JP2004058239A - 旋盤におけるスライドテーブルの駆動制御装置の交換方法及びその駆動制御装置 - Google Patents

旋盤におけるスライドテーブルの駆動制御装置の交換方法及びその駆動制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】新たにNC旋盤を購入することなく、既存の旋盤を有効に活用するために、既存の旋盤におけるスライドテーブルのシリンダを数値制御可能な駆動制御装置に交換する方法及びその駆動制御装置を提供すること。
【解決手段】本発明にかかる駆動制御装置Aは、旋盤Bの支持部材41aの挿通孔に挿通可能な形状を備えたケーシング本体1内に、ケーシング本体1を支持部材41aの挿通孔に挿通した状態でスライドテーブル20に連結されるボールネジ2と、このボールネジ2に回転運動を与えることにより、ボールネジ2に連結されたスライドテーブル20をボールネジ2の軸方向に送り駆動するサーボモータ3と、サーボモータ3の回転軸の回転運動をボールネジ2に伝達する伝達部材4と、を備えて構成されている。
【選択図】      図1

Description

【特許請求の範囲】
【請求項1】工作物を保持するチャックと、チャックに保持された工作物を切削する刃物を備えたスライドテーブルと、工作物に対して刃物を備えたスライドテーブルを前後・左右方向にスライドさせる複数の駆動シリンダと、駆動シリンダを支持する支持部材と、を備えた旋盤において、
上記駆動シリンダとスライドテーブルとの連結状態を解除するとともに、駆動シリンダを支持部材から取り外し、数値制御可能な駆動制御装置を上記支持部材に固定するとともに、駆動制御装置の駆動軸をスライドテーブルに連結することを特徴とする旋盤におけるスライドテーブルの駆動制御装置の交換方法。
【請求項2】工作物を保持するチャックと、チャックに保持された工作物を切削する刃物を備えたスライドテーブルと、工作物に対して刃物を備えたスライドテーブルを前後・左右方向にスライドさせる複数の駆動シリンダを備えた駆動制御装置と、駆動シリンダを支持する支持部材とを備え、上記駆動シリンダを支持部材の挿通孔に挿通させた状態で支持部材に固定されて支持させるとともに、該駆動シリンダの先端部をスライドテーブルに連結させた旋盤において、駆動シリンダに代えて取り付けられる数値制御可能な駆動制御装置であって、
支持部材の挿通孔に挿通可能な形状を備えたケーシング本体内に、ケーシング本体を支持部材の挿通孔に挿通した状態でスライドテーブルに連結されるボールネジと、このボールネジに回転運動を与えることにより、ボールネジに連結されたスライドテーブルをボールネジの軸方向に送り駆動するサーボモータと、サーボモータの回転軸の回転運動をボールネジに伝達する伝達部材と、を備えていることを特徴とする数値制御可能な駆動制御装置。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、旋盤におけるスライドテーブルの駆動制御装置を交換する方法及びその駆動制御装置に関し、特には、スライドテーブルのシリンダを数値制御可能な駆動制御装置に交換する方法及びその駆動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、図4及び図5に示すような、スライドテーブルの駆動シリンダを備えた旋盤が提供されている。
この旋盤Bは、図示するように、チャック11に保持された工作物Zを回転駆動する主軸12を備えた主軸台10と、チャック11に保持された工作物Zを切削する刃物21を備えたスライドテーブル20と、工作物Zに対して刃物21を備えたスライドテーブル20を前後・左右方向にスライドさせる2つの駆動シリンダ30a,30bと、これらの駆動シリンダ30a,30bを支持する支持部材40a,40bとを備えて構成されている。
【0003】
主軸台10は、上述したように、チャック11に保持された工作物Zを回転可能に保持する主軸12と、この主軸12の回転駆動機構である駆動モータ13と、駆動モータ13の回転動力を主軸12に伝達するベルト部材14等を備えて構成されている。
【0004】
スライドテーブル20は、その盤上に工作物Zの切削を行う刃物21が取り付けられた刃物台21aが搭載されており、このスライドテーブル20をチャック11に保持された工作物Zに対して前後・左右方向にスライド可能に形成されている。
そして、このスライドテーブル20をスライドさせることにより、このスライドテーブル20に取り付けられた刃物21によりチャック11に取り付けられた工作物Zの切削加工を行う。
【0005】
駆動シリンダ30a,30bは、上記スライドテーブル20を前後・左右方向に駆動する油圧シリンダ(以下、油圧シリンダ30a,30bと呼ぶ)からなり、この油圧シリンダ30a,30bが上記スライドテーブル20と連結して、スライドテーブル20を工作物Zに対して前後・左右方向にスライドさせて駆動する構成となっている。
上記油圧シリンダ30aは、工作物Zに対してスライドテーブル20を左右方向にスライドさせるものであって、スライドテーブル20の工作物Zに対する水平方向に連結されている。
また、油圧シリンダ30bは、工作物Zに対してスライドテーブル20を前後方向にスライドさせるものであって、スライドテーブル20の工作物Zに対する垂直方向に連結されている。
【0006】
支持部材40aは、上記スライドテーブル20と油圧シリンダ30aとを連結した状態に支持するもので、図5に示すように、この油圧シリンダ30aの先端部が挿通される挿通孔(図示せず)が形成された支持体41aと、この支持体41aをスライドテーブル20に支持する一対の支持脚42a、42aとを備えたほぼコ字型に形成され、これら一対の支持脚42a、42aがそれぞれ前述したスライドテーブル20に固着されている。
【0007】
しかして、上記支持部材40aの支持体41aに形成された挿通孔に油圧シリンダ30aを挿通した状態で、シリンダ固定ナット43aにより油圧シリンダ30aが支持部材40aに取り付けられて支持されている。
そして、上記支持部材40aに支持された油圧シリンダ30aのロッド31aは、連結ボルト32aを介してスライドテーブル20に連結されている。
【0008】
また、支持部材40bは、スライドテーブル20と油圧シリンダ30bとを連結した状態に支持するもので、上記支持部材40aと同様に、支持部材40bの支持体41bに形成された挿通孔に油圧シリンダ30bを挿通した状態で、シリンダ固定ナット43bにより油圧シリンダ30bが支持部材40bに取り付けられて支持されている。
そして、上記支持部材40bに支持された油圧シリンダ30bのロッド(図示せず)は、連結ボルト32bを介してスライドテーブル20に連結されている。
【0009】
この結果、支持部材40a,40bを介してスライドテーブル20に取り付けられた油圧シリンダ30a,30bを駆動制御することにより、スライドテーブル20を工作物Zに対して前後・左右方向にスライドさせる構成となっている。
【0010】
上記のように構成された主軸台10、スライドテーブル20、油圧シリンダ30a,30b及び支持部材40a,40bは、ベッド50に取り付けられて支持されており、さらに、本実施形態における旋盤Bにおいては、上述したチャック11に工作物Zを保持させるローディング装置60がベッド50に支持されて構成されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の旋盤Bにおいては、スライドテーブルの駆動制御装置として油圧シリンダ30a,30bが用いられており、もちろん、数値制御によるNC旋盤と同じような工作物の加工を行うことができず、さらに、同程度の精度で工作物を加工することができない。
このため、上記のようなスライドテーブルを駆動するシリンダを備えた旋盤Bの所有者が、NC旋盤と同じような工作物の加工を行いたい場合には、NC旋盤を新たに購入する必要があるが、NC旋盤は非常に高価であるという問題を有している。
さらに、新たにNC旋盤を購入した場合は、既存のシリンダを備えた旋盤を使用することはなくなるため、保管場所が必要で、かつ、この既存の旋盤の有効活用を図ることができないという問題を有していた。
【0012】
そこで、本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、新たにNC旋盤を購入することなく、既存の旋盤を有効に活用するために、既存の旋盤におけるスライドテーブルのシリンダを数値制御可能な駆動制御装置に交換する方法及びその駆動制御装置を提供することを目的とする。
【0013】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、工作物を保持するチャックと、チャックに保持された工作物を切削する刃物を備えたスライドテーブルと、工作物に対して刃物を備えたスライドテーブルを前後・左右方向にスライドさせる複数の駆動シリンダと、駆動シリンダを支持する支持部材と、を備えた旋盤において、上記駆動シリンダとスライドテーブルとの連結状態を解除するとともに、駆動シリンダを支持部材から取り外し、数値制御可能な駆動制御装置を上記支持部材に固定するとともに、駆動制御装置の駆動軸をスライドテーブルに連結することを特徴とする。
【0014】
また、請求項2の発明は、工作物を保持するチャックと、チャックに保持された工作物を切削する刃物を備えたスライドテーブルと、工作物に対して刃物を備えたスライドテーブルを前後・左右方向にスライドさせる複数の駆動シリンダを備えた駆動制御装置と、駆動シリンダを支持する支持部材とを備え、上記駆動シリンダを支持部材の挿通孔に挿通させた状態で支持部材に固定されて支持させるとともに、該駆動シリンダの先端部をスライドテーブルに連結させた旋盤において、駆動シリンダに代えて取り付けられる数値制御可能な駆動制御装置であって、支持部材の挿通孔に挿通可能な形状を備えたケーシング本体内に、ケーシング本体を支持部材の挿通孔に挿通した状態でスライドテーブルに連結されるボールネジと、このボールネジに回転運動を与えることにより、ボールネジに連結されたスライドテーブルをボールネジの軸方向に送り駆動するサーボモータと、サーボモータの回転軸の回転運動をボールネジに伝達する伝達部材と、を備えていることを特徴とする。
【0015】
【作用】
請求項1の発明によれば、まず、駆動シリンダとスライドテーブルとの連結状態が解除され、駆動シリンダが支持部材から取り外される。
そして、数値制御可能な駆動制御装置が支持部材に固定され、この駆動制御装置の駆動軸がスライドテーブルに連結されることにより、スライドテーブルの駆動制御装置が、駆動シリンダから数値制御可能な駆動制御装置に交換される。
【0016】
請求項2の発明によれば、スライドテーブルに連結されるボールネジと、このボールネジに回転運動を与えることにより、ボールネジに連結されたスライドテーブルをボールネジの軸方向に送り駆動するサーボモータと、サーボモータの回転軸の回転運動をボールネジに伝達する伝達部材をケーシング本体内に備えた数値制御可能な駆動制御装置が、そのケーシング本体が支持部材の挿通孔に挿通された状態で旋盤の支持部材に支持されて取り付けられるとともに、この駆動制御装置のボールネジがスライドテーブルに連結される。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の旋盤におけるスライドテーブルの駆動制御装置の交換方法及びその駆動制御装置の一実施形態について詳細に説明する。
なお、以下に述べる説明においては、本発明の交換方法に用いられる数値制御可能な駆動制御装置の構成について述べた後、本発明の交換方法について説明することとする。
また、以下に述べる旋盤の基本的な構成については、上述した従来の旋盤Bと同じ構成であるため、同じ構成部分については同じ符号を付して説明を省略する。
【0018】
まず、本発明にかかる駆動制御装置Aは、図1に示すように、旋盤Bの支持部材41aの挿通孔に挿通可能な形状を備えたケーシング本体1内に、ケーシング本体1を支持部材41aの挿通孔に挿通した状態でスライドテーブル20に連結されるボールネジ2と、このボールネジ2に回転運動を与えることにより、ボールネジ2に連結されたスライドテーブル20をボールネジ2の軸方向に送り駆動するサーボモータ3と、サーボモータ3の回転軸の回転運動をボールネジ2に伝達する伝達部材4と、を備えて構成されている。
【0019】
ケーシング本体1は、同図に示すように、その先端部がボールネジ2を挿通するために開口した形状に形成されており、該開口には上述した旋盤Bの支持部材40の支持体41に形成された挿通孔に挿通されるアタッチメント1aが設けられている。
【0020】
上記アタッチメント1aは、ほぼ凸形状に形成されており、その中心にケーシング本体1の先端部の開口に連通する連通孔1bが形成されているとともに、該凸部の両端部には支持部材40の支持体41の挿通孔に挿通した状態で取り付けるための一対のネジ孔1c、1cが形成されている。
【0021】
ボールネジ2は、サーボモータ3により与えられる回転運動を平行運動に変えるもので、その外周部にネジが設けられたボールネジ軸2aと、このボールネジ軸2aのネジに嵌め込まれ、ネジの隙間を転がるボール2bと、このボール2bを回転自在に保持するとともに、伝達部材4からの回転運動を受けて回転するボールネジ保持具2cとを備えて構成されており、そのボールネジ軸2aの先端部がケーシング本体1の開口及びアタッチメント1aの連通孔1b内に挿通された状態で、ケーシング本体1内に収納されている。
【0022】
上記ボールネジ2は、ボールネジ保持具2cを回転させることにより、ボール2bがボールネジ軸2aに設けられたネジの隙間を転がることにより、ボールネジ2が、その軸方向に移動する構成となっている。
なお、このボールネジ2の後端部には、位置検出用のリミットスイッチLSが設けられ、ボールネジ2の後端部の位置を検出して、所定位置でボールネジ2の移動を停止させる構成となっている。
【0023】
サーボモータ3は、その回転軸3aが上記ボールネジ2に平行してケーシング本体1内に配設されており、該サーボモータ3に備えられた回転角度、速度、方向を検出するエンコーダからの検出情報を制御装置(図示せず)にフィードバックして、サーボ機構による数値制御を可能としている。
上記サーボモータ3の軸3aは、伝達部材4であるベルト部材(以下、ベルト部材4と呼ぶ)に連結され、このベルト部材4を介してボールネジ2のボールネジ保持具2cに回転運動を与える構成となっている。
【0024】
上記のように構成された駆動制御装置Aは、制御装置(図示せず)からの制御信号に応じてサーボモータ3を回転駆動し、この回転運動をベルト部材4を介してボールネジ2に伝達することにより、ボールネジ2は与えられた回転運動を平行運動に変えて、図中矢印の軸方向に移動する。
【0025】
つぎに、上記のように構成された駆動制御装置Aを用いた本発明のスライドテーブルの駆動制御装置の交換方法について説明する。
なお、以下に述べる説明においては、2個の上記駆動制御装置Aを用意して駆動制御装置A1,A2とし、これら駆動制御装置A1,A2を旋盤Bの油圧シリンダ30a,30bと交換する場合について説明する。
【0026】
まず、旋盤Bの油圧シリンダ30a,30bとスライドテーブル20との連結状態を解除する。
具体的には、図5に示すように、旋盤Bの油圧シリンダ30aのロッド31aと連結ボルト32aとの連結状態及び連結ボルト32aとスライドテーブル20との連結状態をそれぞれ解除することにより油圧シリンダ30aとスライドテーブル20の連結状態を解除する。
また、同様に、油圧シリンダ30bとスライドテーブル20との連結状態を解除する。
【0027】
つぎに、油圧シリンダ30aを支持部材40aから取り外す。
具体的には、油圧シリンダ30aは、シリンダ固定ナット43aにより支持部材40aに取り付けられているため、このシリンダ固定ナット43aによる締め付け固定を解除して、支持体41aの挿通孔から油圧シリンダ30aを引き抜くことにより、支持部材40aから油圧シリンダ30aを取り外す。
また、同様に、油圧シリンダ30bを支持部材40bから取り外す。
【0028】
つぎに、上述した駆動制御装置A1を旋盤Bの支持部材40aに取り付ける。
具体的には、図3に示すように、支持部材40aの支持体41aに形成された挿通内に駆動制御装置A1のアタッチメント1aの凸部を挿通した状態で、外部から支持体41aを介してアタッチメント1aに形成されたネジ孔1c,1cに連結ネジ(図示せず)を挿通してネジ止めし、ケーシング本体1を支持部材40aに固定する。
【0029】
そして、上記駆動制御装置A1を支持部材40aに固定した状態でボールネジ2の先端部を、連結ボルト32aを介してスライドテーブル20に連結することによりスライドテーブル20の駆動制御装置の交換が終了する。
なお、図2は、上記上記駆動制御装置A1を旋盤Bの支持部材40aに取り付けて支持させた状態を示している。
【0030】
また、駆動制御装置A2は、上記駆動制御装置A1と同様の手順で、支持部材40bに固定するとともに、そのボールネジ2の先端部を、連結ボルト32bを介してスライドテーブル20に連結することによりスライドテーブル20の駆動制御装置の交換が終了する。
【0031】
以上のような、本発明にかかるスライドテーブルの駆動制御装置の交換方法により油圧シリンダ30a,30bの代わりに駆動制御装置A1,A2を取り付けた旋盤Bは、駆動制御装置A1,A2のケーシング本体1内に配設されたサーボモータ3をフィードバック制御することにより、このサーボモータ3の回転軸3aにベルト部材4を介して連結されたボールネジ2に回転運動を与え、このボールネジ2をその軸方向に移動させることにより、このボールネジ2に連結されたスライドテーブル20を工作物に対して前後・左右方向にスライドさせる。
【0032】
以上に述べた本発明の旋盤におけるスライドテーブルの駆動制御装置の交換方法及びその駆動制御装置によれば、以下のような効果を得ることができる。
すなわち、本発明の交換方法によれば、既存の旋盤における油圧シリンダの交換の要領で数値制御可能なスライドテーブルの駆動制御装置をスライドテーブルに取り付けて交換することができる。
【0033】
また、この交換に伴い、既存の旋盤におけるスライドテーブルの大きな改造を施す必要がなく、容易かつスムーズに駆動制御装置の交換を行うことができ、さらに、既存の旋盤及びその治具及び刃物を兼用することができる。
【0034】
この結果、新たにNC旋盤を購入することなく、スライドテーブルの駆動制御装置を数値制御可能なものにすることができ、これにより、既存の旋盤を有効に活用することができるという効果がある。
【0035】
また、本発明の駆動制御装置は、既存の旋盤に取り付けられる数値制御可能なスライドテーブルの駆動制御装置であるため、既存の旋盤に取り付けて、スライドテーブルの駆動制御装置を数値制御可能とすることができる。
【0036】
この結果、必要な設定を全て数値化することができ、工作物の加工精度を向上させることができることにより、不良品を小量に抑えることができる。さらに、切削能力が拡大し、直線、テーパ、円弧を含む多点加工が可能となる。
また、スライドテーブルの送り速度の変更が容易になり、加工工程の短縮ができるとともに、加工時間の短縮ができる。
【0037】
さらにまた、段取り時のバイト調整は、スイッチを切り替えるだけで可能となり、段取り替えはセレクトスイッチの選択で可能となる。この結果、段取り時にかかる時間の短縮を図ることができる。
また、複数の成型バイトを使用することができ、倣い加工可能で消耗品の削減を図ることができる。
【0038】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、まず、駆動シリンダとスライドテーブルとの連結状態が解除され、駆動シリンダが支持部材から取り外される。
そして、数値制御可能な駆動制御装置が支持部材に固定され、この駆動制御装置の駆動軸がスライドテーブルに連結されることにより、スライドテーブルの駆動制御装置が、駆動シリンダから数値制御可能な駆動制御装置に交換される。
【0039】
この結果、既存の旋盤における油圧シリンダの交換の要領で数値制御可能なスライドテーブルの駆動制御装置をスライドテーブルに取り付けて交換することができるという効果がある。
【0040】
また、この交換に伴い、既存の旋盤におけるスライドテーブルの大きな改造を施す必要がなく、容易かつスムーズに駆動制御装置の交換を行うことができ、さらに、既存の旋盤及びその治具及び刃物を兼用化することができる。
【0041】
この結果、新たにNC旋盤を購入することなく、スライドテーブルの駆動制御装置を数値制御可能なものにすることができ、これにより、既存の旋盤を有効に活用することができるという効果がある。
【0042】
請求項2の発明によれば、スライドテーブルに連結されるボールネジと、このボールネジに回転運動を与えることにより、ボールネジに連結されたスライドテーブルをボールネジの軸方向に送り駆動するサーボモータと、サーボモータの回転軸の回転運動をボールネジに伝達する伝達部材をケーシング本体内に備えた数値制御可能な駆動制御装置が、そのケーシング本体が支持部材の挿通孔に挿通された状態で旋盤の支持部材に支持されて取り付けられるとともに、この駆動制御装置のボールネジがスライドテーブルに連結される。
【0043】
これにより、この数値制御可能なスライドテーブルの駆動制御装置を既存の旋盤に取り付けて、スライドテーブルの駆動制御装置を数値制御可能とすることができる。
【0044】
この結果、必要な設定を全て数値化することができ、工作物の加工精度を向上させることができるとともに、工作物の不良品を小量に抑えることができる。さらに、この旋盤の切削能力が拡大し、直線、テーパ、円弧を含む多点加工が可能となる。
また、スライドテーブルの送り速度の変更が容易になり、加工工程の短縮ができるとともに、加工時間の短縮ができる。
【0045】
さらにまた、段取り時のバイト調整は、スイッチを切り替えるだけで可能となり、段取り替えはセレクトスイッチの選択で可能となる。この結果、段取り時にかかる時間の短縮を図ることができる。
また、複数の成型バイトを使用することができ、倣い加工可能で消耗品の削減を図ることができるという効果がある。
【0046】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の数値制御可能な駆動制御装置を示す断面図である。
【図2】本発明の数値制御可能な駆動制御装置をスライドテーブルに取り付けた旋盤を示す側面図である。
【図3】本発明の数値制御可能な駆動制御装置をスライドテーブルに取り付けた状態を示す平面図である。
【図4】従来の旋盤を示す側面図である。
【図5】従来の駆動制御装置をスライドテーブルに取り付けた状態を示す平面図である。
【符号の説明】
1    ケーシング本体
2    ボールネジ
3    サーボモータ
4    伝達部材(ベルト部材)
10   主軸台
11   チャック
20   スライドテーブル
30a  駆動シリンダ(油圧シリンダ)
30b  駆動シリンダ(油圧シリンダ)
40a  支持部材
40b  支持部材

Claims (2)

  1. 工作物を保持するチャックと、チャックに保持された工作物を切削する刃物を備えたスライドテーブルと、工作物に対して刃物を備えたスライドテーブルを前後・左右方向にスライドさせる複数の駆動シリンダと、駆動シリンダを支持する支持部材と、を備えた旋盤において、
    上記駆動シリンダとスライドテーブルとの連結状態を解除するとともに、駆動シリンダを支持部材から取り外し、数値制御可能な駆動制御装置を上記支持部材に固定するとともに、駆動制御装置の駆動軸をスライドテーブルに連結することを特徴とする旋盤におけるスライドテーブルの駆動制御装置の交換方法。
  2. 工作物を保持するチャックと、チャックに保持された工作物を切削する刃物を備えたスライドテーブルと、工作物に対して刃物を備えたスライドテーブルを前後・左右方向にスライドさせる複数の駆動シリンダと、駆動シリンダを支持する支持部材とを備え、上記駆動シリンダを支持部材の挿通孔に挿通させた状態で支持部材に固定されて支持させるとともに、該駆動シリンダの先端部をスライドテーブルに連結させた旋盤に取り付けられるものであって、
    上記支持部材の挿通孔に挿通可能な形状を備えたケーシング本体内に、ケーシング本体を支持部材の挿通孔に挿通した状態でスライドテーブルに連結されるボールネジと、このボールネジに回転運動を与えることにより、ボールネジに連結されたスライドテーブルをボールネジの軸方向に送り駆動するサーボモータと、サーボモータの回転軸の回転運動をボールネジに伝達する伝達部材と、を備えたことを特徴とする数値制御可能な駆動制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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