JP2004058645A - 装置とその消耗品カートリッジとの間の非接触通信 - Google Patents

装置とその消耗品カートリッジとの間の非接触通信 Download PDF

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Abstract

【課題】装置と消耗品カートリッジとの間の非接触通信を確実に行うことのできる技術を提供する。
【解決手段】プリンタのインクユニットは、非接触通信用のメモリ回路(記憶素子)を有している。このメモリ回路は、送受信部から提供されるメモリアクセスコマンドを受け付けない待機モードM2と、メモリアクセスコマンドを受け付けてメモリアクセスを許容するアクティブモードM4とを有する。メモリ回路は、待機モードM2にあるときにカートリッジのIDを含むアクティブモードコマンドを送受信部から受けたときに、アクティブモードコマンドに含まれているIDが自己のIDと一致した場合にアクティブモードM4に移行する。また、待機モードM2にあるときに送受信部からアンチコリジョン開始コマンドを受けたときには、IDの確認を行うためのアンチコリジョンモードM3に移行する。
【選択図】 図11

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷装置などの装置とその消耗品カートリッジとの間の非接触通信技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェットプリンタ用のインクユニット(インクカートリッジ)は、開封後、例えば6ヶ月ぐらいの期間が過ぎると、使用環境によってはインクの品質が劣化する。その結果、高い印刷品質を実現できなくなったり、プリンタの印字ヘッドに悪影響を与えたりすることがある。この対策技術として、例えば、インクユニットにEEPROMなどのメモリを設け、このメモリにインクの有効期限を特定するための情報を保持させておくことが考えられる。プリンタ本体側に設けられた送受信部から、接点端子を介して、このメモリに通信し、インクの有効期限に関する情報の読み取りなどを行う。また、有効期限に関する情報以外にも、各インクユニットのインク残量に関する情報などを保持させておいてもよい。
【0003】
また、上記EEPROMなどの接触式メモリに代えて、非接触式の記憶素子を設け、プリンタ本体側に設けられた読み取り/書き込みセンサによって無線通信を行う構成も考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このように非接触式の記憶素子を用いて無線通信を行う際に、通信処理全体に時間が長くかかってしまうという問題があった。
【0005】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、装置と消耗品カートリッジとの間の非接触通信をより短時間に行うことのできる技術を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明による装置は、消耗品を収納したカートリッジを搭載可能な装置であって、
消耗品を収納した1つ以上のカートリッジを装着可能なカートリッジ装着部と、
前記カートリッジと近接した状態で非接触通信を行うことが可能な送受信部と、
を備え、
前記カートリッジは、
前記送受信部と近接した状態で非接触通信を行うことが可能なアンテナと、前記消耗品に関する情報を格納するためのメモリと、前記送受信部との通信の制御と前記メモリへのアクセスの制御とを行うための制御部と、を備えたメモリ回路を有しており、
前記メモリ回路は、前記送受信部が前記カートリッジのIDを確認するためのアンチコリジョンモードと、前記送受信部から提供されるメモリアクセスコマンドを受け付けてメモリアクセスを許容するアクティブモードと、を有しており、
前記メモリ回路は、前記アンチコリジョンモードに無い状態から、前記アンチコリジョンモードを経由せずに前記アクティブモードに移行することが可能である。
【0007】
この装置では、メモリ回路がIDの確認のためのアンチコリジョンモードを経由せずにメモリアクセスモードに移行可能なので、アンチコリジョンモードを経由する場合に比べて短時間で非接触通信を行うことが可能である。
【0008】
なお、前記メモリ回路は、前記アンチコリジョンモードに無い状態において前記カートリッジのIDを含むアクティブモードコマンドを受けたときに、前記アンチコリジョンモードを経由せずに前記アクティブモードに移行するようにしてもよい。
【0009】
この装置では、アクティブモードコマンドに含まれるIDが自己のIDと一致するときにメモリ回路がアクティブモードに移行するので、メモリアクセスをより確実に行うことが可能である。
【0010】
なお、前記メモリ回路は、さらに、前記メモリアクセスコマンドを受け付けない待機モードを有しており、前記メモリ回路は、前記待機モードにあるときに前記アクティブモードコマンドを受けると前記アクティブモードに移行するようにしてもよい。
【0011】
また、前記メモリ回路は、前記アンチコリジョンモードでのID確認後に前記アクティブモードに移行するようにしてもよい。
【0012】
この構成では、ID確認後に、必要に応じて直ぐにメモリアクセスを行うことが可能である。
【0013】
また、前記メモリ回路は、さらに、前記送受信部から受けた高周波無線信号に応じて前記メモリ回路のための電源出力を発生させる電源発生部を備えており、
前記待機モードは、前記送受信部から受けた高周波無線信号に応じて前記メモリ回路内に電源出力が発生した状態である第1の待機サブモードと、前記第1の待機サブモードにおいて前記送受信部から所定の移行コマンドを受けたときに前記メモリ回路が移行する第2の待機サブモードと、を有しており、
前記メモリ回路が前記第1の待機サブモードにあるときに前記アクティブモードコマンドを受けると前記アクティブモードに直接移行し、
前記メモリ回路が前記第2の待機サブモードにあるときに前記アンチコリジョン開始コマンドを受けると前記アンチコリジョンモードに直接移行するようにしてもよい。
【0014】
この構成によれば、アクティブモードとアンチコリジョンモードに移行するためのルートがより明確になるので、メモリ回路のモードの制御をより確実に行うことができる。
【0015】
前記装置の出荷後に初めて電源オンされたときには、前記搭載されている1つ以上の前記カートリッジを1つずつ前記送受信部に順次近接させ、前記アンチコリジョンモードにおけるIDの確認の対象となるカートリッジの位置が識別できる状態において各カートリッジのIDを確認する全カートリッジアンチコリジョン処理を実行するようにしてもよい。
【0016】
この構成では、複数のカートリッジが搭載されている場合でも、各カートリッジの位置とIDとを関係付けられるので、各カートリッジのIDを確認することが可能である。
【0017】
また、前記装置の電源オンのたびに前記全カートリッジアンチコリジョン処理を実行するようにしてもよい。
【0018】
この構成では、アンチコリジョン処理の手順が単純化され、また、電源オンのたびにすべてのカートリッジのIDを確認することができるという利点がある。
【0019】
この代わりに、前記装置の出荷後の2回目以降の電源オン時には、各カートリッジに対して前記送受信部から前記アクティブモードコマンドを発行し、有効な応答が無いカートリッジに対してのみ前記アンチコリジョンモードにおけるIDの確認を実行するようにしてもよい。
【0020】
この構成では、2回目以降の電源オン時におけるIDの確認を比較的短時間で完了できる可能性がある。
【0021】
また、前記装置に搭載されているいずれかのカートリッジが交換された後に、少なくとも交換されたカートリッジに対して前記アンチコリジョンモードにおけるIDの確認を行うようにしてもよい。
【0022】
こうすれば、カートリッジが交換されたときにも、そのカートリッジのIDを確認することが可能である。
【0023】
なお、上述の装置は、さらに、前記カートリッジ装着部と前記送受信部とのうちの一方を移動させて、前記カートリッジと前記送受信部とを互いに近接させることが可能な駆動機構を備えていてもよい。このとき、前記装置に搭載されているいずれかのカートリッジが交換された後に、前記搭載されている1つ以上の前記カートリッジを1つずつ前記送受信部に順次近接させ、前記アンチコリジョンモードにおけるIDの確認の対象となるカートリッジの位置が識別できる状態において各カートリッジのIDを確認する全アンチコリジョン処理を実行するようにしてもよい。
【0024】
この構成では、1個のカートリッジ毎にIDの確認を順次できるので、多数のカートリッジが搭載されていても各カートリッジのIDを確認することが可能である。
【0025】
あるいは、前記装置に搭載されているいずれかのカートリッジが交換された後に、交換されたカートリッジのみに前記送受信部を近接させて前記アンチコリジョンモードにおけるIDの確認を行い、他のカートリッジに対してはIDの確認を行わないようにしてもよい。
【0026】
この構成では、交換されていないカートリッジに関してはIDの確認を行わないので、比較的短時間でIDの確認を完了することができる。
【0027】
例えば、前記装置に搭載されているいずれかのカートリッジが交換された後に、前記装置に搭載されている各カートリッジに近接して前記アクティブモードコマンドを発行し、有効な応答が無いカートリッジに対してのみ前記アンチコリジョンモードにおけるIDの確認を実行するようにしてもよい。
【0028】
なお、前記送受信部は、2つ以上のカートリッジを同時に前記待機モードに移行させうる能力を有し、前記装置が搭載し得る最大数の全カートリッジを同時に前記待機モードに移行させうる能力は有さないものとしてもよい。
【0029】
この構成によれば、送受信部と少数のカートリッジとが近接した状態で非接触通信を行うので、過度に多数のカートリッジと通信を行う場合に比べてIDの確認時におけるカートリッジの識別が容易であり、誤通信を防止することができる。
【0030】
本発明によるカートリッジは、消耗品を収納したカートリッジであって、
外部の送受信部と近接した状態で非接触通信を行うことが可能なアンテナと、前記消耗品に関する情報を格納するためのメモリと、前記送受信部との通信の制御と前記メモリへのアクセスの制御とを行うための制御部と、を備えたメモリ回路を備え、
前記メモリ回路は、前記送受信部が前記カートリッジのIDを確認するためのアンチコリジョンモードと、前記送受信部から提供されるメモリアクセスコマンドを受け付けてメモリアクセスを許容するアクティブモードと、を有しており、
前記メモリ回路は、前記アンチコリジョンモードに無い状態から、前記アンチコリジョンモードを経由せずに前記アクティブモードに移行することが可能であることを特徴とする。
【0031】
このカートリッジでは、比較的短時間でメモリアクセスを実現することができる。
【0032】
なお、前記アンチコリジョン開始コマンドは複数のカートリッジで同じ値を共有可能なIDの一部のみを含んでおり、
前記メモリ回路は、前記アンチコリジョン開始コマンドに含まれている前記IDの一部が当該メモリ回路の対応するIDの一部と一致する場合には、他のカートリッジのメモリ回路と同時にアンチコリジョン処理を受け付け得るものとしてもよい。
【0033】
この構成では、複数のカートリッジを対象として同時にアンチコリジョン処理を開始できるので、全体としてIDの確認をより効率的に行える可能性がある。
【0034】
前記メモリ回路が他のカートリッジのメモリ回路と同時にアンチコリジョン処理を受け付け得るのは、各カートリッジのアンテナと前記送受信部のアンテナがそれぞれ約30mm以内に近接したときに限定されるようにしてもよい。
【0035】
こうすれば、非接触通信となるカートリッジを極く少数に限定した状態で、より確実に通信することが可能である。
【0036】
前記メモリアクセスコマンドは、前記カートリッジのIDの全部を有するリードコマンドと、前記カートリッジのIDの全部を有するライトコマンドと、を含むようにしてもよい。
【0037】
あるいは、前記メモリアクセスコマンドは、前記カートリッジのIDの特定の一部分のみを有するリードコマンドと、前記カートリッジのIDの特定の一部分のみを有するライトコマンドと、を含むようにしてもよい。
【0038】
このように、IDの一部または全部を有するメモリアクセスコマンドを利用すれば、メモリアクセスをより確実に行うことが可能である。
【0039】
前記リードコマンドは、読み出し開始アドレスと、データ読み出し量とを含んでおり、
前記メモリ回路は、前記リードコマンドに応じて前記メモリからデータを読み出して前記送受信部に返信するものとしてもよい。
【0040】
この構成では、メモリ回路から所望の量のデータを読み出すことが可能である。
【0041】
前記メモリ回路は、前記リードコマンドで指定されたデータ読み出し量の一部のみしかデータを読み出せなかったときには、読み出したデータと、読み出しエラーが発生したことを示すエラーコードとを前記送受信部に返信するようにしてもよい。
【0042】
この構成では、可能な限り読み出すことのできたデータを送受信部に送信することができ、また、エラーがあることも通知することができる。
【0043】
前記ライトコマンドは、書込アドレスと、所定量のデータとを含んでおり、
前記メモリ回路は、前記ライトコマンドに応じて前記メモリに前記所定量のデータを書込み、書込終了後に前記送受信部に対して書込が終了したことを通知するものであってもよい。
【0044】
前記メモリ回路は、前記送受信部のアンテナが前記メモリ回路のアンテナの約30mm以下の所定の距離以内に近接して発信した高周波無線信号を受信したときに高周波無線信号から電源出力を発生させて前記待機モードに移行し、前記送受信部のアンテナが前記メモリ回路のアンテナから前記所定の距離以上離れたときには動作しないものとしてもよい。
【0045】
この構成では、アンテナ同士が所定の距離以内に近接したときにのみ通信が可能なので、通信相手のカートリッジがある程度限定された状態でより確実に通信を行うことが可能である。
【0046】
前記メモリ回路が受け付け可能なコマンドはすべてIDの少なくとも一部を含んでおり、
前記メモリは、受け付けたコマンドに含まれる前記少なくとも一部のIDが前記カートリッジの対応するID部分と一致する場合にのみ、前記コマンドに応じた動作を実行するものとしてもよい。
【0047】
この構成では、メモリ回路の動作をより確実に行わせることが可能である。
【0048】
本発明による印刷装置は、情報を記憶可能な素子を備えた複数のインクユニットと、前記複数のインクユニットを支持するインクユニット支持部材と、前記素子と非接触にて通信して情報の読み取り又は書き込みを行う通信手段とを有する印刷装置において、前記各インクユニットについて、前記通信手段が該インクユニットに備えられた素子と通信して該素子に記憶されたID情報を読み取る第1手順と、読み取った前記ID情報によって各素子を識別しつつ、前記通信手段が、前記インクユニット支持部材に支持されたインクユニットに備えられた各素子と通信を行う第2手順とを備え、前記通信手段が前記素子との通信を開始する際に、前記各インクユニットに備えられた素子に記憶されたID情報が既に正常に読み取られている場合には、前記第1手順を実行することなく、前記第2手順を実行して、前記通信手段が前記素子と通信を行うことを特徴とする。
【0049】
情報を記憶可能な素子を備えた複数のインクユニットと、前記複数のインクユニットを支持するインクユニット支持部材と、前記素子と非接触にて通信して情報の読み取り又は書き込みを行う通信手段とを有する印刷装置においては、通信手段が非接触にて通信するために、所望の素子とは異なる素子と誤って通信してしまうおそれがある。
【0050】
そこで、本発明では、第1手順において、前記各インクユニットについて、前記通信手段が該インクユニットに備えられた素子に記憶されたID情報を読み取り、第2手順において、該ID情報により各素子を識別しつつ各素子と通信することとしたので、特定の素子に対し通信する際に、該素子に記憶されたID情報を用いて照合することによって、他の素子と誤って通信してしまうことを防止できる。
【0051】
また、前記通信手段が前記素子との通信を開始する際に、前記各インクユニットに備えられた素子に記憶されたID情報が既に正常に読み取られている場合には、前記第1手順を実行することなく、前記第2手順を実行して、前記通信手段が前記素子と通信を行うこととしたので、電源投入時など以外の、ID情報が既に正常に読み取られている際の通信処理にかかる時間を短縮することができる。
【0052】
また、前記インクユニットは、前記インクユニット支持部材に対して着脱自在であるとしてもよい。
【0053】
このような、前記インクユニットが前記インクユニット支持部材に対して着脱自在な構成の印刷装置においては、インクユニット支持部材に装着されたインクユニットの配列がユーザによって変更される場合がありうる。そのような場合であっても、第1手順において読み取ったID情報により各素子を識別しつつ、第2手順において各素子と通信することとしたので、特定の素子に対し通信する際に、該素子に記憶されたID情報を用いて照合することによって、他の素子と誤って通信してしまうことを防止できる。また、一旦ID情報が正常に読み取られた後は、前記第1手順を実行することなく、前記第2手順を実行するので、前記通信手段と前記素子との通信処理にかかる時間を短縮することができる。
【0054】
また、前記第1手順を実行して前記各インクユニットに備えられた素子に記憶されたID情報を読み取った後は、印刷装置の電源の遮断及び投入がなされず、かつ、いずれかの前記インクユニットが交換されない限り、前記第1手順を実行することなく、前記第2手順を実行して、前記通信手段が前記素子と通信を行うこととしてもよい。
【0055】
かかる印刷装置によれば、一旦前記第1手順を実行して前記各インクユニットに備えられた素子に記憶されたID情報を読み取った後は、印刷装置の電源の遮断・投入、又は、いずれかのインクユニットの交換を行わない限り、前記第1手順を実行せずに、前記第2手順における前記通信手段と前記素子との通信を行うので、通信処理にかかる時間を短縮することができる。
【0056】
また、前記ID情報は、前記素子が前記インクユニットに取り付けられる前に、該素子に記憶させられた該素子固有の情報であるとしてもよい。
【0057】
かかる印刷装置によれば、前記ID情報は、前記素子が前記インクユニットに取り付けられる前に該素子に記憶させられた、該素子ごとに異なる固有の情報であるから、インクユニット支持部材に配列された個々のインクユニットに備えられた素子を確実に識別することが可能となる。
【0058】
また、前記インクユニット支持部材は移動可能であって、前記各インクユニットに備えられた素子は、前記インクユニット支持部材の移動によって、前記通信手段の近傍に至ったときにのみ、前記印刷装置本体から電力の供給を受けることとしてもよい。
【0059】
かかる印刷装置によれば、前記各インクユニットに備えられた素子は、前記インクユニット支持部材が前記通信手段の近傍に至ったときにのみ、読み取りや書き込みなどの通信処理に必要な電力が供給されて、前記第1手順や前記第2手順が実行される。
【0060】
また、本発明によるインクユニットは、情報を記憶可能な素子を備え、インクユニット支持部材に複数支持され、印刷装置本体に設けられた通信手段と前記素子とが非接触にて通信して情報の読み取り又は書き込みが行われるインクユニットにおいて、前記印刷装置本体には、前記各インクユニットについて、前記通信手段が該インクユニットに備えられた素子と通信して該素子に記憶されたID情報を読み取る第1手順と、読み取った前記ID情報によって各素子を識別しつつ、前記読み取り部材が、前記インクユニット支持部材に配列されたインクユニットに備えられた各素子と通信を行う第2手順とが備えられており、前記通信手段が前記素子との通信を開始する際に、前記各インクユニットに備えられた素子に記憶されたID情報が前記印刷装置本体に既に正常に読み取られている場合には、前記第1手順が実行されることなく、前記第2手順が実行されて、前記ID情報によって前記素子が識別されつつ、該素子と前記通信手段との通信が行われることを特徴とする。
【0061】
このインクユニットにおいて、前記ID情報が、前記インクユニットの製造情報を有していることとしてもよい。
【0062】
かかるインクユニットによれば、前記素子に記憶された該素子を識別するための前記ID情報が、単に素子に関する情報のみならず、前記インクユニットについての製造情報を有しているから、前記ID情報を、素子の識別だけでなく、インクユニットの有効期限特定などに利用することができる。
【0063】
また、前記製造情報は、前記インクユニットが製造された年、月、日、場所を特定するための情報を有していることとしてもよい。
【0064】
かかるインクユニットによれば、前記ID情報が、前記インクユニットについての詳細な製造情報、すなわち製造年月日又は場所などの情報を有しているから、前記ID情報を、素子の識別だけでなく、インクユニットの有効期限特定などに利用することができる。
【0065】
また、前記素子は、前記印刷装置本体が書き換え可能な書き換え可能領域と、前記印刷装置本体が書き換え不可能な書き換え不可能領域を有し、前記製造情報は、前記書き換え不可能領域に記憶されているものとしてもよい。
【0066】
かかるインクユニットによれば、前記製造情報を、書き換え可能領域に記憶させる必要が無くなるから、その分、書き換え可能領域に多くの情報を記憶させることが可能となる。
【0067】
また、前記インクユニットは、印刷装置本体に備えられたユニット支持部材に複数配列され、該印刷装置本体に設けられた読み取り部材により、前記素子に記憶された前記ID情報が非接触にて読み取られ、該インクユニットの前記インクユニット支持部材における配列順番と、該インクユニットに備えられた前記素子に記憶されたID情報との関係が前記印刷装置本体によって特定されることとしてもよい。
【0068】
かかるインクユニットによれば、インクユニットの前記インクユニット支持部材における配列順番と、該インクユニットに備えられた前記素子に記憶された、前記インクユニットの製造情報を有するID情報との関係が特定され、印刷装置本体のメモリなどに記憶されるので、特定の配列順番のインクユニットに備えられた素子に記憶された情報を読み取る際に、該素子に記憶されたID情報を用いて照合することによって、他の素子の情報を誤って読み取ってしまうことを防止できる。
【0069】
また、本発明による素子は、情報を記憶可能であって、インクユニットに備えられて、該インクユニットとともにインクユニット支持部材に複数支持され、印刷装置本体に設けられた通信手段と前記素子とが非接触にて通信して情報の読み取り又は書き込みが行われる素子において、前記印刷装置本体には、前記各インクユニットについて、前記通信手段が該インクユニットに備えられた素子と通信して該素子に記憶されたID情報を読み取る第1手順と、読み取った前記ID情報によって各素子を識別しつつ、前記読み取り部材が、前記インクユニット支持部材に配列されたインクユニットに備えられた各素子と通信を行う第2手順とが備えられており、前記通信手段が前記素子との通信を開始する際に、前記各インクユニットに備えられた素子に記憶されたID情報が前記印刷装置本体に既に正常に読み取られている場合には、前記第1手順が実行されることなく、前記第2手順が実行されて、前記ID情報によって前記素子が識別されつつ、該素子と前記通信手段との通信が行われることを特徴とする。
【0070】
また、本発明によるコンピュータシステムは、コンピュータ本体、このコンピュータ本体に接続される表示装置、及び、前記コンピュータ本体に接続される印刷装置であって、情報を記憶可能な素子を備えた複数のインクユニットと、前記複数のインクユニットを支持するインクユニット支持部材と、前記素子と非接触にて通信して情報の読み取り又は書き込みを行う通信手段とを有し、前記各インクユニットについて、前記通信手段が該インクユニットに備えられた素子と通信して該素子に記憶されたID情報を読み取る第1手順と、読み取った前記ID情報によって各素子を識別しつつ、前記通信手段が、前記インクユニット支持部材に支持されたインクユニットに備えられた各素子と通信を行う第2手順とを備え、前記通信手段が前記素子との通信を開始する際に、前記各インクユニットに備えられた素子に記憶されたID情報が既に正常に読み取られている場合には、前記第1手順を実行することなく、前記第2手順を実行して、前記通信手段が前記素子と通信を行う印刷装置、を具備することを特徴とする。
【0071】
本発明によるさらに他の印刷装置は、情報を記憶可能な素子を備えた複数のインクユニットと、前記複数のインクユニットを支持するインクユニット支持部材と、前記素子と非接触にて通信して情報の読み取り又は書き込みを行う通信手段とを有する印刷装置において、前記各インクユニットについて、前記通信手段が該インクユニットに備えられた素子と通信して該素子に記憶されたID情報を読み取る第1手順と、読み取った前記ID情報によって各素子を識別しつつ、前記通信手段が、前記インクユニット支持部材に支持されたインクユニットに備えられた各素子と通信を行う第2手順とを備え、前記第1手順を実行して前記各インクユニットに備えられた素子に記憶されたID情報を読み取った後は、印刷装置の電源の遮断及び投入がなされず、かつ、いずれかの前記インクユニットが交換されない限り、前記第1手順を実行することなく、前記第2手順を実行して、前記通信手段が前記素子と通信を行う印刷装置であり、前記インクユニットは、前記インクユニット支持部材に対して着脱自在であり、前記ID情報は、前記素子が前記インクユニットに取り付けられる前に、該素子に記憶させられた該素子固有の情報であり、前記インクユニット支持部材は移動可能であって、前記各インクユニットに備えられた素子は、前記インクユニット支持部材の移動によって、前記通信手段の近傍に至ったときにのみ、前記印刷装置本体から電力の供給を受けることを特徴とする。
【0072】
かかる印刷装置によれば、第1手順において、前記各インクユニットについて、前記通信手段が該インクユニットに備えられた素子に記憶されたID情報を読み取り、第2手順において、該ID情報により各素子を識別しつつ各素子と通信することとしたので、特定の素子に対し通信する際に、該素子に記憶されたID情報を用いて照合することによって、他の素子と誤って通信してしまうことを防止できる。また、その際、インクユニット支持部材に装着されたインクユニットの配列がユーザによって変更される場合がありうるが、そのような場合であっても、確実に識別しつつ通信できる。また、その際、前記ID情報は、前記素子が前記インクユニットに取り付けられる前に該素子に記憶させられた、該素子ごとに異なる固有の情報であるから、確実に識別しつつ通信できる。
【0073】
また、前記各インクユニットに備えられた素子は、前記インクユニット支持部材が前記通信手段の近傍に至ったときにのみ、読み取りや書き込みなどの通信処理に必要な電力が供給されて、前記第1手順や前記第2手順が実行される。
【0074】
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、消耗品カートリッジ(インクユニット)を搭載可能な装置、消耗品カートリッジ、消耗品カートリッジ用の記憶素子またはメモリ回路、印刷装置(プリンタ)、消耗品カートリッジを搭載可能な装置を備えたコンピュータシステム、これらの各種の装置やシステムや記憶素子の動作のための方法、これらの各種の装置やシステムや記憶素子の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体、そのコンピュータプログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号、等の形態で実現することができる。
【0075】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を以下の順序で説明する。
A.インクジェットプリンタの概略:
B.キャリッジ及びその周辺の構成:
C.記憶素子と送受信部の構成:
D.インクジェットプリンタの内部構成:
E.制御回路の内部構造:
F.インクジェットプリンタの動作:
G.アンチコリジョン処理の詳細:
H.メモリアクセス処理の詳細:
I.プリンタ本体と記憶素子との通信フローの変形例:
J.その他の変形例:
【0076】
A.インクジェットプリンタの概略:
次に、本発明の主な適用対象である印刷装置としてのインクジェットプリンタの概略について説明する。図1は、インクジェットプリンタの概略的な外観を示した図である。
【0077】
ここでは、カラーインクジェットプリンタを示した。このカラープリンタ10は、カラー画像の出力が可能なインクジェットプリンタであり、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロ(Y)、ブラック(K)の標準的な4色の色インクに加え、ライトシアン(薄いシアン、LC)、ライトマゼンタ(薄いマゼンタ、LM)の合計6色をカット紙などの被印刷体(印刷媒体)上に吐出して、ドットを形成することによって画像を形成するインクジェット方式のプリンタである。なお、標準の4色インクセットなど6色以外のインクセットを用いる構成としてもよい。
【0078】
図1に示すように、カラープリンタ10は、背面側上方から供給されたカット紙等の被印刷体を前面から排出するような給紙構造を備えている。プリンタ本体10の前面には操作パネル11、排紙部12が備えられ、背面には給紙部13が備えられている。操作パネル11には、インクユニット交換ボタン111などの各種操作ボタンと、表示ランプ112が設けられている。排紙部12は、不使用時に排紙口を塞ぐ排紙トレイ121が備えられている。給紙部13には、カット紙(図示しない)を保持する給紙トレイ131が備えられている。なお、プリンタ10は、カット紙など単票の被印刷体のみならず、ロール紙などの連続した被印刷体にも印刷できる給紙構造を備えていてもよい。
【0079】
B.キャリッジ及びその周辺の構成:
次にカラープリンタ10内部に設けられた、インクユニット支持部材(またはカートリッジ装着部)としてのキャリッジ20及びその周辺の構成について説明する。図2は、そのキャリッジ20周辺の構成を示した斜視図である。キャリッジ20は、駆動ベルト21によりプーリ22を介してキャリッジモータ23に接続され、摺動軸24に案内されてプラテン25に平行に移動するように駆動される。
【0080】
キャリッジ20には、ブラックインクを収容した消耗品カートリッジであるインクユニット(インクカートリッジ)INC1、及び5色のカラーインクを収容した5つのインクユニットINC2〜INC6が取り付けられている。キャリッジ20の印刷紙に対向する面には、ブラックインクを吐出するノズルを有する印字ヘッドIH1、及び5色のカラーインクをそれぞれ吐出するノズル列を有する印字ヘッドIH2〜IH6が設けられ、各ノズルはそれぞれインクユニットINC1〜INC6からインクの供給を受けて印刷紙にインク滴を吐出し、文字や画像を印刷する。
【0081】
また、キャリッジ20の移動可能範囲のうちの右側非印字領域には、非印字時にヘッドIH1〜IH6のノズル開口を封止するためのキャッピング装置26と、図示しないポンプモータを有するポンプユニット27とが設けられている。キャリッジ20が印字領域から右側非印字領域に移動すると、図示しないレバーにキャリッジ20が当接して、キャッピング装置26が上方に移動し、ヘッドIH1〜IH6を封止する。
【0082】
ヘッドIH1〜IH6のノズル開口列に目詰まりが生じた場合や、インクユニットINC1、INC2の交換等を行った際に、ヘッドIH1〜IH6から強制的にインクを吐出又は排出する場合は、ヘッドIH1〜IH6を、キャップ261、262により封止した状態でポンプユニット27を作動させ、ポンプユニット27からの負圧により、ノズル開口列からインクを吸い出す。これにより、ノズル開口列の近傍に付着している塵埃や紙粉が洗浄され、さらにはヘッドIH1〜IH6内の気泡がインクとともにキャップ261、262に排出される。
【0083】
各インクユニットINC1〜INC6の手前側(排紙方向側)の面には情報を記憶可能な素子311〜316が1つずつ設けられ、また、図2には図示されていないが、キャリッジ20の移動可能範囲の左側非印字領域の適宜な箇所に、各記憶素子と対向するように、情報の読み取り又は書き込みを行う通信手段としての送受信部が設けられる。
【0084】
図3(a)、(b)は、キャリッジ20と各インクユニットINC1〜INC6、各インクユニットに設けられた記憶素子311〜316、及び印刷装置本体としてのプリンタ10本体(プリンタ10のインクユニットINC1〜INC6を除く部分)側に設けられる送受信部30の位置関係を分かりやすく示した模式図である。図3(a)は、図2における手前側から見た斜視図、図3(b)は、真上から見た平面図である。
【0085】
キャリッジ20に収容されている各インクユニットINC1〜INC6は、着脱自在であり、ユーザによって、インクが消費された場合、有効使用期限が過ぎた場合、あるいは、他の色に変更する場合等に、適宜交換がなされる。
【0086】
図3(b)から分かるように、本実施形態の送受信部30(より正確には送受信部30のアンテナ)は、インクユニット(及びその上に設けられた記憶素子)の記憶素子配設面のほぼ2つ分に対向する大きさである。なお、送受信部30は、このような大きさ以外にも、記憶素子配設面1つ分に対向する程度の大きさであってもよいし、又は、3つ以上に対向する程度の大きさであってもよい。
【0087】
送受信部30は、手前側から向かって左端、すなわち1番目の記憶素子311から右端の6番目の記憶素子316に向かって、順次ID情報の読み取り処理や、ID情報以外の常用の読み取り又はインク残量情報などの書き込み処理(以下、まとめてメモリアクセス処理と呼ぶ)を行う。これらのID情報読み取り処理、及びメモリアクセス処理の詳細については後述する。
【0088】
C.記憶素子と送受信部の構成:
次に、図4を参照して記憶素子311と送受信部30の構成について説明する。図4(a)は、記憶素子311の構成を示す平面透視図である。記憶素子311は、送受信部30とのデータ送受信可能距離が10mm程度である近接型の非接触式記憶素子である。全体としてごく小型かつ薄型で、片面に粘着性を持たせてシールとして対象物に貼着させることもできる。なお、記憶素子311以外の記憶素子も全く同様の構成であるので説明は省略する。
【0089】
記憶素子311は、ICチップ3111と、金属皮膜をエッチングして形成された共振用コンデンサ3112及び平面状コイル3113とがプラスチックフィルム上に実装され、透明なカバーシートにより被覆されている。一方、平面図などは示さないが、送受信部30は、記憶素子311と同様のコイルアンテナ301と、送受信回路302とから構成され、電力の供給はプリンタ本体10の電源ユニットから受ける。
【0090】
なお、電力の供給は、送受信部30と各記憶素子311〜316とが接近したときにのみ行われる。すなわち、通常の印刷処理実行時などにおいては、記憶素子311〜316に電力が供給されて通信処理が行われることはない。
【0091】
図4(b)は記憶素子311及び送受信部30の内部構成を示すブロック図である。送受信部30は、アンテナコイル301と、後述するプリンタ本体制御回路の周辺機器入出力部(PIO)54に接続される送受信回路302とから構成されている。記憶素子311のICチップ3111は、整流器3114、RF(Radio Frequency)信号解析部3115、制御部3116、メモリセル3117から構成されている。メモリセル3117は、NAND型フラッシュROMなど電気的に読み書き可能なメモリである。制御部3116は、制御動作を行うロジック回路として実現可能であり、あるいは、プログラムを実行することによって制御動作を実現するマイクロプロセッサとしても実現可能である。なお、本明細書においては、この記憶素子311の例のように、アンテナと、メモリと、非接触通信によるメモリアクセスの制御を行う制御部と、を備える回路を、単に「メモリ回路」とも呼ぶ。
【0092】
記憶素子311のアンテナ3113と送受信部30のアンテナ301とは、互いに通信し合い、メモリセル3117に保存されたID情報の読み取りやメモリアクセス処理を行う。また、送受信部30の送受信回路302で発生された高周波信号は、アンテナ301を介して高周波磁界として誘起される。この高周波磁界は、記憶素子311のアンテナ3113を介して吸収され、整流器3114で整流されてICチップ3111内の各回路を駆動する直流電力源となる。
【0093】
記憶素子311のメモリセル3117には、素子のシリアル番号など、記憶素子ごとに固有の情報、すなわちID情報が記録されている。このID情報データは、記憶素子の工場製造時において、書き込み処理されることとすればよい。このID情報をプリンタ10本体側の送受信部30で読み取ることによって、個々の記憶素子311〜316を識別することが可能になる。
【0094】
また、記憶素子311のメモリセル3117には、ID情報以外に、当該記憶素子311が添付されるインクユニットINC1の製造情報や、有効期限に関する情報などが含まれていてもよい。これらの情報をプリンタ10本体側で読み取り、現在日時との比較処理などを実行することによって、インクユニットINC1の有効期限終了が近づいたときに、ユーザに対して警告を出すことなども可能である。
【0095】
また、本実施形態のメモリセル3117には、インクユニットINC1のインク残量情報などを書込むこともできる。この残量情報をプリンタ10本体側で読み取り、残量が僅かになったときにユーザに対して警告を出すことなども可能である。なお、各記憶素子311〜316には、上記の情報以外の情報が適宜含まれていてもよい。
【0096】
図5(a)は、記憶素子のメモリセルに記録されている情報の内容を示す表である。メモリセル3117は、図5(a)に示すように、プリンタ本体によるデータの読み取り及び書き込みが可能な書き換え可能領域61と、プリンタ本体によるデータの読み取りが可能であり書き換えが不可能な書き換え不可能領域62とを有している。
【0097】
書き換え不可能領域62に対する書き込みは、記憶素子311がインクユニットINC1に取り付けられる前、例えば、記憶素子311が製造される過程や、インクユニットINC1が製造される過程で行われる。従って、プリンタ10の本体側は、書き換え可能領域61に記憶されているデータに対しては、データの読み出し及び書き込みの双方を実行し得るが、一方、書き換え不可能領域62に対しては、データの読み取りを実行し得るが、データの書き込みは実行し得ない。
【0098】
書き換え可能領域61は、さらに、ユーザメモリと分類コード記憶領域とに分割されている。このうちユーザメモリには、インクユニットINC1のインク残量情報などを書き込むために使用される。インク残量情報をプリンタ10本体側で読み取り、残量が僅かになったときにユーザに対して警告を出すことなども可能である。分類コード記憶領域では、インクユニットの種類などを区別するための様々なコードが記憶されており、ユーザが独自にこれらのコードを使用することができる。
【0099】
書き換え不可能領域62は、ID情報記憶領域となっている。ID情報記憶領域には、当該記憶素子311が取り付けられるインクユニットに関する製造情報を含む、記憶素子311識別のための固有のID情報が記憶されている。
【0100】
図5(b)は、上記メモリセル3117の内容のうち、ID情報記憶領域の内容をさらに詳細に示す表である。ID情報記憶領域は、当該記憶素子311が取り付けられるインクユニットに関する各種製造情報を記憶させたインクユニット製造情報領域63を有している。
【0101】
インクユニット製造情報領域63には、そのインクユニットが製造された年、月、日、時、分、秒、場所についての情報が記憶されている。これらは全て4〜8bit程度の大きさの領域に書き込まれており、全体で40bit〜70bit程度のメモリ領域を必要とする。このインクユニットに関する製造情報63を、書き換え可能領域61のユーザメモリに書き込むこととせず、書き換え不可能領域62に記憶させておく構成としたことにより、その分メモリセル3117の書き換え可能領域61に多くの情報を書き込むことが可能となる。
【0102】
また、プリンタ10の電源投入直後などに、各記憶素子311〜316から各インクユニットINC1〜INC6の製造情報を含むID情報を読み取ることにより、例えば、インクユニット有効期限が残り僅かである場合に、ユーザに対して警告を出すことなどが可能である。
【0103】
なお、各記憶素子311〜316のメモリセル3117には、上記の情報以外の情報が適宜含まれていてもよい。また、メモリセル3117は、全体が書き換え可能領域としてもよい。その場合、上記インクユニット製造情報を含む記憶素子固有のID情報などは、メモリセル3117全体をNAND型フラッシュROMなど電気的に読み書き可能なメモリにより構成すればよい。
【0104】
D.インクジェットプリンタの内部構成:
次に、図6を参照してカラーインクジェットプリンタ10の内部構成について説明する。図6は、本実施の形態に係るプリンタ10の内部構成を示した図である。
【0105】
プリンタ10は、図示するように、キャリッジ20に搭載された印字ヘッドIH1〜IH6を駆動してインクの吐出及びドット形成を行う機構と、このキャリッジ20をキャリッジモータ23によってプラテン25の軸方向に往復動させる機構と、給紙トレイ131から供給されるカット紙133などの被印刷体を紙送りモータ40によって搬送する機構と、制御回路50とを有している。
【0106】
キャリッジ20をプラテン25の軸方向に往復動させる機構は、プラテン25の軸と並行に架設されてキャリッジ20を摺動可能に保持する摺動軸24と、キャリッジモータ23との間に無端の駆動ベルト21を張設するプーリ29と、から構成されている。
【0107】
被印刷体を搬送する機構は、プラテン25と、給紙補助ローラ(図示せず)と、プラテン25を回転させる紙送りモータ40と、紙送りモータ40の回転をプラテン25などに伝えるギヤ機構41と、プラテン25の回転角度を検出するエンコーダ42とを有している。また、プリンタ10のケーシング(図示せず)内面の適宜な位置、例えばキャリッジ20の左側非印字領域の特定の位置には、送受信部30が設けられている。
【0108】
制御回路50は、プリンタの操作パネル11や送受信部30、外部接続されるパーソナルコンピュータ等と信号をやり取りしつつ、紙送りモータ40やキャリッジモータ23、印字ヘッドIH1〜IH6の動きを適切に制御する。給紙トレイ131から供給されるカット紙は、プラテン25と給紙補助ローラの間に挟み込まれるようにセットされ、プラテン25の回転角度に応じて所定量ずつ搬送される。
【0109】
キャリッジ20にはインクユニットINC1〜INC6が装着される。各インクカートリッジINC1〜6には、インク残量等を記憶する記憶素子311〜316が備えられている。インクカートリッジINC1には黒(K)インクが収容され、インクカートリッジINC2〜6にはそれぞれ、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロ(Y)、ライトシアン(LC)、ライトマゼンタ(LM)が収容されている。
【0110】
E.制御回路の内部構造:
次に図7を参照してインクジェットプリンタの制御回路50の内部構成について説明する。図7は、本実施の形態に係るインクジェットプリンタの制御回路50の内部構成を示したブロック図である。
【0111】
図示するように、制御回路50の内部には、CPU51、PROM52、RAM53、周辺機器入出力部(PIO)54、タイマ55、駆動バッファ56等が設けられている。
【0112】
PIO54には、操作パネル11、パーソナルコンピュータPC、キャリッジモータ23、紙送りモータ40、エンコーダ42、及び送受信部30が接続されている。駆動バッファ56は、印字ヘッドIH1〜IH6にドット形成のためのオン・オフ信号を供給するバッファとして使用される。これらは互いにバス57で接続され、相互にデータのやり取りが可能となっている。また、制御回路50には、所定周波数で駆動波形を出力する発振器58、及び発振器58からの出力を印字ヘッドIH1〜IH6に所定のタイミングで分配する分配出力器59も設けられている。
【0113】
制御回路50は、電源投入時などに、キャリッジ20を、送受信部30の設けられた左側非印字領域に移動させ、左端のインクユニットINC1に設けられた記憶素子311から順次右端の記憶素子316までを読み取る。そして制御回路50は、記憶素子311〜316からID情報をそれぞれ取得する。一旦全ての記憶素子311〜316からID情報を取得した後は、これらのID情報によって記憶素子311〜316(及びインクユニットINC1〜INC6)を識別しつつ、メモリアクセス処理を行う。これらのID情報読み取り処理(第1手順)、及びID情報による識別を行いつつ実行するメモリアクセス処理(第2手順)の詳細ついては、後述する。
【0114】
F.インクジェットプリンタの動作:
図8は、各インクユニットINC1〜INC6に設けられた記憶素子311〜316と、プリンタ10本体側に設けられた送受信部30との間で行われる通信処理、すなわち、ID情報読み取り処理(第1手順)、及び、ID情報以外の読み取り処理とインク残量情報などのインクユニット関連情報の書き込み処理とを含むメモリアクセス処理(第2手順)、の各ステップを示すフローチャートである。
【0115】
このプリンタ10は、(1)電源投入時、(2)電源オン中にユーザがインクユニットINC1〜INC6の何れかを交換したとき、(3)前回の通信処理を実行してから所定時間経過したとき等に、インクユニットの製造情報の読み取りや、インク残量の書き込み/読み取り処理などを実行するために、通常の印刷処理時に行う通信処理とは異なる記憶素子311〜316との通信処理ルーチンを実行する。
【0116】
その際、まず、インクユニットINC1〜INC6を収容するキャリッジ20は、通常の印刷実行時の位置又は右側非印字領域から離れて、左側非印字領域へと移動する。キャリッジ20がこの左側非印字領域に移動することによって、送受信部30の近傍に至った記憶素子311などは、送受信部30のアンテナコイル301から電力の供給を受けて通信を行うことができるようになる。
【0117】
このようにして開始される送受信部30と各記憶素子311〜316との通信ルーチンでは、まず、プリンタ本体10側の制御回路50にて、電源オン要求が発生したか否かを判定する(ステップs100)。すなわち、インクジェットプリンタ10の作動開始時であるか否かを判定する。電源オン要求は、ユーザがプリンタ10の電源ボタンを押して電源を投入したときに発生してインクユニットとの通信を要求する信号であり、「電源オン通知」とも呼ぶ。電源オン要求が発生したと判定した場合には(ステップs100:Yes)、第1手順すなわち記憶素子311〜316からのID情報読み取り手順を開始する(ステップs104)。
【0118】
制御回路50は、電源オン要求が発生していないと判定した場合には(ステップs100:No)、プリンタ10が通常の印刷処理を実行中であると判断し、次にインクユニットの交換要求が発生したか否かを判定する(ステップs102)。インクユニットの交換要求は、例えば、電源オンの最中にユーザが操作パネル11上のインクユニット交換ボタン111を押してインクユニットINC1〜INC6の何れかの交換を行った後に発生してインクユニットとの通信を要求する信号であり、「インクユニット交換通知」とも呼ぶ。
【0119】
制御回路50は、インクユニット交換要求が発生したと判定した場合には(ステップs102:Yes)、第1手順、すなわち交換されたインクユニットに設けられた記憶素子からのID情報読み取り手順を開始する(ステップs104)。一方、インクユニット交換要求が発生していない(ステップs102:No)と判定した場合には、既に電源投入時などに各記憶素子311〜316のID情報を既に正常に読み取っていると判断して、直ちに第2手順すなわち記憶素子311〜316とのメモリアクセス処理を開始することが可能である(ステップs200)。
【0120】
第2手順の開始時には、制御回路50はまず、アクティブモードコマンドを各記憶素子311〜316に向けて発行する(ステップs202)。アクティブモードコマンドとは、各記憶素子311〜316に対しそれぞれのID情報を随伴させて発行するコマンドであり、各記憶素子311〜316は、受信したID情報を照合して自身のID情報と一致した場合、メモリアクセス準備OKの信号を送受信部30に送信する。
【0121】
制御回路50は、全ての記憶素子311〜316からアクティブモードコマンドに対するOKの応答を得た場合、各記憶素子311〜316に対するメモリアクセス処理を実行する(ステップs204)。このように、電源投入時など以外の、ID情報が既に正常に読み取られている場合には、第1手順を実行することなく第2手順を開始するから、通信処理にかかる時間を短縮することができる。なお、いずれかの記憶素子からアクセス準備OKの応答が得られない場合には、再度ID情報読み取り処理(第1手順)を実行することとすればよい。
【0122】
制御回路50は、メモリアクセス処理が終了して、各記憶素子311〜316に対するインク残量情報の書き込みなどが終了した場合は、本通信処理ルーチンを終了する。
【0123】
一方、制御回路50が第1手順すなわち記憶素子311〜316からのID情報読み取り手順を開始した場合(ステップs104)は、次に、アンチコリジョン処理を実行する(ステップs106)。アンチコリジョン処理とは、いまだ各記憶素子311〜316からそれぞれのID情報を取得していない場合に、各素子からID情報読み取り処理を行う際に混信が発生することを防止するための処理である。このアンチコリジョン処理が途中で失敗した場合は、再度始めからアンチコリジョン処理を実行することとすればよい。アンチコリジョン処理の詳細については後述する。
【0124】
アンチコリジョン処理が終了した場合、制御回路50は、各記憶素子311〜316からのID情報読み取り処理を実行する(ステップs108)。このID情報読み取り処理が終了した場合、とりあえず本通信処理ルーチンを終了する場合と、引き続いて各記憶素子311〜316とのメモリアクセス処理を開始する場合(ステップs206)とがある。
【0125】
制御回路が、メモリアクセス処理を開始する場合は、以降の処理(ステップs208、s210)は、前記ステップs202、s204と同様であるので説明を省略する。メモリアクセス処理が終了して、各記憶素子311〜316に対するインク残量情報の書き込みなどが終了した場合は、本通信処理ルーチンを終了する。
【0126】
以上、インクユニットINC1〜INC6に設けられた記憶素子311〜316と送受信部との第1手順(通信処理)及び第2手順(メモリアクセス処理)に付いて説明したが、それぞれ各記憶素子312〜316との通信処理は、以下で説明するように、左端の記憶素子311から右端の記憶素子316へと順次1つずつ行われる。その際、キャリッジ20は、インクユニット1つ分ずつ順次移動しては停止して、各インクユニットの記憶素子の通信処理が行われる。又は、本実施形態の送受信部30のように、インクユニットほぼ2つ分に対向する大きさである場合は、インクユニット2つ分ずつ合計3回移動・停止し、各位置で記憶素子2つずつと通信処理を行うこととすれば、キャリッジ20の移動・位置決め動作が少なくて済むのでより好ましい。
【0127】
次に、図9及び図10を参照して、インクジェットプリンタ10の記憶素子311〜316に対するアクセス動作について説明する。
【0128】
図9は、電源投入時や、インクユニット交換時に、送受信部30が、記憶素子311〜316に記録されたID情報を読み取る際の、キャリッジ20(及びインクユニットINC1〜INC6)の動作シーケンスを示す図である。これらの場合以外におけるID情報読み取り動作実行を指示するコマンドは、パーソナルコンピュータPCの画面にてユーザがプリンタドライバソフトにより実行するか、又はプリンタ10の操作パネル11(図1)にて行うことができる。
【0129】
本実施形態の送受信部30(より正確にはそのアンテナ)は、インクユニットINC1〜INC6(及びその上に設けられた記憶素子311〜316)の記憶素子配設面のほぼ2つ分に対向する大きさであり、送受信部30が、ある記憶素子とそれに隣接する記憶素子とのちょうど中央に位置するようにキャリッジ20を停止させた場合は、それら両方の記憶素子とデータを送受信することが可能である。送受信部30は、図の向かって左端、すなわち1番目の記憶素子311から右端の6番目の記憶素子316に向かって、順次ID情報の読み取りや書き込み動作を行う。
【0130】
まず、送受信部30がいずれの記憶素子311〜316にもアクセスしていない非アクセス状態(図9(a)のs110)では、キャリッジ20は、送受信部30が設けられている左側非印字領域よりも遠く右方に位置しており、いずれのインクユニットINC1〜6の記憶素子311〜316ともアクセスすることはできない。
【0131】
次に、インクユニットINC1のアクセス状態(図9(b)のs111)では、キャリッジ20が左側非印字領域まで移動して、左端のインクユニットINC1のみと送受信部30とがデータ送受信可能な位置に停止する。すなわち、送受信部30のアンテナコイル301の右端が、記憶素子311の中央付近に対向するような位置であって、この位置では、送受信部30は、インクユニットINC2の記憶素子312とは遠すぎてデータ送受信することができないような位置である。本実施形態では、送受信部30と各記憶素子とは約10mm以下の距離で非接触通信が可能なので、図9(b)の停止位置では、送受信部30と2番目の記憶素子312との間隔が10mmよりも十分に大きな状態にある。この停止位置にて、送受信部30は、まず記憶素子311に記録されたID情報を読み取る。換言すれば、送受信部30は、ID確認処理の対象となる1番目のインクユニットの位置が識別できる位置において、ID情報の読み取りを行う。なお、ID情報の読み取り処理の際の記憶素子の動作モードを、「アンチコリジョンモード」と呼ぶ。
【0132】
ここで、ID情報にはインクユニットINC1に関する製造情報が含まれているため、例えば、その製造年月日よりインクユニットINC1の有効期限が残り僅かであると、プリンタ10本体側で判断された場合は、パーソナルコンピュータPCの画面上やプリンタ10本体に備えられた表示部においてユーザに警告を表示することができる。
【0133】
次に、キャリッジ20をインクユニット1つ分だけ左方に移動した所にて停止させ、2番目のインクユニットINC2の記憶素子312のID情報読み取りを実行する(図9(c)のs112)。この停止位置では、送受信部30は記憶素子311にもアクセス可能なので、データの混信を防ぐために、記憶素子312に対して送受信部30から送信するID情報読み取りコマンド(「アンチコリジョンコマンド」も呼ぶ)に、既に読み取った記憶素子311のID情報を随伴させる。この記憶素子311のID情報を用いて、記憶素子311,312の側で識別を行うことにより、間違いなく記憶素子312からのID情報を読み取ることができる。この代わりに、記憶素子311がそのID情報の読み取り処理が完了した時点でアンチコリジョンモードから自動的に脱するようにして、記憶素子311がそれ以降のアンチコリジョンコマンドを受け付けないようにしてもよい。
【0134】
以降同様に、インクユニットINC3〜INC6の記憶素子313〜316のID情報の読み取り動作を順次行う(図9(d)〜(e)のs113〜s116)。最後の記憶素子316のID情報を読み取った(s116)後で、キャリッジ20を右側非印字領域の位置に戻し、ID情報読み取りルーチンを終了する。以上で各記憶素子311〜316のID情報を全て取得したので、プリンタ10本体側では、インクユニットINC1〜INC6の配列について把握することができる。すなわち、最も左側には、記憶素子311から読み取ったID情報に相当するインクユニットINC1が配置されており、その右側に隣接する位置には記憶素子312から読み取ったID情報に相当するインクユニットINC2が配置されているといった様に、全インクユニットINC1〜INC6のキャリッジ20内における配列順番がプリンタ本体内のメモリに記録されたことになる。換言すれば、上述の手順では、ID確認の対象である1つのインクユニットの位置が識別可能な状態において各インクユニットのID情報の確認を行い、その結果、各インクユニットとそのID情報とがプリンタ本体内のメモリに格納される。
【0135】
次に、上記各ステップで把握されたID情報とインクユニットINC1〜INC6の配列順番との関係に関する情報を利用することによって、記憶素子311〜316に記録されているID情報以外の情報を送受信部30から読み取る動作について説明する。図10は、送受信部30が、記憶素子311〜316に記録されたID情報以外の情報を読み取る際の、キャリッジ20(及びインクユニットINC1〜INC6)の動作シーケンスを示す図である。
【0136】
まず、送受信部30がいずれの記憶素子311〜316にもアクセスしていない非アクセス状態(図10(a)のs220)では、キャリッジ20は、送受信部30が設けられている左側非印字領域よりも遠く右方に位置しており、いずれのインクユニットINC1〜INC6の記憶素子311〜316ともアクセスすることはできない。
【0137】
次に、インクユニットINC1及びINC2へのアクセス状態(図10(b)のs221)では、キャリッジ20が左側非印字領域まで移動し、左端のインクユニットINC1とそれに隣接するインクユニットINC2とに対して、送受信部30がデータ送受信可能な位置に停止する。すなわち、この停止位置は、送受信部30のアンテナコイル301の中央が、記憶素子311と記憶素子312の間付近に対向するような位置であって、この位置では、送受信部30は、インクユニットINC1及びICN2の両方の記憶素子311、312とデータ送受信することが可能である。
【0138】
送受信部30は、この停止位置にて、記憶素子311及び312に対し、それぞれデータ読み取りコマンドを送信する。その際、1番目の記憶素子311に対しては、既に読み取られた記憶素子311のID情報を随伴させる。このコマンドを受信した記憶素子311は、随伴されたID情報が確かに記憶素子311自身のID情報であることを確認した上で、要求されたID情報以外の情報を送受信部30に送り返す。2番目の記憶素子312に対する読み取り処理も同様に行われる。
【0139】
次に、キャリッジ20をインクユニット2つ分左方に移動した所にて停止させ、インクユニットINC3及びINC4の記憶素子313、314に対し、データ読み取りを実行する(図10(c)のs222)。この停止位置では、上記記憶素子311、312に対する読み取り処理と同様に、記憶素子313、314のID情報を用いてそれぞれの記憶素子313、314を確実に識別しつつ、それぞれのID情報以外の情報を読み取る。
【0140】
同様に、キャリッジ20をインクユニット2つ分左方に移動させて停止し(図10(d)のs223)、記憶素子315、316の非ID情報読み取りを行った後、本ルーチンを終了する。
【0141】
本実施形態のように、一度に2つの記憶素子に対して送受信部30がアクセスできる位置にキャリッジ20を停止させつつ、非ID情報を読み取ることによって、キャリッジ20の移動・位置決め動作が3回で済む。記憶素子1つ分ずつ移動・位置決めしつつ記憶素子を1つずつ読み取ることも可能であるが、本実施形態はその半分の移動・位置決め動作で済むので、読み取り処理全体にかかる時間を短縮することができ、より好ましい。一般に、送受信部30が同じ位置においてN個のインクユニットと通信できる場合には、N個のインクユニット分ずつ送受信部30を移動させればよい。
【0142】
なお、各記憶素子311〜316のメモリセル3117内の、書き換え可能領域61に対し、各インクユニットINC1〜INC6のインク残量情報などのインクユニット関連情報を、送受信部30を介して随時書き込むことも可能である。その場合の書き込み動作も、上記非ID情報の読み取り処理と同様に、既に読み取った各記憶素子311〜316のID情報を用いて各記憶素子を確実に識別しつつ行うことができる。
【0143】
G.アンチコリジョン処理の詳細:
図11は、記憶素子311の動作モードの遷移を示す状態遷移図である。記憶素子311は、パワーオフモードM1と、待機モードM2と、アンチコリジョンモードM3と、アクティブモードM4の4つのモードを有している。パワーオフモードM1は、送受信部30から高周波信号を受け取っておらず、記憶素子311内に電源出力が発生していない状態である。送受信部30と記憶素子311が約30mm以下の所定の距離以内に近接して記憶素子311が高周波信号を受け取ると、記憶素子311はパワーオフモードM1から待機モードM2に移行する。なお、通信が可能になる所定の距離としては、約15mmが好ましく、約10mmがさらに好ましい。
【0144】
記憶素子311が待機モードM2にあるときに送受信部30からアンチコリジョン開始コマンドを受けると、アンチコリジョンモードM3に移行する。アンチコリジョンモードM3は、前述したアンチコリジョン処理(ID情報の確認)を行うためのモードである。図11の例では、アンチコリジョン処理が終了すると(すなわち、ID情報の確認が成功すると)、記憶素子311が自動的にアクティブモードM4に移行する。なお、アンチコリジョン処理の途中においてIDの確認に失敗すると、その記憶素子311はアンチコリジョンモードM3から待機モードM2に戻る。記憶素子311がアンチコリジョンモードM3にあるときには、送受信部30はアンチコリジョン処理によって記憶素子311に格納されたID情報の確認を行うことができるだけであり、その他のメモリアクセスを行うことはできない。また、アンチコリジョン処理は、記憶素子311がアンチコリジョンモードM3にあるときにのみ実行可能である。アンチコリジョン処理の詳細についてはさらに後述する。
【0145】
アクティブモードM4は、メモリアクセスを行うためのモードである。記憶素子311がアクティブモードM4にあるときには、送受信部30はメモリセル3117(図4)からの読み出しと書き込みとを行うことが可能である。また、記憶素子311がアクティブモードM4以外のモードにあるときには、送受信部30はメモリアクセスを行うことはできない。記憶素子311は、待機モードM2においてアクティブモードコマンドを受けたときにアクティブモードM4に移行する。また、前述したように、ID情報の確認が成功したときにも、自動的にアンチコリジョンモードM3からアクティブモードM4に移行する。なお、記憶素子311は、アクティブモードM4において待機コマンドを受けると待機モードM2に戻る。
【0146】
なお、アンチコリジョン開始コマンドは、複数のカートリッジに共通する特定のID情報の一部を含んでおり、複数のカートリッジを同時にアンチコリジョンモードM3に移行させることが可能である。但し、アンチコリジョン開始コマンドは、ID情報を含む必要は無い。アクティブモードコマンドは、カートリッジのID情報の全部を含んでおり、1つのカートリッジの記憶素子311のみをアクティブモードM4に移行させる。待機コマンドも、カートリッジのID情報の全部を含んでいる。この例のように、記憶素子311が受け付け可能なコマンドにID情報の一部または全部を含めるようにすれば、記憶素子311へのアクセスをより確実に行うことができる点で好ましい。
【0147】
このように、本実施形態の記憶素子311は、待機モードM2にあるときにアクティブモードコマンドを受けたときには、アンチコリジョン処理を経由せずに待機モードM2からアクティブモードM4に直接移行する。従って、送受信部30は、予めID情報を確認済みのインクユニットに関しては、アクティブモードコマンドを発行することによって直ちにメモリアクセス処理を開始することができるという利点がある。このような利点は、本実施形態のようなプリンタ10に限らず、一般に、カートリッジがあまり頻繁に交換されないような装置において顕著である。すなわち、このような装置においては、一度そのカートリッジのIDをアンチコリジョン処理で確認した後は、カートリッジのIDが既知となるので再度アンチコリジョン処理を行う必要がない。従って、アクティブモードコマンドを利用することによって、メモリアクセスのたびにアンチコリジョン処理を行うことを避けることができ、この結果、メモリアクセスをより短時間で行うことができるという大きな利点がある。
【0148】
図12は、アンチコリジョン処理におけるプリンタ本体(正確には送受信部30)とインクユニット(正確には記憶素子311)との通信内容の詳細を示すフローチャートである。このフローは、図8に示した第1手順(ステップs104〜s108)の詳細に相当する。図12の例では、送受信部30が2つのインクユニットINC1,INC2と通信可能な状態にあると仮定している。図12の左側はプリンタ本体側の処理手順を示し、中央と右側は1番目と2番目のインクユニットの処理手順をそれぞれ示している。
【0149】
アンチコリジョン処理を開始する際には、まず、送受信部30がアンチコリジョン開始コマンドを発信する(ステップS11)。2つのインクユニットINC1,INC2がアンチコリジョン開始コマンドを受けると、送受信部30と2つのインクユニットINC1,INC2の間でIDの確認処理が進行する。具体的には、例えば、送受信部30がIDの下位ビットから順に、IDのビット値を2つのインクユニットINC1,INC2に問い合わせる。インクユニットINC1,INC2は、問い合わせのあったビット値が自己のIDのビット値と一致するときに応答を送受信部30に返す。図13の例では、1番目のインクユニットINC1は、そのIDのすべてのビット値が問い合わせに一致したので、送受信部30に応答を返している。一方、2番目のインクユニットINC2は、そのIDのいずれかのビット値が問い合わせに一致しないので応答していない。なお、各インクユニットからの応答には、ID情報は含まれておらず、単に応答することを示すだけの信号である。
【0150】
なお、インクユニットの応答の方法としては、肯定的な応答(「有効な応答」とも呼ぶ)と、否定的な応答と、のいずれかを送受信部30に返す方法も採用可能である。この場合には、1番目のインクユニットINC1は有効な応答を返し、2番目のインクユニットINC2は無効の応答を返すことになる。但し、以下の説明では、インクユニットは単に応答を返すか返さないかによって、肯定と否定のいずれであるかを送受信部30に通知するものとする。
【0151】
こうして、1番目のインクユニットINC1のIDの確認が完了すると、インクユニットINC1は自動的にアクティブモードM4(図11)に移行して、これ以降のアンチコリジョンコマンドを受け付けない状態となる。一方、2番目のインクユニットINC2は、自動的に待機モードM2に戻る。送受信部30は、いずれかのインクユニットからIDの確認が完了したことを示す応答を受けると、このIDを1番目のインクユニットINC1のIDとして制御回路50(図6)内のメモリに格納し、また、必要に応じてアンチコリジョン開始コマンドを再度発信する(ステップS12)。このとき、待機モードM2にあるインクユニット(この例では2番目のインクユニットINC2)は、アンチコリジョン開始コマンドを受けてアンチコリジョンモードM3に移行し、上述と同様なアンチコリジョン処理が開始される。
【0152】
このようにして、送受信部30は各インクユニットについてそれぞれID情報を確認することが可能である。なお、プリンタ10の出荷後に初めて電源スイッチがオンされたとき(通常はプリンタ購入後に最初に電源スイッチがオンされたとき)には、すべてのインクユニットのIDが未確認なので、すべてのインクユニットに対してIDの確認を行う必要がある(このときのID確認処理を「全アンチコリジョン処理」とも呼ぶ)。この場合には、前述した図9で説明したように、まず、1番目のインクユニットINC1のみが通信可能な状態になる位置にキャリッジ20が停止して、そのインクユニットINC1のID確認を行う。その後、キャリッジ20を移動して2番目のインクユニットINC2のID確認を行う時(図9(c))には、1番目のインクユニットINC1はそのID確認の完了時からアクティブモードM4に移行している。従って、2番目のインクユニットINC2だけがアンチコリジョン処理の対象となる。このように、すべてのインクユニットのIDを順次確認するときには、1つのインクユニットのみがID確認の対象となるので、送受信部30は、確認されたIDがどのインクユニットのものかを判別することが可能である。
【0153】
なお、同時にアンチコリジョンモードM3に移行しうる2つのインクユニットのうちの一方のIDが確認済みであり、他方のインクユニットのIDの確認のみが必要な場合も考えられる。この場合には、これらの2つのインクユニットが待機モードM2にあるときに、まず、ID確認済みの第1のインクユニットのIDを含むアクティブモードコマンドを送受信部30から発信して、第1のインクユニットをアクティブモードM4に移行させておくことができる。第1のインクユニットは、アクティブモードM4にいるとアンチコリジョン処理のためのコマンドを受け付けないので、第2のインクユニットについてのみID確認を行うことが可能である。このような処理は、送受信部30が3つ以上のインクユニットに対して同時にアクセス可能であり、その中の1つのインクユニットのみについてIDの確認が必要な場合にも同様に実行することができる。
【0154】
H.メモリアクセス処理の詳細:
図13は、メモリアクセス処理におけるプリンタ本体(正確には送受信部30)とインクユニット(正確には記憶素子311)との通信内容の詳細を示すフローチャートである。このフローは、図8に示した第2手順(ステップs200〜s204またはs206〜s210)の詳細に相当する。
【0155】
メモリアクセスを開始する際には、まず、キャリッジ20が移動してメモリアクセス対象のインクユニットを送受信部30の近傍に停止させ(ステップS21)、これによって、そのインクユニットを待機モードM2に移行させる(ステップS31)。送受信部30は、この状態でIDを含むアクティブモードコマンドを発信する(ステップS22)。アクティブモードコマンドに含まれているIDがインクユニットのIDと一致するときには、そのインクユニットは送受信部30に応答を返してアクティブモードM4に移行する(ステップS32)。図12(B)に示したように、アクティブモードコマンドはインクユニットの完全なID情報を含んでいるので、1つのインクユニットのみをアクティブモードM4に移行させることができる。なお、インクユニットは、IDが一致したときに、応答を返さずにアクティブモードM4に移行するように構成することも可能である。
【0156】
インクユニットからの応答を受けると、送受信部30はメモリリードコマンドとメモリライトコマンドのいずれかを発信する。この例では、まずメモリリードコマンドが発信されている(ステップS23)。メモリリードコマンドは、カートリッジIDと、読み出し開始アドレスと、読み出し量とを含んでいる。インクユニットは、このメモリリードコマンドを受けると、指定された読み出し開始アドレスから始まる指定された読み出し量のデータを読み出して、送受信部30に返信する(ステップS33)。送受信部30は、さらに必要に応じてメモリライトコマンドを発信する(ステップS24)。メモリライトコマンドは、カートリッジIDと、書き込みアドレスと、書き込まれるデータとを含んでいる。インクユニットは、このメモリライトコマンドを受けると、指定された書き込みアドレスにデータを書き込んだ後に、送受信部30に応答する(ステップS34)。この応答を受けると、送受信部30は書き込みが正常に終了したことを確認できる。そして、このインクユニットに対するメモリアクセス処理が終了すると、送受信部30は待機コマンドをそのインクユニット宛に発信して待機モードM2に移行させる(ステップS25,S35)。なお、ステップS25,S35を行わずに、ステップS34の後に送受信部30からの高周波信号の発信を停止して、記憶素子311の動作を停止させるようにしてもよい。
【0157】
このように、メモリアクセス処理を行う際には、まず、送受信部30が完全なIDを含むアクティブモードコマンドを発行して、1つのインクユニットのみをアクティブモードM4に移行させる。この結果、その1つのインクユニットのみとメモリアクセス処理を行うことが可能であり、他のインクユニットに対して誤ったメモリアクセスを行うことを防止できる。
【0158】
なお、送受信部30がアクティブモードM4に移行させるインクユニットを常に1つに限定する場合には、メモリアクセスコマンド(メモリリードコマンドやメモリライトコマンド)のIDは、その全部省略してもよく、また、IDの中の特定の一部分のみを含むようにしてもよい。但し、メモリアクセスコマンドにIDの少なくとも一部を含むようにすれば、メモリアクセスの確実性を増すことができるという利点がある。また、メモリアクセスコマンドに、IDの中の特定の一部分のみを含むようにすれば、メモリアクセスの確実性の増大と、コマンド構成の単純化との両方を同時に達成することが可能である。
【0159】
図14は、記憶素子311からの読み出し処理(図13のステップS23,S33)の詳細を示すフローチャートである。送受信部30がメモリリードコマンドを発信すると(ステップS41)、インクユニットの記憶素子311(図4)は、指定されたバイト数のデータをメモリセル3117から読み出す(ステップS51)。このとき、まったくデータが読み出せないときには、記憶素子311は、データの読み出しが失敗したことを示す特定のエラーコード(「全エラーコード」と呼ぶ)を送受信部30に送信する(ステップS52,S53)。一方、指定されたバイト数のうちの一部のみを読み出せたときには、読み出せたデータとともに、一部が読み出せなかったことを示すエラーコード(「一部エラーコード」と呼ぶ)を送受信部30に送信する(ステップS54,S55)。また、指定されたバイト数のすべてのデータを読み出せたときには、そのデータを送受信部30に送信する(ステップS56)。なお、送信部30がメモリリードコマンドにIDを付加して発信し、インクユニットの記憶素子311がステップS51の前にIDの一致の有無を判断して、一致するときにのみステップS51以降の処理を実行し、一方、IDが一致しないときには記憶素子311が応答を返さないようにしてもよい。
【0160】
送受信部30は、このような様々な返信結果を受けるので、これに応じた適切な処理をそれぞれ実行することが可能である(ステップS42)。例えば、エラーコードを含む返信を受けたときは、同じメモリリードコマンドを再度発信して、データの読み出し処理を記憶素子311に再実行させることが可能である。また、一部エラーコードを含む返信を受けたときには、一部エラーコードと共に受け取ったデータのみを本体内部の制御回路50(図6)に転送し、次の処理に進むようにしてもよい。
【0161】
図15は、記憶素子311への書き込み処理(図13のステップS24,S34)の詳細を示すフローチャートである。送受信部30がメモリライトコマンドを発信すると(ステップS61)、インクユニットの記憶素子311は、メモリライトコマンドに含まれたデータをメモリセル3117に書き込む(ステップS71)。データが書き込めなかったときには、記憶素子311は、データの書き込みが失敗したことを示す特定のエラーコードを送受信部30に送信する(ステップS72,S73)。一方、データの書き込みが成功したときには、書き込みが成功したことを送受信部30に返信する(ステップS74)。送受信部30は、これらの返信結果を受けて、これに応じた適切な処理をそれぞれ実行することが可能である(ステップS62)。例えば、エラーコードを含む返信を受けたときは、同じメモリライトコマンドを再度発信して、データ書き込み処理を再実行させることが可能である。書き込み処理の際にも、読み出し処理と同様に、送信部30がメモリライトコマンドにIDを付加して発信してもよい。このとき、インクユニットの記憶素子311は、ステップS71の前にIDの一致の有無を判断して、一致するときにのみステップS71以降の処理を実行し、一方、IDが一致しないときには記憶素子311が応答を返さないようにしてもよい。
【0162】
I.プリンタ本体と記憶素子との通信フローの変形例:
図16は、図8で説明したプリンタ本体と記憶素子との通信フローの他の例を示すフローチャートである。電源オンとインクユニット交換のいずれでもでない場合にアクティブモードコマンドを発行してメモリアクセス(第2手順)を行う点(ステップS301〜S303)は、図8の場合と同じなので説明を省略する。
【0163】
図17のフローでは、電源オンまたはインクユニット交換の際に、まずID情報確認の対象とするインクユニットを決定する(ステップS304)。例えば、6つのインクユニットINC1〜INC6のうちの1番目のインクユニットINC1を対象インクユニットと決定する。送受信部30は、この対象インクユニットにアクティブモードコマンドを発行する(ステップS305)。このアクティブモードコマンドは、プリンタ本体の制御回路50(図6)に登録されている1番目のインクユニットINC1のID情報を含んだものである。このアクティブモードコマンドに対して対象インクユニットINC1から応答があった場合には、その対象インクユニットINC1に関するID確認が済んでいることが解る。そこで、送受信部30は、ステップS306からステップS309に移行し、すべてのカートリッジに関する処理が終了したか否かを判断する。ステップS309で終了していないと判断すると、ステップS304に戻って次のインクユニットINC2を対象インクユニットとして選択する。
【0164】
このように、ステップS304〜S306,S309のルーチンでは、1番目のインクユニットから順番に1つずつ対象インクユニットとして選択して、対象インクユニットに関する登録済みのID情報を使って送受信部30がアクティブモードコマンドを発行する。そして、対象インクユニットから応答が無い場合には、そのインクユニットに関するID情報の確認が必要なので、ステップS307,S308において、図8で説明したID情報の読み取り(第1手順)とメモリアクセス(第2手順)とが実行される。メモリアクセスでは、例えばインクユニット内のインク残量(消耗品残量)のデータ読み出しが行われ、また、インクユニットの交換回数(プリンタへの搭載回数)を1つ増加させるためのデータ書き込みが行われる。なお、ここではインク残量とインクユニット交換回数を示すデータがメモリセル3117に格納されていることを前提としている。こうして、すべてのインクユニットに関するID情報の確認が終了するまでステップS304〜S308の処理が繰り返し実行される(ステップS309)。
【0165】
図16の処理手順によれば、すべてのインクユニットINCに対してアンチコリジョン処理を行う必要が無く、ID情報が未確認のインクユニットのみに関してアンチコリジョン処理を行えば済むので、処理全体に要する時間を短縮できるという利点がある。但し、インクユニット交換時にも図9の動作に従ってすべてのインクユニットに関してアンチコリジョン処理を行うようにすれば、アンチコリジョン処理の手順自体を簡略化することが可能である。
【0166】
以上の説明からも理解できるように、プリンタに搭載されているいずれかのインクユニットが交換された後には、少なくとも交換されたインクユニットに対してアンチコリジョン処理(アンチコリジョンモードM3におけるIDの確認)を行うようにすればよい。
【0167】
なお、装置によっては、いずれかのインクユニットが交換された後に、交換されたインクユニットの位置が判別できるような構成を有するものがある。このような装置では、交換されたインクユニットのみに送受信部30を近接させてアンチコリジョンモードにおけるIDの確認を行い、他のインクユニットに対してはIDの確認を行わないようにしてもよい。
【0168】
但し、装置の出荷後の1回目の電源オン時には、典型的な例では、電源オンに応じてキャリッジ20がカートリッジ装着位置に移動し、ユーザがインクカートリッジを装着して所定のボタンを押すと、キャリッジ20が送受信部30に対向する位置に移動し、ここでID確認が実行される。この場合には、図8の処理手順のように、直ちにID確認のための第1手順を開始することが好ましい。また、装置の出荷後の2回目以降の電源オン時には、図17の処理手順のように、各インクユニットに対して送受信部30からアクティブモードコマンドを発行し、有効な応答が無いカートリッジに対してのみアンチコリジョンモードM3におけるIDの確認を実行することが好ましい。
【0169】
J.その他の変形例:
以上、いくつかの実施の形態に基づき本発明に係る印刷装置等を説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。
【0170】
J1.変形例1:
本発明は、コンピュータ本体と、このコンピュータ本体に接続される表示装置と、前記コンピュータ本体に接続される前述の実施形態に係る印刷装置と、必要に応じて備えられるマウスやキーボード等の入力装置、フレキシブルディスクドライブ装置、及び、CD−ROMドライブ装置を有するコンピュータシステムとしても実現可能である。このようにして実現されたコンピュータシステムは、システム全体として従来システムよりも優れたシステムとなる。
【0171】
J2.変形例2:
前述の実施形態に係る印刷装置に、コンピュータ本体、表示装置、入力装置、フレキシブルディスクドライブ装置、及び、CD−ROMドライブ装置がそれぞれ有する機能又は機構の一部を持たせてもよい。例えば、プリンタが、画像処理を行う画像処理部、各種の表示を行う表示部、及び、デジタルカメラ等により撮影された画像データを記録した記録メディアを着脱するための記録メディア着脱部を備える構成としてもよい。
【0172】
J3.変形例3:
上記各実施形態では、印刷装置として、カット紙を被印刷体とするインクジェットプリンタ10を用いたが、被印刷体はロール紙などカット紙以外のものでもよく、これらの被印刷体に対して印刷処理できる印刷装置であれば、カラーインクジェットプリンタに限られることなく、例えば、モノクロプリンタ、レーザプリンタ、ファクシミリ等に適用しても良い。
【0173】
J4.変形例4:
上記各実施形態においては、記憶素子として、非接触ICチップと、金属皮膜をエッチングして形成された共振用コンデンサ及び平面状アンテナコイルを備えたものを用いたが、情報を記憶可能な構成であれば、このような構成に限定されるものではない。例えば共振用コンデンサは記憶素子の外部に接続されていてもよいし、ICチップとアンテナコイルが一体的でなく離れた場所にそれぞれ位置しつつ接続されている構成など様々な変形が考えられる。
【0174】
J5.変形例5:
上記実施形態では、記憶素子の動作時のモードとして、待機モードM2と、アンチコリジョンモードM3と、アクティブモードM4の3つのモードを有しているものとしたが、記憶素子311がこれ以外のモードを有しているものとしても良い。例えば、待機モードM2が複数の待機サブモードに分かれていても良い。より具体的には、送受信部30から高周波信号を受けたときには第1の待機サブモードに移行し、さらに、第1の待機サブモードにおいて特定の移行コマンドを受けたときに第2の待機サブモードに移行するようにしてもよい。このとき、記憶素子が第1の待機サブモードにあるときにアクティブモードコマンドを受けるとアクティブモードM4に直接移行し、また、第2の待機サブモードにあるときにアンチコリジョン開始コマンドを受けるとアンチコリジョンモードM3に直接移行するようにすることが好ましい。この構成では、アンチコリジョン処理を失敗したときには第2の待機サブモードに戻りし、一方、アクティブモードM4から待機コマンドを受けたときには第1の待機サブモードに戻るすることになる。このように待機モードを構成すれば、動作モード間の移行を限定できるので、間違って不適切な動作モードに移行してしまうことを防止できる。すなわち、動作モード間の移行をより確実に行うことができるという利点がある。
【0175】
但し、記憶素子は、待機モードを有する必要はない。例えば、送受信部から高周波信号を受けて電源が発生したときに、アクティブモードに直接移行するように記憶素子が構成されていてもよい。また、待機モードと、アンチコリジョンモードと、アクティブモードとは異なる特定のモードから、アンチコリジョンモードを経由せずにアクティブモードに移行するように記憶素子が構成されていてもよい。すなわち、一般に、本発明の記憶素子(メモリ回路)は、アンチコリジョンモードに無い特定の状態から、アンチコリジョンモードを経由せずにアクティブモードに移行することが可能であればよい。但し、記憶素子は、インクユニットのIDを含むアクティブモードコマンドを受けたときにアクティブモードに移行することが好ましい。また、待機モードにいる状態でインクユニットのIDを含むリードコマンドやライトコマンドを受けたときに、待機モードからアクティブモードに移行して読み出し処理または書き込み処理を行うように記憶素子が構成されていてもよい。
【0176】
J6.変形例6:
上記実施形態はインクユニットを搭載可能なプリンタについて説明したが、本発明は一般に、消耗品カートリッジを搭載可能な種々の装置に適用可能である。また、装置が複数個の消耗品カートリッジ搭載可能である必要は無く、1個以上の消耗品カートリッジを搭載可能であればよい。また、上記実施形態では、消耗品カートリッジがキャリッジ(カートリッジ装着部)とともに移動するものとしたが、この代わりに、送受信部が移動するものとしてもよい。あるいは、装置本体の送受信部とカートリッジがいずれも移動せず、送受信部とカートリッジの位置関係が固定されていてもよい。
【0177】
J7.変形例7:
上記実施形態では、通信時には送受信部30とインクユニットとの間が約30mm以下の所定の距離以内で離間しているものとしたが、一般に、送受信部とカートリッジの外面が通信時に接触していてもよい。すなわち、送受信部とカートリッジは、互いに近接した状態で非接触通信を行うことが可能であればよい。なお、本明細書において、送受信部とカートリッジが「非接触」であるとは、送受信部の電気回路とカートリッジの電気回路とが電気配線で接続されていないことを意味しており、その外面同士が接触していてもよい。
【0178】
J8.変形例8:
上記実施形態では、送受信部30は2つのインクユニットを同時に待機モードに移行させうるものとしたが、一般に、送受信部は2つ以上のカートリッジを同時に待機モードに移行させうる能力を有することが好ましい。但し、送受信部は、装置が搭載し得る最大数の全カートリッジを同時に待機モードに移行させうる能力を有さないことが好ましい。この理由は、送受信部が全カートリッジを同時に待機モードに移行させうる能力を有している場合には、アンチコリジョン処理(ID確認処理)で各カートリッジの位置を識別し難くなるからである。この意味からは、送受信部は、1つまたは2つのカートリッジのみを同時に待機モードに移行させうる能力を有することが特に好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェットプリンタの外観を概略的に示す図である。
【図2】インクジェットプリンタのキャリッジ周辺の構成を示した斜視図である。
【図3】記憶素子とプリンタ本体側に設けられる送受信部との位置関係を分かりやすく示した模式図である。
【図4】記憶素子の構成と、記憶素子及び読み取りセンサの内部構成を示す図である。
【図5】記憶素子の内容のイメージ、および、記憶素子の内容のうちの製造情報を示す説明図である。
【図6】インクジェットプリンタの内部構成を示した図である。
【図7】インクジェットプリンタの制御回路の内部構成を示したブロック図である。
【図8】ID情報読み取り処理(第1手順)、及びID情報以外の読み取り処理やインク残量情報の書き込み処理などであるメモリアクセス処理(第2手順)の各ステップを示すフローチャートである。
【図9】送受信部が記憶素子のID情報を読み取る際の、キャリッジの動作シーケンスを示す図である。
【図10】送受信部が、記憶素子に記録されたID情報以外の情報を読み取る際の、キャリッジの動作シーケンスを示す図である。
【図11】記憶素子311の動作モードの遷移を示す状態遷移図である。
【図12】アンチコリジョン処理におけるプリンタ本体とインクユニットとの通信内容の詳細を示すフローチャートである。
【図13】メモリアクセス処理におけるプリンタ本体とインクユニットとの通信内容の詳細を示すフローチャートである。
【図14】記憶素子311からの読み出し処理(図14のステップS23,S33)の詳細を示すフローチャートである。
【図15】記憶素子311への書き込み処理(図14のステップS24,S34)の詳細を示すフローチャートである。
【図16】図8で説明したプリンタ本体と記憶素子との通信フローの他の例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10…プリンタ本体
11…操作パネル
12…排紙部
20…キャリッジ
21…駆動ベルト
22…プーリ
23…キャリッジモータ
24…摺動軸
25…プラテン
26…キャッピング装置
27…ポンプユニット
30…送受信部
40…紙送りモータ
41…ギヤ機構
42…エンコーダ
50…制御回路
51…CPU
52…PROM
53…RAM
54…周辺機器入出力部(PIO)
55…タイマ
56…駆動バッファ
57…バス
58…発振器
59…分配出力器
111…操作ボタン
112…表示ランプ
261、262…キャップ
301…コイルアンテナ
302…送受信回路
311〜316…記憶素子
3111…ICチップ
3112…共振用コンデンサ
3113…アンテナコイル
3114…整流器
3115…信号解析部
3116…制御部
3117…メモリセル
PC…パーソナルコンピュータ
INC1〜INC6…インクカートリッジ
IH1〜IH6…印字ヘッド

Claims (47)

  1. 消耗品を収納したカートリッジを搭載可能な装置であって、
    消耗品を収納した1つ以上のカートリッジを装着可能なカートリッジ装着部と、
    前記カートリッジと近接した状態で非接触通信を行うことが可能な送受信部と、
    を備え、
    前記カートリッジは、
    前記送受信部と近接した状態で非接触通信を行うことが可能なアンテナと、前記消耗品に関する情報を格納するためのメモリと、前記送受信部との通信の制御と前記メモリへのアクセスの制御とを行うための制御部と、を備えたメモリ回路を有しており、
    前記メモリ回路は、前記送受信部が前記カートリッジのIDを確認するためのアンチコリジョンモードと、前記送受信部から提供されるメモリアクセスコマンドを受け付けてメモリアクセスを許容するアクティブモードと、を有しており、
    前記メモリ回路は、前記アンチコリジョンモードに無い状態から、前記アンチコリジョンモードを経由せずに前記アクティブモードに移行することが可能である、装置。
  2. 請求項1記載の装置であって、
    前記メモリ回路は、前記アンチコリジョンモードに無い状態において前記カートリッジのIDを含むアクティブモードコマンドを受けたときに、前記アンチコリジョンモードを経由せずに前記アクティブモードに移行する、装置。
  3. 請求項1または2記載の装置であって、
    前記メモリ回路は、前記アンチコリジョンモードでのID確認後に前記アクティブモードに移行する、装置。
  4. 請求項3記載の装置であって、
    前記メモリ回路は、さらに、前記メモリアクセスコマンドを受け付けない待機モードを有しており、
    前記メモリ回路は、前記待機モードにあるときに前記アクティブコマンドを受けると前記モードに移行する、装置。
  5. 請求項4記載の装置であって、
    前記メモリ回路は、さらに、前記送受信部から受けた高周波無線信号に応じて前記メモリ回路のための電源出力を発生させる電源発生部を備えており、
    前記待機モードは、前記送受信部から受けた高周波無線信号に応じて前記メモリ回路内に電源出力が発生した状態である第1の待機サブモードと、前記第1の待機サブモードにおいて前記送受信部から所定の移行コマンドを受けたときに前記メモリ回路が移行する第2の待機サブモードと、を有しており、
    前記メモリ回路が前記第1の待機サブモードにあるときに前記アクティブモードコマンドを受けると前記アクティブモードに直接移行し、
    前記メモリ回路が前記第2の待機サブモードにあるときにアンチコリジョン開始コマンドを受けると前記アンチコリジョンモードに直接移行する、装置。
  6. 請求項4または5記載の装置であって、
    前記装置の出荷後に初めて電源オンされたときには、前記搭載されている1つ以上の前記カートリッジを1つずつ前記送受信部に順次近接させ、前記アンチコリジョンモードにおけるIDの確認の対象となるカートリッジの位置が識別できる状態において各カートリッジのIDを確認する全カートリッジアンチコリジョン処理を実行する、装置。
  7. 請求項6記載の装置であって、
    前記装置の電源オンのたびに前記全カートリッジアンチコリジョン処理を実行する、装置。
  8. 請求項6記載の装置であって、
    前記装置の出荷後の2回目以降の電源オン時には、各カートリッジに対して前記送受信部から前記アクティブモードコマンドを発行し、有効な応答が無いカートリッジに対してのみ前記アンチコリジョンモードにおけるIDの確認を実行する、装置。
  9. 請求項4ないし6のいずれかに記載の装置であって、
    前記装置に搭載されているいずれかのカートリッジが交換された後に、少なくとも交換されたカートリッジに対して前記アンチコリジョンモードにおけるIDの確認を行う、装置。
  10. 請求項9記載の装置であって、さらに、
    前記カートリッジ装着部と前記送受信部とのうちの一方を移動させて、前記カートリッジと前記送受信部とを互いに近接させることが可能な駆動機構を備え、
    前記装置に搭載されているいずれかのカートリッジが交換された後に、前記搭載されている1つ以上の前記カートリッジを1つずつ前記送受信部に順次近接させ、前記アンチコリジョンモードにおけるIDの確認の対象となるカートリッジの位置が識別できる状態において各カートリッジのIDを確認する全アンチコリジョン処理を実行する、装置。
  11. 請求項9記載の装置であって、さらに、
    前記カートリッジ装着部と前記送受信部とのうちの一方を移動させて、前記カートリッジと前記送受信部とを互いに近接させることが可能な駆動機構を備え、
    前記装置に搭載されているいずれかのカートリッジが交換された後に、交換されたカートリッジのみに前記送受信部を近接させて前記アンチコリジョンモードにおけるIDの確認を行い、他のカートリッジに対してはIDの確認を行わない、装置。
  12. 請求項11記載の装置であって、
    前記装置に搭載されているいずれかのカートリッジが交換された後に、前記装置に搭載されている各カートリッジに近接して前記アクティブモードコマンドを発行し、有効な応答が無いカートリッジに対してのみ前記アンチコリジョンモードにおけるIDの確認を実行する、装置。
  13. 請求項4ないし12のいずれかに記載の装置であって、
    前記送受信部は、2つ以上のカートリッジを同時に前記待機モードに移行させうる能力を有し、前記装置が搭載し得る最大数の全カートリッジを同時に前記待機モードに移行させうる能力は有さない、装置。
  14. 消耗品を収納したカートリッジであって、
    外部の送受信部と近接した状態で非接触通信を行うことが可能なアンテナと、前記消耗品に関する情報を格納するためのメモリと、前記送受信部との通信の制御と前記メモリへのアクセスの制御とを行うための制御部と、を備えたメモリ回路を備え、
    前記メモリ回路は、前記送受信部が前記カートリッジのIDを確認するためのアンチコリジョンモードと、前記送受信部から提供されるメモリアクセスコマンドを受け付けてメモリアクセスを許容するアクティブモードと、を有しており、
    前記メモリ回路は、前記アンチコリジョンモードに無い状態から、前記アンチコリジョンモードを経由せずに前記アクティブモードに移行することが可能であることを特徴とする消耗品カートリッジ。
  15. 請求項14記載の消耗品カートリッジであって、
    前記メモリ回路は、前記アンチコリジョンモードに無い状態において前記カートリッジのIDを含むアクティブモードコマンドを受けたときに、前記アンチコリジョンモードを経由せずに前記アクティブモードに移行する、消耗品カートリッジ。
  16. 請求項14または15記載の消耗品カートリッジであって、
    前記メモリ回路は、前記アンチコリジョンモードでのID確認後に前記アクティブモードに移行する、消耗品カートリッジ。
  17. 請求項16記載の消耗品カートリッジであって、
    前記メモリ回路は、さらに、前記メモリアクセスコマンドを受け付けない待機モードを有しており、
    前記メモリ回路は、前記待機モードにあるときに前記アクティブコマンドを受けると前記アクティブモードに移行する、消耗品カートリッジ。
  18. 請求項17記載の消耗品カートリッジであって、
    前記メモリ回路は、さらに、前記送受信部から受けた高周波無線信号に応じて前記メモリ回路のための電源出力を発生させる電源発生部を備えており、
    前記待機モードは、前記送受信部から受けた高周波無線信号に応じて前記メモリ回路内に電源出力が発生した状態である第1の待機サブモードと、前記第1の待機サブモードにおいて前記送受信部から所定の移行コマンドを受けたときに前記メモリ回路が移行する第2の待機サブモードと、を有しており、
    前記メモリ回路が前記第1の待機サブモードにあるときに前記アクティブモードコマンドを受けると前記アクティブモードに直接移行し、
    前記メモリ回路が前記第2の待機サブモードにあるときにアンチコリジョン開始コマンドを受けると前記アンチコリジョンモードに直接移行する、消耗品カートリッジ。
  19. 請求項14ないし18のいずれかに記載の消耗品カートリッジであって、
    前記メモリ回路をアンチコリジョンモードに移行させるためのアンチコリジョン開始コマンドは複数のカートリッジで同じ値を共有可能なIDの一部のみを含んでおり、
    前記メモリ回路は、受信した前記アンチコリジョン開始コマンドに含まれている前記IDの一部が当該メモリ回路の対応するIDの一部と一致する場合には、他のカートリッジのメモリ回路と同時にアンチコリジョン処理を受け付け得る、消耗品カートリッジ。
  20. 請求項19記載の消耗品カートリッジであって、
    前記メモリ回路が他のカートリッジのメモリ回路と同時にアンチコリジョン処理を受け付け得るのは、各カートリッジのアンテナと前記送受信部のアンテナがそれぞれ約30mm以内に近接したときに限定される、消耗品カートリッジ。
  21. 請求項14記載の消耗品カートリッジであって、
    前記メモリアクセスコマンドは、前記カートリッジのIDの全部を有するリードコマンドと、前記カートリッジのIDの全部を有するライトコマンドと、を含む、消耗品カートリッジ。
  22. 請求項14記載の消耗品カートリッジであって、
    前記メモリアクセスコマンドは、前記カートリッジのIDの特定の一部分のみを有するリードコマンドと、前記カートリッジのIDの特定の一部分のみを有するライトコマンドと、を含む、消耗品カートリッジ。
  23. 請求項21または22記載の消耗品カートリッジであって、
    前記リードコマンドは、読み出し開始アドレスと、データ読み出し量とを含んでおり、
    前記メモリ回路は、前記リードコマンドに応じて前記メモリからデータを読み出して前記送受信部に返信する、消耗品カートリッジ。
  24. 請求項23記載の消耗品カートリッジであって、
    前記メモリ回路は、前記リードコマンドで指定されたデータ読み出し量の一部のみしかデータを読み出せなかったときには、読み出したデータと、読み出しエラーが発生したことを示すエラーコードとを前記送受信部に返信する、消耗品カートリッジ。
  25. 請求項21ないし24のいずれかに記載の消耗品カートリッジであって、
    前記ライトコマンドは、書込アドレスと、所定量のデータとを含んでおり、
    前記メモリ回路は、前記ライトコマンドに応じて前記メモリに前記所定量のデータを書込み、書込終了後に前記送受信部に対して書込が終了したことを通知する、消耗品カートリッジ。
  26. 請求項14記載の消耗品カートリッジであって、
    前記メモリ回路は、前記送受信部のアンテナが前記メモリ回路のアンテナの約30mm以下の所定の距離以内に近接して発信した高周波無線信号を受信したときに高周波無線信号から電源出力を発生させて前記待機モードに移行し、前記送受信部のアンテナが前記メモリ回路のアンテナから前記所定の距離以上離れたときには動作しない、消耗品カートリッジ。
  27. 請求項14記載の消耗品カートリッジであって、
    前記メモリ回路が受け付け可能なコマンドはすべてIDの少なくとも一部を含んでおり、
    前記メモリは、受け付けたコマンドに含まれる前記少なくとも一部のIDが前記カートリッジの対応するID部分と一致する場合にのみ、前記コマンドに応じた動作を実行する、消耗品カートリッジ。
  28. 情報を記憶可能な素子を備え、消耗品収納ユニット支持部材に複数支持され、装置本体に設けられた通信手段と前記素子とが非接触にて通信して情報の読み取り又は書き込みが行われる消耗品カートリッジにおいて、
    前記装置本体には、前記各カートリッジについて、前記通信手段が該カートリッジに備えられた素子と通信して該素子に記憶されたID情報を読み取る第1手順と、
    読み取った前記ID情報によって各素子を識別しつつ、前記通信手段が、前記カートリッジ支持部材に配列されたカートリッジに備えられた各素子と通信を行う第2手順とが備えられており、
    前記通信手段が前記素子との通信を開始する際に、前記各カートリッジに備えられた素子に記憶されたID情報が前記装置本体に既に正常に読み取られている場合には、前記第1手順が実行されることなく、前記第2手順が実行されて、
    前記ID情報によって前記素子が識別されつつ、該素子と前記通信手段との通信が行われることを特徴とする消耗品カートリッジ。
  29. 情報を記憶可能な素子を備えた複数のインクユニットと、前記複数のインクユニットを支持するインクユニット支持部材と、前記素子と非接触にて通信して情報の読み取り又は書き込みを行う通信手段とを有する印刷装置において、
    前記各インクユニットについて、前記通信手段が該インクユニットに備えられた素子と通信して該素子に記憶されたID情報を読み取る第1手順と、
    読み取った前記ID情報によって各素子を識別しつつ、前記通信手段が、前記インクユニット支持部材に支持されたインクユニットに備えられた各素子と通信を行う第2手順とを備え、
    前記通信手段が前記素子との通信を開始する際に、前記各インクユニットに備えられた素子に記憶されたID情報が既に正常に読み取られている場合には、前記第1手順を実行することなく、前記第2手順を実行して、前記通信手段が前記素子と通信を行うことを特徴とする印刷装置。
  30. 請求項29に記載の印刷装置において、
    前記インクユニットは、前記インクユニット支持部材に対して着脱自在であることを特徴とする印刷装置。
  31. 請求項30に記載の印刷装置において、
    前記第1手順を実行して前記各インクユニットに備えられた素子に記憶されたID情報を読み取った後は、印刷装置の電源の遮断及び投入がなされず、かつ、いずれかの前記インクユニットが交換されない限り、前記第1手順を実行することなく、前記第2手順を実行して、前記通信手段が前記素子と通信を行うことを特徴とする印刷装置。
  32. 請求項29乃至請求項31に記載の印刷装置において、
    前記ID情報は、前記素子が前記インクユニットに取り付けられる前に、該素子に記憶させられた該素子固有の情報であることを特徴とする印刷装置。
  33. 請求項29乃至請求項32に記載の印刷装置において、
    前記インクユニット支持部材は移動可能であって、
    前記各インクユニットに備えられた素子は、前記インクユニット支持部材の移動によって、前記通信手段の近傍に至ったときにのみ、前記印刷装置本体から電力の供給を受けることを特徴とする印刷装置。
  34. 情報を記憶可能な素子を備え、インクユニット支持部材に複数支持され、印刷装置本体に設けられた通信手段と前記素子とが非接触にて通信して情報の読み取り又は書き込みが行われるインクユニットにおいて、
    前記印刷装置本体には、前記各インクユニットについて、前記通信手段が該インクユニットに備えられた素子と通信して該素子に記憶されたID情報を読み取る第1手順と、
    読み取った前記ID情報によって各素子を識別しつつ、前記通信手段が、前記インクユニット支持部材に配列されたインクユニットに備えられた各素子と通信を行う第2手順とが備えられており、
    前記通信手段が前記素子との通信を開始する際に、前記各インクユニットに備えられた素子に記憶されたID情報が前記印刷装置本体に既に正常に読み取られている場合には、前記第1手順が実行されることなく、前記第2手順が実行されて、
    前記ID情報によって前記素子が識別されつつ、該素子と前記通信手段との通信が行われることを特徴とするインクユニット。
  35. 請求項34に記載のインクユニットにおいて、
    前記インクユニット支持部材に対して着脱自在であることを特徴とするインクユニット。
  36. 請求項34又は請求項35に記載のインクユニットにおいて、
    前記ID情報は、前記素子が前記インクユニットに取り付けられる前に、該素子に記憶させられた該素子固有の情報であることを特徴とするインクユニット。
  37. 請求項34乃至請求項36に記載のインクユニットにおいて、
    前記インクユニット支持部材は移動可能であって、
    前記インクユニットに備えられた素子は、前記インクユニット支持部材の移動によって、前記通信手段の近傍に至ったときにのみ、前記印刷装置本体から電力の供給を受けることを特徴とするインクユニット。
  38. 請求項34記載のインクユニットにおいて、
    前記ID情報が、前記インクユニットの製造情報を有していることを特徴とするインクユニット。
  39. 請求項38に記載のインクユニットにおいて、
    前記製造情報は、前記インクユニットが製造された年を特定するための情報を有していることを特徴とするインクユニット。
  40. 請求項38又は請求項39に記載のインクユニットにおいて、
    前記製造情報は、前記インクユニットが製造された月を特定するための情報を有していることを特徴とするインクユニット。
  41. 請求項38乃至請求項40のいずれかに記載のインクユニットにおいて、
    前記製造情報は、前記インクユニットが製造された日を特定するための情報を有していることを特徴とするインクユニット。
  42. 請求項38乃至請求項41のいずれかに記載のインクユニットにおいて、
    前記製造情報は、前記インクユニットが製造された場所を特定するための情報を有していることを特徴とするインクユニット。
  43. 請求項38乃至請求項42のいずれかに記載のインクユニットにおいて、
    前記素子は、前記印刷装置本体が書き換え可能な書き換え可能領域と、前記印刷装置本体が書き換え不可能な書き換え不可能領域を有し、前記製造情報は、前記書き換え不可能領域に記憶されていることを特徴とするインクユニット。
  44. 請求項38乃至請求項43のいずれかに記載のインクユニットにおいて、
    前記インクユニットは、印刷装置本体に備えられたユニット支持部材に複数配列され、該印刷装置本体に設けられた前記通信手段により、前記素子に記憶された前記ID情報が非接触にて読み取られ、該インクユニットの前記インクユニット支持部材における配列順番と、該インクユニットに備えられた前記素子に記憶されたID情報との関係が前記印刷装置本体によって特定されることを特徴とするインクユニット。
  45. 情報を記憶可能であって、インクユニットに備えられて、該インクユニットとともにインクユニット支持部材に複数支持され、印刷装置本体に設けられた通信手段と前記素子とが非接触にて通信して情報の読み取り又は書き込みが行われる素子において、
    前記印刷装置本体には、前記各インクユニットについて、前記通信手段が該インクユニットに備えられた素子と通信して該素子に記憶されたID情報を読み取る第1手順と、
    読み取った前記ID情報によって各素子を識別しつつ、前記通信手段が、前記インクユニット支持部材に配列されたインクユニットに備えられた各素子と通信を行う第2手順とが備えられており、
    前記通信手段が前記素子との通信を開始する際に、前記各インクユニットに備えられた素子に記憶されたID情報が前記印刷装置本体に既に正常に読み取られている場合には、前記第1手順が実行されることなく、前記第2手順が実行されて、
    前記ID情報によって前記素子が識別されつつ、該素子と前記通信手段との通信が行われることを特徴とする素子。
  46. コンピュータ本体、このコンピュータ本体に接続される表示装置、及び、前記コンピュータ本体に接続される印刷装置であって、情報を記憶可能な素子を備えた複数のインクユニットと、前記複数のインクユニットを支持するインクユニット支持部材と、前記素子と非接触にて通信して情報の読み取り又は書き込みを行う通信手段とを有し、前記各インクユニットについて、前記通信手段が該インクユニットに備えられた素子と通信して該素子に記憶されたID情報を読み取る第1手順と、読み取った前記ID情報によって各素子を識別しつつ、前記通信手段が、前記インクユニット支持部材に支持されたインクユニットに備えられた各素子と通信を行う第2手順とを備え、前記通信手段が前記素子との通信を開始する際に、前記各インクユニットに備えられた素子に記憶されたID情報が既に正常に読み取られている場合には、前記第1手順を実行することなく、前記第2手順を実行して、前記通信手段が前記素子と通信を行う印刷装置、を具備することを特徴とするコンピュータシステム。
  47. 情報を記憶可能な素子を備えた複数のインクユニットと、前記複数のインクユニットを支持するインクユニット支持部材と、前記素子と非接触にて通信して情報の読み取り又は書き込みを行う通信手段とを有する印刷装置において、
    前記各インクユニットについて、前記通信手段が該インクユニットに備えられた素子と通信して該素子に記憶されたID情報を読み取る第1手順と、
    読み取った前記ID情報によって各素子を識別しつつ、前記通信手段が、前記インクユニット支持部材に支持されたインクユニットに備えられた各素子と通信を行う第2手順とを備え、
    前記第1手順を実行して前記各インクユニットに備えられた素子に記憶されたID情報を読み取った後は、印刷装置の電源の遮断及び投入がなされず、かつ、いずれかの前記インクユニットが交換されない限り、前記第1手順を実行することなく、前記第2手順を実行して、前記通信手段が前記素子と通信を行う印刷装置であり、
    前記インクユニットは、前記インクユニット支持部材に対して着脱自在であり、
    前記ID情報は、前記素子が前記インクユニットに取り付けられる前に、該素子に記憶させられた該素子固有の情報であり、
    前記インクユニット支持部材は移動可能であって、前記各インクユニットに備えられた素子は、前記インクユニット支持部材の移動によって、前記通信手段の近傍に至ったときにのみ、前記印刷装置本体から電力の供給を受ける、
    ことを特徴とする印刷装置。
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