JP2004058252A - ノックピン引抜装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】使い勝手が良好なノックピン引抜装置の提供。
【解決手段】閉作動することでノックピン22の外径部を把持可能な把持部12を有し、把持部12の内側にノックピン22が位置した状態での把持部12のノックピン22を中心とした回転に連動して把持部12を閉作動させる。
【選択図】 図4
【解決手段】閉作動することでノックピン22の外径部を把持可能な把持部12を有し、把持部12の内側にノックピン22が位置した状態での把持部12のノックピン22を中心とした回転に連動して把持部12を閉作動させる。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ノックピンをノックピン穴から容易に引き抜くことが可能なノックピン引抜装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、ワークを支持する支持台車には、盤面に多数整列状態でノックピン穴が形成され、これらノックピン穴のうちの適宜のものにノックピンを打ち込んで、このノックピンを介してワークを支持する支持治具を位置決めするものがある。このような支持台車において、支持するワークの種類を変更する場合には、変更前のワーク用の支持治具に換えて変更後のワーク用の支持治具を取り付けることになるが、その際にノックピンの位置変更が必要になってくる場合がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このようなノックピンの着脱を行う場合、ノックピン穴に対し打ち込むことは比較的容易であるのに対し引き抜くことは容易でない。つまり、従来はプライヤ等を用いて引き抜いていたが、使い勝手が悪く非常に手間がかかるという問題があった。
【0004】
また、ノックピンのノックピン穴からの引き抜きを行う装置に関する技術として例えば特開平11−33929号公報に開示されたものがある。この装置は、押しボルトを回すことで下部の把持部材でノックピンを把持させるとともに、この状態でおもりを上方に移動させて上部の円板に衝突させ、その時の衝撃で把持部材を上方に移動させてノックピンを引き抜くものである。この装置においても、ノックピンを把持部材に把持させるために押しボルトを回すという面倒な作業が必要で、使い勝手がやはり良くない。
【0005】
したがって、本発明は、使い勝手が良好なノックピン引抜装置の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1記載のノックピン引抜装置は、閉作動することでノックピン(例えば実施の形態におけるノックピン22)の外径部を把持可能な把持部(例えば実施の形態における把持部12)を有し、該把持部の内側に前記ノックピンが位置した状態での前記把持部の前記ノックピンを中心とした回転に連動して前記把持部を閉作動させることを特徴としている。
【0007】
これにより、ノックピンを把持部の内側に位置させた状態で把持部をノックピンを中心に回転させると、把持部が閉作動してノックピンを把持する。この状態で把持部をノックピンの引き抜き方向に移動させることでノックピンをノックピン穴から引き抜くことができる。このような簡単な作業でノックピンを引き抜くことができる。
【0008】
本発明の請求項2記載のノックピン引抜装置は、請求項1記載のものに関して、前記把持部は、内側に配置された前記ノックピンとの距離が前記把持部の回転方向における後側ほど短くなるカム面(例えば実施の形態におけるカム面25)と、該カム面と前記ノックピンとの間に設けられた把持体(例えば実施の形態における把持体31)と、該把持体を前記カム面の前記ノックピンとの距離が短い側に付勢する付勢部材(例えば実施の形態におけるコイルスプリング35)とを有することを特徴としている。
【0009】
これにより、ノックピンを把持部の内側に位置させた状態とすると付勢部材の付勢力で把持体がカム面のノックピンとの距離が短くなる側に位置してカム面とノックピンとに接触する。この状態で把持部をノックピンを中心に回転させると、把持体がカム面のノックピンとの距離が短くなる方向に相対移動しさらにノックピンの方向に移動してノックピンを把持する。このように、簡素な構成でノックピンを把持することができる。
【0010】
本発明の請求項3記載のノックピン引抜装置は、請求項1または2記載のものに関して、前記把持部には、前記ノックピンの延長上となる位置に該ノックピンを押し出す押出部(例えば実施の形態における押出部40)が設けられていることを特徴としている。
【0011】
これにより、把持部に把持された状態のノックピンをこのノックピンの延長上に設けられた押出部で押し出すことで把持部から取り外すことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態のノックピン引抜装置を図面を参照して以下に説明する。本実施形態のノックピン引抜装置11は、図1に示すように、略円板状の把持部12と、この把持部12に同軸状態で固定される略有底円筒状の操作部13とを有している。
【0013】
把持部12は、略円板状をなす主部材15を有している。この主部材15には、図2に示すように、中心軸線に沿って大径穴部16と小径穴部17とを有する段付き状の貫通穴18が形成されており、図1に示すように、貫通穴18の周囲の所定位置に中心軸線に平行なボルト穴19が軸線方向における大径穴部16側から所定の深さ位置まで複数具体的には三カ所形成されている。さらに、貫通穴18およびボルト穴19を除く位置に、軽量化のための穴部20が多数形成されている。ここで、図2に示すように、小径穴部17は、引き抜く対象であるノックピン22を内側に挿入させるものである。
【0014】
また、主部材15には、図3に示すように、大径穴部16の底部23であって小径穴部17の周囲に複数具体的には三カ所のカム穴24が円周方向に等ピッチで所定の深さ位置まで形成されている。各カム穴24は、同一形状をなしている。各カム穴24は、一部が小径穴部17に抜ける形状をなしており、カム穴24の小径穴部17に対し反対側には、軸線方向において大径穴部16の外側から見た場合に、反時計回りに位置がずれるほど主部材15の中心からの距離が短くなるカム面25が形成されている。加えて、主部材15の円周方向におけるカム穴24の両側の端面26,27は略円弧状をなしている。
【0015】
さらに、主部材15には、外径側から各カム穴24に貫通する複数具体的には三カ所の同一形状をなす挿入穴29が、主部材15の円周方向に位置をずらして形成されている。各挿入穴29は、それぞれカム面25の主部材15の中心からの距離が長い側に近接する端面27に開口し、しかも、その延長線がカム面25にほぼ沿うように形成されている。
【0016】
把持部12は、図4に示すように、主部材15の各カム穴24にそれぞれ設けられる複数具体的には三つの球状の把持体31と、各挿入穴29のカム穴24に対し反対側のネジ部32にそれぞれ二つずつ螺合されることで挿入穴29を閉塞させる複数具体的には六つのイモネジ33と、各挿入穴29にそれぞれ移動可能に挿入されて先端の円筒凹面で把持体31を保持する複数具体的には三つの押圧部材34と、各イモネジ33と各押圧部材34との間にそれぞれ配置されて押圧部材34をカム穴24の方向に付勢する複数具体的には三つのコイルスプリング(付勢部材)35とを有している。なお、把持体31としては具体的にはベアリング球が用いられる。
【0017】
これにより、把持体31は、カム穴24において、移動可能に設けられるとともにカム面25の主部材15の中心との距離が長い側から短い側にコイルスプリング35で付勢されており、小径穴部17に何もない状態では、図4に二点鎖線で示すように、端面26に押し付けられている。なお、カム穴24の両側の端面26,27の形状は把持体31がカム穴24から脱落することがないように円弧状に形成されている。
【0018】
操作部13は、図1に示すように、略有底円筒状をなす操作部材38と、この操作部材38を主部材15すなわち把持部12に取り付ける複数具体的には三つ(図1においては一つのみ図示)の取付ボルト39と、操作部材38の中央に設けられた押出部40とを有している。
【0019】
操作部材38は、図2にも示すように、底部42と筒部43とを有するとともに底部42の中央に厚さ方向両側に突出するボス部44が形成された形状をなしており、底部42の所定位置に複数具体的には三カ所の挿通穴45が形成されている。ボス部44には、軸線方向における筒部43に対し反対側に大径穴部46を有するとともに筒部43側に小径穴部47を有する段付き形状の貫通穴48が中央に形成されている。
【0020】
押出部40は、軸部50の一端側の中間所定位置に軸部50より大径の頭部51が形成されるとともに軸部50の他端側にネジ部52が形成された押出ピン53を有しており、この押出ピン53は頭部51を大径穴部46内に配置した状態で小径穴部47に軸部50を摺動可能に嵌合させている。そして、押出部40は、この状態でボス部44から突出する押出ピン53のネジ部52に螺合されるナット55およびスプリングセットナット56と、ボス部44とスプリングセットナット56との間に介装されるスプリング57とを有している。押出部40は、スプリング57の付勢力で押出ピン53が頭部51を大径穴部46の底部58に当接させており、ナット55側から押圧されるとスプリング57の付勢力に抗して押出ピン53が移動する。
【0021】
そして、上記の押出部40が予め取り付けられた状態の操作部材38を、その筒部43を主部材15に対し反対側に配置した姿勢で、ボス部44の大径穴部46側を主部材15の大径穴部16に嵌合させつつ底部42を主部材15に当接させた状態とする。この状態で、取付ボルト39を挿通穴45を通してボルト穴19に螺合させることにより操作部材38は主部材15に固定される。このとき、主部材15のカム穴24に設けられた把持体31のカム穴24からの操作部材38側への抜け出しをボス部44が規制することになる。
【0022】
このようなノックピン引抜装置11は、図4に示すように、把持部12の小径穴部17に引き抜き対象のノックピン22を挿入させた状態で、ノックピン22に対し反対側から見て時計回りに回されることでノックピン22を把持することになる。これにより、把持部12のカム面25は、内側に配置されたノックピン22との距離が、把持部12の回転方向における後側ほど短くなる。また、把持体31は、カム面25とノックピン22との間に移動可能に設けられることになり、コイルスプリング35は、把持体31をカム面25のノックピン22との距離が短い側に付勢することになる。さらに、小径穴部17に引き抜き対象のノックピン22を挿入させた状態で、図2に示すように、把持部12にはノックピン22の延長上となる位置に押出部40が設けられることになる。
【0023】
以上のような構成のノックピン引抜装置11の作動を、支持台車等の平面状の盤面60に形成されたノックピン穴61に打ち込まれた円筒状のノックピン22を引き抜く場合を例にとり説明する。
【0024】
作業者は、操作部13における操作部材38の筒部43の外径側を持って把持部12の小径穴部17にノックピン22を挿入するようにノックピン引抜装置11をノックピン22に被せて盤面60に置く。このとき、操作部13を介して把持部12を反時計回り方向に回転させながらノックピン22を小径穴部17に挿入させる。すると、それまで図4に二点鎖線で示すようにコイルスプリング35の付勢力で端面26と押圧部材34とで保持されカム面25で最も主部材15の中心側に配置されていた各把持体31が、接触するノックピン22との摩擦力で移動が規制され、この状態で把持部12の主部材15が回転することで、各把持体31は、コイルスプリング35の付勢力に抗して端面26から離れる方向すなわち端面27の方向に主部材15に対し相対移動することになる。その結果、各把持体31はカム面25に沿って主部材15の中心から離れる方向すなわち開方向に移動してノックピン22を内側に挿入させる。そして、ノックピン22の各把持体31の間すなわち小径穴部17への挿入後、操作部13すなわち把持部12の回転をやめると、コイルスプリング35の付勢力で各把持体31は、カム穴24内で可能な限りカム面25のノックピン22との距離が短くなる側に位置してカム面25とノックピン22とに接触した状態になる。
【0025】
そして、作業者が、操作部13を介して把持部12をノックピン22を中心に時計回り方向に回転させる。すると、操作部13と一体の主部材15は時計回り方向に回転することになるが、主部材15とは分離された各把持体31はノックピン22との接触でその位置に留まろうとする。その結果、ワンウェイクラッチのように各把持体31は各カム面25のノックピン22との距離が短くなる側に主部材15に対し相対移動することでカム面25に案内されてノックピン22の方向に移動すなわち閉作動し、その結果、ノックピン22を摩擦力で把持することになる。このようにして把持部12でロックピン22を一体的に把持した状態で、続けて把持部12を時計回り方向に回転させながら盤面60から離れる方向に引き上げると、把持部12に一体的に把持されたロックピン22も同様に回転しながら盤面60から離れる方向に移動して、図5に示すように、ロックピン穴61から引き抜かれることになる。
【0026】
この状態では、ロックピン22と把持体31とカム面25とが大きな摩擦力で接触しており、これらが固定状態になっている場合があるため、作業者は、押出部40の押出ピン53を押圧しスプリング57の付勢力に抗してノックピン22の方向に移動させると、押出ピン53が軸部50の先端部の外径側においてノックピン22の内径側に嵌合した後、頭部51でノックピン22に当接してこれを軸線方向に移動させて把持体31間から離間させることになる。これにより、ノックピン22が把持部12から突出した状態になり、このノックピン22を作業者が押出ピン53から取り外す。
【0027】
以上に述べたように、本実施形態のノックピン引抜装置11によれば、ノックピン22を把持部12の内側に位置させた状態で把持部12をノックピン22を中心に回転させると、この回転に連動して把持部12が閉作動してノックピン22を把持する。具体的には、把持部12をノックピン22を中心に回転させると、把持体31がカム面25のノックピン22との距離が短くなる方向に相対移動しノックピン22の方向に移動すなわち閉作動してノックピン22を把持する。この状態で把持部12をノックピン22の引き抜き方向に移動させることでノックピン22をノックピン穴61から引き抜くことができる。このような簡単な作業でノックピン22を引き抜くことができるため、面倒な作業が不要で使い勝手が良好となる。
【0028】
しかも、簡素な構成でノックピン22を把持することができるため、製造コストを低減することができる。
【0029】
加えて、球体状の複数の把持体31でノックピン22の円筒面状の外径部を把持するためノックピン22には把持のための傷が付きにくく、その再利用が可能となる。なお、把持体31を円柱状または円筒状としても同様の効果を得ることができる。
【0030】
さらに、把持部12に把持された状態のノックピン22をこのノックピン22の中心軸線の延長上に設けられた押出部40で押し出すことで把持部12から取り外すことができる。したがって、引き抜いたノックピン22を把持部12から良好に取り外すことができる。
【0031】
なお、以上のノックピン引抜装置11は、円柱状および円筒状いずれのノックピンを引き抜く場合にも用いることができる。
【0032】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の請求項1記載のノックピン引抜装置によれば、ノックピンを把持部の内側に位置させた状態で把持部をノックピンを中心に回転させると、把持部が閉作動してノックピンを把持する。この状態で把持部をノックピンの引き抜き方向に移動させることでノックピンをノックピン穴から引き抜くことができる。このような簡単な作業でノックピンを引き抜くことができるため、面倒な作業が不要で使い勝手が良好となる。
【0033】
本発明の請求項2記載のノックピン引抜装置によれば、ノックピンを把持部の内側に位置させた状態とすると付勢部材の付勢力で把持体がカム面のノックピンとの距離が短くなる側に位置してカム面とノックピンとに接触する。この状態で把持部をノックピンを中心に回転させると、把持体がカム面のノックピンとの距離が短くなる方向に相対移動しさらにノックピンの方向に移動してノックピンを把持する。このように、簡素な構成でノックピンを把持することができるため、製造コストを低減することができる。
【0034】
本発明の請求項3記載のノックピン引抜装置によれば、把持部に把持された状態のノックピンをこのノックピンの延長上に設けられた押出部で押し出すことで把持部から取り外すことができる。したがって、引き抜いたノックピンを把持部から良好に取り外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のノックピン引抜装置を示す分解斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態のノックピン引抜装置を示す側断面図であってノックピン穴に嵌合したノックピンを把持した状態を示すものである。
【図3】本発明の一実施形態のノックピン引抜装置の主部材を示す平面図である。
【図4】本発明の一実施形態のノックピン引抜装置の把持部を示す平断面図であってノックピンを把持した状態を示すものである。
【図5】本発明の一実施形態のノックピン引抜装置を示す側断面図であってノックピンを把持した状態でノックピン穴から引き抜いた状態を示すものである。
【符号の説明】
11 ノックピン引抜装置
22 ノックピン
12 把持部
25 カム面
31 把持体
35 コイルスプリング(付勢部材)
40 押出部
【発明の属する技術分野】
本発明は、ノックピンをノックピン穴から容易に引き抜くことが可能なノックピン引抜装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、ワークを支持する支持台車には、盤面に多数整列状態でノックピン穴が形成され、これらノックピン穴のうちの適宜のものにノックピンを打ち込んで、このノックピンを介してワークを支持する支持治具を位置決めするものがある。このような支持台車において、支持するワークの種類を変更する場合には、変更前のワーク用の支持治具に換えて変更後のワーク用の支持治具を取り付けることになるが、その際にノックピンの位置変更が必要になってくる場合がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このようなノックピンの着脱を行う場合、ノックピン穴に対し打ち込むことは比較的容易であるのに対し引き抜くことは容易でない。つまり、従来はプライヤ等を用いて引き抜いていたが、使い勝手が悪く非常に手間がかかるという問題があった。
【0004】
また、ノックピンのノックピン穴からの引き抜きを行う装置に関する技術として例えば特開平11−33929号公報に開示されたものがある。この装置は、押しボルトを回すことで下部の把持部材でノックピンを把持させるとともに、この状態でおもりを上方に移動させて上部の円板に衝突させ、その時の衝撃で把持部材を上方に移動させてノックピンを引き抜くものである。この装置においても、ノックピンを把持部材に把持させるために押しボルトを回すという面倒な作業が必要で、使い勝手がやはり良くない。
【0005】
したがって、本発明は、使い勝手が良好なノックピン引抜装置の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1記載のノックピン引抜装置は、閉作動することでノックピン(例えば実施の形態におけるノックピン22)の外径部を把持可能な把持部(例えば実施の形態における把持部12)を有し、該把持部の内側に前記ノックピンが位置した状態での前記把持部の前記ノックピンを中心とした回転に連動して前記把持部を閉作動させることを特徴としている。
【0007】
これにより、ノックピンを把持部の内側に位置させた状態で把持部をノックピンを中心に回転させると、把持部が閉作動してノックピンを把持する。この状態で把持部をノックピンの引き抜き方向に移動させることでノックピンをノックピン穴から引き抜くことができる。このような簡単な作業でノックピンを引き抜くことができる。
【0008】
本発明の請求項2記載のノックピン引抜装置は、請求項1記載のものに関して、前記把持部は、内側に配置された前記ノックピンとの距離が前記把持部の回転方向における後側ほど短くなるカム面(例えば実施の形態におけるカム面25)と、該カム面と前記ノックピンとの間に設けられた把持体(例えば実施の形態における把持体31)と、該把持体を前記カム面の前記ノックピンとの距離が短い側に付勢する付勢部材(例えば実施の形態におけるコイルスプリング35)とを有することを特徴としている。
【0009】
これにより、ノックピンを把持部の内側に位置させた状態とすると付勢部材の付勢力で把持体がカム面のノックピンとの距離が短くなる側に位置してカム面とノックピンとに接触する。この状態で把持部をノックピンを中心に回転させると、把持体がカム面のノックピンとの距離が短くなる方向に相対移動しさらにノックピンの方向に移動してノックピンを把持する。このように、簡素な構成でノックピンを把持することができる。
【0010】
本発明の請求項3記載のノックピン引抜装置は、請求項1または2記載のものに関して、前記把持部には、前記ノックピンの延長上となる位置に該ノックピンを押し出す押出部(例えば実施の形態における押出部40)が設けられていることを特徴としている。
【0011】
これにより、把持部に把持された状態のノックピンをこのノックピンの延長上に設けられた押出部で押し出すことで把持部から取り外すことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態のノックピン引抜装置を図面を参照して以下に説明する。本実施形態のノックピン引抜装置11は、図1に示すように、略円板状の把持部12と、この把持部12に同軸状態で固定される略有底円筒状の操作部13とを有している。
【0013】
把持部12は、略円板状をなす主部材15を有している。この主部材15には、図2に示すように、中心軸線に沿って大径穴部16と小径穴部17とを有する段付き状の貫通穴18が形成されており、図1に示すように、貫通穴18の周囲の所定位置に中心軸線に平行なボルト穴19が軸線方向における大径穴部16側から所定の深さ位置まで複数具体的には三カ所形成されている。さらに、貫通穴18およびボルト穴19を除く位置に、軽量化のための穴部20が多数形成されている。ここで、図2に示すように、小径穴部17は、引き抜く対象であるノックピン22を内側に挿入させるものである。
【0014】
また、主部材15には、図3に示すように、大径穴部16の底部23であって小径穴部17の周囲に複数具体的には三カ所のカム穴24が円周方向に等ピッチで所定の深さ位置まで形成されている。各カム穴24は、同一形状をなしている。各カム穴24は、一部が小径穴部17に抜ける形状をなしており、カム穴24の小径穴部17に対し反対側には、軸線方向において大径穴部16の外側から見た場合に、反時計回りに位置がずれるほど主部材15の中心からの距離が短くなるカム面25が形成されている。加えて、主部材15の円周方向におけるカム穴24の両側の端面26,27は略円弧状をなしている。
【0015】
さらに、主部材15には、外径側から各カム穴24に貫通する複数具体的には三カ所の同一形状をなす挿入穴29が、主部材15の円周方向に位置をずらして形成されている。各挿入穴29は、それぞれカム面25の主部材15の中心からの距離が長い側に近接する端面27に開口し、しかも、その延長線がカム面25にほぼ沿うように形成されている。
【0016】
把持部12は、図4に示すように、主部材15の各カム穴24にそれぞれ設けられる複数具体的には三つの球状の把持体31と、各挿入穴29のカム穴24に対し反対側のネジ部32にそれぞれ二つずつ螺合されることで挿入穴29を閉塞させる複数具体的には六つのイモネジ33と、各挿入穴29にそれぞれ移動可能に挿入されて先端の円筒凹面で把持体31を保持する複数具体的には三つの押圧部材34と、各イモネジ33と各押圧部材34との間にそれぞれ配置されて押圧部材34をカム穴24の方向に付勢する複数具体的には三つのコイルスプリング(付勢部材)35とを有している。なお、把持体31としては具体的にはベアリング球が用いられる。
【0017】
これにより、把持体31は、カム穴24において、移動可能に設けられるとともにカム面25の主部材15の中心との距離が長い側から短い側にコイルスプリング35で付勢されており、小径穴部17に何もない状態では、図4に二点鎖線で示すように、端面26に押し付けられている。なお、カム穴24の両側の端面26,27の形状は把持体31がカム穴24から脱落することがないように円弧状に形成されている。
【0018】
操作部13は、図1に示すように、略有底円筒状をなす操作部材38と、この操作部材38を主部材15すなわち把持部12に取り付ける複数具体的には三つ(図1においては一つのみ図示)の取付ボルト39と、操作部材38の中央に設けられた押出部40とを有している。
【0019】
操作部材38は、図2にも示すように、底部42と筒部43とを有するとともに底部42の中央に厚さ方向両側に突出するボス部44が形成された形状をなしており、底部42の所定位置に複数具体的には三カ所の挿通穴45が形成されている。ボス部44には、軸線方向における筒部43に対し反対側に大径穴部46を有するとともに筒部43側に小径穴部47を有する段付き形状の貫通穴48が中央に形成されている。
【0020】
押出部40は、軸部50の一端側の中間所定位置に軸部50より大径の頭部51が形成されるとともに軸部50の他端側にネジ部52が形成された押出ピン53を有しており、この押出ピン53は頭部51を大径穴部46内に配置した状態で小径穴部47に軸部50を摺動可能に嵌合させている。そして、押出部40は、この状態でボス部44から突出する押出ピン53のネジ部52に螺合されるナット55およびスプリングセットナット56と、ボス部44とスプリングセットナット56との間に介装されるスプリング57とを有している。押出部40は、スプリング57の付勢力で押出ピン53が頭部51を大径穴部46の底部58に当接させており、ナット55側から押圧されるとスプリング57の付勢力に抗して押出ピン53が移動する。
【0021】
そして、上記の押出部40が予め取り付けられた状態の操作部材38を、その筒部43を主部材15に対し反対側に配置した姿勢で、ボス部44の大径穴部46側を主部材15の大径穴部16に嵌合させつつ底部42を主部材15に当接させた状態とする。この状態で、取付ボルト39を挿通穴45を通してボルト穴19に螺合させることにより操作部材38は主部材15に固定される。このとき、主部材15のカム穴24に設けられた把持体31のカム穴24からの操作部材38側への抜け出しをボス部44が規制することになる。
【0022】
このようなノックピン引抜装置11は、図4に示すように、把持部12の小径穴部17に引き抜き対象のノックピン22を挿入させた状態で、ノックピン22に対し反対側から見て時計回りに回されることでノックピン22を把持することになる。これにより、把持部12のカム面25は、内側に配置されたノックピン22との距離が、把持部12の回転方向における後側ほど短くなる。また、把持体31は、カム面25とノックピン22との間に移動可能に設けられることになり、コイルスプリング35は、把持体31をカム面25のノックピン22との距離が短い側に付勢することになる。さらに、小径穴部17に引き抜き対象のノックピン22を挿入させた状態で、図2に示すように、把持部12にはノックピン22の延長上となる位置に押出部40が設けられることになる。
【0023】
以上のような構成のノックピン引抜装置11の作動を、支持台車等の平面状の盤面60に形成されたノックピン穴61に打ち込まれた円筒状のノックピン22を引き抜く場合を例にとり説明する。
【0024】
作業者は、操作部13における操作部材38の筒部43の外径側を持って把持部12の小径穴部17にノックピン22を挿入するようにノックピン引抜装置11をノックピン22に被せて盤面60に置く。このとき、操作部13を介して把持部12を反時計回り方向に回転させながらノックピン22を小径穴部17に挿入させる。すると、それまで図4に二点鎖線で示すようにコイルスプリング35の付勢力で端面26と押圧部材34とで保持されカム面25で最も主部材15の中心側に配置されていた各把持体31が、接触するノックピン22との摩擦力で移動が規制され、この状態で把持部12の主部材15が回転することで、各把持体31は、コイルスプリング35の付勢力に抗して端面26から離れる方向すなわち端面27の方向に主部材15に対し相対移動することになる。その結果、各把持体31はカム面25に沿って主部材15の中心から離れる方向すなわち開方向に移動してノックピン22を内側に挿入させる。そして、ノックピン22の各把持体31の間すなわち小径穴部17への挿入後、操作部13すなわち把持部12の回転をやめると、コイルスプリング35の付勢力で各把持体31は、カム穴24内で可能な限りカム面25のノックピン22との距離が短くなる側に位置してカム面25とノックピン22とに接触した状態になる。
【0025】
そして、作業者が、操作部13を介して把持部12をノックピン22を中心に時計回り方向に回転させる。すると、操作部13と一体の主部材15は時計回り方向に回転することになるが、主部材15とは分離された各把持体31はノックピン22との接触でその位置に留まろうとする。その結果、ワンウェイクラッチのように各把持体31は各カム面25のノックピン22との距離が短くなる側に主部材15に対し相対移動することでカム面25に案内されてノックピン22の方向に移動すなわち閉作動し、その結果、ノックピン22を摩擦力で把持することになる。このようにして把持部12でロックピン22を一体的に把持した状態で、続けて把持部12を時計回り方向に回転させながら盤面60から離れる方向に引き上げると、把持部12に一体的に把持されたロックピン22も同様に回転しながら盤面60から離れる方向に移動して、図5に示すように、ロックピン穴61から引き抜かれることになる。
【0026】
この状態では、ロックピン22と把持体31とカム面25とが大きな摩擦力で接触しており、これらが固定状態になっている場合があるため、作業者は、押出部40の押出ピン53を押圧しスプリング57の付勢力に抗してノックピン22の方向に移動させると、押出ピン53が軸部50の先端部の外径側においてノックピン22の内径側に嵌合した後、頭部51でノックピン22に当接してこれを軸線方向に移動させて把持体31間から離間させることになる。これにより、ノックピン22が把持部12から突出した状態になり、このノックピン22を作業者が押出ピン53から取り外す。
【0027】
以上に述べたように、本実施形態のノックピン引抜装置11によれば、ノックピン22を把持部12の内側に位置させた状態で把持部12をノックピン22を中心に回転させると、この回転に連動して把持部12が閉作動してノックピン22を把持する。具体的には、把持部12をノックピン22を中心に回転させると、把持体31がカム面25のノックピン22との距離が短くなる方向に相対移動しノックピン22の方向に移動すなわち閉作動してノックピン22を把持する。この状態で把持部12をノックピン22の引き抜き方向に移動させることでノックピン22をノックピン穴61から引き抜くことができる。このような簡単な作業でノックピン22を引き抜くことができるため、面倒な作業が不要で使い勝手が良好となる。
【0028】
しかも、簡素な構成でノックピン22を把持することができるため、製造コストを低減することができる。
【0029】
加えて、球体状の複数の把持体31でノックピン22の円筒面状の外径部を把持するためノックピン22には把持のための傷が付きにくく、その再利用が可能となる。なお、把持体31を円柱状または円筒状としても同様の効果を得ることができる。
【0030】
さらに、把持部12に把持された状態のノックピン22をこのノックピン22の中心軸線の延長上に設けられた押出部40で押し出すことで把持部12から取り外すことができる。したがって、引き抜いたノックピン22を把持部12から良好に取り外すことができる。
【0031】
なお、以上のノックピン引抜装置11は、円柱状および円筒状いずれのノックピンを引き抜く場合にも用いることができる。
【0032】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の請求項1記載のノックピン引抜装置によれば、ノックピンを把持部の内側に位置させた状態で把持部をノックピンを中心に回転させると、把持部が閉作動してノックピンを把持する。この状態で把持部をノックピンの引き抜き方向に移動させることでノックピンをノックピン穴から引き抜くことができる。このような簡単な作業でノックピンを引き抜くことができるため、面倒な作業が不要で使い勝手が良好となる。
【0033】
本発明の請求項2記載のノックピン引抜装置によれば、ノックピンを把持部の内側に位置させた状態とすると付勢部材の付勢力で把持体がカム面のノックピンとの距離が短くなる側に位置してカム面とノックピンとに接触する。この状態で把持部をノックピンを中心に回転させると、把持体がカム面のノックピンとの距離が短くなる方向に相対移動しさらにノックピンの方向に移動してノックピンを把持する。このように、簡素な構成でノックピンを把持することができるため、製造コストを低減することができる。
【0034】
本発明の請求項3記載のノックピン引抜装置によれば、把持部に把持された状態のノックピンをこのノックピンの延長上に設けられた押出部で押し出すことで把持部から取り外すことができる。したがって、引き抜いたノックピンを把持部から良好に取り外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のノックピン引抜装置を示す分解斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態のノックピン引抜装置を示す側断面図であってノックピン穴に嵌合したノックピンを把持した状態を示すものである。
【図3】本発明の一実施形態のノックピン引抜装置の主部材を示す平面図である。
【図4】本発明の一実施形態のノックピン引抜装置の把持部を示す平断面図であってノックピンを把持した状態を示すものである。
【図5】本発明の一実施形態のノックピン引抜装置を示す側断面図であってノックピンを把持した状態でノックピン穴から引き抜いた状態を示すものである。
【符号の説明】
11 ノックピン引抜装置
22 ノックピン
12 把持部
25 カム面
31 把持体
35 コイルスプリング(付勢部材)
40 押出部
Claims (3)
- 閉作動することでノックピンの外径部を把持可能な把持部を有し、該把持部の内側に前記ノックピンが位置した状態での前記把持部の前記ノックピンを中心とした回転に連動して前記把持部を閉作動させることを特徴とするノックピン引抜装置。
- 前記把持部は、内側に配置された前記ノックピンとの距離が前記把持部の回転方向における後側ほど短くなるカム面と、該カム面と前記ノックピンとの間に設けられた把持体と、該把持体を前記カム面の前記ノックピンとの距離が短い側に付勢する付勢部材とを有することを特徴とする請求項1記載のノックピン引抜装置。
- 前記把持部には、前記ノックピンの延長上となる位置に該ノックピンを押し出す押出部が設けられていることを特徴とする請求項1または2記載のノックピン引抜装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002223605A JP2004058252A (ja) | 2002-07-31 | 2002-07-31 | ノックピン引抜装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002223605A JP2004058252A (ja) | 2002-07-31 | 2002-07-31 | ノックピン引抜装置 |
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JP2004058252A true JP2004058252A (ja) | 2004-02-26 |
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ID=31943314
Family Applications (1)
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JP2002223605A Withdrawn JP2004058252A (ja) | 2002-07-31 | 2002-07-31 | ノックピン引抜装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004058252A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107009319A (zh) * | 2017-05-11 | 2017-08-04 | 安徽江淮汽车集团股份有限公司 | 开口销压装工具 |
-
2002
- 2002-07-31 JP JP2002223605A patent/JP2004058252A/ja not_active Withdrawn
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