JP2004059556A - テトラアリールメタン誘導体、及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電子写真感光体、有機電界発光素子、各種有機半導体素子等の機能材料として有用なテトラアリールメタン誘導体及びその製造方法の提供。
【解決手段】下記一般式(1)で表される化合物及びそれらの製造方法。
【化1】
[式中R1−R4は非置換若しくは置換アルキル基、非置換若しくは置換アルコキシ基、ハロゲン基、シアノ基、またはニトロ基を表し、n1−n4は0−4の整数を表す。R1−R4のそれぞれは複数存在する場合同一または異なる置換基からなる。R11、R22、R33、R44、R111、R222、R333及びR444は、非置換または置換の芳香族炭化水素基、非置換または置換の複素環基を表す。また、R11とR111、R22とR222、R33とR333及びR44とR444は、それぞれ前者及び後者で非置換または置換の芳香族炭化水素の縮合した環を形成しても良い。]
【選択図】なし
【解決手段】下記一般式(1)で表される化合物及びそれらの製造方法。
【化1】
[式中R1−R4は非置換若しくは置換アルキル基、非置換若しくは置換アルコキシ基、ハロゲン基、シアノ基、またはニトロ基を表し、n1−n4は0−4の整数を表す。R1−R4のそれぞれは複数存在する場合同一または異なる置換基からなる。R11、R22、R33、R44、R111、R222、R333及びR444は、非置換または置換の芳香族炭化水素基、非置換または置換の複素環基を表す。また、R11とR111、R22とR222、R33とR333及びR44とR444は、それぞれ前者及び後者で非置換または置換の芳香族炭化水素の縮合した環を形成しても良い。]
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真感光体、有機電界発光素子、各種有機半導体素子等に使用される機能材料として、とりわけ有機電界発光素子の機能材料として有用なテトラアリールメタン誘導体及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
物質の電界発光現象を利用する電界発光素子は、液晶素子に比べて自己発光型であるために視認性が高く、ディスプレイなどに用いる場合に鮮明な表示が可能である。また完全固体素子であるために、耐衝撃性に優れる等の特徴を有しており、今後、薄型ディスプレイ,液晶ディスプレイのバックライト,あるいは平面光源などに広く用いられることが期待されている。
【0003】
現在、実用化されている電界発光素子として硫化亜鉛等の無機材料を用いた分散型電界発光素子があるが、この分散型電界発光素子は、その駆動に比較的高い交流電圧を必要とすることから駆動回路が複雑になったり、また輝度が低いなどの問題がありあまり広く実用に供されていないのが実状である。
【0004】
一方、有機材料を用いる有機電界発光素子は、1987年にC.W.Tangらによって、電子輸送性の有機蛍光材料と、正孔輸送性の有機材料を積層して、電子と正孔の両キャリヤーを、蛍光材料層中に注入して発光させる積層構成の素子が提案され、一躍脚光を浴びるところとなった。(C.W.Tang and S.A.VAN Slyke,Appl.Phys.Lett.,vol.51,pp.913〜915(1987) ;特開平63−264629号公報)。この素子では、10V以下の駆動電圧で1000cd/m2以上の発光が得られたとされており、その後この提案を発端として、周辺の活発な研究が行われるようになっている。現在では様々な材料や素子構成等が提案され、実用化に向けた研究開発が活発に行われている。
【0005】
その一方で、これまでに提案された材料を用いる有機電界発光素子には、まだ様々な問題・課題があることも事実である。いくつかの例を挙げれば、駆動状態、非駆動状態にかかわらず、保存することだけで素子の機能が劣化して発光輝度が低下したり、駆動時や非駆動時にダークスポットと呼ばれる発光しない領域が発生・成長したりする劣化が起こり、最終的には素子が短絡して破壊が起こったりする現象を挙げることができる。このような現象は、そこで用いられている材料の本質的な問題が大きいと言え、現状では実用的に寿命が充分であるとは言い難い。そのため、素子の実用に当たっては比較的短い寿命で対応可能なデバイスに限定せざるを得ない状況と言える。さらに、素子のカラー化を考えると、現状ではそれに対応できる方式、発光材料が充分には用意されていない。いずれにしても、これらの問題・課題を解決し、有機電界発光素子の広範な実用化を目指すには、そこで用いられる新たな高性能な発光材料、電荷輸送材料、電荷阻止層材料、電荷注入層材料等の新しい材料の開発が待望されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような有機電界発光素子の実状に鑑みなされたもので、低電圧で高輝度な発光、耐久性に優れた有機電界発光素子を実現させるため、発光層におけるホスト材料や正孔輸送材料等として有用なテトラアリールメタン誘導体、及びその製造方法を提供することにある。これにより、高輝度発光で高耐久な有機電界発光素子の実現に寄与しようというものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、下記一般式(1)で表される化合物が提供される。
【化4】
[但し、上記式中R1、R2、R3及びR4はそれぞれ非置換若しくは置換アルキル基、非置換若しくは置換アルコキシ基、ハロゲン基、シアノ基、またはニトロ基を表し、n1、n2、n3及びn4はそれぞれ0、1、2、3または4の整数を表す。R1、R2、R3及びR4のそれぞれは、複数存在する場合、同一置換基からなるか、または複数の異なる置換基からなる。R11、R22 、R33 、R44、R111 、R222、R333 及びR444は、それぞれ非置換若しくは置換の芳香族炭化水素基、または非置換若しくは置換の複素環基を表す。また、R11とR111、R22とR222、R33とR333及びR44とR444は、それぞれ前者及び後者で非置換または置換の芳香族炭化水素の縮合した環を形成しても良い。]
また、本発明によれば、下記一般式(2)で表される化合物と、下記一般式(3)で表される化合物とを反応させることを特徴とする、前記一般式(1)で表わされる化合物の製造方法が提供される。
【化5】
[但し、上記式中Xは塩素、臭素、またはヨウ素を表し、R1、R2、R3及びR4は非置換若しくは置換アルキル基、非置換若しくは置換アルコキシ基、ハロゲン基、シアノ基、またはニトロ基を表し、n1、n2、n3及びn4はそれぞれ0、1、2、3または4の整数を表す。R1、R2、R3及びR4のそれぞれは、複数存在する場合、同一置換基からなるか、または複数の異なる置換基からなる。]
【化6】
[但し、上記式中R10及びR100は、それぞれ非置換若しくは置換の芳香族炭化水素基、または非置換若しくは置換の複素環基を表す。また、R10とR100は共同で、非置換または置換の芳香族炭化水素の縮合した環を形成しても良い。Mは、水素、ナトリウムまたはカリウムを表す。]
【0008】
本発明による、一般式(1)で表される化合物は有機電界発光素子の構成材料として有用であり、発光層におけるホスト材料や正孔輸送材料等として優れたものである。本発明により提供されるそれら化合物、ならびにその製造方法は、高輝度発光で高耐久な有機電界発光素子の実現に大きく貢献するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の第一は、一般式(1)で表わされる化合物である。一般式(1)中R1、R2、R3及びR4はそれぞれ非置換若しくは置換アルキル基、非置換若しくは置換アルコキシ基、ハロゲン基、シアノ基、またはニトロ基を表す。前記非置換または置換アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ベンジル基、トリフルオロメチル基等を挙げることができ、非置換または置換アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、トリフルオロメトキシ基等を挙げることができる。ハロゲン基としてはフッ素基、クロル基、ブロム基、ヨウ素基が挙げられる。R1、R2、R3及びR4のそれぞれは、複数存在する場合、同一置換基からなるか、または複数の異なる置換基からなる。
【0010】
またR11、R22 、R33 、R44、R111 、R222、R333 及びR444は、それぞれ非置換若しくは置換の芳香族炭化水素基、または非置換若しくは置換の複素環基を表す。ここで、非置換または置換の芳香族炭化水素基としては、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、ベンジルフェニル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、テトラメチルフェニル基、ジエチルフェニル基、トリフルオロメチル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、ブトキシフェニル基、フェノキシフェニル基、ジメトキシフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、フルオロフェニル基、シアノフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、ニトロフェニル基、ビフェニリル基、ナフチル基等を挙げることが出来る。非置換または置換の複素環基としては、チエニル基、フリル基、ピリジル基等を挙げることが出来る。
【0011】
また、R11とR111、R22とR222、R33とR333及びR44とR444は、それぞれ前者及び後者で非置換または置換の芳香族炭化水素の縮合した環を形成しても良い。この場合、置換基−N(R11)R111、−N(R22)R222、−N(R33)R333及び−N(R44)R444の具体例としては、カルバゾール−9−イル、フェニキサジン−10−イル、フェノチアジン−10−イル、イミノスチルベン−N−イル、イミノジベンジル−N−イル等を挙げることができる。
【0012】
また、本発明の第二は一般式(1)で表わされる化合物の製造方法であり、前記一般式(2)で表わされる化合物と一般式(3)で表わされる化合物とを反応させる工程を含む。一般式(2)で表されるアリールハライドと、一般式(3)で表されるジアリールアミンまたは縮合環化合物との反応は、具体的には例えば、溶媒中、必要により触媒の存在下塩基を作用せしめることにより行なうことができる。
【0013】
この反応において、アリールハライドとジアリールアミンまたは縮合環化合物との量比は、化学量論的に等量、すなわちアリールハライド1モルに対しジアリールアミンまたは縮合環化合物4モルを基本とするが、原料コストや目的物の単離の容易さ等の経済性を考慮し、適宜変化させることができる。
【0014】
一般式(2)におけるXは、塩素、臭素、またはヨウ素であるが、反応のしやすさを考慮すると臭素、ヨウ素が好ましい。また、一般式(3)において、R10及びR100は、それぞれ一般式(1)におけるR11〜R44およびR111〜R444に対応するものであり、その具体例としてもR11〜R44およびR111〜R444について前述したものと同様のものを挙げることができる。
【0015】
反応に使用される触媒としては、銅、銅化合物、ニッケルやパラジウムなどの遷移金属、遷移金属化合物あるいはその錯体が挙げられる。具体的な例としては銅紛、塩化銅、塩化ニッケル(II)、ビス(トリフェニルフォスフィン)ニッケル(II)クロライド、[1,1’−ビス(ジフェニルフォスフィノ)フェロセン]ニッケル(II)ジクロライド、塩化パラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム(II)、ジクロロビス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム(II)、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウムクロロホルム錯体(0)、テトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム(0)及びトリ−tert−ブチルフォスフィンパラジウム等が挙げられる。触媒の使用量は、特に制限されるものではないが通常、一般式(3)で表される化合物1モルに対し、金属原子換算で0.00001〜20.0モル%である。経済性等を考慮すれば、より好ましくは一般式(3)で表される化合物1モルに対し0.001〜10.0モル%程度である。
【0016】
また、反応に使用される塩基としては、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化カリウムあるいは水酸化ナトリウム、リン酸カリウムなどの無機塩基、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、リチウム−tert−ブトキシド、ナトリウム−tert−ブトキシド、カリウム−tert−ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシド、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、ピリジンあるいはヘキサメチレンテトラミン等の有機塩基が挙げられる。その使用量は、一般式(3)で表される化合物1モルに対し、0.5〜10.0倍モルとすることができる。目的物の単離のし易さ等を考慮すれば、1.0〜3.0倍モル程度がより好ましい。
【0017】
本発明における反応は、通常不活性溶媒下で行なうことができる。反応溶媒の例としてはベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、クロルベンゼン、ニトロベンゼン等の芳香族炭化水素、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、その他アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の有機溶媒が挙げられるが、これらの中でより好ましいのは芳香族炭化水素である。
【0018】
本発明における反応は、空気を遮断した状態で行われることが好ましく、一般には常圧下、窒素やアルゴンなどの不活性ガス雰囲気下で行なうことができる。勿論、耐圧容器中、密閉系での反応も可能である。
【0019】
反応の温度としては、室温ないし約300°Cで行なうことができるが、通常約50°Cないし約200°C程度で行うことが好ましい。反応時間としては、一般に反応温度との関係で左右されることもあるが、通常30分ないし100時間程度であるが、各原料の組み合わせにより、適宜選択されるべきである。
【0020】
反応終了後、反応混合物から目的物を得るには、目的物が沈殿として析出している場合であればろ過により、目的物が溶媒に溶解している場合であれば濃縮や貧溶媒による希釈などにより粗製品を取り出し、好ましくは水洗などによって無機分を取り除いてから、カラムクロマトグラフィーや再結晶、あるいは昇華精製などの一般的な精製方法によって純粋な目的物を得ることが出来る。
【0021】
次に、本発明の一般式(1)で表される化合物の具体例を表1に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0022】
【表1】
【0023】
先にも述べた様に、本発明による一般式(1)で表される化合物は、有機電界発光素子の構成材料として有用であり、発光層におけるホスト材料や正孔輸送材料等として優れたものである。本発明により提供されるそれら化合物、ならびにその製造方法は、高輝度発光で高耐久な有機電界発光素子の実現に大きく貢献するものである。
【0024】
【実施例】
以下に本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0025】
(実施例1)
化合物番号(1)の製造例
(触媒溶液の調製)
アルゴン気流下、酢酸パラジウム0.277g、トリ(tert−ブチル)フォスフィン1.0g及びオルトキシレン61.8mlを80℃で30分間攪拌して触媒溶液を調製した。
【0026】
(化合物番号(1)の製造)
アルゴン気流下、4,4’,4’’,4’’’−テトラブロムテトラフェニルメタン1.27g、ジフェニルアミン1.49g、カリウム−tert−ブトキシド1.14g、上記の触媒溶液1ml及びオルトキシレン24mlから成る混合物を、125℃で4時間加熱攪拌した。放冷後、沈殿物を濾取し、エタノール洗浄、次いで水洗、更にエタノールで洗浄してから乾燥し、粗精物を、僅かに灰色に着色した白色の粉末として得た。この粉末を、α−メチルナフタレンから再結晶し白色の粉末状結晶1.23g(収率62%)を得た。この結晶の融点は300℃以上であった。このものの元素分析値は、炭素88.40%(化合物番号(1)としての計算値88.63%)、水素5.59%(化合物番号(1)としての計算値5.71%)、窒素5.58%((化合物番号(1)としての計算値5.66%)であった。赤外線吸収スペクトル(KBr錠剤法)では芳香環に起因する伸縮振動を1590cm−1付近に認めた。以上のことより上記で得られた化合物は化合物番号(1)であることを確認した。
【0027】
(実施例2)
化合物番号(11)の製造例
実施例1で用いたジフェニルアミンの代わりに、カルバゾールを同じモル比で用いた以外は実施例1と全く同様にして、粗精物を得た。粗精物をトルエン及びエタノールの混合溶媒により再結晶して、無色針状結晶0.89g(収率45%)を得た。この結晶の融点は312.0−313.5℃であった。このものの元素分析値は、炭素89.15%(化合物番号(11)としての計算値89.36%)、水素4.77%(化合物番号(11)としての計算値4.93%)、窒素5.66%((化合物番号(11)としての計算値5.71%)であった。赤外線吸収スペクトル(KBr錠剤法)では芳香環に起因する伸縮振動を1570cm−1付近に認め、プロトン核磁気共鳴スペクトル(溶媒CDCl3、内部標準TMS)では芳香環環プロトンをδ=6.9〜7.5ppm(48H)に認めた。以上のことより上記で得られた化合物は化合物番号(11)であることを確認した。
【0028】
(実施例3)
本発明の化合物を発光層のホスト材料として用い、図1に示す構成の有機電界発光素子を作製した。
【0029】
陽極1としてITOガラス基板を用意し、この電極上に、正孔輸送層2、発光層3、正孔阻止層4、電子輸送層5、陰極6を順次蒸着により形成して、素子を作製した。
【0030】
具体的には、先ず、ITOガラス基板、正孔輸送材料としてN,N’−ビス[4’−(N,N−ジフェニルアミノ)−4−ビフェニリル]−N,N’−ジフェニルベンジジン、発光層のホスト材料として化合物番号(11)のテトラアリールメタン誘導体、ゲスト材料としてトリス(2−フェニルピリジン)イリジウム、正孔阻止材料として2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(バソクプロイン)、電子輸送材料としてトリス(8−ヒドロキシキノリノ)アルミニウム(Alq)を真空蒸着装置にセットし、10−4Paまで排気した。次にITOガラス基板の電極上に、N,N’−ビス[4’−(N,N−ジフェニルアミノ)−4−ビフェニリル]−N,N’−ジフェニルベンジジンを0.1〜0.5nm/秒の蒸着速度で蒸着し、正孔輸送層を50nm形成した。
【0031】
次いで、化合物番号(11)のテトラアリールメタン誘導体とトリス(2−フェニルピリジン)イリジウムを同時に蒸着し、発光層を25nm形成した。テトラアリールメタン誘導体に対するトリス(2−フェニルピリジン)イリジウムの濃度は5%とした。続いて2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリンを0.1〜0.5nm/秒の蒸着速度で蒸着し、正孔阻止層を20nm形成した。続いてAlqを0.1nm/秒の速度で蒸着し、膜厚5nmの電子輸送層を形成した。さらにアルミニウム/リチウム電極(以下Al/Li電極と略記する)の蒸着を0.5nm/秒の速度で行い、その厚さを150nmとした。これらの蒸着はいずれも真空を破らずに連続して行い、また膜厚は水晶振動子によってモニターすることにより制御した。素子作製後、直ちに乾燥窒素中で電極の取り出しを行い、有機電界発光素子を作成した。
【0032】
この様にして作成した素子に、電圧を印加したところ、均一な緑色の発光が得られた。
【0033】
【発明の効果】
上述のように、本発明の化合物を用いた有機電界発光素子は、発光特性に優れ、且つ、安定性にも優れた長寿命の素子である。従って、本発明の化合物ならびにそれらの製造方法は、工業的に極めて重要なものであると言える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化合物を用いた有機電界発光素子を示す断面図である。
【符号の説明】
1 陽極
2 正孔輸送層
3 発光層
4 正孔阻止層
5 電子輸送層
6 陰極
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真感光体、有機電界発光素子、各種有機半導体素子等に使用される機能材料として、とりわけ有機電界発光素子の機能材料として有用なテトラアリールメタン誘導体及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
物質の電界発光現象を利用する電界発光素子は、液晶素子に比べて自己発光型であるために視認性が高く、ディスプレイなどに用いる場合に鮮明な表示が可能である。また完全固体素子であるために、耐衝撃性に優れる等の特徴を有しており、今後、薄型ディスプレイ,液晶ディスプレイのバックライト,あるいは平面光源などに広く用いられることが期待されている。
【0003】
現在、実用化されている電界発光素子として硫化亜鉛等の無機材料を用いた分散型電界発光素子があるが、この分散型電界発光素子は、その駆動に比較的高い交流電圧を必要とすることから駆動回路が複雑になったり、また輝度が低いなどの問題がありあまり広く実用に供されていないのが実状である。
【0004】
一方、有機材料を用いる有機電界発光素子は、1987年にC.W.Tangらによって、電子輸送性の有機蛍光材料と、正孔輸送性の有機材料を積層して、電子と正孔の両キャリヤーを、蛍光材料層中に注入して発光させる積層構成の素子が提案され、一躍脚光を浴びるところとなった。(C.W.Tang and S.A.VAN Slyke,Appl.Phys.Lett.,vol.51,pp.913〜915(1987) ;特開平63−264629号公報)。この素子では、10V以下の駆動電圧で1000cd/m2以上の発光が得られたとされており、その後この提案を発端として、周辺の活発な研究が行われるようになっている。現在では様々な材料や素子構成等が提案され、実用化に向けた研究開発が活発に行われている。
【0005】
その一方で、これまでに提案された材料を用いる有機電界発光素子には、まだ様々な問題・課題があることも事実である。いくつかの例を挙げれば、駆動状態、非駆動状態にかかわらず、保存することだけで素子の機能が劣化して発光輝度が低下したり、駆動時や非駆動時にダークスポットと呼ばれる発光しない領域が発生・成長したりする劣化が起こり、最終的には素子が短絡して破壊が起こったりする現象を挙げることができる。このような現象は、そこで用いられている材料の本質的な問題が大きいと言え、現状では実用的に寿命が充分であるとは言い難い。そのため、素子の実用に当たっては比較的短い寿命で対応可能なデバイスに限定せざるを得ない状況と言える。さらに、素子のカラー化を考えると、現状ではそれに対応できる方式、発光材料が充分には用意されていない。いずれにしても、これらの問題・課題を解決し、有機電界発光素子の広範な実用化を目指すには、そこで用いられる新たな高性能な発光材料、電荷輸送材料、電荷阻止層材料、電荷注入層材料等の新しい材料の開発が待望されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような有機電界発光素子の実状に鑑みなされたもので、低電圧で高輝度な発光、耐久性に優れた有機電界発光素子を実現させるため、発光層におけるホスト材料や正孔輸送材料等として有用なテトラアリールメタン誘導体、及びその製造方法を提供することにある。これにより、高輝度発光で高耐久な有機電界発光素子の実現に寄与しようというものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、下記一般式(1)で表される化合物が提供される。
【化4】
[但し、上記式中R1、R2、R3及びR4はそれぞれ非置換若しくは置換アルキル基、非置換若しくは置換アルコキシ基、ハロゲン基、シアノ基、またはニトロ基を表し、n1、n2、n3及びn4はそれぞれ0、1、2、3または4の整数を表す。R1、R2、R3及びR4のそれぞれは、複数存在する場合、同一置換基からなるか、または複数の異なる置換基からなる。R11、R22 、R33 、R44、R111 、R222、R333 及びR444は、それぞれ非置換若しくは置換の芳香族炭化水素基、または非置換若しくは置換の複素環基を表す。また、R11とR111、R22とR222、R33とR333及びR44とR444は、それぞれ前者及び後者で非置換または置換の芳香族炭化水素の縮合した環を形成しても良い。]
また、本発明によれば、下記一般式(2)で表される化合物と、下記一般式(3)で表される化合物とを反応させることを特徴とする、前記一般式(1)で表わされる化合物の製造方法が提供される。
【化5】
[但し、上記式中Xは塩素、臭素、またはヨウ素を表し、R1、R2、R3及びR4は非置換若しくは置換アルキル基、非置換若しくは置換アルコキシ基、ハロゲン基、シアノ基、またはニトロ基を表し、n1、n2、n3及びn4はそれぞれ0、1、2、3または4の整数を表す。R1、R2、R3及びR4のそれぞれは、複数存在する場合、同一置換基からなるか、または複数の異なる置換基からなる。]
【化6】
[但し、上記式中R10及びR100は、それぞれ非置換若しくは置換の芳香族炭化水素基、または非置換若しくは置換の複素環基を表す。また、R10とR100は共同で、非置換または置換の芳香族炭化水素の縮合した環を形成しても良い。Mは、水素、ナトリウムまたはカリウムを表す。]
【0008】
本発明による、一般式(1)で表される化合物は有機電界発光素子の構成材料として有用であり、発光層におけるホスト材料や正孔輸送材料等として優れたものである。本発明により提供されるそれら化合物、ならびにその製造方法は、高輝度発光で高耐久な有機電界発光素子の実現に大きく貢献するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の第一は、一般式(1)で表わされる化合物である。一般式(1)中R1、R2、R3及びR4はそれぞれ非置換若しくは置換アルキル基、非置換若しくは置換アルコキシ基、ハロゲン基、シアノ基、またはニトロ基を表す。前記非置換または置換アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ベンジル基、トリフルオロメチル基等を挙げることができ、非置換または置換アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、トリフルオロメトキシ基等を挙げることができる。ハロゲン基としてはフッ素基、クロル基、ブロム基、ヨウ素基が挙げられる。R1、R2、R3及びR4のそれぞれは、複数存在する場合、同一置換基からなるか、または複数の異なる置換基からなる。
【0010】
またR11、R22 、R33 、R44、R111 、R222、R333 及びR444は、それぞれ非置換若しくは置換の芳香族炭化水素基、または非置換若しくは置換の複素環基を表す。ここで、非置換または置換の芳香族炭化水素基としては、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、ベンジルフェニル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、テトラメチルフェニル基、ジエチルフェニル基、トリフルオロメチル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、ブトキシフェニル基、フェノキシフェニル基、ジメトキシフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、フルオロフェニル基、シアノフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、ニトロフェニル基、ビフェニリル基、ナフチル基等を挙げることが出来る。非置換または置換の複素環基としては、チエニル基、フリル基、ピリジル基等を挙げることが出来る。
【0011】
また、R11とR111、R22とR222、R33とR333及びR44とR444は、それぞれ前者及び後者で非置換または置換の芳香族炭化水素の縮合した環を形成しても良い。この場合、置換基−N(R11)R111、−N(R22)R222、−N(R33)R333及び−N(R44)R444の具体例としては、カルバゾール−9−イル、フェニキサジン−10−イル、フェノチアジン−10−イル、イミノスチルベン−N−イル、イミノジベンジル−N−イル等を挙げることができる。
【0012】
また、本発明の第二は一般式(1)で表わされる化合物の製造方法であり、前記一般式(2)で表わされる化合物と一般式(3)で表わされる化合物とを反応させる工程を含む。一般式(2)で表されるアリールハライドと、一般式(3)で表されるジアリールアミンまたは縮合環化合物との反応は、具体的には例えば、溶媒中、必要により触媒の存在下塩基を作用せしめることにより行なうことができる。
【0013】
この反応において、アリールハライドとジアリールアミンまたは縮合環化合物との量比は、化学量論的に等量、すなわちアリールハライド1モルに対しジアリールアミンまたは縮合環化合物4モルを基本とするが、原料コストや目的物の単離の容易さ等の経済性を考慮し、適宜変化させることができる。
【0014】
一般式(2)におけるXは、塩素、臭素、またはヨウ素であるが、反応のしやすさを考慮すると臭素、ヨウ素が好ましい。また、一般式(3)において、R10及びR100は、それぞれ一般式(1)におけるR11〜R44およびR111〜R444に対応するものであり、その具体例としてもR11〜R44およびR111〜R444について前述したものと同様のものを挙げることができる。
【0015】
反応に使用される触媒としては、銅、銅化合物、ニッケルやパラジウムなどの遷移金属、遷移金属化合物あるいはその錯体が挙げられる。具体的な例としては銅紛、塩化銅、塩化ニッケル(II)、ビス(トリフェニルフォスフィン)ニッケル(II)クロライド、[1,1’−ビス(ジフェニルフォスフィノ)フェロセン]ニッケル(II)ジクロライド、塩化パラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム(II)、ジクロロビス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム(II)、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウムクロロホルム錯体(0)、テトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム(0)及びトリ−tert−ブチルフォスフィンパラジウム等が挙げられる。触媒の使用量は、特に制限されるものではないが通常、一般式(3)で表される化合物1モルに対し、金属原子換算で0.00001〜20.0モル%である。経済性等を考慮すれば、より好ましくは一般式(3)で表される化合物1モルに対し0.001〜10.0モル%程度である。
【0016】
また、反応に使用される塩基としては、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化カリウムあるいは水酸化ナトリウム、リン酸カリウムなどの無機塩基、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、リチウム−tert−ブトキシド、ナトリウム−tert−ブトキシド、カリウム−tert−ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシド、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、ピリジンあるいはヘキサメチレンテトラミン等の有機塩基が挙げられる。その使用量は、一般式(3)で表される化合物1モルに対し、0.5〜10.0倍モルとすることができる。目的物の単離のし易さ等を考慮すれば、1.0〜3.0倍モル程度がより好ましい。
【0017】
本発明における反応は、通常不活性溶媒下で行なうことができる。反応溶媒の例としてはベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、クロルベンゼン、ニトロベンゼン等の芳香族炭化水素、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、その他アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の有機溶媒が挙げられるが、これらの中でより好ましいのは芳香族炭化水素である。
【0018】
本発明における反応は、空気を遮断した状態で行われることが好ましく、一般には常圧下、窒素やアルゴンなどの不活性ガス雰囲気下で行なうことができる。勿論、耐圧容器中、密閉系での反応も可能である。
【0019】
反応の温度としては、室温ないし約300°Cで行なうことができるが、通常約50°Cないし約200°C程度で行うことが好ましい。反応時間としては、一般に反応温度との関係で左右されることもあるが、通常30分ないし100時間程度であるが、各原料の組み合わせにより、適宜選択されるべきである。
【0020】
反応終了後、反応混合物から目的物を得るには、目的物が沈殿として析出している場合であればろ過により、目的物が溶媒に溶解している場合であれば濃縮や貧溶媒による希釈などにより粗製品を取り出し、好ましくは水洗などによって無機分を取り除いてから、カラムクロマトグラフィーや再結晶、あるいは昇華精製などの一般的な精製方法によって純粋な目的物を得ることが出来る。
【0021】
次に、本発明の一般式(1)で表される化合物の具体例を表1に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0022】
【表1】
【0023】
先にも述べた様に、本発明による一般式(1)で表される化合物は、有機電界発光素子の構成材料として有用であり、発光層におけるホスト材料や正孔輸送材料等として優れたものである。本発明により提供されるそれら化合物、ならびにその製造方法は、高輝度発光で高耐久な有機電界発光素子の実現に大きく貢献するものである。
【0024】
【実施例】
以下に本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0025】
(実施例1)
化合物番号(1)の製造例
(触媒溶液の調製)
アルゴン気流下、酢酸パラジウム0.277g、トリ(tert−ブチル)フォスフィン1.0g及びオルトキシレン61.8mlを80℃で30分間攪拌して触媒溶液を調製した。
【0026】
(化合物番号(1)の製造)
アルゴン気流下、4,4’,4’’,4’’’−テトラブロムテトラフェニルメタン1.27g、ジフェニルアミン1.49g、カリウム−tert−ブトキシド1.14g、上記の触媒溶液1ml及びオルトキシレン24mlから成る混合物を、125℃で4時間加熱攪拌した。放冷後、沈殿物を濾取し、エタノール洗浄、次いで水洗、更にエタノールで洗浄してから乾燥し、粗精物を、僅かに灰色に着色した白色の粉末として得た。この粉末を、α−メチルナフタレンから再結晶し白色の粉末状結晶1.23g(収率62%)を得た。この結晶の融点は300℃以上であった。このものの元素分析値は、炭素88.40%(化合物番号(1)としての計算値88.63%)、水素5.59%(化合物番号(1)としての計算値5.71%)、窒素5.58%((化合物番号(1)としての計算値5.66%)であった。赤外線吸収スペクトル(KBr錠剤法)では芳香環に起因する伸縮振動を1590cm−1付近に認めた。以上のことより上記で得られた化合物は化合物番号(1)であることを確認した。
【0027】
(実施例2)
化合物番号(11)の製造例
実施例1で用いたジフェニルアミンの代わりに、カルバゾールを同じモル比で用いた以外は実施例1と全く同様にして、粗精物を得た。粗精物をトルエン及びエタノールの混合溶媒により再結晶して、無色針状結晶0.89g(収率45%)を得た。この結晶の融点は312.0−313.5℃であった。このものの元素分析値は、炭素89.15%(化合物番号(11)としての計算値89.36%)、水素4.77%(化合物番号(11)としての計算値4.93%)、窒素5.66%((化合物番号(11)としての計算値5.71%)であった。赤外線吸収スペクトル(KBr錠剤法)では芳香環に起因する伸縮振動を1570cm−1付近に認め、プロトン核磁気共鳴スペクトル(溶媒CDCl3、内部標準TMS)では芳香環環プロトンをδ=6.9〜7.5ppm(48H)に認めた。以上のことより上記で得られた化合物は化合物番号(11)であることを確認した。
【0028】
(実施例3)
本発明の化合物を発光層のホスト材料として用い、図1に示す構成の有機電界発光素子を作製した。
【0029】
陽極1としてITOガラス基板を用意し、この電極上に、正孔輸送層2、発光層3、正孔阻止層4、電子輸送層5、陰極6を順次蒸着により形成して、素子を作製した。
【0030】
具体的には、先ず、ITOガラス基板、正孔輸送材料としてN,N’−ビス[4’−(N,N−ジフェニルアミノ)−4−ビフェニリル]−N,N’−ジフェニルベンジジン、発光層のホスト材料として化合物番号(11)のテトラアリールメタン誘導体、ゲスト材料としてトリス(2−フェニルピリジン)イリジウム、正孔阻止材料として2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(バソクプロイン)、電子輸送材料としてトリス(8−ヒドロキシキノリノ)アルミニウム(Alq)を真空蒸着装置にセットし、10−4Paまで排気した。次にITOガラス基板の電極上に、N,N’−ビス[4’−(N,N−ジフェニルアミノ)−4−ビフェニリル]−N,N’−ジフェニルベンジジンを0.1〜0.5nm/秒の蒸着速度で蒸着し、正孔輸送層を50nm形成した。
【0031】
次いで、化合物番号(11)のテトラアリールメタン誘導体とトリス(2−フェニルピリジン)イリジウムを同時に蒸着し、発光層を25nm形成した。テトラアリールメタン誘導体に対するトリス(2−フェニルピリジン)イリジウムの濃度は5%とした。続いて2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリンを0.1〜0.5nm/秒の蒸着速度で蒸着し、正孔阻止層を20nm形成した。続いてAlqを0.1nm/秒の速度で蒸着し、膜厚5nmの電子輸送層を形成した。さらにアルミニウム/リチウム電極(以下Al/Li電極と略記する)の蒸着を0.5nm/秒の速度で行い、その厚さを150nmとした。これらの蒸着はいずれも真空を破らずに連続して行い、また膜厚は水晶振動子によってモニターすることにより制御した。素子作製後、直ちに乾燥窒素中で電極の取り出しを行い、有機電界発光素子を作成した。
【0032】
この様にして作成した素子に、電圧を印加したところ、均一な緑色の発光が得られた。
【0033】
【発明の効果】
上述のように、本発明の化合物を用いた有機電界発光素子は、発光特性に優れ、且つ、安定性にも優れた長寿命の素子である。従って、本発明の化合物ならびにそれらの製造方法は、工業的に極めて重要なものであると言える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化合物を用いた有機電界発光素子を示す断面図である。
【符号の説明】
1 陽極
2 正孔輸送層
3 発光層
4 正孔阻止層
5 電子輸送層
6 陰極
Claims (2)
- 下記一般式(1)で表される化合物。
- 下記一般式(2)で表される化合物と、下記一般式(3)で表される化合物とを反応させることを特徴とする、請求項1記載化合物の製造方法。
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