JP2004058808A - 車両用シート構造 - Google Patents
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Abstract
【目的】構成の複雑化等を伴うことなく、着座者尻部のサブマリン移動を適切に阻止可能とする。
【構成】サブマリン規制部材12の水平バー24が、その支持アーム22の回動支点28の後方側を略上下方向に移動可能に配置されるとともに、ばね部材34から付与された付勢力による支持アームの回動のもとで、この水平バーがその上方に付勢されている。そして、サブマリン規制部材12に対する保持手段38のロック作用のもとで、水平バー24をその保持位置に固定的に保持し、この保持手段にロック解除動作を呈させる解除バー54にサブマリン荷重が入力したとき、サブマリン規制部材に対する保持手段のロック解除を可能とする。
【選択図】 図1
【構成】サブマリン規制部材12の水平バー24が、その支持アーム22の回動支点28の後方側を略上下方向に移動可能に配置されるとともに、ばね部材34から付与された付勢力による支持アームの回動のもとで、この水平バーがその上方に付勢されている。そして、サブマリン規制部材12に対する保持手段38のロック作用のもとで、水平バー24をその保持位置に固定的に保持し、この保持手段にロック解除動作を呈させる解除バー54にサブマリン荷重が入力したとき、サブマリン規制部材に対する保持手段のロック解除を可能とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、急減速時、あるいは急停車時等に生じる着座者尻部のサブマリン移動を適切に阻止可能とする車両用シート構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車等の急減速、あるいは急停車時、着座者はその慣性力のもとで前方に移動しようとする。このような、人体の前方移動は、着座者の上体を適宜拘束するシートベルトによって通常は阻止されるが、尻部がシートクッションに沈み込みながら前方に移動する尻滑り現象、いわゆるサブマリン現象に対しては、このシートベルトが有効的に機能しない虞れのあることも指摘されている。
【0003】
そこで、このようなサブマリン現象、つまり着座者尻部のサブマリン移動を阻止する構成として、たとえば、特開平05−238297号公報、特開2001−146127号公報、および特開平07−81466号公報等が開示、提供されている。
【0004】
特開平05−238297号公報に開示された構成においては、シートクッションが、着座位置、つまりは尻部の位置の変位量を検出する検出手段を持っている。そして、この検出手段を上方位置に付勢支持するばね部材(圧縮コイルスプリング)の付勢力に抗してこの検出手段が下方に押し込まれたとき、その押し込み量に応じた量だけ、着座者尻部のサブマリン移動を規制する規制部材を上方に移動させるものとしている。
【0005】
また、特開2001−146127号公報に開示された構成においては、着座者尻部のサブマリン移動を規制する規制部材が、その上下移動のみを可能にシートクッションに配されるとともに、付勢手段が、この規制部材を上方に付勢可能に配されている。
【0006】
さらに、特開平07−81466号公報に開示された構成においては、着座者尻部のサブマリン移動を規制する規制部材が、駆動部材となるエアバッグの膨張によって上方に移動可能に、シートクッション内に配設されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前出の特開平05−238297号公報に開示された構成においては、規制部材が検出手段に連動して上下移動されるため、検出手段を押し込む力が弱まると、規制部材も自ずと下方に移動されることになる。つまり、着座者尻部のサブマリン移動のもとで規制部材が瞬間的に上がっても、その上昇位置の継続は着座者から付与される荷重の大小に依存されることになるため、着座者からの荷重伝達状況によっては、この規制部材によるサブマリン移動規制が十分でなくなる虞れがある。
【0008】
また、当該公報に開示されたアーム揺動型の構成においては、上下移動する規制部材が、そのアームの回動支点の前方位置にあるため、着座者尻部のサブマリン移動による荷重が規制部材に作用すると、その荷重は規制部材を下方に押し下げる力として作用する虞れがある。さらに、当該公報に開示された直線移動型の構成であっても、規制部材は前方下部から後方上部に移動するものであり、着座者尻部のサブマリン移動方向と規制部材の復帰方向とが一致することから、この公知の構成は、この点からも、サブマリン移動阻止の確実性の低下を招きやすい。
【0009】
また、前出の特開2001−146127号公報に開示の構成では、規制部材が着座者からの荷重の作用のもとで下方に押し込まれるものであるため、この押し込む力が激減しないと、その上昇は期待できない。つまり、着座者からの荷重が規制部材に付与された状態で着座者尻部のサブマリン移動が発生すると、着座者尻部は、この規制部材を押し込んだままその前方に移動することも考えられるため、この公知の構成においては、作動の確実性が低下する虞れが否定できない。
【0010】
なお、規制部材を上方に押し上げる付勢力を増大化することも考えられる。しかし、このような付勢力の増大化は、この付勢力に抗した規制部材の下降を困難にする虞れを持っているため、着座者の快適性の低下を招くことも否定できない。
【0011】
ここで、これら上記の公知の構成に対し、前出の特開平07−81466号公報に開示された構成では、規制部材となる板材が、衝撃等の検出に伴ったエアバッグの膨張によって後傾し、それに伴ったシートクッション前部の持ち上げ、保持により、着座者尻部のサブマリン移動を阻止しようとするものであるため、その作動の確実性、および機能性は十分に高く得られるものとなっている。
【0012】
しかし、急減速、あるいは急停車等を検出するセンサや、エアバッグを膨張させるためのインフレータ等の駆動手段が必要であるため、その構成の複雑化に伴ったコストの増加が避けられず、またこれら構成部材に起因するシートの重量増加も避けられない。
【0013】
この発明は、構成の複雑化等を伴うことなく、着座者尻部のサブマリン移動を適切に阻止可能とした、その機能性、実用性に優れた車両用シート構造の提供を目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、請求項1に示すこの発明の車両用シート構造においては、サブマリン規制部材が、一端部に回動支点を有する左右一対の支持アームと、シートクッションの左右幅方向に延びた水平バーとの組み合わせとしてなる正面略門型に形成され、シートクッション基部材に対する支持アームの回動支点の後方側を略上下方向に移動可能に、その水平バーが配置されるとともに、ばね部材から付与された付勢力による支持アームの回動のもとで、この水平バーがその上方に付勢されている。
【0015】
そして、サブマリン規制部材に対する保持手段のロック作用のもとで、水平バーを、その移動範囲の下限位置として規定された保持位置に固定的に保持し、この保持手段にロック解除動作を呈させる解除手段に、着座者尻部のサブマリン移動によるサブマリン荷重が入力したとき、サブマリン規制部材に対する保持手段のロック解除により、サブマリン規制部材の水平バーを、水平バーの移動範囲の上限位置として規定された、サブマリン軌道上の規制位置に、少なくともばね部材の付勢力のもとで強制的に移動、保持させるものとして、この発明の車両用シート構造は構成されている。
【0016】
また、この発明の請求項2においては、ばね部材が、水平バーの左右ほぼ中間位置と、支持アームの回動支点より前方に設けられたシートクッション基部材の係止片との間に架設、張設された引張コイルばねとして具体化されている。そして、そのシートクッション基部材の係止片を、水平バーの下部位置においても引張コイルばねの軸心が支持アームの回動支点を下方に越えることのない係止点を持つものとして形成するものとしている。
【0017】
さらに、この発明の請求項3においては、左右一対のロックアームが、シートクッション基部材におけるその支点の枢支のもとで、シーソー状に揺動自在に配され、その少なくともいずれか一方の前端部に、保持位置でのサブマリン規制部材の一部に係合可能なフック片を設けるとともに、フック片の係合方向への付勢力をロックばねからこのロックアームに付与することによって、これを保持手段としている。そして、左右のロックアームの後端部間に、解除手段となる、シートクッションの左右幅方向に延びた解除バーを架設、固定し、この解除バーに、ロックばねの付勢力に抗するサブマリン荷重が入力したとき、この解除バーの略下方移動によるロックアームの回動により、サブマリン規制部材に対する保持手段のロックを解除可能としている。
【0018】
そして、この発明の請求項4においては、サブマリン規制部材の左右の支持アームを、その外側面の中間位置に突設された係合ピンをそれぞれ持つものとし、左右のロックアームの双方に、この係合ピンに係合可能なフック片をそれぞれ設けている。
【0019】
また、この発明の請求項5においては、解除手段が、シートクッションの左右幅方向に延びた解除バーとされ、この解除バーを、シートクッション基部材に設けた、略前後方向に延びる左右一対のガイド孔間での架設支持により、前後移動可能に配設するとともに、サブマリン規制部材の一部とこの解除バーとの間に、相互間を連動させるリンクアームが架設枢着されている。そして、解除バーをガイド孔後端部に係止保持する幅狭部を、このガイド孔の一部に規定することにより、これを保持手段とし、解除バーに、幅狭部の抵抗力に抗するサブマリン荷重が入力したとき、この解除バーによる幅狭部の損壊のもとで、サブマリン規制部材に対する保持手段のロックを解除可能とするものとしている。
【0020】
さらに、この発明の請求項6においては、リンクアームのサブマリン規制部材側端部を、サブマリン規制部材の支持アーム中間位置に枢支ピンにより枢着したものとして具体化している。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながらこの発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0022】
図1、図2に示すように、この発明に係る車両用シート構造10においては、着座者尻部のサブマリン移動を阻止可能とするサブマリン規制部材12が、シートクッション14の前部に内設されている。
【0023】
図1におけるシートクッション14の前部は、その左方部であり、図示のように、この左方(前方)半部内に、サブマリン規制部材12は内設されている。
【0024】
なお、図1、図2に示すように、この発明の実施の形態においては、シートクッション14が、鋼板の折曲成形等によりなるパンフレーム16の上部に、弾性体であるシートパッド18を配し、さらにこれをトリムカバー20で被装してなるものとして具体化されている。そして、そのパンフレーム16を、シートクッション基部材として、この実施の形態においては具体化する。
【0025】
ここで、図1、および図2を見るとわかるように、この発明においては、サブマリン規制部材12が、一端部に回動支点を有する左右一対の支持アーム22と、シートクッション14の左右幅方向に延びた水平バー24との組み合わせとしてなる正面略門型に形成されている。そして、シートクッション基部材、つまりパンフレーム16の左右側壁16aに対する、枢支ピン、たとえば固定ナット26に螺着される段付ボルト28での枢支により、この支持アーム22の一端部が回動支点として規定されるとともに、この回動支点を中心とした支持アーム22の回動のもとで略上下方向に移動可能に、サブマリン規制部材の水平バー24が、この回動支点の後方側、つまり図中右方側に配置されている。
【0026】
なお、図1に加えて図3を見るとわかるように、水平バー24としては、断面略円形のロッドが例示でき、その移動範囲は、左右の支持アーム22との係合の可能な、たとえばパンフレームの左右側壁16aに突設された上昇ストッパ30、および下降ストッパ32により規定されている。そして、図3に示す、上昇ストッパ30により限定される上限位置が、着座者尻部のサブマリン移動を阻止する、そのサブマリン軌道上に整列する規制位置として、また、後述のように、図1に示す、下降ストッパ32により限定される下限位置が、通常時に保持される保持位置として、この発明においてはそれぞれ規定されている。
【0027】
ここで、この発明においては、このサブマリン規制部材の水平バー24が、ばね部材34から付与された付勢力による支持アーム22の回動のもとで上方、つまりは規制位置(上限位置)方向に付勢されている。
【0028】
図1、図2に示すように、ばね部材34として、たとえば、水平バー24の左右ほぼ中間位置と、支持アーム22の回動支点(段付ボルト)28より前方(図中左方)に設けられた、パンフレーム16の底壁16bの部分的な切り起こしによりなる係止片36との間に架設、張設された引張コイルばねが例示できる。
【0029】
なお、係止片36に対する引張コイルばね(ばね部材)34の係止点は、図1に示すように、水平バー24の下部位置においても引張コイルばねの軸心が支持アームの段付ボルト28を下方に越えることのない位置(高さ)に設定される。このような構成によれば、水平バー24のいずれの位置においても、引張コイルばね34からの付勢力が、水平バーを上方に付勢する付勢力として常時作用可能となる。
【0030】
そして、この発明においては、サブマリン規制部材12に対する保持手段38のロック作用のもとで、水平バー24を、その移動範囲の下限位置として規定された保持位置に固定的に保持可能としている。
【0031】
図1、および図2を見るとわかるように、この実施の一形態においては、たとえば、左右一対のロックアーム40が、パンフレームの左右側壁16aにおけるその支点42の枢支のもとで、シーソー状に揺動自在に配されている。そして、このロックアーム40の前端部(図中左端部)に、保持位置でのサブマリン規制部材12の一部、たとえば支持アーム22の外側面に突設された係合ピン44に係合可能なフック片46を設けるとともに、このフック片の係合方向への付勢力をロックばね48からロックアームに付与することによって、これを保持手段38としている。
【0032】
ロックアームの支点42は、たとえばその外側面に一体に突設された段付枢支ピンであり、たとえば、ロックばね48となるねじりばねが、この枢支ピンの大径段部42aに巻装されている。そして、このロックばね(ねじりばね)48は、図中時計方向への回動力をロックアーム40に付勢可能に、一端48aをパンフレームの左右側壁16aに、またその他端48bをロックアームの支点後方側の下面に、それぞれ係止することで配設されている。
【0033】
なお、図2の参照符号50は、ロックばねの一端48aの挿入、係止される係止孔を、また、参照符号52は、ロックアームの段付枢支ピン(支点)42の挿入される挿通孔を、それぞれ示し、そのいずれもが、パンフレームの左右側壁16aに形成されている。
【0034】
そして、この発明の実施の形態においては、左右のロックアーム40の後端部間に、解除手段となる、シートクッション14の左右幅方向に延びた解除バー54が架設、固定されている。
【0035】
この解除バー(解除手段)54としては、たとえば、断面略円形の中空ロッドが例示できる。
【0036】
なお、図1を見るとわかるように、サブマリン規制部材12、および保持手段38を収容可能とする凹部56が、シートパッド18の対応個所に形成されている。このように、これらをシートパッドの凹部56内に収容すれば、シートパッドに妨げられることのない各部材の作動が容易に確保可能となる。
【0037】
図1を見るとわかるように、通常時、サブマリン規制部材12は、保持手段38によるロック、つまり係合ピン44に対するフック片46の係合のもとで、下降ストッパ32への支持アーム22の係合により規定された水平バー24の下限位置に固定的に保持されている。
【0038】
このような、下限位置への水平バー24の保持状態においては、着座者の通常の着座状態であれば、この水平バーに接触する位置まで着座者の尻部、あるいは大腿部が沈み込むこともないため、シートクッション14におけるクッション性は十分に確保でき、その快適性は損なわれない。
【0039】
このような通常時に、車両の急減速、急停車等によって着座者尻部のサブマリン移動が生じ、そのサブマリン移動のもとで解除バー(解除部材)54にサブマリン荷重が入力すると、この解除バーは、着座者尻部から作用するこのサブマリン荷重のもとで、ロックばね48の付勢力に抗して押し下げられるため、これに伴ったロックアーム40の回動、そしてそれによる係合ピン44からのフック片46の離反によって、サブマリン規制部材12に対する保持手段38のロックは、図3に示すように解除される。
【0040】
そして、この保持手段38によるロックが解除されると、サブマリン規制部材の水平バー24は、ばね部材34の付勢力のもとでその上方に付勢され、その付勢力により、支持アーム22を上昇ストッパ30に圧接させるため、この水平バーは、ばね部材の付勢力のもとで、規制位置となる、サブマリン軌道上の上部位置に継続保持される。
【0041】
水平バー24が、図3に示す規制位置に付勢、保持されると、サブマリン移動を開始した着座者の尻部は、この水平バーによって移動規制される。つまり、着座者尻部のサブマリン移動は、規制位置の水平バー24によって確実に阻止可能となる。
【0042】
上記のように、この発明の車両用シート構造10においては、移動範囲の下限位置として規定された保持位置に、サブマリン規制部材の水平バー24を固定的に保持し、着座者尻部のサブマリン移動の発生によって、この水平バーを上方の規制位置に付勢、保持するため、通常時、この水平バーから着座者に違和感等を与えることはなく、よってそのクッション性、つまり着座感は十分に高く確保される。
【0043】
そして、水平バー24が、その前方側にある回動支点28を中心とした支持アーム22の前方起立回動のもとで、規制位置まで上昇されるとともに、上昇ストッパ30に対する支持アームの回動規制のもとで、それ以降の支持アームの回動、つまり水平バーの上昇が規制されるため、この水平バーによれば、着座者尻部のサブマリン移動を高い剛性のもとで確実に阻止することが可能となる。従って、この発明によれば、着座者尻部に対するサブマリン阻止の確実性が向上される。
【0044】
さらに、着座者尻部のサブマリン移動によるサブマリン荷重を解除バー54が瞬間的にでも受ければ、ロックアーム40の回動に伴ったロック解除により、水平バー24が規制位置に付勢、保持され、また、一旦水平バーが規制位置まで上昇すれば、この水平バーはその位置に継続して保持されるため、その作動の確実性、および機能性が確実に向上される。
【0045】
また、インフレータ等の駆動手段を用いる必要がないため、その重量化が確実に防止できる。そして、正面略門型のサブマリン規制部材12をばね部材34の付勢力のもとで上方に付勢、保持可能とするとともに、このサブマリン規制部材を、フック46、および解除バー54を有した保持手段38によって、下部位置となる保持位置に保持すれば足りるため、構成の複雑化等を招くことなく、着座者尻部のサブマリン移動を適切に阻止可能とする車両用シート構造10が提供できる。
【0046】
なお、構成が簡単であり、またその機能性、および作動性能にも優れていることから、この発明の車両用シート構造10は、実用性の点においても優れているということができる。
【0047】
ここで、この発明の実施の形態においては、サブマリン規制部材12を、断面略円形のロッドからなる水平バー24と、その左右の支持アーム22との組み合わせとして具体化されているが、正面略門型であれば足りるため、これに限定されず、たとえば、断面四角形等の角棒状部材を、サブマリン規制部材の水平バーとして利用してもよく、また、この水平バーと支持アームとは別体であることも必要ではないため、折曲成形等によりなる一体部材として、このサブマリン規制部材を形成してもよい。
【0048】
また、フック片46を支持アームの係合ピン44に係合させることで水平バー24をその保持位置に保持可能とするものとして、保持手段38が構成されているが、保持手段は、サブマリン規制部材12の一部に対するフック片の係合のもとで、その上昇を阻止するものであれば足りるため、係合ピンとの係合に限定されず、たとえば、水平バーに対するフック片の係合のもとで、水平バーをその保持位置に保持する構成としてもよい。
【0049】
しかしながら、支持アーム22の外側面の中間位置に設けた係合ピン44に、フック片46を係合させる構成とすれば、他部材等に影響を受けることないロック解除動作が、この保持手段38に確保できるため、その作動性が一層高く確保できる。
【0050】
さらに、この実施の形態においては、引張コイルばねを、水平バー24を上方に付勢、保持するばね部材34として具体化しているが、水平バーにその付勢力を付与可能であれば足りるため、引張コイルばねに限定されず、圧縮コイルばね、あるいはねじりばね等を、このばね部材として利用してもよい。
【0051】
しかしながら、引張コイルばねをばね部材34として利用すれば、簡単な構成であるにも拘らず、水平バー24をその上方に適切に付勢、保持することが可能となるため、その構成上好ましいといえる。
【0052】
なお、ロックアーム40には、ロックばね48の付勢力が付与されているにすぎないため、水平バー24の上昇後であっても、サブマリン荷重の作用時と同様に、解除バー54に上方からの過大荷重を入力させれば、ロックアームをそのロック解除位置まで回動させることは可能である。つまり、ロックアームのフック片46をサブマリン規制部材12に係合させることによってその水平バー24を保持位置に保持可能とする保持手段38の構成であれば、その繰り返しの使用が可能となる。
【0053】
ところで、上述した実施の形態においては、フック片46を支持アームの係合ピン44に係合させることで水平バー24をその保持位置に保持可能とするものとして、保持手段38が構成されている。しかしながら、保持手段38は、水平バー24をその保持位置に保持し、かつ解除バー54へのサブマリン荷重の入力によりそのロックを解除可能とするものであれば足りるため、これに限定されるものではない。
【0054】
たとえば、図4、および図5に示すような、この発明の実施の別形態においては、解除手段154が、シートクッション14の左右幅方向に延びた解除バーとされ、この解除バーが、シートクッション基部材、つまりパンフレーム16の左右側壁16aに設けた、略前後方向に延びる左右一対のガイド孔58間での架設支持により、前後移動可能に配設されている。
【0055】
そして、その左右一対のガイド孔58には、解除バー(解除手段)154に係合可能な幅狭部58aが設けられており、この幅狭部での係合のもとで、解除バーがこのガイド孔の後端部に保持されるものとなっている。
【0056】
なお、この実施の形態においては、ガイド孔58が、その中間部で屈曲された略く字形状として具体化され、その後端部が、屈曲部より上方に位置する態様に形成されている。
【0057】
また、解除バー154は、サブマリン規制部材12の一部に対し、リンクアーム60を介して連動可能に連結されている。
【0058】
リンクアーム60は、その一端に解除バー154を、たとえば挿通、固着することによって、解除バーの左右位置に離間並置され、そのサブマリン規制部材側の端部を、支持アーム22の中間位置に、枢支ピン62によって枢着することにより、解除バー、サブマリン規制部材12間に架設枢着されている。
【0059】
この構成においては、解除バー154、ガイド孔の幅狭部58a、およびリンクアーム60の組み合わせが、サブマリン規制部材の水平バー24を保持位置に保持する保持手段138となり、この保持手段のロック解除動作により、ばね部材34の付勢力による水平バーの上方移動が可能となる。
【0060】
なお、前記実施の形態と共通する部材に関しては、前記実施の形態での説明における参照符号と同一の参照符号を付すことで、ここでの説明を省略する。
【0061】
図4を見るとわかるように、通常時、サブマリン規制部材12は、保持手段138によるロック、つまり解除バー154に対する幅狭部58aの係合のもとで、水平バー24の下限位置に固定的に保持されている。
【0062】
ここで、車両の急減速、急停車等に起因するサブマリン荷重が解除バー154に入力すると、この解除バーからの荷重は、ガイド孔の幅狭部58aを損壊する力として作用するため、幅狭部の抵抗力に抗する以上の荷重がこの幅狭部に作用すると、この解除バーによる幅狭部は損壊される。そして、この幅狭部58aの損壊により、解除バー154の係止は不能となるため、ガイド孔58に沿った解除バーの移動を伴って、水平バー24はばね部材34の付勢力のもとで上方に移動される(図6参照)。
【0063】
なお、図6を見るとわかるように、この構成においては、解除バー154の挿通配置されたガイド孔58が、サブマリン規制部材の水平バー24の移動範囲を規定する各ストッパを兼用しており、たとえば、解除バーがガイド孔の前端部まで移動することで、水平バーの上限位置、つまり規制位置は規定される。
【0064】
このように、この実施の別形態においても、解除バー154へのサブマリン荷重の入力もとで、サブマリン規制部材の水平バー24を規制位置まで移動させることができるため、前記実施の形態と同様の効果は確実に得られる。そして、この実施の別形態においては、解除バー154とサブマリン規制部材12とを、リンクアーム60によって連動可能に連結すれば足りるため、その部品点数の削減による構成の簡素化、およびコストの低減化が一層はかられる。
【0065】
なお、ここでは、リンクアーム60のサブマリン規制部材側端部を、サブマリン規制部材の支持アーム22に、枢支ピン62を介して枢着しているが、このリンクアームを介して解除バー154、サブマリン規制部材12間が連動可能であれば足りるため、これに限定されず、たとえば、リンクアームのサブマリン規制部材側端部を、水平バー回りに連結する構成としてもよい。
【0066】
しかしながら、支持アーム22の中間位置にリンクアーム60のサブマリン規制部材側端部を枢着すれば、リンクアームの揺動角度が抑制できるため、他部材等に影響を受けることないロック解除動作の確保が容易となる。従って、その作動性が一層高く確保できる。
【0067】
また、ここでは、ガイド孔58を、屈曲した略く字形状として具体化しているが、シートクッション14の前後方向に延びる長孔状であれば足りるため、これに限定されず、たとえば、ほぼ直線状に、このガイド孔を形成してもよい。
【0068】
上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、この発明を何等限定するものでなく、この発明の技術範囲内で変形、改造等の施されたものも全てこの発明に包含されることはいうまでもない。
【0069】
【発明の効果】
上記のように、この発明に係る車両用シート構造によれば、下方の保持位置に保持されたサブマリン規制部材の水平バーが、着座者尻部のサブマリン移動のもとでその上方の規制位置に付勢、保持されるため、サブマリン規制部材を、通常時の着座感を損なうことなくシートクッションに内設することが可能となる。そして、サブマリン荷重の入力のもとで、水平バーはその規制位置に付勢、保持されるため、着座者尻部に対するサブマリン阻止の確実性が向上されるとともに、その規制位置での継続保持により、その作動の確実性、および機能性が確実に向上される。
【0070】
また、インフレータ等の駆動手段を用いる必要がないため、その重量化が確実に防止できる。そして、正面略門型のサブマリン規制部材をばね部材の付勢力のもとで上方に付勢、保持可能とするとともに、このサブマリン規制部材を、保持手段によって保持位置に保持すれば足りるため、構成の複雑化等を招くことなく、着座者尻部のサブマリン移動を適切に阻止可能とする車両用シート構造が提供できる。
【0071】
さらに、ばね部材を引張コイルばねとすれば、簡単な構成であるにも拘らず、水平バーをその上方に適切に付勢、保持することが可能となるため、その構成上好ましい。
【0072】
また、ロックアームのフック片をサブマリン規制部材に係合させることによってその水平バーを保持位置に保持可能とする構成の保持手段であれば、簡単な構成にも拘らず、サブマリン規制部材の保持、およびロック解除を適切に遂行することが可能となる。そして、ロックばねの付勢力に抗して、そのロック解除のなされるものであるため、その繰り返しの使用も十分に可能となる。
【0073】
さらに、支持アームの外側面の中間位置に設けた係合ピンに、ロックアームのフック片を係合させる構成とすれば、他部材等に影響を受けることないロック解除動作が、この保持手段に確保できるため、その作動性が一層高く確保できる。
【0074】
また、解除バー、ガイド孔の幅狭部、およびリンクアームの組み合わせを、サブマリン規制部材の水平バーを保持位置に保持する保持手段とした構成であれば、その部品点数の削減による構成の簡素化、およびコストの低減化が一層はかられる。
【0075】
そして、支持アームの中間位置にリンクアームのサブマリン規制部材側端部を枢着する構成とすれば、リンクアームの揺動角度が抑制できるため、他部材等に影響を受けることないロック解除動作の確保が容易となる。従って、その作動性が一層高く確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】通常時における、この発明の実施の一形態に係る車両用シート構造の概略側面図である。
【図2】図1に示す車両用シート構造の、一部破断の概略分解斜視図である。
【図3】図1、図2に示す車両用シート構造における、その作動時での概略側面図である。
【図4】通常時における、この発明の実施の別形態に係る車両用シート構造の概略側面図である。
【図5】図4に示す車両用シート構造の、一部破断の概略分解斜視図である。
【図6】図4、図5に示す車両用シート構造における、その作動時での概略側面図である。
【符号の説明】
10,110 車両用シート構造
12 サブマリン規制部材
22 支持アーム
24 水平バー
34 ばね部材(引張コイルばね)
38,138 保持手段
40 ロックアーム
48 ロックばね
54,154 解除バー
58 ガイド孔
58a ガイド孔の幅狭部
【発明の属する技術分野】
この発明は、急減速時、あるいは急停車時等に生じる着座者尻部のサブマリン移動を適切に阻止可能とする車両用シート構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車等の急減速、あるいは急停車時、着座者はその慣性力のもとで前方に移動しようとする。このような、人体の前方移動は、着座者の上体を適宜拘束するシートベルトによって通常は阻止されるが、尻部がシートクッションに沈み込みながら前方に移動する尻滑り現象、いわゆるサブマリン現象に対しては、このシートベルトが有効的に機能しない虞れのあることも指摘されている。
【0003】
そこで、このようなサブマリン現象、つまり着座者尻部のサブマリン移動を阻止する構成として、たとえば、特開平05−238297号公報、特開2001−146127号公報、および特開平07−81466号公報等が開示、提供されている。
【0004】
特開平05−238297号公報に開示された構成においては、シートクッションが、着座位置、つまりは尻部の位置の変位量を検出する検出手段を持っている。そして、この検出手段を上方位置に付勢支持するばね部材(圧縮コイルスプリング)の付勢力に抗してこの検出手段が下方に押し込まれたとき、その押し込み量に応じた量だけ、着座者尻部のサブマリン移動を規制する規制部材を上方に移動させるものとしている。
【0005】
また、特開2001−146127号公報に開示された構成においては、着座者尻部のサブマリン移動を規制する規制部材が、その上下移動のみを可能にシートクッションに配されるとともに、付勢手段が、この規制部材を上方に付勢可能に配されている。
【0006】
さらに、特開平07−81466号公報に開示された構成においては、着座者尻部のサブマリン移動を規制する規制部材が、駆動部材となるエアバッグの膨張によって上方に移動可能に、シートクッション内に配設されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前出の特開平05−238297号公報に開示された構成においては、規制部材が検出手段に連動して上下移動されるため、検出手段を押し込む力が弱まると、規制部材も自ずと下方に移動されることになる。つまり、着座者尻部のサブマリン移動のもとで規制部材が瞬間的に上がっても、その上昇位置の継続は着座者から付与される荷重の大小に依存されることになるため、着座者からの荷重伝達状況によっては、この規制部材によるサブマリン移動規制が十分でなくなる虞れがある。
【0008】
また、当該公報に開示されたアーム揺動型の構成においては、上下移動する規制部材が、そのアームの回動支点の前方位置にあるため、着座者尻部のサブマリン移動による荷重が規制部材に作用すると、その荷重は規制部材を下方に押し下げる力として作用する虞れがある。さらに、当該公報に開示された直線移動型の構成であっても、規制部材は前方下部から後方上部に移動するものであり、着座者尻部のサブマリン移動方向と規制部材の復帰方向とが一致することから、この公知の構成は、この点からも、サブマリン移動阻止の確実性の低下を招きやすい。
【0009】
また、前出の特開2001−146127号公報に開示の構成では、規制部材が着座者からの荷重の作用のもとで下方に押し込まれるものであるため、この押し込む力が激減しないと、その上昇は期待できない。つまり、着座者からの荷重が規制部材に付与された状態で着座者尻部のサブマリン移動が発生すると、着座者尻部は、この規制部材を押し込んだままその前方に移動することも考えられるため、この公知の構成においては、作動の確実性が低下する虞れが否定できない。
【0010】
なお、規制部材を上方に押し上げる付勢力を増大化することも考えられる。しかし、このような付勢力の増大化は、この付勢力に抗した規制部材の下降を困難にする虞れを持っているため、着座者の快適性の低下を招くことも否定できない。
【0011】
ここで、これら上記の公知の構成に対し、前出の特開平07−81466号公報に開示された構成では、規制部材となる板材が、衝撃等の検出に伴ったエアバッグの膨張によって後傾し、それに伴ったシートクッション前部の持ち上げ、保持により、着座者尻部のサブマリン移動を阻止しようとするものであるため、その作動の確実性、および機能性は十分に高く得られるものとなっている。
【0012】
しかし、急減速、あるいは急停車等を検出するセンサや、エアバッグを膨張させるためのインフレータ等の駆動手段が必要であるため、その構成の複雑化に伴ったコストの増加が避けられず、またこれら構成部材に起因するシートの重量増加も避けられない。
【0013】
この発明は、構成の複雑化等を伴うことなく、着座者尻部のサブマリン移動を適切に阻止可能とした、その機能性、実用性に優れた車両用シート構造の提供を目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、請求項1に示すこの発明の車両用シート構造においては、サブマリン規制部材が、一端部に回動支点を有する左右一対の支持アームと、シートクッションの左右幅方向に延びた水平バーとの組み合わせとしてなる正面略門型に形成され、シートクッション基部材に対する支持アームの回動支点の後方側を略上下方向に移動可能に、その水平バーが配置されるとともに、ばね部材から付与された付勢力による支持アームの回動のもとで、この水平バーがその上方に付勢されている。
【0015】
そして、サブマリン規制部材に対する保持手段のロック作用のもとで、水平バーを、その移動範囲の下限位置として規定された保持位置に固定的に保持し、この保持手段にロック解除動作を呈させる解除手段に、着座者尻部のサブマリン移動によるサブマリン荷重が入力したとき、サブマリン規制部材に対する保持手段のロック解除により、サブマリン規制部材の水平バーを、水平バーの移動範囲の上限位置として規定された、サブマリン軌道上の規制位置に、少なくともばね部材の付勢力のもとで強制的に移動、保持させるものとして、この発明の車両用シート構造は構成されている。
【0016】
また、この発明の請求項2においては、ばね部材が、水平バーの左右ほぼ中間位置と、支持アームの回動支点より前方に設けられたシートクッション基部材の係止片との間に架設、張設された引張コイルばねとして具体化されている。そして、そのシートクッション基部材の係止片を、水平バーの下部位置においても引張コイルばねの軸心が支持アームの回動支点を下方に越えることのない係止点を持つものとして形成するものとしている。
【0017】
さらに、この発明の請求項3においては、左右一対のロックアームが、シートクッション基部材におけるその支点の枢支のもとで、シーソー状に揺動自在に配され、その少なくともいずれか一方の前端部に、保持位置でのサブマリン規制部材の一部に係合可能なフック片を設けるとともに、フック片の係合方向への付勢力をロックばねからこのロックアームに付与することによって、これを保持手段としている。そして、左右のロックアームの後端部間に、解除手段となる、シートクッションの左右幅方向に延びた解除バーを架設、固定し、この解除バーに、ロックばねの付勢力に抗するサブマリン荷重が入力したとき、この解除バーの略下方移動によるロックアームの回動により、サブマリン規制部材に対する保持手段のロックを解除可能としている。
【0018】
そして、この発明の請求項4においては、サブマリン規制部材の左右の支持アームを、その外側面の中間位置に突設された係合ピンをそれぞれ持つものとし、左右のロックアームの双方に、この係合ピンに係合可能なフック片をそれぞれ設けている。
【0019】
また、この発明の請求項5においては、解除手段が、シートクッションの左右幅方向に延びた解除バーとされ、この解除バーを、シートクッション基部材に設けた、略前後方向に延びる左右一対のガイド孔間での架設支持により、前後移動可能に配設するとともに、サブマリン規制部材の一部とこの解除バーとの間に、相互間を連動させるリンクアームが架設枢着されている。そして、解除バーをガイド孔後端部に係止保持する幅狭部を、このガイド孔の一部に規定することにより、これを保持手段とし、解除バーに、幅狭部の抵抗力に抗するサブマリン荷重が入力したとき、この解除バーによる幅狭部の損壊のもとで、サブマリン規制部材に対する保持手段のロックを解除可能とするものとしている。
【0020】
さらに、この発明の請求項6においては、リンクアームのサブマリン規制部材側端部を、サブマリン規制部材の支持アーム中間位置に枢支ピンにより枢着したものとして具体化している。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながらこの発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0022】
図1、図2に示すように、この発明に係る車両用シート構造10においては、着座者尻部のサブマリン移動を阻止可能とするサブマリン規制部材12が、シートクッション14の前部に内設されている。
【0023】
図1におけるシートクッション14の前部は、その左方部であり、図示のように、この左方(前方)半部内に、サブマリン規制部材12は内設されている。
【0024】
なお、図1、図2に示すように、この発明の実施の形態においては、シートクッション14が、鋼板の折曲成形等によりなるパンフレーム16の上部に、弾性体であるシートパッド18を配し、さらにこれをトリムカバー20で被装してなるものとして具体化されている。そして、そのパンフレーム16を、シートクッション基部材として、この実施の形態においては具体化する。
【0025】
ここで、図1、および図2を見るとわかるように、この発明においては、サブマリン規制部材12が、一端部に回動支点を有する左右一対の支持アーム22と、シートクッション14の左右幅方向に延びた水平バー24との組み合わせとしてなる正面略門型に形成されている。そして、シートクッション基部材、つまりパンフレーム16の左右側壁16aに対する、枢支ピン、たとえば固定ナット26に螺着される段付ボルト28での枢支により、この支持アーム22の一端部が回動支点として規定されるとともに、この回動支点を中心とした支持アーム22の回動のもとで略上下方向に移動可能に、サブマリン規制部材の水平バー24が、この回動支点の後方側、つまり図中右方側に配置されている。
【0026】
なお、図1に加えて図3を見るとわかるように、水平バー24としては、断面略円形のロッドが例示でき、その移動範囲は、左右の支持アーム22との係合の可能な、たとえばパンフレームの左右側壁16aに突設された上昇ストッパ30、および下降ストッパ32により規定されている。そして、図3に示す、上昇ストッパ30により限定される上限位置が、着座者尻部のサブマリン移動を阻止する、そのサブマリン軌道上に整列する規制位置として、また、後述のように、図1に示す、下降ストッパ32により限定される下限位置が、通常時に保持される保持位置として、この発明においてはそれぞれ規定されている。
【0027】
ここで、この発明においては、このサブマリン規制部材の水平バー24が、ばね部材34から付与された付勢力による支持アーム22の回動のもとで上方、つまりは規制位置(上限位置)方向に付勢されている。
【0028】
図1、図2に示すように、ばね部材34として、たとえば、水平バー24の左右ほぼ中間位置と、支持アーム22の回動支点(段付ボルト)28より前方(図中左方)に設けられた、パンフレーム16の底壁16bの部分的な切り起こしによりなる係止片36との間に架設、張設された引張コイルばねが例示できる。
【0029】
なお、係止片36に対する引張コイルばね(ばね部材)34の係止点は、図1に示すように、水平バー24の下部位置においても引張コイルばねの軸心が支持アームの段付ボルト28を下方に越えることのない位置(高さ)に設定される。このような構成によれば、水平バー24のいずれの位置においても、引張コイルばね34からの付勢力が、水平バーを上方に付勢する付勢力として常時作用可能となる。
【0030】
そして、この発明においては、サブマリン規制部材12に対する保持手段38のロック作用のもとで、水平バー24を、その移動範囲の下限位置として規定された保持位置に固定的に保持可能としている。
【0031】
図1、および図2を見るとわかるように、この実施の一形態においては、たとえば、左右一対のロックアーム40が、パンフレームの左右側壁16aにおけるその支点42の枢支のもとで、シーソー状に揺動自在に配されている。そして、このロックアーム40の前端部(図中左端部)に、保持位置でのサブマリン規制部材12の一部、たとえば支持アーム22の外側面に突設された係合ピン44に係合可能なフック片46を設けるとともに、このフック片の係合方向への付勢力をロックばね48からロックアームに付与することによって、これを保持手段38としている。
【0032】
ロックアームの支点42は、たとえばその外側面に一体に突設された段付枢支ピンであり、たとえば、ロックばね48となるねじりばねが、この枢支ピンの大径段部42aに巻装されている。そして、このロックばね(ねじりばね)48は、図中時計方向への回動力をロックアーム40に付勢可能に、一端48aをパンフレームの左右側壁16aに、またその他端48bをロックアームの支点後方側の下面に、それぞれ係止することで配設されている。
【0033】
なお、図2の参照符号50は、ロックばねの一端48aの挿入、係止される係止孔を、また、参照符号52は、ロックアームの段付枢支ピン(支点)42の挿入される挿通孔を、それぞれ示し、そのいずれもが、パンフレームの左右側壁16aに形成されている。
【0034】
そして、この発明の実施の形態においては、左右のロックアーム40の後端部間に、解除手段となる、シートクッション14の左右幅方向に延びた解除バー54が架設、固定されている。
【0035】
この解除バー(解除手段)54としては、たとえば、断面略円形の中空ロッドが例示できる。
【0036】
なお、図1を見るとわかるように、サブマリン規制部材12、および保持手段38を収容可能とする凹部56が、シートパッド18の対応個所に形成されている。このように、これらをシートパッドの凹部56内に収容すれば、シートパッドに妨げられることのない各部材の作動が容易に確保可能となる。
【0037】
図1を見るとわかるように、通常時、サブマリン規制部材12は、保持手段38によるロック、つまり係合ピン44に対するフック片46の係合のもとで、下降ストッパ32への支持アーム22の係合により規定された水平バー24の下限位置に固定的に保持されている。
【0038】
このような、下限位置への水平バー24の保持状態においては、着座者の通常の着座状態であれば、この水平バーに接触する位置まで着座者の尻部、あるいは大腿部が沈み込むこともないため、シートクッション14におけるクッション性は十分に確保でき、その快適性は損なわれない。
【0039】
このような通常時に、車両の急減速、急停車等によって着座者尻部のサブマリン移動が生じ、そのサブマリン移動のもとで解除バー(解除部材)54にサブマリン荷重が入力すると、この解除バーは、着座者尻部から作用するこのサブマリン荷重のもとで、ロックばね48の付勢力に抗して押し下げられるため、これに伴ったロックアーム40の回動、そしてそれによる係合ピン44からのフック片46の離反によって、サブマリン規制部材12に対する保持手段38のロックは、図3に示すように解除される。
【0040】
そして、この保持手段38によるロックが解除されると、サブマリン規制部材の水平バー24は、ばね部材34の付勢力のもとでその上方に付勢され、その付勢力により、支持アーム22を上昇ストッパ30に圧接させるため、この水平バーは、ばね部材の付勢力のもとで、規制位置となる、サブマリン軌道上の上部位置に継続保持される。
【0041】
水平バー24が、図3に示す規制位置に付勢、保持されると、サブマリン移動を開始した着座者の尻部は、この水平バーによって移動規制される。つまり、着座者尻部のサブマリン移動は、規制位置の水平バー24によって確実に阻止可能となる。
【0042】
上記のように、この発明の車両用シート構造10においては、移動範囲の下限位置として規定された保持位置に、サブマリン規制部材の水平バー24を固定的に保持し、着座者尻部のサブマリン移動の発生によって、この水平バーを上方の規制位置に付勢、保持するため、通常時、この水平バーから着座者に違和感等を与えることはなく、よってそのクッション性、つまり着座感は十分に高く確保される。
【0043】
そして、水平バー24が、その前方側にある回動支点28を中心とした支持アーム22の前方起立回動のもとで、規制位置まで上昇されるとともに、上昇ストッパ30に対する支持アームの回動規制のもとで、それ以降の支持アームの回動、つまり水平バーの上昇が規制されるため、この水平バーによれば、着座者尻部のサブマリン移動を高い剛性のもとで確実に阻止することが可能となる。従って、この発明によれば、着座者尻部に対するサブマリン阻止の確実性が向上される。
【0044】
さらに、着座者尻部のサブマリン移動によるサブマリン荷重を解除バー54が瞬間的にでも受ければ、ロックアーム40の回動に伴ったロック解除により、水平バー24が規制位置に付勢、保持され、また、一旦水平バーが規制位置まで上昇すれば、この水平バーはその位置に継続して保持されるため、その作動の確実性、および機能性が確実に向上される。
【0045】
また、インフレータ等の駆動手段を用いる必要がないため、その重量化が確実に防止できる。そして、正面略門型のサブマリン規制部材12をばね部材34の付勢力のもとで上方に付勢、保持可能とするとともに、このサブマリン規制部材を、フック46、および解除バー54を有した保持手段38によって、下部位置となる保持位置に保持すれば足りるため、構成の複雑化等を招くことなく、着座者尻部のサブマリン移動を適切に阻止可能とする車両用シート構造10が提供できる。
【0046】
なお、構成が簡単であり、またその機能性、および作動性能にも優れていることから、この発明の車両用シート構造10は、実用性の点においても優れているということができる。
【0047】
ここで、この発明の実施の形態においては、サブマリン規制部材12を、断面略円形のロッドからなる水平バー24と、その左右の支持アーム22との組み合わせとして具体化されているが、正面略門型であれば足りるため、これに限定されず、たとえば、断面四角形等の角棒状部材を、サブマリン規制部材の水平バーとして利用してもよく、また、この水平バーと支持アームとは別体であることも必要ではないため、折曲成形等によりなる一体部材として、このサブマリン規制部材を形成してもよい。
【0048】
また、フック片46を支持アームの係合ピン44に係合させることで水平バー24をその保持位置に保持可能とするものとして、保持手段38が構成されているが、保持手段は、サブマリン規制部材12の一部に対するフック片の係合のもとで、その上昇を阻止するものであれば足りるため、係合ピンとの係合に限定されず、たとえば、水平バーに対するフック片の係合のもとで、水平バーをその保持位置に保持する構成としてもよい。
【0049】
しかしながら、支持アーム22の外側面の中間位置に設けた係合ピン44に、フック片46を係合させる構成とすれば、他部材等に影響を受けることないロック解除動作が、この保持手段38に確保できるため、その作動性が一層高く確保できる。
【0050】
さらに、この実施の形態においては、引張コイルばねを、水平バー24を上方に付勢、保持するばね部材34として具体化しているが、水平バーにその付勢力を付与可能であれば足りるため、引張コイルばねに限定されず、圧縮コイルばね、あるいはねじりばね等を、このばね部材として利用してもよい。
【0051】
しかしながら、引張コイルばねをばね部材34として利用すれば、簡単な構成であるにも拘らず、水平バー24をその上方に適切に付勢、保持することが可能となるため、その構成上好ましいといえる。
【0052】
なお、ロックアーム40には、ロックばね48の付勢力が付与されているにすぎないため、水平バー24の上昇後であっても、サブマリン荷重の作用時と同様に、解除バー54に上方からの過大荷重を入力させれば、ロックアームをそのロック解除位置まで回動させることは可能である。つまり、ロックアームのフック片46をサブマリン規制部材12に係合させることによってその水平バー24を保持位置に保持可能とする保持手段38の構成であれば、その繰り返しの使用が可能となる。
【0053】
ところで、上述した実施の形態においては、フック片46を支持アームの係合ピン44に係合させることで水平バー24をその保持位置に保持可能とするものとして、保持手段38が構成されている。しかしながら、保持手段38は、水平バー24をその保持位置に保持し、かつ解除バー54へのサブマリン荷重の入力によりそのロックを解除可能とするものであれば足りるため、これに限定されるものではない。
【0054】
たとえば、図4、および図5に示すような、この発明の実施の別形態においては、解除手段154が、シートクッション14の左右幅方向に延びた解除バーとされ、この解除バーが、シートクッション基部材、つまりパンフレーム16の左右側壁16aに設けた、略前後方向に延びる左右一対のガイド孔58間での架設支持により、前後移動可能に配設されている。
【0055】
そして、その左右一対のガイド孔58には、解除バー(解除手段)154に係合可能な幅狭部58aが設けられており、この幅狭部での係合のもとで、解除バーがこのガイド孔の後端部に保持されるものとなっている。
【0056】
なお、この実施の形態においては、ガイド孔58が、その中間部で屈曲された略く字形状として具体化され、その後端部が、屈曲部より上方に位置する態様に形成されている。
【0057】
また、解除バー154は、サブマリン規制部材12の一部に対し、リンクアーム60を介して連動可能に連結されている。
【0058】
リンクアーム60は、その一端に解除バー154を、たとえば挿通、固着することによって、解除バーの左右位置に離間並置され、そのサブマリン規制部材側の端部を、支持アーム22の中間位置に、枢支ピン62によって枢着することにより、解除バー、サブマリン規制部材12間に架設枢着されている。
【0059】
この構成においては、解除バー154、ガイド孔の幅狭部58a、およびリンクアーム60の組み合わせが、サブマリン規制部材の水平バー24を保持位置に保持する保持手段138となり、この保持手段のロック解除動作により、ばね部材34の付勢力による水平バーの上方移動が可能となる。
【0060】
なお、前記実施の形態と共通する部材に関しては、前記実施の形態での説明における参照符号と同一の参照符号を付すことで、ここでの説明を省略する。
【0061】
図4を見るとわかるように、通常時、サブマリン規制部材12は、保持手段138によるロック、つまり解除バー154に対する幅狭部58aの係合のもとで、水平バー24の下限位置に固定的に保持されている。
【0062】
ここで、車両の急減速、急停車等に起因するサブマリン荷重が解除バー154に入力すると、この解除バーからの荷重は、ガイド孔の幅狭部58aを損壊する力として作用するため、幅狭部の抵抗力に抗する以上の荷重がこの幅狭部に作用すると、この解除バーによる幅狭部は損壊される。そして、この幅狭部58aの損壊により、解除バー154の係止は不能となるため、ガイド孔58に沿った解除バーの移動を伴って、水平バー24はばね部材34の付勢力のもとで上方に移動される(図6参照)。
【0063】
なお、図6を見るとわかるように、この構成においては、解除バー154の挿通配置されたガイド孔58が、サブマリン規制部材の水平バー24の移動範囲を規定する各ストッパを兼用しており、たとえば、解除バーがガイド孔の前端部まで移動することで、水平バーの上限位置、つまり規制位置は規定される。
【0064】
このように、この実施の別形態においても、解除バー154へのサブマリン荷重の入力もとで、サブマリン規制部材の水平バー24を規制位置まで移動させることができるため、前記実施の形態と同様の効果は確実に得られる。そして、この実施の別形態においては、解除バー154とサブマリン規制部材12とを、リンクアーム60によって連動可能に連結すれば足りるため、その部品点数の削減による構成の簡素化、およびコストの低減化が一層はかられる。
【0065】
なお、ここでは、リンクアーム60のサブマリン規制部材側端部を、サブマリン規制部材の支持アーム22に、枢支ピン62を介して枢着しているが、このリンクアームを介して解除バー154、サブマリン規制部材12間が連動可能であれば足りるため、これに限定されず、たとえば、リンクアームのサブマリン規制部材側端部を、水平バー回りに連結する構成としてもよい。
【0066】
しかしながら、支持アーム22の中間位置にリンクアーム60のサブマリン規制部材側端部を枢着すれば、リンクアームの揺動角度が抑制できるため、他部材等に影響を受けることないロック解除動作の確保が容易となる。従って、その作動性が一層高く確保できる。
【0067】
また、ここでは、ガイド孔58を、屈曲した略く字形状として具体化しているが、シートクッション14の前後方向に延びる長孔状であれば足りるため、これに限定されず、たとえば、ほぼ直線状に、このガイド孔を形成してもよい。
【0068】
上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、この発明を何等限定するものでなく、この発明の技術範囲内で変形、改造等の施されたものも全てこの発明に包含されることはいうまでもない。
【0069】
【発明の効果】
上記のように、この発明に係る車両用シート構造によれば、下方の保持位置に保持されたサブマリン規制部材の水平バーが、着座者尻部のサブマリン移動のもとでその上方の規制位置に付勢、保持されるため、サブマリン規制部材を、通常時の着座感を損なうことなくシートクッションに内設することが可能となる。そして、サブマリン荷重の入力のもとで、水平バーはその規制位置に付勢、保持されるため、着座者尻部に対するサブマリン阻止の確実性が向上されるとともに、その規制位置での継続保持により、その作動の確実性、および機能性が確実に向上される。
【0070】
また、インフレータ等の駆動手段を用いる必要がないため、その重量化が確実に防止できる。そして、正面略門型のサブマリン規制部材をばね部材の付勢力のもとで上方に付勢、保持可能とするとともに、このサブマリン規制部材を、保持手段によって保持位置に保持すれば足りるため、構成の複雑化等を招くことなく、着座者尻部のサブマリン移動を適切に阻止可能とする車両用シート構造が提供できる。
【0071】
さらに、ばね部材を引張コイルばねとすれば、簡単な構成であるにも拘らず、水平バーをその上方に適切に付勢、保持することが可能となるため、その構成上好ましい。
【0072】
また、ロックアームのフック片をサブマリン規制部材に係合させることによってその水平バーを保持位置に保持可能とする構成の保持手段であれば、簡単な構成にも拘らず、サブマリン規制部材の保持、およびロック解除を適切に遂行することが可能となる。そして、ロックばねの付勢力に抗して、そのロック解除のなされるものであるため、その繰り返しの使用も十分に可能となる。
【0073】
さらに、支持アームの外側面の中間位置に設けた係合ピンに、ロックアームのフック片を係合させる構成とすれば、他部材等に影響を受けることないロック解除動作が、この保持手段に確保できるため、その作動性が一層高く確保できる。
【0074】
また、解除バー、ガイド孔の幅狭部、およびリンクアームの組み合わせを、サブマリン規制部材の水平バーを保持位置に保持する保持手段とした構成であれば、その部品点数の削減による構成の簡素化、およびコストの低減化が一層はかられる。
【0075】
そして、支持アームの中間位置にリンクアームのサブマリン規制部材側端部を枢着する構成とすれば、リンクアームの揺動角度が抑制できるため、他部材等に影響を受けることないロック解除動作の確保が容易となる。従って、その作動性が一層高く確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】通常時における、この発明の実施の一形態に係る車両用シート構造の概略側面図である。
【図2】図1に示す車両用シート構造の、一部破断の概略分解斜視図である。
【図3】図1、図2に示す車両用シート構造における、その作動時での概略側面図である。
【図4】通常時における、この発明の実施の別形態に係る車両用シート構造の概略側面図である。
【図5】図4に示す車両用シート構造の、一部破断の概略分解斜視図である。
【図6】図4、図5に示す車両用シート構造における、その作動時での概略側面図である。
【符号の説明】
10,110 車両用シート構造
12 サブマリン規制部材
22 支持アーム
24 水平バー
34 ばね部材(引張コイルばね)
38,138 保持手段
40 ロックアーム
48 ロックばね
54,154 解除バー
58 ガイド孔
58a ガイド孔の幅狭部
Claims (6)
- シートクッションの前部に、サブマリン規制部材を内設してなる車両用シート構造において、
サブマリン規制部材が、一端部に回動支点を有する左右一対の支持アームと;シートクッションの左右幅方向に延びた水平バーと;の組み合わせとしてなる正面略門型に形成され、シートクッション基部材に対する支持アームの回動支点の後方側を略上下方向に移動可能に、その水平バーが配置されるとともに、ばね部材から付与された付勢力による支持アームの回動のもとで、この水平バーがその上方に付勢され、
サブマリン規制部材に対する保持手段のロック作用のもとで、水平バーを、その移動範囲の下限位置として規定された保持位置に固定的に保持し、この保持手段にロック解除動作を呈させる解除手段に、着座者尻部のサブマリン移動によるサブマリン荷重が入力したとき、サブマリン規制部材に対する保持手段のロック解除により、サブマリン規制部材の水平バーを、水平バーの移動範囲の上限位置として規定された、サブマリン軌道上の規制位置に、少なくともばね部材の付勢力のもとで強制的に移動、保持させることを特徴とした車両用シート構造。 - ばね部材が、水平バーの左右ほぼ中間位置と;支持アームの回動支点より前方に設けられたシートクッション基部材の係止片と;の間に架設、張設された引張コイルばねとしてなるとともに、
前記シートクッション基部材の係止片が、水平バーの下部位置においても引張コイルばねの軸心が支持アームの回動支点を下方に越えることのない係止点を持つものとして形成された請求項1記載の車両用シート構造。 - 左右一対のロックアームが、シートクッション基部材におけるその支点の枢支のもとで、シーソー状に揺動自在に配され、その少なくともいずれか一方の前端部に、保持位置でのサブマリン規制部材の一部に係合可能なフック片を設けるとともに、フック片の係合方向への付勢力をロックばねからこのロックアームに付与することによって、これを保持手段とし、
左右のロックアームの後端部間に、解除手段となる、シートクッションの左右幅方向に延びた解除バーを架設、固定し、この解除バーに、ロックばねの付勢力に抗するサブマリン荷重が入力したとき、この解除バーの略下方移動によるロックアームの回動により、サブマリン規制部材に対する保持手段のロックを解除可能とした請求項1または2記載の車両用シート構造。 - サブマリン規制部材の左右の支持アームが、その外側面の中間位置に突設された係合ピンをそれぞれ持ち、左右のロックアームの双方に、この係合ピンに係合可能なフック片をそれぞれ設けた請求項3記載の車両用シート構造。
- 解除手段が、シートクッションの左右幅方向に延びた解除バーとされ、この解除バーを、シートクッション基部材に設けた、略前後方向に延びる左右一対のガイド孔間での架設支持により、前後移動可能に配設するとともに、サブマリン規制部材の一部とこの解除バーとの間に、相互間を連動させるリンクアームが架設枢着され、
解除バーをガイド孔後端部に係止保持する幅狭部を、このガイド孔の一部に規定することにより、これを保持手段とし、解除バーに、幅狭部の抵抗力に抗するサブマリン荷重が入力したとき、この解除バーによる幅狭部の損壊のもとで、サブマリン規制部材に対する保持手段のロックを解除可能とした請求項1または2記載の車両用シート構造。 - リンクアームのサブマリン規制部材側端部が、サブマリン規制部材の支持アーム中間位置に枢支ピンにより枢着された請求項5記載の車両用シート構造。
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---|---|---|---|
JP2002219270A JP2004058808A (ja) | 2002-07-29 | 2002-07-29 | 車両用シート構造 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007230323A (ja) * | 2006-02-28 | 2007-09-13 | Autoliv Development Ab | 腰部拘束装置及び車両用シート |
JP2007313935A (ja) * | 2006-05-23 | 2007-12-06 | Autoliv Development Ab | 腰部拘束装置 |
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-
2002
- 2002-07-29 JP JP2002219270A patent/JP2004058808A/ja active Pending
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