、密着性を上げる方法が開示されている。しかし、ホットメルト接着剤を塗工したシートを用いるためには、接着剤を溶融する熱源が必要であり、被着体によっては熱により変形や変色したりするものも有り、被着体の材質を考慮したラミネート温度の条件等の設定や管理が必要となり、すべての被着体に適用するのは難しかった。また、設備の面からも加熱ロールが必要であり、安全や省エネルギーの面からも好ましくなかった。
【本発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、被着体に貼付する際に加熱ロールが不要である、基材と粘着剤が積層された粘着シートにおいて、被着体に寸法変化や変形が発生しても、粘着シートの浮き剥がれが発生し難い粘着シートを提供すること及び粘着シートの浮き剥がれの起こり難さを評価する方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、被着体に寸法変化や変形が発生した際の粘着シートの浮き剥がれについて鋭意研究を重ねた結果、基材と粘着剤が積層された粘着シートであって、該基材の応力−歪み曲線における、特定の歪み時の応力値が、特定値以下である基材から構成される粘着シートにより上記課題が達成されることを見いだした。また、前記特定の歪み時の応力値に基づいて粘着シートの浮き剥がれの起こり難さを評価する方法によって上記課題が達成できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0006】
即ち、本発明は、基材と粘着剤が積層された粘着シートであって、該基材の流れ方向または幅方向における応力−歪み曲線において、10%歪み時の応力値が23℃において10000N/cm2以下であることを特徴とする粘着シートを提供する。本発明でいう基材の流れ方向とは、基材が生産される際に基材が進行していく方向のことであり、基材の幅方向とは、流れ方向に垂直な方向のことである。
【0007】
また、本発明は、基材と粘着剤が積層された粘着シートであって、該基材の流れ方向または幅方向における応力−歪み曲線において、10%歪み時の応力値が100℃において4500N/cm2以下であることを特徴とする粘着シートを提供する。
【0008】
また、本発明は、基材と粘着剤が積層された粘着シートにおいて、該基材における応力−歪み曲線において、10%以下の歪み時に測定される応力値により、被着体に寸法変化や変形が発生した際の粘着シートの浮き剥がれの起こり難さの評価方法提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】
(粘着シートの構成)
本発明の粘着シートは、基材と粘着剤の積層を基本構成とする。粘着剤は基材の片面または両面に積層しても良い。
【0010】
(用途)
本発明の粘着シートは、ラベル、ステッカー等の形で使用されている。特に、印刷物の印刷面の保護あるいは高級感や光沢感を出す目的で使用されるオーバーラミネート用粘着シートに適している。
【0011】
(基材)
基材としては、フィルム、不織布、紙等が挙げられる。フィルムの材質としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ナイロン、セロファン等が挙げられる。また、不織布の材質としては、パルプ、レーヨン、マニラ麻、アクリロニトリル、ナイロン、ポリエステル等が挙げられる。また、紙としては、上質紙、樹脂コート紙等が挙げられる。
【0012】
(基材の応力−歪み曲線)
基材の応力−歪み曲線とは、基材にかけた応力と、応力によって基材が変形しない状態から伸長した変形量(歪み)との関係を示す曲線である。
(基材の応力−歪み曲線測定時の雰囲気)
基材の応力−歪み曲線測定における雰囲気は、特に限定されるものではないが、23℃、50%や、100℃等が挙げられる。また、粘着シートが被着体に貼付されている実際の環境に合わせた条件で測定することが好ましい。例えば、粘着シートが100℃の沸騰水中で使用されることが想定される場合などは、100℃で測定することが望ましい。
(基材の応力−歪み曲線測定時の引っ張り速度)
基材の応力−歪み曲線の測定における引っ張り速度は、特に限定されるものではないが、300mm/min等が挙げられる。
(基材の応力−歪み曲線測定時の歪み範囲)
基材の応力−歪み曲線測定における歪みとは、変形しない状態から伸長した変形量のことである。被着体に寸法変化や変形が発生した際の粘着シートの浮き剥がれの起こり難さを判定する歪み範囲は、10%以下が最も粘着シートの浮き剥がれの起こり難さという現象を反映している。10%を超えた場合、基材の応力−歪み曲線測定時に基材が破断することがあり、粘着シートの浮き剥がれの起こり難さを測定数値の大小により判断することができないときがある。さらに、判定する歪み量は、少なすぎると誤差が生じやすいため、1%〜10%が好ましい。
【0013】
(基材の応力−歪み曲線測定時の応力)
基材の応力−歪み曲線測定において、前記歪み量における応力値が低いほど、被着体に寸法変化や変形が発生した際の粘着シートの浮き剥がれ起こり難いと判定できる。これは、応力値が低いということは、基材が変形しやすいと考えられ、被着体の寸法変化や変形、さらにそれに伴う粘着剤層の変形に、基材が追従しやすくなり、浮き剥がれが発生し難くなり、基材として機能し得る範囲で応力が低いことが好ましい。
【0014】
本発明の粘着シートを構成する基材は、基材の流れ方向または幅方向における応力−歪み曲線において、10%歪み時の応力(M10)が、23℃において10000N/cm2以下であり、好ましくは6000N/cm2以下ある。10000N/cm2を超えると、基材が変形し難く、被着体の寸法変化や変形に基材が追従し難くなり、浮き剥がれが発生しやすい。
【0015】
また、本発明の粘着シートを構成する基材は、基材の流れ方向または幅方向における応力−歪み曲線において、10%歪み時の応力(M10)が、100℃において4500N/cm2以下であり、好ましくは2000N/cm2以下であり、さらに好ましくは1000N/cm2以下である。4500N/cm2を超えると、基材が変形し難く、被着体の寸法変化や変形に基材が追従し難くなり、浮き剥がれが発生しやすい。
【0016】
さらに、本発明の粘着シートを構成する基材は、基材の流れ方向及び幅方向における応力−歪み曲線において、10%歪み時の応力(M10)が、100℃において4500N/cm2以下であり、好ましくは2000N/cm2以下であり、さらに好ましくは1000N/cm2以下である。4500N/cm2を超えると、基材が変形し難く、被着体の寸法変化や変形に基材が追従し難くなり、浮き剥がれが発生しやすい。
【0017】
(粘着剤)
粘着剤は、ポリマーの種類として、ゴム系、アクリル系、シリコーン系、ウレタン系、ビニルエーテル系等が挙げられる。また、粘着剤の形態として、溶剤系、エマルジョン型粘着剤、水溶性粘着剤等の水系、ホットメルト型粘着剤、UV硬化型粘着剤、EB硬化型粘着剤等の無溶剤系等が挙げられる。
【0018】
(粘着剤の応力−歪み曲線)
粘着剤の応力−歪み曲線とは、粘着剤層にかけた応力と、応力によって粘着剤層が変形しない状態から伸長した変形量(歪み)との関係を示す曲線である。 (粘着剤の応力−歪み曲線測定用サンプルの作成)
粘着剤の応力−歪み曲線測定用サンプルの作成は、剥離シート上に粘着剤を塗工し、熱風乾燥機等による処理の後、剥離シートを剥離することで得られる。また、基材上に粘着剤を塗工し、熱風乾燥機等による処理の後、粘着剤層を削り取ってサンプルを作成しても良い。粘着剤層が削り難い時は、イソプロピルアルコールや酢酸エチル等の溶剤を粘着剤層に塗布した後削り取り、再度、熱風乾燥機等により処理しても良い。また、粘着剤層の厚みは、薄すぎると測定値の信頼性又は作業性が劣るため、粘着剤層を積層したサンプルを作成しても良い。
(粘着剤の応力−歪み曲線測定時の雰囲気)
粘着剤の応力−歪み曲線測定における雰囲気は、特に限定されるものではないが、23℃、50%等が挙げられる。また、粘着シートが被着体に貼付されている実際の環境に合わせた条件で測定することが好ましい。
(粘着剤の応力−歪み曲線測定時の引っ張り速度)
粘着剤の応力−歪み曲線の測定における引っ張り速度は、特に限定されるものではないが、300mm/min等が挙げられる。
【0019】
(粘着剤の応力−歪み曲線測定時の歪み範囲)
粘着剤の応力−歪み曲線測定における歪みとは、変形しない状態から伸長した変形量のことである。被着体に寸法変化や変形が発生した際の粘着シートの浮き剥がれの起こり難さを判定する歪み範囲は、600%以下が最も粘着シートの浮き剥がれの起こり難さという現象を反映している。600%を超えた場合、被着体に寸法変化や変形が発生した際の粘着シートの浮き剥がれの起こり難さを、応力値で有意差として視認することができない。これは、600%を超えた歪みでは変形量が多すぎ、実際に起こりうる粘着剤層の変形量からかけ離れていくためであると考えられる。さらに、判定する歪み量は、少なすぎると誤差が生じやすいため、5%〜300%が好ましく、5〜100%が更に好ましい。
(応力−歪み曲線測定時の応力)
粘着剤の応力−歪み曲線測定において、前記歪み量における応力値が低いほど、被着体に寸法変化や変形が発生した際の粘着シートの浮き剥がれ起こり難いと判定できる。これは、応力値が低いということは、粘着剤が変形しやすいと考えられ、被着体の寸法変化や変形に粘着剤層が追従しやすくなり、浮き剥がれが発生し難くなり、粘着剤として機能し得る範囲で応力が低いことが好ましい。
本発明の粘着シートを構成する粘着剤は、応力−歪み曲線において、100%歪み時の応力(M100)が6N/cm2以下であり、好ましくは3〜6N/cm2である。6N/cm2を超えると、粘着剤が変形し難く、被着体の寸法変化や変形に粘着剤が追従し難くなり、浮き剥がれが発生しやすい。
【0020】
また、本発明の粘着シートを構成する粘着剤は、応力−歪み曲線において、200%歪み時の応力(M200)が9N/cm2以下であり、好ましくは4〜9N/cm2である。9N/cm2を超えると、粘着剤が変形し難く、被着体の寸法変化や変形に粘着剤が追従し難くなり、浮き剥がれが発生しやすい。
【0021】
さらに、本発明の粘着シートを構成する粘着剤は、応力−歪み曲線において、300%歪み時の応力(M300)が15N/cm2以下であり、好ましくは5〜15N/cm2である。10N/cm2を超えると、粘着剤が変形し難く、被着体の寸法変化や変形に粘着剤が追従し難くなり、浮き剥がれが発生しやすい。
【0022】
さらに、本発明の粘着シートを構成する粘着剤は、応力−歪み曲線において、600%歪み時の応力(M600)が50N/cm2以下であり、好ましくは20N/cm2以下であり、さらに好ましくは8〜20N/cm2である。50N/cm2を超えると、粘着剤が変形し難く、被着体の寸法変化や変形に粘着剤が追従し難くなり、浮き剥がれが発生しやすい。
【0023】
本発明の粘着シートは、被着体に発生した寸法変化や変形に対して、基材:基材の応力−歪み曲線における低歪み領域(10%以下の歪み)での応力値が低く、粘着剤:粘着剤の応力−歪み曲線における低歪み領域(100%以下,200%以下、300%以下,600%以下の歪み)での応力値が低い、基材と粘着剤との組み合わせにより、被着体に発生した寸法変化や変形に対して追随しやすくすることにより粘着シートの浮き剥がれを改善することができる。
(粘着剤層の厚み)
粘着剤の厚みは、乾燥後の厚みで3〜200μmが好ましく、5〜50μmがさらに好ましい。3μmより薄い場合は、得られる粘着シートの接着性が不十分となり、200μmを超えると、ラベル形状に打ち抜く際の加工性が悪化する。
【0024】
(剥離シート)
剥離シートとしては、グラシン紙、クラフト紙、クレーコート紙、ポリエチレン等のフィルムをラミネートした紙、ポリビニルアルコールやアクリル酸エステル共重合体等の樹脂を塗布した紙、ポリエステルやポリプロピレン等の合成樹脂フィルム等に、剥離剤であるフッソ樹脂やシリコーン樹脂等を塗布したもの等が挙げられる。
【0025】
(粘着シートの製造方法)
本発明の粘着シートは、例えば、粘着剤を剥離シートに塗工し、乾燥、熱硬化、電離放射線硬化等による処理を行い、基材を貼り合わせる方法で得られる。また、粘着剤を塗工し、前記処理した剥離シートを基材の両面に貼り合わせる方法を用いても良い。また、粘着剤を基材に塗工し、乾燥、熱硬化、電離放射線硬化等による処理を行い、剥離シートを貼り合わせる方法でも得られる。
【0026】
【実施例】
(実施例1)
(基材の応力−歪み曲線の測定)
引っ張り試験機(テンシロンRTM−100、オリエンテック社製)に基材(OPU−1 #20−1120、東セロ社製)を固定し、23℃,50%及び100℃の環境下、300mm/minで引っ張ることより得られる10%歪み時の応力値を、基材の厚み及びサンプル幅から換算してM10を求めた。また、同様にして、50%歪み時の応力値(M50)、100%歪み時の応力値(M100)、最大歪み、最大強度を求めた。
【0027】
(粘着剤の合成)
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下漏斗を備えた反応容器に脱イオン水270部を入れ、窒素を吹き込みながら75℃まで昇温した。撹拌下、ラテムルE−118B(花王社製)0.8部、過硫酸カリウム0.1部を添加し、続いて2−エチルヘキシルアクリレート360部、メチルメタクリレート28部、メタクリル酸10部、グリシジルメタクリレート2部、ラウリルメルカプタン0.2部からなる単量体混合物に、ラテムルE−118B32部と脱イオン水80部を加えて乳化させたモノマープレエマルジョンの一部(4部)を添加し、反応容器内温度を75℃に保ちながら60分間で重合させた。引き続き、反応容器内温度を75℃に保ちながら、残りのモノマープレエマルジョン508部と過硫酸カリウムの水溶液(有効成分1%)60部を各々別の滴下漏斗を使用して、反応容器内温度を75℃に保ちながら240分間かけて滴下して重合せしめた。滴下終了後、同温度にて180分間撹拌し、内容物を冷却した。その後、pHが8.0になるようにアンモニア水(有効成分10%)で調整し、100メッシュ金網で濾過して粘着剤を得た。
【0028】
(粘着剤の応力−歪み曲線測定用サンプルの作成)
剥離シート(OKB−105NC、王子製紙社製)に乾燥後の厚みが20μmとなるように上記で合成した粘着剤を塗工し、熱風乾燥機を用いて90℃で3分間乾燥させた。23℃で7日間熟成した後、粘着剤層を積層し、厚み0.04cmの試験サンプルを得た。
(粘着剤の応力−歪み曲線の測定)
引っ張り試験機(テンシロンRTA−100、オリエンテック社製)に試験サンプルを固定し、23℃,50%の環境下、300mm/minで引っ張ることより得られる100%歪み時の応力値を、粘着剤層の厚み及びサンプル幅から換算してM100を求めた。また、同様にして、200%歪み時の応力値(M200)、300%歪み時の応力値(M300)、600%歪み時の応力値(M600)、900%歪み時の応力値(M900)、最大歪み、最大強度を求めた。
【0029】
(粘着シートの作成)
剥離シート(OKB−105NC、王子製紙社製)に乾燥後の厚みが20μmとなるように上記粘着剤を塗工し、熱風乾燥機を用いて90℃で3分間乾燥させ、基材(OPU−1 #20−1120、東セロ社製)を貼りあわせ、23℃で7日間熟成することにより粘着シートを作成した。
(粘着シートの浮き剥がれの評価)
上記粘着シートから剥離シートを剥離し、大日本インキ化学社製ユポUV80FHT−2アオグラに貼付した後45mm×45mmにカットし、剥離シートを剥離して日本ハム社製ロースハムの包材に貼付することより試験サンプルを作成した。この試験サンプルを、90℃の温水で30分間ボイルし、浮き剥がれの有無を目視評価した。浮き剥がれが無い場合を○、浮き剥がれが発生しその浮き剥がれ面積が面積比で50%未満である場合を△、浮き剥がれ面積が面積比で50%以上の場合を×と記載した。
【0030】
(実施例2)
粘着剤としてSPS−1260(大日本インキ化学社製)とすることと、熟成期間を14日間としたこと以外は実施例1と同様とした。
【0031】
(比較例1)
基材として#16テトロン透明HPE(帝人デュポン社製)とすること以外は実施例2と同様とした。
【表1】
表1の結果からわかるように、基材の流れ方向または幅方向における応力−歪み曲線において、10%歪み時の応力(M10)が、23℃において10000N/cm2以下である場合、明らかに浮き剥がれが起こり難い。また、前記応力(M10)が、100℃において4500N/cm2以下である場合、浮き剥がれが起こり難いことは明らかであり利用価値が高い。さらに、基材の応力−歪み曲線において、歪み範囲が10%以下では基材は切断されることなく、粘着シートの浮き剥がれの起こり難さを、測定数値の大小により評価でき有用である。
【0032】
【発明の効果】
本発明の粘着シートは、基材と粘着剤が積層された粘着シートにおいて、被着体に寸法変化や変形が発生しても、粘着シートの浮き剥がれが発生し難い。また、本発明の評価方法は被着体に寸法変化や変形が発生した際の粘着シートの浮き剥がれの起こり難さの評価に有用である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、被着体に寸法変化や変形が発生しても、浮き剥がれが発生し難い粘着シート及びその評価方法に関する。
【0002】
【従来技術】
粘着シートは商業用から家庭用まで広範囲にわたってラベル、ステッカー等の形で使用されている。これらの粘着シートは、被着体に貼付されている間、粘着シートと被着体との間に浮きの発生や剥がれの発生(以下、浮き剥がれという場合がある。)がないことが要求される。しかし、粘着シートが貼付された被着体が、寸法変化や変形するような条件にある場合、粘着シートの浮き剥がれが発生する。
【0003】
特に、印刷物の印刷面の保護あるいは高級感や光沢感を出す目的で使用されるオーバーラミネート用粘着シートでは、微小な浮き剥がれでも外観が大きく損なわれるため、浮き剥がれが発生しないことが非常に重要である。
【0004】
粘着シートの浮き剥がれを抑制するには、被着体が寸法変化や変形しても、粘着シートと被着体が充分に密着していることが重要である。特開2001−129932号公報では、ホットメルト接着剤を利用することにより、密着性を上げる方法が開示されている。しかし、ホットメルト接着剤を塗工したシートを用いるためには、接着剤を溶融する熱源が必要であり、被着体によっては熱により変形や変色したりするものも有り、被着体の材質を考慮したラミネート温度の条件等の設定や管理が必要となり、すべての被着体に適用するのは難しかった。また、設備の面からも加熱ロールが必要であり、安全や省エネルギーの面からも好ましくなかった。
【本発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、被着体に貼付する際に加熱ロールが不要である、基材と粘着剤が積層された粘着シートにおいて、被着体に寸法変化や変形が発生しても、粘着シートの浮き剥がれが発生し難い粘着シートを提供すること及び粘着シートの浮き剥がれの起こり難さを評価する方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、被着体に寸法変化や変形が発生した際の粘着シートの浮き剥がれについて鋭意研究を重ねた結果、基材と粘着剤が積層された粘着シートであって、該基材の応力−歪み曲線における、特定の歪み時の応力値が、特定値以下である基材から構成される粘着シートにより上記課題が達成されることを見いだした。また、前記特定の歪み時の応力値に基づいて粘着シートの浮き剥がれの起こり難さを評価する方法によって上記課題が達成できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0006】
即ち、本発明は、基材と粘着剤が積層された粘着シートであって、該基材の流れ方向または幅方向における応力−歪み曲線において、10%歪み時の応力値が23℃において10000N/cm2以下であることを特徴とする粘着シートを提供する。本発明でいう基材の流れ方向とは、基材が生産される際に基材が進行していく方向のことであり、基材の幅方向とは、流れ方向に垂直な方向のことである。
【0007】
また、本発明は、基材と粘着剤が積層された粘着シートであって、該基材の流れ方向または幅方向における応力−歪み曲線において、10%歪み時の応力値が100℃において4500N/cm2以下であることを特徴とする粘着シートを提供する。
【0008】
また、本発明は、基材と粘着剤が積層された粘着シートにおいて、該基材における応力−歪み曲線において、10%以下の歪み時に測定される応力値により、被着体に寸法変化や変形が発生した際の粘着シートの浮き剥がれの起こり難さの評価方法提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】
(粘着シートの構成)
本発明の粘着シートは、基材と粘着剤の積層を基本構成とする。粘着剤は基材の片面または両面に積層しても良い。
【0010】
(用途)
本発明の粘着シートは、ラベル、ステッカー等の形で使用されている。特に、印刷物の印刷面の保護あるいは高級感や光沢感を出す目的で使用されるオーバーラミネート用粘着シートに適している。
【0011】
(基材)
基材としては、フィルム、不織布、紙等が挙げられる。フィルムの材質としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ナイロン、セロファン等が挙げられる。また、不織布の材質としては、パルプ、レーヨン、マニラ麻、アクリロニトリル、ナイロン、ポリエステル等が挙げられる。また、紙としては、上質紙、樹脂コート紙等が挙げられる。
【0012】
(基材の応力−歪み曲線)
基材の応力−歪み曲線とは、基材にかけた応力と、応力によって基材が変形しない状態から伸長した変形量(歪み)との関係を示す曲線である。
(基材の応力−歪み曲線測定時の雰囲気)
基材の応力−歪み曲線測定における雰囲気は、特に限定されるものではないが、23℃、50%や、100℃等が挙げられる。また、粘着シートが被着体に貼付されている実際の環境に合わせた条件で測定することが好ましい。例えば、粘着シートが100℃の沸騰水中で使用されることが想定される場合などは、100℃で測定することが望ましい。
(基材の応力−歪み曲線測定時の引っ張り速度)
基材の応力−歪み曲線の測定における引っ張り速度は、特に限定されるものではないが、300mm/min等が挙げられる。
(基材の応力−歪み曲線測定時の歪み範囲)
基材の応力−歪み曲線測定における歪みとは、変形しない状態から伸長した変形量のことである。被着体に寸法変化や変形が発生した際の粘着シートの浮き剥がれの起こり難さを判定する歪み範囲は、10%以下が最も粘着シートの浮き剥がれの起こり難さという現象を反映している。10%を超えた場合、基材の応力−歪み曲線測定時に基材が破断することがあり、粘着シートの浮き剥がれの起こり難さを測定数値の大小により判断することができないときがある。さらに、判定する歪み量は、少なすぎると誤差が生じやすいため、1%〜10%が好ましい。
【0013】
(基材の応力−歪み曲線測定時の応力)
基材の応力−歪み曲線測定において、前記歪み量における応力値が低いほど、被着体に寸法変化や変形が発生した際の粘着シートの浮き剥がれ起こり難いと判定できる。これは、応力値が低いということは、基材が変形しやすいと考えられ、被着体の寸法変化や変形、さらにそれに伴う粘着剤層の変形に、基材が追従しやすくなり、浮き剥がれが発生し難くなり、基材として機能し得る範囲で応力が低いことが好ましい。
【0014】
本発明の粘着シートを構成する基材は、基材の流れ方向または幅方向における応力−歪み曲線において、10%歪み時の応力(M10)が、23℃において10000N/cm2以下であり、好ましくは6000N/cm2以下ある。10000N/cm2を超えると、基材が変形し難く、被着体の寸法変化や変形に基材が追従し難くなり、浮き剥がれが発生しやすい。
【0015】
また、本発明の粘着シートを構成する基材は、基材の流れ方向または幅方向における応力−歪み曲線において、10%歪み時の応力(M10)が、100℃において4500N/cm2以下であり、好ましくは2000N/cm2以下であり、さらに好ましくは1000N/cm2以下である。4500N/cm2を超えると、基材が変形し難く、被着体の寸法変化や変形に基材が追従し難くなり、浮き剥がれが発生しやすい。
【0016】
さらに、本発明の粘着シートを構成する基材は、基材の流れ方向及び幅方向における応力−歪み曲線において、10%歪み時の応力(M10)が、100℃において4500N/cm2以下であり、好ましくは2000N/cm2以下であり、さらに好ましくは1000N/cm2以下である。4500N/cm2を超えると、基材が変形し難く、被着体の寸法変化や変形に基材が追従し難くなり、浮き剥がれが発生しやすい。
【0017】
(粘着剤)
粘着剤は、ポリマーの種類として、ゴム系、アクリル系、シリコーン系、ウレタン系、ビニルエーテル系等が挙げられる。また、粘着剤の形態として、溶剤系、エマルジョン型粘着剤、水溶性粘着剤等の水系、ホットメルト型粘着剤、UV硬化型粘着剤、EB硬化型粘着剤等の無溶剤系等が挙げられる。
【0018】
(粘着剤の応力−歪み曲線)
粘着剤の応力−歪み曲線とは、粘着剤層にかけた応力と、応力によって粘着剤層が変形しない状態から伸長した変形量(歪み)との関係を示す曲線である。 (粘着剤の応力−歪み曲線測定用サンプルの作成)
粘着剤の応力−歪み曲線測定用サンプルの作成は、剥離シート上に粘着剤を塗工し、熱風乾燥機等による処理の後、剥離シートを剥離することで得られる。また、基材上に粘着剤を塗工し、熱風乾燥機等による処理の後、粘着剤層を削り取ってサンプルを作成しても良い。粘着剤層が削り難い時は、イソプロピルアルコールや酢酸エチル等の溶剤を粘着剤層に塗布した後削り取り、再度、熱風乾燥機等により処理しても良い。また、粘着剤層の厚みは、薄すぎると測定値の信頼性又は作業性が劣るため、粘着剤層を積層したサンプルを作成しても良い。
(粘着剤の応力−歪み曲線測定時の雰囲気)
粘着剤の応力−歪み曲線測定における雰囲気は、特に限定されるものではないが、23℃、50%等が挙げられる。また、粘着シートが被着体に貼付されている実際の環境に合わせた条件で測定することが好ましい。
(粘着剤の応力−歪み曲線測定時の引っ張り速度)
粘着剤の応力−歪み曲線の測定における引っ張り速度は、特に限定されるものではないが、300mm/min等が挙げられる。
【0019】
(粘着剤の応力−歪み曲線測定時の歪み範囲)
粘着剤の応力−歪み曲線測定における歪みとは、変形しない状態から伸長した変形量のことである。被着体に寸法変化や変形が発生した際の粘着シートの浮き剥がれの起こり難さを判定する歪み範囲は、600%以下が最も粘着シートの浮き剥がれの起こり難さという現象を反映している。600%を超えた場合、被着体に寸法変化や変形が発生した際の粘着シートの浮き剥がれの起こり難さを、応力値で有意差として視認することができない。これは、600%を超えた歪みでは変形量が多すぎ、実際に起こりうる粘着剤層の変形量からかけ離れていくためであると考えられる。さらに、判定する歪み量は、少なすぎると誤差が生じやすいため、5%〜300%が好ましく、5〜100%が更に好ましい。
(応力−歪み曲線測定時の応力)
粘着剤の応力−歪み曲線測定において、前記歪み量における応力値が低いほど、被着体に寸法変化や変形が発生した際の粘着シートの浮き剥がれ起こり難いと判定できる。これは、応力値が低いということは、粘着剤が変形しやすいと考えられ、被着体の寸法変化や変形に粘着剤層が追従しやすくなり、浮き剥がれが発生し難くなり、粘着剤として機能し得る範囲で応力が低いことが好ましい。
本発明の粘着シートを構成する粘着剤は、応力−歪み曲線において、100%歪み時の応力(M100)が6N/cm2以下であり、好ましくは3〜6N/cm2である。6N/cm2を超えると、粘着剤が変形し難く、被着体の寸法変化や変形に粘着剤が追従し難くなり、浮き剥がれが発生しやすい。
【0020】
また、本発明の粘着シートを構成する粘着剤は、応力−歪み曲線において、200%歪み時の応力(M200)が9N/cm2以下であり、好ましくは4〜9N/cm2である。9N/cm2を超えると、粘着剤が変形し難く、被着体の寸法変化や変形に粘着剤が追従し難くなり、浮き剥がれが発生しやすい。
【0021】
さらに、本発明の粘着シートを構成する粘着剤は、応力−歪み曲線において、300%歪み時の応力(M300)が15N/cm2以下であり、好ましくは5〜15N/cm2である。10N/cm2を超えると、粘着剤が変形し難く、被着体の寸法変化や変形に粘着剤が追従し難くなり、浮き剥がれが発生しやすい。
【0022】
さらに、本発明の粘着シートを構成する粘着剤は、応力−歪み曲線において、600%歪み時の応力(M600)が50N/cm2以下であり、好ましくは20N/cm2以下であり、さらに好ましくは8〜20N/cm2である。50N/cm2を超えると、粘着剤が変形し難く、被着体の寸法変化や変形に粘着剤が追従し難くなり、浮き剥がれが発生しやすい。
【0023】
本発明の粘着シートは、被着体に発生した寸法変化や変形に対して、基材:基材の応力−歪み曲線における低歪み領域(10%以下の歪み)での応力値が低く、粘着剤:粘着剤の応力−歪み曲線における低歪み領域(100%以下,200%以下、300%以下,600%以下の歪み)での応力値が低い、基材と粘着剤との組み合わせにより、被着体に発生した寸法変化や変形に対して追随しやすくすることにより粘着シートの浮き剥がれを改善することができる。
(粘着剤層の厚み)
粘着剤の厚みは、乾燥後の厚みで3〜200μmが好ましく、5〜50μmがさらに好ましい。3μmより薄い場合は、得られる粘着シートの接着性が不十分となり、200μmを超えると、ラベル形状に打ち抜く際の加工性が悪化する。
【0024】
(剥離シート)
剥離シートとしては、グラシン紙、クラフト紙、クレーコート紙、ポリエチレン等のフィルムをラミネートした紙、ポリビニルアルコールやアクリル酸エステル共重合体等の樹脂を塗布した紙、ポリエステルやポリプロピレン等の合成樹脂フィルム等に、剥離剤であるフッソ樹脂やシリコーン樹脂等を塗布したもの等が挙げられる。
【0025】
(粘着シートの製造方法)
本発明の粘着シートは、例えば、粘着剤を剥離シートに塗工し、乾燥、熱硬化、電離放射線硬化等による処理を行い、基材を貼り合わせる方法で得られる。また、粘着剤を塗工し、前記処理した剥離シートを基材の両面に貼り合わせる方法を用いても良い。また、粘着剤を基材に塗工し、乾燥、熱硬化、電離放射線硬化等による処理を行い、剥離シートを貼り合わせる方法でも得られる。
【0026】
【実施例】
(実施例1)
(基材の応力−歪み曲線の測定)
引っ張り試験機(テンシロンRTM−100、オリエンテック社製)に基材(OPU−1 #20−1120、東セロ社製)を固定し、23℃,50%及び100℃の環境下、300mm/minで引っ張ることより得られる10%歪み時の応力値を、基材の厚み及びサンプル幅から換算してM10を求めた。また、同様にして、50%歪み時の応力値(M50)、100%歪み時の応力値(M100)、最大歪み、最大強度を求めた。
【0027】
(粘着剤の合成)
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下漏斗を備えた反応容器に脱イオン水270部を入れ、窒素を吹き込みながら75℃まで昇温した。撹拌下、ラテムルE−118B(花王社製)0.8部、過硫酸カリウム0.1部を添加し、続いて2−エチルヘキシルアクリレート360部、メチルメタクリレート28部、メタクリル酸10部、グリシジルメタクリレート2部、ラウリルメルカプタン0.2部からなる単量体混合物に、ラテムルE−118B32部と脱イオン水80部を加えて乳化させたモノマープレエマルジョンの一部(4部)を添加し、反応容器内温度を75℃に保ちながら60分間で重合させた。引き続き、反応容器内温度を75℃に保ちながら、残りのモノマープレエマルジョン508部と過硫酸カリウムの水溶液(有効成分1%)60部を各々別の滴下漏斗を使用して、反応容器内温度を75℃に保ちながら240分間かけて滴下して重合せしめた。滴下終了後、同温度にて180分間撹拌し、内容物を冷却した。その後、pHが8.0になるようにアンモニア水(有効成分10%)で調整し、100メッシュ金網で濾過して粘着剤を得た。
【0028】
(粘着剤の応力−歪み曲線測定用サンプルの作成)
剥離シート(OKB−105NC、王子製紙社製)に乾燥後の厚みが20μmとなるように上記で合成した粘着剤を塗工し、熱風乾燥機を用いて90℃で3分間乾燥させた。23℃で7日間熟成した後、粘着剤層を積層し、厚み0.04cmの試験サンプルを得た。
(粘着剤の応力−歪み曲線の測定)
引っ張り試験機(テンシロンRTA−100、オリエンテック社製)に試験サンプルを固定し、23℃,50%の環境下、300mm/minで引っ張ることより得られる100%歪み時の応力値を、粘着剤層の厚み及びサンプル幅から換算してM100を求めた。また、同様にして、200%歪み時の応力値(M200)、300%歪み時の応力値(M300)、600%歪み時の応力値(M600)、900%歪み時の応力値(M900)、最大歪み、最大強度を求めた。
【0029】
(粘着シートの作成)
剥離シート(OKB−105NC、王子製紙社製)に乾燥後の厚みが20μmとなるように上記粘着剤を塗工し、熱風乾燥機を用いて90℃で3分間乾燥させ、基材(OPU−1 #20−1120、東セロ社製)を貼りあわせ、23℃で7日間熟成することにより粘着シートを作成した。
(粘着シートの浮き剥がれの評価)
上記粘着シートから剥離シートを剥離し、大日本インキ化学社製ユポUV80FHT−2アオグラに貼付した後45mm×45mmにカットし、剥離シートを剥離して日本ハム社製ロースハムの包材に貼付することより試験サンプルを作成した。この試験サンプルを、90℃の温水で30分間ボイルし、浮き剥がれの有無を目視評価した。浮き剥がれが無い場合を○、浮き剥がれが発生しその浮き剥がれ面積が面積比で50%未満である場合を△、浮き剥がれ面積が面積比で50%以上の場合を×と記載した。
【0030】
(実施例2)
粘着剤としてSPS−1260(大日本インキ化学社製)とすることと、熟成期間を14日間としたこと以外は実施例1と同様とした。
【0031】
(比較例1)
基材として#16テトロン透明HPE(帝人デュポン社製)とすること以外は実施例2と同様とした。
【表1】
表1の結果からわかるように、基材の流れ方向または幅方向における応力−歪み曲線において、10%歪み時の応力(M10)が、23℃において10000N/cm2以下である場合、明らかに浮き剥がれが起こり難い。また、前記応力(M10)が、100℃において4500N/cm2以下である場合、浮き剥がれが起こり難いことは明らかであり利用価値が高い。さらに、基材の応力−歪み曲線において、歪み範囲が10%以下では基材は切断されることなく、粘着シートの浮き剥がれの起こり難さを、測定数値の大小により評価でき有用である。
【0032】
【発明の効果】
本発明の粘着シートは、基材と粘着剤が積層された粘着シートにおいて、被着体に寸法変化や変形が発生しても、粘着シートの浮き剥がれが発生し難い。また、本発明の評価方法は被着体に寸法変化や変形が発生した際の粘着シートの浮き剥がれの起こり難さの評価に有用である。
Claims (9)
- 基材と粘着剤が積層された粘着シートであって、該基材の流れ方向または幅方向における応力−歪み曲線において、10%歪み時の応力値が、23℃において10000N/cm2以下であることを特徴とする粘着シート。
- 前記基材の10%歪み時の応力値が、23℃において6000N/cm2以下である請求項1記載の粘着シート。
- 基材と粘着剤が積層された粘着シートであって、該基材の流れ方向または幅方向における応力−歪み曲線において、10%歪み時の応力値が、100℃において4500N/cm2以下であることを特徴とする粘着シート。
- 基材と粘着剤が積層された粘着シートであって、該基材の流れ方向及び幅方向における応力−歪み曲線において、10%歪み時の応力値が、100℃において4500N/cm2以下であることを特徴とする粘着シート。
- 前記基材の10%歪み時の応力値が、100℃において2000N/cm2以下である請求項3または4記載の粘着シート。
- 基材と粘着剤が積層された粘着シートであって、該粘着剤における応力−歪み曲線において、100%歪み時の応力値が、23℃において6N/cm2以下であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の粘着シート。
- オーバーラミネート用である請求項1〜6の何れかに記載の粘着シート。
- 基材と粘着剤が積層された粘着シートであって、該基材における応力−歪み曲線において、10%以下の歪み時に測定される応力値により、被着体に寸法変化や変形が発生した際の粘着シートの浮き剥がれの起こり難さを評価する方法。
- 前記粘着シートの基材の応力−歪み曲線における、10%以下の歪み時に測定される応力値が10%歪み時に測定される応力値である請求項8記載の評価方法。
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