JP2004058180A - フィルムの切断方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】スリキズや膜剥がれのないフィルムの切断方法を提供すること。
【解決手段】支持体上に少なくとも画像形成層と保護層を有するフィルム1を搬送する過程で、上刃2と下刃3とを備えたカット機で切断するフィルムの切断方法において、前記フィルム1の上下を支持してカット機に搬入する上ガイド4と下ガイド5を前記下刃3の後方に近接して設け、該上ガイド4はフィルム角度が3°以下を保つ高さに設定され、且つ下ガイド5のフィルム1に対する相対高さが0.2mm以上に設定されることを特徴とするフィルムの切断方法。
【選択図】 図1
【解決手段】支持体上に少なくとも画像形成層と保護層を有するフィルム1を搬送する過程で、上刃2と下刃3とを備えたカット機で切断するフィルムの切断方法において、前記フィルム1の上下を支持してカット機に搬入する上ガイド4と下ガイド5を前記下刃3の後方に近接して設け、該上ガイド4はフィルム角度が3°以下を保つ高さに設定され、且つ下ガイド5のフィルム1に対する相対高さが0.2mm以上に設定されることを特徴とするフィルムの切断方法。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はフィルムの切断方法に関し、詳しくは斜め切りが発生せず、保護層の膜剥がれのない良好な切断面を得るフィルムの切断方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
医療分野・印刷製版分野では、画像形成材料の湿式処理に伴う廃液が、作業性の上で問題となっており、近年では環境保全、省スペースの観点からも処理廃液の減量が強く望まれている。そこで、レーザー・イメージャー、レーザー・イメージセッターにより効率的な露光が可能で、高解像度で鮮明な黒色画像を形成することができる写真技術用途の光熱写真材料に関する技術が必要とされている。この技術として、例えば、米国特許第3,152,904号、同3,487,075号及びD.モーガン(Morgan)による「ドライシルバー写真材料(Dry Silver Photographic Materials)」(Handbook of Imaging Materials, MarcelDekker,Inc.第48頁,1991)等に記載の方法が良く知られている。これらの感光材料は80℃以上の高温で現像が行われるので、熱現像感光材料と呼ばれている。これら熱現像感光材料では溶液系処理薬品を一切使用しないため、より簡便で環境を損なわないシステムをユーザーに提供することができる。
【0003】
しかるに、かかる熱現像感光材料(以下、フィルムと称する場合がある。)においては、例えばPETベース上に柔らかい乳剤層(感光層)があり、その上に柔らかい保護層を形成している。
【0004】
かかる感光材料は、製造段階ではロール状に巻かれているが、これをオンラインで切断する際に、以下の問題がある。
【0005】
第1に、乳剤層と保護層は柔らかいため、衝撃によりスリキズが発生しやすく、スリキズが発生したフィルムは画像が見え難くなる問題がある。第2に、切断時、保護層の脆性のため、保護層の膜は剥がれによる脱落が発生する。保護層の脱落が発生すると、脱落したものが現像時、フィルムの上に乗り、画像カブリや画像欠損などの問題がある。
【0006】
本発明者は、スリキズの発生及び保護層膜剥がれに原因について、鋭意検討した結果、スリキズや膜剥がれのない切断方法を見出し、本発明に至った。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、スリキズや膜剥がれのない切断方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、以下の各発明によって解決される。
【0009】
(1)支持体上に少なくとも画像形成層と保護層を有するフィルムを搬送する過程で、上刃と下刃とを備えたカット機で切断するフィルムの切断方法において、
前記フィルムの上下を支持してカット機に搬入する上ガイドと下ガイドを前記下刃の後方に近接して設け、
該上ガイドはフィルム角度が3°以下を保つ高さに設定され、且つ下ガイドのフィルムに対する相対高さが0.2mm以上に設定されることを特徴とするフィルムの切断方法。
【0010】
(2)下ガイドの上面及び又は上ガイドの下面に、衝撃吸収部材を設けたことを特徴とする(1)記載のフィルムの切断方法。
【0011】
(3)支持体上に少なくとも画像形成層と保護層を有するフィルムを搬送する過程で、上刃と下刃とを備えたカット機で切断するフィルムの切断方法において、
前記下刃の上部に位置するフィルムの上部に、上刃の動きと同期するフィルム押さえ機構を設けてなることを特徴とするフィルムの切断方法。
【0012】
(4)前記フィルム押さえ機構は、フィルムストリッパーと、該フィルムストリッパーの下面に固着されたゴム部材と、上刃の動きと同期して該フィルムストリッパーを上下動するバネとによって構成されることを特徴とする(3)記載のフィルムの切断方法。
【0013】
(5)支持体上に少なくとも画像形成層と保護層を有するフィルムを搬送する過程で、上刃と下刃とを備えたカット機で切断するフィルムの切断方法において、
前記下刃の上部に位置するフィルムの上部に、前記フィルムを固定する吸引手段を有することを特徴とするフィルムの切断方法。
【0014】
(6)支持体上に少なくとも画像形成層と保護層を有するフィルムを搬送する過程で、上刃と下刃とを備えたカット機で切断するフィルムの切断方法において、
前記下刃の上部に位置するフィルムの上部に、前記フィルムを固定するエアーブロー手段を有することを特徴とするフィルムの切断方法。
【0015】
(7)支持体上に少なくとも画像形成層と保護層を有するフィルムを搬送する過程で、上刃と下刃とを備えたカット機で切断するフィルムの切断方法において、
前記下刃の刃先を斜めに切り欠くことを特徴とするフィルムの切断方法。
【0016】
(8)前記下刃の刃先の切り欠き角度が、水平方向に対して3〜10°の範囲であることを特徴とする(7)記載のフィルムの切断方法。
【0017】
(9)支持体上に少なくとも画像形成層と保護層を有するフィルムを搬送する過程で、上刃と下刃とを備えたカット機で切断するフィルムの切断方法において、
前記フィルムの下面にエアーの層を形成することを特徴とするフィルムの切断方法。
【0018】
(10)支持体上に少なくとも画像形成層と保護層を有するフィルムを搬送する過程で、上刃と下刃とを備えたカット機で切断するフィルムの切断方法において、
前記上刃及び又は下刃の刃先を30〜50℃に加熱することを特徴とするフィルムの切断方法。
【0019】
(11)支持体上に少なくとも画像形成層と保護層を有するフィルムを搬送する過程で、上刃と下刃とを備えたカット機で切断するフィルムの切断方法において、
前記上刃と下刃の刃先面粗度を0.4〜0.1μmの範囲とすることを特徴とするフィルムの切断方法。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0021】
(第1の態様)
図1は、本発明に係るフィルムの切断方法の第1の態様を示す正面図であり、1は支持体上に少なくとも画像形成層と保護層を有するフィルムである。
【0022】
2は上刃、3は下刃であり、本発明のカット機は上刃2と下刃3によって構成され、例えばオシレートカット機を用いることができる。
【0023】
4は前記フィルム1を上方から支持してカット機に搬入する上ガイドであり、5は前記フィルム1を下方から支持してカット機に搬入する下ガイドであり、上ガイド4と下ガイド5はフィルム1を介して対向して配置されている。
【0024】
下ガイド5は下刃3の後方(搬送方向は図面の左から右に向かう方向であり、図面の左側を後方、右側を前方とし、フィルムは後方から前方に向かう)に近接して設けられる。
【0025】
下ガイド5の上面には、衝撃吸収部材50が固着されており、上ガイド4の下面には衝撃吸収部材40が固着されている。衝撃吸収部材40、50としては、布様のビロード、ゴム、不織布等が用いられる。衝撃吸収部材40、50の厚みは1mm程度が好ましい。衝撃吸収部材40、50を設けると、フィルムのスリキズを防止する上で好ましい。なお、本態様では、衝撃吸収部材は下ガイド5の上面、上ガイド4の下面のいずれか一方に設けるだけでもよいが、スリキズに起因する問題は改善されるが、両方に設ける方がより好ましい。
【0026】
この態様では、上ガイド4はフィルム角度が3°以下を保つ高さに設定される。フィルム角度は、図2に示すように、下刃3の先端の上部に位置するフィルム1の部位(支点Aと称する)から、衝撃吸収部材40に最初に接する部位Bに向かうフィルム(図面では破線で示されるフィルム)の傾斜角度αである。
【0027】
かかる傾斜角度は、下刃3の刃先から上ガイド4までの長さbと、上ガイド4の設置高さ位置によって調整できる。
【0028】
本発明では傾斜角度を3°以下に保つようにすることにより、斜め切りを防止し、保護層の膜剥がれを防止できる。
【0029】
また、本態様では下ガイド5のフィルム1に対する相対高さが0.2mm以上に設定されることが必要である。相対高さは図2の態様では、下ガイド5の衝撃吸収部材50の上面とフィルム1(破線で示されるフィルム)の下面の距離aであり、かかる距離の設定により、フィルム1が下刃3より上を搬送されるので、フィルム1が刃先と擦れてスリキズとならない効果がある。
【0030】
以上のように、本発明では、上記のように設定することにより、すなわち、上ガイド4の高さ位置及び下刃3との距離が設定される(結局フィルム角度が設定される)ので、斜め切りを防止して保護層膜剥がれを防止でき、下ガイド5の位置が設定されることでスリキズを防止できる。
【0031】
(第2の態様)
図3は、本発明に係るフィルムの切断方法の第2の態様を示す正面図であり、オシレートカット機で切断する場合において、同図の左側は待機状態を示し、右側はカット時の状態を示している。
【0032】
同図において、上刃2は図示しない駆動手段によって上下動する駆動板21に固定されている。6は上刃2の動きと同期するフィルム押さえ機構であり、フィルムストリッパー60と、該フィルムストリッパー60の下面に固着されたゴム部材61と、上刃2の動きと同期して上下動するバネ62によって構成されている。フィルム押さえ機構6は、下刃3の上部に位置するフィルム1の上方に設けられる。
【0033】
図面左側は、上刃2が待機状態にあり、フィルム押さえ機構6も待機状態にある状態が示されている。フィルムをカットする際には、オシレートカット機構(図示せず)が作動し、上刃2が図面右側に示すように下降し、それに同期してフィルム押さえ機構6も下降し、下刃3の上部のフィルムを押さえ付ける。
【0034】
かかるフィルム押さえ機構6を設けると、切断時のクリアランスによる回転モーメントを打ち消し、斜め切りを防止できる。即ち、フィルムにはカールがあるため、切断時に回転モーメントがかかりやすい状態になっているが、本態様ではかかる回転モーメントを打ち消し、斜め切りを防止できる。
【0035】
またゴム部材61の存在によりフィルムのスリキズの発生を防止できる。ゴムとしては例えばウレタンゴムなどを使用できる。なお、フィルム押さえ機構6を上刃2の動きと同期させる手段は特に限定されない。
【0036】
(第3の態様)
図4は、本発明に係るフィルムの切断方法の第3の態様を示す要部断面図であり、図において、7はフィルム1を固定する吸引手段である。
【0037】
吸引手段7は、底面が平らに形成された容器状の吸引チャンバ70を備え、底面には、複数の細孔71が形成されている。吸引チャンバ70の上部には図示しない吸引機(真空ポンプなど)に接続される吸引ノズル72が設けられている。
【0038】
フィルム1を固定する吸引手段として、容器状の吸引チャンバ70を備えることにより、切断時のクリアランスによる回転モーメントを打ち消し、斜め切りを防止し、保護層の膜剥がれを防止できる。
【0039】
(第4の態様)
図5は、本発明に係るフィルムの切断方法の第4の態様を示す要部断面図であり、図において、8はフィルム1を固定するエアーブロー手段である。
【0040】
エアーブロー手段8は、底面が平らに形成された容器状の空気チャンバ80を備え、底面には、複数の細孔81が形成されている。空気チャンバ80の上部には図示しない空気供給機(コンプレッサーなど)に接続される空気ノズル82が設けられている。
【0041】
エアーブロー手段8として、容器状の空気チャンバ80を備えることにより、切断時のクリアランスによる回転モーメントを打ち消し、斜め切りを防止し、保護層の膜剥がれを防止できる。
【0042】
(第5の態様)
図6は、本発明に係るフィルムの切断方法の第5の態様を示す要部説明図であり、図において、下刃3は刃先が斜めに切り欠かかれている。斜めの切り欠きを設けると、斜めになってしまうフィルムに対して、刃先がはじめから斜めに形成してあるので、回転モーメントを受けがたく、その結果、斜め切りを防止でき、保護層の膜剥がれを防止できる。
【0043】
刃先の切り欠き角度βは、水平方向に対して3〜10°の範囲であることが好ましい。より効果的に斜め切りを防止できるからである。
【0044】
(第6の態様)
図7は、本発明に係るフィルムの切断方法の第6の態様を示す説明図であり、同図に示す態様は、フィルム1の下面にエアー層9を形成するものである。
【0045】
エアー層9を形成する手段は、図示しないが、搬送経路の両側、図面上では手間側と奥側の一方又は両方からエアーを噴出し、エアーカーテンを作る手法と同様の手法を採用できる。
【0046】
エアー層9を設けることにより、斜め切り防止が可能となり、また搬送時の擦り傷を防止できる。
【0047】
(第7の態様)
第7の態様は、上刃及び又は下刃の刃先を30〜50℃、好ましくは35〜45℃に加熱することである。この態様において、加熱手段は特に限定されない。
【0048】
刃先の加熱により、保護層の延び性を上げ、引っ張られてもちぎれないようし、保護層膜剥がれを防止できる。
【0049】
(第8の態様)
第8の態様は、上刃と下刃の刃先面粗度Raを0.4〜0.1μmの範囲に規定することである。
【0050】
刃先面粗度は、JIS B 0601−1976の測定法に従った値である。具体的には、断面曲線から基準長さ0.25mmを抜き取り、その部分の最大高さを、接触式の表面粗さ計で10μm以下の先端半径のダイヤモンドの触針が、被測定面の凹凸を一定速度でたどる時に生ずる上下動の変位を測定することができる。
【0051】
刃先の鋭さがなく、切れ味が悪いと、切断時間が延び、より回転モーメントを受けやすくなるが、本態様のように、上刃と下刃の刃先面粗度を上記のように規定することにより、刃先は鋭利なため、斜め切りを防止でき、その結果、保護層膜剥がれを防止できる。
【0052】
本発明が適用されるフィルムは、支持体上に少なくとも画像形成層と数μm、例えば2〜3μmの厚さの保護層を有するものであればよいが、本発明においては、支持体上に、有機銀塩、感光性ハロゲン化銀、銀イオンの還元剤を含有する写真構成層が溶剤塗布して形成され、該写真構成層の上部に、少なくとも一層の保護層を有する熱現像感光材料が好ましい。また支持体の他方の側にバッキング層を有する、いわゆる片面感光材料が好ましい。また本発明の熱現像感光材料の写真構成層は、感光性層と非感光性層からなり、感光性層に有機銀塩及び感光性ハロゲン化銀粒子を含有し、非感光性層に還元剤を含有する態様も好ましい。
【0053】
有機銀塩、感光性ハロゲン化銀、銀イオンの還元剤は格別限定されず、写真構成層には、公知の添加剤を含有できる。
【0054】
本発明の熱現像感光材料には種々の添加剤、助剤を添加でき、また、その処理方法及び製造方法においても、公知の各種技術、処理、処方、添加剤とその添加方法を好ましく適用することができ、各種の添加剤は感光性層、非感光性層、又はその他の形成層のいずれに添加しても良い。
【0055】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0056】
実施例1および比較例1−1、1−2、1−3
ロール状に巻かれた熱現像感光材料フィルム(コニカ社製SD−P)を連続搬送し、図1に示した上刃/下刃(90°刃)のダイセット(オシレートカット用)を用いて、シート状に断裁した。
【0057】
上ガイドはフィルム角度が表1に示す角度に設定した。また、下ガイドのフィルムに対する相対高さを表1に示すように設定した。また、上ガイドと下ガイドには衝撃吸収部材として厚さ1mm程度のビロードを貼り付けた。
【0058】
(評価)
(1)保護層の膜剥がれ評価
切断部エッジ表面をレーザ顕微鏡(キーエンス社製「超深度形状測定顕微鏡VK−8500」)を用い、400倍にて観察して以下の評価基準で評価し、その結果を表1に示す。
【0059】
評価基準
〇:保護層膜剥がれが発生していない場合
×:保護層膜剥がれが発生していた場合
【0060】
(2)スリキズ評価
断裁後のフィルムをドライプロ751(コニカ社製)にて現像後、フィルムを観察して以下の評価基準で評価し、その結果を表1に示す。
【0061】
評価基準
〇:線状の白い部分(未現像部分)が発生していない場合
×:線状の白い部分(未現像部分)が発生していた場合
【0062】
【表1】
【0063】
実施例2および比較例2−1、2−2
実施例1において、上ガイド及び下ガイドを用いずに、下刃を、刃先の切り欠き角度βが表2に示すような角度になるように切り欠いたものを用い、同様に断裁した。
【0064】
(評価)
(1)保護層の膜剥がれ評価
実施例1と同様に評価し、その結果を表2に示す。
【0065】
(2)切断面形状
切断部断面をレーザ顕微鏡(キーエンス社製「超深度形状測定顕微鏡VK−8500」)を用い、1000倍にて観察して以下の評価基準で評価し、その結果を表2に示す。
【0066】
評価基準
〇:0.1mm以上の幅の乳剤層の膜剥がれが発生していない場合
×:0.1mm以上の幅の乳剤層の膜剥がれが発生していた場合
【0067】
【表2】
【0068】
実施例3および比較例3−1、3−2
実施例1において、上ガイド及び下ガイドを用いずに、下刃を表3に示す温度に加熱し、同様に断裁した。
【0069】
(評価)
(1)保護層の膜剥がれ評価
実施例1と同様に評価し、その結果を表3に示す。
【0070】
(2)感光
断裁後のフィルムをドライプロ751(コニカ社製)にて現像後、フィルムを観察して以下の評価基準で評価し、その結果を表3に示す。
【0071】
評価基準
〇:断裁部近辺に、黒い部分(かぶり部分)が発生していない場合
×:断裁部近辺に、黒い部分(かぶり部分)が発生していた場合
【0072】
【表3】
【0073】
実施例4および比較例4−1、4−2
実施例1において、上ガイド及び下ガイドを用いずに、上刃と下刃の刃先面粗度Raを表4に示す値に設定し、同様に断裁した。刃先面粗度は、JIS B 0601−1976の測定法に従った値である。
【0074】
(評価)
(1)保護層の膜剥がれ評価
実施例1と同様に評価し、その結果を表4に示す。
【0075】
(2)刃先加工
刃先加工の容易さで評価した。容易な場合は○、困難な場合は困難と表4に表示した。なお、0.1μm以下の刃先加工は非常に困難で、コストがかかってしまう。
【0076】
【表4】
【0077】
【発明の効果】
本発明によれば、スリキズや膜剥がれのないフィルムの切断方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るフィルムの切断方法の第1の態様を示す正面図
【図2】同上の要部説明図
【図3】本発明に係るフィルムの切断方法の第2の態様を示す正面図
【図4】本発明に係るフィルムの切断方法の第3の態様を示す要部断面図
【図5】本発明に係るフィルムの切断方法の第4の態様を示す要部断面図
【図6】本発明に係るフィルムの切断方法の第5の態様を示す要部説明図
【図7】本発明に係るフィルムの切断方法の第6の態様を示す説明図
【符号の説明】
1:フィルム
2:上刃
3:下刃
4:上ガイド
40:衝撃吸収部材
5:下ガイド
50:衝撃吸収部材
6:フィルム押さえ機構
60:フィルムストリッパー
61:ゴム部材
62:バネ
7:吸引手段
70:吸引チャンバ
71:細孔
72:吸引ノズル
8:エアーブロー手段
80:空気チャンバ
81:細孔
82:空気ノズル
9:エアー層
【発明の属する技術分野】
本発明はフィルムの切断方法に関し、詳しくは斜め切りが発生せず、保護層の膜剥がれのない良好な切断面を得るフィルムの切断方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
医療分野・印刷製版分野では、画像形成材料の湿式処理に伴う廃液が、作業性の上で問題となっており、近年では環境保全、省スペースの観点からも処理廃液の減量が強く望まれている。そこで、レーザー・イメージャー、レーザー・イメージセッターにより効率的な露光が可能で、高解像度で鮮明な黒色画像を形成することができる写真技術用途の光熱写真材料に関する技術が必要とされている。この技術として、例えば、米国特許第3,152,904号、同3,487,075号及びD.モーガン(Morgan)による「ドライシルバー写真材料(Dry Silver Photographic Materials)」(Handbook of Imaging Materials, MarcelDekker,Inc.第48頁,1991)等に記載の方法が良く知られている。これらの感光材料は80℃以上の高温で現像が行われるので、熱現像感光材料と呼ばれている。これら熱現像感光材料では溶液系処理薬品を一切使用しないため、より簡便で環境を損なわないシステムをユーザーに提供することができる。
【0003】
しかるに、かかる熱現像感光材料(以下、フィルムと称する場合がある。)においては、例えばPETベース上に柔らかい乳剤層(感光層)があり、その上に柔らかい保護層を形成している。
【0004】
かかる感光材料は、製造段階ではロール状に巻かれているが、これをオンラインで切断する際に、以下の問題がある。
【0005】
第1に、乳剤層と保護層は柔らかいため、衝撃によりスリキズが発生しやすく、スリキズが発生したフィルムは画像が見え難くなる問題がある。第2に、切断時、保護層の脆性のため、保護層の膜は剥がれによる脱落が発生する。保護層の脱落が発生すると、脱落したものが現像時、フィルムの上に乗り、画像カブリや画像欠損などの問題がある。
【0006】
本発明者は、スリキズの発生及び保護層膜剥がれに原因について、鋭意検討した結果、スリキズや膜剥がれのない切断方法を見出し、本発明に至った。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、スリキズや膜剥がれのない切断方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、以下の各発明によって解決される。
【0009】
(1)支持体上に少なくとも画像形成層と保護層を有するフィルムを搬送する過程で、上刃と下刃とを備えたカット機で切断するフィルムの切断方法において、
前記フィルムの上下を支持してカット機に搬入する上ガイドと下ガイドを前記下刃の後方に近接して設け、
該上ガイドはフィルム角度が3°以下を保つ高さに設定され、且つ下ガイドのフィルムに対する相対高さが0.2mm以上に設定されることを特徴とするフィルムの切断方法。
【0010】
(2)下ガイドの上面及び又は上ガイドの下面に、衝撃吸収部材を設けたことを特徴とする(1)記載のフィルムの切断方法。
【0011】
(3)支持体上に少なくとも画像形成層と保護層を有するフィルムを搬送する過程で、上刃と下刃とを備えたカット機で切断するフィルムの切断方法において、
前記下刃の上部に位置するフィルムの上部に、上刃の動きと同期するフィルム押さえ機構を設けてなることを特徴とするフィルムの切断方法。
【0012】
(4)前記フィルム押さえ機構は、フィルムストリッパーと、該フィルムストリッパーの下面に固着されたゴム部材と、上刃の動きと同期して該フィルムストリッパーを上下動するバネとによって構成されることを特徴とする(3)記載のフィルムの切断方法。
【0013】
(5)支持体上に少なくとも画像形成層と保護層を有するフィルムを搬送する過程で、上刃と下刃とを備えたカット機で切断するフィルムの切断方法において、
前記下刃の上部に位置するフィルムの上部に、前記フィルムを固定する吸引手段を有することを特徴とするフィルムの切断方法。
【0014】
(6)支持体上に少なくとも画像形成層と保護層を有するフィルムを搬送する過程で、上刃と下刃とを備えたカット機で切断するフィルムの切断方法において、
前記下刃の上部に位置するフィルムの上部に、前記フィルムを固定するエアーブロー手段を有することを特徴とするフィルムの切断方法。
【0015】
(7)支持体上に少なくとも画像形成層と保護層を有するフィルムを搬送する過程で、上刃と下刃とを備えたカット機で切断するフィルムの切断方法において、
前記下刃の刃先を斜めに切り欠くことを特徴とするフィルムの切断方法。
【0016】
(8)前記下刃の刃先の切り欠き角度が、水平方向に対して3〜10°の範囲であることを特徴とする(7)記載のフィルムの切断方法。
【0017】
(9)支持体上に少なくとも画像形成層と保護層を有するフィルムを搬送する過程で、上刃と下刃とを備えたカット機で切断するフィルムの切断方法において、
前記フィルムの下面にエアーの層を形成することを特徴とするフィルムの切断方法。
【0018】
(10)支持体上に少なくとも画像形成層と保護層を有するフィルムを搬送する過程で、上刃と下刃とを備えたカット機で切断するフィルムの切断方法において、
前記上刃及び又は下刃の刃先を30〜50℃に加熱することを特徴とするフィルムの切断方法。
【0019】
(11)支持体上に少なくとも画像形成層と保護層を有するフィルムを搬送する過程で、上刃と下刃とを備えたカット機で切断するフィルムの切断方法において、
前記上刃と下刃の刃先面粗度を0.4〜0.1μmの範囲とすることを特徴とするフィルムの切断方法。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0021】
(第1の態様)
図1は、本発明に係るフィルムの切断方法の第1の態様を示す正面図であり、1は支持体上に少なくとも画像形成層と保護層を有するフィルムである。
【0022】
2は上刃、3は下刃であり、本発明のカット機は上刃2と下刃3によって構成され、例えばオシレートカット機を用いることができる。
【0023】
4は前記フィルム1を上方から支持してカット機に搬入する上ガイドであり、5は前記フィルム1を下方から支持してカット機に搬入する下ガイドであり、上ガイド4と下ガイド5はフィルム1を介して対向して配置されている。
【0024】
下ガイド5は下刃3の後方(搬送方向は図面の左から右に向かう方向であり、図面の左側を後方、右側を前方とし、フィルムは後方から前方に向かう)に近接して設けられる。
【0025】
下ガイド5の上面には、衝撃吸収部材50が固着されており、上ガイド4の下面には衝撃吸収部材40が固着されている。衝撃吸収部材40、50としては、布様のビロード、ゴム、不織布等が用いられる。衝撃吸収部材40、50の厚みは1mm程度が好ましい。衝撃吸収部材40、50を設けると、フィルムのスリキズを防止する上で好ましい。なお、本態様では、衝撃吸収部材は下ガイド5の上面、上ガイド4の下面のいずれか一方に設けるだけでもよいが、スリキズに起因する問題は改善されるが、両方に設ける方がより好ましい。
【0026】
この態様では、上ガイド4はフィルム角度が3°以下を保つ高さに設定される。フィルム角度は、図2に示すように、下刃3の先端の上部に位置するフィルム1の部位(支点Aと称する)から、衝撃吸収部材40に最初に接する部位Bに向かうフィルム(図面では破線で示されるフィルム)の傾斜角度αである。
【0027】
かかる傾斜角度は、下刃3の刃先から上ガイド4までの長さbと、上ガイド4の設置高さ位置によって調整できる。
【0028】
本発明では傾斜角度を3°以下に保つようにすることにより、斜め切りを防止し、保護層の膜剥がれを防止できる。
【0029】
また、本態様では下ガイド5のフィルム1に対する相対高さが0.2mm以上に設定されることが必要である。相対高さは図2の態様では、下ガイド5の衝撃吸収部材50の上面とフィルム1(破線で示されるフィルム)の下面の距離aであり、かかる距離の設定により、フィルム1が下刃3より上を搬送されるので、フィルム1が刃先と擦れてスリキズとならない効果がある。
【0030】
以上のように、本発明では、上記のように設定することにより、すなわち、上ガイド4の高さ位置及び下刃3との距離が設定される(結局フィルム角度が設定される)ので、斜め切りを防止して保護層膜剥がれを防止でき、下ガイド5の位置が設定されることでスリキズを防止できる。
【0031】
(第2の態様)
図3は、本発明に係るフィルムの切断方法の第2の態様を示す正面図であり、オシレートカット機で切断する場合において、同図の左側は待機状態を示し、右側はカット時の状態を示している。
【0032】
同図において、上刃2は図示しない駆動手段によって上下動する駆動板21に固定されている。6は上刃2の動きと同期するフィルム押さえ機構であり、フィルムストリッパー60と、該フィルムストリッパー60の下面に固着されたゴム部材61と、上刃2の動きと同期して上下動するバネ62によって構成されている。フィルム押さえ機構6は、下刃3の上部に位置するフィルム1の上方に設けられる。
【0033】
図面左側は、上刃2が待機状態にあり、フィルム押さえ機構6も待機状態にある状態が示されている。フィルムをカットする際には、オシレートカット機構(図示せず)が作動し、上刃2が図面右側に示すように下降し、それに同期してフィルム押さえ機構6も下降し、下刃3の上部のフィルムを押さえ付ける。
【0034】
かかるフィルム押さえ機構6を設けると、切断時のクリアランスによる回転モーメントを打ち消し、斜め切りを防止できる。即ち、フィルムにはカールがあるため、切断時に回転モーメントがかかりやすい状態になっているが、本態様ではかかる回転モーメントを打ち消し、斜め切りを防止できる。
【0035】
またゴム部材61の存在によりフィルムのスリキズの発生を防止できる。ゴムとしては例えばウレタンゴムなどを使用できる。なお、フィルム押さえ機構6を上刃2の動きと同期させる手段は特に限定されない。
【0036】
(第3の態様)
図4は、本発明に係るフィルムの切断方法の第3の態様を示す要部断面図であり、図において、7はフィルム1を固定する吸引手段である。
【0037】
吸引手段7は、底面が平らに形成された容器状の吸引チャンバ70を備え、底面には、複数の細孔71が形成されている。吸引チャンバ70の上部には図示しない吸引機(真空ポンプなど)に接続される吸引ノズル72が設けられている。
【0038】
フィルム1を固定する吸引手段として、容器状の吸引チャンバ70を備えることにより、切断時のクリアランスによる回転モーメントを打ち消し、斜め切りを防止し、保護層の膜剥がれを防止できる。
【0039】
(第4の態様)
図5は、本発明に係るフィルムの切断方法の第4の態様を示す要部断面図であり、図において、8はフィルム1を固定するエアーブロー手段である。
【0040】
エアーブロー手段8は、底面が平らに形成された容器状の空気チャンバ80を備え、底面には、複数の細孔81が形成されている。空気チャンバ80の上部には図示しない空気供給機(コンプレッサーなど)に接続される空気ノズル82が設けられている。
【0041】
エアーブロー手段8として、容器状の空気チャンバ80を備えることにより、切断時のクリアランスによる回転モーメントを打ち消し、斜め切りを防止し、保護層の膜剥がれを防止できる。
【0042】
(第5の態様)
図6は、本発明に係るフィルムの切断方法の第5の態様を示す要部説明図であり、図において、下刃3は刃先が斜めに切り欠かかれている。斜めの切り欠きを設けると、斜めになってしまうフィルムに対して、刃先がはじめから斜めに形成してあるので、回転モーメントを受けがたく、その結果、斜め切りを防止でき、保護層の膜剥がれを防止できる。
【0043】
刃先の切り欠き角度βは、水平方向に対して3〜10°の範囲であることが好ましい。より効果的に斜め切りを防止できるからである。
【0044】
(第6の態様)
図7は、本発明に係るフィルムの切断方法の第6の態様を示す説明図であり、同図に示す態様は、フィルム1の下面にエアー層9を形成するものである。
【0045】
エアー層9を形成する手段は、図示しないが、搬送経路の両側、図面上では手間側と奥側の一方又は両方からエアーを噴出し、エアーカーテンを作る手法と同様の手法を採用できる。
【0046】
エアー層9を設けることにより、斜め切り防止が可能となり、また搬送時の擦り傷を防止できる。
【0047】
(第7の態様)
第7の態様は、上刃及び又は下刃の刃先を30〜50℃、好ましくは35〜45℃に加熱することである。この態様において、加熱手段は特に限定されない。
【0048】
刃先の加熱により、保護層の延び性を上げ、引っ張られてもちぎれないようし、保護層膜剥がれを防止できる。
【0049】
(第8の態様)
第8の態様は、上刃と下刃の刃先面粗度Raを0.4〜0.1μmの範囲に規定することである。
【0050】
刃先面粗度は、JIS B 0601−1976の測定法に従った値である。具体的には、断面曲線から基準長さ0.25mmを抜き取り、その部分の最大高さを、接触式の表面粗さ計で10μm以下の先端半径のダイヤモンドの触針が、被測定面の凹凸を一定速度でたどる時に生ずる上下動の変位を測定することができる。
【0051】
刃先の鋭さがなく、切れ味が悪いと、切断時間が延び、より回転モーメントを受けやすくなるが、本態様のように、上刃と下刃の刃先面粗度を上記のように規定することにより、刃先は鋭利なため、斜め切りを防止でき、その結果、保護層膜剥がれを防止できる。
【0052】
本発明が適用されるフィルムは、支持体上に少なくとも画像形成層と数μm、例えば2〜3μmの厚さの保護層を有するものであればよいが、本発明においては、支持体上に、有機銀塩、感光性ハロゲン化銀、銀イオンの還元剤を含有する写真構成層が溶剤塗布して形成され、該写真構成層の上部に、少なくとも一層の保護層を有する熱現像感光材料が好ましい。また支持体の他方の側にバッキング層を有する、いわゆる片面感光材料が好ましい。また本発明の熱現像感光材料の写真構成層は、感光性層と非感光性層からなり、感光性層に有機銀塩及び感光性ハロゲン化銀粒子を含有し、非感光性層に還元剤を含有する態様も好ましい。
【0053】
有機銀塩、感光性ハロゲン化銀、銀イオンの還元剤は格別限定されず、写真構成層には、公知の添加剤を含有できる。
【0054】
本発明の熱現像感光材料には種々の添加剤、助剤を添加でき、また、その処理方法及び製造方法においても、公知の各種技術、処理、処方、添加剤とその添加方法を好ましく適用することができ、各種の添加剤は感光性層、非感光性層、又はその他の形成層のいずれに添加しても良い。
【0055】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0056】
実施例1および比較例1−1、1−2、1−3
ロール状に巻かれた熱現像感光材料フィルム(コニカ社製SD−P)を連続搬送し、図1に示した上刃/下刃(90°刃)のダイセット(オシレートカット用)を用いて、シート状に断裁した。
【0057】
上ガイドはフィルム角度が表1に示す角度に設定した。また、下ガイドのフィルムに対する相対高さを表1に示すように設定した。また、上ガイドと下ガイドには衝撃吸収部材として厚さ1mm程度のビロードを貼り付けた。
【0058】
(評価)
(1)保護層の膜剥がれ評価
切断部エッジ表面をレーザ顕微鏡(キーエンス社製「超深度形状測定顕微鏡VK−8500」)を用い、400倍にて観察して以下の評価基準で評価し、その結果を表1に示す。
【0059】
評価基準
〇:保護層膜剥がれが発生していない場合
×:保護層膜剥がれが発生していた場合
【0060】
(2)スリキズ評価
断裁後のフィルムをドライプロ751(コニカ社製)にて現像後、フィルムを観察して以下の評価基準で評価し、その結果を表1に示す。
【0061】
評価基準
〇:線状の白い部分(未現像部分)が発生していない場合
×:線状の白い部分(未現像部分)が発生していた場合
【0062】
【表1】
【0063】
実施例2および比較例2−1、2−2
実施例1において、上ガイド及び下ガイドを用いずに、下刃を、刃先の切り欠き角度βが表2に示すような角度になるように切り欠いたものを用い、同様に断裁した。
【0064】
(評価)
(1)保護層の膜剥がれ評価
実施例1と同様に評価し、その結果を表2に示す。
【0065】
(2)切断面形状
切断部断面をレーザ顕微鏡(キーエンス社製「超深度形状測定顕微鏡VK−8500」)を用い、1000倍にて観察して以下の評価基準で評価し、その結果を表2に示す。
【0066】
評価基準
〇:0.1mm以上の幅の乳剤層の膜剥がれが発生していない場合
×:0.1mm以上の幅の乳剤層の膜剥がれが発生していた場合
【0067】
【表2】
【0068】
実施例3および比較例3−1、3−2
実施例1において、上ガイド及び下ガイドを用いずに、下刃を表3に示す温度に加熱し、同様に断裁した。
【0069】
(評価)
(1)保護層の膜剥がれ評価
実施例1と同様に評価し、その結果を表3に示す。
【0070】
(2)感光
断裁後のフィルムをドライプロ751(コニカ社製)にて現像後、フィルムを観察して以下の評価基準で評価し、その結果を表3に示す。
【0071】
評価基準
〇:断裁部近辺に、黒い部分(かぶり部分)が発生していない場合
×:断裁部近辺に、黒い部分(かぶり部分)が発生していた場合
【0072】
【表3】
【0073】
実施例4および比較例4−1、4−2
実施例1において、上ガイド及び下ガイドを用いずに、上刃と下刃の刃先面粗度Raを表4に示す値に設定し、同様に断裁した。刃先面粗度は、JIS B 0601−1976の測定法に従った値である。
【0074】
(評価)
(1)保護層の膜剥がれ評価
実施例1と同様に評価し、その結果を表4に示す。
【0075】
(2)刃先加工
刃先加工の容易さで評価した。容易な場合は○、困難な場合は困難と表4に表示した。なお、0.1μm以下の刃先加工は非常に困難で、コストがかかってしまう。
【0076】
【表4】
【0077】
【発明の効果】
本発明によれば、スリキズや膜剥がれのないフィルムの切断方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るフィルムの切断方法の第1の態様を示す正面図
【図2】同上の要部説明図
【図3】本発明に係るフィルムの切断方法の第2の態様を示す正面図
【図4】本発明に係るフィルムの切断方法の第3の態様を示す要部断面図
【図5】本発明に係るフィルムの切断方法の第4の態様を示す要部断面図
【図6】本発明に係るフィルムの切断方法の第5の態様を示す要部説明図
【図7】本発明に係るフィルムの切断方法の第6の態様を示す説明図
【符号の説明】
1:フィルム
2:上刃
3:下刃
4:上ガイド
40:衝撃吸収部材
5:下ガイド
50:衝撃吸収部材
6:フィルム押さえ機構
60:フィルムストリッパー
61:ゴム部材
62:バネ
7:吸引手段
70:吸引チャンバ
71:細孔
72:吸引ノズル
8:エアーブロー手段
80:空気チャンバ
81:細孔
82:空気ノズル
9:エアー層
Claims (11)
- 支持体上に少なくとも画像形成層と保護層を有するフィルムを搬送する過程で、上刃と下刃とを備えたカット機で切断するフィルムの切断方法において、
前記フィルムの上下を支持してカット機に搬入する上ガイドと下ガイドを前記下刃の後方に近接して設け、
該上ガイドはフィルム角度が3°以下を保つ高さに設定され、且つ下ガイドのフィルムに対する相対高さが0.2mm以上に設定されることを特徴とするフィルムの切断方法。 - 下ガイドの上面及び又は上ガイドの下面に、衝撃吸収部材を設けたことを特徴とする請求項1記載のフィルムの切断方法。
- 支持体上に少なくとも画像形成層と保護層を有するフィルムを搬送する過程で、上刃と下刃とを備えたカット機で切断するフィルムの切断方法において、
前記下刃の上部に位置するフィルムの上部に、上刃の動きと同期するフィルム押さえ機構を設けてなることを特徴とするフィルムの切断方法。 - 前記フィルム押さえ機構は、フィルムストリッパーと、該フィルムストリッパーの下面に固着されたゴム部材と、上刃の動きと同期して該フィルムストリッパーを上下動するバネとによって構成されることを特徴とする請求項3記載のフィルムの切断方法。
- 支持体上に少なくとも画像形成層と保護層を有するフィルムを搬送する過程で、上刃と下刃とを備えたカット機で切断するフィルムの切断方法において、
前記下刃の上部に位置するフィルムの上部に、前記フィルムを固定する吸引手段を有することを特徴とするフィルムの切断方法。 - 支持体上に少なくとも画像形成層と保護層を有するフィルムを搬送する過程で、上刃と下刃とを備えたカット機で切断するフィルムの切断方法において、
前記下刃の上部に位置するフィルムの上部に、前記フィルムを固定するエアーブロー手段を有することを特徴とするフィルムの切断方法。 - 支持体上に少なくとも画像形成層と保護層を有するフィルムを搬送する過程で、上刃と下刃とを備えたカット機で切断するフィルムの切断方法において、
前記下刃の刃先を斜めに切り欠くことを特徴とするフィルムの切断方法。 - 前記下刃の刃先の切り欠き角度が、水平方向に対して3〜10°の範囲であることを特徴とする請求項7記載のフィルムの切断方法。
- 支持体上に少なくとも画像形成層と保護層を有するフィルムを搬送する過程で、上刃と下刃とを備えたカット機で切断するフィルムの切断方法において、
前記フィルムの下面にエアーの層を形成することを特徴とするフィルムの切断方法。 - 支持体上に少なくとも画像形成層と保護層を有するフィルムを搬送する過程で、上刃と下刃とを備えたカット機で切断するフィルムの切断方法において、
前記上刃及び又は下刃の刃先を30〜50℃に加熱することを特徴とするフィルムの切断方法。 - 支持体上に少なくとも画像形成層と保護層を有するフィルムを搬送する過程で、上刃と下刃とを備えたカット機で切断するフィルムの切断方法において、
前記上刃と下刃の刃先面粗度を0.4〜0.1μmの範囲とすることを特徴とするフィルムの切断方法。
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- 2002-07-25 JP JP2002217258A patent/JP2004058180A/ja active Pending
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