JP2004059846A - 霜取り解氷剤組成物 - Google Patents

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尾崎 憲明
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Abstract

【課題】車のウィンドウガラスに代表されるガラス面に付着した霜や氷を解氷し、水分の再凍結による不具合を起こすことが無く、しかもギラツキを生じさせること無く視界をクリアに保ち、解氷と同時にガラス面の撥水処理が可能な霜取り解氷剤組成物を提供すること。
【解決手段】少なくとも、0.01〜10.0質量%のアミノ変性シリコーンと、0.02〜10.0質量%の非水溶性シリコーンと、50.0質量%以上のアルコールと、からなることを特徴とする霜取り解氷剤組成物である。
【選択図】    なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
ガラス、主として、車のウィンドウガラスに付着した霜や氷を解氷し、視界をクリアに保ち、解氷と同時にガラス面の撥水処理が可能な霜取り解氷剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
冬場において、車を放置しておくと、ウィンドウガラス面に霜が降りる場合がある。このウィンドウガラス面に付着した霜や氷は、運転時の視界を奪うため、走行前に除去しなければならない。これら霜や氷の除去には、従来からお湯や霜取り解氷剤が用いられていた。
【0003】
霜取り解氷効果を発現させる主剤としては、アルコールが一般的である。しかし、ウィンドウガラス面に付着した霜や氷をアルコールでそのまま解氷すると、アルコールが揮発した後にウィンドウガラス面に残った水分や、空気中に存在する水分が再び凍結する現象(再凍結)が起こってしまう。
【0004】
市販の霜取り解氷剤においては、この再凍結を防止するために、グリコール系の溶剤(エチレングリコール等)を添加している処方が一般的である。かかる処方の霜取り解氷剤を、霜や氷が付着したウィンドウガラス面に噴きつけると、アルコールは揮発するが、水溶性で揮発の遅いグリコール系の溶剤はウィンドウガラス面に残り、水分を溶解して水の凝固点を降下させる、再凍結防止剤として寄与する。
【0005】
しかし、この再凍結防止剤たるグリコール系の溶剤は、屈折率が高いために太陽の光や車のヘッドライトを受けギラツキや白化を生じさせる。また、グリコール系の溶剤はワイパーでも除去しづらく、視界に違和感を与える原因となる。このギラツキ等の違和感を抑制すべく、グリコール系の溶剤の量を少なくしてしまうと再凍結防止効果が得られず、多すぎるとギラツキが顕著となりすぎてしまうため、そのバランスを取って、一般に5〜30質量%程度配合されているものが多い。しかし、既述の如くギラツキによる視界の違和感は拭えず、グリコール系の溶剤の量をより少なくした、あるいはそれを全く使用しない霜取り解氷剤が望まれている。
【0006】
そこで、特開平7−41336号公報ガラス用撥水剤や、特開平10−36821号公報には、解氷と同時にガラスに撥水性を付与し、氷や霜のガラスに対する接着カを低下させるタイプのガラス用撥水処理剤が開示されている。かかるガラス用撥水処理剤によれば、解氷後クリアな視界は得られるものの、撥水の質が悪く、水分がフロントガラス面で再凍結した際の除去性も不十分である。
【0007】
また、特開平11−50048号公報には、アミノ変性ジメチルポリシロキサン、グリコシド変性ジメチルポリシロキサン、特定の揮発性溶剤、アルコール類、酸、水からなる撥水剤組成物が開示されている。さらに特開平9−157546号公報や、特開平11−80668号公報等で自動車用の艶出し撥水剤として、ジメチルシリコーンを添加している処方が開示されている。しかし、これらは主として車の塗装面用のものであり、塗装面とガラス面とでは材質、用途が異なるため、ギラツキのないクリアな視界を確保しなければならないガラス面に、単純に転用することはできない。例えば、特開平11−50048号公報に記載の撥水剤組成物の処方では、前記特定の揮発性溶剤の例として挙げられている脂肪族系、芳香族系、脂環族系等の溶剤では、ガラス面で優れた効果を得ることはできない。また、アルコール量について、特開平11−50048号公報では10〜40質量%、特開平11−80668号公報では5〜40質量%と明記されているが、かかるアルコール量では解氷力不足で、解氷剤として満足できるものではない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明は、車のウィンドウガラスに代表されるガラス面に付着した霜や氷を解氷し、水分の再凍結による不具合を起こすことが無く、しかもギラツキを生じさせること無く視界をクリアに保ち、解氷と同時にガラス面の撥水処理が可能な霜取り解氷剤組成物を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決しようとする手段】
上記目的は、以下の本発明により達成される。すなわち本発明は、少なくとも、0.01〜10.0質量%のアミノ変性シリコーンと、0.02〜10.0質量%の非水溶性シリコーンと、50.0質量%以上のアルコールと、からなることを特徴とする霜取り解氷剤組成物である。
【0010】
アルコールにアミノ変性シリコーンを分散させた処方をベースに、非水溶性シリコーンを添加した本発明の霜取り解氷剤組成物をガラス面に吹き付けると、アミノ変性シリコーンがガラスに吸着すると同時に非水溶性シリコーンがガラス面上に広がり薄い被膜を形成する。この被膜は、疎水性の性質からアミノ変性シリコーンの性能を補って、初期の撥水性を向上させる。解氷されて生じた水と本発明の霜取り解氷剤組成物とが混合すると液滴となり、疎水化され滑性が良化したガラス面を流れ落ち(転がり落ち)やすくなる。さらに液滴は、走行時に風圧を受けガラス面から除去される。空気中の水分がガラス面に付着したとしても水玉となって転がり落ちやすく、仮に再凍結したとしてもガラス面は撥水性のため接触角が大きいので付着力は弱く、また上記非水溶性シリコーンで形成された被膜は移行性があるため、再凍結した霜や氷をワイパー等で容易に除去することができる。
【0011】
このように上記非水溶性シリコーンは、本発明において極めて重要な成分であるが、これが添加されていない組成物について想定すると、せっかく解氷した水分がガラス面に残り、アルコールの揮発とともに再び凍結し視界を妨げワイパー等での除去も困難である。また、ガラス面に吸着したアミノ変性シリコーンは移行性がないため潤滑性が低下し、ワイパーの鳴き、ビビリ等の不具合を生じることがある。上記非水溶性シリコーンは、アミノ変性シリコーンの被膜とワイパーとの間に被膜を作るため、潤滑性が高まり、アミノ変性シリコーンに起因するワイパーの鳴き、ビビリを抑制することが可能である。
【0012】
加えて、上記非水溶性シリコーンは、ガラス面にアミノ変性シリコーンを均一に広げ、過剰のアミノ変性シリコーンを溶解し除去しやすくする効果もあり、また比較的少量で添加効果が期待できるため、エチレングリコールのように揮発しづらく油膜となって、長時間ガラス面に残る不具合も生じることがなく、違和感を生じることもない。
【0013】
前記非水溶性シリコーンとしては、環状シロキサンおよびジメチルシリコーンが挙げられ、双方を混合して用いても構わない。前記非水溶性シリコーンとして、ジメチルシリコーンを用いる場合には、25℃における動粘度が0.65〜100mm/sの範囲のものを用いることが好ましい。
本発明の霜取り解氷剤組成物としては、さらに、水や、0.001〜1.0質量%の酸を含んでも構わない。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の霜取り解氷剤組成物は、少なくとも、アミノ変性シリコーンと、非水溶性シリコーンと、溶媒としてのアルコールとからなり、必要に応じてその他の成分が含まれる。また、溶媒としてさらに水を添加してもよい。以下、本発明の霜取り解氷剤組成物を各成分に分けて詳細に説明する。
【0015】
<アミノ変性シリコーン>
本発明に使用されるアミノ変性シリコーンは、下記一般式(1)で表される側鎖変性型のものと、下記一般式(2)で表される末端変性型のものとがある。また、側鎖および末端の双方が変性されているものでも構わない。
【0016】
【化1】
Figure 2004059846
【0017】
上記式中、X〜XおよびY〜Yはそれぞれ独立にメチル基またはアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等)を表し、Aは−R−NH、または−RNHRNHを表し、R、RおよびRはそれぞれ独立に2価の炭化水素基を表し、lおよびmはそれぞれ独立に1以上の整数を表す。また、上記式中の左のl個の構成単位と、m個の構成単位とは、その繰り返しがランダムでも構わない。さらにmが2以上の場合には、上記式中のm個の構成単位中のAは相互に異なっていてもよい。
【0018】
【化2】
Figure 2004059846
【0019】
上記式中、AおよびAはそれぞれ独立にメチル基、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等)、−R−NH、または−RNHRNHを表し、少なくとも一方が−R−NH、または−RNHRNHである。また、R、RおよびRはそれぞれ独立に2価の炭化水素基を表し、nは1以上の整数を表す。
【0020】
上記一般式(1)および一般式(2)において、R、RおよびRで表される2価の炭化水素基としては、特に限定されないが、炭素数1〜5の炭化水素基が一般的であり、具体的には、エチレン基、プロピレン基等が挙げられる。
上記一般式(1)および一般式(2)において、l、mおよびnとしては、好ましくは後述の粘度および当量を満たす整数である。
【0021】
本発明に使用されるアミノ変性シリコーンは、アミノ基が、無機・有機材料表面の水酸基、カルボキシル基等との強い水素結合性や吸着性を有しており、これを利用してガラス面に吸着させ、メチル基の部分で撥水性を付与する。アミノ基は親水性であり、水、アルコールに比較的溶けやすく、油膜になりにくい。
【0022】
本発明に使用されるアミノ変性シリコーンの動粘度としては、25℃において5〜10000mm/sの範囲であることが好ましく、10〜1000mm/sの範囲であることがより好ましい。5mm/s未満では、撥水性が十分でなく、求める性能がでない場合があり、また耐久性も不十分となる場合がある。一方、10000mm/sを超えると、ガラス面で油膜となってしまう場合がある。
【0023】
本発明に使用されるアミノ変性シリコーンのアミノ当量としては、100〜10000の範囲であることが好ましく、300〜5000の範囲であることがより好ましい。100未満では、親水性が強くなり撥水性が出にくい。一方、10000を超えると、吸着力が弱くなり、アミノ変性シリコーンがガラス面に残りにくくなる。また、このようにアミノ当量が大きすぎると、水溶性が低下し、溶媒の種類によっては液に均一に分散しにくい、ガラス面で油膜になりやすい等の不具合を生じる場合がある。
【0024】
なお、本発明に使用されるアミノ変性シリコーンとしては、単一のものでも勿論構わないが、粘度やアミノ当量の異なるものを併用することは、様々な条件のガラス面に適応し、性能のばらつきをなくすことができる点で好ましい。
【0025】
本発明に使用されるアミノ変性シリコーンの市販品としては、例えば、DC536(側鎖変性型、動粘度35mm/s、アミノ当量525)、BY16−828(側鎖変性型、動粘度120mm/s、アミノ当量3500)、BY16−853(末端変性型、動粘度30mm/s、アミノ当量650)、BY16−853B(末端変性型、動粘度80mm/s、アミノ当量2200)、BY16−857(側鎖変性型、動粘度900mm/s、アミノ当量2000)、SF8452C(側鎖変性型、動粘度700mm/s、アミノ当量6400)、SF8457C(側鎖変性型、動粘度1200mm/s、アミノ当量1800)[以上、東レ・ダウコーニング社製]、
【0026】
L656(側鎖変性型、動粘度25mm/s、アミノ当量800)、WT1250(側鎖変性型、動粘度200mm/s、アミノ当量4000)、WR1600(側鎖変性型、動粘度1000mm/s、アミノ当量1700)[以上、旭化成ワッカーシリコーン社製]、
【0027】
KF393(側鎖変性型、動粘度60mm/s、アミノ当量360側鎖変性型)、KF859(側鎖変性型、動粘度60mm/s、アミノ当量6000)、KF860(側鎖変性型、動粘度250mm/s、アミノ当量7600)、KF867(側鎖変性型、動粘度1300mm/s、アミノ当量1700)、KF876A(末端変性型、動粘度29mm/s、アミノ当量840)、KF8008(末端変性型、動粘度450mm/s、アミノ当量5700)、KF8012(末端変性型、動粘度90mm/s、アミノ当量2200)、[以上、信越化学工業社製]、
【0028】
FZ3504(側鎖変性型、動粘度70mm/s、アミノ当量1000)、FZ3508(側鎖変性型、動粘度90mm/s、アミノ当量4000)、FZ3705(側鎖変性型、動粘度230mm/s、アミノ当量4000)、FZ3707(側鎖変性型、動粘度60mm/s、アミノ当量1500)、FZ3710(側鎖変性型、動粘度1000mm/s、アミノ当量1800)、FZ3760(側鎖変性型、動粘度220mm/s、アミノ当量1500)[以上、日本ユニカー社製]、
等が挙げられる。
【0029】
本発明に使用されるアミノ変性シリコーンの添加量としては、霜取り解氷剤組成物全量に対し、0.01〜10.0質量%の範囲であることが必須であり、好ましくは0.02〜1.0質量%の範囲である。0.01質量%未満では、一度の作業でガラス面全体に撥水性を持たせるだけの量を付与することができず、10.0質量%を超えると、ガラス面で油膜になってしまうほか、ガラス面に必要以上に残存してしまう場合があり、さらに溶媒の種類によっては可溶化できず液の濁り、分離等を生じてしまう。
【0030】
<非水溶性シリコーン>
本発明に使用される非水溶性シリコーンは、既述の通り、上記アミノ変性シリコーンがガラスに吸着すると同時に非水溶性シリコーンがガラス面上に広がり薄い被膜を形成し、アミノ変性シリコーンの性能を補って、初期の撥水性を向上させる。また、解氷されて生じた水を転がり落ちやすくする、滑性の良化作用をガラス面に付与する。さらに、前記非水溶性シリコーンで形成された被膜は移行性があるため、再凍結した霜や氷をワイパー等で容易に除去することができる。
【0031】
本発明に使用される非水溶性シリコーンの添加量としては、霜取り解氷剤組成物全量に対し、0.02〜10.0質量%の範囲であることが必須であり、好ましくは0.1〜5.0質量%の範囲である。0.02質量%未満では、ガラス面を覆うだけの量に満たない他、ワイパーの鳴き、ビビリの抑制をすることができない。一方、10.0質量%を超えると、ガラス面上で油膜状になってしまうほか、ガラス面に必要以上に残存してしまう場合があり、さらに溶媒の種類によっては可溶化することができずに分離、濁りを生じてしまう。
本発明に使用される非水溶性シリコーンとしては、環状シロキサンおよびジメチルシリコーンが挙げられ、双方を混合して用いても構わない。
【0032】
A:環状シロキサン
本発明に使用される環状シロキサンは、下記一般式(3)で示される構造のものである。
【0033】
【化3】
Figure 2004059846
【0034】
上記式中、pは3〜7の整数を表す。また、両末端の*印は、それら同士が結合して環を形成していることを表す。
【0035】
当該環状シロキサンは、前記アミノ変性シリコーンと併用することで、アミノ変性シリコーンの性能を補い、初期における撥水の質の向上を図ることができ、揮発性を有し油膜になりにくい。また、蒸発潜熱が低く、再凍結防止に有利に働く。その他、非水溶性シリコーンとして説明した既述の効果が得られる。
本発明に使用される環状シロキサンは、その重合度(上記一般式(3)中のp)として、一般的に存在する3〜7のいずれのものを用いても構わない。
【0036】
本発明に使用される環状シロキサンの添加量としては、霜取り解氷剤組成物全量に対し、0.01〜10.0質量%の範囲であることが好ましく、より好ましくは0.2〜5.0質量%の範囲である。0.01質量%未満では、一度の作業でガラス面全体に当該環状シロキサンを行き渡らせることが困難となる。一方、10.0質量%を超えると、ガラス面上で油膜状になってしまう。
【0037】
B:ジメチルシリコーン
本発明に使用されるジメチルシリコーンは、上記環状シロキサンと同様にアミノ変性シリコーンの性能を補う。特に滑性を良化しワイパーのビビリ、撥水の質の向上に有効である。
【0038】
本発明に使用されるジメチルシリコーンとしては、25℃における動粘度が0.65〜100mm/sの範囲のものが好ましく、1.0〜50mm/sの範囲のものがより好ましい。0.65mm/s未満のものは実質的に存在せず、100mm/sを超えると、粘度が高くなり過ぎ、油膜になってギラツキを生じやすく、ワイパーでも除去しづらい。
【0039】
本発明に使用されるジメチルシリコーンの添加量としては、霜取り解氷剤組成物全量に対し、0.01〜10.0質量%の範囲であることが好ましく、より好ましくは0.1〜3.0質量%の範囲である。0.01質量%未満では、ガラス面を覆うだけの量に満たない他、ワイパーの鳴き、ビビリの抑制をすることができない。一方、10.0質量%を超えると、ガラス面上で油膜状になってしまうほか、溶媒の種類によっては可溶化することができずに分離、濁りを生じてしまう。
【0040】
<溶媒>
本発明において、溶媒には必須成分としてアルコールが用いられる。当該アルコールには、前記アミノ変性シリコーン、前記非水溶性シリコーン等を溶解、分散し、解氷効果を有し揮発して視界の妨げにならず、また解氷後速やかに水と混合する作用が要求される。したがって、R−OH(R:アルキル基)で表されるアルコールにおいて、Rが炭素数1〜3の範囲であるものが望ましい。
本発明に使用されるアルコールの添加量としては、霜取り解氷剤組成物全量に対し、50.0質量%以上であることが必須であり、好ましくは75.0質量%以上である。50.0質量%未満であると、解氷力不足となってしまう。
【0041】
さらに、本発明において、溶媒として水を併用することもできる。特に後述のその他の成分の中には、水溶性ではあるがアルコールに対して溶解し難いものもあり、そのような場合に溶媒として水を併用すると効果的である。
水は、既述の必須成分に対していわば増量剤的なものとなるため、あまり多すぎない方が好ましいが、上記必須成分の分量が確保される範囲内で使用する分には、性能上問題は生じない。したがって、水の添加量の上限は、有効数字を考慮すると約50質量%(100−0.01−0.02−50.0)であり、25質量%以下であることが好ましい。
【0042】
<その他の成分>
本発明の霜取り解氷剤組成物には、必要に応じて、その他の成分を添加することができる。添加可能なその他の成分としては、例えば、酸、酸化防止剤、防腐剤、防カビ剤、紫外線吸収剤、界面活性剤、着色剤、香料等を挙げることができる。これらの中でもアミノ変性シリコーン中のアミノ基と中和反応して水、アルコールヘの溶解性を高め、液の透明性を向上させ、保存時の析出、沈殿等を抑制する効果がある酸を添加することが好ましい。
【0043】
前記アミノ変性シリコーンは、保存中、劣化によりにアンモニアを発生させてアルカリ性が強くなる。すると、シリコーンのSi−O−Siの結合が切断され撥水性が低下して行く。したがって、それを避けるためにはアミノ基を酸で中和しておくことが望ましい。
【0044】
本発明の霜取り解氷剤組成物に使用可能な酸としては、アミノ基を中和できるものであれば如何なる酸でもよいが、強酸は、例えば自動車ボディの塗装面に飛散した場合悪影響を及ぼすことも考えられるため、弱酸が望ましく、特にカルボン酸が望ましい。具体的に好ましい酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、マレイン酸、シュウ酸、安息香酸、マロン酸、乳酸、グリコール酸等が挙げられる。
【0045】
本発明の霜取り解氷剤組成物に酸を添加する場合、その添加量としては、0.001〜1.0質量%の範囲であることが好ましく、より好ましくは0.002〜0.5質量%の範囲である。0.001質量%未満では、アミノ基を中和するに十分な量とは言えず添加によるメリットを享受することができない。一方、1.0質量%を超えると、酸自体が親水性であるため撥水性に悪影響を及ぼす懸念があり、また自動車ボディに付着した場合に塗装面を損傷してしまう懸念があり、好ましくない。
【0046】
なお、これら酸の中にも、水溶性ではあるがアルコールに対して溶解し難いものがあり、そのような酸を用いる場合には、それを溶解し得るだけの量の水を添加することが好ましい。
【0047】
本発明の霜取り解氷剤組成物添加可能な酸以外のその他の成分は、従来公知のものを目的に応じて適宜使用することができる。その添加量としては、上記必須成分の分量が確保される範囲内で使用すればよく、液状に影響を与えない範囲で添加することが好ましい。
【0048】
<製造方法・使用方法>
本発明の霜取り解氷剤組成物は、上記各成分を混合することで調製される。調製後の霜取り解氷剤組成物は、適当な容器に収容され霜取り解氷剤として、一般の使用に供される。
【0049】
本発明の霜取り解氷剤組成物は、霜あるいは氷の付着したガラス面に対し、液を接液させて使用する。接液の方法としては、スプレーにより吹きかける、スポンジ等で塗り広げる、直接流し掛ける等の方法が挙げられるが、広いガラス面に無駄なく均一に液を行き渡らせるためには、スプレーにより吹きかける方法が好ましい。したがって、本発明の霜取り解氷剤組成物を収容する容器としては、スプレー塗布の機構を備えるものが好ましい。スプレー塗布の機構としては、トリガータイプ(引き金を引いて霧吹き状に液を噴き出す方式)や、プッシュ式(先端にノズルが付いたパイプが、無負荷時には突出しており、これを押し込むことで霧吹き状に液を噴き出す方式)のハンドスプレーでも構わないし、密閉容器に本発明の霜取り解氷剤組成物と共に圧縮した気体を封入し、ノズルを押し込むことで圧力噴射するエアゾールタイプのスプレーでも構わない。
【0050】
<用途>
本発明の霜取り解氷剤組成物は、主として車のフロントガラス、リアウィンドウ、サイドウィンドウ等のウィンドウガラスや、サイドミラーに付着した霜や氷を解氷するのに適しているが、使用対象としてはこれに限定されるものではなく、各種乗り物、建造物、各種機器等のガラス面であっても、そこに霜や氷が付着していれば、勿論これを解氷するのに使用することができる。
【0051】
【実施例】
以下、本発明の霜取り解氷剤組成物を実施例を挙げることでより具体的に説明する。
【0052】
<霜取り解氷剤組成物の調製>
下記表1に示す各組成成分を混合し、実施例1〜9の霜取り解氷剤組成物を調製した。また、下記表2に示す各組成成分を混合し、比較例1〜4の霜取り解氷剤組成物を調製した。
【0053】
【表1】
Figure 2004059846
【0054】
【表2】
Figure 2004059846
【0055】
なお、上記表1および表2中の原料名の項目の詳細は、以下の通りである。
・DC536:東レ・ダウコーニング社製アミノ変性シリコーン、側鎖変性型、動粘度35mm/s、アミノ当量525
・IPA:イソプロピルアルコール
・KF96−5:信越化学工業社製ジメチルシリコーン(25℃における動粘度5mm/s)
・KF96−2:信越化学工業社製ジメチルシリコーン(25℃における動粘度2mm/s)
・KF96−30:信越化学工業社製ジメチルシリコーン(25℃における動粘度30mm/s)
・DC246:東レ・ダウコーニング社製環状シロキサン、6量体(一般式(3)においてp=6)
・酸化防止剤:小川香料社製BHT
【0056】
<評価試験>
得られた実施例1〜9および比較例1〜4の各霜取り解氷剤組成物を供試液として、撥水性、ワイパー潤滑性、解氷力・再凍結性、再凍結除去性および視界透明性について評価試験を行った。結果を下記表3にまとめて示す。なお、各評価試験の評価方法は以下の通りである。
【0057】
(撥水性)
研磨剤を用いて、表面の油分や汚れを除去し、水に濡れるように処理(以下、「親水処理」と称する。)したガラス板を立てかけ、供試液をトリガータイプのハンドスプレーで噴霧した後、静置し、液滴を流下させた。その後、ガラスに水を掛けて、撥水性を目視にて確認し、以下の評価基準で評価した。
○:水滴が球状のものが多い。
△:歪んだ球状のものが多い。
×:水滴が球状をなさない。
【0058】
(ワイパーの潤滑性)
車のフロントガラスを親水処理し、供試液をトリガータイプのハンドスプレーで噴霧し、液滴を流下させた。その後、フロントガラスに水を掛けながらワイパーを作動させて、ワイパーの潤滑性を目視にて確認し、以下の評価基準で評価した。
○:ワイパーの鳴き、ビビリ等が無く円滑に作動する。
×:ワイパーの鳴き、ビビリが生じる。
【0059】
(解氷力・再凍結性)
親水処理したガラス板を−10℃の恒温に設定した環境試験室に入れ、水蒸気を当てて、表面に霜ないし氷を付着させた。霜ないし氷が付着したガラス板に、供試液をトリガータイプのハンドスプレーで噴霧し、解氷力および再凍結性を目視にて確認し、以下の評価基準で評価した。
○:液を噴霧すると同時に速やかに解氷し、再び凍結することもない。
×:解氷に時間がかかり、解氷後に再び凍結する。
【0060】
(再凍結除去性)
車のフロントガラスを親水処理し、供試液をトリガータイプのハンドスプレーで噴霧し液滴を流下させた。そして、車を−10℃の恒温に設定した環境試験室に入れ水蒸気を当てて、再び霜ないし氷を強制的に付着させた。この状態で、直ぐにワイパーを作動させ、フロントガラスに付着した氷の除去性を確認し、以下の評価基準で評価した。
○:軽く動かすだけで容易に除去できる。
△:やや除去しづらい。
×:非常に除去しづらい。
【0061】
(視界透明性)
車のフロントガラスを親水処理し、供試液をトリガータイプのハンドスプレーで噴霧し、直ぐにワイパーを作動させた。その際の視界の明瞭性を、太陽の逆光の下で室内側から目視で確認し、以下の評価基準で評価した。
○:クリアな視界が得られる。
×:ガラス面に残る物があり違和感がある。
【0062】
【表3】
Figure 2004059846
【0063】
上記表3を見てもわかるように、本発明の霜取り解氷剤組成物は、全ての評価試験項目で良好であり、車のウィンドウガラスの霜取り解氷剤として、極めて高性能であることがわかる。
【0064】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、車のウィンドウガラスに代表されるガラス面に付着した霜や氷を解氷し、水分の再凍結による不具合を起こすことが無く、しかもギラツキを生じさせること無く視界をクリアに保ち、解氷と同時にガラス面の撥水処理が可能な霜取り解氷剤組成物を提供することができる。

Claims (5)

  1. 少なくとも、0.01〜10.0質量%のアミノ変性シリコーンと、0.02〜10.0質量%の非水溶性シリコーンと、50.0質量%以上のアルコールと、からなることを特徴とする霜取り解氷剤組成物。
  2. 前記非水溶性シリコーンが、環状シロキサンおよび/またはジメチルシリコーンであることを特徴とする請求項1に記載の霜取り解氷剤組成物。
  3. 前記非水溶性シリコーンが、25℃における動粘度0.65〜100mm/sのジメチルシリコーンであることを特徴とする請求項1に記載の霜取り解氷剤組成物。
  4. さらに、水を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の霜取り解氷剤組成物。
  5. さらに、0.001〜1.0質量%の酸を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1に記載の霜取り解氷剤組成物。
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